説明

建築板の塗装装置

【課題】側面に上実部と下実部を有する建築板を搬送しながら、該建築板の表面と側面に塗料を塗り残し無く十分に塗布する塗装装置を提供する。
【解決手段】表面に塗料を塗布する塗布装置と、余剰塗料を除去し、塗料液膜を形成する除去装置と、塗料液膜に空気を吹き付けて、該塗料液膜を加圧する加圧装置とを有し、該塗布装置から該除去装置にかけては、該建築板の表面に塗布された塗料が進行方向に対して垂直方向にオーバーフローして、該建築板の上実部の側面と、該上実部の裏面と、該上実部より下方の該建築板の側面とに塗料を塗布し、該除去装置から該加圧装置までの間、該建築板の表面に大気圧以上の圧力がかかっている状態とする建築板の塗装装置。更に、該塗布装置の下方に、該塗布装置から流下される塗料の一部に接触し、一部の塗料の流れ方向を変更して、建築板の側面に塗料を塗布する塗料返し部材を有する塗装装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側面に上実部と下実部を有する建築板を塗装する塗装装置に関するものである。より詳しくは、側面に上実部と下実部を有する建築板を搬送しながら、該建築板の表面全体と、下実部の表面と側面と、該下実部より上方の該建築板の側面と、上実部の側面と裏面と、該上実部より下方の該建築板の側面とに塗料を塗り残しなく十分に塗布するとともに、形成される塗膜の厚さを均一化し、更に、該建築板への塗膜の密着を改善することができる塗装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、建築板には、外観を向上させるために、表面に凹凸による模様が施され、意匠性を持たせることが多い。そして、上記表面に凹凸による模様が施された板には、水の吸収による寸法などの物性の変化を抑えるためや、外観を更に向上させるために、表面や側面に塗料を施すことが通常である。
また、建築板を上下又は左右に配される別の建築板と接合させるために、該建築板の側面は上実部と下実部を有することが多い。図19に、側面に上実部と下実部を有する建築板の一例を示す。図19に示された建築板Aは、表面に突出したブロック状の凸部A11を多数形成しており、それにより表面に凹凸を有する。また、上実部A21と側面A22とを有する側面と、下実部A31と側面A32とを有する側面と、端面A40と、端面A50とからなる。上実部A21は、建築板Aの側面を裏面側から一部切り欠くことにより形成されており、該切り欠きは一側面の全面にわたっているので、上実部A21は一側面の全面にわたって形成されている。また、下実部A31は、建築板Aの上実部A21とは別の側面を表面側から一部切り欠いて形成されており、該切り欠きは一側面の全面にわたっているので、下実部A31も一側面の全面にわたって形成されている。なお、上実部A21を有する側面の切り欠きは、下実部A31よりも大きく形成されている。そのため、建築板Aを建物の外壁に施工する際には、上実部A21を別の建築板の下実部A31と嵌合し、下実部A31を更に別の建築板の上実部A21と嵌合させることにより、複数の建築板Aが一体化し、建物の外壁を構成することができる。
【0003】
上記建築板に塗料を施す装置としては、塗料を付着させた刷毛で撫でて塗装する刷毛塗り装置、回転しているロールコーターの表面の一部を塗料溜の中に漬けてロール表面に塗料を付着させ、ロールを介して塗料を移動させるロールコーター装置、スプレーの先端のノズルから塗料を吹き出させて塗装するスプレー装置、塗料溜の側壁から塗料を膜状に流下させて、該膜状の塗料の中を通過させて塗装するフローコーター装置などがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記刷毛塗り装置は、刷毛を塗料溜に入れて刷毛に塗料を付着させ、該刷毛で塗装を施す建築板の表面と側面とを撫でて塗装する装置であり、該刷毛で該建築板の表面と側面とを均一に撫でること、及び、該建築板を搬送しながら行うことは難しい。また、サイズの大きい建築板や、表面に凹凸による模様が施された建築板では更に難しく、塗装が不十分な箇所が発生し、建築板の物性や外観に影響を及ぼす懸念がある。更に、刷毛を建築板に直接当てると摩耗が激しいので変形しやすく、直ぐに交換が必要である。
【0005】
ロールコーター装置は、ロールに付着した塗料を、建築板のロールに接した部分に移動させるので、塗装を施す建築板を搬送しながら行うことは可能である。また、表面が平滑な建築板の場合には塗料が移動し、十分な塗装が得られる。しかし、表面に凹凸による模様が施された建築板では、凹部がロールに接することができないので、凹部に塗料を移動させることができず、塗装が施されない箇所が発生し、該建築板の物性や外観に影響を及ぼす懸念がある。また、実部を有する側面も凹凸形状であるので、全体にロールを接することができず、塗装が施されない箇所が発生し、該建築板の物性や外観に影響を及ぼす懸念がある。更に、建築板の表面と側面とを同時に塗装することはできない。
【0006】
スプレー装置は、塗料を建築板の表面に吹き付けるので、塗装を施す建築板を搬送しながら行うことは可能であり、表面に凹凸による模様が施された建築板でも塗装ができる。しかし、凹部と凸部では塗料の塗布量が異なり、凹凸の斜面には塗料が十分に塗布されない、凹部に塗料が溜まるなどの問題が発生し、建築板の物性や外観に影響を及ぼす懸念がある。また、建築板の実部を有する側面を塗装するには、建築板の斜め下方から実部に向かって塗料を吹き付けるスプレー装置があるが、塗料を下方から吹き付けるので塗料の塗着が悪い、スプレーが詰まりやすいなどの懸念がある。別の装置として、建築板を上下逆にして該実部に塗料を吹き付けるスプレー装置もあるが、建築板を上下逆にする装置が必要になり効率が悪い、実部の形状によっては実部の奥まで塗料が届かず、塗装が施されない箇所が発生するなどの懸念がある。
【0007】
フローコーター装置は、表面が平滑な建築板の場合には塗料を均一に塗布できる。しかし、建築板を搬送しながらフローコーター装置により塗料を塗布すると、表面に凹凸による模様が施された板では、搬送の進行方向側に設けられた凹凸の斜面には塗料が塗布されるが、搬送の進行方向とは逆側に設けられた凹凸の斜面には塗料が塗布されず、塗装が施されない箇所が発生し、建築板の物性や外観に影響を及ぼす懸念がある。また、建築板の実部を有する側面を塗装するには、建築板を上下逆にして膜状の塗料の中を通過させるのだが、建築板を上下逆にする装置が必要になり効率が悪い、実部の形状によっては実部の奥まで塗料が届かず、塗装が施されない箇所が発生するなどの懸念がある。
【0008】
建築板の表面に塗り残し無く塗料を塗布するために、スプレー装置、フローコーター装置などを用いて建築板の表面に大量の塗料を塗布することが考えられる。しかし、塗料を大量に塗布すると、塗料液膜に泡が発生する、表面の凹部に塗料が溜まるなどの別の懸念が発生する。表面の凹部に塗料が溜まると、乾燥工程において発泡や塗膜ムラなどが発生し、製品の品質や外観が低下するので、建築板に塗料を塗布する装置において、塗布能力を設定する必要がある。
特許文献1には、建築板の表面にフローコーター装置により塗料を塗布した後、該表面の移動方向の後方からエアーを吹き付ける装置が開示されており、塗布された塗料に発生した泡を解消することができる。しかし、該装置で吹き付けられるエアーは、塗布された塗料に発生した泡を破泡させるための吹きつけであり、該表面に塗布された塗料の塗布量を調整するものではなく、該建築板の表面の凹部に塗料が溜まる恐れは解決されない。また、該装置では、上実部と下実部を有する側面全体、特に、上実部の裏面と、該上実部より下方の建築板の側面に塗り残し無く塗料を塗布することは困難である。
【特許文献1】特開平10−202158号公報
【0009】
本発明は、かかる現情に鑑みてなされたものであり、側面に上実部と下実部を有する建築板であっても、搬送しながら、該建築板の表面と側面に塗料を塗り残しなく十分に塗布するとともに、形成される塗膜の厚さを均一化し、更に、該建築板への塗膜の密着を改善することができる塗装装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本請求項1に記載の発明は、側面に上実部と下実部を有する建築板を、表面を上側にして搬送しながら、該建築板の表面と側面に塗装を施す塗装装置であり、該建築板の表面に塗料を塗布する塗布装置と、該建築板の表面と側面に塗布された余剰塗料を除去し、塗料液膜を形成する除去装置と、該建築板の表面と側面の塗料液膜に空気を吹き付けて、該塗料液膜を加圧する加圧装置とを有し、該塗布装置は、該建築板の表面に塗料を400〜2200g/m塗布し、該塗布装置から該除去装置にかけては、該建築板の表面に塗布された塗料が進行方向に対して垂直方向にオーバーフローして、該建築板の上実部の側面と、該上実部の裏面と、該上実部より下方の該建築板の側面とに塗料を塗布し、該加圧装置は、該建築板の横幅よりも広い横幅で、該建築板の表面と側面を覆うことができる空気吹き出し口から、該建築板の表面と側面に向かって空気を吹き出し、該除去装置の後に、該加圧装置が設けてあり、該除去装置から該加圧装置までの間、該建築板の表面に大気圧以上の圧力がかかっている状態とすることを特徴とする建築板の塗装装置である。
本発明の塗布装置は、スプレー装置、フローコーター装置、搬送ラインの上方に貯留タンクを設け、該貯留タンクから大量の塗料を自重落下させて、建築板の表面に大量の塗料を塗布する装置、ノズルの塗料噴射口の下方に該塗料噴射口と対面し、湾曲した塗料受液面を設け、ノズルから低圧で大量の塗料を噴射し、該塗料受液面で拡散させて、建築板の表面に大量の塗料を塗布する装置などを適用することができる。なお、400g/m以上の塗布量であれば、建築板の表面に複雑な凹凸模様が形成されていたとしても表面全体に塗料を十分に塗布することが可能であり、また、2200g/mより多い塗布量であっても、2200g/mの場合と比較して効果が上がるわけではなく、膨大な塗料が必要になる、設備費が高くなる、該建築板の表面に塗布された余剰塗料を除去する除去装置において除去される塗料の量が多くなり非効率であるなどのデメリットが発生するので、本発明の塗布装置は、建築板の表面に400〜2200g/m塗料を塗布できる装置である。建築板の表面に400〜2200g/mと過剰な量の塗料を塗布することで、該建築板の表面全体に十分に該塗料を塗布することができるとともに、該建築板に該塗料が十分に浸透し、塗装後の建築板は水を吸いにくくなる。また、表面に塗布された余剰塗料は、進行方向に対して垂直方向にオーバーフローしやすくなる。
除去装置は、高圧のエアーを吹き付けるエアーナイフを適用することができる。除去装置により、建築板の表面と側面にある大量の余剰塗料が移動し、除去されることとなり、該建築板の表面と側面が塗り残し無く均一に塗装される。建築板の表面が凹凸模様を有すると、凸部の斜面下端付近に塗料が溜まりやすいが、除去装置により余剰塗料を除去するので、凸部の斜面下端付近に塗料が溜まることがなく、建築板の表面全体は均一に塗装される。また、下実部の端部付近にも塗料が溜まりやすいが、除去装置により余剰塗料を除去するので、塗料が溜まることがなく、建築板の側面全体も均一に塗装される。なお、塗布された塗料に泡が発生したとしても、除去装置により泡が破泡されるとともに、余剰塗料が除去されるので、塗料液膜は均一となる。よって、本発明は、建築板の表面に塗料を過剰に塗布し、その後に余剰塗料を除去するので、該建築板の表面と側面に塗料を塗り残し無く十分に塗布するとともに、該建築板の表面と側面に形成される塗料液膜の厚さを均一化することができる。なお、除去装置により余剰塗料を除去した後の建築板の表面における塗料の量が40g/mより少ないと、塗装後の該建築板の耐水性、耐候性等の物性に悪影響を及ぼす恐れがあり、200g/mより多いと、塗膜が厚くなりすぎて乾燥に時間がかかるなどの悪影響を及ぼす恐れがあるので、除去装置は、該建築板の表面の塗料の量を40〜200g/mとすることができる装置を適用することが好ましい。
なお、塗布装置から除去装置にかけて、建築板の表面に塗布された塗料が進行方向に対して垂直方向にオーバーフローして、該建築板の上実部の側面と、該上実部の裏面と、該上実部より下方の該建築板の側面とを塗布することは、該塗布装置により該建築板の表面に塗料が400〜2200g/mと過剰に塗布されることと、該建築板は停止することなく搬送されることと、該除去装置により余剰塗料が除去されることにより行われる。すなわち、塗布装置により、該建築板の表面には過剰に塗料が塗布されているので、余剰塗料の一部は進行方向に対して垂直方向にオーバーフローするのだが、オーバーフローした塗料は該建築板の側面に沿って流下しやすく、該建築板の上実部の側面と、該上実部の裏面と、該上実部より下方の該建築板の側面とに塗料を塗布することができる。また、除去装置により、建築板の表面と側面にある大量の余剰塗料が移動するので、移動した余剰塗料が進行方向に対して垂直方向にオーバーフローすることとなり、該建築板の上実部の側面と、該上実部の裏面と、該上実部より下方の該建築板の側面とに塗料を塗布することができる。
更に、除去装置の後に設けられた加圧装置は、建築板の横幅よりも広い横幅で、該建築板の表面と側面を覆うことができる空気吹き出し口を有するとともに、該空気吹き出し口が該建築板の表面と側面を覆った状態で、該空気吹き出し口から空気を吹き付けるので、該建築板の表面と側面に確実に空気を吹き付けることができる。また、除去装置により余剰塗料が飛散しやすいが、空気吹き出し口により建築板の表面と側面を覆うので、該建築板の表面と側面に飛散した塗料が付着することを防ぐことができる。
そして、除去装置から加圧装置までの間、建築板の表面に大気圧以上の圧力がかかっている状態とするので、塗料は該建築板の表面内部方向へ押圧され、該建築板の表面に浸透するとともに、該建築板の表面にある微細な凹凸を埋めるので、該建築板の表面に形成された塗料液膜の厚さを更に均一にするとともに、該建築板への塗料の密着が改善される。
【0011】
本請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の塗装装置であり、前記除去装置は、前記建築板の表面の塗料の量を40〜200g/mとすることを特徴とする建築板の塗装装置である。
本発明において、除去装置は、建築板の表面の塗料の量を40〜200g/mとするので、大量の余剰塗料が該建築板の表面と側面を移動し、除去されることとなり、該建築板の表面と側面が塗り残し無く均一に塗装される。なお、建築板の表面の塗料の量が40〜200g/mとするのは、塗料の量が40g/mより少ないと、塗装後の該建築板の耐水性、耐候性等の物性に悪影響を及ぼす恐れがあり、200g/mより多いと、塗膜が厚くなりすぎて乾燥に時間がかかるなどの悪影響を及ぼす恐れがあるためである。
【0012】
本請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の塗装装置であり、前記塗布装置の下方に、該塗布装置から流下される塗料の一部に接触し、一部の塗料の流れ方向を変更して、該建築板の側面に塗料を塗布する塗料返し部材を有することを特徴とする建築板の塗装装置である。
塗料返し部材は、ガルバリウム鋼板、ガルタイト鋼板、アルミ鋼板、ステンレス鋼板、合金めっき鋼板、トタン、銅板などの金属板や、アクリル樹脂板、ウレタン樹脂板などの樹脂板、ポリブタジエン系、ブタジエン・アクリロニトリル系、クロロプレン系のゴムなどを使用することができる。金属板をフッ素樹脂で被覆したものを使用すると、強度が強く、錆びにくいので望ましい。また、塗料返し部材の大きさに制限はないが、縦は50〜150mm、横は10〜300mm程度が好ましく、かつ、形状は、一枚の板を横方向に折り曲げた形状や、一枚の板を断面J字状とした形状などがある。更に、塗料返し部材は、建築板の表面へ塗布するために流下させた塗料と接触可能であり、かつ、該建築板の実部との距離が、最も近い部分で5〜50mmとなるように設けることが好ましい。塗料返し部材と建築板の実部との距離を5mmより小さくすると、塗装を施す建築板の搬送位置は、搬送中に若干ずれることがあるので、塗料返し部材と建築板とが接触して、塗装できなくなる上に、塗料返し部材と建築板を破損してしまうトラブルが発生する懸念があり、塗料返し部材と建築板の実部との距離を50mmより大きくすると、塗料返し部材を設けた効果が十分に発揮されない。
本発明において、塗布装置の下方に、該塗布装置から流下される塗料の一部に接触し、一部の塗料の流れ方向を変更して、該建築板の側面に塗料を塗布する塗料返し部材を有するので、該側面に、確実に十分な量の塗料が施され、該側面を塗り残しなく十分に塗装することができる。特に、建築板の上実部の裏面と、該上実部より下方の該建築板の側面を、塗り残しなく十分に塗装することができる。
【0013】
本請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の塗装装置であり、更に、前記除去装置の後に、前記建築板の外側から該建築板の実部に向かって空気を吹き付け、塗料を拡がらせる空気吹き付け装置を有することを特徴とする建築板の塗装装置である。
本発明において、除去装置の後に、建築板の外側から該建築板の実部に向かって空気を吹き付け、塗料を拡がらせる空気吹き付け装置を有するので、該建築板の実部を含む側面全体、特に上実部の裏面と該上実部よりも下方にある側面の塗料が全体に拡がり、該建築板の側面を塗り残しなく十分に塗装することができるとともに、塗料液膜の厚さを均一にすることができる。
【0014】
本請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の塗装装置であり、更に、前記建築板の裏面を減圧する減圧装置を有し、該減圧装置を前記加圧装置の下方で、かつ、該建築板の搬送位置よりも下方に備えることを特徴とする建築板の塗装装置である。
減圧装置は、建築板の搬送ラインにおいて、加圧装置の下方で、かつ、搬送される該建築板の搬送位置よりも下方に備えられており、搬送される該建築板の下方の空気を吸い込むことにより該建築板の裏面を減圧する。
本発明において、加圧装置により建築板の表面の塗料に空気が吹き付けられるとともに、減圧装置により該建築板の裏面が減圧されるので、塗料は該建築板の表面内部方向へ押圧されるとともに裏面側へ引っ張られ、該建築板の表面にある微細な凹凸を更に埋めやすくなり、該建築板の表面に形成された塗料液膜の厚さを更に均一にするとともに、該建築板への塗料の密着が更に改善される。
【0015】
本請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の塗装装置であり、前記加圧装置の作業距離は、前記減圧装置の作業距離よりも長いことを特徴とする建築板の塗装装置である。
前述したとおり、加圧装置は、建築板の横幅よりも広い横幅で、該建築板の表面を覆うことができる空気吹き出し口を有する。本発明において、加圧装置の作業距離は、減圧装置の作業距離よりも長いので、該減圧装置は、加圧装置の空気吹き出し口により上方が覆われた状態で作動することとなり、減圧する際の空気の吸い込みが安定する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の塗装装置によれば、側面に上実部と下実部を有する建築板を搬送しながら、該建築板の表面と側面に塗料を塗り残し無く十分に塗布するとともに、該建築板の表面と側面に形成される塗膜の厚さを均一化することができる。また、表面に凹凸を有する建築板であっても、搬送しながら、該建築板の表面と側面に塗料を塗り残し無く十分に塗布するとともに、塗料溜まりを発生させることなく、該建築板の表面と側面に形成される塗膜の厚さを均一化することができる。更に、該建築板への塗膜の密着を改善することができる、該建築板の表面と側面に、余剰塗料を除去する工程により飛散した塗料が付着することを防ぐことができる、該建築板の表面全体に塗料が十分に浸透し、水を吸いにくい建築板を得られるという効果も奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、初めに本発明の塗装装置を備えた設備の一例を説明し、次に該設備を用いた塗装方法を説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は本発明の塗装装置を備えた設備の一例を示した側方断面図であり、図2は図1に示した設備のa−a’線の断面を上方側から見た断面図である。
図1に示された設備では、図19に示した建築板Aが、表面を上側にして搬送ライン上に置かれ、搬送ローラー1を矢印X方向に回転させることにより、建築板Aを搬送ライン上を矢印Y方向に搬送することができる。なお、建築板Aは表面に凸部A11を有し、縦3030mm、横463mmの大きさであり、進行方向に対して垂直側の幅が463mmとなるように搬送される。
搬送ラインには、筺体の塗装装置C1が設けられており、建築板Aは表面を上側にして塗装装置C1の内部を通過する。塗装装置C1は、内部にスプレー10と、エアーナイフ20と、空気吹付室30と、塗料回収室40と、減圧室50とを備える。塗装装置C1において、搬送ラインの上方には、搬入口側から搬出側に向かってスプレー10、エアーナイフ20、空気吹付室30が設けてあり、スプレー10とエアーナイフ20の間は壁71により区画されている。一方、塗装装置C1において、搬送ラインの下方には、搬入口側から搬出側に向かって塗料回収室40と、減圧室50とが設けてあり、塗料回収室40と減圧室50の間は壁72により区画されている。なお、塗装装置C1が筺体であるのは、塗料が外部に飛散することを防ぐためである。
スプレー10は、建築板Aの表面に塗料Bを塗布する塗布装置であり、供給された塗料Bを、ノズルから噴射することができる。本設備においては、建築板Aがスプレー10の下方を通過する際に、ノズルから塗料Bを噴射して、建築板Aの表面に塗料Bを塗布量400〜2200g/mとなるよう塗布し、建築板Aの表面に塗料Bを十分に塗布することができる。また、スプレー10は建築板Aの下実部A31を有する側面に塗料Bを塗布することもできる。
スプレー10は建築板Aの表面への塗料Bの塗布量を400〜2200g/mと過剰に塗布するので、余剰塗料は進行方向に対して垂直方向にオーバーフローし、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方の側面A22と、下実部31の側面に塗料Bを塗布することができる。
エアーナイフ20は建築板Aの表面と側面に塗布された余剰塗料を除去し、塗料液膜を形成する除去装置であり、ブロアー室61からエアー分配室62を介して空気が供給されるようになされており、エアーナイフ20の先端ノズルから高圧の空気を吹き付けることができる。本設備においては、表面と側面に塗料Bが塗布された建築板Aがエアーナイフ20の下方を通過する際に、先端ノズルから空気を吹き付け、建築板Aの表面と側面の余剰塗料を空気により除去し、建築板Aの表面の塗料Bの量を40〜200g/mとすることができるとともに、凸部A11の斜面下端付近や下実部A31の端部付近に塗料Bが過剰に溜まることなく、厚さが均一な塗料液膜を形成することができる。なお、図2に示すように、エアーナイフ20の進行方向に対して垂直側の幅は、建築板Aの進行方向に対して垂直側の幅よりも広く、エアーナイフ20は、建築板Aを、進行方向に対して斜めに横断する状態となるように設置されているので、建築板Aへの空気の吹き付けが、進行方向に対して斜めに横断した状態で行われる。この状態で高圧の空気を吹き付けると、建築板Aの表面にある余剰塗料は、建築板Aを斜めに横断して最後には建築板Aの上実部A21の端部からオーバーフローすることとなり、確実に余剰塗料を除去し、塗料液膜を形成することができるとともに、エアーナイフ20により建築板Aの上実部A21の端部からオーバーフローした余剰塗料が、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方の建築板Aの側面A22とを塗布することができる。また、建築板Aに塗り残しや塗料Bの量が他よりも少ない部分があった場合には、余剰塗料により塗料が補充され、厚さが均一な塗料液膜を形成することができる。更に、下実部A31を有する側面、及び上実部A21の側面にある余剰塗料もエアーナイフ20により空気が吹き付けられるので、実部を有する側面についても、余剰塗料を除去し、塗料液膜を形成することができる。
なお、スプレー10とエアーナイフ20の間は壁71により区画されており、エアーナイフ20から吹き出された空気やエアーナイフ20により飛散した塗料Bがスプレー10に影響を与えることを防いでいる。
空気吹付室30は建築板Aの表面と側面の塗料液膜に空気を吹き付ける加圧装置であり、空気吹き出し口31と、整流板32とを備えており、ブロアー室61からエアー分配室62を介して空気が供給されるようになされており、空気吹き出し口31より空気を吹き出すことができる。空気吹き出し口31より吹き出される空気は、整流板32により整流されるので、空気吹き出し口31の全体から空気を吹き出すことができる。空気吹き出し口31の進行方向に対して垂直側の幅は、図2に示すように、建築板Aの進行方向に対して垂直側の幅よりも広く、かつ、図1に示すように、建築板Aの側面をも覆っている。この状態で空気吹き出し口31より空気を吹き出すと、建築板Aの表面全体と下実部A31を有する側面に確実に空気を吹き付けることができるとともに、建築板Aの表面と側面に、エアーナイフ20により飛散した塗料Bが付着することを防ぐことができる。本設備においては、エアーナイフ20により余剰塗料が除去され、塗料液膜が形成された建築板Aが空気吹付室30の下方を通過する際に、空気吹き出し口31から空気を吹き付けることができる。この空気吹付室30の空気吹き付けにより、塗料Bは建築板Aの表面内部方向へ押圧されることとなり、建築板Aの表面にある微細な凹凸を埋めるので、建築板Aの表面に形成された塗料液膜の厚さを更に均一にするとともに、建築板Aへの塗料Bの密着が改善される。なお、空気吹付室30はエアーナイフ20よりも搬出口側に設けられているので、空気吹き出し口31の先端は、エアーナイフ20の設置状態に沿って、建築板Aを斜めに横断した形状となっている。また、空気吹き出し口31の前端部には断面L字形状のアングル33を有する。このアングル33を有することにより、エアーナイフ20により除去され飛散した塗料Bが空気吹付室30に、特に空気吹き出し口31の上面に付着したとしても、付着した塗料Bはアングル33に沿って横方向に流れ、空気吹き出し口31の横端部から落ちるので、前端部から垂れて建築板の表面に付着することを防ぐことができ、建築板Aの外観を損なわない。
なお、エアーナイフ20と空気吹付室30の間には若干の隙間があるが、本設備において、エアーナイフ20と空気吹付室30は1つの筺体の1区画内にあり、エアーナイフ20と空気吹付室30のどちらも建築板Aの表面を加圧しているので、同区画内は全体として加圧状態にあり、建築板Aの表面は、エアーナイフ20から空気吹付室30へ搬送される間も大気圧以上の圧力がかかった状態にある。
塗料回収室40はスプレー10から噴射されたが建築板Aに塗布されなかった塗料B、及び、建築板Aの表面からオーバーフローしたが実部を有する側面に塗着しなかった塗料B、エアーナイフ20により除去された塗料Bを回収する装置である。回収された塗料Bは金網(図示せず)により濾過し、ポンプ41により再びスプレー10に供給される。
減圧室50は建築板Aの裏面を減圧する減圧装置であり、減圧室50内の空気をブロアー室61へ送ることにより減圧室50内を減圧して、建築板Aの裏面を減圧することができる。本設備においては、建築板Aが減圧室50の上方を通過する際に、減圧室50内の空気をブロアー室61へ送ることにより減圧室50内を減圧して、建築板Aの裏面を減圧する。減圧室50は空気吹付室30の下方にあるので、塗料Bは建築板Aの表面内部方向へ押圧されるとともに裏面側へ引っ張られるので、建築板Aの表面にある微細な凹凸を更に埋めやすくなり、建築板Aの表面に形成された塗料液膜の厚さを更に均一にするとともに、建築板Aへの塗料Bの密着が更に改善される。また、減圧室50は空気吹き出し口31により上方の一部が常に覆われた状態なので、減圧する際の空気の吸い込みが安定する。
【0019】
次に、図1、2に示した設備を用いた塗装方法を説明する。
まず、搬送ローラー1を矢印X方向に回転させることにより、図19に示す建築板Aを、表面を上側にして搬送ライン上を矢印Y方向に搬送し、建築板Aがスプレー10の下方を通過する際に、スプレー10のノズルから塗料Bを噴射し、建築板Aの表面と下実部A31を有する側面に塗料Bを塗布する。なお、建築板Aの表面への塗料Bの塗布量は、400〜2200g/mとなるよう塗布する。このスプレー10による塗料Bの塗布により、建築板Aの表面と下実部A31を有する側面に塗料Bを十分に塗布することができる。なお、スプレー10から噴射されたが建築板Aに塗布されなかった塗料Bは、塗料回収室40に回収する。
そして、建築板Aの表面への塗料Bの塗布量が400〜2200g/mと過剰なので、余剰塗料は進行方向に対して垂直方向にオーバーフローし、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方の側面A22と、下実部31の側面に塗料Bが塗布される。なお、建築板Aの表面からオーバーフローしたが実部を有する側面に塗着しなかった塗料Bは、塗料回収室40に回収する。
続いて、表面と側面に塗料Bが塗布された建築板Aがエアーナイフ20の下方を通過する際に、エアーナイフ20の先端ノズルから空気を吹き付け、建築板Aの表面と側面の余剰塗料を空気により除去し、建築板Aの表面の塗料Bの量を40〜200g/mとするとともに、凸部A11の斜面下端付近に塗料Bが過剰に溜まることなく、建築板Aの表面に厚さが均一な塗料液膜を形成する。前述したとおり、エアーナイフ20の進行方向に対して垂直側の幅は、建築板Aの進行方向に対して垂直側の幅よりも広く、エアーナイフ20は、建築板Aを、進行方向に対して斜めに横断する状態となるように設置されており、建築板Aへの空気の吹き付けが、進行方向に対して斜めに横断した状態で行われるので、余剰塗料は建築板Aを斜めに横断して最後には建築板Aの上実部A21の端部から落ちることとなり、確実に余剰塗料が除去され、厚さが均一な塗料液膜が形成されるとともに、エアーナイフ20により建築板Aの上実部A21の端部からオーバーフローした余剰塗料が、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方の建築板Aの側面A22とを塗布する。また、建築板Aに塗り残しや塗料Bの量が他よりも少ない部分があった場合には、余剰塗料により塗料が補充され、厚さが均一な塗料液膜が形成される。更に、下実部A31を有する側面、及び上実部A21の側面にある余剰塗料もエアーナイフ20により空気が吹き付けられるので、実部を有する側面についても、余剰塗料を除去し、塗料液膜を形成することができる。なお、エアーナイフ20により除去された塗料Bは、塗料回収室40に回収する。
更に、エアーナイフ20により余剰塗料が除去され、塗料液膜が形成された建築板Aが空気吹付室30の下方を通過する際に、空気吹き出し口31から空気を吹き付ける。前述したとおり、空気吹き出し口31より吹き出される空気は、整流板32により整流され、空気吹き出し口31の全体から空気が吹き出されており、空気吹き出し口31の進行方向に対して垂直側の幅は、建築板Aの進行方向に対して垂直側の幅よりも広く、かつ、建築板Aの実部を有する側面をも覆っているので、建築板Aの表面と側面に、エアーナイフ20により飛散した塗料Bが付着することを防ぐとともに、建築板Aの表面全体と下実部A31を有する側面に確実に空気を吹き付けられる。この空気の吹きつけにより、塗料Bは建築板Aの表面内部方向へ押圧されることとなり、建築板Aの表面にある微細な凹凸を埋めるので、建築板Aの表面に形成された塗料液膜の厚さを更に均一にするとともに、建築板Aへの塗料Bの密着が改善される。
更に、建築板Aが減圧室50の上方を通過する際に、減圧室50内の空気をブロアー室61へ送ることにより減圧室50内を減圧して、建築板Aの裏面を減圧する。前述したように、減圧室50は空気吹付室30の下方にあるので、塗料Bは建築板Aの表面内部方向へ押圧されるとともに裏面側へ引っ張られるので、建築板Aの表面にある微細な凹凸を更に埋めやすくなり、建築板Aの表面に形成された塗料液膜の厚さを更に均一にするとともに、建築板Aへの塗料Bの密着が更に改善される。また、減圧室50は空気吹き出し口31により上方の一部が常に覆われた状態なので、減圧する際の空気の吸い込みが安定する。
【0020】
更に、本発明の塗装装置を備えた設備の別の一例を示す。
図3は本発明の塗装装置を備えた設備の別の一例を示した側方断面図であり、図4は図3に示した設備のa−a’線の断面を上方側から見た断面図であり、図5は図3に示した設備のb−b’線の断面を進行方向に対し下流側から見た断面図である。
搬送ラインには、筺体の塗装装置C2が設けられており、建築板Aは表面を上側にして塗装装置C2の内部を通過する。塗装装置C2は、図1、2に示された塗装装置C1のスプレー10をフローコーター11に変更するとともに、フローコーター11の下方に塗料返し部材を追加している。該塗料返し部材は、塗料返し板D1と、塗料返し板位置調整部材E1と、塗料返し板固定部材E2とからなり、塗料返し板D1と塗料返し板位置調整部材E1は溶接されて一体化されており、塗料返し板固定部材E2は動かないように固定されている。塗料返し板D1は一枚のフッ素樹脂で被覆したステンレス鋼板を断面J字状とした形状であり、塗料返し板位置調整部材E1と塗料返し板固定部材E2はピンにより連結されているが、塗料返し板位置調整部材E1は該ピンを軸として可動できる構成であり、塗料返し板位置調整部材E1を動かして塗料返し板D1の位置を調整することができる。本設備では、塗料返し板D1の位置を、フローコーター11から流下される塗料Bの一部と接触することができ、建築板Aの搬送位置と略同じ高さとなり、かつ、建築板Aの上実部A21との距離が、最も近い部分で10mmとなるように調整した。他は塗装装置C1と同じであり、塗装装置C2は、内部にフローコーター11と、エアーナイフ20と、空気吹付室30と、塗料回収室40と、減圧室50とを備える。塗装装置C2において、搬送ラインの上方には、搬入口側から搬出側に向かってフローコーター11、エアーナイフ20、空気吹付室30が設けてあり、フローコーター11とエアーナイフ20の間は壁71により区画されている。一方、塗装装置C2において、搬送ラインの下方には、搬入口側から搬出側に向かって塗料回収室40と、減圧室50とが設けてあり、塗料回収室40と減圧室50の間は壁72により区画されている。
本設備では、フローコーター11により、建築板Aの表面に塗料Bを塗布量400〜2200g/mとなるよう塗布し、建築板Aの表面に塗料Bを十分に塗布することができる。また、フローコーター11により、建築板Aの下実部A31を有する側面にも塗料Bを十分に塗布することができる。更に、フローコーター11より流下した塗料Bの一部を塗料返し板D1に当てて流れ方向を変更し、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方にある側面A22とに塗料Bを塗布するので、塗装装置C1よりも建築板Aの上実部A21を有する側面全体を塗り残しなく十分に塗装することができる。なお、フローコーター11から流下されたが建築板Aに塗布されなかった塗料Bは、塗料回収室40に回収する。
また、本設備においても、フローコーター11により、建築板Aの表面に塗料Bを塗布量400〜2200g/mと過剰に塗布できるので、余剰塗料は進行方向に対して垂直方向にオーバーフローし、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方の側面A22と、下実部31の側面に塗料Bを塗布することができる。
エアーナイフ20と、空気吹付室30と、塗料回収室40と、減圧室50とについては塗装装置C1と同じであり、図1、2に示された設備と同様に、建築板Aの表面と側面に塗料Bを塗り残し無く十分に塗布するとともに、建築板Aの表面に形成される塗料液膜の厚さを均一にし、建築板Aへの塗料Bの密着を改善することができる。
【0021】
次に、図3〜5に示した設備を用いた塗装方法を説明する。
図3〜5に示された設備では、図1、2に示された設備のスプレー10をフローコーター11に変更するとともに、フローコーター11の下方に塗料返し部材を追加したので、搬送された建築板Aの表面に、フローコーター11により、塗布量400〜2200g/mとなるよう塗料Bを塗布する。このフローコーター11による塗料Bの塗布により、建築板Aの表面に塗料Bを十分に塗布することができる。また、フローコーター11により、建築板Aの下実部A31を有する側面にも塗料Bを塗布するので、下実部A31を有する側面にも塗料Bを十分に塗布することができる。更に、フローコーター11より流下した塗料Bの一部を塗料返し板D1に当てて流れ方向を変更し、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方にある側面A22とに塗料Bを塗布するので、図1、2に示された設備よりも建築板Aの上実部A21を有する側面全体を塗り残しなく十分に塗装することができる。なお、フローコーター11から流下されたが建築板Aに塗布されなかった塗料Bは、塗料回収室40に回収する。
そして、建築板Aの表面への塗料Bの塗布量が400〜2200g/mと過剰なので、余剰塗料は進行方向に対して垂直方向にオーバーフローし、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方の側面A22と、下実部31の側面に、更に塗料Bが塗布される。なお、建築板Aの表面からオーバーフローしたが実部を有する側面に塗着しなかった塗料Bは、塗料回収室40に回収する。
他は図1、2に示された設備と同じなので、以後の塗装方法は、上述した図1、2に示した設備を用いた塗装方法と同様である。すなわち、エアーナイフ20により建築板Aの表面と側面の余剰塗料を除去し、建築板Aの表面の塗料Bの量を40〜200g/mとするとともに、エアーナイフ20により建築板Aの上実部A21の端部からオーバーフローした余剰塗料が、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方の建築板Aの側面A22とを塗布して、塗料液膜を形成し、続いて空気吹付室30の空気吹き出し口31から建築板Aの塗料液膜に空気を吹き付け、更に、減圧室50内の空気をブロアー室61へ送ることにより減圧室50内を減圧して、建築板Aの裏面を減圧する。なお、エアーナイフ20により除去された塗料Bも塗料回収室40に回収する。
図3〜5に示した設備を用いた塗装方法においても、図1、2に示した設備を用いた塗装方法と同様に、建築板Aの表面と側面に塗料Bを塗り残し無く十分に塗布するとともに、建築板Aの表面に形成された塗料液膜の厚さを更に均一にし、建築板Aへの塗料Bの密着を改善することができる。
【0022】
更に、本発明の塗装装置を備えた設備の別の一例を示す。
図6は本発明の塗装装置を備えた設備の別の一例を示した側方断面図であり、図7は図6に示した設備のa−a’線の断面を上方側から見た断面図であり、図8は図6に示した設備のb−b’線の断面を進行方向に対し下流側から見た断面図である。
搬送ラインには、筺体の塗装装置C3が設けられており、建築板Aは表面を上側にして塗装装置C3の内部を通過する。塗装装置C3は、図1、2に示された塗装装置C1のスプレー10を、底面に排出口を備えた塗料貯留タンク12に変更するとともに、塗料貯留タンク12の下方に図3〜5とは別の塗料返し部材を追加している。該塗料返し部材は、塗料返し板D2と、塗料返し板位置調整部材E1と、塗料返し板固定部材E2とからなり、塗料返し板D2は一枚のフッ素樹脂で被覆したステンレス鋼板を横方向に折り曲げた形状であり、他は図3〜5に示した塗料返し部材と同じである。すなわち、図6〜8に示した塗料返し部材と図3〜5に示した塗料返し部材は、塗料返し板の形状が異なるのみである。よって、塗料返し板位置調整部材E1を動かして塗料返し板D2の位置を調整することができる。本設備でも、塗料返し板D2の位置を、塗料貯留タンク12から流下される塗料Bの一部と接触することができ、建築板Aの搬送位置と略同じ高さとなり、かつ、建築板Aの上実部A21との距離が、最も近い部分で10mmとなるように調整した。他は塗装装置C1と同じであり、塗装装置C3は、内部に塗料貯留タンク12と、エアーナイフ20と、空気吹付室30と、塗料回収室40と、減圧室50とを備える。塗装装置C3において、搬送ラインの上方には、搬入口側から搬出側に向かって塗料貯留タンク12、エアーナイフ20、空気吹付室30が設けてあり、塗料貯留タンク12とエアーナイフ20の間は壁71により区画されている。一方、塗装装置C3において、搬送ラインの下方には、搬入口側から搬出側に向かって塗料回収室40と、減圧室50とが設けてあり、塗料回収室40と減圧室50の間は壁72により区画されている。
本設備では、塗料貯留タンク12の底面の排出口から塗料Bを自重落下させることにより、建築板Aの表面に塗料Bを塗布量400〜2200g/mとなるよう塗布し、建築板Aの表面に塗料を十分に塗布することができる。また、塗料貯留タンク12の底面の排出口から塗料Bを自重落下させることにより、建築板Aの下実部A31を有する側面にも塗料Bを十分に塗布することができる。更に、塗料貯留タンク12の底面の排出口から塗料Bを自重落下させた塗料Bの一部を塗料返し板D2に当てて流れ方向を変更し、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方にある側面A22とに塗料Bを塗布するので、塗装装置C1よりも建築板Aの上実部A21を有する側面全体を塗り残しなく十分に塗装することができる。なお、塗料貯留タンク12の底面の排出口から自重落下されたが建築板Aに塗布されなかった塗料Bは、塗料回収室40に回収する。
また、本設備においても、塗料貯留タンク12の底面の排出口から塗料Bを自重落下させることにより、建築板Aの表面に塗料Bを塗布量400〜2200g/mと過剰に塗布できるので、余剰塗料は進行方向に対して垂直方向にオーバーフローし、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方の側面A22と、下実部31の側面に塗料Bを塗布することができる。
エアーナイフ20と、空気吹付室30と、塗料回収室40と、減圧室50とについては塗装装置C1と同じであり、図1、2に示された設備と同様に、建築板Aの表面と側面に塗料Bを塗り残し無く十分に塗布するとともに、建築板Aの表面に形成される塗料液膜の厚さを均一にし、建築板Aへの塗料Bの密着を改善することができる。
【0023】
次に、図6〜8に示した設備を用いた塗装方法を説明する。
図6〜8に示された設備では、図1、2に示された設備において、スプレー10を、底面に排出口を備えた塗料貯留タンク12に変更するとともに、塗料貯留タンク12の下方に塗料返し部材を追加したので、搬送された建築板Aの表面に、塗料貯留タンク12の底面の排出口から塗料Bを自重落下させることにより、塗布量400〜2200g/mとなるよう塗料Bを塗布する。この塗料貯留タンク12を用いた塗料Bの塗布により、建築板Aの表面に塗料Bを十分に塗布することができる。また、塗料貯留タンク12の底面の排出口から塗料Bを自重落下させることにより、建築板Aの下実部A31を有する側面にも塗料Bを塗布するので、下実部A31を有する側面にも塗料Bを十分に塗布することができる。更に、塗料貯留タンク12の底面の排出口から自重落下させた塗料Bの一部を塗料返し板D2に当てて流れ方向を変更し、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方にある側面A22とに塗料Bを塗布するので、図1、2に示された設備よりも建築板Aの上実部A21を有する側面全体を塗り残しなく十分に塗装することができる。なお、塗料貯留タンク12から流下されたが建築板Aに塗布されなかった塗料Bは、塗料回収室40に回収する。
そして、建築板Aの表面への塗料Bの塗布量が400〜2200g/mと過剰なので、余剰塗料は進行方向に対して垂直方向にオーバーフローし、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方の側面A22と、下実部31の側面に、更に塗料Bが塗布される。なお、建築板Aの表面からオーバーフローしたが実部を有する側面に塗着しなかった塗料Bは、塗料回収室40に回収する。
他は図1と図2に示された設備と同じなので、以後の塗装方法は、上述した図1、2に示した設備を用いた塗装方法と同様である。すなわち、エアーナイフ20により建築板Aの表面と側面の余剰塗料を除去して、建築板Aの表面の塗料Bの量を40〜200g/mとするとともに、エアーナイフ20により建築板Aの上実部A21の端部からオーバーフローした余剰塗料が、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方の建築板Aの側面A22とを塗布して、塗料液膜を形成し、続いて空気吹付室30の空気吹き出し口31から建築板Aの塗料液膜に空気を吹き付け、更に、減圧室50内の空気をブロアー室61へ送ることにより減圧室50内を減圧して、建築板Aの裏面を減圧する。なお、エアーナイフ20により除去された塗料Bも塗料回収室40に回収する。
図6〜8に示した設備を用いた塗装方法においても、図1、2に示した設備を用いた塗装方法と同様に、建築板Aの表面と側面に塗料Bを塗り残し無く十分に塗布するとともに、建築板Aの表面に形成された塗料液膜の厚さを更に均一にし、建築板Aへの塗料Bの密着を改善することができる。また、塗料貯留タンク12の底面の排出口から塗料Bを自重落下させることにより、建築板Aの表面に塗料Bを塗布するので、使用する塗料の粘性を受けにくく、使用できる塗料の自由度が高まり、更に、エネルギーコストを安く抑えることができる。
【0024】
更に、本発明の塗装装置を備えた設備の別の一例を示す。
図9は本発明の塗装装置を備えた設備の別の一例を示した側方断面図であり、図10は図9に示した設備のa−a’線の断面を上方側から見た断面図であり、図11は図9に示した設備のc−c’線の断面を進行方向に対し下流側から見た断面図である。
搬送ラインには、筺体の塗装装置C4が設けられており、建築板Aは表面を上側にして塗装装置C4の内部を通過する。塗装装置C4は、図1と図2に示された塗装装置C1のスプレー10を、ノズルの塗料噴射口14の下方に塗料噴射口14と対面し、湾曲した塗料受液面15を有する低圧塗装機13に変更するとともに、空気吹付室30の下方に空気吹き付け部材Fを追加している。空気吹き付け部材Fは、空気吹付室30の下方で、建築板Aの搬送位置よりも外側下方斜めから上実部A21に向けて空気を吹き付けることができるよう設置されている。他は塗装装置C1と同じであり、塗装装置C4は、内部に低圧塗装機13と、エアーナイフ20と、空気吹付室30と、塗料回収室40と、減圧室50とを備える。塗装装置C4において、搬送ラインの上方には、搬入口側から搬出側に向かって低圧塗装機13、エアーナイフ20、空気吹付室30が設けてあり、低圧塗装機13とエアーナイフ20の間は壁71により区画されている。一方、塗装装置C4において、搬送ラインの下方には、搬入口側から搬出側に向かって塗料回収室40と、減圧室50とが設けてあり、塗料回収室40と減圧室50の間は壁72により区画されている。
本設備では、低圧塗装機13のノズルの塗料噴射口14から低圧で大量の塗料Bを噴射し、塗料受液面15で塗料Bを拡散させることにより、建築板Aの表面に塗料Bを塗布量400〜2200g/mとなるよう塗布し、建築板Aの表面に塗料Bを十分に塗布することができる。また、低圧塗装機13により、建築板Aの下実部A31を有する側面にも塗料Bを十分に塗布することができる。なお、低圧塗装機13から流下されたが建築板Aに塗布されなかった塗料Bは、塗料回収室40に回収する。
また、本設備においても、低圧塗装機13により、建築板Aの表面に塗料Bを塗布量400〜2200g/mと過剰に塗布できるので、余剰塗料は進行方向に対して垂直方向にオーバーフローし、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方の側面A22と、下実部31の側面に塗料Bを塗布することができる。
エアーナイフ20と、空気吹付室30と、塗料回収室40と、減圧室50とについては塗装装置C1と同じであり、図1、2に示された設備と同様に、建築板Aの表面と側面に塗料Bを塗り残し無く十分に塗布するとともに、建築板Aの表面に形成される塗料液膜の厚さを均一にし、建築板Aへの塗料Bの密着を改善することができる。
また、本装置では、空気吹付室30の下方で、建築板Aの搬送位置よりも外側下方斜めから上実部A21に向けて空気を吹き付けることができるように空気吹き付け部材Fが設置されており、搬送中の建築板Aの上実部A21の裏面と、上実部A21より下方の側面A22に空気を吹き付けることができるので、建築板Aの上実部A21の裏面と、上実部A21より下方の側面A22に塗布された塗料を全体に拡がらせ、上実部21を有する側面に塗り残し無く塗料Bを塗布するとともに、塗料液膜の厚さを更に均一にし、塗料Bの密着を改善することができる。
【0025】
次に、図9〜11に示した設備を用いた塗装方法を説明する。
図9〜11に示された設備では、図1、2に示された設備において、スプレー10を、ノズルの塗料噴射口14の下方に塗料噴射口14と対面し、湾曲した塗料受液面15を有する低圧塗装機13に変更するとともに、空気吹付室30の下方に空気吹き付け部材Fを追加したので、搬送された建築板Aの表面に、低圧塗装機13のノズルの塗料噴射口14から低圧で大量の塗料Bを噴射し、塗料受液面15で塗料Bを拡散させることにより、塗布量400〜2200g/mとなるよう塗料Bを塗布する。この低圧塗装機13を用いた塗料Bの塗布により、建築板Aの表面に塗料Bを十分に塗布することができる。また、低圧塗装機13により、建築板Aの下実部A31を有する側面にも塗料Bを塗布するので、下実部A31を有する側面にも塗料Bを十分に塗布することができる。なお、低圧塗装機13から流下されたが建築板Aに塗布されなかった塗料Bは、塗料回収室40に回収する。
そして、建築板Aの表面への塗料Bの塗布量が400〜2200g/mと過剰なので、余剰塗料は進行方向に対して垂直方向にオーバーフローし、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方の側面A22と、下実部31の側面に、更に塗料Bが塗布される。なお、建築板Aの表面からオーバーフローしたが実部を有する側面に塗着しなかった塗料Bは、塗料回収室40に回収する。
そして、図1、2に示された設備と同様に、エアーナイフ20により建築板Aの表面と側面の余剰塗料を除去して、建築板Aの表面の塗料Bの量を40〜200g/mとするとともに、エアーナイフ20により建築板Aの上実部A21の端部からオーバーフローした余剰塗料が、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方の建築板Aの側面A22とを塗布して、塗料液膜を形成する。なお、エアーナイフ20により除去された塗料Bも塗料回収室40に回収する。
続いて空気吹付室30の空気吹き出し口31から建築板Aの塗料液膜に空気を吹き付け、更に、減圧室50内の空気をブロアー室61へ送ることにより減圧室50内を減圧して、建築板Aの裏面を減圧する。なお、空気吹付室30での建築板Aの表面と下実部31を有する側面への空気の吹き付け、及び減圧室50での建築板Aの裏面の減圧を行っている途中で、空気吹き付け部材Fにより、搬送中の建築板Aの上実部A21の裏面と、上実部A21より下方の側面A22に空気を吹き付ける。この空気吹き付け部材Fの空気吹きつけにより、建築板Aの上実部A21の裏面と、上実部A21より下方の側面A22に塗布された塗料を全体に拡がらせ、上実部21を有する側面に塗り残し無く塗料Bを塗布するとともに、塗料液膜の厚さを均一にすることができる。
図9〜11に示した設備を用いた塗装方法においても、図1、2に示した設備を用いた塗装方法と同様に、建築板Aの表面と側面に塗料Bを塗り残し無く十分に塗布するとともに、建築板Aの表面に形成された塗料液膜の厚さを更に均一にし、建築板Aへの塗料Bの密着を改善することができる。また、建築板Aの上実部21を有する側面に、塗り残し無く塗料Bを塗布すると共に、塗料液膜の厚さを更に均一にし、塗料Bの密着を改善することができる。更に、低圧塗装機13のノズルの塗料噴射口14から低圧で大量の塗料Bを噴射し、塗料受液面15で塗料Bを拡散させることにより、建築板Aの表面に塗料Bを塗布するので、塗料Bの塗布量が安定する、飛散する塗料Bの量を抑えることができる、エネルギーコストを安く抑えることができるという効果も奏する。
【0026】
更に、本発明の塗装装置を備えた設備の別の一例を示す。
図12は本発明の塗装装置を備えた設備の別の一例を示した側方断面図であり、図13は図12に示した設備のa−a’線の断面を上方側から見た断面図であり、図14は図12に示した設備のc−c’線の断面を進行方向に対し下流側から見た断面図である。
搬送ラインには、筺体の塗装装置C5が設けられており、建築板Aは表面を上側にして塗装装置C5の内部を通過する。塗装装置C5は、図9〜11に示された塗装装置C4の空気吹き付け部材Fの位置を、空気吹付室30の下方からエアーナイフ20と空気吹付室30の間に移設しただけであり、空気吹き付け部材Fは、エアーナイフ20と空気吹付室30の間で、建築板Aの搬送位置よりも外側下方斜めから上実部A21に向けて空気を吹き付けることができるよう設置されている。他は塗装装置C4と同じであり、塗装装置C5は、内部に低圧塗装機13と、エアーナイフ20と、空気吹付室30と、塗料回収室40と、減圧室50とを備える。塗装装置C5において、搬送ラインの上方には、搬入口側から搬出側に向かって低圧塗装機13、エアーナイフ20、空気吹付室30が設けてあり、低圧塗装機13とエアーナイフ20の間は壁71により区画されている。一方、塗装装置C4において、搬送ラインの下方には、搬入口側から搬出側に向かって塗料回収室40と、減圧室50とが設けてあり、塗料回収室40と減圧室50の間は壁72により区画されている。
本設備では、低圧塗装機13のノズルの塗料噴射口14から低圧で大量の塗料Bを噴射し、塗料受液面15で塗料Bを拡散させることにより、建築板Aの表面に塗料Bを塗布量400〜2200g/mとなるよう塗布し、建築板Aの表面に塗料Bを十分に塗布することができる。また、低圧塗装機13により、建築板Aの下実部A31を有する側面にも塗料Bを十分に塗布することができる。なお、低圧塗装機13から流下されたが建築板Aに塗布されなかった塗料Bは、塗料回収室40に回収する。
また、本設備においても、低圧塗装機13により、建築板Aの表面に塗料Bを塗布量400〜2200g/mと過剰に塗布できるので、余剰塗料は進行方向に対して垂直方向にオーバーフローし、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方の側面A22と、下実部31の側面に塗料Bを塗布することができる。
エアーナイフ20と、空気吹付室30と、塗料回収室40と、減圧室50とについては塗装装置C4と同じであり、図9〜11に示された設備と同様に、建築板Aの表面と側面に塗料Bを塗り残し無く十分に塗布するとともに、建築板Aの表面に形成される塗料液膜の厚さを均一にし、建築板Aへの塗料Bの密着を改善することができる。
また、本装置では、エアーナイフ20と空気吹付室30の間で、建築板Aの搬送位置よりも外側下方斜めから上実部A21に向けて空気を吹き付けることができるように空気吹き付け部材Fが設置されており、搬送中の建築板Aの上実部A21の裏面と、上実部A21より下方の側面A22に空気を吹き付けることができるので、建築板Aの上実部A21の裏面と、上実部A21より下方の側面A22に塗布された塗料を全体に拡がらせ、上実部21を有する側面に塗り残し無く塗料Bを塗布するとともに、塗料液膜の厚さを均一にし、塗料Bの密着を改善することができる。
【0027】
次に、図12〜14に示した設備を用いた塗装方法を説明する。
図12〜14に示された設備では、図9〜11に示された設備において、空気吹き付け部材Fの位置を、空気吹付室30の下方からエアーナイフ20と空気吹付室30の間に移設しただけなので、図9〜11に示された設備と同様に、搬送された建築板Aの表面に、低圧塗装機13のノズルの塗料噴射口14から低圧で大量の塗料Bを噴射し、塗料受液面15で塗料Bを拡散させることにより、塗布量400〜2200g/mとなるよう塗料Bを塗布する。この低圧塗装機13を用いた塗料Bの塗布により、建築板Aの表面に塗料Bを十分に塗布することができる。また、低圧塗装機13により、建築板Aの下実部A31を有する側面にも塗料Bを塗布するので、下実部A31を有する側面にも塗料Bを十分に塗布することができる。なお、低圧塗装機13から流下されたが建築板Aに塗布されなかった塗料Bは、塗料回収室40に回収する。
そして、建築板Aの表面への塗料Bの塗布量が400〜2200g/mと過剰なので、余剰塗料は進行方向に対して垂直方向にオーバーフローし、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方の側面A22と、下実部31の側面に、更に塗料Bが塗布される。なお、建築板Aの表面からオーバーフローしたが実部を有する側面に塗着しなかった塗料Bは、塗料回収室40に回収する。
更に、図9〜11に示された設備と同様に、エアーナイフ20により建築板Aの表面と側面の余剰塗料を除去して、建築板Aの表面の塗料Bの量を40〜200g/mとするとともに、エアーナイフ20により建築板Aの上実部A21の端部からオーバーフローした余剰塗料が、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方の建築板Aの側面A22とを塗布して、塗料液膜を形成する。なお、エアーナイフ20により除去された塗料Bも塗料回収室40に回収する。
続いて、空気吹き付け部材Fにより、搬送中の建築板Aの上実部A21の裏面と、上実部A21より下方の側面A22に空気を吹き付ける。この空気吹き付け部材Fの空気吹きつけにより、建築板Aの上実部A21の裏面と、上実部A21より下方の側面A22に塗布された塗料を全体に拡がらせ、上実部21を有する側面に塗り残し無く塗料Bを塗布するとともに、塗料液膜の厚さを均一にすることができる。
そして、空気吹付室30の空気吹き出し口31から建築板Aの塗料液膜に空気を吹き付け、更に、減圧室50内の空気をブロアー室61へ送ることにより減圧室50内を減圧して、建築板Aの裏面を減圧する。
図12〜14に示した設備を用いた塗装方法においても、図9〜11に示した設備を用いた塗装方法と同様に、建築板Aの表面と側面に塗料Bを塗り残し無く十分に塗布するとともに、建築板Aの表面に形成された塗料液膜の厚さを更に均一にし、建築板Aへの塗料Bの密着を改善することができる。また、建築板Aの上実部21を有する側面に、塗り残し無く塗料Bを塗布すると共に、塗料液膜の厚さを均一にし、塗料Bの密着を改善することができる。更に、低圧塗装機13のノズルの塗料噴射口14から低圧で大量の塗料Bを噴射し、塗料受液面15で塗料Bを拡散させることにより、建築板Aの表面に塗料Bを塗布するので、塗料Bの塗布量が安定する、飛散する塗料Bの量を抑えることができる、エネルギーコストを安く抑えることができるという効果も奏する。
【0028】
更に、本発明の塗装装置を備えた設備の更に別の一例を示す。
図15は本発明の塗装装置を備えた設備の更に別の一例を示した側方断面図であり、図16は図15に示した設備のa−a’線の断面を上方側から見た断面図であり、図17は図15に示した設備のb−b’線の断面を進行方向に対し下流側から見た断面図であり、図18は図15に示した設備のc−c’線の断面を進行方向に対し下流側から見た断面図である。
搬送ラインには、筺体の塗装装置C6が設けられており、建築板Aは表面を上側にして塗装装置C6の内部を通過する。塗装装置C6は、図3〜5に示された塗装装置C2の空気吹付室30の形状を変更するとともに、アングル33を無くして折り曲げ34を有し、壁73を追加し、更に、空気吹付室30’の下方に空気吹き付け部材Fを追加しているが、他は塗装装置C2と同じである。空気吹き付け部材Fは、空気吹付室30’の下方で、建築板Aの搬送位置よりも外側下方斜めから上実部A21に向けて空気を吹き付けることができるよう設置されている。折り曲げ34は空気吹き出し口31’の前端部に形成されており、上方に向かって折り曲げられている。壁73は、空気吹き出し口31’の上方で、折り曲げ34よりも搬出口側に設けられており、エアーナイフ20で飛散した塗料Bが壁73よりも搬出口側へ移動することを防いでおり、空気吹付室30’への塗料Bの付着を軽減することができる。壁73に付着した塗料Bは空気吹き出し口31’の上面に垂れるが、空気吹き出し口31’の上面が傾斜形状となっているので、空気吹き出し口31’の上面の塗料Bは前端部方向へ移動することとなる。前端部には折り曲げ34が形成されているので、この折り曲げ33により塗料Bは横方向に流れ、空気吹き出し口31’の横端部から落ちる。
他は塗装装置C2と同じである。すなわち、塗装装置C6は、内部にフローコーター11と、エアーナイフ20と、空気吹付室30’と、塗料回収室40と、減圧室50を備える。塗装装置C6において、搬送ラインの上方には、搬入口側から搬出側に向かってフローコーター11、エアーナイフ20、空気吹付室30’が設けてあり、フローコーター11とエアーナイフ20の間は壁71により区画されている。一方、塗装装置C6において、搬送ラインの下方には、搬入口側から搬出側に向かって塗料回収室40、減圧室50が設けてある。
よって、本設備では、塗装装置C2と同様に、フローコーター11により、建築板Aの表面に塗料Bを塗布量400〜2200g/mとなるよう塗布し、建築板Aの表面に塗料Bを十分に塗布することができる。また、フローコーター11により、建築板Aの下実部A31を有する側面にも塗料Bを十分に塗布することができる。更に、フローコーター11より流下した塗料Bの一部を塗料返し板D1に当てて流れ方向を変更し、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方にある側面A22とに塗料Bを塗布するので、建築板Aの上実部A21を有する側面全体を塗り残しなく十分に塗装することができる。なお、フローコーター11から流下されたが建築板Aに塗布されなかった塗料Bは、塗料回収室40に回収する。
また、フローコーター11により、建築板Aの表面に塗料Bを塗布量400〜2200g/mと過剰に塗布できるので、余剰塗料は進行方向に対して垂直方向にオーバーフローし、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方の側面A22と、下実部31の側面に塗料Bを塗布することができる。
更に、表面と側面に塗料Bが塗布された建築板Aがエアーナイフ20の下方を通過する際に、先端ノズルから空気を吹き付け、建築板Aの表面と側面の余剰塗料を空気により除去し、建築板Aの表面の塗料Bの量を40〜200g/mとすることができるとともに、凸部A11の斜面下端付近や下実部A31の端部付近に塗料Bが過剰に溜まることなく、厚さが均一な塗料液膜を形成することができる。また、エアーナイフ20により建築板Aの上実部A21の端部からオーバーフローした余剰塗料が、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方の建築板Aの側面A22とを塗布することができる。
空気吹付室30’は建築板Aの表面と側面の塗料液膜に空気を吹き付ける加圧装置であり、空気吹き出し口31’と、整流板32とを備えており、ブロアー室61からエアー分配室62を介して空気が供給されるようになされており、空気吹き出し口31’より空気を吹き出すことができる。空気吹き出し口31’より吹き出される空気は、整流板32により整流されるので、空気吹き出し口31’の全体から空気を吹き出すことができる。空気吹き出し口31’の進行方向に対して垂直側の幅は、図16に示すように、建築板Aの進行方向に対して垂直側の幅よりも広く、かつ、図15に示すように、建築板Aの側面をも覆っている。この状態で空気吹き出し口31’より空気を吹き出すと、建築板Aの表面全体と下実部A31を有する側面に確実に空気を吹き付けることができるとともに、建築板Aの表面と側面に、エアーナイフ20により飛散した塗料Bが付着することを防ぐことができる。本設備においては、エアーナイフ20により余剰塗料が除去され、塗料液膜が形成された建築板Aが空気吹付室30’の下方を通過する際に、空気吹き出し口31’から空気を吹き付けることができる。この空気吹付室30’の空気吹き付けにより、塗料Bは建築板Aの表面内部方向へ押圧されることとなり、建築板Aの表面にある微細な凹凸を埋めるので、建築板Aの表面に形成された塗料液膜の厚さを更に均一にするとともに、建築板Aへの塗料Bの密着が改善される。
塗料回収室40、減圧室50については塗装装置C2と同じであり、建築板Aに塗布されなかった塗料Bを回収するとともに、建築板Aの裏面を減圧することができる。
【0029】
次に、図15〜18に示した設備を用いた塗装方法を説明する。
図15〜18に示した設備を用いた塗装方法においても、図3〜5に示した設備を用いた塗装方法と同様に、搬送された建築板Aの表面に、フローコーター11により、塗布量400〜2200g/mとなるよう塗料Bを塗布する。このフローコーター11による塗料Bの塗布により、建築板Aの表面に塗料Bを十分に塗布することができる。また、フローコーター11により、建築板Aの下実部A31を有する側面にも塗料Bを塗布するので、下実部A31を有する側面にも塗料Bを十分に塗布することができる。更に、フローコーター11より流下した塗料Bの一部を塗料返し板D1に当てて流れ方向を変更し、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方にある側面A22とに塗料Bを塗布するので、建築板Aの上実部A21を有する側面全体を塗り残しなく十分に塗装することができる。なお、フローコーター11から流下されたが建築板Aに塗布されなかった塗料Bは、塗料回収室40に回収する。
そして、建築板Aの表面への塗料Bの塗布量が400〜2200g/mと過剰なので、余剰塗料は進行方向に対して垂直方向にオーバーフローし、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方の側面A22と、下実部31の側面に、更に塗料Bが塗布される。なお、建築板Aの表面からオーバーフローしたが実部を有する側面に塗着しなかった塗料Bは、塗料回収室40に回収する。
更に、エアーナイフ20により建築板Aの表面と側面の余剰塗料を除去して、建築板Aの表面の塗料Bの量を40〜200g/mとするとともに、エアーナイフ20により建築板Aの上実部A21の端部からオーバーフローした余剰塗料が、建築板Aの上実部A21の側面及び裏面と、上実部A21より下方の建築板Aの側面A22とを塗布して、塗料液膜を形成し、続いて空気吹付室30’の空気吹き出し口31’から建築板Aの塗料液膜に空気を吹き付け、更に、減圧室50内の空気をブロアー室61へ送ることにより減圧室50内を減圧して、建築板Aの裏面を減圧する。なお、空気吹付室30’での建築板Aの表面と下実部31を有する側面への空気の吹き付け、及び減圧室50での建築板Aの裏面の減圧を行っている途中で、空気吹き付け部材Fにより、搬送中の建築板Aの上実部A21の裏面と、上実部A21より下方の側面A22に空気を吹き付ける。この空気吹き付け部材Fの空気吹きつけにより、建築板Aの上実部A21の裏面と、上実部A21より下方の側面A22に塗布された塗料を全体に拡がらせ、上実部21を有する側面に塗り残し無く塗料Bを塗布するとともに、塗料液膜の厚さを均一にすることができる。
図15〜18に示した設備を用いた塗装方法においても、図3〜5に示した設備を用いた塗装方法と同様に、建築板Aの表面と側面に塗料Bを塗り残し無く十分に塗布するとともに、建築板Aの表面に形成された塗料液膜の厚さを更に均一にし、建築板Aへの塗料Bの密着を改善することができる。また、建築板Aの上実部21を有する側面に、塗り残し無く塗料Bを塗布すると共に、塗料液膜の厚さを均一にし、塗料Bの密着を改善することができる。
【0030】
以上に本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載の発明の範囲内において種々の変形態を取り得る。
例えば、建築板の表面の形状に制限はなく、表面の凹凸形状は図19に示した建築板Aと異なっても良いし、表面に凸部A11を有さない平滑な表面でも良い。図20に、表面に溝部A’12を形成しており、それにより表面に凹凸を有する別の建築板A’を示したが、本発明の塗装装置は建築板A’にも適用でき、表面に凹凸を有する建築板の意匠は限定されない。加えて、図20に示された建築板A’は上実部A’21、上実部A’21よりも下方にある側面A’22、下実部A’31の形状が、図19に示した建築板Aの上実部A21、側面A22、下実部A31の形状と異なり、かつ、上実部A’21とその下方にある側面A’22との間に別の切り欠きA’23が側面の長さ方向にわたって形成されているが、本発明の塗装装置は建築板A’の上実部A’21、側面A’22、下実部A’31、側面A’32、切り欠きA’23を塗り残しなく塗装することができる。また、図21には、図19に示した建築板Aと側面の形状のみが異なる建築板A’’、すなわち、上実部A’’21、上実部A’’21よりも下方にある側面A’’22、下実部A’’31の形状が、図19に示した建築板Aの上実部A21、側面A22、下実部A31の形状と異なり、かつ、上実部A’’21とその下方にある側面A’’22との間に別の切り欠きA’’23が側面の長さ方向にわたって形成されており、更に、下実部A’’31よりも下方には側面A’’33が形成されている建築板A’’が示されているが、本発明の塗装装置は建築板A’’の上実部A’’21、側面A’’22、下実部A’’31、側面A’’32、側面A’’33、切り欠きA’’23を塗り残しなく塗装することができ、上実部や下実部を含む側面の形状は限定されない。
また、図1、2に示した設備において、塗装装置を1つの筺体とせず、スプレー、エアーナイフ、空気吹付室毎に筺体を設けても良い。その場合の塗装方法は、上述した図1、2に示した設備を用いた塗装方法と同じである。これは図3〜18に示した設備においても同様である。更に、エアーナイフを複数設置し、複数のエアーナイフにより建築板の表面と側面の余剰塗料を除去しても良いし、スプレー、フローコーター、低圧塗装機の塗布範囲を建築板Aの表面のみにかかるようにし、建築板Aの側面には表面の余剰塗料のみが塗布されるようにしても良い。
更に、空気吹き付け部材を下実部に対して外側斜め上方から空気を吹き付けるよう設けても良い。
【産業上の利用可能性】
【0031】
以上説明したように、本発明の塗装装置によれば、側面に上実部と下実部を有する建築板を搬送しながら、該建築板の表面と側面に塗料を塗り残し無く十分に塗布するとともに、該建築板の表面と側面に形成される塗膜の厚さを均一化することができる。また、表面に凹凸を有する建築板であっても、搬送しながら、該建築板の表面と側面に塗料を塗り残し無く十分に塗布するとともに、塗料溜まりを発生させることなく、該建築板の表面と側面に形成される塗膜の厚さを均一化することができる。更に、該建築板への塗膜の密着を改善することができる、該建築板の表面と側面に、余剰塗料を除去する工程により飛散した塗料が付着することを防ぐことができる、該建築板の表面全体に塗料が十分に浸透し、水を吸いにくい建築板を得られるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の塗装装置を備えた設備の一例を示した側方断面図である。
【図2】図1に示した設備のa−a’線の断面を上方側から見た断面図である。
【図3】本発明の塗装装置を備えた設備の別の一例を示した側方断面図である。
【図4】図3に示した設備のa−a’線の断面を上方側から見た断面図である。
【図5】図3に示した設備のb−b’線の断面を進行方向に対し下流側から見た断面図である。
【図6】本発明の塗装装置を備えた設備の更に別の一例を示した側方断面図である。
【図7】図6に示した設備のa−a’線の断面を上方側から見た断面図である。
【図8】図6に示した設備のb−b’線の断面を進行方向に対し下流側から見た断面図である。
【図9】本発明の塗装装置を備えた設備の更に別の一例を示した側方断面図である。
【図10】図9に示した設備のa−a’線の断面を上方側から見た断面図である。
【図11】図9に示した設備のc−c’線の断面を進行方向に対し下流側から見た断面図である。
【図12】本発明の塗装装置を備えた設備の更に別の一例を示した側方断面図である。
【図13】図12に示した設備のa−a’線の断面を上方側から見た断面図である。
【図14】図12に示した設備のc−c’線の断面を進行方向に対し下流側から見た断面図である。
【図15】本発明の塗装装置を備えた設備の更に別の一例を示した側方断面図である。
【図16】図15に示した設備のa−a’線の断面を上方側から見た断面図である。
【図17】図15に示した設備のb−b’線の断面を進行方向に対し下流側から見た断面図である。
【図18】図15に示した設備のc−c’線の断面を進行方向に対し下流側から見た断面図である。
【図19】建築板の一例を示した図である。
【図20】建築板の別の一例を示した図である。
【図21】建築板の更に別の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0033】
A 建築板
A11 凸部
A21 上実部
A22 側面
A31 下実部
A32 側面
B 塗料
C1〜C6 塗装装置
D1,D2 塗料返し板
E1 塗料返し板位置調整部材
E2 塗料返し板固定部材
F 空気吹き付け部材
1 搬送ローラー
10 スプレー
11 フローコーター
12 塗料貯留タンク
13 低圧塗装機
14 塗料噴射口
15 塗料受液面
30,30’ 空気吹付室
31,31’ 空気吹き出し口
32 整流板
33 アングル
34 折り曲げ
40 塗料回収室
41 ポンプ
50 減圧室
61 ブロアー室
62 エアー分配室
71〜73 壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面に上実部と下実部を有する建築板を、表面を上側にして搬送しながら、該建築板の表面と側面に塗装を施す塗装装置であり、
上記建築板の表面に塗料を塗布する塗布装置と、
上記建築板の表面と側面に塗布された余剰塗料を除去し、塗料液膜を形成する除去装置と、
上記建築板の表面と側面の塗料液膜に空気を吹き付けて、該塗料液膜を加圧する加圧装置とを有し、
上記塗布装置は、上記建築板の表面に塗料を400〜2200g/m塗布し、
上記塗布装置から上記除去装置にかけては、上記建築板の表面に塗布された塗料が進行方向に対して垂直方向にオーバーフローして、該建築板の上実部の側面と、該上実部の裏面と、該上実部より下方の該建築板の側面とに塗料を塗布し、
上記加圧装置は、上記建築板の横幅よりも広い横幅で、該建築板の表面と側面を覆うことができる空気吹き出し口から、該建築板の表面と側面に向かって空気を吹き出し、
上記除去装置の後に、上記加圧装置が設けてあり、該除去装置から該加圧装置までの間、上記建築板の表面に大気圧以上の圧力がかかっている状態とする
ことを特徴とする建築板の塗装装置。
【請求項2】
請求項1に記載の塗装装置であり、
前記除去装置は、前記建築板の表面の塗料の量を40〜200g/mとする
ことを特徴とする建築板の塗装装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の塗装装置であり、
前記塗布装置の下方に、該塗布装置から流下される塗料の一部に接触し、一部の塗料の流れ方向を変更して、該建築板の側面に塗料を塗布する塗料返し部材を有する
ことを特徴とする建築板の塗装装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の塗装装置であり、
更に、前記除去装置の後に、前記建築板の外側から該建築板の実部に向かって空気を吹き付け、塗料を拡がらせる空気吹き付け装置を有する
ことを特徴とする建築板の塗装装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の塗装装置であり、
更に、前記建築板の裏面を減圧する減圧装置を有し、
上記減圧装置を前記加圧装置の下方で、かつ、前記建築板の搬送位置よりも下方に備える
ことを特徴とする建築板の塗装装置。
【請求項6】
請求項5に記載の塗装装置であり、
前記加圧装置の作業距離は、前記減圧装置の作業距離よりも長い
ことを特徴とする建築板の塗装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−155222(P2010−155222A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−335756(P2008−335756)
【出願日】平成20年12月29日(2008.12.29)
【出願人】(000110860)ニチハ株式会社 (182)
【Fターム(参考)】