説明

建築用外壁部材

【課題】簡単にかつ短時間で形成できる建築用外壁部材を提供する。
【解決手段】建築用外壁部は、ガラスビーズと繊維とをバインダーで一体化したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、門、塀および壁等の建築用外壁部材に関し、特に軽量で加工の容易な建築用外壁部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の、軽量化をめざした住宅の壁等の仕上げ方法が、たとえば、特開2002−154856号公報(特許文献1)に開示されている。同公報によれば、金網等に施工した骨格や既存の壁等に、廃ガラス系モルタルが吹付けられて壁が施工されている。
【特許文献1】特開2002−154856号公報(段落番号0024等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の軽量化を目指した住宅の壁等は上記のように施工されていた。軽量化とはいいながら、実際は骨格部材が必要であるため、重量があり、かつ施工に時間がかかるという問題があった。
【0004】
この発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、軽量でかつ施工が簡単な建築用外壁部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る建築用外壁部は、ガラスビーズと繊維とをバインダーで一体化したものである。
【0006】
建築用外壁部を、ガラスビーズと繊維とをバインダーで一体化して成形したため、軽量であり、且つ、短時間で成形できる。
【0007】
また、ガラスビーズとバインダーで成形されているため、透光性を有する。したがって、照明器具と組み合わせることによって、それ自身を発光体にしたり、一部を不透明にすることにより、所望の効果を得ることができる。
【0008】
好ましくは、砂利または貝殻を含む。
【0009】
また、建築用外壁部材は、門、塀または壁に利用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。図1はこの発明の一実施の形態に係る建築用外壁部材を、門に適用した場合の図である。図1(A)は、門の正面斜視図であり、図1(B)は、図1(A)に示した門をその上方向から見た平面図である。
【0011】
図1(A)を参照して、門は、基本的に、ガラスビーズと繊維とをバインダーで一体化して成形した平板をその幅方向の端部において折り曲げた形状を有し、上から見て、U字状を有している(図1(B)参照)。また、この門10の幅寸法Wは約20〜25mm程度である。
【0012】
図1(A)に示した例では、門10は、たとえば、光るブルーのガラスビーズで構成された部分11と、砂利と繊維が含まれた部分12と、光るグリーンのガラスビーズで構成された部分13と、砂利と繊維が含まれた部分14とを含む。
【0013】
門10の下端部15は、地中に埋め込まれており、埋め込まれた部分には、かんざし筋等の鉄筋を通す、かんざし筋用の穴16a,16bが設けられている。また、門の上部には、表札17が埋め込まれ、その下部に照明器具18が設けられている。なお、ポスト等も設けてもよい。
【0014】
門10が透光性を有しているため、この照明器具の光は、門10の背面も照射することができる。また、照明器具18は、図示のように外部に設けることなく、門10に内蔵してもよい。
【0015】
門10がガラスビーズを含み、繊維を有するバインダーで一体構成されているため、型によって、任意の形状にできる。すなわち、門10は、型枠の中に骨材とバインダーを混練したものを流し込み成形し、硬化後脱型することによって製造される。
【0016】
また、上記以外に、石材質のものや、ガラス材質のものも簡単に製造可能である。
【0017】
図1に示すように、門の全高寸法は約1700mmであり、その幅寸法は800mm程度が好ましい。また、図1には、各部分11等の寸法も示している。以上のように、門10は、基本的に繊維強化バインダーを用い、型を用いて成形されており、かつ、その厚さは25mm程度であるため、任意の形状に成形できる。また、軽量であるため、搬送や施工が容易である。
【0018】
従来のように、廃ガラスを用いたものや、ガラスの板であれば、割れたときに危険であるが、ガラスビーズをバインダーで接着したものであるため、万一割れても安全である。また、強度はバインダーの質や量で調整可能である。
【0019】
なお、バインダーとしてエポキシ樹脂を使えば、熱硬化性なので、短時間で大量生産が可能になる。また、繊維としては、細かく切断された炭素繊維が好ましい。
【0020】
また、砂利、ガラスビーズ、貝殻等任意のものを一緒に含めて成形することができる。
【0021】
全体として透光性を有しているため、照明器具18を内蔵したり、裏側に照明器具を配置することによって、門10全体を光源の一種としたり、背後の照明器具との組み合わせで所望の効果を得ることができる門を提供できる。
【0022】
なお、この建築用外壁部材は、門だけでなく、塀や、壁としても利用可能である。
【0023】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明の一実施の形態に係る建築用外壁部材を、門に適用した場合の図である。
【符号の説明】
【0025】
10 門、11 光るブルーのガラスビーズで構成された部分、12,14 砂利と繊維が含まれた部分、13 光るグリーンのガラスビーズで構成された部分、15 下端部、16 かんざし筋用の穴、17 表札、18 照明器具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスビーズと繊維とをバインダーで一体化した建築用外壁部材。
【請求項2】
さらに、砂利または貝殻を含む、請求項1に記載の建築用外壁部材。
【請求項3】
前記建築用外壁部材は、門、塀または壁である、請求項1または2に記載の建築用外壁部材。

【図1】
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【公開番号】特開2007−239394(P2007−239394A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−66549(P2006−66549)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(391026014)株式会社フジアウテック (10)
【Fターム(参考)】