説明

建設機械等における液面警告灯の表示装置

【課題】所定オイルの液面レベルから逸脱した場合、比較的短時間内にその逸脱が正常レベルに戻る場合には操縦者に警告を発しないようにした、建設機械等における液面警告灯の表示装置を提供する。
【解決手段】警告灯表示用回路は、直流電源71、イグニッションスイッチ72、常時開接点の第1電磁リレー73、第2電磁リレーおよび常時閉接点の第3電磁リレー79を備える。さらに、入力端子E1、入力端子E2を有しトランジスタTr1とCR時定数回路を備えた第1遅延回路76および同様の構成になる第2遅延回路77、レベルセンサ78、および警告表示灯80を有する。レベルセンサの液面レベルが第1、第2遅延回路の遅延時間より短い周期で変動しセンサがON、OFFしても警告表示灯は消灯したままである。これにより建設機械の操縦者は警告表示灯の点滅に煩わされることがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械や自動車等(以下、建設機械等という)の潤滑用オイルのレベル管理に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械等、例えば油圧ショベルにおいて、油圧モータ旋回ユニットを構成している減速機付油圧モータの減速機内のオイルの液面レベル管理は、通常、自動車エンジンにおけるエンジンオイル液面管理と同様な方式、すなわち、減速機内のオイルの液面レベルをスティック式のレベルゲージを用いて建設機械操縦者が定期的に目視により点検する方式である。
【0003】
図5は、従来のスティック式レベルゲージが油圧モータ旋回ユニットの減速機内に差し込まれている様子を示す。同図5において、参照符号10は、ケーシング10a内に設けられた油圧モータであって、その上部に設けられている圧油給排部10bからの圧油が円周上に配置された複数のピストン12に供給され斜板14の角度に応じた回転数で駆動軸10cを回転駆動するタイプの公知の可変ピストンモータである。駆動軸10cの下方部は円筒コロ軸受16により支持され、その下部にはシール部材18が設けられている。
【0004】
参照符号22はケーシング22a内に設けられた減速機であって、駆動軸10cの下端部外周に形成された平歯車部分10dを介して、図6に示されるように、減速機22の2段式遊星歯車機構PLG1、PLG2へ回転駆動力が伝達される。ケーシング10a下部にはテーパーネジ穴20d、20eが設けられており、その左方側のネジ穴20dにレベルゲージ20が図示のように取付けられ、右側のネジ穴は栓で封止されている。なお、これらのネジ穴20d、20eは減速機22内に予め潤滑オイルを供給する一対のポートであり、また、参照符号OLはケーシング10a内のオイル液面を示す。前記レベルゲージ20は、下端部がネジ穴20dにねじ込まれて固定された外筒20aと、同外筒20aを貫通するスティック20cおよび同スティック20cに固定されたゴムパッキン20bからなり、スティック20c下端部の七子目部分20fが丁度、所定オイル液面OLに浸る位置に予め設定される。
【0005】
図6において、駆動軸10cの下端部外周に形成された平歯車部分10dを介して、第1遊星歯車機構PLG1が設けられ、中間歯車30を介して第2遊星歯車機構PLG2が設けられており、減速駆動軸40を回転駆動するようになっている。参照符号32は、ケーシング10aと34との間でボルト36により固定された内歯車であって、第1遊星歯車および第2遊星歯車の遊星運動を案内するようになっている。
【0006】
減速駆動軸40は一対の円筒コロ軸受42、46により支持されその間にシール部材44が設けられ、その下端部には建設機械の旋回台(図示せず)を回転駆動する歯車40aが設けられている。
【0007】
しかしながら、上述した建設機械における油圧モータ旋回ユニットにおいては、減速機構内のオイルの液面レベルの管理は、
1)定期点検時にレベルゲージのスティックを抜き出しその先端部七子目に付着しているオイルの付着状況を確認するというものであり、建設機械の停止時におこなわれていた。
2)また、定期点検は通常、数千時間ごとに行われるため、建設機械の稼動中を含め常時オイルの液面レベルの点検を行うものではなかった。
3)また、定期点検到達前であっても必要に応じてレベルゲージの点検確認は可能であるが、レベルゲージの取付け位置すなわち減速機の配置が操縦室の下方にあり、操縦者がスティックを正確に把持、抜き出し、差し込み操作をするためには、走行用の一対のキャタピラまたは走行車輪の間に入ってさらに下方へ手を伸ばさねばならず、乗用車の場合のようにボンネットを開けるだけで手軽にレベルゲージを取扱うことができる場合と比較すると、その操作性において難点があった。
4)さらに、建設機械は一般の機械装置に比べ、屋外で、温度、振動などの点で過酷な操縦がなされるため、図6に示されるシール部材が劣化したり、ケーシングのシール性能が徐々に劣化したり、減速機内の油温が上昇して、オイルがレベルゲージから噴出したり漏れ出す等により、特に定期点検の行われる前に減速機内のオイルの液面レベルが低下した場合には、建設機械の旋回機構そのものが損傷し大きなダメージを与えることが考えられる。
5)また、それとは逆に、図6に示されるシール部材が劣化した場合、油圧モータ側からの作動オイルが減速機内に流入して減速機内のオイルの液面レベルが正常なレベル範囲から不足したり、それにより減速機内のオイルの一部が油圧モータ側に入り込み歯車のかみ合いにより生じた磨耗粉が油圧モータの斜板近傍にあるピストンシューに入り込むといった好ましくない現象も起こりうる。
6)また、定期点検時のオイルの液面レベル確認作業では一般に、建設機械の水平状態での点検が指示されるが、建設機械が傾斜した地面に置かれているときには、目視点検する操縦者は時として、所定レベルよりも低下した状態にあっても正常レベルと判断したり、これとは逆に、所定レベルであっても、レベルが低下したと判断することがあり得る。
【0008】
上記1)〜6)の目視に依存する問題点は、オイルの液面レベルを自動検出するレベルセンサを用いることにより基本的に解消できるものであるが、前記建設機械等の駆動に伴うオイルの液面レベルの変動が頻繁であると、レベルセンサ本来の正常液面レベルを超えたり、下回ったりして、オイル量は正常であるにもかかわらず異常レベル信号を都度発生してしまい、運転操縦者に戸惑いを与え、運転操縦作業を妨害する結果となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した点に鑑み、鋭意検討した結果、建設機械等におけるレベルセンサの検出回路に遅延手段を設けることで解決できることを見出した。
【0010】
従って、本発明の目的は、建設機械等の操縦者がレベルゲージを直接取り扱う必要がなく、また、建設機械等の起動、運転時は常時オイルの液面レベルの検出を行い、所定のオイルの液面レベルから逸脱した場合でも比較的短時間のうちにその逸脱が正常レベルに戻るような場合には操縦者に警告を発しないようにするオイルの液面レベル検知機能を備えた建設機械等における液面警告灯の表示回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明による建設機械等における液面警告灯の表示回路は、建設機械等のオイル液面のレベルを検知するレベルセンサを備え前記レベルが所定レベル範囲内にあるときは警告表示を与えず、所定レベル範囲外となったとき警告表示を与える建設機械等における液面警告灯の表示装置であって、直流電源と、同電源と直列に接続されたイグニッションスイッチと、同イグニッションスイッチの出力側に接続された常時開接点およびソレノイドを備える第1電磁リレーと、前記直流電源に接続されたソレノイドを有し前記イグニッションスイッチの出力側に一側が接続された常時開接点を備える第2電磁リレーと、常時閉接点であってその一側は前記イグニッションスイッチの出力側に接続されその他側は警告灯に接続された第3電磁リレーと、適正な液面レベルのとき対応する接点が導通状態となるよう設定された前記レベルセンサと、遅延回路部制御用の第1入力端子および、前記電源側にそれぞれ前記第1電磁リレーならびに第2電磁リレーの各ソレノイドを介して接続される第2入力端子を有する第1遅延回路および第2遅延回路と、前記警告用表示灯、とからなり、前記レベルセンサの接点の一側は前記第1電磁リレーの常時開接点と接続され、その他側は前記第2遅延回路の第1入力端子と接続されており、さらに、前記第3電磁リレーのソレノイドの一側は前記第2電磁リレーの常時開接点の他側と接続されて構成されることを特徴とする。
【0012】
その場合、前記イグニッションスイッチを点火した直後の初期状態において、前記警告灯の点灯は、前記警告灯の断線状態を検出するものであることを特徴とする。
【0013】
またその場合、前記第1および第2遅延回路は、第1入力端子に接続される前記遅延回路部に対応するCR時定数設定回路と、第2入力端子にコレクタが接続されるトランジスタとから構成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、建設機械等におけるオイルの液面レベルの検出・判定は、レベルセンサからの検出信号により自動的に遂行され操縦者に警告表示できるようになっており、さらに、建設機械等の駆動に伴う短時間の液面変動に基づく警告表示はされないようになっているので、操縦者は従来のような面倒な液面レベル確認の作業から開放されるとともに、警告についても液面変動に煩わされることがない。また、本発明では、警告灯回路の断線をも併せて検出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明による建設機械における油圧モータ旋回ユニットの主要部断面図である。
【図2】レベルセンサの要部構成を示しており、(a)はセンサ本体の外形図、(b)はその結線図、(c)はリードスイッチの内部構造の概略断面図である。
【図3A】本発明による警告灯表示装置の実施例であって、液量が適量でありイグニッションスイッチ点火前の状態を例示する回路図である。
【図3B】本発明による警告灯表示装置の実施例であって、液量が適量でありイグニッションスイッチ点火直後の状態を例示する回路図である。
【図3C】本発明による警告灯表示装置の実施例であって、液量が適量でありイグニッションスイッチ点火後、第1遅延回路がONとなった状態を例示する回路図である。
【図3D】本発明による警告灯表示装置の実施例であって、液量不足が発生したときの回路図である。
【図4】図3A乃至3Dの作用を説明するためのタイムチャートである。
【図5】従来のスティック式レベルゲージが油圧モータ旋回ユニットの減速機内に差し込まれている様子を示す図である。
【図6】従来の減速機の減速機構の詳細断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施例について図1乃至図4により詳細に説明する。
【実施例】
【0017】
図1は、本発明が適用される建設機械における油圧モータ旋回ユニットであって、油圧モータ10とその下部に配置された減速機22からなる。参照符号Sは、油圧モータ10のケーシング10aの下方部に取付けられたレベルセンサであって、その下方部の検知部分S1がオイルレベルLVより低いオイル中に浸されている。
【0018】
図2は、レベルセンサSの要部構成を示しており、(a)はセンサ本体の外形図、(b)はその結線図、(c)はリードスイッチの内部構造の概略断面図である。
【0019】
図2(a)において、参照符号50は電気的コネクタ部、同52は頭部、同54はケーシング10a(図1)のネジ穴20dに螺着されるネジ部、同56はフロート58をガイドするガイド部、同56aはフランジ部でフロート58の上限位置を規制する。参照符号60は底板である。
【0020】
フロート58は、例えばニトリルブチレンラバー(NBR)で構成され、その上部に環状の磁石が埋め込まれている。ガイド56の内部には、図2(c)に示すリードスイッチSW1が設けられており、フロート58の位置に応じてスイッチSW1がON、OFFされるようになっている。リードスイッチSW1は市販されており、例えばガラスチューブ62内に封じこめられた不活性ガス64の雰囲気中でリード線R1、R2のオーバーラップした端部片が対向して設けられている。磁石MGがスイッチSW1の近傍に接近するとリード線R1、R2の端部片が接触し、また、離れるとリード端部片のスナップアクションにより非接触状態となるものである。
【0021】
図2(a)では、減速機内のオイルレベルが破線LVで示され、この状態でスイッチSW1はOFFからONになることを示す。オイルレベルLVが上昇し、フロート58の上面とフランジ56aの下面との間隔d以上になってもフロート58上面はフランジ56a下面で規制されておりONの状態は保持される。
【0022】
参照符号hは、オイルレベルLVに対するスイッチSW1のON、OFFのヒステリシスを示す。図2において、レベルセンサSのフロート58の上面とフランジ56aとの間隔がd未満となるように正常レベルの所定位置を設定した場合、スイッチSW1の状態はONとなっている。この状態でオイルレベルLVが漏れなどにより低下して少なくともh以上低下するとスイッチSW1はONからOFFとなりこの状態の変化を電気信号として操縦者への警告に利用することができる。
【0023】
これとは逆に、フロート58の上面が図示の状態よりh以上低い位置を所定位置として設定した場合、スイッチSW1の状態はOFFとなっている。この状態でオイルレベルLVが油圧モータ側からの漏れなどにより上昇して少なくともh以上増加するとスイッチSW1はOFFからONとなりこの状態の変化を電気信号として操縦者への警告に利用することができる。
【0024】
図3A乃至図3Dは、本実施例の警告灯表示装置を形成する電気回路であって、イグニッションスイッチや液面に応じた回路の状態をそれぞれ例示するものであり、各図中の各回路要素は同一であるので、代表して図3Aにより各要素について説明する。
【0025】
すなわち、図3Aにおいて、参照符号71は建設機械に搭載されている直流電源、同72はイグニッションスイッチ、同73は常時開接点C1と電磁ソレノイドSOL1からなる第1電磁リレー、同74はエンジン駆動モータ、同75は常時開接点C2と電磁ソレノイドSOL2からなる第2電磁リレーである。
【0026】
参照符号76は制御用の入力端子E1、電源側と間接的すなわち、前記第1電磁リレーのソレノイドSOL1を介して接続される入力端子E2を有しトランジスタTr1とCR時定数回路を備えた第1遅延回路(オンディレータイマー)であって、キャパシタCP1と抵抗r1によりその時定数が定められている。参照符号77は制御用入力端子E1、電源側と間接的すなわち、前記第2電磁リレーのソレノイドSOL2を介して接続される入力端子E2を有しトランジスタTr2とCR時定数回路を備えた第2遅延回路(オフディレータイマー)であって、キャパシタCP2と抵抗r2によりその時定数が定められている。
【0027】
参照符号78はレベルセンサであって、液面のレベルすなわち、液量が適量であるとき接点が図示のように閉(ON)となっている。
【0028】
参照符号79は常時閉接点C3と電磁ソレノイドSOL3からなる第3電磁リレー、参照符号80は警告表示灯である。以下各図について作用・状態を順に説明する。
【0029】
図3Aに示される警告灯表示装置の回路では、イグニッションスイッチ72はOFF、液量は適量状態でレベルセンサ78の接点は図示の如く閉の状態を示す。この状態ではイグニッションスイッチ72がOFFであるため常時閉接点の電磁リレー79を介した警告表示灯80には電源電圧が供給されず消灯状態となっている。
【0030】
次に、図3Bに示される回路では、イグニッションスイッチ72がONになった初期の状態で液量が適量の状態を示す。イグニッションスイッチ72がONとなった直後の初期時間すなわち、オンディレータイマー76がONとなるまでの時間は電磁リレー73は開状態であるためオフディレータイマー77はOFF状態であり、電磁リレー75、79はOFF状態となる。電磁リレー79は常時閉の回路でありイグニッションスイッチ72を経由して電磁リレー79に電源電圧が供給されているため警告表示灯80は点灯する。この状態は回路からも分るようにレベルセンサ78のON、OFF状態に係わらず点灯するものでこれにより警告灯自体の玉切れ或いはシステムの回路断線等の異常による不具合をチェック出来る回路となっている。
【0031】
次に、図3Cの回路ではイグニッションスイッチ72がONとなった後、ある時間を経過しオンディレータイマー76がONとなった状態で液量は適量状態の場合を示す。オンディレータイマー76がONとなるので電磁リレー73がONとなり回路は閉となる。従ってイグニッションスイッチ72、電磁リレー73を経由した電源電圧はレベルセンサ78を経由しオフディレータイマー77を作動させ電磁リレー75をONとし、イグニッションスイッチ72を経由した電源電圧を電磁リレー79に印加する。このため電磁リレー79はON状態となり回路を開とするため警告表示灯80は消灯する。
【0032】
次に、図3Dの回路では、図3Cの状態から液量が減少しレベルセンサ78がOFFとなった場合を示す。レベルセンサ78がOFFとなるとオフディレータイマー77の電源が遮断されオフディレータイマー77内の電界コンデンサーCP2による放電時間を経過するとオフディレータイマー77内のトランジスタのベース端子電圧が低下しコレクタCとエミッタE間が不導通となり、電磁リレー76がOFFとなる。
【0033】
これにより電磁リレー75端子に印加されていたイグニッションスイッチ72を経由した電源電圧は遮断され、電磁リレー79はOFF状態となり、常時閉接点であるため警告表示灯80に電源電圧が供給され点灯する。
【0034】
ただし、ここで液量のレベルが装置の変動によりレベルセンサ78をON、OFF作動させる場合はオフディレータイマー77の効果によりレベルセンサ78がOFFとなっても直ちにオフディレータイマー77はOFFとならず、レベルセンサ78がOFFとなって経過した時間がオフディレータイマー77の設定時聞を超えた場合に警告表示灯が点灯する回路であるため、液量レベルの短時間での変動に対しては警告表示灯80の点滅を防止することが可能である。
【0035】
図4は、図3A乃至図3Dに示した各回路要素の動作のタイミングを説明するタイムチャートである。同図4において、レベルセンサ78の液量が適量状態のとき、時刻t1でイグニッションスイッチ72がONとなると、オンディレータイマー76の遅延時間T1経過後の時刻t2にてオンディレータイマー76はONとなる。これにより第1電磁リレー73とオフディレータイマー77がONとなり、続いて第2電磁リレー75もONとなる。その結果、常時閉接点の第3電磁リレー79はONからOFFとなる。一方、この間
に警告表示灯80は(イ)で示すように、時刻t1で点灯し第3電磁リレー79がOFFとなると消灯する。
【0036】
時刻t3以降レベルセンサ78の液面レベルが図示のように変動してレベルセンサ78が例えばT2の短い周期でON、OFFを繰り返してもこの間は警告表示灯80の点灯若しくは点滅はなく消灯のまま推移する。時刻t4でレベルセンサ78の液面レベルが液量不足の状態となってその状態が時刻t5まですなわち、時間T3(オフディレータイマー77の遅延時間)以上となると、オフディレータイマー77がOFFとなり、続いて第2電磁リレー75もOFFとなり、さらに第3電磁リレー79はOFFからONとなる。したがって、警告表示灯80は(ロ)で示すように、点灯する。
【0037】
この点灯はレベルセンサ78の液量不足状態を警告するものである。その後、時刻t6でイグニッションスイッチ72をOFFとすればオンディレータイマー76もOFFとなり続いて第1電磁リレー73もOFFとなる。なお、このとき常時閉接点の第3電磁リレー79はONのままである。
【0038】
以上本発明の好適な実施例を説明したが、当業者であれば図3A乃至図3Dを種々変形することが可能である。例えば、マイクロコンピュータシステムにより前記第1および第2遅延回路をデジタル回路として構成することが可能である。
【符号の説明】
【0039】
10 油圧モータ
71 直流電源
72 イグニッションスイッチ
73 第1電磁リレー
74 モータ
75 第2電磁リレー
76 第1遅延回路(オンディレータイマー)
77 第2遅延回路(オフディレータイマー)
78 レベルセンサ
79 第3電磁リレー
80 警告表示灯
E1 第1入力端子
E2 第2入力端子
T1 オンディレータイマーの遅延時間
T2 レベルセンサON、OFF変動周期
T3 オフディレータイマーの遅延時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械等のオイル液面のレベルを検知するレベルセンサを備え前記レベルが所定レベル範囲内にあるときは警告表示を与えず、所定レベル範囲外となったとき警告表示を与える建設機械等における液面警告灯の表示装置であって、同表示装置は、
直流電源と、
同電源と直列に接続されたイグニッションスイッチと、
同イグニッションスイッチの出力側に接続された常時開接点およびソレノイドを備える第1電磁リレーと、
前記直流電源に接続されたソレノイドを有し前記イグニッションスイッチの出力側に一側が接続された常時開接点を備える第2電磁リレーと、
常時閉接点であってその一側は前記イグニッションスイッチの出力側に接続されその他側は警告灯に接続された第3電磁リレーと、
適正な液面レベルのとき対応する接点が導通状態となるよう設定された前記レベルセンサと、
遅延回路部制御用の第1入力端子および、前記電源側にそれぞれ前記第1リレーならびに第2リレーの各ソレノイドを介して接続される第2入力端子を有する第1遅延回路および第2遅延回路と、
前記警告用表示灯、とからなり、
前記レベルセンサの接点の一側は前記第1電磁リレーの常時開接点と接続され、その他側は前記第2遅延回路の第1入力端子と接続されており、さらに、
前記第3電磁リレーのソレノイドの一側は前記第2電磁リレーの常時開接点の他側と接続されてなる建設機械等における液面警告灯の表示装置。
【請求項2】
前記イグニッションスイッチを点火した直後の初期状態において、前記表示dvの警告灯の消灯は、前記警告灯の断線状態を検出するものであることを特徴とする建設機械等における液面警告灯の表示装置。
【請求項3】
前記第1および第2遅延回路は、第1入力端子に接続される前記遅延回路部に対応するCR時定数設定回路と、第2入力端子にコレクタが接続されるトランジスタとからなることを特徴とする建設機械等における液面警告灯の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−122877(P2011−122877A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−279349(P2009−279349)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(000003458)東芝機械株式会社 (843)
【Fターム(参考)】