説明

弁装置

【課題】 弁開度を大きくして絞り圧力損失を低減でき、かつ急速閉鎖できる弁装置を得ることにある。
【解決手段】弁本体11と、前記弁本体11の内部に収容された弁体14と、前記弁本体11の内部に設けられ、弁閉時に前記弁体14と接する弁座13と、前記弁体14と接続され、摺動部が前記弁本体11に取り付けられた弁蓋12を貫通する弁棒15と、前記弁棒15と連結されたピストン16を収納し、このピストン16の移動により前記弁棒15を介して前記弁体14を前記弁座13に対し開閉移動させるシリンダ17と、前記シリンダ17内に配置され、第1バネ21及び第2バネ23を含む閉鎖用バネ50とを備え、弁全閉からの弁開時よりも、予め定められた途中開度より大きな弁開度で、前記閉鎖用バネ50の全体のバネ定数が大きくなるようにしたことを特徴とする弁装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば蒸気タービンの蒸気入口に設けられる蒸気加減弁のような弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図6は、蒸気タービンプラントの系統図である。
【0003】
ボイラ700からの蒸気は主蒸気止め弁701、蒸気加減弁702を通過し高圧タービン710で仕事をしたあと、逆止弁707を経由して再びボイラ700の再熱器にて加熱され、再熱蒸気止め弁703、インターセプト弁704を経て中圧タービン711、低圧タービン712へ流入し仕事をする。低圧タービン712の後は復水器713にて水に戻され、給水ポンプ714にて昇圧して再びボイラ700に供給されるように循環する。
【0004】
また、プラントの運用効率を高めるために、プラントによっては主蒸気止め弁701の蒸気入口側とボイラ700の再熱蒸気入口側との間に接続された高圧タービンバイパス弁705を備えたバイパスや、ボイラ700の再熱蒸気の出口側と復水器713との間に接続された低圧タービンバイパス弁706を備えたバイパスが設置され、タービンの運転に係わらずボイラ系統単独の循環運転が出来るようになっている。
【0005】
図7は、蒸気タービンに使用されている従来の蒸気弁装置の説明図である。
【0006】
蒸気タービンの非常時等に、蒸気タービンに流入する蒸気を瞬時に止めることができる主蒸気止め弁701と、蒸気流量を制御するための蒸気加減弁702を示す。
【0007】
主蒸気止め弁701の弁本体101は、その側方部と蒸気加減弁702とが連結連通されている。弁本体101の上端部には弁蓋102が設けられ、弁本体101内方部には隆起状をなす弁座104が設けられ、その弁座104に当接する弁体105が収容されている。弁体105の弁棒106は、弁本体101を貫通して油筒107内に組み込まれている。油筒107内にはピストン110とバネ109が配置されており、このピストン110の下部には給油口を兼ねた排油口108が設けてある。この排油口108には図示しないサーボ弁やダンプ弁等の油圧機器が接続されている。
【0008】
蒸気加減弁702の弁本体201は、その側方部が主蒸気止め弁701と連結連通されており、弁本体201上端部に弁蓋202を有し、弁本体201内方部に隆起状をなす弁座203が設けられ、その弁座203に当接する弁体204が収容されている。弁体204の弁棒205は、弁蓋202を貫通して油筒207内に組み込まれている。油筒207内にはピストン206とバネ209が配置されており、このピストン206の下部には給油口を兼ねた排油口208が設けてある。この排油口208には図示しないサーボ弁やダンプ弁等の油圧機器が接続されている。
【0009】
図示しないボイラ等からの蒸気流は、主蒸気止め弁701の油筒107内に油圧が作用することにより、弁棒106を介して弁体105が上下動し、主蒸気止め弁701は開閉動作をなし、開動作時に蒸気が入口Iから流入する。同様に油筒207内に油圧が作用することによって、弁棒205を介して弁体204が上下動し、蒸気加減弁702は開閉動作をなし、その開閉動作によって、蒸気流量の制御がなされ、開動作時に蒸気が出口Oから流出し、図示しない蒸気タービンへと流れる。
【0010】
図4は、負荷遮断のような非常事態が発生した場合の油筒207の急速閉鎖時間特性を示したもので、縦軸はピストン206のストローク、横軸は蒸気加減弁702の全開から全閉までの急速閉鎖時間を表している。
【0011】
図4の曲線aは従来の特性を示している。弁全開のピストンストロークがL1の時、図示しない蒸気タービンの制御装置から急閉動作指令が入力されると、図示しないサーボ弁やダンプ弁が動作するとともに、バネ209の復元力によりピストン206の下部の油が排油口208から放出され、時間T秒後に弁は全閉となる。
【0012】
なお、蒸気止め弁701の油筒107についても、蒸気加減弁702の動作と同様であるため、説明を省略する。
【0013】
ここで弁全開とは、弁体と弁座が接する弁座シート径をDo、弁体のストロークをLとした時、約
L/Do=0.2
を上限に設定されている。この為、弁体と弁座の間に形成される蒸気通路を通過する蒸気が弁体と弁座で絞られるように作用しており、当該部での絞り圧力損失が存在していた。
【特許文献1】特開平9−72430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
最近の蒸気タービンでは、性能向上(効率向上)が強く求められている。
【0015】
ところで、この蒸気タービンの効率の内訳として、蒸気タービンそのものの内部効率もあるが、蒸気タービンの入口に設置された蒸気弁の絞り圧力損失が、熱力学に有効な仕事をする前の蒸気タービン入口の蒸気圧力を低下させ、結果的に蒸気タービンの効率に大きな影響(効率低下)を与えていた。
【0016】
蒸気弁の絞り圧力損失を低減させるには、弁開度を増加させればよい。しかし、蒸気タービンに負荷遮断のような非常事態が発生した場合、蒸気タービンのオーバースピード抑制のために、タービンに流入する蒸気を遮断する必要があり、蒸気弁を短時間で急速に閉鎖させなければならず、無制限に弁開度を大きくすることは出来ない。従来の構造では、弁を大きく開けるために油筒への給油量を増加させる必要があるが、弁急閉時に閉鎖用バネの戻りに時間がかかるため、弁体が弁座に当接するまでに時間がかかり、急速閉鎖することができなかった。
【0017】
本発明の目的は、弁開度を大きくして絞り圧力損失を低減でき、かつ急速閉鎖できる弁装置を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明における弁装置は、弁本体と、前記弁本体の内部に収容された弁体と、前記弁本体の内部に設けられ、弁閉時に前記弁体と接する弁座と、前記弁体と接続され、摺動部が前記弁本体に取り付けられた弁蓋を貫通する弁棒と、前記弁棒と連結されたピストンを収納し、このピストンの移動により前記弁棒を介して前記弁体を前記弁座に対し開閉移動させるシリンダと、前記シリンダ内に配置され、第1バネ及び第2バネを含む閉鎖用バネとを備え、弁全閉からの弁開時よりも、予め定められた途中開度より大きな弁開度で、前記閉鎖用バネの全体のバネ定数が大きくなるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、シリンダに、弁の開度を大きくしても弁を急閉できる閉鎖用バネを設けたので、弁の開度を大きくし、絞り圧力損失を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る弁装置の組み立て断面図である。蒸気加減弁を例に説明する。
【0022】
蒸気加減弁10は、弁本体11と、この弁本体11の内方部に隆起状をなす弁座13と、この弁座13に当接する弁体14と、この弁体14と接続し、摺動部を備える弁棒15と、弁本体11の上端部に弁棒15の摺動部を貫通させる弁蓋12とを有している。
【0023】
弁体14は、弁棒15を介してシリンダとしての油筒17内のピストン16に連結されている。油筒17内には、ピストン16が配置されており、このピストン16の反弁棒15側と油筒17の端面側にバネ受22が配置されている。そしてこのバネ受22とピストン16の対向面間に第1バネ21が配置されている。また、バネ受22と油筒17の端面間に、第1バネ21の例えば2倍のバネ定数を有する第2バネ23が、第1バネ21と直列に配置されている。ピストン16の反弁棒15側面には、バネ受22に向かうピストン16に一体化されたストッパー24が設けられている。すなわち、本実施の形態では、油筒17内のピストン16の反弁棒側に第1バネ21、第2バネ23、バネ受22、およびストッパー24が設けられて閉鎖用バネ50を形成している。油筒17の弁体14側の側面には給油口を兼ねた排油口18が設けられ、この排油口18には図示しないサーボ弁やダンプ弁等の油圧機器が接続されている。
【0024】
また、本実施の形態における弁装置については、弁蓋12の一部が弁本体11の内部に突出するように形成され、その突出部に弁体11が全開した時に弁体11を内部に収納するチャンバー30を形成している。弁体14は、弁座13との対向面の縁辺に、エッジ141を備えた凹陥部142が形成されている。
【0025】
ボイラ等からの蒸気流は、図示しない蒸気止め弁から流入し、蒸気加減弁10の出口Oから流出する。そして油筒17内のピストン16には閉鎖用バネ50による復元力が作用しているから、油圧機器からの油圧が排油口18を介してピストン16に作用し、または、排油口18から油が流出することにより、弁棒15を介して弁体14は上下動し、蒸気加減弁10が開閉動作をなし、その開閉動作によって、蒸気流量の制御がなされ図示しない蒸気タービンへと流れる。
【0026】
ここで、弁体14と弁座13で構成される蒸気通路部の説明を図2、図3を用いて行う。
【0027】
弁座シート径(Do)における弁座断面積(A1)は
A1=π/4 x Do2
で求められ、弁体14のストローク(L)に係わりなく常に一定の固有値である。
【0028】
弁体14のストロークがLの時、弁体14と弁座13によって構成される蒸気通路断面積(A2)は、幾何学的にその最小値、すなわち最小絞り断面積を求めることが出来る。
【0029】
即ち、図2、図3において、弁体14と弁座13で構成された蒸気通路には無数の円錐台が仮想され、その円錐台の上底面と下底面を除いた外表面積の最も少ない部位がそのストロークLにおける最小値、すなわち最小絞り断面積であり蒸気通路断面積(A2)となり、次式で表される。
【0030】
ここで円錐台の下底面の半径をR1、上底面の半径をR2、高さをhとする。
【0031】
A2=π x ((h2+(R1−R2)21/2 x (R1+R2)
以上の説明から、弁体14と弁座13にて構成される蒸気通路部において、全開状態の弁開度では最小絞り部を常に一定の固有値である弁座断面積(A1)となるように設定することが好ましい。
【0032】
また、本実施の形態においては、全開の概念を従来装置における全開よりも大きく弁を開けた状態を言い、弁体14のストロークLを、
L/Do≧0.2
の範囲に設定している。
【0033】
これにより、弁体14と弁座13にて構成される蒸気断面通路A2は弁座シート径における弁座断面積A1よりも大きくなるため、絞り圧力損失を低減することができる。
【0034】
このように、弁体14のストロークを増加させれば、弁体14の開度を従来装置における全開よりも大きく開くことができるが、ここで蒸気タービンに負荷遮断のような非常事態が発生した場合、蒸気タービンのオーバースピード抑制のために、流入する蒸気を遮断しなくてはならないので、蒸気弁を急速閉鎖させる必要があることから、予め定められた途中開度よりも大きい開度のときに、油筒17に設置された閉鎖用バネ50のバネ定数を、従来のバネのバネ定数よりも、全体として大きくしている。
【0035】
上述の通り、本実施の形態では、閉鎖用バネ50は第1バネ21と第2バネ23を組合せた構成となっている。弁体14が全閉の時、油筒17内に排油口18から油圧を作用させると、ピストン16は、最初に主にバネ定数の小さい第1バネ21を圧縮しながら開弁を開始し、ストッパー24がバネ受22に接触するまで開弁する。ストッパー24がバネ受22に接触した後は、ピストン16とストッパー24とバネ受22と第1バネ21が一体(剛体)となる。さらにピストン16に油圧が作用すると、今度はバネ定数の大きい第2バネ23をも圧縮しながら開弁するように動作する。
【0036】
これにより、弁体14は、図1に示すように全開状態となる。
【0037】
図4は、負荷遮断のような非常事態が発生した場合の油筒17の急速閉鎖時間特性を示したもので、縦軸はピストンストローク、横軸は蒸気加減弁10の全開から全閉までの急速閉鎖時間を表している。
【0038】
図4の曲線bは本実施の形態における特性を示している。弁体14の開度を従来以上に大きくしてあるため、油筒17のピストン16のストロークを増加した弁全開のピストンストロークがL2の時、蒸気タービンの制御装置から急閉動作指令が入力されると、油筒17に連通するサーボ弁やダンプ弁が動作して排油口18を開口状態とし、図1の状態から閉鎖用バネ50のうちの第1バネ21と第2バネ23の復元力によりピストン16が弁本体方向に移動し、油筒17内の油が排油口18から放出され、時間T秒後に全閉となる。
【0039】
ここで急速閉鎖時間は、従来の特性を示す曲線aと本実施の形態における特性の曲線bは同一の時間T秒後に全閉となるように設定されている。
【0040】
本実施の形態における特性を示した図4の曲線bは、特性の途中に折点が存在している。この折点は開弁時では、主に第1バネ21を圧縮しながら開弁を開始した後、ストッパー24がバネ受22に接触するまでのピストンストロークL0の点である。
【0041】
すなわち、本実施の形態において、急速閉鎖時間が従来と同じT秒後に全閉とするために、バネ定数の大きな第2バネ23を追加し、ピストンストロークの増加分(L2−L1)による閉鎖時間の増加を相殺するように構成されており、閉鎖用50全体としては途中開度以下の弁開度でバネ定数が小さくなるようになっている。更には急速閉鎖時の弁体14の衝撃力が弁座13に作用するが、全閉近傍で閉鎖速度が低下するので弁座13に作用する衝撃力が大幅に緩和される。
【0042】
一方、蒸気弁は、弁体14が開き始める直前の全閉位置において、弁体14には最大の差圧が作用するので弁体14を開弁するための大きな駆動力が要求される。このような要求に対して、弁体14が開き始める全閉点から常に第2バネ23のみによる大きな復元力が作用することになると、ピストン16の口径も増大させる必要がある。しかし、本実施の形態では、閉鎖用バネ50を複数の組合せで構成し、弁開度が小さい時にバネ定数の小さい第1バネ21を作用させることで全体としてのバネ定数を小さくしている。そして、弁開度が大きくなるとともに弁体14の下流を通過する蒸気量が多くなると、その蒸気圧力により、弁体14を開方向に動かしやすくなるので、その後、バネ定数の大きい第2バネ23の復元力を作用させるように構成されている。よって、ピストン16の口径も大きな設計変更が生じず、従来と同一にすることが可能である。
【0043】
このように本実施の形態においては、負荷遮断時等に、蒸気タービンがオーバースピードとならないように弁を急速閉鎖することができる。弁を急速閉鎖できることによって、弁を従来装置の全開状態よりもさらに大きく開けることが可能となり、蒸気加減弁の絞り圧力損失を低減することができる。これにより、蒸気タービンの効率を向上させることができる。
【0044】
なお、本実施の形態においては、第2バネ23のバネ定数を、第1バネ21のバネ定数の2倍としているが、第1の閉鎖用バネのバネ定数よりも大きければよく、弁装置の急速閉鎖特性に応じて適宜決定される。
【0045】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る弁装置の示す組み立て断面図である。
【0046】
第1の実施の形態においては、閉鎖用バネ50の第1バネと第2バネをそれぞれ直列に配置したが、本実施の形態においては、第1バネと第2バネをそれぞれ並列配置とした閉鎖用バネ50とした点が相違する。そして第1の実施の形態と同様箇所の説明は省略する。
【0047】
弁体14は、弁棒15を介して油筒507内のピストン506に連結されている。油筒507内には、ピストン506が配置されており、第1の実施の形態と同様に、ピストン506の反弁棒側に閉鎖用バネ50が設けられる。ピストン506の反弁棒15側に一体化されたストッパー524が設けられている。このストッパー524と油筒507端面側との間に第1バネ521が配置されている。この第1バネ521よりも外側で、ストッパー524と油筒507端面側との間にバネ受522が配置されている。そして、このバネ受522と油筒507端面側との間に、第1バネ521の例えば2倍のバネ定数を有する第2バネ523が第1の閉鎖用バネとは並列に配置されている。すなわち、本実施の形態に係る閉鎖用バネ50は、第1バネ521、第2バネ523、バネ受522、およびストッパー524から構成されている。油筒507の弁体14側の側面には給油口を兼ねた排油口508が設けられ、この排油口508には図示しないサーボ弁やダンプ弁等の油圧機器が接続されている。
【0048】
弁体14が全閉の時、油筒507内に排油口508から油圧を作用させると、ピストン506は、閉鎖用バネ50のうち、最初にバネ定数の小さい第1バネ521を圧縮しながら開弁を開始し、ストッパー524がバネ受522に接触するまで開弁する。ストッパー524がバネ受522に接触した後は、ピストン506とストッパー524とバネ受522とが一体となる。さらにピストン506に油圧が作用すると、その後は第1バネ521と、バネ定数の大きい第2バネ523の両方を圧縮しながら開弁するように動作する。
【0049】
これにより、弁体14は、図5に示すように全開状態となる。
【0050】
これによって、予め定められた途中開度より大きい弁開度のときに、閉鎖用バネ50の全体としてのバネ定数が大きくなるので、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0051】
なお、本実施の形態においては、第2バネ523のバネ定数を第1バネ521のバネ定数の2倍としているが、予め定められた途中開度よりも大きい弁開度にて、閉鎖用バネ50全体のバネ定数が大きくなればよく、弁装置の急速閉鎖特性に応じて適宜決定される。
【0052】
これらの実施の形態においては、説明図のバネは圧縮コイルバネにて作図しているが、更にコンパクトな皿バネ等を使用してもよい。また、上記各実施形態では、閉鎖用バネを第1バネと第2バネの2つの組合せとして構成したが、2つ以上の複数のバネを適宜直列あるいは並列に組合せて構成し、閉鎖用バネの全体としてのバネ定数が多段階に変化する構成としてもよい。
【0053】
また、これらの実施の形態においては、油筒を弁棒に直結した直動型の構造を示しているが、レバーを介した駆動機構でもよい。
【0054】
また、これらの実施の形態においては、弁体14の先端に振動の発生を防止する目的でエッジ141を形成した構造を示しているが、例えば運用パターンや使用する蒸気条件等を勘案することにより、通常の球面体すなわちボール弁型にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る弁装置の組み立て断面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る弁装置の蒸気通路部の説明図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る弁装置の蒸気通路部の説明図。
【図4】従来と本発明の第1の実施の形態に係る弁装置の急速閉鎖特性の説明図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る弁装置の組み立て断面図。
【図6】蒸気タービンプラントの系統図。
【図7】従来の一体型蒸気弁の組み立て断面図。
【符号の説明】
【0056】
10、702…蒸気加減弁、11、101、201…弁本体、12、102、202…弁蓋、13、104、203…弁座、14、105、204…弁体、15、106、205…弁棒、16、110、206、506…ピストン、17、107、207、507…油筒、18、108、208、508…排油口、21、521…第1バネ、22、522…バネ受、23、523…第2バネ、24、524…ストッパー、30…チャンバー、50…閉鎖用バネ、109、209…バネ、141…エッジ、142…凹陥部、700…ボイラ、701…主蒸気止め弁、703…再熱蒸気止め弁、704…インターセプト弁、706…低圧タービンバイパス弁、707…逆止弁、710…高圧タービン、711…中圧タービン、712…低圧タービン、713…復水器、714…給水ポンプ、Do…弁座のシート径、I…入口、O…出口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁本体と、
前記弁本体の内部に収容された弁体と、
前記弁本体の内部に設けられ、弁閉時に前記弁体と接する弁座と、
前記弁体と接続され、摺動部が前記弁本体に取り付けられた弁蓋を貫通する弁棒と、
前記弁棒と連結されたピストンを収納し、このピストンの移動により前記弁棒を介して前記弁体を前記弁座に対し開閉移動させるシリンダと、
前記シリンダ内に配置され、第1バネ及び第2バネを含む閉鎖用バネとを備え、
弁全閉からの弁開時よりも、予め定められた途中開度より大きな弁開度で、前記閉鎖用バネの全体のバネ定数が大きくなるようにしたことを特徴とする弁装置。
【請求項2】
前記第1バネと第2バネが直列に配置されていることを特徴とする請求項1記載の弁装置。
【請求項3】
前記第1バネと第2バネが並列に配置されていることを特徴とする請求項1記載の弁装置。
【請求項4】
前記弁体のストロークをL、前記弁座のシート径をDoとするとき、弁全開時は、
L/Do≧0.20
の範囲に設定したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の弁装置。
【請求項5】
前記弁体は、前記弁体と前記弁座との間に形成される部分の断面積を蒸気通路断面積としたとき、この蒸気通路断面積が前記弁座の断面積よりも大きくなるストロークまで動くことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の弁装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−128442(P2008−128442A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−317255(P2006−317255)
【出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】