説明

弱水溶性化合物のための可溶化剤としてのコポリマーの使用

本発明は、i)30〜80重量%のN−ビニルラクタム、ii)10〜50重量%の酢酸ビニル、及びiii)10〜50重量%のポリエーテルの混合物(ただし、成分i)、ii)及びiii)の総量は100重量%に等しい)のラジカル重合によって得られるコポリマーの、弱水溶性物質のための可溶化剤としての使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弱水溶性物質のための可溶化剤としての、ポリエーテルの存在下で酢酸ビニル及びN−ビニルラクタムを重合することにより得られるコポリマーの使用、並びにそれに対応する調製物に関する。
【背景技術】
【0002】
均質な調製物、特に生物活性物質の製造において、疎水性、すなわち弱水溶性物質の可溶化が実用的見地から非常に重要となっている。
【0003】
可溶化とは、適当な溶媒(特に水)に弱溶性又は不溶性の物質を、界面活性化合物、すなわち可溶化剤により可溶性とすることを意味する。そのような可溶化剤は、水における可溶性が低い又はゼロの物質を、これらの物質の化学構造を改変することなく透明な(又は多くとも乳白色の)水溶液に変換することができる(Rompp Chemie Lexikon, 9th edition, Vol.5. p.4203, Thieme Verlag, Stuttgart, 1992参照)。
【0004】
生成された可溶化物は、水溶液中に形成する、例えば疎水性ドメイン又はミセルなどの界面活性化合物分子の凝集体のコロイド溶液の形態である、水への可溶性が低い又はゼロの物質という特徴がある。得られる溶液は、光学的に透明であるか又は乳白色に見える安定又は準安定の単相系である。
【0005】
可溶化剤は、例えば化粧品製剤及び食品調製物を透明にすることによってそれらの調製物の外観を改善しうる。医薬調製物の場合には、可溶化剤を使用することによって、薬物のバイオアベイラビリティ、それゆえ薬効をさらに高めうる。
【0006】
医薬及び化粧品有効成分に用いられる可溶化剤は、主に界面活性剤、例えばエトキシ化ヒマシ油若しくはエトキシ化硬化ヒマシ油、エトキシ化ソルビタン脂肪酸エステル、又はエトキシ化ヒドロキシステアリン酸である。
【0007】
しかしながら、上述の及び現在まで用いられている可溶化剤は、使用時にいくつかの技術的欠点を示す。
【0008】
公知の可溶化剤の可溶化作用は、一部の弱溶性薬物、例えばクロトリマゾールなどにとっては低くしかない。
【0009】
EP−A 876819は、少なくとも60重量%のN−ビニルピロリドンと長鎖アルキル基を有するアミド又はエステルとのコポリマーの使用を記載している。
【0010】
EP−A 948957は、モノエチレンとして不飽和のカルボン酸、例えばアクリル酸などと、疎水性に改変されたコモノマー、例えばC−C30−アルキル基を有する不飽和カルボン酸のN−アルキル−又はN,N−ジアルキルアミドなどとのコポリマーの使用を記載している。
【0011】
DE−A 19935063は、ビニルラクタム及び酢酸ビニルに基づくポリアルキレンオキシド含有グラフトコポリマーと、それらのガス水和物阻害剤としての使用を開示している。
【0012】
EP−A 953347は、ポリアルキレンオキシド含有グラフトコポリマーの可溶化剤としての使用を開示している。これに開示されるグラフトコポリマーは、酢酸ビニル及びポリアルキレンオキシドから構成され、粉末ではなく粘着性の液体であることが多く、これは使用時に技術的な欠点がある。
【0013】
さらに望ましい要件は、可溶化剤が弱溶性物質といわゆる「固溶体」を形成可能であることである。「固溶体」という用語は、ある物質が、微粒分散の形態、又は理想的な場合には、固体マトリクス(例えばポリマーマトリクス)中の分子分散の形態である状態を意味する。そのような固溶体によって、例えば弱溶性有効成分の固形医薬剤形で用いる場合には、有効成分の放出が改善される。重要な要件は、長期間にわたって貯蔵した場合であってもそのような固溶体が安定である、すなわち有効成分が晶出しないことである。また、固溶体の限度容量が重要であり、言い換えれば有効成分の最大量を含んで安定な固溶体を形成する能力である。
【0014】
可溶化剤が固溶体を形成する基本的な能力だけではなく、可溶化剤の吸湿性もまた、固溶体の形成に重要な役割を果たしている。周囲空気から過度の水分を吸収する可溶化剤は固溶体の液状化を引き起こし、有効成分の望ましくない結晶化を導く。過剰な吸湿性はまた剤形の加工時にも問題を引き起こしうる。
【0015】
従来開示されたポリマー可溶化剤は、いずれも安定な固溶体を形成しないという欠点を有している。水系における可溶化においてさらなる改善の余地がある。公知の可溶化剤の一部はまた、粘着傾向があるために、十分な流動性の粉末を表すものではないため、加工可能性に関して欠点を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って、上記欠点を有しない、医薬品、化粧品、食品技術、農業技術又は他の産業における用途のための新規でかつ改善された可溶化剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的は、本発明によって、以下:
i)30〜80重量%のN−ビニルラクタム、
ii)10〜50重量%の酢酸ビニル、及び
iii)10〜50重量%のポリエーテル
(ただし、i)、ii)及びiii)の総量は100重量%に等しい)
の混合物のフリーラジカル重合によって得られる水溶性又は水分散性コポリマーの使用により解決される。
【0018】
本発明の一実施形態において、好ましいポリマーは、以下:
i)30〜70重量%のN−ビニルラクタム、
ii)15〜35重量%の酢酸ビニル、及び
iii)15〜35重量%のポリエーテル
から得られ、特に好ましいポリマーは、以下:
i)40〜60重量%のN−ビニルラクタム、
ii)15〜35重量%の酢酸ビニル、及び
iii)15〜30重量%のポリエーテル
から得られる。
【0019】
本発明の別の実施形態において、好ましいポリマーは10〜35重量%のポリエーテルを含む。
【0020】
特に好ましいポリマーは、以下:
i)40〜60重量%のN−ビニルラクタム、
ii)15〜35重量%の酢酸ビニル、
iii)10〜30重量%のポリエーテル
からなる。
【0021】
ただし、成分i)、ii)及びiii)の総量は100重量%に等しく、これは好ましい及び特に好ましい組成物にも適用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
適当なN−ビニルラクタムは、N−ビニルカプロラクタム若しくはN−ビニルピロリドン、又はそれらの混合物である。好ましくはN−ビニルカプロラクタムが用いられる。
【0023】
適当な及び好ましいポリエーテルは、ポリアルキレングリコールである。ポリアルキレングリコールは、1000〜100000D[ダルトン]、好ましくは1500〜35000D、特に好ましくは1500〜10000Dの分子量を有するものとしうる。分子量は、DIN53240に規定されているように測定したOH数に基づいて決定する。
【0024】
ポリエチレングリコールが好適であり、そして特に好ましくはポリアルキレングリコールである。また、2−エチルオキシラン又は2,3−ジメチルオキシランから得られる、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、又はポリブチレングリコールも適当である。
【0025】
適当なポリエーテルはまた、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシドから得られるポリアルキレングリコールのランダム又はブロックコポリマー、例えばポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロックコポリマーである。ブロックコポリマーは、AB型であってもよいし又はABA型であってもよい。
【0026】
また好ましいポリアルキレングリコールとしては、末端OH基の一方又は両方がアルキル化されたものが挙げられる。適当なアルキル基は、分枝又は非分枝のC−〜C22−アルキル基であり、好ましくはC−C18−アルキル基、例えばメチル、エチル、n−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、トリデシル又はオクタデシル基である。
【0027】
本発明のコポリマーの一般的な調製方法はそれ自体が公知である。この調製は、フリーラジカル重合、好ましくは非水性有機溶媒又は非水性/水性混合溶媒における溶液重合によって行われる。
【0028】
適当な非水性有機溶媒は、例えばアルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール及びイソプロパノールなど)、並びにグリコール(エチレングリコール及びグリセロールなど)である。
【0029】
別の適当な溶媒は、エステル、例えば酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル又は酢酸ブチルなどである。
【0030】
重合は、好ましくは60〜100℃の温度で実施する。
【0031】
重合を開始するためにフリーラジカル開始剤を使用する。使用する開始剤又は開始剤混合物の量は、用いるモノマーを基準として、0.01〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%である。
【0032】
用いる溶媒の性質に応じて、有機及び無機過酸化物の両方、例えば過硫酸ナトリウム、又はアゾ開始剤、例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−アミドプロパン)ジヒドロクロリド若しくは2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などが好適である。
【0033】
過酸化物開始剤の例としては、過酸化ジベンゾイル、過酸化ジアセチル、スクシニルペルオキシド、t−ブチルペルピバレート、t−ブチルペルエチルヘキサノエート、t−ブチルペルネオデカノエート、t−ブチルペルマレエート、ビス−(t−ブチルペル)シクロヘキサン、t−ブチルペルイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルアセテート、2,2−ビス(t−ブチルペル)ブタン、過酸化ジクミル、ジ−t−アミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化水素、及び上記開始剤の混合物がある。上記開始剤はまた、酸化還元成分、例えばアスコルビン酸と組み合わせて用いることができる。
【0034】
特に好適な開始剤は、t−ブチルペルネオデカノエート、t−ブチルペルピバレート又はt−ブチルペルエチルヘキサノエートである。
【0035】
フリーラジカル重合は、適切な場合には乳化剤の存在下にて、適切な場合には別の保護コロイドの存在下にて、適切な場合には分子量調節剤の存在下にて、適切な場合にはバッファー系の存在下にて、そして適切な場合にはその後に塩基又は酸を用いてpHを調整して行うことができる。
【0036】
適した分子量調節剤は、スルフヒドリル化合物、例えばアルキルメルカプタン(例:n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン)など、チオグリコール酸及びそれらのエステル、メルカプトアルカノール、例えばメルカプトエタノールなどである。別の適した調節剤は、例えばDE197 12 247A1の第4頁に言及されている。分子量調節剤の必要量は、重合しようとする(コ)モノマーの量を基準として0〜5重量%の範囲である。この調節剤を使用する場合には、特に0.05〜2重量%、特に好ましくは0.1〜1.5重量%の範囲の量を用いる。しかしながら、調節剤を用いない重合が特に非常に好ましい。
【0037】
また適切な場合には、乳化剤、例えばイオン性又は非イオン性サーファクタントであって、そのHLBが通常3〜13の範囲のものを使用することが可能である。HLBの定義については、W.C. Griffin, J. Soc. Cosmetic Chem., Volume 5, 249 (1954)の刊行物を参照されたい。サーファクタントの量は、ポリマーを基準として、0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%でありうる。
【0038】
モノマー、又はモノマー混合物若しくはモノマー(単数若しくは複数)のエマルジョンは、開始剤(通常溶液中に存在する)と共に、重合温度にて撹拌反応器に導入されるか(バッチプロセス)、あるいは適当な場合には、連続的に又は多数の逐次段階として重合反応器に計量投入される(フィードプロセス)。フィードプロセスにおいては通常、実際の重合を開始する前に、(反応混合物を撹拌可能にするために)溶媒以外に、開始材料(乳化剤、保護コロイド、モノマー、調節剤など)の部分量(稀ではあるが重合しようとする全量)、又はフィードの部分量(一般的にモノマーフィード又はエマルジョンフィードと開始剤フィード)もまた反応器に投入する。
【0039】
重合は、大気圧下で及び高圧の閉鎖反応器中の両方で実施することができる。この場合、反応の間設定した圧力下で重合を行ってもよいし、あるいはガス注入若しくは排出により圧力を調節してもよい。圧力はまた、コンデンサへの反応器の部分減圧によって制御することも可能である。
【0040】
重合に用いた非水溶媒は、その後除去されて蒸気蒸留により水と置き換えられる。これは通常、最初にできる限り純粋に非水溶媒を蒸留し、次に蒸気中を通過させることによって完全に水と置き換える。
【0041】
重合の後、残渣のモノマーを低減するための一般的に公知の方法を用いることができる。そのような方法の例としては、重合の終了時における開始剤のさらなる添加、酸添加によるビニルラクタムモノマーの加水分解、固相(イオン交換体など)を用いたポリマー溶液の処理、十分に共重合したモノマーへの供給、膜ろ過及びさらなる慣習的方法がある。
【0042】
得られるポリマー水性分散液又は水溶液の固形分は、通常10〜70重量%、好ましくは15〜60重量%、特に好ましくは15〜40重量%である。
【0043】
ポリマー分散液又は溶液は、種々の乾燥方法、例えば噴霧乾燥、流動噴霧乾燥、ドラム乾燥、パドル乾燥、ベルト乾燥又は凍結乾燥などによって、粉末形態又は顆粒に変換されうる。噴霧乾燥の間に、例えばコロイドシリカ又は疎水性に改変されたコロイドシリカなどの添加物を添加することが望ましいこともある。
【0044】
コポリマーは、水性分散液又は水溶液として、あるいは水分の除去後に非常に流動性の水分散性又は水溶性の粉末として得られる。
【0045】
このポリマーのフィケンチャーのK値は、1重量%エタノール溶液中で測定した場合に10〜60、好ましくは15〜40の範囲である。
【0046】
用途:
本発明に従って用いられるコポリマーは、原則として、水への可溶性が低い又はゼロしかない物質を水性調製物中で使用することを目的とする又は水性媒質においてそれらの効果を示すことを目的とする、全ての分野において利用することができる。従ってコポリマーは、弱水溶性物質、特に生物活性物質のための可溶化剤として用いられる。
【0047】
「弱水溶性(slightly water-soluble)」という用語は、本発明において、実質的に不溶性の物質をも含み、20℃において物質を水に溶解するためにその物質1g当たり少なくとも30〜100gの水が必要であることを意味する。実質的に不溶性の物質の場合、物質1g当たり少なくとも10000gの水が必要である。
【0048】
本発明において、弱水溶性生物活性物質とは、ヒト及び動物のための有効医薬成分、化粧品若しくは農薬有効成分、又は栄養補助食品若しくは栄養活性物質を意味する。
【0049】
可溶化に適した別の弱溶性物質はまた、無機又は有機色素などの着色剤である。
【0050】
本発明は特に、医薬調製物及び化粧品調製物のため、並びに食品調製物のための可溶化剤として使用するための両親媒性化合物を提供する。これらは、医薬及び化粧品の分野の弱溶性有効成分、弱溶性栄養補助食品、例えばビタミン類及びカロテノイド類、そしてまた作物保護剤に使用するための弱溶性活性物質及び獣医学薬用有効成分を可溶化する性質を有する。
【0051】
化粧品のための可溶化剤:
本発明において、前記コポリマーは化粧品製剤中の可溶化剤として用いることができる。これらは、例えば化粧用油のための可溶化剤として好適である。これらは、脂肪及び油、例えば落花生油、ホホバ油、ヤシ油、アーモンド油、オリーブ油、パーム油、ヒマシ油、ダイズ油若しくはコムギ胚種油など、又はエッセンシャルオイル、例えばドワーフパイン油、ラベンダー油、ローズマリー油、スプルースニードル油、パインニードル油、ユーカリ油、ハッカ油、セージ油、ベルガモット油、テレビン油、メリッサ油、セージ油、杜松油、レモン油、アニス油、カルダモン油、ハッカ油、樟脳油など、あるいはこれらの油の混合物を良好に可溶化する能力を有する。
【0052】
本発明のポリマーはさらに、弱水溶性又は水に不溶性の紫外線吸収剤のための可溶化剤として用いることもできる。そのような紫外線吸収剤は、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(Uvinul(登録商標)M 40、BASF製)、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン(Uvinul(登録商標)D 50)、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン(Uvinul(登録商標)D49)、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(Uvinul(登録商標)400)、2’−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(Uvinul(登録商標)N 539)、2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン(Uvinul(登録商標)T150)、3−(4−メトキシベンジリデン)カンフル(Eusolex(登録商標)6300、Merck製)、2−エチルヘキシルN,N−ジメチル−4−アミノベンゾエート(Eusolex(登録商標)6007)、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルサリチレート、4−イソプロピルジベンゾイルメタン(Eusolex(登録商標)8020)、2−エチルヘキシルp−メトキシシンナメート及び2−イソアミルp−メトキシシンナメートなど、並びにそれらの混合物である。
【0053】
従って本発明はまた、最初に記載した組成を有する本発明のコポリマーの少なくとも1つを可溶化剤として含む化粧品調製物に関する。好ましい調製物は、可溶化剤以外に、1又は複数の弱溶性化粧品有効成分、例えば上述した油又は紫外線吸収剤を含むものである。
【0054】
これらの製剤は、水又は水/アルコールベースの可溶化物である。本発明の可溶化剤は、弱(slightly)化粧品有効成分に対して0.2:1〜20:1の比で、好ましくは1:1〜15:1、特に好ましくは2:1〜12:1の比で用いられる。
【0055】
化粧品調製物中の本発明の可溶化剤の含有量は、活性物質に応じて、1〜50重量%、好ましくは3〜40重量%、特に好ましくは5〜30重量%の範囲である。
【0056】
さらに、別の助剤をこの製剤に添加することも可能であり、そのような助剤は、例えば、非イオン性、カチオン性若しくはアニオン性サーファクタント、例としてアルキルポリグリコシド、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエーテル硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩、高級アルコールエトキシレート、高級アルコールリン酸エステル塩、アルキルベタイン、ソルビタンエステル、POE−ソルビタンエステル、糖脂肪酸エステル、脂肪酸ポリグリセロールエステル、脂肪酸部分グリセリド、脂肪酸カルボキシレート、高級アルコールスルホコハク酸エステル塩、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸タウリネート、クエン酸エステル、シリコンコポリマー、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミド、脂肪酸アルカノールアミド、第4級アンモニウム化合物、アルキルフェノールエトキシレート、高級アミノエトキシレート、共溶媒、例としてエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールなどである。
【0057】
添加することができるさらなる成分は、天然又は合成化合物、例えばラノリン誘導体、コレステロール誘導体、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、電解質、着色剤、防腐剤、酸(例として乳酸、クエン酸)である。
【0058】
これらの製剤は、例えば浴用添加物(バスオイル、アフターシェーブローション、フェイストニック、ヘアトニック、オーデコロン、オードトワレなど)、及び日焼け防止用組成物において用いる。別の使用領域は、口腔ケア部門であり、例えばマウスウォッシュ、歯磨き粉、義歯接着クリームなどにおいて用いる。
【0059】
コポリマーはまた、工業的用途、例えばトナーにおける弱溶性着色剤の調製物、磁性顔料の調製物などに好適である。
【0060】
可溶化方法の説明:
本発明のコポリマーは、100%純度の物質として、又は好ましくは水溶液として、化粧品製剤のための可溶化物を調製するために用いることができる。
【0061】
通常、可溶化剤は水に溶解し、各場合に使用する弱溶性化粧品有効成分と十分に混合する。
【0062】
しかしながら、可溶化剤を、各場合に使用する弱溶性化粧品有効成分と十分に混合し、続いて連続的に撹拌しながら脱塩水を添加することも可能である。
【0063】
医薬用途のための可溶化剤:
本発明のコポリマーは同様に、弱水溶性又は水不溶性の1以上の薬物、並びにビタミン類及び/又はカロテノイド類を含みうる任意の種類の医薬調製物における可溶化剤として使用するために好適である。経口投与のための水溶液又は可溶化物は、この関係で特に重要なものである。したがって、本発明のコポリマーは、経口投与剤形、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、溶剤などにおける使用に好適である。これらにおいて、コポリマーは弱溶性薬物のバイオアベイラビリティを高めうる。特に有効成分及び可溶化剤の固溶体を使用する。
【0064】
非経口投与については、可溶化剤以外に、エマルジョン、例えば脂肪エマルジョンも用いることができる。本発明のコポリマーはまた、このために弱溶性薬物の加工処理に好適である。
【0065】
上述した種類の医薬製剤は、従来の方法により公知及び新規の有効成分を用いて、本発明のコポリマーを有効医薬成分と共に加工処理することによって得ることができる。
【0066】
本発明の用途はさらに、医薬賦形剤及び/又は希釈剤を含む。賦形剤を部分的に列挙すると、共溶媒、安定化剤、防腐剤である。
【0067】
使用する有効医薬成分は、水に不溶性又は難溶性である。DAB9(German Pharmacopeia)によると、有効医薬成分の可溶性は以下のように分類される。すなわち、難溶性(溶媒の30〜100部に可溶性);弱溶性(溶媒の100〜1000部に可溶性);実質的に不溶性(溶媒の10000部を超える部に可溶性)である。これに関して、有効成分は任意の分類範囲のものであってよい。
【0068】
本明細書において言及しうる例としては、ベンゾジアゼピン、降圧剤、ビタミン類、細胞増殖抑制剤(特にタキソール)、麻酔剤、神経弛緩薬、抗うつ薬、抗ウイルス活性を有する薬剤(例えば抗HIV活性を有する薬剤など)、抗生物質、抗真菌薬、抗認知症薬、殺菌剤、化学療法剤、泌尿器科用薬、血小板凝集阻害薬、スルホンアミド、鎮痙薬、ホルモン、免疫グロブリン、血清、甲状腺治療薬、向精神薬、抗パーキンソン病薬及び他の抗多動症薬、眼科用薬、神経障害製品、カルシウム代謝調節剤、筋肉弛緩剤、麻酔剤、脂質低下剤、肝治療薬、冠状動脈薬、心臓病薬、免疫療法剤、調節性ペプチド及びそれらの阻害剤、睡眠薬、鎮静薬、婦人科用薬、痛風治療剤、繊維素溶解薬、酵素産物及び輸送タンパク質、酵素阻害剤、催吐剤、血流刺激剤、利尿剤、診断補助薬、コルチコイド、コリン作動薬、胆汁治療剤、抗喘息剤、気管支拡張剤、β受容体遮断薬、カルシウム拮抗薬、ACE阻害剤、動脈硬化治療薬、抗炎症剤、抗凝血剤、降圧剤、抗低血糖薬、降圧剤、抗繊維素溶解薬、抗てんかん薬、制吐剤、解毒剤、抗糖尿病薬、抗不整脈薬、抗貧血薬、抗アレルギー薬、駆虫薬、鎮痛薬、中枢神経興奮剤、アルドステロン拮抗薬、減量薬がある。
【0069】
可能な製造変法の1つは、適切な場合には穏やかに加熱しながら、可溶化剤を水相に溶解させ、続いて有効成分を可溶化剤水溶液に溶解するものである。同様に、可溶化剤と有効成分を同時に水相に溶解することも可能である。
【0070】
また、例えば、適切な場合には加熱しながら、有効成分を可溶化剤に分散させ、撹拌しながら水と混合することによって、本発明のコポリマーを可溶化剤として用いることができる。
【0071】
他の可能性としては、可溶化剤を有効成分と共に溶融して処理することがある。この方法では特に固溶体を得ることが可能である。またこのためには中でも溶融押出プロセスが適している。固溶体を生成するための別の可能性としてはまた、適当な有機溶媒中の可溶化剤及び有効成分の溶液を調製し、続いて通常の方法によって溶媒を除去することがある。
【0072】
従って本発明は概して、本発明のコポリマーの少なくとも1つを可溶化剤として含む医薬調製物にも関する。好ましい調製物は、可溶化剤以外に、弱水溶性又は水に不溶性の有効医薬成分であって、例えば上述した適応分野からの成分を含むものである。
【0073】
上述したもののなかで特に好ましい医薬調製物は、経口投与可能な製剤である。
【0074】
医薬調製物における本発明の可溶化剤の含有量は、有効成分に応じて、1〜75重量%、好ましくは5〜60重量%、特に好ましくは5〜50重量%の範囲である。
【0075】
別の特に好ましい実施形態は、有効成分及び可溶化剤が固溶体として存在する医薬調製物に関する。この場合、可溶化剤の有効成分に対する比は、重量に基づいて好ましくは1:1〜4:1であるが、100:1まで可能であり、特に15:1までである。完成した薬物の剤形を用いる際には、第1にその剤形に存在する有効成分の量が有効なものであり、第2にその剤形が経口投与剤形の場合に大きすぎないことにのみ気をつければよい。
【0076】
食品調製物のための可溶化剤:
化粧品及び医薬における用途の他、本発明のコポリマーは、食品分野において、弱水溶性又は水に不溶性の栄養物質、助剤又は添加物、例えば脂溶性ビタミン類又はカロテノイド類のための可溶化剤としても好適である。言及することができる例としては、カロテノイドで着色した飲料がある。
【0077】
作物保護調製物のための可溶化剤:
農芸化学における本発明のコポリマーの可溶化剤としての使用は、中でも農薬、除草剤、殺真菌剤又は殺虫剤を含む製剤、特に散布又は散水用の製剤として用いられる作物保護薬の調製物などを含みうる。
【0078】
本発明のコポリマーは、特に良好な可溶化効果を有する点で優れている。これらはまた、弱溶性物質といわゆる固溶体を形成することができる。本発明においては、固溶体とは、弱溶性物質のどの部分も目視検査において明らかに結晶とならない系を意味する。さらに、安定な固溶体の目視検査において、明らかに非晶質の成分がない。目視検査は、40×倍率で光学顕微鏡を用いて行う。
【0079】
以下の実施例において、本発明のコポリマーの調製及び使用をより詳細に説明する。
【実施例】
【0080】
<コポリマーの調製>
使用する略語:
VCap:N−ビニルカプロラクタム
VP:N−ビニルピロリドン
VAc:酢酸ビニル
PEG:ポリエチレングリコール
【0081】
<実施例1>
最初の投入分:165.0gの酢酸エチル
100.0gのPEG6000
20.0gの酢酸ビニル
10.50gのフィード2
フィード1:500gのビニルカプロラクタム
180gの酢酸ビニル
100gの酢酸エチル
フィード2:10.50gのt−ブチルペルエチルヘキサノエート(98重量%純度)
94.50gの酢酸エチル
【0082】
最初の投入分をフィード2の分量を加えないでN雰囲気下で77℃にて撹拌装置において加熱した。内部温度が77℃に達したときにフィード2の分量を加え、最初の重合を15分間行った。続いて、フィード1を5時間かけて、フィード2を2時間かけて計量投入(meter)した。全てのフィードを計量投入した後、反応混合物をさらに3時間かけて重合した。このさらなる重合の後、反応混合物を500mlの水で希釈した。揮発性成分を蒸気蒸留によって除去した。水溶液を凍結乾燥した。コポリマーは、摩砕後に流動性の高い粉末として得られた。
【0083】
さらに実施例2〜5のコポリマーを、わずかに組成を変更して同様に調製した。
【0084】
<実施例2>
最初の投入分:165gの酢酸エチル
100.0gのPEG6000
22.0gの酢酸ビニル
10.50gのフィード2
フィード1:480gのビニルカプロラクタム
198gの酢酸ビニル
100gの酢酸エチル
フィード2:10.50gのt−ブチルペルエチルヘキサノエート(98重量%純度)
94.50gの酢酸エチル
【0085】
<実施例3>
最初の投入分:25gの酢酸エチル
104.0gのPEG6000
1.0gのフィード2
フィード1:240gの酢酸ビニル
フィード2:456gのビニルカプロラクタム
240gの酢酸エチル
フィード3:10.44gのt−ブチルペルピバレート(75重量%純度、脂肪族化合物の混合物)
67.90gの酢酸エチル
【0086】
<実施例4>
最初の投入分:25gの酢酸エチル
112.0gのPEG6000
1.0gのフィード2
フィード1:408gのビニルカプロラクタム
280gの酢酸ビニル
240gの酢酸エチル
フィード2:10.32gのt−ブチルペルピバレート(75重量%純度、脂肪族化合物の混合物)
67.10gの酢酸エチル
【0087】
<実施例5>
最初の投入分:25gの酢酸エチル
112.0gのPEG6000
1.0gのフィード2
フィード1:428.0gのビニルカプロラクタム
260.0gの酢酸ビニル
240gの酢酸エチル
フィード2:10.32gのt−ブチルペルピバレート(75重量%純度、脂肪族化合物の混合物)
67.10gの酢酸エチル
【0088】
【表1】

【0089】
<実施例6〜17>
最初の投入分:50gの酢酸ブチル、150.0gのPEG6000、1.0gのフィード3
フィード1:500gのVCap、120.0gの酢酸ブチル
フィード2:350.0gのVAc、80.0gの酢酸ブチル
フィード3:12.75gのt−ブチルペルピバレート(75重量%純度、脂肪族化合物の混合物)、117.25gの酢酸ブチル
【0090】
最初の投入分をN雰囲気下で77℃にて撹拌装置において加熱した。その温度に到達したときにフィード1、フィード2及びフィード3を開始した。フィード1を5時間かけて、フィード2を2時間かけて、フィード3を5.5時間かけて計量投入した。全てのフィードを計量投入した後、反応混合物をさらに4時間かけて重合した。このさらなる重合の後、反応混合物を500mlの溶媒で希釈した。揮発性成分を蒸気蒸留によって除去した。水溶液を凍結乾燥した。コポリマーは、摩砕後に流動性の高い粉末として得られた。
【0091】
同様に実施例7〜17のコポリマーを調製した。
【表2】

【0092】
<実施例18>
最初の投入分:40gの酢酸エチル、120.0gのPEG6000、1.28gのフィード2
フィード1:400gのVCap、280.0gの酢酸ビニル、225.0gの酢酸エチル
フィード2:10.2gのt−ブチルペルピバレート(75重量%純度、脂肪族化合物の混合物)、118.4gの酢酸エチル
【0093】
最初の投入分をN雰囲気下で撹拌装置において77℃まで加熱した。その温度に到達したときにフィードを開始した。フィード1を5時間かけて、フィード2を5.5時間かけて計量投入した。全てのフィードを計量投入した後、反応混合物をさらに3時間かけて重合した。このさらなる重合の後、反応混合物を約500mlの溶媒で希釈した。揮発性成分を蒸気蒸留によって除去した。水溶液を凍結乾燥した。コポリマーは、摩砕後に流動性の高い粉末として得られた。
【0094】
<実施例19>
湯浴温度85℃にてt−ブチルペルエチルヘキサノエートを用いて、実施例18と同様に行った。
【0095】
<実施例20>
以下のフィードを用いて、実施例19と同様に行った:
最初の投入分:120.0gのPEG6000
フィード1:160gのVCap、280.0gの酢酸ビニル、50.0gの酢酸エチル
フィード2:10.2gのt−ブチルペルピバレート(75重量%純度、脂肪族化合物の混合物)、91.80gの酢酸エチル
フィード3:240gのVCap、242.0gの酢酸エチル
【0096】
フィード1を2時間かけて、フィード2を5.5時間かけて添加した。フィード3はフィード1が終了した直後に開始した。
【0097】
<実施例21>
モノマー組成(重量%)を15 PEG/55 VCap/30 Vacとして、実施例19と同様に行った。
【0098】
<実施例22>
溶媒としてt−ブタノールを用いて、実施例19と同様に行った。
【0099】
<実施例23>
実施例18と同様に行って、さらなる重合の終了後に、81.6gの酢酸エチル中の9.07gのt−ブチルペルピバレートを添加し、その後さらに2時間重合を行って残渣のモノマーを低減させた。
【0100】
<実施例24>
モノマー組成(重量%)を15 PEG/50 VCap/35 VAcとして、二倍量で、90℃にて加圧装置において、実施例21と同様に行った。この場合、0.2MPaの領域の圧力に設定した。
【0101】
<実施例25>
噴霧乾燥
実施例18と同様に調製したポリマーを噴霧乾燥した。乾燥は直接行った:
噴霧器:二流体ノズル、1.3mmテフロン(登録商標)
添加物:なし
固形分:15重量%
入口温度:121℃
出口温度:55℃
収率:77%
色:白色
粉末特性:わずかに塊がある
【0102】
噴霧補助剤(添加物)としてコロイドシリカを添加することによって既に良好な特性が改善され、流動性の高い粉末が得られた。
【0103】
<実施例26>
実施例1のように得られたポリマー水溶液を、実施例25と同様に噴霧乾燥によって処理した。
【比較例】
【0104】
比較のため、EP−A 953437(実施例1、3;表1)に記載の以下の組成のグラフトコポリマーを調製した:
比較例A:70重量%のVAc、30重量%のPEG6000
比較例B:70重量%のVAc、30重量%のPEG1500
これらのポリマーは顕著な粘着性を示した。
【0105】
<固溶体の調製:一般的な手順>
ポリマー−有効成分混合物は、重量比1:1の有効成分とポリマーを適当なガラス容器(それぞれ2g)に計量投入し、続いて16mlのジメチルホルムアミドを溶媒として添加することによって作製した。混合物を磁性撹拌器で20℃にて24時間撹拌した。次に溶液を120μmナイフを用いてガラスプレートに塗布した。このプレートをドラフト内で室温にて0.5時間乾燥した後、乾燥炉内で50℃で10mbarにてさらに0.5時間乾燥して、定量的に溶媒を除去した。その後、サンプルを目視検査した。膜が透明であり、有効成分が7日後に結晶化しなかった場合には、有効成分がポリマー中に安定に溶解したものとして評価した(表1に50と表示)。50重量%の有効成分含量では固溶体が得られない場合には、33重量%の有効成分の投入によって実験を反復実施し、安定な固溶体の形成を上記と同じように評価した(表に33と表示)。
【0106】
<固溶体の安定性>
【表3】

【0107】
比較例A及びBのポリマーを用いた場合には、安定な固溶体は得られなかった。
【0108】
<可溶化物(solubilizate)の調製>
2gのコポリマーをガラスビーカーに計量投入した。次に各混合物に薬物を投入し、以下のように過飽和溶液を得た。投入した塊が培地に溶解した場合、堆積物が形成されるまでその重量を増加させた。
【0109】
投入した有効成分の量:17−β−エストラジオール0.2g;ピロキシカム0.2;クロトリマゾール0.2g;カルバマゼピン0.3g;ケトコナゾール0.25g;グリセオフルビン0.25g;シンナリジン0.25g。
【0110】
続いて、可溶化剤及びリン酸バッファーが重量比1:10で存在するようになるまでリン酸バッファー(pH7.0)を添加した。磁性撹拌器を用いてこの混合物を20℃にて72時間撹拌した。その後少なくとも1時間の静止時間をもうけた。混合物をろ過した後、測光法により調べ、有効成分の含量を測定した。
【表4】

【0111】
37℃での可溶化は、上述の方法と同様に測定した。
【表5】

【0112】
<不粘着処理性の尺度としてのガラス転移温度Tgの決定>
【表6】

【0113】
さらに、可溶化剤ポリマー及び有効成分(例としてカルバマゼピンを含む)からなる本発明の固溶体(錠剤として製剤化)の放出挙動を、可溶化剤ポリマーを含まずに有効成分のみを含む錠剤の放出挙動と比較した。以下の錠剤組成をこの実験に使用した。
【表7】

【表8】

【0114】
固溶体を乳鉢で粉末にし、粒径を200μmの範囲とした。ステアリン酸マグネシウムを除く別の賦形剤を表に示す通りに添加し、Turbulaミキサーで10分間混合した。次に、錠剤にステアリン酸マグネシウムの表示量を添加し、再度Turbulaミキサーで2分間混合した。混合物を、12mmの穿孔を有するEK0偏心プレスにおいて15kNの圧縮力で打錠した。
【0115】
錠剤からの放出は、0.08M HCl(300ml)中22℃にて測定した。サンプルを10μmフィルターを通してろ過し、カルバマゼピン含量を286nmにおけるUV分光分析によって測定した。
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下:
i)30〜80重量%のN−ビニルラクタム、
ii)10〜50重量%の酢酸ビニル、及び
iii)10〜50重量%のポリエーテル
(ただし、成分i)、ii)及びiii)の総量は100重量%に等しい)
の混合物のフリーラジカル重合によって得られるコポリマーの、弱水溶性物質のための可溶化剤としての使用。
【請求項2】
コポリマーが、以下:
i)30〜70重量%のN−ビニルラクタム、
ii)15〜35重量%の酢酸ビニル、及び
iii)10〜35重量%のポリエーテル
から得られるものである、請求項1記載の使用。
【請求項3】
成分i)としてN−ビニルピロリドン若しくはN−ビニルカプロラクタム、又はそれらの混合物を用いる、請求項1又は2記載の使用。
【請求項4】
成分i)としてN−ビニルカプロラクタムを用いる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
コポリマーが成分ii)としてポリエチレングリコールを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
コポリマーが成分ii)として分子量1000ダルトン〜10000ダルトンのポリエチレングリコールを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
コポリマーのK値が10〜60である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
コポリマーのK値が15〜40である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
弱水溶性物質が生物活性物質である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
疾患の治療のための医薬調製物を製造するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
化粧品調製物のための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
農薬調製物のための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
栄養補助食品又は栄養組成物のための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項14】
食品のための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項15】
着色剤調製物のための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項16】
以下:
i)30〜80重量%のN−ビニルラクタム、
ii)10〜50重量%の酢酸ビニル、及び
iii)10〜50重量%のポリエーテル
(ただし、成分i)、ii)及びiii)の総量は100重量%に等しい)
の混合物のフリーラジカル重合によって得られるコポリマーを可溶化剤として含む弱酸性物質の調製物。
【請求項17】
弱水溶性物質がコポリマー中に固溶体の形態で存在する、請求項16記載の調製物。
【請求項18】
弱水溶性物質として生物活性物質を含む、請求項16又は17記載の調製物。
【請求項19】
弱水溶性生物活性物質として有効医薬成分を含む、請求項16〜18のいずれか1項に記載の調製物。
【請求項20】
経口投与可能な剤形の形態である、請求項19記載の調製物。
【請求項21】
弱水溶性生物活性物質として化粧品有効成分を含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の調製物。
【請求項22】
弱水溶性生物活性物質として農薬有効成分を含む、請求項16〜18のいずれか1項に記載の調製物。
【請求項23】
弱水溶性生物活性物質として栄養補助食品又は栄養組成物を含む、請求項16〜18のいずれか1項に記載の調製物。
【請求項24】
弱水溶性物質として着色剤を含む、請求項16又は17記載の調製物。

【公表番号】特表2009−515000(P2009−515000A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538334(P2008−538334)
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【国際出願番号】PCT/EP2006/067747
【国際公開番号】WO2007/051743
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】