強制展開シーケンス
予め定められた駆動シーケンスを強制する固定シーケンスの駆動ハンドルが記載される。このようなハンドルは、一定のシーケンスでの駆動を要求する医療デバイスの送達における使用又はその他の目的に対する使用に適している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、すべての目的でここに参照のために組み込まれる2009年1月19日に出願された米国特許仮出願No. 61/145,693の優先権を主張する。
本発明は、一定のシーケンスの駆動ステップを有する器具に関する。詳しくは、本発明は、医療デバイスの展開時の送達シーケンスにおける医師の誤りを解消することを意図した医療デバイスの展開ハンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
送達を遂行するために特定の一連のステップを必要とする血管内医療デバイスは、当業者に公知である。例えば、Nazariによる米国特許No. 5,554,184において開示された人工血管は、デバイスの適切な展開を行うために特定のシーケンスでの駆動を必要とするいくつかの制御ラインを含む。Nazariは、この展開シーケンスをフェイルセーフに作動する器具又は操作ハンドルを開示していない。適切な展開のために制御ラインを特定シーケンスで操作することが必要な同様のデバイスは、LauterjungによるWO 97/48350及びUflackerによる米国特許No. 5,776,186にも開示されている。これらの文献は、どれもプルライン(pull-line)操作の適切なシーケンスを強制する器具や操作ハンドルを開示していない。
【0003】
血管内に医療デバイスを埋め込むために用いられる種々の医療デバイスの送達用のハンドル、器具、補助具などがある。それらの送達用器具の例としては、操作可能なカテーテル・システムに用いられるものがあり、一つ以上のプルラインが腱(tendon)のように作用する。プルラインは、引かれるとカテーテルの一部(通常は最も遠い遠位端)を屈曲させる。カテーテルを屈曲させることによって、複雑な血管を通してカテーテルを正確に進めることが可能になる。別の医療デバイスの送達用ハンドルは、ステント・グラフトなどの血管内デバイスが自発的に広がるように用いられ、縛られたひもや引き込みシース(retraction sheath)の引張りに対して機械的な利点がある。例えば、機械的な引張りの利点を与えるGunderson et al.による米国特許出願No. 2005/0080476を見よ。埋め込み医療デバイスを送達するのに用いられる器具の他の実施形態として、ルアー部材に取り付けられたプルラインを有する単純なルアーロック・フィッティング(luer lock fitting)がある。このルアー・フィッティングからある部材を取り外すと、プルラインが駆動される。例えば、Chobotov et al.による米国特許出願No. 2002/0151953を見よ。この分野では一般的であるように、Chobotov et al.で開示されたこのルアーロックと部材の配置は連動していない、すなわち、複数の駆動コード/ロッドは任意のシーケンスで駆動できる。このような非連動システムでは、訓練、視覚的補助又はラベルは、適切な送達シーケンスを促すように一般に用いられる。適切なステップ・シーケンスを促すように用いるため大きな努力が払われているにもかかわらず、ユーザーのうっかりした誤りが発生する。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、予め定められた駆動シーケンスを強制するように連動する制御ハンドルを提供する。本発明による制御ハンドルは、医療デバイスの送達に用いて好適である。
【0005】
特に、本発明は、固定シーケンスの駆動システムであって、遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通して遠位方向に伸延するラインに取り付けられた少なくとも第一の脱離可能な部材と、遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通して遠位方向に伸延するラインに取り付けられた第二の部材とを含み、展開可能なデバイスを固定シーケンスで駆動することを可能にする固定シーケンスの駆動システムを提供する。
【0006】
本発明のその他の特徴と利点は本明細書で説明される、又は本発明を実施して知ることができる。本発明のこれらの特徴とその他の利点は、この明細書及びそのクレーム、並びに添付された図面において具体的に示された構造によって実現され達成される。
【0007】
前述の一般的な説明と以下の詳細な記述はどちらも例示的な説明的なものであり、主張している発明をさらに詳しく説明するためのものであることは言うまでもない。
【0008】
添付された図面は本発明をさらによく理解できるようにするためのものであり、本明細書に組み込まれてその一部を成し、本発明の実施形態を図示し、説明と合わせて本発明の原理を明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】本発明の実施形態に係るハンドル・アセンブリを示す斜視図である。
【図1B】本発明の実施形態に係る医療デバイスを示す斜視図である。
【図2A】展開の第一段階におけるハンドル・アセンブリを示す斜視図である。
【図2B】展開の第一段階における医療デバイスを示す斜視図である。
【図3A】ハンドル・アセンブリの斜視図である。
【図3B】医療デバイスの遠位部分の部分側面図であり、医療デバイスの位置操作とデバイス・アンカーの撤収と解除を合わせて示す。
【図4】自発的に拡がる医療デバイスの遠位部分を示す部分斜視図であり、第二の制御ラインの細部を示す。
【図5A】ハンドルの切り欠き斜視図であり、第二及び第三の制御ラインの所定の引きシーケンスを示す。
【図5B】ハンドルの切り欠き斜視図であり、第二及び第三の制御ラインの所定の引きシーケンスを示す。
【図6A】ハンドルの斜視図であり、第二及び第三の制御ラインの脱離を示す。
【図6B】医療デバイスの側面図であり、第二及び第三の制御ラインの脱離を示す。
【図7A】ハンドルの斜視図であり、第四の制御ラインを示す。
【図7B】医療デバイスの斜視図であり、第四の制御ラインを示す。
【図8】ハンドルの斜視図であり、安全なアクセス口を示す。
【図9A】制御ラインを取り付け部又は基体に固定するために用いるデバイス及び方法を示す部分上面図である。
【図9B】制御ラインを取り付け部又は基体に固定するために用いるデバイス及び方法を示す部分側面断面図である。
【図9C】制御ラインを取り付け部又は基体に固定するために用いるデバイス及び方法を示す部分上面図である。
【図9D】制御ラインを取り付け部又は基体に固定するために用いるデバイス及び方法を示す部分側面断面図である。
【図9E】制御ラインを取り付け部又は基体に固定するために用いるデバイス及び方法を示す部分上面図である。
【図9F】制御ラインを取り付け部又は基体に固定するために用いるデバイス及び方法を示す部分側面断面図である。
【図10A】本発明の保持性能を評価するために用いられる試験装置の上面図である。
【図10B】本発明の保持性能を評価するために用いられる試験装置の斜視図である。
【図10C】本発明の保持性能を評価するために用いられる試験装置の断面図である。
【図10D】本発明の保持性能を評価するために用いられる試験装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は医療デバイスを送達するために用いられるハンドルを対象にしており、このハンドルは所定シーケンスの駆動ステップを医師が遂行することを助長する。最も単純な形態では、ハンドルは、遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように第一の遠位方向に伸延するラインに取り付けられた第一の脱離可能な部材と、この展開可能なデバイスを変化させる調整部を有する第二の部材を含む。第二の部材は脱離可能な第一の部材によって少なくとも部分的に覆われ、遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように第二の遠位方向に伸延するラインに取り付けられる。
【0011】
デバイスの別の様態は、遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように第一の遠位方向に伸延するラインに取り付けられた第一の脱離可能な部材、回転可能な部分を有し、第一の脱離可能な部材によって少なくとも部分的に覆われて遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように第二の遠位方向に伸延するラインに取り付けられる第二の脱離可能な部材、及び第二の脱離可能な部材によって少なくとも部分的に覆われて遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように第三の遠位方向に伸延するラインに取り付けられる第三の脱離可能な部材、を含むハンドルを提供する。
【0012】
これらの部材は、脱離可能な部材及び/又は移動可能な部材という形態であってもよい。例としては、ワイヤ、カバー、ノブ、ノブ・アセンブリ(内部に別のコンポーネントを有するノブ)、ピン、キャップ、ふた、シートカバー(例えば、テープ)、フック、スイッチ、又は遠位方向に伸延するラインの脱離及び/又は駆動の順序を強化する(encourage)その他の構造などがあげられるが、それだけに限定されない。第一、第二、第三の部材、又は追加の部材は上記のタイプの部材又はその他の構造のどんな組み合わせであってもよい。上記部材は遠位方向に伸延するラインに取り付けることができる。部材は、とりわけ、回転、引き、押し、圧し、曲げ、引きはずし、折り、又は、部材を脱離及び/又は移動させる他の方法によって、脱離及び/又は移動させることができ、それでもなお遠位方向に伸延するラインを駆動することができる。ある様態では、上記部材は互いに覆う(例えば、他の部材の内部に入れ子になる)ことができる。別の様態では、上記部材は、別の部材が脱離及び/又は移動される前に別の部材が脱離及び/又は移動されることを妨げる。固定シーケンスの駆動ハンドルはさらに、第一、第二、第三の、又は遠位方向に伸延する追加のラインの少なくとも一つへのアクセスを可能にする入口を有することができる。
【0013】
別の様態では、固定シーケンスの駆動ハンドルは、少なくとも第一、第二、及び第三の脱離可能な部材を有し、それらは各々、第一及び第二の部分を有する遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通して遠位方向に伸延するラインに取り付けられ、ハンドルからの第一の部材の脱離は遠隔に位置する展開可能なデバイスの第一の部分の部分的な展開を生じて第二の部材へのアクセスを可能にする。第二の部材は回転可能な部分を有し、この回転可能な部分の回転が展開可能なデバイスの第一の部分を変化させ、第二の部材の脱離がデバイスの第一の部分の完全な展開を生じて第三の部材へのアクセスを可能にする。第三の部材の操作はデバイスの第二の部分を展開させる。別の様態では、第一の部材の存在が第二の部材の脱離及び/又は移動を妨げる。別の様態では、第二の部材の存在が第三の部材の脱離又は移動を妨げる。別の様態では、第三の部材は第二の部材内に入れ子になっており、第二の部材は第一の部材内に入れ子になっている。別の様態では、上記の脱離可能な部材は一体につながれ、医療/送達チームが脱離されたコンポーネントを容易に扱えるようになっている。別の様態では、脱離されたコンポーネントを容易に扱えるように脱離された各コンポーネントをホルダーに収めるシステムも考えられている。
【0014】
さらに、展開可能なデバイスを送達する方法であって、少なくとも第一、第二、及び第三の脱離可能な部材を有し、それらが各々、第一及び第二の部分を有する遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように遠位方向に伸延する少なくとも一つのラインに取り付けられたハンドルを用意するステップと、展開可能なデバイスを目標位置に送達するステップと、ハンドルから第一の部材を脱離させてデバイスの第一の部分を部分的に展開させて第二の部材へのアクセスを可能にするステップと、第二の部材の回転可能な部分を回転させて展開可能なデバイスの第一の部分を変化させるステップと、第二の部材を脱離してデバイスの第一の部分の展開を完了させ、第三の部材へのアクセスを可能にするステップと、第三の部材を操作してデバイスの第二の部分を展開して、展開したデバイスの送達を実現するステップと、を含む方法が提供される。
【0015】
説明のために、図1〜図7は、医療デバイスと送達シーケンスの詳細な例を示す。シーケンス・ステップは送達ハンドルの設計によって決定され、規定される。分かりやすくするために、図1〜図7は、ハンドルの駆動のいろいろな段階を、典型的な医療デバイスが展開される状況を表す対応する図と合わせて示す。
【0016】
図1A、図1Bは、本発明の実施形態に係わるハンドル・アセンブリを示す斜視図である。図1Bは展開される医療デバイスを示す側面図である。(図1Aには)カテーテル102を有するハンドル・アセンブリ100が示されている。カテーテル102は医療デバイス・アセンブリ104まで伸びている。カテーテルの一部は、内部の制御ラインを露出させるために除去されている。図示された医療デバイスは、自発的に広がるステント・グラフトであり、それが二つの別々の拘束シース106、108によって拘束された状態で保持されている。各拘束シースは、“リップコード(rip-cord)”スティッチ110、112を有する。ステント・グラフトと拘束シースは、例えばMartin, et al.による米国特許No. 6,042,605、Martin, et al.による米国特許No. 6,361,637、及びMartin, et al.による米国特許No. 6,520,986に一般的に開示された方法及び材料によって製造できる。医療デバイスの最も遠い遠位端にはオリーブ(olive)114がある。ガイドワイヤ管腔116がオリーブの遠位端から出てカテーテル102とハンドル100を通って伸延している。医療デバイスの送達には一般にガイドワイヤが用いられるが、分かりやすくするために図では省略されている。カテーテル102内には4つの個別の制御ライン120,122,124,126が収容されている。これらの制御ラインの使用により、以後で医療デバイスの展開に影響が及ぼされる。また、第一の部材128がハンドル・アセンブリ100に脱離可能に取り付けられて示されている。
【0017】
図2Aと図2Bは、展開の第一段階におけるハンドル・アセンブリ100と医療デバイス104を示す斜視図である。展開の第一段階を遂行するために、第一の部材128は矢印202の方向に回転され、次に矢印204の方向に沿って引かれる。第一の部材128には第一の制御ライン120が取り付けられている。第一の部材が引かれると、第一の制御ライン120が矢印206の方向に沿って引かれる。第一の制御ライン120が引かれると、第一の制御ライン120は遠位側の拘束シース106の“縫い目をほどいて”(un-stitches)、ステント・グラフトの遠位部分が矢印208の方向に自発的に拡がることが可能になる。第一の部材をさらに引くと、第一の制御ライン120がカテーテル/ハンドルから完全に脱離して廃棄される。図2に示された状態では、医療デバイス・アセンブリはまだ近位側の拘束シース108によってカテーテル102に取り付けられている。また、図2に示された状態では、医療デバイスのアンカー又は突起(barb)210は引っ込められた又は収縮した状態にある。
【0018】
図3Aは、ハンドル・アセンブリ100の斜視図であり、合わせて医療デバイス104の遠位部分の部分側面図(図3B)が示されている。第一の部材128(図2)が脱離して、第二の部材302が露出されている。第二の部材302には回転可能な部分304がノブの形で固定されている。図2、3に示された状態にある間、血管内の医療デバイスの位置は正確に調整できる。例えば、ハンドル・アセンブリ100を方向矢印306に沿って平行移動させて、医療デバイスを長手方向306で移動又は調整できる。同様に、ハンドルを矢印308の方向に回転させて医療デバイスを回転させることができる。長手方向の調整は、医療デバイスを血管内の特定の標的に、例えば側方枝血管に非常に近いがそれを閉塞しない位置に正確に合わせることを可能にする。回転による調整も、分岐した又は側方分岐デバイス正確な整列を可能にする。
【0019】
医療デバイスの長手方向操作と回転操作は、医療デバイスがカテーテルに取り付けられていること、並びにアンカーが引っ込められた状態にあることで可能になっている。医療デバイスが標的の場所に正確に位置づけられたとき、デバイスのアンカーを解放して血管壁と係合可能にすることができる。アンカーの解放(又は引っ込め)は、回転可能部分304を矢印310の方向に回転させることで実行される。回転可能部分304が回転されると、第二の制御ライン122に張力312が加えられる(又は除去される)。制御ライン122はカテーテルを通り、医療デバイスの遠位アンカー部分のまわりに“財布のひも”状に縫うように通り抜けている(threaded)。制御ライン122は、張力が加えられるとアンカーを後退させる。回転可能部分304が反対方向に回転されると、制御ライン122への張力が緩められ、デバイスのアンカー部分が矢印314の方向に自発的に広がることが可能になり、それによりアンカーを血管壁に係合させる。
【0020】
医療デバイスが正確に整列され、デバイスのアンカーが係合された後、第二の制御ライン122を脱離させなければならない。図4は、自発的に広がる医療デバイス104の遠位部分の部分斜視図を示し、第二の制御ライン122の細部を示している。第二の制御ライン122は、カテーテル・シャフト102(図示せず)に取り付けられた小さなチューブ402内に収容されて示されている。第二の制御ライン122は、財布のひも状にステント・グラフトに縫うように通り抜けて示されている。第二の制御ライン122はループ404で終端し、ループ404を第三の制御ライン124が捕捉している。第三の制御ライン124が矢印406の方向に引かれると、ループ404が解放され、第二の制御ライン122を矢印410の方向に引くことが可能になる。その後、第二の制御ライン122はさらに引かれて医療デバイスから脱離される。
【0021】
医療デバイスから第二の制御ライン122を脱離させるためには、まず第三の制御ライン124を引く(第二の制御ラインを解放する)ことが必要である。二つの制御ラインを引くこのシーケンスは、図5A,5Bに示されたハンドル機構によって遂行される。第三の制御ライン124は回転可能な部材302に直接に取り付けられ、最初に部材302を矢印502の方向に回転させると、第三の制御ライン124が引かれ、ループ404を解放する(図4)。部材302を回転させるためには、インターロックボタン503を手動で駆動しなければならない。第二の制御ライン122は硬いチューブ504内に収容されている。したがって、部材302を回転させると、硬いチューブ504が図5Bに示されるように回転する。硬いチューブは一定の長さを保っているから、第二の制御ラインにはそれ以上に張力は加えられない。よって、部材302の回転は第三の制御ライン124と第二の制御ライン122の間に運動の差を生ずる。部材302が完全に回転された後、二つの制御ライン122,124は同時に移動させることができる。同じ機構を用いて三つ以上の制御ラインを駆動させることができる。
【0022】
図6Aの斜視図と図6Bの部分側面図に示されるように、第二の制御ライン122は、付設された回転可能な部分304と共に矢印602の方向に引くことによって脱離させることができる。部材302と回転可能な部分304が引かれると、二つの制御ライン122,124が引かれ、デバイス、カテーテル、及びハンドルから完全に脱離する。部材302と回転可能な部分304は連動しており、ノブが完全に回転されて医療デバイス・アンカーが完全に拡がることができるようにならない限り、ハンドルから脱離させることができない。ノブの回転は、従動するナットを定位置に移動させ、インターロックが外れて第二の部材302を脱離させることが可能になる。さらに、ボタンなどの第二のインターロックを設け、それを手で駆動しないと第二の部材302を脱離させることができないようにすることもできる。第二の部材302に取り付けられた制御ラインを完全に脱離させた後、図6に部分的に示されている医療デバイス104の遠位端部分はアンカー210が血管壁604に係合して完全に展開される。
【0023】
図7A,図7Bの斜視図に示されているように,第二の拘束シース108は第三の部材702の脱離によって解放できる。第三の部材702には第四の制御ライン126が取り付けられ、第三の部材が矢印704の方向に引かれると、第四の制御ライン126が矢印706の方向に引かれる。第四の制御ライン126は、引かれると、第二の拘束シース108の“縫い目をほどいて”、医療デバイスが矢印708の方向に自発的に広がることを可能にする。その後、第三の部材702に取り付けられた第四の制御ライン126を医療デバイス、カテーテル及びハンドルから完全に脱離できる。医療デバイス104は完全に展開されて、もはやカテーテル102に取り付けられていない。したがってハンドルを矢印710の方向に引いて、カテーテルを血管から脱離させ、手順の展開段階を完了することができる。オプションとして、第二の拘束シース108をカテーテルに取り付けてもよく、又は血管内に残してもよい。
【0024】
図8の斜視図に示されているように、ハンドル・アセンブリ100はアクセス口802を備え、適宜種々の制御ラインに手でアクセス可能としてもよい。アクセス口802は、必要であれば、カバー804を除去して露出させることができる。種々の制御ラインは、色、英数字のマーク、順序づけられた位置、サイズや形の違い、又はその他の識別手段によって識別できる。制御ラインには、一般に用いられる工具によって制御ラインを把持し操作できるような形態を組み込むことができる。
【0025】
本発明は上述したような部材の使用に限らない。強制されて連動する駆動シーケンスを提供する他の種々の手段を用いることが可能である。例えば、連動した駆動のメカニズムとして、てこ、スライド機構、栓、継起的に引かれるチューブ、継起的に解除されるロックなどがある。図1〜図7までを参照すると、本発明は、連動する駆動システムであって、第一、第二及び第三の機構を含み、それぞれがプレ及びポスト駆動状態を有するシステムを広く提供する。第一の機構(第一の部材128)は、図1に示されたようなプレ駆動状態、及び図2に示されたようなポスト駆動状態にある。第二の機構(第二の部材302)は、図3に示されたようなプレ駆動状態、及び図6に示されたようなポスト駆動状態にある。第三の機構(第三の部材702)は、図6に示されたようなプレ駆動状態、及び図7に示されるようたポスト駆動状態にある。
【0026】
本発明の連動する駆動システムは、最初は第一の機構だけがプレ駆動状態からポスト駆動状態に移行することを許可する。なお、第一の機構(第一の部材128)は最初に露出している唯一の駆動機構であり、駆動できる唯一の機構部材である。
【0027】
第一の機構のプレ駆動状態からポスト駆動状態への移行は、第二の機構だけがプレ駆動状態からポスト駆動状態に移行することを許可する。なお、第一の部材が脱離した後、第二の機構(第二の部材302)のみが露出し、駆動できる。
【0028】
第二の機構のプレ駆動状態からポスト駆動状態への移行は、第三の機構だけがプレ駆動状態からポスト駆動状態に移行することを許可する。なお、第二の部材が脱離した後、第三の機構(第三の部材702)のみが露出し、駆動できる。
【0029】
本発明は制御ラインを用いる連動したシーケンスに限られない。例えば、本発明の概念は電気接点を駆動する連動したデバイスをも含む。このような接点は、特定のハンドル・コンポーネントが脱離したときに電気接点が開放するような種々のハンドル・コンポーネントの導電性に依存する。特定のハンドル・コンポーネントの操作で単なる電気スイッチを駆動できることもある。また、特定のハンドル・コンポーネントの操作で近接センサ、圧力センサ、流体流れセンサ、又はその他のタイプのセンサを駆動することもできる。種々の駆動成分の組み合わせを本発明の設計に組み込むこともできる。例えば、制御ラインを電気スイッチと組み合わせることもできる。ハンドル又は手持ちペンダントに加えて、本発明の種々の概念を制御パネルの駆動デバイスに組み込むこともできる。
【0030】
医療デバイスを送達するために用いられる典型的なハンドル、器具、又はカテーテルは周知の材料から成る。例えば、非晶性汎用熱可塑プラスチック、すなわち、ポリメチル・メタクリレート(PMMA又はアクリル)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、改質ポリエチレン・テレフタレート・グリコール(PETG)、酢酸セルロース・ブチレート(CAB)、など;半結晶性汎用プラスチック、すなわち、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE又はLLDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、などや、非晶性エンジニアリング熱可塑プラスチック、すなわち、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレン・オキシド(PPO)、改質ポリフェニレン・オキシド(ModPPO)、ポリフェニレン・エーテル(PPE)、改質ポリフェニレン・エーテル(ModPPE)、熱可塑ポリウレタン(TPU)などや、半結晶性エンジニアリング熱可塑プラスチック、すなわち、ポリアミド(PA又はナイロン),ポリオキシメチレン(POM又はアセタール),ポリエチレン・テレフタレート(PET,熱可塑ポリエステル),ポリブチレン・テレフタレート(PBT,熱可塑ポリエステル)、超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE)、などや、高パフォーマンス熱可塑プラスチック、すなわち、ポリイミド(PI,イミド化プラスチック)、ポリアミドイミド(PAI,イミド化プラスチック)、ポリベンズイミダゾール(PBI,イミド化プラスチック)、などや、非晶性高パフォーマンス熱可塑プラスチック、すなわち、ポリスルフォン(PSU)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリアリールスルフォン(PAS)、などや、半結晶性高パフォーマンス熱可塑プラスチック、フッ素ポリマー、すなわち、フッ素化エチレン・プロピレン(FEP)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、エチレン、エチレン・テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデン・フルオリド(PVDF)、パーフルオロアルコキシ(PFA)などである。他の周知の医療等級材料としては、エラストマー有機シリコン・ポリマー、ポリエステル・ブロック・アミド、又は熱可塑コポリエーテル(PEBAX)、及びステンレス鋼やニッケル/チタン合金、などがある。
【0031】
ハンドルの組立で用いられる一般的方法は、二つ以上のコンポーネントを取り付けるのに用いられる周知の方法である。恒久的な取り付けの例としては、にかわ、接着剤、溶接、インサート成形、強い圧入、一方向スナップ又はロック手段、ピン圧入、熱かしめ及びリベットなどがある。半恒久的な取り付け、すなわち、コンポーネントを分離するのに工具を必要とする取り付けの例としては、ねじ、ねじ溝つき固定具、スナップリング、及びスナップフィットなどがある。着脱可能な取り付け、すなわち、他の工具を用いずに手で分離できる取り付けの例としては、スナップフィット、ツイストロック機能、プッシュ解除機能、にぎり解除機能、スライドレバー、ラッチ及び軽い圧入などがある。
【0032】
制御ラインは、炭素繊維、液晶ポリマー、及び金属ワイヤなど、周知の高張力材料を含むことができる。制御ラインは、円形、卵形、長方形、又はその他の多角形など、いろいろな断面輪郭を有することができる。制御ラインは、また、摩擦を最小にするために外側に潤滑層、潤滑コーティング、又は潤滑ラッピングを有することができる。
【0033】
制御ラインは、周知の方法、例えば制御ラインをピンに巻き付ける、又はラインをネジで固定するなどの方法によって、ハンドル又は駆動機構に取り付けることができる。その他の方法としては、ラインを小さな孔に通した後、制御ラインの端に結び目を作り又はこぶを固定し、引いても結び目/こぶが小さな孔を通らないようにするという方法もある。接着剤、クランプ、クリンプ(crimp)、ピンチ(pinch)機構、熱かしめ、インサート成形、その他の周知の取り付け方法も制御ラインの取り付けに使用できる。あるいは、制御ライン又はケーブル保持システムを用いてハンドルの内側にワイヤを確保することもできる。このシステムは、少なくとも一つの保持要素と、該少なくとも一つの保持要素を挿入できる寸法の空洞を有する基体と、該基体の第一の端部から空洞へ伸延する第一のスロットと、該基体の第二の端部から空洞へ伸延する第二のスロットとを備え、第一及び第二のスロットはワイヤなどの細長い部材をスロット内に配置できるような寸法を有し、保持要素が細長い部材を空洞内に保持する。保持要素は、ボールベアリング、球要素、円柱ポスト、又は細長い部材を変形させるために用いられるその他の手段であってもよい。空洞は第一及び第二のスロットの深さよりも下の深さに伸びて、保持要素を用いるようにワイヤを曲げ又は変形するスペースを作り出す。空洞は保持要素がワイヤを基体空洞に確保するような任意の適当な寸法の形又はサイズである。空洞直径は保持要素の直径より小さく、圧力ばめするようなものであることが望ましい。必要であればワイヤを変形して空洞に押し込む前及び/又は後に、接着剤を空洞に入れてさらにしっかりと確保する手段とすることができる。ワイヤなどの細長い部材をデバイスに保持するために次のようなステップを用いることができる。図9A〜図9Fに示されるように、空洞を有する基体、第一のスロット及び第二のスロットを有するデバイスハンドルが得られる。少なくとも一つの細長い部材が第一及び第二のスロット内に空洞を横切るように配置される。少なくとも一つの保持要素が空洞内に、上記少なくとも一つの細長い部材を保持要素と基体の間に確保するように配置される。保持要素によって細長い部材が変形されて、保持要素と基体の間で位置が固定される。
【0034】
このシンプルな、容易に組み立てられ、容易に自動化でき、視覚的に検証できる高強度の接合コンセプトが図9A〜図9Fに開示されている。図9Aは、制御ラインの取り付け部の部分上面図を示し、図9Bは面A−Aで切った部分断面図を示す。図には球904で終端する円形空洞902が示されている。第一のスロット906と第二のスロット907が取り付け部を通って形成され、円形の孔を貫通している。スロット906,907は、中心が空洞902のセンターラインにあるとして示されている。オプションとして、スロットは空洞の中心から外れた位置にあってもよい。オプションでは、図9Bに示されているように、スロット906は空洞902の円形底部の縁908に“潜り込み”(dive into)、断面A−Aで見ると曲がった経路を形成する。
【0035】
図9C,図9Dに示されるように、制御ライン910は第一のスロット906内に配置される。図9E,図9Fを参照すると、制御ラインを取り付け部に確保し固定するために、保持要素912が空洞902に矢印914の方向に沿って押し込まれている。十分に収容されると、硬い球は制御ラインを曲がった経路の形に変形する。空洞902と保持要素912の間の干渉、圧入が制御ラインを効果的に取り付け部に固定する。これにより制御ラインには二方向916に張力が加わり、取り付け部からスリップしたり外れたりしない。必要であれば、硬い球の露出した部分に接着剤を塗布して制御ラインをさらにしっかりと保持することができる。任意に、空洞の露出部分を“熱かしめ”又は変形させて、硬い球と制御ラインをさらに拘束することもできる。任意に、空洞902に、高くした垂直ショルダー、シャンファ(chamfer)、漏斗、その他の保持要素を孔に整列させるための手段などの保持要素整列ガイドを組み込むことができる。
【0036】
取り付け部900は、上に挙げたような周知のプラスチック又は金属で製造できる。保持要素912は金属のボールベアリング、プラスチック球、又はセラミック・ガラス球であってよい。硬い球の代わりに硬いローラー又は円柱状の要素を用いてリボン状の制御ラインを固定することもできる。その他の硬い要素形状とそれに適合する孔を用いて、所望とされる種々の要素を一体に取り付けることもできる。硬い要素は視覚的な点検ができるように透明にすることもできる。
【0037】
本発明の取り付け部は、ワイヤ又はケーブルなどの導電性物質を固定するために用いることができる。本発明の取り付け部は、光ファイバー、シルク、ポリマー、又は血管や神経など天然生体物質などの非導電性物質を固定するために用いることができる。
【0038】
取り付け部は、また、予め定められた荷重でコード又はケーブルを解放するように用いることができる。例えば、取り付け部の基体、ケーブル、及び保持要素はいろいろな許容幅(tolerance)、特定の硬度、又は特定の表面特徴を有し、それらが組み合わされて予め定められた保持荷重が得られるようにすることもできる。
【実施例】
【0039】
実施例1
本発明の実施形態に係わる器具を製造してケーブル保持力を試験した。図10Aの上面図と図10Bの斜視図に示すように、基体1002を有する取り付け部1000が組み立てられた。基体1002は空洞1006を有し、ケーブル1008と保持球1004を受け入れる寸法になっている。図10C,図10Dは空洞1006のセンターラインで切った断面図である。図示のように、ケーブル1008を空洞1006内に配置した。次にボールベアリング1004を空洞1006に押し込み、図10Dに示すようにケーブルを変形させた。次に医療等級のUV硬化性接着剤を空洞に供給し、空洞、ボールベアリング、及び変形したケーブルを部分的に一体化した(enmembersulating)。
【0040】
実施例2.
実施例1からの器具にケーブル・セクションをはめ込み、ボールベアリングを空洞に押し込み、接着剤を上から塗布した。ボールベアリングを押し込んで保持するのに必要な圧縮荷重をAmetek(登録商標)(Paoli, PA) Chatillion(登録商標)DFX-050圧縮ゲージを用いて記録した。接着剤を硬化させた後、ケーブルを引っ張って保持荷重を決定した。ケーブルはInstron(登録商標)(Norwood, MA)引っ張り試験機と荷重セルを用いて引っ張った。20個のアセンブリを調べた。
【0041】
本発明の特定の実施形態を図示して説明したが、本発明はそれらの図示と説明に限定されない。変化や変更が以下の特許請求の範囲内で本発明の一部として組み込まれ実施できることは明らかであろう。
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、すべての目的でここに参照のために組み込まれる2009年1月19日に出願された米国特許仮出願No. 61/145,693の優先権を主張する。
本発明は、一定のシーケンスの駆動ステップを有する器具に関する。詳しくは、本発明は、医療デバイスの展開時の送達シーケンスにおける医師の誤りを解消することを意図した医療デバイスの展開ハンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
送達を遂行するために特定の一連のステップを必要とする血管内医療デバイスは、当業者に公知である。例えば、Nazariによる米国特許No. 5,554,184において開示された人工血管は、デバイスの適切な展開を行うために特定のシーケンスでの駆動を必要とするいくつかの制御ラインを含む。Nazariは、この展開シーケンスをフェイルセーフに作動する器具又は操作ハンドルを開示していない。適切な展開のために制御ラインを特定シーケンスで操作することが必要な同様のデバイスは、LauterjungによるWO 97/48350及びUflackerによる米国特許No. 5,776,186にも開示されている。これらの文献は、どれもプルライン(pull-line)操作の適切なシーケンスを強制する器具や操作ハンドルを開示していない。
【0003】
血管内に医療デバイスを埋め込むために用いられる種々の医療デバイスの送達用のハンドル、器具、補助具などがある。それらの送達用器具の例としては、操作可能なカテーテル・システムに用いられるものがあり、一つ以上のプルラインが腱(tendon)のように作用する。プルラインは、引かれるとカテーテルの一部(通常は最も遠い遠位端)を屈曲させる。カテーテルを屈曲させることによって、複雑な血管を通してカテーテルを正確に進めることが可能になる。別の医療デバイスの送達用ハンドルは、ステント・グラフトなどの血管内デバイスが自発的に広がるように用いられ、縛られたひもや引き込みシース(retraction sheath)の引張りに対して機械的な利点がある。例えば、機械的な引張りの利点を与えるGunderson et al.による米国特許出願No. 2005/0080476を見よ。埋め込み医療デバイスを送達するのに用いられる器具の他の実施形態として、ルアー部材に取り付けられたプルラインを有する単純なルアーロック・フィッティング(luer lock fitting)がある。このルアー・フィッティングからある部材を取り外すと、プルラインが駆動される。例えば、Chobotov et al.による米国特許出願No. 2002/0151953を見よ。この分野では一般的であるように、Chobotov et al.で開示されたこのルアーロックと部材の配置は連動していない、すなわち、複数の駆動コード/ロッドは任意のシーケンスで駆動できる。このような非連動システムでは、訓練、視覚的補助又はラベルは、適切な送達シーケンスを促すように一般に用いられる。適切なステップ・シーケンスを促すように用いるため大きな努力が払われているにもかかわらず、ユーザーのうっかりした誤りが発生する。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、予め定められた駆動シーケンスを強制するように連動する制御ハンドルを提供する。本発明による制御ハンドルは、医療デバイスの送達に用いて好適である。
【0005】
特に、本発明は、固定シーケンスの駆動システムであって、遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通して遠位方向に伸延するラインに取り付けられた少なくとも第一の脱離可能な部材と、遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通して遠位方向に伸延するラインに取り付けられた第二の部材とを含み、展開可能なデバイスを固定シーケンスで駆動することを可能にする固定シーケンスの駆動システムを提供する。
【0006】
本発明のその他の特徴と利点は本明細書で説明される、又は本発明を実施して知ることができる。本発明のこれらの特徴とその他の利点は、この明細書及びそのクレーム、並びに添付された図面において具体的に示された構造によって実現され達成される。
【0007】
前述の一般的な説明と以下の詳細な記述はどちらも例示的な説明的なものであり、主張している発明をさらに詳しく説明するためのものであることは言うまでもない。
【0008】
添付された図面は本発明をさらによく理解できるようにするためのものであり、本明細書に組み込まれてその一部を成し、本発明の実施形態を図示し、説明と合わせて本発明の原理を明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】本発明の実施形態に係るハンドル・アセンブリを示す斜視図である。
【図1B】本発明の実施形態に係る医療デバイスを示す斜視図である。
【図2A】展開の第一段階におけるハンドル・アセンブリを示す斜視図である。
【図2B】展開の第一段階における医療デバイスを示す斜視図である。
【図3A】ハンドル・アセンブリの斜視図である。
【図3B】医療デバイスの遠位部分の部分側面図であり、医療デバイスの位置操作とデバイス・アンカーの撤収と解除を合わせて示す。
【図4】自発的に拡がる医療デバイスの遠位部分を示す部分斜視図であり、第二の制御ラインの細部を示す。
【図5A】ハンドルの切り欠き斜視図であり、第二及び第三の制御ラインの所定の引きシーケンスを示す。
【図5B】ハンドルの切り欠き斜視図であり、第二及び第三の制御ラインの所定の引きシーケンスを示す。
【図6A】ハンドルの斜視図であり、第二及び第三の制御ラインの脱離を示す。
【図6B】医療デバイスの側面図であり、第二及び第三の制御ラインの脱離を示す。
【図7A】ハンドルの斜視図であり、第四の制御ラインを示す。
【図7B】医療デバイスの斜視図であり、第四の制御ラインを示す。
【図8】ハンドルの斜視図であり、安全なアクセス口を示す。
【図9A】制御ラインを取り付け部又は基体に固定するために用いるデバイス及び方法を示す部分上面図である。
【図9B】制御ラインを取り付け部又は基体に固定するために用いるデバイス及び方法を示す部分側面断面図である。
【図9C】制御ラインを取り付け部又は基体に固定するために用いるデバイス及び方法を示す部分上面図である。
【図9D】制御ラインを取り付け部又は基体に固定するために用いるデバイス及び方法を示す部分側面断面図である。
【図9E】制御ラインを取り付け部又は基体に固定するために用いるデバイス及び方法を示す部分上面図である。
【図9F】制御ラインを取り付け部又は基体に固定するために用いるデバイス及び方法を示す部分側面断面図である。
【図10A】本発明の保持性能を評価するために用いられる試験装置の上面図である。
【図10B】本発明の保持性能を評価するために用いられる試験装置の斜視図である。
【図10C】本発明の保持性能を評価するために用いられる試験装置の断面図である。
【図10D】本発明の保持性能を評価するために用いられる試験装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は医療デバイスを送達するために用いられるハンドルを対象にしており、このハンドルは所定シーケンスの駆動ステップを医師が遂行することを助長する。最も単純な形態では、ハンドルは、遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように第一の遠位方向に伸延するラインに取り付けられた第一の脱離可能な部材と、この展開可能なデバイスを変化させる調整部を有する第二の部材を含む。第二の部材は脱離可能な第一の部材によって少なくとも部分的に覆われ、遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように第二の遠位方向に伸延するラインに取り付けられる。
【0011】
デバイスの別の様態は、遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように第一の遠位方向に伸延するラインに取り付けられた第一の脱離可能な部材、回転可能な部分を有し、第一の脱離可能な部材によって少なくとも部分的に覆われて遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように第二の遠位方向に伸延するラインに取り付けられる第二の脱離可能な部材、及び第二の脱離可能な部材によって少なくとも部分的に覆われて遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように第三の遠位方向に伸延するラインに取り付けられる第三の脱離可能な部材、を含むハンドルを提供する。
【0012】
これらの部材は、脱離可能な部材及び/又は移動可能な部材という形態であってもよい。例としては、ワイヤ、カバー、ノブ、ノブ・アセンブリ(内部に別のコンポーネントを有するノブ)、ピン、キャップ、ふた、シートカバー(例えば、テープ)、フック、スイッチ、又は遠位方向に伸延するラインの脱離及び/又は駆動の順序を強化する(encourage)その他の構造などがあげられるが、それだけに限定されない。第一、第二、第三の部材、又は追加の部材は上記のタイプの部材又はその他の構造のどんな組み合わせであってもよい。上記部材は遠位方向に伸延するラインに取り付けることができる。部材は、とりわけ、回転、引き、押し、圧し、曲げ、引きはずし、折り、又は、部材を脱離及び/又は移動させる他の方法によって、脱離及び/又は移動させることができ、それでもなお遠位方向に伸延するラインを駆動することができる。ある様態では、上記部材は互いに覆う(例えば、他の部材の内部に入れ子になる)ことができる。別の様態では、上記部材は、別の部材が脱離及び/又は移動される前に別の部材が脱離及び/又は移動されることを妨げる。固定シーケンスの駆動ハンドルはさらに、第一、第二、第三の、又は遠位方向に伸延する追加のラインの少なくとも一つへのアクセスを可能にする入口を有することができる。
【0013】
別の様態では、固定シーケンスの駆動ハンドルは、少なくとも第一、第二、及び第三の脱離可能な部材を有し、それらは各々、第一及び第二の部分を有する遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通して遠位方向に伸延するラインに取り付けられ、ハンドルからの第一の部材の脱離は遠隔に位置する展開可能なデバイスの第一の部分の部分的な展開を生じて第二の部材へのアクセスを可能にする。第二の部材は回転可能な部分を有し、この回転可能な部分の回転が展開可能なデバイスの第一の部分を変化させ、第二の部材の脱離がデバイスの第一の部分の完全な展開を生じて第三の部材へのアクセスを可能にする。第三の部材の操作はデバイスの第二の部分を展開させる。別の様態では、第一の部材の存在が第二の部材の脱離及び/又は移動を妨げる。別の様態では、第二の部材の存在が第三の部材の脱離又は移動を妨げる。別の様態では、第三の部材は第二の部材内に入れ子になっており、第二の部材は第一の部材内に入れ子になっている。別の様態では、上記の脱離可能な部材は一体につながれ、医療/送達チームが脱離されたコンポーネントを容易に扱えるようになっている。別の様態では、脱離されたコンポーネントを容易に扱えるように脱離された各コンポーネントをホルダーに収めるシステムも考えられている。
【0014】
さらに、展開可能なデバイスを送達する方法であって、少なくとも第一、第二、及び第三の脱離可能な部材を有し、それらが各々、第一及び第二の部分を有する遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように遠位方向に伸延する少なくとも一つのラインに取り付けられたハンドルを用意するステップと、展開可能なデバイスを目標位置に送達するステップと、ハンドルから第一の部材を脱離させてデバイスの第一の部分を部分的に展開させて第二の部材へのアクセスを可能にするステップと、第二の部材の回転可能な部分を回転させて展開可能なデバイスの第一の部分を変化させるステップと、第二の部材を脱離してデバイスの第一の部分の展開を完了させ、第三の部材へのアクセスを可能にするステップと、第三の部材を操作してデバイスの第二の部分を展開して、展開したデバイスの送達を実現するステップと、を含む方法が提供される。
【0015】
説明のために、図1〜図7は、医療デバイスと送達シーケンスの詳細な例を示す。シーケンス・ステップは送達ハンドルの設計によって決定され、規定される。分かりやすくするために、図1〜図7は、ハンドルの駆動のいろいろな段階を、典型的な医療デバイスが展開される状況を表す対応する図と合わせて示す。
【0016】
図1A、図1Bは、本発明の実施形態に係わるハンドル・アセンブリを示す斜視図である。図1Bは展開される医療デバイスを示す側面図である。(図1Aには)カテーテル102を有するハンドル・アセンブリ100が示されている。カテーテル102は医療デバイス・アセンブリ104まで伸びている。カテーテルの一部は、内部の制御ラインを露出させるために除去されている。図示された医療デバイスは、自発的に広がるステント・グラフトであり、それが二つの別々の拘束シース106、108によって拘束された状態で保持されている。各拘束シースは、“リップコード(rip-cord)”スティッチ110、112を有する。ステント・グラフトと拘束シースは、例えばMartin, et al.による米国特許No. 6,042,605、Martin, et al.による米国特許No. 6,361,637、及びMartin, et al.による米国特許No. 6,520,986に一般的に開示された方法及び材料によって製造できる。医療デバイスの最も遠い遠位端にはオリーブ(olive)114がある。ガイドワイヤ管腔116がオリーブの遠位端から出てカテーテル102とハンドル100を通って伸延している。医療デバイスの送達には一般にガイドワイヤが用いられるが、分かりやすくするために図では省略されている。カテーテル102内には4つの個別の制御ライン120,122,124,126が収容されている。これらの制御ラインの使用により、以後で医療デバイスの展開に影響が及ぼされる。また、第一の部材128がハンドル・アセンブリ100に脱離可能に取り付けられて示されている。
【0017】
図2Aと図2Bは、展開の第一段階におけるハンドル・アセンブリ100と医療デバイス104を示す斜視図である。展開の第一段階を遂行するために、第一の部材128は矢印202の方向に回転され、次に矢印204の方向に沿って引かれる。第一の部材128には第一の制御ライン120が取り付けられている。第一の部材が引かれると、第一の制御ライン120が矢印206の方向に沿って引かれる。第一の制御ライン120が引かれると、第一の制御ライン120は遠位側の拘束シース106の“縫い目をほどいて”(un-stitches)、ステント・グラフトの遠位部分が矢印208の方向に自発的に拡がることが可能になる。第一の部材をさらに引くと、第一の制御ライン120がカテーテル/ハンドルから完全に脱離して廃棄される。図2に示された状態では、医療デバイス・アセンブリはまだ近位側の拘束シース108によってカテーテル102に取り付けられている。また、図2に示された状態では、医療デバイスのアンカー又は突起(barb)210は引っ込められた又は収縮した状態にある。
【0018】
図3Aは、ハンドル・アセンブリ100の斜視図であり、合わせて医療デバイス104の遠位部分の部分側面図(図3B)が示されている。第一の部材128(図2)が脱離して、第二の部材302が露出されている。第二の部材302には回転可能な部分304がノブの形で固定されている。図2、3に示された状態にある間、血管内の医療デバイスの位置は正確に調整できる。例えば、ハンドル・アセンブリ100を方向矢印306に沿って平行移動させて、医療デバイスを長手方向306で移動又は調整できる。同様に、ハンドルを矢印308の方向に回転させて医療デバイスを回転させることができる。長手方向の調整は、医療デバイスを血管内の特定の標的に、例えば側方枝血管に非常に近いがそれを閉塞しない位置に正確に合わせることを可能にする。回転による調整も、分岐した又は側方分岐デバイス正確な整列を可能にする。
【0019】
医療デバイスの長手方向操作と回転操作は、医療デバイスがカテーテルに取り付けられていること、並びにアンカーが引っ込められた状態にあることで可能になっている。医療デバイスが標的の場所に正確に位置づけられたとき、デバイスのアンカーを解放して血管壁と係合可能にすることができる。アンカーの解放(又は引っ込め)は、回転可能部分304を矢印310の方向に回転させることで実行される。回転可能部分304が回転されると、第二の制御ライン122に張力312が加えられる(又は除去される)。制御ライン122はカテーテルを通り、医療デバイスの遠位アンカー部分のまわりに“財布のひも”状に縫うように通り抜けている(threaded)。制御ライン122は、張力が加えられるとアンカーを後退させる。回転可能部分304が反対方向に回転されると、制御ライン122への張力が緩められ、デバイスのアンカー部分が矢印314の方向に自発的に広がることが可能になり、それによりアンカーを血管壁に係合させる。
【0020】
医療デバイスが正確に整列され、デバイスのアンカーが係合された後、第二の制御ライン122を脱離させなければならない。図4は、自発的に広がる医療デバイス104の遠位部分の部分斜視図を示し、第二の制御ライン122の細部を示している。第二の制御ライン122は、カテーテル・シャフト102(図示せず)に取り付けられた小さなチューブ402内に収容されて示されている。第二の制御ライン122は、財布のひも状にステント・グラフトに縫うように通り抜けて示されている。第二の制御ライン122はループ404で終端し、ループ404を第三の制御ライン124が捕捉している。第三の制御ライン124が矢印406の方向に引かれると、ループ404が解放され、第二の制御ライン122を矢印410の方向に引くことが可能になる。その後、第二の制御ライン122はさらに引かれて医療デバイスから脱離される。
【0021】
医療デバイスから第二の制御ライン122を脱離させるためには、まず第三の制御ライン124を引く(第二の制御ラインを解放する)ことが必要である。二つの制御ラインを引くこのシーケンスは、図5A,5Bに示されたハンドル機構によって遂行される。第三の制御ライン124は回転可能な部材302に直接に取り付けられ、最初に部材302を矢印502の方向に回転させると、第三の制御ライン124が引かれ、ループ404を解放する(図4)。部材302を回転させるためには、インターロックボタン503を手動で駆動しなければならない。第二の制御ライン122は硬いチューブ504内に収容されている。したがって、部材302を回転させると、硬いチューブ504が図5Bに示されるように回転する。硬いチューブは一定の長さを保っているから、第二の制御ラインにはそれ以上に張力は加えられない。よって、部材302の回転は第三の制御ライン124と第二の制御ライン122の間に運動の差を生ずる。部材302が完全に回転された後、二つの制御ライン122,124は同時に移動させることができる。同じ機構を用いて三つ以上の制御ラインを駆動させることができる。
【0022】
図6Aの斜視図と図6Bの部分側面図に示されるように、第二の制御ライン122は、付設された回転可能な部分304と共に矢印602の方向に引くことによって脱離させることができる。部材302と回転可能な部分304が引かれると、二つの制御ライン122,124が引かれ、デバイス、カテーテル、及びハンドルから完全に脱離する。部材302と回転可能な部分304は連動しており、ノブが完全に回転されて医療デバイス・アンカーが完全に拡がることができるようにならない限り、ハンドルから脱離させることができない。ノブの回転は、従動するナットを定位置に移動させ、インターロックが外れて第二の部材302を脱離させることが可能になる。さらに、ボタンなどの第二のインターロックを設け、それを手で駆動しないと第二の部材302を脱離させることができないようにすることもできる。第二の部材302に取り付けられた制御ラインを完全に脱離させた後、図6に部分的に示されている医療デバイス104の遠位端部分はアンカー210が血管壁604に係合して完全に展開される。
【0023】
図7A,図7Bの斜視図に示されているように,第二の拘束シース108は第三の部材702の脱離によって解放できる。第三の部材702には第四の制御ライン126が取り付けられ、第三の部材が矢印704の方向に引かれると、第四の制御ライン126が矢印706の方向に引かれる。第四の制御ライン126は、引かれると、第二の拘束シース108の“縫い目をほどいて”、医療デバイスが矢印708の方向に自発的に広がることを可能にする。その後、第三の部材702に取り付けられた第四の制御ライン126を医療デバイス、カテーテル及びハンドルから完全に脱離できる。医療デバイス104は完全に展開されて、もはやカテーテル102に取り付けられていない。したがってハンドルを矢印710の方向に引いて、カテーテルを血管から脱離させ、手順の展開段階を完了することができる。オプションとして、第二の拘束シース108をカテーテルに取り付けてもよく、又は血管内に残してもよい。
【0024】
図8の斜視図に示されているように、ハンドル・アセンブリ100はアクセス口802を備え、適宜種々の制御ラインに手でアクセス可能としてもよい。アクセス口802は、必要であれば、カバー804を除去して露出させることができる。種々の制御ラインは、色、英数字のマーク、順序づけられた位置、サイズや形の違い、又はその他の識別手段によって識別できる。制御ラインには、一般に用いられる工具によって制御ラインを把持し操作できるような形態を組み込むことができる。
【0025】
本発明は上述したような部材の使用に限らない。強制されて連動する駆動シーケンスを提供する他の種々の手段を用いることが可能である。例えば、連動した駆動のメカニズムとして、てこ、スライド機構、栓、継起的に引かれるチューブ、継起的に解除されるロックなどがある。図1〜図7までを参照すると、本発明は、連動する駆動システムであって、第一、第二及び第三の機構を含み、それぞれがプレ及びポスト駆動状態を有するシステムを広く提供する。第一の機構(第一の部材128)は、図1に示されたようなプレ駆動状態、及び図2に示されたようなポスト駆動状態にある。第二の機構(第二の部材302)は、図3に示されたようなプレ駆動状態、及び図6に示されたようなポスト駆動状態にある。第三の機構(第三の部材702)は、図6に示されたようなプレ駆動状態、及び図7に示されるようたポスト駆動状態にある。
【0026】
本発明の連動する駆動システムは、最初は第一の機構だけがプレ駆動状態からポスト駆動状態に移行することを許可する。なお、第一の機構(第一の部材128)は最初に露出している唯一の駆動機構であり、駆動できる唯一の機構部材である。
【0027】
第一の機構のプレ駆動状態からポスト駆動状態への移行は、第二の機構だけがプレ駆動状態からポスト駆動状態に移行することを許可する。なお、第一の部材が脱離した後、第二の機構(第二の部材302)のみが露出し、駆動できる。
【0028】
第二の機構のプレ駆動状態からポスト駆動状態への移行は、第三の機構だけがプレ駆動状態からポスト駆動状態に移行することを許可する。なお、第二の部材が脱離した後、第三の機構(第三の部材702)のみが露出し、駆動できる。
【0029】
本発明は制御ラインを用いる連動したシーケンスに限られない。例えば、本発明の概念は電気接点を駆動する連動したデバイスをも含む。このような接点は、特定のハンドル・コンポーネントが脱離したときに電気接点が開放するような種々のハンドル・コンポーネントの導電性に依存する。特定のハンドル・コンポーネントの操作で単なる電気スイッチを駆動できることもある。また、特定のハンドル・コンポーネントの操作で近接センサ、圧力センサ、流体流れセンサ、又はその他のタイプのセンサを駆動することもできる。種々の駆動成分の組み合わせを本発明の設計に組み込むこともできる。例えば、制御ラインを電気スイッチと組み合わせることもできる。ハンドル又は手持ちペンダントに加えて、本発明の種々の概念を制御パネルの駆動デバイスに組み込むこともできる。
【0030】
医療デバイスを送達するために用いられる典型的なハンドル、器具、又はカテーテルは周知の材料から成る。例えば、非晶性汎用熱可塑プラスチック、すなわち、ポリメチル・メタクリレート(PMMA又はアクリル)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、改質ポリエチレン・テレフタレート・グリコール(PETG)、酢酸セルロース・ブチレート(CAB)、など;半結晶性汎用プラスチック、すなわち、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE又はLLDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、などや、非晶性エンジニアリング熱可塑プラスチック、すなわち、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレン・オキシド(PPO)、改質ポリフェニレン・オキシド(ModPPO)、ポリフェニレン・エーテル(PPE)、改質ポリフェニレン・エーテル(ModPPE)、熱可塑ポリウレタン(TPU)などや、半結晶性エンジニアリング熱可塑プラスチック、すなわち、ポリアミド(PA又はナイロン),ポリオキシメチレン(POM又はアセタール),ポリエチレン・テレフタレート(PET,熱可塑ポリエステル),ポリブチレン・テレフタレート(PBT,熱可塑ポリエステル)、超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE)、などや、高パフォーマンス熱可塑プラスチック、すなわち、ポリイミド(PI,イミド化プラスチック)、ポリアミドイミド(PAI,イミド化プラスチック)、ポリベンズイミダゾール(PBI,イミド化プラスチック)、などや、非晶性高パフォーマンス熱可塑プラスチック、すなわち、ポリスルフォン(PSU)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリアリールスルフォン(PAS)、などや、半結晶性高パフォーマンス熱可塑プラスチック、フッ素ポリマー、すなわち、フッ素化エチレン・プロピレン(FEP)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、エチレン、エチレン・テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデン・フルオリド(PVDF)、パーフルオロアルコキシ(PFA)などである。他の周知の医療等級材料としては、エラストマー有機シリコン・ポリマー、ポリエステル・ブロック・アミド、又は熱可塑コポリエーテル(PEBAX)、及びステンレス鋼やニッケル/チタン合金、などがある。
【0031】
ハンドルの組立で用いられる一般的方法は、二つ以上のコンポーネントを取り付けるのに用いられる周知の方法である。恒久的な取り付けの例としては、にかわ、接着剤、溶接、インサート成形、強い圧入、一方向スナップ又はロック手段、ピン圧入、熱かしめ及びリベットなどがある。半恒久的な取り付け、すなわち、コンポーネントを分離するのに工具を必要とする取り付けの例としては、ねじ、ねじ溝つき固定具、スナップリング、及びスナップフィットなどがある。着脱可能な取り付け、すなわち、他の工具を用いずに手で分離できる取り付けの例としては、スナップフィット、ツイストロック機能、プッシュ解除機能、にぎり解除機能、スライドレバー、ラッチ及び軽い圧入などがある。
【0032】
制御ラインは、炭素繊維、液晶ポリマー、及び金属ワイヤなど、周知の高張力材料を含むことができる。制御ラインは、円形、卵形、長方形、又はその他の多角形など、いろいろな断面輪郭を有することができる。制御ラインは、また、摩擦を最小にするために外側に潤滑層、潤滑コーティング、又は潤滑ラッピングを有することができる。
【0033】
制御ラインは、周知の方法、例えば制御ラインをピンに巻き付ける、又はラインをネジで固定するなどの方法によって、ハンドル又は駆動機構に取り付けることができる。その他の方法としては、ラインを小さな孔に通した後、制御ラインの端に結び目を作り又はこぶを固定し、引いても結び目/こぶが小さな孔を通らないようにするという方法もある。接着剤、クランプ、クリンプ(crimp)、ピンチ(pinch)機構、熱かしめ、インサート成形、その他の周知の取り付け方法も制御ラインの取り付けに使用できる。あるいは、制御ライン又はケーブル保持システムを用いてハンドルの内側にワイヤを確保することもできる。このシステムは、少なくとも一つの保持要素と、該少なくとも一つの保持要素を挿入できる寸法の空洞を有する基体と、該基体の第一の端部から空洞へ伸延する第一のスロットと、該基体の第二の端部から空洞へ伸延する第二のスロットとを備え、第一及び第二のスロットはワイヤなどの細長い部材をスロット内に配置できるような寸法を有し、保持要素が細長い部材を空洞内に保持する。保持要素は、ボールベアリング、球要素、円柱ポスト、又は細長い部材を変形させるために用いられるその他の手段であってもよい。空洞は第一及び第二のスロットの深さよりも下の深さに伸びて、保持要素を用いるようにワイヤを曲げ又は変形するスペースを作り出す。空洞は保持要素がワイヤを基体空洞に確保するような任意の適当な寸法の形又はサイズである。空洞直径は保持要素の直径より小さく、圧力ばめするようなものであることが望ましい。必要であればワイヤを変形して空洞に押し込む前及び/又は後に、接着剤を空洞に入れてさらにしっかりと確保する手段とすることができる。ワイヤなどの細長い部材をデバイスに保持するために次のようなステップを用いることができる。図9A〜図9Fに示されるように、空洞を有する基体、第一のスロット及び第二のスロットを有するデバイスハンドルが得られる。少なくとも一つの細長い部材が第一及び第二のスロット内に空洞を横切るように配置される。少なくとも一つの保持要素が空洞内に、上記少なくとも一つの細長い部材を保持要素と基体の間に確保するように配置される。保持要素によって細長い部材が変形されて、保持要素と基体の間で位置が固定される。
【0034】
このシンプルな、容易に組み立てられ、容易に自動化でき、視覚的に検証できる高強度の接合コンセプトが図9A〜図9Fに開示されている。図9Aは、制御ラインの取り付け部の部分上面図を示し、図9Bは面A−Aで切った部分断面図を示す。図には球904で終端する円形空洞902が示されている。第一のスロット906と第二のスロット907が取り付け部を通って形成され、円形の孔を貫通している。スロット906,907は、中心が空洞902のセンターラインにあるとして示されている。オプションとして、スロットは空洞の中心から外れた位置にあってもよい。オプションでは、図9Bに示されているように、スロット906は空洞902の円形底部の縁908に“潜り込み”(dive into)、断面A−Aで見ると曲がった経路を形成する。
【0035】
図9C,図9Dに示されるように、制御ライン910は第一のスロット906内に配置される。図9E,図9Fを参照すると、制御ラインを取り付け部に確保し固定するために、保持要素912が空洞902に矢印914の方向に沿って押し込まれている。十分に収容されると、硬い球は制御ラインを曲がった経路の形に変形する。空洞902と保持要素912の間の干渉、圧入が制御ラインを効果的に取り付け部に固定する。これにより制御ラインには二方向916に張力が加わり、取り付け部からスリップしたり外れたりしない。必要であれば、硬い球の露出した部分に接着剤を塗布して制御ラインをさらにしっかりと保持することができる。任意に、空洞の露出部分を“熱かしめ”又は変形させて、硬い球と制御ラインをさらに拘束することもできる。任意に、空洞902に、高くした垂直ショルダー、シャンファ(chamfer)、漏斗、その他の保持要素を孔に整列させるための手段などの保持要素整列ガイドを組み込むことができる。
【0036】
取り付け部900は、上に挙げたような周知のプラスチック又は金属で製造できる。保持要素912は金属のボールベアリング、プラスチック球、又はセラミック・ガラス球であってよい。硬い球の代わりに硬いローラー又は円柱状の要素を用いてリボン状の制御ラインを固定することもできる。その他の硬い要素形状とそれに適合する孔を用いて、所望とされる種々の要素を一体に取り付けることもできる。硬い要素は視覚的な点検ができるように透明にすることもできる。
【0037】
本発明の取り付け部は、ワイヤ又はケーブルなどの導電性物質を固定するために用いることができる。本発明の取り付け部は、光ファイバー、シルク、ポリマー、又は血管や神経など天然生体物質などの非導電性物質を固定するために用いることができる。
【0038】
取り付け部は、また、予め定められた荷重でコード又はケーブルを解放するように用いることができる。例えば、取り付け部の基体、ケーブル、及び保持要素はいろいろな許容幅(tolerance)、特定の硬度、又は特定の表面特徴を有し、それらが組み合わされて予め定められた保持荷重が得られるようにすることもできる。
【実施例】
【0039】
実施例1
本発明の実施形態に係わる器具を製造してケーブル保持力を試験した。図10Aの上面図と図10Bの斜視図に示すように、基体1002を有する取り付け部1000が組み立てられた。基体1002は空洞1006を有し、ケーブル1008と保持球1004を受け入れる寸法になっている。図10C,図10Dは空洞1006のセンターラインで切った断面図である。図示のように、ケーブル1008を空洞1006内に配置した。次にボールベアリング1004を空洞1006に押し込み、図10Dに示すようにケーブルを変形させた。次に医療等級のUV硬化性接着剤を空洞に供給し、空洞、ボールベアリング、及び変形したケーブルを部分的に一体化した(enmembersulating)。
【0040】
実施例2.
実施例1からの器具にケーブル・セクションをはめ込み、ボールベアリングを空洞に押し込み、接着剤を上から塗布した。ボールベアリングを押し込んで保持するのに必要な圧縮荷重をAmetek(登録商標)(Paoli, PA) Chatillion(登録商標)DFX-050圧縮ゲージを用いて記録した。接着剤を硬化させた後、ケーブルを引っ張って保持荷重を決定した。ケーブルはInstron(登録商標)(Norwood, MA)引っ張り試験機と荷重セルを用いて引っ張った。20個のアセンブリを調べた。
【0041】
本発明の特定の実施形態を図示して説明したが、本発明はそれらの図示と説明に限定されない。変化や変更が以下の特許請求の範囲内で本発明の一部として組み込まれ実施できることは明らかであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a. 遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように遠位方向に伸延する第一のラインに取り付けられた第一の脱離可能な部材と、
b. 回転可能な部分を有する第二の脱離可能な部材であって、前記第一の脱離可能な部材によって少なくとも部分的に覆われ、該遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように遠位方向に伸延する第二のラインに取り付けられた第二の脱離可能な部材と、
c. 前記第二の脱離可能な部材によって少なくとも部分的に覆われ、該遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように遠位方向に伸延する第三のラインに取り付けられた第三の部材と、
を備える固定シーケンスの駆動ハンドル。
【請求項2】
該第一の部材の存在が該第二の部材の脱離を妨げる、請求項1に記載の固定シーケンスの駆動ハンドル。
【請求項3】
該第二の部材の存在が該第三の部材の脱離を妨げる、請求項1に記載の固定シーケンスの駆動ハンドル。
【請求項4】
該第三の部材が該第二の部材の内部に入れ子になっており、該第二の部材が該第一の部材の内部に入れ子になっている、請求項1に記載の固定シーケンスの駆動ハンドル。
【請求項5】
該第三の部材が脱離可能である、請求項1に記載の固定シーケンスの駆動ハンドル。
【請求項6】
さらに、前記第一、第二又は第三の遠位方向に伸延するラインの少なくとも一つへのアクセス口を備える、請求項1に記載の固定シーケンスの駆動ハンドル。
【請求項7】
a. 遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように遠位方向に伸延する第一のラインに取り付けられた第一の脱離可能な部材と、
b. 調整機能を有する第二の部材であって前記第一の脱離可能な部材によって少なくとも部分的に覆われ、該遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように遠位方向に伸延する第二のラインに取り付けられた第二の部材と、
を備える固定シーケンスの駆動ハンドル。
【請求項8】
少なくとも第一、第二、及び第三の脱離可能な部材を備えた固定シーケンスの駆動ハンドルであって、該第一、第二、及び第三の部材の各々は第一及び第二の部分を有する遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように遠位方向に伸延するラインに取り付けられ、
該ハンドルからの該第一の部材の脱離が該デバイスの該第一の部分の部分的展開を生じて該第二の部材へのアクセスを可能にし、
該第二の部材は回転可能な部分を有し、前記部分の回転は該展開可能なデバイスの該第一の部分を変化させ、
前記第二の部材の脱離が該デバイスの該第一の部分の完全な展開を生じて該第三の部材へのアクセスを可能にし、
該第三の部材の操作によって該デバイスの該第二の部分が展開される、固定シーケンスの駆動ハンドル。
【請求項9】
展開可能なデバイスを送達する方法であって、
a.第一及び第二の部分を有する遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように遠位方向に伸延する少なくとも一つのラインに各々が取り付けられた少なくとも第一、第二及び第三の脱離可能な部材を有するハンドルを用意するステップと、
b. 該展開可能なデバイスを目標位置に送達するステップと、
c. 該ハンドルから該第一の部材を脱離させて該デバイスの該第一の部分を部分的に展開させ、該第二の部材へのアクセスを可能にするステップと、
d. 該第二の部材の回転可能な部分を回転させて該展開可能なデバイスの該第一の部分を変化させるステップと、
e. 該第二の部材を脱離させて該デバイスの該第一の部分の展開を完了し、該第三の部材へのアクセスを可能にするステップと、
f. 該第三の部材を操作して該デバイスの該第二の部分を展開させ、該展開されたデバイスの送達を実現するステップと、
を含む方法。
【請求項10】
a. 少なくとも一つの保持要素と、
b. 該少なくとも一つの保持要素の挿入を許可する寸法の空洞を有する基体と、
c. 該基体の第一の端部から前記空洞まで伸延する第一のスロットと、
d. 該基体の第二の端部から前記空洞まで伸延する第二のスロットと、を備えるケーブル保持システムであって、
該第一及び第二のスロットは、該スロット内に細長い部材を配置することを許可するような寸法であり、該保持要素は、該細長い部材を該空洞内に保持する、ケーブル保持システム。
【請求項11】
デバイスハンドルに細長い部材を保持する方法であって、
a. 空洞を有する基体と、第一のスロット及び第二のスロットとを有するデバイスハンドルを用意するステップと、
b. 該第一及び第二のスロットの内部に該空洞を横切るように少なくとも一つの細長い部材を配置するステップと、
c.該少なくとも一つの細長い部材が保持要素と該基体との間で固定されるように該空洞の内部に少なくとも一つの該保持要素を配置するステップと、
を含む方法。
【請求項1】
a. 遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように遠位方向に伸延する第一のラインに取り付けられた第一の脱離可能な部材と、
b. 回転可能な部分を有する第二の脱離可能な部材であって、前記第一の脱離可能な部材によって少なくとも部分的に覆われ、該遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように遠位方向に伸延する第二のラインに取り付けられた第二の脱離可能な部材と、
c. 前記第二の脱離可能な部材によって少なくとも部分的に覆われ、該遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように遠位方向に伸延する第三のラインに取り付けられた第三の部材と、
を備える固定シーケンスの駆動ハンドル。
【請求項2】
該第一の部材の存在が該第二の部材の脱離を妨げる、請求項1に記載の固定シーケンスの駆動ハンドル。
【請求項3】
該第二の部材の存在が該第三の部材の脱離を妨げる、請求項1に記載の固定シーケンスの駆動ハンドル。
【請求項4】
該第三の部材が該第二の部材の内部に入れ子になっており、該第二の部材が該第一の部材の内部に入れ子になっている、請求項1に記載の固定シーケンスの駆動ハンドル。
【請求項5】
該第三の部材が脱離可能である、請求項1に記載の固定シーケンスの駆動ハンドル。
【請求項6】
さらに、前記第一、第二又は第三の遠位方向に伸延するラインの少なくとも一つへのアクセス口を備える、請求項1に記載の固定シーケンスの駆動ハンドル。
【請求項7】
a. 遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように遠位方向に伸延する第一のラインに取り付けられた第一の脱離可能な部材と、
b. 調整機能を有する第二の部材であって前記第一の脱離可能な部材によって少なくとも部分的に覆われ、該遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように遠位方向に伸延する第二のラインに取り付けられた第二の部材と、
を備える固定シーケンスの駆動ハンドル。
【請求項8】
少なくとも第一、第二、及び第三の脱離可能な部材を備えた固定シーケンスの駆動ハンドルであって、該第一、第二、及び第三の部材の各々は第一及び第二の部分を有する遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように遠位方向に伸延するラインに取り付けられ、
該ハンドルからの該第一の部材の脱離が該デバイスの該第一の部分の部分的展開を生じて該第二の部材へのアクセスを可能にし、
該第二の部材は回転可能な部分を有し、前記部分の回転は該展開可能なデバイスの該第一の部分を変化させ、
前記第二の部材の脱離が該デバイスの該第一の部分の完全な展開を生じて該第三の部材へのアクセスを可能にし、
該第三の部材の操作によって該デバイスの該第二の部分が展開される、固定シーケンスの駆動ハンドル。
【請求項9】
展開可能なデバイスを送達する方法であって、
a.第一及び第二の部分を有する遠隔に位置する展開可能なデバイスと連通するように遠位方向に伸延する少なくとも一つのラインに各々が取り付けられた少なくとも第一、第二及び第三の脱離可能な部材を有するハンドルを用意するステップと、
b. 該展開可能なデバイスを目標位置に送達するステップと、
c. 該ハンドルから該第一の部材を脱離させて該デバイスの該第一の部分を部分的に展開させ、該第二の部材へのアクセスを可能にするステップと、
d. 該第二の部材の回転可能な部分を回転させて該展開可能なデバイスの該第一の部分を変化させるステップと、
e. 該第二の部材を脱離させて該デバイスの該第一の部分の展開を完了し、該第三の部材へのアクセスを可能にするステップと、
f. 該第三の部材を操作して該デバイスの該第二の部分を展開させ、該展開されたデバイスの送達を実現するステップと、
を含む方法。
【請求項10】
a. 少なくとも一つの保持要素と、
b. 該少なくとも一つの保持要素の挿入を許可する寸法の空洞を有する基体と、
c. 該基体の第一の端部から前記空洞まで伸延する第一のスロットと、
d. 該基体の第二の端部から前記空洞まで伸延する第二のスロットと、を備えるケーブル保持システムであって、
該第一及び第二のスロットは、該スロット内に細長い部材を配置することを許可するような寸法であり、該保持要素は、該細長い部材を該空洞内に保持する、ケーブル保持システム。
【請求項11】
デバイスハンドルに細長い部材を保持する方法であって、
a. 空洞を有する基体と、第一のスロット及び第二のスロットとを有するデバイスハンドルを用意するステップと、
b. 該第一及び第二のスロットの内部に該空洞を横切るように少なくとも一つの細長い部材を配置するステップと、
c.該少なくとも一つの細長い部材が保持要素と該基体との間で固定されるように該空洞の内部に少なくとも一つの該保持要素を配置するステップと、
を含む方法。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【公表番号】特表2012−515047(P2012−515047A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546268(P2011−546268)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/000118
【国際公開番号】WO2010/090699
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/000118
【国際公開番号】WO2010/090699
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】
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