説明

弾球遊技機

【課題】遊技玉検出手段を不正に誤検出させるゴト行為を効果的に抑制することができる弾球遊技機を提供することである。
【解決手段】上始動口流通路164には、遊技玉検出上センサ34および遊技玉検出下センサ44が流通方向に関してこの順で配置されている。上始動口流通路164における、遊技玉検出上センサ34による検出位置と、遊技玉検出下センサ44による検出位置とは、流通方向に関して所定の間隔W1が隔てられている。遊技玉検出上センサ34はたとえば高周波発振形の貫通型近接センサにより構成されている。遊技玉検出下センサ44はたとえば反射型フォトセンサ(光センサ)により構成されている。第1遊技玉検出センサ34から発せられた検出出力の回数と、第2遊技玉検出センサ44から発せられた検出出力の回数との間の差数差数に基づいて、エラー状態が検出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤の盤面上に入賞口が配設された弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の弾球遊技機では、遊技盤に向けて発射された遊技玉を、その盤面に沿って流下させることにより遊技を行う。遊技盤上には遊技玉が入玉可能な入賞口が設けられている。入賞口は、当該入賞口に入玉した遊技玉が流通するための流通路に連通している。
流通路の途中部には、遊技玉を検出するための遊技玉検出センサが配設されている。この遊技玉検出センサの検出結果に基づいて、入賞口への遊技玉の入玉数が把握され、この入玉数に応じた数の遊技玉が賞玉払出装置から払い出される。
【0003】
遊技玉検出センサに遊技玉を不正に検出させて、不正に出玉(賞玉)を獲得するゴト行為が問題視されている。したがって、遊技玉検出センサにおける遊技玉を用いた不正を防止または抑制するために、種々の対策が講じられている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−101244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、大玉ゴトと呼ばれる新しいタイプのゴト行為が知られている。この大玉ゴトでは、通常用いられる遊技玉(たとえば直径11.0mm程度)より一回り大きなベアリング用の鋼球(たとえば直径11.5mm程度)が不正な遊技玉(以下、「不正玉」という。)として用いられる。この鋼球の複数の部位を部分的に削ることにより、この鋼球に直径11.0mm以下となる部分(たとえば直径10.8mm程度になる部分)が設けられる。
【0006】
遊技盤の盤面に向けて発射された不正玉は盤面に沿って流下する。遊技盤を流下する不正玉は、不正行為者による磁石の操作によって入賞口に向かうように誘導される。図16に示すように、遊技玉検出センサ400には略円筒形の通過孔401が形成されている。この通過孔401の直径(最も狭い部分の直径)は通常11.4mm程度であり、そのため、入賞口に入玉し、流通路を流通する不正玉402は、通過孔401を通過することができず、この通過孔401に詰まる。そして、この状態でその不正玉402に電波を照射し、その電波の周波数を切り換えることにより、遊技玉通過を多数回誤検出させることができる。これにより、不正行為者は大量の出玉(賞玉)を不正に獲得することができる。
【0007】
このような大玉ゴトを効果的に抑制することが望まれている。また、大玉ゴトに限らず、遊技玉検出手段(遊技玉検出センサ)を不正に誤検出させるゴト行為を効果的に抑制することが望まれている。
そこで、本発明の目的は、遊技玉検出手段を不正に誤検出させるゴト行為を効果的に抑制することができる弾球遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するため、請求項1記載の発明は、遊技盤(5)に向けて発射される遊技玉を用いて遊技を行う弾球遊技機(1)であって、前記遊技盤の盤面に配設され、前記遊技盤に発射された遊技玉が入玉可能な入賞口(17,18,21,22,23)と、前記入賞口に入玉した遊技玉が流通するための流通路(164,171,101,102,103)と、前記流通路の途中部の第1位置における遊技玉の通過を検出するための第1遊技玉検出手段(34,44;134,144)と、前記流通路における前記第1位置の上流側または下流側で、当該第1位置と前記流通路の流通方向に関して所定の間隔(W1;W2)を隔てた第2位置における遊技玉の通過を検出する第2遊技玉検出手段(44,34;144,134)と、前記第1遊技玉検出手段からの出力に基づいて、前記入賞口への入玉に基づく所定の処理を実行する入玉処理手段(71)と、前記第1遊技玉検出手段から発せられた検出出力の回数と、前記第2遊技玉検出手段から発せられた検出出力の回数との間の差数を求める差数導出手段(74)と、前記差数導出手段によって求められた前記差数に基づいて前記エラー状態を判定するエラー状態判定手段(71)とを含む、弾球遊技機である。
【0009】
なお、括弧内の数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、特許請求の範囲を実施形態に限定する趣旨ではない。以下、この項において同じ。
この構成によれば、入賞口に入玉した遊技玉は流通路を流通し、第1および第2遊技玉検出手段の双方によって遊技玉が検出される。遊技玉の通過を検出すると、第1および第2遊技玉検出手段はそれぞれ所定の検出出力を発する。そして、第1遊技玉検出手段からの出力があったことに基づいて、入賞口に遊技玉が入玉したと判定される。
【0010】
第1遊技玉検出手段に対しゴト行為を行った場合に、検出出力を発するのは第1遊技玉検出手段のみであり、第2遊技玉検出手段から検出出力は発せられないとすると、第1遊技玉検出手段に対しゴト行為が行われる場合には、第1遊技玉検出手段から発せられた検出出力の回数と、第2遊技玉検出手段から発せられた検出出力の回数との間に差数が生じるようになる。
【0011】
また、第2遊技玉検出手段に対しゴト行為を行った場合に、検出出力を発するのは第2遊技玉検出手段のみであり、第1遊技玉検出手段から検出出力は発せられないとすると、第2遊技玉検出手段に対しゴト行為が行われる場合にも、第1遊技玉検出手段から発せられた検出出力の回数と、第2遊技玉検出手段から発せられた検出出力の回数との間に差数が生じるようになる。そして、この差数に基づいてエラー状態を判定することにより、遊技玉検出手段に対するゴト行為を精度良く検出することができる。
【0012】
また、請求項2に記載のように、前記第1および第2遊技玉検出手段は、その検出媒体が互いに異なっていてもよい。この場合、第1および第2遊技玉検出手段はその検出媒体が互いに異なっており、第1遊技玉検出手段と第2遊技玉検出手段とは、その検出原理が互いに異なっているので、第1および第2遊技玉検出手段からそれぞれ検出出力を不正に出力させる場合において、第1遊技玉検出手段から検出出力を不正に出力させるゴト行為と、第2遊技玉検出手段から検出出力を不正に出力させるゴト行為とではその手法が異なる。
【0013】
したがって、第1遊技玉検出手段に対しゴト行為を行った場合、検出出力を発するのは第1遊技玉検出手段のみであり、第2遊技玉検出手段から検出出力は発せられない。そのため、第1遊技玉検出手段に対しゴト行為が行われる場合には、第1遊技玉検出手段から発せられた検出出力の回数と、第2遊技玉検出手段から発せられた検出出力の回数との間に差数が生じるようになる。
【0014】
また、第2遊技玉検出手段に対しゴト行為を行った場合、検出出力を発するのは第2遊技玉検出手段のみであり、第1遊技玉検出手段から検出出力は発せられない。そのため、第2遊技玉検出手段に対しゴト行為が行われる場合にも、第1遊技玉検出手段から発せられた検出出力の回数と、第2遊技玉検出手段から発せられた検出出力の回数との間に差数が生じるようになる。そして、この差数に基づいてエラー状態を判定するから、遊技玉検出手段に対するゴト行為を精度良く検出することができる。
【0015】
請求項3に記載のように、前記エラー状態判定手段は、前記差数導出手段によって求められた前記差数が予め定める判定値を超える場合に前記エラー状態を判定してもよい。
前記の差数が発生する(「1」以上である)場合であっても、その原因がゴト行為の実行ではなく、流通路における第1位置と第2位置との間の部分において遊技玉詰まりが生じている可能性がある。このような場合にエラー状態とするのは行き過ぎである。
【0016】
これに対し、請求項3では前記の差数が予め定める判定値を超える場合にエラー状態であると判定する。これにより、遊技玉検出手段に対するゴト行為を、より精度良く検出することができる。
この場合、請求項4に記載のように、前記判定値は、前記流通路における前記第1位置と前記第2位置との間の部分に収容可能な遊技玉の個数と同じ数であってもよい。この構成によれば、前記の差数が、流通路における第1位置と第2位置との間の部分に収容可能な遊技玉の個数を超える場合に、エラー状態であると判定される。このような場合は、前記の差数の発生原因が、流通路における第1位置と第2位置との間の部分の遊技玉詰まりにあるとは考えられない。これにより、遊技玉検出手段に対するゴト行為を、さらにより精度良く検出することができる。
【0017】
また、「判定値が、流通路における第1位置と第2位置との間の部分に収容可能な遊技玉の個数と同じ数」であるとは、言い換えれば、流通路における第1位置と第2位置との間の流通方向に関する間隔が、遊技玉直径と前記の収容可能な遊技玉個数との積よりも長く、かつ遊技玉直径と、前記の収容可能な遊技玉個数に1を加えた個数との積よりも短く設定されている、と言い換えることもできる。
【0018】
請求項5記載の発明は、前記差数導出手段は、前記第1および第2遊技玉検出手段の一方から検出出力が発せられたときに値を加算し、前記第1および第2遊技玉検出手段の他方から検出出力が発せられたときに前記値を減算することにより、前記差数を記憶する加減算カウンタ(74)を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の弾球遊技機である。
この構成によれば、1つのカウンタで差数を記憶することができる。これにより、より簡単な構成で前記差数導出手段を実現することができる。
【0019】
請求項6記載の発明は、前記加減算カウンタは、遊技機の遊技を司る主制御部に設けられており、前記主制御部への電源供給停止時に、前記加減算カウンタに記憶されている前記差数をクリアするクリア手段(71)をさらに含む、請求項5記載の弾球遊技機である。
この構成によれば、前記主制御部への電源投入時に、前記加減算カウンタに記憶されている前記差数がクリアされる。
【0020】
ここで、流通路における第1位置と第2位置との間の部分を遊技玉が流通している状態で、主制御部に対して電源が遮断される場合を考える。この場合、第1および第2遊技玉検出手段の一方によってのみ遊技玉の通過が検出されるので、加減算カウンタの値は「1」である。しかしながら、第1および第2遊技玉検出手段の他方においては遊技玉を検出することはできない。よってバックアップされる加減算カウンタの値は「1」になっている。
【0021】
弾球遊技機における電源復帰時には、通常、バックアップされているデータ誤り検出符号とバックアップデータに基づくデータ誤り検出符号とを照合することにより、バックアップデータの正誤を判断している。したがって、前述のようなタイミングで電源の遮断が行われる場合には、電源復帰時におけるデータ誤り検出符号は一致するものの、一方の遊技玉検出手段からの信号のみ検出した状態でバックアップがされているため、加減算カウンタに「0」以外のデータが残ったまま遊技が進行することになる。よって、前述のようなタイミングで電源の遮断と電源復帰とが繰り返されるたび加減算カウンタが増加することになり、いずれ判定値を超えた状態に至る可能性もある。この場合、ゴト行為を行っていないにもかかわらずエラー報知されることとなる。
【0022】
これに対し、請求項6では、主制御部への電源投入時に、加減算カウンタに記憶されている差数がクリアされる。そのため、流通路における第1位置と第2位置との間の部分を遊技玉が流通している状態で、主制御部に対して電源が遮断される場合であっても、電源復帰時のクリア処理により、前述のような過剰なエラー報知を排除することができる。
また、請求項7に記載のように、前記第2位置は、前記第1位置よりも前記流通方向の上流側に配置されていてもよい。すなわち、流通路における上流側に第2遊技玉検出手段(34;134)が、下流側に第1遊技玉検出手段(44;144)が、それぞれ配置される。
【0023】
また、この場合、請求項7に記載のように、前記入賞口は、当該入賞口への入玉に対し、遊技者に有利な特別利益状態を発生させるか否かの大当たり抽選を実行すべき始動入賞口(17,18)を含み、前記入玉処理手段は、前記第2遊技玉検出手段による検出後前記第1遊技玉検出手段による検出があったときに、前記大当たり抽選に関する乱数を取得する乱数取得手段(71)を含むものであってもよい。
【0024】
請求項9記載の発明は、前記第2遊技玉検出手段は磁気を検出媒体とする磁気センサであり、前記第1遊技玉検出手段は光を検出媒体とする光センサである、請求項7または8記載の弾球遊技機である。
この構成によれば、流通路における上流側に磁気センサが、下流側に光センサが、それぞれ配置される。
【0025】
磁気センサとして、交流磁界を検出媒体とする、高周波発振形などの交流磁界型センサを例示することができる。
また、第1遊技玉検出手段として、光センサに代えて、メカ検出スイッチを採用することもできる。
また、請求項10に記載のように、前記第2位置は、前記第1位置よりも前記流通方向の下流側に配置されていてもよい。すなわち、流通路における上流側に第1遊技玉検出手段(34;134)が、下流側に第2遊技玉検出手段(44;144)が、それぞれ配置される。
【0026】
また、この場合、請求項11に記載のように、前記入賞口は、当該入賞口への入玉に対し、遊技者に有利な特別利益状態を発生させるか否かの大当たり抽選を実行すべき始動入賞口(17,18)を含み、前記入玉処理手段は、前記第1遊技玉検出手段による検出があったときに、前記大当たり抽選に関する乱数を取得する乱数取得手段(71)と、前記第1遊技玉検出手段による検出後前記第2遊技玉検出手段による検出がなかったときに、前記乱数取得手段により取得した前記乱数を無効にする乱数無効化手段(71)とを含むものであってもよい。
【0027】
請求項12記載の発明は、前記第1遊技玉検出手段は磁気を検出媒体とする磁気センサであり、前記第2遊技玉検出手段は光を検出媒体とする光センサである、請求項10または11記載の弾球遊技機である。
この構成によれば、流通路における上流側に磁気センサが、下流側に光センサが、それぞれ配置される。
【0028】
磁気センサとして、交流磁界を検出媒体とする、高周波発振形などの交流磁界型センサを例示することができる。
また、第1遊技玉検出手段として、光センサに代えて、メカ検出スイッチを採用することもできる。
請求項13に記載のように、前記エラー状態判定手段により前記エラー状態が判定されたとき、所定の報知を実行する報知手段(31,15,27,28,41)をさらに含むものであってもよい。この構成によれば、エラー状態が報知手段を用いて報知される。これにより、遊技玉検出手段を不正に誤検出させるゴト行為を効果的に抑制することができる。
【0029】
また、請求項14に記載のように、前記エラー状態判定手段により前記エラー状態が判定されたとき、所定の情報を機外に出力する情報出力手段(33)をさらに含むものであってもよい。この構成によれば、所定の(たとえばエラー状態である旨の)情報が機外に対して出力される。したがって、弾球遊技機がエラー状態にあることを遊技店の従業員などに知らせることができる。これにより、遊技玉検出手段を不正に誤検出させるゴト行為を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1実施形態に係る弾球遊技機の斜視図である。
【図2】図1に示す遊技盤の正面図である。
【図3】図1に示す弾球遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図2に示す始動入賞口ユニットのベース部材を後方から見た斜視図である。
【図5】図3に示す第1遊技玉検出センサの構成を示す図である。
【図6】図3に示す第2遊技玉検出センサの構成を示す図である。
【図7】図3に示す主制御基板に関連する部分の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】図7に示す入賞カウンタを説明するための図である。
【図9】主制御基板における定期割込処理の内容を示すフローチャートである。
【図10】上始動入賞口への入玉に関する入力管理処理の一処理例を表すフローチャートである。
【図11】バックアップ処理プログラムの内容を示すフローチャートである。
【図12】上始動入賞口への入玉に関する入力管理処理の他の処理例を表すフローチャートである。
【図13】本発明の第2実施形態に係る弾球遊技機の普通入賞口ユニットに設けられる普通入賞口流通路の構成を示す模式的な図である。
【図14】各普通入賞口への入玉に関する入力管理処理の一処理例を表すフローチャートである。
【図15】各普通入賞口への入玉に関する入力管理処理の他の処理例を表すフローチャートである。
【図16】大玉ゴトの仕組みを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る弾球遊技機1の斜視図である。この弾球遊技機1は、遊技店内に配列された遊技島への取付け(設置)のための略四角枠状の外枠2と、この外枠2に対し片開き可能に取り付けられた内枠3とを備えている。外枠2の左右一方、たとえば左側のヒンジ4によって、内枠3はヒンジ4の回動軸まわりに回動可能に保持されている。
【0032】
内枠3の上部分には、遊技盤5(図2参照)が収容保持されている。内枠3の下部分には、発射手段(図示しない)が収容保持されている。内枠3における遊技盤5の下方には、セーフ玉回収部(図示しない)が配設されている。内枠3の手前側には、前扉6が開閉可能に設けられている。また、内枠3の手前側には、前扉6の下方に、下部開閉板7が開閉可能に設けられている。前扉6には、遊技盤5に対向する位置に略円形の開口8が形成されている。この開口8には、ガラス板などの透明板9が嵌められていて、前扉6を閉じた状態で、その透明板9を介して、透明板9の奥側の遊技盤5(図2参照)を視認することができるようになっている。前扉6の上部には、左右一対のスピーカ(報知手段)28が配設されている。また、前扉6の下部には、左右一対のランプユニット(報知手段)27が配設されている。
【0033】
下部開閉板7には、遊技に使用する遊技玉を貯留しておくための上皿10と、上皿10からオーバーフロー路(図示しない)を通して溢れた遊技玉を受け止める下皿12とが上下に並んで設けられている。また、下皿12の右側には、遊技玉を遊技盤5に打ち出す際に操作されるハンドル13が配設されている。遊技者が、ハンドル13を把持して回転操作することにより、発射装置から遊技盤5に向けて遊技玉を発射することができ、また、ハンドル13の回転角度を調整することにより、遊技盤5に向けて発射される遊技玉の勢いを調節することができる。なお、遊技玉は所定の直径(たとえば11.0mm)を有する鋼球である。
【0034】
図2は、遊技盤5の正面図である。遊技盤5の盤面(遊技盤5の前面)には、中央部に略円形の遊技領域Sが設定されており、この遊技領域Sの周縁には、発射装置から発射された遊技玉を、遊技盤5の上方(左側上部)に導くための略円弧状のガイドレール14が配設されている。また、ガイドレール14に対向して内レール11が配置されている。内レール11の先端は遊技領域Sの上部まで延びていて、発射装置により発射された遊技玉は、内レール11とガイドレール14との間を通って遊技領域Sの上部へと導かれる。
【0035】
遊技領域Sには、多数本の障害釘(図示しない)が配設されており、遊技盤5の左側上部からガイドレール14および内レール11に沿って右斜め上方に向けて放たれた遊技玉は、遊技盤5の盤面に沿って多数本の障害釘の間を通って流下していく。
遊技領域Sの中央部には液晶表示ユニット(報知手段)15が配設されている。液晶表示ユニット15は、弾球遊技機1の遊技中に、演出図柄や予告用の演出などを表示するためのものである。
【0036】
遊技領域Sの下部には、上始動入賞口(入賞口)17および下始動入賞口(入賞口)18が上下に並べて配設されている。上始動入賞口17および下始動入賞口18は、それぞれ上向きに開口して、遊技盤5の盤面に沿って流下する遊技玉を入玉可能に設けられている。下始動入賞口18に関連して、下始動入賞口18を開閉する電動チューリップ役物19が配設されている。電動チューリップ役物19は1対の羽根を備えている。電動チューリップ役物19は、各羽根の先端部が互いに接近した状態(以下、「接近状態」という。)と、各羽根の先端部が互いに離間するように拡開した状態との間で変位可能に設けられている。
【0037】
電動チューリップ役物19の接近状態では、遊技盤5の盤面に沿って流下する遊技玉の下始動入賞口18への入玉が、上始動入賞口17の役物により阻止された状態となっており、下始動入賞口18が閉塞されている。一方、電動チューリップ役物19の拡開状態では、下始動入賞口18に遊技玉が入玉可能になり、これにより、下始動入賞口18が開放する。
【0038】
2つの始動入賞口17,18および電動チューリップ役物19はユニット化されている。言い換えれば、遊技盤5には、上下一対の始動入賞口を有する始動入賞口ユニット16が配設されている。この始動入賞口ユニット16は、遊技盤5の中央部に形成された始動入賞口ユニット装着孔(図示しない)に前側から着脱可能に嵌合されており、ねじ止め等により遊技盤5に固定されている。
【0039】
始動入賞口ユニット16は後述するベース部材160(図4参照)を備えている。ベース部材160はベース板161を有している。ベース板161は始動入賞口ユニット装着孔(図示しない)を塞ぐように遊技盤5の盤面に沿って配置されている。始動入賞口ユニット16を遊技盤5に装着した状態では、遊技盤5の盤面とベース板161の前面とが同一平面に含まれる。ベース板161の前面に、上始動入賞口役物162、下始動入賞口役物163および電動チューリップ役物19がそれぞれ取り付けられている。上始動入賞口役物162は上始動入賞口17を区画し、下始動入賞口役物163は下始動入賞口18を区画している。ベース板161の後面には、上始動口流通路164(図4参照)および下始動口流通路171(図4参照)が形成されている。上始動入賞口17に入玉した遊技玉は、上始動口流通路164を流通し、セーフ玉回収部(図示しない)によって回収される。下始動入賞口18に入玉した遊技玉は、下始動口流通路171(図示しない)を流通し、セーフ玉回収部によって回収される。
【0040】
上始動入賞口17または下始動入賞口18に遊技玉が入ると、予め定める個数(たとえば、上始動入賞口17への遊技玉入玉に対しては3玉、または下始動入賞口18への遊技玉入玉に対しては5玉)の賞玉が、賞玉払出装置50(図3参照)から払い出される。また、上始動入賞口17または下始動入賞口18への遊技玉の入玉に基づいて、次に述べる特別利益状態を実行するか否かを決定するための大当たり抽選が実行される。
【0041】
始動入賞口ユニット16の下方には、たとえば、左右に長い長方形状をなす大入賞口24が配設されている。大入賞口24に関連して、大入賞口24を開閉するための大入賞口開閉板20が設けられている。大入賞口開閉板20は、遊技盤5の盤面に沿った状態で大入賞口24を閉塞して、大入賞口24に遊技玉が入るのを阻止することができる一方、この状態から大入賞口24の下端縁に沿って配置された回動軸(図示しない)を中心に手前側に傾倒することにより、大入賞口24を開放して、大入賞口24上に流下してくる遊技玉を大入賞口24内に導き入れることができる。大入賞口24に遊技玉が入玉すると、予め定める個数(たとえば10玉)の賞玉が、賞玉払出装置50から払い出される。
【0042】
特別利益状態中は、大入賞口開閉板20が揺動(傾倒)されることにより大入賞口24が開放され、これにより大入賞口24が開放される。特別利益状態では、所定時間(たとえば30秒間)が経過するまで、または大入賞口24に予め定める最大入賞個数(たとえば10玉)の遊技玉が入玉するまで大入賞口24を開放するといった動作を1ラウンドとして、このような動作が、所定時間(たとえば1.0秒間)のインターバルを挟んで所定の多数回のラウンド(たとえば15ラウンド)だけ行われる。
【0043】
遊技領域Sの左部(液晶表示ユニット15の左方)には、遊技盤5の盤面に沿って流下する遊技玉が通過可能な普図ゲート25が配設されている。普図ゲート25を遊技玉が通過すると、電動チューリップ役物19を拡開状態にするか否かを決定するための普通図柄抽選が実行される。
また、遊技盤5の左下部には、第1普通入賞口21、第2普通入賞口22および第3普通入賞口23が、右下がりの斜め一列に整列して設けられている。各普通入賞口21,22,23は上向きに開口している。各普通入賞口21,22,23に遊技玉が入ると、予め定める個数(たとえば3玉)の賞玉が賞玉払出装置50から払い出される。これら3つの普通入賞口21,22,23はユニット化されている。言い換えれば、遊技盤5には、普通入賞口21,22,23という3連入賞口を有する普通入賞口ユニット29が配設されている。普通入賞口ユニット29は、遊技領域Sにおける大入賞口24の左側で内レール11の内側に沿って配設されている。この普通入賞口ユニット29は、内レール11の内側に沿って形成された普通入賞口ユニット装着孔(図示しない)に前側から着脱可能に嵌合されており、ねじ止め等により遊技盤5に固定されている。
【0044】
遊技盤5の右上部におけるガイドレール14の外側領域には、特図表示手段111、特図用保留表示手段112、普図表示手段113、普図用保留表示手段114および遊技状態表示部115が配設されている。遊技盤5の右上部から右下方向に向けて、これらの表示手段111,112,113,114,115が、一列にこの順で並んでいる。
特図表示手段111は、特別図柄を変動表示させることにより、上始動入賞口17または下始動入賞口18への遊技玉の入玉に対して実行される大当たり抽選の結果を表示するためのものである。特図表示手段111は、たとえば7セグメント表示器によって構成されている。上始動入賞口17または下始動入賞口18に遊技玉が入ると、特図表示手段111の図柄変動動作の実行が開始される。この図柄変動動作は、所定の図柄変動時間の経過後に停止される。大当たり抽選の結果が大当たり(特別利益状態を実行すると決定)である場合には、予め定める大当たり用の特別図柄が特図表示手段111に停止表示される。一方、大当たり抽選の結果がはずれである場合は、はずれ用の特別図柄が特図表示手段111に停止表示される。
【0045】
特図表示手段111における図柄変動動作中または特別利益状態の実行中に、上始動入賞口17または下始動入賞口18に遊技玉が入った場合には、その入玉に対する特図表示手段111の図柄変動動作が所定数(たとえば4つ)まで保留可能となっている。
保留された特図表示手段111の図柄変動動作は、実行中の特図表示手段111の図柄変動動作の実行が終了した後に、保留された順序に従って実行される。
【0046】
特図用保留表示手段112は、保留されている特図表示手段111の図柄変動動作の数を表示するためのものである。特図用保留表示手段112は、たとえば7セグメント表示器によって構成されている。
普図表示手段113は、特図用保留表示手段112に隣接して並べられた発光可能な2つのランプにより構成されている。遊技玉が普図ゲート25を通過すると、普図表示手段113の図柄変動動作の実行が開始される。普図表示手段113の図柄変動動作は、2つのランプのうち点灯状態にあるランプが高速で交互に切り換わることにより表示される。普図表示手段113の図柄変動動作は、所定時間の経過後に停止され、2つのランプのうち一方のランプのみが点灯した状態となる。普通図柄抽選に当選した場合は、2つのランプのうち当たりのランプが点灯するとともに、その後、電動チューリップ役物19が拡開状態とされ、下始動入賞口18が所定時間だけ開放される。一方、普通図柄抽選に外れた場合は、2つのランプのうち外れのランプが点灯し、下始動入賞口18は閉塞状態のまま維持される。
【0047】
普図表示手段113の図柄変動動作中または電動チューリップ役物19の拡開動作中に、遊技玉が普図ゲート25を通過した場合には、その遊技玉の通過に対する普図表示手段113の図柄変動動作が所定数(たとえば4つ)まで保留可能となっている。保留された普図表示手段113の図柄変動動作は、実行中の普図表示手段113の図柄変動動作の実行が終了した後に、保留された順序に従って実行される。保留されている普図表示手段113の図柄変動動作の回数は、普図用保留表示手段114に表示される。
【0048】
普図用保留表示手段114は、普図表示手段113に隣接して並べられた発光可能な2つのランプにより構成されている。各ランプの点灯/消灯パターンの組み合わせにより、保留されている図柄変動動作の回数が表示される。
遊技状態表示部115は、発光可能な1つのランプにより構成されている。ランプの点灯/消灯の切り換えにより、弾球遊技機1の内部状態が表示される。
【0049】
大当たり抽選の結果は、特図表示手段111に表示されるが、特図表示手段111だけでなく、液晶表示ユニット15にも表示される。特別利益状態中は、大入賞口開閉板20が揺動されることにより大入賞口24が開放される。特別利益状態では、所定時間(たとえば30秒間)が経過するまで、または大入賞口24に予め定める最大入賞個数(たとえば10玉)の遊技玉が入球するまで、大入賞口24を開放するといった大入賞口開閉板20の動作を1ラウンドとして、このような動作が、所定時間(たとえば1.0秒間)のインターバルを挟んで多数のラウンド(たとえば15ラウンド)だけ行われる。1回の第1特別利益状態における遊技者が獲得可能な賞球は、たとえば約1500玉(10(玉/入玉)×10(玉/ラウンド)×15(ラウンド))である。
【0050】
また、遊技盤5の盤面には、遊技の雰囲気を盛り上げるための遊技ランプ(報知手段)41が配置されている。図2では、液晶表示ユニット15に関連して設けられた(液晶表示ユニット15の周囲に2つ配置された)遊技ランプ41を例に挙げているが、遊技ランプ25の形状、個数および配置位置は、適宜設定することができる。
また、遊技ランプを、たとえば、始動入賞口ユニット16や普通入賞口ユニット29、大入賞口24に関連して設けることもできる。
【0051】
遊技盤5の盤面に沿って流下する遊技玉のうち、上始動入賞口17、下始動入賞口18、大入賞口24、第1普通入賞口21、第2普通入賞口22または第3普通入賞口23のいずれにも入玉しなかった遊技玉(アウト玉)は、遊技領域Sの下部に形成されたアウト口26から機内に入り、セーフ玉回収部に回収される。
図3は、弾球遊技機1の電気的構成を示すブロック図である。弾球遊技機1は、AC24Vの交流電圧を受けて各種の直流電圧やシステムリセット信号SYSなどを出力する電源基板61と、遊技の動作制御(遊技制御)を司る主制御基板30(主制御部)30と、演出制御を司る演出制御基板(報知手段)31と、液晶表示ユニット15を駆動するための液晶制御基板63と、賞玉払出装置50を駆動して遊技玉を払い出すための払出制御基板32と、遊技者のハンドル(図示しない)の回転操作に基づいて、発射装置(図示しない)を駆動して遊技玉を発射させるための発射制御基板64とを備えている。各制御基板30,31,32,63,64には、たとえばCPU、RAMおよびROMを含む構成のマイクロコンピュータが実装されている。
【0052】
主制御基板30には、主基板中継基板62を介して電源基板61および払出制御基板32がそれぞれ接続されている。また、主制御基板30は、コマンド中継基板66および演出インターフェイス基板67を介して、演出制御基板31および液晶制御基板63にそれぞれ接続されている。演出制御基板31と液晶制御基板63とは、演出インターフェイス基板67を介して接続されている。また、演出インターフェイス基板67には、電源中継基板65を介して電源基板61が接続されている。
【0053】
主制御基板30は、遊技盤中継基板39を介して遊技盤5の各種遊技部品に接続されている。具体的には、遊技盤中継基板39は、普図ゲート25に遊技玉が通過したことを検出するための普図ゲート通過センサからのオンオフ信号、大入賞口24に遊技玉が入玉したことを検出するための大入賞口入玉センサからのオンオフ信号、第1普通入賞口21に遊技玉が入玉したことを検出するための第1普通入賞口入玉センサからのオンオフ信号、第2普通入賞口22に遊技玉が入玉したことを検出するための第2普通入賞口入玉センサからのオンオフ信号、および第3普通入賞口23に遊技玉が入玉したことを検出するための第3普通入賞口入玉センサ(図3では、第1〜第3普通入賞口入玉センサをまとめて普通入賞口入玉センサとして記載している。)からのオンオフ信号を受ける一方、電動チューリップ役物19を駆動する電動チューリップ駆動機構(たとえばソレノイド類を含む。)や、大入賞口開閉板20を開閉駆動するための大入賞口開閉機構(たとえばソレノイド類を含む。)を駆動している。なお、後述するように、始動入賞口17,18への入玉を検出するためのセンサ34,44,40からのオンオフ信号については、遊技盤中継基板39を経由することなく、主制御基板30に直接入力される。
【0054】
演出インターフェイス基板67には、第1枠中継基板69および第2枠中継基板70を介して、スピーカ28および遊技ランプ41がそれぞれ接続されている。さらに、演出インターフェイス基板67には、ランプユニット27を駆動するためのランプ基板68が接続されている。液晶制御基板63およびランプ基板68には、それぞれ、電源基板61からのシステムリセット信号SYSおよび電源電圧が、演出インターフェイス基板67を経由して入力される。
【0055】
また、払出制御基板32には、弾球遊技機1の外部に所定の信号(情報)を出力するための外部端子基板(情報出力手段)33が接続されている。外部端子基板33は、たとえば遊技店のホールコンに通信可能に接続されている。
図3に示す基板のうち、払出制御基板32、発射制御基板64、電源基板61、第2枠中継基板70および外部端子基板33が、いわゆる内枠3に設けられた枠側部材(図3において一点鎖線で囲んで表示)である。
【0056】
一方、主制御基板30、演出制御基板31、液晶制御基板63、演出インターフェイス基板67、ランプ基板68、主基板中継基板62、コマンド中継基板66、電源中継基板65、第1枠中継基板69および遊技盤中継基板39は、遊技盤5の背面に取り付けられた盤側部材である。
主制御基板30は、演出制御基板31に向けて制御コマンドCMDを出力する。主制御基板30からの制御コマンドCMDは、コマンド中継基板66および演出インターフェイス基板67を介して演出制御基板31に与えられる。
【0057】
演出制御基板31は、主制御基板30からの制御コマンドCMDに基づいて、第1枠中継基板69および第2枠中継基板70を介して、遊技ランプ41の点灯(点滅)/消灯およびスピーカ28の音声出力をそれぞれ制御する。さらに、演出制御基板31は、主制御基板30からの制御コマンドCMDに基づいて液晶表示ユニット15の具体的な演出内容を決定し、その演出内容が記された制御コマンドCMD´を液晶制御基板63に送信する。演出制御基板31から出力される制御コマンドCMD´は、演出インターフェイス基板67を介して液晶制御基板63に与えられる。液晶制御基板63は、演出制御基板31から送出される制御コマンドCMD´(この場合、液晶制御用のコマンド)に基づいて液晶表示ユニット15の表示を制御する。
【0058】
払出制御基板32は、主基板中継基板62に接続されており、この主基板中継基板62を介して主制御基板30に接続されている。払出制御基板32には電源基板61が直接接続されており、電源基板61は、システムリセット信号SYS、電圧降下信号DWN、電源電圧、およびバックアップ用電源電圧BUを、払出制御基板32に与えている。また、主制御基板30は、払出制御基板32に向けて制御コマンドCMD´´を出力する。主制御基板30から出力される制御コマンドCMD´´は、主基板中継基板62を介して払出制御基板32に与えられる。払出制御基板32は、主制御基板30からの制御コマンドCMD´´に基づいて、賞玉払出装置50の払出し動作を制御する。
【0059】
電源基板61は、システムリセット信号SYS、RAMクリア信号DEL、電圧降下信号DWN、DC12VおよびDC32Vの電圧、ならびにバックアップ用電源電圧BUを、主基板中継基板62を介して主制御基板30に与えている。電源基板61は、また、システムリセット信号SYS、ならびに交流および直流の電源電圧を、電源中継基板65を介して演出インターフェイス基板67に与えている。演出インターフェイス基板67は、電源基板61からの電源電圧およびシステムリセット信号SYSを、演出制御基板31に与えている。
【0060】
システムリセット信号SYSは、電源基板61に交流電源24Vが投入(供給)されたことを示す信号である。
RAMクリア信号DELは、主制御基板30および払出制御基板32のマイクロコンピュータのRAMの全領域を初期設定するか否かを決定する信号である。
主制御基板30と払出制御基板32のマイクロコンピュータには、電源基板61から、直流5Vのバックアップ電源BUが供給されている。したがって、営業終了や停電により交流電源24Vが遮断(電源供給停止)された後も、各マイクロコンピュータ内のRAMのデータは保持される。本実施形態では、少なくとも数日は、RAMの記憶内容が保持されるように設計されている。
【0061】
バックアップ用電源電圧BUは、営業終了や停電により電源基板61への交流電源24Vからの電圧が遮断された後も、主制御基板30のRAM72および払出制御基板32のRAMのデータを保持するためのDC5Vの直流電圧である。
また、電源基板61は、交流電源24Vの遮断時に、主制御基板30および払出制御基板32に、それぞれ電圧降下信号DWNを出力するよう構成されている。電圧降下信号DWNは、交流電源24Vが降下し始めたことを示す信号であり、各マイクロコンピュータの入力ポートに供給されるようになっている。電圧降下信号DWNの入力に基づき、主制御基板30および払出制御基板32では、それぞれ、バックアップ処理(図11)によって必要なデータがRAMに退避される。主制御基板30および払出制御基板32は、電圧降下信号DWNの受信に応答して、停電や営業終了に先立って、必要な終了処理を開始する。これにより、前述のバックアップ電源BUによる給電による作用と相俟って、主制御基板30および払出制御基板32は、営業開始時や停電からの復旧後速やかに電源遮断前の遊技状態(または動作)に復帰できる。しかしながら、演出制御基板31や液晶制御基板63などの他の制御基板にはバックアップ電源BUが供給されていない。そのため、これらの制御基板では、営業開始時や停電からの復旧時には、電源遮断前の動作や状態とは無関係に、初期状態の動作が開始される。なお、これらの制御基板においても、このようなバックアップ機能が設けられていてもよい。
【0062】
電源基板61には、RAM72のデータをゼロクリア(RAM72の記憶内容を初期化)するためのRAMクリアスイッチ(図示しない)が配設されている。作業者(たとえば遊技店の従業員)がRAMクリアスイッチを手で押してオン操作すると、RAMクリア信号DELがオン状態(低レベル)となる。RAMクリアスイッチから手を離すと、RAMクリア信号DELがオフ状態(高レベル)に復帰する。
【0063】
RAMクリア信号DELがオン状態(低レベル)にある状態で(すなわちRAMクリアスイッチが操作されつつ)電源基板61に配設された電源投入スイッチ(図示しない)がオン操作されて電源が投入されると、主制御基板30のRAM72に記憶されているデータおよび払出制御基板32のRAMに記憶されているデータがそれぞれゼロクリア(初期化)される。一方、RAMクリア信号DELがオフ状態(高レベル)にある状態で(すなわちRAMクリアスイッチが操作されないまま)電源投入スイッチがオン操作されて電源投入されると、主制御基板30のRAM72のデータおよび払出制御基板32のRAMのデータはともにゼロクリアされない。
【0064】
図4は、ベース部材160を後方から見た斜視図である。図4を参照して上始動口流通路164について説明する。ベース部材160は、ベース板161と、一対の樋状の案内レール162と、2つのセンサホルダ166,167とを備えている。これらベース板161、案内レール162およびセンサホルダ166,167は合成樹脂材料を用いて一体的に形成されている。ベース板161には、上始動入賞口17に入玉した遊技玉が流入するための流入口163が形成されている。案内レール162の上流端は流入口163に接続されている。案内レール162の下流端は、セーフ玉回収部の上方位置で開放している。
【0065】
案内レール162によって上始動口流通路164が区画されている。上始動口流通路164は、流入口163に連通している。上始動口流通路164は流入口163の後方位置から左右方向の一方向(たとえば右方向(図4に示す左方向))に向けて延びる第1部分168と、第1部分168の下流端(右端)から屈曲し、鉛直下方に向けて延びる第2部分169と、第2部分169の下端から上記の一方向(たとえば右方向(図4に示す左方向))に向けて延びる第3部分170とを備えている。第1部分168および第3部分170は、下流側に向かうに従って下がるように緩やかに傾斜している。
【0066】
上始動口流通路164の第2部分169の中間部には、遊技玉検出上センサ(第1および第2遊技玉検出手段の一方)34を装着するための上センサホルダ166が設けられている。また、上始動口流通路164の第3部分170の下流端には、遊技玉検出下センサ(第1および第2遊技玉検出手段の他方)44を装着するための第2センサホルダ167が設けられている。上始動口流通路164における、遊技玉検出上センサ34による検出位置(第1位置および第2位置の一方)と、遊技玉検出下センサ44による検出位置(第1位置および第2位置の他方)とは、流通方向に関して(流通方向に沿って)所定の間隔W1(図4参照。以下、「上始動口流通路164における所定の間隔W1」という。)が隔てられている。これら上始動口流通路164における2つの検出位置の間の部分には、NA(後述する)個の遊技玉を収容可能である。
【0067】
上始動入賞口17に入玉した遊技玉は、流入口163を介して上始動口流通路164を流通し、遊技玉検出センサ34,44の双方によって検出される。遊技玉検出センサ34,44による検出後、遊技玉はセーフ玉回収部(図示しない)に回収される。
一方、下始動入賞口18に入玉した遊技玉は、下始動口流通路171を流通し、下始動入賞口入玉センサ40(図4では図示を省略。図7参照)によって検出される。下始動入賞口入玉センサ40による検出後、遊技玉はセーフ玉回収部(図示しない)に回収される。
【0068】
図5は、遊技玉検出上センサ34を説明するための図である。図5(a)は遊技玉検出上センサ34の平面図を示し、図5(b)は遊技玉検出上センサ34の一部断面図を示す。遊技玉検出上センサ34はたとえば高周波発振形の貫通型近接センサにより構成されている。遊技玉検出上センサ34は、左右方向に長い略長方体状をなす合成樹脂製のケーシング37を有している。ケーシング37の左端の後部には、ケーシング37の左端面と後側面とを接続するテーパ面38が形成されている。ケーシング37は遊技玉の直径の約2.5倍の左右長と、その左右長の半分程度の前後幅と、その前後幅の約1/4程度の上下厚みとを有している。テーパ面38を上センサホルダ166(図4参照)側の凸部(図示しない)と組み合わせることで、遊技玉検出上センサ34が上下反転して上センサホルダ166に装着されることを防止することができる。
【0069】
ケーシング37の左部分には、ケーシング37の上下面を貫通する筒状の第1通過孔35が形成されている。第1通過孔35は遊技玉が通過するためのものである。第1通過孔35は正八角形状をなしている。第1通過孔35の外周の内接円36(二点鎖線にて図示)の直径D1はたとえば11.4mmである。第1通過孔35の外周の外側部分にはコイル(図示しない)が巻回されている。ケーシング37の右部分には、コイルに接続された発振回路(高周波発振回路。図示しない)が収容されている。このコイルおよび発振回路によって、遊技玉の第1通過孔35の通過を検出するための第1検出部が構成されている。第1検出部は、主制御基板30に対してオンオフ信号を出力している。第1通過孔35への遊技玉の通過を検出すると、第1検出部から出力される信号は一旦オン状態になり、その後オフ状態に戻る。
【0070】
図6は、遊技玉検出下センサ44を説明するための図である。図6(a)は遊技玉検出下センサ44の平面図を示し、図6(b)は遊技玉検出下センサ44の一部断面図を示す。遊技玉検出下センサ44はたとえば反射型フォトセンサ(光センサ)により構成されている。
遊技玉検出下センサ44は、左右方向に長い略長方体状をなす合成樹脂製のケーシング47を有している。ケーシング47は遊技玉の直径の約2.5倍の左右長と、その左右長の半分程度の前後幅と、その前後幅の約1/4程度の上下厚みとを有している。
【0071】
ケーシング47の右部分には、ケーシング47の上下面を貫通する筒状の第2通過孔45が形成されている。第2通過孔45は遊技玉が通過するためのものである。第2通過孔45はたとえば丸孔をなしている。第2通過孔45の直径D2はたとえば11.4mmである。
ケーシング47の左部分には、トランジスタ等の電子部品(図示しない)が実装された回路基板(図示しない)が収容されている。回路基板には、光を発光するための発光素子48と、発光素子48から発せられた光を受光するための受光素子49とが実装されている。発光素子48として赤外線を発光する発光ダイオードを例示することができ、受光素子49として赤外線を受光するフォトダイオードを例示することができる。発光素子48および受光素子49は、第2通過孔45の周縁部に沿って隣り合って配置されており、第2通過孔45によって区画される空間に臨んでいる。第2通過孔45の周縁部には、また、素子48,49に対向する部分に、発光素子48が発光した光を受光素子49へと反射させるための反射鏡50が配置されている。また、回路基板は、主制御基板30と電気的に接続されている。
【0072】
回路基板によって、遊技玉の第2通過孔45の通過を検出するための第2検出部が構成されている。発光素子48は主制御基板30からの給電により常時発光される。このとき、発光素子48からの光は反射鏡50で鏡面反射されて、受光素子49へ導かれている。この状態で遊技玉が第2通過孔45を通過すると、発光素子48から受光素子49への光路が一時的に遮断される。第2検出部は、この光路の遮断を検出することによって、遊技玉の通過を検出する。第2検出部は、主制御基板30に対してオンオフ信号を出力している。第2通過孔45への遊技玉の通過を検出すると、第2検出部から出力される信号は一旦オン状態になり、その後オフ状態に戻る。
【0073】
なお、遊技玉検出下センサ44として、第2通過孔45の直径D2が第1通過孔35の直径D1と同等のものに限られず、直径D1よりも大径のものを採用してもよい。また、フォトセンサとしては、発光素子と受光素子とが互いに対向配置される透過型のフォトセンサであってもよい。
図7は、主制御基板30に関連する部分の電気的構成を示すブロック図である。
【0074】
主制御基板30には前述のようにマイクロコンピュータが実装されている。このマイクロコンピュータは、CPU71、RAM72およびROM73を備えている。主制御基板30のCPU71として、たとえばZ80CPU(Zilog社製)が採用されている。
RAM72には、監視カウンタ74、異常フラグ75、入賞カウンタ76および乱数記憶領域77が設けられている。
【0075】
監視カウンタ74では、遊技玉検出上センサ34からの検出出力が主制御基板30に入力される毎にその値をインクリメント(+1)しているとともに、遊技玉検出下センサ44からの検出出力が主制御基板30に入力される毎にその値をデクリメント(−1)している。すなわち、監視カウンタ74は、遊技玉検出上センサ34から発せられた検出出力の回数と、遊技玉検出下センサ44から発せられた検出出力の回数による検出回数との間の差数を計数するものであり、監視カウンタ74の値は当該差数を示している。
【0076】
異常フラグ75は、弾球遊技機1がエラー状態中であるか否かを記憶しておくためのものであって、通常の状態(エラー状態でないとき)には「0」が格納されている。そして、その状態からエラー状態が判定されると、異常フラグ75の値が「0」から「1」に切り換わるようになっている。
上始動入賞口17または下始動入賞口18に遊技玉が入ると、予め定める個数(たとえば、上始動入賞口17への遊技玉入玉に対しては3玉、または下始動入賞口18への遊技玉入玉に対しては5玉)の賞玉が、賞玉払出装置50から払い出される。また、上始動入賞口17または下始動入賞口18への遊技玉の入玉に基づいて、次に述べる特別利益状態を実行するか否かを決定するための大当たり抽選が実行される。
【0077】
入賞カウンタ76は、入賞口17,18,21〜23に入玉(入賞)しているが、賞玉が未だ払い出されていない入玉数を記憶しておくためのカウンタである。
図8は入賞カウンタ76を説明するための図である。入賞カウンタ76は、3玉賞玉用のカウンタ領域76Aと、5玉賞玉用のカウンタ領域76Bと、10玉賞玉用のカウンタ領域(図示しない)とを含んでいる。各カウンタ領域76A,76Bには初期値として「0」が格納されている。上始動入賞口17や普通入賞口21〜23などの3玉賞玉用の入賞口に遊技玉が入玉する毎に3玉賞玉用のカウンタ領域76Aの値がカウントアップし、5玉賞玉用の入賞口である下始動入賞口18に遊技玉が入玉する毎に5玉賞玉用のカウンタ領域76Bの値がカウントアップする。また、10玉賞玉用の入賞口である大入賞口24に遊技玉が入玉する毎に10玉賞玉用のカウンタ領域(図示しない)の値がカウントアップする。
【0078】
そして、3玉賞玉用のカウンタ領域76A、5玉賞玉用のカウンタ領域76Bおよび10玉賞玉用のカウンタ領域の値に基づいて払出しのための制御コマンドが作成される。そして、後述する定期割込処理内で実行されるコマンド送信処理において、その制御コマンドが払出制御基板32に向けて送信される。なお、あるカウンタ領域の値に基づいてコマンド送信処理が行われると、当該カウンタ領域の値がデクリメント(−1)される。
【0079】
図7を参照して、乱数記憶領域77には、始動入賞口17,18への遊技玉入玉に対して実行される大当たり抽選の実行に関する種々の乱数(たとえば、大当たり判定用乱数、大当たり図柄決定用乱数、はずれ図柄決定用乱数、変動パターン判定用乱数など)が格納される。
RAM72には、前述のように、電源基板61からのバックアップ用電源電圧BU(DC5Vの直流電源電圧)が供給されている。これにより、主制御基板30に対する電源基板61への電源遮断後、RAM72はバックアップ用データを保持する。具体的には、電源基板61に付与されている交流電源24Vが降下し始めたとき、電源基板61から主制御基板30にDWN信号が送信される。電圧降下信号DWNを受信すると、CPU71はバックアップ処理(図11)を実行する。CPU71は、電源基板61からのバックアップ用電源電圧BUをRAM72に供給し、RAM72に記憶されているデータを保持する。また、CPU71は、RAM72に記憶されていたデータのチェックサム(データ誤り検出符号)の演算を実行し、その演算結果をRAM72のSUM記憶領域(図示しない)に格納する。
【0080】
主制御基板30には、前述のように、遊技玉検出上センサ34からのオンオフ信号、遊技玉検出下センサ44からのオンオフ信号および下始動入賞口入玉センサ40からのオンオフ信号が入力されている。
また、ROM73には、エラー判定を行う際の基準値となる判定値を記憶するための判定値記憶部78が設けられている。上始動入賞口17への入玉に対するエラー判定値としてたとえば「NA(たとえば2)」が設定されている。この判定値「NA」は、上始動口流通路164における所定の間隔W1と、遊技玉直径D(たとえば11.0mm程度)との間で、次式に示す関係を有している。
D・NA<W1<D・(NA+1) ・・・(1)
次に、主制御基板30のプログラムについて説明する。主制御基板30の制御プログラムは、所定時間毎(4msec)に起動されるマスク可能な定期割込処理を含んでいる。定期割込処理は、電源電圧の復旧や投入に基づいて起動されるメイン処理であるシステムリセット処理を中断させて実行開始される。
【0081】
図9は主制御基板30における定期割込処理の内容を示すフローチャートである。定期割込処理が開始されると、CPU71のレジスタを保存することなく、速やかに電源異常チェック処理が実行される(ステップS0)。ステップS0の電源異常チェック処理では、電源基板61から主制御基板30に供給されている電圧降下信号のレベルを判定する。この電圧降下信号のレベルが電源遮断を示すレベルであることを1又は複数の定期割込処理に亙って検出した場合にバックアップ処理(図11)に移行する。
【0082】
一方、電圧降下信号が電源遮断を示さないレベルであることが判定された場合は、次に述べる乱数更新処理(ステップS1)に移行する。この乱数更新処理では、後述する普通図柄判定処理(ステップS6)で使用される普図当選用乱数カウンタ(図示しない)の値や、大当たり判定処理(ステップS7)で使用される大当たり当選用乱数カウンタ(図示しない)の値が更新される(S1:乱数更新処理)。
【0083】
ステップS1の乱数更新処理の終了後、遊技動作の時間を管理している各タイマについて、タイマ減算処理が行なわれる(ステップS2)。ここで減算されるタイマは、主として、電動チューリップ役物19の拡開時間や大入賞口24の開放時間やその他の遊技演出時間を管理するために使用されるものである。
次いで、入力管理処理が実行される(ステップS3)。入力管理処理は、弾球遊技機1に設けられた各種センサからの信号の状態(たとえば、オン状態かオフ状態か)を記憶したり、その信号に基づくデータを定期的に更新したりする処理である。各種センサからの信号として、たとえば、大入賞口入玉センサ(図示しない)、第1〜第3普通入賞口入玉センサ(図示しない)、下始動入賞口入玉センサ40、遊技玉検出上センサ34および遊技玉検出下センサ44のそれぞれから出力されるオンオフ信号が挙げられる。
【0084】
スイッチ入力処理の終了後、エラー管理処理が行われる(ステップS4)。エラー管理処理では、賞玉払出装置50に遊技玉を供給するための玉供給機構(図示しない)に対する遊技玉の補給停止の有無や遊技玉の詰まりの有無、および弾球遊技機1内部の異常発生の有無も判定している。
次いで、入賞口17,18,21,22,23へ入賞した遊技玉の払出数に対応した賞球払出装置50への払出個数の指示を行うために入賞情報の確認およびコマンドデータの作成を行う賞玉管理処理を実行した後(ステップS5)、電動チューリップ役物19を拡開動作させるか否かを判定する普通図柄判定処理(前述の普通図柄抽選と同等)を実行する(ステップS6)。より詳しくはステップS1の乱数更新処理によって更新された普図当選用乱数カウンタの値を当たり当選値と対比する。普図当選用乱数カウンタの値が当たり当選値と一致すれば、普通図柄当選時の動作モードに変更する。この動作モードでは、電動チューリップ役物19の拡開動作に向けた処理が実行される。
【0085】
次いで、特別利益状態を実行させるか否かを判定する大当たり判定処理を行う(ステップS7)。そして、抽選結果が大当たりである場合、特別利益状態中の動作モードに変更する。また、特別利益状態中の動作モードでは、大入賞口24の開放動作(大入賞口開閉板20の開閉動作)に向けた処理が実行される。
大当たり判定処理の後、主制御基板30で管理する所定のランプについてランプ点灯処理を実行するとともに(ステップS8)、電動チューリップ役物19の拡開動作や大入賞口開閉板20の開閉動作などを実現する開閉役物駆動処理を実行した後(ステップS9)、CPU71を割込み許可状態に戻してタイマ割込みを終える(ステップS10)。その結果、定期割込処理のルーチンを脱し、無限ループのメイン処理(システムリセット処理)が実行される。
【0086】
図10は、上始動入賞口17への入玉に関する入力管理処理の一処理例を表すフローチャートである。この処理例では、遊技玉検出下センサ44を第1遊技玉検出手段として、また、遊技玉検出上センサ34を第2遊技玉検出手段として取り扱っている。そして、遊技玉検出下センサ44による遊技玉の検出に応答して、上始動入賞口17に遊技玉が入賞(入玉)したとされる。
【0087】
CPU71は、異常フラグ75が「1」であるか否かを常に監視している(ステップS11)。そして、異常フラグ75が「0」である場合には(ステップS11でNO)、遊技玉検出上センサ34からの信号出力がオン状態になるか否か、あるいは遊技玉検出下センサ44からの信号出力がオン状態になるか否かを監視する(ステップS12,ステップS14)。そして、遊技玉検出上センサ34からの信号出力がオン状態になると(ステップS12でYES)、CPU71は監視カウンタ74の値をインクリメント(+1)し(ステップS13)、遊技玉検出下センサ44からの信号出力がオン状態になると(ステップS14でYES)、CPU71は監視カウンタ74の値をデクリメント(−1)する(ステップS15)。
【0088】
また、遊技玉検出下センサ44からの検出出力があったとき(遊技玉検出下センサ44からの信号出力が一旦オン状態になったとき。ステップS14でYES)、デクリメント後の監視カウンタ74の値が参照される(ステップS16,S17)。
監視カウンタ74の値が「0」以上判定値「NA(たとえば2)」未満である場合(ステップS16でYESかつステップS17でNO)は、CPU71は、大当たり抽選の実行に関する種々の乱数(たとえば、大当たり判定用乱数、大当たり図柄決定用乱数、はずれ図柄決定用乱数、変動パターン判定用乱数など)を乱数記憶領域77に格納するとともに(ステップS18)、入賞カウンタ76における3玉賞玉用のカウンタ領域76Aの値を更新(インクリメント(+1))する(ステップS19)。また、監視カウンタ74の値が「0」未満(ステップS16でNO)または判定値「NA」を超える場合(ステップS17でYES)は、異常フラグ75の値を「1」にする(ステップS21)。その後、入力管理処理はリターンされる。
【0089】
一方、遊技玉検出下センサ44からの信号出力がオフ状態のままの場合(ステップS14でNO)、次いで、監視カウンタ74の値が参照される(ステップS20)。監視カウンタ74の値が判定値「NA」を超える場合は(ステップS20でYES)、異常フラグ75が「1」にされ(ステップS21)、その後、入力管理処理はリターンされる。また、監視カウンタ74の値が判定値「NA」以下である場合は(ステップS20でNO)、入力管理処理はそのままリターンされる。
【0090】
すなわち、監視カウンタ74の値が「0」以上判定値「NA」以下であるときは、各種乱数が取得されて乱数記憶領域77に記憶され、かつ入賞カウンタ76における3玉賞玉用のカウンタ領域76Aの値が更新されるが、監視カウンタ74の値が「0」未満であったり、判定値「NA」を超えたりするときは、各種乱数が取得されず、また、入賞カウンタ76の値も更新されない。
【0091】
そして、入賞カウンタ76におけるカウンタ領域76Aの値に基づいて払出しのための制御コマンドが作成され、その後に実行される定期割込処理内で実行されるコマンド送信処理において、その制御コマンドが払出制御基板32に向けて送信される。
また、乱数記憶領域77に記憶されている各種乱数の値に基づいて、ステップS7の大当たり判定処理が実行される。
【0092】
さらに、異常フラグ75の値が「1」であるときは、コマンド送信処理において、主制御基板30のCPU71は、周辺の基板(たとえば演出制御基板31など)に、エラー状態報知のためのエラー報知コマンドを送信する。主制御基板30が出力したエラー報知コマンドは、コマンド中継基板66を経由して演出制御基板31に送信される。演出制御基板31は、エラー報知コマンドを受信すると、演出インターフェイス基板67を経由して、液晶制御基板63およびランプ基板68に、エラー報知のための制御コマンドを送信する。この制御コマンドを受信した液晶制御基板63は、液晶表示ユニット15に所定のエラー画面(たとえば、「エラーが発生しました」などのメッセージ)を表示する。また、この制御コマンドを受信したランプ基板68は、ランプユニット27を所定のエラー態様で点灯させる。さらに、演出制御基板31は、エラー報知コマンドを受信すると、スピーカ28の音声出力を制御してスピーカ28から所定の警報音を出力させるとともに、遊技ランプ41を所定のエラー態様で点灯させる。これらのエラー報知は、一旦電源を切り、その後電源を再投入しない限り、解除することができない。
【0093】
さらにまた、CPU71は外部端子基板33に向けてエラー状態が発生した旨のエラー信号(情報)を出力する。主制御基板30から出力されたエラー信号は、外部端子基板33を介して遊技店のホールコンに入力される。
次に、図1を参照しつつ、上始動入賞口17においていわゆる大玉ゴトが行われる場合を考える。この大玉ゴトでは、真正の遊技玉(たとえば直径11.0mm程度)より一回り大きな不正玉を用いる。この不正玉として、たとえば、真正の遊技玉より一回り大きな(たとえば直径11.5〜12mm程度)のベアリング用の鋼球が用いられる。この鋼球の複数の部位を部分的に削ることにより、この鋼球に直径11.0mm以下となる部分(たとえば直径10.8mm程度になる部分)が設けられる。
【0094】
遊技者(この場合不正行為者)は、遊技盤5の盤面に向けて発射され、その盤面に沿って流下する遊技玉を、磁石の操作によって上始動入賞口17に向けて誘導する。
上始動入賞口17に入玉した遊技玉は上始動口流通路164を流通する。そして、遊技玉検出上センサ34の第1通過孔35の直径(内接円36の直径)は前述のように11.4mm程度であるので、遊技玉検出上センサ34に達した不正玉は、第1通過孔35を通過することができず、この第1通過孔35に詰まることになる。そして、遊技玉通過を多数回誤検出させるために、その不正玉に向けて電波を照射し、その電波の周波数を切り換える。この周波数の切り換えにより、近接センサにより構成された遊技玉検出上センサ34からの信号出力が多数回オン状態になる。そして、信号出力がオン状態になる毎に(ステップS12でYES)監視カウンタ74の値がインクリメント(+1)される。
【0095】
不正玉に向けて照射された電波は遊技玉検出下センサ44にも与えられる。しかしながら、遊技玉検出下センサ44はフォトセンサにより構成されており、その検出原理が遊技玉検出上センサ34とは異なっている。そのため、電波の周波数が切り換えられても、遊技玉検出下センサ44からの信号出力はオフ状態のままであり、監視カウンタ74の値はデクリメント(−1)されない。その結果、監視カウンタ74の値は速やかに判定値「NA(たとえば「2」)」を超え(ステップS17でYES)、入賞カウンタ76の値は更新されずに異常フラグ75の値が「1」になる。これにより、遊技玉検出上センサ34に対する大玉ゴトを精度良く検出することができる。
【0096】
図11は、バックアップ処理プログラムの内容を示すフローチャートである。このバックアップ処理は、停電などによって電源電圧が降下した際に発生する。
入力ポートに入力される電圧降下信号DWNの状態を監視し、電圧降下信号DWNが電源投入状態を示す電圧レベルであれば、バックアップ処理に移行し、まず監視カウンタクリア処理(ステップS33)が実行される。
【0097】
次いで、監視カウンタクリア処理では監視カウンタ74の値および異常フラグ75の値をゼロクリアするとともに、ゼロクリア後にこれらの値を記憶する(ステップS33,S34)。その後、チェックサム(データ誤り検出符号)の演算を実行する(ステップS35)。具体的には、RAM72のワーク領域に対して連続して8ビット加算を実行し、その演算結果をチェックサム値としてSUM記憶領域に記憶する。8ビット演算の対象となる領域は広い方が望ましく、RAM72における、SUM記憶領域とバックアップフラグ領域とを除く全領域としている。なお、チェックサム演算(ステップS35)よりも前の段階で、バックアップが成されたか否かを示すためのバックアップフラグ(5A[H])をバックアップフラグ領域に設定し、このバックアップフラグ領域を含めたチェックサム値を算出するようにしてもよい。このようにすることで、SUM記憶領域を除く全領域がチェックサム演算の対象領域となる。
【0098】
その後、バックアップフラグ領域にフラグ値5A[H]を記憶する(ステップS36)。バックアップフラグ領域への記憶後、RAM72のアクセスを禁止して(ステップS37)電源電圧が降下してCPU71が非動作状態になるのを待つ。その後、CPUは非動作状態となるが、RAMにはバックアップ電源BUが供給されているので、バックアップされたデータがそのまま保存され続ける。つまり、電源が完全に遮断された後もRAM72の内容は現状のまま維持される。
【0099】
なお、この実施形態では電圧降下信号DWNが入力ポートに入力される場合を例に挙げたが、電圧降下信号DWNをたとえばCPU71のNMI端子に入力するように構成してもよい。この場合のバックアップ処理では、まず、CPU71の各レジスタの内容がRAM72のスタック領域に退避される。具体的には、CPU71の割込み許可フリップフロップの値がセットされ、スタック領域には、Iレジスタと、許可フリップフロップの値がコピーされたFレジスタ(P/Vフラグ)とが保存される。各レジスタの退避の終了後、スタックポインタの値(SP値)がRAM72のSP記憶エリアに保存される処理を実行した後、図11に示す監視カウンタクリア処理(ステップS33)に移行するように処理手順が組まれる。
【0100】
次に、主制御基板30における復電処理について検討する。この復電処理は、停電状態からの復旧時にRAMクリア操作されずに電源投入されることにより実行される。この復電処理は、前述のシステムリセット処理内で実行される。
この復電処理は主制御基板30に対する前述のシステムリセット信号SYSの入力に基づいて開始される。この場合、CPU71は最初に自らを割込み禁止状態に設定するとともに、割込みモード2を設定する。次いで、CPU71の内部のスタックポインタの値を、スタック領域の最終アドレスに設定するとともに、CPU71に内蔵されている各レジスタの値を初期設定する。主制御基板30が電源基板61からのRAMクリア信号DELを受信している場合には、次いでCPU71は、RAMクリア信号DELを読み込み、そのRAMクリア信号DELのレベルをチェックする。
【0101】
その後、CPU71は、周辺の基板(たとえば、払出制御基板32や演出制御基板31などの基板)の初期設定が完了するまで、RAM72をライト許可する前のタイミングで処理の進行を停止させるために、ウォッチドッグタイマ回路(図示しない)をクリアしながらウエイトする。そして、電圧降下信号DWNが電源投入状態を示す電圧レベルになった後、CPU71はRAM72をライト許可にし、待機画面表示コマンドを演出制御基板31に向けて送出する。その後、CPU71は、主制御基板30が、払出制御基板32が立ち上がったことを示す電源投入時コマンドの受信を監視する。
【0102】
電源投入時コマンドを受信したとき、CPU71は、読み込んだRAMクリア信号DELが低レベルであるか否かを判断する。読み込んだRAMクリア信号DELが低レベルである場合は、電源投入時にRAMクリア操作が行われていた(RAMクリアスイッチが押されながら電源が投入された)として、RAM72の全領域がゼロクリア(RAM72の記憶内容が初期化)される。また、RAMクリアの実行に伴い、RAMクリアフラグ領域に「5A[H]」が格納される。そして、主制御基板30は、周辺の基板(たとえば、払出制御基板32や演出制御基板31などの基板)に、RAMクリア報知のためのRAMクリアコマンドを送信する。その後、復帰コマンド処理および復帰時各種処理が実行される。この復帰コマンド処理では、周辺の基板(たとえば、払出制御基板32や演出制御基板31などの基板)に対し、電源復帰を行う旨を通知する復帰コマンドが送信される。また、復帰時各種処理では、電源遮断時の遊技状態(確率状態および電動チューリップ役物19(普通電動役物)の作動有無など)を特定するための状態コマンドを周辺の基板(たとえば、演出制御基板31)に送信するための処理や、復帰時の図柄の動作状態がデモ状態である場合には、デモコマンドを送信するための処理、復帰時のエラー状態に応じたコマンドを送信するための処理など各種の処理が実行される。
【0103】
また、CPU71が読み込んだRAMクリア信号が高レベルである場合は、RAM72に記憶されていたデータ(バックアップデータ)が有効であるか否かが判別される。バックアップデータが有効であるか否かは、具体的には、次のようにして判別される。CPU71は、その時点でRAM72に記憶されているデータのチェックサム(データ誤り検出符号)を算出したチェックサムを、SUM記憶領域に記憶されているバックアップ用のチェックサムと照合する。算出したチェックサムの値と、バックアップ用のチェックサムの値とは本来一致するはずである。しかしながら、電圧降下時にチェックサム演算が実行できなかった場合や、チェックサム演算が実行できても、ワーク領域におけるデータの破損などが生じている場合には、これら2つのチェックサムの値は一致しない。この場合、バックアップデータが無効であるとして、前述したRAMクリア処理に移行させて、パチンコ機1の状態を初期状態に戻す。
【0104】
一方、算出したチェックサムの値と、SUM記憶領域に記憶されているチェックサムの値とが一致する場合は、バックアップデータを有効として取り扱い、その後、復帰コマンド処理および復帰時各種処理が実行される。
なお、前述の説明では、バックアップ処理時に監視カウンタ74の値および異常フラグ75の値をゼロクリアするので、このシステムリセット処理における監視カウンタ74の値および異常フラグ75の値のクリアは不要であるが、このようなゼロクリアをバックアップ処理で行っていない場合には、チェックサムの一致の判定の後に監視カウンタ74の値および異常フラグ75の値のゼロクリアが実行されてもよい。
【0105】
以上によりこの実施形態によれば、上始動入賞口17に入玉した遊技玉は上始動口流通路164を流通し、遊技玉検出上センサ34および遊技玉検出下センサ44の双方によって遊技玉が検出され、遊技玉検出上センサ34および遊技玉検出下センサ44からの信号出力がそれぞれオン状態になる。そして、遊技玉検出下センサ44からの信号出力がオン状態になることに応答して、上始動入賞口17に遊技玉が入玉したと判定される。
【0106】
また、遊技玉検出上センサ34は磁気センサであり、遊技玉検出下センサ44はフォトセンサであるので、遊技玉検出上センサ34と遊技玉検出下センサ44とは、その検出原理が互いに異なっている。
そのため、遊技玉検出上センサ34に対し大玉ゴトを行った場合、すなわち不正玉を遊技玉検出上センサ34の第1通過孔35に詰まらせ、不正玉に電波を照射するとともに、照射している電波の周波数を切り換えるという不正行為を行った場合、信号出力がオン状態になるのは遊技玉検出上センサ34のみであり、遊技玉検出下センサ44からの信号出力はオフ状態のままである。したがって、遊技玉検出上センサ34に対し前述の大玉ゴトが行われる場合には、遊技玉検出上センサ34からの信号出力がオン状態になる回数と、遊技玉検出下センサ44からの信号出力がオン状態になる回数との間に差数が生じるようになる。
【0107】
そして、この差数に基づいてエラー状態が判定される。これにより、遊技玉検出上センサ34に対する大玉ゴトを精度良く検出することができる。
また、判定値「NA」は、上始動口流通路164における2つの検出位置の間の部分に収容可能な遊技玉の個数と同じ数である。そのため、差数が、上始動口流通路164における2つの検出位置の間の部分に収容可能な遊技玉の個数を超える場合に、エラー状態であると判定される。このような場合は、差数の発生原因が、上始動口流通路164における2つの検出位置の間の部分の遊技玉詰まりにあるとは考えられない。これにより、遊技玉検出上センサ34に対する大玉ゴトをより精度良く検出することができる。
【0108】
また、バックアップ処理では、チェックサムの演算の実行(S35)に先立って、監視カウンタ74の値および異常フラグ75の値がゼロクリアされる(ステップS33、S34)。
ここで、上始動口流通路164における、遊技玉検出上センサ34による検出位置(第1位置および第2位置の一方)と、遊技玉検出下センサ44による検出位置(第1位置および第2位置の他方)との間の部分を遊技玉が流通している状態で主制御基板30に対して電源が遮断される場合を考える。この場合、遊技玉検出上センサ34によってのみ遊技玉の通過が検出されるので、監視カウンタ74の値は「1」である。しかしながら、遊技玉検出下センサ44においては遊技玉を検出することはできない。よってバックアップされる監視カウンタ74の値は「1」になっている。
【0109】
そのため、このようなタイミングで電源の遮断が行われる場合には、前述の復電処理時におけるチェックサムは一致するものの、遊技玉検出上センサ34からの信号のみ検出した状態でバックアップがされているため、監視カウンタ74に「0」以外のデータが残ったまま遊技が進行することになる。よって、このようなタイミングで電源の遮断と電源復帰とが繰り返されるたび監視カウンタ74の値が増加することになり、いずれ判定値を超えた状態に至る可能性もある。この場合、ゴト行為を行っていないにもかかわらずエラー報知されることとなり、望ましくない。
【0110】
これに対し、この実施形態では、チェックサムの演算の実行(S35)に先立って、監視カウンタ74の値および異常フラグ75の値がゼロクリアされる。そのため、上始動口流通路164における、遊技玉検出上センサ34による検出位置と、遊技玉検出下センサ44による検出位置との間の部分を遊技玉が流通している状態で主制御基板30に対して電源が遮断される場合であっても、電源復帰時のクリア処理により、前述したような過剰なエラー報知を排除することができる。
【0111】
図12は、上始動入賞口17への入玉に関する入力管理処理の他の処理例を表すフローチャートである。この図12に示す処理例が、図10の処理例と相違する点は、遊技玉検出上センサ34を第1遊技玉検出手段として、また、遊技玉検出下センサ44を第2遊技玉検出手段として取り扱っている点である。そして、遊技玉検出上センサ34による遊技玉の検出に応答して、上始動入賞口17に遊技玉が入賞(入玉)したとされる。以下、具体的に説明する。
【0112】
CPU71は、異常フラグ75が「1」であるか否かを常に監視している(ステップS41)。そして、異常フラグ75が「0」である場合には(ステップS41でNO)、遊技玉検出上センサ34からの信号出力がオン状態になるか否か、また、遊技玉検出下センサ44からの信号出力がオン状態になるか否かを監視する(ステップS42,S45)。遊技玉検出上センサ34からの信号出力がオン状態になると(ステップS42でYES)、CPU71は、大当たり抽選の実行に関する種々の乱数(たとえば、大当たり判定用乱数、大当たり図柄決定用乱数、はずれ図柄決定用乱数、変動パターン判定用乱数など)を取得(仮取得)して乱数記憶領域77に格納するとともに(ステップS43)、監視カウンタ74の値をインクリメント(+1)する(ステップS44)。また、遊技玉検出上センサ34からの信号出力がオフ状態のままであるとき(ステップS42でNO)、CPU71は、ステップS43の処理およびステップS44の処理をスキップする。
【0113】
そして、遊技玉検出下センサ44からの信号出力がオン状態になると(ステップS45でYES)、CPU71は監視カウンタ74の値をデクリメント(−1)した後、信号入力確認後における監視カウンタ74の値を参照する(ステップS47,S48)。この監視カウンタ74の値が「0」以上判定値「NA」以下である場合(ステップS47でYESかつステップS48でNO)は、乱数記憶領域77に仮取得されている乱数が、前述の各種乱数として確定される(ステップS49)。また、CPU71は、入賞カウンタ76における3玉賞玉用のカウンタ領域76Aの値を更新(インクリメント(+1))する(ステップS50)。また、監視カウンタ74の値が「0」未満(ステップS47でNO)または判定値「NA」を超える場合(ステップS48でYES)は、異常フラグ75の値が「1」にされる(ステップS52)とともに、乱数記憶領域77の内容がゼロクリアされ、仮取得により乱数記憶領域77に乱数が記憶されている場合には、この乱数が破棄されて、無効にされる(ステップS53)。その後、入力管理処理はリターンされる。
【0114】
一方、遊技玉検出下センサ44からの検出信号が所定期間入力されない場合(ステップS45でNO)、次いで、監視カウンタ74の値が参照される(ステップS51)。監視カウンタ74の値が判定値「NA」を超える場合は、異常フラグ75が「1」にされる(ステップS52)とともに、乱数記憶領域77の内容がゼロクリアされ、仮取得により乱数記憶領域77に乱数が記憶されている場合には、この乱数が破棄されて無効にされる(ステップS53)。その後、入力管理処理はリターンされる。また、監視カウンタ74の値が判定値「NA」以下である場合は(ステップS51でNO)、入力管理処理はそのままリターンされる。
【0115】
すなわち、監視カウンタ74の値が「0」以上判定値「NA」以下であるときは、乱数記憶領域77に記憶されている乱数が有効になり、かつ入賞カウンタ76における3玉賞玉用のカウンタ領域76Aの値が更新されるが、監視カウンタ74の値が「0」未満であったり、判定値「NA」を超えたりするときは、乱数記憶領域77に記憶されている乱数が無効になり、また、入賞カウンタ76の値も更新されない。
【0116】
そして、入賞カウンタ76の値に基づいて払出しのための制御コマンドが作成され、その後に実行される定期割込処理内で実行されるコマンド送信処理において、その制御コマンドが払出制御基板32に向けて送信される。
また、乱数記憶領域77に記憶されている各種乱数の値に基づいて、ステップS7の大当たり判定処理が実行される。
【0117】
さらに、異常フラグ75の値が「1」であるときは、コマンド送信処理において、主制御基板30のCPU71は、周辺の基板(たとえば演出制御基板31など)に、エラー状態報知のためのエラー報知コマンドを送信する。これにより、液晶表示ユニット15、ランプユニット27、スピーカ28および遊技ランプ41を用いたエラー報知が実行される。
【0118】
図13は、この発明の第2実施形態に係る弾球遊技機の普通入賞口ユニット29に設けられる普通入賞口流通路101,102,103の構成を示す模式的な図である。この第2実施形態において、第1実施形態に示された各部に対応する部分には、第1実施形態と同一の参照符号を付して示し、説明を省略する。
普通入賞口ユニット29には、第1普通入賞口流通路101、第2普通入賞口流通路102、および第3普通入賞口流通路103が設けられている。第1普通入賞口流通路101は、第1普通入賞口21に入玉した遊技玉が流通するための流通路である。第2普通入賞口流通路102は、第2普通入賞口22に入玉した遊技玉が流通するための流通路である。第3普通入賞口流通路103は、第3普通入賞口23に入玉した遊技玉が流通するための流通路である。
【0119】
この第2実施形態が、第1実施形態と相違する点は、普通入賞口流通路101,102,103の途中部に一対の遊技玉検出センサ134,144を配設した点である。
各普通入賞口流通路101,102,103には、遊技玉検出上センサ(第1および第2遊技玉検出手段の一方)134および遊技玉検出下センサ(第1および第2遊技玉検出手段の他方)144が、流通方向にこの順で配設されている。各普通入賞口流通路101,102,103における、遊技玉検出上センサ134による検出位置(第1位置および第2位置の一方)と、遊技玉検出下センサ144による検出位置(第1位置および第2位置の他方)とは、流通方向に関して(流通方向に沿って)所定の間隔W2(以下、「普通入賞口流通路101,102,103における所定の間隔W2」という。)が隔てられている。これら各普通入賞口流通路101,102,103における2つの検出位置の間の部分には、NB(後述する)個の遊技玉を収容可能である。
【0120】
なお、図13では、説明の便宜上、第1〜第3普通入賞口流通路101,102,103における2つの検出位置の間の部分が直線状をなしている場合を図示しているが、この部分が、上始動口流通路164における2つの検出位置の間の部分のように屈曲状をなしていてよいのは言うまでもない。むろん、第1〜第3普通入賞口流通路101,102,103における2つの検出位置の間の部分が、湾曲状をなしていてもよい。
【0121】
また、ROM73の判定値記憶部78には、普通入賞口21,22,23への入玉に対するエラー判定値としてたとえば「NB(たとえば2)」が設定されている。この判定値「NB」は、普通入賞口流通路101,102,103における所定の間隔W2と、遊技玉直径Dとの間で、次式に示す関係を有している。
D・NB<W2<D・(NB+1) ・・・(2)
各普通入賞口21,22,23に入玉した遊技玉は、対応する普通入賞口流通路101,102,103を流通し、遊技玉検出センサ134,144の双方によって検出される。遊技玉検出センサ134,144による検出後、遊技玉はセーフ玉回収部(図示しない)に回収される。
【0122】
遊技玉検出上センサ134は、たとえば高周波発振形の貫通型近接センサにより構成されており、前述の遊技玉検出上センサ34と同等の構成を有している。また、遊技玉検出下センサ144は、たとえば反射型フォトセンサ(光センサ)により構成されており、前述の遊技玉検出下センサ44と同等の構成を有している。各遊技玉検出上センサ134からのオンオフ信号、および各遊技玉検出下センサ144からのオンオフ信号は、遊技盤中継基板39に入力されるようになっている。
【0123】
図14は、各普通入賞口21,22,23への入玉に関する入力管理処理の一処理例を表すフローチャートである。この処理例では、遊技玉検出下センサ144を第1遊技玉検出手段として、また、遊技玉検出上センサ134を第2遊技玉検出手段として取り扱っている。そして、遊技玉検出下センサ144による遊技玉の検出に応答して、上始動入賞口17に遊技玉が入賞(入玉)したとされる。
【0124】
CPU71は、異常フラグ75が「1」であるか否かを常に監視している(ステップS61)。そして、異常フラグ75が「0」である場合には(ステップS61でNO)、遊技玉検出上センサ134からの信号出力がオン状態になるか否か、あるいは遊技玉検出下センサ144からの信号出力がオン状態になるか否かを監視する(ステップS62,ステップS64)。そして、遊技玉検出上センサ134からの信号出力がオン状態になると(ステップS62でYES)、CPU71は監視カウンタ74の値をインクリメント(+1)し(ステップS63)、遊技玉検出下センサ144からの信号出力がオン状態になると(ステップS64でYES)、CPU71は監視カウンタ74の値をデクリメント(−1)する(ステップS65)。
【0125】
また、遊技玉検出下センサ144からの検出出力があったとき(遊技玉検出下センサ144からの信号出力が一旦オン状態になったとき。ステップS64でYES)、デクリメント後の監視カウンタ74の値が参照される(ステップS66,S67)。
監視カウンタ74の値が「0」以上判定値「NB(たとえば2)」以下である場合(ステップS66でYESかつステップS67でNO)は、CPU71は、入賞カウンタ76における3玉賞玉用のカウンタ領域76Aの値を更新(インクリメント(+1))する(ステップS69)。また、監視カウンタ74の値が「0」未満(ステップS66でNO)または判定値「NB」を超える場合(ステップS67でYES)は、異常フラグ75の値を「1」にする(ステップS71)。その後、入力管理処理はリターンされる。
【0126】
一方、遊技玉検出下センサ144からの信号出力がオフ状態のままの場合(ステップS64でNO)、次いで、監視カウンタ74の値が参照される(ステップS70)。監視カウンタ74の値が判定値「NB」を超える場合は(ステップS70でYES)、異常フラグ75が「1」にされ(ステップS71)、その後、入力管理処理はリターンされる。また、監視カウンタ74の値が判定値「NB」以下である場合は(ステップS70でNO)、入力管理処理はそのままリターンされる。
【0127】
すなわち、監視カウンタ74の値が「0」以上判定値「NB」以下であるときは、入賞カウンタ76における3玉賞玉用のカウンタ領域76Aの値が更新されるが、監視カウンタ74の値が「0」未満であったり、判定値「NB」を超えたりするときは、入賞カウンタ76の値は更新されない。
そして、入賞カウンタ76の値に基づいて払出しのための制御コマンドが作成され、その後に実行される定期割込処理内で実行されるコマンド送信処理において、その制御コマンドが払出制御基板32に向けて送信される。
【0128】
さらに、異常フラグ75の値が「1」であるときは、コマンド送信処理において、主制御基板30のCPU71は、周辺の基板(たとえば演出制御基板31など)に、エラー状態報知のためのエラー報知コマンドを送信する。これにより、液晶表示ユニット15、ランプユニット27、スピーカ28および遊技ランプ41を用いたエラー報知が実行される。
【0129】
図15は、各普通入賞口21,22,23への入玉に関する入力管理処理の他の処理例を表すフローチャートである。この図15に示す処理例が、図14の処理例と相違する点は、遊技玉検出上センサ134を第1遊技玉検出手段として、また、遊技玉検出下センサ144を第2遊技玉検出手段として取り扱っている点である。そして、遊技玉検出上センサ134による遊技玉の検出に応答して、上始動入賞口17に遊技玉が入賞(入玉)したとされる。以下、具体的に説明する。
【0130】
CPU71は、異常フラグ75が「1」であるか否かを常に監視している(ステップS81)。そして、異常フラグ75が「0」である場合には(ステップS81でNO)、遊技玉検出上センサ134からの信号出力がオン状態になるか否か、また、遊技玉検出下センサ144からの信号出力がオン状態になるか否かを監視する(ステップS82,S85)。遊技玉検出上センサ134からの信号出力がオン状態になると(ステップS82でYES)、CPU71は、監視カウンタ74の値をインクリメント(+1)する(ステップS84)。また、遊技玉検出上センサ134からの信号出力がオフ状態のままであるとき(ステップS82でNO)、CPU71は、ステップS83の処理およびステップS84の処理をスキップする。
【0131】
そして、遊技玉検出下センサ144からの信号出力がオン状態になると(ステップS85でYES)、CPU71は監視カウンタ74の値をデクリメント(−1)した後、信号入力確認後における監視カウンタ74の値を参照する(ステップS87,S88)。この監視カウンタ74の値が「0」以上判定値「NB」以下である場合(ステップS87でYESかつステップS88でNO)は、CPU71は、入賞カウンタ76における3玉賞玉用のカウンタ領域76Aの値を更新(インクリメント(+1))する(ステップS90)。また、監視カウンタ74の値が「0」未満(ステップS87でNO)または判定値「NB」を超える場合(ステップS88でYES)は、異常フラグ75の値が「1」にされる(ステップS92)。その後、入力管理処理はリターンされる。
【0132】
一方、遊技玉検出下センサ144からの検出信号が所定期間入力されない場合(ステップS85でNO)、次いで、監視カウンタ74の値が参照される(ステップS91)。監視カウンタ74の値が判定値「NB」を超える場合は、異常フラグ75が「1」にされる(ステップS92)。その後、入力管理処理はリターンされる。
また、監視カウンタ74の値が判定値「NB」以下である場合は(ステップS91でNO)、入力管理処理はそのままリターンされる。
【0133】
すなわち、監視カウンタ74の値が「0」以上判定値「NB」以下であるときは入賞カウンタ76における3玉賞玉用のカウンタ領域76Aの値が更新されるが、監視カウンタ74の値が「0」未満であったり、判定値「NB」を超えたりするときは、入賞カウンタ76の値も更新されない。
そして、入賞カウンタ76の値に基づいて払出しのための制御コマンドが作成され、その後に実行される定期割込処理内で実行されるコマンド送信処理において、その制御コマンドが払出制御基板32に向けて送信される。
【0134】
さらに、異常フラグ75の値が「1」であるときは、コマンド送信処理において、主制御基板30のCPU71は、周辺の基板(たとえば演出制御基板31など)に、エラー状態報知のためのエラー報知コマンドを送信する。これにより、液晶表示ユニット15、スピーカ28および遊技ランプ41を用いたエラー報知が実行される。
また、この第2実施形態においても、第1実施形態と同様、NMI割込処理においてチェックサムの演算の実行に先立って、監視カウンタ74の値および異常フラグ75の値がゼロクリアされるようになっている。以下、具体的に説明する。
【0135】
ここで、各普通入賞口流通路101,102,103における、遊技玉検出上センサ134による検出位置(第1位置および第2位置の一方)と、遊技玉検出下センサ144による検出位置(第1位置および第2位置の他方)との間の部分を遊技玉が流通している状態で主制御基板30に対して電源が遮断される場合を考える。この場合、遊技玉検出上センサ134によってのみ遊技玉の通過が検出されるので、監視カウンタ74の値は「1」である。しかしながら、電源復帰時には、遊技玉検出下センサ144においては遊技玉を検出することはできない。よってバックアップされる監視カウンタ74の値は「1」になっている。そのため、このようなタイミングで電源の遮断が行われる場合には、前述の復電処理時におけるチェックサムは一致するものの、遊技玉検出上センサ134からの信号のみ検出した状態でバックアップがされているため、監視カウンタ74に「0」以外のデータが残ったまま遊技が進行することになる。よって、このようなタイミングでの電源の遮断と電源復帰とが繰り返されるたび監視カウンタ74の値が増加することになり、いずれ判定値を超えた状態に至る可能性もある。この場合、ゴト行為を行っていないにもかかわらずエラー報知されることとなり、望ましくない。
【0136】
これに対し、この第2実施形態においても、チェックサムの演算の実行に先立って、監視カウンタ74の値および異常フラグ75の値がゼロクリアされる。そのため、各普通入賞口流通路101,102,103における、遊技玉検出上センサ134による検出位置と、遊技玉検出下センサ144による検出位置との間の部分を遊技玉が流通している状態で主制御基板30に対して電源が遮断される場合であっても、電源復帰時のクリア処理により、前述したような過剰なエラー報知を排除することができる。
【0137】
以上、この発明の2つの実施形態について説明したが、この発明は他の形態でも実施することができる。
たとえば、前記の各実施形態では、遊技玉検出上センサ34,134から発せられた検出出力の回数と、遊技玉検出下センサ44,144から発せられた検出出力の回数による検出回数との間の差数を計数するための差数導出手段として加減算カウンタである監視カウンタ76を用い、1つのカウンタで差数の監視を行っていたが、この差数を複数のカウンタで計数してもよい。たとえば、遊技玉検出上センサ34,134から発せられた検出出力の回数を計数する第1カウンタと、遊技玉検出下センサ44,144から発せられた検出出力の回数を計数する第2カウンタとが設けられており、各カウンタの加算割合(時間毎の加算数)に基づいて前記の差数が求められていてもよい。この場合、前述の各実施形態と同様、バックアップ処理時に、チェックサムの演算の実行に先立って第1および第2カウンタの値をそれぞれゼロクリアするようにしてもよい。これにより、流通路164,101,102,103における、遊技玉検出上センサ34,134による検出位置と、遊技玉検出下センサ44,144による検出位置との間の部分を遊技玉が流通している状態で主制御基板30に対して電源が遮断される場合、電源復帰時における復電処理時における不必要なRAMクリア報知の実行を回避することができる。
【0138】
遊技玉検出上センサ34,134として、磁気センサの1つである高周波発振型の近接スイッチを採用したが、磁気型の近接スイッチや静電容量型の近接スイッチなど他の磁気センサを採用することもできる。
また、遊技玉検出下センサ44,144として透過型のフォトセンサを採用してもよい。
【0139】
さらに、遊技玉検出下センサ44,144として、フォトセンサに代えて機械式センサを用いることができる。この場合、遊技玉検出下センサ44,144として採用する機械式センサは、たとえば、箱状の本体と、本体に対して出退可能に設けられ、本体の周囲を遊技玉が通過する際に遊技玉に接触して本体側へと押動されるアクチュエータと、このアクチュエータを本体側に対して離反する方向に付勢する付勢部材と、アクチュエータの移動量を検出する第3検出部とを備えている。
【0140】
また、前述の各実施形態では、磁気センサを遊技玉検出上センサ34,134に適用する場合を例に挙げたが、前述の近接スイッチなどの磁気センサを遊技玉検出下センサ44,144に適用することもできる。この場合には、遊技玉検出下センサ44,144に、光センサ(フォトセンサ)や機械式センサなど、検出媒体が交流磁界ではないセンサを採用する。
【0141】
また、前述の第1実施形態において、下始動口流通路171に一対のセンサ34,44を設けることもできる。すなわち、一対のセンサ34,44が下始動入賞口入玉センサ40に代えて用いられる。
これら一対のセンサは、下始動口流通路171に、流通方向にこの順で配設されている。下始動口流通路171における、遊技玉検出上センサ34による検出位置(第1位置および第2位置の一方)と、遊技玉検出下センサ144による検出位置(第1位置および第2位置の他方)とは、流通方向に関して所定の間隔が隔てられている。そして、ROM73の判定値記憶部78が設けられている。下始動入賞口18への入玉に対するエラー判定値として、下始動口流通路171における2つの検出位置の間の部分に収容可能な遊技玉の個数と同じ数が設定されていてもよい。
【0142】
なお、下始動入賞口18への対策はソフト処理により行うようにしてもよい。すなわち、下始動入賞口18に対しては遊技玉検出センサを1つとし、電動チューリップ役物19(普通電動役物)が作動している場合のみ遊技玉検出センサからの入力を有効な信号として扱うようにすればよい。入賞口の機能に応じて遊技玉検出センサの個数を適宜選択するようにすれば、コストの低減化が図れる。
【0143】
さらに、第1位置および第2位置が、流通路の流通方向に十分な間隔を隔てて設けられている場合には、第1および第2遊技玉検出手段として、検出媒体が互いに共通するセンサ(検出手段)が採用されていてもよい。この場合、第1および第2遊技玉検出手段の双方にたとえば高周波発振型の近接スイッチを採用することができる。
また、前述の第2実施形態では、全ての普通入賞口流通路101,102,103に一対のセンサ34,44を設ける場合を例に挙げたが、一対のセンサ34,44の構成が非採用の普通入賞口流通路があってもよい。
【0144】
また、各実施形態において、監視カウンタ74の値が「0」未満であったり、判定値を超えたりするときである場合に、入賞カウンタ76の値を更新してもよい。また、監視カウンタ74の値が「0」未満であったり、判定値を超えたりするときである場合に、乱数記憶領域77に乱数を記憶し(記憶されている乱数を有効とし)てもよい。これにより、エラー状態と判定された場合であっても、大当たり抽選の実行および/または賞玉の払出しが担保される。ただし、この場合であっても、弾球遊技機がエラー状態であることには変わりはなく、異常フラグ75の値は「0」から「1」に切り換わり、エラー状態が発生した旨のエラー信号が外部端子基板33を介してホールコンに入力される。
【0145】
また、遊技玉検出上センサ34、遊技玉検出下センサ44、普図ゲート通過センサおよび第1〜第3普通入賞口入玉センサがオンオフ信号を出力するものとして説明したが、これらのセンサが、他の形式の信号出力を行うものであってもよい。
また、エラー判定値として、各流通路164,171,101,102,103における2つの検出位置の間の部分に収容可能な遊技玉の個数と同じ数を設定する場合を例に挙げたが、判定値として他の値を設定することもできる。たとえば、入賞口の種類に応じて判定値を異ならせることもでき、この場合、始動入賞口流通路164,171に対応する判定値と、普通入賞口流通路101,102,103に対応する判定値との間で値を異ならせることができる。また、入賞口への入玉に対する賞玉数に応じて判定値を異ならせることもでき、この場合、3玉賞玉の入賞口17,21,22,23に対応する判定値と、5玉賞玉の入賞口18に対応する判定値との間で値を異ならせることができる。
【0146】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0147】
1 弾球遊技機
5 遊技盤
15 液晶表示ユニット(報知手段)
17 上始動入賞口
18 下始動入賞口
21 第1普通入賞口
22 第2普通入賞口
23 第3普通入賞口
27 ランプユニット(報知手段)
28 スピーカ(報知手段)
31 演出制御基板(報知手段)
33 外部端子基板(情報出力手段)
34 遊技玉検出上センサ(第1および第2遊技玉検出手段の一方)
41 遊技ランプ(報知手段)
44 遊技玉検出下センサ(第1および第2遊技玉検出手段の他方)
74 監視カウンタ(加減算カウンタ)
101 第1普通入賞口流通路
102 第2普通入賞口流通路
103 第3普通入賞口流通路
134 遊技玉検出上センサ(第1および第2遊技玉検出手段の一方)
144 遊技玉検出下センサ(第1および第2遊技玉検出手段の他方)
164 上始動口流通路
171 下始動口流通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤に向けて発射される遊技玉を用いて遊技を行う弾球遊技機であって、
前記遊技盤の盤面に配設され、前記遊技盤に発射された遊技玉が入玉可能な入賞口と、
前記入賞口に入玉した遊技玉が流通するための流通路と、
前記流通路の途中部の第1位置における遊技玉の通過を検出するための第1遊技玉検出手段と、
前記流通路における前記第1位置の上流側または下流側で、当該第1位置と前記流通路の流通方向に関して所定の間隔を隔てた第2位置における遊技玉の通過を検出する第2遊技玉検出手段と、
前記第1遊技玉検出手段からの出力に基づいて、前記入賞口への入玉に基づく所定の処理を実行する入玉処理手段と、
前記第1遊技玉検出手段から発せられた検出出力の回数と、前記第2遊技玉検出手段から発せられた検出出力の回数との間の差数を求める差数導出手段と、
前記差数導出手段によって求められた前記差数に基づいて前記エラー状態を判定するエラー状態判定手段とを含む、弾球遊技機。
【請求項2】
前記第1および第2遊技玉検出手段は、その検出媒体が互いに異なっている、請求項1記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記エラー状態判定手段は、前記差数導出手段によって求められた前記差数が予め定める判定値を超える場合に前記エラー状態を判定する、請求項1または2記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記判定値は、前記流通路における前記第1位置と前記第2位置との間の部分に収容可能な遊技玉の個数と同じ数である、請求項3記載の弾球遊技機。
【請求項5】
前記差数導出手段は、前記第1および第2遊技玉検出手段の一方から検出出力が発せられたときに値を加算し、前記第1および第2遊技玉検出手段の他方から検出出力が発せられたときに前記値を減算することにより、前記差数を記憶する加減算カウンタを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の弾球遊技機。
【請求項6】
前記加減算カウンタは、遊技機の遊技を司る主制御部に設けられており、
前記主制御部への電源供給停止時に、前記加減算カウンタに記憶されている前記差数をクリアするクリア手段をさらに含む、請求項5記載の弾球遊技機。
【請求項7】
前記第2位置は、前記第1位置よりも前記流通方向の上流側に配置されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の弾球遊技機。
【請求項8】
前記入賞口は、当該入賞口への入玉に対し、遊技者に有利な特別利益状態を発生させるか否かの大当たり抽選を実行すべき始動入賞口を含み、
前記入玉処理手段は、前記第2遊技玉検出手段による検出後前記第1遊技玉検出手段による検出があったときに、前記大当たり抽選に関する乱数を取得する乱数取得手段を含む、請求項7記載の弾球遊技機。
【請求項9】
前記第2遊技玉検出手段は磁気を検出媒体とする磁気センサであり、前記第1遊技玉検出手段は光を検出媒体とする光センサである、請求項7または8記載の弾球遊技機。
【請求項10】
前記第2位置は、前記第1位置よりも前記流通方向の下流側に配置されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の弾球遊技機。
【請求項11】
前記入賞口は、当該入賞口への入玉に対し、遊技者に有利な特別利益状態を発生させるか否かの大当たり抽選を実行すべき始動入賞口を含み、
前記入玉処理手段は、
前記第1遊技玉検出手段による検出があったときに、前記大当たり抽選に関する乱数を取得する乱数取得手段と、
前記第1遊技玉検出手段による検出後前記第2遊技玉検出手段による検出がなかったときに、前記乱数取得手段により取得した前記乱数を無効にする乱数無効化手段とを含む、請求項10記載の弾球遊技機。
【請求項12】
前記第1遊技玉検出手段は磁気を検出媒体とする磁気センサであり、前記第2遊技玉検出手段は光を検出媒体とする光センサである、請求項10または11記載の弾球遊技機。
【請求項13】
前記エラー状態判定手段により前記エラー状態が判定されたとき、所定の報知を実行する報知手段をさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の弾球遊技機。
【請求項14】
前記エラー状態判定手段により前記エラー状態が判定されたとき、所定の情報を機外に出力する情報出力手段をさらに含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の弾球遊技機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate