説明

形質転換成長因子(TGF)阻害剤としてのトリアゾール誘導体

式(Ia〜c)
【化1】


の新規なトリアゾール誘導体、それらを製造するための中間体、それらを含んでなる医薬組成物およびそれらの医薬使用が開示されている。本発明の化合物は、形質転換成長因子(「TGF」)−βシグナル伝達経路の強力阻害剤である。これは、例えば癌および繊維症疾患を含めた種々のTGF−関連の疾患状態の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その誘導体を含めた新規なトリアゾール化合物、それを製造するための中間体、それを含んでなる医薬組成物、およびその医薬的使用に関する。本発明の化合物は、形質転換成長因子(「TGF」)−βシグナル伝達経路の強力阻害剤である。それは、例えば癌および繊維症の疾患を含めたTGF−β関連の疾患の治療に有用である。
【0002】
TGF−βは、抗増殖および腫瘍促進シグナル伝達カスケードの両方を活性化する。3種類の哺乳類TGF−βアイソフォームが、確認されている(TGF−βI、−βIIおよび−βIII)。TGF−β産生が腫瘍の進行を促進する一方、その遮断により抗腫瘍活性が高まる。TGF−βの遮断は、抗腫瘍免疫反応を高め、転移を阻害する。従って、TGF−βシグナル伝達経路を阻害する化合物が当分野では必要とされている。下記のように、本発明はこのような要求に応える。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、少なくとも一つの置換されたまたは非置換の2−ピリジル部分および少なくとも一つのR1部分により本明細書に記載された通り置換されたコアトリアゾール環を含んでなる新規な化合物、およびその全ての医薬上許容しうる塩、プロドラッグ、互変異性体、水和物および溶媒和物を提供する。本発明の化合物において、置換されたまたは非置換の2−ピリジル部分とR1部分とは、コアトリアゾール環に関して1,2−、1,3−または1,4−の関係、好ましくは1,2またはオルトの関係であることができる。
【0004】
本発明は、式(Ia)、(Ib)または(Ic)
【化1】

(式中、R1、R3、R6およびsは、それぞれ下に記載した通りであるが、
但し、R1は、ナフチルまたはフェニルでなく;そして
但し、R1が、3個までのN原子を含んでなる5〜7員の芳香族または非芳香族環式環と縮合したフェニルである場合、前記Nは、−NHまたは−NC1-6アルキル以外であるか、または前記Nが−NHまたは−NC1-6アルキルである場合、R1はさらに置換されなければならず;そして
但し、R1が、OおよびSから独立して選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含んでなる5〜7員の芳香族または非芳香族環式環と縮合したフェニルである場合、R1はさらに置換されなければならない)の化合物およびその全ての医薬上許容しうる塩、プロドラッグ、互変異性体、水和物および溶媒和物を提供する。
【0005】
それぞれ上記の式(Ia)、(Ib)および(Ic)において:
1は、N、OおよびSからなる群より選ばれる少なくとも一つのヘテロ原子を場合により含む飽和、不飽和または芳香族C3−C20単、二または多環式環であり、ここで、R1は、カルボニル、ハロ、ハロ(C1−C6)アルキル、パーハロ(C1−C6)アルキル、パーハロ(C1−C6)アルコキシ、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニル、ヒドロキシ、オキソ、メルカプト、(C1−C6)アルキルチオ、(C1−C6)アルコキシ、(C5−C10)アリールまたは(C5−C10)ヘテロアリール、(C5−C10)アリールオキシまたは(C5−C10)ヘテロアリールオキシ、(C5−C10)アル(C1−C6)アルキルまたは(C5−C10)ヘテロアル(C1−C6)アルキル、(C5−C10)アル(C1−C6)アルコキシまたは(C5−C10)ヘテロアル(C1−C6)アルコキシ、HO−(C=O)−、エステル、アミド、エーテル、アミノ、アミノ(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキルアミノ(C1−C6)アルキル、ジ(C1−C6)アルキルアミノ(C1−C6)アルキル、(C5−C10)ヘテロシクリル(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキル−およびジ(C1−C6)アルキルアミノ、シアノ、ニトロ、カルバモイル、(C1−C6)アルキルカルボニル、(C1−C6)アルコキシカルボニル、(C1−C6)アルキルアミノカルボニル、ジ(C1−C6)アルキルアミノカルボニル、(C5−C10)アリールカルボニル、(C5−C10)アリールオキシカルボニル、(C1−C6)アルキルスルホニルおよび(C5−C10)アリールスルホニルからなる群より独立して選ばれる少なくとも一つの部分で場合によりさらに独立して置換されていてよく;
【0006】
好ましくは、R1は、ハロ(C1−C6)アルキル、パーハロ(C1−C6)アルキル、パーハロ(C1−C6)アルコキシ、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、(C5−C10)アル(C1−C6)アルコキシまたは(C5−C10)ヘテロアル(C1−C6)アルコキシ、アミノ、アミノ(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキルアミノ(C1−C6)アルキル、ジ(C1−C6)アルキルアミノ(C1−C6)アルキル、および(C5−C10)ヘテロシクリル(C1−C6)アルキルからなる群より独立して選ばれるが、これらに限定されない0〜2個の部分で場合によりさらに独立して置換されていてもよく;
【0007】
各R3は、水素、ハロ、ハロ(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニル、パーハロ(C1−C6)アルキル、フェニル、(C5−C10)ヘテロアリール、(C5−C10)複素環式、(C3−C10)シクロアルキル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、パーハロ(C1−C6)アルコキシ、フェノキシ、(C5−C10)ヘテロアリール−O−、(C5−C10)複素環式−O−、(C3−C10)シクロアルキル−O−、(C1−C6)アルキル−S−、(C1−C6)アルキル−SO2−、(C1−C6)アルキル−NH−SO2−、O2N−、NC−、アミノ、Ph(CH2)1-6HN−、(C1−C6)アルキルHN−、(C1−C6)アルキルアミノ、[(C1−C6)アルキル]2−アミノ、(C1−C6)アルキル−SO2−NH−、アミノ(C=O)−、アミノO2S−、(C1−C6)アルキル−(C=O)−NH−、(C1−C6)アルキル−(C=O)−[((C1−C6)アルキル)−N]−、フェニル−(C=O)−NH−、フェニル−(C=O)−[((C1−C6)アルキル)−N]−、(C1−C6)アルキル−(C=O)−、フェニル−(C=O)−、(C5−C10)ヘテロアリール−(C=O)−、(C5−C10)複素環式−(C=O)−、(C3−C10)シクロアルキル−(C=O)−、HO−(C=O)−、(C1−C6)アルキル−O−(C=O)−、H2N(C=O)−、(C1−C6)アルキル−NH−(C=O)−、[(C1−C6)アルキル]2−N−(C=O)−、フェニル−NH−(C=O)−、フェニル−[((C1−C6)アルキル)−N]−(C=O)−、(C5−C10)ヘテロアリール−NH−(C=O)−、(C5−C10)複素環式−NH−(C=O)−、(C3−C10)シクロアルキル−NH−(C=O)−および(C1−C6)アルキル−(C=O)−O−からなる群より独立して選ばれ;好ましくは、R3は、水素または(C1−C6)アルキルであり;より好ましくは、R3は、水素またはメチルであり;ここで、R3のアルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、ヘテロアリール、複素環式、シクロアルキル、アルコキシ、フェノキシ、アミノは、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、ハロ(C1−C6)アルキル、ハロ、H2N−、Ph(CH2)1-6HN−および(C1−C6)アルキルHN−から独立して選ばれる少なくとも一つの置換基によって場合により置換され;
【0008】
sは、1〜5の整数;好ましくは1〜2;より好ましくは1であり;そして
6は、水素、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニル、フェニル、(C5−C10)ヘテロアリール、(C5−C10)複素環式、(C3−C10)シクロアルキル、(C1−C6)アルキル−(SO2)−、フェニル−(SO2)−、H2N−(SO2)−、(C1−C6)アルキル−NH−(SO2)−、((C1−C6)アルキル)2N−(SO2)−、フェニル−NH−(SO2)−、(フェニル)2N−(SO2)−、(C1−C6)アルキル−(C=O)−、フェニル−(C=O)−、(C5−C10)ヘテロアリール−(C=O)−、(C5−C10)複素環式−(C=O)−、(C3−C10)シクロアルキル−(C=O)−、(C1−C6)アルキル−O−(C=O)−、(C5−C10)複素環式−O−(C=O)−、(C3−C10)シクロアルキル−O−(C=O)−、H2N−(C=O)−、(C1−C6)アルキル−NH−(C=O)−、フェニル−NH−(C=O)−、(C5−C10)ヘテロアリール−NH−(C=O)−、(C5−C10)複素環式−NH−(C=O)−、(C3−C10)シクロアルキル−NH−(C=O)−、((C1−C6)アルキル)2N−(C=O)−、(フェニル)2N−(C=O)−、フェニル−[((C1−C6)アルキル)−N]−(C=O)−、(C5−C10)ヘテロアリール−[((C1−C6)アルキル)−N]−(C=O)−、(C5−C10)複素環式−[((C1−C6)アルキル)−N]−(C=O)−および(C3−C10)シクロアルキル−[((C1−C6)アルキル)−N ]−(C=O)−からなる群より選ばれ;好ましくは、R6は、水素、(C1−C6)アルキルまたは(C3−C10)シクロアルキルであり;
【0009】
ここで、R6のアルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、ベンジル、ヘテロアリール、複素環式、シクロアルキル、アルコキシ、フェノキシ、アミノは、ハロ、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニル、パーハロ(C1−C6)アルキル、(C3−C10)シクロアルキル、フェニル、ベンジル、(C5−C10)複素環式、(C5−C10)ヘテロアリール、(C1−C6)アルキル−SO2−、ホルミル、NC−、(C1−C6)アルキル−(C=O)−、(C3−C10)シクロアルキル−(C=O)−、フェニル−(C=O)−、(C5−C10)複素環式−(C=O)−、(C5−C10)ヘテロアリール−(C=O)−、HO−(C=O)−、(C1−C6)アルキル−O−(C=O)−、(C3−C10)シクロアルキル−O−(C=O)−、(C5−C10)複素環式−O−(C=O)−、(C1−C6)アルキル−NH−(C=O)−、(C3−C10)シクロアルキル−NH−(C=O)−、フェニル−NH−(C=O)−、(C5−C10)複素環式−NH−(C=O)−、(C5−C10)ヘテロアリール−NH−(C=O)−、((C1−C6)アルキル)2−N−(C=O)−、フェニル−[((C1−C6)アルキル)−N]−(C=O)−、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、パーハロ(C1−C6)アルコキシ、(C3−C10)シクロアルキル−O−、フェノキシ、(C5−C10)複素環式−O−、(C5−C10)ヘテロアリール−O−、(C1−C6)アルキル−(C=O)−O−、(C3−C10)シクロアルキル−(C=O)−O−、フェニル−(C=O)−O−、(C5−C10)複素環式−(C=O)−O−、(C5−C10)ヘテロアリール−(C=O)−O−、O2N−、アミノ、(C1−C6)アルキルアミノ、((C1−C6)アルキル)2−アミノ、ホルムアミジル、(C1−C6)アルキル−(C=O)−NH−、(C3−C10)シクロアルキル−(C=O)−NH−、フェニル−(C=O)−NH−、(C5−C10)複素環式−(C=O)−NH−、(C5−C10)ヘテロアリール−(C=O)−NH−、(C1−C6)アルキル−(C=O)−[((C1−C6)アルキル)−N]−、フェニル−(C=O)−[(C1−C6)アルキル−N]−、(C1−C6)アルキル−SO2NH−、(C3−C10)シクロアルキル−SO2NH−、フェニル−SO2NH−、(C5−C10)複素環式−SO2NH−および(C5−C10)ヘテロアリール−SO2NH−からなる群より独立して選ばれる少なくとも一つの部分で場合により置換されており;好ましくは、R6は、(C1−C6)アルキルおよび(C3−C10)シクロアルキルからなる群より独立して選ばれる0〜2個の基で置換されており;ここで、R6置換基のフェニルまたはヘテロアリール部分は、ハロ、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、パーフルオロ(C1−C6)アルキルおよびパーフルオロ(C1−C6)アルコキシからなる群より独立して選ばれる少なくとも一つの基で場合によりさらに置換されている。
【0010】
本発明の別の実施態様において、上記のそれぞれ式(Ia)、(Ib)および(Ic)のR1は、
【化2】

(式中、R2aは、本明細書に記載された通りである)である。
【0011】
本発明の別の実施態様において、上記のそれぞれ式(Ia)、(Ib)および(Ic)のR1は、
【化3】

である。
【0012】
本発明の別の実施態様において、上記のそれぞれ式(Ia)、(Ib)および(Ic)のR1は、
【化4】

である。
【0013】
本発明の別の実施態様において、上記のそれぞれ式(Ia)、(Ib)および(Ic)のR1は、
【化5】

である。
【0014】
本発明の別の実施態様において、上記のそれぞれ式(Ia)、(Ib)および(Ic)のR1は、
【化6】

である。
【0015】
本発明の別の実施態様において、上記のそれぞれ式(Ia)、(Ib)および(Ic)のR1は、
【化7】

(式中、R2aは、本明細書に記載された通りである)である。
【0016】
本発明の別の実施態様において、上記のそれぞれ式(Ia)、(Ib)および(Ic)のR1
は、
【化8】

(式中、R2aは、本明細書に記載された通りである)。
【0017】
上記R1のそれぞれは、本明細書に記載した少なくとも一つのR2a基によって場合によりさらに置換されていてもよい。
【0018】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化9】

(式中、R2aは、本明細書に記載された通りである)である。
【0019】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化10】

である。
【0020】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化11】

である。
【0021】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化12】

である。
【0022】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化13】

(式中、R2aは、本明細書に記載された通りである)である。
【0023】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化14】

である。
【0024】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化15】

である。
【0025】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化16】

である。
【0026】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化17】

である。
【0027】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化18】

である。
【0028】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化19】

である。
【0029】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化20】

(式中、R2aは、本明細書に記載された通りである)である。
【0030】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化21】

(式中、R2aは、本明細書に記載された通りである)である。
【0031】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化22】

(式中、R2aは、本明細書に記載された通りである)である。
【0032】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化23】

(式中、R2aは、本明細書に記載された通りである)。
【0033】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化24】

(式中、R2aは、本明細書に記載された通りである)である。
【0034】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化25】

である。
【0035】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化26】

(式中、R2aは、本明細書に記載された通りである)である。
【0036】
本発明の別の実施態様において、上記の式(1a)のR1は、
【化27】

である。
【0037】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化28】

である。
【0038】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化29】

である。
【0039】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化30】

である。
【0040】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化31】

である。
【0041】
本発明の別の実施態様において、上記の式(Ia)のR1は、
【化32】

である。
【0042】
本発明の別の実施態様において、上記のそれぞれ式(Ia)、(Ib)または(Ic)のR1は、
【化33】

(式中、R2aは、本明細書に記載された通りであるが、但し書きは、適用されない)である。
【0043】
本発明の別の実施態様において、上記のそれぞれ式(Ia)、(Ib)または(Ic)のR1は、
【化34】

からなる群より選ばれ、但し書きは、適用されない。
【0044】
本発明の別の実施態様において、上記のそれぞれ式(Ia)、(Ib)または(Ic)のR1は、
【化35】

からなる群より選ばれ、但し書きは、適用されない。
【0045】
本発明の別の実施態様において、上記のそれぞれ式(Ia)、(Ib)または(Ic)のR1は、
【化36】

(式中、R2aは、本明細書に記載された通りであるが、但し書きは、適用されない)からなる群より選ばれる。
【0046】
また、本発明は、少なくとも一つの本発明の化合物および医薬上許容しうる担体を含んでなる医薬組成物を提供する。
【0047】
さらに、本発明は、本発明の化合物の製造法を提供する。
【0048】
また、さらに本発明は、TGF関連の疾患状態にかかっている動物またはヒトに少なくとも一つの本発明の化合物の治療上有効量を投与する工程を含んでなる動物またはヒトにおけるTGF関連の疾患状態の予防または治療方法を提供する。
【0049】
また、さらに本発明は、動物またはヒトにおけるTGF関連の疾患状態を予防または治療するための医薬の製造における本発明の化合物の使用を提供する。
【0050】
定義
本明細書に使用しているように、冠詞「a」または「an」は、引用した対象の単数形および複数形の両方に相当する。
【0051】
本明細書に使用しているように、用語「アルキル」および本明細書に引用した他の基のアルキル部分(例えば、アルコキシ)は、直鎖または分枝飽和炭化水素(例えば、メチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、第二級−ブチル、第三級−ブチル)のことである。
【0052】
本明細書に使用しているように、用語「シクロアルキル」は、単または二環式環式炭素(例えばシクロプロピル、シクロオクチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロブチル、シクロノニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタニルおよびビシクロ[5.2.0]ノナニル)のことである。
【0053】
本明細書に使用しているように、用語「ハロゲン」または「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードまたはフルオリド、クロリド、ブロミドまたはヨージドのことである。
【0054】
本明細書に使用しているように、用語「ハロ置換されたアルキル」または「ハロアルキル」は、上記の一つ又はそれ以上のハロゲンで置換された上記アルキル基のことであり、クロロメチル、ジクロロメチル、フルオロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチルおよび2,2,2−トリクロロエチルが含まれるがこれらに限定されない。
【0055】
本明細書に使用しているように、用語「パーハロアルキル」は、アルキル基の各水素が上記の「ハロゲン」または「ハロ」で置換された上記アルキル基のことである。
【0056】
本明細書に使用しているように、用語「アルケニル」は、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも一つの二重結合を含む直鎖または分枝炭化水素鎖基のことである。例としては、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)、イソ−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニルおよび2−ブテニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0057】
本明細書に使用しているように、用語「アルキニル」は、少なくとも一つの三重結合を有する直鎖または分枝炭化水素鎖基のことであり、エチニル、プロピニルおよびブチニルが含まれるがこれらに限定されない。
【0058】
本明細書に使用しているように、用語「カルボニル」は、>C=O部分のことである。アルコキシカルボニルアミノ(すなわち、アルコキシ(C=O)−NH−)は、アルキルカルバメート基のことである。また、カルボニル基は、(C=O)として本明細書に等しく定義された通りである。
【0059】
本明細書に使用しているように、用語「フェニル−[(アルキル)−N]−(C=O)−」は、式のN,N'−二置換アミド基
【化37】

のことである。
【0060】
本明細書に使用しているように、用語「アリール」は、芳香族基、例えばフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチルおよびインダニルのことである。
【0061】
本明細書に使用しているように、用語「ヘテロアリール」は、O、SおよびNから選ばれる少なくとも一つのヘテロ原子を含む芳香族基のことである。例えば、ヘテロアリール基には、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チエニル、フリル、イミダゾリル、ピロリル、オキサゾリル(例えば1,3−オキサゾリル、1,2−オキサゾリル)、チアゾリル(例えば1,2−チアゾイル、1,3−チアゾリル)、ピラゾリル、テトラゾリル、トリアゾリル(例えば、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル)、オキサジアゾリル(例えば1,2,3−オキサジアゾリル)、チアジアゾリル(例えば1,3,4−チアジアゾリル)、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、ベンゾフリルおよびインドリルが含まれるが、これらに限定されない。
【0062】
本明細書に使用しているように、用語「複素環式」は、N、OおよびSから選ばれる少なくとも一つのヘテロ原子を含む飽和または不飽和C3−C20単、二または多環式基のことである。複素環式基の例には、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、イミダゾリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル、テトラヒドロチアジニル、テトラヒドロ−チアジアジニル、モルホリニル、オキセタニル、テトラヒドロジアジニル、オキサジニル、オキシチアジニル、インドリニル、イソインドリニル、キンククリジニル、クロマニル、イソクロマニル、ベンゾカジニル等が含まれるが、これらに限定されない。単環式飽和または不飽和環系の例としては、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、イミダゾリジン−1−イル、イミダゾリジン−2−イル、イミダゾリジン−4−イル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イル、ピペラジン−3−イル、1,3−オキサゾリジン−3−イル、イソチアゾリジン、1,3−チアゾリジン−3−イル、1,2−ピラゾリジン−2−イル、1,3−ピラゾリジン−1−イル、チオモルホリン−イル、1,2−テトラヒドロチアジン−2−イル、1,3−テトラヒドロチアジン−3−イル、テトラヒドロチアジアジン−イル、モルホリン−イル、1,2−テトラヒドロジアジン−2−イル、1,3−テトラヒドロジアジン−1−イル、1,4−オキサジン−2−イルおよび1,2,5−オキサチアジン−4−イルである。
【0063】
本明細書に使用しているように、用語「医薬上許容しうる酸付加塩」は、非毒性の酸付加塩、すなわち薬理学的に許容しうる陰イオンから誘導された塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸、酸性リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、酒石酸水素塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、糖酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩[すなわち1,1'−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート)]塩のことである。
【0064】
本明細書に使用しているように、用語「医薬上許容しうる塩基付加塩」は、非毒性の塩基付加塩、すなわちこのような薬理学的に許容しうるカチオンから誘導された塩、例えばアルカリ金属陽イオン(例えばカリウムおよびナトリウム)およびアルカリ土類金属カチオン(例えばカルシウムおよびマグネシウム)、アンモニウムまたは水溶性アミン付加塩、例えばN−メチルグルカミン−(メグルミン)および低級アルカノールアンモニウムおよび医薬上許容しうる有機アミンの他の塩基性塩のことである。
【0065】
本明細書に使用しているように、用語「適切な置換基」、「置換基」または「置換された」は、化学的におよび医薬上許容しうる官能基、すなわち発明の化合物の阻害性および/または治療活性を損なわない部分のことである。このような適切な置換基は、当業者によって常法に従って選ばれうる。適切な置換基の具体的な例としては、カルボニル、ハロ、ハロアルキル、パーフルオロアルキル、パーフルオロアルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、オキソ、メルカプト、アルキルチオ、アルコキシ、アリールまたはヘテロアリール、アリールオキシまたはヘテロアリールオキシ、アラルキルまたはヘテロアラルキル、アラルコキシまたはヘテロアラルコキシ、HO−(C=O)−、エステル、アミド、エーテル、アミノ、アルキル−およびジアルキルアミノ、シアノ、ニトロ、カルバモイル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル等が含まれるが、これらに限定されない。当業者は、多くの置換基がさらなる置換基によって置換されうることを認識している。
【0066】
本明細書に使用しているように、用語「TGF関連の疾患状態」は、TGF−β産生が介在するすべての疾患状態のことである。
【0067】
本明細書に使用しているように、用語「Ph」は、フェニルのことである。
【0068】
本明細書に使用しているように、用語「少なくとも一つのヘテロ原子を場合により含む飽和、不飽和または芳香族C3−C20単、二または多環式環」は、
【化38】

【0069】
【化39】

【0070】
(式中、R2aは、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニル、(C3−C10)シクロアルキル、(C5−C10)アリール、(C1−C6)アルキルアリール、アミノ、カルボニル、カルボキシル、(C2−C6)酸、(C1−C6)エステル、(C5−C10)ヘテロアリール、(C5−C10)ヘテロシクリル、(C1−C6)アルコキシ、ニトロ、ハロ、ヒドロキシル、(C1−C6)アルコキシ(C1−C6)エステル、および米国出願第10/094,717号、同第10/094,760号および同第10/115,952号(これらは、それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれている)に記載された基からなる群より独立して選ばれ、そしてR2aのアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アミノ、酸、エステル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびアルコキシは、ハロ、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニル、パーハロ(C1−C6)アルキル、フェニル、(C3−C10)シクロアルキル、(C5−C10)ヘテロアリール、(C5−C10)複素環式、ホルミル、NC−、(C1−C6)アルキル−(C=O)−、フェニル−(C=O)−、HO−(C=O)−、(C1−C6)アルキル−O−(C=O)−、(C1−C6)アルキル−NH−(C=O)−、((C1−C6)アルキル)2−N−(C=O)−、フェニル−NH−(C=O)−、フェニル−[((C1−C6)アルキル)−N]−(C=O)−、O2N−、アミノ、(C1−C6)アルキルアミノ、((C1−C6)アルキル)2−アミノ、(C1−C6)アルキル−(C=O)−NH−、(C1−C6)アルキル−(C=O)−[((C1−C6)アルキル)−N]−、フェニル−(C=O)−NH−、フェニル−(C=O)−[((C1−C6)アルキル)−N]−、H2N−(C=O)−NH−、(C1−C6)アルキル−HN−(C=O)−NH−、((C1−C6)アルキル)2N−(C=O)−NH−、(C1−C6)アルキル−HN−(C=O)−[((C1−C6)アルキル)−N]−、((C1−C6)アルキル)2N−(C=O)−[(C1−C6)アルキル−N]−、フェニル−HN(C=O)−NH−、(フェニル)2N−(C=O)−NH−、フェニル−HN−(C=O)−[((C1−C6)アルキル)−N]−、(フェニル−)2N−(C=O)−[((C1−C6)アルキル)−N]−、(C1−C6)アルキル−O−(C=O)−NH−、(C1−C6)アルキル−O−(C=O)−[((C1−C6)アルキル)−N]−、フェニル−O−(C=O)−NH−、フェニル−O−(C=O)−[(アルキル)−N]−、(C1−C6)アルキル−SO2NH−、フェニル−SO2NH−、(C1−C6)アルキル−SO2−、フェニル−SO2−、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、パーハロ(C1−C6)アルコキシ、フェノキシ、(C1−C6)アルキル−(C=O)−O−、(C1−C6)エステル−(C1−C6)アルキル−O−、フェニル−(C=O)−O−、H2N−(C=O)−O−、(C1−C6)アルキル−HN−(C=O)−O−、((C1−C6)アルキル)2N−(C=O)−O−、フェニル−HN−(C=O)−O−および(フェニル)2N−(C=O)−O−からなる群より独立して選ばれる少なくとも一つの部分によって場合により置換されている)のことであるが、これらに限定されない。
【0071】
以下の反応スキームは、本発明の化合物の製造を説明する。本発明の化合物は、米国出願第10/094,717号、同第10/094,760号および同第10/115,952号およびWO 02/40476に記載されたものと同様の方法によって製造することができる。特に明記しない限り、反応スキームおよびあとに続く議論におけるR1、R3、R6、R2aおよびsは、上記定義された通りである。
【0072】
【化40】

【0073】
スキーム1は、式Ia、IbおよびIcの化合物の製造に関する。スキームIを参照すると、式IIIの化合物は、式IIの化合物を、添加剤、例えばCuIおよびエチニル−トリ
メチルシランの存在下、約0℃〜約80℃の温度、好ましくは室温付近で、テトラヒドロ
フランのような極性溶媒中で触媒、例えばPdCl2(PPh)2と合わせることによって式IIの化合物から製造した。式Vの化合物は、化合物IIIをメタノールのような極性溶媒中で塩基、例えば炭酸カリウムで処理して製造した。続いて、テトラヒドロフランのような極性溶媒およびさらなる極性溶媒(例えばテトラメチルエチレンジアミン)中で、約20℃〜約100℃、好ましくは約55℃の温度で触媒(例えばパラジウムテトラキス)、添加剤(例えばCuI)、および式IVの化合物と合わせた。式VIの化合物は、化合物Vを約20℃〜約160℃、好ましくは約130℃の温度でジメチルホルムアミドのような極性溶媒中、トリメチルシリルアジドで処理することによって製造した。式Ia、IbおよびIcの化合物は、式VIの化合物をアセトニトリルのような極性溶媒中で塩基、例えば炭酸カリウムおよびハロゲン化アルキルR6Xで処理することによって製造する。
【0074】
製造A
【化41】

製造Aは、スキーム1における式(Ia)、(Ib)および(Ic)の化合物の製造における中間体である式VIIIの化合物の製造に関する。製造Aを参照すると、式VIIIの化合物(スキーム1の式IIの化合物と同等)は、文献(Moran, D. B.; Morton, G. O.; Albright, J. D., J. Heterocycl. Chem., 第23巻, 第1071-1077頁 (1986) )に説明された通り製造するか、または式VII(式中、L'はクロリド、ブロミドまたはヨージドである)の化合物から、ヒドラジンとの反応によって製造する。式VIIIの化合物は、式VIIの化合物と環化試薬、例えば酸塩化物、酸無水物、トリアルキルオルトアセテートまたはトリアルキルオルトホルメートとから製造する。式VIの化合物は、商業的に入手可能である。
【0075】
また、本発明の化合物の全ての医薬上許容しうる塩、プロドラッグ、互変異性体、水和物および溶媒和物は、本発明によって包含される。
【0076】
塩基性の性質である本発明の化合物は、種々の無機酸および有機酸と種々様々な塩を形成することができる。このような塩は動物およびヒトへの投与に医薬上許容されなければならないが、実際には多くの場合、最初に本発明の化合物を、反応混合物から医薬上許容されない塩として単離し、次いで、この塩をアルカリ試薬で処理することによって遊離塩基化合物に単に転化し、続いてその遊離塩基を医薬上許容しうる酸付加塩に転化することが望ましい。本発明の塩基性化合物の酸付加塩は、水性溶媒媒体中または適切な有機溶媒、例えばメタノールまたはエタノール中で塩基性化合物を選ばれた無機酸または有機酸の実質的に等価量で処理することによって容易に製造される。溶媒を注意深く蒸発させると、所望の固形物塩が得られる。
【0077】
本発明の塩基性化合物の医薬上許容しうる酸付加塩を製造するために使用することができる酸は、非毒性の酸付加塩、すなわち、薬理学的に許容しうる陰イオンを含む塩、例えば塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩または硫酸水素塩、リン酸塩または酸性リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩または酸性クエン酸塩、酒石酸塩または酒石酸水素塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、糖酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩およびパモ酸塩[すなわち1,1'−メチレン−ビス(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート)]塩を形成するものである。
【0078】
また、酸性の性質である、例えばCOOHまたはテトラゾール部分を含む本発明の化合物は、種々の薬理学的に許容しうるカチオンと塩基性塩を形成することができる。このような塩は動物およびヒトへの投与に医薬上許容されなければならないが、実際には多くの
場合、最初に反応混合物から医薬上許容しえない塩として本発明の化合物を単離し、次いで、その塩を単に酸性試薬で処理することよって遊離酸化合物に転化し、続いて遊離酸を医薬上許容しうる塩基性付加塩に転化することが望ましい。このような医薬上許容しうる塩基付加塩の例としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩および、特にナトリウムおよびカリウム塩が含まれる。これらの塩は、慣用の技術によって製造することができる。本発明の医薬上許容しうる塩基付加塩を製造するための試薬として使用することができる化学的な塩基は、本発明の本明細書に記載された酸性化合物と非毒性の塩基性塩を形成するものである。これらの非毒性の塩基性塩には、このような薬理学的に許容しうるカチオン、例えばナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウム等から誘導された塩が含まれる。これらの塩は、対応する酸性化合物を所望の薬理学的に許容しうるカチオンを含む水溶液で処理し、次いで、生成した溶液を好ましくは減圧下で蒸発させて乾燥状態にすることによって容易に製造することができる。また、別法として、それは、酸性化合物の低級アルカノール溶液および所望のアルカリ金属アルコキシドを一緒に混合し、次いで、生成した溶液を前と同じ方法で蒸発させて乾燥状態にすることによって製造することができる。いずれにせよ、反応を確実に完了し、生成物の最大収率を得るには、化学量論的量の試薬を使用することが好ましい。
【0079】
また、同位元素的に標識化された化合物は、本発明に包含される。本明細書に使用しているように、「同位元素的に標識化された化合物」は、 1個またはそれ以上の原子が、通常の性質で見られる原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子によって置換された、それぞれ本明細書に記載されたその医薬塩、プロドラッグを含めた本発明の化合物のことである。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、亜リン酸、フッ素および塩素の同位体、例えば、それぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clが含まれる。
【0080】
同位元素的に標識化された本発明の化合物によって、化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイに有用となりうる。トリチウム化された(3H)および炭素−14(14C)標識化合物は、特にそれらは製造および検出性が容易であるため好ましい。さらに、ジウテリウム(2H)のようなより重い同位体で置換すると、より大きい代謝安定性が生じ、例えばin vivo半減期が高められまたは必要な用量が減少されるといったある種の治療上の利点を得ることができ、このためにいくつかの状況では好ましいといえる。その医薬塩、プロドラッグを含めた本発明の同位元素的に標識化された化合物は、当分野で知られているなんらかの手段によって製造することができる。
【0081】
本発明の化合物の立体異性体(例えばシスおよびトランス異性体)および全ての光学異性体(例えばRおよびS鏡像異性体)、ならびにこのような異性体のラセミ混合物、ジアステレオ混合物および他の混合物は、本発明によって企図される。
【0082】
本発明の化合物、塩、プロドラッグ、互変異性体、水和物および溶媒和物は、エノールおよびイミン形態、ならびにケトおよびエナミン形態ならびに幾何異性体ならびにそれらの混合物を含めたいくつかの互変異性形態で存在することができる。全てのこのような互変異性形態は、本発明の範囲内に含まれる。互変異性体は、溶液中で一組の互変異性体の混合物として存在する。固体状態では、通常、一方の互変異性体が優勢である。一方の互変異性体が記載されうる場合であっても、本発明は、本化合物の全ての互変異性体を含む。
【0083】
また、本発明は、本発明のアトロプ異性体を含む。アトロプ異性体は、回転的に限定された異性体に分離することができる本発明の化合物のことである。
【0084】
本発明の化合物は、上記のように、動物またはヒトにおけるTGF関連の疾患状態の予防のまたは治療処置のための医薬の製造に使用することができる。
【0085】
本発明の化合物は、形質転換成長因子(「TGF」)−βシグナル伝達経路の強力阻害剤であり、従って治療に有用である。従って、本発明は、本発明の少なくとも一つの化合物の治療上有効量をTGF関連の疾患状態で苦しむ動物またはヒトに投与する工程を含んでなる動物またはヒトにおけるTGF関連の疾患を予防または治療する方法を提供する。
【0086】
本明細書に使用しているように、用語「治療上有効量」は、TGF−βシグナル伝達経路を阻害するのに必要な本発明の化合物の量のことである。当業者に理解されるように、「治療上有効量」は、患者に応じて変化し、ケースバイケースで決定される。考慮される因子としては、治療する患者、体重、健康、投与する化合物等が含まれるが、これらに限定されない。
【0087】
TGF−βシグナル伝達経路の阻害によって治療することができる多くの疾患状態がある。このような疾患状態には、全てのタイプの癌(例えば、乳房、肺、結腸、前立腺、卵巣性、膵臓、黒色腫、全ての血液学的悪性腫瘍、等)および全てのタイプの繊維症疾患(例えば、糸球体腎炎、糖尿病性腎障害、肝線維症、肺線維症、動脈過形成および再狭窄、強皮症および皮膚瘢痕化)が含まれるが、これらに限定されない。
【0088】
また、本発明は、少なくとも一つの本発明の化合物および少なくとも一つの医薬上許容しうる担体を含んでなる医薬組成物を提供する。医薬上許容しうる担体は、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., (A. R. Gennaro edit. 1985)に記載されたものを含めた当分野で知られているこのようないずれかの担体であることができる。本発明の医薬組成物は、例えば、少なくとも一つの本発明の化合物を医薬上許容しうる担体と混合することを含めた当分野で知られている慣用の手段によって製造することができる。
【0089】
本発明の医薬組成物は、動物またはヒトにおける上記のようなTGF関連の疾患状態の予防または治療に使用することができる。従って、本発明の化合物は、経口、口内、鼻腔内、非経口(例えば、静脈内、筋内または皮下)、局所もしくは直腸投与用のまたは吸入もしくは通気法による投与に適した形態の医薬組成物として処方することができる。
【0090】
経口投与では、医薬組成物は、医薬上許容しうる賦形剤、例えば結合剤(例えばプレゼラチン化されたトウモロコシ澱粉、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えばラクトース、微晶質セルロースまたはリン酸カルシウム);潤滑剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ);崩壊剤(例えばジャガイモデンプンまたはナトリウムデンプングリコレート酸塩);または湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)を用いて慣用の手段によって製造された、例えば錠剤またはカプセルの形態をとることができる。錠剤は、当分野でよく知られている方法によってコーティングすることができる。経口投与用の液体製剤は、例えば液剤、シロップ剤または懸濁剤の形態をとることができ、またはそれは使用前に水または他の適切なビヒクルを用いて構成するための乾燥生成物として提示することができる。このような液体製剤は、医薬上許容しうる添加剤、例えば懸濁化剤(例えばソルビトールシロップ剤、メチルセルロースまたは水素化食用脂);乳化剤(例えばレシチンまたはアカシア);非水性ビヒクル(例えば扁桃油、油性のエステルまたはエチルアルコール);および防腐剤(例えばメチルまたはプロピルp−ヒドロキシ安息香酸またはソルビン酸)を用いて慣用の手段によって製造することができる。
【0091】
口内投与では、組成物は、慣用の方法で処方された錠剤またはロゼンジの形態をとるこ
とができる。
【0092】
また、本発明の化合物は、当業者によく知られている方法に従って持続供給用に処方することができる。このような製剤の例は、米国特許第3,538,214号、同第4,060,598号、同第4,173,626号、同第3,119,742号および同第3,492,397号に見出すことができ、これらは、全体として本明細書に組み込まれている。
【0093】
本発明の化合物は、慣用のカテーテル導入技術または注入を用いることを含めた注射によって非経口投与用に処方することができる。注射製剤は、単位剤形、例えば防腐剤を添加されたアンプルまたは多用量容器で提示することができる。組成物は、懸濁剤、液剤または油性もしくは水性ビヒクル中のエマルションの形態をとることができ、処方剤、例えば懸濁化剤、安定剤および/または分散剤を含むことができる。別法として、活性成分を、使用前に適切なビヒクル、例えばパイロジェンを含まない滅菌水を用いて再構成するための粉末形態であることができる。
【0094】
また、本発明の化合物は、直腸組成物、例えば慣用の坐剤基剤、例えばカカオ脂または他のグリセリドを含む、例えば坐剤または保留浣腸剤に処方することができる。
【0095】
鼻腔投与または吸入による投与では、本発明の化合物は、患者によって圧搾またはポンピングされたポンプスプレー容器から溶液または懸濁液の形態でまたは、適切な噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適切なガスを用いて加圧された容器または噴霧器からエアゾルスプレーとして都合よく供給することができる。加圧エアゾル剤の場合、用量単位は、計量された量を供給するためのバルブを設けることによって測定することができる。加圧された容器または噴霧器は、本発明の化合物の溶液または懸濁液を含むことができる。吸入器または通気器に使用するためのカプセル剤およびカートリッジ(例えば、ゼラチン製)は、本発明の化合物および適切な粉末基剤、例えばラクトースまたはデンプンの粉末混合物を含めて処方することができる。
【0096】
TGF関連の疾患状態を治療するために平均的な成人のヒトに経口、非経口または口内投与するために提案された本発明の化合物の用量は、単位用量当たり活性成分約0.1mg〜約2000mg、好ましくは約0.1mg〜約200mgであり、例えば1日当たり1〜4回投与することができる。
【0097】
平均的なヒト成人における上記関連状態を治療するためのエアゾル製剤は、それぞれ計量された用量またはエアゾル剤の「パフ」が、本発明の化合物約20μg〜約10,000μg、好ましくは約20μg〜約1000μgを含むように準備するのが好ましい。エアゾル剤の全日用量は、約100μg〜約100mg、好ましくは、約100μg〜約10mgの範囲内である。投与は、1日数回、例えば2、3、4または8回、例えば各回1、2または3用量で行うことができる。
【0098】
平均的なヒト成人において上記関連状態を治療するためのエアゾル剤の組み合わせ製剤は、それぞれ計量された用量またはエアゾル剤の「パフ」が、本発明の化合物約0.01mg〜約1000mg、好ましくは約0.01mg〜約100mg、より好ましくは、このような化合物約1mg〜約10mgを含むように準備するのが好ましい。投与は、1日数回、例えば2、3、4または8回、例えば各回1、2または3用量で行うことができる。
【0099】
平均的なヒト成人において上記関連状態を治療するためのエアゾル製剤は、それぞれ計
量された用量またはエアゾル剤の「パフ」が、本発明の化合物約0.01mg〜約20,000mg、好ましくは約0.01mg〜約2000mg、より好ましくは約1mg〜約200mgを含むように準備するのが好ましい。投与は、1日数回、例えば2、3、4または8回、例えば各回1、2または3用量で行うことができる。
【0100】
局所投与では、本発明の化合物は、軟膏剤またはクリームとして処方することができる。
【0101】
また、本発明は、少なくとも一つの本発明の化合物のプロドラッグを含んでなる医薬組成物および少なくとも一つの本発明の化合物のプロドラッグを投与することからなる治療または予防方法を包含する。本明細書に使用しているように、用語「プロドラッグ」は、活性薬物を放出するために生体内で自発的なまたは酵素による生体内変化が必要な親薬物分子の薬理学的に不活性な誘導体のことである。プロドラッグは、代謝条件下で切断可能な基を有する本発明の化合物の変種または誘導体である。プロドラッグは、生理学的条件下で加溶媒分解または酵素的分解を受けたときに生体内で医薬上活性な本発明の化合物になる。本発明のプロドラッグ化合物は、生体内で活性薬物を放出するのに必要な生体内変化の工程数に応じてシングル、ダブル、トリプル等と称することができ、そしてこれは前駆体−タイプ形態に存在する官能基の数を示す。プロドラッグ形態では、多くの場合、哺乳動物の生体内で溶解度、組織適合性または遅延放出といった利点が得られる(Bundgard,
Design of Prodrugs, pp. 7-9, 21-24, Elsevier, Amsterdam 1985 and Silverman, The
Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action, pp. 352-401, Academic Press, San Diego, Calif., 1992参照)。一般に当分野で知られているプロドラッグには、当業者によく知られている酸誘導体、例えば親酸と適切なアルコールとの反応によって製造されたエステル、または親酸化合物とアミンとの反応によって製造されたアミド、または反応してアシル化された塩基誘導体を形成する塩基性基が含まれる。さらに、本発明のプロドラッグ誘導体は、生物学的利用能を高めると本明細書に教示された他の特徴と組み合わせることができる。例えば、遊離アミノ、アミド、ヒドロキシまたはカルボキシル基を有する本発明の化合物は、プロドラッグに転化することができる。プロドラッグには、アミノ酸残基またはペプチドを通して共有結合している2個又はそれ以上の(例えば、2、3または4個)のアミノ酸残基のポリペプチド鎖が、本発明の化合物のアミノ、ヒドロキシまたはカルボン酸基に結合している化合物が含まれる。アミノ酸残基には、一般に3文字の記号によって示される20個の天然由来のアミノ酸が含まれ、そしてまた4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン、デモシン、イソデモシン、3−メチルヒスチジン、ノルバリン、ベータ−アラニン、ガンマ−アミノ酪酸、シトルリンホモシステイン、ホモセリン、オルニチンおよびメチオニン−スルホンが含まれる。また、プロドラッグには、カーボネート、カルバメート、アミドおよびアルキルエステルが、カルボニル炭素のプロドラッグ側鎖を通して本発明の化合物の上記の置換基に共有結合的に結合している化合物が含まれる。
【0102】
本発明によれば、TGF関連の疾患状態の治療において、本発明の本明細書に記載された化合物は、単独または医薬組成物の一部であるかにかかわらず、本発明の別の化合物および/または別の治療剤と組み合わせることができる。適切な治療剤の例としては、標準非ステロイド性抗炎症剤(以下にNSAIDのもの)(例えば、ピロキシカム、ジクロフェナク)、プロピオン酸(例えば、ナプロキセン、フルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェンおよびイブプロフェン)、フェナメート(例えば、メフェナム酸、インドメタシン、スリンダク、アパゾン)、ピラゾロン(例えば、フェニルブタゾン)、サリチレート(例えば、アスピリン)、COX−2の阻害剤(例えば、セレコキシブ、ヴァルデコキシブ、ロフェコキシブおよびエトリコキシブ)、鎮痛剤および関節内治療剤(例えば、コルチコステロイド)およびヒアルロン酸(例えば、ヒアルガンおよびシンビスク)、抗癌剤(例えばエンドスタチンおよびアンギオスタチン)、細胞毒性薬物(例えばアドリアマイシン、ダウノマイシン、シスプラチナム、エトポシド、タキソール、タキソテール)、アルカロイド(例えば、ビンクリスチン)、および代謝拮抗剤(例えばメトトレキセート)、心臓血管作用薬(例えばカルシウムチャンネル遮断薬)、脂質低下薬(例えばスタチン)、フィブレート、ベータ−遮断剤、Ace阻害剤、アンギオテンシン−2受容体拮抗薬および血小板凝集阻害薬、CNS薬剤(例えば、抗うつ薬(例えばサートラリン)として)、抗パーキンソン病薬(例えば、デプレニル、L−ドーパ、リキップ、ミラペックス)、MAOB阻害剤(例えば、セレジンおよびラザジリン)、comP阻害剤(例えば、Tasmar)、A−2阻害剤、ドーパミン再摂取阻害剤、NMDA拮抗薬、ニコチン作用薬、ドーパミン作用薬およびニューロンの一酸化窒素シンターゼの阻害剤、抗アルツハイマー薬物(例えばドネペジル、タクリン、COX−2阻害剤、プロペントフィリンまたはメトリホネート)、骨粗鬆症剤(例えばロロキシフェン、ドロロキシフェン、ラソフォキシフェンまたはホソマックス)、および免疫抑制剤(例えばEK−506およびラパマイシン)が含まれるが、これらに限定されない。
【0103】
生物活性
本明細書に記載された種々のTGF関連の疾患状態に対する本発明の化合物の活性は、以下のアッセイの一つ又はそれ以上に従って測定することができる。本発明によれば、本発明の化合物は、約10μM未満のin vitro IC50値を示す。例えば、実施例2の化合物は、約58nMのTβRI IC50値を示す。
また、本発明の化合物は、TβRIIおよびTβRIIIよりもTβRIについて差別的な活性を有する(すなわち選択的である)。選択性は、標準アッセイにおいて、各アッセイにおける阻害のIC50比率として測定した。
【0104】
TGF−βタイプII受容体(TβRII)キナーゼアッセイプロトコール
TβRIIキナーゼによるミエリン塩基性タンパク(MBP)のリン酸化は、次のように測定した:50mM MOPS、5mM MgCl2を含むキナーゼ反応緩衝液(KRB)pH7.2中に希釈して3マイクロモル濃度の最終濃度となったMBP(Upstate Biotechnology#13−104)80マイクロリットルを、Millipore96−穴マルチスクリーンDP0.65ミクロン濾過プレート(#MADPNOB50)の各穴に加えた。KRB中に希釈された阻害剤20マイクロリットルを適当な穴に加えて所望の最終濃度(10〜0.03マイクロモル濃度)を得た。KRB中に希釈されたATP(Sigma#A−5394)および33P−ATP(Perkin Elmer#NEG/602H)混合物10マイクロリットルを加えて穴当たり0.25マイクロモル濃度ATPおよび0.02マイクロキュリー33P−ATPの最終濃度を得た。KRB中に希釈されたGST−TβRII融合タンパク(438でAからVへ変化を伴うTβRII−アミノ酸193−567の細胞質ドメインのN−末端でのグルタチオンS−トランスフェラーゼ)10マイクロリットルを各穴に加え、27ナノモル濃度GST−TβRIIの最終濃度を得た。プレートを混合し、室温で90分間インキューベートした。反応物をインキュベーションした後、20%冷トリクロロ酢酸(Aldrich#25,139〜9)100マイクロリットルを穴毎に加え、プレートを混合し、4℃で60分間インキューベートした。次いで、Millipore真空多岐管を用いて液体を穴から除去した。プレートを、穴当たり200マイクロリットルの10%冷トリクロロ酢酸で1回、続いて穴当たりの100マイクロリットルの10%冷トリクロロ酢酸で2回洗浄した。プレートを室温で一夜乾燥させた。Wallac OptiPhase SuperMixシンチレーション反応混液20マイクロリットルを、各穴に加えた。プレートを密閉し、Wallac 1450 Microbeta液体シンチレーションカウンタを用いて計数した。阻害剤の効力は、TβRIIが介在するMBP基質のリン酸化を低下させる能力によって測定した。
【0105】
ALK−5(TβRI)キナーゼアッセイプロトコール
キナーゼアッセイは、50mM HEPES中の65nM GST−ALK5および84nM GST−Smad3、5mM MgCl2、1mM CaCl2、1mMジチオトレイトール、および3M ATPを用いて実施した。反応物を、0.5Ciの[33P] ATPを用いて30℃で3時間インキューベートした。リン酸化されたタンパク質を、P−81ペーパー(Whatman, Maidstone, England)上に集め、0.5%リン酸で洗浄し、液体シンチレーションによって計数した。また、別法として、Smad3またはSmad1タンパク質により、Flash Plate Sterile Basic Microplates (PerkinElmer Life Sciences, Boston, MA)上をコーティングした。次いで、キナーゼアッセイは、基質としてSmad3を用いてALK5のキナーゼドメインを使用するかまたは基質としてSmad1を用いてALK6(BMP受容体)のキナーゼドメインを使用して、フラッシュ−プレート中で同様のアッセイ条件で実施した。プレートをリン酸緩衝液で3回洗浄し、およびToPCount (Packard Bio-science, Meriden., CT) によって計数した(Laping N.J. et al. Molecular Pharmacology 62:58-64 (2002) )。
【0106】
以下の実施例は、本発明の化合物の製造を説明する。融点は、補正してない。NMRデータは、百万分率(d)で報告し、試料溶媒(特に明記しない限り、ジュウテリオクロロホルム)からジウテリウムロックシグナルを参照した。質量スペクトルのデータは、Gilson勾配高速液体クロマトグラフを備えたMicromass ZMD APCI質量分析器を用いて得た。以下の溶媒および勾配を、分析に用いた。溶媒A;98%水/2%アセトニトリル/0.01%ギ酸および溶媒B;0.005%ギ酸含有アセトニトリル。典型的には、勾配は、約4分間運転し、95%溶媒Aで出発して100%溶媒Bで終結させた。次いで、主な溶出成分の質量スペクトルを、陽イオンまたは陰イオンモードで165AMU〜1100AMUの分子量範囲をスキャンして得た。比旋光度は、ナトリウムDライン(589nm)を用いて室温で測定した。市販試薬は、さらに精製することなく用いた。THFは、テトラヒドロフランのことである。DMFは、N,N−ジメチルホルムアミドのことである。クロマトグラフィは、カラムクロマトグラフィのことであり、32〜63mmシリカゲルを用いて実施し、窒素圧力(フラッシュクロマトグラフィ)条件下で実行した。室温または周囲温度は、20〜25℃のことである。全ての非水性反応は、便宜上、窒素雰囲気下で行い、収率を最大にした。減圧での濃縮は、ロータリーエバポレーターを用いたことを意味する。
【0107】
当業者は、いくつかの場合において、製造中に保護基が必要であることを認識している。対象となる分子を製造した後、保護基は、当業者によく知られている方法によって除去することができ、例えば、Greene and Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis" (第2版, John Wiley & Sons 1991) に記載されている。
【0108】
質量分析検出を備えた逆相上の分析高速液体クロマトグラフィ(LSMS)を、Polaris 2×20mmC18カラムを用いて行った。0.01%水性ギ酸中のアセトニトリルの濃度を3.75分間の間に5%〜100%に高めて勾配溶出を適用した。質量分析器Micromass
ZMDは、分子イオン確認に用いた。
【0109】
実施例1
3−イソプロピル−6−[5−(3−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジンの製造
工程A:3−イソプロピル−6−トリメチルシラニル−エチニル[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)ピリジンの製造
125mL丸底フラスコに、3−イソプロピル−6−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)ピリジン(3.51g,14.6mmol,1当量)および乾燥THF29mLを加えた。この溶液を、アルゴンガスで5分間バブリングした。ヨウ化銅28mg(0.15mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド205mg(0.3mmol)、および(トリメチルシリル)アセチレン4.13mL(29.2mmol,d=0.695)を加えた。最終的に、ジイソプロピルアミン4.1mL(29.2mmol,d=0.722)を滴加した。反応混合物を室温およびアルゴン下で24時間撹拌した。次いで、反応混合物を、セライト(酢酸エチル中で充填)を通して濾過し、セライトを酢酸エチル150mLで洗浄した。この濾液を濃縮し、残留物を水125mL中に懸濁し、次いでそれを酢酸エチル(3×70mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して濃縮し、乾燥状態にした。次いで、生成物を、0〜10%酢酸エチル/クロロホルム溶媒の段階的勾配を用いてフラッシュカラムクロマトグラフィ(Biotageフラッシュ40Mシリカゲル充填カートリッジ)によって精製し、これにより褐色固形物2.5g(66%)を得た。HPLC tR=5.73分(88%),LC−MS=258(M+1)
【0110】
工程B:3−イソプロピル−6−エチニル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)ピリジンの製造
250mL丸底フラスコに、3−イソプロピル−6−トリメチルシラニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)ピリジン2.5g(9.71mmol)、メタノール50mL、および炭酸カリウム4.03g(29.1mmol)を加えた。この懸濁液を、室温で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物を水100mL中に懸濁し、これを酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、ブラインおよび水1:1の溶液100mLで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して濃縮し、乾燥状態にし、淡褐色固形物1.47g(82%)を得た。HPLC tR=3.22分(93%),LC−MS=186(M+1)。
【0111】
工程C:3−イソプロピル−6−(6−メチルピリジン−2−イルエチニル)−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)ピリジンの製造
250mL丸底フラスコに、3−イソプロピル−6−エチニル−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)ピリジン1.47g(7.94mmol)、無水THF40mL、TMEDA40mL、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド279mg(0.4mmol)、ヨウ化銅151mg(0.8mmol)および2−ブロモ−6−メチルピリジン1.8mL(15.9mmol,d=1.512)を加えた。反応混合物にアルゴンガスを5分間バブリングした。反応混合物を60℃で5時間撹拌した。反応混合物を冷まして濃縮し、乾燥状態にした。残留物を酢酸エチルおよび水(それぞれ80mL)の混合物中で懸濁し、充填されたセライトを通して酢酸エチルで濾過した。セライトを酢酸エチル100mLで洗浄した。有機層を分離した後、濾液を酢酸エチル50mLで抽出した。全ての有機層を合わせ、水100mLで洗浄し、次いで、ブライン100mLで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して濃縮した。生成物を、0〜80%酢酸エチル/クロロホルム溶媒の段階的勾配を用いてフラッシュカラムクロマトグラフィ(Biotageフラッシュ40Mシリカゲル充填カートリッジ)によって精製し、これにより橙色シロップ840mg(38%)を得た。HPLC tR=4.27分(100%),LC−MS=277(M+1)
【0112】
ステップD:3−イソプロピル−6−[5−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジンの製造
10mLフラスコに、3−イソプロピル−6−(6−メチルピリジン−2−イルエチニル)−[1,2,4]トリアゾロ(4,3−a)ピリジン100mg(0.36mmol)、無水DMF1.5mL、およびアジドトリメチルシラン168μL(1.3mmol)を加えた。反応混合物を16時間還流に加熱した。濃縮した後、残留物を水30mL中に懸濁し、酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、水20mL、ブライン20mLで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して濃縮し、生成物を、5〜60%アセトニトリル/緩衝液の勾配(緩衝液は、0.1%ギ酸入りの水であり、アセトニトリルは、同様に0.1%ギ酸を含む)を用いてShimodzu分取HPLCによって精製して淡褐色固形物45mg(39%)を得た。HPLC tR=3.71分(98%),LC−MS=320(M+1)
【0113】
実施例2
3−メチル−6−[ 5−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−[1,2,3]トリアゾ
ール−4−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン
標題化合物を、実施例1に記載した方法と同様の方法に従って製造した。HPLC tR=3.22分,LC−MS=292(M+1)
【0114】
実施例3
6−[5−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−キナゾリン
標題化合物は、実施例1に記載した方法と同様の方法に従って製造した。HPLC tR=3.46分,LC−MS=289(M+1)
【0115】
本願に引用された全ての刊行物(発行された特許、特許出願および雑誌の論文が含まれるがこれらに限定されない)は、それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれたものとする。
【0116】
本発明を、開示された実施態様を参照して上記してきたが、詳述した特定の実施例は本発明の具体例でしかないことは当業者に容易に認識される。種々の改変は、本発明の精神から逸脱することなく実施することができることは理解すべきである。従って、本発明は特許請求の範囲によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(Ia)、(Ib)または(Ic)
【化1】

の化合物またはその医薬上許容しうる塩、プロドラッグ、互変異性体、水和物または溶媒和物。
式中、R1は、N、OおよびSからなる群より選ばれる少なくとも一つのヘテロ原子を場合により含む飽和、不飽和または芳香族C3−C20単、二または多環式環であり、ここで、R1は、カルボニル、ハロ、ハロ(C1−C6)アルキル、パーハロ(C1−C6)アルキル、パーハロ(C1−C6)アルコキシ、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニル、ヒドロキシ、オキソ、メルカプト、(C1−C6)アルキルチオ、(C1−C6)アルコキシ、(C5−C10)アリールまたは(C5−C10)ヘテロアリール、(C5−C10)アリールオキシまたは(C5−C10)ヘテロアリールオキシ、(C5−C10)アル(C1−C6)アルキルまたは(C5−C10)ヘテロアル(C1−C6)アルキル、(C5−C10)アル(C1−C6)アルコキシまたは(C5−C10)ヘテロアル(C1−C6)アルコキシ、HO−(C=O)−、エステル、アミド、エーテル、アミノ、アミノ(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキルアミノ(C1−C6)アルキル、ジ(C1−C6)アルキルアミノ(C1−C6)アルキル、(C5−C10)ヘテロシクリル(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキル−およびジ(C1−C6)アルキルアミノ、シアノ、ニトロ、カルバモイル、(C1−C6)アルキルカルボニル、(C1−C6)アルコキシカルボニル、(C1−C6)アルキルアミノカルボニル、ジ(C1−C6)アルキルアミノカルボニル、(C5−C10)アリールカルボニル、(C5−C10)アリールオキシカルボニル、(C1−C6)アルキルスルホニルおよび(C5−C10)アリールスルホニルからなる群より独立して選ばれる少なくとも一つの部分で場合によりさらに独立して置換されることができ;
各R3は、水素、ハロ、ハロ(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニル、パーハロ(C1−C6)アルキル、フェニル、(C5−C10)ヘテロアリール、(C5−C10)複素環式、(C3−C10)シクロアルキル、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、パーハロ(C1−C6)アルコキシ、フェノキシ、(C5−C10)ヘテロアリール−O−、(C5−C10)複素環式−O−、(C3−C10)シクロアルキル−O−、(C1−C6)アルキル−S−、(C1−C6)アルキル−SO2−、(C1−C6)アルキル−NH−SO2−、O2N−、NC−、アミノ、Ph(CH2)1-6HN−、(C1−C6)アルキルHN−、(C1−C6)アルキルアミノ、[(C1−C6)アルキル]2−アミノ、(C1−C6)アルキル−SO2−NH−、アミノ(C=O)−、アミノO2S−、(C1−C6)アルキル−(C=O)−NH−、(C1−C6)アルキル−(C=O)−[((C1−C6)アルキル)−N]−、フェニル−(C=O)−NH−、フェニル−(C=O)−[((C1−C6)アルキル)−N]−、(C1−C6)アルキル−(C=O)−、フェニル−(C=O)−、(C5−C10)ヘテロアリール−(C=O)−、(C5−C10)複素環式−(C=O)−、(C3−C10)シクロアルキル−(C=O)−、HO−(C=O)−、(C1−C6)アルキル−O−(C=O)−、H2N(C=O)−、(C1−C6)アルキル−NH(C=O)−、[(C1−C6)アルキル]2−N−(C=O)−、フェニル−NH−(C=O)−、フェニル−[((C1−C6)アルキル)−N]−(C=O)−、(C5−C10)ヘテロアリール−NH−(C=O)−、(C5−C10)複素環式−NH−(C=O)−、(C3−C10)シクロアルキル−NH−(C=O)−および(C1−C6)アルキル−(C=O)−O−からなる群より独立して選ばれ;
ここで、R3のアルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、ヘテロアリール、複素環式、シクロアルキル、アルコキシ、フェノキシ、アミノは、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、ハロ(C1−C6)アルキル、ハロ、H2N−、Ph(CH2)1-6HN−および(C1−C6)アルキルHN−から独立して選ばれる少なくとも一つの置換基によって場合により置換され;
sは、1〜5の整数であり;そして
6は、水素、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニル、フェニル、(C5−C10)ヘテロアリール、(C5−C10)複素環式、(C3−C10)シクロアルキル、(C1−C6)アルキル−(SO2)−、フェニル−(SO2)−、H2N−(SO2)−、(C1−C6)アルキル−NH−(SO2)−、((C1−C6)アルキル)2N−(SO2)−、フェニル−NH−(SO2)−、(フェニル)2N−(SO2)−、(C1−C6)アルキル−(C=O)−、フェニル−(C=O)−、(C5−C10)ヘテロアリール−(C=O)−、(C5−C10)複素環式−(C=O)−、(C3−C10)シクロアルキル−(C=O)−、(C1−C6)アルキル−O−(C=O)−、(C5−C10)複素環式−O−(C=O)−、(C3−C10)シクロアルキル−O−(C=O)−、H2N−(C=O)−、(C1−C6)アルキル−NH−(C=O)−、フェニル−NH−(C=O)−、(C5−C10)ヘテロアリール−NH−(C=O)−、(C5−C10)複素環式−NH−(C=O)−、(C3−C10)シクロアルキル−NH−(C=O)−、((C1−C6)アルキル)2N−(C=O)−、(フェニル)2N−(C=O)−、フェニル−[((C1−C6)アルキル)−N]−(C=O)−、(C5−C10)ヘテロアリール−[((C1−C6)アルキル)−N]−(C=O)−、(C5−C10)複素環式−[((C1−C6)アルキル)−N]−(C=O)−および(C3−C10)シクロアルキル−[((C1−C6)アルキル)−N ]−(C=O)−からなる群より選ばれ;
ここで、R6のアルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、ベンジル、ヘテロアリール、複素環式、シクロアルキル、アルコキシ、フェノキシ、アミノは、ハロ、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニル、パーハロ(C1−C6)アルキル、(C3−C10)シクロアルキル、フェニル、ベンジル、(C5−C10)複素環式、(C5−C10)ヘテロアリール、(C1−C6)アルキル−SO2−、ホルミル、NC−、(C1−C6)アルキル−(C=O)−、(C3−C10)シクロアルキル−(C=O)−、フェニル−(C=O)−、(C5−C10)複素環式−(C=O)−、(C5−C10)ヘテロアリール−(C=O)−、HO−(C=O)−、(C1−C6)アルキル−O−(C=O)−、(C3−C10)シクロアルキル−O−(C=O)−、(C5−C10)複素環式−O−(C=O)−、(C1−C6)アルキル−NH−(C=O)−、(C3−C10)シクロアルキル−NH−(C=O)−、フェニル−NH−(C=O)−、(C5−C10)複素環式−NH−(C=O)−、(C5−C10)ヘテロアリール−NH−(C=O)−、((C1−C6)アルキル)2−N−(C=O)−、フェニル−[((C1−C6)アルキル)−N]−(C=O)−、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、パーハロ(C1−C6)アルコキシ、(C3−C10)シクロアルキル−O−、フェノキシ、(C5−C10)複素環式−O−、(C5−C10)ヘテロアリール−O−、(C1−C6)アルキル−(C=O)−O−、(C3−C10)シクロアル
キル−(C=O)−O−、フェニル−(C=O)−O−、(C5−C10)複素環式−(C=O)−O−、(C5−C10)ヘテロアリール−(C=O)−O−、O2N−、アミノ、(C1−C6)アルキルアミノ、((C1−C6)アルキル)2−アミノ、ホルムアミジル、(C1−C6)アルキル−(C=O)−NH−、(C3−C10)シクロアルキル−(C=O)−NH−、フェニル−(C=O)−NH−、(C5−C10)複素環式−(C=O)−NH−、(C5−C10)ヘテロアリール−(C=O)−NH−、(C1−C6)アルキル−(C=O)−[((C1−C6)アルキル)−N]−、フェニル−(C=O)−[(C1−C6)アルキル−N]−、(C1−C6)アルキル−SO2NH−、(C3−C10)シクロアルキル−SO2NH−、フェニル−SO2NH−、(C5−C10)複素環式−SO2NH−および(C5−C10)ヘテロアリール−SO2NH−からなる群より独立して選ばれる少なくとも一つの部分で場合により置換されており;
ここで、R6置換基のフェニルまたはヘテロアリール部分は、ハロ、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、パーフルオロ(C1−C6)アルキルおよびパーフルオロ(C1−C6)アルコキシからなる群より独立して選ばれる少なくとも一つの基で場合によりさらに置換されており、
但し、R1は、ナフチルまたはフェニルではなく;そして
但し、R1が3個までのN原子を含む5〜7員の芳香族または非芳香族環式環と縮合したフェニルである場合、該Nは、−NHまたは−NC1-6アルキル以外であるか、または該Nが−NHまたは−NC1-6アルキルである場合、R1はさらに置換されてなければならず、そして
但し、R1がOおよびSから独立して選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含む5〜7員の芳香族または非芳香族環式環と縮合したフェニルである場合、R1は、さらに置換されていなければならない。
【請求項2】
1
【化2】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1
【化3】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
1
【化4】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
1
【化5】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
1
【化6】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
1
【化7】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
1
【化8】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
sが1〜2であり;R3は、水素または(C1−C6)アルキルであり;そしてR6は、H、(C1−C6)アルキルまたは(C3−C10)シクロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物および医薬上許容しうる担体を含んでなる医薬組成物。
【請求項11】
TGF関連の疾患状態を患っている動物またはヒトに、治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与する処置を含む、動物またはヒトにおけるTGF関連の疾患状態の予防または治療方法。
【請求項12】
TGF関連の疾患状態が、癌、糸球体腎炎、糖尿病性腎障害、肝線維症、肺線維症、内膜過形成および再狭窄、強皮症、および皮膚の瘢痕化からなる群より選ばれる、請求項11に記載の方法。

【公表番号】特表2006−502236(P2006−502236A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−568900(P2004−568900)
【出願日】平成15年9月8日(2003.9.8)
【国際出願番号】PCT/IB2003/003825
【国際公開番号】WO2004/026307
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】