説明

復調基準信号の送信パワー設定方法及び送信パワー設定装置

【課題】本発明は、復調基準信号(DMRS)の送信パワー設定方法及び送信パワー設定装置を提供する。
【解決手段】当該方法では、リソースエレメント(RE)における各階層でのDMRSの送信パワーと、対応する階層でのデータの送信パワーとの割合を定常値に設定する。本発明によれば、ネットワーク側が、各階層でのDMRSの送信パワーと、対応する階層でのデータの送信パワーとの間の対応関係をユーザ端末に通知する必要がない。これにより、ネットワーク側での制御シグナルのオーバーヘッドを低減可能となる。各階層でのDMRSとデータの送信パワーとの間の対応関係がユーザ端末に設定されるため、ユーザ端末が、ネットワーク側からの通知を待たずにチャネル推定を実行できる。また、チャネル推定の効率が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、復調基準信号(DMRS:Demodulation Reference Signal)に対応するリソースエレメント(RE:Resource Element)の、データリソースエレメントに対するパワーオフセットの設計技術に関し、特に、復調基準信号の送信パワー設定方法及び送信パワー設定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高次マルチアンテナ技術は、ロング・ターム・エボリューション・アドバンスド(LTE−A又はLTE−Advanced:Long Term Evolution Advanced)システムの主要技術の1つであり、システムの伝送速度を向上させることに用いられる。高次マルチアンテナ技術を取り入れた後のチャネル品質測定及びデータ復調を実現するために、LTE−Aシステムは2種類のパイロット周波数信号をそれぞれ定義する。すなわち、DMRS、及びチャネル状態情報基準信号(CSI−RS:Channel State Information− Reference Signal)である。ここで、DMRSは、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)の復調基準信号に用いられる。チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)において測定された基準信号CSI−RSは、チャネル品質インデックス(CQI:Channel Quality Indicator)、プレコーディングマトリクスインデックス(PMI:Precoding Matrix Indicator)、ランクインデックス(RI:Rank Indicator)等の情報の報告に用いられる。2種類の基準信号の構造は、マルチセル協調(CoMP:Coordinated Multi−Point)及び空間多重等のようなLTE−Aシステムの新たな技術をサポートすることに用いられることができる。
【0003】
LTEシステムでは、共通基準信号(CRS:Common Reference Signal)を用いてパイロット周波数を測定し、つまり、すべてのユーザは、共通パイロット周波数を用いてチャネル推定を行う。このような共通基準信号は、送信されたデータに対してどのような前処理方式を用いるかということを受信側に通知するために、送信側からの余分な通知メッセージが必要とされる。余分な通知メッセージは、たいてい余分なオーバーヘッドをもたらす。また、MU−MIMOでは、UEによって用いられた複数のCRSが同じであるため、パイロット周波数の直交を実現することができない。そのため、干渉は推定されることが不可能である。
【0004】
LTE−Aシステムでは、パイロット周波数のオーバーヘッドを低減するために、CSI−RS及びDMRSが、別々に設計される。ここで、DMRS及びデータは、同じ前処理方式を用いる。それと同時に、DMRSは、具体的にスケジューリングユーザに対応するチャネルの利用可能なランク(rank)情報に応じて、マッピングされる。そのため、ランク情報に応じて、オーバーヘッドが自己適応的に調整可能なため、ランクが比較的小さい場合にも、オーバーヘッドを大幅に低減することができる。
【0005】
図1は、LTE_Aシステムにおける一般的なサイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)モード下でのノーマルサブフレーム及び特殊サブフレームにおけるDMRS搬送の模式図である。図1に示すように、現在の議論において、DMRSの設計パターンは、既に決定されている。ここで、ダウンリンク伝送に用いられたランク数が、2以下である場合に、図に示すような砂模様格子(sand pointgrid)に対応するREのみを用いてDMRSを搬送する。そして、長さ2の直交カバーコード(OCC:Orthogonal Cover Code)を用いて、時間領域において2つの隣り合う直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルのスクランブルを行う。ランク数が、3以上であり、且つ、4以下である場合に、2つのグループのREを用いてDMRSを搬送する。この2つのグループのREはそれぞれ図における砂模様格子及び格子線格子に対応する。ここで、各グループのREにおける最大直交符号分割多重(CDM:Code Division Multiplexing)のDMRS階層数は2である。そして、各グループにおける時間領域において2つの隣り合うOFDMシンボル上で、長さ2の直交カバーコードを用いて直交スクランブルを行う。一方、ランクが4より大きい場合に、DMRSを搬送するための2つのグループのREのうち、各グループでは、時間領域方向に、長さ4のOCCコードを用いて直交スクランブルを行う。そして、各グループのREにおける最大直交CDMのDMRS階層数は4である。図1では、左側の図面が、ノーマルサブフレームにおけるDMRS搬送の模式図であり、中央の図面及び右側の図面は、特殊サブフレームにおけるDMRS搬送の模式図である。
【0006】
図1に示すようなDMRSマッピング方式に応じて、周波数分割多重(FDM:Frequency Division Multiplexing)及びCDMの混合多重技術が取り入れられる。これにより、総階層数が、奇数である場合に、DMRSを搬送するためのリソースエレメントの異なる階層に対応する送信パワーは異なり、同時に、総階層数が2である場合の送信パワーは、総階層数が2以外の偶数である場合と異なっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これを鑑みて、本発明の主な目的は、ユーザ端末がネットワーク側からの通知を待たなくてもチャネル推定を実現することができるように、復調基準信号の送信パワー設定方法及び送信パワー設定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の技術的解決は、以下のように実現される。
復調基準信号の送信パワー設定方法は、
リソースエレメントにおける各階層での復調基準信号DMRSの送信パワーと、対応する階層でのデータの送信パワーとの割合を定常値に設定する。
【0009】
好ましくは、前記方法は、更に、
同一のリソースエレメントにおける各階層でのDMRSの送信パワーを同じ送信パワーに設定する。
【0010】
好ましくは、前記方法は、更に、
ダウンリンク伝送に用いられる総階層数に応じて異なる定常値をセットし、
又は、ダウンリンク伝送に用いられる総階層数に応じて固有の定常値をセットする。
【0011】
好ましくは、前記ダウンリンク伝送に用いられる総階層数応じて異なる定常値をセットするステップは、
ダウンリンク伝送に用いられる総階層数が、2以下である場合に、第1の定常値をセットすることと、
ダウンリンク伝送に用いられる総階層数が、3以上である場合に、第2の定常値をセットするステップとを含む。
【0012】
好ましくは、前記方法は、更に、
ダウンリンク伝送に用いられる総階層数が、3以上であり、且つ、奇数である場合に、その中の1つの階層でのDMRSを同時に2つのDMRSポートにマッピングする。
【0013】
復調基準信号の送信パワー設定装置は、
リソースエレメントにおける各階層でのDMRSの送信パワーと、対応する階層でのデータの送信パワーとの割合を定常値に設定するための設定ユニットを含む。
【0014】
好ましくは、前記設定ユニットは、更に、同一のREにおける各階層でのDMRSの送信パワーを同じ送信パワーに設定する。
【0015】
好ましくは、前記装置は、更に、
ダウンリンク伝送に用いられる総階層数に応じて異なる定常値をセットし、又は、ダウンリンク伝送に用いられる総階層数に応じて固有の定常値をセットするためのセッティングユニットを含む。
【0016】
好ましくは、前記セッティングユニットは、更に、
ダウンリンク伝送に用いられる総階層数が、2以下である場合に、第1の定常値をセットし、ダウンリンク伝送に用いられる総階層数が、3以上である場合に、第2の定常値をセットする。
【0017】
好ましくは、前記装置は、更に、
ダウンリンク伝送に用いられる総階層数が、3以上であり、且つ、奇数である場合に、その中の1つの階層でのDMRSを同時に2つのDMRSポートにマッピングするためのマッピングユニットを含む。
【0018】
好ましくは、前記定常値は、4以下の自然数である。
【0019】
本発明では、REにおける各階層でのDMRSの送信パワーと、対応する階層でのデータの送信パワーとの間の割合を定常値に設定し、そしてこの定常値の割合をユーザ端末に設定する。そのため、ネットワーク側が、各階層でのDMRSの送信パワーと、対応する階層での送信パワーとの間の対応関係をユーザ端末に通知する必要がない。これにより、ネットワーク側での制御シグナルのオーバーヘッドが低減する。各階層でのDMRSとデータの送信パワーとの間の対応関係がユーザ端末に設定されるため、ユーザ端末は、ネットワーク側からの通知を待たなくてもチャネル推定を実現できる。これにより、チャネル推定の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】LTE_Aシステムにおける一般的なCPモード下でのノーマルサブフレーム及び特殊サブフレームにおけるDMRS搬送の模式図である。
【図2】本発明に係る復調基準信号の送信パワー設定装置の第1の構成の模式図である。
【図3】本発明に係る復調基準信号の送信パワー設定装置の第2の構成の模式図である。
【図4】本発明に係る復調基準信号の送信パワー設定装置の第3の構成の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の基本的な着想は、以下の様なものである。REにおける各階層でのDMRSの送信パワーと、対応する階層でのデータの送信パワーとの間の割合を定常値に設定することにある。そしてこの定常値の割合をユーザ端末に設定する。そのため、ネットワーク側が、各階層でのDMRSの送信パワーと、対応する階層でのデータの送信パワーとの間の対応関係をユーザ端末に通知する必要がない。これにより、ネットワーク側での制御シグナルのオーバーヘッドが低減する。
【0022】
本発明の目的、技術的解決及び技術的利点を更に明らかにするために、以下、添付の図面及び実施形態を参照して本発明を更に詳しく説明する。
【0023】
本発明では、DMRSリソースエレメントとは、DMRSを伝送するためのリソースエレメントである。データリソースエレメントとは、トラフィックデータの伝送を行うためのリソースエレメントである。図1に示すように、図における砂模様や格子線で覆われた格子は、DMRSを搬送するためのリソースエレメントである。空白の格子は、データを搬送するためのリソースエレメントである。
【0024】
本発明では、各リソースエレメントにおける各階層での復調基準信号の送信パワーと、対応する階層でのデータの送信パワーとの割合を定常値に設定するように、復調基準信号に対応するリソースエレメントの総送信パワーは、設定される。即ち、DMRSリソースエレメントにおける各階層でのDMRSの送信パワーとデータリソースエレメントにおける各階層でのデータの送信パワーとの比に応じて、DMRSリソースエレメントにおける総送信パワーが決定される。
【0025】
各DMRSリソースエレメントにおいて、DMRSの少なくとも1つの階層は搬送されることができる。一般的には、現在のシステム特性に応じて、符号分割多重を行うためのDMRSリソースエレメントにおけるDMRSの最大階層数は4である。データリソースエレメントにおいて、現在の総階層数に対応するすべての階層のデータが搬送される。本発明では、各リソースエレメントにおける各階層でのDMRSの送信パワーは同じであり、各リソースエレメントにおける各階層でのデータの送信パワーも同じである。本発明では、リソースエレメントにおける各階層でのDMRSの送信パワーと、それと対応する階層でのデータの送信パワーとの比を定常値に設定する。そのため、各階層でのデータの送信パワーと各階層でのDMRSの送信パワーとの割合の関係をユーザ端末に通知する必要がない。これにより、ネットワーク側での制御シグナルのオーバーヘッドが大幅に低減し、更にユーザ端末のチャネル推定効率が向上する。
【0026】
本発明では、以下の2種類の設定モードが考慮されている。
【0027】
モード1:ダウンリンク伝送に用いられる現在の総階層数に関わらず、各階層でのDMRSの送信パワーと、対応する階層でのデータの送信パワーとの割合が定常値rである。データREの総送信パワーがPである場合に、DMRSのREの総送信パワーは、(l・r/L)Pである。ここで、Lはダウンリンク伝送に用いられる現在の総階層数であり、lはDMRSのREにおけるDMRSの符号分割多重の階層数である。
【0028】
モード2:ダウンリンク伝送に用いられる現在の総階層数の情况に応じて、各階層でのDMRSの送信パワーと、対応する階層でのデータの送信パワーとの割合がそれぞれセットされる。階層数が2以下である場合、上記割合は定常値r1である。もし、定常値r1が1にセットされると、DMRSのREの総送信パワーは、データREの総送信パワーと同じにセットされてよい。階層数が3以上である場合、上記割合は定常値r2である。例えば、定常値r2は2にセットされてもよい。データREの総送信パワーがPである場合に、DMRSのREの総送信パワーは、(l・r1/L)P又は(l・r2/L)Pである。ここで、Lはダウンリンク伝送に用いられる現在の総階層数であり、lはDMRSのREにおけるDMRSの符号分割多重の階層数である。
【0029】
前記定常値は、一般的に4より小さい自然数である。
【0030】
以下、具体的な実施形態によって、本発明の技術的解決のエッセンスを更に説明する。
【0031】
実施形態1
本実施形態では、例えば、各階層(layer)のために、固定のDMRSアンテナポートが指定されるものとする。例えば、現在のDMRSポートが、{port0、port1、port2、port3、port4、port5、port6、port7}であり且つ、rankが1又は2である場合、DMRSポートに対応するパイロット周波数シーケンス(DMRS)は、符号分割多重を介して、DMRSポートにマッピングされる。各階層でのDMRSシーケンスと、DMRSポートとの対応関係は、数1、数2である。
【0032】
【数1】

【数2】

【0033】
ランクが3又は4である場合、符号分割多重+周波数分割多重/時間分割多重は、DMRSポートに対応するパイロット周波数シーケンスに行われる。符号分割多重は、REを表すための図1に砂模様格子として示されるport0、port1に対応するパイロット周波数シーケンスに行われる。また、符号分割多重は、REを表すための図1に格子線格子として示されるport2、port3に対応するパイロット周波数シーケンスに行われる。
【0034】
ランクが5〜8である場合、符号分割多重+周波数分割多重/時間分割多重は、DMRSポートに対応するパイロット周波数シーケンスに行われる。符号分割多重は、REを表すための図1に砂模様格子として示されるport0、port1、port4、port6に対応するパイロット周波数シーケンスに行われる。また、符号分割多重は、REを表すための図1に格子線格子として示されるport2、port3、port5、port7に対応するパイロット周波数シーケンスに行われる。
【0035】
固定のDMRSアンテナポートに対応する前記各階層に基づいて、DMRSのREの総送信パワーと各データREの総送信パワーとの割合の関係を表1に示すように設定する。
【0036】
【表1】

【0037】
表1では、rは、設定後の各階層でのDMRSの送信パワーと、対応する階層でのデータの送信パワーとの割合を示し、Pは、データREの総送信パワーを示している。第1グループのCDMの階層に対応するREは、具体的に図1における砂模様格子に示すREであり、第2グループのCDMの階層に対応するREは、具体的に図1に示される格子線格子によって表されるREである。一例として、表1におけるランクが5であり、且つ、rが2である状態を挙げると、第1グループのCDMの階層に対応するREの総送信パワーは、(5/6)Pである。3つの階層(layer0、layer1、layer4)のDMRSはこのREに搬送され、且つ、REにおける各階層でのDMRSの送信パワーは等しいため、各階層でのDMRSの送信パワーは(2/5)Pである。5つの階層のデータは、データREに搬送され、且つ、データREの総送信パワーはPであるため、したがって各階層でのデータの送信パワーは(1/5)Pである。その結果、DMRSのREにおける各階層でのDMRSの送信パワーは、この階層でのデータに対応する送信パワーの2倍であることが確保される。
【0038】
第2グループのCDMの階層に対応するREの総送信パワーは(4/5)Pである。2つの階層(layer2、layer3)のDMRSは、このREに搬送され、且つ、REにおける各階層でのDMRSの送信パワーもまた等しいため、したがって各階層でのDMRSの送信パワーは(2/5)Pである。5つの階層のデータは、データREに搬送され、且つ、データREの総送信パワーはPであるため、各階層でのデータの送信パワーは、(1/5)Pである。その結果、DMRSのREにおける各階層でのDMRSの送信パワーは、この階層でのデータに対応する送信パワーの2倍であることが確保される。
【0039】
上記実施形態では、表1は、第1グループのDMRSのREにマッピングされた階層数が、第2グループのDMRSのREにマッピングされた階層数以上であると仮定していると解釈されるべきである。第1グループのDMRSのREにマッピングされた階層数が、第2グループのDMRSのREにマッピングされた階層数以下である場合には、表1における、第1グループのCDMのポートに対応するREの総パワーと第2グループのCDMのポートに対応するREの総パワーとは交換可能である。
【0040】
実施形態2
本実施形態では、奇数の階層が存在する場合に、DMRSポート数が偶数となるように、あるlayerのDMRSを同時に2つのDMRSポートにマッピングする。例えば、それぞれが であるI個の階層が、layer0,layer2, ... ,layerIとして存在していることを想定する。Iが奇数である場合に、あるlayeriに対応するDMRSを同時に2つのDMRSポートにマッピングする。例えば、階層数が、3である場合、layer0に対応するDMRSを同時に2つのDMRSポートにマッピングしてもよい。例えば、layer0、layer1が1つのグループのDMRSポートに対応し、layer0、layer2が他の1つのグループのDMRSポートに対応する。
【0041】
DMRSのREの総送信パワーと各データREの総送信パワーとの割合の関係を表2に示すように設定する。
【0042】
上記階層及びDMRSアンテナポートのマッピング関係に基づいて、DMRSのREの総送信パワーと各データREの総送信パワーとの割合の関係を表2に示すように設定する。
【0043】
【表2】

【0044】
表2では、rは、設定後の各階層でのDMRSの送信パワーと、対応する階層でのデータの送信パワーとの割合を示し、Pは、データREの総送信パワーを示している。本実施形態では、各種のランクに対して、図1の砂模様格子に示すREの総送信パワーと格子線格子に示すREの総送信パワーとは等しく設定される。
【0045】
一例として、表2におけるランクが5であり、且つ、rが2である状態を挙げると、DMRSのREの総送信パワーは(5/6)Pである。ある階層のDMRSは、同時に2つのDMRSポートにマッピングされるため、3階層のDMRSは、図1における砂模様格子に示すRE及び格子線格子に示すREに搬送される。REにおける各階層でのDMRSの送信パワーは等しいため、したがってDMRSのREにおける各階層でのDMRSの送信パワーは(2/5)Pである。5階層のデータは、データREに搬送され、且つ、データREの総送信パワーはPであるため、したがって各階層でのデータの送信パワーは、(1/5)Pである。その結果、DMRSのREにおける各階層でのDMRSの送信パワーは、この階層でのデータに対応する送信パワーの2倍であることが確保される。
【0046】
図2は、本発明に係る復調基準信号の送信パワー設定装置の第1の構造の模式図である。図2に示すように、本例における復調基準信号の送信パワー設定装置は、REにおける各階層でのDMRSの送信パワーと、対応する階層でのデータの送信パワーとの割合を定常値に設定するための設定ユニット20を含む。具体的には、設定ユニット20は、同じREにおける各階層でのDMRSの送信パワーが等しくなるように設定する。
【0047】
図3は、本発明に係る復調基準信号の送信パワー設定装置の第2の構造の模式図である。図3に示すように、図2に示す装置に基づいて、本例における復調基準信号の送信パワー設定装置は、更に、ダウンリンク伝送に用いられる総階層数に応じて異なる定常値をセットし、又は、ダウンリンク伝送に用いられる総階層数に応じて固有の定常値をセットするためのセッティングユニット21を含む。セッティングユニット21は、更に、ダウンリンク伝送に用いられる総階層数が2以下である場合に第1の定常値をセットし、ダウンリンク伝送に用いられる総階層数が3以上である場合に第2の定常値をセットする。
【0048】
図4は、本発明に係る復調基準信号の送信パワー設定装置の第3の構造の模式図である。図4に示すように、図2又は図3(本例は図2に基づく)に示す装置に基づいて、本例における復調基準信号の送信パワー設定装置は、更に、ダウンリンク伝送に用いられる総階層数が3以上であり、且つ、奇数である場合に、その中の1つの階層でのDMRSを同時に2つのDMRSポートにマッピングするためのマッピングユニット22を含む。
【0049】
上記定常値は、4以下の自然数である。
【0050】
当業者は、図2、図3及び図4に示すような復調基準信号の送信パワー設定装置が、上記復調基準信号の送信パワー設定方法を実現するために設計されるものであると理解すべきである。また、当業者は、図2、図3及び図4に示す装置における各処理ユニットの機能は、上記方法の説明を参照して理解すべきである。また、当業者は、各処理ユニットの機能は、プロセッサー上のプログラムを通じて実現可能であり、また具体的なロジック回路を通じて実現可能であることも理解すべきである。
【0051】
以上は、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
復調基準信号の送信パワー設定方法であって、
リソースエレメントにおける各階層での復調基準信号(DMRS:Demodulation Reference Signal)の送信パワーと、対応する階層でのデータの送信パワーとの割合を定常値に設定する
ことを特徴とする送信パワー設定方法。
【請求項2】
更に、同一のリソースエレメントにおける各階層でのDMRSの送信パワーを同じ送信パワーに設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
更に、ダウンリンク伝送に用いられる総階層数に応じて異なる定常値をセットし、又は、ダウンリンク伝送に用いられる総階層数に応じて固有の定常値をセットする
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ダウンリンク伝送に用いられる総階層数に応じて異なる前記定常値をセットするステップは、
前記ダウンリンク伝送に用いられる総階層数が、2以下である場合に、第1の定常値をセットすることと、
前記ダウンリンク伝送に用いられる総階層数が、3以上である場合に、第2の定常値をセットすることとを含む
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
更に、ダウンリンク伝送に用いられる総階層数が、3以上であり、且つ、奇数である場合に、その中の1つの階層でのDMRSを同時に2つのDMRSポートにマッピングする
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
復調基準信号の送信パワー設定装置であって、
リソースエレメントにおける各階層での復調基準信号(DMRS:Demodulation Reference Signal)の送信パワーと、対応する階層でのデータの送信パワーとの割合を定常値に設定するための設定ユニットを含む
ことを特徴とする送信パワー設定装置。
【請求項7】
前記設定ユニットは、更に、同一のリソースエレメントにおける各階層でのDMRSの送信パワーを同じ送信パワーに設定する
ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記装置は、更にダウンリンク伝送に用いられる総階層数に応じて異なる定常値をセットし、又は、ダウンリンク伝送に用いられる総階層数に応じて固有の定常値をセットするためのセッティングユニットを含む
ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記セッティングユニットは、更に、
ダウンリンク伝送に用いられる総階層数が、2以下である場合に、第1の定常値をセットし、
ダウンリンク伝送に用いられる総階層数が、3以上である場合に、第2の定常値をセットする
ことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記装置は、更に、
ダウンリンク伝送に用いられる総階層数が、3以上であり、且つ、奇数である場合に、その中の1つの階層でのDMRSを同時に2つのDMRSポートにマッピングするためのマッピングユニットを含む
ことを特徴とする請求項6に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−519320(P2013−519320A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552232(P2012−552232)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【国際出願番号】PCT/CN2010/077913
【国際公開番号】WO2011/097894
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(511207729)ゼットティーイー コーポレイション (78)
【Fターム(参考)】