説明

循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置

【課題】清掃体による清掃可能な範囲を拡大し、かつ搬送体の左右幅方向の両端部の下方位置に未清掃の部位を残さないようにできる循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置を提供すること。
【解決手段】複数枚の搬送体4のうち、少なくとも1枚の搬送体11には、駆動手段9に連結される基部11aの左右幅方向の両外側部が切り欠かれた切欠部14が形成され、切欠部14を介して搬送体11の下方位置の搬送路7を清掃可能に清掃手段を配置できるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送体の下方位置の搬送路を清掃するための清掃手段を備える清掃装置が循環型飲食物搬送装置に取り付けられる循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クレセントチェーンコンベア(循環型飲食物搬送装置)の一部のスラット(搬送体)には、下方に向けて開口する一対の筒体と、両筒体内に収納される清掃体(清掃手段)と、を備えた清掃装置が取り付けられるようになっている。このようなクレセントチェーンコンベアでは、その一部のスラットの左右幅方向の両端部近傍に、各レールの上方で上下方向に貫通する一対の清掃貫通孔が形成されるとともに、両清掃体はこれら清掃貫通孔を介して両レールの上面に当接されるようになっており、この状態でクレセントチェーンコンベアの駆動部を駆動させることで、スラットとともに両清掃体が両レールの上面を摺動し、両レールの上面に貼り付いた飯粒や醤油等のゴミ等を清掃できるようにし、多数の人手を掛けずに短時間で簡便にクレセントチェーンコンベアの下方位置を清掃できるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−79188号公報(第3頁、第6図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のクレセントチェーンコンベア(循環型飲食物搬送装置)における清掃装置にあっては、清掃貫通孔は、スラット(搬送体)の左右幅方向の端部から若干離間された位置に形成されており、スラットの両端部に残された残部の下方位置は、常に隠れてしまうようになっている。清掃体による清掃可能な範囲は、清掃貫通孔により露呈できる部位に限定されるため、スラットの両端部に残された残部の下方位置は、清掃体による清掃を行えず、若干のゴミ等が残されてしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、清掃体による清掃可能な範囲を拡大し、かつ搬送体の左右幅方向の両端部の下方位置に未清掃の部位を残さないようにできる循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置は、
無端状をなす搬送路と、飲食物を載置した飲食物容器を搬送する複数枚の搬送体と、該複数枚の搬送体を前記搬送路に沿って移動させる駆動手段と、を備える循環型飲食物搬送装置が設けられ、前記搬送体の下方位置の前記搬送路を清掃するための清掃手段を備える清掃装置が前記循環型飲食物搬送装置に取り付けられる循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置であって、
前記複数枚の搬送体のうち、少なくとも1枚の搬送体には、前記駆動手段に連結される基部の左右幅方向の両外側部が切り欠かれた切欠部が形成され、該切欠部を介して前記搬送体の下方位置の前記搬送路を清掃可能に前記清掃手段を配置できるようになっていることを特徴としている。
この特徴によれば、駆動手段を駆動させて搬送体とともに清掃装置を搬送路に沿って移動させた際に、搬送路上のゴミ等を清掃手段が取り除くようになっており、搬送体の基部の左右幅方向の両外側部が切り欠かれた切欠部により、搬送路における清掃体による清掃可能な範囲が拡大され、かつ搬送体の左右幅方向の両端部の下方位置に未清掃の部位を残さないようにできる。
【0007】
本発明の循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置は、
前記基部には、前記切欠部を閉塞する蓋部が設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、蓋部の上面に載置されている飲食物容器から飲食物の一部がゴミとして零れ落ちても、蓋部によって切欠部が閉塞されるため、基部の下方にゴミ等が落ちないようになる。
【0008】
本発明の循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置は、
前記蓋部は、前記基部の上面に着脱可能に取り付けられ、前記基部及び前記切欠部を覆うようになっていることを特徴としている。
この特徴によれば、基部と切欠部の上方全体を蓋部によって間隙の無い平坦な板面として構成でき、液状のゴミ等であっても、蓋部によって零れ落ち難くなり、かつ基部を有する搬送体の形状を、他の搬送体の形状と略同一の形状にできる。
【0009】
本発明の循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置は、
前記清掃装置は、前記清掃手段を前記搬送路の曲線路に沿って水平方向に回動可能とする回動手段を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、清掃装置が取り付けられる搬送体が駆動手段の駆動によって曲線路に進入されると、回動手段によって清掃手段が曲線路に沿って回動されるようになり、清掃装置が曲線路をスムーズに移動することができるとともに、清掃手段による搬送体の下方の清掃を確実に行うことができる。
【0010】
本発明の循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置は、
前記清掃装置は、前記清掃手段が前記搬送路に近接する状態を維持する近接維持手段を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、搬送路上の障害物が清掃手段に接触して清掃手段が動かされても、近接維持手段により清掃手段が搬送路に再び近接し、搬送路を清掃し続けることができ、搬送路上をむら無く清掃することができる。
【0011】
本発明の循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置は、
前記清掃装置は、吸引力を発生させる吸引手段を備え、前記清掃手段は、前記吸引手段で発生した吸引力によって前記搬送体の下方を吸引する吸引部となっていることを特徴としている。
この特徴によれば、搬送体上に載置されている飲食物容器から搬送体の下方に零れ落ちた固形物のゴミ等を効率的に吸引清掃することができる。
【0012】
本発明の循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置は、
前記清掃手段は、前記搬送体の下方を拭き取る拭取部となっていることを特徴としている。
この特徴によれば、搬送体上に載置されている飲食物容器から搬送体の下方に零れ落ちた液状のゴミ等を効率的に清掃することができる。
【0013】
本発明の循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置は、
前記清掃手段は、該清掃手段を前記搬送体に対して水平方向にスライド移動可能とするスライド移動手段を介して前記搬送体に取り付けられることを特徴としている。
この特徴によれば、清掃装置が取り付けられる搬送体が駆動手段の駆動によって曲線路に進入されると、スライド移動手段によって清掃手段が水平方向にスライド移動されるようになり、清掃装置が曲線路をスムーズに移動することができる。
【0014】
本発明の循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置は、
前記清掃装置は、該清掃装置を前記搬送路の曲線路に沿って水平方向に回動可能に支持する軸支手段を介して前記搬送体に取り付けられることを特徴としている。
この特徴によれば、清掃装置が取り付けられる搬送体が駆動手段の駆動によって曲線路に進入されると、軸支手段によって清掃装置が曲線路に沿って回動されるようになり、清掃装置が曲線路をスムーズに移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例における飲食カウンタを示す平面図である。
【図2】搬送路を示す平面図である。
【図3】図2における搬送路を示すA−A断面図である。
【図4】図2における搬送路を示すB−B断面図である。
【図5】第2搬送体を示す分解斜視図である。
【図6】清掃装置を示す側面図である。
【図7】第1固定ベースと取付台とを示す分解斜視図である。
【図8】第2固定ベースと基体とを示す分解斜視図である。
【図9】図6における清掃装置を示すC−C断面図である。
【図10】図6における清掃装置を示すD−D断面図である。
【図11】清掃装置を示す一部破断正面図である。
【図12】拭取部を示す背面図である。
【図13】直線路における第1固定ベースと第2固定ベースとを示す平面図である。
【図14】曲線路における第1固定ベースと第2固定ベースとを示す平面図である。
【図15】(a)は、センサ部を乗り越える状態のノズルと拭取ホルダとを示す側面図であり、(b)は、センサ部を乗り越えた後のノズルと拭取ホルダとを示す側面図である。
【図16】変形例における第2搬送体を示す断面図である。
【図17】(a)は、変形例におけるノズルを示す正面図であり、(b)は、ノズルを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0017】
実施例に係る循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置につき、図1から図17を参照して説明する。以下、図2及び図6、図9の紙面左側を循環型飲食物搬送装置の駆動方向(正面側)とするとともに清掃装置の正面側とし、図3、図4及び図10、図11、図16の紙面手前側を循環型飲食物搬送装置の駆動方向(正面側)とするとともに清掃装置の正面側とし、図12の紙面奥側を循環型飲食物搬送装置の駆動方向(正面側)とするとともに清掃装置の正面側として説明する。
【0018】
図1の符号1は、回転寿司店等の飲食店に設けられた飲食カウンタである。図1に示すように、この飲食カウンタ1は、平面視で略四角形状に配置されており、飲食カウンタ1の内側は、店員等が飲食物2の調理を行うための厨房エリアKとなっている。
【0019】
この飲食カウンタ1の周縁部には、循環型飲食物搬送装置3(クレセントチェーンコンベア)が配置されている。この循環型飲食物搬送装置3は、複数の搬送体4を備えており、これら搬送体4が飲食物2(飲食物及び飲食物容器)を上面に載置した状態で無端駆動している。飲食カウンタ1の外周部には、飲食客が着座する椅子5と飲食物2を載置可能なテーブル6とが設けられた飲食エリアCに構成されており、飲食客は、これら椅子5に着座した状態で飲食が可能となっている。
【0020】
図1に示すように、循環型飲食物搬送装置3は、無端状をなす搬送路7と、前述の複数の搬送体4と、を有している。具体的には、搬送路7は、平面視で直線状に形成された4本の直線路7aとこれら直線路7a同士を接続する4本の曲線路7bとから構成されている。これら直線路7aと曲線路7bとは、互いに端部同士が連続形成されることで無端状をなす搬送路7を形成している。また、図3及び図4に示すように、搬送路7は、全周に亘って上方に向けて開口する断面視で略凹状に形成されている。尚、搬送路7の左右幅方向の側端部には、側壁7cが形成されている。
【0021】
図2に示すように、搬送路7内の上面には、ポリエチレン等の樹脂材によって構成された一対のレール8,8が搬送路7の全周に亘って平行に配置されている。これら両レール8,8の上部には、飲食物2を上面に載置可能なように、両レール8,8間の左右幅寸法よりも長寸である左右幅寸法を有し、平面視で略半月状に形成された複数の搬送体4が摺動可能に配置されている。
【0022】
搬送路7の両レール8,8間には、搬送路7の全長に亘って駆動溝7dが形成されている。この駆動溝7d内には、本発明における駆動手段としての駆動チェーン9が配置されており(図6参照)、駆動チェーン9は、上方に配置されている複数の搬送体4に対して取り付けられている。
【0023】
駆動チェーン9は、循環型飲食物搬送装置3の所定箇所に設けられた図示しない駆動モータに接続されたスプロケットに掛け渡されており、駆動モータが駆動することで、駆動チェーン9に取り付けられている複数の搬送体4は、搬送路7上を両レール8,8上で、その下面を摺動されながら循環移動するようになっている。
【0024】
尚、搬送路7内の所定箇所には、複数の搬送体4の循環移動を検出したり、飲食物2を載置した容器に取り付けられたRFIDタグの登録情報を読み取ったりするセンサ部46(障害物)が設けられている。このセンサ部46が設けられることで、センサ部46が搬送体4の循環移動に駆動チェーン9との接続不良等の異常を検出すると、厨房エリアK内の店員に異常を報知できる。また、センサ部46が容器のRFIDタグの登録情報を読み取ることで、飲食物2の製造時から所定時間経過後にこの容器を搬送路7から排除することができる。
【0025】
図2に示すように、これら複数枚の搬送体4は、常に両レール8,8によって下方から支持される第1搬送体10と、搬送体4の下方位置を露呈させるための第2搬送体11と、後述する清掃装置17を取り付ける第3搬送体12と、の3種類の搬送体10,11,12から構成されている。このうち、第2搬送体11及び第3搬送体12は、搬送路7上における所定の2枚の第1搬送体10の間で、3枚の連続して並んだ第2搬送体が設けられるとともに、第2搬送体に連設して1枚の第3搬送体12が設けられる。
【0026】
第1搬送体10について詳述すると、この第1搬送体10は、飲食物2を載置するための平面視で略半月状に形成された載置板10aの左右側端部が両レール8,8によって下方から支持されている。また、載置板10aの略中央部には、上下方向に貫通する貫通孔10bが形成されている。
【0027】
一方、駆動チェーン9は、図3に示すように、チェーンの継ぎ目毎に上方に開口する筒状体9aが取り付けられている。この筒状体9aを載置板10aの貫通孔10bを連通させた状態で、駆動チェーン9と載置板10aとが互いに係止されるようになっている。
【0028】
図2に示すように、第2搬送体11について詳述すると、第2搬送体11は、両レール8,8間に配置される本発明における基部としての基体11aと、この基体11aを上方から被覆する本発明における蓋部としての蓋体11bと、から構成されている。この基体11aは、両レール8,8間の左右幅寸法よりも短寸である左右幅寸法を有する板体である。この基体11aの略中央部には、上方に向けて開口する嵌合穴11dが形成されており、嵌合穴11dの後方には、上下方向に貫通する貫通孔11cが形成されている。
【0029】
また、第3搬送体12について詳述すると、第3搬送体12は、両レール8,8間に配置される本発明における基部としての基体12aと、この基体12aを上方から被覆する本発明における蓋部としての蓋体12bと、から構成されている。この基体12aは、第1搬送体10とほぼ同じ形状を有する板体である。この基体12aの略中央部には、上方に向けて開口する嵌合穴12dが形成されており、嵌合穴12dの後方には、上下方向に貫通する貫通孔12cが形成されている。尚、基体12aの左右縁部には、段部12gを有する小切欠部12hが形成されている。
【0030】
図4に示すように、この貫通孔11c,12cと駆動チェーン9に取り付けられている筒状体9aを上下方向で連通させた状態で係止ピン13を筒状体9aの穴部内に挿通させることで、駆動チェーン9と基体11a,12aとが互いに係止されるようになっている。尚、係止ピン13の上端面と基体11a,12aの上面とは、略面一となるように形成されている。
【0031】
図2に示すように、第2搬送体11の基体11aの左右幅寸法は、第1搬送体10の左右幅寸法よりも小さくなるように形成されており、この基体11aの左右幅方向の側部は、切り欠かれた形状をなす切欠部14が形成されている。
【0032】
図2に示すように、蓋体11b,12bは、第1搬送体10と略同一の形状である平面視で略半月状に形成されている。図5に示すように、この蓋体11bの下面には、上方から基体11aに嵌合可能な凹部11eが形成されている。この凹部11eの左右幅方向の略中央には、前部に基体11aの嵌合穴11dに嵌合可能な直径のスペーサ15が接着剤等によって接着されており、中央部には、基体11aの貫通孔11cに挿通可能なピン状のストッパー16がスペーサ15と同様に接着されている。
【0033】
この蓋体11bは、スペーサ15を嵌合穴11dに嵌合させるとともに、ストッパー16を貫通孔11cを介して係止ピン13の上端部に形成された係止穴13aに挿通させることで、基体11aを上方から被覆するようになっている。このため、搬送路7上に配置されている各基体11aを蓋体11bによって上方から被覆することで、これら蓋体11bによって切欠部14が被覆されるようになっている。この切欠部14が被覆された状態で、搬送体4上に飲食物2が載置されるようになっている(図1及び図2参照)。尚、特に図示はしないが蓋体12bも蓋体11bと類似な構成となっている。
【0034】
図6に示すように、搬送路7上に連続して配置された第2搬送体11及び第3搬送体12のうち、搬送体4の駆動方向に対して後端側に配置された第3搬送体12に対して、清掃装置17が取り付けられるようになっている。具体的には、清掃装置17は、第3搬送体12の基体12aに取り付けられる第1固定ベース18と、第1固定ベース18の上部に取り付けられる取付台19とを有している。
【0035】
図7及び図10に示すように、第1固定ベース18の左右幅方向の略中央の上部には、円柱状の本発明における軸支持手段としての回動軸18bが上方に向けて突設されており、回動軸18bの後方には、上面が第1固定ベース18の上面と面一となるようにマグネット18cが埋設されている。更に、第1固定ベース18の後部には、左右方向に延びるガイド部材47が取り付けられている
【0036】
また、第1固定ベース18の下面左右幅方向の略中央には、前部に蓋体12bの凹部11eに接着されたスペーサ15と同一構成のスペーサ15が接着されている。この第1固定ベース18は、スペーサ15を嵌合穴12dに嵌合させることで、第1固定ベース18が基体12aに取り付けられる。
【0037】
尚、第1固定ベース18のガイド部材47の左右端部には、係合部47aが形成されており、この係合部47aが第3搬送体12の小切欠部12hの段部12gに係合されるようになっている。そのため第1固定ベース18は、水平方向に回動不能に第3搬送体12に取り付けられるようになっている。
【0038】
取付台19は、スチール等の磁性を有する金属で構成されており、左右幅方向の略中央の下部には、下方に向けて開口する回動孔19bが形成されている。この取付台19は、回動軸18bに回動孔19bを挿通させることによって、第1固定ベース18に対して水平方向に回動可能に取り付けられる。このとき、取付台19には、マグネット18cからの磁力がはたらいており、このマグネット18cからの磁力によって取付台19の第1固定ベース18からの離脱が防止されている。
【0039】
また、取付台19には、左右幅方向の側端部と、前後幅方向の側端部とから上方に向けて立片19aが立設されており、これら立片19aで囲まれた空間内に清掃装置17の後部側の下端部が収納配置されることで、清掃装置17が基体12aに取り付けられる(図6参照)。尚、取付台19の前方側(正面側)の立片19aには、清掃装置17を動作させるために必要な電力が蓄電されている外部バッテリ20を保持するためのバッテリホルダ21が形成されている。
【0040】
図6に示すように、取付台19を介して基体12aに取り付けられる清掃装置17は、搬送体4の下方を清掃するために内蔵されている吸引機によって吸引力を発生させる本発明における吸引手段としての掃除機本体22と、掃除機本体22の先端部22’に設けられた本発明における清掃手段としての吸引部23と、吸引部23の背面側で吸引部23に連結された本発明における清掃手段としての拭取部24と、掃除機本体22で発生した吸引力によって吸引部23で吸引されたゴミ等を纏めるための集塵部25と、を備えている。また、取付台19の立片19a間には、集塵部25の下部が取り付けられる。
【0041】
尚、集塵部25の下部には、掃除機本体22の内蔵バッテリの残量のチェックを行うための充電回路26が内蔵されている。この充電回路26は、特に図示しないが、外部バッテリ20と配線を介して接続されており、掃除機本体22の内蔵バッテリの残量が少なくなると外部バッテリ20から掃除機本体22に対して電力を供給するようになっている。
【0042】
図6及び図9に示すように、吸引部23は、搬送路7上に連続配置された基体11aのうち、最前部の基体11aの上方に配置されている。この吸引部23は、掃除機本体22の先端部22’に設けられたT字管27と、このT字管27の左右幅方向の側端部に接続される2つのL字管28,28と、両L字管28,28の先端に設けられたノズル29,29と、から主に構成されている。これら両ノズル29,29は、軟質の樹脂材によって構成されている。
【0043】
図9及び図11に示すように、掃除機本体22の先端部22’は下方を向く管状に形成されており、先端部の外周面には、全周に亘って溝部22aが形成されている。一方、T字管27は、上端部が上方に向けて開口する管状に形成されており、このT字管27の上端部には、掃除機本体22の前部側の先端部22’が挿入されている。
【0044】
また、掃除機本体22の先端部22’とT字管27の上端部とは、T字管27の外側方から掃除機本体22の溝部22aに向けて複数のプランジャ30が螺着されることで接続されている。更に、T字管27の外側方から螺着されたプランジャ30の先端部は、掃除機本体22の先端部22’に形成された溝部22a内に配置されているため、T字管27は、溝部22aに沿って水平方向に回動可能となっている。
【0045】
一方、搬送路7上に連続して配置された第2搬送体11のうち、前端側に配置された第2搬送体11の基体11aには、第2固定ベース31が配置されている。図8に示すように、この第2固定ベース31は、左右幅方向の略中央部が前後幅方向の全長に亘って上方に向かって開口する、本発明におけるスライド移動手段としてのスライド溝31bに形成されており、第2固定ベース31の左右幅方向の両端部は、前後幅方向の全長に亘って上方を向くガイド片31c,31cに形成されている。
【0046】
また、第2固定ベース31の下面左右幅方向の略中央には、前部に蓋体11bの凹部11eに接着されたスペーサ15と同一構成のスペーサ15が接着されており、このスペーサ15の後方には、下方に向けて係止突部31aが突設されている。この第2固定ベース31は、スペーサ15を嵌合穴11dに嵌合させることで基体11aに取り付けられている。
【0047】
そして、図9に示すように、清掃装置17の前端部であるT字管27の下部には、下方に向けてT字管27の水平方向に回動する際の回動中心と同一軸線上に配置された角柱状の延設部27aが突設されている。この延設部27aの下端部は、基体11aに取り付けられた第2固定ベース31のスライド溝31b内に収納配置されている。延設部27aの下端部は、スライド溝31b内で左右をガイド片31c,31cによってガイドされ、第2固定ベース31の前後幅方向にスライド自在となっている。
【0048】
つまり、搬送路7上に連続配置された第2搬送体11のうち、前端側と後端側とに配置された両第2搬送体11,11によって、清掃装置17の荷重が支持されている。このため、T字管27は、清掃装置17が曲線路7bを移動する際に、延設部27aの下端部が左右幅方向の両端部を両ガイド片31c,31cによって保持された状態で水平方向に回動するようになっている。尚、延設部27aの正面側には、後述する切片28b,28bを係止するための本発明における近接維持手段としてのストッパー45が取り付けられている。このストッパー45は、清掃装置17の左右幅方向に向けて延設されている。
【0049】
次に、両L字管28,28は、垂直方向側の端部にノズル29が取り付けられている。また、水平方向側の端部の外周面には、全周に亘って溝部28aが形成されており、T字管27の左右幅方向の側端部には、水平方向側の端部が挿入されている。
【0050】
T字管27の左右幅方向側端部と両L字管28,28とは、T字管27の外側方から両L字管28,28の溝部28aに向けてプランジャ30が螺着されることで接続されており、これらプランジャ30は、両L字管28,28の溝部28a,28a内に配置されているため、両L字管28,28は溝部28aに沿って垂直方向に回動可能となっている。
【0051】
尚、両L字管28,28には、正面側に向けて切片28b,28bが突設されている。これら両切片28b,28bは、両L字管28,28の垂直方向側の端部が搬送路7に対して垂直をなす状態でストッパー45の左右端部に下方から当接しており、両L字管28,28の垂直方向側の端部が搬送路7に対して垂直をなす状態から清掃装置17の正面側に向かう回動が阻止されている。
【0052】
また、両切片28b,28bと掃除機本体22の先端部22’とは、両L字管28,28と掃除機本体22との正面側に設けられたバネ32,32(近接維持手段)で接続されている。これら両バネ32,32は、両L字管28,28を回動させることで、両切片28b,28bを清掃装置17の上方に向けて付勢するようになっている。
【0053】
また、図6、図9、図11に示すように、両L字管28,28の垂直方向側の端部に取り付けられたノズル29は、両レール8,8の左右幅方向の外側端部と両側壁7c,7cとの間に配置されており、その下端部が正面側から背面側にかけて下方に向けて傾斜をなすように切り欠かれている。このため、両ノズル29,29は、掃除機本体22を駆動させることで発生する吸引力によって搬送路7の上面に零れ落ちた飯粒等のゴミ等を清掃可能となっている。
【0054】
尚、図6、図9、図12に示すように、T字管27の背面側には、清掃装置17の背面側に向けて接続片27bが延設されており、この接続片27bに拭取部24が接続されている。具体的には、拭取部24は、接続片27bに接続されるメインフレーム33を備えている。
【0055】
このメインフレーム33の左右幅方向外側方には、下方に開口する拭取ホルダ34,35が左右幅方向に並んで配置されている。これら拭取ホルダ34,35内には、洗浄液が含浸された布巾等の布状体である清掃体36が丸めて収納されている。尚、清掃体36はスポンジ状のものであってもよい。この拭取ホルダ34に収納された清掃体36の下端部は、各レール8の上面及び左右幅方向外側端部に当接されており、拭取ホルダ35に収納された清掃体36は、下端部が搬送路7の上面に当接されるとともに、左右幅方向外側部が搬送路7の側壁7cに当接されている。
【0056】
また、これら拭取ホルダ34,35の上方には、左右幅方向を向く水平シャフト37が配置されている。この水平シャフト37の左右幅方向の略中央部は、メインフレーム33内に貫通されて配置されており、左右幅方向の両端部には、移動体38,38が水平シャフト37上を左右幅方向に移動可能に配置されている。
【0057】
更に、各移動体38には、下方に向かって延設される2本の垂直シャフト39,39が左右幅方向に並んで配置されており、これら垂直シャフト39,39の下端部は、それぞれ拭取ホルダ34,35のいずれかに接続されている。このため、水平シャフト37と垂直シャフト39,39と移動体38とを介してメインフレーム33に接続された拭取ホルダ34,35は、水平シャフト37を軸として清掃装置17の背面側に向けて回動可能となっている。
【0058】
一方、両移動体38,38の背面には、拭取部24の左右幅方向の中央を向いて水平に延設される左右一対の水平片40,40が設けられている。拭取部24の左右幅方向の中央側に配置されているこれら水平片40,40の拭取部24の左右幅方向の略中央側に配置されている端部は、メインフレーム33の上部に上方から当接配置されており、この水平片40,40とメインフレーム33の当接によって拭取ホルダ34,35の清掃装置17の正面側に向かう回動が阻止されている。
【0059】
また、両水平片40,40の端部とメインフレーム33とは、バネ43,43によって接続されている。これら両バネ43,43は、拭取ホルダ34,35の下端部を清掃装置17の正面側に向けて付勢するようになっている。
【0060】
水平シャフト37におけるメインフレーム33と両移動体38,38との間には、両移動体38,38を左右幅方向の外側方に向けて付勢するバネ41,41が取り付けられており、各拭取ホルダ35に収納された清掃体36を搬送路7の側壁7cに対して押圧している。
【0061】
また、各垂直シャフト39の移動体38と各拭取ホルダ34,35との間には、バネ42が取り付けられており、これらバネ42によって、各移動体38から各拭取ホルダ34,35に収納された清掃体36を各レール8の上面及び左右幅方向の外側端部に対して押圧しているとともに、各移動体38から各拭取ホルダ35に収納された清掃体36を搬送路7の上面に対して押圧している。
【0062】
前述のように構成された清掃装置17によって搬送体4の下方を清掃するには、先ず、図2に示すように、搬送路7上に連続して配置された第2搬送体11全てから蓋体11bを取り外し、基体11aの左右幅方向外方に切欠部14を開放させる。
【0063】
次に、図6に示すように、搬送路7上に連続配置された第2搬送体11のうち前端部に配置された第2搬送体11の基体11aに第2固定ベース31を取り付けるとともに、第2搬送体11よりも後方に配置された第3搬送体12の基体12aに第1固定ベース18を取り付ける。そして、清掃装置17の下部を第1固定ベース18の上部に取り付けられている取付台19内に収納配置させるとともに、T字管27の下部から突設された延設部27aの下端部を第2固定ベース31の上面に当接させる。
【0064】
このとき、吸引部23の両ノズル29,29の先端は、切欠部14を介して搬送体4の下方である搬送路7の上面に近接配置される。更に、拭取部24の両清掃体34,34は、切欠部14を介して下端部が各レール8の上面及び左右幅方向の外側端部に当接配置され、両清掃体35,35は、切欠部14を介して下端部が搬送路7の上面に当接配置されるとともに左右幅方向の外側部が搬送路7の側壁7cに当接される。
【0065】
この状態で、掃除機本体22の図示しない起動スイッチを押圧することで、掃除機本体22で吸引力を発生させるとともに、循環型飲食物搬送装置3の図示しないモータを駆動させることによって搬送体4を搬送路7に沿って循環駆動させる。
【0066】
このようにすることで、図6及び図13に示すように、搬送体11,12の基体11a,12aに取り付けられた清掃装置17は、延設部27aの下端部がスライド溝31b内の後端部に収納配置された状態で、直線路7aに沿って両ノズル29,29から搬送路7の上面に付着した飯粒等のゴミ等を吸引するとともに、両レール8,8と搬送路7の上面とを各拭取ホルダ34,35内に収納された清掃体36によって拭き取る。尚、両ノズル29,29から吸引されたゴミ等は、集塵部25に集められる。
【0067】
更に尚、図14に示すように、清掃装置17が曲線路7b上を移動する際には、清掃装置17は、回動軸18bを中心に水平方向に回動するとともに、延設部27aの下端部がスライド溝31b内を清掃装置17の移動方向に向けてスライド移動し、清掃装置17の前部と後部とで生じる経路差を吸収できるようになっている。
【0068】
そして、延設部27aの下端部は、基体11aが曲線路7bを移動することでガイド片31c,31cから水平方向を向く回動力を受けるようになっている。このガイド片31c,31cからの回動力によってT字管27のプランジャ30が掃除機本体22の先端部22’に形成された溝部22a内を移動することで、T時管27が曲線路7bの形状に沿って水平方向に回動するため、両ノズル29,29及び各清掃体36は、スムーズに曲線路7b内を移動することができるようになっている。つまり、T字管27と、掃除機本体22の先端部22’と、先端部22’の溝部22a内に配置されたプランジャ30とが、本発明における回動手段を構成している。
【0069】
尚、図15(a)及び図15(b)に示すように、清掃装置17が直線路7aまたは曲線路7b上を移動する際にセンサ部46の上方を移動する場合には、両ノズル29,29と各拭取ホルダ34,35とは、このセンサ部46に両ノズル29,29の先端部及び各清掃体36の下端部を当接させながら清掃装置17の背面側に向けて回動し、センサ部46を乗り越える。
【0070】
尚、本実施例では障害物をセンサ部46として説明したが、障害物は他にも搬送路7に飯粒等が付着したまま乾燥した突起等も含まれる。このような障害物の清掃は、基体11aの切欠部14を障害物の位置に配置した状態で循環型飲食物搬送装置3を停止させ、切欠部14から障害物を露呈させて作業者が手作業によって取り除くこともできる。
【0071】
センサ部46を乗り越えた後の両ノズル29,29は、両切片28b,28bがバネ32,32によって清掃装置17の上方に向けて付勢されるため、両ノズル29,29は、先端が再び搬送体4の下方である搬送路7の上面に近接配置される。
【0072】
このとき、両L字管28,28の正面側に設けられた切片28b,28bがストッパー45の左右両端部に下方から当接することで、両ノズル29,29は搬送路7に対して略垂直に配置され、次にセンサ部46を乗り越える前までの間は、この略垂直が維持され、両ノズル29,29が搬送路7の上面に近接する状態が維持される。
【0073】
同様に、センサ部46を乗り越えた後の各拭取ホルダ34,35は、両水平片40,40とメインフレーム33間に接続されているバネ43,43によって清掃装置17の下方に向けて付勢されるため、各拭取ホルダ34に収納されている清掃体36の下端部は、再び各レール8の上面及び左右幅方向の外側端部に当接されるとともに、各拭取ホルダ35に収納されている清掃体36は、その下端部が再び搬送路7の上面に当接(近接)され、左右幅方向の外側部が搬送路7の側壁7cに当接(近接)される。
【0074】
このとき、両水平片40,40がメインフレーム33に上方から当接することで、各清掃体36は搬送路7に対して略垂直に配置され、次にセンサ部46を乗り越える前までの間は、この略垂直が維持され、各拭取ホルダ34,35の清掃体36の下端部が搬送路7の上面に当接(近接)する状態が維持される。つまり、メインフレーム33とバネ43とは、ストッパー45と同様に各清掃体36が搬送路7に近接する状態を維持する本発明における近接維持手段を構成している。
【0075】
尚、本実施例における拭取部24においては、水平シャフト37上に配置されている両移動体38,38は、バネ41,41によって左右幅方向の外側方に向けて付勢されているが、両移動体38,38をバネ41,41の付勢力に逆らって左右幅方向の内側方に向けて押圧することで、拭取部24の左右幅寸法を短寸に調整することが可能となっている。このため、本実施例における拭取部24は、両側壁間の左右幅寸法が異なる搬送路であっても清掃体36による清掃が可能となっている。
【0076】
次に、本実施例における第2搬送体11の変形例について説明する。図16に示すように、第2搬送体11は、基体11aと、この基体11aの左右幅方向に配置された本発明における蓋体としての2枚の蓋体11fと、によって構成されている。両蓋体11f,11fは、各レール8の上部に配置されている。また、両蓋体11f,11fは、左右幅方向の内側端部で基体11aに蝶番44を介して接続されている。これら蝶番44は、端部が左右幅方向に回動可能に軸支されているため、両蓋体11f,11fは、基体11aの上方に向けて回動されるようになっている。
【0077】
このように第2搬送体11を構成することで、両蓋体11f,11fを基体11aの上方に向けて回動させることで、基体11aの左右に切欠部14を形成させ、両レール8,8と搬送路7の上面とを上方に向けて露呈させ、前述の清掃装置17を用いて両レール8,8と搬送路7の上面との清掃を行うことができる。
【0078】
次に、本実施例におけるノズル29の変形例について説明する。図17(a)及び図17(b)に示すように、ノズル29は、正面側下端部のみ切り欠かれた吸込口29aに形成されている。このようにすることで、吸込口29aに掃除機本体22を駆動させることで発生する吸引力が切り欠かれた吸込口29aに集中するため吸引力が向上し、搬送路7の上面のゴミ等を確実に吸引することができる。
【0079】
尚、本実施例では、搬送路7上に配置された複数の搬送体4のうち、連続する4つを第2搬送体11とし、これら全ての第2搬送体11から蓋体11bを取り外すことで切欠部14を形成したが、清掃装置17による搬送体4の下方の清掃に支障が無い限りであれば、搬送路7上に連続配置される第2搬送体11の数は特に問わない。
【0080】
以上、本実施例における循環型飲食物搬送装置3及びその清掃装置17は、複数枚の搬送体4のうち、少なくとも1枚の第2搬送体11には、駆動チェーン9に連結される基体11aの左右幅方向の両外側部が切り欠かれた切欠部14が形成され、切欠部14を介して第2搬送体11の下方位置の搬送路7を清掃可能に清掃手段23,24を配置できるようになっていることで、駆動チェーン7を駆動させて第2搬送体11とともに清掃装置17を搬送路7に沿って移動させた際に、搬送路7上のゴミ等を清掃手段23,24が取り除くようになっており、第2搬送体11の基体11aの左右幅方向の両外側部が切り欠かれた切欠部14により、搬送路7における清掃体36による清掃可能な範囲が拡大され、かつ搬送体4の左右幅方向の両端部の下方位置に未清掃の部位を残さないようにできる。
【0081】
また、基体11aには、切欠部14を閉塞する蓋体11bが設けられることで、蓋体11bの上面に載置されている飲食物容器から飲食物2の一部がゴミとして零れ落ちても、蓋体11bによって切欠部14が閉塞されるため、基体11aの下方にゴミ等が落ちないようになる。
【0082】
また、蓋体11bは、基体11aの上面に着脱可能に取り付けられ、基体11a及び切欠部14を覆うようになっていることで、基体11aと切欠部14の上方全体を蓋体11bによって間隙の無い平坦な板面として構成でき、液状のゴミ等であっても、蓋体11bによって零れ落ち難くなり、かつ基体11aを有する第2搬送体11の形状を、他の搬送体10の形状と略同一の形状にできる。
【0083】
また、清掃装置17は、清掃手段23,24を搬送路7の曲線路7bに沿って水平方向に回動可能とするT字管27及び掃除機本体22の先端部22’と溝部22a内に配置されたプランジャ30とを備えることで、清掃装置17が取り付けられる第2搬送体11が駆動チェーン9の駆動によって曲線路7bに進入されると、溝部22a及び掃除機本体22の先端部22’と溝部22a内に配置されたプランジャ30とによって清掃手段23,24が曲線路7bに沿って回動されるようになり、清掃装置17が曲線路7bをスムーズに移動することができるとともに、清掃手段23,24による搬送体36の下方の清掃を確実に行うことができる。
【0084】
また、清掃装置17は、清掃手段23,24が搬送路7に近接する状態を維持する近接維持手段32,33,43,45を備えることで、搬送路7上の障害物46が清掃手段23,24に接触して清掃手段23,24が動かされても、近接維持手段32,33,43,45により清掃手段23,24が搬送路7に再び近接し、搬送路7を清掃し続けることができ、搬送路7上をむら無く清掃することができる。
【0085】
また、掃装装置17は、吸引力を発生させる掃除機本体22を備え、清掃手段23,24は、掃除機本体22で発生した吸引力によって第2搬送体11の下方を吸引する吸引部23となっていることで、搬送体4上に載置されている飲食物容器から搬送体4の下方に零れ落ちた固形物のゴミ等を効率的に吸引清掃することができる。
【0086】
また、清掃手段23,24は、第2搬送体11の下方を拭き取る拭取部24となっていることで、搬送体4上に載置されている飲食物容器から搬送体4の下方に零れ落ちた液状のゴミ等を効率的に清掃することができる。
【0087】
また、清掃手段23,24は、清掃手段23,24を搬送体11に対して水平方向にスライド移動可能とするスライド移動手段31bを介して搬送体11に取り付けられることで、清掃装置17が取り付けられる搬送体11が駆動手段9の駆動によって曲線路7bに進入されると、スライド移動手段31bによって清掃手段23,24が水平方向にスライド移動されるようになり、清掃装置17が曲線路7bをスムーズに移動することができる。
【0088】
また、清掃装置17は、清掃装置17を搬送路7の曲線路7bに沿って水平方向に回動可能に支持する軸支手段18bを介して搬送体12に取り付けられることで、清掃装置17が取り付けられる搬送体12が駆動手段9の駆動によって曲線路7bに進入されると、軸支手段18bによって清掃装置17が曲線路7bに沿って回動されるようになり、清掃装置17が曲線路7bをスムーズに移動することができる。
【0089】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0090】
例えば、前記実施例では、清掃装置17に掃除機本体22を設け、掃除機本体22で発生させた吸引力により吸引部23の両ノズル29,29から搬送路7の上面に零れ落ちた飯粒等のゴミ等を吸引するとともに、拭取部24の各拭取ホルダ34,35に収納された清掃体36によって各レール8の上面及び左右幅方向外側端部と、搬送路7の上面及び各側壁7cとからゴミ等を拭き取ることで清掃を行ったが、清掃装置17は、吸引部23と拭取部24とのどちらか一方のみで搬送路7の上面と両レール8,8の上面との清掃を行うようにしてもよい。
【0091】
また、前記実施例では、清掃装置17に掃除機本体22を設け、掃除機本体22で発生させた吸引力により吸引部23の両ノズル29,29から搬送路7の上面に零れ落ちた飯粒等のゴミ等を吸引するとともに、拭取部24の各拭取ホルダ34,35に収納された清掃体36によって各レール8の上面及び左右幅方向の外側端部と、搬送路7の上面及び各側壁7cとからゴミ等を拭き取ることで清掃を行ったが、両ノズル29,29よりも清掃装置17の正面側に搬送路7の上面に摺動可能に当接する剥離片やブラシを設け、搬送路7の上面に飯粒等が付着したまま乾燥した突起等の障害物に図示しない駆動モータの駆動によって剥離片を押し当てたりブラシを回転させることで障害物を搬送路7の上面から剥ぎ取り、この剥ぎ取った障害物を両ノズル29,29で吸入するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0092】
2 飲食物
3 循環型飲食物搬送装置
4 複数枚の搬送体
7 搬送路
7a 直線路
7b 曲線路
8 レール
9 駆動チェーン(駆動手段)
10 第1搬送体
11 第2搬送体
11a 基体(基部)
11b 蓋体(蓋部)
11f 蓋体(蓋部)
12 第3搬送体
12a 基体(基部)
12b 蓋体(蓋部)
14 切欠部
17 清掃装置
18 第1固定ベース
18b 回動軸(軸支手段)
22 掃除機本体(吸引手段)
22’ 先端部(回動手段)
23 吸引部(清掃手段)
24 拭取部(清掃手段)
27 T字管(回動手段)
29 ノズル
30 プランジャ(回動手段)
31 第2固定ベース
31b スライド溝(スライド移動手段)
32 バネ(近接維持手段)
33 メインフレーム(近接維持手段)
34,35 拭取ホルダ
36 清掃体
43 バネ(近接維持手段)
45 ストッパー(近接維持手段)
46 センサ部(障害物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状をなす搬送路と、飲食物を載置した飲食物容器を搬送する複数枚の搬送体と、該複数枚の搬送体を前記搬送路に沿って移動させる駆動手段と、を備える循環型飲食物搬送装置が設けられ、前記搬送体の下方位置の前記搬送路を清掃するための清掃手段を備える清掃装置が前記循環型飲食物搬送装置に取り付けられる循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置であって、
前記複数枚の搬送体のうち、少なくとも1枚の搬送体には、前記駆動手段に連結される基部の左右幅方向の両外側部が切り欠かれた切欠部が形成され、該切欠部を介して前記搬送体の下方位置の前記搬送路を清掃可能に前記清掃手段を配置できるようになっていることを特徴とする循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置。
【請求項2】
前記基部には、前記切欠部を閉塞する蓋部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置。
【請求項3】
前記蓋部は、前記基部の上面に着脱可能に取り付けられ、前記基部及び前記切欠部を覆うようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載の循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置。
【請求項4】
前記清掃装置は、前記清掃手段を前記搬送路の曲線路に沿って水平方向に回動可能とする回動手段を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置。
【請求項5】
前記清掃装置は、前記清掃手段が前記搬送路に近接する状態を維持する近接維持手段を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置。
【請求項6】
前記清掃装置は、吸引力を発生させる吸引手段を備え、前記清掃手段は、前記吸引手段で発生した吸引力によって前記搬送体の下方を吸引する吸引部となっていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置。
【請求項7】
前記清掃手段は、前記搬送体の下方を拭き取る拭取部となっていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置。
【請求項8】
前記清掃手段は、該清掃手段を前記搬送体に対して水平方向にスライド移動可能とするスライド移動手段を介して前記搬送体に取り付けられることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置。
【請求項9】
前記清掃装置は、該清掃装置を前記搬送路の曲線路に沿って水平方向に回動可能に支持する軸支手段を介して前記搬送体に取り付けられることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の循環型飲食物搬送装置及びその清掃装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−83757(P2011−83757A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250367(P2009−250367)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(390010319)株式会社石野製作所 (85)
【Fターム(参考)】