説明

循環流動層ボイラの高温腐食低減装置

【課題】外部熱交換器での高温腐食の問題を解消でき、発電の高効率化を実現できる循環流動層ボイラの高温腐食低減装置を提供すること。
【解決手段】流動層を有する火炉1と、該火炉1から燃焼ガスに同伴して排出された粒子を導入し、該粒子を捕集して下方から排出する粒子捕集装置2と、該粒子捕集装置2により捕集・排出された粒子を外部熱交換器501を経由して前記火炉1に循環させる循環系を備えた循環流動層ボイラにおいて、前記循環系に、互いに共通する仕切壁により仕切られた空間からなる第1流動層3、第2流動層4及び第3流動層5を備えた循環流動層ボイラの高温腐食低減装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガスから液体、固体まで幅広い燃料対応性をもつ循環流動層ボイラの高温腐食低減装置に関し、詳しくは外部熱交換器での高温腐食の問題を解消でき、発電の高効率化を実現できる循環流動層ボイラの高温腐食低減装置に関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物発電は、従来の化石燃料に替わる再生可能エネルギーの安定供給源として、また地球温暖化防止対策として、さらには最終処分場の延命につながる埋め立て量の削減対策等として大きく貢献し、その結果、地球のエネルギー問題、地球の環境問題、そして地域社会問題の改善に寄与するものと期待されている。
【0003】
平成13年6月に提出された2010年度の廃棄物発電導入目標として、新エネルギー全体の3割に相当する417万KWの目標が掲げられている。1999年度の実績が90万KW程度であることから、5倍の設備容量の増加を図る必要があるとされている。
【0004】
また、循環型社会構築に向けた法体系も着々と整備され、見直しが実施され、2003年4月から新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS制度)が完全施行されることから、都市ごみ、下水汚泥、食品廃棄物、農林水産廃棄物、製紙黒液、建築廃材などの廃棄物を対象とした新エネルギー発電の推進が図られるものと予想される。
【0005】
新エネルギー発電の推進において、近年、廃棄物発電分野の核となる廃棄物燃焼からの超高効率発電を可能とする循環流動層ボイラが注目されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−52307号公報
【特許文献2】特開平5−133505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の循環型流動層ボイラは、図5に示すように、流動層を有する火炉50と、粒子捕集装置51と、外部熱交換器52、循環系53、対流伝熱部54、燃焼排ガスダクト55、バグフィルター56を備えている。
【0008】
火炉50の底部に供給される廃棄物などの燃料、補助燃料、砂利や砂などのデンスベッド材、循環ソリッドなどが燃焼空気によって流動化されている状態で燃焼を開始すると、高温の燃焼ガスが発生し、その燃焼ガスはデンスベッド材の一部の粒子を同伴して粒子捕集装置51に送られ粒子が捕集される。
【0009】
粒子捕集装置51で捕集された粒子は、下方に排出され外部熱交換器52に送られて、熱回収される。外部熱交換器52を経由した粒子は冷固体になり、循環系53を介して火炉底部のデンスベッド部に循環ソリッドとして送られ、循環使用される。粒子捕集装置51から分離された分離ガスと灰は対流伝熱部54に送られ、該ガスから熱回収する。その後、灰は燃焼排ガスダクト55を介してバグフィルター56に送られ分離収集される。かかる装置において、外部熱交換器52及び対流伝熱部54で回収された熱を利用して高温高圧の蒸気を発生させている。
【0010】
しかしながら、燃料源である廃棄物中には、塩素やアルカリ金属等の腐食成分が含まれており、これらの濃度が増大して来ると、腐食成分が外部熱交換器に流入し、この部分での高温腐食も無視できないレベルに増大して来るという問題がある。
【0011】
そこで、本発明は、外部熱交換器での高温腐食の問題を解消でき、発電の高効率化を実現できる循環流動層ボイラの高温腐食低減装置を提供することを課題とする。
【0012】
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、腐食成分は微粒子側に多く存在することを見出し、本発明に至ったものである。
【0014】
すなわち、上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0015】
(請求項1)
流動層を有する火炉と、該火炉から燃焼ガスに同伴して排出された粒子を導入し、該粒子を捕集して下方から排出する粒子捕集装置と、該粒子捕集装置により捕集・排出された粒子を外部熱交換器を経由して前記火炉に循環させる循環系を備えた循環流動層ボイラにおいて、
前記循環系に、互いに共通する仕切壁により仕切られた空間からなる第1流動層、第2流動層及び第3流動層を備えており、
前記第1流動層は、該空間の上部に前記粒子捕集装置下部から送られる粒子を導入する粒子導入口を備え、下部に流動化空気を導入する空気導入口を備えてなり、
前記第2流動層は、該空間の下部に流動化空気を導入する空気導入口を備え、上部に粒子と流動化空気の両方を排出する開口部を備え、前記第1流動層と第2流動層の仕切壁の上部は閉塞され、下部に、第1流動層の粒子が該第2流動層に流入する開口部を備えており、
前記第3流動層は、空間内の下部に前記外部熱交換器を備え、該空間の下部に流動化空気を導入する空気導入口を備え、前記第2流動層と前記第3流動層の仕切壁の上部と下部に上部開口部と下部開口部を各々設けてあり、前記空気導入口から導入される流動化空気は上部開口部を通って前記第2流動層に流入し、第2流動層下部の粒子は下部開口部から第3流動層に流入する構造であり、
前記第2流動層と第3流動層の仕切壁に対向する位置に設けられた側壁の下部に、粒子排出口を備えてなり、
前記第1流動層は、前記空気導入口から供給された空気によって前記粒子捕集装置から導入された粒子中の微粒子をブローアップし、前記空間の上部に位置する前記粒子導入口を通って前記粒子捕集装置内部に流れる構造であることを特徴とする循環流動層ボイラの高温腐食低減装置。
【0016】
(請求項2)
前記第1流動層の流動化ガス流速は、0.3〜0.6m/sの範囲であることを特徴とする請求項1記載の循環流動層ボイラの高温腐食低減装置。
【0017】
(請求項3)
前記第2流動層の上部に設けられた開口部は、循環ラインを介して火炉に連結されていることを特徴とする請求項1又は2記載の循環流動層ボイラの高温腐食低減装置。
【0018】
(請求項4)
前記第3流動層の粒子排出口は、循環ラインを介して火炉に連結されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の循環流動層ボイラの高温腐食低減装置。
【0019】
(請求項5)
前記第3流動層の外部熱交換器は、ボイラの過熱器管や蒸発管を浸漬した構成であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の循環流動層ボイラの高温腐食低減装置。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、外部熱交換器での高温腐食の問題を解消でき、発電の高効率化を実現できる循環流動層ボイラの高温腐食低減装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】循環流動層ボイラの高温腐食低減装置の一例を示す説明図
【図2】複数の流動層の配置例を示す平面図
【図3】過熱器の腐食速度を調べた結果を示すグラフ
【図4】燃料中の塩素濃度と外部熱交換器内の塩素濃度の関係を調べた結果を示すグラフ
【図5】従来の循環流動層ボイラの概略説明図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は、循環流動層ボイラの高温腐食低減装置の一例を示す説明図であり、図2は複数の流動層の配置例を示す平面図である。
【0024】
同図において、1は流動層(デンスベッド)を有する火炉である。本発明において、火炉1の構造は特に限定されるわけではないが、好ましくは、該火炉1の底部に空塔速度の大きいデンスベッド部100が形成され、上部に空塔速度の小さい火炉本体101が形成されていることが好ましい。
【0025】
デンスベッド部100は、燃料源となる廃棄物、補助燃料、燃焼用空気、循環ソリッド、デンスベッド材などを供給できる構造になっており、燃焼用空気が供給されると、デンスベッド部100内は激しく流動化され、混合攪拌される。
【0026】
廃棄物としては、建築廃材チップ、下水汚泥、農林廃棄物、食品廃棄物、RDF(Rufuse Derived Fuel)等の再生可能エネルギー及びRPF(Rufuse Paper & Plastic Fuel)、廃タイヤ等の産業廃棄物などが挙げられる。
【0027】
補助燃料としては、重油、軽油などの液体燃料や、都市ガス、プロパンガスなどの気体燃料、石炭などの固体燃料を用いることができ、これらの補助燃料は上記の1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。液体燃料、気体燃料、固体燃料を各々用意しておいて切り替え可能にしておくことも好ましい。
【0028】
燃焼用空気は予め予熱されていると燃焼速度を上昇させる上で好ましい。
【0029】
デンスベッド材としては、砂利や砂、セラミック粒子などを用いることができ、流動状態で燃焼しているときに熱保有をする役割を主に果たしている。
【0030】
循環ソリッドは、デンスベッド材の一部が火炉1から外部に排出された後熱回収されて再度火炉1に戻される粒子である。
【0031】
デンスベッド部100では、廃棄物、補助燃料、デンスベッド材、循環ソリッドなどが燃焼用空気によって流動化された状態で、着火されると、激しく燃焼し、高温燃焼し、火炉1内で900℃程度の燃焼ガスを発生する。
【0032】
この燃焼ガスには流動層(デンスベッド)を形成するデンスベッド材の一部が循環ソリッド(粒子)として同伴し、燃焼ガスダクト102を介して粒子捕集装置2に導かれる。
【0033】
粒子捕集装置2で燃焼ガスに同伴して排出された粒子が分離される。粒子捕集装置2としては、粒子を捕集できる例えばサイクロンを用いることができる。
【0034】
以下、粒子捕集装置2をサイクロン2という。
【0035】
本発明では、サイクロン2で分離された粒子が循環系を介してデンスベッド部100に戻される過程に、本発明特有の第1流動層3、第2流動層4、第3流動層5を備えている。
【0036】
なお、本発明は、第1流動層3、第2流動層4及び第3流動層5の3つの流動層を備えただけの態様であるが、以下の説明では4つの流動層3、4、5、6を設けた態様を用いて本発明について説明する。
【0037】
前記第1流動層3、第2流動層4、第3流動層5及び第4流動層6は、互いに共通する仕切壁300、400、500により仕切られた空間が基本的形態である。
【0038】
前記第1流動層3は、該空間の上部に前記サイクロン2下部から送られる粒子を導入する粒子導入口301を備え、下部に流動化空気を導入する空気導入口302を備えている。
【0039】
該空気導入口302から第1流動層3内に供給された空気は、前記粒子導入口301を通って前記サイクロン内部に流れる構造である。かかる構造によって、サイクロン2の下部からの空気ブローアップを可能にし、その結果サイクロン2における粒子捕集性能を制御できる。粒子捕集性能を制御するには、空気導入口302からの導入空気量を調整することによって実施できる。かかる空気のブローアップによると、粒子中の微粒子(粒径、比重の小さいもの)が、サイクロン2まで上昇し、対流伝熱部に輸送される。外部熱交換器における高温腐食の原因は微粒子の影響が大きいので、微粒子を外部熱交換器の前で排出できれば高温腐食の原因を除去できる効果がある。
【0040】
第1流動層3の流動化ガス流速は、サイクロン2での捕集する粒子のなかの微粒子をブローアップするため、比較的大きく設定されることが好ましく、具体的には0.3〜0.6m/sの範囲である。また第1流動層3内の温度は火炉温度と同じ850〜900℃の範囲である。従って、サイクロン2にブローアップされるガスの温度は850〜900℃程度の範囲である。
【0041】
前記第2流動層4は、該空間の下部に流動化空気を導入する空気導入口401を備え、上部に粒子と流動化空気の両方を火炉に排出する開口部402を備えている。そして前記第1流動層3と第2流動層4の仕切壁300の下部に、第1流動層3の粒子が該第2流動層4に流入する開口部403を備えている。
【0042】
この形態では、開口部403は仕切壁300の下部に形成されているので、第1流動層3から第2流動層4に送られる粒子は、第1流動層3で除去できなかった微粒子であり、これらの粒子は空気導入口401から供給される流動化空気によって開口部402から排出される。このように第1流動層3で除去できなかった腐食成分である微粒子を第2流動層4でパージ(除去)する構成にしているので、外部熱交換器の高温腐食対策が更に可能になる。開口部402は、火炉1のデンスベッド部100に循環ライン404を介して連結されている。このため、腐食成分である循環ソリッド(粒子)は火炉1に送られる。
【0043】
第2流動層4の流動化ガス流速は、通常の発達した流動層を形成するために0.2〜0.4m/sの範囲に設定されることが好ましい。
【0044】
第2流動層4内の温度は火炉と同じ850〜900℃の範囲である。
【0045】
前記第3流動層5は、空間内の下部に外部熱交換器501を備え、該空間の下部に流動化空気を導入する空気導入口502を備えている。前記第2流動層4と前記第3流動層5の仕切壁400の上部と下部には、上部開口部503と下部開口部504が各々設けられている。
【0046】
このような構造であるので、前記空気導入口502から導入される流動化空気は上部開口部503を通って前記第2流動層4に流入する。この空気の流れを利用して第3流動層5内の腐食成分である微粒子を第2流動層4にパージして除去する作用を呈する。
【0047】
この第3流動層5では熱交換器501によってガス温度は550〜650℃程度に低下しているので、粒子は溶融状態でなくなっており、粘性が低下している。このため腐食成分である微粒子と、比重の重い比較的大きな粒子は分離し易い。この作用を本発明では効果的に利用できる。
【0048】
この態様の構造では、第2流動層4内の比較的大きな粒子は下部開口部504から第3流動層5に流入する構造となっている。
【0049】
この外部熱交換器501は、特に限定されないが、例えばボイラの過熱器管や蒸発管を浸漬した構成であることが好ましい。本発明ではこれらの過熱器管や蒸発管の高温腐食を低減させることが可能となる。
【0050】
第3流動層5の流動化ガス流速は、浸漬されている伝熱管の摩耗を防止するため、比較的遅い流速に設定されることが好ましく、具体的には流動化ガス流速は0.2m/s程度に設定されることが好ましい。
【0051】
第4流動層6は、第3流動層5との仕切壁500の下部に、開口部600を備えている。また該開口部600を介して前記第3流動層5の粒子が第4流動層6に流入する構造になっている。また該第4流動層6空間の下部には流動化空気を導入する空気導入口601を備えている。
【0052】
該第4流動層6の側壁602下部には粒子排出口603を備えている。そして該第4流動層6の上部には空気出口管604を備えており、該空気出口管604は対流伝熱部7からバグフィルター8に至る燃焼排ガスダクト700に接続されている。
【0053】
第4流動層6の流動化ガス流速は、分離効率アップのため、流速は高く設定されることが好ましく、具体的には0.3〜0.6m/sの範囲に設定される。
【0054】
また第4流動層6内のガス温度は、500〜600℃程度と比較的低いので、粒子粘性は少なく、分離がし易い状態にある。このため流動化空気が供給されると、前工程で分離されなかった微粒子と、比較的大きな微粒子は簡単に分離され、大きな粒子は粒子排出口603から循環ライン605を介して火炉1に循環ソリッドとして送られ循環使用される。一方、空気出口管604から排出された微粒子は燃焼排ガスダクト700を介してバグフィルター8に送られて除去される。
【0055】
サイクロン2から排出された分離ガスと灰は、対流伝熱部7に導入される。対流伝熱部7では熱交換器によって分離ガスから熱回収する。分離ガスと灰は熱回収後、該対流伝熱部7から燃焼排ガスダクト700を介してバグフィルター8に送られ、灰が除去される。分離されたガスはバグフィルター8から系外に排出され、例えば排ガス処理などが行われる。
【0056】
本発明は、以上の実施の形態で、第4流動層6を設けない態様である。従って、本発明は、第3流動層5の側壁(仕切壁)500の底部の開口部600を粒子排出口とすることにより、第3流動層5で分離された粒子は、循環ライン605を介して火炉1に送られる構成となる。
【実施例】
【0057】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されない。
【0058】
実施例1
燃料としてRPFを用いた燃焼試験によって腐食成分と粒子径の関係を調べたところ、表1に示す結果が得られた。尚、表1中、EHEは外部熱交換器の略称である。
【0059】
【表1】

【0060】
表1の結果から、Cl、S、Fのような腐食成分は、53μm以下の粒子径の成分比が大きいことがわかる。
【0061】
実施例2
本発明装置を用いて廃棄物燃焼における過熱器の腐食速度を調べた。また比較のために図5に示す装置を用いて同様の腐食速度を調べた。
【0062】
その結果を図3に示す。図3は横軸が燃料中の塩素濃度であり、縦軸は過熱器管(材質:SUS310S)の最大腐食深さ(mm/年)を示している。
【0063】
図3から明らかなように、燃料中の塩素濃度1%程度においても、過熱器管の腐食速度は0.5mm/年以下に低減されていることがわかる。
【0064】
これは本発明の装置では外部熱交換器内の塩素濃度が従来装置に比べ小さい値に保持されているからである。このことを更に確認するために、燃料中の塩素濃度と外部熱交換器内の塩素濃度の関係を調べたところ、図4のような結果が得られた。
【0065】
実施例3
図1に示す装置において、燃料として、建築廃材チップ、下水汚泥、農林廃棄物、食品廃棄物、RDF等の再生可能エネルギー及びRPF、廃タイヤ等の産業廃棄物を混合した廃棄物(塩素濃度:1%含有)燃料を用いて、ボイラ管の腐食実験を行った。
【0066】
その結果、蒸気圧力:130Kg/cmG、蒸気温度:550℃、発電端効率:38%クラスの高効率発電が可能である事を確認した。
【0067】
また過熱器腐食速度は0.5mm/年以下であり、排ガス中の公害成分を測定したところ、以下のような結果が得られた。
【0068】
NO<100ppm(O=6%)
SO<100ppm(O=6%)
CO <50ppm(O=6%)
DXN類0.1ng/Nm以下
【符号の説明】
【0069】
1:火炉
100:デンスベッド部
101:火炉本体
102:燃焼ガスダクト
2:粒子捕集装置(サイクロン)
3:第1流動層
4:第2流動層
5:第3流動層
6:第4流動層
300、400、500:仕切壁
301:粒子導入口
302:空気導入口
401:空気導入口
402:開口部
403:開口部
404:循環ライン
501:外部熱交換器
502:空気導入口
503:上部開口部
504:下部開口部
600:開口部
601:空気導入口
602:側壁
603:粒子排出口
604:空気出口管
605:循環ライン
7:対流伝熱部
700:燃焼排ガスダクト
8:バグフィルター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動層を有する火炉と、該火炉から燃焼ガスに同伴して排出された粒子を導入し、該粒子を捕集して下方から排出する粒子捕集装置と、該粒子捕集装置により捕集・排出された粒子を外部熱交換器を経由して前記火炉に循環させる循環系を備えた循環流動層ボイラにおいて、
前記循環系に、互いに共通する仕切壁により仕切られた空間からなる第1流動層、第2流動層及び第3流動層を備えており、
前記第1流動層は、該空間の上部に前記粒子捕集装置下部から送られる粒子を導入する粒子導入口を備え、下部に流動化空気を導入する空気導入口を備えてなり、
前記第2流動層は、該空間の下部に流動化空気を導入する空気導入口を備え、上部に粒子と流動化空気の両方を排出する開口部を備え、前記第1流動層と第2流動層の仕切壁の上部は閉塞され、下部に、第1流動層の粒子が該第2流動層に流入する開口部を備えており、
前記第3流動層は、空間内の下部に前記外部熱交換器を備え、該空間の下部に流動化空気を導入する空気導入口を備え、前記第2流動層と前記第3流動層の仕切壁の上部と下部に上部開口部と下部開口部を各々設けてあり、前記空気導入口から導入される流動化空気は上部開口部を通って前記第2流動層に流入し、第2流動層下部の粒子は下部開口部から第3流動層に流入する構造であり、
前記第2流動層と第3流動層の仕切壁に対向する位置に設けられた側壁の下部に、粒子排出口を備えてなり、
前記第1流動層は、前記空気導入口から供給された空気によって前記粒子捕集装置から導入された粒子中の微粒子をブローアップし、前記空間の上部に位置する前記粒子導入口を通って前記粒子捕集装置内部に流れる構造であることを特徴とする循環流動層ボイラの高温腐食低減装置。
【請求項2】
前記第1流動層の流動化ガス流速は、0.3〜0.6m/sの範囲であることを特徴とする請求項1記載の循環流動層ボイラの高温腐食低減装置。
【請求項3】
前記第2流動層の上部に設けられた開口部は、循環ラインを介して火炉に連結されていることを特徴とする請求項1又は2記載の循環流動層ボイラの高温腐食低減装置。
【請求項4】
前記第3流動層の粒子排出口は、循環ラインを介して火炉に連結されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の循環流動層ボイラの高温腐食低減装置。
【請求項5】
前記第3流動層の外部熱交換器は、ボイラの過熱器管や蒸発管を浸漬した構成であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の循環流動層ボイラの高温腐食低減装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−8043(P2010−8043A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−237137(P2009−237137)
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【分割の表示】特願2007−11684(P2007−11684)の分割
【原出願日】平成15年3月11日(2003.3.11)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】