説明

微小ワークの外観検査装置

【課題】 微小ワークを検査し易いように所定間隔に揃えながら高速搬送することが可能であるとともに、ワーク吸着ミスが生じ難い構成の外観検査装置を提供する。
【解決手段】 第1のインデクサ4がフィーダ3によって整列搬送されたワーク20に背後上方から接近し当該ワークを追い越す際にエア吸着して掬い上げるようにして吸着固定して搬送して直接受け渡す構成とし、ワーク20をいったん減速あるいは停止させる中継ガイド部材をなくして、ワーク搬送速度を落とさずに、その間隔を狭めることなくワーク20を受渡しながら外観検査する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小ワークの外観検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯情報端末やデジタルカメラなどの電子機器は、実装部品を多数高密度実装することで、小型・薄型化を実現している。高密度実装にともない、その寸法はさらに小型・薄型化が進んでおり、これらの実装部品は通称、微小ワークと呼ばれている。なお、本明細書では、半導体素子、水晶振動子、水晶素子(SMD水晶素子)、SAWフィルタ素子、チップコンデンサ、抵抗、コイル、端子、基板、シート、フィルム等の多面体形状の実装部品を微小ワークと表現するか、または一部省略してワークと表現している。
【0003】
微小ワークは、一旦、バルクケースにまとめてバラ状に包装される場合が多く、バルクケースからランダムな状態で取り出されたワークは、整列搬送されながら外観検査され、外観判別(良否選別やクラス分け)されて次工程に移される。次工程としては、ワークの電気検査工程、ワークの基板実装工程、ワークをテーピングやマガジン詰め等を行う包装工程などがある。
【0004】
近年、外観検査における撮像カメラと画像処理技術は、その高速・高精度化がめざましく、微小ワークの外観検査を高速かつ高精度に行なう上での障害とはならず、ますますその余裕度が増してきている。いっぽうで、微小ワークの全表面、例えば直方体であれば6面すべてを高精度に外観検査するためには、これら微小ワークを整列しかつ一定間隔を離して画像処理部に搬送しなければならないが、従来の搬送機構では、すでに処理速度の限界に達してきている。つまり、微小ワークを5,000[個/分]以上の速度で良否判定し外観判別しようとしても、微小ワークを安定してインデクサに受け渡すことができなくなっている。それゆえこのインデクサへの受渡しの問題を解消しない限り、外観検査装置全体の機能向上を望めなくなってきている。なお、ここで、インデクサとは、円板形状で、その回転軸が水平方向に配されたワーク搬送機構であり、円板形状の外周に所定間隔で形成された吸着口によってワークをエア吸着して回転軸で回転し搬送する搬送機構のことである。
【0005】
既知の整列搬送機構や整列搬送機構を備えた外観検査装置(以下、省略して外観検査装置と表記する)では、ワーク間隔が狭くなるフィーダからワーク間隔が大きくなるインデクサへの確実なワークの受渡しために、その中継個所にワークをいったん減速あるいは停止させる中継ガイド部材を介している。
【0006】
特許文献1には、整列フィーダと、中継ガイド手段と、第1及び第2ロータ(第1及び第2インデクサに相当)とを備えたチップ部品の自動分離供給装置が記載されており、上記中継ガイド手段が非振動部で構成されているとの記述がある(その請求項3)。 特許文献2には、第1及び第2フィーダのそれぞれの上方に各々の周面が位置するよう立設させた円形の第1及び第2テーブル(第1及び第2インデクサに相当)を備えた外観検査装置が記載されており、第1フィーダの先端部が無振動状態とされているとの記述がある(その段落0016)。 特許文献3には、ワークを整列搬送するフィーダと、フィーダから整列搬送されるワークを中継して搬送する搬送溝を有する無振動中継台と、無振動中継台からワークを受け取り回転搬送する第1の回転インデクサと、第1の回転インデクサの下方側に配され回転搬送する第2の回転インデクサを備えた外観検査装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3817926号公報
【特許文献2】特許第4219142号公報
【特許文献3】特許第3814278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の外観検査装置では、ワークを高速搬送することが困難である。つまり、ワーク間隔が狭くなるフィーダからワーク間隔が大きくなるインデクサへの確実なワークの受渡しのために、その中継個所にワークをいったん減速あるいは停止させる中継ガイド部材を介しているために、ワークの受渡し速度を上げようとすると、この受渡し部がボトルネックとなり、高速搬送し難い構成である。また、装置トラブルによって何らかの停止原因が発生してインデクサ部が停止したとしても、フィーダがその構造上緊急停止できないため、その受渡し部にワークが溜ってしまい、これを除去しないと再運転できないという装置操作上の煩わしさがある。
【0009】
また、従来の外観検査装置では、中継ガイド部材を介しているが故に、フィーダと第1インデクサを非同期としている。例えば、振動式フィーダとした場合、ワーク搬送速度は、搬送面の振動状態(振動周波数、振幅、振動波形)、搬送面の表面状態、搬送面の傾斜角度、ワーク形状、ワーク表面状態、湿度、温度、その他の影響を受けて変動する。そして、ワーク搬送速度がばらつくことで、個々のワーク間の間隔(ワーク間隔)がばらついてしまい、撮像タイミングが合わなくなる。そこで、中継ガイド部材を介している方式では、後続のワークが先頭のワークを押出すやり方によってワーク間の隙間(またはワーク間隔)をいったんゼロとし、ワーク搬送速度が、中継ガイドに乗っているワークの個数分に応じた値に平均化されることを期待して中継ガイド部材を設置している。このため、中継ガイド部材を介している方式で仮に同期制御したとしても、フィーダ側の搬送速度を減速させ、その後の受渡しで急加速することに変わりはなく、せっかく発生したワークの隙間をなくしており、高速化に不利な構成となっている。
【0010】
特に、特許文献1と2記載の外観検査装置のように、下側に配されたフィーダから上側に配されたインデクサ(第1インデクサ)へと微小ワークを受渡して搬送する方式の場合は、ワークの吸着ミスが生じ易い。つまり、ワークをフィーダからインデクサへ確実に受渡しするには、インデクサの吸着口のサイズはワークを吸着して持ち上げるだけの大きさが必要となるが、ワーク受渡しの中継個所にワークをいったん減速あるいは停止させる中継ガイド部材を介しているために、フィーダ上のワークの間隔がなくなっていることから、インデクサの吸着口に前後のワークの境目が直面すると前後2個のワークを吸着してしまうという不具合が発生する。
【0011】
上述した従来技術の問題点に鑑みて、本発明の目的は、微小ワークを検査し易いように所定間隔に揃えながら高速搬送することが可能であるとともに、ワーク吸着ミスが生じ難い構成の外観検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の微小ワークの外観検査装置は、ワークを整列搬送するフィーダと、円板形状の外周に所定間隔で形成された吸着口によってフィーダ上のワークをエア吸着して回転軸で回転して搬送するインデクサと、搬送中のワークを撮像するため複数個所に配された撮像カメラと、これら撮像カメラから送出された撮像信号によって搬送中のワークを良否判定する判定回路と、前記インデクサに近接配置された良否選別部と、当該良否選別部に設けられた複数の排出口から良否判定されたワークをそれぞれ対応させて排出する排出手段と、これらを制御する制御回路を備え、前記フィーダによるワーク搬送軌道とインデクサの回転軌道との近接点において前記フィーダによるワーク搬送方向と前記インデクサによるワーク搬送方向とが一致するように前記インデクサが配されて回転する構成とされ、前記インデクサが回転しその吸着口が前記フィーダによって整列搬送されたワークに接近し当該ワークを追い越す際にエア吸着して搬送し、前記フィーダと前記インデクサとで搬送されるワークを複数個所に配された前記撮像カメラが撮像して撮像信号を送出し、前記判定回路が送出された撮像信号から対象となるワークを良否判定し、前記排出手段が良否判定されたワークを前記排出口からそれぞれ対応させて排出することを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、前記インデクサの吸着口が前記フィーダによって整列搬送されたワークに接近し当該ワークを追い越す際にエア吸着し吸着固定しながら搬送し受け渡すことから、前記ワークはフィーダからインデクサへと直接受渡しされ、ワークをいったん減速あるいは停止させる中継ガイド部材をなくすことで、ワーク搬送速度を落とさずに、その間隔を狭めることなくワークを受渡しながら外観検査する。そして、前記ワークを受渡す際の搬送方向がほぼ平行であるためワーク受渡しの際の衝撃力を極力抑えることができ、微小ワークを安定して、かつ高速に処理することができる。また、前記フィーダより搬送されるワーク間隔を前記吸着口のサイズ程度以上としておくことで、前後2個のワークを吸着してしまうという不具合が発生せず、ワーク吸着ミスが生じ難い構成となる。
【0014】
本発明では、前記インデクサは、前記フィーダの直上に配置される。前記インデクサを前記フィーダの直上に配置することで、前記インデクサの吸着口が前記フィーダによって整列搬送されたワークに背後上方から接近し当該ワークを追い越す際にエア吸着して掬い上げるようにして吸着固定して搬送し受け渡すことから、搬送中の前記ワークに無理な力がかかることなく、より確実なワークの受渡しができる。なお、前記インデクサを前記フィーダの直上に配置するとは、前記フィーダによって整列搬送されるワークの上方に前記インデクサの吸着口が位置することであり、真上のみならず、斜め上方をも含んで直上と表現している。
【0015】
本発明の微小ワークの外観検査装置は、ワークを整列搬送するフィーダと、円板形状の外周に所定間隔で形成された第1の吸着口によってフィーダ上のワークをエア吸着して第1の回転軸で回転し搬送する第1のインデクサと、円板形状の外周に所定間隔で形成された第2の吸着口によって第1のインデクサ上のワークをエア吸着し第2の回転軸で逆回転し搬送する第2のインデクサと、搬送中のワークを撮像するため複数個所に配された撮像カメラと、これら撮像カメラから送出された撮像信号によって搬送中のワークを良否判定する判定回路と、前記第2のインデクサに近接配置された良否選別部と、当該良否選別部に設けられた複数の排出口から良否判定されたワークをそれぞれ対応させて排出する排出手段と、これらを制御する制御回路を備え、前記フィーダによるワーク搬送軌道と前記第1のインデクサの回転軌道との近接点において前記フィーダによるワーク搬送方向と前記第1のインデクサによるワーク搬送方向とが一致するように前記第1のインデクサが配されて回転し、前記第1のインデクサの回転軌道と前記第2のインデクサの回転軌道との近接点において前記第1のインデクサによるワーク搬送方向と前記第2のインデクサによるワーク搬送方向とが一致するように前記第2のインデクサが配されて逆回転する構成とされ、前記第1のインデクサが回転しその第1の吸着口が前記フィーダによって整列搬送されたワークに接近し当該ワークを追い越す際にエア吸着して搬送し、前記第2のインデクサが逆回転しその第2の吸着口が前記第1のインデクサによって整列搬送されたワークに接近し当該ワークを追い越す際にエア吸着して搬送し、前記第1のインデクサと前記第2のインデクサとで搬送されるワークを複数個所に配された前記撮像カメラが撮像して撮像信号を送出し、前記判定回路が送出された撮像信号から対象となるワークを良否判定し、前記排出手段が良否判定されたワークを前記排出口からそれぞれ対応させて排出することを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、前記第1のインデクサの吸着口が前記フィーダによって整列搬送されたワークに接近し当該ワークを追い越す際にエア吸着し吸着固定しながら搬送し受け渡すことから、前記ワークはフィーダから第1のインデクサへと直接受渡しされ、ワークをいったん減速あるいは停止させる中継ガイド部材をなくすことで、ワーク搬送速度を落とさずに、その間隔を狭めることなくワークを受渡しながら外観検査する。より具体的には、前記第1のインデクサが回転しその第1の吸着口が前記フィーダによって整列搬送されたワークに接近し当該ワークを追い越す際にエア吸着して搬送し、前記第2のインデクサが逆回転しその第2の吸着口が前記第1のインデクサによって整列搬送されたワークに接近し当該ワークを追い越す際にエア吸着して搬送し、前記第1のインデクサと前記第2のインデクサとで搬送されるワークを複数個所に配された前記撮像カメラが撮像して撮像信号を送出し、前記判定回路が送出された撮像信号から対象となるワークを良否判定し、前記排出手段が良否判定されたワークを前記排出口からそれぞれ対応させて排出することで、微小ワークを検査し易いように前記フィーダによって所定間隔に揃えながら高速搬送し、ワーク搬送速度を落とさずに、その間隔を狭めることなく前記フィーダから第1のインデクサへの確実なワークの受渡しをすることが可能となる。そして、前記ワークを受渡す際の搬送方向がほぼ平行であるためワーク受渡しの際の衝撃力を極力抑えることができ、微小ワークを安定して、かつ高速に処理することができる。また、前記フィーダより搬送されるワーク間隔を前記第1の吸着口のサイズ程度以上としておくことで、前後2個のワークを吸着してしまうという不具合が発生せず、ワーク吸着ミスが生じ難い構成となる。
【0017】
本発明では、前記第1のインデクサは、前記フィーダの直上に配置される。前記第1のインデクサを前記フィーダの直上に配置することで、前記第1のインデクサの吸着口が前記フィーダによって整列搬送されたワークに背後上方から接近し当該ワークを追い越す際にエア吸着して掬い上げるようにして吸着固定して搬送し受け渡すことから、搬送中の前記ワークに無理な力がかかることなく、より確実なワークの受渡しができる。なお、前記第1のインデクサを前記フィーダの直上に配置するとは、前記フィーダによって整列搬送されるワークの上方に前記第1のインデクサの吸着口が位置することであり、真上のみならず、斜め上方をも含んで直上と表現している。
【0018】
前記第2のインデクサは、前記第1のインデクサによって整列搬送されたワークを受け渡すことができる位置であって、前記撮像カメラや前記良否選別部と干渉しない位置であれば、特に配置制限がなく、例えば、前記第2のインデクサを前記第1のインデクサの直上(真上や斜め上方)に配置したり、真横に配置したりすることができる。前記第1のインデクサを前記フィーダの直上に配置し、前記第2のインデクサを前記第1のインデクサの直上に配置する構成とすれば、装置の設置床面積が少なくて済み、省スペースが図られる。
【0019】
前記排出手段としては、エア噴射流を利用したものや、エア吸着を利用したものなどが挙げられる。例えば、前記判定回路の良否判定信号を受けた前記制御回路が、前記インデクサ(第1のインデクサや第2のインデクサ)上でワーク解放用の噴射口へのエア噴射流を制御して個々のワークを選別し分離回収する構成とすれば、ワークの分離回収が簡易かつ確実にできる。前記排出手段としては、例えば前記インデクサ(第1のインデクサや第2のインデクサ)の内部に微小ワークを解放するための噴射配管を設けてエア噴射流を利用することや、また例えば微小ワークをエア吸着するための吸着配管を前記インデクサ(第1のインデクサや第2のインデクサ)に近接配置することなどが挙げられる。
【0020】
ここで、前記フィーダのワーク搬送速度を符号V1とし、前記第1のインデクサのワーク搬送速度を符号V2とし、前記第2のインデクサのワーク搬送速度を符号V3とすると、これら搬送速度V1,V2,V3の関係を従来の外観検査装置に当てはめて考えると、搬送速度V3が搬送速度V2と同じか大きな値に設定され(V3≧V2)、搬送速度V2が搬送速度V1と同じか大きな値に設定される(V2≧V1)。
【0021】
本発明は、前記インデクサのワーク搬送速度が前記フィーダのワーク搬送速度よりも大きく設定されており、前記制御回路が前記インデクサと前記フィーダとを同期制御することを特徴とする。 また本発明は、前記第1のインデクサのワーク搬送速度が前記フィーダのワーク搬送速度よりも大きく設定されており、前記制御回路が前記第1のインデクサと前記フィーダを同期制御することを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、前記インデクサ(第1のインデクサ)のワーク搬送速度が前記フィーダのワーク搬送速度よりも大きく設定されており、前記制御回路が前記インデクサ(第1のインデクサ)と前記フィーダとを同期制御することで、ピッキングミスのない正確なワークの受渡しが容易となる。なお、前記フィーダが振動型の場合には、そのワーク搬送速度が変動することがあり、その場合は、時間当たりのワーク搬送個数からワーク搬送速度を算出する方法や、前記フィーダのワーク搬送速度の最大値を採用するなどしてもよい。
【0023】
ここで、前記第2のインデクサの第2の吸着口の間隔と前記第1のインデクサの第1の吸着口の間隔との関係を従来の外観検査装置に当てはめて考えると、前記第2の吸着口の間隔が前記第1の吸着口の間隔と同じか大きな値に設定される。
【0024】
本発明は、前記第2の吸着口の間隔が前記第1の吸着口の間隔よりも大きく設定されるとともに、前記第2のインデクサのワーク搬送速度が前記第1のインデクサのワーク搬送速度よりも大きく設定されており、前記制御回路が前記第2のインデクサ,前記第1のインデクサ,及び前記フィーダを同期制御することを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、前記第2の吸着口の間隔が前記第1の吸着口の間隔よりも大きく設定されるとともに、前記第2のインデクサのワーク搬送速度が前記第1のインデクサのワーク搬送速度よりも大きく設定されていることで、前記第2のインデクサへと受渡されたワークの間隔がさらに大きくなり、前記撮像カメラによって前記ワークの正面、背面、右側面、左側面などを多面的(多角度的)に撮像することが容易となる。そして、前記制御回路が前記第2のインデクサ,前記第1のインデクサ,及び前記フィーダを同期制御することで、ピッキングミスのない正確なワークの受渡しが容易となり、複数の撮像カメラからの撮像データを照合させることが容易となる。例えば、前記ワークが直方体であり、その6面すべてを高精度に外観検査するには、前記第1のインデクサによって搬送中のワークの底面を撮像し、前記第2のインデクサによって搬送中のワークの上面、正面、背面、右側面、及び左側面を撮像することが好ましく、本発明によれば、同一のワークを複数の撮像カメラ、例えば6台の撮像カメラで撮像した撮像データを正確に照合させることができる。
【0026】
本発明は、前記フィーダで搬送されるワークを非接触で検出するセンサが配されており、このセンサからの検出信号を受けた前記制御回路が前記フィーダで搬送されるワークの時間当たりの搬送個数から前記フィーダのワーク搬送速度を算出することを特徴とする。
【0027】
本発明によれば、前記フィーダで搬送されるワークを前記センサが非接触で検出し、このセンサからの検出信号を受けた前記制御回路が前記フィーダで搬送されるワークの時間当たりの搬送個数から前記フィーダのワーク搬送速度を算出することで、ワークの流れを直接測定して速度制御することとなり、より精度の高い正確な制御ができる。前記センサとしては、非接触式センサであればよく、例えば、光センサ、赤外線センサ、磁気センサ、超音波センサ等が挙げられる。
【0028】
前記フィーダとしては、直進式フィーダ、回転円板式フィーダ、または回転円板と無限軌道ベルトを組み合わせたベルト式フィーダなどが挙げられる。特に、振動型フィーダ、例えば振動型直進式フィーダにおいて、前記センサを用いた速度制御が効果的である。
【0029】
本発明は、前記フィーダが直進式フィーダであり、前記フィーダ出口の下方側には、トラブルによってワークの受け渡し部にワークが溜まらないようにするために、前記フィーダから前記インデクサ又は前記第1のインデクサへの受渡し位置を通過し落下したワークを回収するスロープ付きの回収ガイドが付設されていることを特徴とする。
【0030】
本発明によれば、例えば、何らかの装置トラブルによって装置が停止するなどして前記直進式フィーダから前記インデクサ(前記第1のインデクサ)への受渡し位置を通過したワークがあったとしても、そのワークを回収するスロープ付きの回収ガイドが付設されていることで、そのワークを前記フィーダに溜らせることなく、これを確実にかつ簡単に回収するために、再運転時の操作が、従来に比べて飛躍的に簡単にできる。
【0031】
本発明は、前記フィーダが回転円板式フィーダまたは回転円板と無限軌道ベルトを組み合わせたベルト式フィーダのいずれかであることを特徴とする。
【0032】
本発明によれば、前記フィーダが回転円板式フィーダまたは回転円板と無限軌道ベルトを組み合わせたベルト式フィーダのいずれかとすることで、前記フィーダによるワーク搬送速度が安定し前記制御回路により速度制御することが容易である。そして、前記制御回路が前記第2のインデクサ,前記第1のインデクサ,及び前記フィーダを同期回転させることで、前記フィーダから前記第2のインデクサまでの確実なワークの搬送が可能となり、前記ワークのピッキングミスをなくすことが容易となる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、微小ワークをいったん減速あるいは停止させる中継ガイド部材をなくした構成となっており、前記ワークはフィーダからインデクサへと直接受渡しされる。すなわち、前記インデクサ(第1のインデクサ)の吸着口が前記フィーダによって整列搬送されたワークに接近し当該ワークを追い越す際にエア吸着して掬い上げるようにして吸着固定して搬送し受け渡すことから、前記ワークはフィーダからインデクサへと直接受渡しされ、ワーク搬送速度を落とさずに、その間隔を狭めることなくワークを受渡しながら外観検査する。本発明によれば、前記制御回路が前記第2のインデクサ,前記第1のインデクサ,及び前記フィーダを同期制御することで、ピッキングミスのない正確なワークの受渡しが容易となる。本発明によれば、前記第2の吸着口の間隔が前記第1の吸着口の間隔よりも大きく設定されていることで、前記第1のインデクサから前記第2のインデクサへと受渡されたワークの間隔がさらに大きくなり、前記撮像カメラによって前記ワークの正面、背面、右側面、左側面などを多面的(多角度的)に撮像することが容易となる。したがって、微小ワークを検査し易いように所定間隔に揃えながら高速搬送するとともに、ワーク吸着ミスが生じ難い構成の外観検査装置が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態の微小ワークの外観検査装置を例示する側面図である。
【図2】上記実施形態の外観検査装置におけるフィーダから第1のインデクサへの受渡し部を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)はB方向から見た矢視図であり、(c)は点線Cで囲んだ部分を拡大して示す図である。
【図3】上記実施形態の外観検査装置における第1のインデクサから第2のインデクサへの受渡し部を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は点線Cで囲んだ部分を拡大して示す図である。
【図4】上記実施形態の外観検査装置におけるフィーダを振動型直進式フィーダとした構成例を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は正面図である。
【図5】上記実施形態の外観検査装置におけるフィーダから第1のインデクサへの受渡し状態を示す図であり、ワーク搬送速度とワーク間隔が比較的大きい場合の例である。
【図6】上記実施形態の外観検査装置におけるフィーダから第1のインデクサへの受渡し状態を示す図であり、ワーク搬送速度とワーク間隔が比較的小さい場合の例である。
【図7】上記実施形態の外観検査装置におけるフィーダから第1のインデクサへの受渡し状態を示す図であり、ワーク搬送速度が一定でワーク間隔変動する場合の例である。
【図8】本発明を適用した第2の実施形態の微小ワークの外観検査装置を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は点線Cで囲んだ部分を拡大して示す図である。
【図9】本発明を適用した第3の実施形態の微小ワークの外観検査装置を例示する図であり、(a)は平面図であり、(b)はB方向から見た矢視図である。
【図10】上記実施形態の外観検査装置における第1のインデクサを傾斜させた構成例を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)はB方向から見た矢視図である。
【図11】本発明を適用した第4の実施形態の微小ワークの外観検査装置を例示する図であり、(a)は平面図であり、(b)はB方向から見た矢視図である。
【図12】本発明を適用した第5の実施形態の微小ワークの外観検査装置を例示する図であり、(a)は平面図であり、(b)はB方向から見た矢視図であり、(c)はE方向から見た側面図である。
【図13】微小ワークを例示する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(ワークの形態)
図13は、本発明に係る微小ワークの外観検査装置にて整列搬送されながら外観検査される多面体形状のワーク20(21,22,23)を例示する斜視図である。符号20Hはワーク20の高さを表し、符号20Wはワーク20の巾を表し、符号20Lはワーク20の全長を表す。また、符号201はワーク20の平面を表し、符号202はワーク20の右側面を表し、符号203はワーク20の底面を表し、符号204はワーク20の左側面を表し、符号205はワーク20の正面を表し、符号206はワーク20の背面を表す。図13(a)に示すワーク21は、チップキャパシタやチップインダクタなど直方体形状のワークである。チップキャパシタ21の寸法としては、例えば、20Hが0.5mm、20Wが0.5mm、20Lが1.0mmの部品が知られている。図13(b)に示すワーク22は、半導体素子など四角形で薄板形状のワークである。半導体素子22の寸法としては、例えば、20Hが0.05mm、20Wが1.0mm、20Lが2.0mmの部品が知られている。図13(c)に示すワーク23は、実装型LEDなど長方形状の部品に凸状部が形成されたワークである。実装型LED23の寸法としては、例えば、20Hが0.2mm、20Wが0.8mm、20Lが1.6mmの部品が知られている。図13(d)に示すワーク24は、チップキャパシタやチップ発振子など円筒形状(円柱形状)のワークであるチップキャパシタ24の寸法としては、例えば、20Hが1.0mm、20Lが1.6mmの部品が知られている。ワーク20としては、チップキャパシタ、半導体素子、水晶素子、SAWフィルタ素子、チップ抵抗、チップコイル、実装型LED、チップIC、パッド、端子、スペーサ等の実装部品が挙げられる。
【0036】
これらのワーク20は、サイズが小さくて脆いこと等から実装前に電気検査を行なうことが困難であるが、不良のワークを実装すると基板不良となることから、実装前での外観検査が必要になる。また、電子部品全般としても、実装後の歩留りを高めるためには、実装前での外観検査を行うことが好ましい。
【0037】
(第1の実施の形態)
本発明を適用した第1の実施形態の微小ワークの外観検査装置1を例示する側面図を図1に示す。図2は上記実施形態の外観検査装置1におけるフィーダ3から第1のインデクサ4への受渡し部を示す図であり、図2(a)は側面図であり、図2(b)は符号Bで示す矢印方向から見た矢視図であり、図2(c)は点線Cで囲んだ部分を拡大して示す図である。図3は上記実施形態の外観検査装置1における第1のインデクサ4から第2のインデクサ5への受渡し部を示す図であり、図3(a)は側面図であり、図3(c)は点線Cで囲んだ部分を拡大して示す図である。
【0038】
本実施形態の微小ワークの外観検査装置1は、チップキャパシタ等の微小ワーク20を載置して所定間隔(符号p1)で搬送方向(符号xa方向)に整列搬送するフィーダ3と、円板形状の外周に所定間隔(符号p2)で形成された第1の吸着口(符号41)によってフィーダ3上のワーク20をエア吸着して第1の回転軸45で回転し搬送する第1のインデクサ4と、円板形状の外周に所定間隔(符号p3)で形成された第2の吸着口(符号51)によって第1のインデクサ4上のワーク20をエア吸着し第2の回転軸55で逆回転し(第1のインデクサ4の回転方向ccwと逆方向の回転方向cwに回転し)搬送する第2のインデクサ5とを備える(図1から3)。
【0039】
ここでは、フィーダ3によるワーク搬送速度を符号V1とし、第1のインデクサ4によるワーク搬送速度を符号V2とし、第2のインデクサ5によるワーク搬送速度を符号V3とする。本実施形態では、第1のインデクサ4のワーク搬送速度V2がフィーダ3のワーク搬送速度V1よりも大きく設定されており(V2>V1)、制御回路7が第2のインデクサ5,第1のインデクサ4,及びフィーダ3を同期制御する。
【0040】
本実施形態では、第2のインデクサ5の直径と第1のインデクサ4の直径が等しく設定される(図1)。そして、第2のインデクサ5が第1のインデクサ4の真上に近接配置され、第2の回転軸55と第1の回転軸45とが平行に配されている(図1)。図3(b)に示すように、前記第2のインデクサ5の吸着口間隔p3は、第1のインデクサ4の吸着口間隔p2よりも大きい値に設定されている(p3>p2)。そして、第1のインデクサ4から第2のインデクサ5へとワークを1対1で受け渡すために、第2のインデクサ5のワーク搬送速度V3を第1のインデクサ5のワーク搬送速度V2で除した値(V3/V2)と、第2のインデクサ5の吸着口間隔p3を第1のインデクサ4の吸着口間隔p2で除した値(p3/p2)とが等しい値に設定される((V3/V2)=(p3/p2))。
【0041】
本実施形態では、ワーク20の搬送路を形成するフィーダ3の上面、第1のインデクサ4の外周面、及び第2のインデクサ5の外周面にはそれぞれ断面がV字形状の溝(V溝)が形成されており(図2(b)を参照)、直方体形状のワーク21(20)の二側面を沿わせて搬送する。これらV溝の開口角度は、90度に設定されている。
【0042】
本実施形態では、直方体形状のワーク21(20)の六面を撮像するために6つの撮像カメラ61,62,63,64,65,66が所定箇所に配されている(図1)。図1に示す例では、直方体形状のワーク21(20)の第4面(符号204)と第3面(符号203)をフィーダ3の上面のV溝に沿わせて搬送させ、第1のインデクサ4の外周面のV溝に受け渡し(図2(b))、第1のインデクサ4の右横方向の手前45度の位置に配された撮像カメラ64にてワーク21の第4面204を撮像し、第1のインデクサ4の右横方向の向う45度の位置に配された撮像カメラ63にてワーク21の第3面203を撮像し、第1のインデクサ4から第2のインデクサ5の外周面のV溝に受け渡し、第1のインデクサ4の左横方向の手前45度の位置に配された撮像カメラ61にてワーク21の第1面201を撮像し、第1のインデクサ4の左横方向の向う45度の位置に配された撮像カメラ62にてワーク21の第2面202を撮像し、第1のインデクサ4の左横方向の下45度の位置に配された撮像カメラ66にてワーク21の第6面206を撮像し、第1のインデクサ4の左横方向の上45度の位置に配された撮像カメラ65にてワーク21の第5面205を撮像する。前記撮像カメラ61−66はCCDカメラであるが、被対象物の像を電子データに変換できればCCDカメラに限定されるものではなく、例えばCMOSカメラとしてもよい。
【0043】
前記撮像カメラ61−66からの撮像信号は判定回路71に送出され、判定回路71によって良否判定されたワーク20は、制御回路7によって前記第2のインデクサ上でワーク解放用の噴射口へのエア噴射流を制御することで、第2のインデクサ5に近接配置された良否選別部82の判別排出口821,822,823,824から判別され排出される。本実施形態では、図示しないが、前記排出手段としてエア噴射流を利用しており、制御回路7が、第2のインデクサ5上でワーク20解放用の噴射口へのエア噴射流を制御して個々のワーク20を選別し分離回収する構成となっている。例えば、判別排出口824を第1の不良排出用とし、判別排出口823を第2の不良排出用とし、判別排出口822を良品排出用とし、判別排出口821を強制排出用とする。
【0044】
図1に示す例では、さらに強制排出部81を第1のインデクサ4に近接配置しており、万が一、第1のインデクサ4から第2のインデクサ5へと受渡し損なったワークがあったとしても、強制排出口811から強制排出される。
【0045】
前記制御回路7は、判定回路71を内蔵し、前記排出手段に加えてフィーダ3、第1のインデクサ4、及び第2のインデクサ5を制御しており、例えば制御用PC(パソコン)が適用される。
【0046】
本実施形態では、前記フィーダ3が直進式フィーダであり、フィーダ3出口の下方側には、トラブルによってワークの受け渡し部にワーク20が溜まらないようにするために、前記フィーダ3から第1のインデクサ4への受渡し位置を通過し落下したワーク20を回収するスロープ付きの回収ガイド9が付設されている(図1)。図1に示す回収ガイド9は、その右端に前記フィーダ3の右端を通過し落下したワーク20を回収する滑り台形状のスロープが一体的に形成された直進式フィーダとなっており、落下したワーク20を前記フィーダ3の搬送方向xaと反対方向(符号xb方向)に搬送し、ワーク20を回収する。回収されたワーク20は再び、フィーダ3の搬送ラインに合流する。
【0047】
本実施形態によれば、例えば、何らかの装置トラブルによって装置が停止するなどして前記直進式フィーダ3から前記第1のインデクサ4への受渡し位置を通過したワークがあったとしても、そのワークを回収するスロープ付きの回収ガイド9が付設されていることで、そのワークを前記フィーダ3に溜らせることなく、これを確実にかつ簡単に回収するために、再運転時の操作が、従来に比べて飛躍的に簡単にできる。
【0048】
図4は、上記実施形態の外観検査装置1におけるフィーダ3を振動型直進式フィーダとした構成例を示す図であり、図4(a)は側面図であり、図4(b)は正面図である。フィーダ3を振動型直進式フィーダとすることで、装置を小型化することが容易となる。なお図4では説明の都合上、振動型直進式フィーダ3上で微小ワーク20が跳ねないように制限する上側カバーを省略して表記しており、実機では、第1のインデクサ4がピックアップ位置より手前で吸着開始しないために上側カバーが付設されている。
【0049】
図4に示す外観検査装置1では、振動型直進式フィーダ3で搬送されるワーク20を非接触で検出するセンサ311,312が、フィーダ3の上方に所定間隔で配されており、これらのセンサ311,312からの検出信号を受けた制御回路7が第1のインデクサ4のワーク搬送速度を同期制御する構成となっている。本実施形態によれば、ワークの流れを直接測定して同期制御することができ、より精度の高い正確な同期制御となる。前記センサ311,312としては、非接触式センサであればよく、例えば、光センサ、赤外線センサ、磁気センサ、超音波センサ等が挙げられる。
【0050】
本実施形態によれば、第1のインデクサ4の第1の吸着口41がフィーダ3によって整列搬送されたワーク20に背後上方から接近し当該ワークを追い越す際にエア吸着して掬い上げるようにして吸着固定して搬送し受け渡すことから、前記ワーク20はフィーダ3から第1のインデクサ4へと直接受渡しされ、ワーク搬送速度を落とさずに、その間隔を狭めることなくワーク20を受渡しながら外観検査することができる。そして、本実施形態では、前記ワーク20を受渡す際の搬送方向がほぼ平行であるためワーク受渡しの際の衝撃力を極力抑えることができ、微小ワーク20を安定して、かつ高速に処理することができる。
【0051】
上記実施形態では、第2のインデクサ5を第1のインデクサ4の真上に配置する例で説明したが、第2のインデクサ5は、第1のインデクサ4によって整列搬送されたワーク20を受け渡すことができる位置であって、撮像カメラ61−66や強制排出部81や良否選別部82と干渉しない位置であれば、特に配置制限がなく、例えば、第2のインデクサ5を第1のインデクサ4の斜め上方に配置したり、真横に配置したりすることができる。
【0052】
(本発明のワーク受渡し)
上記第1の実施形態の微小ワークの外観検査装置1におけるフィーダ3から第1のインデクサ4への受渡しについて、図5から図7に示す例に沿って、以下に説明する。図5は、ワーク搬送速度とワーク間隔が比較的大きい場合の例であり、図6はワーク搬送速度とワーク間隔が比較的小さい場合の例であり、図7はワーク搬送速度が一定でワーク間隔変動する場合の例である。図5から図7に示す例では、何らかの装置トラブルによって装置が一旦停止し前記直進式フィーダ3の先端(図5ではフィーダ3の右端)までワーク20が搬送された状態で運転を再開したときのワーク受渡しの流れを説明している。
【0053】
(ワーク受渡し例1)
図5は、ワーク搬送速度とワーク間隔が比較的大きい場合の例である。図5(a)は、再起動直後等で全ワーク非吸着の状態となっており、ワーク20は、その順番を表すために右から左に向かって順に符号251,252,253,…としており、吸着口41は、その順番を表すために右から左に向かって順に符号450,451,452,453,…としている。ここでは、基準となるワーク搬送速度を符号V0とし、フィーダ3によるワーク搬送速度を符号V1とし、第1のインデクサ4によるワーク搬送速度を符号V2としている。
【0054】
図5に示す例では、フィーダ3によるワーク搬送速度V1が基準速度V0の2.5倍であるとし(V1=2.5*V0)、第1のインデクサ4によるワーク搬送速度V2が基準速度V0の3.0倍であるとしており(V2=3.0*V0)、第1のインデクサ4によるワーク搬送速度V2は、フィーダ3によるワーク搬送速度V1よりも大きい値に設定されている(V2>V1)。そして、フィーダ3のワーク間隔p1は、ワーク長さd0の2.5倍で一定しているとし(p1=2.5*d0)、第1のインデクサ4の吸着口間隔p2は、フィーダ3のワーク間隔p1よりも大きい値に設定されている(p2>p1)。第1のインデクサ4の周速度は一定としている。
【0055】
この例では、フィーダ3の右端位置に向かい合う吸着口(符号451)の直前から2つ手前の吸着口(符号453)までの範囲がワーク20をピックアップするピックアップ区間dpとなっており(図5(a))、このピックアップ区間dpはワーク長さd0の6倍に設定され(dp=6*d0)、また、ピックアップ区間dpの後半部分の範囲が吸引先行区間dnとなっており、この吸引先行区間dnはワーク長さd0の3倍に設定されている(dp=3*d0)。そして、ピックアップ区間dpを含む前方側で第2のインデクサ5へと受け渡すまでの範囲が吸引区間dqとなっている。図5では、前記吸着口450,451,452,…が吸引作動していることをハッチングで図示しており、ハッチングされていない箇所は吸引停止状態となっている。吸着口41の口径はワーク20の吸着面よりも小さければ動作に支障がなく、吸着口41の口径は例えば0.2mmである。 なお図5では説明の都合上、第1のインデクサ4を直線状に図示しているが、実際には円板形状となっている。また、実機では、第1のインデクサ4がピックアップ位置より手前で吸着開始しないために上側カバーが付設されている。
【0056】
再起動直後は、全てのワーク20が非吸着の状態となっており(図5(a))、フィーダ3の右端のワーク251とその左側のワーク252,253,254,…を吸引すべく、吸着口453とその右側の吸着口452,451,…を吸引開始しつつ、フィーダ3と第1のインデクサ4を同時に起動させる。図5(a)に示す例では、吸着口451は、ワーク251よりも前方にあるため、ワーク251は吸着されずに落下し、回収ガイド9によって回収される(図1参照)。そして、吸着口452は、ワーク252よりも後方にあるため、追い越す際にエア吸着して搬送し(図5(b))、吸着口453は、ワーク253よりも後方にあるため、追い越す際にエア吸着して搬送し(図5(b))、吸着口454は、ワーク254よりも後方にあるため、追い越す際にエア吸着して搬送し(図5(c))、以後、定常運転状態となり、吸着口455は、ワーク255よりも後方にあるため、追い越す際にエア吸着して搬送する(図5(d))。
【0057】
本実施例によれば、微小ワーク20を検査し易いようにフィーダ3によって所定間隔p1に揃えながら高速搬送し、その搬送速度V1を落とさずに、そのワーク間隔p1を狭めることなくフィーダ3から第1のインデクサ4への確実なワーク20の受渡しがなされる。そして、ワーク20を受渡す際の搬送方向がほぼ平行であるためワーク受渡しの際の衝撃力を極力抑えることができ、微小ワーク20を安定して、かつ高速に処理することができる。本実施形態では、前記フィーダ3より搬送されるワーク間隔p1が、第1の吸着口41のサイズ程度以上に設定しており、前後2個のワーク20を吸着してしまうという不具合は発生せず、ワーク吸着ミスが生じ難い構成となっている。図5に示す例では、何らかの装置トラブルによって装置が停止し前記直進式フィーダ3の右端までワーク20が搬送された状態で運転を再開したときのワーク受渡しの流れを説明したが、この場合でも先頭のワーク251以外は吸着ミスがなく、微小ワーク20を安定して、かつ高速に処理することができる。当然ながら、直進式フィーダ3の先端付近までワーク20が搬送されていない状態であれば、ワーク20の吸着ミスが全くない定常運転状態で、微小ワーク20を安定して、かつ高速に処理することができる。
【0058】
(ワーク受渡し例2)
図6は、ワーク搬送速度とワーク間隔が比較的小さい場合の例である。図6(a)は、再起動直後等で全ワーク非吸着の状態となっており、ワーク20は、その順番を表すために右から左に向かって順に符号251,252,253,…としており、吸着口41は、その順番を表すために右から左に向かって順に符号450,451,452,453,…としている。ここでは、基準となるワーク搬送速度を符号V0とし、フィーダ3によるワーク搬送速度を符号V1とし、第1のインデクサ4によるワーク搬送速度を符号V2としている。
【0059】
図6に示す例では、フィーダ3によるワーク搬送速度V1が基準速度V0の1.5倍であるとし(V1=1.5*V0)、第1のインデクサ4によるワーク搬送速度V2が基準速度V0の3.0倍であるとしており(V2=3.0*V0)、第1のインデクサ4によるワーク搬送速度V2は、フィーダ3によるワーク搬送速度V1よりも大きい値に設定されている(V2>V1)。そして、フィーダ3のワーク間隔p1は、ワーク長さd0の1.5倍で一定しているとし(p1=1.5*d0)、第1のインデクサ4の吸着口間隔p2は、フィーダ3のワーク間隔p1よりも大きい値に設定されている(p2>p1)。第1のインデクサ4の周速度は一定としている。
【0060】
この例では、フィーダ3の右端位置に向かい合う吸着口(符号451)の直前から2つ手前の吸着口(符号453)までの範囲がワーク20をピックアップするピックアップ区間dpとなっており(図6(a))、このピックアップ区間dpはワーク長さd0の6倍に設定され(dp=6*d0)、また、ピックアップ区間dpの後半部分の範囲が吸引先行区間dnとなっており、この吸引先行区間dnはワーク長さd0の3倍に設定されている(dp=3*d0)。そして、ピックアップ区間dpを含む前方側で第2のインデクサ5へと受け渡すまでの範囲が吸引区間dqとなっている。図6では、前記吸着口450,451,452,…が吸引作動していることをハッチングで図示しており、ハッチングされていない箇所は吸引停止状態となっている。吸着口41の口径はワーク20の吸着面よりも小さければ動作に支障がなく、吸着口41の口径は例えば0.2mmである。 なお図6では説明の都合上、第1のインデクサ4を直線状に図示しているが、実際には円板形状となっている。また、実機では、第1のインデクサ4がピックアップ位置より手前で吸着開始しないために上側カバーが付設されている。
【0061】
再起動直後は、全てのワーク20が非吸着の状態となっており(図6(a))、フィーダ3の右端のワーク251とその左側のワーク252,253,254,…を吸引すべく、吸着口453とその右側の吸着口452,451,…を吸引開始しつつ、フィーダ3と第1のインデクサ4を同時に起動させる。図6(a)に示す例では、吸着口451は、ワーク251よりも前方にあるため、ワーク251は吸着されずに落下し、回収ガイド9によって回収される(図1参照)。そして、吸着口452は、ワーク252よりも後方にあるため、追い越す際にエア吸着して搬送し(図6(b))、ワーク253は吸着されずに落下し、回収ガイド9によって回収されるが(図1参照)、吸着口453は、ワーク254よりも後方にあるため、追い越す際にエア吸着して搬送し(図6(b))、吸着口454は、ワーク255よりも後方にあるため、追い越す際にエア吸着して搬送し(図6(c))、吸着口455は、ワーク256よりも後方にあるため、追い越す際にエア吸着して搬送し(図5(e))、吸着口456は、ワーク257よりも後方にあるため、追い越す際にエア吸着して搬送し(図5(f))、以後、定常運転状態となり、吸着口457は、ワーク258よりも後方にあるため、追い越す際にエア吸着して搬送する(図5(g))。 本実施例によれば、微小ワーク20を検査し易いようにフィーダ3によって所定間隔p1に揃えながら高速搬送し、その搬送速度V1を落とさずに、そのワーク間隔p1を狭めることなくフィーダ3から第1のインデクサ4への確実なワーク20の受渡しがなされる。
【0062】
(ワーク受渡し例2)
図7は、ワーク搬送速度が一定でワーク間隔変動する場合の例である。図7(a)は、再起動直後等で全ワーク非吸着の状態となっており、ワーク20は、その順番を表すために右から左に向かって順に符号251,252,253,…としており、吸着口41は、その順番を表すために右から左に向かって順に符号450,451,452,453,…としている。ここでは、基準となるワーク搬送速度を符号V0とし、フィーダ3によるワーク搬送速度を符号V1とし、第1のインデクサ4によるワーク搬送速度を符号V2としている。
【0063】
図7に示す例では、フィーダ3によるワーク搬送速度V1が基準速度V0の2.0倍であるとし(V1=2.0*V0)、第1のインデクサ4によるワーク搬送速度V2が基準速度V0の3.0倍であるとしており(V2=3.0*V0)、第1のインデクサ4によるワーク搬送速度V2は、フィーダ3によるワーク搬送速度V1よりも大きい値に設定されている(V2>V1)。そして、フィーダ3のワーク間隔p11,p12,p13は、順にワーク長さd0の2.5倍,2.0倍,1.5倍に周期的に変動しているとし(p11=2.5*d0、p12=2.0*d0、p13=1.5*d0)、第1のインデクサ4の吸着口間隔p2は、フィーダ3のワーク間隔p11よりも大きい値に設定されている(p2>p11)。第1のインデクサ4の周速度は一定としている。
【0064】
この例では、フィーダ3の右端位置に向かい合う吸着口(符号451)の直前から2つ手前の吸着口(符号453)までの範囲がワーク20をピックアップするピックアップ区間dpとなっており(図7(a))、このピックアップ区間dpはワーク長さd0の6倍に設定され(dp=6*d0)、また、ピックアップ区間dpの後半部分の範囲が吸引先行区間dnとなっており、この吸引先行区間dnはワーク長さd0の3倍に設定されている(dp=3*d0)。そして、ピックアップ区間dpを含む前方側で第2のインデクサ5へと受け渡すまでの範囲が吸引区間dqとなっている。図7では、前記吸着口450,451,452,…が吸引作動していることをハッチングで図示しており、ハッチングされていない箇所は吸引停止状態となっている。吸着口41の口径はワーク20の吸着面よりも小さければ動作に支障がなく、吸着口41の口径は例えば0.2mmである。 なお図7では説明の都合上、第1のインデクサ4を直線状に図示しているが、実際には円板形状となっている。また、実機では、第1のインデクサ4がピックアップ位置より手前で吸着開始しないために上側カバーが付設されている。
【0065】
再起動直後は、全てのワーク20が非吸着の状態となっており(図7(a))、フィーダ3の右端のワーク251とその左側のワーク252,253,254,…を吸引すべく、吸着口453とその右側の吸着口452,451,…を吸引開始しつつ、フィーダ3と第1のインデクサ4を同時に起動させる。図7(a)に示す例では、吸着口451は、ワーク251よりも前方にあるため、ワーク251は吸着されずに落下し、回収ガイド9によって回収される(図1参照)。そして、吸着口452は、ワーク252よりも後方にあるため、追い越す際にエア吸着して搬送し(図7(b))、ワーク253は吸着されずに落下し、回収ガイド9によって回収されが(図1参照)、吸着口453は、ワーク254よりも後方にあるため、追い越す際にエア吸着して搬送し(図7(c))、以後、定常運転状態となり、吸着口454は、ワーク254よりも後方にあるため、追い越す際にエア吸着して搬送する(図7(d))。 本実施例によれば、微小ワーク20を検査し易いようにフィーダ3によって高速搬送し、その搬送速度V1を落とさずに、その最大ワーク間隔p11を狭めることなくフィーダ3から第1のインデクサ4への確実なワーク20の受渡しがなされる。
【0066】
上述のとおり、図5から図7に例示するように、微小ワーク20の時間当りの平均搬送個数がほぼ一定であれば、ワーク20の間隔p1が変動しても、ワーク20は第1のインデクサ4へ安定して受渡しされることがわかる。また仮に微小ワーク20の供給数が第1のインデクサ4への搬送個数よりも相対的に増大することがあっても、そのワークが第1のインデクサ4の吸着固定済みの微小ワーク20に干渉することなく、そのまま受渡し位置を通過した後、回収ガイド9によって回収される(図1参照)。また仮に微小ワーク20の供給数が第1のインデクサ4の搬送個数よりも相対的に減少することがあっても、第1のインデクサ4の吸着口41に微小ワーク20が欠落する箇所が発生するだけで、その後の外観検査に障害を与えることはない。中継ガイド部材を介している従来方式では微小ワーク20の時間当りの供給数が変動した場合、特に供給過多となった場合には微小ワーク20が滞留し、搬送経路に詰まるというような障害が発生するが、本実施形態の外観検査装置1では、このような問題は、まったく発生しない。
【0067】
(第2の実施の形態)
図8(a)は、本発明を適用した第2の実施形態の微小ワークの外観検査装置1を例示する側面図であり、図8(b)は点線Cで囲んだ部分を拡大して示す図である。ここで、同一の符号は同じ機能を表しており、その説明を適宜省略する。ここでは、第2のインデクサ5の直径が第1のインデクサ4の直径の2倍に設定される。第1のインデクサ4にはその内部に微小ワーク20を吸着するための第1の吸着口41が所定間隔p2で形成され、第2のインデクサ5にはその内部に微小ワーク20を吸着するための第2の吸着口51が所定間隔p3で形成され、第1の吸着口41の吸着口数と第2の吸着口51の吸着口数とが等しく設定される。そして、第2の吸着口51に近接して、吸着されたワーク20を解放するための解放噴射配管52が形成されている(図8(b))。第2のインデクサ5は、これら解放噴射配管52を有するため、第1のインデクサ4に比べその吸着口の間隔p3を大きくすることが第2のインデクサ5を製作する上で有利となる。またこのように吸着口の間隔p3が大きくなると、微小ワーク20の搬送方向の前側表面と後側表面を撮像する際に、隣の微小ワークが撮像領域に入らなくなるために撮像品質を確保するうえで有利となる。
【0068】
上記実施形態の構成で、第2のインデクサ5の回転速度を第1のインデクサ4の回転速度と等しくして、第2の吸着口51と第1の吸着口41とがその近接点位置で互いに向い合うように同期して回転制御させると、微小ワーク20にかかる衝撃が極力抑えられた状態で、第1のインデクサ4から第2のインデクサ5へと受渡される。微小ワーク20はフィーダ3から第1のインデクサ4へと受渡され、そして第2のインデクサ5へと受渡され、撮像カメラ61−66で撮像され、良否選別部82で選別回収されるまで円滑に搬送されるため、ワーク姿勢を安定させた状態で、高速で処理することができる。前記第2のインデクサ5の直径は、第1のインデクサ4の直径の2倍や整数倍などに限定されるわけではなく、また、前記第2のインデクサ5の吸着口数は、第1のインデクサ4の吸着口数の1倍や整数分の1などに限定されるわけではない。つまり、第1のインデクサ4の吸着口41と第2のインデクサ5の吸着口51とがその近接点位置で互いに向い合うように同期回転させればよいので、前記第2のインデクサ5の直径や吸着口数は検査条件やワーク20の形状等に応じて、任意に設定することが可能である。
【0069】
上記実施形態では、第2のインデクサ5を第1のインデクサ4の真上に配置する例で説明したが、第2のインデクサ5と第1のインデクサ4の位置関係としては、第2のインデクサ5を第1のインデクサ4の真上に配置する構成以外に、斜め上方に配置する構成や、真横に配置する構成とすることも可能である。
【0070】
(第3の実施の形態)
図9(a)は、本発明を適用した第3の実施形態の微小ワークの外観検査装置1を例示する平面図であり、図9(b)はB方向から見た矢視図(側面図)である。ここで、同一の符号は同じ機能を表しており、その説明を適宜省略する。また、上記実施形態と同じ構成部材については一部省略して図示している。本実施形態では、フィーダ3が、回転円板式フィーダとなっている。微小ワーク20は、水平に配置された回転円板35の上をその上下面が水平状態で搬送され、正立した第1のインデクサ4へと受渡しされる。ここでは、第1のインデクサ4を正立させた状態で円板式フィーダ3から微小ワーク20を受渡すため、第1のインデクサ4の吸着口41の形状を図9(b)に示すように左右非対称としている。そして、第1のインデクサ4から微小ワーク20を受渡すため、第2のインデクサ5の吸着口51の形状を第1のインデクサ4のそれと逆の非対称の構成としている。またこれらの構成に合せるために撮像装置を、搬送される微小ワークの表面のほぼ法線方向に光軸が一致するように配置している。
【0071】
図10(a)は、上記実施形態の外観検査装置1における第1のインデクサ4を傾斜させた構成例を示す平面図であり、図10(b)はB方向から見た矢視図(側面図)である。本実施例では、第1のインデクサ4の吸着口41には断面V字形状の溝が形成されており、円板式フィーダ3の回転円板35から微小ワーク20を受渡すため、第1のインデクサ4及び第2のインデクサ5を含めた外観検査装置下流部全体を垂直線から角度θ1が45度の角度で傾斜させて配置している。
【0072】
本実施形態によれば、回転円板式フィーダ3とすることで、微小ワーク20をその上下面が水平状態で搬送することができ、例えば図13(b)に示すような四角形で薄板形状のワーク22や、図13(c)に示すような長方形状の部品に凸状部が形成されたワーク23を搬送することが容易である。そして、前記制御回路7が第2のインデクサ5,第1のインデクサ4,及び回転円板式フィーダ3を同期回転させることで、回転円板式フィーダ3から第2のインデクサ5までの確実なワークの搬送が可能となり、前記ワーク20のピッキングミスも生じ難い。
【0073】
(第4の実施の形態)
図11(a)は、本発明を適用した第4の実施形態の微小ワークの外観検査装置1を例示する平面図であり、図11(b)はB方向から見た矢視図(側面図)である。ここで、同一の符号は同じ機能を表しており、その説明を適宜省略する。また、上記実施形態と同じ構成部材については一部省略して図示している。本実施形態では、フィーダ3が、回転円板36と無限軌道ベルトT2を組み合わせたベルト式フィーダとなっている。無限軌道ベルトT2の上面には断面V字形状の溝が形成されており、回転円板36と駆動用円板T1とに掛け渡されており、テンショナT3にて無限軌道ベルトT2のテンションが調整される。微小ワーク20は、水平に配された無限軌道ベルトT2のV字形状の溝に沿って搬送され、正立した第1のインデクサ4へと受渡しされる。
【0074】
本実施形態では、回転円板36の円板上整列部の外周部に、その上面部にV溝のあるベルトT2を密接させ、円板上整列部で押出して整列させた微小ワーク20をそのまま第1のインデクサ4へ受渡しする構成となっており、微小ワーク20が円板から脱出し、接線方向に搬送方向が変化した場合に発生する微小ワーク20の速度低下とそれに伴う姿勢悪化が発生し難い。また微小ワーク20をV溝に沿って安定した状態で第1のインデクサ4に受渡すことができるという利点がある。既知の微小ワークの外観検査装置では、このようにベルト上を搬送される微小ワークをそのベルトの搬送途中で受渡すということは構造上できなかった。そして、前記制御回路7が第2のインデクサ5,第1のインデクサ4,及びベルト式フィーダ3を同期運転させることで、ベルト式フィーダ3から第2のインデクサ5までの確実なワークの搬送が可能となり、前記ワーク20のピッキングミスも生じ難い。
【0075】
(第5の実施の形態)
図12(a)は、本発明を適用した第3の実施形態の微小ワークの外観検査装置1を例示する平面図であり、図12(b)はB方向から見た矢視図(側面図)であり、図12(c)はE方向から見た側面図である。ここで、同一の符号は同じ機能を表しており、その説明を適宜省略する。また、上記実施形態と同じ構成部材については一部省略して図示している。本実施形態では、フィーダ3が、回転円板式フィーダとなっている。回転円板37の上面の外周付近には断面V字形状の溝が形成されており、回転円板37の外周には、ワーク20が遠心力で外に出ないようにガイド39が配されている。そして、回転円板37上の整列部で押出して整列させた微小ワーク20をそのまま第1のインデクサ4へ受渡しする構成となっている。
【0076】
図12(c)に示す例では、直方体形状のワーク21(20)の第4面(符号204)と第3面(符号203)を回転円板式フィーダ3の上面のV溝に沿わせて搬送させ、垂直線から45度の角度で傾斜させ、かつ、第1のインデクサ4への受渡しの基準線から角度θ2の角度手前の位置(θ2が20度から70度の範囲内)に配された撮像カメラ63、64にてワーク21の第3面203、第4面204を撮像し、第1のインデクサ4の外周面のV溝に受け渡し(図12(b))、第1のインデクサ4の右斜め上方で垂直線から20度から70度手前の角度で、左右横方向の手前45度の位置に配された撮像カメラ61、62にてワーク21の第1面201、第2面202を撮像し、第1のインデクサ4の右斜め上下45度の位置に配された撮像カメラ65、66にてワーク21の第5面205、第6面206を撮像する。
【0077】
本実施形態では、ワークフィーダとしてV溝付円板式フィーダ3を採用し、これによって、搬送される微小チップの姿勢がより安定する。つまり、V溝付円板式フィーダ3では微小ワーク20を整列部によって外に流しつつ、ガイド39を利用して回転円板37の外周近傍のV溝部分に誘導すると、ワーク20の自重と搬送中の遠心力および振動でV溝底部に滑落し易く、いったんV溝底部に滑落するとフィーダ3との接触面積が大きくなるため、フィーダ3との間で滑りが生じ難く、安定して搬送される。円板式フィーダ3から第1のインデクサ4への受渡し部では、受渡し容易とするために回転円板37の外周側のガイド39の一部が欠けているが、ワーク20がV溝に嵌合している状態であることから、高速でワーク20を搬送したとしても、遠心力で外周から脱落する虞はない。そして、第1のインデクサ4が、ワーク20を上方進行方向へ掬い上げて、一定ピッチで吸着把持する際には、対象となるワークを一定速度で供給できることが、安定したピックアップに貢献している。なお、第1のインデクサ4がピックアップミスした微小ワークがあったとしても、V溝に残ったワークは、そのまま回転して次のピックアップの対象となり、V溝から脱落したものは、別途回収されて、次のピックアップの対象となり得る。
【0078】
本実施形態によれば、V溝付円板式フィーダ3のV溝を搬送中に解放された上方の二面の外観検査を実施可能となるため、インデクサ4をひとつ使用するだけで、微小ワークの六面すべての外観検査を実施することができ、その際、円板式フィーダ3とインデクサ4がある一定の位置関係をもって同期回転するように制御することによって、円板式フィーダ3の撮像位置(角度がθ2)にあった微小ワーク20がインデクサ4のどの位置に吸着固定されるかが決定する。このことによってインデクサ4上の他の画像処理結果と合せて、対象となるワーク20の良否選別をおこなうことができる。したがって、小型で高速な外観検査装置1となる。
【0079】
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば前記ベルト式フィーダ3のV溝付ベルトT2上で搬送されるワーク20を撮像カメラで撮像し外観検査することも可能である。第1のインデクサ4と第2のインデクサ5は正立や45度傾斜に限られず、水平状態とすることも可能である。前記フィーダ3,第1のインデクサ4,及び第2のインデクサ5の組み合わせは、上述した実施の形態に限られず、それらの組み合わせは任意に設定することができる。前記フィーダ3は、2種以上のフィーダを複合させてもよい。前記インデクサは、1つでもよいし、2つでもよいし、3つ以上を組み合わせてもよい。第1のインデクサ4と第2のインデクサ5は、既知のパーツフィーダに組み合わせて使用しても優れた作用効果を発揮する。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0080】
1 微小ワークの外観検査装置、
20 微小ワーク(チップ部品)、
3 フィーダ、
4 第1のインデクサ、
41 第1の吸着口、
5 第2のインデクサ、
51 第2の吸着口、
p2、p3 吸着口間隔、
61,61,63,64,65,66 撮像カメラ、
7 制御回路、
71 判定回路、
82 良否選別部、
9 回収ガイド



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを整列搬送するフィーダと、円板形状の外周に所定間隔で形成された吸着口によってフィーダ上のワークをエア吸着して回転軸で回転して搬送するインデクサと、搬送中のワークを撮像するため複数個所に配された撮像カメラと、これら撮像カメラから送出された撮像信号によって搬送中のワークを良否判定する判定回路と、前記インデクサに近接配置された良否選別部と、当該良否選別部に設けられた複数の排出口から良否判定されたワークをそれぞれ対応させて排出する排出手段と、これらを制御する制御回路を備え、
前記フィーダによるワーク搬送軌道とインデクサの回転軌道との近接点において前記フィーダによるワーク搬送方向と前記インデクサによるワーク搬送方向とが一致するように前記インデクサが配されて回転する構成とされ、
前記インデクサが回転しその吸着口が前記フィーダによって整列搬送されたワークに接近し当該ワークを追い越す際にエア吸着して搬送し、前記フィーダと前記インデクサとで搬送されるワークを複数個所に配された前記撮像カメラが撮像して撮像信号を送出し、前記判定回路が送出された撮像信号から対象となるワークを良否判定し、前記排出手段が良否判定されたワークを前記排出口からそれぞれ対応させて排出することを特徴とする微小ワークの外観検査装置。
【請求項2】
前記インデクサのワーク搬送速度が前記フィーダのワーク搬送速度よりも大きく設定されており、前記制御回路が前記インデクサと前記フィーダとを同期制御することを特徴とする請求項1記載の微小ワークの外観検査装置。
【請求項3】
ワークを整列搬送するフィーダと、円板形状の外周に所定間隔で形成された第1の吸着口によってフィーダ上のワークをエア吸着して第1の回転軸で回転し搬送する第1のインデクサと、円板形状の外周に所定間隔で形成された第2の吸着口によって第1のインデクサ上のワークをエア吸着し第2の回転軸で逆回転し搬送する第2のインデクサと、搬送中のワークを撮像するため複数個所に配された撮像カメラと、これら撮像カメラから送出された撮像信号によって搬送中のワークを良否判定する判定回路と、前記第2のインデクサに近接配置された良否選別部と、当該良否選別部に設けられた複数の排出口から良否判定されたワークをそれぞれ対応させて排出する排出手段と、これらを制御する制御回路を備え、
前記フィーダによるワーク搬送軌道と前記第1のインデクサの回転軌道との近接点において前記フィーダによるワーク搬送方向と前記第1のインデクサによるワーク搬送方向とが一致するように前記第1のインデクサが配されて回転し、前記第1のインデクサの回転軌道と前記第2のインデクサの回転軌道との近接点において前記第1のインデクサによるワーク搬送方向と前記第2のインデクサによるワーク搬送方向とが一致するように前記第2のインデクサが配されて逆回転する構成とされ、
前記第1のインデクサが回転しその第1の吸着口が前記フィーダによって整列搬送されたワークに接近し当該ワークを追い越す際にエア吸着して搬送し、前記第2のインデクサが逆回転しその第2の吸着口が前記第1のインデクサによって整列搬送されたワークに接近し当該ワークを追い越す際にエア吸着して搬送し、前記第1のインデクサと前記第2のインデクサとで搬送されるワークを複数個所に配された前記撮像カメラが撮像して撮像信号を送出し、前記判定回路が送出された撮像信号から対象となるワークを良否判定し、前記排出手段が良否判定されたワークを前記排出口からそれぞれ対応させて排出することを特徴とする微小ワークの外観検査装置。
【請求項4】
前記第1のインデクサのワーク搬送速度が前記フィーダのワーク搬送速度よりも大きく設定されており、前記制御回路が前記第1のインデクサと前記フィーダを同期制御することを特徴とする請求項3記載の微小ワークの外観検査装置。
【請求項5】
前記第2の吸着口の間隔が前記第1の吸着口の間隔よりも大きく設定されるとともに、前記第2のインデクサのワーク搬送速度が前記第1のインデクサのワーク搬送速度よりも大きく設定されており、前記制御回路が前記第2のインデクサ,前記第1のインデクサ,及び前記フィーダを同期制御することを特徴とする請求項3または4記載の微小ワークの外観検査装置。
【請求項6】
前記フィーダで搬送されるワークを非接触で検出するセンサが配されており、このセンサからの検出信号を受けた前記制御回路が前記フィーダで搬送されるワークの時間当たりの搬送個数から前記フィーダのワーク搬送速度を算出することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の微小ワークの外観検査装置。
【請求項7】
前記フィーダが直進式フィーダであり、前記フィーダ出口の下方側には、トラブルによってワークの受け渡し部にワークが溜まらないようにするために、前記フィーダから前記インデクサ又は前記第1のインデクサへの受渡し位置を通過し落下したワークを回収するスロープ付きの回収ガイドが付設されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載の微小ワークの外観検査装置。
【請求項8】
前記フィーダが回転円板式フィーダまたは回転円板と無限軌道ベルトを組み合わせたベルト式フィーダのいずれかであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載の微小ワークの外観検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−225855(P2012−225855A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95587(P2011−95587)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000147774)株式会社石川製作所 (36)
【出願人】(596044169)英光産業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】