説明

微小移動検出装置

【課題】対象物の微小移動をより精度良く検出する。
【解決手段】マイクロ波帯の波長を有する送信信号を発生する送信信号発生器と、前記送信信号を送信波として移動検出対象物に照射する送信アンテナと、前記送信波が移動検出対象物に反射して得られる反射波を捕らえ受信信号を出力する受信アンテナと、所定周波数のローカル信号を発生するローカル信号発生器と、ローカル信号を用いて送信信号を低周波送信信号に周波数変換する送信信号周波数変換器と、ローカル信号を用いて受信信号を低周波受信信号に周波数変換する受信信号周波数変換器と、低周波送信信号と低周波受信信号との位相差を検出する位相検出器と、該位相検出器の検出信号に基づいて移動検出対象物の移動状態を判定する判定手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波を用いて対象物の微小移動を検出する微小移動検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、所定波長のマイクロ波(送信波)と、当該送信波が移動検出対象物に反射して得られる受信波(反射波)とによって形成される定在波の振幅最大値を検出することにより移動検出対象物の微小移動を検出する移動距離検出装置が開示されている。
【0003】
上記定在波の振幅は、受信点と移動検出対象物との間の位置に応じて正弦波状に変化するものとなり、送信波の受信点及び送信点を固定した状態において移動検出対象が受信点に対して接近する方向あるいは離間する方向に移動すると、受信点における定在波の振幅は正弦波状に変化するものとなる。上記移動距離検出装置では、このように正弦波状に変化する定在波の振幅が最大となる位置を追尾し、当該位置の基準位置に対するズレを移動検出対象物の移動量として検出する。
【特許文献1】特開2000−046934号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、正弦波状に変化する定在波では、振幅最大値近傍における定在波の振幅変化が緩慢なために定在波の振幅最大値の検出に誤差が生じ易い。そして、この振幅最大値の検出誤差は、そのまま微小移動量の検出誤差となる。したがって、従来技術では、定在波の振幅最大値の検出誤差に起因して微小移動量の検出精度が低下するという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、対象物の微小移動をより精度良く検出することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、第1の解決手段として、マイクロ波帯の波長を有する送信信号を発生する送信信号発生器と、前記送信信号を送信波として移動検出対象物に照射する送信アンテナと、前記送信波が移動検出対象物に反射して得られる反射波を捕らえ受信信号を出力する受信アンテナと、所定周波数のローカル信号を発生するローカル信号発生器と、ローカル信号を用いて送信信号を低周波送信信号に周波数変換する送信信号周波数変換器と、ローカル信号を用いて受信信号を低周波受信信号に周波数変換する受信信号周波数変換器と、低周波送信信号と低周波受信信号との位相差を検出する位相検出器と、該位相検出器の検出信号に基づいて移動検出対象物の移動状態を判定する判定手段とを具備する、という手段を採用する。
【0007】
第2の解決手段として、上記第1の手段において、判定手段から入力される第1の制御信号に基づいて低周波送信信号あるいは低周波受信信号のいずれか一方を所定の位相差分だけ切替える位相切替器をさらに備え、判定手段は、位相検出器の検出信号が所定範囲を超えると、第1の制御信号を用いて前記第1の信号遅延手段を制御することにより低周波送信信号あるいは低周波受信信号のいずれか一方を所定の位相差分だけ切替させ、当該位相差を加味して移動検出対象物の移動状態を判定する、という手段を採用する。
【0008】
第3の解決手段として、上記第1または第2の手段において、判定手段から入力される第2の制御信号に基づいて低周波受信信号を移動検出対象物の所定の基準移動量分だけ遅延/非遅延させる信号遅延手段をさらに備え、判定手段は、第2の制御信号を用いて前記信号遅延手段を制御することにより低周波受信信号を所定移動量分だけ遅延させた場合に得られる移動量と所定移動量分だけ遅延させない場合に得られる移動量との差が基準移動量と一致するか否かに基づいて動作異常を判定する、という手段を採用する。
【0009】
第4の解決手段として、上記第1〜第3いずれかの手段において、送信アンテナ及び受信アンテナは円偏波アンテナである、という手段を採用する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、低周波送信信号と低周波受信信号との位相差に基づいて移動検出対象物の移動状態を判定するので、従来の振幅最大値を検出する技術よりも対象物の微小移動を精度良く検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の最良の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
【0012】
図1は、第1実施形態に係る微小移動検出装置のブロック図である。この図1に示されているように、本微小移動検出装置は、電圧制御発振器1、カップラ2、送信信号電力分配器3、PLL(Phase Locked Loop)回路4、アッテネータ5、送信信号用ミキサ6、送信アンテナ7、受信アンテナ8、受信信号用ミキサ9、ローカル信号電力分配器10、ローカル発振器11、位相検出器12及びワンチップマイコン13から構成されている。
【0013】
電圧制御発振器1は、PLL回路4から入力される制御電圧に基づいてマイクロ波帯の送信信号を発振する。この送信信号の周波数は、例えば10.525GHzである。カップラ2は、上記電圧制御発振器1と送信アンテナ7との間の信号伝送路に設けられており、電圧制御発振器1から出力された送信信号の一部を送信信号電力分配器3に出力する。送信信号電力分配器3は、上記カップラ2から入力された送信信号をPLL回路4とアッテネータ5とに電力分配するものである。PLL回路4は、送信信号電力分配器3から入力された送信信号に基づいて上記制御電圧を生成するものである。上記電圧制御発振器1、カップラ2、送信信号電力分配器3及びPLL回路4は、電圧制御発振器1における送信信号の発振を制御する制御ループを形成しており、本実施形態における送信信号発生器に相当する。
【0014】
アッテネータ5は、上記送信信号電力分配器3と送信信号用ミキサ6との間の信号伝送路に設けられており、上記送信信号電力分配器3から入力された送信信号を所定量だけ減衰させて送信信号用ミキサ6に出力する。送信信号用ミキサ6は、アッテネータ5から入力された送信信号をローカル信号電力分配器10から入力されたローカル信号に基づいて低周波送信信号に周波数変換するものである。
【0015】
送信アンテナ7は、上記送信信号を偏波面が右旋回する送信波として移動検出対象物(例えば岩盤等の壁面)に照射する円偏波アンテナである。受信アンテナ8は、上記記送信波が移動検出対象物(図示略)に反射して得られる反射波を捕らえ受信信号を出力する円偏波アンテナである。この反射波は、送信波が移動検出対象物で反射したものなので、偏波面が送信波(右旋回)とは逆で左旋回するマイクロ波となる。これら送信アンテナ7及び受信アンテナ8は、移動検出対象物に対して同一距離となる位置に固定されている。
【0016】
受信信号用ミキサ9は、受信アンテナ8から入力された受信信号をローカル信号電力分配器10から入力されたローカル信号に基づいて低周波受信信号に周波数変換するものである。ローカル発振器11は、ローカル信号を発振してローカル信号電力分配器10に出力する。このローカル信号の周波数は、例えば9GHzである。ローカル信号電力分配器10は、ローカル発振器11から入力されたローカル信号を上記送信信号用ミキサ6と受信信号用ミキサ9とに電力分配する。
【0017】
位相検出器12は、送信信号用ミキサ6から入力された低周波送信信号と受信信号用ミキサ9から入力された低周波受信信号との位相差を検出し検出信号をワンチップマイコン13に出力する。この位相検出器12は、図2に示すような位相検出特性、つまり0〜180°の範囲の位相差については検出信号が直線的に増加する特性を、また180°〜360°の範囲の位相差については検出信号が直線的に減少する特性を有している。
【0018】
ワンチップマイコン13は、本実施形態における判定手段に相当するものであり、位相検出器12の検出信号に基づいて移動検出対象物の移動状態を判定し、その判定結果を外部に出力する。このワンチップマイコン13は、上述した検出信号(アナログ信号)を量子化するA/D変換器、所定の判定処理プログラムを記憶する記憶部、A/D変換器から出力されたデジタル信号としての検出データに上記判定処理プログラムに基づく判定処理を施すCPU(Central Processing Unit)、及び当該CPUによる判定処理結果を外部に出力する出力部等から構成されている。
【0019】
次に、このように構成された本微小移動検出装置の要部動作について、図3をも参照して詳しく説明する。
【0020】
本微小移動検出装置では、10.525GHzの周波数を有する送信波が送信アンテナ7から移動検出対象物に照射され、この送信波が移動検出対象物で反射して発生した反射波(送信波と同様に10.525GHzの周波数を有する)が受信アンテナ8で捕らえられる。上記送信波の送信タイミングを基準とした反射波の受信タイミングは、送信波が送信アンテナ7から移動検出対象物に伝播する時間に反射波が移動検出対象物から受信アンテナ8に伝搬する時間を加算したものとなる。
【0021】
すなわち、送信波と受信波との位相差は、10.525GHzの周波数を有するマイクロ波(送信波及び受信波)が送信アンテナ7(受信アンテナ8)と移動検出対象物との距離に応じて変化するものとなる。図3に示すように、岩盤の壁面(移動検出対象物)が位置Aにある場合の反射波1と岩盤の壁面が位置Bにある場合の反射波2とは送信波に対する位相差が異なっている。
【0022】
このような送信波と受信波との位相差は、本微小移動検出装置と移動検出対象物との距離に応じた値であり、また送信信号と受信信号との位相差と同義である。したがって、本微小移動検出装置が位置不変に固定設置されている場合、送信信号と受信信号の位相差を検出することによって移動検出対象物の移動状態を判定することが可能である。
【0023】
本微小移動検出装置では、上述した制御ループによって周波数安定性が極めて高い送信信号を発生させ、このような送信信号に基づいて送信アンテナ7から送信波を移動検出対象物に照射して反射波を受信アンテナ8で捕らえる。そして、送信信号を送信信号用ミキサ6で低周波送信信号に周波数変換する一方、受信信号を受信信号用ミキサ9で低周波受信信号に周波数変換し、これら低周波送信信号と低周波受信信号との位相差を位相検出器12で検出するする。低周波送信信号と低周波受信信号とは、同一のローカル信号によって周波数変換されたものであり、よってその位相差は、周波数変換前の送信信号と受信信号との位相差と同一である。
【0024】
ワンチップマイコン13に組み込まれた判定処理プログラムには、送信波(受信波)の周波数情報つまり「10.525GHz」がデータとして取り込まれており、ワンチップマイコン13は、判定処理プログラムに基づいて位相検出器12から入力される検出信号、つまり低周波送信信号と低周波受信信号との位相差と送信波(受信波)の周波数戸に基づいて移動検出対象物の移動距離を演算し、この演算結果が所定のしきい値を越えた場合には警報信号を外部に出力する。
【0025】
このような本実施形態によれば、低周波送信信号と低周波受信信号との位相差に基づいて移動検出対象物の移動状態を判定するので、従来の振幅最大値を検出する技術よりも移動検出対象物の微小移動を精度良く検出することができる。
また、上述した制御ループによって周波数安定性が極めて高い送信信号を発生させるので、また同一のローカル信号によって低周波送信信号と低周波受信信号とを発生させるので、これによっても微小移動の検出精度を向上させることができる。
さらに、送信アンテナ7及び受信アンテナ8として円偏波アンテナを用いることにより円偏波以外の外乱電波の影響を除外することができるので、これによっても微小移動の検出精度を向上させることができる。
【0026】
〔第2実施形態〕
図4は、第2実施形態に係る微小移動検出装置のブロック図である。この図4から容易に解るように、本微小移動検出装置は、第1実施形態に係る微小移動検出装置に対して、ワンチップマイコン13Aによって制御される位相切替器14を受信信号用ミキサ9と位相検出器12との間に追加したものである。この位相切替器14は、ワンチップマイコン13Aから入力される制御信号によって低周波受信信号の位相を90°だけ切替えるものである。
【0027】
図2を参照して、このように構成された微小移動検出装置の動作について説明すると、移動検出対象物に対する微小移動検出装置の位置は、初期的には位相差が0〜180°(直線増加領域)の中間位置つまり90°となるように設定される。この状態において、移動検出対象物が微小移動検出装置に対して近づく方向あるいは遠ざかる方向に微小移動すると、位相差は90°から増大あるいは減少し、検出信号の値は位相検出特性に沿って直線的に増大あるいは減少することになる。
【0028】
例えば、移動検出対象物が近づく方向に微小移動することにより位相差が大きくなって90°→135°に変化すると、ワンチップマイコン13Aは、位相切替器14に対して制御信号を出力して低周波受信信号の位相を90°だけ切替させる。この結果、低周波送信信号の位相は切替えないので、低周波送信信号と低周波受信信号との位相差は135°→45°に変化する。このような位相切替器14による低周波受信信号の位相切替を行った場合、位相切替器14における45°の位相差は、低周波受信信号の位相切替によって135°から遷移したものなので、ワンチップマイコン13Aは、位相切替器14における45°の位相差を135°(=実位相差)と認識する。
【0029】
このような低周波受信信号の位相切替は、上記切替後において移動検出対象物が近づく方向にさらに微小移動して位相差が再び135°に到達した場合にも繰り返され、この場合に、ワンチップマイコン13Aは、2回目の位相切替なので、切替後の位相差を135°+90°=225°と認識する。すなわち、ワンチップマイコン13Aは、位相切替器14の検出信号が示す位相差に位相切替の回数に90°を乗算した位相差を加味した位相差を実位相差として認識する。このことは、移動検出対象物が遠ざかる方向に微小移動して位相差が小さくなる場合も同様である。
【0030】
図2に示したように、位相検出器12の位相差特性は、直線増加範囲(0°〜180°)と直線減少範囲(180°〜360°)とから形成されているので、180°を中心として対称な関係にある位相差。例えば90°と250°では検出信号の値が同一であり、よって検出信号の値から両位相差を識別することができない。したがって、直線増加範囲と直線減少範囲とを跨って位相差を検出することはできず、直線増加範囲あるいは直線減少範囲の何れかのみを用いざるを得ない、つまり位相差の検出範囲は0〜180°あるいは180°〜360°に限定される。
【0031】
しかしながら、本第2実施形態によれば、上述したように位相切替器14による低周波受信信号の位相切替及びワンチップマイコン13Aにおける当該位相切替に応じた実位相差の認識を行うことによって位相差の検出範囲を原理的に無制限とすることができる。
【0032】
なお、上述した説明では、位相検出器12の位相差特性のうち45°〜135°の範囲を用いる場合について説明したが、0°〜180°の範囲あるいは180°〜360°の何れかであればどの範囲でも良い。本第2実施形態では、位相検出器12の位相差特性は、実際には90°及び270°の直線性に比べて0°、180°及び360°近傍の直線性が悪いので、上述した説明ではより直線性が良好な範囲を位相差検出範囲とするために、45°及び135°の位相差で低周波受信信号の位相切替を行うようにした。
【0033】
また、本第2実施形態では、位相検出器12によって低周波受信信号の位相を切替えるようにしてが、位相検出器12によって低周波送信信号の位相を切替えるようにしても良いことは勿論である。
【0034】
〔第3実施形態〕
図5は、第3実施形態に係る微小移動検出装置のブロック図である。この図5から容易に解るように、本微小移動検出装置は、第1実施形態に係る微小移動検出装置に対して、ワンチップマイコン13Bによって制御される基準遅延切替器15を受信信号用ミキサ9と位相検出器12との間に追加したものである。この基準遅延切替器15は、ワンチップマイコン13Bから入力される制御信号によって低周波受信信号の遅延量を基準移動量だけ遅延させる切替えを行うものである。
【0035】
すなわち、基準遅延切替器15は、図6に示すように、低周波受信信号に殆ど遅延を与えない第1の伝送路L1(マイクロストリップライン)と、当該第1の伝送路L1の遅延量に基準移動量に相当する遅延量を加算した遅延量の遅延を低周波受信信号に与える第2の伝送路L2(マイクロストリップライン)とを備え、当該第1、第2の伝送路L1,L2をワンチップマイコン13Bから入力された制御信号に基づいて切替えるものである。このような基準遅延切替器15は、以下に説明するように本微小移動検出装置の動作異常を検出するために備えられている。
【0036】
ワンチップマイコン13Bは、本微小移動検出装置の動作異常を検出するために所定のタイムインターバルで制御信号を基準遅延切替器15に出力して第1の伝送路L1と第2の伝送路L2とを切替させる。そして、この切替の前後における微小移動量の差が基準移動量に一致している場合は本微小移動検出装置が正常に動作していると判定し、一致しない場合には異常であると判定する。そして、この判定結果を外部に出力する。
【0037】
上述したように、基準遅延切替器15における第1の伝送路L1と第2の伝送路L2とは、マイクロストリップラインとして物理的に形成されたものであり、マイクロストリップラインの長さによって基準移動量に相当する遅延量の差が生じるように形成されたものである。したがって、基準遅延切替器15の特性としての基準移動量はほぼ不変と考えることができる。
【0038】
したがって、このような性質を有する第1の伝送路L1と第2の伝送路L2とを切替えた際に得られる微小移動量が基準遅延切替器15固有の基準移動量に一致しない場合には、本微小移動検出装置に何らかの異常があると考えることができる。ワンチップマイコン13Bは、本微小移動検出装置の初期設定時において第1の伝送路L1と第2の伝送路L2とを切替えた際に得られる微小移動量を基準移動量として内部に記憶し、これ以降において所定のタイムインターバルで第1の伝送路L1と第2の伝送路L2とを切替えた際に得られる微小移動量が内部に記憶した基準移動量に一致するか否かを判定することにより、定期的に本微小移動検出装置の異常発生を監視する。
【0039】
本実施形態によれば、ワンチップマイコン13Bによって異常発生が定期的に監視されるので、異常発生に起因する不確かな微小移動の検出を防止することが可能であり、よって移動検出対象物の微小移動を精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施形態に係る微小移動検出装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る微小移動検出装置における位相検出器12の位相検出特性を示す特製図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る微小移動検出装置の動作原理を示す模式図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る微小移動検出装置の機能構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る微小移動検出装置の機能構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る微小移動検出装置における基準遅延切替器15の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0041】
1…電圧制御発振器、2…カップラ、3…送信信号電力分配器、4…PLL回路、5…アッテネータ、6…送信信号用ミキサ、7…送信アンテナ、8…受信アンテナ、9…受信信号用ミキサ、10…ローカル信号電力分配器、11…ローカル発振器、12…位相検出器、13…ワンチップマイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波帯の波長を有する送信信号を発生する送信信号発生器と、
前記送信信号を送信波として移動検出対象物に照射する送信アンテナと、
前記送信波が移動検出対象物に反射して得られる反射波を捕らえ受信信号を出力する受信アンテナと、
所定周波数のローカル信号を発生するローカル信号発生器と、
ローカル信号を用いて送信信号を低周波送信信号に周波数変換する送信信号周波数変換器と、
ローカル信号を用いて受信信号を低周波受信信号に周波数変換する受信信号周波数変換器と、
低周波送信信号と低周波受信信号との位相差を検出する位相検出器と、
該位相検出器の検出信号に基づいて移動検出対象物の移動状態を判定する判定手段と
を具備することを特徴とする微小移動検出装置。
【請求項2】
判定手段から入力される第1の制御信号に基づいて低周波送信信号あるいは低周波受信信号のいずれか一方を所定の位相差分だけ切替える位相切替器をさらに備え、
判定手段は、位相検出器の検出信号が所定範囲を超えると、第1の制御信号を用いて前記位相切替器を制御することにより低周波送信信号あるいは低周波受信信号のいずれか一方を所定の位相差分だけ切替えさせ、当該位相差を加味して移動検出対象物の移動状態を判定する
ことを特徴とする請求項1記載の微小移動検出装置。
【請求項3】
判定手段から入力される第2の制御信号に基づいて低周波受信信号を移動検出対象物の所定の基準移動量分だけ遅延/非遅延させる信号遅延手段をさらに備え、
判定手段は、第2の制御信号を用いて前記信号遅延手段を制御することにより低周波受信信号を所定移動量分だけ遅延させた場合に得られる移動量と所定移動量分だけ遅延させない場合に得られる移動量との差が基準移動量と一致するか否かに基づいて動作異常を判定する
ことを特徴とする請求項1または2記載の微小移動検出装置。
【請求項4】
送信アンテナ及び受信アンテナは円偏波アンテナであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の微小移動検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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