説明

微小部品供給装置

【課題】加振器の加振方向を調整することができ、かつ微小部品の移送能力を向上させることができる微小部品搬送装置を提供することである。
【解決手段】微小部品供給装置においては、圧電式振動部302により振動が発振され、その振動が第1搬送部材320および第2搬送部材330に与えられる。そして、第1搬送部材320および第2搬送部材330内に与えられた振動により微小部品が移送される。防振用板ばね380を取り付ける面に側面角度調整ダイヤルが設けられる。側面角度調整ダイヤルを回転させた場合、防振台301の一側面の面および圧電式振動部302の一側面の面が回転する。側面角度調整ダイヤルを逆方向に回転させた場合、防振台301の一側面の面および圧電式振動部302の面が逆方向に回転する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は平板状の微小部品を振動により移送することが可能な微小部品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品に対して振動を与えることにより、部品を整列させるとともに部品の供給を行う部品供給装置の一つとして、パーツフィーダがよく知られている。このパーツフィーダは、部品に振動を与えることにより部品の姿勢を整え、次工程に供給することができる。
【特許文献1】特開2003−285921号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、近年、パーツフィーダにより姿勢が整えられ、かつ搬送される被対象物は、小型化および微小化してきている(以下、微小部品と呼ぶ。)。その一方、微小部品の搬送能力の向上が求められている。
【0004】
その結果、微小部品の搬送能力を向上させるため加振器の加振力を大きくする必要が生じている。しかし、微小部品は自重が軽いため、わずかな振動方向のずれが生じた場合、搬送方向がずれるという課題があった。また、搬送能力を大きくした場合、個々の加振器ごとに振動方向が異なり、一律に加振器の位置調整を行っても量産工程において、加振器の振動方向と微小部品の搬送方向とのずれが生じるという課題があった。
【0005】
特に、特許文献1記載の部品供給装置においては、部品を搬送する経路と、部品を還流させる経路の2経路を有するため、加振器と2経路との配置関係によりずれが生じやすいという課題があった。
【0006】
本発明の目的は、加振器の加振方向を調整することができ、かつ微小部品の移送能力を向上させることができる微小部品搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0007】
(1)
本発明に係る微小部品供給装置は、微小部品に振動を与えて微小部品を直線状に移送する微小部品供給装置であって、微小部品に振動を付与する加振器と、加振器から付与される振動により微小部品を搬送する搬送路と、加振器を支持するための支持台と、支持台の固設面と加振器の固設面との固設を行う防振板部材とを含み、支持台および加振器は、固設面の角度を変更できる角度調整装置を有するものである。
【0008】
本発明に係る微小部品供給装置においては、加振器により振動が発振され、その振動が搬送路に与えられる。そして、搬送路に与えられた振動により微小部品が移送される。また、加振器は支持台上に防振板部材により固設される。
【0009】
この場合、支持台および加振器は、防振板部材を取り付ける固設面に角度調整装置を有するので固設面の向きを調整することができ、加振器の振動方向と微小部品の移送方向とのずれを修正することができる。その結果、微小部品の移送方向に適した振動を微小部品に与えることができる。したがって、加振器の搬送能力を向上させた場合でも、微小部品の移送方向に適した振動を搬送路に与えることができるので、微小部品供給装置の微小部品の移送能力を向上させることができる。
【0010】
(2)
角度調整装置は、角度指示装置をさらに含み、角度指示装置からの指示に応じて固設面の向きを変化させてもよい。
【0011】
この場合、角度指示装置を調整することにより固設面の向きを変化させることにより加振器の振動方向を変化させることができるので、加振器の振動方向と微小部品の移送方向とのずれを修正することができる。さらに、防振板部材を取り付けるための固設面の角度を調整することにより、振動の伝達に直接関連する部分(振動の伝達方向側)ではなく、振動の伝達に間接的に関連する部分(振動の固定端側を保持するとともに角度を調整する)により、振動方向を調整することができるので、容易に微妙な振動方向のずれの調整を行うことができる。
【0012】
(3)
角度調整機構は、角度指示装置および複数のピンをさらに含み、角度指示装置からの指示に応じて固設面から突出する複数のピンの突出量を変化させてもよい。
【0013】
この場合、角度指示装置を調整することにより固設面から突出させる複数のピンの突出量をそれぞれ変化させることができるので、容易に加振器の振動方向を変化させることができ、加振器の振動方向と微小部品の移送方向とのずれを修正することができる。さらに、防振板部材を取り付けるための固設面から複数のピンを突出させることにより、固設面と防振板部材との角度を調整することができる。この場合、振動の伝達に直接関連する部分(振動の伝達方向側)ではなく、振動の伝達に間接的に関連する部分(振動の固定端側を保持するとともに角度を調整する)により振動方向を調整することができるので、容易にずれの微調整を行うことができる。
【0014】
(4)
角度調整装置は、所定の角度を有する板状部材をさらに含み、固設面と防振板部材との間に板状部材を設けてもよい。
【0015】
この場合、所定の角度を有する板状部材を固設面と防振板状部材との間に設けることにより、容易に加振器の振動方向を変化させることができ、加振器の振動方向と微小部品の移送方向とのずれを修正することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る第1〜第3の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る第1の実施の形態に係る微小部品供給装置100の一例を示す模式的斜視図である。図1(a)は、微小部品供給装置100の上面を示し、(b)は微小部品供給装置100の側面を示す。
【0017】
図1(a),(b)に示すように、微小部品供給装置100は、パーツフィーダ200、リニアフィーダ300およびステージ900を含む。また、図1(b)に示すように、パーツフィーダ200は、ボウル状搬送部210と圧電式振動部220とを含む。
【0018】
本実施の形態における微小部品供給装置100においては、ステージ900上にパーツフィーダ200およびリニアフィーダ300が設けられる。パーツフィーダ200の微小部品排出部211には、リニアフィーダ300の微小部品搬入部311が接続されている。さらに、リニアフィーダ300の微小部品還流路317には、パーツフィーダ200の受け入れ路217が接続されている。
【0019】
パーツフィーダ200の圧電式振動部220により発振された振動が、圧電式振動部220の上部に載置されたボウル状搬送部210に与えられる。ボウル状搬送部210内には、ボウル状搬送部210の内周に沿って螺旋状の微小部品搬送路が設けられる(図示せず)。ボウル状搬送部210の中央底部に微小部品800が供給され、圧電式振動部220からの振動により微小部品800が螺旋状の搬送路上を搬送され、微小部品排出部211からリニアフィーダ300の微小部品搬入部311に与えられる。
【0020】
また、後述するように、リニアフィーダ300には、圧電式振動部302が設けられており、圧電式振動部302により発振された振動が、リニアフィーダ300の各搬送路に与えられる。それにより、微小部品供給装置100は、微小部品供給装置100の次工程に微小部品800を供給することができる。
【0021】
また、リニアフィーダ300の搬送路内において所定姿勢に整理されなかった微小部品800が存在する場合、または次工程においてトラブルが生じて次工程側に微小部品800を搬送させないようにする場合、還流部材により微小部品800が、微小部品還流路317からパーツフィーダ200の受け入れ路217を介してボウル状搬送部210の中央底部に戻される。
【0022】
次に、図2は本実施の形態において搬送される微小部品800の形状の一例を示す模式的斜視図である。
【0023】
図2に示すように、微小部品800は、長さL、高さH、幅Bを有する直方体からなる。長さL、高さHおよび幅Bの関係は、H<B<Lの関係を有する。このように、微小部品800は平板状の微小部品からなる。
【0024】
また、微小部品供給装置100は、微小部品800の一方の面に電極が形成されたものである場合が多く、一般に微小部品800の大きさは、長さLが3.2〜8mm程度であり、幅Bが2.5〜5.0mm程度であり、高さHが0.8〜1.7mm程度である。
【0025】
次に、図3は、リニアフィーダ300の詳細を示す側面図である。
【0026】
リニアフィーダ300は、防振台301、圧電式振動部302、振動伝達部303、第1搬送部材320、第2搬送部材330、接続部材340および第3搬送部材350を含む。また、防振台301には、側面角度調整ダイヤル500が設けられ、圧電式振動部302には、側面角度調整ダイヤル400が設けられる。この側面角度調整ダイヤル400,500の詳細については後述する。
【0027】
図3に示すように、防振台301の上部には、圧電式振動部302が複数の防振用板ばね380により保持される。この詳細については後述する。圧電式振動部302の上部には、振動伝達部303が複数の板ばね390により保持される。振動伝達部303の上部には、第1搬送部材320が固定され、第1搬送部材320の一端側には、第2搬送部材330が接続され、第1搬送部材320の側面には、接続部材340が併設される。また、第1搬送部材320には複数の板ばね360を介して第3搬送部材350が設けられる。
【0028】
以上の構成により、圧電式振動部302により発振された振動は、板ばね390により第1搬送部材320および第2搬送部材330に伝えられ、さらに板ばね360により第3搬送部材350に伝えられる。
【0029】
次に、図4は、防振台301および圧電式振動部302の固設状態の詳細を説明するための斜視図である。
【0030】
図4に示すように、防振台301の上に圧電式振動部302が設けられる。防振台301の一側面にはボルト固定穴BH1およびボルト固定穴BH2が設けられ、防振台301の他側面にも同様のボルト固定穴(図示せず)が設けられている。
【0031】
また、圧電式振動部302の一側面の下部にはボルト固定穴BH3およびボルト固定穴BH4が設けられ、圧電式振動部302の他側面の下部にも同様にボルト固定穴(図示せず)が設けられている。
【0032】
さらに、圧電式振動部302の一側面の上部にはボルト固定穴BH5およびボルト固定穴BH6が設けられ、圧電式振動部302の他側面の上部にも同様にボルト固定穴(図示せず)が設けられている。
【0033】
振動伝達部303の一側面の下部にはボルト固定穴BH7およびボルト固定穴BH8が設けられ、振動伝達部303の他側面の下部にも同様にボルト固定穴(図示せず)が設けられている。
【0034】
また、2枚の防振用板ばね380には、4個の孔が設けられており、2枚の板ばね390にも、4個の孔が設けられている。
【0035】
防振台301に圧電式振動部302を固設する具体例としては、防振台301の一側面に設けられたボルト固定穴BH1,BH2に防振用板ばね380の孔を介して2本のボルトBがそれぞれ螺合される。また、圧電式振動部302の一側面の下部に設けられたボルト固定穴BH3,BH4に防振用板ばね380の孔を介して2本のボルトBがそれぞれ螺合される。
【0036】
同様に、防振台301の他側面に設けられたボルト固定穴に防振用板ばね380の孔を介して2本のボルトBがそれぞれ螺合される(図示せず)。圧電式振動部302の他側面に設けられたボルト固定穴に防振用板ばね380の孔を介して2本のボルトBがそれぞれ螺合される(図示せず)。
【0037】
一方、圧電式振動部302の一側面の上部に設けられたボルト固定穴BH5,BH6に板ばね390の孔を介して2本のボルトBがそれぞれ螺合される。振動伝達部303の一側面に設けられたボルト固定穴BH7,BH8に板ばね390の孔を介して2本のボルトBがそれぞれ螺合される。
【0038】
さらに、圧電式振動部302の他側面の上部に設けられたボルト固定穴に板ばね390の孔を介して2本のボルトがそれぞれ螺合される。振動伝達部303の他側面に設けられたボルト固定穴に板ばね390の孔を介して2本のボルトがそれぞれ螺合される。
【0039】
以上のように、防振台301上に防振用板ばね380を介して圧電式振動部302が固設され、圧電式振動部302の上に板ばね390を介して振動伝達部303が固設される。それにより、圧電式振動部302により発振された振動が、振動伝達部303を介して第1搬送部材320、第2搬送部材330に与えられる。
【0040】
この場合、圧電式振動部302により発振された矢印X1の方向の振動は、圧電式振動部302の加振能力を向上させた場合または、微小部品供給装置100の全体的なバランスによって、矢印X2の方向または矢印X3の方向にずれる場合がある。以下、その振動方向のずれの調整手法(矢印X2およびX3の方向を矢印X1の方向に調整する)について詳細に説明する。
【0041】
図5は圧電式振動部302の振動方向を調整する前の側面の一例を示す模式的斜視図であり、図6は圧電式振動部302の振動方向を調整した後の側面の一例を示す模式的斜視図である。
【0042】
図5に示すように圧電式振動部302の一側面は、面410および面420から構成される。また、圧電式振動部302の正面には、側面角度調整ダイヤル400が設けられ、防振台301の正面には、側面角度調整ダイヤル500が設けられている。
【0043】
図5に示すように、圧電式振動部302の振動方向を調整する前の一側面の面410および面420は一平面からなる。次に、図6に示すように、側面角度調整ダイヤル400を矢印R1の方向に回転させた場合、圧電式振動部302の一側面の面410が矢印R2の方向(垂直軸周りの方向)に回転する。すなわち、面410は、面420と異なる傾きとなる。また、側面角度調整ダイヤル400を矢印R1とは逆方向に回転させた場合、圧電式振動部302の一側面の面410が矢印R2(垂直軸周りの方向)とは逆方向に回転する。なお、面410の回転角度は、0.00度から±5.00度程度の範囲であることが好ましい。
【0044】
同様に、図6に示すように、側面角度調整ダイヤル500を矢印R1の方向に回転させた場合、防振台301の一側面の面510が矢印R2の方向(垂直軸周りの方向)に回転する。また、側面角度調整ダイヤル500を矢印R1とは逆方向に回転させた場合、防振台301の一側面の面510が矢印R2(垂直軸周りの方向)とは逆方向に回転する。なお、面510の回転角度は、0.00度から±5.00度程度の範囲であることが好ましい。
【0045】
この矢印R2の方向に回転した面410および面510に対して、防振用板ばね380を固定することにより圧電式振動部302において加振される加振方向矢印X2またはX3の方向を矢印X1の方向に調整することができ、第1搬送部材320、第2搬送部材330および第3搬送部材350の振動方向を最適に調整することができる。
【0046】
以上の構成により、側面角度調整ダイヤル400,500により圧電式振動部302の面410および防振台301の面510の向きを調整することができるので、圧電式振動部302の振動方向と微小部品800の移送方向とのずれを修正することができる。その結果、微小部品800の移送方向に適した振動を第1搬送部材320および第2搬送部材330に与えることができ、その振動を微小部品800に与えることができる。したがって、圧電式振動部302の加振能力が大きくなっても、ずれを生じさせることなく、微小部品供給装置100の微小部品800の移送能力を向上させることができる。
【0047】
なお、本実施の形態においては、側面角度調整ダイヤル400により面410の角度が調整されることとしたが、これに限定されず、側面角度調整ダイヤル400により圧電式振動部302の側面の上部の面の角度が調整されることとしてもよい。
【0048】
すなわち、振動伝達に直接関連する部分(板ばね390の固定面)の角度を調整する構成をさらに設けてもよい。この場合、振動方向のずれが大きい場合には、振動伝達に直接関連する部分の角度を調整し、さらに、振動の伝達方向微調整を行う場合には、振動伝達に間接的に関連する部分の角度を調整することにより、さらに容易に振動伝達の方向を調整することができる。
【0049】
また、側面角度調整ダイヤル400,500をそれぞれ設けることとしたが、これに限定されず、1の側面角度調整ダイヤルにより全ての面の角度を調整させる構成としてもよい。
【0050】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態における防振台301bおよび圧電式振動部302bが、第1の実施の形態における防振台301および圧電式振動部302の構成と異なるのは、以下の点である。
【0051】
図7および図8は、第2の実施の形態に係る防振台301bおよび圧電式振動部302bの一側面を示す斜視図である。
【0052】
図7に示すように、第2の実施の形態における圧電式振動部302bは、側面角度調整ダイヤル400の代わりに角ピン突出量調整ダイヤル401を有し、圧電式振動部302の面410の代わりに、面450を有する。また、面450には、角ピン451〜角ピン457が設けられる。また、防振台301bは、側面角度調整ダイヤル500の代わりに角ピン突出量調整ダイヤル501を有し、防振台301の面510の代わりに面550を有する。また、面550には、角ピン551〜角ピン557が設けられる。
【0053】
図8に示す角ピン突出量調整ダイヤル401,501を矢印R1の方向に回転することにより、角ピン451〜角ピン457が面450から突出し、角ピン551〜角ピン557が面550から突出する。
【0054】
この場合、角ピン451および角ピン454と、角ピン452,角ピン455および角ピン457と、角ピン453および角ピン456との突出量はそれぞれ異なり、図8に示すように、角ピン451および角ピン454の突出量が最も多く、角ピン452,角ピン455および角ピン457の突出量が次に多く、角ピン453および角ピン456の突出量が最も少ない状態となる。
【0055】
一方、角ピン551および角ピン554と、角ピン552,角ピン555および角ピン557と、角ピン553および角ピン556との突出量はそれぞれ異なり、図8に示すように、角ピン551および角ピン554の突出量が最も多く、角ピン552,角ピン555および角ピン557の突出量が次に多く、角ピン553および角ピン556の突出量が最も少ない状態となる。
【0056】
また、図示していないが、角ピン突出量調整ダイヤル401,501を矢印Rとは逆方向に回転することにより、角ピン451〜角ピン457が面450から突出し、角ピン551〜角ピン557が面550から突出する。
【0057】
この場合、角ピン451および角ピン454と、角ピン452,角ピン455および角ピン457と、角ピン453および角ピン456との突出量はそれぞれ異なり、角ピン451および角ピン454の突出量が最も少なく、角ピン452,角ピン455および角ピン457の突出量が次に少なく、角ピン453および角ピン456の突出量が最も多い状態となる。
【0058】
一方、角ピン551および角ピン554と、角ピン552,角ピン555および角ピン557と、角ピン553および角ピン556との突出量はそれぞれ異なり、角ピン551および角ピン554の突出量が最も少なく、角ピン552,角ピン555および角ピン557の突出量が次に少なく、角ピン553および角ピン556の突出量が最も多い状態となる。
【0059】
したがって、この角ピン451〜角ピン457,角ピン551〜角ピン557により防振用板ばね380の取り付け角度を調整することができる。なお、面450,550から突出する角ピン451〜角ピン457および角ピン551〜角ピン557により取り付けられる防振用板ばね380の取り付け角度は、角ピン451〜角ピン457および角ピン551〜角ピン557が突出していない場合と比較して、0.00度から±5.00度以内であることが好ましい。
【0060】
この面450,550および突出した角ピン451〜角ピン457,角ピン551〜557に対して、防振用板ばね380を固定することにより圧電式振動部302において加振される加振方向、矢印X2またはX3の方向を矢印X1の方向に調整することができ、第1搬送部材320、第2搬送部材330および第3搬送部材350の振動方向を最適に調整することができる。
【0061】
以上のように、角ピン突出量調整ダイヤル401,501により圧電式振動部302の面450および面550に対して取り付けられる防振用板ばね380の向きを調整することができるので、圧電式振動部302の振動方向と微小部品800の移送方向とのずれを修正することができる。その結果、微小部品800の移送方向に適した振動を第1搬送部材320および第2搬送部材330に与えることができ、その振動を微小部品800に与えることができる。したがって、微小部品供給装置100の微小部品800の移送能力を向上させることができる。
【0062】
なお、本実施の形態においては、角ピン突出量調整ダイヤル401により面450から角ピン451〜角ピン457が突出することとしたが、これに限定されず、角ピン突出量調整ダイヤル401によりにより圧電式振動部302の側面の上部の面の角度が調整されることとしてもよい。
【0063】
すなわち、振動伝達に直接関連する部分(板ばね390の固定面)の角度を調整する構成をさらに設けてもよい。この場合、振動方向のずれが大きい場合には、振動伝達に直接関連する部分の角度を調整し、さらに、振動の伝達方向微調整を行う場合には、振動伝達に間接的に関連する部分の角度を調整することにより、さらに容易に振動伝達の方向を調整することができる。
【0064】
また、本実施の形態においては、角ピン451〜角ピン457,角ピン551〜角ピン557を用いることとしたが、このピン形状または本数は、これに限定されたものではなく、他の形状、他の任意の本数を用いてもよい。例えば、円柱状のピンを5本設けてもよく、円柱状のピンを3本および角ピンを4本設けることとしてもよい。
【0065】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態における防振台301cおよび圧電式振動部302cが、第1の実施の形態における防振台301cおよび圧電式振動部302および第2の実施の形態における防振台301bおよび圧電式振動部302bの構成と異なるのは、以下の点である。
【0066】
図9および図10は、第3の実施の形態に係る防振台301bおよび圧電式振動部302cの一側面を示す斜視図である。
【0067】
図9および図10に示すように、第3の実施の形態における防振台301cおよび圧電式振動部302cは、防振台301の面510および防振台301の角ピン551〜角ピン557の代わりに三角柱部材570を有し、圧電式振動部302の面410および圧電式振動部302bの角ピン451〜角ピン457の代わりに三角柱部材470を有する。
【0068】
図9に示す面410および面510に対して、図10に示すように、三角柱部材470および三角柱部材570を取り付ける。この場合、三角柱部材470は、面410に対して防振用板ばね380が0.00度から±5.00度以内の範囲内で回転した状態で取り付けられることが好ましく、三角柱部材570は、面510に対して防振用板ばね380が0.00度から±5.00度以内の範囲内で回転した状態で取り付けられることが好ましい。なお、三角柱部材470および三角柱部材570はいずれも同じ角度を有するものである。
【0069】
以上の構成により、三角柱部材470および三角柱570を面410および面510と防振用板ばね380との間に設けることにより、容易に圧電式振動部302の振動方向の調整をすることができ、圧電式振動部302の振動方向と微小部品800の移送方向とのずれを修正することができる。
【0070】
なお、本実施の形態においては、面410に三角柱部材470を設けることとしたが、これに限定されず、圧電式振動部302の側面の上部の面に三角柱部材470を設けることとしてもよい。
【0071】
すなわち、振動伝達に直接関連する部分(板ばね390の固定面)の角度を調整する構成をさらに設けてもよい。この場合、振動方向のずれが大きい場合には、振動伝達に直接関連する部分の角度を調整し、さらに、振動の伝達方向微調整を行う場合には、振動伝達に間接的に関連する部分の角度を調整することにより、さらに容易に振動伝達の方向を調整することができる。
【0072】
上記第1〜第3の実施の形態においては、微小部品800が微小部品に相当し、微小部品供給装置100が微小部品供給装置に相当し、圧電式振動部302が加振器に相当し、第1搬送部材320、第2搬送部材330および第3搬送部材350が搬送路に相当し、ステージ900が支持台に相当し、面410、450,510,550が固設面に相当し、防振用板ばね380が防振板部材に相当し、側面角度調整ダイヤル400,500および面410、510,角ピン突出量調整ダイヤル401、501、面450および面550および角ピン451〜角ピン457、角ピン551〜角ピン557、三角柱部材470、三角柱570が角度調整装置に相当し、側面角度調整ダイヤル400,500および角ピン突出量調整ダイヤル401,501が角度指示装置に相当し、角ピン451〜角ピン457および角ピン551〜角ピン557がピンに相当し、三角柱部材470および三角柱570が所定の角度を有する板状部材に相当する。
【0073】
本発明は、上記の好ましい第1〜第3の実施の形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態に係る微小部品供給装置の一例を示す模式的斜視図
【図2】本実施の形態において搬送される微小部品の形状の一例を示す模式的斜視図
【図3】リニアフィーダの詳細を示す側面図
【図4】防振台および圧電式振動部の固設状態の詳細を説明するための斜視図
【図5】防振台および圧電式振動部の振動方向を調整する前の側面の一例を示す模式的斜視図
【図6】圧防振台および電式振動部の振動方向を調整した後の側面の一例を示す模式的斜視図
【図7】第2の実施の形態に係る防振台および圧電式振動部の一側面を示す斜視図
【図8】第2の実施の形態に係る防振台および圧電式振動部の一側面を示す斜視図
【図9】第3の実施の形態に係る防振台および圧電式振動部の一側面を示す斜視図
【図10】第3の実施の形態に係る防振台および圧電式振動部の一側面を示す斜視図
【符号の説明】
【0075】
100 微小部品供給装置
302 圧電式振動部
320 第1搬送部材
330 第2搬送部材
380 防振用板ばね
400 側面角度調整ダイヤル
401,501 角ピン突出量調整ダイヤル
410,450,510,550 面
451〜457,551〜557 角ピン
470 三角柱部材
570 三角柱部材
800 微小部品
900 ステージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微小部品に振動を与えて前記微小部品を直線状に移送する微小部品供給装置であって、
前記微小部品に振動を付与する加振器と、
前記加振器から付与される振動により前記微小部品を搬送する搬送路と、
前記加振器を支持するための支持台と、
前記支持台の固設面と前記加振器の固設面との固設を行う防振板部材とを含み、
前記支持台および加振器は、前記固設面の角度を変更できる角度調整装置を有することを特徴とする微小部品供給装置。
【請求項2】
前記角度調整装置は、角度指示装置をさらに含み、
前記角度指示装置からの指示に応じて前記固設面の向きを変化させることができることを特徴とする請求項1記載の微小部品供給装置。
【請求項3】
前記角度調整装置は、角度指示装置および複数のピンをさらに含み、
前記角度指示装置からの指示に応じて前記固設面から突出させる前記複数のピンの突出量を変化させることができることを特徴とする請求項1記載の微小部品供給装置。
【請求項4】
前記角度調整装置は、所定の角度を有する板状部材をさらに含み、
前記固設面と前記防振板部材との間に前記板状部材を設けることを特徴とする請求項1記載の微小部品供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−160422(P2006−160422A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−352258(P2004−352258)
【出願日】平成16年12月6日(2004.12.6)
【出願人】(000002059)神鋼電機株式会社 (1,111)
【Fターム(参考)】