微細化促進用器具および微細化促進用器具の気液混合ノズル装置
【課題】気液混合ノズルから噴射された液微粒子を微細化させることができる微細化促進用器具、および微細化促進用の気液混合ノズル装置を提供することを目的とする。
【解決手段】液微粒子の微細化促進用器具は、液微粒子が入射される微細化室と、微細化室内に配置される、先端が先細り形状の中空のバッフルと、を有し、バッフルが、配置される微細化室の内面形状に応じた形状の連結部と、開口部が形成されるバッフル本体と、を有して構成される。
【解決手段】液微粒子の微細化促進用器具は、液微粒子が入射される微細化室と、微細化室内に配置される、先端が先細り形状の中空のバッフルと、を有し、バッフルが、配置される微細化室の内面形状に応じた形状の連結部と、開口部が形成されるバッフル本体と、を有して構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液微粒子を微細化することができる微細化促進用器具、および、この微細化促進用器具と、気液混合(または2流体)ノズルを備えた、微細化促進用の気液混合ノズル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療機器(例えば、吸入機)、半導体(成膜技術)、スプレードライヤー(セラミック新素材)、燃焼用バーナー等の分野で液滴径がサブミクロン(1〜10μm)またはナノ(1μm未満)粒子のニーズが普及しつつある。現状の霧化技術は、気液混合式(2流体式)、超音波式、超高圧式(100〜300MPa)、蒸発式等があるが、いずれも装置コストが高く、小型化が困難である。さらに、6μm以下のサブミクロンサイズ、ナノサイズの液滴平均粒子径が得られる装置は少ない。
【0003】
また、微粒子ミストを生成するための噴霧ノズル装置が知られている(特許文献1)。この噴霧ノズル装置は、第1ノズル部と第2ノズル部を有し、第1ノズル部からの噴射液と第2ノズル部からの噴射液とを衝突させて、微粒子ミストを形成することができる。しかしながら、2流体ノズル部を2つ備えるため、コスト高であり、小型化にも適していない。また、2流体のそれぞれを高圧の空気圧(3kg/cm2)と水道水(水圧、50cc/min)とした場合に、この噴霧ノズル装置で形成された微粒子の平均粒径は8.8μm程度であり(特許文献1、段落番号0024)、6μm以下のサブミクロンサイズの噴霧粒子を得ることができない。
【0004】
また、他の2流体ノズルとして特許文献2が知られている。特許文献2の2流体ノズルは、中心軸線に沿って液体流路20Bを設け、外周に環状の外側気体流路21Bを設け、液体流路の途中に液体分岐流路23を介設し、液体分岐流路の再合流位置に旋回手段28を配置して液体を一次微粒化させ、かつ、液体分岐流路で囲まれた中央部位に中央気体流入部25を形成し、中央気体流入部に外側気体流路より気体を導入して、旋回して環状膜となった液体の中央に気体を衝突混合で導入して、二次微粒化させながら第1混合を行わせ、さらに、再合流されて気液混合流路30となる流路周面に、外側気体流路を連通する気体流入孔15dを設けて、気液混合流路の混合流体に対して外周面より気体を衝突混合で流入して三次微粒化しながら第2混合を行わせて、噴射口16gより気液混合ミストとして噴射させている。しかしながら、ノズル内部の構造が複雑であり、コスト高である。また、噴霧流量を230〜700L/時間とした条件下において気水比100とすると、得られた噴霧液の平均粒子径が50μm程度であり、サブミクロンサイズの噴霧粒子を得ることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−126587号公報
【特許文献2】特開2002−159889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、気液混合ノズルから噴射された液微粒子(霧化体)を微細化させることができる微細化促進用器具、および微細化促進用の気液混合ノズル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明は、液微粒子の微細化促進用の器具であって、
液微粒子が入射される微細化室と、
微細化室内に配置される、先端が先細り形状の中空のバッフルと、を有し、
バッフルが、配置される微細化室の内面形状に応じた形状の連結部と、開口部が形成されるバッフル本体と、を有して構成される。
【0008】
この構成によれば、微細化室内に配置される、先端が先細り形状のバッフルによって、微細化室に入射された液微粒子中の大きい粒径の粒子をバッフルに接触されて液滴成長させ、粒径の小さい粒子は、バッフル本体の開口部を通じて、噴射方向に流出させることができるため、入射時の平均粒子径よりも流出時の平均粒子径を効果的に小さくできる。
【0009】
微細化室内のバッフルの配置は、中空中心と先端を結ぶバッフル中心軸と液微粒子の入射軸が一致あるいは略一致していることが好ましい。また、バッフル先端が液微粒子の入射側に配置される構成や、バッフル先端が入射方向に向かうように配置される構成がある。
【0010】
先端先細り形状のバッフル本体は、例えば、円錐形状、多角錘形状、半球状または半楕円球状である。連結部は、配置される微細化室の内面形状に応じた形状であり、微細化室内面に連結される。連結手段は、特に制限されず、また微細化室とバッフルを一体に構成(例えは、射出成形による成形)できる。
【0011】
バッフル本体に形成される開口部の形状としては、例えば、円、楕円、矩形、それらの組合せが挙げられる。また、開口部が、正面視で、先細り先端部と中空中心を結ぶ軸(バッフル中心軸(図11(b)の一点鎖線参照))に対し、所定の角度で傾斜(例えば60°〜120°の範囲)した複数のスリットで構成でき、正面視で、バッフル中心軸に対し直交する複数のスリットで構成することがより好ましい(図11参照)。開口部の断面積、スリット数、スリットサイズ等は、ノズル噴射条件、微細化室の形状、その内部配置条件等で適宜設定できる。
【0012】
開口部の開口方向は、先細り先端部と中空中心を結ぶ軸(バッフル中心軸)に対し、垂直方向、あるいは所定の角度(例えば60°〜120°の範囲)に傾斜している構成がある。傾斜する方向を、噴射方向に合わせる構成もでき、噴射方向と逆らう方向に構成することもできる。傾斜する方向によって、微粒子の動き、速度等が変化し、微細化が微調整可能になる。また、バッフルの肉厚(図11(b)の斜線部参照)を厚くすることで、液微粒子が開口部(スリット)を通る距離および時間を長くすることで、有効フォッグ量および微細化を調整することができる。例えば、バッフルの肉厚を厚くして液微粒子の通る距離および時間を長くするほど、有効フォッグ量は減少する傾向になるが、微細化する傾向になる。これは、液微粒子に作用するせん断力が増加すると考えられるからである。また、同様の理由により、スリット数を増加させて、多くの液微粒子にせん断力を作用させて、微細化を促進させることができる。
【0013】
上記発明の一実施形態として、微細化室に、複数のバッフルを配置する構成がある。この構成によれば、バッフルを複数個配置することで、ノズル噴射条件に応じた微細化を好適に行うことが可能になる。バッフルは、同形状のバッフルを用いる場合もあれば、異なる本体形状、スリットサイズ、スリット数のバッフルを用いることができる。
【0014】
上記発明の一実施形態として、微細化室は、その入口空間部の横断面積より大きい横断面積の空間部を少なくとも1以上有して構成される。
【0015】
この構成によれば、微細化室に入射された液微粒子が、微細化室の入口空間部の横断面積より大きい横断面積の空間部によって効果的に微細化される。例えば、微細化室を同一半径の円筒形状、台錐形状、ラッパ形状等に形成した場合よりも、液微粒子を効果的に微細化でき、さらに長さ方向の寸法を小さくでき、コンパクトな形状を実現できる。この微細化室内に、上記のバッフルが配置可能に構成される。
【0016】
微細化室の形状は、例えば、円筒状、楕円筒状、断面多角形状が例示され、ハンドリング性、加工性の観点から円筒状、楕円筒状が好ましく、円筒状がより好ましい。
【0017】
「微細化室の入口空間部の横断面積より大きい横断面積の空間部」は、例えば、微細化室が円筒状の場合、入口空間部の円状の横断面積よりも大きい、円状、楕円状、または多角形状等の横断面積の空間部が微細化室に設けられることが挙げられる。また、他の表現で言えば、微細化室の内部空間の形状は、横断面積の小さい円筒状、楕円筒状、または多角柱状(内部が空洞である。以下同様。)の空間の中間部分に、それよりも大きい横断面積の円筒状、楕円筒状、または多角柱状の空間が1つ以上組み込まれた形状である。例えば、横断面積の小さい円筒状、楕円筒状、または多角柱状の入口空間部(例えば液微粒子の入口空間部)と、それより大きい横断面積の円筒状、楕円筒状、または多角柱状の中間空間部との段差間は、所定角度の傾斜面で連結することができる。横断面積の小さい円筒状、楕円筒状、または多角柱状の入口空間部と、それより大きい横断面積の円筒状、楕円筒状、または多角柱状の中間空間部のそれぞれの中心軸が、一致または実質的に一致していることが好ましい。この中間空間部は、微細化室の長さ方向のサイズをコンパクトにするために、1つ以上形成されることが好ましい。複数の中間空間部が配置される場合に、各々の中間空間部の形状は、同一でもよく、異なる形状の組み合わせも可能である。
【0018】
また、「微細化室の入口空間部の横断面積より大きい横断面積の空間部」は、例えば、微細化室が瓢箪形状、ダルマ形状のように、入口空間部の横断面積より大きい横断面積の空間部を有する形状にできる。図14に微細化室の内部空間形状の例を示す。図14(a)〜(e)は、微細化室の全体形状の噴射軸縦断面の例であり、図14(f)は、中間空間部(32、33)の噴射軸横断面の例である。図14において、符号31は入口空間部、32、33は中間空間部、34は出口空間部である。
【0019】
微細化室を構成する材料としては、例えば、金属、プラスチック、紙、不織布、ゴム、ガラス、これらの複合材料等が挙げられ、加工性、ディスポーザブル性、洗浄性等の製品仕様を考慮して選択できる。
【0020】
例えば、市販の多種の気液混合ノズルにおいて、空気圧力20〜500kPa、噴霧流量1〜1000mL/minの条件下で、気液混合ノズルから噴霧された液微粒子(第1霧化体)の平均粒子径が10〜200μmの広範囲であった。そして、気液混合ノズルから噴霧された液微粒子(第1霧化体)中の粒子径の大きい霧(例えば、湿った霧)は、気液混合ノズルからの噴霧方向に対し大きな角度で広がる傾向にある(図1、「飛沫」参照)。粒子径の小さい霧(例えば、乾いた霧、煙霧)は、気液混合ノズルからの噴霧方向軸上に噴出する傾向にある(図1、霧化体参照)。例えば、図1の気液混合ノズルのスプレー半角が15°の場合に飛沫の噴出半角は約55°であって、飛沫粒子の平均粒子径が50〜100μmであり、スプレー半角15°部分の粒子の平均粒子径が10〜20μmであった。
【0021】
そして、微細化室に流入された液微粒子中の粒子径の大きい霧(例えば、湿った霧)は、微細化室壁面(入口空間部、中間の空間部)に衝突(または接触)し、微細化室壁面に付着し、大きな液滴に成長すると推察される。また、微細化室に流入した粒子径の小さい霧(例えば、乾いた霧)は、微細化室流入の際に微細化すると推察される。また、微細化室に流入した粒子径のより小さい霧(例えば、乾いた霧、煙霧)は、微細化室壁面に接触または衝突しても付着することなく空気中に浮遊する傾向にある。したがって、微細化室の機能によって、液微粒子中の大きい粒子径の霧(例えば、湿った霧)は、液滴に成長し、また粒子径の小さい霧(例えば、乾いた霧、その中でも粒子径の大きい霧)は、微細化されるため、流入された液微粒子よりも平均粒子径が小さい液微粒子を好適に生成することができる。
【0022】
また、上記構成の一実施形態として、微細化室が、液微粒子の入射軸上の入口近位に設けられる構成がある。この構成によれば、液微粒子の入射軸上に微細化室が配置されているため、液微粒子を微細化室にストレートにスムーズに送りこめる。
【0023】
また、上記構成の一実施形態として、液微粒子の入射軸上と所定の角度で傾斜する方向に、第2の微細化室をさらに有する構成がある。
【0024】
第2の微細化室は、第1の微細化室の出口空間部と連結され、液微粒子の入射軸上と所定の角度で傾斜する方向に延設するように形成される。例えば、第1微細化室に、その入口空間部の横断面積よりも小さい横断面積の出口空間部が形成され、この出口空間部と、第2の微細化室の前段空間部が連結される。連結機構は特に制限されず、嵌合、ネジ構造等の着脱可能な連結構造が可能であり、液漏れのないように連結されるのが好ましい。また、この連結部に弾性リングを介在させて連結することもできる。この第2の微細化室内に、上記のバッフルが配置可能に構成される。また、第2の微細化室とバッフルとを一体に構成(例えは、射出成形による成形)できる。また、第2の微細化室と第1の微細化室とを一体に構成(例えは、射出成形による成形)できる。
【0025】
「所定の角度」としては、例えば、1°以上90°以下が例示される。例えば、第2の微細化室は、上記の前段空間部と、この前段空間部の中心軸方向と直行する方向に後段空間部とを有して形成される。前段空間部への流入によって液微粒子の2段階目の微細化が促進される。後段空間部の横断面積は、前段空間部のそれと同程度が好ましい。前段空間部と後段空間部を90°L型エルボの形状に構成でき、このL型の角部を円弧状または直角に構成でき、直角に構成したほうが、微細化の点で好ましい。直角に構成した角部に、液微粒子が接触する際に、乱流が生じ、液微粒子の微細化や大径微粒子の液滴成長が促進されると推察される。後段微細化室の出口に開口部を設け、開口面積を変動可能に構成することができる。
【0026】
また、「液微粒子の入射軸上と所定の角度(90°を除く)で傾斜する方向に第2の微細化室を形成する」場合として、例えば、第1の微細化室の入口空間部の横断面積よりも小さい横断面積の出口空間部が形成され、この出口空間部と、第2の微細化室の前段空間部が連結される。連結機構は特に制限されず、嵌合、ネジ構造等の着脱可能な連結構造が可能であり、液漏れのないように連結されるのが好ましい。また、この連結部に弾性リングを介在させて連結することができる。
【0027】
第2の微細化室は、上記の前段空間部は液微粒子の入射軸上と所定の角度で傾斜する方向に延設された形状である。ここで「所定の角度」は、入射軸上に対し0°および90°(直行する)方向を除いた角度であり、例えば、0°を超えて90°未満、90°を超えて180°未満である。また、第2の微細化室は、この前段空間部と連結される後段空間部を有して構成することができる。例えば、後段空間部の入口空間部は、前段空間部の出口の横断面積よりも小さい横断面積とし、この入口空間部に、この横断面積よりも大きい横断面積の出口空間部を後段空間部に形成することができる。
【0028】
第2の微細化室の前段空間部と後段空間部を一体に形成することができ、前段空間部と後段空間部を別部材として連結構成することもでき、これらを別部材にした場合、例えば洗浄性、加工性の点で好ましい。
【0029】
第2の微細化室の形状は、特に制限されず、例えば、筒状、錐状(円錐、円錐台、多角錘、錐台も含む概念であって以下同じ。)、ラッパ状、多角柱、球状、多面体、これらの組み合わせ形状等が挙げられ、第1の微細化室の形状に応じた形状が加工性、コンパクト性、デザイン性の観点で好ましく、第1の微細化室が筒状であれば、第2の微細化室の形状も筒状で構成できる。
【0030】
第2の微細化室を構成する材料としては、例えば、金属、プラスチック、紙、不織布、ゴム、ガラス、これらの複合材料等が挙げられ、加工性、ディスポーザブル性、洗浄性等の製品仕様を考慮して選択できる。
【0031】
また、上記構成の一実施形態として、第2の微細化室の前段空間部の横断面積が、第1の微細化室の出口空間部の横断面積よりも大きい構成がある。上述したように、前段空間部への流入によって液微粒子の2段階目の微細化が促進される。
【0032】
また、上記構成の実施形態として、第2の微細化室の後段空間部の延長方向に、第3の微細化室を設ける構成がある。
【0033】
第3の微細化室の形状は、特に制限されず、例えば、筒状、錐状(円錐、円錐台、多角錘、錐台も含む概念であって以下同じ。)、ラッパ状、多角柱、球状、多面体、これらの組み合わせ形状等が挙げられ、第2の微細化室の形状に応じた形状が加工性、コンパクト性、デザイン性の観点で好ましく、第2の微細化室が筒状であれば、第3の微細化室の形状も筒状で構成できる。第3の微細化室と第2の微細化室は、例えば、ネジ式、嵌合式等の連結部で連結することができる。この第3の微細化室内に、上記のバッフルが配置可能に構成される。また、第3の微細化室とバッフルとを一体に構成(例えは、射出成形による成形)できる。また、第1、2、3の微細化室をそれぞれ一体に構成(例えは、射出成形による成形)できる。
【0034】
第3の微細化室を構成する材料としては、例えば、金属、プラスチック、紙、不織布、ゴム、ガラス、これらの複合材料等が挙げられ、加工性、ディスポーザブル性、洗浄性等の製品仕様を考慮して選択できる。
【0035】
また、上記構成の実施形態として、第1の微細化室の入口空間部内に、またはこの入口空間部とノズル先端部との間に、噴射された液微粒子のスプレー半角が30°以内、より好ましくは20°以内、さらに好ましく10°以内の液微粒子を入射可能とする開口を有する絞り部を設ける構成がある。
【0036】
この構成によれば、スプレー半角が30°を超える液微粒子中の飛沫(粒子径の大きい液微粒子)を効果的に取り除くことができる。
【0037】
また、本発明の微細化促進用の気液混合ノズル装置は、
上記の微細化促進用器具と、
この微細化促進用器具の第1の微細化室に液微粒子を噴射する気液混合ノズルとを備える構成である。
【0038】
気液混合ノズルとしては、公知の気液混合ノズル(2流体ノズル)を用いることができ、これに上記の微細化促進用器具を備えることで、微細化促進用の気液混合ノズル装置を好適に構成できるため、低コスト、かつ小型化が可能である。気液混合ノズルは、例えば、金属製、プラスチック製、ゴム製、それらが混在したもの等が挙げられる。気液混合ノズル装置に供給される「気体」は、特に制限されず、例えば、空気、清浄空気、高酸素濃度空気、不活性ガス等の気体が挙げられる。また、気液混合ノズル装置に供給される「液体」は、特に制限されないが、水、イオン化水、化粧水等の化粧薬液、医薬液、殺菌液、除菌液等の薬液、塗料、燃料油、コーティング剤、溶剤、樹脂等が挙げられる。
【0039】
微細化促進用器具の各部材のサイズは、小型の気液混合ノズルと同程度に設計することができ、よって気液混合ノズル装置を小型にできる。第1の微細化室と気液混合ノズルとの連結構造は、特に制限されず、例えば、第1の微細化室の入口空間部をノズル先端部に直接固定する構造、第1の微細化室とノズル先端部との間に連結部を介在させる構造等が挙げられる。連結部は、例えばフレキシブルチューブ、管、ノズル筐体等が挙げられる。
【0040】
一般的に、気液混合ノズルで形成され噴出される液微粒子(第1霧化体)の平均粒子径は大きく(例えば、6μmより大きく)、粒度分布において粒子径が大きくなる方向に分布が広くなる傾向であるが、この構成によれば、微細化促進用器具で微細化された液微粒子(第2霧化体)の平均粒子径は小さく(例えば、6μm以下)、粒度分布の分布幅も小さく、粒子径が略そろった霧となる。
【0041】
上記構成の一実施形態として、気液混合ノズルは、気体供給圧が低圧であって、液体供給圧力がフリーである構成がある。
【0042】
気液混合ノズル装置に供給される気体の供給圧力は、例えば、5kPa〜100kPa以下、好ましくは、5kPa〜80kPa以下、より好ましくは5kPa〜50kPa以下、さらに好ましくは5kPa〜40kPa以下の低圧条件である。液体の供給圧力は、フリー、例えば、液体の供給圧力等の外的作用がない状態である。この条件において、ノズルを上方に向けて、気体の噴射作用で液体を吸い上げて、気液混合し、液微粒子を発生させ、微細化促進用器具の微細化室に噴射させることができる。装置外部に放出された液微粒子の平均粒子径としては、1.0μm以上6.0μm以下に、より好ましくは1.0μm以上5.0μm以下に、さらに好ましくは1.0μm以上4.0μm以下に構成できる。そして、気体供給圧力を小さくできるため、気液混合ノズル装置の気体送給に必要な駆動源(例えば、エアポンプ、電源、圧縮空気ボンベ、手動の空気送給機構)を小型化できる。
【0043】
上記構成の一実施形態として、第1の微細化室の入口部と連結されるノズル筐体部を備え、
ノズル筐体部は、外気が吸引される外気口と、
液微粒子の成長液が流通される液流通部と、
液の供給用および液微粒子の成長液を貯留する液貯部と、を備える構成がある。
【0044】
ノズル筐体部の外気口によって、第1の微細化室に外気を流入することができ、微細化室内部の気圧バランスを調節できるため、ノズルから噴射される液微粒子(第1霧化体)の噴射速度や噴射量を微調整できて微細化作用を調整し、第1または第2の微細化室から流出される液微粒子(第2霧化体)の流出速度を調整できるため好ましい。この外気口は、1以上の孔、または1以上のスリットで構成できる。外気口は、気液混合ノズル先端部の高さ位置と略同じ位置またはその近位に形成されるのが好ましい。また、外気口を開閉可能に構成したり、外気口の開口面積を調整することで、微細化室に流入される気体量を調節できる。ここでの「気体」は、特に制限されず、例えば、空気、清浄空気、高酸素濃度空気、不活性ガス等の気体が挙げられる。
【0045】
微細化室の壁面や液粒子同士の衝突等で液滴に成長した、成長液は、自重によって落下し、液流通部を流通して液貯部に溜まる。この液貯部は、供給用の液が予め供給されており、液供給源としても機能する。これによって、落下してきた成長液は、再利用可能となっている。また、液貯部に、液体を供給するための注入部をさらに設けて、液体を連続的または間欠的に注入可能に構成できる。また、液貯部をノズル筐体から着脱可能に構成し、液貯部をディスポーザブルに構成することもできる。
【0046】
また、上記の第1および/または第2の微細化室は、液微粒子(霧化体)の液体に応じて、微細化室内壁の濡れ性(固体面と液体との付着性)を考慮した材料設計をすることが好ましい。また、微細化室内面にコーティング剤をコーティング、あるいは、租面化し、微細化を促進させることができる。液微粒子(第1霧化体)中の大きい粒子径の霧(例えば、湿った霧、乾いた霧中の大きい粒子径の霧)を微細化室の壁面に付着させて液滴に成長させることで、液微粒子(第1霧化体)全体の微細化を行って、平均粒子径の小さい液微粒子(第2霧化体)を形成することができる。また、飛沫として噴出するような大きい粒子径の霧を微細化室壁面に接触または衝突するように微細化室(液微粒子の入射軸方向の壁面を凹凸にするような上記の中間の空間部)を構成して、大きい霧を液滴に成長させることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】気液混合ノズルから噴出された霧化体の一例の写真を示す図である。
【図2】実施形態1の微細化促進用の気液混合ノズル装置の例を示す断面模式図および外観模式図である。
【図3】実施形態2の微細化促進用の気液混合ノズル装置の例を示す断面模式図である。
【図4】実施形態3の微細化促進用の気液混合ノズル装置の例を示す断面模式図である。
【図5】実施形態4の微細化促進用の気液混合ノズル装置の例を示す模式図である。
【図6】実施形態6の微細化促進用の気液混合ノズル装置の例を示す断面模式図である。
【図7】気液混合ノズル先端部分の例を示す断面模式図である。
【図8】気液混合ノズル先端部分の例を示す断面模式図である。
【図9】気液混合ノズル先端部分の例を示す断面模式図である。
【図10】水オリフィス、空気オリフィスの断面を示す図である。
【図11】バッフルの一例を示す図である。
【図12】バッフルの一例を示す図である。
【図13】バッフルの一例を示す図である。
【図14】第1の微細化室の内部空間形状の例を示す図である。
【図15】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置の例を示す模式図である。
【図16】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置の例を示す模式図である。
【図17】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置の例を示す模式図である。
【図18】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置にバッフルを組み込んだ模式図である。
【図19】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置にバッフルを組み込んだ模式図である。
【図20】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置にバッフルを組み込んだ模式図である。
【図21】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置にバッフルを組み込んだ模式図である。
【図22】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置にバッフルを組み込んだ模式図である。
【図23】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置にバッフルを組み込んだ模式図である。
【図24】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置にバッフルを組み込んだ模式図である。
【図25】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置にバッフルを組み込んだ模式図である。
【図26】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置にバッフルを組み込んだ模式図である。
【図27】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置にバッフルを組み込んだ模式図である。
【図28】気体オリフィスの入口部分の拡大例を示す断面模式図である。
【図29】気流について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
(実施形態1)
以下に、先ず、バッフルを組み込んでいない微細化促進用の気液混合ノズル装置の構成について説明し、その後バッフルについて説明する。微細化促進用の気液混合ノズル装置について図2を用いて説明する。図2(a)は断面模式図であり、(b)は外観模式図である。気液混合ノズル装置1は、気液混合ノズル10と、気液混合ノズルを収納するノズル筐体部20と、このノズル筐体部20と連結される第1の微細化室30と、この第1の微細化室30と連結され、液微粒子の噴射軸方向と直交する方向に延設される第2の微細化室40(前段空間部42、後段空間部43)とを有して構成される。ノズル筐体部20と第1の微細化室30の入口空間部31は、着脱自在に連結される。
【0049】
ノズル筐体部20には、外気が吸引される外気口21と、液微粒子の成長液が自重落下して流通される液流通部22と、液の供給用および液微粒子の成長液を貯留する液貯部23とを有して構成される。
【0050】
気液混合ノズル10は、気体供給部11から気体を気体オリフィスに流通する気体流通部12と、液貯部23の液体を液体オリフィスに流通する液体流通部13が形成される。図7にノズル先端14の断面を示し、ノズル先端14は、気体オリフィス101内に、液体オリフィス102が配置される構成である。ここでの気液混合ノズル10は一般的な構造である。
【0051】
図8、9に示すノズル先端14では、気体オリフィス101先端よりも、液体オリフィス102先端が、内部方向にずれて配置される構成例である。噴射量を増加するための好ましい実施形態として、気体オリフィス101内に液体オリフィス102が配置される際に、気体オリフィス101のストレート部の始端部Cから、そのストレート長さの80%の距離までに液体オリフィス102の先端が配置されることが好ましく、始端部Cから、そのストレート長さの50%の距離までに液体オリフィス102の先端が配置される(図8参照)ことがより好ましく、始端部Cから、そのストレート長さの20%の距離までに液体オリフィス102の先端が配置されることがさらに好ましく、始端部Cの近傍に液体オリフィス102の先端が配置される(図9参照)ことが特に好ましい。
【0052】
図28(a)は、図9の拡大図であり、気体流通部12と気体オリフィス入口部との連なり部C(始端部C)にR処理が施された形状(301)を示し、図28(b)では、連なり部Cにテーパー処理が施された形状(302)を示す。図29(b)に、連なり部C近傍領域における気流を矢印で示す。図29(b)に示すように、気体流通部12内壁面から気体オリフィス101内壁面に沿うように、滑らかな気流を形成して、気体オリフィス101出口への流速を速くでき、液体オリフィス102入口部の噴射側前方部の負圧空間を、従来よりも高い負圧空間であって安定した負圧空間を形成することができる。一方、図29(a)は、連なり部CにR処理あるいはテーパー処理が施されていない場合の気流を矢印で図示しており、これによれば、液体オリフィス102の出口部に気流が巻き込み、逆流することが想定され、また、供給気体の圧力が低い場合や不安定な場合においても好適に負圧空間が形成されない場合があるが、本構成のように、連なり部CにR処理あるいはテーパー処理を施すことで、負圧空間を好適に形成することができる。
【0053】
「R処理」は、通常のR処理をいい、角部や突出部をとり丸みを施す処理である。また、「R処理」後の連なり部の断面形状を曲率あるいは曲率半径の一つあるいは複数個で表現することもできる。「テーパー処理」は、通常のテーパー処理をいう。「テーパー処理」後の角部に「R処理」が施されていてもよい。また、「テーパー処理」は、複数のテーパー部を形成することでもよい(いわゆる、断面視で多角形状でもよい)。また、気体流通部12と気体オリフィス101入口部からなる連なり部Cの角度α(図10参照)は、90°以上180°未満の範囲である。例えば、角度αは、90°〜165°範囲、110°〜145°の範囲が例示される。
【0054】
連なり部Cの近傍に配置される液体オリフィス102出口先端の位置は、気体オリフィス101入口部から、気体オリフィス101のストレート長さの±5%の距離である。あるいは、気体オリフィス101入口部から液体オリフィス102出口先端までの距離(L2 図10参照)が、−0.1mm〜0.1mmの範囲が好ましく、−0.05mm〜0.05mmがより好ましく、−0.02mm〜0.02mmがさらに好ましい。
【0055】
図2(a)の第1の微細化室30は、ノズル先端14からの液噴射軸方向にノズル筐体10と着脱自在に連結され、液微粒子(第1霧化体)を受け入れる。第1の微細化室30は、その外観が円筒状であり、その内部空間において、入口空間部31の円状の横断面積よりも大きい円状の横断面積の中間空間部32、33が2つ連接され、さらに出口空間部34が連接して形成される。各空間部間の段差は、所定角度の傾斜面で連接されている。また、入口空間部31、中間空間部32、33、出口空間部34のそれぞれの中心軸は一致または実質的に一致している。ここでは中間空間部32、33を2つ連接した構成としているが、1つでもよく2つ以上連接する構成もできる。なお、横断面は、液微粒子の噴射軸方向と直交する方向の断面である。
【0056】
出口空間部34の円状横断面積は、入口空間部31の円状横断面積よりも小さく構成し、中間空間部32、33の円状横断面積が、入口空間部31の円状横断面積より大きく構成している。図2において、中間空間部32、33のそれぞれの円状横断面積は同一に構成されているが、異なるように構成することもできる。
【0057】
出口空間部34の壁面と第2の微細化室の入口連結部41が着脱自在に連結(例えば、ネジ式、嵌合式等)される。第2の微細化室40は、前段空間部42と、この前段空間部42の中心軸方向と直行する方向に後段空間部43とを有し、前段空間部42と後段空間部43がL型エルボの形状である。このL型の内壁角部43aは直角に構成される。直角に構成したほうが、微細化の点で好ましい。内壁角部43aに、液微粒子が接触する際に、乱流が生じ、液微粒子の微細化や大径微粒子の液滴成長が促進される。後段微細化室43の出口に開口部44が設けられ、開口面積を変動可能に構成している。
【0058】
上記のように、ノズル筐体20、第1の微細化室30、第2の微細化質40とを別体で構成し、着脱可能な構造(例えば、ネジ式、嵌合式等)で取り付けることで、それら部材の清掃、メンテナンスを容易に行なえ、さらにはそれら部材をそれぞれ使い捨てにすることもできる(以下の実施形態においても同様である)。また、別実施形態として、第1の微細化室30と、第2の微細化室40とを一体構造に構成することもできる。
【0059】
また、ノズル筐体10に外気を流入するための外気口21を複数形成して、第1の微細化室30内の気圧を調節して、微細化作用を微調整し、微細化された液微粒子の放出速度を調節することができる。
【0060】
以上の構成において、バッフルが組み込まれていないが、第1の微細化室30および第2の微細化室40で、液微粒子を効果的に微細化することができ、そして微細化されず、液滴に成長した液は、液流通部22を流通して液貯部23に貯まり、供給液として再利用可能に構成される。そして、バッフルをいずれかの微細化室に組み込むことで、さらに効果的に液微粒子を微細化することができる。
【0061】
(実施形態2)
以下に、実施形態2の微細化促進用の気液混合ノズル装置について図3を用いて説明する。実施形態2の気液混合ノズル装置1において、実施形態1と同様の構成については説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0062】
第2の微細化室240の入口連結部241は、第1の微細化室30の出口空間部壁面と着脱可能に連結される。第2の微細化室240の前段空間部242は、液微粒子の入射軸上と45度の角度で傾斜する方向に延設された形状である。前段空間部242の出口壁面と、後段空間部243の入口壁面が着脱自在に連結される。後段空間部243の入口空間部243aは、前段空間部242の出口の横断面積よりも小さい横断面積とし、この入口空間部243aに、この横断面積よりも大きい横断面積の出口空間部243bが連接されて、後段空間部243が形成されている。
【0063】
以上の構成において、バッフルが組み込まれていないが、第1の微細化室30および第2の微細化室240で、液微粒子を効果的に微細化することができる。そして微細化されず、液滴に成長した液は、液流通部22を流通して液貯部23に貯まり、供給液として再利用可能に構成される。そして、バッフルをいずれかの微細化室に組み込むことで、さらに効果的に液微粒子を微細化することができる。
【0064】
(実施形態3)
以下に、実施形態3の微細化促進用の気液混合ノズル装置について図4を用いて説明する。実施形態3の気液混合ノズル装置1において、実施形態1と同様の構成については説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0065】
第2の微細化室340の入口連結部341は、第1の微細化室30の出口空間部壁面と着脱可能に連結される。第2の微細化室340の前段空間部342は、液微粒子の噴射軸上にストレートに延設された形状である。
【0066】
以上の構成において、バッフルが組み込まれていないが、第1の微細化室30および第2の微細化室340で、液微粒子を効果的に微細化することができる。そして微細化されず、液滴に成長した液は、液流通部22を流通して液貯部23に貯まり、供給液として再利用可能に構成される。そして、バッフルをいずれかの微細化室に組み込むことで、さらに効果的に液微粒子を微細化することができる。
【0067】
(実施形態4)
以下に、実施形態4の微細化促進用の気液混合ノズル装置について図5を用いて説明する。実施形態1および2と異なる構成について説明し、その他の構成については説明を省略する。
【0068】
第1の微細化室30の入口空間部31内に、噴射中心軸上に所定サイズの開口部35aが形成された遮蔽面35(絞り部に相当する)が形成される。液微粒子は、開口部35aを通じて後段の微細化室空間に流入する構成である。開口部35aを設けることで、噴射中心部の液微粒子のみを選択的に後段の微細化室空間に流入することができ、図1の大きい微粒子や飛沫を好適に遮蔽面に衝突させて、液貯部23に流通させることができる。また、ノズル先端部14の位置と略水平の位置で第1の微細化室30にスリットまたは孔36、および、その位置に応じたスリットまたは孔25をノズル筐体部20に形成することが好ましい。これによって気体を流入させて、噴射された液微粒子の微細化を調整することができる。
【0069】
以上の構成において、バッフルが組み込まれていないが、遮蔽面35で飛沫等の粒子径の大きいものを効率よく除去でき、微細化されず、液滴に成長した液は、液流通部22を流通して液貯部23に貯まり、供給液として再利用可能に構成される。そして、バッフルをいずれかの微細化室に組み込むことで、さらに効果的に液微粒子を微細化することができる。
【0070】
(実施形態5)
以下に、実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置について図15、16を用いて説明する。実施形態1と異なる構成について説明し、その他の構成については説明を省略する。
【0071】
第3の微細化室50は、第2の微細化室40の後段空間部30の延長方向に設けられる。第3の微細化室50は、長さ方向の断面が円錐台形状である。
【0072】
図16に示すように、第3の微細化室50の入口側端部51は、第2の微細化室40の後段空間部43の内部に配置され、この入口側端部51が前段空間部42の内壁面(A)と一致する位置からこの前段空間部42の長手方向中心軸(B)の位置までに配置されることが好ましい。また、入口側端部51がAからBの位置を自在に移動可能に連結されることが好ましい。これによって、使用目的に応じて、第3の微細化室50の見かけの長さを変化させて、液微粒子の噴射量、平均粒子径を微調整することができる。この第3の微細化室50によって、さらに微細化が促進される。
【0073】
また、図17に示すように、第1の微細化室の入口空間部31とノズル先端部14との間に、噴射された液微粒子のスプレー半角(β)が30°以内、より好ましくは20°以内、さらに好ましく10°以内の液微粒子を入射可能とする開口61を有する絞り部60が設けられる。この絞り部60は、上記実施形態4の遮蔽面35と同様の機能を発揮する。
【0074】
(実施形態6)
図6に実施形態6の微細化促進用の気液混合ノズル装置について示す。第1および第2の微細化室540が一体形成されて、液微粒子の入射軸に対しストレートに配置され、後段部分において45度の傾斜で延設されている。この構成の場合には、液微粒子の微細化がなされるものの、長さ方向のサイズが、図2から5の実施形態よりも大きくなる。そして、バッフルをいずれかの微細化室に組み込むことで、さらに効果的に液微粒子を微細化することができる。
【0075】
(バッフル)
図11から13に、先端が先細り形状のバッフルの一例を示す。図11から13のバッフル70、80、90は、バッフル本体が中空円錐形状であり、バッフル本体に形成された開口部は、その正面視で、先細り先端部と中空中心を結ぶ軸(バッフル中心軸)に対し直交する方向にお互いが平行になるように形成された複数個のスリット71、81、91である。例えば、図11において、バッフル70の先端からの平面視において、スリット71は、略半円を描くように形成されている。図12のスリット81の数は、図11のスリット71のそれよりも少なく、図12のスリット81の開口面積が図11のそれよりも大きい構成である。
【0076】
図11および12のスリット81、91の開口方向は、バッフル中心軸に対し垂直方向であり、図13のスリット91の開口方向は、バッフル中心軸に対し、中空中心を基点にして30°に傾斜している構成である。
【0077】
上記の微細化室内に、図11から13のバッフルが配置されるが、バッフルの中空中心と先細り先端を結ぶバッフル中心軸と液微粒子の入射軸が一致あるいは略一致していることが好ましい。また、バッフル先端が液微粒子の入射側に配置される構成や、バッフル先端が入射方向に向かうように配置される構成がある。
【0078】
このバッフルによって、微細化室に入射された液微粒子中の大きい粒径の粒子をバッフルに接触されて液滴成長させ、粒径の小さい粒子は、バッフル本体の開口部(スリット71)を通じて、噴射方向に流出させることができるため、入射時の平均粒子径よりも流出時の平均粒子径を効果的に小さくできる。
【0079】
複数の微細化室に、複数のバッフルを配置する構成が可能である。バッフルを複数個配置することで、ノズル噴射条件に応じた微細化を好適に行うことが可能になる。バッフルの配置としては、お互いが近くに配置するよりも、バッフル同士が重ならないように、一定の距離を置いたほうが好ましい。
【0080】
(実施例)
図15で示した実施形態5の気液混合ノズル装置にバッフル(図11のバッフル70)を組み込んだ実施例について説明する。バッフル70の配置は、図18から図27に示すとおりである。図18のバッフル70は、第3の微細化室50の入口空間部に、その先端部が出口方向を向くように配置される。図19のバッフル70は、第3の微細化室50の入口空間部にその先端部が入口方向を向くように配置される(図18の逆配置パターン)。図20のバッフル70は、第2の微細化室40の前段空間部42に、その先端部が噴射(出口)方向を向くように配置される。図21のバッフル70は、第2の微細化室40の前段空間部42にその先端部が入口方向を向くように配置される(図21の逆配置パターン)。
【0081】
図22のバッフル70は、第1の微細化室30の中間空間部32、33が連接された位置に、その先端部が噴射(出口)方向を向くように配置される。図23のバッフル70は、第1の微細化室30の中間空間部32、33が連接された位置に、その先端部が入口方向を向くように配置される(図22の逆配置パターン)。図24のバッフル70は、第1の微細化室30の入口空間部31と絞り部60の出口部に、その先端部が噴射(出口)方向を向くように配置される。図25のバッフル70は、第1の微細化室30の入口空間部31と絞り部60の出口部に、その先端部がノズル方向を向くように配置される(図24の逆配置パターン)。
【0082】
図26のバッフル70は、絞り部60内に、その先端部が噴射(出口)方向を向くように配置される。図27の第1のバッフル70は、第2の微細化室40の前段空間部42に、その先端部が噴射(出口)方向を向くように配置され、第2のバッフル70は、第1の微細化室30の中間空間部32、33が連接された位置に、その先端部が入口方向を向くように配置される。
【0083】
気液混合ノズル装置は以下の条件である。水オリフィス径φdwが0.35[mm]、空気オリフィス外径φdaが0.55[mm]、空気オリフィス内径φdbが0.5mm、供給空気圧Paが27[kPa]、空気流量Qaが1.03[NL/min]、水全噴射量Qwが3.53[ml/min](ノズルからの噴射量)の場合における、有効フォッグ量(Qf[ml/min])(第3の微細化室から放出された液微粒子量)および粒子径(目視確認)について評価した。気液混合ノズル装置を各図に示すように上方に向けて静置させ、液貯部での液面高さが水オリフィス先端から−25mmとなるように水を予め供給しておき、噴射開始後安定してから1分間測定した。装置の各部材の寸法は、以下の通りであり、円筒状のノズル筐体部の外径がφ40mm、円筒状の第1の微細化室の外径がφ50mm、第1の微細化室の入口空間部の内径がφ30、その出口空間部の内径がφ20mm、円筒状の第2の微細化室の内径が34mm、円筒状の第3の微細化室の出口開口部の外径が40mm、装置の横幅が153mm、装置全長が203mmである。絞り部の開口直径がφ17mm、この開口位置は、スプレー半角が30°に相当するように設置した。図9に示すように、空気オリフィスの連なり部Cの近傍に、L2が零になるように水オリフィス出口先端を配置した(L2 図10)。さらに連なり部CにはR処理を施した。空気供給駆動源にコンプレッサーを用いた。空気オリフィスのストレート長さ(L1)は、0.51mmである。
【0084】
(比較例)
比較例は、バッフルを組み込んでいないこと以外、上記実施例と同様である(図15参照)。
【0085】
各実施例は、比較例よりも有効フォッグ量Qfが小さいものであったが、目視における粒子径は、各実施例の方が比較例よりも小さく、粒子径が大幅に改善される傾向であった。各実施例において、バッフル先端を、入射側入口に向けて配置するほうが、その逆パターンよりも有効フォッグ量が小さい傾向を示した。これは、液微粒子の流通状態が悪くなり、バッフル表面での液滴成長が生じやすくなっていたのではないかと推測される。
【0086】
(他の実施例)
図11のバッフルの代わりに図12、図13のバッフルを用いて上記の実験を行った。上記図11のバッフルの実施例と同様に、上記比較例よりも有効フォッグ量Qfが小さいが、目視における粒子径が大幅に改善される傾向であった。
【0087】
図15の装置の代わり、図2から図6の装置のそれぞれに、図11のバッフルを組み込んだ。バッフルの組み込み配置は、上記実施例に準じた。バッフルを組み込まなかった比較例よりも、有効フォッグ量Qfが小さいが、目視における粒子径が大幅に改善される傾向であった。
【0088】
また、連なり部CにR処理を施していないこと以外上記の実施例(図11のバッフルを使用)と同様に実験を行った。比較例として、バッフルを用いないこと以外、この実験と同様に行った。上記の実施例と同様に、ここでの比較例よりも有効フォッグ量Qfが小さいが、目視における粒子径が大幅に改善される傾向であった。
【0089】
また、連なり部CにR処理を施していないこと、および空気オリフィス内における水オリフィス出口部の位置L2を0.25または0.51(お互いの出口先端が一致)とした以外上記の実施例(図11のバッフルを使用)と同様に実験を行った。比較例として、バッフルを用いないこと以外、この実験と同様に行った。上記の実施例と同様に、ここでの比較例よりも有効フォッグ量Qfが小さいが、目視における粒子径が大幅に改善される傾向であった。
【符号の説明】
【0090】
1 微細化促進用の気液混合ノズル装置
10 気液混合ノズル
20 ノズル筐体
30 第1の微細化室
40 第2の微細化室
50 第3の微細化室
70 バッフル
71 スリット
【技術分野】
【0001】
本発明は、液微粒子を微細化することができる微細化促進用器具、および、この微細化促進用器具と、気液混合(または2流体)ノズルを備えた、微細化促進用の気液混合ノズル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療機器(例えば、吸入機)、半導体(成膜技術)、スプレードライヤー(セラミック新素材)、燃焼用バーナー等の分野で液滴径がサブミクロン(1〜10μm)またはナノ(1μm未満)粒子のニーズが普及しつつある。現状の霧化技術は、気液混合式(2流体式)、超音波式、超高圧式(100〜300MPa)、蒸発式等があるが、いずれも装置コストが高く、小型化が困難である。さらに、6μm以下のサブミクロンサイズ、ナノサイズの液滴平均粒子径が得られる装置は少ない。
【0003】
また、微粒子ミストを生成するための噴霧ノズル装置が知られている(特許文献1)。この噴霧ノズル装置は、第1ノズル部と第2ノズル部を有し、第1ノズル部からの噴射液と第2ノズル部からの噴射液とを衝突させて、微粒子ミストを形成することができる。しかしながら、2流体ノズル部を2つ備えるため、コスト高であり、小型化にも適していない。また、2流体のそれぞれを高圧の空気圧(3kg/cm2)と水道水(水圧、50cc/min)とした場合に、この噴霧ノズル装置で形成された微粒子の平均粒径は8.8μm程度であり(特許文献1、段落番号0024)、6μm以下のサブミクロンサイズの噴霧粒子を得ることができない。
【0004】
また、他の2流体ノズルとして特許文献2が知られている。特許文献2の2流体ノズルは、中心軸線に沿って液体流路20Bを設け、外周に環状の外側気体流路21Bを設け、液体流路の途中に液体分岐流路23を介設し、液体分岐流路の再合流位置に旋回手段28を配置して液体を一次微粒化させ、かつ、液体分岐流路で囲まれた中央部位に中央気体流入部25を形成し、中央気体流入部に外側気体流路より気体を導入して、旋回して環状膜となった液体の中央に気体を衝突混合で導入して、二次微粒化させながら第1混合を行わせ、さらに、再合流されて気液混合流路30となる流路周面に、外側気体流路を連通する気体流入孔15dを設けて、気液混合流路の混合流体に対して外周面より気体を衝突混合で流入して三次微粒化しながら第2混合を行わせて、噴射口16gより気液混合ミストとして噴射させている。しかしながら、ノズル内部の構造が複雑であり、コスト高である。また、噴霧流量を230〜700L/時間とした条件下において気水比100とすると、得られた噴霧液の平均粒子径が50μm程度であり、サブミクロンサイズの噴霧粒子を得ることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−126587号公報
【特許文献2】特開2002−159889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、気液混合ノズルから噴射された液微粒子(霧化体)を微細化させることができる微細化促進用器具、および微細化促進用の気液混合ノズル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明は、液微粒子の微細化促進用の器具であって、
液微粒子が入射される微細化室と、
微細化室内に配置される、先端が先細り形状の中空のバッフルと、を有し、
バッフルが、配置される微細化室の内面形状に応じた形状の連結部と、開口部が形成されるバッフル本体と、を有して構成される。
【0008】
この構成によれば、微細化室内に配置される、先端が先細り形状のバッフルによって、微細化室に入射された液微粒子中の大きい粒径の粒子をバッフルに接触されて液滴成長させ、粒径の小さい粒子は、バッフル本体の開口部を通じて、噴射方向に流出させることができるため、入射時の平均粒子径よりも流出時の平均粒子径を効果的に小さくできる。
【0009】
微細化室内のバッフルの配置は、中空中心と先端を結ぶバッフル中心軸と液微粒子の入射軸が一致あるいは略一致していることが好ましい。また、バッフル先端が液微粒子の入射側に配置される構成や、バッフル先端が入射方向に向かうように配置される構成がある。
【0010】
先端先細り形状のバッフル本体は、例えば、円錐形状、多角錘形状、半球状または半楕円球状である。連結部は、配置される微細化室の内面形状に応じた形状であり、微細化室内面に連結される。連結手段は、特に制限されず、また微細化室とバッフルを一体に構成(例えは、射出成形による成形)できる。
【0011】
バッフル本体に形成される開口部の形状としては、例えば、円、楕円、矩形、それらの組合せが挙げられる。また、開口部が、正面視で、先細り先端部と中空中心を結ぶ軸(バッフル中心軸(図11(b)の一点鎖線参照))に対し、所定の角度で傾斜(例えば60°〜120°の範囲)した複数のスリットで構成でき、正面視で、バッフル中心軸に対し直交する複数のスリットで構成することがより好ましい(図11参照)。開口部の断面積、スリット数、スリットサイズ等は、ノズル噴射条件、微細化室の形状、その内部配置条件等で適宜設定できる。
【0012】
開口部の開口方向は、先細り先端部と中空中心を結ぶ軸(バッフル中心軸)に対し、垂直方向、あるいは所定の角度(例えば60°〜120°の範囲)に傾斜している構成がある。傾斜する方向を、噴射方向に合わせる構成もでき、噴射方向と逆らう方向に構成することもできる。傾斜する方向によって、微粒子の動き、速度等が変化し、微細化が微調整可能になる。また、バッフルの肉厚(図11(b)の斜線部参照)を厚くすることで、液微粒子が開口部(スリット)を通る距離および時間を長くすることで、有効フォッグ量および微細化を調整することができる。例えば、バッフルの肉厚を厚くして液微粒子の通る距離および時間を長くするほど、有効フォッグ量は減少する傾向になるが、微細化する傾向になる。これは、液微粒子に作用するせん断力が増加すると考えられるからである。また、同様の理由により、スリット数を増加させて、多くの液微粒子にせん断力を作用させて、微細化を促進させることができる。
【0013】
上記発明の一実施形態として、微細化室に、複数のバッフルを配置する構成がある。この構成によれば、バッフルを複数個配置することで、ノズル噴射条件に応じた微細化を好適に行うことが可能になる。バッフルは、同形状のバッフルを用いる場合もあれば、異なる本体形状、スリットサイズ、スリット数のバッフルを用いることができる。
【0014】
上記発明の一実施形態として、微細化室は、その入口空間部の横断面積より大きい横断面積の空間部を少なくとも1以上有して構成される。
【0015】
この構成によれば、微細化室に入射された液微粒子が、微細化室の入口空間部の横断面積より大きい横断面積の空間部によって効果的に微細化される。例えば、微細化室を同一半径の円筒形状、台錐形状、ラッパ形状等に形成した場合よりも、液微粒子を効果的に微細化でき、さらに長さ方向の寸法を小さくでき、コンパクトな形状を実現できる。この微細化室内に、上記のバッフルが配置可能に構成される。
【0016】
微細化室の形状は、例えば、円筒状、楕円筒状、断面多角形状が例示され、ハンドリング性、加工性の観点から円筒状、楕円筒状が好ましく、円筒状がより好ましい。
【0017】
「微細化室の入口空間部の横断面積より大きい横断面積の空間部」は、例えば、微細化室が円筒状の場合、入口空間部の円状の横断面積よりも大きい、円状、楕円状、または多角形状等の横断面積の空間部が微細化室に設けられることが挙げられる。また、他の表現で言えば、微細化室の内部空間の形状は、横断面積の小さい円筒状、楕円筒状、または多角柱状(内部が空洞である。以下同様。)の空間の中間部分に、それよりも大きい横断面積の円筒状、楕円筒状、または多角柱状の空間が1つ以上組み込まれた形状である。例えば、横断面積の小さい円筒状、楕円筒状、または多角柱状の入口空間部(例えば液微粒子の入口空間部)と、それより大きい横断面積の円筒状、楕円筒状、または多角柱状の中間空間部との段差間は、所定角度の傾斜面で連結することができる。横断面積の小さい円筒状、楕円筒状、または多角柱状の入口空間部と、それより大きい横断面積の円筒状、楕円筒状、または多角柱状の中間空間部のそれぞれの中心軸が、一致または実質的に一致していることが好ましい。この中間空間部は、微細化室の長さ方向のサイズをコンパクトにするために、1つ以上形成されることが好ましい。複数の中間空間部が配置される場合に、各々の中間空間部の形状は、同一でもよく、異なる形状の組み合わせも可能である。
【0018】
また、「微細化室の入口空間部の横断面積より大きい横断面積の空間部」は、例えば、微細化室が瓢箪形状、ダルマ形状のように、入口空間部の横断面積より大きい横断面積の空間部を有する形状にできる。図14に微細化室の内部空間形状の例を示す。図14(a)〜(e)は、微細化室の全体形状の噴射軸縦断面の例であり、図14(f)は、中間空間部(32、33)の噴射軸横断面の例である。図14において、符号31は入口空間部、32、33は中間空間部、34は出口空間部である。
【0019】
微細化室を構成する材料としては、例えば、金属、プラスチック、紙、不織布、ゴム、ガラス、これらの複合材料等が挙げられ、加工性、ディスポーザブル性、洗浄性等の製品仕様を考慮して選択できる。
【0020】
例えば、市販の多種の気液混合ノズルにおいて、空気圧力20〜500kPa、噴霧流量1〜1000mL/minの条件下で、気液混合ノズルから噴霧された液微粒子(第1霧化体)の平均粒子径が10〜200μmの広範囲であった。そして、気液混合ノズルから噴霧された液微粒子(第1霧化体)中の粒子径の大きい霧(例えば、湿った霧)は、気液混合ノズルからの噴霧方向に対し大きな角度で広がる傾向にある(図1、「飛沫」参照)。粒子径の小さい霧(例えば、乾いた霧、煙霧)は、気液混合ノズルからの噴霧方向軸上に噴出する傾向にある(図1、霧化体参照)。例えば、図1の気液混合ノズルのスプレー半角が15°の場合に飛沫の噴出半角は約55°であって、飛沫粒子の平均粒子径が50〜100μmであり、スプレー半角15°部分の粒子の平均粒子径が10〜20μmであった。
【0021】
そして、微細化室に流入された液微粒子中の粒子径の大きい霧(例えば、湿った霧)は、微細化室壁面(入口空間部、中間の空間部)に衝突(または接触)し、微細化室壁面に付着し、大きな液滴に成長すると推察される。また、微細化室に流入した粒子径の小さい霧(例えば、乾いた霧)は、微細化室流入の際に微細化すると推察される。また、微細化室に流入した粒子径のより小さい霧(例えば、乾いた霧、煙霧)は、微細化室壁面に接触または衝突しても付着することなく空気中に浮遊する傾向にある。したがって、微細化室の機能によって、液微粒子中の大きい粒子径の霧(例えば、湿った霧)は、液滴に成長し、また粒子径の小さい霧(例えば、乾いた霧、その中でも粒子径の大きい霧)は、微細化されるため、流入された液微粒子よりも平均粒子径が小さい液微粒子を好適に生成することができる。
【0022】
また、上記構成の一実施形態として、微細化室が、液微粒子の入射軸上の入口近位に設けられる構成がある。この構成によれば、液微粒子の入射軸上に微細化室が配置されているため、液微粒子を微細化室にストレートにスムーズに送りこめる。
【0023】
また、上記構成の一実施形態として、液微粒子の入射軸上と所定の角度で傾斜する方向に、第2の微細化室をさらに有する構成がある。
【0024】
第2の微細化室は、第1の微細化室の出口空間部と連結され、液微粒子の入射軸上と所定の角度で傾斜する方向に延設するように形成される。例えば、第1微細化室に、その入口空間部の横断面積よりも小さい横断面積の出口空間部が形成され、この出口空間部と、第2の微細化室の前段空間部が連結される。連結機構は特に制限されず、嵌合、ネジ構造等の着脱可能な連結構造が可能であり、液漏れのないように連結されるのが好ましい。また、この連結部に弾性リングを介在させて連結することもできる。この第2の微細化室内に、上記のバッフルが配置可能に構成される。また、第2の微細化室とバッフルとを一体に構成(例えは、射出成形による成形)できる。また、第2の微細化室と第1の微細化室とを一体に構成(例えは、射出成形による成形)できる。
【0025】
「所定の角度」としては、例えば、1°以上90°以下が例示される。例えば、第2の微細化室は、上記の前段空間部と、この前段空間部の中心軸方向と直行する方向に後段空間部とを有して形成される。前段空間部への流入によって液微粒子の2段階目の微細化が促進される。後段空間部の横断面積は、前段空間部のそれと同程度が好ましい。前段空間部と後段空間部を90°L型エルボの形状に構成でき、このL型の角部を円弧状または直角に構成でき、直角に構成したほうが、微細化の点で好ましい。直角に構成した角部に、液微粒子が接触する際に、乱流が生じ、液微粒子の微細化や大径微粒子の液滴成長が促進されると推察される。後段微細化室の出口に開口部を設け、開口面積を変動可能に構成することができる。
【0026】
また、「液微粒子の入射軸上と所定の角度(90°を除く)で傾斜する方向に第2の微細化室を形成する」場合として、例えば、第1の微細化室の入口空間部の横断面積よりも小さい横断面積の出口空間部が形成され、この出口空間部と、第2の微細化室の前段空間部が連結される。連結機構は特に制限されず、嵌合、ネジ構造等の着脱可能な連結構造が可能であり、液漏れのないように連結されるのが好ましい。また、この連結部に弾性リングを介在させて連結することができる。
【0027】
第2の微細化室は、上記の前段空間部は液微粒子の入射軸上と所定の角度で傾斜する方向に延設された形状である。ここで「所定の角度」は、入射軸上に対し0°および90°(直行する)方向を除いた角度であり、例えば、0°を超えて90°未満、90°を超えて180°未満である。また、第2の微細化室は、この前段空間部と連結される後段空間部を有して構成することができる。例えば、後段空間部の入口空間部は、前段空間部の出口の横断面積よりも小さい横断面積とし、この入口空間部に、この横断面積よりも大きい横断面積の出口空間部を後段空間部に形成することができる。
【0028】
第2の微細化室の前段空間部と後段空間部を一体に形成することができ、前段空間部と後段空間部を別部材として連結構成することもでき、これらを別部材にした場合、例えば洗浄性、加工性の点で好ましい。
【0029】
第2の微細化室の形状は、特に制限されず、例えば、筒状、錐状(円錐、円錐台、多角錘、錐台も含む概念であって以下同じ。)、ラッパ状、多角柱、球状、多面体、これらの組み合わせ形状等が挙げられ、第1の微細化室の形状に応じた形状が加工性、コンパクト性、デザイン性の観点で好ましく、第1の微細化室が筒状であれば、第2の微細化室の形状も筒状で構成できる。
【0030】
第2の微細化室を構成する材料としては、例えば、金属、プラスチック、紙、不織布、ゴム、ガラス、これらの複合材料等が挙げられ、加工性、ディスポーザブル性、洗浄性等の製品仕様を考慮して選択できる。
【0031】
また、上記構成の一実施形態として、第2の微細化室の前段空間部の横断面積が、第1の微細化室の出口空間部の横断面積よりも大きい構成がある。上述したように、前段空間部への流入によって液微粒子の2段階目の微細化が促進される。
【0032】
また、上記構成の実施形態として、第2の微細化室の後段空間部の延長方向に、第3の微細化室を設ける構成がある。
【0033】
第3の微細化室の形状は、特に制限されず、例えば、筒状、錐状(円錐、円錐台、多角錘、錐台も含む概念であって以下同じ。)、ラッパ状、多角柱、球状、多面体、これらの組み合わせ形状等が挙げられ、第2の微細化室の形状に応じた形状が加工性、コンパクト性、デザイン性の観点で好ましく、第2の微細化室が筒状であれば、第3の微細化室の形状も筒状で構成できる。第3の微細化室と第2の微細化室は、例えば、ネジ式、嵌合式等の連結部で連結することができる。この第3の微細化室内に、上記のバッフルが配置可能に構成される。また、第3の微細化室とバッフルとを一体に構成(例えは、射出成形による成形)できる。また、第1、2、3の微細化室をそれぞれ一体に構成(例えは、射出成形による成形)できる。
【0034】
第3の微細化室を構成する材料としては、例えば、金属、プラスチック、紙、不織布、ゴム、ガラス、これらの複合材料等が挙げられ、加工性、ディスポーザブル性、洗浄性等の製品仕様を考慮して選択できる。
【0035】
また、上記構成の実施形態として、第1の微細化室の入口空間部内に、またはこの入口空間部とノズル先端部との間に、噴射された液微粒子のスプレー半角が30°以内、より好ましくは20°以内、さらに好ましく10°以内の液微粒子を入射可能とする開口を有する絞り部を設ける構成がある。
【0036】
この構成によれば、スプレー半角が30°を超える液微粒子中の飛沫(粒子径の大きい液微粒子)を効果的に取り除くことができる。
【0037】
また、本発明の微細化促進用の気液混合ノズル装置は、
上記の微細化促進用器具と、
この微細化促進用器具の第1の微細化室に液微粒子を噴射する気液混合ノズルとを備える構成である。
【0038】
気液混合ノズルとしては、公知の気液混合ノズル(2流体ノズル)を用いることができ、これに上記の微細化促進用器具を備えることで、微細化促進用の気液混合ノズル装置を好適に構成できるため、低コスト、かつ小型化が可能である。気液混合ノズルは、例えば、金属製、プラスチック製、ゴム製、それらが混在したもの等が挙げられる。気液混合ノズル装置に供給される「気体」は、特に制限されず、例えば、空気、清浄空気、高酸素濃度空気、不活性ガス等の気体が挙げられる。また、気液混合ノズル装置に供給される「液体」は、特に制限されないが、水、イオン化水、化粧水等の化粧薬液、医薬液、殺菌液、除菌液等の薬液、塗料、燃料油、コーティング剤、溶剤、樹脂等が挙げられる。
【0039】
微細化促進用器具の各部材のサイズは、小型の気液混合ノズルと同程度に設計することができ、よって気液混合ノズル装置を小型にできる。第1の微細化室と気液混合ノズルとの連結構造は、特に制限されず、例えば、第1の微細化室の入口空間部をノズル先端部に直接固定する構造、第1の微細化室とノズル先端部との間に連結部を介在させる構造等が挙げられる。連結部は、例えばフレキシブルチューブ、管、ノズル筐体等が挙げられる。
【0040】
一般的に、気液混合ノズルで形成され噴出される液微粒子(第1霧化体)の平均粒子径は大きく(例えば、6μmより大きく)、粒度分布において粒子径が大きくなる方向に分布が広くなる傾向であるが、この構成によれば、微細化促進用器具で微細化された液微粒子(第2霧化体)の平均粒子径は小さく(例えば、6μm以下)、粒度分布の分布幅も小さく、粒子径が略そろった霧となる。
【0041】
上記構成の一実施形態として、気液混合ノズルは、気体供給圧が低圧であって、液体供給圧力がフリーである構成がある。
【0042】
気液混合ノズル装置に供給される気体の供給圧力は、例えば、5kPa〜100kPa以下、好ましくは、5kPa〜80kPa以下、より好ましくは5kPa〜50kPa以下、さらに好ましくは5kPa〜40kPa以下の低圧条件である。液体の供給圧力は、フリー、例えば、液体の供給圧力等の外的作用がない状態である。この条件において、ノズルを上方に向けて、気体の噴射作用で液体を吸い上げて、気液混合し、液微粒子を発生させ、微細化促進用器具の微細化室に噴射させることができる。装置外部に放出された液微粒子の平均粒子径としては、1.0μm以上6.0μm以下に、より好ましくは1.0μm以上5.0μm以下に、さらに好ましくは1.0μm以上4.0μm以下に構成できる。そして、気体供給圧力を小さくできるため、気液混合ノズル装置の気体送給に必要な駆動源(例えば、エアポンプ、電源、圧縮空気ボンベ、手動の空気送給機構)を小型化できる。
【0043】
上記構成の一実施形態として、第1の微細化室の入口部と連結されるノズル筐体部を備え、
ノズル筐体部は、外気が吸引される外気口と、
液微粒子の成長液が流通される液流通部と、
液の供給用および液微粒子の成長液を貯留する液貯部と、を備える構成がある。
【0044】
ノズル筐体部の外気口によって、第1の微細化室に外気を流入することができ、微細化室内部の気圧バランスを調節できるため、ノズルから噴射される液微粒子(第1霧化体)の噴射速度や噴射量を微調整できて微細化作用を調整し、第1または第2の微細化室から流出される液微粒子(第2霧化体)の流出速度を調整できるため好ましい。この外気口は、1以上の孔、または1以上のスリットで構成できる。外気口は、気液混合ノズル先端部の高さ位置と略同じ位置またはその近位に形成されるのが好ましい。また、外気口を開閉可能に構成したり、外気口の開口面積を調整することで、微細化室に流入される気体量を調節できる。ここでの「気体」は、特に制限されず、例えば、空気、清浄空気、高酸素濃度空気、不活性ガス等の気体が挙げられる。
【0045】
微細化室の壁面や液粒子同士の衝突等で液滴に成長した、成長液は、自重によって落下し、液流通部を流通して液貯部に溜まる。この液貯部は、供給用の液が予め供給されており、液供給源としても機能する。これによって、落下してきた成長液は、再利用可能となっている。また、液貯部に、液体を供給するための注入部をさらに設けて、液体を連続的または間欠的に注入可能に構成できる。また、液貯部をノズル筐体から着脱可能に構成し、液貯部をディスポーザブルに構成することもできる。
【0046】
また、上記の第1および/または第2の微細化室は、液微粒子(霧化体)の液体に応じて、微細化室内壁の濡れ性(固体面と液体との付着性)を考慮した材料設計をすることが好ましい。また、微細化室内面にコーティング剤をコーティング、あるいは、租面化し、微細化を促進させることができる。液微粒子(第1霧化体)中の大きい粒子径の霧(例えば、湿った霧、乾いた霧中の大きい粒子径の霧)を微細化室の壁面に付着させて液滴に成長させることで、液微粒子(第1霧化体)全体の微細化を行って、平均粒子径の小さい液微粒子(第2霧化体)を形成することができる。また、飛沫として噴出するような大きい粒子径の霧を微細化室壁面に接触または衝突するように微細化室(液微粒子の入射軸方向の壁面を凹凸にするような上記の中間の空間部)を構成して、大きい霧を液滴に成長させることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】気液混合ノズルから噴出された霧化体の一例の写真を示す図である。
【図2】実施形態1の微細化促進用の気液混合ノズル装置の例を示す断面模式図および外観模式図である。
【図3】実施形態2の微細化促進用の気液混合ノズル装置の例を示す断面模式図である。
【図4】実施形態3の微細化促進用の気液混合ノズル装置の例を示す断面模式図である。
【図5】実施形態4の微細化促進用の気液混合ノズル装置の例を示す模式図である。
【図6】実施形態6の微細化促進用の気液混合ノズル装置の例を示す断面模式図である。
【図7】気液混合ノズル先端部分の例を示す断面模式図である。
【図8】気液混合ノズル先端部分の例を示す断面模式図である。
【図9】気液混合ノズル先端部分の例を示す断面模式図である。
【図10】水オリフィス、空気オリフィスの断面を示す図である。
【図11】バッフルの一例を示す図である。
【図12】バッフルの一例を示す図である。
【図13】バッフルの一例を示す図である。
【図14】第1の微細化室の内部空間形状の例を示す図である。
【図15】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置の例を示す模式図である。
【図16】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置の例を示す模式図である。
【図17】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置の例を示す模式図である。
【図18】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置にバッフルを組み込んだ模式図である。
【図19】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置にバッフルを組み込んだ模式図である。
【図20】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置にバッフルを組み込んだ模式図である。
【図21】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置にバッフルを組み込んだ模式図である。
【図22】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置にバッフルを組み込んだ模式図である。
【図23】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置にバッフルを組み込んだ模式図である。
【図24】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置にバッフルを組み込んだ模式図である。
【図25】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置にバッフルを組み込んだ模式図である。
【図26】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置にバッフルを組み込んだ模式図である。
【図27】実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置にバッフルを組み込んだ模式図である。
【図28】気体オリフィスの入口部分の拡大例を示す断面模式図である。
【図29】気流について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
(実施形態1)
以下に、先ず、バッフルを組み込んでいない微細化促進用の気液混合ノズル装置の構成について説明し、その後バッフルについて説明する。微細化促進用の気液混合ノズル装置について図2を用いて説明する。図2(a)は断面模式図であり、(b)は外観模式図である。気液混合ノズル装置1は、気液混合ノズル10と、気液混合ノズルを収納するノズル筐体部20と、このノズル筐体部20と連結される第1の微細化室30と、この第1の微細化室30と連結され、液微粒子の噴射軸方向と直交する方向に延設される第2の微細化室40(前段空間部42、後段空間部43)とを有して構成される。ノズル筐体部20と第1の微細化室30の入口空間部31は、着脱自在に連結される。
【0049】
ノズル筐体部20には、外気が吸引される外気口21と、液微粒子の成長液が自重落下して流通される液流通部22と、液の供給用および液微粒子の成長液を貯留する液貯部23とを有して構成される。
【0050】
気液混合ノズル10は、気体供給部11から気体を気体オリフィスに流通する気体流通部12と、液貯部23の液体を液体オリフィスに流通する液体流通部13が形成される。図7にノズル先端14の断面を示し、ノズル先端14は、気体オリフィス101内に、液体オリフィス102が配置される構成である。ここでの気液混合ノズル10は一般的な構造である。
【0051】
図8、9に示すノズル先端14では、気体オリフィス101先端よりも、液体オリフィス102先端が、内部方向にずれて配置される構成例である。噴射量を増加するための好ましい実施形態として、気体オリフィス101内に液体オリフィス102が配置される際に、気体オリフィス101のストレート部の始端部Cから、そのストレート長さの80%の距離までに液体オリフィス102の先端が配置されることが好ましく、始端部Cから、そのストレート長さの50%の距離までに液体オリフィス102の先端が配置される(図8参照)ことがより好ましく、始端部Cから、そのストレート長さの20%の距離までに液体オリフィス102の先端が配置されることがさらに好ましく、始端部Cの近傍に液体オリフィス102の先端が配置される(図9参照)ことが特に好ましい。
【0052】
図28(a)は、図9の拡大図であり、気体流通部12と気体オリフィス入口部との連なり部C(始端部C)にR処理が施された形状(301)を示し、図28(b)では、連なり部Cにテーパー処理が施された形状(302)を示す。図29(b)に、連なり部C近傍領域における気流を矢印で示す。図29(b)に示すように、気体流通部12内壁面から気体オリフィス101内壁面に沿うように、滑らかな気流を形成して、気体オリフィス101出口への流速を速くでき、液体オリフィス102入口部の噴射側前方部の負圧空間を、従来よりも高い負圧空間であって安定した負圧空間を形成することができる。一方、図29(a)は、連なり部CにR処理あるいはテーパー処理が施されていない場合の気流を矢印で図示しており、これによれば、液体オリフィス102の出口部に気流が巻き込み、逆流することが想定され、また、供給気体の圧力が低い場合や不安定な場合においても好適に負圧空間が形成されない場合があるが、本構成のように、連なり部CにR処理あるいはテーパー処理を施すことで、負圧空間を好適に形成することができる。
【0053】
「R処理」は、通常のR処理をいい、角部や突出部をとり丸みを施す処理である。また、「R処理」後の連なり部の断面形状を曲率あるいは曲率半径の一つあるいは複数個で表現することもできる。「テーパー処理」は、通常のテーパー処理をいう。「テーパー処理」後の角部に「R処理」が施されていてもよい。また、「テーパー処理」は、複数のテーパー部を形成することでもよい(いわゆる、断面視で多角形状でもよい)。また、気体流通部12と気体オリフィス101入口部からなる連なり部Cの角度α(図10参照)は、90°以上180°未満の範囲である。例えば、角度αは、90°〜165°範囲、110°〜145°の範囲が例示される。
【0054】
連なり部Cの近傍に配置される液体オリフィス102出口先端の位置は、気体オリフィス101入口部から、気体オリフィス101のストレート長さの±5%の距離である。あるいは、気体オリフィス101入口部から液体オリフィス102出口先端までの距離(L2 図10参照)が、−0.1mm〜0.1mmの範囲が好ましく、−0.05mm〜0.05mmがより好ましく、−0.02mm〜0.02mmがさらに好ましい。
【0055】
図2(a)の第1の微細化室30は、ノズル先端14からの液噴射軸方向にノズル筐体10と着脱自在に連結され、液微粒子(第1霧化体)を受け入れる。第1の微細化室30は、その外観が円筒状であり、その内部空間において、入口空間部31の円状の横断面積よりも大きい円状の横断面積の中間空間部32、33が2つ連接され、さらに出口空間部34が連接して形成される。各空間部間の段差は、所定角度の傾斜面で連接されている。また、入口空間部31、中間空間部32、33、出口空間部34のそれぞれの中心軸は一致または実質的に一致している。ここでは中間空間部32、33を2つ連接した構成としているが、1つでもよく2つ以上連接する構成もできる。なお、横断面は、液微粒子の噴射軸方向と直交する方向の断面である。
【0056】
出口空間部34の円状横断面積は、入口空間部31の円状横断面積よりも小さく構成し、中間空間部32、33の円状横断面積が、入口空間部31の円状横断面積より大きく構成している。図2において、中間空間部32、33のそれぞれの円状横断面積は同一に構成されているが、異なるように構成することもできる。
【0057】
出口空間部34の壁面と第2の微細化室の入口連結部41が着脱自在に連結(例えば、ネジ式、嵌合式等)される。第2の微細化室40は、前段空間部42と、この前段空間部42の中心軸方向と直行する方向に後段空間部43とを有し、前段空間部42と後段空間部43がL型エルボの形状である。このL型の内壁角部43aは直角に構成される。直角に構成したほうが、微細化の点で好ましい。内壁角部43aに、液微粒子が接触する際に、乱流が生じ、液微粒子の微細化や大径微粒子の液滴成長が促進される。後段微細化室43の出口に開口部44が設けられ、開口面積を変動可能に構成している。
【0058】
上記のように、ノズル筐体20、第1の微細化室30、第2の微細化質40とを別体で構成し、着脱可能な構造(例えば、ネジ式、嵌合式等)で取り付けることで、それら部材の清掃、メンテナンスを容易に行なえ、さらにはそれら部材をそれぞれ使い捨てにすることもできる(以下の実施形態においても同様である)。また、別実施形態として、第1の微細化室30と、第2の微細化室40とを一体構造に構成することもできる。
【0059】
また、ノズル筐体10に外気を流入するための外気口21を複数形成して、第1の微細化室30内の気圧を調節して、微細化作用を微調整し、微細化された液微粒子の放出速度を調節することができる。
【0060】
以上の構成において、バッフルが組み込まれていないが、第1の微細化室30および第2の微細化室40で、液微粒子を効果的に微細化することができ、そして微細化されず、液滴に成長した液は、液流通部22を流通して液貯部23に貯まり、供給液として再利用可能に構成される。そして、バッフルをいずれかの微細化室に組み込むことで、さらに効果的に液微粒子を微細化することができる。
【0061】
(実施形態2)
以下に、実施形態2の微細化促進用の気液混合ノズル装置について図3を用いて説明する。実施形態2の気液混合ノズル装置1において、実施形態1と同様の構成については説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0062】
第2の微細化室240の入口連結部241は、第1の微細化室30の出口空間部壁面と着脱可能に連結される。第2の微細化室240の前段空間部242は、液微粒子の入射軸上と45度の角度で傾斜する方向に延設された形状である。前段空間部242の出口壁面と、後段空間部243の入口壁面が着脱自在に連結される。後段空間部243の入口空間部243aは、前段空間部242の出口の横断面積よりも小さい横断面積とし、この入口空間部243aに、この横断面積よりも大きい横断面積の出口空間部243bが連接されて、後段空間部243が形成されている。
【0063】
以上の構成において、バッフルが組み込まれていないが、第1の微細化室30および第2の微細化室240で、液微粒子を効果的に微細化することができる。そして微細化されず、液滴に成長した液は、液流通部22を流通して液貯部23に貯まり、供給液として再利用可能に構成される。そして、バッフルをいずれかの微細化室に組み込むことで、さらに効果的に液微粒子を微細化することができる。
【0064】
(実施形態3)
以下に、実施形態3の微細化促進用の気液混合ノズル装置について図4を用いて説明する。実施形態3の気液混合ノズル装置1において、実施形態1と同様の構成については説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0065】
第2の微細化室340の入口連結部341は、第1の微細化室30の出口空間部壁面と着脱可能に連結される。第2の微細化室340の前段空間部342は、液微粒子の噴射軸上にストレートに延設された形状である。
【0066】
以上の構成において、バッフルが組み込まれていないが、第1の微細化室30および第2の微細化室340で、液微粒子を効果的に微細化することができる。そして微細化されず、液滴に成長した液は、液流通部22を流通して液貯部23に貯まり、供給液として再利用可能に構成される。そして、バッフルをいずれかの微細化室に組み込むことで、さらに効果的に液微粒子を微細化することができる。
【0067】
(実施形態4)
以下に、実施形態4の微細化促進用の気液混合ノズル装置について図5を用いて説明する。実施形態1および2と異なる構成について説明し、その他の構成については説明を省略する。
【0068】
第1の微細化室30の入口空間部31内に、噴射中心軸上に所定サイズの開口部35aが形成された遮蔽面35(絞り部に相当する)が形成される。液微粒子は、開口部35aを通じて後段の微細化室空間に流入する構成である。開口部35aを設けることで、噴射中心部の液微粒子のみを選択的に後段の微細化室空間に流入することができ、図1の大きい微粒子や飛沫を好適に遮蔽面に衝突させて、液貯部23に流通させることができる。また、ノズル先端部14の位置と略水平の位置で第1の微細化室30にスリットまたは孔36、および、その位置に応じたスリットまたは孔25をノズル筐体部20に形成することが好ましい。これによって気体を流入させて、噴射された液微粒子の微細化を調整することができる。
【0069】
以上の構成において、バッフルが組み込まれていないが、遮蔽面35で飛沫等の粒子径の大きいものを効率よく除去でき、微細化されず、液滴に成長した液は、液流通部22を流通して液貯部23に貯まり、供給液として再利用可能に構成される。そして、バッフルをいずれかの微細化室に組み込むことで、さらに効果的に液微粒子を微細化することができる。
【0070】
(実施形態5)
以下に、実施形態5の微細化促進用の気液混合ノズル装置について図15、16を用いて説明する。実施形態1と異なる構成について説明し、その他の構成については説明を省略する。
【0071】
第3の微細化室50は、第2の微細化室40の後段空間部30の延長方向に設けられる。第3の微細化室50は、長さ方向の断面が円錐台形状である。
【0072】
図16に示すように、第3の微細化室50の入口側端部51は、第2の微細化室40の後段空間部43の内部に配置され、この入口側端部51が前段空間部42の内壁面(A)と一致する位置からこの前段空間部42の長手方向中心軸(B)の位置までに配置されることが好ましい。また、入口側端部51がAからBの位置を自在に移動可能に連結されることが好ましい。これによって、使用目的に応じて、第3の微細化室50の見かけの長さを変化させて、液微粒子の噴射量、平均粒子径を微調整することができる。この第3の微細化室50によって、さらに微細化が促進される。
【0073】
また、図17に示すように、第1の微細化室の入口空間部31とノズル先端部14との間に、噴射された液微粒子のスプレー半角(β)が30°以内、より好ましくは20°以内、さらに好ましく10°以内の液微粒子を入射可能とする開口61を有する絞り部60が設けられる。この絞り部60は、上記実施形態4の遮蔽面35と同様の機能を発揮する。
【0074】
(実施形態6)
図6に実施形態6の微細化促進用の気液混合ノズル装置について示す。第1および第2の微細化室540が一体形成されて、液微粒子の入射軸に対しストレートに配置され、後段部分において45度の傾斜で延設されている。この構成の場合には、液微粒子の微細化がなされるものの、長さ方向のサイズが、図2から5の実施形態よりも大きくなる。そして、バッフルをいずれかの微細化室に組み込むことで、さらに効果的に液微粒子を微細化することができる。
【0075】
(バッフル)
図11から13に、先端が先細り形状のバッフルの一例を示す。図11から13のバッフル70、80、90は、バッフル本体が中空円錐形状であり、バッフル本体に形成された開口部は、その正面視で、先細り先端部と中空中心を結ぶ軸(バッフル中心軸)に対し直交する方向にお互いが平行になるように形成された複数個のスリット71、81、91である。例えば、図11において、バッフル70の先端からの平面視において、スリット71は、略半円を描くように形成されている。図12のスリット81の数は、図11のスリット71のそれよりも少なく、図12のスリット81の開口面積が図11のそれよりも大きい構成である。
【0076】
図11および12のスリット81、91の開口方向は、バッフル中心軸に対し垂直方向であり、図13のスリット91の開口方向は、バッフル中心軸に対し、中空中心を基点にして30°に傾斜している構成である。
【0077】
上記の微細化室内に、図11から13のバッフルが配置されるが、バッフルの中空中心と先細り先端を結ぶバッフル中心軸と液微粒子の入射軸が一致あるいは略一致していることが好ましい。また、バッフル先端が液微粒子の入射側に配置される構成や、バッフル先端が入射方向に向かうように配置される構成がある。
【0078】
このバッフルによって、微細化室に入射された液微粒子中の大きい粒径の粒子をバッフルに接触されて液滴成長させ、粒径の小さい粒子は、バッフル本体の開口部(スリット71)を通じて、噴射方向に流出させることができるため、入射時の平均粒子径よりも流出時の平均粒子径を効果的に小さくできる。
【0079】
複数の微細化室に、複数のバッフルを配置する構成が可能である。バッフルを複数個配置することで、ノズル噴射条件に応じた微細化を好適に行うことが可能になる。バッフルの配置としては、お互いが近くに配置するよりも、バッフル同士が重ならないように、一定の距離を置いたほうが好ましい。
【0080】
(実施例)
図15で示した実施形態5の気液混合ノズル装置にバッフル(図11のバッフル70)を組み込んだ実施例について説明する。バッフル70の配置は、図18から図27に示すとおりである。図18のバッフル70は、第3の微細化室50の入口空間部に、その先端部が出口方向を向くように配置される。図19のバッフル70は、第3の微細化室50の入口空間部にその先端部が入口方向を向くように配置される(図18の逆配置パターン)。図20のバッフル70は、第2の微細化室40の前段空間部42に、その先端部が噴射(出口)方向を向くように配置される。図21のバッフル70は、第2の微細化室40の前段空間部42にその先端部が入口方向を向くように配置される(図21の逆配置パターン)。
【0081】
図22のバッフル70は、第1の微細化室30の中間空間部32、33が連接された位置に、その先端部が噴射(出口)方向を向くように配置される。図23のバッフル70は、第1の微細化室30の中間空間部32、33が連接された位置に、その先端部が入口方向を向くように配置される(図22の逆配置パターン)。図24のバッフル70は、第1の微細化室30の入口空間部31と絞り部60の出口部に、その先端部が噴射(出口)方向を向くように配置される。図25のバッフル70は、第1の微細化室30の入口空間部31と絞り部60の出口部に、その先端部がノズル方向を向くように配置される(図24の逆配置パターン)。
【0082】
図26のバッフル70は、絞り部60内に、その先端部が噴射(出口)方向を向くように配置される。図27の第1のバッフル70は、第2の微細化室40の前段空間部42に、その先端部が噴射(出口)方向を向くように配置され、第2のバッフル70は、第1の微細化室30の中間空間部32、33が連接された位置に、その先端部が入口方向を向くように配置される。
【0083】
気液混合ノズル装置は以下の条件である。水オリフィス径φdwが0.35[mm]、空気オリフィス外径φdaが0.55[mm]、空気オリフィス内径φdbが0.5mm、供給空気圧Paが27[kPa]、空気流量Qaが1.03[NL/min]、水全噴射量Qwが3.53[ml/min](ノズルからの噴射量)の場合における、有効フォッグ量(Qf[ml/min])(第3の微細化室から放出された液微粒子量)および粒子径(目視確認)について評価した。気液混合ノズル装置を各図に示すように上方に向けて静置させ、液貯部での液面高さが水オリフィス先端から−25mmとなるように水を予め供給しておき、噴射開始後安定してから1分間測定した。装置の各部材の寸法は、以下の通りであり、円筒状のノズル筐体部の外径がφ40mm、円筒状の第1の微細化室の外径がφ50mm、第1の微細化室の入口空間部の内径がφ30、その出口空間部の内径がφ20mm、円筒状の第2の微細化室の内径が34mm、円筒状の第3の微細化室の出口開口部の外径が40mm、装置の横幅が153mm、装置全長が203mmである。絞り部の開口直径がφ17mm、この開口位置は、スプレー半角が30°に相当するように設置した。図9に示すように、空気オリフィスの連なり部Cの近傍に、L2が零になるように水オリフィス出口先端を配置した(L2 図10)。さらに連なり部CにはR処理を施した。空気供給駆動源にコンプレッサーを用いた。空気オリフィスのストレート長さ(L1)は、0.51mmである。
【0084】
(比較例)
比較例は、バッフルを組み込んでいないこと以外、上記実施例と同様である(図15参照)。
【0085】
各実施例は、比較例よりも有効フォッグ量Qfが小さいものであったが、目視における粒子径は、各実施例の方が比較例よりも小さく、粒子径が大幅に改善される傾向であった。各実施例において、バッフル先端を、入射側入口に向けて配置するほうが、その逆パターンよりも有効フォッグ量が小さい傾向を示した。これは、液微粒子の流通状態が悪くなり、バッフル表面での液滴成長が生じやすくなっていたのではないかと推測される。
【0086】
(他の実施例)
図11のバッフルの代わりに図12、図13のバッフルを用いて上記の実験を行った。上記図11のバッフルの実施例と同様に、上記比較例よりも有効フォッグ量Qfが小さいが、目視における粒子径が大幅に改善される傾向であった。
【0087】
図15の装置の代わり、図2から図6の装置のそれぞれに、図11のバッフルを組み込んだ。バッフルの組み込み配置は、上記実施例に準じた。バッフルを組み込まなかった比較例よりも、有効フォッグ量Qfが小さいが、目視における粒子径が大幅に改善される傾向であった。
【0088】
また、連なり部CにR処理を施していないこと以外上記の実施例(図11のバッフルを使用)と同様に実験を行った。比較例として、バッフルを用いないこと以外、この実験と同様に行った。上記の実施例と同様に、ここでの比較例よりも有効フォッグ量Qfが小さいが、目視における粒子径が大幅に改善される傾向であった。
【0089】
また、連なり部CにR処理を施していないこと、および空気オリフィス内における水オリフィス出口部の位置L2を0.25または0.51(お互いの出口先端が一致)とした以外上記の実施例(図11のバッフルを使用)と同様に実験を行った。比較例として、バッフルを用いないこと以外、この実験と同様に行った。上記の実施例と同様に、ここでの比較例よりも有効フォッグ量Qfが小さいが、目視における粒子径が大幅に改善される傾向であった。
【符号の説明】
【0090】
1 微細化促進用の気液混合ノズル装置
10 気液混合ノズル
20 ノズル筐体
30 第1の微細化室
40 第2の微細化室
50 第3の微細化室
70 バッフル
71 スリット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液微粒子の微細化促進用の器具であって、
液微粒子が入射される微細化室と、
微細化室内に配置される、先端が先細り形状の中空のバッフルと、を有し、
バッフルが、配置される微細化室の内面形状に応じた形状の連結部と、開口部が形成されるバッフル本体と、を有して構成される微細化促進用器具。
【請求項2】
バッフル本体が、円錐形状、多角錘形状、半球状または半楕円球状である請求項1に記載の微細化促進用器具。
【請求項3】
開口部が、正面視で、先細り先端部と中空中心を結ぶ軸に対し直交する複数のスリットで構成される請求項1または2に記載の微細化促進用器具。
【請求項4】
微細化室に、複数のバッフルを配置する請求項1から3のいずれか1項に記載の微細化促進用器具。
【請求項5】
微細化室は、その入口空間部の横断面積より大きい横断面積の空間部を少なくとも1以上有して構成される請求項1から4のいずれか1項に記載の微細化促進用器具。
【請求項6】
液微粒子の入射軸上と所定の角度で傾斜する方向に、第2の微細化室を、さらに有する請求項1から5のいずれか1項に記載の微細化促進用器具。
【請求項7】
第2の微細化室の後段空間部の延長方向に、第3の微細化室を設ける請求項6に記載の微細化促進用器具。
【請求項8】
第1の微細化室の入口空間部内に、またはこの入口空間部とノズル先端部との間に、噴射された液微粒子のスプレー半角が30°以内の液微粒子を入射可能とする開口を有する絞り部を設ける請求項1から7のいずれか1項に記載の微細化促進用器具。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の微細化促進用器具と、
微細化促進用器具の第1の微細化室に液微粒子を噴射する気液混合ノズルと、を備える微細化促進用の気液混合ノズル装置。
【請求項10】
気液混合ノズルは、気体供給圧が低圧であって、液体供給圧力がフリーである、請求項9に記載の気液混合ノズル装置。
【請求項11】
第1の微細化室の入口部と連結されるノズル筐体部を備え、
ノズル筐体部は、外気が吸引される外気口と、
液微粒子の成長液が流通される液流通部と、
液の供給用および液微粒子の成長液を貯留する液貯部と、を備える請求項9または10に記載の気液混合ノズル装置。
【請求項1】
液微粒子の微細化促進用の器具であって、
液微粒子が入射される微細化室と、
微細化室内に配置される、先端が先細り形状の中空のバッフルと、を有し、
バッフルが、配置される微細化室の内面形状に応じた形状の連結部と、開口部が形成されるバッフル本体と、を有して構成される微細化促進用器具。
【請求項2】
バッフル本体が、円錐形状、多角錘形状、半球状または半楕円球状である請求項1に記載の微細化促進用器具。
【請求項3】
開口部が、正面視で、先細り先端部と中空中心を結ぶ軸に対し直交する複数のスリットで構成される請求項1または2に記載の微細化促進用器具。
【請求項4】
微細化室に、複数のバッフルを配置する請求項1から3のいずれか1項に記載の微細化促進用器具。
【請求項5】
微細化室は、その入口空間部の横断面積より大きい横断面積の空間部を少なくとも1以上有して構成される請求項1から4のいずれか1項に記載の微細化促進用器具。
【請求項6】
液微粒子の入射軸上と所定の角度で傾斜する方向に、第2の微細化室を、さらに有する請求項1から5のいずれか1項に記載の微細化促進用器具。
【請求項7】
第2の微細化室の後段空間部の延長方向に、第3の微細化室を設ける請求項6に記載の微細化促進用器具。
【請求項8】
第1の微細化室の入口空間部内に、またはこの入口空間部とノズル先端部との間に、噴射された液微粒子のスプレー半角が30°以内の液微粒子を入射可能とする開口を有する絞り部を設ける請求項1から7のいずれか1項に記載の微細化促進用器具。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の微細化促進用器具と、
微細化促進用器具の第1の微細化室に液微粒子を噴射する気液混合ノズルと、を備える微細化促進用の気液混合ノズル装置。
【請求項10】
気液混合ノズルは、気体供給圧が低圧であって、液体供給圧力がフリーである、請求項9に記載の気液混合ノズル装置。
【請求項11】
第1の微細化室の入口部と連結されるノズル筐体部を備え、
ノズル筐体部は、外気が吸引される外気口と、
液微粒子の成長液が流通される液流通部と、
液の供給用および液微粒子の成長液を貯留する液貯部と、を備える請求項9または10に記載の気液混合ノズル装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図16】
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【図18】
【図19】
【図20】
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【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2011−98285(P2011−98285A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254345(P2009−254345)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(503045038)ノズルネットワーク株式会社 (18)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(503045038)ノズルネットワーク株式会社 (18)
【Fターム(参考)】
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