微細複製物品の作製装置および作製方法
微細複製物品を作製する装置が開示されている。この装置は第1の直径を有する第1のパターン化ロール(450)と、第2の直径を有する第2のパターン化ロール(474)とを含む。駆動アセンブリが含まれており、駆動アセンブリは、第1および第2のロールが約100マイクロメートル以内の連続位置合わせを維持するように、第1のパターン化ロール(460)と第2のパターン化ロール(474)とを回転させるように構成されている。第2の直径は第1の直径より0.01〜1パーセント大きい。微細複製物品を作製する方法も開示されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くはウェブ上への材料の連続成形に関し、特に、ウェブの両側に成形されたパターン間に高い位置合わせ度を有する物品の成形に関する。
【背景技術】
【0002】
新聞の印刷から高機能の電子および光学デバイスの作製まで多くの物品の作製において、少なくとも一時的に液体の形状のある材料を基板の両側に塗布することが必要である。多くの場合、材料は所定のパターンで基板に塗布され、例えば、印刷の場合インクは文字および絵のパターンで塗布される。このような場合、基板の両側のパターン間での位置合わせのために少なくとも最低要件があることが一般的である。
【0003】
基板が回路基板などの個々の物品である場合、パターンのアプリケータは通常位置合わせの達成を助けるためにエッジに依存する。しかし、基板がウェブであるとともに位置合わせを維持する際に基板のエッジに依存することが不可能である場合、問題はやや困難になる。なお、ウェブの場合でも位置合わせの要件が厳格でない、例えば、100マイクロメートルを超えるという、完璧な位置合わせからのずれが容認される場合、材料塗布をその程度まで制御するための機械的手段は既知である。印刷業界にはそのような基準を満たすことが可能な装置が充実している。
【0004】
しかし、基板の両側にパターンを有するある製品では、はるかに正確なパターン間の位置合わせが必要とされる。そのような場合、ウェブが連続移動されてない場合には、材料をそのような基準に塗布することができる装置は知られている。そして、ウェブが連続移動中である場合には、例えば、あるタイプの可撓性回路の場合のように、パターニングロールの1回転当たり一度の完璧な位置合わせという、100マイクロメートルあるいは5マイクロメートル内にパターニングロールをリセットすることが容認可能である場合には、当該技術はなお前進方法に関するガイドラインを与える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、例えば、輝度向上フィルムなどの光学物品において、基板の両側に塗布された光学的に透明な高分子内のパターンが、ツール回転内の任意の点で位置合わせ外れが極僅かな許容範囲以下であることが必要とされる。これまで当該技術は、パターンが間歇的ではなく連続的に100マイクロメートル以内に位置合わせされた状態で維持されるように、連続移動されているウェブの両側にパターン化表面を成形する方法について言及していない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、ロールツーロール微細複製装置を含む。この装置は第1の直径を有する第1のパターン化ロールと、第2の直径を有する第2のパターン化ロールとを含む。駆動アセンブリが含まれているとともに、第1および第2のロールが約100マイクロメートル以内に連続位置合わせされた状態に維持されるように、第1のパターン化ロールと第2のロールとを回転すべく構成されている。駆動アセンブリは単一モータアセンブリ、またはそれぞれ第1および第2のパターン化ロール専用の第1および第2のモータアセンブリを含み得る。第2の直径は第1の直径より約0.01〜約1パーセント大きくてもよい。
【0007】
本開示の他の態様は、第1および第2の互いに反対側の面を有するウェブを含む微細複製物品を作製する方法を含む。第1のパターン化ロールと第2のパターン化ロールとを、同じ回転速度であるが異なる表面速度で互いに反対方向に回転させる。ウェブを第1のパターン化ロールと第2のパターン化ロールとの間に通過させる。第1の液体をウェブ第1表面上に配置するとともに、第1のパターン化ロールと接触させる。第2の液体をウェブ第2表面に配置するとともに、第2のパターン化ロールと接触させる。
【0008】
第1のパターン化ロールおよび第2のパターン化ロールが、約100マイクロメートル未満に一定に位置合わせされた状態に維持される。ある例では、第1および第2の微細複製ロールは、約75マイクロメートル未満、または約50マイクロメートル未満、または約10マイクロメートル未満に一定に位置合わせされた状態に維持される。
【0009】
定義
本開示の状況において、「位置合わせ」は、同じウェブの反対側の他の構造に対して規定関係にあるウェブの一面上の構造の位置決めを意味する。
【0010】
本開示の状況において、「ウェブ」は、ある方向の一定寸法と、その直交方向の所定または不定の長さとを有する材料シートを意味する。
【0011】
本開示の状況において、「連続位置合わせ」は、第1および第2のパターン化ロールの回転中、常にロール上の構造間の位置合わせ度が指定限界より良好であることを意味する。
【0012】
本開示の状況において、「微細複製された」または「微細複製」は、製品毎の製造中の個々の特徴を忠実に保持するプロセスによる微細構造化表面の作製を意味し、そのプロセスにおける構造化表面形状の変動は約100マイクロメートル以下である。
【0013】
添付の図面のいくつかの図において同様な部分は同様な参照番号を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
一般に、本開示は、各側に微細複製パターン化構造が塗布された可撓性基板に関する。微細複製物品は互いに高精度で位置合わせされている。両側の構造は協働して要求に応じた物品光学品質提供することが可能であり、ある実施形態において、構造は複数のレンズ特徴である。
【0015】
図11を参照すると、図示されているのは両面微細複製物品1200の例示的実施形態である。物品1200は互いに反対側の第1および第2の表面1220、1230を有するウェブ1210を含む。第1および第2の表面1220、1230は、それぞれ第1および第2の微細複製構造1225、1235を含む。第1の微細複製構造1225は複数の特徴1226を含み、特徴1226は、図示の実施形態において、約142マイクロメートルの有効径を有する円柱レンズである。第2の微細複製構造1235は複数の鋸歯または角錐プリズム特徴1236を含む。対向する第1および第2の微細複製構造1225、1235が、図11に図示した特定の形状以外の任意の有用な形態および/または形状であり得ることは理解されよう。
【0016】
図示の例示的実施形態において、第1および第2の構造1226、1236は同じピッチまたは周期の繰り返しPを有し、例えば、第1の構造の周期が10〜500マイクロメートル、50〜250マイクロメートル、または約150マイクロメートルであるとともに、第2の構造の繰り返し周期も同じである。第1および第2の構造の周期比は、整数比(または逆数)であり得るが他の組み合わせも可能である。
【0017】
図示の例示的実施形態において、互いに反対側の微細複製特徴1226、1236は協働して複数のレンズ構造1240を形成する。図示の例示的実施形態において、レンズ構造1240はレンチキュラーレンズである。各レンズ構造1240の性能は、各レンズを形成する対向する特徴1229、1239のアラインメントの関数であるため、レンズ構造の精密なアラインメントまたは位置合わせが好ましい。
【0018】
任意に、物品1200は第1および第2のランド領域1227、1237も含む。ランド領域は基板表面1220、1230とそれぞれの構造の下部、すなわち谷部1228、1238との間の材料としてとして規定される。第1のランド領域1228はレンズ側で少なくとも約10マイクロメートルであり得るとともに、第2のランド領域1238はプリズム側で少なくとも約25マイクロメートルであり得る。ランド領域は構造がウェブ1210への良好な接着を有することを助け得るとともに、複製の忠実性にも役立ち得る。ランド領域位置決めを用いてウェブ1210の第1および第2の側の構造を必要に応じて調整し得る。
【0019】
上記の物品1200を以下に詳細に説明するウェブの対向上に精密に位置合わせされた微細複製構造を作製する装置および方法を用いて作製することができる。
【0020】
硬化性液体をウェブの第1の側上に成形および硬化させることにより、第1の微細複製構造を第1のパターン化ロール上に作製することができる。第1の硬化性液体は、オハイオ州シンシナティ(Cincinnati、Ohio)のコグニス・コーポレーション(Cognis Corp.)から入手可能なフォトマー(photomer)6010、共にペンシルバニア州エクストン(Exton,Pennsylvania)のサートマー・カンパニー(Satomer Co.)から入手可能なSR385テトラヒドロフルフリル・アクリレートおよびSR238(70/15/15%)1,6−ヘキサンジオール・ジアクリレート、コネチカット州ストラトフォード(Stratford,Connecticut)のハンフォード・リサーチ・インコーポレーテッド(Hanford Research Inc.)から入手可能なカンファーキノン(Camphorquinone)、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee,Wisconsin)のアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Co.)から入手可能なエチル1−4−ジメチルアミノ・ベンゾアート(0.75/0.5%)を含む光硬化性アクリレート樹脂溶液であり得る。
【0021】
硬化性液体をウェブの第2の側上に成形および硬化させることにより、第2の微細複製構造を第2のパターン化ロール上に作製することができる。第2の硬化性液体は、第1の硬化性液体と同じでも異なっていてもよい。ある実施形態において、第1および第2の硬化性液体は、それぞれ第1および第2のパターン化ロールが通過する前にウェブ表面に配置される。他の実施形態において、第1の硬化性液体は第1のパターン化ロール上に配置されるとともに、第2の硬化性液体は第2のパターン化ロール上に配置され、硬化性液体はその後パターン化ロールからウェブに転写される。
【0022】
それぞれの構造がパターンに成形された後、それぞれのパターンは各硬化性液体内の光開始剤に合わせた放射源を用いて外部硬化される。ある状況では、紫外光源を適用し得る。その後、剥離ロールを用いて微細複製物品を第2のパターン化ロールから取り外し得る。任意に、剥離剤またはコーティングを用いてパターン化ツールからのパターン化構造の取り外しを助けることができる。
【0023】
上記の物品を作製するために用いた図示のプロセス設定は以下の通りである。約8ニュートン(2ポンド力)の成形装置内外のウェブ張力で約0.3メートル(1フット)/分のウェブ速度を用いた。約5%の剥離ロール延伸比を用いてウェブを第2のパターン化ツールから引っ張った。約16ニュートン(4ポンド力)のニップ圧力を用いた。第1および第2のパターン化ロール間には、約0.025センチメートル(0.01インチ)の間隙があった。滴下塗布装置を用いてウェブの第1の表面に樹脂を供給することができるとともに、シリンジポンプを用いて約1.35ml/分の速度で第2の表面に樹脂を供給することができる。
【0024】
第1のパターン化ロールは、150マイクロメートルのピッチで142マイクロメートル直径を有する円柱レンズを形成する一連のネガ像を含んでいた。第2のパターン化ロールは、150マイクロメートルのピッチで60度の開先角度を有する複数の対称プリズムを形成する一連のネガ像を含んでいた。
【0025】
一般に、上記の物品は以下に開示する、約100マイクロメートルより良好な、または50マイクロメートルより良好な、または25マイクロメートル未満、または10マイクロメートル未満、または5マイクロメートル未満の位置合わせを有する両面微細複製構造を作製するシステムおよび方法によって作製され得る。システムは、一般に、第1のパターニングアセンブリと第2のパターニングアセンブリとを含む。各それぞれのアセンブリは、第1および第2の表面を有するウェブのそれぞれの表面上に微細複製パターンを作製する。第1のパターンがウェブの第1の側に作製されるとともに、第2のパターンがウェブの第2の側に作製される。
【0026】
各パターニングアセンブリは、コーティングを塗布する手段と、パターニング部材と、硬化部材とを含む。通例、パターニングアセンブリは、パターン化ロールと、各ロールを保持するとともに駆動する支持構造とを含む。第1のパターニングアセンブリの塗布手段は、第1の硬化性コーティング材料をウェブの第1の表面上に分注する。第2のパターニングアセンブリの塗布手段は、第2の硬化性コーティング材料をウェブの第2の表面上に分注し、第2の表面は第1の表面の反対側である。通例、第1および第2のコーティング材料は同じ組成である。
【0027】
第1のコーティング材料がウェブ上に配置された後、ウェブは第1のパターン化部材上を通過し、第1のコーティング材料内にパターンが作製される。その後、第1のコーティング材料を硬化させて第1のパターンを形成する。続いて、第2の材料がウェブ上に配置された後、ウェブは第2のパターン化部材上を通過し、第2のコーティング材料内にパターンが作製される。その後、第2のコーティング材料を硬化させて第2のパターンを形成する。通例、各パターン化部材は微細複製ツールであるとともに、各ツールは、通例、材料を硬化させる専用の硬化部材を有する。しかし、第1および第2のパターン化材料の両方を硬化させる単一の硬化部材を有することが可能である。また、コーティングをパターン化ツール上に配置することが可能である。
【0028】
システムはウェブが連続移動されつつパターンがウェブの両側に転写されるように、第1および第2のパターン化ロールを回転させる手段も含み、パターンはウェブの両側に約100マイクロメートルより良好に、または10マイクロメートルより良好に連続位置合わせされた状態に維持される。
【0029】
本開示の利点は、両側の微細複製構造を互いに概して100マイクロメートル以内に、50マイクロメートル以内に、または20マイクロメートル以内に、または10マイクロメートル以内に、または5マイクロメートル以内に位置合わせされた状態に保持しつつ、連続形成された微細複製構造をウェブの各側に有することにより、ウェブの互いに反対側の面の各々の上に微細複製構造を有するウェブを製造することができるということである。
【0030】
図1〜2を参照すると、ロールツーロール成形装置120を含むシステム110の例示的実施形態が図示されている。図示の成形装置120において、ウェブ122が主巻出スプール(図示せず)から成形装置120に提供される。ウェブ122の本質は、上述したように、作製される製品によって大きく異なり得る。しかし、成形装置120が光学物品の作製に用いられる場合、ウェブ122を介する硬化を可能にするために通常ウェブ122は半透明または透明である。ウェブ122は様々なローラ126を回って成形装置120内に向けられる。
【0031】
ウェブ122の正確な張力制御は最適な結果を達成するのに有利であるため、ウェブ122を張力検知装置(図示せず)上に方向付けてもよい。ライナウェブを用いてウェブ122を保護することが望ましい場合には、ライナウェブを、通例、巻出スプールにおいて分離するとともにライナウェブ巻取スプール(図示せず)上に方向付けられる。ウェブ122をアイドラーロールを介してダンサーロールに方向付けて精密な張力制御を行うことができる。アイドラーローラはウェブ122をニップロール154と第1のコーティングヘッド156との間の位置に向けることができる。
【0032】
様々な塗布方法を採用し得る。図示の実施形態において、第1のコーティングヘッド156はダイコーティングヘッドである。その後、ウェブ122はニップロール154と第1のパターン化ロール160との間を通過する。第1のパターン化ロール160はパターン化表面162を有するとともに、ウェブ122がニップローラ154と第1のパターン化ロール160との間を通過する際、第1のコーティングヘッド156によってウェブ122に分注された材料がパターン化表面162のネガの形状に形作られる。
【0033】
ウェブ122が第1のパターン化ロール160と接している間、材料が第2のコーティングヘッド164からウェブ122の他方の表面上に分注される。第1のコーティングヘッド156に対して上記した説明と平行して、第2のコーティングヘッド164も第2の押出機(図示せず)と第2のコーティングダイ(図示せず)とを含むダイコーティング装置である。ある実施形態において、第1のコーティングヘッド156によって分注された材料はポリマー前駆体を含むとともに、例えば、紫外線などの硬化エネルギーの印加で固体ポリマーに硬化しようとする組成物である。
【0034】
第2のコーティングヘッド164によってウェブ122上に分注された材料はその後、第2のパターン化表面176を有する第2のパターン化ロール174と接触する。上記の説明と平行してある実施形態において、第2のコーティングヘッド164によって分注された材料はポリマー前駆体を含むとともに、例えば、紫外線などの硬化エネルギーの付与で固体ポリマーに硬化しようとする組成物である。
【0035】
この時点でウェブ122は両面に付与されたパターンを有している。剥離ロール182は第2のパターン化ロール174からのウェブ122の除去を助けるために存在し得る。ある例では、ロールツーロール成形装置内外へのウェブ張力はほぼ一定である。
【0036】
2面微細複製パターンを有するウェブ122はその後、アイドラーロールを介して巻取スプール(図示せず)に向けられる。介在フィルムがウェブ122を保護することが望ましい場合には、介在フィルムが第2の巻出スプール(図示せず)から提供され得るとともに、ウェブと介在フィルムとが適当な張力で巻取スプール上に一緒に巻き取られる。
【0037】
図1〜3を参照すると、第1および第2のパターン化ロールが、それぞれ第1および第2のモータアセンブリ210、220に結合されている。モータアセンブリ210、220の支持は、直接または間接的にアセンブリを枠230に載置することにより達成される。モータアセンブリ210、220は精密載置装置を用いて枠に結合される。図示の実施形態の例において、第1のモータアセンブリ210は枠230に固定的に載置されている。ウェブ122が成形装置120中に通される際の位置に配置された第2のモータアセンブリ220は、横方向および流れ方向の両方に繰り返し位置決めされる必要があり、そのため移動可能である。移動可能なモータ装置220はリニアスライド222に結合されて、例えば、ロール上のパターン間で切り替える場合に繰り返し正確な位置決めを助け得る。第2のモータ装置220は枠230の後側に、第2のパターン化ロール174を第1のパターン化ロール160に対して並んで位置決めする第2の載置装置225も含む。ある場合には、第2の載置装置225は横方向の正確な位置決めを可能にするリニアスライド223を含む。
【0038】
図4を参照すると、両面上に位置合わせされた微細複製構造を有する両面ウェブ422を作製する成形装置420の例示的実施形態が図示されている。アセンブリは第1および第2の塗布手段456、464と、ニップローラ454と、第1および第2のパターン化ロール460、474とを含む。ウェブ422は第1の塗布手段456、この例では第1の押出ダイ456に提示される。第1のダイ456は第1の硬化性液体層コーティング470をウェブ422上に分注する。第1のコーティング470はニップローラ454、通例、ゴム被覆ローラにより第1のパターン化ローラ460内に押し込まれる。第1のパターン化ロール460上にある間に、コーティングは例えば紫外光源などの適当な波長光の硬化源480、例えば、ランプを用いて硬化される。
【0039】
第2の硬化性液体層481は第2の側押出ダイ464を用いてウェブ422の反対側に塗布される。第2の層481は第2のパターン化ツールローラ474内に押し込まれるとともに、硬化プロセスが第2のコーティング層481に対して繰り返される。以下に説明するように、ツールローラ460、474を互いに精密な角度関係に維持することにより、2つのコーティングパターンの位置合わせが達成される。
【0040】
図5を参照すると、第1および第2のパターン化ロール560、574の一部の近接図が図示されている。第1のパターン化ロール560は微細複製表面を形成する第1のパターン562を有する。第2のパターン化ロール574は第2の微細複製パターン576を有する。図示の例示的実施形態において、第1および第2のパターン562、576は同じパターンであるが、パターンは異なっていてもよい。図示の実施形態において、第1のパターン562および第2のパターン576はプリズム構造として示されているが、任意の単一または多数の有用な構造が第1のパターン562および第2のパターン576の一方または両方を形成することができる。
【0041】
ウェブ522が第1のロール560上を通過する際、第1の表面524上の第1の硬化性液体(図示せず)は、第1のパターン化ロール560上の第1の領域526付近で、硬化光源525により硬化される。第1の微細複製パターン化構造590は、液体が硬化されるとウェブ522の第1の側524に形成される。第1のパターン化構造590は、第1のパターン化ロール560上のパターン562のネガである。第1のパターン化構造590が形成された後、第2の硬化性液体581がウェブ522の第2の表面527上に分注される。第2の液体581が早期に硬化されないようにするために、第2の液体581は、第2の液体581に当たらないように第1の硬化光525を配置することによって、第1の硬化光525から隔離することができる。代替的には、遮蔽手段592を第1の硬化光525と第2の液体581との間に配置することができる。また、ウェブを介して硬化することが実用的ではないまたは困難である場合、硬化源をそれぞれのパターン化ロール内に配置することができる。
【0042】
第1のパターン化構造590が形成された後、ウェブ522は第1と第2のパターン化ロール560、574間の間隙領域575に進入するまで第1のロール560に沿って続く。そして、第2の液体581が第2のパターン化ロール上の第2のパターン576と係合するとともに第2の微細複製構造に形作られ、その後、第2の硬化光535により硬化される。ウェブ522が第1と第2のパターン化ロール560、574間の間隙575に入ると、このときまでに実質的に硬化されるとともにウェブ522に接着された第1のパターン化構造590は、ウェブ522が間隙575内および第2のパターン化ローラ574の周囲で移動し始める間、ウェブ522が滑らないようにする。これにより、ウェブ上に形成された第1および第2のパターン化構造間の位置合わせエラーの原因としてのウェブの伸張および滑りを除去する。
【0043】
第2の液体581が第2のパターン化ロール574と接する間ウェブ522を第1のパターン化ロール560上に支持することにより、ウェブ522の両側524、527上に形成された第1と第2の微細複製構造590、593間の位置合わせ度は、第1と第2のパターン化ロール560、574の表面間の位置関係を制御する関数になる。第1および第2のパターン化ロール560、574の周囲およびロールにより形成される間隙575間のウェブのS巻き(S−wrap)は、張力、ウェブ歪み変化、温度、ウェブを挟む機構により生じる微細滑り、および横方向位置制御の影響を最小限にする。通例、S巻きはウェブ522を180度の巻き角にわたって各ロールに接するように維持するが、巻き角は特定の要件に応じてより大きくてもより小さくてもよい。
【0044】
ある場合には、パターン化ロールは同じ平均直径であるがこれは必須ではない。任意の特定の用途に対して適当なロールを選択することは当業者の技術および知識範囲内である。特定の用途において、第1のパターン化ロール560および第2のパターン化ロール574などの、2つの微細複製ツール間に均一な張力帯を作製することは有用であり得る。均一な張力帯を作製することにより、第1の微細複製ツールから均一な剥離角、および第2の微細複製ツールから制御可能なより均一なコーティング厚さを達成し得る。これは製品要件により必要とされるキャリパー仕様および許容範囲になり得る。ある場合には、均一な剥離角はより光学的に均一な製品を作製し得る。
【0045】
ある場合には、第1の微細複製ツールと第2の微細複製ツールとは反対方向に回転する。ウェブにはUV硬化性樹脂が塗布されている。第1の回転バンクが第1の微細複製ツールとゴムニップローラとの間に生じることは理解できよう。第2の回転バンクは、ウェブが第1の微細複製ツールから剥離された時点直後に第1の微細複製ツールと第2の微細複製ツールとの間に生じ得る。ゴムニップローラを第1の微細複製ツール内に駆動するために印加される力量は、ウェブと第1の微細複製ツールとの間の樹脂量を制御する変数の1つである。
【0046】
移動ウェブ上にコーティングを作製する1つの方法は、塗布ビードまたは回転バンクの使用によるものであり、ウェブは2つのロールにより作製されるニップを通過する。ニップ点にあるのは、連続補充される塗布材料の回転バンクである。ウェブがニップを通過する際、僅かな且つ均等分配コーティング量がウェブ上に堆積される。ウェブが移動するにつれて機械的力がコーティングをニップ内で「回転」させ、用語「回転バンク」を生じる。
【0047】
この問題に対処する1つの方法は、第1の微細複製ツールの直径より若干大きい直径を有する第2の微細複製ツールを作製することによる。ある場合には、第2の微細複製ツールは、第1の微細複製ツールの直径より約0.01〜約1パーセント大きい直径を有し得る。
【0048】
第1および第2の微細複製ツールを厳密に同一速度で回転させることにより、第2の微細複製ロールの僅かな割合大きい直径は、第1の微細複製ツールより若干高い表面回転速度を有する第2の微細複製ツールを生じる。これは若干高い張力帯を生じるため、そうでなければ生じるたるみを低減しさらにはなくす。ウェブに沿った構造に変わる横断ツール構造のアラインメントを維持するために、第2の微細複製ツールは、第1の微細複製ツール上の構造と厳密に同一の回転角度においてすべての横断ツール構造を備えて回転するひし形(diamond)である。
【0049】
この実施形態の利点は延伸帯が2つの微細複製ツール間に生成されるということである。延伸帯を用いて、材料を微細複製ツールから剥離する際の均一な張力帯を生成することができる。均一な張力はたるみの力学により生じる2つのツール間のウェブスパンの差を低減するかまたはなくす。
【0050】
パターンのウェブ横断方向幅が増すにつれて、均一な剥離角を達成するために必要な張力量が増す。より高い特徴を有するパターンも、均一な剥離を達成するためにより高い張力を必要とする。剥離角も光学的に均一な材料を作製するために重要である。微細複製ツールから異なる角度で剥離される際、異なる領域は異なる屈曲を経験する。この異なる屈曲が製品に僅かな光学的非均一性を生じる。たるみによって生じる力学的変動をなくすことにより、より均一な剥離が達成される。これはより良好なアラインメント、より均一なランド、ならびにより均一な光学的外観および性能を生じる。
【0051】
図6を参照すると、モータ載置装置が図示されている。ツールまたはパターン化ロール662を駆動するモータ633が、機枠650に載置されるとともに、結合器640を介してパターン化ローラ662の回転シャフト601に接続されている。モータ633は主エンコーダ630に結合されている。副エンコーダ651は、パターン化ロール662の精密な角度位置合わせ制御を提供するようにツールに結合されている。主630および副651エンコーダは協働してパターン化ロール662の制御を提供し、以下にさらに詳細に説明するようにパターン化ロール662を第2のパターン化ロールと位置合わせした状態に保つ。
【0052】
シャフト共振の低減または排除は重要であるが、それはこれが指定限界内のパターン位置制御を許す位置合わせエラーの原因になるからである。モータ633と指定する一般的なサイジング計画より大きいシャフト650との間で結合器640を使用すると、より柔軟性のある結合器によって生じるシャフト共振も低減することができる。軸受けアセンブリ660は様々な箇所に配置されてモータ装置に対する回転支持を提供する。
【0053】
図示の例示的実施形態において、ツールローラ662の直径はそのモータ633の直径より小さくてもよい。この装置を収容するためにツールルーラを対で鏡像状に配置して装着し得る。図7において、2つのツールローラアセンブリ610および710は、2つのツールローラ662および762を1つにすることができるように鏡像として装着されている。図1も参照すると、第1のモータ装置は通例枠に固定的に取り付けられているとともに、第2のモータ装置は移動可能な光学的性能を備えたリニアスライドを用いて位置決めされる。
【0054】
ツールローラアセンブリ710はツールローラアセンブリ610と非常に類似しているとともに、ツールまたはパターン化ロール762を駆動するモータ733を含み、モータ733は機枠750に載置されているとともに結合器740を介してパターン化ローラ762の回転シャフト701に接続されている。モータ733は主エンコーダ730に結合されている。副エンコーダ751は、パターン化ロール762の正確な位置合わせ制御を提供するようにツールに結合されている。主730および副751エンコーダは協働してパターン化ロール762の制御を提供し、以下にさらに詳細に説明するように、パターン化ロール762を第2のパターン化ロールと位置合わせした状態に保つ。
【0055】
シャフト共振の低減または排除は重要であるが、それはこれが指定限界内のパターン位置制御を許す位置合わせエラーの原因になるからである。モータ733と指定する一般的なサイジング計画より大きいシャフト750との間で結合器740を使用すると、より柔軟性のある結合器によって生じるシャフト共振も低減することができる。軸受けアセンブリ760は様々な箇所に配置されてモータ装置に対する回転支持を提供する。
【0056】
ウェブの両面上の微細複製構造上の特徴サイズは互いに微細な位置合わせにあることが望ましいため、パターン化ロールを高精度で制御しなければならない。本明細書に記載された限度内の横方向位置合わせを、以下に説明するように流れ方向位置合わせを制御する際に用いられる技術を適用することにより達成することができる。例えば、25.4cm(10インチ)外周パターン化ローラ上に約10マイクロメートルの終端間特徴配置を達成するためには、各ローラを±32秒角/回転の回転精度内に維持しなければならない。ウェブがシステム中を進行する速度が増すにつれて位置合わせの制御はより困難になる。
【0057】
出願人は、ウェブの対向面に2.5マイクロメートル以内に位置合わせされたパターン化特徴を有するウェブを作製できる、10インチ円形パターン化ロールを有するシステムを構築するとともに例示した。この開示を読むとともに本明細書に教示する原理を適用すれば、当業者には他の微細複製表面に対する位置合わせ度を達成する方法が理解できよう。
【0058】
図8を参照すると、モータ装置800の概略が図示されている。モータ装置800は主エンコーダ830と駆動シャフト820とを含むモータ810を含む。駆動シャフト820は結合器825を介してパターン化ロール860の駆動シャフト840に結合されている。副または負荷エンコーダ850は駆動シャフト840に結合されている。2つのエンコーダを上記したモータ装置内で用いることにより、測定装置(エンコーダ)850をパターン化ロール860付近に配置することによってパターン化ロールの位置をより正確に測定することができるため、モータ装置800が動作している際のトルク外乱の影響を低減または排除することができる。
【0059】
図9を参照すると、制御部品に取り付けられているように図8のモータ装置の概略が図示されている。図1〜3に示された例示的装置において、同様な構成は各モータ装置210および220を制御する。したがって、モータ装置900は主エンコーダ930と駆動シャフト920とを含むモータ910を含む。駆動シャフト920は結合器930を介してパターン化ロール960の駆動シャフト940に結合されている。副または負荷エンコーダ950は駆動シャフト940に結合されている。
【0060】
モータ装置900は制御装置965と通信することにより、パターン化ロール960の正確な制御を可能にする。制御装置965は駆動モジュール966とプログラムモジュール975とを含む。プログラムモジュール975はライン977、例えば、サーコス(SERCOS)ファイバネットワークを介して駆動モジュール966と通信する。プログラムモジュール975を用いて設定点などのパラメータを駆動モジュール966に入力する。駆動モジュール966は入力480ボルト、3相電力915を受け取り、それを直流に整流して、それを電力接続973を介して配電し、モータ910を制御する。モータエンコーダ912は位置信号を制御モジュール966に供給する。パターン化ロール960上の副エンコーダ950も位置信号をライン971を介して駆動モジュール966に戻すように供給する。駆動モジュール966はエンコーダ信号を用いてパターン化ロール960を正確に位置決めする。位置合わせ度を達成するための制御設計を以下に詳細に説明する。
【0061】
図示の例示的実施形態において、各パターン化ロールは専用の制御装置により制御される。専用の制御装置は協働して第1と第2のパターン化ロール間の位置合わせを制御する。各駆動モジュールはそのそれぞれのモータアセンブリと通信するとともに制御する。
【0062】
出願人により構築されるとともに例示されたシステム内の制御装置は以下を含む。パターン化ロールの各々を駆動するために、高分解能正弦エンコーダフィードバック(512正弦周期×4096駆動補間>>200万部/回転)を有する高性能、低コギングトルクモータ、ボッシュ・レックスロス(Bosch−Rexroth)(インドラマット(Indramat))から入手可能なモデルMHD090B−035−NG0−UNを用いた。また、システム包含同期モータ、ボッシュ・レックスロス(Bosch−Rexroth)(インドラマット(Indramat))から入手可能なモデルMHD090B−035−NG0−UN、しかし誘導モータなどの他のタイプを用いることもできる。
【0063】
各モータを非常に剛性のベロー結合器、R/Wコーポレーション(R/W Corporation)から入手可能なモデルBK5−300を介して直接結合した(変速機または機械的減速なしに)。代替の結合構成を用いることもできるが、ベロー式は概して高回転精度を提供しつつ剛性を合成する。各結合器を代表的な製造業者の仕様が推奨するものより大幅に大きい結合器が選択されるような大きさに形成した。
【0064】
さらに、結合器とシャフトとの間のゼロ緩みコレットまたは圧縮式係止ハブが好ましい。各ローラシャフトを中空シャフト負荷側エンコーダ、イリノイ州ショウンバーグ(Schaumburg,IL)のハイデンハイン・コーポレーション(Heidenhain Corp.)から入手可能なモデルRON255Cを介してエンコーダに取り付けた。エンコーダ選択は、通例32秒角精度より大きい可能な最高精度および分解能を有さなければならない。出願人の設計である18000正弦周期/回転を採用したが、これは4096ビット分解能駆動補間と併せて、非常に高精度の分解能を与える5000万部/回転の分解能を超えた。負荷側エンコーダは±2秒角の精度を有し、伝達単位の最大偏移は±1秒角未満であった。
【0065】
ある例では、各シャフトを可能な限り直径が大きく且つ可能な限り短くなるように設計して剛性を最大にすることにより、可能な最高共振周波数を得る。すべての回転要素の精密アラインメントはこの位置合わせエラーという原因による最小位置合わせエラーを保証することが望ましい。
【0066】
図10を参照すると、出願人のシステムにおいて、同一の位置参照コマンドが、2ミリ秒更新速度でサーコス(SERCOS)ファイバネットワークを介して各軸に同時に提示された。各軸は250マイクロ秒間隔の位置ループ更新速度で、三次スプラインで位置参照を補間する。一定速度は単純な一定時間間隔経路を生じるため、補間方法は決定的なものではない。分解能はいかなる丸めまたは数値化誤差も排除するために重要なものである。軸転倒も対処されなければならない。ある場合には、各軸の制御周期が電流ループ実行速度(62マイクロ秒間隔)で同期していることが重要である。
【0067】
上部経路1151は制御のフィードフォワード部である。制御ストラテジーは位置ループ1110と、速度ループ1120と、電流ループ1130とを含む。位置参照1111は微分されて、一度速度フィードフォワード項1152を生成して2回目に加速度フィードフォワード項1155を生成する。フィードフォワード経路1151はライン速度変更および動的補正時の動作を助ける。
【0068】
位置コマンド1111は現在位置1114から減算されてエラー信号1116を生成する。エラー1116は比例コントローラ1115に印加されて、速度コマンド参照1117を生成する。速度フィードバック1167はコマンド1117から減算されて速度エラー信号1123を生成し、それは、その後PIDコントローラに印加される。速度フィードバック1167はモータエンコーダ位置信号1126を微分することにより生成される。微分および数値分解能限界により、ローパスバターワースフィルタ1124が適用されて、エラー信号1123から高周波ノイズ成分を除去する。狭いストップバンド(ノッチ)フィルタ1129がモータ−ローラ共振周波数の中心で適用される。これにより、大幅に高い利得を速度コントローラ1120に適用することができる。モータエンコーダの分解能の上昇は性能も改善する。制御図内のフィルタの正確な場所は決定的なものではなく、順方向または逆方向経路が許容可能であるが、同調パラメータは場所に依存する。
【0069】
PIDコントローラを位置ループ内で用いることもできるが、積分器のさらなる位相ずれは安定化をより困難にする。電流ループは従来のPIコントローラであり、利得はモータパラメータによって確立される。可能な最高帯域電流ループは最適性能を可能にする。また最小トルクリップルが望ましい。
【0070】
外乱の最小限化は最大位置合わせを得るために重要である。これは、前述したように、モータ構成および電流ループ通信を含むが、機械的外乱を最小限にすることも重要である。例としては、ウェブスパンを出入りする際の非常に平滑な張力制御、均一な軸受けおよびシール抗力、ローラからのウェブ剥離からの張力混乱の最小化、均一ゴムニップローラがある。現在の構成では、ツールロールに噛合した第3の軸がプルロールとして提供されて、硬化構造をツールから取り外す際に助ける。
【0071】
ウェブ材料はその上に微細複製パターン化構造を作製することができる上記したような任意の適当な材料であればよい。必要に応じて、ウェブを多層化することもできる。液体は、通例、パターン化構造が作製される側と反対側の硬化源によって硬化されるため、ウェブ材料は使用される硬化源に対して少なくとも部分的に透明であればよい。硬化エネルギー源の例には赤外線、紫外線、可視光線、マイクロ波、またはeビームがある。当業者には、他の硬化源を用いることができるとともに、特定のウェブ材料/硬化源の組み合わせの選択が、作製される特定の物品(位置合わせされた微細複製構造を有する)に依存することは理解できよう。
【0072】
ウェブ材料を介して液体を硬化させる代替例は、金属ウェブまたは金属層を有するウェブなどを介する硬化が困難であるウェブに有用である、二液反応型硬化、例えばエポキシを用いることであろう。硬化は成分のインライン混合またはパターン化ロール上の一部に触媒を噴霧することによっても達成可能であり、触媒はコーティングおよび触媒が接触すると液体を硬化させて微細複製構造を形成する。
【0073】
微細複製構造が作製される液体は、UV光により硬化可能なアクリレート類などの硬化性光重合性材料であればよい。当業者には、他のコーティング材料を用いることができるとともに、材料の選択が微細複製構造に望ましい特定の特性に依存することは理解できよう。同様に採用される特定の硬化方法は、当業者の技術および知識の範囲内にある。硬化方法の例は反応硬化、熱硬化、または放射線硬化である。
【0074】
液体をウェブへ送達および制御するために有用な塗布手段の例は、例えばシリンジまたは蠕動ポンプなどの任意の適当なポンプと結合されたダイまたはナイフコーティングである。当業者には、他の塗布手段を用いることができるとともに、特定の手段の選択はウェブに送達される液体の特定の特性に依存することが理解できよう。
【0075】
当業者には、本開示の範囲と趣旨とから逸脱することなく本開示の様々な変更例および代替例が明らかであるとともに、この開示が本明細書に記載された図示の実施形態に限定されないことは理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本開示によるシステムの例示的実施形態の斜視図である。
【図2】本開示による図1のシステムの一部の近接図である。
【図3】本開示による図1のシステムの他の斜視図である。
【図4】本開示の実施形態による成形装置の例示的実施形態の概略図である。
【図5】本開示による図4の成形装置の一部の近接図である。
【図6】本開示によるロール載置装置の例示的実施形態の概略図である。
【図7】本開示による1対のパターン化ロールの載置装置の例示的実施形態の概略図である。
【図8】本開示によるモータおよびロール装置の例示的実施形態の概略図である。
【図9】本開示によるロール間の位置合わせを制御する手段の例示的実施形態の概略図である。
【図10】本開示による位置合わせを制御する方法および装置の例示的実施形態のブロック図である。
【図11】本開示により作製された例示的物品の断面図である。
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くはウェブ上への材料の連続成形に関し、特に、ウェブの両側に成形されたパターン間に高い位置合わせ度を有する物品の成形に関する。
【背景技術】
【0002】
新聞の印刷から高機能の電子および光学デバイスの作製まで多くの物品の作製において、少なくとも一時的に液体の形状のある材料を基板の両側に塗布することが必要である。多くの場合、材料は所定のパターンで基板に塗布され、例えば、印刷の場合インクは文字および絵のパターンで塗布される。このような場合、基板の両側のパターン間での位置合わせのために少なくとも最低要件があることが一般的である。
【0003】
基板が回路基板などの個々の物品である場合、パターンのアプリケータは通常位置合わせの達成を助けるためにエッジに依存する。しかし、基板がウェブであるとともに位置合わせを維持する際に基板のエッジに依存することが不可能である場合、問題はやや困難になる。なお、ウェブの場合でも位置合わせの要件が厳格でない、例えば、100マイクロメートルを超えるという、完璧な位置合わせからのずれが容認される場合、材料塗布をその程度まで制御するための機械的手段は既知である。印刷業界にはそのような基準を満たすことが可能な装置が充実している。
【0004】
しかし、基板の両側にパターンを有するある製品では、はるかに正確なパターン間の位置合わせが必要とされる。そのような場合、ウェブが連続移動されてない場合には、材料をそのような基準に塗布することができる装置は知られている。そして、ウェブが連続移動中である場合には、例えば、あるタイプの可撓性回路の場合のように、パターニングロールの1回転当たり一度の完璧な位置合わせという、100マイクロメートルあるいは5マイクロメートル内にパターニングロールをリセットすることが容認可能である場合には、当該技術はなお前進方法に関するガイドラインを与える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、例えば、輝度向上フィルムなどの光学物品において、基板の両側に塗布された光学的に透明な高分子内のパターンが、ツール回転内の任意の点で位置合わせ外れが極僅かな許容範囲以下であることが必要とされる。これまで当該技術は、パターンが間歇的ではなく連続的に100マイクロメートル以内に位置合わせされた状態で維持されるように、連続移動されているウェブの両側にパターン化表面を成形する方法について言及していない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、ロールツーロール微細複製装置を含む。この装置は第1の直径を有する第1のパターン化ロールと、第2の直径を有する第2のパターン化ロールとを含む。駆動アセンブリが含まれているとともに、第1および第2のロールが約100マイクロメートル以内に連続位置合わせされた状態に維持されるように、第1のパターン化ロールと第2のロールとを回転すべく構成されている。駆動アセンブリは単一モータアセンブリ、またはそれぞれ第1および第2のパターン化ロール専用の第1および第2のモータアセンブリを含み得る。第2の直径は第1の直径より約0.01〜約1パーセント大きくてもよい。
【0007】
本開示の他の態様は、第1および第2の互いに反対側の面を有するウェブを含む微細複製物品を作製する方法を含む。第1のパターン化ロールと第2のパターン化ロールとを、同じ回転速度であるが異なる表面速度で互いに反対方向に回転させる。ウェブを第1のパターン化ロールと第2のパターン化ロールとの間に通過させる。第1の液体をウェブ第1表面上に配置するとともに、第1のパターン化ロールと接触させる。第2の液体をウェブ第2表面に配置するとともに、第2のパターン化ロールと接触させる。
【0008】
第1のパターン化ロールおよび第2のパターン化ロールが、約100マイクロメートル未満に一定に位置合わせされた状態に維持される。ある例では、第1および第2の微細複製ロールは、約75マイクロメートル未満、または約50マイクロメートル未満、または約10マイクロメートル未満に一定に位置合わせされた状態に維持される。
【0009】
定義
本開示の状況において、「位置合わせ」は、同じウェブの反対側の他の構造に対して規定関係にあるウェブの一面上の構造の位置決めを意味する。
【0010】
本開示の状況において、「ウェブ」は、ある方向の一定寸法と、その直交方向の所定または不定の長さとを有する材料シートを意味する。
【0011】
本開示の状況において、「連続位置合わせ」は、第1および第2のパターン化ロールの回転中、常にロール上の構造間の位置合わせ度が指定限界より良好であることを意味する。
【0012】
本開示の状況において、「微細複製された」または「微細複製」は、製品毎の製造中の個々の特徴を忠実に保持するプロセスによる微細構造化表面の作製を意味し、そのプロセスにおける構造化表面形状の変動は約100マイクロメートル以下である。
【0013】
添付の図面のいくつかの図において同様な部分は同様な参照番号を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
一般に、本開示は、各側に微細複製パターン化構造が塗布された可撓性基板に関する。微細複製物品は互いに高精度で位置合わせされている。両側の構造は協働して要求に応じた物品光学品質提供することが可能であり、ある実施形態において、構造は複数のレンズ特徴である。
【0015】
図11を参照すると、図示されているのは両面微細複製物品1200の例示的実施形態である。物品1200は互いに反対側の第1および第2の表面1220、1230を有するウェブ1210を含む。第1および第2の表面1220、1230は、それぞれ第1および第2の微細複製構造1225、1235を含む。第1の微細複製構造1225は複数の特徴1226を含み、特徴1226は、図示の実施形態において、約142マイクロメートルの有効径を有する円柱レンズである。第2の微細複製構造1235は複数の鋸歯または角錐プリズム特徴1236を含む。対向する第1および第2の微細複製構造1225、1235が、図11に図示した特定の形状以外の任意の有用な形態および/または形状であり得ることは理解されよう。
【0016】
図示の例示的実施形態において、第1および第2の構造1226、1236は同じピッチまたは周期の繰り返しPを有し、例えば、第1の構造の周期が10〜500マイクロメートル、50〜250マイクロメートル、または約150マイクロメートルであるとともに、第2の構造の繰り返し周期も同じである。第1および第2の構造の周期比は、整数比(または逆数)であり得るが他の組み合わせも可能である。
【0017】
図示の例示的実施形態において、互いに反対側の微細複製特徴1226、1236は協働して複数のレンズ構造1240を形成する。図示の例示的実施形態において、レンズ構造1240はレンチキュラーレンズである。各レンズ構造1240の性能は、各レンズを形成する対向する特徴1229、1239のアラインメントの関数であるため、レンズ構造の精密なアラインメントまたは位置合わせが好ましい。
【0018】
任意に、物品1200は第1および第2のランド領域1227、1237も含む。ランド領域は基板表面1220、1230とそれぞれの構造の下部、すなわち谷部1228、1238との間の材料としてとして規定される。第1のランド領域1228はレンズ側で少なくとも約10マイクロメートルであり得るとともに、第2のランド領域1238はプリズム側で少なくとも約25マイクロメートルであり得る。ランド領域は構造がウェブ1210への良好な接着を有することを助け得るとともに、複製の忠実性にも役立ち得る。ランド領域位置決めを用いてウェブ1210の第1および第2の側の構造を必要に応じて調整し得る。
【0019】
上記の物品1200を以下に詳細に説明するウェブの対向上に精密に位置合わせされた微細複製構造を作製する装置および方法を用いて作製することができる。
【0020】
硬化性液体をウェブの第1の側上に成形および硬化させることにより、第1の微細複製構造を第1のパターン化ロール上に作製することができる。第1の硬化性液体は、オハイオ州シンシナティ(Cincinnati、Ohio)のコグニス・コーポレーション(Cognis Corp.)から入手可能なフォトマー(photomer)6010、共にペンシルバニア州エクストン(Exton,Pennsylvania)のサートマー・カンパニー(Satomer Co.)から入手可能なSR385テトラヒドロフルフリル・アクリレートおよびSR238(70/15/15%)1,6−ヘキサンジオール・ジアクリレート、コネチカット州ストラトフォード(Stratford,Connecticut)のハンフォード・リサーチ・インコーポレーテッド(Hanford Research Inc.)から入手可能なカンファーキノン(Camphorquinone)、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee,Wisconsin)のアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Co.)から入手可能なエチル1−4−ジメチルアミノ・ベンゾアート(0.75/0.5%)を含む光硬化性アクリレート樹脂溶液であり得る。
【0021】
硬化性液体をウェブの第2の側上に成形および硬化させることにより、第2の微細複製構造を第2のパターン化ロール上に作製することができる。第2の硬化性液体は、第1の硬化性液体と同じでも異なっていてもよい。ある実施形態において、第1および第2の硬化性液体は、それぞれ第1および第2のパターン化ロールが通過する前にウェブ表面に配置される。他の実施形態において、第1の硬化性液体は第1のパターン化ロール上に配置されるとともに、第2の硬化性液体は第2のパターン化ロール上に配置され、硬化性液体はその後パターン化ロールからウェブに転写される。
【0022】
それぞれの構造がパターンに成形された後、それぞれのパターンは各硬化性液体内の光開始剤に合わせた放射源を用いて外部硬化される。ある状況では、紫外光源を適用し得る。その後、剥離ロールを用いて微細複製物品を第2のパターン化ロールから取り外し得る。任意に、剥離剤またはコーティングを用いてパターン化ツールからのパターン化構造の取り外しを助けることができる。
【0023】
上記の物品を作製するために用いた図示のプロセス設定は以下の通りである。約8ニュートン(2ポンド力)の成形装置内外のウェブ張力で約0.3メートル(1フット)/分のウェブ速度を用いた。約5%の剥離ロール延伸比を用いてウェブを第2のパターン化ツールから引っ張った。約16ニュートン(4ポンド力)のニップ圧力を用いた。第1および第2のパターン化ロール間には、約0.025センチメートル(0.01インチ)の間隙があった。滴下塗布装置を用いてウェブの第1の表面に樹脂を供給することができるとともに、シリンジポンプを用いて約1.35ml/分の速度で第2の表面に樹脂を供給することができる。
【0024】
第1のパターン化ロールは、150マイクロメートルのピッチで142マイクロメートル直径を有する円柱レンズを形成する一連のネガ像を含んでいた。第2のパターン化ロールは、150マイクロメートルのピッチで60度の開先角度を有する複数の対称プリズムを形成する一連のネガ像を含んでいた。
【0025】
一般に、上記の物品は以下に開示する、約100マイクロメートルより良好な、または50マイクロメートルより良好な、または25マイクロメートル未満、または10マイクロメートル未満、または5マイクロメートル未満の位置合わせを有する両面微細複製構造を作製するシステムおよび方法によって作製され得る。システムは、一般に、第1のパターニングアセンブリと第2のパターニングアセンブリとを含む。各それぞれのアセンブリは、第1および第2の表面を有するウェブのそれぞれの表面上に微細複製パターンを作製する。第1のパターンがウェブの第1の側に作製されるとともに、第2のパターンがウェブの第2の側に作製される。
【0026】
各パターニングアセンブリは、コーティングを塗布する手段と、パターニング部材と、硬化部材とを含む。通例、パターニングアセンブリは、パターン化ロールと、各ロールを保持するとともに駆動する支持構造とを含む。第1のパターニングアセンブリの塗布手段は、第1の硬化性コーティング材料をウェブの第1の表面上に分注する。第2のパターニングアセンブリの塗布手段は、第2の硬化性コーティング材料をウェブの第2の表面上に分注し、第2の表面は第1の表面の反対側である。通例、第1および第2のコーティング材料は同じ組成である。
【0027】
第1のコーティング材料がウェブ上に配置された後、ウェブは第1のパターン化部材上を通過し、第1のコーティング材料内にパターンが作製される。その後、第1のコーティング材料を硬化させて第1のパターンを形成する。続いて、第2の材料がウェブ上に配置された後、ウェブは第2のパターン化部材上を通過し、第2のコーティング材料内にパターンが作製される。その後、第2のコーティング材料を硬化させて第2のパターンを形成する。通例、各パターン化部材は微細複製ツールであるとともに、各ツールは、通例、材料を硬化させる専用の硬化部材を有する。しかし、第1および第2のパターン化材料の両方を硬化させる単一の硬化部材を有することが可能である。また、コーティングをパターン化ツール上に配置することが可能である。
【0028】
システムはウェブが連続移動されつつパターンがウェブの両側に転写されるように、第1および第2のパターン化ロールを回転させる手段も含み、パターンはウェブの両側に約100マイクロメートルより良好に、または10マイクロメートルより良好に連続位置合わせされた状態に維持される。
【0029】
本開示の利点は、両側の微細複製構造を互いに概して100マイクロメートル以内に、50マイクロメートル以内に、または20マイクロメートル以内に、または10マイクロメートル以内に、または5マイクロメートル以内に位置合わせされた状態に保持しつつ、連続形成された微細複製構造をウェブの各側に有することにより、ウェブの互いに反対側の面の各々の上に微細複製構造を有するウェブを製造することができるということである。
【0030】
図1〜2を参照すると、ロールツーロール成形装置120を含むシステム110の例示的実施形態が図示されている。図示の成形装置120において、ウェブ122が主巻出スプール(図示せず)から成形装置120に提供される。ウェブ122の本質は、上述したように、作製される製品によって大きく異なり得る。しかし、成形装置120が光学物品の作製に用いられる場合、ウェブ122を介する硬化を可能にするために通常ウェブ122は半透明または透明である。ウェブ122は様々なローラ126を回って成形装置120内に向けられる。
【0031】
ウェブ122の正確な張力制御は最適な結果を達成するのに有利であるため、ウェブ122を張力検知装置(図示せず)上に方向付けてもよい。ライナウェブを用いてウェブ122を保護することが望ましい場合には、ライナウェブを、通例、巻出スプールにおいて分離するとともにライナウェブ巻取スプール(図示せず)上に方向付けられる。ウェブ122をアイドラーロールを介してダンサーロールに方向付けて精密な張力制御を行うことができる。アイドラーローラはウェブ122をニップロール154と第1のコーティングヘッド156との間の位置に向けることができる。
【0032】
様々な塗布方法を採用し得る。図示の実施形態において、第1のコーティングヘッド156はダイコーティングヘッドである。その後、ウェブ122はニップロール154と第1のパターン化ロール160との間を通過する。第1のパターン化ロール160はパターン化表面162を有するとともに、ウェブ122がニップローラ154と第1のパターン化ロール160との間を通過する際、第1のコーティングヘッド156によってウェブ122に分注された材料がパターン化表面162のネガの形状に形作られる。
【0033】
ウェブ122が第1のパターン化ロール160と接している間、材料が第2のコーティングヘッド164からウェブ122の他方の表面上に分注される。第1のコーティングヘッド156に対して上記した説明と平行して、第2のコーティングヘッド164も第2の押出機(図示せず)と第2のコーティングダイ(図示せず)とを含むダイコーティング装置である。ある実施形態において、第1のコーティングヘッド156によって分注された材料はポリマー前駆体を含むとともに、例えば、紫外線などの硬化エネルギーの印加で固体ポリマーに硬化しようとする組成物である。
【0034】
第2のコーティングヘッド164によってウェブ122上に分注された材料はその後、第2のパターン化表面176を有する第2のパターン化ロール174と接触する。上記の説明と平行してある実施形態において、第2のコーティングヘッド164によって分注された材料はポリマー前駆体を含むとともに、例えば、紫外線などの硬化エネルギーの付与で固体ポリマーに硬化しようとする組成物である。
【0035】
この時点でウェブ122は両面に付与されたパターンを有している。剥離ロール182は第2のパターン化ロール174からのウェブ122の除去を助けるために存在し得る。ある例では、ロールツーロール成形装置内外へのウェブ張力はほぼ一定である。
【0036】
2面微細複製パターンを有するウェブ122はその後、アイドラーロールを介して巻取スプール(図示せず)に向けられる。介在フィルムがウェブ122を保護することが望ましい場合には、介在フィルムが第2の巻出スプール(図示せず)から提供され得るとともに、ウェブと介在フィルムとが適当な張力で巻取スプール上に一緒に巻き取られる。
【0037】
図1〜3を参照すると、第1および第2のパターン化ロールが、それぞれ第1および第2のモータアセンブリ210、220に結合されている。モータアセンブリ210、220の支持は、直接または間接的にアセンブリを枠230に載置することにより達成される。モータアセンブリ210、220は精密載置装置を用いて枠に結合される。図示の実施形態の例において、第1のモータアセンブリ210は枠230に固定的に載置されている。ウェブ122が成形装置120中に通される際の位置に配置された第2のモータアセンブリ220は、横方向および流れ方向の両方に繰り返し位置決めされる必要があり、そのため移動可能である。移動可能なモータ装置220はリニアスライド222に結合されて、例えば、ロール上のパターン間で切り替える場合に繰り返し正確な位置決めを助け得る。第2のモータ装置220は枠230の後側に、第2のパターン化ロール174を第1のパターン化ロール160に対して並んで位置決めする第2の載置装置225も含む。ある場合には、第2の載置装置225は横方向の正確な位置決めを可能にするリニアスライド223を含む。
【0038】
図4を参照すると、両面上に位置合わせされた微細複製構造を有する両面ウェブ422を作製する成形装置420の例示的実施形態が図示されている。アセンブリは第1および第2の塗布手段456、464と、ニップローラ454と、第1および第2のパターン化ロール460、474とを含む。ウェブ422は第1の塗布手段456、この例では第1の押出ダイ456に提示される。第1のダイ456は第1の硬化性液体層コーティング470をウェブ422上に分注する。第1のコーティング470はニップローラ454、通例、ゴム被覆ローラにより第1のパターン化ローラ460内に押し込まれる。第1のパターン化ロール460上にある間に、コーティングは例えば紫外光源などの適当な波長光の硬化源480、例えば、ランプを用いて硬化される。
【0039】
第2の硬化性液体層481は第2の側押出ダイ464を用いてウェブ422の反対側に塗布される。第2の層481は第2のパターン化ツールローラ474内に押し込まれるとともに、硬化プロセスが第2のコーティング層481に対して繰り返される。以下に説明するように、ツールローラ460、474を互いに精密な角度関係に維持することにより、2つのコーティングパターンの位置合わせが達成される。
【0040】
図5を参照すると、第1および第2のパターン化ロール560、574の一部の近接図が図示されている。第1のパターン化ロール560は微細複製表面を形成する第1のパターン562を有する。第2のパターン化ロール574は第2の微細複製パターン576を有する。図示の例示的実施形態において、第1および第2のパターン562、576は同じパターンであるが、パターンは異なっていてもよい。図示の実施形態において、第1のパターン562および第2のパターン576はプリズム構造として示されているが、任意の単一または多数の有用な構造が第1のパターン562および第2のパターン576の一方または両方を形成することができる。
【0041】
ウェブ522が第1のロール560上を通過する際、第1の表面524上の第1の硬化性液体(図示せず)は、第1のパターン化ロール560上の第1の領域526付近で、硬化光源525により硬化される。第1の微細複製パターン化構造590は、液体が硬化されるとウェブ522の第1の側524に形成される。第1のパターン化構造590は、第1のパターン化ロール560上のパターン562のネガである。第1のパターン化構造590が形成された後、第2の硬化性液体581がウェブ522の第2の表面527上に分注される。第2の液体581が早期に硬化されないようにするために、第2の液体581は、第2の液体581に当たらないように第1の硬化光525を配置することによって、第1の硬化光525から隔離することができる。代替的には、遮蔽手段592を第1の硬化光525と第2の液体581との間に配置することができる。また、ウェブを介して硬化することが実用的ではないまたは困難である場合、硬化源をそれぞれのパターン化ロール内に配置することができる。
【0042】
第1のパターン化構造590が形成された後、ウェブ522は第1と第2のパターン化ロール560、574間の間隙領域575に進入するまで第1のロール560に沿って続く。そして、第2の液体581が第2のパターン化ロール上の第2のパターン576と係合するとともに第2の微細複製構造に形作られ、その後、第2の硬化光535により硬化される。ウェブ522が第1と第2のパターン化ロール560、574間の間隙575に入ると、このときまでに実質的に硬化されるとともにウェブ522に接着された第1のパターン化構造590は、ウェブ522が間隙575内および第2のパターン化ローラ574の周囲で移動し始める間、ウェブ522が滑らないようにする。これにより、ウェブ上に形成された第1および第2のパターン化構造間の位置合わせエラーの原因としてのウェブの伸張および滑りを除去する。
【0043】
第2の液体581が第2のパターン化ロール574と接する間ウェブ522を第1のパターン化ロール560上に支持することにより、ウェブ522の両側524、527上に形成された第1と第2の微細複製構造590、593間の位置合わせ度は、第1と第2のパターン化ロール560、574の表面間の位置関係を制御する関数になる。第1および第2のパターン化ロール560、574の周囲およびロールにより形成される間隙575間のウェブのS巻き(S−wrap)は、張力、ウェブ歪み変化、温度、ウェブを挟む機構により生じる微細滑り、および横方向位置制御の影響を最小限にする。通例、S巻きはウェブ522を180度の巻き角にわたって各ロールに接するように維持するが、巻き角は特定の要件に応じてより大きくてもより小さくてもよい。
【0044】
ある場合には、パターン化ロールは同じ平均直径であるがこれは必須ではない。任意の特定の用途に対して適当なロールを選択することは当業者の技術および知識範囲内である。特定の用途において、第1のパターン化ロール560および第2のパターン化ロール574などの、2つの微細複製ツール間に均一な張力帯を作製することは有用であり得る。均一な張力帯を作製することにより、第1の微細複製ツールから均一な剥離角、および第2の微細複製ツールから制御可能なより均一なコーティング厚さを達成し得る。これは製品要件により必要とされるキャリパー仕様および許容範囲になり得る。ある場合には、均一な剥離角はより光学的に均一な製品を作製し得る。
【0045】
ある場合には、第1の微細複製ツールと第2の微細複製ツールとは反対方向に回転する。ウェブにはUV硬化性樹脂が塗布されている。第1の回転バンクが第1の微細複製ツールとゴムニップローラとの間に生じることは理解できよう。第2の回転バンクは、ウェブが第1の微細複製ツールから剥離された時点直後に第1の微細複製ツールと第2の微細複製ツールとの間に生じ得る。ゴムニップローラを第1の微細複製ツール内に駆動するために印加される力量は、ウェブと第1の微細複製ツールとの間の樹脂量を制御する変数の1つである。
【0046】
移動ウェブ上にコーティングを作製する1つの方法は、塗布ビードまたは回転バンクの使用によるものであり、ウェブは2つのロールにより作製されるニップを通過する。ニップ点にあるのは、連続補充される塗布材料の回転バンクである。ウェブがニップを通過する際、僅かな且つ均等分配コーティング量がウェブ上に堆積される。ウェブが移動するにつれて機械的力がコーティングをニップ内で「回転」させ、用語「回転バンク」を生じる。
【0047】
この問題に対処する1つの方法は、第1の微細複製ツールの直径より若干大きい直径を有する第2の微細複製ツールを作製することによる。ある場合には、第2の微細複製ツールは、第1の微細複製ツールの直径より約0.01〜約1パーセント大きい直径を有し得る。
【0048】
第1および第2の微細複製ツールを厳密に同一速度で回転させることにより、第2の微細複製ロールの僅かな割合大きい直径は、第1の微細複製ツールより若干高い表面回転速度を有する第2の微細複製ツールを生じる。これは若干高い張力帯を生じるため、そうでなければ生じるたるみを低減しさらにはなくす。ウェブに沿った構造に変わる横断ツール構造のアラインメントを維持するために、第2の微細複製ツールは、第1の微細複製ツール上の構造と厳密に同一の回転角度においてすべての横断ツール構造を備えて回転するひし形(diamond)である。
【0049】
この実施形態の利点は延伸帯が2つの微細複製ツール間に生成されるということである。延伸帯を用いて、材料を微細複製ツールから剥離する際の均一な張力帯を生成することができる。均一な張力はたるみの力学により生じる2つのツール間のウェブスパンの差を低減するかまたはなくす。
【0050】
パターンのウェブ横断方向幅が増すにつれて、均一な剥離角を達成するために必要な張力量が増す。より高い特徴を有するパターンも、均一な剥離を達成するためにより高い張力を必要とする。剥離角も光学的に均一な材料を作製するために重要である。微細複製ツールから異なる角度で剥離される際、異なる領域は異なる屈曲を経験する。この異なる屈曲が製品に僅かな光学的非均一性を生じる。たるみによって生じる力学的変動をなくすことにより、より均一な剥離が達成される。これはより良好なアラインメント、より均一なランド、ならびにより均一な光学的外観および性能を生じる。
【0051】
図6を参照すると、モータ載置装置が図示されている。ツールまたはパターン化ロール662を駆動するモータ633が、機枠650に載置されるとともに、結合器640を介してパターン化ローラ662の回転シャフト601に接続されている。モータ633は主エンコーダ630に結合されている。副エンコーダ651は、パターン化ロール662の精密な角度位置合わせ制御を提供するようにツールに結合されている。主630および副651エンコーダは協働してパターン化ロール662の制御を提供し、以下にさらに詳細に説明するようにパターン化ロール662を第2のパターン化ロールと位置合わせした状態に保つ。
【0052】
シャフト共振の低減または排除は重要であるが、それはこれが指定限界内のパターン位置制御を許す位置合わせエラーの原因になるからである。モータ633と指定する一般的なサイジング計画より大きいシャフト650との間で結合器640を使用すると、より柔軟性のある結合器によって生じるシャフト共振も低減することができる。軸受けアセンブリ660は様々な箇所に配置されてモータ装置に対する回転支持を提供する。
【0053】
図示の例示的実施形態において、ツールローラ662の直径はそのモータ633の直径より小さくてもよい。この装置を収容するためにツールルーラを対で鏡像状に配置して装着し得る。図7において、2つのツールローラアセンブリ610および710は、2つのツールローラ662および762を1つにすることができるように鏡像として装着されている。図1も参照すると、第1のモータ装置は通例枠に固定的に取り付けられているとともに、第2のモータ装置は移動可能な光学的性能を備えたリニアスライドを用いて位置決めされる。
【0054】
ツールローラアセンブリ710はツールローラアセンブリ610と非常に類似しているとともに、ツールまたはパターン化ロール762を駆動するモータ733を含み、モータ733は機枠750に載置されているとともに結合器740を介してパターン化ローラ762の回転シャフト701に接続されている。モータ733は主エンコーダ730に結合されている。副エンコーダ751は、パターン化ロール762の正確な位置合わせ制御を提供するようにツールに結合されている。主730および副751エンコーダは協働してパターン化ロール762の制御を提供し、以下にさらに詳細に説明するように、パターン化ロール762を第2のパターン化ロールと位置合わせした状態に保つ。
【0055】
シャフト共振の低減または排除は重要であるが、それはこれが指定限界内のパターン位置制御を許す位置合わせエラーの原因になるからである。モータ733と指定する一般的なサイジング計画より大きいシャフト750との間で結合器740を使用すると、より柔軟性のある結合器によって生じるシャフト共振も低減することができる。軸受けアセンブリ760は様々な箇所に配置されてモータ装置に対する回転支持を提供する。
【0056】
ウェブの両面上の微細複製構造上の特徴サイズは互いに微細な位置合わせにあることが望ましいため、パターン化ロールを高精度で制御しなければならない。本明細書に記載された限度内の横方向位置合わせを、以下に説明するように流れ方向位置合わせを制御する際に用いられる技術を適用することにより達成することができる。例えば、25.4cm(10インチ)外周パターン化ローラ上に約10マイクロメートルの終端間特徴配置を達成するためには、各ローラを±32秒角/回転の回転精度内に維持しなければならない。ウェブがシステム中を進行する速度が増すにつれて位置合わせの制御はより困難になる。
【0057】
出願人は、ウェブの対向面に2.5マイクロメートル以内に位置合わせされたパターン化特徴を有するウェブを作製できる、10インチ円形パターン化ロールを有するシステムを構築するとともに例示した。この開示を読むとともに本明細書に教示する原理を適用すれば、当業者には他の微細複製表面に対する位置合わせ度を達成する方法が理解できよう。
【0058】
図8を参照すると、モータ装置800の概略が図示されている。モータ装置800は主エンコーダ830と駆動シャフト820とを含むモータ810を含む。駆動シャフト820は結合器825を介してパターン化ロール860の駆動シャフト840に結合されている。副または負荷エンコーダ850は駆動シャフト840に結合されている。2つのエンコーダを上記したモータ装置内で用いることにより、測定装置(エンコーダ)850をパターン化ロール860付近に配置することによってパターン化ロールの位置をより正確に測定することができるため、モータ装置800が動作している際のトルク外乱の影響を低減または排除することができる。
【0059】
図9を参照すると、制御部品に取り付けられているように図8のモータ装置の概略が図示されている。図1〜3に示された例示的装置において、同様な構成は各モータ装置210および220を制御する。したがって、モータ装置900は主エンコーダ930と駆動シャフト920とを含むモータ910を含む。駆動シャフト920は結合器930を介してパターン化ロール960の駆動シャフト940に結合されている。副または負荷エンコーダ950は駆動シャフト940に結合されている。
【0060】
モータ装置900は制御装置965と通信することにより、パターン化ロール960の正確な制御を可能にする。制御装置965は駆動モジュール966とプログラムモジュール975とを含む。プログラムモジュール975はライン977、例えば、サーコス(SERCOS)ファイバネットワークを介して駆動モジュール966と通信する。プログラムモジュール975を用いて設定点などのパラメータを駆動モジュール966に入力する。駆動モジュール966は入力480ボルト、3相電力915を受け取り、それを直流に整流して、それを電力接続973を介して配電し、モータ910を制御する。モータエンコーダ912は位置信号を制御モジュール966に供給する。パターン化ロール960上の副エンコーダ950も位置信号をライン971を介して駆動モジュール966に戻すように供給する。駆動モジュール966はエンコーダ信号を用いてパターン化ロール960を正確に位置決めする。位置合わせ度を達成するための制御設計を以下に詳細に説明する。
【0061】
図示の例示的実施形態において、各パターン化ロールは専用の制御装置により制御される。専用の制御装置は協働して第1と第2のパターン化ロール間の位置合わせを制御する。各駆動モジュールはそのそれぞれのモータアセンブリと通信するとともに制御する。
【0062】
出願人により構築されるとともに例示されたシステム内の制御装置は以下を含む。パターン化ロールの各々を駆動するために、高分解能正弦エンコーダフィードバック(512正弦周期×4096駆動補間>>200万部/回転)を有する高性能、低コギングトルクモータ、ボッシュ・レックスロス(Bosch−Rexroth)(インドラマット(Indramat))から入手可能なモデルMHD090B−035−NG0−UNを用いた。また、システム包含同期モータ、ボッシュ・レックスロス(Bosch−Rexroth)(インドラマット(Indramat))から入手可能なモデルMHD090B−035−NG0−UN、しかし誘導モータなどの他のタイプを用いることもできる。
【0063】
各モータを非常に剛性のベロー結合器、R/Wコーポレーション(R/W Corporation)から入手可能なモデルBK5−300を介して直接結合した(変速機または機械的減速なしに)。代替の結合構成を用いることもできるが、ベロー式は概して高回転精度を提供しつつ剛性を合成する。各結合器を代表的な製造業者の仕様が推奨するものより大幅に大きい結合器が選択されるような大きさに形成した。
【0064】
さらに、結合器とシャフトとの間のゼロ緩みコレットまたは圧縮式係止ハブが好ましい。各ローラシャフトを中空シャフト負荷側エンコーダ、イリノイ州ショウンバーグ(Schaumburg,IL)のハイデンハイン・コーポレーション(Heidenhain Corp.)から入手可能なモデルRON255Cを介してエンコーダに取り付けた。エンコーダ選択は、通例32秒角精度より大きい可能な最高精度および分解能を有さなければならない。出願人の設計である18000正弦周期/回転を採用したが、これは4096ビット分解能駆動補間と併せて、非常に高精度の分解能を与える5000万部/回転の分解能を超えた。負荷側エンコーダは±2秒角の精度を有し、伝達単位の最大偏移は±1秒角未満であった。
【0065】
ある例では、各シャフトを可能な限り直径が大きく且つ可能な限り短くなるように設計して剛性を最大にすることにより、可能な最高共振周波数を得る。すべての回転要素の精密アラインメントはこの位置合わせエラーという原因による最小位置合わせエラーを保証することが望ましい。
【0066】
図10を参照すると、出願人のシステムにおいて、同一の位置参照コマンドが、2ミリ秒更新速度でサーコス(SERCOS)ファイバネットワークを介して各軸に同時に提示された。各軸は250マイクロ秒間隔の位置ループ更新速度で、三次スプラインで位置参照を補間する。一定速度は単純な一定時間間隔経路を生じるため、補間方法は決定的なものではない。分解能はいかなる丸めまたは数値化誤差も排除するために重要なものである。軸転倒も対処されなければならない。ある場合には、各軸の制御周期が電流ループ実行速度(62マイクロ秒間隔)で同期していることが重要である。
【0067】
上部経路1151は制御のフィードフォワード部である。制御ストラテジーは位置ループ1110と、速度ループ1120と、電流ループ1130とを含む。位置参照1111は微分されて、一度速度フィードフォワード項1152を生成して2回目に加速度フィードフォワード項1155を生成する。フィードフォワード経路1151はライン速度変更および動的補正時の動作を助ける。
【0068】
位置コマンド1111は現在位置1114から減算されてエラー信号1116を生成する。エラー1116は比例コントローラ1115に印加されて、速度コマンド参照1117を生成する。速度フィードバック1167はコマンド1117から減算されて速度エラー信号1123を生成し、それは、その後PIDコントローラに印加される。速度フィードバック1167はモータエンコーダ位置信号1126を微分することにより生成される。微分および数値分解能限界により、ローパスバターワースフィルタ1124が適用されて、エラー信号1123から高周波ノイズ成分を除去する。狭いストップバンド(ノッチ)フィルタ1129がモータ−ローラ共振周波数の中心で適用される。これにより、大幅に高い利得を速度コントローラ1120に適用することができる。モータエンコーダの分解能の上昇は性能も改善する。制御図内のフィルタの正確な場所は決定的なものではなく、順方向または逆方向経路が許容可能であるが、同調パラメータは場所に依存する。
【0069】
PIDコントローラを位置ループ内で用いることもできるが、積分器のさらなる位相ずれは安定化をより困難にする。電流ループは従来のPIコントローラであり、利得はモータパラメータによって確立される。可能な最高帯域電流ループは最適性能を可能にする。また最小トルクリップルが望ましい。
【0070】
外乱の最小限化は最大位置合わせを得るために重要である。これは、前述したように、モータ構成および電流ループ通信を含むが、機械的外乱を最小限にすることも重要である。例としては、ウェブスパンを出入りする際の非常に平滑な張力制御、均一な軸受けおよびシール抗力、ローラからのウェブ剥離からの張力混乱の最小化、均一ゴムニップローラがある。現在の構成では、ツールロールに噛合した第3の軸がプルロールとして提供されて、硬化構造をツールから取り外す際に助ける。
【0071】
ウェブ材料はその上に微細複製パターン化構造を作製することができる上記したような任意の適当な材料であればよい。必要に応じて、ウェブを多層化することもできる。液体は、通例、パターン化構造が作製される側と反対側の硬化源によって硬化されるため、ウェブ材料は使用される硬化源に対して少なくとも部分的に透明であればよい。硬化エネルギー源の例には赤外線、紫外線、可視光線、マイクロ波、またはeビームがある。当業者には、他の硬化源を用いることができるとともに、特定のウェブ材料/硬化源の組み合わせの選択が、作製される特定の物品(位置合わせされた微細複製構造を有する)に依存することは理解できよう。
【0072】
ウェブ材料を介して液体を硬化させる代替例は、金属ウェブまたは金属層を有するウェブなどを介する硬化が困難であるウェブに有用である、二液反応型硬化、例えばエポキシを用いることであろう。硬化は成分のインライン混合またはパターン化ロール上の一部に触媒を噴霧することによっても達成可能であり、触媒はコーティングおよび触媒が接触すると液体を硬化させて微細複製構造を形成する。
【0073】
微細複製構造が作製される液体は、UV光により硬化可能なアクリレート類などの硬化性光重合性材料であればよい。当業者には、他のコーティング材料を用いることができるとともに、材料の選択が微細複製構造に望ましい特定の特性に依存することは理解できよう。同様に採用される特定の硬化方法は、当業者の技術および知識の範囲内にある。硬化方法の例は反応硬化、熱硬化、または放射線硬化である。
【0074】
液体をウェブへ送達および制御するために有用な塗布手段の例は、例えばシリンジまたは蠕動ポンプなどの任意の適当なポンプと結合されたダイまたはナイフコーティングである。当業者には、他の塗布手段を用いることができるとともに、特定の手段の選択はウェブに送達される液体の特定の特性に依存することが理解できよう。
【0075】
当業者には、本開示の範囲と趣旨とから逸脱することなく本開示の様々な変更例および代替例が明らかであるとともに、この開示が本明細書に記載された図示の実施形態に限定されないことは理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本開示によるシステムの例示的実施形態の斜視図である。
【図2】本開示による図1のシステムの一部の近接図である。
【図3】本開示による図1のシステムの他の斜視図である。
【図4】本開示の実施形態による成形装置の例示的実施形態の概略図である。
【図5】本開示による図4の成形装置の一部の近接図である。
【図6】本開示によるロール載置装置の例示的実施形態の概略図である。
【図7】本開示による1対のパターン化ロールの載置装置の例示的実施形態の概略図である。
【図8】本開示によるモータおよびロール装置の例示的実施形態の概略図である。
【図9】本開示によるロール間の位置合わせを制御する手段の例示的実施形態の概略図である。
【図10】本開示による位置合わせを制御する方法および装置の例示的実施形態のブロック図である。
【図11】本開示により作製された例示的物品の断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の直径を有する第1のパターン化ロールと、
第2の直径を有する第2のパターン化ロールと、
前記第1および前記第2のロールが約100マイクロメートル以内に連続位置合わせされた状態に維持されるように、前記第1のパターン化ロールと前記第2のパターン化ロールとを回転すべく構成された駆動アセンブリとを備え、
前記第2の直径が前記第1の直径より約0.01〜約1パーセント大きい、ロールツーロール微細複製装置。
【請求項2】
前記第1のパターン化ロールおよび前記第2のパターン化ロールが、約10マイクロメートル以内に連続位置合わせされた状態に維持される、請求項1に記載のロールツーロール微細複製装置。
【請求項3】
前記第1のパターン化ロールに隣接配置された第1のコーティングヘッドと、前記第2のパターン化ロールに隣接配置された第2のコーティングヘッドとをさらに備える、請求項1または2に記載のロールツーロール微細複製装置。
【請求項4】
前記第1のパターン化ロールに隣接配置された第1の硬化源と、前記第2のパターン化ロールに隣接配置された第2の硬化源とをさらに備える、請求項1、2または3に記載のロールツーロール微細複製装置。
【請求項5】
第1および第2の互いに反対側の面を有するウェブを含む微細複製物品を作製する方法であって、
第1のパターン化ロールと第2のパターン化ロールとを、同じ回転速度であるが異なる表面速度で互いに反対方向に回転させるステップと、
前記ウェブを前記第1のパターン化ロールと前記第2のパターン化ロールとの間に通過させるステップと、
第1の液体をウェブの第1の表面上に配置するステップと、
前記第1の液体を前記第1のパターン化ロールと接触させるステップと、
第2の液体をウェブの第2の表面に配置するステップと、
前記第2の液体を前記第2のパターン化ロールと接触させるステップとを含み、
前記第1および第2のロールが、約100マイクロメートル未満に一定に位置合わせされた状態に維持される、方法。
【請求項6】
第2の液体を前記ウェブの第2の表面に配置するステップの前に、前記第1の液体を硬化させて第1の微細複製パターンを作製するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の微細複製パターンが前記第1のパターン化ロールと接触している間に、前記第2の液体を接触させるステップが生じる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の液体を硬化させて第2の微細複製パターンを作製するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項1】
第1の直径を有する第1のパターン化ロールと、
第2の直径を有する第2のパターン化ロールと、
前記第1および前記第2のロールが約100マイクロメートル以内に連続位置合わせされた状態に維持されるように、前記第1のパターン化ロールと前記第2のパターン化ロールとを回転すべく構成された駆動アセンブリとを備え、
前記第2の直径が前記第1の直径より約0.01〜約1パーセント大きい、ロールツーロール微細複製装置。
【請求項2】
前記第1のパターン化ロールおよび前記第2のパターン化ロールが、約10マイクロメートル以内に連続位置合わせされた状態に維持される、請求項1に記載のロールツーロール微細複製装置。
【請求項3】
前記第1のパターン化ロールに隣接配置された第1のコーティングヘッドと、前記第2のパターン化ロールに隣接配置された第2のコーティングヘッドとをさらに備える、請求項1または2に記載のロールツーロール微細複製装置。
【請求項4】
前記第1のパターン化ロールに隣接配置された第1の硬化源と、前記第2のパターン化ロールに隣接配置された第2の硬化源とをさらに備える、請求項1、2または3に記載のロールツーロール微細複製装置。
【請求項5】
第1および第2の互いに反対側の面を有するウェブを含む微細複製物品を作製する方法であって、
第1のパターン化ロールと第2のパターン化ロールとを、同じ回転速度であるが異なる表面速度で互いに反対方向に回転させるステップと、
前記ウェブを前記第1のパターン化ロールと前記第2のパターン化ロールとの間に通過させるステップと、
第1の液体をウェブの第1の表面上に配置するステップと、
前記第1の液体を前記第1のパターン化ロールと接触させるステップと、
第2の液体をウェブの第2の表面に配置するステップと、
前記第2の液体を前記第2のパターン化ロールと接触させるステップとを含み、
前記第1および第2のロールが、約100マイクロメートル未満に一定に位置合わせされた状態に維持される、方法。
【請求項6】
第2の液体を前記ウェブの第2の表面に配置するステップの前に、前記第1の液体を硬化させて第1の微細複製パターンを作製するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の微細複製パターンが前記第1のパターン化ロールと接触している間に、前記第2の液体を接触させるステップが生じる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の液体を硬化させて第2の微細複製パターンを作製するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−532746(P2008−532746A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500816(P2008−500816)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/007976
【国際公開番号】WO2006/098939
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/007976
【国際公開番号】WO2006/098939
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
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