説明

心臓モニタリング

心臓活動をモニタするための方法および技術である。一局面ににおいて、方法は、拍動のシリーズにわたる、心拍数における変動を説明する情報を収集することと、生理的値の下端における変動が、心房細動に主としては関連しないものとして指定することと、生理的値の範囲中央における変動が、心房細動を示すものとして指定することと、生理的値の上部範囲における変動が、心房細動を否定的に示すものとして指定することと、集合において説明される、変動の心房細動への関連性を決定することとを含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
下記の説明は、例えば、心臓の電気的活動をモニタすることによる、心臓モニタリングに関する。
【背景技術】
【0002】
心臓の電気的活動は、心臓の機能の様々な局面を追跡するためにモニタされ得る。体の体積伝導度を考慮に入れると、体の表面または皮下にある電極は、しばしばこの活動に関連する電位差を表示する。異常電気的活動は、病気状態または良性から致命的な範囲まである他の生理的状態を示し得る。
【0003】
そのような生理的状態の一例は、心房細動である。心房細動は、心房と心室との間の同期性の損失を含む。複雑な心房細動においては、脱分極(depolarization)の長寿命ウェーブレットは、心房において円形の経路に沿って移動する。これは、血液のよどみおよび心房における凝固とともに、不規則な心室拍動に導き得る。
【0004】
心房細動は、心臓性不整脈の中の最も一般的な形であり、年間200万人を影響し得る。心房細動は、脳卒中、うっ血性心不全、および心筋症と関連付けられる。
【0005】
そのような生理的状態の他の実例は、心房粗動である。心房粗動も、心房と心室との間の同期性の損失を含む。心房粗動においては、複数の心房波形は、例えば、心房瘢痕(atrial scar)、心房梗塞症(atrial infarction)、または右の心房の一部を取り囲む再入可能回路によって、各々の心室拍動の間、房室(AV)ノードに達する。
【0006】
心房粗動は、心房細動に比べあまり一般的ではないが、同様に、脳卒中、うっ血性心不全、および心筋症と関連する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここに説明される心臓モニタリングシステムおよび技術は、下記の特徴の様々な組み合わせを含み得る。
【0008】
方法は、心臓の電気的活動における拍動間変動を決定することと、変動の心房細動および心房粗動のうちの1つへの関連性を、非線形統計を使用して決定することと、決定された関連性に基づいて、心房細動イベントおよび心房粗動イベントのうちの1つを識別することを含み得る。イベントは、心臓の電気的活動の情報コンテンツの関連性が高いときの時間間隔である。
【0009】
決定された関連性に基づいて、イベントの終了は、識別され得る。イベントの識別に応答して、心房細動に関連するイベント状態は、推移され得る。イベントは、通院患者からリモート受信器に送信され得る。変動の心房細動への関連性は、心室拍動を識別する情報を受信し、変動が、心房細動を否定的に示すことを示す、プリセット値を割り当てることによって、決定され得る。
【0010】
心室頻搏イベントは、心室拍動を識別する情報の少なくとも一部に基づいて、識別され得る。変動の心房細動への関連性は、R−R間隔の集合における変動の平均関連性を決定することによって、決定され得る。
【0011】
拍動間変動は、例えば、複数の連続R波の間隔における変動を決定することによって、連続拍動のシリーズにおいて決定され得る。イベントは、変動の関連性を、関連性の第1の所定の量と比較することによって識別され得る。更に、イベントの終了を識別するために、イベントにおける変動の関連性は、関連性の第2の所定の量と比較され得る。第2の所定の量は、第1の所定の量より少なくあり得る。
【0012】
方法は、拍動のシリーズにわたる、心拍数における変動を説明する情報を収集することと、生理的値の下端における変動が、心房細動に主としては関連しないものとして指定することと、生理的値の範囲中央における変動が、心房細動を示すものとして指定することと、生理的値の上部範囲における変動が、心房細動を否定的に示すものとして指定することと、集合において説明される、変動の心房細動への関連性を決定することとを含み得る。
【0013】
変動は、変動を説明する情報を、重み付け因子で掛けることによって指定され得る。拍動のシリーズにわたる、R−R間隔における変動を説明する情報は、収集され得る。収集された情報は、
【0014】
【数2】

によって示される、因子DRR(n)に関する情報のように、第1のR−R間隔とすぐ前のR−R間隔との比率の関数になり得る。
【0015】
生理的値の下端における変動は、およそ0.0.2より少ない因子DRR(n)に関する情報が、主としては関連しないものとして指定することによって、主としては関連しないものとして指定され得る。生理的値の範囲中央における変動は、およそ0.02より大きく、およそ0.15より小さい因子DRR(n)に関する情報が、心房細動を示すものとして指定することによって、心房細動を示すものとして指定され得る。生理的値の上部範囲における変動が、およそ0.157より大きい因子DRR(n)に関する情報が、心房細動を否定的に示すものとして指定することによって、心房細動を否定的に示すものとして指定され得る。
【0016】
変動を説明する情報は、最近のR−R間隔の20から200の間のシリーズにわたる、心拍数における変動を収集することによって、収集され得る。変動の決定された関連性は、変動の長期心房細動への関連性になり得る。R−R間隔のシリーズは、R−R間隔の連続的シリーズになり得る。
【0017】
方法は、比較の集合を生ずるために、最近のR−R間隔を、前のR−R間隔と比較することと、比較が、心房細動に関連する可能性に従って、比較を重み付けすることと、集合の心房細動への平均関連性を決定することとを含み得る。重み付けは、最近の拍動の最初を心室拍動として識別することと、集合における第1の拍動を重み付けするために、プリセット値を割り当てることとを含み得る。プリセット値は、心房細動を否定的に示し得る。
【0018】
比較は、生理的値の下端における変動が、心房細動に主としては関連しないものとして指定し、生理的値の範囲中央における変動が、心房細動を示すものとして指定することによって、重み付けされ得る。比較は、生理的値の上部範囲における変動が、心房細動を否定的に示すものとして指定することによっても、重み付けされ得る。心室頻搏イベントは、心室拍動の識別の少なくとも一部に基づいて、識別され得る。比較の集合を生ずるために、最近のR−R間隔は、すぐ前のR−R間隔と比較され得る。
【0019】
心臓モニタリングシステムおよび技術は、一つ以上の下記の利点を提供し得る。心房細動(「AFib」)および/または心房粗動(「AFlut」;「AF」はどちらも参照する)は、正常洞律動不規則性(normal sinus rhythm irregularity)、心臓ブロックの様々な種類からの不規則性、および早発性(premature)心室収縮に関連する不規則性のような、心臓不整脈の他の種類から区別され得る。説明されるシステムおよび技術は、AFの改良されたポジティブな予測性を提供する一方、拍動間不規則性を計算するための実用アプローチである。更に、説明されるシステムおよび技術は、AFがおよそ20拍動より長く続き、増加された臨床的重要性を有する、長期AFエピソードを識別できる。
【0020】
例えば、ここに説明されるシステムおよび技術が、MIT−BIH Database Distribution,MIT Room E25−505A,Cambridge,MA 02139,USAから利用可能である、MIT−BIH不整脈データベースを分析するために使用されたとき、90%を超えたAFへの感度(sensitivity)および96%を超えた肯定的な(positive)予測性が得られた。
【0021】
説明されるシステムおよび技術は、病院のベッドまたは治療施設のような管理された環境から離れている、通院患者の心臓信号をモニタするのによく適応している。通院患者から得られる心臓信号は、よりノイズが多くなり得、そうでない場合、患者の高まったレベルの活動によって強く影響される。したがって、本明細書において説明されるように、改良されたモニタリングシステムおよび技術は、通院患者のために要求される。
【0022】
説明されるシステムおよび技術は、異なる種類の心臓不整脈の間を区別する最小の遅れが、任意の緊急診療の送出スピードを上げることができる、不整脈患者のリアルタイムモニタリングにもよく適応している。説明されるシステムおよび技術は、最小のコンピュータリソースの要求もする。更に、説明されるシステムおよび技術は、異なる種類の心臓不整脈が区別され得る前に、トレーニングを要求しない。
【0023】
本発明の一つ以上の実施の詳細は、添付の図面および以下の説明において述べられる。他の特徴、目的、および利点は、説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明白になるであろう。
【0024】
様々な図面における同一の参照番号は、同一の要素を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は、心臓信号が医療目的のためにモニタされているシステム100を示す。システム100は、個人105、器具類(instrumentation)110、信号経路115、および受信器120を含む。個人105は、一つ以上の生物学的信号のモニタリングが適切だと考えられる患者または健康な個人になり得る。器具類110は、心臓信号を生成および処理するとともに、経路115を通じて心臓信号の全部分または一部を中継するのに適した一つ以上の感知、較正、信号処理、制御、データストレージ、および送信要素を含み得る。経路115は、光および/または電気信号を運ぶのに適した有線および無線メディアを含む、データ送信のための任意の適した媒体になり得る。受信器120は、送信された信号を受信するための受信器要素とともに、個人105の状態にも関する、送信によって運ばれる情報を引き出しおよび格納するための様々なデータ処理およびストレージ要素も含み得る。受信器120は、受信器120が解析のために、医療職員または医療エキスパートシステムに情報を示す、医療システムになり得る。受信器120は、受信器120が器具類110と同等の位置に配置されないように(例、同等の病院、養護ホーム、または他の医療設備)、器具類110から離れて存在し、または受信器120が器具類110と同等の共同領域またはその付近内(例、同等の部屋、ビル、または健康管理設備内)に存在するのどちらかになり得る。
【0026】
図2は、心臓信号の一例、すなわち、スカラー心電図200のトレースを示す。心電図トレース200は、個人の体表上の2つの箇所の間を測定した電位差205に従う。電位差205は、生理学の特徴および個人の心臓の機能の様式において時間210とともに変化する。
【0027】
心電図トレース200は、一般に、心臓活動の特定の局面を有する特徴性質を含む。例えば、トレース200は、心室(ventricle)の活動に関連するQRS複合体(complex)215,220,225のシリーズを含む。QRS複合体225はR波Rを含み、QRS複合体220はR波Rn−1を含み、およびQRS複合体は215はR波Rn−2を含む。複数の連続R波の間における時間は、R−R間隔として言及され得る。より詳細に、R波RとR波Rn−1との間のR−R間隔は、RR(n,n−1)であり、R波Rn−1とR波Rn−2との間のRーR間隔は、RR(n−1,n−2)である。
【0028】
図3は、心電図トレース200のような心臓信号を使用して、心臓モニタリングのための器具類110の一例を示す。器具類110は、センサ305、信号増幅器/処理器310、拍動検出器315、心房細動/心房粗動(AF)検出器320、決定ロジック325、およびイベント生成器330を含む。センサ305は、心電図トレース200のような電圧信号を生ずる、一つ以上の電位差の下にある二つ以上の電極を含み得る。心臓の電気的活動をモニタすることを補助するために、電極は、銀/塩化銀電極のような体表電極になり得、所定の配置に位置され得る。センサ305は、鉛または信号増幅器/処理器310への信号経路を形成する他の導体も含み得る。信号増幅器/処理器310は、電圧信号を受信、増幅、および/または処理し得る。処理は、フィルタ処理およびデジタル化を含み得る。増幅および処理の残りは、デジタル化の前または後に生じ得る。信号増幅器/処理器310は、拍動検出器315に増幅および/または処理された信号を提供し得る。
【0029】
拍動検出器315は、心室収縮(ventricular contractions)の時間間隔を識別する、回路または他の装置(arrangement)のようなデバイスである。例えば、拍動検出器315は、連続QRS複合体(または心室活動の均等表示)を識別するQRS検出器になり得、複数の複合体の間の時間から拍動間タイミングを決定する。拍動間タイミングは、心電図トレース200におけるRR(n,n−1)およびRR(n−1,n−2)(図2)のような連続R波の間の時間を測定することによって決定され得る。拍動検出器315は、複数の心室収縮の時間間隔に関する情報を、AF検出器320に提供し得る。
【0030】
AF検出器320は、複数の心室収縮の時間間隔に関する情報を、AFを検出するために解析する、データ処理デバイスである。AFの検出は、早発性心室収縮、心臓ブロック、および正常洞律動不規則性のような心室不規則性の他のソースから、AFを区別することを含み得る。AFの検出は、短いAFエピソードと長期AFエピソードとを区別することも含み得る。短いAFエピソードは、一般的、2と20拍動との間を含み得、臨床的重要性を有しても有しなくても良いが、長期AFエピソードは、一般に、20拍動より多くを含み、比較的大きい臨床的重要性を有し得る。AFの検出は、心室の無行為な不応期がもたらす、他の種類の不規則性の検出も含み得る。
【0031】
AF検出器320は、非線形統計的アプローチを使用して、複数の心室収縮の時間間隔に関する情報を、AFを検出するために解析し得る。非線形統計は、複数の変数の間の関係を、一次関数以外のものとして扱う。AFを検出するための非線形統計的アプローチの実例に関する詳細は、下記される。AF検出器320は、AFの検出に関する情報を、決定ロジック325に提供し得る。
【0032】
決定ロジック325は、AF検出器320によって検出されたAFが、いつ開始および終了したかを決定するための命令のセットである。例えば、決定ロジック325は、回路に組み入れられ得、または決定ロジック325は、AF検出器320のようなデータ処理デバイスによって実行され得る。決定ロジック325は、イベント生成器230によって、AFイベントの生成をトリガすることもできる。
【0033】
イベント生成器330は、ハンドリングのためにAFイベントを準備する、データ処理デバイスのようなデバイスである。AFイベントは、センサ305によって感知される信号の情報コンテンツが、AFのモニタリングへの関連性の強化だと考察される期間である。AFイベントは、均等または所定の持続期間になる必要性はない。例えば、長期AFエピソードに関連するイベントは、短いAFエピソードに関連するイベントに比べ、より長い持続期間を有し得る。
【0034】
イベント生成器330は、イベントのAFの検出および/またはモニタリングへの関連性を要約する、情報を集めることによって、ハンドリングのためのAFイベントを準備できる。例えば、イベント生成器330は、信号増幅器/処理器310から出力される増幅および処理された信号からのAFとして識別される、期間に関連するデータを取り除くことができる。イベント生成器330は、そのようなデータを編集することもできる(例えば、イベントを生成する場合、価値ある最初の三分を選択する)。AFイベントをハンドリングすることは、データリンク115を通じてAFイベントを送信し、またはデータストレージデバイスにAFイベントを格納することを含み得る。
【0035】
図4は、心臓モニタリングの間の心臓モニタリングシステムの例示的状態図400を示す。例えば、状態図400は、器具類110におけるAF検出器320および決定ロジック325(図3)のようなアセンブリの動作に関し得る。状態図400は、休止状態405およびAFイベント状態410を含む。休止状態405は、反射的推移415および状態推移420を生ずる。AFイベント状態410は、反射的推移425および状態推移430を生ずる。反射的推移415は、変動測定のシリーズに関連する。状態推移420は、そのような測定によって検出されるような、AFタイプ変動の開始によってトリガされる。反射的推移425は、変動測定の他のシリーズに関連する。状態推移430は、そのような測定によって検出されるような、AFタイプ変動の終了によってトリガされる。
【0036】
動作において、心臓モニタリングシステムは、休止状態405において開始および心臓信号の変動を測定できる。例えば、システムは、心電図トレース200におけるRR(n,n−1)とRR(n−1,n−2)(図2)との間の変動のような、連続R波の拍動間タイミングにおける変動を測定できる。変動がAFタイプ変動として一度識別された場合、システムは、システムが心臓信号の変動を測定し続ける、AFイベント状態410に推移する。AFイベント状態410においては、AFタイプ変動が一度終了すると、システムは休止状態405に戻る。
【0037】
図5は、心臓モニタリングのための、例えば、AFイベントの検出のための処理500を示す。処理500は、データ処理活動を実行する一つ以上のデータ処理デバイスによって実行され得る。処理500の活動は、機械読取可能命令のセット、ハードウェアアセンブリ、またはこれらおよび/または他の命令の組み合わせのロジックに従って実行され得る。処理500における活動は、生物学的信号がモニタされるシステムにある任意の多数の異なる要素に実行され得る。例えば、器具類110(図3)においては、処理900における活動は、AF検出器320、決定ロジック325、およびイベント生成器330において実行され得る。
【0038】
処理500を実行するデバイスは、505において、最近の拍動のタイミングに関する情報を受信する。タイミング情報は、個別の量(例、拍動間ベースにおいて)またはそのような情報を含む集合において受信され得る。510において、システムは、受信されたタイミング情報を使用して、最近のR−R間隔における変動を決定する。R−R間隔における変動は、拍動の設定期間または設定数にわたる、心拍数における拍動間変化を反映し得る。
【0039】
515において、システムは、そのような変動のAFへの関連性も識別できる。変動が、個人が最近の拍動の時間にまたはその近くにAFを受ける、高い確率に関連する場合、変動はAFに関連している。関連性は、変動を、変動の所定の量またはモニタされる患者に対して一般的と識別される量と比較することによって、識別され得る。
【0040】
決定520において、システムは、変動の識別された関連性がAFを受けている、モニタされている個人を示すかどうかも決定できる。示さない場合、システムは505に戻る。この戻りは、状態図400(図4)における、反射的推移415に沿う休止状態405のままのシステムに対応し得る。システムが、モニタリングの結果がAFを受けている個人を示すことを決定した場合、525において、システムは、AFイベントを開始する。AFイベントのこの開始は、状態図400(図4)における、AFイベント状態410に推移しているシステムに対応し得る。そのようなイベントの開始は、心電図トレース200のようなデータストリームにマーカを追加するためにイベント生成器をトリガする、またはデータストリームの関連部分を除くことような、イベントの生成に導く様々な活動を含み得る。
【0041】
530において、システムは、最近の拍動のタイミングに関する情報を受信し続き得る。535において、システムは、受信されたタイミング情報を使用して、最近のR−R間隔における変動を決定する。540において、システムは、そのような変動のAFの終了への関連性も識別できる。変動が、AFが停止したさらに高い確率に関連する場合、変動は、AFの終了に関連する。関連性は、変動を、変動の所定の量またはモニタされる患者に対して一般的と識別される量と比較することによって、識別され得る。
【0042】
決定545において、システムは、変動の識別された関連性が、モニタされている個人においてAFが終了したことを示すかどうかも決定できる。示さない場合、システムは530に戻る。この戻りは、状態図400(図4)における、反射的推移425に沿うAFイベント状態410のままのシステムに対応し得る。システムが、モニタされている個人においてAFが終了したことを決定した場合、システムは555に戻る。この戻りは、状態図400(図4)における、休止状態405に推移しているシステムに対応し得る。
【0043】
図6Aは、最近のR−R間隔における変動を決定し、変動がAFの開始または終了のどちらかに関連しているかどうかを識別するための処理600を示す。処理600は、独立して実行され得、または処理600は、活動のより大きな集合の一部として実行され得る。例えば、処理600は、処理500の一部、すなわち、ステップ510,515またはステップ535,540として、実行され得る(図5)。処理600における様々な活動は、状態図400における、状態推移420,430をトリガするためにも実行され得る(図4)。
【0044】
605において、処理600を実行するシステムは、最も最近のR−R間隔(例、図2のRR(n,n−1))を、すぐ前のR−R間隔(例、図2のRR(n−1,n−2))と比較できる。そのような比較は、心拍数における拍動間変動を反映する因子を生じ得る。例えば、式
【0045】
【数3】

によって示される、因子DRR(n)は、R−R間隔および心拍数における拍動間変動を反映し得る。RR(n−1,n−2)/RR(n,n−1)の関数としての因子DRR(n)のグラフは、図6Bに示される。
【0046】
610において、処理600を実行するシステムは、最も最近のR−R間隔とすぐ前のR−R間隔との比較を、比較の結果がATを示す可能性に従って、重み付けすることもできる。重み付けは、比較が心臓モニタ活動の後処理において果たす役割を決定できる。例えば、重み付けは、後の心臓モニタ活動からの所定の比較の全体的または部分的除外を含み得る。
【0047】
比較を重み付けするための一技術は、図7に示される変換関数700のような変換の使用を通す。変換関数700は、比較のAFへの関連性を反映するために、比較の値(例、因子DRR(n))に掛けられる重みを提供する。変換関数700に提供される重みは、あらゆる比較の値または比較の選択されたサブセットに掛けられ得る。そのようなサブセットを選択するための一技術は、以下に更に説明される。
【0048】
変換関数700は、式1に示される因子DRR(n)に適応される。より詳細に、変換関数700は、因子DRR(n)が可能性のある(potential)生理的値の範囲中央(例、DRR(n)がおよそ0.02より大きく、およそ0.15より小さい場合)にある場合、過重因子DRR(n)に適応される。変換関数700は、因子DRR(n)が可能性生理的値の上部範囲にある場合(DRR(n)がおよそ0.157より大きい場合)、AFを否定的(negatively)に示すように、因子DRR(n)を重み付けするように適応される。
【0049】
変換関数700は、因子DRR(n)が可能性生理的値の下部範囲にある場合(例、DRR(n)がおよそ0.0.2より小さい場合)、AFに主としては関連性のないように、因子DRR(n)を重み付けするように適応される。変換関数700は、比較因子DRR(n)710の関数として変化する、スカラー重み705を含む。より詳細に、重み705は、点715,720,725,730,735の間を線形に変化する。点715,720,725,730,735の値は、表1に示される。
【0050】
【表1】

動作において、因子DRR(n)の任意の値に対する重み705は、点715,720,725,730,735の重みの間の線形補間によって決定され得る。補間は、補間が生じるとともに因子DRR(n)の各々の値のための実行され得、またはそのような補間の所定の数の結果が、ルックアップテーブルに格納され得る。0.2より多い因子DRR(n)の任意の値に対して、−0.3の重みが割当てられ得る。
【0051】
図6Aに戻って、処理600を実行するシステムは、615において、重み付けされた比較を最近の拍動のための重み付けされた比較の集合に追加もできる。例えば、システムは、最も最近の拍動の10から200の間(例、100)の各々のための別々のデータ要素を有する、FIFOスタックまたは重み付けされた比較のアレイを形成できる。620において、システムは、最近の拍動のための重み付けされた比較の集合の、AFへの関連性も決定できる。重み付けされた比較の集合は、AFの開始または終了のどちらかに関連し得る。
【0052】
関連性を決定するために、システムは、集合における重み付けされた比較の平均関連性を表す数字になるように、重み付けされた比較を合計できる。システムは、拍動間変動がAFの開始または終了を示すことを決定する前に、いくつかの拍動が続く、そのような合計を計算できる。一実施において、システムは、集合にある拍動の重み付けされた比較の平均を計算し、この平均を、変動がAFの開始を示すかどうかを決定するために、第1の所定のしきい値と、変動がAFの終了を示すかどうかを決定するために、第2の所定のしきい値と比較する。。一般に、第1の開始しきい値は、第2の終了しきい値より高くなり得る。開始と終了しきい値との差異は、処理600を実行する任意のシステムを安定化させるために、ヒステリシスを状態推移に導入できる。
【0053】
図8は、心電図トレース、すなわち、器具類800を使用する心臓モニタリングのための器具類の一例を示す。センサ305、信号増幅器/処理器310、AF(AF)検出器320、決定ロジック325、およびイベント生成器330に加えて、器具類800は、QRS検出器805および心室拍動検出器810も含む。QRS検出器805および心室拍動検出器810の両方は、信号増幅器/処理器310から増幅および処理された信号を受信できる。QRS検出器805は、連続QRS複合体の間の時間間隔を識別する、回路または他の装置のようなデバイスである。QRS検出器805は、連続QRS複合体の間の時間間隔に関する情報を、AF検出器320に提供できる。
【0054】
心室拍動検出器810は、心室拍動を識別する回路または他の装置のようなデバイスである。心室拍動(すなわち、早発性心室拍動)は、通常の心臓リズムを妨げる不規則な拍動である。心室拍動は、一般に、強化された自動性を有する心室フォーカスから生じる。心室拍動は、His−Purkinjeシステム内の再エントリからも生じ得る。心室拍動の発生は、一般に、AFに関係しない。例えば、心室拍動の発生は、心室頻搏を識別するために使用され得る(例、3以上の連続した心室拍動がある場合)。心室拍動は、アルコール、タバコ、カフェイン、およびストレスのような因子によって突然引き起こされ得る。心室拍動検出器810は、心室拍動を識別するために心電図トレースをモニタできる。心室拍動を識別するための様々なシステムおよび技術が、使用され得る。例えば、Mortara Instrument,Inc.(Milwaukee,WI)から利用可能である、Mortara VERITAS Analysis Algorithmが、使用され得る。心室拍動検出器810は、心室拍動の発生に関する情報を、AF検出器320に提供もできる。
【0055】
心室拍動検出器810は、QRS検出器805とともに収容され得る。そのような結合デバイスの実例は、Mortara Instrument,Inc.(Milwaukee,WI)から利用可能である、ELI 250TM心電計である。
【0056】
最近のR−R間隔における変動を決定し、変動がAFの開始または終了のどちらかに関連するかどうかを識別するためのアプローチが、心室拍動がもたらす変動を収容できる。図9は、心室拍動がもたらす変動を収容する、心臓モニタリングシステムの例示的状態図900を示す。休止状態405およびAFイベント状態410に加えて、状態図900は、心室頻搏(V−TACH)イベント状態905も含む。心室頻搏は、一般に、心室における電気的活動の異常なフォーカスがもたらす心室収縮の急速な連続(例、1分あたり140から220の間)である。心室頻搏は、数秒から数日まで続き得、心筋梗塞のような重大な心臓状態がもたらし得る。AFイベント状態410は、3連続の心室拍動の発生によってトリガされる状態推移910を生ずる。V−TACHイベント状態905は、V−TACHイベントの終了によってトリガされる状態推移910を生ずる。V−TACHイベントの終了は、例えば、心室収縮率が所定の値(例、100から200bpmの間の値)以下に下がった場合、識別され得る。
【0057】
図10は、最近のR−R間隔における変動を決定し、心室拍動がもたらす変動を収容する一方、変動がAFの開始に関連するかどうかを識別するための処理、すなわち処理1000を示す。処理900は、独立して実行され得、または処理1000は、活動のより大きな集合の一部として実行され得る。例えば、処理1000は、処理500の一部として、すなわち、ステップ510,515(図5)として、実行され得る。プロセス1000における様々な活動は、状態図900における、状態推移420をトリガするためにも実行され得る(図9)。
【0058】
1005において、処理1000を実行するシステムは、例えば、心拍数における拍動間変動を反映するために式1にある式を使用して、最近のR−R間隔を、それぞれのすぐ前のR−R間隔と比較できる。実行するシステムは、1010において、心室拍動の発生の表示も受信できる。そのような表示は、例えば心室拍動検出器から、受信できる。
【0059】
1015において、システムは、心室拍動表示およびR−R間隔比較の両方を含む、アレイまたは他のデータ構造を生成できる。アレイは、最も最近の拍動の10から200(例、100)の間に対する、心室拍動表示およびR−R間隔比較を含み得る。1020において、システムは、R−R間隔比較が、例えば、変換関数700(図7)を使用して、AFに関連する可能性に従って、比較の重み付けもし得る。
【0060】
1025において、システムは、心室拍動に関連するR−R間隔比較にプリセット値の割り当てもし得る。プリセット値は、プリセット値が、変動がAFイベントを示す低くなった可能性を反映する、ペナルティ値になり得る。プリセット値は、R−R間隔を比較し、そのような比較を重み付けするために使用されるアプローチを考慮して、選択され得る。例えば、R−R間隔が式1を使用して比較され、結果として生じる比較が変換関数700(図7)を使用して重み付けされた場合、心室拍動に関連するR−R間隔比較は、−0.06のプリセット値に割り当てられ得、心室拍動のすぐ後のR−R間隔に関連するR−R間隔比較は、0のプリセット値に割り当てられ得る。
【0061】
1030において、システムは、重み付けされ、プリセットされたタイミング比較の両方を使用して、最も最近の拍動のアレイへのエントリの平均値を計算できる。決定1035において、システムが、最後の5拍動における平均が0.22より大きいことを決定した場合、システムは、1040において、最近の拍動におけるAFイベントの開始をトリガする。逆に、システムが、最後の5拍動における平均が0.22以下だと決定した場合、システムは、最近のR−R間隔を前のR−R間隔と比較するために、1005に戻る。
【0062】
図11は、最近のR−R間隔における変動を決定し、心室拍動がもたらす変動を収容する一方、変動がAFの終了に関連するかどうかを識別するための処理、すなわち処理1100を示す。処理1100は、独立して実行され得、または処理1100は、活動のより大きな集合の一部として実行され得る。例えば、処理1100は、処理500の一部、すなわち、ステップ535,540(図5)として、実行され得る。処理1100における様々な活動は、状態図900(図9)における、状態推移430,910,915をトリガするためにも実行され得る。
【0063】
処理1100を実行するシステムは、処理1000のように、1005,1010,1015,1020,1025,1030において活動を実行できる。決定1105において、システムは、最後の3拍動が心室拍動であったかどうかも決定できる。例えば、システムは、最後の3拍動が、1010において受信されたような心室拍動発生表示を用いてマークされているかどうかを決定できる。
【0064】
システムが、最後の3拍動が心室拍動であったと決定した場合、システムは、1110において、AFイベントの終了をトリガし、適切な場合、1115において、心室頻搏イベントを終了する。心室頻搏イベントの開始および終了は、状態図900(図9)における推移910,915によく似たように、システムの状態をV−TACHイベントにおよびそのイベントから推移できる。
【0065】
V−TACHイベントが1115において終了され、またはシステムが、115において、最後の3拍動が心室拍動ではなかったと決定した場合、システムは、決定1120において、最も最近の拍動のアレイにおける重み付けされ、プリセットされたタイミング比較の両方の平均が、0.08より低くなったかどうかを決定する。平均が0.08より低くならなかった場合、システムは、最近のR−R間隔を前のR−R間隔と比較するために1005に戻る。逆に、平均が0.08より低くなった場合、システムは、1125において、AFイベントの終了をトリガする。このトリガは、状態図900(図9)における推移430によく似たように、システムの状態をAFイベントから推移できる。
【0066】
ここに説明される、システムおよび技術の様々な実施は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途用集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせにおいて、実現され得る。これらの様々な実施は、特別または汎用のストレージシステムと、少なくとも1つの入力デバイスと、少なくとも1つの出力デバイスとからデータおよび命令を受信し、それらにデータおよび命令を送信するために結合される、少なくとも1つのプログラム可能プロセッサを含む、プログラム可能システムに実行可能および/または解釈可能である、一つ以上のコンピュータプログラムを含み得る。
【0067】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーションまたはコードとしても知られる)は、プログラム可能プロセッサのための機械命令を含み得、高レベル手順および/またはオブジェクト指向プログラミング言語、および/またはアセンブリ/機械言語において実施され得る。本明細書において使用される場合、「機械読取可能媒体」という用語は、機械命令を機械読取可能信号として受信する機械読取可能媒体を含む、プログラム可能プロセッサに、機械命令および/またはデータを提供するために使用される、任意のコンピュータプログラム製品、装置および/またはデバイス(例、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))をいう。「機械読取可能信号」という用語は、プログラム可能プロセッサに機械命令および/またはデータを提供するために使用される、任意の信号をいう。
【0068】
ユーザとの相互作用を提供するために、ここに説明されるシステムおよび技術は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイデバイス(例、CRT(ブラウン管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)、ユーザがコンピュータに入力を提供できる、キーボードおよびポインティングデバイス(例、マウスまたはトラックボール)を有するコンピュータに実施され得る。他の種類のデバイスも、ユーザとの相互作用を提供するために使用され得る。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、感覚フィードバックの任意の形(例、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)になり得、ユーザからの入力は、音響、スピーチ、または触覚入力を含む、任意の形において受信され得る。
【0069】
ここに説明されるシステムおよび技術は、バックエンド構成要素(例、データサーバとして)を含む、またはミドルウェア構成要素(例、アプリケーションサーバ)を含む、またはフロントエンド構成要素(例、ユーザが、ここに説明されるシステムおよび技術の実施と相互作用できる、グラフィカルユーザインターフェースまたはウェブブラウザを介して有するクライアントコンピュータ)、もしくはそのようなバックエンド、ミドルウェア、またはフロントエンド構成要素の任意の組み合わせを含む、コンピュータ環境において実施され得る。環境の構成要素は、デジタルデータ通信(例、通信ネットワーク)の任意の形または媒体によって相互接続され得る。通信ネットワークの実例は、構内情報通信網(「LAN」)、広域情報通信網(「WAN」)およびインターネットを含む。
【0070】
コンピュータ環境は、クライアントおよびサーバを含み得る。クライアントおよびサーバは、一般に、お互いから遠く離れ、通信ネットワークを介して相互作用する。クライントとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータににおいて実行され、お互いとのクライアント−サーバ関係を有するコンピュータプログラムの効力によって生じる。
【0071】
多数の実施が説明された。それにも関わらず、様々な修正がされ得ることが理解されるであろう。心音のようなスカラー心電図以外の心臓信号が、モニタされ得る。拍動のタイミングが比較される方法によって、他の重み付けアプローチおよび変換関数が使用され得る。重み705は、点715,720,725,730,735の間の3次スプラインのような、任意の多数の異なる方法において補間され得る。心臓モニタリングは、リアルタイムまたは遅れて実行され得る。異なるパラメータの値は、変更され得、有用な結果は依然として得たままにされ得る。例えば、図7において、点735は、0.2より上の比較因子DRR(n)値に再度位置され得る。したがって、他の実施は、添付の特許請求の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1は、医療目的のために心臓信号がモニタされているシステムである。
【図2】図2は、心臓信号の一例を示す。
【図3】図3は、心臓信号を使用する心臓モニタリングのための器具類の一例を示す。
【図4】図4は、心臓モニタリングの間の心臓モニタリングシステムの例示的状態図を示す。
【図5】図5は、AFイベントの検出に対する、心臓モニタリングのための処理を示す。
【図6A】図6Aは、最近のR−R間隔における変動を決定し、変動がAFの開始または終了のどちらかに関連するかどうかを識別するための処理を示す。
【図6B】図6Bは、RR(n−1,n−2)/RR(n,n−1)の関数としての因子DRR(n)のグラフを示す。
【図7】図7は、最近の拍動のタイミングにおける変動を重み付けするための変換関数を示す。
【図8】図8は、心電図トレースを使用する、心臓モニタリングのための器具類の一例を示す。
【図9】図9は、心室拍動がもたらす変動を収容する、心臓モニタリングシステムの例示的状態図を示す。
【図10】図10は、最近のR−R間隔における変動を決定し、心室拍動がもたらす変動を収容する一方、変動がAFの開始に関連するかどうかを識別するための処理を示す。
【図11】図11は、最近のR−R間隔における変動を決定し、心室拍動がもたらす変動を収容する一方、変動がAFの終了に関連するかどうかを識別するための処理を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓の電気的活動における拍動間変動を決定することと、
該変動の心房細動および心房粗動のうちの1つへの関連性を、非線形統計を使用して決定することと、
該決定された関連性に基づいて、心房細動イベントおよび心房粗動イベントのうちの1つを識別することであって、該イベントは、該心臓の電気的活動の情報コンテンツの関連性が高いときの時間間隔である、ことと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記決定された関連性に基づいて、前記イベントの終了を識別することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記イベントの識別に応答して、心房細動に関連するイベント状態に推移することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
通院患者からリモート受信器に前記イベントを送信することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記変動の心房細動への前記関連性を決定することが、
心室拍動を識別する情報を受信することと、
該変動が、心房細動を否定的に示すことを示す、プリセット値を割り当てることと
を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記心室拍動を識別する情報の少なくとも一部に基づいて、心室頻搏イベントを識別することをさらに包含する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記変動の心房細動への前記関連性を決定することが、R−R間隔の集合における変動の平均関連性を決定することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記拍動間変動を決定することが、連続拍動のシリーズにおける該拍動間変動を決定することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
連続拍動のシリーズにおける前記拍動間変動を決定することが、複数の連続R波の間隔における変動を決定することを包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記イベントを識別することが、前記変動の前記関連性を、関連性の第1の所定の量と比較することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記イベントの前記終了を識別するために、該イベントにおける前記変動の前記関連性を、関連性の第2の所定の量と比較することであって、該第2の所定の量が、該第1の所定の量より少ない、ことをさらに包含する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
拍動のシリーズにわたる、心拍数における前記変動を説明する情報を収集することと、
生理的値の下端における変動が、心房細動に主としては関連しないものとして指定することと、
生理的値の範囲中央における変動が、心房細動を示すものとして指定することと、
生理的値の上部範囲における変動が、心房細動を否定的に示すものとして指定することと、
該集合において説明される、該変動の心房細動への関連性を決定することと
を包含する、方法。
【請求項13】
前記変動を指定することが、該変動を説明する情報を、重み付け因子で掛けることを包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記情報を収集することが、拍動のシリーズにわたる、R−R間隔における変動を説明する情報を収集することを包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記変動を説明する前記情報を収集することが、第1のR−R間隔とすぐ前のR−R間隔との比率の関数である、情報を収集することを包含する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記変動を説明する前記情報を収集することが、
【数1】

によって示される、因子DRR(n)に関する情報を収集することを包含する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記生理的値の前記下端における前記変動が、主としては関連しないものとして指定することが、およそ0.0.2より少ない因子DRR(n)に関する情報が、主としては関連しないものとして指定することをを包含する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記生理的値の前記範囲中央における前記変動が、心房細動を示すものとして指定することが、およそ0.02より大きく、およそ0.15より小さい因子DRR(n)に関する情報が、心房細動を示すものとして指定することを包含する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記生理的値の前記上部範囲における前記変動が、心房細動を否定的に示すものとして指定することが、およそ0.157より大きい因子DRR(n)に関する情報が、心房細動を否定的に示すものとして指定することを包含する、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記変動を説明する前記情報を収集することが、最近のR−R間隔の20から200の間のシリーズにわたる、心拍数における変動を収集することを包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
前記変動の前記関連性を決定することが、該変動の長期心房細動への該関連性を決定することを包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
前記R−R間隔のシリーズが、R−R間隔の連続的シリーズである、請求項12に記載の方法。
【請求項23】
比較の集合を生ずるために、最近のR−R間隔を、前のR−R間隔と比較することと、
該比較が、心房細動に関連する可能性に従って、該比較を重み付けすることであって、該重み付けは、最近の拍動の最初を心室拍動として識別することと、該集合における第1の拍動を重み付けするために、心房細動を否定的に示すプリセット値を割り当てることを含む、ことと、
該集合の心房細動への平均関連性を決定することと
を包含する、方法。
【請求項24】
前記比較を重み付けすることが、
生理的値の下端における変動が、心房細動に主としては関連しないものとして指定することと、
生理的値の範囲中央における変動が、心房細動を示すものとして指定することと
を包含する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記比較を重み付けすることが、生理的値の上部範囲における変動が、心房細動を否定的に示すものとして指定することを包含する、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記心室拍動の前記識別の少なくとも一部に基づいて、心室頻搏イベントを識別することをさらに包含する、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記比較することが、比較の集合を生ずるために、最近のR−R間隔を、すぐ前のR−R間隔と比較することを包含する、請求項23に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−516815(P2007−516815A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547636(P2006−547636)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/001849
【国際公開番号】WO2005/072237
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(506219421)カーディオネット, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】