説明

急速充電方法及び装置

【課題】外部蓄電池を充電するための充電用蓄電池の容量を減らして急速充電装置の費用を低減する。
【解決手段】外部蓄電池20への充電が可能な蓄電池(急速充電用蓄電池12、汎用蓄電池14)を備えた急速充電装置10を用いて外部蓄電池20を充電する際に、前記蓄電池(急速充電用蓄電池12、汎用蓄電池14)に加えて、商用電源8を用いて充電する充電器(AC/DCコンバータ11)を、該蓄電池(急速充電用蓄電池12、汎用蓄電池14)と直列又は並列に接続して、外部蓄電池20の充電に用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、急速充電方法及び装置に係り、特に、充電装置側にキャパシタ等による高出力密度電池を設け、電気自動車(以下EV)側に搭載された車載蓄電池等の外部蓄電池に急速充電する際に用いるのに好適な、外部蓄電池を充電するための充電用蓄電池の容量を小さくして、急速充電装置の費用を低減することが可能な急速充電方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
充電装置側に電気2重層キャパシタやリチウムイオン蓄電池等の高出力密度電池を設け、電位差による大電流を用いてEV側に搭載された車載蓄電池等の外部蓄電池に急速充電する技術が考えられている。
【0003】
例えば特許文献1には、常時は交流電源から整流器と充電器によって直流電力を得て設備用蓄電池を常時充電しておき、電気自動車等の負荷の二次電池からの充電要求時に蓄電池から該充電器によって直流電力を得ることで負荷の蓄電池を充電するようにして、設備用蓄電池の常時充電によって交流電源側に対する負荷の平滑化を図り、受電設備の小容量化及び送配電設備の効率良い利用を可能とすると共に、設備用蓄電池からは電気自動車等に対する急速充電によって短時間の手軽な充電サービスを得ることができるようにすること、及び、充電器を設備用蓄電池に対する常時充電と該蓄電池から電気自動車等の蓄電池への急速充電との制御に共用できるようにして、装置自体の設備効率を高めることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−207668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら従来は、(1)設備用蓄電池が大容量で高価であり、(2)充電の早さが設備用蓄電池の放電性能及び充電器の性能により制限されるため、大容量且つ高性能な設備用蓄電池及び充電器が必要で更に高価となり、(3)低電流と大電流に対応した機能を有する充電器が必要であるため、充電器の高機能化により高価となる等の問題点を有していた。
【0006】
このような問題点を解決するべく、図1に示す比較例の如く、設備用蓄電池を、外部蓄電池20への急速充電が可能な急速充電用蓄電池12と、汎用蓄電池14の2段に分けて直列接続し、急速充電用蓄電池12の出力電力に汎用蓄電池14の出力電力を加算して、負荷となる外部蓄電池20を急速充電すると共に、外部蓄電池20を充電していないときに、商用電源8を電源とする共通のAC/DCコンバータ11により、前記急速充電用蓄電池12及び汎用蓄電池14をそれぞれ補充電することが考えられる。
【0007】
ここで、例えば外部蓄電池20に充電するための電圧、電流を仮に400V、100Aとする。急速充電用蓄電池12の電圧が100V、汎用蓄電池14の電圧が300Vとすると、両者を直列接続することにより、電圧は、外部蓄電池20の充電に必要な400Vになる。一方、電流は、直列接続であるから両者とも100Aである。従って、急速充電用蓄電池12の必要容量は100V×100A=10KW、汎用蓄電池14の必要容量は300V×100A=30kWとなる。よって、特に高価な急速充電用蓄電池12の容量は小さくできるが、汎用蓄電池14の容量がかなり大きいものが必要になる。
【0008】
即ち、急速な充放電が可能な蓄電池もしくはキャパシタ等が用いられ、高価である急速充電用蓄電池12の電圧分担を100Vに抑え、使用電池モジュール数を少なくして費用を抑えることができるが、一方、低価格で急速充放電ができないタイプを用いている汎用蓄電池14に使用する電池モジュールの個数は多く必要であるという問題があった。
【0009】
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、外部蓄電池を充電するための充電用蓄電池の容量を小さくして、急速充電装置の費用を低減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、外部蓄電池への充電が可能な蓄電池を備えた急速充電装置を用いて外部蓄電池を充電する際に、前記蓄電池に加えて、商用電源を用いて充電する充電器を、該蓄電池と直列又は並列に接続し、外部蓄電池の充電に用いるようにして、前記課題を解決したものである。
【0011】
ここで、前記充電器として、前記蓄電池を補充電するための充電器を用いることができる。
【0012】
又、前記蓄電池として、外部蓄電池への急速充電が可能な急速充電用蓄電池と、該急速充電用蓄電池と直列接続された汎用蓄電池を用いることができる。
【0013】
又、前記充電器が、前記急速充電用蓄電池と汎用蓄電池の両者を、それぞれ補充電可能とすることができる。
【0014】
又、前記充電器が、外部蓄電池への充電時に、前記急速充電用蓄電池又は汎用蓄電池のいずれか一方の代わりに、又は、前記急速充電用蓄電池及び汎用蓄電池の両者と共に、外部蓄電池を充電するようにすることができる。
【0015】
本発明は、又、外部蓄電池への充電が可能な蓄電池と、外部蓄電池への充電時に、該蓄電池と直列又は並列に接続される、商用電源を用いて充電する充電器と、を備えたことを特徴とする急速充電装置を提供するものである。
【0016】
ここで、前記充電器を、前記蓄電池を補充電するための充電器とし、外部蓄電池への充電時に、該充電器を外部蓄電池に接続するための切換手段を備えることができる。
【0017】
又、前記蓄電池が、外部蓄電池への急速充電が可能な急速充電用蓄電池と、該急速充電用蓄電池と直列接続された汎用蓄電池とを含むことができる。
【0018】
又、前記充電器が、前記急速充電用蓄電池と汎用蓄電池の両者を、それぞれ補充電可能とすることができる。
【0019】
又、前記充電器が、外部蓄電池への充電時に、前記急速充電用蓄電池又は汎用蓄電池のいずれか一方の代わりに、又は、前記急速充電用蓄電池及び汎用蓄電池の両者と共に、外部蓄電池を充電するようにすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、外部蓄電池を充電するための充電用蓄電池の容量を小さくして、急速充電装置の費用を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】急速充電装置の比較例の構成を示すブロック図
【図2】本発明の第1実施形態の基本構成を示すブロック図
【図3】第1実施形態の詳細構成を示す回路図
【図4】同じく制御の手順を示す流れ図
【図5】同じく汎用蓄電池補充電時の回路を示す回路図
【図6】同じく急速充電用蓄電池補充電時の回路を示す回路図
【図7】同じく外部蓄電池急速充電時の回路を示す回路図
【図8】同じく急速充電用蓄電池非使用充電時の回路を示す図
【図9】本発明の第2実施形態の基本構成を示すブロック図
【図10】同じく第3実施形態の基本構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0023】
図1に示した比較例は、放電後の蓄電池12、14を再充電(補充電とも称する)するためにAC/DCコンバータ11を有している。比較例では、このコンバータ11は蓄電池の補充電のためにのみ使用されるものであった。
【0024】
しかし、急速充電装置10を用いて外部蓄電池20を急速充電する動作を行っている間、AC/DCコンバータ11は不使用の状態になっている。そこで、本発明の第1実施形態では、図2に基本構成を示す如く、AC/DCコンバータ11を汎用蓄電池14と並列に接続し、両者を同時に外部蓄電池20の急速充電に使用することにより、汎用蓄電池14の設備容量を削減することができるようにしている。
【0025】
図2においても、図1と同様に設備容量の数値例を記入しており、図1では、図2と比較して、汎用蓄電池14の容量を30kWから300V×50A=15kWに削減することが可能である。なお、これらの数値は一例であり、必要あるいは入手可能な設備容量に応じて自由に選択可能である。
【0026】
第1実施形態の具体的な構成を図3に示す。
【0027】
本実施形態の急速充電装置10は、図1に示した比較例と同様の、外部蓄電池20への急速充電が可能な急速充電用蓄電池12と、該急速充電用蓄電池12と直列接続された汎用蓄電池14と、該汎用蓄電池14を商用電源8を用いて補充電するための充電器であるAC/DCコンバータ11と、外部蓄電池20への充電時に、前記AC/DCコンバータ11を外部蓄電池20に接続して、外部蓄電池20を充電するための切換手段であるスイッチS1〜S4及び急速充電装置10を外部蓄電池20に接続するためのスイッチS5と、AC/DCコンバータ11に流れる電流を検出するための電流計I1と、汎用蓄電池14に流れる電流を検出するための電流計I2と、急速充電用蓄電池12の電圧を検出するための電圧計V1と、汎用蓄電池14の電圧を検出するための電圧計V2と、前記電流計I1、I2、電圧計V1、V2の出力に基づいて前記スイッチS1〜S5を制御する監視制御装置16と、を備えている。
【0028】
以下、図4を参照して、実際に動作する場合の制御方法について説明する。
【0029】
装置始動時、図3に示す初期設定を行う(ステップS100)。これにより、各蓄電池12、14は接続が切り離される。
【0030】
続いて、汎用蓄電池14が補充電が必要かどうかを判定し(ステップS102)、必要であれば補充電を行う。具体的には、汎用蓄電池14の端子解放時の電圧V2を計測し、予め設定された、補充電が必要かどうかを判定するための端子電圧(補充電必要電圧と称する)V2sより小さいかどうかを判定する(ステップS102)。V2がV2s未満であった場合(ステップS102の判定結果Yes)は、図5に示す如く、スイッチS3をONとして、AC/DCコンバータ11による汎用蓄電池14の補充電を行う(ステップS104)。ここで、AC/DCコンバータ11の出力電流は、予め決定された、汎用蓄電池14の補充電に適した電流特性に従って、監視制御装置16の指示により補充電が行われる。補充電の終了判定は、補充電時の電流I2を計測する。I2は補充電の進行とともに徐々に低下するので、I2が予め決定されたI2s未満まで低下したら終了と判定し(ステップS106の判定結果Yes)、スイッチS3をOFFとして、図3に示した初期状態に戻す(ステップS108)。
【0031】
次に、急速充電用蓄電池12の補充電の必要性を判定する。上記と同様に、急速充電用蓄電池12の端子解放時の電圧V1を計測し(ステップS110)、V1が予め設定された補充電必要電圧V1s未満であった場合は補充電を行い、V1s以上であれば補充電を行わない。
【0032】
具体的には、急速充電用蓄電池12の電圧V1が設定電圧V1sより小さいと判定されるとき(ステップS110の判定結果Yes)は、ステップS112に進み、外部蓄電池20が接続されているか否かを判定する(ステップS112)。ここで、外部蓄電池20の接続の有無は、端子部分の接続の有無、CAN通信等の通信手段等により判定する。あるいは、スイッチS5を開いた段階で、外部蓄電池20を接続する端子電圧を計測(電圧計は図示せず)し、この電圧が予め決定された電圧以上であることを判定基準とすることもできる。
【0033】
これらの方法により外部蓄電池20が接続されていないと判定された時には、ステップS114に進み、図6に示すごとく、スイッチS1、S2を切換え、スイッチS4をONとして、AC/DCコンバータ11による急速充電用蓄電池12の充電を行う(ステップS114)。ここで、AC/DCコンバータ11は、急速充電用蓄電池12に適した電流となるように制御を行う。急速充電用蓄電池12に適した電流の特性は、予め決定し、監視制御装置16にプログラムしておく。
【0034】
補充電の終了判定は、補充電時の電流I1を計測する(ステップS116)。I1は補充電の進行とともに徐々に低下するので、I1が予め決定されたI1s未満まで低下したら終了と判定し(ステップS116の判定結果Yes)、スイッチS1、S2を切換え、スイッチS4をOFFとして、図3に示した初期状態に戻す(ステップS118)。
【0035】
なお、これらの補充電は、各蓄電池12、14の放電の程度により実施の必要性が決まるものであり、毎回実施する必要はない。全体の監視制御装置16により各電池の解放時の電圧V1、V2を計測することにより、補充電の必要性が判断され、負荷である外部蓄電池20に対する充電動作を行わない期間を利用して補充電を実施するものとする。
【0036】
一方、ステップS102、110の判定結果がいずれも否で、汎用蓄電池14及び急速充電用蓄電池12が共に充分充電されていると判定されるときには、ステップS120で、ステップS112と同様の方法により、外部蓄電池20が接続されているか否かを判定する。
【0037】
ステップS120の判定結果が正である場合には、ステップS122に進み、図7に示す如く、スイッチS3、S4をONとして、急速充電を行う。この際、汎用蓄電池14だけでなく、AC/DCコンバータ11による外部蓄電池20への充電も行われるので、AC/DCコンバータ11の容量分だけ、汎用蓄電池14の容量を小さくすることができる。
【0038】
急速充電が開始されると、充電の進行にともない外部蓄電池20の電圧が上昇するので、急速充電を維持するための電圧を変更する必要がある。この方法は、例えば急速充電用蓄電池12の電圧を変更する方法により行う(ステップS130)。充電に必要な電圧はCAN通信等の通信手段により外部蓄電池20から要求を受け、その電圧に合わせることで行う。あるいは、充電電流I1+I2を計測し、あらかじめ決定されている電流以下になったら電圧を上昇させる方法も可能である。なお、電圧調整の方法として、上述の方法の他に、汎用蓄電池14の電圧を変更する方法も可能である。
【0039】
また、充電の進行に従って、汎用蓄電池14の電圧は徐々に低下するため、並列に接続されたAC/DCコンバータ11の出力電圧をこれに合わせて変更する必要がある。このためには、定電圧定電流制御等の通常知られた方法を用いればよい。
【0040】
次に、ステップS112の判定結果が正である場合、即ち、汎用蓄電池14は容量が充分あるが、急速充電用蓄電池12の残容量が不足している状態で、外部蓄電池20が接続された場合、ステップS126に進み、図8に示すように、スイッチS1とS2を切換え、スイッチS3をONとして、汎用蓄電池14とAC/DCコンバータ11が直列接続され、急速充電用蓄電池12の代わりにAC/DCコンバータ11を用いて外部蓄電池20が充電されるようにする。この場合も図7の場合と同様、外部蓄電池20の充電進行に合わせてAC/DCコンバータ11の電圧を変更する(ステップS130)。この場合も図7同様に汎用蓄電池14の電圧を変更する方法も可能である。
【0041】
急速充電用蓄電池12の補充電中、前述のように補充電終了判定のために、ステップS116で充電電流I1の大きさを判定するが、同時にステップS112で外部蓄電池20の接続の有無を常時確認する。この理由は、急速充電用蓄電池12の補充電中であっても、外部蓄電池20が接続された場合(ステップS112の判定結果Yes)、直ちに図8に示した方法により外部蓄電池20の充電を行う(ステップS126)ためである。
【0042】
この場合、汎用蓄電池14が流せる電流が図7の場合に比べて少ないため、充電速度は遅くなるが、急速充電用蓄電池12が残容量不足により外部蓄電池20に対する充電動作が実施不可能な状態であっても、充電動作が実施可能である。
【0043】
図7、図8のいずれの方法によっても、外部蓄電池20の充電が完了すれば(ステップS132の判定結果Yes)、装置全体の動作を終了し、スイッチS2を切断して(ステップS134)、最初の状態に戻す。改めて初期設定にて各蓄電池の補充電の必要性判断から開始する。
【0044】
ステップS132で外部蓄電池20の充電終了を判定する方法は、外部蓄電池側からCAN通信等による通信により判定する方法の他、I1+I2により充電電流を計測し、I1+I2が予め決められた値以下になる方法、充電が完了しない場合でも、あらかじめ充電時間を決定しておき、その時間が経過したら終了とする方法等が可能である。
【0045】
以上説明した装置全体の制御は、図3等に示す監視制御装置16にプログラムすることにより全自動で行うことができる。
【0046】
本実施形態においては、急速充電用蓄電池12の残容量が十分でなくても、図8に示す如く、AC/DCコンバータ11を急速充電用蓄電池12の代わりに用いて外部蓄電池20を充電できるようにしているので、急速充電用蓄電池12の補充電を待つことなく外部蓄電池20を充電することができる。なお、図8の接続を行わず、急速充電用蓄電池12の補充電が必要な場合には、外部蓄電池20の充電を行わないようにすることも可能である。
【0047】
次に、図9を参照して、本発明の第2実施形態を詳細に説明する。本実施形態は、第1実施形態の急速充電用蓄電池12の代わりに、第2のAC/DCコンバータ18を汎用蓄電池14と直列に接続して、外部蓄電池20に接続するようにしたものである。
【0048】
本実施形態においては、高価な急速充電用蓄電池を使用しないため、装置全体のコストを低く抑えることができる可能性がある。またAC/DCコンバータの仕様も、第1実施形態では、数値例によれば、出力電圧が100Vから300Vという広範囲の出力電圧を設定可能な仕様とする必要があったが、第2実施形態では、各々のAC/DCコンバータ11、18が独立しているために仕様が低減でき、低価格で実現できる可能性が高い。図9に記載した各設備の電圧電流容量は一例であるが、第1実施形態に比べて上述した小型化がなされていることがわかる。
【0049】
さらに、第2実施形態の特徴として、急速充電用蓄電池の残量不足による動作不能状態が発生せず、装置の稼働率を向上することができる。
【0050】
次に、図10を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。本実施形態は、第1実施形態の急速充電用蓄電池12と並列に第2のAC/DCコンバータ18を接続したものである。この場合には、急速充電用蓄電池12の容量が第1実施形態に比べて小さくできると同時に、第2のAC/DCコンバータ18の出力容量が第2実施形態に比べて小さくできるという特徴がある。また、蓄電池残量低下時の補充電も、汎用蓄電池14を第1のAC/DCコンバータ11で実施すると同時に、急速充電用蓄電池12を第2のAC/DCコンバータ18で補充電することができ、補充電の時間を短縮できる。
【0051】
更に、(1)急速充電用蓄電池12が残量不足の場合には、汎用蓄電池14、第1のAC/DCコンバータ11および第2のAC/DCコンバータ18を用いて、(2)汎用蓄電池14が残量不足の場合には、急速充電用蓄電池12、第1のAC/DCコンバータ11および第2のAC/DCコンバータ18を用いて、充電速度は低下するものの外部蓄電池20の充電を継続することができる。
【0052】
又、(3)汎用蓄電池14および急速充電用蓄電池12がともに残量不足となった場合にも、第1および第2のAC/DCコンバータ11、18のみで外部蓄電池20の充電が可能である。
【0053】
なお、前記の各蓄電池、AC/DCコンバータの出力容量は一例であり、装置の負荷となる外部蓄電池の容量、装置に要求される稼働率等を考慮の上、最適な数値を選定することが可能である。また、各蓄電池、AC/DCコンバータをユニット化し、設備の要求仕様の変更に合わせて必要に応じて増/減設することも可能である。更に、蓄電池の段数は2段に限定されず、1段又は3段以上であっても良く、外部蓄電池もEV用の車載蓄電池に限定されない。又、充電器もAC/DCコンバータに限定されない。
【符号の説明】
【0054】
8…商用電源
10…急速充電装置
11、18…AC/DCコンバータ(充電器)
12…急速充電用蓄電池
14…汎用蓄電池
16…監視制御装置
20…外部蓄電池
S1〜S5…スイッチ(切換手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部蓄電池への充電が可能な蓄電池を備えた急速充電装置を用いて外部蓄電池を充電する際に、
前記蓄電池に加えて、商用電源を用いて充電する充電器を、該蓄電池と直列又は並列に接続して、外部蓄電池の充電に用いることを特徴とする急速充電方法。
【請求項2】
前記充電器として、前記蓄電池を補充電するための充電器を用いることを特徴とする請求項1に記載の急速充電方法。
【請求項3】
前記蓄電池として、外部蓄電池への急速充電が可能な急速充電用蓄電池と、該急速充電用蓄電池と直列接続された汎用蓄電池を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の急速充電方法。
【請求項4】
前記充電器が、前記急速充電用蓄電池と汎用蓄電池の両者を、それぞれ補充電可能とされていることを特徴とする請求項3に記載の急速充電方法。
【請求項5】
前記充電器が、外部蓄電池への充電時に、前記急速充電用蓄電池又は汎用蓄電池のいずれか一方の代わりに、又は、前記急速充電用蓄電池及び汎用蓄電池の両者と共に、外部蓄電池を充電するようにしたことを特徴とする請求項3又は4に記載の急速充電方法。
【請求項6】
外部蓄電池への充電が可能な蓄電池と、
外部蓄電池への充電時に、該蓄電池と直列又は並列に接続される、商用電源を用いて充電する充電器と、
を備えたことを特徴とする急速充電装置。
【請求項7】
前記充電器が、前記蓄電池を補充電するための充電器であり、
外部蓄電池への充電時に、該充電器を外部蓄電池に接続するための切換手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載の急速充電装置。
【請求項8】
前記蓄電池が、外部蓄電池への急速充電が可能な急速充電用蓄電池と、該急速充電用蓄電池と直列接続された汎用蓄電池とを含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の急速充電装置。
【請求項9】
前記充電器が、前記急速充電用蓄電池と汎用蓄電池の両者を、それぞれ補充電可能とされていることを特徴とする請求項8に記載の急速充電装置。
【請求項10】
前記充電器が、外部蓄電池への充電時に、前記急速充電用蓄電池又は汎用蓄電池のいずれか一方の代わりに、又は、前記急速充電用蓄電池及び汎用蓄電池の両者と共に、外部蓄電池を充電するようにされていることを特徴とする請求項8又は9に記載の急速充電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−19602(P2012−19602A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155180(P2010−155180)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(000004123)JFEエンジニアリング株式会社 (1,044)
【出願人】(500091520)株式会社アイケイエス (7)
【Fターム(参考)】