患者の組織を特徴づける方法
患者の組織を特徴づける方法であって、組織と当該組織に放射線を照射する音響波との間の相互作用から取り出した音響データを受信するステップと、音響データから組織の形態レンダリングを生成するステップであって、このレンダリングが組織の少なくとも一の生物力学的特性を表わすステップと、レンダリングにおける対象領域の予後パラメータを決定するステップであって、予後パラメータが生物力学的特性を組み入れているステップと、予後パラメータを分析して対象領域を特徴づけるステップと、を具える方法。ある実施例では、この方法が更に、造影剤を組織に導入するステップと、造影剤を組織に導入した後に強化形態レンダリングセットを生成するステップと、この強化形態レンダリングから強化予後パラメータを決定するステップと、この強化予後パラメータを分析するステップと、を具える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願のクロスリファレンス
本出願は、2011年2月14日出願の米国特許出願第13/027,070号、及び、2010年2月12日出願の米国暫定特許出願第61/304,360号の利益を請求する。両出願共に、引用によって全体が組み込まれている。
【0002】
本発明は、医療用画像分野に関するものであり、特に、超音波画像フィールドで患者の組織を特徴づける改良された方法に関する。
【背景技術】
【0003】
乳癌及びその他の癌の早期発見は、癌治療を成功させるのに特に重要な要因である。しかしながら、一部の癌患者については、この疾病が早期に検出されない理由がいくつかある。一つの理由は、スクリーニング性能の限界である。例えば、高濃度乳房組織を持つ女性は乳癌が発生する相対リスクが非常に高いが、マンモグラフィ(胸部検査の現在の標準ツール)は、高濃度乳房組織を持つ患者の癌検出感度が低く、偽陰性率を比較的高いものにしている。換言すると、マンモグラフィの性能は、通常、高濃度乳房組織を有する高リスクの女性群については悪い。乳癌の発見が遅れる別の理由は、胸部組織検査への参加が制限されていることである。毎年のマンモグラフィの受診率の低さは、一部は、検査ツールへのアクセスが制限されていること(マンモグラフィを行うには、特別な医療センターと高度に訓練されたスタッフが必要である)や、放射線への恐怖感や、不快感に起因している。更に、マンモグラフィに電離性があるため、生涯に亘って過剰な放射線のリスクを負うであろう若い女性にはマンモグラフィの使用が制限される。
【0004】
磁気共鳴映像法(MRI)は、比較的快適であることと、放射線のない撮像能力によって、マンモグラフィの制限のいくつかを改善するが、MRIは日常的に使用するには非常に高価であり、アクセスのしやすさに制限がある。癌の発見を改善することは、後期に乳癌を発見するパーセンテージを低くするであろう。従って、医療用画像分野には、患者の組織を特徴づける改良された方法を生み出す必要がある。本発明は、このような改良された方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、第1の好ましい実施例の方法を示す図である。
【図2】図2A及び2Bは、好ましい実施例の方法で使用する超音波スキャナを示す図である。
【図3】図3は、好ましい実施例の方法における形態レンダリングを生成するステップの変形例を示す図である。
【図4】図4は、好ましい実施例の方法における形態レンダリングを生成するステップの変形例を示す図である。
【図5】図5は、好ましい実施例の方法における形態レンダリングを生成するステップの変形例を示す図である。
【図6】図6は、好ましい実施例の方法における予後パラメータを決定するステップをまとめた表である。
【図7】図7A及び7Bは、それぞれ、好ましい実施例の方法における予後パラメータを分析するステップの決定ツリーの変形例と予測モデルの変形例を示す図である。
【図8A】図8Aは、第2の好ましい実施例の方法の変形例を示す図である。
【図8B】図8Bは、第2の好ましい実施例の方法の変形例を示す図である。
【図9】図9は、第2の好ましい実施例の方法における、改良された予後パラメータを決定するステップをまとめた表である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の好適な実施例の以下の説明は、これらの好適な実施例に本発明を限定するものではなく、当業者に本発明を実施できるようにするものである。
【0007】
図1に示すように、好ましい実施例の患者の組織を特徴づける方法100は:組織と組織に照射する音響波との相互作用から生じる音響データを受信するステップS110と;当該音響データから形態レンダリングを生成するステップであって、当該レンダリングが組織の少なくとも一の生物力学的特性を表わすものであるステップS120と;前記レンダリングの対象領域用の予後パラメータを決定するステップであって、この予後パラメータが生物力学的特性を組み入れているステップS160と;対象領域を特徴づける予後パラメータを分析するステップS180と;を具える。第2の好ましい実施例では、この方法が更に、造影剤を導入するステップS190を具える。この方法によって、患者の中の組織量を、正確に、安く、快適に、かつ入手しやすく、評価することができる。この方法は、好ましくは超音波放射を組み入れて、音響反射(組織からの音響波の反射に基づく)、音響減衰(組織内の音響波の振幅変化に基づく)、及び音響速度(発信器と受信器間の音響信号の発信時間と到着時間に基づく)、などの組織の生物力学的特性を測定する音響データを得るようにしている。一の好ましい実施例では、この方法はヒト又はその他の動物の乳癌の検出に使用されているが、代替的に、適宜の種類の癌の検出に使用することもできる。この方法はまた、組織を特徴づけて癌の存在を診断し、癌のタイプを評価し、癌の大きさを決定する(例えば、組織内の悪性部分を外科的に除去できるかどうかを決定するため)、あるいは、癌の発達のリスクを評価する(例えば、胸部組織密度を測定する)のに、使用することができる。患者の様々な試験でこの方法を繰り返して、組織の特徴づけと評価を繰り返すことができる。例えば、この方法を様々な回数繰り返すことで、試験間の組織の特徴における差異によってマークされた、成長している病変部(例えば癌や、線維腺腫)を確認及び/又はモニタすることができる。この方法は、しかしながら、組織の特徴づけを含む、適宜のアプリケーションに用いることができる。
【0008】
音響データを受信するステップS110は、組織に放射線を当てるか、あるいは、高周波音波を当てるかして、組織の音響測定値を得るよう機能する。音響データを受信するステップS110は、組織に対して音響波を送信する複数のトランスミッタで組織をスキャンニングするステップS112と、音響波が組織と相互作用した後、音響波を検出する複数の受信機で音響波を検出するステップS114を具えることが好ましい。この検出した音響波は、組織で散乱した音響波を含んでおり、この散乱した音響波が、反射波と音響波との混合波を具えることが好ましい。組織をスキャンニングするステップS112と、音響波を検出するステップS114は、好ましくは、超音波CT装置と、米国特許第6,385,474号、第6,728,567号及び米国特許公開第2008/0275344号に記載の方法と同様の方法を用いて行われる。これらの公報は、引用により全体が組み込まれている。しかしながら、適宜のスキャナを用いても良い。図2Aに示すように、組織をスキャンニングするステップS112と音響波を検出するステップS114は、孔のあいたスキャナ台に胃を下にしてうつぶせに寝た患者をスキャンする間に行うことが好ましい。この台は、帆布などの丈夫で柔軟な材料で作ることができ、患者の身体にぴったり沿うことが好ましく、これによって、胸部のわきの下領域へのスキャンニングアクセスを改良し、患者の快適性が増す。台に設けた孔によって、胸部が台を通って突出し、音響波を伝達する水又はその他の適宜の流体で満たされた撮像タンクに浸漬される。図2Bに示すように、リング形状のトランスデューサが撮像タンク内に配置されており、胸部を取り巻く、あるいは取り囲んでいる。組織に向けて安全な非イオン化超音波パルスを当てる複数の発信機と、組織から発散するデータを受信し記録する複数の検出器が、リング型トランスデューサの周りに配置されている。スキャンニングステップS112の間に、リング型トランスデューサが、胸壁と胸部のニップル領域との間の前後方向など、組織に沿って移動して、好ましくは分離したスキャンニングステップにおける音響反響、音響減衰、及び音響速度などの測定値を含む音響データ、あるいは冠状「スライス」を取得する。組織の各「スライス」断面の音響データは、音響反響データセット、音響減衰データセット、及び音響速度データセットを含むことが好ましい。しかしながら、リング型トランスデューサは、追加で及び/又は代替的に、スキャンニングステップの間に適宜の生物力学的特性を含んでいても良い。スキャンニング及び検出ステップは、「スライス」当たり約1秒より少ないデータ取得時間というように、迅速であることが好ましく、これが連続形態レンダリングにおける動きアーチファクトを防止するとともに、造影剤の使用を可能にする。音響データを受信するステップS110は、追加で及び/又は代替的に、ハードドライブなどのストレージ装置又はオンラインサーバから音響データを取り出すステップを具えていても良い。
【0009】
音響データから組織の形態レンダリングを生成するステップS120は、分析に利用できる媒体に音響データを送るように機能する。図3A及び3Bに示すように、形態レンダリングを生成するステップS120は、好ましくは複数のレンダリングを生成するステップを具える。図1に示すように、好ましい実施例では、複数のレンダリングを生成するステップS120が、組織からの音響反射を表わす音響反射レンダリングを生成するステップS124と、組織内での音響減衰を表わす音響減衰レンダリングを生成するステップS132と、組織内の音響速度を表わす音響速度レンダリングを生成するステップS136と、を具える。しかしながら、複数のレンダリングを生成するステップは、追加で及び/又は代替的に、測定可能な組織の生物力学的特性を表わすレンダリングを生成するステップを具えていても良い。
【0010】
図3Aに示すように、音響反射レンダリングを生成するステップS124は、音響反射を表わす二次元(2D)画像セットを生成するステップS125を具えており、ここでは、各画像が、特定の分散スキャンニングステップの間に取得した組織の特定の断面における組織の音響反射を表わしている。換言すると、2D音響反射画像セットは、スキャンニングした組織の全体(あるいは部分)体積からの音響反射を集合的に表わす2Dレンダリングスタックを形成している。2D音響反射画像セット(Ir)は、組織の音響インピーダンスの変化から取り出され、組織のエコーテキスチュアデータと身体構造上の詳細を提供する。音響反射レンダリングを生成するステップS124は、追加で及び/又は代替的に、組織の音響反射率を体積で表わす3次元(3D)音響反射レンダリングを生成するステップS126を具えていても良い。第1の変形例では、図3Aに示すように、3D音響反射レンダリングを生成するステップS126は、2D音響反射画像セットを、三次元(3D)音響反射レンダリングに組み入れるステップを具える。第2の実施例では、図3Bに示すように、3D音響反射レンダリングを生成するステップS126’は、3Dで組織をスキャンニングすることで取得した3D体積音響データを、3D音響反射レンダリングに直接変換するステップを具える。
【0011】
ステップS124と同様に、音響反射レンダリングを生成するステップS132は、音響減衰を表わす二次元(2D)画像セットを生成するステップS133を具えており、ここでは、各画像が、特定の分散スキャンニングステップの間に取得した組織の特定の断面における組織内の音響減衰を表わしており、組織内の音響減衰用2Dレンダリングスタックを形成する。音響減衰レンダリングを生成するステップS132は、追加で及び/又は代替的に、スキャンニングした組織の体積内の音響減衰を体積で表わす、3D音響減衰レンダリングを生成するステップS134を具えていても良い。変形例S134及びS134’は、音響反射用の類似するステップS126及びS126’の変形例とそれぞれ同様である。
【0012】
ステップS124及びS132と同様に、音響速度レンダリングを生成するステップS136は、各画像が組織内の音響速度を表わしている2D画像セットを生成するステップS137を具え、組織内の音響速度の2Dレンダリングスタックを形成している。音響速度レンダリングを生成するステップS136は、追加で及び/又は代替的に、スキャンした組織の体積内の音響速度を体積として表わす3D音響速度レンダリングを生成するステップS138を具えていてもよい。変形例S138とS138’は、音響反射についての類似するステップS126とS126’の変形例とそれぞれ同様である。
【0013】
いくつかの実施例では、形態レンダリングを生成するステップS120が更に、少なくとも一の音響反響レンダリングと、少なくとも一の音響減衰レンダリングと、及び/又は少なくとも一の音響速度レンダリングを、2D又は3Dレンダリングを合わせたセットに組み合わせるようにしても良い。一の変形例では、図4に示すように、形態レンダリングを生成するステップS120が、2D音響反射レンダリングセットの少なくとも一部と、2D音響減衰レンダリングの少なくとも一部と、及び/又は2D音響速度レンダリングの少なくとも一部を組み合わせることで、2Dレンダリングを合わせたセットを生成するステップS142を具える。別の変形例では、形態レンダリングを生成するステップS120が、3Dレンダリングを合わせたセットを生成するステップS144を具える。3Dレンダリングを合わせたセットを生成するステップS144は、図5Aに示すように、別々の3D生物力学的特性レンダリングを組み合わせるステップS145(例えば、3D音響反射レンダリングと、3D音響減衰レンダリングと、及び/又は3D音響速度レンダリングを組み合わせる)を具える。3Dレンダリングを合わせたセットを生成するステップS144は、図5Bに示すように、代替的に、2Dレンダリングを合わせたセットを、3D体積レンダリングに組み合わせるステップS146を具えていても良い。
【0014】
組み合わせた、あるいは統合したレンダリングは、互いに重なって、複数の生物力学的特性を同時に見られるように可視化して、組織の特徴を容易により総合的に評価できるようにしている。図5Cに示すように、2D又は3Dレンダリングを統合した2D又は3Dレンダリングに組み合わせるステップは、音響反射レンダリングと、音響減衰レンダリングのスレッシュホールド版と、音響速度レンダリングのスレッシュホールド版を組み合わせるステップS148を具えることが好ましい。組み合わせステップS148の変形例は、レンダリングのスレッシュホールド版(適宜のスレッシュホールド値がある)又は非スレッシュホールド版を組み合わせるステップを具えていても良い。一の実施例では、このレンダリングは:(1)反射レンダリング、(2)音響速度レンダリングの第1スレッシュホールド版(第1速度スレッシュホールド“a”と第2スレッシュホールド“b”の間にある音響速度レンダリングの測定を含む)、及び(3)音響速度レンダリングの第2スレッシュホールド版(第3速度スレッシュホールド“c”の上にある音響速度レンダリングの測定を含む)とスレッシュホールド化した音響減衰画像(減衰スレッシュホールドの上の音響減衰画像の測定を含む)との組み合わせ、を加えることによって統合される。一の実施例では、スレッシュホールド“a”、“b”、“c”、及び“d”は、どのスレッシュホールド値が、MRI又はその他の関連する画像モダイリティに見られるものとほとんど同様の腫瘤のマージン(多数のあるいは組織構造のアウトラインなど)を生み出すかを決めることによって、設定される。この統合は、以下の式に従って表わすことができる。ここでは、カッコ内の数学的手法は、論理「AND」動作を意味する:
しかしながら、適宜の式又はアルゴリズムを用いて、様々な変形レンダリングを単一レンダリングに統合させたり融合させることができる。
【0015】
この方法は、更に、他の生物力学的特性レンダリングに基づいて、生物力学的特性レンダリングの少なくとも一つを繰り返すステップを具えていても良い。例えば、音響減衰及び/又は音響速度レンダリングにおける対象領域を強調するために使用したスレッシュホールドを変更するステップが、組織の性質について更に洞察するのに十分に音響減衰及び/又は音響速度レンダリングを変化させて、音響反射レンダリングを繰り返し改良することができる。しかしながら、この反復は、音響反射、音響減衰、及び音響速度レンダリングのいずれかを、これらのレンダリングの他のものに基づいて修正するステップを含んでいる。更に、この方法は、レンダリングを統合する際に用いたスレッシュホールド(例えば、スレッシュホールド“a”、“b”、“c”、及び“d”)を繰り返して修正するステップを具えていても良い。
【0016】
この方法は、更に、形態レンダリングから組織の対象領域を認識するステップS150を具えていても良く、これは、診断及び/又はモニタリングの目的など、更に注意を必要とする組織の部分を設定するよう機能する。病変部位などの対象領域は、3D音響反射レンダリングの上にある場合に腫瘤の概略を示すことによって、認識及び/又は標識することが好ましい。例えば、反射レンダリング上の疑義のある腫瘤のマージン鮮明さのスレッシュホールド、あるいは別の適宜のスレッシュホールドを、組織中の対象領域の境界を認識するのに使用することができる。認識した対象領域の概要は、3D音響減衰及び/又は音響速度レンダリングで反復することが好ましい。対象領域は、代替的に、2D病変部あるいは2D音響反射画像レンダリング間の腫瘤として認識し、2D音響減衰及び/又は音響速度レンダリングで反復するようにしても良い。しかしながら、対象領域は、代替的に、音響減衰及び/又は音響速度レンダリングで、あるいはその他の生物力学的特性レンダリングで認識することもできる。対象領域の境界は、様々な生物力学的特性レンダリング間の境界を順次改良するなどして、繰り返して認識することができる。
【0017】
レンダリングにおいて対象領域についての予後パラメータを決定するステップS160は、組織における対象領域の生物力学的特性を定量化して、対象領域を特徴づける(例えば、予測する、モニタする、又は記述する)測定値を提供するよう機能する。予後パラメータを決定するステップは、一又はそれ以上の定量的予後パラメータを決定するステップS162、及び/又は、一又はそれ以上の定性的予後パラメータを決定するステップS172を具えていても良い。定量的予後パラメータは、音響反射に対応する反射指数、減衰の絶対的又は相対的容量平均値、及び/又は、対象領域の音響速度の絶対的又は相対的容量平均値を含むものでも良い。定性的予後バラメータは、統合した及び/又は未統合の形態レンダリングにおける対象領域の音響反射、音響減衰、及び音響速度の形状又はその他の特徴を含むものでも良い。これらの定量的及び定性的予後パラメータの全てが決まることが好ましいが、これらのパラメータの一部のみを決定するようにしても良い。このようにして、予後パラメータは、音響速度、減衰、及び/又はその他の生物力学的特性の定量的測定値、及び/又は、組織及び/又は病変部の定性的形態特性を組み入れることによって、組織の腫瘤を特徴づける場合に、2D超音波アプリケーション用に通常使用されている既存のBIRADS基準(Breast Imaging Reporting and Data System)を超えたものになる。これらの拡大された予後パラメータは、更に、三つの空間寸法全てから引き出される病変部の特徴づけを用いることによって、現在のBIRADS基準を超えて、3D特徴づけの領域へ拡張することができる。更に、追加の予後情報を、様々な時間インターバルで実行した複数の患者の検査から取り出したこれらのパラメータの時間依存性を特徴づけることによって、増やすことができる。
【0018】
図6に示すように、一又はそれ以上の定量的予後パラメータを決定するステップS162は、一又はそれ以上のレンダリングから対象領域の生物力学的特性の容量平均値を計算するステップS166を具えていても良い。一の変形例では、容量平均値を計算するステップS166は、対象領域の容量を超えて平均化した生物力学的特性の絶対平均値(つまり、平均)を計算するステップS167を具える。例えば、平均音響減衰及び音響速度測定値の絶対値は、3D音響減衰レンダリングと3D音響速度レンダリングからそれぞれ計算することが好ましいが、代替的に、2D音響減衰及び音響速度レンダリングからそれぞれ計算することもできる。これらの平均の絶対値は、3D又は2Dレンダリング上の対象領域内の画素の統計分析と、対象領域の腫瘤の容量平均によって決定することが好ましい。しかしながら、容量平均は、適宜の方法で計算した対象領域の生物力学的特性の代表的な値であってもよい。例えば、音響速度の平均値は、米国特許公開第2008/0275344号に記載されているようにして計算することができる。別の例として、容量平均値は、追加で及び/又は代替的に、対象領域全体に亘る生物力学的特性値の空間的分配によって重みづけするなど、その他の態様を含むものでも良い。
【0019】
別の変形例では、容量平均値を計算するステップS166が、対象領域の生物力学的特性の絶対値と、対象領域を囲むバックグラウンド組織の生物力学的特性の値との差異を考慮した、生物力学的特性の相対値を計算するステップS168を具えている。この差異を考慮することは、スキャンした組織の残りの部分に比較した対象領域の生物力学的特性における測定差を利用している。この変形例では、容量平均値を計算するステップS166が更に、対象領域以外の組織の生物力学的特性のバックグラウンド値を計算するステップを具える。一例では、生物力学的特性の相対値を計算するステップS168が、対象領域の生物力学的特性の絶対値から生物力学的特性のバックグラウンド値を減算するステップを具える。代替的に、相対値を計算するステップS168は、生物力学的特性のバックグラウンド値によって対象領域の生物力学的特性の絶対値を除算するステップを具えていても良い。しかしながら、生物力学的特性の相対値を計算するステップS168は、何らかの数学演算、又は、対象領域の生物力学的特性の絶対値をバックグラウンド組織の生物力学的特性の絶対値に関連付けるその他の比較を、具えていても良い。スキャンから生じるシステム上のエラーは、バックグラウンドの測定と生物力学的特性の絶対値の両方に存在するため、対象領域の生物力学的特性の相対値を計算することで、システム上のエラーを相殺し、結果として得られた対象領域の相対値がこれによって正規化される。生物力学的特性のバックグラウンド値は、対象領域を囲むバックグラウンド組織における生物力学的特性の測定値である。例えば、バックグラウンド測定値は、対象領域と組織を取り囲む境界との間の対象領域を囲む組織の体積における生物力学的特性(例えば、音響減衰又は音響速度)の平均値であっても良い。この組織を取り囲む境界は、2cmといった特定のマージン、あるいは適宜の距離だけ、対象領域の境界を伸ばすことによって規定することができる。しかしながら、組織を取り囲む境界は、適宜の方法で規定することができ、バックグラウンド測定値は、対象領域以外の組織の適宜の部分における生物力学的特性の測定値であっても良い。特に、予後パラメータは、対象領域の音響減衰の相対容量平均値、及び/又は対象領域の音響速度の相対容量平均値を含むものでも良い。
【0020】
図6に示すように、一又はそれ以上の定性的予後パラメータを決定するステップS172は、音響反射レンダリング、音響減衰レンダリング、及び/又は音響速度レンダリングの態様を特徴づけるステップを具えていても良い。音響反射レンダリングについては、一又はそれ以上の定性的予後パラメータを決定するステップS174が、対象領域のマージンの鮮明さ(例えば、鮮明あるいは不鮮明)、形状(楕円又は非楕円)、あるいはアーキテクチュア(周辺組織の変わった生体構造の存在又は不存在)を特徴づけるステップを具える。音響減衰レンダリングについては、一又はそれ以上の定性的予後パラメータを決定するステップS172が、音響減衰レンダリングにおいて対象領域の2D又は3D形状(例えば、平滑又は不均一)を特徴づけるステップS176を具える。音響速度レンダリングについては、一又はそれ以上の定性的予後パラメータを決定するステップS172が、音響速度レンダリングにおいて、対象領域の2D又は3D形状(例えば、平滑又は不均一)を特徴づけるステップS178を具える。しかしながら、定性的予後パラメータは、生物力学的特性レンダリングの適宜の態様を特徴づけるステップを具えていても良い。更に、定性的予後パラメータは、音響反射レンダリングについての対象領域の、不鮮明なマージンに対しては「1」、鮮明なマージンに対しては「2」といった、定量的測定に変換することもできる。別の例として、定性的予後パラメータは、定性的態様を表わす度合いを分類するスケールにおける値(例えば1から5)といった、定量的な測定値に変換することもできる。例えば、音響反射レンダリングにおける対象領域のマージン鮮明さは、非常に鮮明であれば「1」として、普通に鮮明であれば「3」として、あるいは非常に不鮮明であれば「5」として、反射率で分類することができる。
【0021】
予後パラメータを分析するステップS180は、予後パラメータを用いて、対象領域を予測するあるいは特徴づけるよう機能する。この分析は、好ましくは対象領域が癌性腫瘤か、良性線維腺腫か、嚢胞か、別の良性所見か、正体不明の腫瘤(例えば、所見がない)か、あるいは適宜の特徴付け又は分類かを予測することが好ましい。しかしながら、この分析は、追加で及び/又は代替的に、一又はそれ以上の予後パラメータの傾向を時間をかけて、または、適宜のアプリケーション用にモニタするようにしても良い。予後パラメータを分析するステップS180は、定量的又は定性的である複数の予後パラメータの分析を含むものが好ましい。例えば、図6に示すように、この分析は、癌の存在を個別に提言できる予後パラメータを評価するものである。音響反射に関するパラメータでは、癌性腫瘤の兆候が典型的に、音響反射画像に、不明瞭な及び/又ははっきりしない針骨状又は微細分葉状辺縁として、非楕円形状に、腫瘤効果及び/又は退縮による周辺組織に変形した生体構造を含む構造上のひずみとしてマークされる。これに対して、良性腫瘤は、通常、音響反射画像において、鮮明な辺縁を持ち、楕円形状であり、構造上のひずみが少ないか全くないものとしてマークされる。音響減衰に関するパラメータについては、癌性腫瘤の兆候は、音響減衰の比較的高い絶対及び相対容量平均値としてマークされる。音響波は、通常、胸部組織等の周辺脂肪組織より癌性腫瘤内でより高い減衰となるためである。これに対して、良性腫瘤は、比較的低い絶対及び相対容量平均値の減衰としてマークされる。例えば、2MHzの周波数で腫瘍を伝搬した音響波は、通常、脂肪に比べて約0.25乃至0.5dB/cm減衰する。音響速度に関するパラメータについては、癌性腫瘤の兆候は、比較的早い音響速度となることによってマークされる。なぜなら、音響波は、通常、胸部組織などの周辺脂肪組織内より癌性腫瘤内でより速い速度で移動するからである。例えば、音響波は、脂肪組織より癌性腫瘤内で約50乃至150メートル/秒速く移動する。これに対して、良性腫瘤は、比較的低い音響速度の絶対及び相対容量平均値でマークされる。
【0022】
第1の変形例では、予後パラメータを分析するステップS180が、予後パラメータを枝分かれした態様で様々なスレッシュホールドと比較して、スレッシュホールドに対する予後パラメータ間の比較に基づいて、対象領域の最終的な特徴づけに到達する、決定ツリーS182を具える。決定ツリーは、音響反射、音響減衰、及び/又は音響速度に関する予後パラメータを具えていることが好ましいが、追加で、及び/又は代替的に、適宜の生物力学的特性(定性的予後パラメータの定量的分類など)用のパラメータを具えていても良い。一の特定の実施例では、決定ツリーの一番上における比較は、絶対又は相対容量平均音響減衰値が、第1のスレッシュホールドより低いか、またはそれと同じであるかの第1枝と、絶対又は相対容量平均減衰値がスレッシュホールドより高いか否かの第2枝に分かれる。これらの第1枝及び第2枝は、各々、更に、反射率、音響減衰及び音響速度の絶対又は相対容量平均値をその他のスレッシュホールドに比較する方法に基づいて、異なる経路に分割される。決定ツリーに従うと、予後パラメータは、対象領域が、例えば癌性か癌性でないかの決定又は予測に達する。特定のスレッシュホールドは、例えば、スレッシュホールドセットの診断結果を、MRIなどのその他の方法の診断結果と比較することによって、及び/又は、既知の癌患者からのデータと超音波断層写真を組み入れることよって、など経験的に決定することができる。更に、各予後パラメータの重要性は、当業者に知られている戦略であるカイ二乗法、利得比、及び情報獲得などの属性選択アルゴリズムを用いて評価される。
【0023】
第2の変形例では、図7Bに示すように、予後パラメータを分析するステップS180は、予後パラメータを予測モデルに入力するステップS184を具える。入力は、音響反射、音響減衰、及び/又は音響速度に関する予後パラメータを含んでいても良いが、追加で及び/又は代替的に適宜の生物力学的特性(定性的予後パラメータの定量的分類など)用のパラメータを含んでいても良い。予測モデルは、既知の癌患者か、あるいは、既知の病変があるその他の患者からのデータを用いて、外部で認証することができる。しかしながら、予測モデルは、適宜のプロセスで認証しても良い。更に、予測モデルを作成するに当たっては、予測モデルは、偏った影響力を持ってあるいはシステマチックに誤判別に関連する共変量パターンを同定すべく、評価される。この評価は、一又はそれ以上の可能な最適予測モデルを選択するツールとして受診者動作特性(ROC)曲線を具えることが好ましい。ROC曲線はモデル予測を用いて構築し、少なくとも90%の感度を維持しつつ、偽陽性率を最小に抑えて癌を予測する、音響反射率、音響減衰、及び音響速度の重み付けした組み合わせを決定することが好ましい。ROC曲線の下の面積は、このモードの全体の精度を表しており、(1)感度、すなわちスキャナによって癌があると決定された癌がある患者のデータセットにおける比率、(2)特異度、すなわち、スキャナによって癌がないと決定された癌がない患者のデータセットにおける患者の割合、(3)偽陽性率、すなわち、スキャナによって癌があると間違って決定された癌がない患者のデータセットにおける割合、及び(4)偽陰性率、すなわち、スキャナによって癌がないと間違って決定された癌がある患者のデータセットにおける割合、とまとめることができる。感度及び特異度は、実験によるデータセットのうち疑わしい対象領域を見つけることを条件とする、条件的判断であることが好ましい。しかしながら、ROC曲線、及び/又はその他の方法のその他の側面は、更に、予測モードを発展させて評価するのに使用できる。
【0024】
第3の変形例では、予後パラメータを分析するステップS180が、癌の存在を個々に提言する定性的予後パラメータを評価するステップを具える。音響反射に関するパラメータとしては、癌性組織の兆候が通常、(1)不明瞭な、及び/又ははっきりしない針骨状又は微細分葉状辺縁、(2)非楕円形状、及び(3)腫瘤効果及び/又は退縮による周辺組織に変形した生体構造を含む構造上のひずみを有することによって、音響反射にマークされる。これに対して、良性腫瘤は、通常、音響反射画像において、(1)鮮明な辺縁と、(2)楕円形状を持ち、及び(3)構造上のひずみが少ないか全くないことによって、音響反射にマークされる。
【0025】
予後パラメータを分析するその他の変形例S180は、第1、第2、及び第3の変形例の様々な組み合わせを含むものでも良い。例えば、これらの変形例のうちの二つ、又は三つ全部を実行しても良く、分析の成果が、主な変形例が作る特徴付けであってもよい。
【0026】
第2の好ましい実施例では、図8Aに示すように、この方法200が更に、組織に造影剤を導入するステップS190を具えており、このステップは、入手可能な予後パラメータの数を増やし、特徴付けの精度を潜在的に上げるように機能する。この実施例では、この方法が更に:造影剤を組織に導入した後に時間に依存した強化音響データセットを受信するステップS210と;時間に依存した強化音響データセットから強化形態レンダリングセットを生成するステップS220と;強化レンダリングセットに基づいて強化予後パラメータを決定するステップS260と;強化予後パラメータを分析するステップS280と;を具えることが好ましい。これらのステップと、本方法の第1の好ましい実施例のステップは、適宜の順番で実施することができる。例えば、図8Bに示すように、非強化及び強化音響データを集めて、非強化及び強化レンダリングを生成するステップを、予後パラメータと強化予後パラメータを決定して分析する前に実行するようにしても良い。
【0027】
造影剤を組織に導入するステップS190は、組織にDefinity、Optison、及び/又は医療診断に適した造影剤を導入するステップを具えていても良い。この造影剤は、第1の音響データセット(造影剤のないもの)を取得した後に導入して、第1の音響データセットが、ベースラインとなる形態レンダリングを生成するベースラインを形成するようにすることが好ましい。換言すると、第1の好ましい実施例の方法のいくつかのあるいは全てのステップが、造影剤を導入する前の、初期に行われる。代替的に、本方法の第2の実施例では、造影剤を導入する前に音響データを受信するステップは省略して、造影剤の効果なしでベースラインのレンダリングが形成されないようにしてもよい。造影剤は、当業者に公知であるように、スキャンニング開始時に静脈内に導入して(または適宜の方法で)、組織の体積全体を循環させることができる。造影剤の導入は、強化した音響データに基づいてレンダリング中に造影剤が出現する際に、対象領域とそれを取り囲む組織間の生物力学的差異を更に強化することが好ましい。特に、造影剤を用いて、相対音響反射と、音響減衰を上げて、対象領域内の相対音響速度を下げることができる。
【0028】
時間に依存した強化音響データセットを受信するステップS210は、音響波と造影剤が導入された組織が相互作用する間の様々な時間で、「スナップショット」を提供するデータを取得するように機能する。強化音響データから強化形態レンダリングを生成するステップS220は、時間に依存した生物力学的特性を表わす一又はそれ以上の経時的レンダリングを提供するよう機能する。時間に依存した強化音響データセットを取得するステップS210と、強化形態レンダリングを生成するステップS220は、第1の好ましい実施例の音響データを取得するステップS110と形態レンダリングを生成するステップS120と同様であることが好ましい。リング型トランスデューサあるいは、その他の適宜のトランスデューサは、組織に沿ったデータを取得する反復経路を特定の時間インターバルで作り、造影剤の導入後の様々な時間に対応して形態レンダリングを生成できるようにする。例えば、この一連の強化レンダリングは、t=0秒(造影剤の導入時)と、例えば420秒といった、最大ほぼ30秒ごとに対応する一又はそれ以上の生物力学的特性のレンダリングを具えていても良い。しかしながら、このレンダリングは、適宜の時間インターバルや、造影剤導入後の一回の時点のみ(時間インターバルでの反復スキャンと言うより、むしろ単回スキャンに対応するレンダリング)を含む造影剤導入後の適宜の時間に対応しても良い。
【0029】
強化レンダリングセットに基づく強化予後パラメータを決定するステップS260は、造影剤を導入した結果としての生物力学的特性の変化の測定値を確立するよう機能する。一又はそれ以上の強化予後パラメータは、第1の実施例の方法の予後パラメータと同様に(又は、造影剤の導入前に):組織内に造影剤を導入した後の対象領域における、音響反射率を表わす音響反射パラメータと、音響減衰を表わす音響減衰パラメータと、及び/又は音響速度を表わす音響速度パラメータと、を具える。図9に示すように、一又はそれ以上の強化予後パラメータを決定するステップが、追加で及び/又は代替的に:時間に依存した強化レンダリングセットで造影剤流の動態を決定するステップS262(例えば、音響反響、音響減衰、及び/又は音響速度レンダリングにおいて視覚化された「流入、流出」フロー)、ベースラインレンダリング間及び強化レンダリング間での対象領域における生物力学的特性値(例えば、音響減衰又は音響速度の容積平均値)の最大変化を決定するステップS264、及び/又は強化レンダリングセット中で対象領域における生物力学的特性(例えば、音響減衰又は音響速度の容量平均値)の最大値を決定するステップS266を、具えていても良い。しかしながら、強化予後パラメータは、第1の実施例の方法で述べたような、定量的又は定性的予後パラメータであるか、あるいは適宜の強化予後パラメータであっても良い。
【0030】
強化予後パラメータを分析するステップS280は、良性組織から悪性組織を見分けるステップ又はその他の特性といった、対象領域を更に特徴づける一又はそれ以上の強化予後パラメータを評価するよう機能する。強化予後パラメータを分析するステップS280は、第1の実施例の方法における予後パラメータを分析するステップS180と同様であることが好ましい。例えば、強化予後パラメータを分析するステップS280は、強化予後パラメータで決定ツリーを進むステップ、及び/又は強化予後パラメータを予測モデルに入力するステップを具えていても良い。決定ツリーや強化予後パラメータを用いた予測モデルは、スレッシュホールドと、非強化予後パラメータを用いる第1の実施例のものとは異なる、あるいはこれと同様の特定のアルゴリズムを有していても良い。しかしながら、強化予後パラメータを分析するステップS280は、適宜の分析法を具えていても良い。
【0031】
上述の記載及び図面及び特許請求の範囲から、当業者は、本発明の好ましい実施例を、特許請求の範囲に記載された範囲から外れることなく変形及び変更することができることを認識する。
【技術分野】
【0001】
関連出願のクロスリファレンス
本出願は、2011年2月14日出願の米国特許出願第13/027,070号、及び、2010年2月12日出願の米国暫定特許出願第61/304,360号の利益を請求する。両出願共に、引用によって全体が組み込まれている。
【0002】
本発明は、医療用画像分野に関するものであり、特に、超音波画像フィールドで患者の組織を特徴づける改良された方法に関する。
【背景技術】
【0003】
乳癌及びその他の癌の早期発見は、癌治療を成功させるのに特に重要な要因である。しかしながら、一部の癌患者については、この疾病が早期に検出されない理由がいくつかある。一つの理由は、スクリーニング性能の限界である。例えば、高濃度乳房組織を持つ女性は乳癌が発生する相対リスクが非常に高いが、マンモグラフィ(胸部検査の現在の標準ツール)は、高濃度乳房組織を持つ患者の癌検出感度が低く、偽陰性率を比較的高いものにしている。換言すると、マンモグラフィの性能は、通常、高濃度乳房組織を有する高リスクの女性群については悪い。乳癌の発見が遅れる別の理由は、胸部組織検査への参加が制限されていることである。毎年のマンモグラフィの受診率の低さは、一部は、検査ツールへのアクセスが制限されていること(マンモグラフィを行うには、特別な医療センターと高度に訓練されたスタッフが必要である)や、放射線への恐怖感や、不快感に起因している。更に、マンモグラフィに電離性があるため、生涯に亘って過剰な放射線のリスクを負うであろう若い女性にはマンモグラフィの使用が制限される。
【0004】
磁気共鳴映像法(MRI)は、比較的快適であることと、放射線のない撮像能力によって、マンモグラフィの制限のいくつかを改善するが、MRIは日常的に使用するには非常に高価であり、アクセスのしやすさに制限がある。癌の発見を改善することは、後期に乳癌を発見するパーセンテージを低くするであろう。従って、医療用画像分野には、患者の組織を特徴づける改良された方法を生み出す必要がある。本発明は、このような改良された方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、第1の好ましい実施例の方法を示す図である。
【図2】図2A及び2Bは、好ましい実施例の方法で使用する超音波スキャナを示す図である。
【図3】図3は、好ましい実施例の方法における形態レンダリングを生成するステップの変形例を示す図である。
【図4】図4は、好ましい実施例の方法における形態レンダリングを生成するステップの変形例を示す図である。
【図5】図5は、好ましい実施例の方法における形態レンダリングを生成するステップの変形例を示す図である。
【図6】図6は、好ましい実施例の方法における予後パラメータを決定するステップをまとめた表である。
【図7】図7A及び7Bは、それぞれ、好ましい実施例の方法における予後パラメータを分析するステップの決定ツリーの変形例と予測モデルの変形例を示す図である。
【図8A】図8Aは、第2の好ましい実施例の方法の変形例を示す図である。
【図8B】図8Bは、第2の好ましい実施例の方法の変形例を示す図である。
【図9】図9は、第2の好ましい実施例の方法における、改良された予後パラメータを決定するステップをまとめた表である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の好適な実施例の以下の説明は、これらの好適な実施例に本発明を限定するものではなく、当業者に本発明を実施できるようにするものである。
【0007】
図1に示すように、好ましい実施例の患者の組織を特徴づける方法100は:組織と組織に照射する音響波との相互作用から生じる音響データを受信するステップS110と;当該音響データから形態レンダリングを生成するステップであって、当該レンダリングが組織の少なくとも一の生物力学的特性を表わすものであるステップS120と;前記レンダリングの対象領域用の予後パラメータを決定するステップであって、この予後パラメータが生物力学的特性を組み入れているステップS160と;対象領域を特徴づける予後パラメータを分析するステップS180と;を具える。第2の好ましい実施例では、この方法が更に、造影剤を導入するステップS190を具える。この方法によって、患者の中の組織量を、正確に、安く、快適に、かつ入手しやすく、評価することができる。この方法は、好ましくは超音波放射を組み入れて、音響反射(組織からの音響波の反射に基づく)、音響減衰(組織内の音響波の振幅変化に基づく)、及び音響速度(発信器と受信器間の音響信号の発信時間と到着時間に基づく)、などの組織の生物力学的特性を測定する音響データを得るようにしている。一の好ましい実施例では、この方法はヒト又はその他の動物の乳癌の検出に使用されているが、代替的に、適宜の種類の癌の検出に使用することもできる。この方法はまた、組織を特徴づけて癌の存在を診断し、癌のタイプを評価し、癌の大きさを決定する(例えば、組織内の悪性部分を外科的に除去できるかどうかを決定するため)、あるいは、癌の発達のリスクを評価する(例えば、胸部組織密度を測定する)のに、使用することができる。患者の様々な試験でこの方法を繰り返して、組織の特徴づけと評価を繰り返すことができる。例えば、この方法を様々な回数繰り返すことで、試験間の組織の特徴における差異によってマークされた、成長している病変部(例えば癌や、線維腺腫)を確認及び/又はモニタすることができる。この方法は、しかしながら、組織の特徴づけを含む、適宜のアプリケーションに用いることができる。
【0008】
音響データを受信するステップS110は、組織に放射線を当てるか、あるいは、高周波音波を当てるかして、組織の音響測定値を得るよう機能する。音響データを受信するステップS110は、組織に対して音響波を送信する複数のトランスミッタで組織をスキャンニングするステップS112と、音響波が組織と相互作用した後、音響波を検出する複数の受信機で音響波を検出するステップS114を具えることが好ましい。この検出した音響波は、組織で散乱した音響波を含んでおり、この散乱した音響波が、反射波と音響波との混合波を具えることが好ましい。組織をスキャンニングするステップS112と、音響波を検出するステップS114は、好ましくは、超音波CT装置と、米国特許第6,385,474号、第6,728,567号及び米国特許公開第2008/0275344号に記載の方法と同様の方法を用いて行われる。これらの公報は、引用により全体が組み込まれている。しかしながら、適宜のスキャナを用いても良い。図2Aに示すように、組織をスキャンニングするステップS112と音響波を検出するステップS114は、孔のあいたスキャナ台に胃を下にしてうつぶせに寝た患者をスキャンする間に行うことが好ましい。この台は、帆布などの丈夫で柔軟な材料で作ることができ、患者の身体にぴったり沿うことが好ましく、これによって、胸部のわきの下領域へのスキャンニングアクセスを改良し、患者の快適性が増す。台に設けた孔によって、胸部が台を通って突出し、音響波を伝達する水又はその他の適宜の流体で満たされた撮像タンクに浸漬される。図2Bに示すように、リング形状のトランスデューサが撮像タンク内に配置されており、胸部を取り巻く、あるいは取り囲んでいる。組織に向けて安全な非イオン化超音波パルスを当てる複数の発信機と、組織から発散するデータを受信し記録する複数の検出器が、リング型トランスデューサの周りに配置されている。スキャンニングステップS112の間に、リング型トランスデューサが、胸壁と胸部のニップル領域との間の前後方向など、組織に沿って移動して、好ましくは分離したスキャンニングステップにおける音響反響、音響減衰、及び音響速度などの測定値を含む音響データ、あるいは冠状「スライス」を取得する。組織の各「スライス」断面の音響データは、音響反響データセット、音響減衰データセット、及び音響速度データセットを含むことが好ましい。しかしながら、リング型トランスデューサは、追加で及び/又は代替的に、スキャンニングステップの間に適宜の生物力学的特性を含んでいても良い。スキャンニング及び検出ステップは、「スライス」当たり約1秒より少ないデータ取得時間というように、迅速であることが好ましく、これが連続形態レンダリングにおける動きアーチファクトを防止するとともに、造影剤の使用を可能にする。音響データを受信するステップS110は、追加で及び/又は代替的に、ハードドライブなどのストレージ装置又はオンラインサーバから音響データを取り出すステップを具えていても良い。
【0009】
音響データから組織の形態レンダリングを生成するステップS120は、分析に利用できる媒体に音響データを送るように機能する。図3A及び3Bに示すように、形態レンダリングを生成するステップS120は、好ましくは複数のレンダリングを生成するステップを具える。図1に示すように、好ましい実施例では、複数のレンダリングを生成するステップS120が、組織からの音響反射を表わす音響反射レンダリングを生成するステップS124と、組織内での音響減衰を表わす音響減衰レンダリングを生成するステップS132と、組織内の音響速度を表わす音響速度レンダリングを生成するステップS136と、を具える。しかしながら、複数のレンダリングを生成するステップは、追加で及び/又は代替的に、測定可能な組織の生物力学的特性を表わすレンダリングを生成するステップを具えていても良い。
【0010】
図3Aに示すように、音響反射レンダリングを生成するステップS124は、音響反射を表わす二次元(2D)画像セットを生成するステップS125を具えており、ここでは、各画像が、特定の分散スキャンニングステップの間に取得した組織の特定の断面における組織の音響反射を表わしている。換言すると、2D音響反射画像セットは、スキャンニングした組織の全体(あるいは部分)体積からの音響反射を集合的に表わす2Dレンダリングスタックを形成している。2D音響反射画像セット(Ir)は、組織の音響インピーダンスの変化から取り出され、組織のエコーテキスチュアデータと身体構造上の詳細を提供する。音響反射レンダリングを生成するステップS124は、追加で及び/又は代替的に、組織の音響反射率を体積で表わす3次元(3D)音響反射レンダリングを生成するステップS126を具えていても良い。第1の変形例では、図3Aに示すように、3D音響反射レンダリングを生成するステップS126は、2D音響反射画像セットを、三次元(3D)音響反射レンダリングに組み入れるステップを具える。第2の実施例では、図3Bに示すように、3D音響反射レンダリングを生成するステップS126’は、3Dで組織をスキャンニングすることで取得した3D体積音響データを、3D音響反射レンダリングに直接変換するステップを具える。
【0011】
ステップS124と同様に、音響反射レンダリングを生成するステップS132は、音響減衰を表わす二次元(2D)画像セットを生成するステップS133を具えており、ここでは、各画像が、特定の分散スキャンニングステップの間に取得した組織の特定の断面における組織内の音響減衰を表わしており、組織内の音響減衰用2Dレンダリングスタックを形成する。音響減衰レンダリングを生成するステップS132は、追加で及び/又は代替的に、スキャンニングした組織の体積内の音響減衰を体積で表わす、3D音響減衰レンダリングを生成するステップS134を具えていても良い。変形例S134及びS134’は、音響反射用の類似するステップS126及びS126’の変形例とそれぞれ同様である。
【0012】
ステップS124及びS132と同様に、音響速度レンダリングを生成するステップS136は、各画像が組織内の音響速度を表わしている2D画像セットを生成するステップS137を具え、組織内の音響速度の2Dレンダリングスタックを形成している。音響速度レンダリングを生成するステップS136は、追加で及び/又は代替的に、スキャンした組織の体積内の音響速度を体積として表わす3D音響速度レンダリングを生成するステップS138を具えていてもよい。変形例S138とS138’は、音響反射についての類似するステップS126とS126’の変形例とそれぞれ同様である。
【0013】
いくつかの実施例では、形態レンダリングを生成するステップS120が更に、少なくとも一の音響反響レンダリングと、少なくとも一の音響減衰レンダリングと、及び/又は少なくとも一の音響速度レンダリングを、2D又は3Dレンダリングを合わせたセットに組み合わせるようにしても良い。一の変形例では、図4に示すように、形態レンダリングを生成するステップS120が、2D音響反射レンダリングセットの少なくとも一部と、2D音響減衰レンダリングの少なくとも一部と、及び/又は2D音響速度レンダリングの少なくとも一部を組み合わせることで、2Dレンダリングを合わせたセットを生成するステップS142を具える。別の変形例では、形態レンダリングを生成するステップS120が、3Dレンダリングを合わせたセットを生成するステップS144を具える。3Dレンダリングを合わせたセットを生成するステップS144は、図5Aに示すように、別々の3D生物力学的特性レンダリングを組み合わせるステップS145(例えば、3D音響反射レンダリングと、3D音響減衰レンダリングと、及び/又は3D音響速度レンダリングを組み合わせる)を具える。3Dレンダリングを合わせたセットを生成するステップS144は、図5Bに示すように、代替的に、2Dレンダリングを合わせたセットを、3D体積レンダリングに組み合わせるステップS146を具えていても良い。
【0014】
組み合わせた、あるいは統合したレンダリングは、互いに重なって、複数の生物力学的特性を同時に見られるように可視化して、組織の特徴を容易により総合的に評価できるようにしている。図5Cに示すように、2D又は3Dレンダリングを統合した2D又は3Dレンダリングに組み合わせるステップは、音響反射レンダリングと、音響減衰レンダリングのスレッシュホールド版と、音響速度レンダリングのスレッシュホールド版を組み合わせるステップS148を具えることが好ましい。組み合わせステップS148の変形例は、レンダリングのスレッシュホールド版(適宜のスレッシュホールド値がある)又は非スレッシュホールド版を組み合わせるステップを具えていても良い。一の実施例では、このレンダリングは:(1)反射レンダリング、(2)音響速度レンダリングの第1スレッシュホールド版(第1速度スレッシュホールド“a”と第2スレッシュホールド“b”の間にある音響速度レンダリングの測定を含む)、及び(3)音響速度レンダリングの第2スレッシュホールド版(第3速度スレッシュホールド“c”の上にある音響速度レンダリングの測定を含む)とスレッシュホールド化した音響減衰画像(減衰スレッシュホールドの上の音響減衰画像の測定を含む)との組み合わせ、を加えることによって統合される。一の実施例では、スレッシュホールド“a”、“b”、“c”、及び“d”は、どのスレッシュホールド値が、MRI又はその他の関連する画像モダイリティに見られるものとほとんど同様の腫瘤のマージン(多数のあるいは組織構造のアウトラインなど)を生み出すかを決めることによって、設定される。この統合は、以下の式に従って表わすことができる。ここでは、カッコ内の数学的手法は、論理「AND」動作を意味する:
しかしながら、適宜の式又はアルゴリズムを用いて、様々な変形レンダリングを単一レンダリングに統合させたり融合させることができる。
【0015】
この方法は、更に、他の生物力学的特性レンダリングに基づいて、生物力学的特性レンダリングの少なくとも一つを繰り返すステップを具えていても良い。例えば、音響減衰及び/又は音響速度レンダリングにおける対象領域を強調するために使用したスレッシュホールドを変更するステップが、組織の性質について更に洞察するのに十分に音響減衰及び/又は音響速度レンダリングを変化させて、音響反射レンダリングを繰り返し改良することができる。しかしながら、この反復は、音響反射、音響減衰、及び音響速度レンダリングのいずれかを、これらのレンダリングの他のものに基づいて修正するステップを含んでいる。更に、この方法は、レンダリングを統合する際に用いたスレッシュホールド(例えば、スレッシュホールド“a”、“b”、“c”、及び“d”)を繰り返して修正するステップを具えていても良い。
【0016】
この方法は、更に、形態レンダリングから組織の対象領域を認識するステップS150を具えていても良く、これは、診断及び/又はモニタリングの目的など、更に注意を必要とする組織の部分を設定するよう機能する。病変部位などの対象領域は、3D音響反射レンダリングの上にある場合に腫瘤の概略を示すことによって、認識及び/又は標識することが好ましい。例えば、反射レンダリング上の疑義のある腫瘤のマージン鮮明さのスレッシュホールド、あるいは別の適宜のスレッシュホールドを、組織中の対象領域の境界を認識するのに使用することができる。認識した対象領域の概要は、3D音響減衰及び/又は音響速度レンダリングで反復することが好ましい。対象領域は、代替的に、2D病変部あるいは2D音響反射画像レンダリング間の腫瘤として認識し、2D音響減衰及び/又は音響速度レンダリングで反復するようにしても良い。しかしながら、対象領域は、代替的に、音響減衰及び/又は音響速度レンダリングで、あるいはその他の生物力学的特性レンダリングで認識することもできる。対象領域の境界は、様々な生物力学的特性レンダリング間の境界を順次改良するなどして、繰り返して認識することができる。
【0017】
レンダリングにおいて対象領域についての予後パラメータを決定するステップS160は、組織における対象領域の生物力学的特性を定量化して、対象領域を特徴づける(例えば、予測する、モニタする、又は記述する)測定値を提供するよう機能する。予後パラメータを決定するステップは、一又はそれ以上の定量的予後パラメータを決定するステップS162、及び/又は、一又はそれ以上の定性的予後パラメータを決定するステップS172を具えていても良い。定量的予後パラメータは、音響反射に対応する反射指数、減衰の絶対的又は相対的容量平均値、及び/又は、対象領域の音響速度の絶対的又は相対的容量平均値を含むものでも良い。定性的予後バラメータは、統合した及び/又は未統合の形態レンダリングにおける対象領域の音響反射、音響減衰、及び音響速度の形状又はその他の特徴を含むものでも良い。これらの定量的及び定性的予後パラメータの全てが決まることが好ましいが、これらのパラメータの一部のみを決定するようにしても良い。このようにして、予後パラメータは、音響速度、減衰、及び/又はその他の生物力学的特性の定量的測定値、及び/又は、組織及び/又は病変部の定性的形態特性を組み入れることによって、組織の腫瘤を特徴づける場合に、2D超音波アプリケーション用に通常使用されている既存のBIRADS基準(Breast Imaging Reporting and Data System)を超えたものになる。これらの拡大された予後パラメータは、更に、三つの空間寸法全てから引き出される病変部の特徴づけを用いることによって、現在のBIRADS基準を超えて、3D特徴づけの領域へ拡張することができる。更に、追加の予後情報を、様々な時間インターバルで実行した複数の患者の検査から取り出したこれらのパラメータの時間依存性を特徴づけることによって、増やすことができる。
【0018】
図6に示すように、一又はそれ以上の定量的予後パラメータを決定するステップS162は、一又はそれ以上のレンダリングから対象領域の生物力学的特性の容量平均値を計算するステップS166を具えていても良い。一の変形例では、容量平均値を計算するステップS166は、対象領域の容量を超えて平均化した生物力学的特性の絶対平均値(つまり、平均)を計算するステップS167を具える。例えば、平均音響減衰及び音響速度測定値の絶対値は、3D音響減衰レンダリングと3D音響速度レンダリングからそれぞれ計算することが好ましいが、代替的に、2D音響減衰及び音響速度レンダリングからそれぞれ計算することもできる。これらの平均の絶対値は、3D又は2Dレンダリング上の対象領域内の画素の統計分析と、対象領域の腫瘤の容量平均によって決定することが好ましい。しかしながら、容量平均は、適宜の方法で計算した対象領域の生物力学的特性の代表的な値であってもよい。例えば、音響速度の平均値は、米国特許公開第2008/0275344号に記載されているようにして計算することができる。別の例として、容量平均値は、追加で及び/又は代替的に、対象領域全体に亘る生物力学的特性値の空間的分配によって重みづけするなど、その他の態様を含むものでも良い。
【0019】
別の変形例では、容量平均値を計算するステップS166が、対象領域の生物力学的特性の絶対値と、対象領域を囲むバックグラウンド組織の生物力学的特性の値との差異を考慮した、生物力学的特性の相対値を計算するステップS168を具えている。この差異を考慮することは、スキャンした組織の残りの部分に比較した対象領域の生物力学的特性における測定差を利用している。この変形例では、容量平均値を計算するステップS166が更に、対象領域以外の組織の生物力学的特性のバックグラウンド値を計算するステップを具える。一例では、生物力学的特性の相対値を計算するステップS168が、対象領域の生物力学的特性の絶対値から生物力学的特性のバックグラウンド値を減算するステップを具える。代替的に、相対値を計算するステップS168は、生物力学的特性のバックグラウンド値によって対象領域の生物力学的特性の絶対値を除算するステップを具えていても良い。しかしながら、生物力学的特性の相対値を計算するステップS168は、何らかの数学演算、又は、対象領域の生物力学的特性の絶対値をバックグラウンド組織の生物力学的特性の絶対値に関連付けるその他の比較を、具えていても良い。スキャンから生じるシステム上のエラーは、バックグラウンドの測定と生物力学的特性の絶対値の両方に存在するため、対象領域の生物力学的特性の相対値を計算することで、システム上のエラーを相殺し、結果として得られた対象領域の相対値がこれによって正規化される。生物力学的特性のバックグラウンド値は、対象領域を囲むバックグラウンド組織における生物力学的特性の測定値である。例えば、バックグラウンド測定値は、対象領域と組織を取り囲む境界との間の対象領域を囲む組織の体積における生物力学的特性(例えば、音響減衰又は音響速度)の平均値であっても良い。この組織を取り囲む境界は、2cmといった特定のマージン、あるいは適宜の距離だけ、対象領域の境界を伸ばすことによって規定することができる。しかしながら、組織を取り囲む境界は、適宜の方法で規定することができ、バックグラウンド測定値は、対象領域以外の組織の適宜の部分における生物力学的特性の測定値であっても良い。特に、予後パラメータは、対象領域の音響減衰の相対容量平均値、及び/又は対象領域の音響速度の相対容量平均値を含むものでも良い。
【0020】
図6に示すように、一又はそれ以上の定性的予後パラメータを決定するステップS172は、音響反射レンダリング、音響減衰レンダリング、及び/又は音響速度レンダリングの態様を特徴づけるステップを具えていても良い。音響反射レンダリングについては、一又はそれ以上の定性的予後パラメータを決定するステップS174が、対象領域のマージンの鮮明さ(例えば、鮮明あるいは不鮮明)、形状(楕円又は非楕円)、あるいはアーキテクチュア(周辺組織の変わった生体構造の存在又は不存在)を特徴づけるステップを具える。音響減衰レンダリングについては、一又はそれ以上の定性的予後パラメータを決定するステップS172が、音響減衰レンダリングにおいて対象領域の2D又は3D形状(例えば、平滑又は不均一)を特徴づけるステップS176を具える。音響速度レンダリングについては、一又はそれ以上の定性的予後パラメータを決定するステップS172が、音響速度レンダリングにおいて、対象領域の2D又は3D形状(例えば、平滑又は不均一)を特徴づけるステップS178を具える。しかしながら、定性的予後パラメータは、生物力学的特性レンダリングの適宜の態様を特徴づけるステップを具えていても良い。更に、定性的予後パラメータは、音響反射レンダリングについての対象領域の、不鮮明なマージンに対しては「1」、鮮明なマージンに対しては「2」といった、定量的測定に変換することもできる。別の例として、定性的予後パラメータは、定性的態様を表わす度合いを分類するスケールにおける値(例えば1から5)といった、定量的な測定値に変換することもできる。例えば、音響反射レンダリングにおける対象領域のマージン鮮明さは、非常に鮮明であれば「1」として、普通に鮮明であれば「3」として、あるいは非常に不鮮明であれば「5」として、反射率で分類することができる。
【0021】
予後パラメータを分析するステップS180は、予後パラメータを用いて、対象領域を予測するあるいは特徴づけるよう機能する。この分析は、好ましくは対象領域が癌性腫瘤か、良性線維腺腫か、嚢胞か、別の良性所見か、正体不明の腫瘤(例えば、所見がない)か、あるいは適宜の特徴付け又は分類かを予測することが好ましい。しかしながら、この分析は、追加で及び/又は代替的に、一又はそれ以上の予後パラメータの傾向を時間をかけて、または、適宜のアプリケーション用にモニタするようにしても良い。予後パラメータを分析するステップS180は、定量的又は定性的である複数の予後パラメータの分析を含むものが好ましい。例えば、図6に示すように、この分析は、癌の存在を個別に提言できる予後パラメータを評価するものである。音響反射に関するパラメータでは、癌性腫瘤の兆候が典型的に、音響反射画像に、不明瞭な及び/又ははっきりしない針骨状又は微細分葉状辺縁として、非楕円形状に、腫瘤効果及び/又は退縮による周辺組織に変形した生体構造を含む構造上のひずみとしてマークされる。これに対して、良性腫瘤は、通常、音響反射画像において、鮮明な辺縁を持ち、楕円形状であり、構造上のひずみが少ないか全くないものとしてマークされる。音響減衰に関するパラメータについては、癌性腫瘤の兆候は、音響減衰の比較的高い絶対及び相対容量平均値としてマークされる。音響波は、通常、胸部組織等の周辺脂肪組織より癌性腫瘤内でより高い減衰となるためである。これに対して、良性腫瘤は、比較的低い絶対及び相対容量平均値の減衰としてマークされる。例えば、2MHzの周波数で腫瘍を伝搬した音響波は、通常、脂肪に比べて約0.25乃至0.5dB/cm減衰する。音響速度に関するパラメータについては、癌性腫瘤の兆候は、比較的早い音響速度となることによってマークされる。なぜなら、音響波は、通常、胸部組織などの周辺脂肪組織内より癌性腫瘤内でより速い速度で移動するからである。例えば、音響波は、脂肪組織より癌性腫瘤内で約50乃至150メートル/秒速く移動する。これに対して、良性腫瘤は、比較的低い音響速度の絶対及び相対容量平均値でマークされる。
【0022】
第1の変形例では、予後パラメータを分析するステップS180が、予後パラメータを枝分かれした態様で様々なスレッシュホールドと比較して、スレッシュホールドに対する予後パラメータ間の比較に基づいて、対象領域の最終的な特徴づけに到達する、決定ツリーS182を具える。決定ツリーは、音響反射、音響減衰、及び/又は音響速度に関する予後パラメータを具えていることが好ましいが、追加で、及び/又は代替的に、適宜の生物力学的特性(定性的予後パラメータの定量的分類など)用のパラメータを具えていても良い。一の特定の実施例では、決定ツリーの一番上における比較は、絶対又は相対容量平均音響減衰値が、第1のスレッシュホールドより低いか、またはそれと同じであるかの第1枝と、絶対又は相対容量平均減衰値がスレッシュホールドより高いか否かの第2枝に分かれる。これらの第1枝及び第2枝は、各々、更に、反射率、音響減衰及び音響速度の絶対又は相対容量平均値をその他のスレッシュホールドに比較する方法に基づいて、異なる経路に分割される。決定ツリーに従うと、予後パラメータは、対象領域が、例えば癌性か癌性でないかの決定又は予測に達する。特定のスレッシュホールドは、例えば、スレッシュホールドセットの診断結果を、MRIなどのその他の方法の診断結果と比較することによって、及び/又は、既知の癌患者からのデータと超音波断層写真を組み入れることよって、など経験的に決定することができる。更に、各予後パラメータの重要性は、当業者に知られている戦略であるカイ二乗法、利得比、及び情報獲得などの属性選択アルゴリズムを用いて評価される。
【0023】
第2の変形例では、図7Bに示すように、予後パラメータを分析するステップS180は、予後パラメータを予測モデルに入力するステップS184を具える。入力は、音響反射、音響減衰、及び/又は音響速度に関する予後パラメータを含んでいても良いが、追加で及び/又は代替的に適宜の生物力学的特性(定性的予後パラメータの定量的分類など)用のパラメータを含んでいても良い。予測モデルは、既知の癌患者か、あるいは、既知の病変があるその他の患者からのデータを用いて、外部で認証することができる。しかしながら、予測モデルは、適宜のプロセスで認証しても良い。更に、予測モデルを作成するに当たっては、予測モデルは、偏った影響力を持ってあるいはシステマチックに誤判別に関連する共変量パターンを同定すべく、評価される。この評価は、一又はそれ以上の可能な最適予測モデルを選択するツールとして受診者動作特性(ROC)曲線を具えることが好ましい。ROC曲線はモデル予測を用いて構築し、少なくとも90%の感度を維持しつつ、偽陽性率を最小に抑えて癌を予測する、音響反射率、音響減衰、及び音響速度の重み付けした組み合わせを決定することが好ましい。ROC曲線の下の面積は、このモードの全体の精度を表しており、(1)感度、すなわちスキャナによって癌があると決定された癌がある患者のデータセットにおける比率、(2)特異度、すなわち、スキャナによって癌がないと決定された癌がない患者のデータセットにおける患者の割合、(3)偽陽性率、すなわち、スキャナによって癌があると間違って決定された癌がない患者のデータセットにおける割合、及び(4)偽陰性率、すなわち、スキャナによって癌がないと間違って決定された癌がある患者のデータセットにおける割合、とまとめることができる。感度及び特異度は、実験によるデータセットのうち疑わしい対象領域を見つけることを条件とする、条件的判断であることが好ましい。しかしながら、ROC曲線、及び/又はその他の方法のその他の側面は、更に、予測モードを発展させて評価するのに使用できる。
【0024】
第3の変形例では、予後パラメータを分析するステップS180が、癌の存在を個々に提言する定性的予後パラメータを評価するステップを具える。音響反射に関するパラメータとしては、癌性組織の兆候が通常、(1)不明瞭な、及び/又ははっきりしない針骨状又は微細分葉状辺縁、(2)非楕円形状、及び(3)腫瘤効果及び/又は退縮による周辺組織に変形した生体構造を含む構造上のひずみを有することによって、音響反射にマークされる。これに対して、良性腫瘤は、通常、音響反射画像において、(1)鮮明な辺縁と、(2)楕円形状を持ち、及び(3)構造上のひずみが少ないか全くないことによって、音響反射にマークされる。
【0025】
予後パラメータを分析するその他の変形例S180は、第1、第2、及び第3の変形例の様々な組み合わせを含むものでも良い。例えば、これらの変形例のうちの二つ、又は三つ全部を実行しても良く、分析の成果が、主な変形例が作る特徴付けであってもよい。
【0026】
第2の好ましい実施例では、図8Aに示すように、この方法200が更に、組織に造影剤を導入するステップS190を具えており、このステップは、入手可能な予後パラメータの数を増やし、特徴付けの精度を潜在的に上げるように機能する。この実施例では、この方法が更に:造影剤を組織に導入した後に時間に依存した強化音響データセットを受信するステップS210と;時間に依存した強化音響データセットから強化形態レンダリングセットを生成するステップS220と;強化レンダリングセットに基づいて強化予後パラメータを決定するステップS260と;強化予後パラメータを分析するステップS280と;を具えることが好ましい。これらのステップと、本方法の第1の好ましい実施例のステップは、適宜の順番で実施することができる。例えば、図8Bに示すように、非強化及び強化音響データを集めて、非強化及び強化レンダリングを生成するステップを、予後パラメータと強化予後パラメータを決定して分析する前に実行するようにしても良い。
【0027】
造影剤を組織に導入するステップS190は、組織にDefinity、Optison、及び/又は医療診断に適した造影剤を導入するステップを具えていても良い。この造影剤は、第1の音響データセット(造影剤のないもの)を取得した後に導入して、第1の音響データセットが、ベースラインとなる形態レンダリングを生成するベースラインを形成するようにすることが好ましい。換言すると、第1の好ましい実施例の方法のいくつかのあるいは全てのステップが、造影剤を導入する前の、初期に行われる。代替的に、本方法の第2の実施例では、造影剤を導入する前に音響データを受信するステップは省略して、造影剤の効果なしでベースラインのレンダリングが形成されないようにしてもよい。造影剤は、当業者に公知であるように、スキャンニング開始時に静脈内に導入して(または適宜の方法で)、組織の体積全体を循環させることができる。造影剤の導入は、強化した音響データに基づいてレンダリング中に造影剤が出現する際に、対象領域とそれを取り囲む組織間の生物力学的差異を更に強化することが好ましい。特に、造影剤を用いて、相対音響反射と、音響減衰を上げて、対象領域内の相対音響速度を下げることができる。
【0028】
時間に依存した強化音響データセットを受信するステップS210は、音響波と造影剤が導入された組織が相互作用する間の様々な時間で、「スナップショット」を提供するデータを取得するように機能する。強化音響データから強化形態レンダリングを生成するステップS220は、時間に依存した生物力学的特性を表わす一又はそれ以上の経時的レンダリングを提供するよう機能する。時間に依存した強化音響データセットを取得するステップS210と、強化形態レンダリングを生成するステップS220は、第1の好ましい実施例の音響データを取得するステップS110と形態レンダリングを生成するステップS120と同様であることが好ましい。リング型トランスデューサあるいは、その他の適宜のトランスデューサは、組織に沿ったデータを取得する反復経路を特定の時間インターバルで作り、造影剤の導入後の様々な時間に対応して形態レンダリングを生成できるようにする。例えば、この一連の強化レンダリングは、t=0秒(造影剤の導入時)と、例えば420秒といった、最大ほぼ30秒ごとに対応する一又はそれ以上の生物力学的特性のレンダリングを具えていても良い。しかしながら、このレンダリングは、適宜の時間インターバルや、造影剤導入後の一回の時点のみ(時間インターバルでの反復スキャンと言うより、むしろ単回スキャンに対応するレンダリング)を含む造影剤導入後の適宜の時間に対応しても良い。
【0029】
強化レンダリングセットに基づく強化予後パラメータを決定するステップS260は、造影剤を導入した結果としての生物力学的特性の変化の測定値を確立するよう機能する。一又はそれ以上の強化予後パラメータは、第1の実施例の方法の予後パラメータと同様に(又は、造影剤の導入前に):組織内に造影剤を導入した後の対象領域における、音響反射率を表わす音響反射パラメータと、音響減衰を表わす音響減衰パラメータと、及び/又は音響速度を表わす音響速度パラメータと、を具える。図9に示すように、一又はそれ以上の強化予後パラメータを決定するステップが、追加で及び/又は代替的に:時間に依存した強化レンダリングセットで造影剤流の動態を決定するステップS262(例えば、音響反響、音響減衰、及び/又は音響速度レンダリングにおいて視覚化された「流入、流出」フロー)、ベースラインレンダリング間及び強化レンダリング間での対象領域における生物力学的特性値(例えば、音響減衰又は音響速度の容積平均値)の最大変化を決定するステップS264、及び/又は強化レンダリングセット中で対象領域における生物力学的特性(例えば、音響減衰又は音響速度の容量平均値)の最大値を決定するステップS266を、具えていても良い。しかしながら、強化予後パラメータは、第1の実施例の方法で述べたような、定量的又は定性的予後パラメータであるか、あるいは適宜の強化予後パラメータであっても良い。
【0030】
強化予後パラメータを分析するステップS280は、良性組織から悪性組織を見分けるステップ又はその他の特性といった、対象領域を更に特徴づける一又はそれ以上の強化予後パラメータを評価するよう機能する。強化予後パラメータを分析するステップS280は、第1の実施例の方法における予後パラメータを分析するステップS180と同様であることが好ましい。例えば、強化予後パラメータを分析するステップS280は、強化予後パラメータで決定ツリーを進むステップ、及び/又は強化予後パラメータを予測モデルに入力するステップを具えていても良い。決定ツリーや強化予後パラメータを用いた予測モデルは、スレッシュホールドと、非強化予後パラメータを用いる第1の実施例のものとは異なる、あるいはこれと同様の特定のアルゴリズムを有していても良い。しかしながら、強化予後パラメータを分析するステップS280は、適宜の分析法を具えていても良い。
【0031】
上述の記載及び図面及び特許請求の範囲から、当業者は、本発明の好ましい実施例を、特許請求の範囲に記載された範囲から外れることなく変形及び変更することができることを認識する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の組織を特徴づける方法において:
前記組織と、当該組織に放射線を照射する音響波との間の相互作用から取り出した音響データを受信するステップと;
前記音響データから前記組織の形態レンダリングを生成するステップであって、このレンダリングが前記組織の少なくとも一の生物力学的特性を表わすステップと;
前記レンダリングにおける対象領域の予後パラメータを決定するステップであって、前記予後パラメータが前記生物力学的特性を組み入れているステップと;
前記予後パラメータを分析して前記対象領域を特徴づけるステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記音響データを受信するステップが、前記組織の方向に音響波を発する複数のトランスミッタで前記組織をスキャンニングするステップと、前記音響波が前記組織と相互作用した後に、音響波を検出する複数の受信機で音響波を検出するステップと、を具えることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、前記音響波を検出するステップが、前記組織によって散乱した音響波を検出するステップであって、当該散乱した音響波が反射した音響波と送信された音響波とを含むステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法において、前記組織をスキャンニングするステップが、当該組織を複数のトランスミッタと複数の受信機を有するリング型トランスデューサで取り囲んで、当該リング型トランスデューサを前記組織に沿って通過させるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、形態レンダリングを生成するステップが、前記組織の二次元画像セットを生成するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、形態レンダリングを生成するステップが、前記組織の二次元画像セットを、前記組織の三次元レンダリングに組み入れるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、形態レンダリングを生成するステップが、複数のレンダリングを生成するステップであって、各レンダリングが前記組織の各生物力学的特性を表わすステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、複数のレンダリングを生成するステップが:
前記組織から音響反射を表わす反射レンダリングを生成するステップ;
前記組織中の音響減衰を表わす音響減衰レンダリングを生成するステップ;及び
前記組織中の音響速度を表わす音響速度レンダリングを生成するステップ;
の少なくとも一つを具えることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、形態レンダリングを生成するステップが、前記音響反射レンダリングと、前記音響減衰レンダリングのスレッシュホールド版と、前記音響速度レンダリングのスレッシュホールド版を組み合わせるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法が更に、前記対象領域を特定するステップを具え、当該対象領域を特定するステップが、前記反射レンダリング中の腫瘍の外郭を認識するステップと、前記音響減衰レンダリングと音響速度レンダリングの少なくとも一方に前記外郭を再現するステップとを具えることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項8に記載の方法において、複数の形態レンダリングセットを生成するステップが:
前記組織からの音響反射を表わす三次元反射レンダリングを生成するステップ;
前記組織内の音響減衰を表わす三次元音響減衰レンダリングを生成するステップ;及び
前記組織内の音響速度を表わす三次元音響速度レンダリングを生成するステップ;
の少なくとも一つを具えることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項8に記載の方法において、予後パラメータを決定するステップが、定性的予後パラメータを決定するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、定性的予後パラメータを決定するステップが、前記反射レンダリングにおける、対象領域のマージンの鮮明さ、形状、及び構造歪みの少なくとも一つを特徴づけるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法において、定性的予後パラメータを決定するステップが、前記音響減衰レンダリングにおいて前記対象領域の形状を特徴づけるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法において、定性的予後パラメータを決定するステップが、前記音響速度レンダリングにおいて前記対象領域の形状を特徴づけるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法において、対象領域についての予後パラメータを決定するステップが、定量的予後パラメータを決定するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、定量的予後パラメータを決定するステップが、前記形態レンダリングに基づいて前記対象領域における生物力学的特性の容量平均値を計算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、容量平均値を計算するステップが、前記対象領域における生物力学的特性の容量平均絶対値を計算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、容量平均値を計算するステップが、更に、前記対象領域の外側の組織における生物力学的特性のバックグラウンド値を計算するステップと、前記生物力学的特性のバックグラウンド値に比例する、前記対象領域における生物力学的特性の相対値を計算するステップと、を具えることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、前記対象領域における生物力学的特性の相対値を計算するステップが、前記絶対値から前記バックグラウンド値を減算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項19に記載の方法において、前記対象領域における生物力学的特性の相対値を計算するステップが、前記絶対値を前記バックグラウンド値で除算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項16に記載の方法において、定量的予後パラメータを決定するステップが、定性的予後パラメータを数値に変換するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項16に記載の方法において、定量的予後パラメータを決定するステップが、前記組織内の対象領域の音響反射率を表わす音響反射指標パラメータを計算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項16に記載の方法において、予後パラメータを決定する方法が、前記組織の対象領域内の音響減衰の容量平均値を表わす音響減衰パラメータを計算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項16に記載の方法において、予後パラメータを決定する方法が、前記組織の対象領域内の音響速度の容量平均値を表わす音響速度パラメータを計算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項16に記載の方法において、前記予後パラメータを分析するステップが、前記予後パラメータをスレッシュホールドと比較する決定ツリーを進むステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法において、前記決定ツリーを進むステップが、前記組織の対象領域の、音響反射指標パラメータと、音響減衰パラメータと、音響速度パラメータの少なくとも一つを、スレッシュホールドと比較するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項1に記載の方法において、前記予後パラメータを分析するステップが、前記予後パラメータを予測モデルに入力するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法において、前記予後パラメータを予測モデルに入力するステップが、音響反射指標パラメータと、音響減衰パラメータと、音響速度パラメータの少なくとも一つを、前記予測モデルに入力するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項1に記載の方法において、前記予後パラメータを分析するステップが、前記対象領域が、癌性腫瘍、線維腺腫、嚢胞、非特異性良性腫瘍、あるいは識別不能な腫瘍であることを予測するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項1に記載の方法が更に、造影剤を前記組織に導入するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法が更に:
前記造影剤を前記組織に導入した後に、一又はそれ以上の時間に依存した強化音響データセットを受信するステップと;
前記時間に依存した強化音響データセットから強化形態レンダリングセットを生成するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法が更に、前記強化形態レンダリングセットに基づいて強化予後パラメータを決定するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法において、形態レンダリングを生成するステップが、造影剤を前記組織に導入する前にベースラインレンダリングを生成するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項34に記載の方法において、強化予後パラメータを決定するステップが、前記形態レンダリングと前記時間に依存した強化形態レンダリングセットとの間に、前記対象領域の生物力学的特性の値における最大の変化を計算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項33に記載の方法において、強化予後パラメータを決定するステップが、前記時間に依存した強化形態レンダリングセットにおいて前記対象領域の生物力学的特性の最大容量平均値を計算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項37】
請求項33に記載の方法において、強化予後パラメータを決定するステップが、造影剤を導入した後に前記対象領域の音響減衰を表わす音響減衰パラメータを計算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項38】
請求項33に記載の方法において、強化予後パラメータを決定するステップが、造影剤を導入した後に前記対象領域の音響速度を表わす音響速度パラメータを計算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項39】
請求項33に記載の方法において、強化予後パラメータを決定するステップが、前記強化形態レンダリング上の造影剤流の動態を特徴づけるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項40】
請求項33に記載の方法において、前記予後パラメータを分析するステップが、前記強化予後パラメータを分析するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項41】
請求項40に記載の方法において、前記強化予後パラメータを分析するステップが、強化予後パラメータを予測モデルに入力するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項42】
患者の組織を特徴づける方法において:
前記組織に造影剤を導入するステップと;
造影剤強化組織と、前記組織に放射している音響波との間の相互作用から取り出した強化音響データセットを受信するステップと;
前記強化音響データから前記組織の強化形態レンダリングを生成するステップであって、当該強化形態レンダリングが前記組織の少なくとも一つの生物力学的特性を表わしているステップと;
前記レンダリングにおける対象領域についての強化予後パラメータを決定するステップであって、前記強化予後パラメータが前記生物力学的特性を含む、ステップと;
前記強化予後パラメータを分析して前記対象領域を特徴づけるステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項43】
請求項42に記載の方法において、強化形態レンダリングを生成するステップが、複数のレンダリングを生成するステップであって、各レンダリングが、前記組織に造影剤を導入した後の各時間ピリオドに対応するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項44】
請求項43に記載の方法において、強化予後パラメータを決定するステップが、前記強化形態レンダリングセット上の造影剤流の動態を特徴づけるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項45】
請求項42に記載の方法において、複数の強化形態レンダリングを生成するステップが、音響減衰と音響速度の少なくとも一つを表わす強化形態レンダリングを生成するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項46】
請求項42に記載の方法において、強化予後パラメータを決定するステップが、前記生物力学的特性の最大容量平均値を決定するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項47】
請求項42に記載の方法において、前記強化予後パラメータを分析するステップが、強化予後パラメータを予測モデルに入力するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項1】
患者の組織を特徴づける方法において:
前記組織と、当該組織に放射線を照射する音響波との間の相互作用から取り出した音響データを受信するステップと;
前記音響データから前記組織の形態レンダリングを生成するステップであって、このレンダリングが前記組織の少なくとも一の生物力学的特性を表わすステップと;
前記レンダリングにおける対象領域の予後パラメータを決定するステップであって、前記予後パラメータが前記生物力学的特性を組み入れているステップと;
前記予後パラメータを分析して前記対象領域を特徴づけるステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記音響データを受信するステップが、前記組織の方向に音響波を発する複数のトランスミッタで前記組織をスキャンニングするステップと、前記音響波が前記組織と相互作用した後に、音響波を検出する複数の受信機で音響波を検出するステップと、を具えることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、前記音響波を検出するステップが、前記組織によって散乱した音響波を検出するステップであって、当該散乱した音響波が反射した音響波と送信された音響波とを含むステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法において、前記組織をスキャンニングするステップが、当該組織を複数のトランスミッタと複数の受信機を有するリング型トランスデューサで取り囲んで、当該リング型トランスデューサを前記組織に沿って通過させるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、形態レンダリングを生成するステップが、前記組織の二次元画像セットを生成するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、形態レンダリングを生成するステップが、前記組織の二次元画像セットを、前記組織の三次元レンダリングに組み入れるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、形態レンダリングを生成するステップが、複数のレンダリングを生成するステップであって、各レンダリングが前記組織の各生物力学的特性を表わすステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、複数のレンダリングを生成するステップが:
前記組織から音響反射を表わす反射レンダリングを生成するステップ;
前記組織中の音響減衰を表わす音響減衰レンダリングを生成するステップ;及び
前記組織中の音響速度を表わす音響速度レンダリングを生成するステップ;
の少なくとも一つを具えることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、形態レンダリングを生成するステップが、前記音響反射レンダリングと、前記音響減衰レンダリングのスレッシュホールド版と、前記音響速度レンダリングのスレッシュホールド版を組み合わせるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法が更に、前記対象領域を特定するステップを具え、当該対象領域を特定するステップが、前記反射レンダリング中の腫瘍の外郭を認識するステップと、前記音響減衰レンダリングと音響速度レンダリングの少なくとも一方に前記外郭を再現するステップとを具えることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項8に記載の方法において、複数の形態レンダリングセットを生成するステップが:
前記組織からの音響反射を表わす三次元反射レンダリングを生成するステップ;
前記組織内の音響減衰を表わす三次元音響減衰レンダリングを生成するステップ;及び
前記組織内の音響速度を表わす三次元音響速度レンダリングを生成するステップ;
の少なくとも一つを具えることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項8に記載の方法において、予後パラメータを決定するステップが、定性的予後パラメータを決定するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、定性的予後パラメータを決定するステップが、前記反射レンダリングにおける、対象領域のマージンの鮮明さ、形状、及び構造歪みの少なくとも一つを特徴づけるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法において、定性的予後パラメータを決定するステップが、前記音響減衰レンダリングにおいて前記対象領域の形状を特徴づけるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法において、定性的予後パラメータを決定するステップが、前記音響速度レンダリングにおいて前記対象領域の形状を特徴づけるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法において、対象領域についての予後パラメータを決定するステップが、定量的予後パラメータを決定するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、定量的予後パラメータを決定するステップが、前記形態レンダリングに基づいて前記対象領域における生物力学的特性の容量平均値を計算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、容量平均値を計算するステップが、前記対象領域における生物力学的特性の容量平均絶対値を計算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、容量平均値を計算するステップが、更に、前記対象領域の外側の組織における生物力学的特性のバックグラウンド値を計算するステップと、前記生物力学的特性のバックグラウンド値に比例する、前記対象領域における生物力学的特性の相対値を計算するステップと、を具えることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、前記対象領域における生物力学的特性の相対値を計算するステップが、前記絶対値から前記バックグラウンド値を減算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項19に記載の方法において、前記対象領域における生物力学的特性の相対値を計算するステップが、前記絶対値を前記バックグラウンド値で除算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項16に記載の方法において、定量的予後パラメータを決定するステップが、定性的予後パラメータを数値に変換するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項16に記載の方法において、定量的予後パラメータを決定するステップが、前記組織内の対象領域の音響反射率を表わす音響反射指標パラメータを計算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項16に記載の方法において、予後パラメータを決定する方法が、前記組織の対象領域内の音響減衰の容量平均値を表わす音響減衰パラメータを計算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項16に記載の方法において、予後パラメータを決定する方法が、前記組織の対象領域内の音響速度の容量平均値を表わす音響速度パラメータを計算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項16に記載の方法において、前記予後パラメータを分析するステップが、前記予後パラメータをスレッシュホールドと比較する決定ツリーを進むステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法において、前記決定ツリーを進むステップが、前記組織の対象領域の、音響反射指標パラメータと、音響減衰パラメータと、音響速度パラメータの少なくとも一つを、スレッシュホールドと比較するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項1に記載の方法において、前記予後パラメータを分析するステップが、前記予後パラメータを予測モデルに入力するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法において、前記予後パラメータを予測モデルに入力するステップが、音響反射指標パラメータと、音響減衰パラメータと、音響速度パラメータの少なくとも一つを、前記予測モデルに入力するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項1に記載の方法において、前記予後パラメータを分析するステップが、前記対象領域が、癌性腫瘍、線維腺腫、嚢胞、非特異性良性腫瘍、あるいは識別不能な腫瘍であることを予測するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項1に記載の方法が更に、造影剤を前記組織に導入するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法が更に:
前記造影剤を前記組織に導入した後に、一又はそれ以上の時間に依存した強化音響データセットを受信するステップと;
前記時間に依存した強化音響データセットから強化形態レンダリングセットを生成するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法が更に、前記強化形態レンダリングセットに基づいて強化予後パラメータを決定するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法において、形態レンダリングを生成するステップが、造影剤を前記組織に導入する前にベースラインレンダリングを生成するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項34に記載の方法において、強化予後パラメータを決定するステップが、前記形態レンダリングと前記時間に依存した強化形態レンダリングセットとの間に、前記対象領域の生物力学的特性の値における最大の変化を計算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項33に記載の方法において、強化予後パラメータを決定するステップが、前記時間に依存した強化形態レンダリングセットにおいて前記対象領域の生物力学的特性の最大容量平均値を計算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項37】
請求項33に記載の方法において、強化予後パラメータを決定するステップが、造影剤を導入した後に前記対象領域の音響減衰を表わす音響減衰パラメータを計算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項38】
請求項33に記載の方法において、強化予後パラメータを決定するステップが、造影剤を導入した後に前記対象領域の音響速度を表わす音響速度パラメータを計算するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項39】
請求項33に記載の方法において、強化予後パラメータを決定するステップが、前記強化形態レンダリング上の造影剤流の動態を特徴づけるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項40】
請求項33に記載の方法において、前記予後パラメータを分析するステップが、前記強化予後パラメータを分析するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項41】
請求項40に記載の方法において、前記強化予後パラメータを分析するステップが、強化予後パラメータを予測モデルに入力するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項42】
患者の組織を特徴づける方法において:
前記組織に造影剤を導入するステップと;
造影剤強化組織と、前記組織に放射している音響波との間の相互作用から取り出した強化音響データセットを受信するステップと;
前記強化音響データから前記組織の強化形態レンダリングを生成するステップであって、当該強化形態レンダリングが前記組織の少なくとも一つの生物力学的特性を表わしているステップと;
前記レンダリングにおける対象領域についての強化予後パラメータを決定するステップであって、前記強化予後パラメータが前記生物力学的特性を含む、ステップと;
前記強化予後パラメータを分析して前記対象領域を特徴づけるステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項43】
請求項42に記載の方法において、強化形態レンダリングを生成するステップが、複数のレンダリングを生成するステップであって、各レンダリングが、前記組織に造影剤を導入した後の各時間ピリオドに対応するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項44】
請求項43に記載の方法において、強化予後パラメータを決定するステップが、前記強化形態レンダリングセット上の造影剤流の動態を特徴づけるステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項45】
請求項42に記載の方法において、複数の強化形態レンダリングを生成するステップが、音響減衰と音響速度の少なくとも一つを表わす強化形態レンダリングを生成するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項46】
請求項42に記載の方法において、強化予後パラメータを決定するステップが、前記生物力学的特性の最大容量平均値を決定するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項47】
請求項42に記載の方法において、前記強化予後パラメータを分析するステップが、強化予後パラメータを予測モデルに入力するステップを具えることを特徴とする方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【公表番号】特表2013−519455(P2013−519455A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553079(P2012−553079)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/024773
【国際公開番号】WO2011/100697
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(512209863)デルフィヌス メディカル テクノロジーズ,インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】DELPHINUS MEDICAL TECHNOLOGIES,INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/024773
【国際公開番号】WO2011/100697
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(512209863)デルフィヌス メディカル テクノロジーズ,インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】DELPHINUS MEDICAL TECHNOLOGIES,INC.
【Fターム(参考)】
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