悪性腫瘍治療剤及びそれを含む飲食品
【課題】安全性が実証されている食品素材を利用することにより、長期に亘って常用しても全く安全で副作用のない悪性腫瘍治療剤及びそれを含む飲食品を提供する。
【解決手段】椎茸、カカオ、ナツメグ、コーヒー及びステビアを混合して得られる混合物を有効成分とする悪性腫瘍治療剤。
【解決手段】椎茸、カカオ、ナツメグ、コーヒー及びステビアを混合して得られる混合物を有効成分とする悪性腫瘍治療剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、悪性腫瘍(癌、白血病等)治療剤及びそれを含む飲食品に関するものである。特に、椎茸、カカオ、ナツメグ、コーヒー及びステビアを混合して得られる混合物を有効成分とする悪性腫瘍治療剤及びそれを含む飲食品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
癌とエイズは世界中で恐れられている難病である。中でも癌はわが国における死亡率の約3割を占め、現代医学の三大治療(手術、放射線治療、抗癌剤)によっても治療が難しい難病である。そして現在、進行癌に対し、激しい副作用がなく保存的に治癒もしくはほぼ治癒に近い状態まで治療効果をあげることは、自然治癒例とされるごく一部の例外を除いて不可能とされている。一方、たとえ試験管内や動物実験で一定の治癒効果が得られる癌治療剤が開発されたとしても、現実的に人体においてそれを使用した場合、副作用なく癌を治癒せしめることが難しいことも現実である。従って実際の臨床において何ら副作用なく有意義な一定の比率で十分な治療効果を上げたり治癒せしめ得る悪性腫瘍(癌、白血病等)治療剤を開発することが、非常に望まれている。なぜならば世界中で、かくも多くの人命が癌病によって奪われている現在、癌から人体を防御、治癒せしめることが医学の最も重要であり最終目的の一つであるからである。
【0003】
このような状況のもと、手術や放射線治療や化学療法剤とは手法を異とする副作用の少ない薬剤の開発が進められているが、未だ満足できる結果が得られていないのが現状である。
【0004】
例えば、安全で副作用のない従来の癌治療薬として、ブナシメジ、シイタケ、マイタケ、ハタケシメジおよびエノキタケから選ばれた少なくとも一つの茸を水、親水性溶媒もしくはこれらの混合溶媒で抽出した生理活性物質を有効成分とする抗癌性薬剤が、高い安全性を持ちながら、化学療法剤の抗癌効果を増強させることができ、また、日常摂取することにより癌を予防することのできることが知られている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、この抗癌性薬剤はあくまでも癌の予防と化学療法剤の抗癌効果を増強させるためのものであり、本剤自体に抗癌効果に関する記載はない。
【0005】
また、霊芝及びアガリクス、ヤマブシタケ、エノキダケ、椎茸、舞茸、シメジ、木茸等の茸類を強アルカリで処理して脱アセチル化し、強酸で処理して脱酸素橋化した液をそれぞれ瀘別して液を混合して中和し、塩化カルシウムを入れて脱アセチル化した液に添加して沈澱せしめたカルシウムβ−グルカンを瀘別して、その液を濃縮して多糖類を回収して米糠や大豆やオカラ粉、田七の粉末に吸収せしめて乾燥した粉末を作り、これにアスコルビン酸やクエン酸等を加工して混合したアスコルビン酸クエン酸カルシウムβ−グルカンを粉末としてステビア、羅漢果、キチンキトサンとアミノ酸、霊芝胞子、橄欖、緑茶粉、ノンクロレラ、ワニリン、ピレスロイドに混合して作る事を特徴とする糖尿病、肝炎予防の制癌剤も知られている(例えば特許文献2参照)。しかしながら、この制癌剤は椎茸や舞茸を強アルカリ等にて処理したものであり、本発明の悪性腫瘍治療剤とは異なるものである。
【0006】
また、本発明の構成成分であるコーヒーを使用した剤として、アスタキサンチンを含む酵母又は該酵母の処理物であって細胞壁若しくはその構成成分とアスタキサンチンを含むものを有効成分として含有する免疫増強剤であって、ソバ、アセンヤク、コーヒー、チャ、サンザシ、ウコン若しくはニンニク又はこれらに含まれる抗酸化性成分をアスタキサンチンの酸化を抑制する抗酸化性物質としてさらに含む免疫増強剤が知られている(例えば特許文献3参照)。
【0007】
しかしながら、この免疫増強剤の有効成分はアスタキサンチンを含む酵母又は該酵母の処理物であり、コーヒーはあくまでも抗酸化性成分として構成されるのみである。また、本発明は免疫増強効果のみ記載されており、それによって得られる制癌作用についてはなんら記載されていない。
【0008】
【特許文献1】特開2003−231644号公報
【特許文献2】特開2004−10605号公報
【特許文献3】特開2002−80351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記のような実情を鑑み、食品素材を材料とするため薬物に見られるような重篤な副作用等もなく、長期に亘って常用しても安全性が高い悪性腫瘍治療剤及びそれを含む飲食品を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的は、椎茸、カカオ、ナツメグ、コーヒー及びステビアを混合して得られる混合物を有効成分とする悪性腫瘍治療剤によって達成される。
【0011】
更に、前記目的は、上記悪性腫瘍治療剤を含む飲食品によって達成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の悪性腫瘍治療剤及びそれを含む飲食品は、継続的使用により、悪性腫瘍治療に顕著な効果を示すものである。しかも食品素材を原料としているので、放射線治療や化学療法剤に見られる重篤な副作用も無く、安全性が高い。また、本発明の飲食品によって、日常の生活の中で継続的に悪性腫瘍を治療することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
人体には、たとえ全く健康な人でも、通常少なくとも500〜1000個以上のガン細胞を持っていることが知られている。しかしそれがガン腫として発病しないのは、本来備わっている免疫機能が、いち早くガン細胞を異常細胞として発見し、未然に消滅させているからである。ガンの発病には、複雑な要素が考えられるが、要するに何らかの原因(激しいストレス、食生活や環境の悪影響)で免疫機能の低下をきたすか、異常に多くのガン細胞が発生するかの2つの異常に基づくものである。そして東方医学的にはその両方の異常を修復するため、1)免疫機能の質の改善2)免疫機能の強化3)免疫機能の協調とその環境の改善の3つの方面から免疫機能を修復強化する必要が認められる。すなわち、これら免疫機能を修復強化するためには、本発明のごとく調製した悪性腫瘍治療剤が有効である。(なお、治療効果を増強させるために、酒、煙草を控え、菜食にするとより効果があることが経験的に知られている。)
【0015】
本発明の悪性腫瘍治療剤は、椎茸、カカオ、ナツメグ、コーヒー及びステビアを混合して得られる混合物を有効成分とするものである。カカオは特にカカオニブを用いると良く、また、コーヒーは豆部分を乾燥させローストせずに用いると良い。
【0016】
また、本発明の悪性腫瘍治療剤において、椎茸、カカオ、ナツメグ、コーヒー及びステビアの重量比率をそれぞれの乾燥状態で2〜5:2〜5:1〜4:1〜4:0.5〜2とすると好ましい治療効果が得られ、また3:3:2:2:1とすると特に好ましい治療効果が得られる。
【0017】
また更に、ローズマリー、マジョラム及び茴香からなる群より選択される少なくとも一種類を更に含有させても良く、椎茸、カカオ、ナツメグ、コーヒー、ステビア、ローズマリー、マジョラム及び茴香の重量比率は、それぞれの乾燥状態で2〜5:2〜5:1〜4:1〜4:0.5〜2:1〜4:1〜4:0.5〜2とすると好ましい治療効果が得られ、また3:3:2:2:1:2:2:1とすると特に好ましい治療効果が得られる。
【0018】
本発明の悪性腫瘍治療剤を服用する場合、混合物を細かく刻んだものをそのまま服用しても良いが、好ましくは熱水抽出した抽出物を服用すると良い。また、本混合物は乾燥粉末状態であって良く、乾燥粉末を形状加工したものや、熱水抽出した抽出物を服用すると好ましい。
【0019】
熱水抽出を行なう際、上記混合物又はその乾燥物をそのまま熱水抽出しても良いが、実用上の面から更に細かく粉砕したものから抽出を行なっても良い。また、抽出溶媒として用いる熱水と上記乾燥物との重量比率は特に限定されないが、上記乾燥物に対して、10〜50重量倍の熱水、特に抽出操作や効率の点で20〜40重量倍の熱水が好ましい。抽出温度は、高温が効率的であり、特に70〜95℃が良い。抽出時間は、常圧下では30分以上60分以内が良い。また、抽出は加圧下または常圧下で行ってもよい。特に好ましい抽出条件は、常圧下、抽出温度75〜90℃の範囲、抽出時間30〜60分の範囲とするのが好ましい。
【0020】
また更に、熱水抽出物をスプレードライ法やフリーズドライ法などによって粉末化したものを服用しても良く、更にこの粉末化したものに賦形剤を添加した上で錠剤状に打錠、顆粒状に加工して錠剤、顆粒剤の剤形としてもよい。
【0021】
本発明の悪性腫瘍治療剤の投与量は、病状、患者の年齢等によって変化し得るが、通常、1日当たり乾燥物の重量として10〜30gが好ましく、熱水抽出して服用する場合はこの量を200〜500gの熱水で抽出して服用するのが適当である。熱水抽出液をスプレードライやフリーズドライし、エキス粉体、顆粒、錠剤等として服用する場合は粉末化したものの重量として3.0〜6.0gが適当である。
【0022】
また、本発明の悪性腫瘍治療剤は、例えば、スープ類、各種飲料(ジュース、酒、ミネラルウォータ等)、菓子類(ガム、キャンディ、チョコレート、スナック、ゼリー等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)をはじめとする一般食品および、健康食品、栄養補助食品(栄養ドリンク等)に配合することで本発明の飲食品とすることができる。これによって、日常生活において抵抗なく悪性腫瘍治療剤を摂取することが可能になる。
【0023】
また、本発明の飲食品中の悪性腫瘍治療剤濃度については、飲食品の種類によって適宜変更することが可能であるが、通常、乾燥粉末を混合する場合、1日当たりの摂取量が10〜50g、好ましくは20〜30gとなるように配合すると良く、熱水抽出液をスプレードライやフリーズドライしたエキス粉体として混合する場合、1日当たりの摂取量が2.0〜12.0g、好ましくは3.0〜6.0gとなるように配合すると良い。なお、上記濃度については、一例であり、種々の状況に応じて適宜変更可能である。
【実施例】
【0024】
以下、本発明を実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0025】
[実施例1]悪性腫瘍治療剤の調製
椎茸乾燥末3.0g、カカオニブ乾燥末3.0g、ナツメグ乾燥末2.0g、コーヒー豆乾燥末2.0g及びステビア乾燥末1.0gを混合後粗粉砕し、約90℃の熱水300gで40分間抽出し得られた抽出液を実施例1とした。
【0026】
[実施例2]悪性腫瘍治療剤の調製
椎茸乾燥末3.0g、カカオニブ乾燥末3.0g、ナツメグ乾燥末2.0g、コーヒー豆乾燥末2.0g、ステビア乾燥末1.0g、ローズマリー乾燥末2.0g、マジョラム乾燥末2.0g及び茴香乾燥末1.0gを混合後粗粉砕し、約90℃の熱水300gで40分間抽出し得られた抽出液を実施例2とした。
【0027】
[実施例3]悪性腫瘍治療剤の調製
椎茸乾燥末2.0g、カカオニブ乾燥末2.0g、ナツメグ乾燥末1.0g、コーヒー豆乾燥末1.0g及びステビア乾燥末0.5gを混合後粗粉砕し、約90℃の熱水300gで40分間抽出し得られた抽出液を実施例3とした。
【0028】
[実施例4]悪性腫瘍治療剤の調製
椎茸乾燥末2.0g、カカオニブ乾燥末2.0g、ナツメグ乾燥末1.0g、コーヒー豆乾燥末1.0g、ステビア乾燥末0.5g、ローズマリー乾燥末1.0g、マジョラム乾燥末1.0g及び茴香乾燥末0.5gを混合後粗粉砕し、約90℃の熱水300gで40分間抽出し得られた抽出液を実施例4とした。
【0029】
[比較例1]椎茸単独熱水抽出物の調製
椎茸の乾燥物10gを粗粉砕し、約90℃の熱水200gで40分間抽出し得られた抽出液を比較例1とした。
【0030】
[比較例2]カカオニブ単独熱水抽出物の調製
カカオニブの乾燥物10gを粗粉砕し、約90℃の熱水200gで40分間抽出し得られた抽出液を比較例2とした。
【0031】
[試験例1]
本発明品(実施例1)の悪性腫瘍治療効果を確認するための臨床試験結果は、以下のとおりである。なお、入院期間約1年半の腫瘍マーカーの経過を図1に示す。
[患者]H.R.♀71歳 乳癌(図3)術後再発 肝・肺・皮膚転移
[診断]乳癌(右) 肺・肝・皮膚転移
[病理診断]invasive ductal cancer(硬癌)
[経緯]
治療開始7年半前:右乳房全摘出で手術(T2N1M0=Stage II)。術後、放射線治療の他、MMC、5FUの化学治療を治療開始3年前まで行う。以後再発所見全く無く、全身状態良好のため、経過観察となる。
治療開始時点:全身倦怠、呼吸困難等で再来。肺(図7)、肝臓(図2)に多数の転移再発を認める。直ちに抗癌剤治療を開始。しかし副作用著しく、腫瘍に対して有効性が認められないため、化学治療を中止し、実施例1の悪性腫瘍治療剤投与治療に変更し、20ヶ月間継続した。治療開始時の腫瘍マーカーはCEA(71.7)正常値5.0以下、CA15−3(6110)正常値37以下であった。なお、治療剤の投与量は1日当たり乾燥物の重量として25gであった。
治療開始4ヶ月後:上記症状改善し、QOLは著しく改善した(図4、5)。
治療開始10ヶ月後:CT上、上記転移像全く消失。自覚症状もなし(図6、8)。
治療開始2年2ヶ月後:再発の所見なくCT上も異常なし。
治療開始2年半後:CEA(3.5),CA15−3(32.5)
【0032】
[試験例2]
本発明品(実施例2)の悪性腫瘍治療効果を確認するための臨床試験結果は、以下のとおりである。
[患者]S.M.♂50歳 左上葉肺癌 脊椎/胸骨転移
[診断]左上葉肺癌 脊椎・胸骨転移
[病理診断]small cell cancer(小細胞癌)
[経緯]
治療開始5ヵ月前:左上葉肺癌、脊椎、胸骨転移、腫瘍マーカーTPAの異常高値(250)正常値70以下が認められる(図9)。
その後3ヶ月間入院:Chemotherapy+Radiationにより腫瘍消失又は縮小の後、摘出根治手術を目的として入院治療。治療結果は思わしくなく、目的とした腫瘍縮小に達せず。それでも手術を勧められたが、手術後の頚部脊髄の損傷による下半身麻痺の可能性ありと知らされて手術を拒否。
退院後2ヶ月間:内服薬は背部痛、頭部、左腕痛に対しての鎮痛剤と内服抗癌剤を服用(あまり服用せず)していた。上記Chemotherapyの継続を勧められたが、その苦痛に耐えることを拒否して実施例2の悪性腫瘍治療剤投与治療に変更。
治療開始時点:実施例2の悪性腫瘍治療剤投与を開始。なお、治療剤の投与量は1日当たり乾燥物の重量として25gであった。
治療開始3ヵ月後:咳(+++)、但し背部痛等の痛み軽減。
治療開始4ヵ月後:咳(±)、諸々の疼痛ほぼ軽快。睡眠改善などQOL著しく良好。MRI検査にて画像上の所見改善。
治療開始7ヵ月後:CT、MRI検査にて胸骨転移部位の著しい縮小と肺野の腫瘍陰影の消失を認める(図10)。
治療開始1年10ヵ月後:TPA(41)の正常化。
治療開始2年後:CT上にて左肺上葉の腫瘍さらに縮小。骨シンチ上の集積陰影濃度の減少。
治療開始2年半後:軽度の咳以外に症状なく、良好なQOLを保って日常生活を送る。
治療開始約3年後:健康を取り戻す。
【0033】
[試験例3]
本発明品(実施例3)の悪性腫瘍治療効果を確認するための臨床試験結果は、以下のとおりである。
[患者]M.T.♀5歳 急性骨髓性白血病
[診断]急性骨髓性白血病
[病理診断]急性骨髓性白血病
[経緯]
来院約5年前:何ら原因なく右足痛を訴え、歩行が出来なくなった。同時に食欲が低下し、微熱が続くなどの症状のため、掛かり付けの医師から日赤病院を紹介され、検査診断の結果、急性骨髓性白血病と診断され直ちに入院した。約1ヶ月間の化学療法、無菌室に入るなど辛い治療の後、完全寛解となる。その後、引続き地固め療法を3ヶ月行う。この時もかなり強い副作用に耐えて治療を終える。完全な治癒を信じて退院し、徐々に普通の生活に戻る。
治療開始:10歳になるや、定期検診で再発が疑われ、骨髓検査の結果、再発を宣告される。この時、特に著明な症状はなかったため、母親から再確認の希望がなされ、2週間に3回の骨髓検査を行ったが、いずれも再発に間違いないと診断された。医師より入院治療の強い要請がなされたが、再三の苦しい治療の経験と、前回に比べて今後の治癒率の低下、さらに化学治療への疑問もあり、別なる治療を模索した後、実施例3の悪性腫瘍治療剤投与治療に変更。実施例3の悪性腫瘍治療剤投与を開始。なお、治療剤の投与量は1日当たり乾燥物の重量として12.5gであった。当時、それほど症状がなかったこともあって、間もなく元気を取り戻す。その後、正確を期すために、掛かり付けの医院で定期的血液検査を頻繁に行って経過を慎重に観察しながら、本治療を続ける。その後の検査では、前に行った化学療法の後遺症と思われる軽い腎機能障害を認める以外に、再発による危険な所見は見られていない。
治療開始約3年後:その後順調に経過し、再発なく、腎機能障害も軽快した。治療の間隔をあけて継続し、治療開始後5年が経過した現在、健康上に問題は無く、停滞していた身体の発育も少しずつ回復し、身長も伸びた。
【0034】
[試験例4]
本発明品(実施例4)の悪性腫瘍治療効果を確認するための臨床試験結果は、以下のとおりである。
[患者]I.K.♀68歳 乳癌術後再発骨転移
[診断]乳癌術後再発骨転移
[経緯]
治療開始4年半前:手術、左乳房全摘術、Adenocarcinoma Stage I(〜II)で予後は良好のこと。術後投薬として経口でノルバテックス+エンドキサン又は5FU。しかしながら、抗癌剤の副作用のため、白血球数2000以下となり、以後ノルバテックスのみ約2年間継続投与。
治療開始6ヶ月前:骨シンチグラフにて右肋骨に異常陰影出現。
治療開始3ヶ月前:右胸痛出現し、再度ノルバテックスの内服開始。
治療開始時点:右胸痛が増悪、東洋医学的治療の併用を開始。悪性腫瘍治療剤の投与、すなわち、実施例4の悪性腫瘍治療剤投与治療(治療剤の投与量は1日当たり乾燥物の重量として25g)及び針灸治療、同時に食事指導を始める。すなわち、他医よりのノルバテックスに加え悪性腫瘍治療剤、食事療法及び針灸治療を継続し、一時期右胸痛も消失し、良好なQOLを得て生活を楽しむ。
治療開始5ヶ月前:流感が誘因となって左胸痛が出現し、頑固な咳が持続する。ほぼ同時にTumor maker異常値へ上昇(CA15−3:42.9)。
治療開始6ヶ月後:咳は持続し、左胸痛は次第に左腰部へと広がる。Tumor makerが更に上昇(CA15−3:64)。
治療開始7ヶ月後:骨シンチグラムにて骨転移を指摘される。放射線治療(コバルト)行うも、自覚症状改善されず。
治療開始10ヶ月後:一般的な内服鎮痛剤や座薬で痛みのコントロールが不十分になり、遠方への歩行が困難になってくる。ノルバテックス中止。麻薬系鎮痛剤服用開始。
治療開始13ヶ月後:骨シンチグラフにて頚椎、胸椎、左右肋骨、骨盤骨などに多数の転移巣が認められる。(図11)歩行が全く困難となり、通院不能。このころから免疫機能の十分な回復が認められてきた。
治療開始15ヶ月後:食欲不振が著しく、殆んど摂食不能となり、主治医から点滴を受け、末期的状態を呈する。CA15−3は4000近くに上昇。ただし、免疫機能の改善によって症状の中に少しずつ改善していく部分も認められるようになる。
治療開始1年半後:次第に痛みも軽くなり、少しずつ食欲も出てきた。Tumor makerも徐々に改善。
治療開始1年8ヶ月後:7月2日に久しぶりに自力で来院。体重が増え、食欲も殆んど回復。Tumor makerも引き続き低下(図12)。
治療開始1年10ヶ月後:骨シンチグラムにて転移巣はほぼ消失。
治療開始2年後:CA15−3は40.2に回復し、ほぼ日常生活が可能になる(図13)。
【0035】
これら4件の試験例の結果は、本発明品が明らかに腫瘍を消失させる作用を有していることを示している。したがって、本発明品は、悪性腫瘍治療に極めて有効であることが判明した。なお、本発明の2成分の単独投与群(比較例1及び2)では明らかな有効性が認められなかった。
【0036】
次に、本発明の悪性腫瘍治療剤を含有する飲食品の例を示す。
【0037】
[実施例5]
実施例1で得られた悪性腫瘍治療剤を用い、常法に従って悪性腫瘍治療剤を6.0重量%含有するキャンディを調製した。
【0038】
[実施例6]
実施例2で得られた悪性腫瘍治療剤を用い、常法に従って悪性腫瘍治療剤を6.0重量%含有する茶を調製した。
【0039】
上記実施例の悪性腫瘍治療剤を含有する飲食品により、日常の生活の中で容易に摂取することが可能となり悪性腫瘍を副作用なく効果的に治療することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】腫瘍マーカーの経過を示すグラフである。
【図2】乳癌手術+抗癌剤投与後7年半後再発した肝CT画像である。
【図3】手術時の乳癌病理顕微鏡像である。
【図4】本剤での治療3.5ヶ月後の肝CT画像である。
【図5】本剤での治療約6ヵ月後の肝CT画像である。
【図6】本剤での治療約1年後の肝CT画像である。
【図7】本剤での治療開始当時の肺CT画像である。
【図8】本剤での治療約1年後の肺CT画像である。
【図9】本剤での治療前の骨シンチグラフ(A)と、肺CT画像(B)である。
【図10】本剤での治療後の骨シンチグラフ(A)と、肺CT画像(B)である。
【図11】本剤での改善前の骨転移を示す骨シンチグラフである。
【図12】本剤での治療中の骨転移巣縮小を示す骨シンチグラフである。
【図13】本剤での治療後の骨転移巣消失を示す骨シンチグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、悪性腫瘍(癌、白血病等)治療剤及びそれを含む飲食品に関するものである。特に、椎茸、カカオ、ナツメグ、コーヒー及びステビアを混合して得られる混合物を有効成分とする悪性腫瘍治療剤及びそれを含む飲食品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
癌とエイズは世界中で恐れられている難病である。中でも癌はわが国における死亡率の約3割を占め、現代医学の三大治療(手術、放射線治療、抗癌剤)によっても治療が難しい難病である。そして現在、進行癌に対し、激しい副作用がなく保存的に治癒もしくはほぼ治癒に近い状態まで治療効果をあげることは、自然治癒例とされるごく一部の例外を除いて不可能とされている。一方、たとえ試験管内や動物実験で一定の治癒効果が得られる癌治療剤が開発されたとしても、現実的に人体においてそれを使用した場合、副作用なく癌を治癒せしめることが難しいことも現実である。従って実際の臨床において何ら副作用なく有意義な一定の比率で十分な治療効果を上げたり治癒せしめ得る悪性腫瘍(癌、白血病等)治療剤を開発することが、非常に望まれている。なぜならば世界中で、かくも多くの人命が癌病によって奪われている現在、癌から人体を防御、治癒せしめることが医学の最も重要であり最終目的の一つであるからである。
【0003】
このような状況のもと、手術や放射線治療や化学療法剤とは手法を異とする副作用の少ない薬剤の開発が進められているが、未だ満足できる結果が得られていないのが現状である。
【0004】
例えば、安全で副作用のない従来の癌治療薬として、ブナシメジ、シイタケ、マイタケ、ハタケシメジおよびエノキタケから選ばれた少なくとも一つの茸を水、親水性溶媒もしくはこれらの混合溶媒で抽出した生理活性物質を有効成分とする抗癌性薬剤が、高い安全性を持ちながら、化学療法剤の抗癌効果を増強させることができ、また、日常摂取することにより癌を予防することのできることが知られている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、この抗癌性薬剤はあくまでも癌の予防と化学療法剤の抗癌効果を増強させるためのものであり、本剤自体に抗癌効果に関する記載はない。
【0005】
また、霊芝及びアガリクス、ヤマブシタケ、エノキダケ、椎茸、舞茸、シメジ、木茸等の茸類を強アルカリで処理して脱アセチル化し、強酸で処理して脱酸素橋化した液をそれぞれ瀘別して液を混合して中和し、塩化カルシウムを入れて脱アセチル化した液に添加して沈澱せしめたカルシウムβ−グルカンを瀘別して、その液を濃縮して多糖類を回収して米糠や大豆やオカラ粉、田七の粉末に吸収せしめて乾燥した粉末を作り、これにアスコルビン酸やクエン酸等を加工して混合したアスコルビン酸クエン酸カルシウムβ−グルカンを粉末としてステビア、羅漢果、キチンキトサンとアミノ酸、霊芝胞子、橄欖、緑茶粉、ノンクロレラ、ワニリン、ピレスロイドに混合して作る事を特徴とする糖尿病、肝炎予防の制癌剤も知られている(例えば特許文献2参照)。しかしながら、この制癌剤は椎茸や舞茸を強アルカリ等にて処理したものであり、本発明の悪性腫瘍治療剤とは異なるものである。
【0006】
また、本発明の構成成分であるコーヒーを使用した剤として、アスタキサンチンを含む酵母又は該酵母の処理物であって細胞壁若しくはその構成成分とアスタキサンチンを含むものを有効成分として含有する免疫増強剤であって、ソバ、アセンヤク、コーヒー、チャ、サンザシ、ウコン若しくはニンニク又はこれらに含まれる抗酸化性成分をアスタキサンチンの酸化を抑制する抗酸化性物質としてさらに含む免疫増強剤が知られている(例えば特許文献3参照)。
【0007】
しかしながら、この免疫増強剤の有効成分はアスタキサンチンを含む酵母又は該酵母の処理物であり、コーヒーはあくまでも抗酸化性成分として構成されるのみである。また、本発明は免疫増強効果のみ記載されており、それによって得られる制癌作用についてはなんら記載されていない。
【0008】
【特許文献1】特開2003−231644号公報
【特許文献2】特開2004−10605号公報
【特許文献3】特開2002−80351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記のような実情を鑑み、食品素材を材料とするため薬物に見られるような重篤な副作用等もなく、長期に亘って常用しても安全性が高い悪性腫瘍治療剤及びそれを含む飲食品を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的は、椎茸、カカオ、ナツメグ、コーヒー及びステビアを混合して得られる混合物を有効成分とする悪性腫瘍治療剤によって達成される。
【0011】
更に、前記目的は、上記悪性腫瘍治療剤を含む飲食品によって達成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の悪性腫瘍治療剤及びそれを含む飲食品は、継続的使用により、悪性腫瘍治療に顕著な効果を示すものである。しかも食品素材を原料としているので、放射線治療や化学療法剤に見られる重篤な副作用も無く、安全性が高い。また、本発明の飲食品によって、日常の生活の中で継続的に悪性腫瘍を治療することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
人体には、たとえ全く健康な人でも、通常少なくとも500〜1000個以上のガン細胞を持っていることが知られている。しかしそれがガン腫として発病しないのは、本来備わっている免疫機能が、いち早くガン細胞を異常細胞として発見し、未然に消滅させているからである。ガンの発病には、複雑な要素が考えられるが、要するに何らかの原因(激しいストレス、食生活や環境の悪影響)で免疫機能の低下をきたすか、異常に多くのガン細胞が発生するかの2つの異常に基づくものである。そして東方医学的にはその両方の異常を修復するため、1)免疫機能の質の改善2)免疫機能の強化3)免疫機能の協調とその環境の改善の3つの方面から免疫機能を修復強化する必要が認められる。すなわち、これら免疫機能を修復強化するためには、本発明のごとく調製した悪性腫瘍治療剤が有効である。(なお、治療効果を増強させるために、酒、煙草を控え、菜食にするとより効果があることが経験的に知られている。)
【0015】
本発明の悪性腫瘍治療剤は、椎茸、カカオ、ナツメグ、コーヒー及びステビアを混合して得られる混合物を有効成分とするものである。カカオは特にカカオニブを用いると良く、また、コーヒーは豆部分を乾燥させローストせずに用いると良い。
【0016】
また、本発明の悪性腫瘍治療剤において、椎茸、カカオ、ナツメグ、コーヒー及びステビアの重量比率をそれぞれの乾燥状態で2〜5:2〜5:1〜4:1〜4:0.5〜2とすると好ましい治療効果が得られ、また3:3:2:2:1とすると特に好ましい治療効果が得られる。
【0017】
また更に、ローズマリー、マジョラム及び茴香からなる群より選択される少なくとも一種類を更に含有させても良く、椎茸、カカオ、ナツメグ、コーヒー、ステビア、ローズマリー、マジョラム及び茴香の重量比率は、それぞれの乾燥状態で2〜5:2〜5:1〜4:1〜4:0.5〜2:1〜4:1〜4:0.5〜2とすると好ましい治療効果が得られ、また3:3:2:2:1:2:2:1とすると特に好ましい治療効果が得られる。
【0018】
本発明の悪性腫瘍治療剤を服用する場合、混合物を細かく刻んだものをそのまま服用しても良いが、好ましくは熱水抽出した抽出物を服用すると良い。また、本混合物は乾燥粉末状態であって良く、乾燥粉末を形状加工したものや、熱水抽出した抽出物を服用すると好ましい。
【0019】
熱水抽出を行なう際、上記混合物又はその乾燥物をそのまま熱水抽出しても良いが、実用上の面から更に細かく粉砕したものから抽出を行なっても良い。また、抽出溶媒として用いる熱水と上記乾燥物との重量比率は特に限定されないが、上記乾燥物に対して、10〜50重量倍の熱水、特に抽出操作や効率の点で20〜40重量倍の熱水が好ましい。抽出温度は、高温が効率的であり、特に70〜95℃が良い。抽出時間は、常圧下では30分以上60分以内が良い。また、抽出は加圧下または常圧下で行ってもよい。特に好ましい抽出条件は、常圧下、抽出温度75〜90℃の範囲、抽出時間30〜60分の範囲とするのが好ましい。
【0020】
また更に、熱水抽出物をスプレードライ法やフリーズドライ法などによって粉末化したものを服用しても良く、更にこの粉末化したものに賦形剤を添加した上で錠剤状に打錠、顆粒状に加工して錠剤、顆粒剤の剤形としてもよい。
【0021】
本発明の悪性腫瘍治療剤の投与量は、病状、患者の年齢等によって変化し得るが、通常、1日当たり乾燥物の重量として10〜30gが好ましく、熱水抽出して服用する場合はこの量を200〜500gの熱水で抽出して服用するのが適当である。熱水抽出液をスプレードライやフリーズドライし、エキス粉体、顆粒、錠剤等として服用する場合は粉末化したものの重量として3.0〜6.0gが適当である。
【0022】
また、本発明の悪性腫瘍治療剤は、例えば、スープ類、各種飲料(ジュース、酒、ミネラルウォータ等)、菓子類(ガム、キャンディ、チョコレート、スナック、ゼリー等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)をはじめとする一般食品および、健康食品、栄養補助食品(栄養ドリンク等)に配合することで本発明の飲食品とすることができる。これによって、日常生活において抵抗なく悪性腫瘍治療剤を摂取することが可能になる。
【0023】
また、本発明の飲食品中の悪性腫瘍治療剤濃度については、飲食品の種類によって適宜変更することが可能であるが、通常、乾燥粉末を混合する場合、1日当たりの摂取量が10〜50g、好ましくは20〜30gとなるように配合すると良く、熱水抽出液をスプレードライやフリーズドライしたエキス粉体として混合する場合、1日当たりの摂取量が2.0〜12.0g、好ましくは3.0〜6.0gとなるように配合すると良い。なお、上記濃度については、一例であり、種々の状況に応じて適宜変更可能である。
【実施例】
【0024】
以下、本発明を実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0025】
[実施例1]悪性腫瘍治療剤の調製
椎茸乾燥末3.0g、カカオニブ乾燥末3.0g、ナツメグ乾燥末2.0g、コーヒー豆乾燥末2.0g及びステビア乾燥末1.0gを混合後粗粉砕し、約90℃の熱水300gで40分間抽出し得られた抽出液を実施例1とした。
【0026】
[実施例2]悪性腫瘍治療剤の調製
椎茸乾燥末3.0g、カカオニブ乾燥末3.0g、ナツメグ乾燥末2.0g、コーヒー豆乾燥末2.0g、ステビア乾燥末1.0g、ローズマリー乾燥末2.0g、マジョラム乾燥末2.0g及び茴香乾燥末1.0gを混合後粗粉砕し、約90℃の熱水300gで40分間抽出し得られた抽出液を実施例2とした。
【0027】
[実施例3]悪性腫瘍治療剤の調製
椎茸乾燥末2.0g、カカオニブ乾燥末2.0g、ナツメグ乾燥末1.0g、コーヒー豆乾燥末1.0g及びステビア乾燥末0.5gを混合後粗粉砕し、約90℃の熱水300gで40分間抽出し得られた抽出液を実施例3とした。
【0028】
[実施例4]悪性腫瘍治療剤の調製
椎茸乾燥末2.0g、カカオニブ乾燥末2.0g、ナツメグ乾燥末1.0g、コーヒー豆乾燥末1.0g、ステビア乾燥末0.5g、ローズマリー乾燥末1.0g、マジョラム乾燥末1.0g及び茴香乾燥末0.5gを混合後粗粉砕し、約90℃の熱水300gで40分間抽出し得られた抽出液を実施例4とした。
【0029】
[比較例1]椎茸単独熱水抽出物の調製
椎茸の乾燥物10gを粗粉砕し、約90℃の熱水200gで40分間抽出し得られた抽出液を比較例1とした。
【0030】
[比較例2]カカオニブ単独熱水抽出物の調製
カカオニブの乾燥物10gを粗粉砕し、約90℃の熱水200gで40分間抽出し得られた抽出液を比較例2とした。
【0031】
[試験例1]
本発明品(実施例1)の悪性腫瘍治療効果を確認するための臨床試験結果は、以下のとおりである。なお、入院期間約1年半の腫瘍マーカーの経過を図1に示す。
[患者]H.R.♀71歳 乳癌(図3)術後再発 肝・肺・皮膚転移
[診断]乳癌(右) 肺・肝・皮膚転移
[病理診断]invasive ductal cancer(硬癌)
[経緯]
治療開始7年半前:右乳房全摘出で手術(T2N1M0=Stage II)。術後、放射線治療の他、MMC、5FUの化学治療を治療開始3年前まで行う。以後再発所見全く無く、全身状態良好のため、経過観察となる。
治療開始時点:全身倦怠、呼吸困難等で再来。肺(図7)、肝臓(図2)に多数の転移再発を認める。直ちに抗癌剤治療を開始。しかし副作用著しく、腫瘍に対して有効性が認められないため、化学治療を中止し、実施例1の悪性腫瘍治療剤投与治療に変更し、20ヶ月間継続した。治療開始時の腫瘍マーカーはCEA(71.7)正常値5.0以下、CA15−3(6110)正常値37以下であった。なお、治療剤の投与量は1日当たり乾燥物の重量として25gであった。
治療開始4ヶ月後:上記症状改善し、QOLは著しく改善した(図4、5)。
治療開始10ヶ月後:CT上、上記転移像全く消失。自覚症状もなし(図6、8)。
治療開始2年2ヶ月後:再発の所見なくCT上も異常なし。
治療開始2年半後:CEA(3.5),CA15−3(32.5)
【0032】
[試験例2]
本発明品(実施例2)の悪性腫瘍治療効果を確認するための臨床試験結果は、以下のとおりである。
[患者]S.M.♂50歳 左上葉肺癌 脊椎/胸骨転移
[診断]左上葉肺癌 脊椎・胸骨転移
[病理診断]small cell cancer(小細胞癌)
[経緯]
治療開始5ヵ月前:左上葉肺癌、脊椎、胸骨転移、腫瘍マーカーTPAの異常高値(250)正常値70以下が認められる(図9)。
その後3ヶ月間入院:Chemotherapy+Radiationにより腫瘍消失又は縮小の後、摘出根治手術を目的として入院治療。治療結果は思わしくなく、目的とした腫瘍縮小に達せず。それでも手術を勧められたが、手術後の頚部脊髄の損傷による下半身麻痺の可能性ありと知らされて手術を拒否。
退院後2ヶ月間:内服薬は背部痛、頭部、左腕痛に対しての鎮痛剤と内服抗癌剤を服用(あまり服用せず)していた。上記Chemotherapyの継続を勧められたが、その苦痛に耐えることを拒否して実施例2の悪性腫瘍治療剤投与治療に変更。
治療開始時点:実施例2の悪性腫瘍治療剤投与を開始。なお、治療剤の投与量は1日当たり乾燥物の重量として25gであった。
治療開始3ヵ月後:咳(+++)、但し背部痛等の痛み軽減。
治療開始4ヵ月後:咳(±)、諸々の疼痛ほぼ軽快。睡眠改善などQOL著しく良好。MRI検査にて画像上の所見改善。
治療開始7ヵ月後:CT、MRI検査にて胸骨転移部位の著しい縮小と肺野の腫瘍陰影の消失を認める(図10)。
治療開始1年10ヵ月後:TPA(41)の正常化。
治療開始2年後:CT上にて左肺上葉の腫瘍さらに縮小。骨シンチ上の集積陰影濃度の減少。
治療開始2年半後:軽度の咳以外に症状なく、良好なQOLを保って日常生活を送る。
治療開始約3年後:健康を取り戻す。
【0033】
[試験例3]
本発明品(実施例3)の悪性腫瘍治療効果を確認するための臨床試験結果は、以下のとおりである。
[患者]M.T.♀5歳 急性骨髓性白血病
[診断]急性骨髓性白血病
[病理診断]急性骨髓性白血病
[経緯]
来院約5年前:何ら原因なく右足痛を訴え、歩行が出来なくなった。同時に食欲が低下し、微熱が続くなどの症状のため、掛かり付けの医師から日赤病院を紹介され、検査診断の結果、急性骨髓性白血病と診断され直ちに入院した。約1ヶ月間の化学療法、無菌室に入るなど辛い治療の後、完全寛解となる。その後、引続き地固め療法を3ヶ月行う。この時もかなり強い副作用に耐えて治療を終える。完全な治癒を信じて退院し、徐々に普通の生活に戻る。
治療開始:10歳になるや、定期検診で再発が疑われ、骨髓検査の結果、再発を宣告される。この時、特に著明な症状はなかったため、母親から再確認の希望がなされ、2週間に3回の骨髓検査を行ったが、いずれも再発に間違いないと診断された。医師より入院治療の強い要請がなされたが、再三の苦しい治療の経験と、前回に比べて今後の治癒率の低下、さらに化学治療への疑問もあり、別なる治療を模索した後、実施例3の悪性腫瘍治療剤投与治療に変更。実施例3の悪性腫瘍治療剤投与を開始。なお、治療剤の投与量は1日当たり乾燥物の重量として12.5gであった。当時、それほど症状がなかったこともあって、間もなく元気を取り戻す。その後、正確を期すために、掛かり付けの医院で定期的血液検査を頻繁に行って経過を慎重に観察しながら、本治療を続ける。その後の検査では、前に行った化学療法の後遺症と思われる軽い腎機能障害を認める以外に、再発による危険な所見は見られていない。
治療開始約3年後:その後順調に経過し、再発なく、腎機能障害も軽快した。治療の間隔をあけて継続し、治療開始後5年が経過した現在、健康上に問題は無く、停滞していた身体の発育も少しずつ回復し、身長も伸びた。
【0034】
[試験例4]
本発明品(実施例4)の悪性腫瘍治療効果を確認するための臨床試験結果は、以下のとおりである。
[患者]I.K.♀68歳 乳癌術後再発骨転移
[診断]乳癌術後再発骨転移
[経緯]
治療開始4年半前:手術、左乳房全摘術、Adenocarcinoma Stage I(〜II)で予後は良好のこと。術後投薬として経口でノルバテックス+エンドキサン又は5FU。しかしながら、抗癌剤の副作用のため、白血球数2000以下となり、以後ノルバテックスのみ約2年間継続投与。
治療開始6ヶ月前:骨シンチグラフにて右肋骨に異常陰影出現。
治療開始3ヶ月前:右胸痛出現し、再度ノルバテックスの内服開始。
治療開始時点:右胸痛が増悪、東洋医学的治療の併用を開始。悪性腫瘍治療剤の投与、すなわち、実施例4の悪性腫瘍治療剤投与治療(治療剤の投与量は1日当たり乾燥物の重量として25g)及び針灸治療、同時に食事指導を始める。すなわち、他医よりのノルバテックスに加え悪性腫瘍治療剤、食事療法及び針灸治療を継続し、一時期右胸痛も消失し、良好なQOLを得て生活を楽しむ。
治療開始5ヶ月前:流感が誘因となって左胸痛が出現し、頑固な咳が持続する。ほぼ同時にTumor maker異常値へ上昇(CA15−3:42.9)。
治療開始6ヶ月後:咳は持続し、左胸痛は次第に左腰部へと広がる。Tumor makerが更に上昇(CA15−3:64)。
治療開始7ヶ月後:骨シンチグラムにて骨転移を指摘される。放射線治療(コバルト)行うも、自覚症状改善されず。
治療開始10ヶ月後:一般的な内服鎮痛剤や座薬で痛みのコントロールが不十分になり、遠方への歩行が困難になってくる。ノルバテックス中止。麻薬系鎮痛剤服用開始。
治療開始13ヶ月後:骨シンチグラフにて頚椎、胸椎、左右肋骨、骨盤骨などに多数の転移巣が認められる。(図11)歩行が全く困難となり、通院不能。このころから免疫機能の十分な回復が認められてきた。
治療開始15ヶ月後:食欲不振が著しく、殆んど摂食不能となり、主治医から点滴を受け、末期的状態を呈する。CA15−3は4000近くに上昇。ただし、免疫機能の改善によって症状の中に少しずつ改善していく部分も認められるようになる。
治療開始1年半後:次第に痛みも軽くなり、少しずつ食欲も出てきた。Tumor makerも徐々に改善。
治療開始1年8ヶ月後:7月2日に久しぶりに自力で来院。体重が増え、食欲も殆んど回復。Tumor makerも引き続き低下(図12)。
治療開始1年10ヶ月後:骨シンチグラムにて転移巣はほぼ消失。
治療開始2年後:CA15−3は40.2に回復し、ほぼ日常生活が可能になる(図13)。
【0035】
これら4件の試験例の結果は、本発明品が明らかに腫瘍を消失させる作用を有していることを示している。したがって、本発明品は、悪性腫瘍治療に極めて有効であることが判明した。なお、本発明の2成分の単独投与群(比較例1及び2)では明らかな有効性が認められなかった。
【0036】
次に、本発明の悪性腫瘍治療剤を含有する飲食品の例を示す。
【0037】
[実施例5]
実施例1で得られた悪性腫瘍治療剤を用い、常法に従って悪性腫瘍治療剤を6.0重量%含有するキャンディを調製した。
【0038】
[実施例6]
実施例2で得られた悪性腫瘍治療剤を用い、常法に従って悪性腫瘍治療剤を6.0重量%含有する茶を調製した。
【0039】
上記実施例の悪性腫瘍治療剤を含有する飲食品により、日常の生活の中で容易に摂取することが可能となり悪性腫瘍を副作用なく効果的に治療することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】腫瘍マーカーの経過を示すグラフである。
【図2】乳癌手術+抗癌剤投与後7年半後再発した肝CT画像である。
【図3】手術時の乳癌病理顕微鏡像である。
【図4】本剤での治療3.5ヶ月後の肝CT画像である。
【図5】本剤での治療約6ヵ月後の肝CT画像である。
【図6】本剤での治療約1年後の肝CT画像である。
【図7】本剤での治療開始当時の肺CT画像である。
【図8】本剤での治療約1年後の肺CT画像である。
【図9】本剤での治療前の骨シンチグラフ(A)と、肺CT画像(B)である。
【図10】本剤での治療後の骨シンチグラフ(A)と、肺CT画像(B)である。
【図11】本剤での改善前の骨転移を示す骨シンチグラフである。
【図12】本剤での治療中の骨転移巣縮小を示す骨シンチグラフである。
【図13】本剤での治療後の骨転移巣消失を示す骨シンチグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
椎茸、カカオ、ナツメグ、コーヒー及びステビアを混合して得られる混合物を有効成分とする悪性腫瘍治療剤。
【請求項2】
更に前記混合物を熱水抽出して得られる抽出物を有効成分とする請求項1に記載の悪性腫瘍治療剤。
【請求項3】
前記混合物が乾燥粉末状態である請求項1又は2に記載の悪性腫瘍治療剤。
【請求項4】
前記椎茸、カカオ、ナツメグ、コーヒー及びステビアの重量比率がそれぞれの乾燥状態で3:3:2:2:1である請求項3に記載の悪性腫瘍治療剤。
【請求項5】
前記悪性腫瘍治療剤が、ローズマリー、マジョラム及び茴香からなる群より選択される少なくとも一種類を更に含む請求項1乃至4の何れか一項に記載の悪性腫瘍治療剤。
【請求項6】
前記椎茸、カカオ、ナツメグ、コーヒー、ステビア、ローズマリー、マジョラム及び茴香の重量比率がそれぞれの乾燥状態で3:3:2:2:1:2:2:1である請求項5に記載の悪性腫瘍治療剤。
【請求項7】
請求項1乃至6のうち何れか一項に記載の悪性腫瘍治療剤を含有する飲食品。
【請求項1】
椎茸、カカオ、ナツメグ、コーヒー及びステビアを混合して得られる混合物を有効成分とする悪性腫瘍治療剤。
【請求項2】
更に前記混合物を熱水抽出して得られる抽出物を有効成分とする請求項1に記載の悪性腫瘍治療剤。
【請求項3】
前記混合物が乾燥粉末状態である請求項1又は2に記載の悪性腫瘍治療剤。
【請求項4】
前記椎茸、カカオ、ナツメグ、コーヒー及びステビアの重量比率がそれぞれの乾燥状態で3:3:2:2:1である請求項3に記載の悪性腫瘍治療剤。
【請求項5】
前記悪性腫瘍治療剤が、ローズマリー、マジョラム及び茴香からなる群より選択される少なくとも一種類を更に含む請求項1乃至4の何れか一項に記載の悪性腫瘍治療剤。
【請求項6】
前記椎茸、カカオ、ナツメグ、コーヒー、ステビア、ローズマリー、マジョラム及び茴香の重量比率がそれぞれの乾燥状態で3:3:2:2:1:2:2:1である請求項5に記載の悪性腫瘍治療剤。
【請求項7】
請求項1乃至6のうち何れか一項に記載の悪性腫瘍治療剤を含有する飲食品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−273836(P2006−273836A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−179977(P2005−179977)
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【出願人】(592110989)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【出願人】(592110989)
【Fターム(参考)】
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