説明

情報交換装置及び情報交換方法

【課題】機器間の情報交換の接続関係を任意にかつ簡単に設定や解除できる情報交換装置を提供すること。
【解決手段】ディスプレイ140/ヘッドホン120から、情報交換を行うための無線経路とは異なる赤外線等の経路を介して、DVD再生装置100に、ディスプレイ140/ヘッドホン120の装置名称情報やアドレス情報を転送することによって、それら情報をDVD再生装置100に登録し、送信側となるDVD再生装置100は、自装置内に登録された受信側となるディスプレイ140/ヘッドホン120に関する情報に基づいて映像や音声の情報を送信し、受信側となるディスプレイ140/ヘッドホン120は、自装置宛に送信されてきた映像や音声の情報を受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相手機器と情報交換を行う情報交換装置及び情報交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、PCと周辺機器またはAV機器などのように複数の機器を組み合わせて接続することにより機能を構成することができる電子機器では、図27(a),(b)のように、機器間を接続する方法として主に有線接続が使われている。
【0003】
無線接続の例としては、図28のように、専用の赤外線送信機により音声を送信するヘッドホン装置などが市販されている。ヘッドホンをしたまま自由に移動ができ非常に便利である。赤外による無線通信なので複数の人が同時に同じ音楽を楽しむことができるという長所があり、家庭などの屋内での用途には向いている。しかしながら、相手を特定して通信することができないので、同時に複数の人が別々の音楽を楽しむ屋外などでの用途には向いていない。また、赤外線では受信範囲が制限され、障害物の影響も受けるので、電波による無線通信が望まれるが、法規制や無線デバイスが高価であることから一般の製品への適用がこれまで困難であった。
【0004】
これに対し、昨今、BlueToothなどの低出力で低価格な無線デバイスの出現により、一般の製品での無線接続が可能になりつつある。したがって、例えば、従来はケーブルで接続していた再生装置、ヘッドホン、ディスプレイの間を、無線で接続するようなシステム形態の普及が期待される(図1参照)。また、線でつなぐという接続上の制約がなくなることにより今までとは違った身につけ方や製品のモジュール化が可能となる。例えば、再生装置の部分は鞄などの中に入れっぱなしにしておくことができ、身につけている必要はなくなる。このようなメリットから今後さまざまな機器の接続が無線化されていくと予想される。
【0005】
ところが、上記のように無線で接続された機器で多くの人が屋外で音楽を楽しむためには、通常は、自分が携帯している再生機の音楽や映像は自分のヘッドホンやディスプレイだけで見ることができるようにすることが必要である。有線で接続していたときとは違い、無線では電波は四方に発散してしまう。したがって無線通信で相手を特定した通信をするためには、発信側は受信する機器を特定するための情報を付加して情報を発信し、受信側は自分に向けて発信された電波だけを拾うようにする必要がある。さらに、安全性を重視する場合には、発信するデータの中身を暗号化したりする必要がある。すなわち、相手を特定した無線通信をするためには、少なくとも通信相手を特定するための識別情報を発信側もしくは受信側は知らなければならない。
【0006】
現在、一般的に利用されている携帯電話を例にすれば、個々の携帯電話には電話番号という形式で個々の携帯電話を識別する番号が決められており、相手の電話番号を入力することにより特定の携帯電話との間で通信が可能になっている。
【0007】
別の例として人工衛星による有料放送がある。図29に示すように、衛星から発信された放送電波は各家庭などに設置された衛星放送受信機によって誰もが受信可能であるが、受信したデータは暗号化されており、放送会社と契約を結んでデータを復号する鍵をもらったり、受信機の復号機能を有効にする鍵をもらうなどのことをした特定の契約者だけが番組を視聴することができるようになっている。
【0008】
前者のような相手を特定した通信方法では電話番号やIPアドレスなどのような相手を特定するための情報が送信側に必要であり、後者の放送のようなデータをばら撒くタイプの通信方法では復号鍵や解除鍵などのようなデータを解読するための情報が受信側に必要である。いずれの場合にしても、相手側から何らかの手段で事前にこれらの情報を知ることにより、特定の機器との間で通信を行うことが可能となる。
【0009】
携帯電話の場合には、個々の機器の電話番号は電話会社によって契約時に携帯電話のメモリに登録されており、基本的には人間が電話をもらいたい相手に自分の電話番号を伝えるという行為を行うことにより、通信に必要な情報を伝達している。
【0010】
衛星放送の場合には、衛生放送受信機に出荷時から固有のIDが与えられており、衛星放送を視聴したい利用者が契約行為を行うことにより、出荷時に記憶された放送会社の電話番号にダイアルされて受信機のIDが通知され、電話回線や衛星放送を介して解除鍵などが送られてくる。
【0011】
以上のように、現行の機器では、通信相手を特定する情報はあらかじめ記憶されていて特定の機器との間だけで通信できるか、ボタンなどの入力インタフェースを介して後から入力することにより与えられている。
【0012】
現在は送信側と受信側がセットになった特定の組み合わせでしか通信できない製品しかないが、今後様々な機器間の接続が無線で行われるようになると、一般の製品では利用者は様々なメーカーの製品を別々に購入して組み合わせて使うのが一般的であるので、購入後に自分で設定作業をしなければならなくなる。例えば、秋葉原で買ってきたS社の携帯ステレオと新宿で買ってきたK社のヘッドホンとの間での無線通信が可能になるように、携帯ステレオにヘッドホンの情報を入力するなどの設定がなされなければならない。この作業は機器が増えるにつれて組み合わせ的に増加するので、簡単で誰でもできる方法が重要になる。しかしながら、現状では、そのような手段がない。
【0013】
さらに、携帯電話のようにダイヤルボタンなどの入力インタフェースを持つ機器では相手を特定する情報として番号を入力するなどの方法が可能であるが、機器の小型化やモジュール化が進んでいくと操作パネルを持たない機器の割合は増えると考えられるので、前述の無線のヘッドホンのようにユーザが操作する入力インタフェースを持たない機器に対しても通信相手の情報を登録できることが今後重要になっていくと考えられる。しかしながら、現状では、そのような手段がない。
【0014】
機器自体にユーザが操作する入力インタフェースを持たない機器の例としてはダイヤルアップルーターなどがある。このような機器では、パソコンに接続してパソコン上のユーティリティソフトから設定を行う。一般の製品において、登録作業をするためだけに高価な別の機器が必要であることは無駄なことであり、また誰でも簡単にできる作業ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
以上説明したように、相手を特定して無線通信をするためには、少なくとも通信相手を特定するための識別情報を発信側もしくは受信側は知らなければならない。従来、この識別情報は予め決められて機器内部に記憶されているか、ボタンなどの操作インタフェースを介して後から入力されている。しかしながら、今後、様々な機器に普及することを考えると、誰でも簡単にできる簡易な操作を提供すること、もしくはそのような操作を自動的に行うことでユーザには意識させないようにすることが必要であり、またボタンなどの操作インタフェースを持たない機器に対しても適用可能な方法が必要となってくる。
【0016】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、機器間の情報交換の接続関係を任意にかつ簡単に設定や解除できる情報交換装置及び情報交換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、他の情報交換装置との間で無線により情報交換を行う情報交換装置であって、他の情報交換装置との間で、情報交換を行うための経路とは異なる経路を介して、自装置に関する通信情報の交換と該他の情報交換装置に関する通信情報の交換とのうちの少なくとも一方を行う第1の情報交換手段と、自装置に関する通信情報と前記他の情報交換装置に関する通信情報とのうちの少なくとも一方を記憶する通信情報記憶手段と、前記情報交換を行うための経路を介し、前記通信情報記憶手段に記憶された前記通信情報に基づいて、他の情報交換装置への交換情報の送信と該他の情報交換装置から自装置への交換情報の受信とのうちの少なくとも一方を行う第2の情報交換手段と、新たな他の情報交換装置から前記第1の情報交換手段を介して該新たな他の情報交換装置に関する通信情報を受信した場合に、前記通信情報記憶手段に通信情報が既に登録されている他の情報交換装置の全部または一部に、受信した該新たな他の情報交換装置に関する通信情報を伝搬させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、他の情報交換装置との間で無線により情報交換を行う情報交換装置における情報交換方法であって、他の情報交換装置との間で、情報交換を行うための経路とは異なる経路を介して、自装置に関する通信情報の交換と該他の情報交換装置に関する通信情報の交換とのうちの少なくとも一方を行う第1のステップと、自装置に関する通信情報と前記他の情報交換装置に関する通信情報とのうちの少なくとも一方を通信情報記憶手段に記憶する第2のステップと、前記情報交換を行うための経路を介し、前記通信情報記憶手段に記憶された前記通信情報に基づいて、他の情報交換装置への交換情報の送信と該他の情報交換装置から自装置への交換情報の受信とのうちの少なくとも一方を行う第3のステップと、新たな他の情報交換装置から、前記情報交換を行うための経路とは異なる経路を介して、該新たな他の情報交換装置に関する通信情報を受信した場合に、前記通信情報記憶手段に通信情報が既に登録されている他の情報交換装置の全部または一部に、受信した該新たな他の情報交換装置に関する通信情報を伝搬させる第4のステップとを有することを特徴とする。
【0019】
なお、装置に係る本発明は方法に係る発明としても成立し、方法に係る本発明は装置に係る発明としても成立する。
【0020】
また、装置または方法に係る本発明は、コンピュータに当該発明に相当する手順を実行させるための(あるいはコンピュータを当該発明に相当する手段として機能させるための、あるいはコンピュータに当該発明に相当する機能を実現させるための)プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体としても成立する。
【0021】
本発明によれば、予め決められた機器間での情報交換だけでなく、機器の利用者が機器間の通信の接続関係を後から自由に変えることができる情報交換システムを実現することができる。また、ボタンなどの操作インタフェースを持たないような機器も対象とすることができる。それぞれの機器にIDを入力したり複雑なボタン操作などを必要としないので、利用者に対しても直感的な簡単な操作方法が提供される。
【0022】
また、本発明によれば、無線通信で相手を特定するのに必要な通信情報を送信する手段を分離したユニットにすることにより、据え置き型や設置方の機器に対しても、無線通信による接続関係を登録する操作を簡易に行う方法を提供することができる。
【0023】
また、本発明によれば、例えば、公衆に設置された機器との間で一時的に機器を登録して通信を行うことができ、広告などと結びつけたサービスを実現することができる。
【0024】
また、本発明によれば、例えば利用者が携帯する携帯端末と店舗のPOS端末との間で一時的な情報交換を可能とし、クーポンなどの管理を簡単に行うことができる。また、複数のユニットを組み合わせて持つことを本人確認に利用することにより、クレジットなどの利用の際の本人確認をより安全に行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、機器間の情報交換の接続関係を任意にかつ簡単に設定や解除することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態を説明する。
【0027】
(第1の実施形態)
図1に、携帯型DVD視聴システムの例を示す。このシステムは、DVD再生装置100、ヘッドホン120、ディスプレイ140から構成されており、必要な機器間が無線通信により接続されている。なお、図1は、DVD再生装置100がユーザの腰部に、ヘッドホン120が頭部に、ディスプレイ140が手首に装着されている様子を示している。
【0028】
図2に、DVD再生装置100、ヘッドホン120、ディスプレイ140の各機器の基本的な構成例を示す。(a)に示されるようにDVD再生装置100はDVD再生部102と通信部104から構成され、(b)に示されるようにヘッドホン120は音声出力部122と通信部124から構成され、(c)に示されるようにディスプレイ140は映像出力部142と通信部144から構成されている。
【0029】
図3に、この通信部(102,122,142)の構成例を示す。
【0030】
図3中の162で示す点線の枠内が通信部を表わしており、164で示す主装置とは図2のDVD再生装置100、ヘッドホン120、ディスプレイ140などの機器の主要部分を表わしている。もちろん、主装置は、DVD再生装置、ヘッドホン、ディスプレイ以外のどのような機器の主要部分であってもよい(すなわち、この通信部はどのような機器にも適用可能である)。
【0031】
通信部(102,122,142)は、情報を送信する送信部4と、情報を受信する受信部5と、特定の相手と通信するのに必要な情報を蓄積する通信情報記憶部3と、特定の相手と通信するのに必要な情報を他の機器との間で交換するための通信情報交換部2と、通信情報交換部2を介して他の機器との間の情報交換が終了した状態を操作者に通知するための通知部6と、通信情報交換部2を介して行われる他の機器との情報の交換を制御し、通信情報記憶部3の情報にしたがって送信部4と受信部5を制御して他の機器からの通信データを主装置に送受するための制御部1から構成される。
【0032】
なお、通信情報交換部2を介して他の機器から取得し、通信情報記憶部3に記憶する情報のことを「通信情報」と呼ぶものとする。
【0033】
ここで、通信情報交換部2の実現方法について説明する。
【0034】
図4に通信情報交換部2の実現方法の幾つかの例を示す。(a)は機器Aと機器Bのコネクタ同士を物理的に接合させる方法、(b)はIrDAのように指向性のある無線通信手段を用いる方法、(c)は公衆回線を用いて接続する方法、(d)は専用のケーブルで接続する方法である。いずれも特定の相手と秘守性のある通信経路で情報を交換することができるので、本発明を適用する分野の機器の事情に合わせて選択すればよい。例えば(a)の方法はヘッドホンや何かのセンサユニットなどのようにそれ自体に操作パネルを持たないような機器への適用が適しており、据え置き型のオーディオビジュアル機器などのように既に赤外ユニットを装備している機器には(b)が適している。
【0035】
また、上記の例の他にも、バーコードによる入力、Bluetoothのような近距離無線、OCRによる入力、記録媒体による入力、手入力など種々の方法があり、それらを本発明を適用する分野の機器の事情に合わせて選択すればよい。
【0036】
次に、図3の通信部を有する2つの機器の間で通信を行うように登録をする手順について説明する。図5に、この手順の一例を示す。
【0037】
まず、それぞれの機器の通信情報交換部2を介して通信情報の交換を行える状態にする。例えば、図4に例示したような方法で、機器間を接続する。
【0038】
通信情報交換部2同士の接続が完了すると、通信情報交換部2は制御部1に対し、他の機器との情報交換が始まったことを通知する(ステップS71)。情報交換の開始を判断する手段としては、例えば、通信情報交換部2の接合部にスイッチを設け、接合が行われることによって自動的に判断できるようにする方法や、ユーザがスイッチを操作することにより明示的に指示する方法などが考えられる。
【0039】
開始を指示されると、制御部1は、通信情報交換部2を介して相手の機器との間でどちらが情報交換の動作の主導を握るかを決定する(ステップS72)。この決定方法としては、例えば、DVD再生装置とヘッドホンのように機器の組み合わせで予め主従が決まっていたり、操作インタフェースを持つ機器の側でのユーザ操作で指定されたり、どちらの機器が先に要求を出したかなどで決定する。
【0040】
自機が情報交換制御の主機になるかによって制御部1の動作を変更する(ステップS73)。
【0041】
自機が主機となった場合には、通信情報交換部2を介して相手の機器に対して通信情報を要求し、取得した通信情報が登録すべき情報であるかを判定して登録すべき情報であれば通信情報記憶部3に記憶する(ステップS74)。
【0042】
ここで、図6に、通信情報の一例を示す。これは、例えば図1のDVD再生装置に登録されたヘッドホンやディスプレイの通信情報の例である。
【0043】
図6の通信情報において、機器名は、相手の機器の装置名称もしくは装置種別などを示す情報であり、機器(の機能)を区別するための項目である。
【0044】
接続種別は、その機器との接続内容を表わす項目である。図6の例の場合、従来のケーブル接続での「どの端子への接続」であるかという接続関係を表わしている(より具体的には、DVD再生装置の音声出力端子に対してヘッドホンが接続されたのと同じ内容を表わしている)。
【0045】
通信アドレスは、コンテンツ等のデータの送受信に使用する無線方式のプロトコルにおいて決められている、通信相手を特定するための識別情報である。
【0046】
なお、通信内容を暗号化して行う場合などのために、さらに通信相手の公開鍵などの項目を設けるようにしてもよい。その他にも、必要に応じて、適宜項目を設けることができる。
【0047】
また、他の機器の通信情報を保存するにあたっては、該通信情報に他の制御情報等(例えば、有効期限情報)を付加して記憶するようにしてもよい。
【0048】
上記の登録すべき通信情報であるかの判定については、例えば図6の機器名や接続種別からそれが当該機器(この例の場合、DVD再生装置)に接続可能な機器であるか否かを制御部1により判定する。
【0049】
ここで、ステップS75において登録すべき通信情報でなかった場合には、ステップS77に進む。
【0050】
ステップS75において登録すべき通信情報であった場合には、自機の通信情報を相手の機器に通知し、登録を指示する(ステップS75)。そして、ステップS77に進む。
【0051】
一方、自分が主機でなかった場合には、主機からの要求にしたがい、自機の通信情報を返答し、送られてきた相手の機器の通信情報を自機の通信情報記憶部3に記憶する(ステップS78)。ただし、送られてきた相手の機器の通信情報が、エラーを表すコードである場合には、記憶しない。そして、主機からの情報交換処理の終了の通知を受け(ステップS79)、そして、ステップS77に進む。
【0052】
情報交換処理が終了すると、登録操作を行っているユーザに対して処理が終了したことを通知するために通知部6を介して処理の終了を通知する(ステップS77)。
【0053】
情報交換が正常に終了した場合およびまたは情報交換が正常に終了しなかった場合に、制御部1はユーザに対して情報交換の成功またはエラーを通知する。表示パネル等を持たない機器のための通知手段としては、例えばブザーやLEDの点灯などがある。なお、情報交換が正常に終了したときにも正常に終了しなかったときにもブザーやLEDの点灯などで通知を行う場合には、正常時とエラー時とでブザーやLEDの鳴らし方や点灯の仕方を変えて、正常通知かエラー通知かを区別できるようにするのが好ましい。また、登録すべき通信情報であった場合であって、何らかの理由で処理が正常に終了できなかった場合について、それが区別できるように通知するようにしてもよい。もちろん、表示パネル等を持つ機器には、文字情報や画像情報で通知を行っても良いし、音声情報を併用しても良い。
【0054】
以上により通信相手の登録操作が終了する。
【0055】
なお、機器に、主機または従機のいずれか一方としての機能を固定的もしくは静的に設定することも可能である。主機または従機のいずれか一方として固定された機器には、主機として必要な機能または従機として機能のみを搭載するようにしてもよい。
【0056】
また、例えばヘッドホンのように受信専用となる機器には、通信相手機器の通信情報を登録しないで済ませる方法もある(受信機器は、自装置宛の通信データを受信すればよい)。この場合、自機の送信情報を送信側機器に通知する機能を持てばよく、送信側機器の通信情報を受信して自機内に登録する機能は備えなくて構わない。
【0057】
次に、登録された通信情報を用いて相手を特定した通信を行う際の動作について説明する。
【0058】
ここでは、図6のようにDVD再生装置100にヘッドホン120とディスプレイ140が登録されている場合を例にとって説明する。
【0059】
まず、送信側の動作(この例の場合、DVD再生装置の動作)について説明する。図7に、この場合の動作手順の一例を示す。
【0060】
DVD再生装置100の電源が入ると、制御部1は、通信情報記憶部3に登録されたヘッドホン120とディスプレイ140の通信情報を読み出し、映像と音声のそれぞれの信号を送信する相手の通信アドレスを決定する(ステップS101)。その際に、事前に確認の信号を送って相手から受信可能であるという返事があることを確認することにより、複数登録されている機器から現在使用可能な機器を選んだりするようにしてもよい。また、どの機器からも返事がなければユーザに対して登録されている機器が無いか未登録である、または相手の電源が入っていないなどのなんらかの状態異常であることを通知するようにしてもよい。また、利用できる機器を示してユーザが選択できるようにしてもよい。
【0061】
次に、ユーザがDVD再生装置100に対して再生を指示すると、DVD再生部102(図2参照)から通信部104に対して映像と音声の信号が送られる。通信部内の送信部4(図3参照)は、DVD再生部102からの信号を通信プロトコルに合わせた通信データに変換し、先に決定したヘッドホン120とディスプレイ140の通信アドレスに対して通信データを送信する(ステップS102)。
【0062】
次に、受信側となるヘッドホン側の動作について説明する。図8に、この場合の動作手順の一例を示す。
【0063】
ヘッドホン120の受信部5(図3参照)は、自分の通信アドレス宛に送られてきたデータを受信し、送信元が通信情報記憶部3に登録された相手であるかを確認する(ステップS101)。登録された複数の機器からヘッドホン宛に通信が送られてきている場合には、例えば、ユーザが切替えスイッチにより選択するなどの操作を行う。
【0064】
登録された機器が通信相手として選択されると、その機器からの通信データが順次音声信号に変換され、音声出力部122(図2参照)により音声として出力される(ステップS103)。登録された相手でなければ、そのまま何もしない。
【0065】
ディスプレイ140も、ヘッドホン120と同様の動作によって、登録された相手機器からの映像を出力する。
【0066】
ここで、さらに通信内容を暗号化する場合について図6の例で説明する。DVD再生装置100は、通信情報記憶部3に記憶されたヘッドホンやディスプレイの公開鍵を使用して送信するデータを暗号化して送信部4からそれぞれに送信する。受信側では、受信部5で取得した自分宛の通信データを自分の秘密鍵を使用して復号化し、音声データや映像データを取得する。
【0067】
次に、登録した機器の登録解除の方法について説明する。図9に、この場合の手順の一例を示す。
【0068】
通信相手として登録された機器を登録解除する方法として、いくつかの方法が考えられる。ユーザからの操作インタフェースを持つ機器であれば、ユーザ操作により登録を解除する方法が考えられる。また、ヘッドホンのようにユーザからの操作インタフェースを持たない場合がある機器であれば、もう一度、通信情報交換部2(図3、図4参照)を接合させることにより互いに登録を解除する方法が考えれる。通信情報交換部2が他の機器との間の登録解除開始を判断する方法としては、通信情報交換部2が他の機器との接合を検知してその機器が既に登録済みの機器であることから判断する方法や、通信情報交換部2に登録とは別に解除のスイッチがあって接合のさせ方によって解除のスイッチがオンになる方法や、ユーザがスイッチなどを操作することにより通信情報の登録削除の開始が判断される。
【0069】
さて、所定の方法によって登録削除の開始が指示されたことを検出すると(ステップS121)、制御部1は、通信情報交換部2を介して相手の機器との間でどちらが登録削除の動作の主導をにぎるかを決定する(ステップS122)。この決定方法としては、例えば、DVD再生装置とヘッドホンのように機器の組み合わせで予め主従が決まっていたり、操作インタフェースを持つ機器の側でのユーザ操作で指定されたり、どちらの機器が先に要求を出したかなどで決定する。
【0070】
自機が登録削除の主機になるかによって制御部1の動作を変更する(ステップS123)。
【0071】
自機が主機となった場合には、通信情報交換部2を介して相手の機器に対して自機の通信情報の削除を要求する(ステップS124)。図6の通信情報の例では、機器名を指定して削除を指示する。
【0072】
次に、自機から相手の通信情報を削除する(ステップS125)。図6の通信情報の例では、相手の機器名を要求して、その機器名に該当する通信情報を通信情報記憶部3から削除する。
【0073】
一方、自分が主機でなかった場合には、主機からの要求にしたがい、自機の通信情報記憶部3から相手の通信情報を削除し、相手に自機の機器名などを通知する(ステップS127)。そして、主機からの登録削除処理の終了の通知を受ける(ステップS128)。
【0074】
登録削除処理が終了すると、登録削除操作を行っているユーザに対して処理が終了したことを通知するために通知部6を介して処理の終了を通知する(ステップS126)。
【0075】
通知手段については、既に登録について説明したものと同様である。
【0076】
以上により通信相手の登録削除の操作が終了する。
【0077】
次に、一時的に通信ができるようにする場合の登録と解除の方法について説明する。
【0078】
例えば、図1の携帯型映像再生システムで友人Aと一緒に映画を見るために、DVD再生装置100に、友人Aが携帯するヘッドホン(Aとする)を一時的に登録する。登録手順は前述した方法と同様にDVD再生装置100と友人Aが携帯するヘッドホンの通信情報交換部2(図3、図4参照)を接続することにより行われる。その際に、例えば、ユーザはDVD再生装置100の操作インタフェースを操作することにより、現在登録操作を行っている機器を一時的な登録機器であることを指定し、登録期間を指定する。登録期間としては、何月何日までとか何時間といった有効期限で指定する方法や、実際に通信を行った時間の長さや通信したデータ量で指定する方法や、通信の接続をした回数で指定する方法が考えられる。
【0079】
図10に、この場合の通信情報の一例を示す。図10の有効期限の項目が削除条件の例であり、この具体例の場合、友人AのヘッドホンAは当日の18時まで有効であり、自分のヘッドホンBは無期限に有効であるように登録されている様子を表わしている。
【0080】
一時的にヘッドホンを登録したDVD再生装置100の制御部1は、指定した登録期間が過ぎたことを検知すると通信情報記憶部3から情報の削除を行う。
【0081】
なお、一時的な通信相手機器の通信情報の登録を消去する方法には、上記のように時間情報を利用して消去する方法の他に、例えば、一時通信用の記憶領域を用意しておき、登録があるごとに順次上書きしていくことで消去する方法など種々の方法が考えられる。
【0082】
また、ヘッドホン側に一時的にDVD再生装置の通信情報を登録し削除する場合についても上記と同様である。ただし、前述したように、ヘッドホンのように受信専用となる機器には、一時的に通信する相手の通信情報を登録しないで済ませる方法もある(受信機器は、自装置宛の通信データを受信すればよい)。
【0083】
なお、上記ではヘッドホンの通信情報に有効期限の項目を含めたが、有効期限はDVD再生装置側で決定するようにしてもよい(この場合、決定した有効期限の項目を、受信した通信情報に付加して記憶すればよい)。
【0084】
以上のように本実施形態によれば、予め決められた機器間での情報交換だけでなく、機器の利用者が機器間の通信の接続関係を後から自由に変えることができる情報交換システムを実現することができる。また、ボタンなどの操作インタフェースを持たないような機器も対象とすることができる。それぞれの機器にIDを入力したり複雑なボタン操作などを必要としないので、利用者に対しても直感的な簡単な操作方法が提供される。
【0085】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、基本的な仕組みは第1の実施形態と同様であるが、本実施形態では、家庭用の据え置き機器などに適用する例について説明する。
【0086】
さて、これまで述べたような無線通信による機器の接続は、携帯型の機器に止まらず、家庭内の機器においても普及していくと考えられる。例えば、今ではほとんどの一般家庭に普及したTVとVTR(あるいはそれらと同じ様な機能を有する機器)などの接続などにも今後使われていくと考えられる。
【0087】
第1の実施形態では、他の機器との間で通信情報を交換する手段を、携帯性の高い機器本体に内臓させたが、据え置き型の大型の機器の場合、図4(a)のコネクタ同士を物理的に接合させる方法は不適当であり、また(b)のIrDAを用いる方法のみでは対応しきれず、(c)の専用のケーブルで接続する方法は煩雑であるので、据え置き型の大型の機器にとってより好ましい別の操作方法が望まれる。本実施形態では、その通信情報を交換のための機能を例えばリモコンのような独立のユニットに分離した例について説明する。
【0088】
図11に、自身が付随する機器220の通信情報を送信するリモコン210と、他の機器のリモコンから該他の機器の通信情報を受信する親機となる機器220の構成例を示す。
【0089】
図11の構成は、基本的には、第1の実施形態の図3の構成を機器本体側とリモコン側の2つに分割した構成になっている。
【0090】
なお、(a)と(b)の両方の構成を持つ機器と、(a)の構成を持ち(b)の構成を持たない機器(自身の通信情報を相手機器に送信するだけの機器)と、(b)の構成を持ち(a)の構成を持たない機器(相手機器の通信情報を受信するだけの機器)とがあり得る。
【0091】
通信情報記憶部11には、このリモコン210の親機である例えばTV受像機などの機器220の通信情報が記憶されている。通信情報としては、図6あるいは図10で例示したような内容が記憶されている。
【0092】
リモコン側において、通信情報送信部12は、自機の通信情報を登録させたい機器に向けて、自機の通信情報を送信する手段であり、例えば、電化製品で一般的に使用されている赤外線送信手段などを使用するものとする。赤外線のように指向性があり壁などの障害物を通過できない送信手段を使用することにより、家庭内の特定の機器に向けて重要な自機の情報を送信することが可能になる。
【0093】
送信指示部13は、通信情報の送信開始を指示するための手段であり、例えば、ボタンなどの操作により行う。
【0094】
制御部10は、これら各部の間の制御を行う。
【0095】
一方、機器本体側において、主装置26は、当該機器の主要部分であり、例えば機器がVTR装置であればVTRを録画再生する部分である(図2参照)。
【0096】
通信情報記憶部21は、通信相手のリモコンから送られてきた当該通信相手の通信情報を記憶する手段である。
【0097】
通信情報受信部22は、リモコンの通信情報送信部12からの信号を受信する手段である。
【0098】
送信部24は、通信情報記憶部21に記憶された通信情報にしたがって主装置26からの信号を送信する手段である。
【0099】
受信部25は、通信情報記憶部21に記憶された通信情報にしたがって受信した信号を主装置26に送る手段である。
【0100】
制御部20は、これら各部とその間の情報を制御して通信を制御する手段である。
【0101】
以下、赤外線リモコンを使ってVTR装置とTV受像機との間を通信接続させる動作手順について説明する。
【0102】
図12において、「TV受像機のリモコン」302の通信情報記憶部11にはTV受像機300の通信情報が記憶されており、送信指示部13であるリモコン302のボタンなどの操作で、通信情報記憶部11に記憶された自機の通信情報を通信情報送信部12から送信する機能が備わっている。このリモコン302をTV受像機300に通信接続させたいVTR装置310へ向け、通信情報を送信する操作をすることにより、VTR装置310にTV受像機300の通信情報が記憶される。リモコン302からの信号は、VTR装置310側の通信情報受信部22である赤外線受光部(図示せず)により受信され、TV受像機300の通信情報がVTR装置310の通信情報記憶部21に記憶される。
【0103】
上記と同様の操作を「VTR装置のリモコン」(図示せず)でTV受像機300に対して行い、VTR装置310の通信情報をTV受像機300に記憶させてもよい。あるいは、TV受像機300のように据え置き型の機器で家庭外に機器自体やリモコンが持ち出されない状況であれば、TV受像機300の通信情報が家庭外にもれる心配は少ないので、TV受像機300にVTR装置310の通信情報を記憶させなくてもよい。記憶させた場合には、TV受像機300は、通信を受ける際に、送信元の機器の確認ができたり、送信元をTV受像機300側で選択したりすることができる。
【0104】
なお、図13のように、VTR装置310からTV受像機300に向けてVTR装置310の通信情報を登録する際には、TV受像機のリモコン302から送られたTV受像機300の通信情報の公開鍵を用いてVTR装置310の通信情報を暗号化し、TV受像機300の通信アドレスに向けて送信するという方法も可能である。
【0105】
以上の登録操作をすることにより、VTR装置310は、通信情報記憶部22に記憶した通信情報を用いてTV受像機300の通信アドレスに向けて映像・音声信号を送信部24から送信し、TV受像機300は、受信部25から受信した内容を映像・音声として主装置26から出力することができる。また、TV受像機300の公開鍵を用いて映像・音声信号を暗号化して送信することも可能である。
【0106】
上記は2台の機器間で接続を登録する例であったが、自機を登録したい機器に向けて自機のリモコンで登録を行う動作を、登録したい接続関係の数だけ実行することにより、多くの機器間で接続を登録することが可能である。
【0107】
図14に、3台の機器間での接続の例を示す。図14において、各VTR装置330,340は、TV受像機320に向けて接続され、第1のVTR装置330と第2のVTR装置340は相互に接続されている。この場合、リモコンによる登録動作の繰り返しによって、4回の操作で図14中に矢印で示すような接続関係を登録することができる。
【0108】
ところで、上記のユーザによるリモコン操作による登録動作は、機器間で通信情報を自動的に通知させることによって、より簡単にすることができる。
【0109】
ここでは、中心となる機器を設けることにより、登録操作の回数を減らし、操作方法をより単純化する方法を説明する。
【0110】
図14のようなAV機器群の場合、機器の中心となっているのはTV受像機である。ここでは、TV受像機を中心としてVTR装置2台の接続登録を行う登録手順を2通り説明する。
【0111】
まず、第1の方法について図15を参照しながら説明する。
【0112】
図15の方法では、各VTR装置のリモコンから各VTR装置の通信情報をTV受像機に対して登録することにより、VTR装置同士も登録が行われる。その手順を以下に説明する。
【0113】
(1)第1のVTR装置のリモコン335からTV受像機320に対して第1のVTR装置330の通信情報を送信し、TV受像機320の通信情報記憶部3に登録する。
【0114】
(2)同様に、第2のVTR装置のリモコン345からTV受像機320に対して第2のVTR装置340の通信情報を送信し、TV受像機320の通信情報記憶部3に登録する。
【0115】
(3)TV受像機320は、自機の通信情報記憶部3に記憶された第2のVTR装置340の通信情報を、第1のVTR装置330の公開鍵で暗号化し、これを第1のVTR装置330の通信アドレスに向けて送信する。
【0116】
(4)同様に、TV受像機320は、自機の通信情報記憶部3に記憶された第1のVTR装置330の通信情報を、第2のVTR装置340の公開鍵で暗号化し、これを第2のVTR装置340の通信アドレスに向けて送信する。
【0117】
ここで、TV受像機330が、「自機の通信情報記憶部3に登録されたどの機器に対して、どの機器の通信情報を分配すべきか」を判断する方法について説明する。
【0118】
TV受像機320に接続される機器は、TV受像機320に映像と音声を送信可能な機器であり、そのような機器は、録画機能を持つ他の機器にとっては録画ソースとなる対象である。したがって、TV受像機320は、自機の通信情報記憶部3に記憶された機器の中で録画機能を持つ機器に対して、自機に登録されている他の全ての機器の通信情報を配信すればよい。新しい機器がTV受像機に登録された際には、既に登録されている機器の中の録画機能を持つ機器に対しては新しく追加された機器の通信情報を送信し、新しく追加した機器に対してはそれが録画機能を持つ機器ならば登録済みの全ての他の機器の通信情報を送信する。
【0119】
ある機器が録画機能を持つかどうかを判断する方法としては、例えば、図6の通信情報の機器名で判断したり、新しい項目を追加して判断すればよい。
【0120】
次に、第2の方法について図16を参照しながら説明する。
【0121】
図16の方法では、TV受像機のリモコンだけを使用して全ての機器の登録を行う。その手順を以下に説明する。
【0122】
(1)TV受像機のリモコン325から第1のVTR装置330に対してTV受像機320の通信情報が送信され、第1のVTR装置330の通信情報記憶部3にTV受像機320の通信情報が記憶される。
【0123】
(2)第1のVTR装置330は、自機の通信情報記憶部3に記憶されたTV受像機330の通信情報の公開鍵を使用して、自機の通信情報を暗号化し、これをTV受像機320の通信アドレスに対して送信する。
【0124】
(3)同様に、TV受像機のリモコン325から第2のVTR装置340に対してTV受像機320の通信情報が送信され、第2のVTR装置340の通信情報記憶部3にTV受像機320の通信情報が記憶される。
【0125】
(4)同様に、第2のVTR装置340は、自機の通信情報記憶部3に記憶されたTV受像機320の通信情報の公開鍵を使用して、自機の通信情報を暗号化し、これをTV受像機320の通信アドレスに対して送信する。
【0126】
(5)TV受像機320は、自機の通信情報記憶部3に記憶された第1のVTR装置330の通信情報の公開鍵を使用して、第2のVTR装置340の通信情報を暗号化し、これを第1のVTR装置330の通信アドレスに対して送信する。
【0127】
(6)同様に、TV受像機320は、自機の通信情報記憶部3に記憶された第2のVTR装置340の通信情報の公開鍵を使用して、第1のVTR装置330の通信情報を暗号化し、これを第2のVTR装置340の通信アドレスに対して送信する。
【0128】
以上の動作により、TV受像機のリモコンだけを使用して、それに接続される他の機器および機器間の接続登録を行うことができる。
【0129】
なお、削除に関しても上記と同様にリモコンにより削除の指示を行うことにより実行することができる。
【0130】
次に、図17を参照しながら、他の機器を経由して通信する場合の例について説明する。
【0131】
図17において、400で示される点線枠は、利用者Aのプライベートルームを表わしており、利用者Aは、通常、VTR装置404をTV受像機402に接続してVTR装置404の再生映像を視聴している。また、410で示される点線枠は、利用者Aの家のリビング・ルームを表わしており、第2のTV受像機412と第2のTV受像機412の通信情報を記憶したリモコン416が置かれている。また、ここで説明するリモコン416は、TV受像器だけでなくVTRなどの他の機器の操作に対応した操作ボタンを有している。携帯端末414は、利用者Aが常に携帯している情報端末である。
【0132】
これらの機器は、通信情報交換部もしくは通信情報受信部と送信部と受信部(図3、図11参照)を有しており、通信情報交換部等を介して登録された機器との間で送受信が行えるようになっている。
【0133】
これまでの方法に従えば、リモコン416を携帯端末414に登録することにより、携帯端末414に登録されたVTR装置404に、リモコン416と第2のTV受像機412の通信情報が伝播されるとともに、同様にリモコン416に、VTR装置404と携帯端末414の通信情報が伝播され、これによって、リモコン416とVTR装置404およびVTR装置404と第2のTV受像機412が通信を行えるようになり、リモコン416で第1のVTR装置404を操作して第1のVTR装置404の映像を第2のTV受像機412で視聴することができるようになる。
【0134】
しかしながら、VTR装置404が、利用者Aが個人的に視聴するための専用の装置である場合には、他の人がVTR装置404を操作できないようにすれば、VTR装置404の通信情報をリモコン416に通知することなく、リビングのリモコン416で制御して第2のTV受像機412で視聴できるようにすることが望ましい。そこで、リモコン416に対してVTR装置404の通信情報は公開せずに、携帯端末414がリモコン416とVTR装置404との間を仲介する方法について説明する。その手順を以下に示す。
【0135】
(1)リモコンを携帯端末に登録する。
リモコン416から携帯端末414に対してリモコン416の通信情報が送られ、携帯端末414からリモコン416に対して携帯端末414の通信情報が送られる。
【0136】
(2)リモコンに登録された通信情報を携帯端末に伝播する。
リモコン416に記憶された第2のTV受像機412の通信情報が携帯端末414に伝播される。
【0137】
(3)携帯端末に登録された通信情報の一部をリモコンに伝播する。
携帯端末414は、携帯端末414に記憶されたVTR装置404と第1のTV受像機402の通信情報を通知する際、該通信情報のうち機器の機能等に関する情報、例えば機器名と接続種別だけを使用し、他の通信アドレスや鍵情報などの部分については、代わりに当該携帯端末414の値を付加して、該通信情報をリモコン416に通知する。
【0138】
(4)リモコンの操作対象を設定する。
リモコン416には、操作対象として第2のTV受像機412が登録されており、上記の(3)によりVTR装置404と第1のTV受像機402が操作対象として追加された。リモコン416の操作により、リモコン416のVTR操作ボタンの操作対象としてVTR装置404を、TV操作ボタンの操作対象として第1のTV受像機402を設定する。なお、リモコンに操作対象を固定する機能があって、TV受像機に関しては第2のTV受像機412以外を登録できないようにすることも可能である。
【0139】
(5)リモコンでVTR操作ボタンを操作する。
リモコン416は、通信情報記憶部に、VTR装置404の通信アドレスとして記憶された携帯端末414の通信アドレスに対して、VTRの制御コマンドを送信部から送信する。制御コマンドには、機器の種類によって重複の無い標準化された制御コマンドの仕様に準拠したものを使用する。
なお、リモコン416で第2のTV受像機412を操作対象としたときにも、VTR装置404に対して出力先を第2のTV受像機412にするように制御コマンドが送信される。
【0140】
(6)携帯端末からVTR装置に制御コマンドが転送される。
リモコン416から制御コマンドを受信した携帯端末414は、携帯端末414に記憶されたVTR装置404の通信情報を使って、VTR装置404に対し制御コマンドを送信する。
【0141】
(7)VTR装置は映像・音声をTV受像機に送信する。
【0142】
リモコン404を携帯端末414から登録削除したり、携帯端末414の操作でVTR装置404への転送中止を指示したり、携帯端末414が通信圏外に移動することにより、リビングのリモコン416でのVTR装置404の操作はできなくなり、VTR装置404は、VTR装置404の通信情報記憶部から第2のTV受像機412の通信情報を削除する。
【0143】
以上により、リモコンにVTR装置の通信情報を知らせることなく利用者Aが許可したTV受像機からVTR装置の映像を視聴することができ、利用者Aの許可無くVTR装置が利用されてしまう心配が無い。また、利用者Aは、家庭内のどのTV受像機でも自室のVTR装置を使って再生映像を楽しむことが可能となる。
【0144】
以上のように本実施形態によれば、無線通信で相手を特定するのに必要な通信情報を送信する手段を分離したユニットにすることにより、据え置き型や設置方の機器に対しても、無線通信による接続関係を登録する操作を簡易に行う方法を提供することができる。
【0145】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、これまでの実施形態の応用例として、公衆に設置された機器との間で一時的に接続して通信を行う例について説明する。
【0146】
図18に、街頭の看板や電車の中の広告との間で通信を行う場合の例を示す。
【0147】
各広告設備510には、情報送信部514と通信情報送信部512がある。無線送信部514からは、その広告に関連する情報が送信されており、広告に書ききれなかった情報や、広告や広告の内容に関する問い合わせ先の情報(例えば、電話番号、URL)などが送信される。通信情報送信部512は、その広告の情報送信部514の通信情報を送信するものである。
【0148】
利用者は、例えば図18のような情報受信部502と通信情報受信部504を要したヘッドホン500を装着する。情報受信部504は、広告の情報送信部514から送信される情報を受信する。通信情報受信部502は、広告の通信情報送信部512から送信される通信情報を受信する。この場合の動作を以下に説明する。
【0149】
なお、このヘッドホン500や各広告設備510は、基本的には、第1の実施形態もしくは第2の実施形態と同様の仕組みによって構成可能である(第1の実施形態もしくは第2の実施形態と同様の構成もしくはその一部の必要な構成を有すればよい)。
【0150】
(1)利用者が携帯する機器に予め図19のような通信情報を登録する。これまでの実施形態では、通信相手を機器毎に個別に区別していたが、本実施形態では、グループIDで通信相手を登録してもよいかを判定する。機器名の欄も実際の個別の機器名を表わすのではなく、グループの名称を表わしている。図19の1行目の通信情報は、広告Aというグループ名から音声が入力として送られてくることを表わしている。この通信情報は、例えば、広告を配信する会社からインターネットで配信されたり、登録窓口や登録端末を通して取得する。
【0151】
(2)利用者の装着するヘッドホン500の通信情報受信部502に、特定の広告の通信情報が受信される。通信情報の通信手段としてBlueToothのような送信エリアの限定される通信手段を使用した場合には、利用者が広告の周りのある一定範囲に移動してくることにより通信情報が受信される。したがって、街角の看板広告などに適用し、利用者が看板の前に来たときに情報を送って注意を引くことができる。別の通信手段として赤外線のような指向性のある通信手段を使用した場合には、利用者が注意を向けることにより通信情報が受信される。したがって、電車の中の広告のように狭い範囲にたくさんの広告があるような場所や、利用者が主導権を持って情報にアクセスするような場合に適用することができる。
【0152】
(3)ヘッドホン500の通信情報受信部502から受信された通信情報のグループIDを、通信情報記憶部(図3参照)に記憶された通信情報と比較することにより、登録してもよい相手かどうかを判定する。一致した場合には、受信された通信情報の通信アドレスを、ヘッドホンの通信情報記憶部のグループIDの一致した通信情報の行の通信アドレスの欄に、一時的に記憶する。記憶する期間は、例えば、別の通信情報が受信されるまでや、その機器からの通信情報が受信されている間まで、または通信情報を受信した相手からの情報受信が終了するまでなどで行う。
【0153】
(4)現在記憶されている通信情報に対応する通信アドレスからの情報を、情報受信部504で受信し、必要な処理を施した後に、ヘッドホン500のスピーカから再生出力する。
【0154】
(5)一時的に記憶した通信アドレスが削除されたり、広告の情報送信部512からの情報送信終了の合図を受けて情報の受信を終了する。
【0155】
広告から受け取る情報としては、そのときに聞くためだけの情報だけでなく、例えば、後で自宅に帰ってからパソコンでホームページにアクセスするためのURLや電話で問い合わせをするための電話番号などの情報を配信してもよい。利用者のヘッドホンなどの受信側には、一時的にそういった情報を記憶する手段があり、例えば利用者は自宅に帰ってからパソコンと携帯していたヘッドホンとを接続し、一日の行動で得た情報をパソコンに取り込んで、後からゆっくりと情報にアクセスしたり整理したりすることも可能である。
【0156】
また、広告などから受け取った番組情報を自分の所有するVTR装置に取り込んで、予約録画を自動的に設定したり、番組が始まる時間になったら自動的にTVの電源が入ってチャンネルが切り替わるようにすることも可能である。例えば、広告情報を記憶した端末に自分が所有するVTR装置やTVの通信情報が通信情報記憶手段に記憶されており、これらの機器との間で通信が可能になった時にVTR装置に対して予約録画の指示を自動的に送信し、番組の始まる時間にTVと通信できる状態であれば予約録画を取り止めてTVを操作して番組を映し出すといったことが可能である。
【0157】
以上のように本実施形態によれば、公衆に設置された機器との間で一時的に機器を登録して通信を行うことができ、広告などと結びつけたサービスを実現することができる。
【0158】
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、これまでの実施形態の応用例として、POS端末と利用者が携帯する端末とが一時的に情報交換を行って割引などを受ける例について説明する。
【0159】
図20において、利用者が携帯する携帯端末600および広告設備602が第3の実施形態で示したヘッドホンおよび広告設備と同様な機能を有し、この例では、広告設備602から携帯端末600に対して、割引クーポンのようなデータ(以下、クーポン情報と呼ぶ)が配信される。利用者が商店で、その割引クーポンを利用可能な商品を購入する際には、店舗のPOS端末604と携帯端末600との間でクーポン情報がやりとりされ、割引が行われる。また、POS端末604からは、新しい広告やクーポン、購入の際に発生したマイレージポイントなどが携帯端末600に通知される。このような処理を行うために、レジに並んでいる商品の購入者の中から現在清算を行っている購入者が携帯する携帯端末600と店舗のPOS端末604との間で一時的に情報交換を行えるようにする必要がある。
【0160】
以下、図21を参照しながら、携帯端末600とPOS端末604との間で通信をする際の手順について説明する。
【0161】
機器間の識別情報の交換方法は、第2の実施形態と同様で、携帯端末600から独立した識別情報交換手段として磁気カード601を使用している。
【0162】
(1)まず、POS端末604に利用者が持っている携帯端末600の通信情報を伝える。
図21では、磁気カード601の磁気テープ部分に利用者の携帯端末600の通信情報が記録されており、POS端末604のカードリーダーを介してカードを読み取らせることにより、利用者の携帯端末600の通信情報がPOS端末604に通知される。
【0163】
(2)POS端末604は、自機の通信情報を携帯端末600に送信する。
【0164】
(3)携帯端末600に記憶されたクーポン情報をPOS端末604に送信し、購入商品に該当する割引クーポンを使った割引清算がPOS端末604で行われ、POS端末604から携帯端末600に向けて、新しいクーポンや購買で発生したマイレージポイントなどの情報が送信される。
【0165】
以上により、POS端末604の前に何人も並んでいる状況でも、現在決済をしている人が携帯している携帯端末600と通信して電子的なクーポンを利用した決済を行うことができる。
【0166】
なお、上記では、POS端末604に携帯端末600の通信情報を伝える手段として磁気カードを使用したが、もちろん、磁気カードの代わりに、ICカードや、バーコードが印刷されたカードなど、他の形態のものを用いても構わない。また、例えば、ペンダントや指輪などの形状で、それらから例えば赤外や非常に微弱な電波などで通信情報が発信されることによりPOS端末に通信情報を伝えることが可能なものを利用してもよい。
【0167】
また、カード自体に演算ユニットと無線通信ユニットを持ったカード一体型の携帯端末を用いてもよい。
【0168】
ところで、上記の通信情報の通知にカードを用いる例で、このカードがクレジットカードを兼ねている場合には、携帯端末を、本人確認手段として使うことにより、クレジットカードの偽造に対する安全性を高めることも可能である。この場合、携帯端末はできるだけ利用者が常に身に着けている物がよいので、ペンダントや指輪、メガネなどの形状にしてもよい。
【0169】
この場合、利用者がそのようなクレジットカードを利用すると、クレジットカード情報と一緒に通信情報が読み取られる。クレジットの決済端末は、この通信情報を使って利用者が携帯する携帯端末と通信を行い、その通信結果から、利用者の本人確認を行って、クレジットの決済を実行するか否かを判断する。
【0170】
以下に、本人確認をする方法を説明する。
【0171】
上記のクレジットカードから読み込まれた通信情報には例えば図6のように公開鍵が含まれており、この公開鍵で暗号化した情報を復号できるのは、クレジットカードと組になっている携帯端末だけであることを利用して、クレジットカードと対応する携帯端末を組で利用者が持っていることで本人確認を行う。クレジットの決済端末は、利用者が提示したクレジットカードに記録された公開鍵で暗号化したデータ(例えば、乱数)を利用者の携帯端末に送り、復号結果を返すように要求する。クレジット決済端末は、利用者の携帯端末から返された復号結果と、利用者の携帯端末に送った(暗号化された)データの暗号化する前のデータとを比較して、正しければクレジットカードと携帯端末との2つの組み合わせが正しいと判断し、クレジットの決済を行う。返されたデータが正しくなかったり、利用者の端末との間で通信が接続できなかった場合には、クレジットカードの決済端末は、不正の可能性のあることを通知し、決済を中止する。
【0172】
クレジットカードだけを盗まれたり偽造されても携帯端末がなければクレジットカードを使うことができないので、現在のカードだけの方式よりもより安全に利用することが可能である。
【0173】
なお、通信情報をカードの磁気部分に記録するのではなく、クレジットカードにはID情報を記録するとともに、クレジット利用者の通信情報とID情報との対応を管理するサーバを設け、クレジットの決済端末は、クレジットカードからそれに記録されたID情報を読み込んでサーバに送り、サーバから決済端末にそのクレジットカードの所有者が所有する携帯端末の通信情報を返信する方式にしてもよい。
【0174】
また、携帯端末が広告のような設備とアクセスしたことを管理するサーバを設けることにより、携帯端末の位置がわかるような位置情報システムと組み合わせて、カードの所有者本人が携帯している端末の位置している場所とカードが使われている場所とが一定の範囲内で一致するか(もしくは正しい位置関係にあるか)を照合することにより、本人確認を行ってもよい。
【0175】
また、これらの方法を組み合わせて利用してもよい。
【0176】
また、カードに送信部/受信部を持たせて端末とするとともに、カードの通信情報送信部を独立させて例えばペンダント状のユニットとして、それらカードおよびペンダント状等のユニットを携帯するというような方式にしてもよい。
【0177】
以上のように本実施形態によれば、利用者が携帯する携帯端末と店舗のPOS端末との間で一時的な情報交換を可能とし、クーポンなどの管理を簡単に行うことができる。また、複数のユニットを組み合わせて持つことを本人確認に利用することにより、クレジットなどの利用の際の本人確認をより安全に行うことができる。
【0178】
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、これまでの実施形態の応用例として、自動改札機と利用者が携帯する端末とが一時的に情報交換を行って改札通過手続きをする例について説明する。
【0179】
従来、自動改札機では改札通過効率向上のために定期券を定期入れからいちいち出さなくてもよい非接触式の自動改札の開発が行われてきており、その手段として無線式の定期券と自動改札機のシステムが開発されている。
【0180】
これに対して、本実施形態では、図22に示すように、(1)例えばi−mode(登録商標)などに代表されるインターネットアクセスが可能な携帯電話1000を利用してインターネットサイトから電子的な乗車券の購入を行い(例えば、チケットサーバ1200から携帯電話1000に、電子的な乗車券の情報をダウンロードし)、(2)この電子的な乗車券の情報が記憶された携帯電話1000と自動改札機システム1002とが近距離の無線通信をすることによって直接自動改札機を通過できるようにすることを可能にする。
【0181】
従来の無線式の自動改札機では専用の無線ICカードなどを利用することにより電波の出力を微弱にし、非常に狭い範囲でのみ通信ができるようにすることにより混信を防いでいるが、本実施形態で対象とするような近距離通信機能を有する携帯電話では、例えばPCやヘッドセットなど様々な周辺機器と接続することが想定されていることなどからその通信距離は数m以上あるため、複数並んだ自動改札機と前後あるいは周囲の乗客との間で混信が発生してしまうという問題を回避する必要がある。
【0182】
そこで、本実施形態では、第4の実施形態の図21で説明したPOS端末の応用例に関する構成を、自動改札機システムにも適用することにより、上記問題を解決し、携帯電話に代表されるような携帯型インターネット端末で購入した電子的な乗車券を用いて自動改札を行うシステムを実現する。
【0183】
以下、図23を参照しながら、携帯端末1000と自動改札機システム1002との間で通信をする際の手順について説明する。
【0184】
機器間の識別情報の交換方法は、第2の実施形態や第4の実施形態と同様で、携帯端末1000とは独立した識別情報交換手段として図23の記憶媒体1001を使用している。記憶媒体1001には、少なくとも利用者が携帯する携帯端末1000の通信情報が記録されているものとする。また、記憶媒体1001としては、ここでは、自動改札機の切符読取機構で読取り可能な媒体、例えば従来の定期券に代表される磁気カードや次世代の非接触式カードを用いた場合について説明する。
【0185】
携帯端末1000は、利用者が携帯する携帯電話に代表されるような端末であり、自動改札機システム1002との間で近距離の無線通信をする通信機能(以下、通信機能Aと呼ぶ)と、携帯電話回線のような公衆回線である通信機能(以下、通信機能Bと呼ぶ)の2つの通信機能を有しており、通信機能Bであるi−mode(登録商標)に代表されるようなインターネットアクセス機能により、乗車券予約販売サイトから電子的な乗車券情報(チケット情報)があらかじめ携帯端末1000内にダウンロードされているものとする(図22参照)。
【0186】
携帯端末1000は、例えば図11の220のような構成を有し、この場合、送信部24と受信部25はBluetoothのような近距離無線と携帯電話回線などである。なお、この場合、図11の通信情報受信部22は省くことも可能である。
一方、携帯端末1000の識別情報を記憶する記憶媒体1001は、例えば図11の210のような構成を有し、通信情報送信部12は自動改札機システム1002の読取り機構に適合させた磁気テープや極小距離の微弱無線である。
【0187】
自動改札機システム1002は、例えば図3のような構成を有するが、より具体的には、ここでは、通常の乗車券(接触または非接触式の通常のチケット)と同一形式である記憶媒体の情報を読み取る読取部と、携帯端末1000との間で例えばBluetoothのような近距離の無線通信をする通信部と、通信の結果得られた乗車券情報から改札通過の可否を判定し、判定結果に応じて改札通過のための処理またはエラー処理を行う処理部を有している。
この場合、例えば、読取部が図3の通信情報交換部2に対応し、通信部が送信部4および受信部5に対応し、自動改札機本体(利用者の通過を阻止するためのゲートやその開閉機構を含む)が主装置162に対応し、処理部は制御部1に含まれる。
【0188】
以下、自動改札通過時の手順の一例を示す。
【0189】
(1)まず、自動改札機システム1002に対し、通過しようとしている利用者が、携帯している携帯端末1000の通信情報を伝える。
図23では、記憶媒体1001の磁気部分などに利用者の携帯端末1000の通信情報が記録されており、自動改札機システム1002の乗車券読取機構を介して記憶媒体1001を読取らせることにより、利用者の携帯端末1000の通信情報が自動改札機システム1002に通知される。
【0190】
(2)次に、自動改札機システム1002は、自機の通信情報を携帯端末1000に送信し、携帯端末1000との間での通信機能Aによるコネクションを確立する。
【0191】
(3)携帯端末1000に記憶された乗車券情報を、携帯端末1000から自動改札機システム1002に送信し、自動改札機システム1002側にて、乗車区間などの情報の確認をし、乗車時であれば携帯端末1000に記憶された乗車券情報に対して例えば乗車記録を付加するなどの処理を行い、降車時であれば携帯端末1000に記憶された乗車券情報に対して例えば無効化などの処理を行う。
【0192】
(4)次に、自動改札機システム1002にて、乗車券情報の確認結果に応じて、記憶媒体1002の返却や自動改札機のゲートの開閉などを行う。
【0193】
以上により、何台も自動改札機が並んでいたり、前後に複数の乗客が並んでいる状況でも、現在改札を通過しようとしている人が携帯している携帯端末と通信して電子的な乗車券を利用した改札処理を行うことができる。
【0194】
次に、自動改札通過時の手順の他の例を示す。
【0195】
図24は、図23の通信手順の(1)に手順を追加した例である。
【0196】
近距離の通信手段である通信機能Aとして、IrDAやBluetoothなどの利用が考えられる。ここでは、通信機能Aが、携帯電話回線等とは異なって、常には通信が待ち受け状態にならないものであるような場合について考える。
【0197】
自動改札機システム1002から携帯端末1000に向けて送信を行った際に、通信機能Aが待ち受け状態になっていない場合には、自動改札機システム1002と携帯端末1000との間で通信機能Aによるコネクションを確立することができず、改札通過のための手続きを行うことができない。したがって、図23のでは、通信機能Aが常に待ち受け状態になるものではない場合には、例えば、通信機能Aが待ち受け状態になるまで、(2)の手順を繰り返し試行する必要がある。
【0198】
そこで、ここでは、携帯端末1000の通信機能Bとして携帯電話回線等のように常に通信が待ち受け状態になるものを用るものとし、また記憶媒体1001に携帯端末1000の通信機能Aの通信情報だけでなく、通信機能Bの通信情報をも記録するものとしている。
【0199】
そして、図23と同様に、(1−1)自動改札機システム1002に対し、通過しようとしている利用者が、携帯している携帯端末1000の通信情報を伝えた後に、(1−2)自動改札機システム1002から通信機能Bを介して携帯端末1000に、携帯端末1000の通信機能Aを待ち受け状態にするように指示を出すようにしている。
【0200】
それ以後は、図23の同じ手順で処理が実行される。
【0201】
なお、この通信機能Aと通信機能Bに関する構成は、これまでの各実施形態にも適用可能である。
【0202】
次に、図25は、記憶媒体1001には通信情報を記録するのではなく、該通信情報と対になる識別コードを記録するとともに、通信情報と識別コードの対を通信情報サーバ1202で管理し、自動改札機システム1002が記憶媒体1001から読み取った識別コードをもとに通信情報サーバ1202から該当する通信情報を取得するようにした例である。
【0203】
利用者が所持する携帯端末1000は例えば複数存在し定期的に機種交換がされる可能性があり、記憶媒体1001は例えば紛失してしまったりあるいは使い捨て利用である可能性があるなどのことから、携帯端末1000と記憶媒体1001との組み合わせは容易に変更可能であると好ましい。これを実現する方法として、ここでは、図25に示すように、図23あるいは図24に通信情報サーバ1202を追加する。
【0204】
図23の手順をベースとする場合、その手順の(1)の部分を、以下の2段階で行うようにする。
(1−1’)記憶媒体1001に記憶されている識別コードを、自動改札機システム1002の乗車券読取り機構を介して読取る。
(1−2’)自動改札機システム1002は、読取った識別コードを、通信情報サーバ1202に送信し、対応する通信情報を検索する。
以後は、通信情報サーバ1202から入手した通信情報を使って、図23の(2)以降の手順を同様に行って改札処理を行う。
【0205】
図24の手順の場合には、その手順の(1−1)の部分を、上記の2段階で行い、以後は、通信情報サーバから入手した通信情報を使って、(1−2)以降の手順を同様に行って改札処理を行う。
【0206】
なお、自動改札機システム1002と通信情報サーバ1202との間の通信方法は、特に限定されない。
【0207】
次に、図26を参照しながら、携帯端末1000から通信情報サーバ1202への登録手順について説明する。
【0208】
この場合の手順は、例えば、以下のようになる。
【0209】
(1)携帯端末1000に、記憶媒体1001のコードを入力する。
入力する方法としては、記憶媒体1001の表面に印刷されたコードを携帯端末1000のテンキーで入力する方法や、記憶媒体1001が着脱式のメモリーカードを挿入する機構になっておりメモリーカードを外して携帯端末1000のメモリースロットに挿すことにより入力する方法や、携帯端末1000が有するカードリーダーなどの読取機構により入力する方法など、種々の方法が考えられる。
【0210】
(2)携帯端末1000は、通信情報サーバ1202に接続し、識別情報と通信情報との組み合わせを登録する。
【0211】
なお、登録の手順としては、通信情報サーバに接続して専用の登録インタフェース画面を呼び出し、インタラクティブに入力する場合も考えられる。
【0212】
また、通信情報サーバに接続して通信情報を登録することにより、識別情報を発行してもらい、それを記憶媒体に入力するという逆の登録手順も考えられる。
【0213】
なお、携帯端末1000と通信情報サーバ1202との間の通信方法は、特に限定されない。
【0214】
なお、一度改札を通過した後は、携帯端末1000に記憶された乗車券情報を記憶媒体1001に乗車記録とともに記録し、以降の改札処理では記憶媒体1001を通常の乗車券として利用できるようにしてもよい。
【0215】
また、通常の乗車券と、上記した携帯端末1000/記憶媒体1001との両方に対応する機能を、自動改札機システム1002に付与し、使用者が通常の乗車券と上記した携帯端末1000/記憶媒体1001とを任意に選択して使用可能としてもよい。
【0216】
上記では、自動改札機システム1002に携帯端末1000の通信情報を伝える手段として、磁気カードや非接触式カード(磁気テープや極小距離の微弱無線)を、その代わりに、通信情報等がバーコードで印刷されたカード、ペンダントや指輪などの形状でそれらから例えば非常に微弱な電波などで通信情報等が発信されるものなどを利用することも可能である。
【0217】
以上により、携帯型インターネット端末を用いてインターネットから電子的な乗車券を購入し、直接自動改札を通過することが可能な自動改札システムが実現可能である。
【0218】
なお、以上の各機能は、ソフトウェアとしても実現可能である。
また、本実施形態は、コンピュータに所定の手段を実行させるための(あるいはコンピュータを所定の手段として機能させるための、あるいはコンピュータに所定の機能を実現させるための)プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体としても実施することもできる。
【0219】
なお、各実施形態で例示した構成は一例であって、それ以外の構成を排除する趣旨のものではなく、例示した構成の一部を他のもので置き換えたり、例示した構成の一部を省いたり、例示した構成に別の機能を付加したり、それらを組み合わせたりすることなどによって得られる別の構成も可能である。また、例示した構成と論理的に等価な別の構成、例示した構成と論理的に等価な部分を含む別の構成、例示した構成の要部と論理的に等価な別の構成なども可能である。また、例示した構成と同一もしくは類似の目的を達成する別の構成、例示した構成と同一もしくは類似の効果を奏する別の構成なども可能である。
また、各実施形態内において、各種構成部分についての各種バリエーションは、適宜組み合わせて実施することが可能である。
また、各実施形態は適宜組み合わせて実施することが可能である。
また、各実施形態は、個別装置としての発明、関連を持つ2以上の装置についての発明、システム全体としての発明、個別装置内部の構成部分についての発明、またはそれらに対応する方法の発明等、種々の観点、段階、概念またはカテゴリに係る発明を包含・内在するものである。
【0220】
従って、この発明の実施の形態に開示した内容からは、例示した構成に限定されることなく発明を抽出することができるものである。
【0221】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0222】
【図1】本発明の実施の形態における無線接続された携帯型機器システム例を示す図
【図2】本発明の実施の形態における無線接続型機器の構成例を示す図
【図3】本発明の実施の形態における通信部の構成例を示す図
【図4】本発明の実施の形態における機器間接続例を示す図
【図5】本発明の実施の形態における他の機器との通信情報を交換する際の動作手順の一例を示すフローチャート
【図6】本発明の実施の形態における通信情報の一例を示す図
【図7】本発明の実施の形態における送信側の動作手順の一例を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態における受信側の動作手順の一例を示すフローチャート
【図9】本発明の実施の形態における通信情報を削除する際の動作手順の一例を示すフローチャート
【図10】本発明の実施の形態における通信情報の他の例を示す図
【図11】本発明の実施の形態におけるリモコン方式の機器構成例を示す図
【図12】本発明の実施の形態におけるTV受像器のリモコンを用いてVTR装置をTV受信機に登録する例を説明するための図
【図13】本発明の実施の形態におけるTV受像器のリモコンを用いてVTR装置とTV受信機殿間で相互に登録する例を説明するための図
【図14】本発明の実施の形態における3台以上の機器での接続について説明するための図
【図15】本発明の実施の形態における3台以上の機器での登録方法の一例について説明するための図
【図16】本発明の実施の形態における3台以上の機器での登録方法の他の例について説明するための図
【図17】本発明の実施の形態における他の機器を経由して通信する例について説明するための図
【図18】本発明の実施の形態における広告に適用した例について説明するための図
【図19】本発明の実施の形態におけるグループIDを付加した通信情報の一例を示す図
【図20】本発明の実施の形態におけるPOS端末に応用した例について説明するための図
【図21】本発明の実施の形態におけるPOS端末との間の通信手順の一例について説明するための図
【図22】本発明の実施の形態における自動改札機システムに応用した例について説明するための図
【図23】本発明の実施の形態における自動改札機システムとの間の通信手順の一例について説明するための図
【図24】本発明の実施の形態における自動改札機システムとの間の通信手順の他の例について説明するための図
【図25】本発明の実施の形態における自動改札機システムとの間の通信手順のさらに他の例について説明するための図
【図26】本発明の実施の形態における通信情報サーバへの登録手順の一例について説明するための図
【図27】従来の機器間の接続方法について説明するための図
【図28】従来の赤外線を利用した無線通信について説明するための図
【図29】従来の衛星放送の通信方式について説明するための図
【符号の説明】
【0223】
1,10,20…制御部、2…通信情報交換部、3…通信情報記憶部、11,21…通信情報記憶部、4,24,514…送信部、5,25,504…受信部、6…通知部、21,512…通信情報送信部、13…送信指示部、22,502…通信情報受信部、26,162…主装置、102…DVD再生部、104…通信部、124,144,164…通信部、122…音声出力部、142…映像出力部、100…DVD再生装置、120,500…ヘッドホン、140…ディスプレイ、210,302,325,335,345,416…リモコン、220…リモコンの親機器、300,320,402,412…TV受像器、310,330,340,404…VTR装置、414,600,1000…携帯端末、510,602…広告設備、604…POS端末、601…磁気カード、1001…記憶媒体、1002…自動改札機システム、1200…チケットサーバ、1202…通信情報サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の情報交換装置との間で無線により情報交換を行う情報交換装置であって、
他の情報交換装置との間で、情報交換を行うための経路とは異なる経路を介して、自装置に関する通信情報の交換と該他の情報交換装置に関する通信情報の交換とのうちの少なくとも一方を行う第1の情報交換手段と、
自装置に関する通信情報と前記他の情報交換装置に関する通信情報とのうちの少なくとも一方を記憶する通信情報記憶手段と、
前記情報交換を行うための経路を介し、前記通信情報記憶手段に記憶された前記通信情報に基づいて、他の情報交換装置への交換情報の送信と該他の情報交換装置から自装置への交換情報の受信とのうちの少なくとも一方を行う第2の情報交換手段と、
新たな他の情報交換装置から前記第1の情報交換手段を介して該新たな他の情報交換装置に関する通信情報を受信した場合に、前記通信情報記憶手段に通信情報が既に登録されている他の情報交換装置の全部または一部に、受信した該新たな他の情報交換装置に関する通信情報を伝搬させる制御手段とを備えたことを特徴とする情報交換装置。
【請求項2】
前記制御手段は、更に受信した前記通信情報を、前記通信情報記憶手段に通信情報が既に登録されているさらに他の情報交換装置の一部のものに伝搬させる場合に、受信した前記通信情報を伝搬させるべき他の情報交換装置を選択することを特徴とする請求項1に記載の情報交換装置。
【請求項3】
前記制御手段は、更に前記新たな他の情報交換装置に、前記通信情報記憶手段に既に登録されているさらに他の情報交換装置に関する通信情報の全部または一部を送信することを特徴とする請求項1または2に記載の情報交換装置。
【請求項4】
前記制御手段は、更に前記通信情報記憶手段に記憶された前記他の情報交換装置に関する通信情報に対する削除条件を設定し、
前記削除条件に基づいて前記通信情報記憶手段から該当する通信情報を削除することを特徴とする請求項1に記載の情報交換装置。
【請求項5】
少なくとも前記自装置に関する通信情報を記憶した前記通信情報記憶手段を複数備え、
複数の前記通信情報記憶手段のうちの少なくとも一つは、携帯可能な装置もしくは物体に組み込まれていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の情報交換装置。
【請求項6】
前記第1の情報交換手段は、自装置に関する通信情報を他の情報交換装置に送信するための通信情報送信手段を含み、
前記通信情報送信手段は、それ以外の部分が組み込まれた装置本体とは独立した物体に組み込まれたものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の情報交換装置。
【請求項7】
前記第1の情報交換手段は、他の情報交換装置に関する通信情報を受信するための通信情報受信手段を更に含み、
前記通信情報受信手段は、前記装置本体に組み込まれたものであることを特徴とする請求項6に記載の情報交換装置。
【請求項8】
前記他の情報交換装置における前記第1の情報交換手段は、該他の情報交換装置に関する通信情報を該他の情報交換装置以外の装置に送信するための通信情報送信手段を含み、
前記通信情報送信手段は、前記他の情報交換装置のそれ以外の部分が組み込まれた前記他の情報交換装置の装置本体とは独立した物体に組み込まれたものであり、
前記情報交換装置は、前記他の情報交換装置の前記通信情報送信手段から送信された前記他の情報交換装置に関する通信情報を、前記第2の情報交換手段により前記他の情報交換装置との間で情報交換を行うための経路とは異なる経路を介して、前記第1の情報交換手段により受信するものであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の情報交換装置。
【請求項9】
前記他の情報交換装置における前記第1の情報交換手段は、該他の情報交換装置以外の装置に関する通信情報を受信するための通信情報受信手段を更に含み、
前記通信情報受信手段は、前記他の情報交換装置の装置本体に組み込まれたものであり、
前記情報交換装置は、前記第1の情報交換手段により、前記自装置に関する通信情報を、前記第2の情報交換手段により前記他の情報交換装置との間で情報交換を行うための経路とは異なる経路を介して、前記他の情報交換装置へ送信するものであり、
前記他の情報交換装置は、前記情報交換装置の前記第1の情報交換手段から送信された前記情報交換装置に関する通信情報を、前記情報交換を行うための経路とは異なる経路を介して、前記通信情報受信手段により受信するものであることを特徴とする請求項8に記載の情報交換装置。
【請求項10】
或る利用者が所持する請求項10に記載の独立した物体からサーバ装置に送信した前記通信情報に応答して、該サーバ装置から、該或る利用者が同時に所持する請求項10に記載の装置本体に対して要求が送信されてきた場合に、該要求を満足する情報を求めてこれを該サーバ装置に返答するための手段を該装置本体側に含むことを特徴とする請求項8に記載の情報交換装置。
【請求項11】
前記所定のサーバ装置は、前記独立した物体から受信した前記通信情報に基づいて前記装置本体との間で所定の情報の交換を行い、該所定の情報の交換の結果に基づいて、前記装置本体が正しい通信相手であるか否かを判定することを特徴とする請求項10に記載の情報交換装置。
【請求項12】
前記第1の情報交換手段は、自装置と前記他の情報交換装置とが近接して接続しまたは実際に接触を必要とする機構もしくは媒体により接続したときにのみ情報交換可能であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の情報交換装置。
【請求項13】
前記第2の情報交換手段は、常に受信ができる状態にある第1の通信手段と、所定の指示を受けた場合に受信ができる状態になる第2の通信手段とを含み、
前記第1の情報交換手段は、前記自装置に関する通信情報として、少なくとも前記第1の通信手段と前記第2の通信手段との両方についての通信情報を、前記他の情報交換装置に通知する機能を有し、
前記第2の通信手段は、前記自装置に関する通信情報を取得した前記他の情報交換装置から前記第1の通信手段を介して与えられた所定の指示に応答して受信ができる状態になることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の情報交換装置。
【請求項14】
前記第1の情報交換手段が、前記他の情報交換装置に関する通信情報として、該他の情報交換装置の前記第2の情報交換手段に含まれる、常に受信ができる状態にある第1の通信手段と、所定の指示を受けた場合に受信ができる状態になる2の通信手段との両方についての通信情報を受信した場合には、前記第2の情報交換手段は、該当する通信情報を用いて前記第1の通信手段を介して該他の情報交換装置へ所定の指示を与えて、該第2の情報交換手段の該第2の通信手段を受信ができる状態にさせた後に、該当する通信情報を用いて該第2の通信手段を介して該他の情報交換装置と情報交換することを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載の情報交換装置。
【請求項15】
前記第1の情報交換手段は、自装置に関する通信情報を他の情報交換装置に送信するための通信情報送信手段を含み、
前記通信情報送信手段は、それ以外の部分が組み込まれた装置本体とは独立した、データ保持機能及び外部との通信機能を有する記録媒体に組み込まれたものであり、
前記装置本体に保持された所定のデータが、前記他の情報交換装置を介して、前記記録媒体に保持された後は、該記録媒体と該他の情報交換装置との間で該所定のデータに関係する情報交換を行うことを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の情報交換装置。
【請求項16】
前記他の情報交換装置の装置本体とは独立したデータ保持機能及び外部との通信機能を有するカード状の記録媒体と情報交換するための記録媒体アクセス手段を更に備え、
前記記録媒体アクセス手段を介して前記カード状の記憶媒体から前記他の情報交換装置に関する通信情報を取得し、前記他の情報交換装置の装置本体に保持された所定のデータを前記第2の情報交換手段を介して取得し該所定のデータを必要に応じて加工した後に前記記録媒体アクセス手段を介して前記カード状の記憶媒体に与え、以降は、該前記記録媒体アクセス手段を介して前記カード状の記憶媒体との間で該所定のデータに関する情報交換を行うことを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載の情報交換装置。
【請求項17】
前記第1の情報交換手段は、前記他の情報交換装置に関する通信情報の代わりに、該通信情報を特定可能とする情報を受信し、
複数の情報交換装置についてその通信情報と該通信情報を特定可能とする情報との対応を管理する所定のサーバ装置から、前記他の情報交換装置について、前記通信情報を特定可能とする情報をもとに、前記通信情報を取得する請求項1ないし16のいずれか1項に記載の情報交換装置。
【請求項18】
複数の情報交換装置についてその通信情報と該通信情報を特定可能とする情報との対応を管理する所定のサーバ装置に対して、自装置についての通信情報と該通信情報を特定可能とする情報との対応を登録するための手段を更に備え、
前記第1の情報交換手段は、前記他の情報交換装置に対して、自装置に関する通信情報の代わりに、該通信情報を特定可能とする情報を通知することを特徴とする請求項1ないし17のいずれか1項に記載の情報交換装置。
【請求項19】
他の情報交換装置との間で無線により情報交換を行う情報交換装置における情報交換方法であって、
他の情報交換装置との間で、情報交換を行うための経路とは異なる経路を介して、自装置に関する通信情報の交換と該他の情報交換装置に関する通信情報の交換とのうちの少なくとも一方を行う第1のステップと、
自装置に関する通信情報と前記他の情報交換装置に関する通信情報とのうちの少なくとも一方を通信情報記憶手段に記憶する第2のステップと、
前記情報交換を行うための経路を介し、前記通信情報記憶手段に記憶された前記通信情報に基づいて、他の情報交換装置への交換情報の送信と該他の情報交換装置から自装置への交換情報の受信とのうちの少なくとも一方を行う第3のステップと、
新たな他の情報交換装置から、前記情報交換を行うための経路とは異なる経路を介して、該新たな他の情報交換装置に関する通信情報を受信した場合に、前記通信情報記憶手段に通信情報が既に登録されている他の情報交換装置の全部または一部に、受信した該新たな他の情報交換装置に関する通信情報を伝搬させる第4のステップとを有することを特徴とする情報交換方法。
【請求項20】
前記第4のステップにおいては、更に受信した前記通信情報を、前記通信情報記憶手段に通信情報が既に登録されているさらに他の情報交換装置の一部のものに伝搬させる場合に、受信した前記通信情報を伝搬させるべき他の情報交換装置を選択することを特徴とする請求項19に記載の情報交換方法。
【請求項21】
前記第4のステップにおいては、更に前記新たな他の情報交換装置に、前記通信情報記憶手段に既に登録されているさらに他の情報交換装置に関する通信情報の全部または一部を送信することを特徴とする請求項19または20に記載の情報交換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2006−14349(P2006−14349A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−196445(P2005−196445)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【分割の表示】特願2000−250015(P2000−250015)の分割
【原出願日】平成12年8月21日(2000.8.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】