説明

情報入力装置、情報入力方法、及びプログラム

【課題】 利便性の高い情報入力装置を提供する。
【解決手段】 情報入力装置1は、ユーザのカード20に対するタッチ操作をカメラ104で撮影し、撮影された画像に基づいて、ユーザがタッチした領域を特定し、特定された領域にあるキーの情報(数字等)をユーザの入力情報として受け付ける。これにより、ユーザはタッチパネル等の入力装置を触れることなく、パスワード等の入力ができるため、タッチ操作の痕跡が情報入力装置1に残ることもなく、衛生面でも優れている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、自動取引装置に通信部を設け、利用者の携帯端末と通信を可能とし、利用者は携帯端末を介して、音声ガイダンスに従い、携帯端末のキー操作を行うことにより、タッチパネルを操作することなく利用することができる自動取引装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−115075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
利便性の高い情報入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の情報入力装置は、情報表示媒体に対するユーザの操作を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された操作に基づいて、ユーザの入力情報を生成する入力情報生成手段とを有する。
【0006】
好適には、前記情報表示媒体は、複数のキーが配列された携帯端末であり、前記撮影手段は、ユーザによる携帯端末のキー操作を撮影し、前記入力情報生成手段は、撮影されたキー操作に基づいて、ユーザにより操作されたキーを特定することにより、入力情報を生成する。
【0007】
好適には、前記情報表示媒体は、表示画面が設けられた携帯端末であり、前記撮影手段は、ユーザの入力に応じて前記携帯端末で表示された表示画面を撮影し、前記入力情報生成手段は、撮影された表示画面の文字列に基づいて、入力情報を生成する。
【0008】
好適には、前記情報表示媒体は、複数の文字、数字又は記号が表記されたシートであり、前記撮影手段は、ユーザにより一部が覆われた前記シートを撮影し、前記入力情報生成手段は、前記シートの覆われた領域に基づいて、入力情報を生成する。
【0009】
好適には、前記撮影手段は、ステレオカメラであり、前記入力情報生成手段は、前記ステレオカメラにより撮影された画像に基づいて、ユーザが前記シートに触れたか否かを判定し、ユーザにより触れられた領域に基づいて、入力情報を生成する。
【0010】
好適には、タッチパネルをさらに有し、前記入力情報生成手段は、前記タッチパネルがユーザのタッチ操作を検知した時に覆われている領域に基づいて、入力情報を生成する。
【0011】
好適には、前記タッチパネルに対して、数字、文字又は記号が表示された操作領域と、前記シートを配置すべきシート領域とを区別可能な態様で表示させる表示手段をさらに有する。
【0012】
好適には、前記情報表示媒体から、識別情報を読み取る読取手段と、前記入力情報生成手段により生成された入力情報を、前記読取手段により読み取られた識別情報に関連付けて受け付ける情報受付手段とをさらに有する。
【0013】
好適には、前記入力情報生成手段は、前記読取手段により読み取られた識別情報に対応するキー配列に基づいて、入力情報を生成する。
【0014】
また、本発明にかかる情報入力装置は、タッチパネルと、複数種類のキー配列のうちのいずれかが表示されたシート状媒体から、識別情報を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた識別情報に対応するキー配列と、前記タッチパネルにより検知されたタッチ位置とに基づいて、ユーザの入力情報を生成する入力情報生成手段とを有する。
【0015】
また、本発明にかかる情報入力方法は、数字、文字又は記号が表示された情報表示媒体に対する、ユーザの指示操作を撮影するステップと、撮影された指示操作に基づいて、ユーザの入力情報を生成するステップとを有する。
【0016】
また、本発明にかかるプログラムは、数字、文字又は記号が表示された情報表示媒体に対する、ユーザの指示操作を撮影させるステップと、撮影された指示操作に基づいて、ユーザの入力情報を生成するステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、利便性の高い情報入力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態の情報入力装置1の全体構成を模式的に示す。
【図2】情報表示媒体の一例であるカード20を例示する図である。
【図3】情報処理ユニット10にインストールされた受付プログラム5の機能構成を例示する図である。
【図4】情報入力装置1の全体動作(S10)を説明するフローチャートである。
【図5】変形例1におけるカードのキー配列を例示する図である。
【図6】変形例1における受付プログラム52の機能構成を例示する図である。
【図7】変形例2におけるタッチパネル110を例示する図である。
【図8】変形例3における情報表示媒体を例示する図である。
【図9】変形例4における携帯電話24の表示画面を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態の情報入力装置1の全体構成を模式的に示す。
図1に示すように、情報入力装置1は、情報処理ユニット10と、タッチパネル100と、媒体認識エリア102と、カメラ104と、非接触ICリーダ106とを有する。
情報処理ユニット10は、情報入力装置1の筐体内部に設けられ、CPU及び主記憶装置などを含む。
タッチパネル100は、情報処理ユニット10により生成される映像を表示する表示装置としての機能と、ユーザの操作を受け付ける入力装置としての機能とを有する。本例のタッチパネル100は、ユーザの腰から肩の高さに設けられた略水平面に設けられている。
媒体認識エリア102は、情報表示媒体(後述)を配置する領域であり、例えば、タッチパネル100と同じ面に隣接して配置される。媒体認識エリア102は、カメラ104により撮影される領域でもあり、さらには、非接触ICリーダ106による読取エリアでもある。
【0020】
カメラ104は、本発明にかかる撮影手段の一例である。カメラ104は、媒体認識エリア102の近傍で、ユーザの操作を撮影する。本例のカメラ104は、ステレオカメラであり、2つのカメラ104A及び104Bを含む。
非接触ICリーダ106は、情報表示媒体のICチップから、格納された情報を読み出す。本例の非接触ICリーダ106は、RFIDリーダであり、情報表示媒体のIDを読み出す。
【0021】
図2は、情報表示媒体の一例であるカード20を例示する図である。
図2(A)に示すように、カード20は、カード状の情報表示媒体である。ここで、情報表示媒体とは、情報を表示できる媒体であり、情報が印刷された媒体であってもよいし、液晶画面のように情報を自身で表示する媒体であってもよい。本例のカード20には、数字の「0」〜「9」と、記号「*」及び「#」とが印字された表示領域202が表面に設けられ、さらに、ICチップ204が付されている。ICチップ204には、本カードのIDが格納されている。なお、カード20に表示される数字、記号又は文字を、本願ではキーと呼び、これら配列をキー配列と呼ぶ。
【0022】
図2(B)は、他のカード22を例示する図である。図2(B)に例示するように、カード22の表示領域222には、記号の矢印と、文字列「決定」及び「キャンセル」とが印字されている。また、本カード22にもICチップ224が付されている。
【0023】
図2(C)に例示するように、タッチパネル100に表示されるメニュー「1.入金」、「2.引出」及び「3.振込」は、それぞれカード20に表示されたキー(数字)に対応している。すなわち、情報入力装置1は、媒体認識エリア102に配置されたカード20でいずれかのキーがタッチされると、タッチされたキーを特定し、特定されたキーに対応する情報を入力情報として受け付ける。より具体的には、ステレオカメラ104が、媒体認識エリア102に配置されたカード20でいずれかのキーがタッチされると、このタッチ操作を撮影し、情報処理ユニット10は、ステレオカメラ104により撮影された画像に基づいて、いずれかのキーに対するタッチ操作を検知し、検知されたタッチ操作に対応する情報(数字)を入力情報として受け付け、受け付けた入力情報に対するサービスを提供する。なお、本例では、情報入力装置1がATM(現金自動預け払い機)である場合を具体例として説明するが、これに限定されるものではなく、チケット発券装置であってもよいし、電子マネーのチャージャーであってもよい。
【0024】
図3は、情報処理ユニット10にインストールされた受付プログラム5の機能構成を例示する図である。受付プログラム5は、例えば、CD−ROMなどの情報記録媒体に格納されており、この情報記録媒体を介して、情報処理ユニット10にインストールされる。
【0025】
図3に例示するように、受付プログラム5は、カメラ制御部500、操作検知部505、入力情報生成部510、ICデータ読取部515、ユーザインタフェース(ユーザIF)部520、サービス提供部525、及び制御部530を有する。
カメラ制御部500は、カメラ104を制御して、カメラ104により撮影された画像を取得する。本例のカメラ制御部500は、ステレオカメラ104A及び104Bを制御して、2つのカメラ104A及び104Bにより撮影された画像を取得する。
【0026】
操作検知部505は、ユーザの操作を検知する。例えば、操作検知部505は、ステレオカメラ104A及び104Bにより撮影されたステレオ画像に基づいて、カード20に対するタッチ操作を検知する。なお、操作検知部505は、カード越しにタッチパネルの押下を検知して、ユーザのタッチ操作を検知してもよい。
【0027】
入力情報生成部510は、カメラ104により撮影されたユーザの操作に基づいて、ユーザの操作に対応する入力情報を生成する。例えば、入力情報生成部510は、操作検知部505によりユーザのタッチ操作が検知された時の画像(カメラ104により撮影された画像)に基づいて、ユーザが触れた領域(すなわち、ユーザによって覆われた領域)にあるキーを特定する。
【0028】
ICデータ読取部515は、非接触ICリーダ106を制御して、ICチップ204から情報を読み取る。本例のICデータ読取部515は、非接触ICリーダ106を制御して、ICチップ204から、カード20のID(識別情報)を読み取る。
ユーザIF部520は、タッチパネル100を制御して、ユーザの直接的な入力操作の受付と、映像の表示とを行う。
【0029】
サービス提供部525は、入力情報生成部510により生成された入力情報、又は、ユーザIF部520により受け付けた入力操作に応じて、サービスを提供する。本例のサービス提供部525は、入力情報生成部510により生成された入力情報、又は、ユーザIF部520により受け付けた入力操作に応じて、ATMサービスを提供する。
制御部530は、受付プログラム5の各構成を制御し、各構成間のデータのやり取りなどを仲介する。
【0030】
図4は、情報入力装置1の全体動作(S10)を説明するフローチャートである。
図4に示すように、ステップ100(S100)において、情報入力装置1は、ユーザの接近を検知すると、タッチパネル100に初期画面を表示させる。初期画面には、例えば、タッチパネルに対するタッチ操作又はカードのセットを促すメッセージが表示される。
【0031】
ステップ105(S105)において、制御部530は、カメラ制御部500により取得された画像、又は、ユーザIF部520により受け付けたタッチ操作(タッチパネルに対する直接のタッチ操作)に基づいて、タッチパネルに対して直接タッチ操作が行われたこと、又は、カード20が媒体認識エリア102にセットされたことを検知する。
受付プログラム5は、タッチパネルに対して直接タッチ操作が行われたことが検知された場合に、S110の処理に移行し、カード20が媒体認識エリア102にセットされたことが検知された場合に、S115の処理に移行する。
【0032】
ステップ110(S110)において、ユーザIF部520は、タッチパネル100に対するユーザのタッチ操作を検知して、タッチ操作に対応する入力情報を特定する。
サービス提供部525は、ユーザIF部520により特定された入力情報に応じて、入金処理、引出処理、又は振込処理を開始する。本例では、引出処理が開始される場合を具体例として説明する。
【0033】
ステップ115(S115)において、カメラ制御部500は、媒体認識エリア102に載置されたカード20を撮影する。
入力情報生成部510は、撮影されたカード20の画像に基づいて、カード20に表示されたキー配列を特定する。
【0034】
ステップ120(S120)において、カメラ制御部500は、ステレオカメラ104A及び104Bを制御して、媒体認識エリア102の近傍における、ユーザの操作を撮影する。
操作検知部505は、ステレオカメラ104A及び104Bにより撮影されるステレオ画像に基づいて、ユーザのカード20に対するタッチ操作を検知する。操作検知部505は、例えば、ステレオ画像に基づいて、ユーザの操作部位とカード20との間の距離を特定し、特定された距離が基準値以下となった場合に、タッチ操作がなされたものと判定する。
【0035】
ステップ125(S125)において、受付プログラム5は、操作検知部505によりタッチ操作が検知された場合に、S130の処理に移行し、操作検知部505によりタッチ操作が検知されない場合に、S120の処理に戻り、タッチ操作がなされるまで待つ。
【0036】
ステップ130(S130)において、入力情報生成部510は、ステレオカメラ104A及び104Bにより撮影された画像に基づいて、ユーザにより触れられているカード20上の領域を特定し、特定された領域と、S115で特定されたキー配列とに基づいて、ユーザがタッチしたキーを特定する。特定されたキーに対応する数字が入力情報として生成される。
サービス提供部525は、入力情報生成部510により生成された入力情報(すなわち、ユーザがタッチしたキー)に応じて、入金処理、引出処理、又は振込処理を開始する。
【0037】
ステップ135(S135)において、ICデータ読取部515は、非接触ICリーダ106を制御して、カード20のICチップ204から、カードのIDを読み取る。
ステップ140(S140)において、受付プログラム5は、カードIDが正常に読み取られたか否かを判定し、カードIDが正常に読み取られた場合に、S145の処理に移行し、カードIDが正常に読み取られていない場合に、S135の処理に戻り、カードIDの読取を再試行する。
【0038】
ステップ145(S145)において、ユーザIF部520は、タッチパネル100に、パスワードの入力を促すメッセージを表示する。
操作検知部505及びユーザIF部520は、ユーザの操作を待つ。
受付プログラム5は、ユーザIF部520によりユーザ操作が検知された場合(すなわち、タッチパネルに対して直接タッチ操作が行われた場合)に、S150の処理に移行し、操作検知部505によりユーザの操作が検知された場合(すなわち、カード20に対して操作が行われた場合)に、S155の処理に移行する。
【0039】
ステップ150(S150)において、ユーザIF部520は、タッチパネル100に対するユーザのタッチ操作を検知して、タッチ操作によるパスワードの入力を受け付ける。
【0040】
ステップ155(S155)において、カメラ制御部500は、媒体認識エリア102に載置されたカード20を撮影する。
操作検知部505は、ステレオカメラ104A及び104Bにより撮影されるステレオ画像に基づいて、ユーザのカード20に対するタッチ操作を検知する。
【0041】
ステップ160(S160)において、受付プログラム5は、操作検知部505によりタッチ操作が既定回数検知された場合に、S165の処理に移行し、操作検知部505によりタッチ操作が既定回数検知されていない場合に、S155の処理に戻り、ユーザのタッチ操作完了を待つ。
【0042】
ステップ165(S165)において、入力情報生成部510は、ステレオカメラ104A及び104Bにより撮影された画像に基づいて、ユーザにより触れられているカード20上の領域を特定し、特定された領域と、S115で特定されたキー配列とに基づいて、ユーザがタッチしたキーを特定する。特定されたキーに対応する数字列が、入力されたパスワードとして受け付けられる。なお、本フローチャートでは、説明の便宜上、タッチ操作を既定回数検知された後に、キーの特定を行っているが、これに限定されるものではなく、タッチ操作が行われる度に、タッチ操作が行われたキーを特定してもよい。
【0043】
ステップ170(S170)において、サービス提供部525は、入力情報生成部510により生成されたパスワードが、カードIDに関連付けて登録されているパスワードと一致しているか否かを判断する。
受付プログラム5は、パスワードが一致した場合に、S175の処理に移行し、パスワードが不一致である場合に、サービスを終了する。
【0044】
ステップ175(S175)において、サービス提供部525は、出金サービスを提供する。
【0045】
以上説明したように、本実施形態の情報入力装置1は、ユーザのカード20に対するタッチ操作を撮影し、撮影された画像に基づいて、ユーザのタッチ操作に対応する入力情報を生成する。これにより、ユーザはタッチパネル等の入力装置を触れることなく、パスワード等の入力ができるため、タッチ操作の痕跡が情報入力装置1に残ることもなく、衛生面でも優れている。
また、特許文献1などのように、携帯端末と情報入力装置(ATMなど)との間で通信を確立する方式と比較して、ペアリングを行う必要がないため、利便性が高い。特に、本実施例では、無線通信を使用しないため、パスワードなどの情報が盗聴される可能性はない。さらに、ATM機周辺では、振り込め詐欺の防止のため、ジャミングがかけられている場合があるが、このような場合でも、ユーザは、タッチパネル等を触れることなく、情報の入力を行うことができる。また、本実施例では、通信回線を使用しないため、通信網の障害が発生しても、その影響を受けることはなく、また、回線利用料も発生しない。
【0046】
[変形例1]
図5は、変形例1におけるカードのキー配列を例示し、図6は、変形例1における受付プログラム52の機能構成を例示する図である。なお、これらの図のうち、図2又は図3に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図5(A)に例示するように、変形例1では、カード20に表記されるキー配列が複数種類存在する。この場合の「キー配列が複数種類」とは、表示されているキーの組み合わせは同一であるが、キーの配列が互いに異なることを意味する。図5(A)には、3種類のキー配列が印字されたカード20が例示されている。
【0047】
本変形例の情報入力装置1は、図5(B)に例示するように、予め登録された複数種類のキー配列を、カードのIDに関連付けて格納しており、カード20のICチップ204から読み取られたカードIDに関連付けられたキー配列を用いて、入力情報を生成する。
具体的には、変形例1の受付プログラム52は、図6に例示するように、図3の受付プログラム5に、キー配列特定部535を追加した構成をとる。キー配列特定部535は、図5(B)に例示するテーブルを参照して、ICデータ読取部515により読み取られたカードIDに関連付けられたキー配列を特定する。入力情報生成部510は、キー配列特定部535により特定されたキー配列と、カメラ制御部500により撮影された画像とに基づいて、ユーザがタッチした領域に対応するキーを特定し、特定されたキーに対応する入力情報を生成する。
【0048】
このように、変形例1では、カード20毎にキーの配置をシャッフルしてあるため、ユーザの手の動きから、入力されたパスワードなどが類推されることを防止できる。また、カード20それぞれについてはキー配列が固定であるため、本変形例における入力方法は、都度シャッフルする形態と比較して、ユーザの操作性に優れる。
【0049】
[変形例2]
図7は、変形例2におけるタッチパネル110を例示する図である。上記実施形態では、ステレオカメラ104によって撮影された画像に基づいて、タッチ操作の有無、及び、タッチしたキーの特定を行っているが、変形例2では、カードに対するタッチ操作及びタッチ位置をタッチパネル110によって検知する形態を説明する。すなわち、変形例2では、図1に例示した媒体認識エリア102及びカメラ104が不要である。代わりに、タッチパネル110上に、シート状のカード20が配置されるシート配置領域114が設けられる。シート配置領域114は、例えば、タッチパネル110により表示された枠などによって仕切られており、ユーザの直接操作する直接操作領域112とは異なる表示態様で区別可能になっている。このシート配置領域114は、非接触ICリーダ106により読み取り可能な領域である。
【0050】
また、本変形例のタッチパネル110及びカード20は、カード20を介したタッチ操作がタッチパネル110で検知可能となるような構成となっている。例えば、タッチパネル110は、静電容量タイプのタッチパネルであり、カード20は、静電容量の変化がタッチパネル110に伝わる程度の厚みである。
【0051】
上記構成によれば、変形例2の情報入力装置1は、カード20に対するタッチ操作を受け付けることができ、例えば、図4のフローチャートのうち、S115〜S130の処理をS110と同様の処理によって実現し、S155〜S165の処理をS150と同様の処理によって実現する。
【0052】
[変形例3]
図8は、変形例3における情報表示媒体を例示する図である。
図8に例示するように、携帯電話24を情報表示媒体として利用してもよい。すなわち、携帯電話24には、数字や文字が表示される表示画面240と、キーが配列された操作領域242と、IDが格納されたICチップ244とが設けられている。なお、携帯電話は、本発明にかかる携帯端末の一例である。
例えば、情報入力装置1は、携帯電話24の表示画面240に表示された画像をカメラ104で撮影し、撮影された画像から、表示された数字又は文字を特定し、特定された数字又は文字を入力情報として受け付ける。また、あるいは、情報入力装置1は、携帯電話24の操作領域242に対するユーザの操作をカメラ104で撮影し、撮影された画像から、操作によって押下されたキー(タッチされた領域のキー)を特定し、特定されたキーに対応する数字等を入力情報として受け付けてもよい。具体的な処理や動作は、上記実施例1と同様である。
このように、携帯電話24を通信装置として用いるのではなく、情報表示媒体として用いることにより、上記実施例と同様の効果を奏することができる。特に、情報入力装置1が表示画面240に表示された文字列等を撮影する形態では、予め入力する情報をユーザが携帯電話24に入力しておくことができるため、入力操作の時間短縮が期待できる。
【0053】
[変形例4]
図9は、変形例4における携帯電話24の表示画面を例示する図である。
図9に例示するように、変形例4は、上記変形例3に対して、さらなる変形を加えたものである。すなわち、変形例4の携帯電話24は、既定のアプリケーションプログラムを起動させて、図9(A)に例示するように、テンキーを表示画面240に表示させる。本変形例の情報入力装置1は、表示画面240に表示されたテンキーをカメラ104で撮影し、撮影された画像に基づいて、入力情報を生成する。例えば、図9(B)に例示するように、ユーザが携帯電話の十字キーでカーソルを移動させ、決定キーを押下すると、選択されたキーの表示態様が変化(本例では色の反転)する。情報入力装置1は、このテンキー上の表示態様が変化したキー(本例では色が反転したキー)を、撮影された画像の中から特定し、特定されたキーに対応する数字等を入力情報として受け付ける。
このように、携帯電話24上で既定のアプリケーションソフトウェアを起動させて、既定のフォーマットで入力情報を表示させることにより、情報入力装置1は、入力情報をより高い精度で特定することができる。また、このアプリケーションソフトウェアによって、入力情報の事前登録も可能になり、情報入力装置1での操作時間の短縮が期待できる。
【符号の説明】
【0054】
1…情報入力装置
10…情報処理ユニット
100,110…タッチパネル
102…媒体認識エリア
104…カメラ
106…非接触ICリーダ
20,22…カード
24…携帯電話
5,52…受付プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報表示媒体に対するユーザの操作を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された操作に基づいて、ユーザの入力情報を生成する入力情報生成手段と
を有する情報入力装置。
【請求項2】
前記情報表示媒体は、複数のキーが配列された携帯端末であり、
前記撮影手段は、ユーザによる携帯端末のキー操作を撮影し、
前記入力情報生成手段は、撮影されたキー操作に基づいて、ユーザにより操作されたキーを特定することにより、入力情報を生成する
請求項1に記載の情報入力装置。
【請求項3】
前記情報表示媒体は、表示画面が設けられた携帯端末であり、
前記撮影手段は、ユーザの入力に応じて前記携帯端末で表示された表示画面を撮影し、
前記入力情報生成手段は、撮影された表示画面の文字列に基づいて、入力情報を生成する
請求項1に記載の情報入力装置。
【請求項4】
前記情報表示媒体は、複数の文字、数字又は記号が表記されたシートであり、
前記撮影手段は、ユーザにより一部が覆われた前記シートを撮影し、
前記入力情報生成手段は、前記シートの覆われた領域に基づいて、入力情報を生成する
請求項1に記載の情報入力装置。
【請求項5】
前記撮影手段は、ステレオカメラであり、
前記入力情報生成手段は、前記ステレオカメラにより撮影された画像に基づいて、ユーザが前記シートに触れたか否かを判定し、ユーザにより触れられた領域に基づいて、入力情報を生成する
請求項4に記載の情報入力装置。
【請求項6】
タッチパネル
をさらに有し、
前記入力情報生成手段は、前記タッチパネルがユーザのタッチ操作を検知した時に覆われている領域に基づいて、入力情報を生成する
請求項4に記載の情報読取装置。
【請求項7】
前記タッチパネルに対して、数字、文字又は記号が表示された操作領域と、前記シートを配置すべきシート領域とを区別可能な態様で表示させる表示手段
をさらに有する
請求項6に記載の情報入力装置。
【請求項8】
前記情報表示媒体から、識別情報を読み取る読取手段と、
前記入力情報生成手段により生成された入力情報を、前記読取手段により読み取られた識別情報に関連付けて受け付ける情報受付手段と
をさらに有する請求項1に記載の情報入力装置。
【請求項9】
前記入力情報生成手段は、前記読取手段により読み取られた識別情報に対応するキー配列に基づいて、入力情報を生成する
請求項8に記載の情報入力装置。
【請求項10】
タッチパネルと、
複数種類のキー配列のうちのいずれかが表示されたシート状媒体から、識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた識別情報に対応するキー配列と、前記タッチパネルにより検知されたタッチ位置とに基づいて、ユーザの入力情報を生成する入力情報生成手段と
を有する情報入力装置。
【請求項11】
数字、文字又は記号が表示された情報表示媒体に対する、ユーザの指示操作を撮影するステップと、
撮影された指示操作に基づいて、ユーザの入力情報を生成するステップと
を有する情報入力方法。
【請求項12】
数字、文字又は記号が表示された情報表示媒体に対する、ユーザの指示操作を撮影させるステップと、
撮影された指示操作に基づいて、ユーザの入力情報を生成するステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−198725(P2012−198725A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61808(P2011−61808)
【出願日】平成23年3月19日(2011.3.19)
【出願人】(000136136)株式会社PFU (354)
【Fターム(参考)】