説明

情報入力装置

【課題】ユーザ毎あるいは各ユーザの指の動作の差異による認識精度の低下を防止して、打鍵されたキーを正確に特定できる情報入力装置を提供する。
【解決手段】情報入力装置1は、手袋部2とPC11とを備えている。手袋部2の指先部分に、加速度センサ3が取り付けられている。手袋部2の掌部分に、移動方向と移動量とを検出可能な光学センサが取り付けられている。加速度センサ3と光学センサとから検出された検出データは、PC11に送信される。PC11では、光学センサの検出データに基づいて、基準位置に対する手の移動方向と移動量とを算出し、キーボード配列のうち使用者が打鍵可能なキー(可能キー)を特定する。PC11では、加速度センサ3の検出データに基づいて、打鍵動作が特定される。打鍵動作が行われた時点の可能キーが、使用者が選択したキー(決定キー)として特定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報入力装置に関する。より詳細には、キーボードを使用することなく、キー情報を入力できる情報入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、キーボードを使用することなく、キー情報を入力できる情報入力装置が開発されている。例えば特許文献1では、手の仕草で情報入力を行うことが可能な情報入力装置が提案されている。この入力装置では、ユーザの指に取り付けられたセンサからの信号が、所定の周期でスキャンされる。所定時間内にスキャンされた信号のデータ(スキャンデータ)が取得されて解析され、指の動きが認識される。
【0003】
指の動きの認識は、特定の指の動きに対応付けられて予め準備された比較用データとスキャンデータとのマッチング処理によって実行される。スキャンデータが比較用データに該当する場合、該当するとされた比較用データに対応付けられている特定の指の動きが、実際の指の動きであると認識される。キーボード打鍵時の指の動きに相当する比較データを、キー別に準備しておくことで、認識された指の動きから、打鍵動作によって選択されたキーを特定することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2006−503350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
打鍵動作時における指の動作は、ユーザ毎に微妙に異なる。また共通のユーザによって共通のキーの打鍵動作が行われた場合であっても、指の動作は毎回異なる場合がある。従って上述の装置では、指の動きの差異が原因で指の動きが認識できない場合が発生する。このため、指の動作の認識精度が悪化し、キーが特定されない場合や、誤ったキー情報が特定される場合が発生するという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、ユーザ毎あるいは各ユーザの指の動作の差異による認識精度の低下を防止して、打鍵されたキーを正確に特定できる情報入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一態様に係る情報入力装置は、人体に取り付け可能であって、取り付けた部位の移動方向と移動量とを特定可能な物理量を検出する検出手段と、前記検出手段において検出された前記物理量から、前記移動方向と前記移動量とを算出する算出手段と、前記移動方向及び前記移動量と、キーの情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記記憶手段を参照し、前記算出手段において算出された前記移動方向と前記移動量とに対応付けられているキーを、指が打鍵可能なキーである可能キーとして特定する第一特定手段と、指の位置に取り付け可能なセンサからの信号に基づいて、指が打鍵動作を行ったか否かを判断する打鍵判断手段と、前記打鍵判断手段において指が打鍵動作を行ったと判断されたときに前記第一特定手段において特定されている前記可能キーである決定キーを特定する第二特定手段と、前記第一特定手段において特定された前記可能キーを示す可能キー情報、及び、前記第二特定手段において特定された前記決定キーを示す決定キー情報のうち少なくとも一方を出力する出力手段とを備えている。
【0008】
本発明の第一態様によれば、情報入力装置は、移動方向と移動量とから、指が打鍵可能なキー(可能キー)を特定する。情報入力装置は、指が打鍵動作を行ったと判断した時点の可能キーを、打鍵動作によって選択されたキー(決定キー)として特定し、出力する。
決定キーを特定するために必要な指の動作の認識を、打鍵動作に限定できるので、情報入力装置は、簡易な処理で正確に決定キーを特定できる。また、移動方向及び移動量は、検出手段によって特定されるので、正確に移動方向及び移動量を特定できる。情報入力装置は、高い認識精度で正確に決定キーを特定できる。
【0009】
また、第一態様において、前記センサは、複数の指の位置に其々取り付け可能であり、前記記憶手段は、前記移動方向及び前記移動量とキーの情報とを、前記センサが取り付けられた前記複数の指に対応付けて記憶し、前記第一特定手段は、前記複数の指の其々が打鍵可能な前記可能キーを特定し、前記打鍵判断手段は、前記複数の指のうちどの指が打鍵動作を行ったかを判断し、前記第二特定手段は、前記打鍵判断手段によって打鍵動作が行われたと判断された指に対応する前記可能キーを前記決定キーとして特定してもよい。センサは、複数の指の位置に取り付け可能であるため、打鍵可能なキー情報を複数の指の其々に対応付けて記憶することによって、多くの決定キーを確実に特定できる。
【0010】
また、第一態様において、像を表示可能な表示手段を備え、前記出力手段は、前記可能キー情報及び前記決定キー情報のうち少なくとも一方を前記表示手段に出力してもよい。これによって情報入力装置の使用者は、表示手段に出力される情報を視認することで、可能キー及び決定キーのうち少なくとも一方を認識できる。可能キーが表示手段に表示された場合、使用者は、情報入力装置によって特定される可能性のあるキー(可能キー)を、打鍵動作前に認識できる。決定キーが表示手段に表示された場合、使用者は、打鍵動作によって情報入力装置が認識したキー(決定キー)を確認することができる。使用者は、所望のキーが情報入力装置によって確実に認識されたか否かを、表示手段を視認することで確認できる。
【0011】
また、第一態様において、前記出力手段は、前記可能キー情報を出力する場合は、前記打鍵判断手段において打鍵動作が行われていないと判断された時点で、前記可能キー情報を出力し、前記決定キー情報を出力する場合は、前記打鍵判断手段において打鍵動作が行われたと判断された時点で、前記決定キー情報を出力してもよい。これによってユーザは、打鍵動作が行われていない場合に可能キーを認識でき、打鍵動作が行われた場合に決定キーを認識できる。ユーザは、より容易に可能キー及び決定キーを認識できる。
【0012】
また、第一態様において、前記出力手段は、キーボードのキー配列を示し、前記可能キー情報を特定するための画像である可能キー画像と、前記可能キー画像とは異なる態様の画像であって前記決定キー情報を特定するための画像である決定キー画像とを前記表示手段に出力してもよい。これによって使用者は、情報入力装置によって特定される可能性のあるキー(可能キー)を、キー配列上で認識できる。また使用者は、可能キーとは別に決定キーを認識できる。
【0013】
また、第一態様において、前記第一特定手段は、複数の指のうち所定の第一指の前記可能キーを特定する場合には、一軸方向の前記移動方向と前記移動量とから前記可能キーを特定し、前記第一指以外の第二指の前記可能キーを特定する場合には、二軸方向の前記移動方向と前記移動量とから前記可能キーを特定してもよい。例えば、薬指や中指の可能キーを特定する場合には、キー配列の上下方向の移動方向と移動量とから、可能キーを一義的に特定する。一方、人差指や小指の可能キーを特定する場合には、キー配列の上下方向の移動量と左右方向の移動量とから、可能キーを一義的に特定する。通常、人差指と小指は、複数の列のキーを打鍵する為に使用されるので、二軸方向の移動方向と移動量とから可能キーを特定することによって、使用者はより実際のキーボードタイピングに近い入力操作を行うことができる。
【0014】
また、第一態様において、前記検出手段は、接触する物体の有無をさらに検出し、前記検出手段において接触する物体がないことが検出された場合に、接触する物体がない状態で所定時間以上経過したか判断する時間判断手段をさらに備え、前記出力手段は、前記時間判断手段において所定時間以上経過したと判断された場合に、前記表示手段に出力中の情報を消去してもよい。情報入力装置は、検出手段が机上等に載置されていない場合には、決定キーの認識ができないので、表示手段に表示中の情報を消去する。使用者は、情報入力装置がキーを認識可能な状態であるか否かを、表示手段を視認することで認識できる。
【0015】
また、第一態様において、前記検出手段が所定位置にあるかを判断する位置判断手段と、前記位置判断手段において前記検出手段が前記所定位置にあると判断された場合に、使用者に対して前記検出手段の位置を通知する通知手段とをさらに備えていてもよい。情報入力装置は、使用者に対して、検出手段が所定位置にあるか否かを通知できる。使用者は、検出手段が所定位置にあるか否かを認識できる。
【0016】
また、第一態様において、バイブレータをさらに備え、前記通知手段は、前記バイブレータを振動させることにより、前記検出手段の位置が前記所定位置にあることを通知してもよい。これによって使用者は、バイブレータによる振動によって、検出手段が所定位置にあるか否かを認識できる。使用者は、表示手段を視認することなく、検出手段が所定位置にあるか否かを認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】情報入力装置1の概要を示す模式図である。
【図2】手袋部2の概要を示す模式図である。
【図3】表示画像51を示す図である。
【図4】手袋部2の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】PC11の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】対応テーブル441を示す模式図である。
【図7】検出処理を示すフローチャートである。
【図8】受信処理を示すフローチャートである。
【図9】表示制御処理を示すフローチャートである。
【図10】キー特定処理を示すフローチャートである。
【図11】表示画像54を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態における情報入力装置1について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0019】
図1及び図2を参照し、情報入力装置1の概要について説明する。図1に示すように、情報入力装置1は、手袋部2とPC11とを備えている。手袋部2は、手袋の形状を有しており、使用者の手に装着される。図1及び図2では、右手用の手袋部2と左手用の手袋部2とが準備されている。使用者は、手袋部2を手に装着した状態で、キーボードを打鍵する動作を行う。手袋部2に取り付けられているセンサ(加速度センサ3、光学センサ8、詳細後述)において検出されたデータ(以下「検出データ」という。)が、PC11に対して送信される。PC11において、検出データが解析され、打鍵動作によって選択されたキーが特定される。特定されたキーは、ディスプレイ13に表示される。使用者は、キーボードを用いることなくキーを入力することが可能となる。以下、使用者がキーボードを使用しない状態で打鍵の動作を行うことを、単に「打鍵動作を行う」という。
【0020】
手袋部2の詳細について説明する。手袋部2は、使用者の手に装着される装着部5を備えている。装着部5は、手袋形状を有している。装着部5には、加速度センサ3が取り付けられている。加速度センサ3は、装着部5が使用者の手に装着された状態で、使用者の各指の先端部分に配置する。加速度センサ3は、打鍵動作時の指の運動を加速度信号として検出する。加速度センサ3としては、静電容量検出方式、ピエゾ抵抗方式、熱検知方式等、周知の駆動方式により駆動する加速度センサが使用できる。
【0021】
図2に示すように、装着部5には、光学センサ8が取り付けられている。光学センサ8は、装着部5が使用者の手に装着された状態で、使用者の掌の下方に配置する。光学センサ8は、イメージセンサを備えている。イメージセンサでは、周期的に画像が撮影される。前回撮影された撮影画像と、今回撮影された撮影画像とから、同一の画像部分が特定される。同一の画像部分がどの方向にどの程度移動しているかが検出されることによって、光学センサ8の移動方向及び移動量が特定される。また、撮影画像が解析されることで、他の物体が光学センサ8に接触した状態であるかが特定される。例えば手袋部2を装着した使用者が、手を机上に載置させた場合、光学センサ8は机と接触する。情報入力装置1は、撮影画像を解析することで、手袋部2が机上に載置した状態であるかを特定できる。
【0022】
図1に示すように、手袋部2には制御部6が取り付けられている。制御部6は、装着部5が使用者の手に装着された状態で、使用者の手の甲に配置する。制御部6は、加速度センサ3及び光学センサ8とハーネス4によって接続されている。加速度センサ3及び光学センサ8において検出された検出データは、ハーネス4を介して制御部6によって取得される。制御部6は、取得した検出データをPC11に対して無線送信する。
【0023】
PC11は、本体部12、ディスプレイ13、及びキーボード14を備えている。PC11は、手袋部2の制御部6から送信された検出データを受信する。PC11は、使用者の打鍵動作によって選択されたキー情報を、受信した検出データに基づいて特定する。PC11は、特定したキー情報をディスプレイ13に表示する。
【0024】
図3を参照し、ディスプレイ13に表示される表示画像の一例である表示画像51について説明する。表示画像51は、可能キー画像52と決定キー画像53とを少なくとも備えている。可能キー画像52は、キーボード配列(QWERTY配列)を図示した画像である。可能キー画像52は、使用者が打鍵可能なキー情報(以下「可能キー」という。)を示す。可能キーは、手袋部2が装着された手の移動方向と移動量とに基づいて特定される(詳細は後述する)。決定キー画像53は、打鍵動作によって選択されたキー情報(以下「決定キー」という。)を示す。
【0025】
図3では、可能キー画像52のうち、可能キーに相当する部分「A」(左手小指)、「S」(左手薬指)、「D」(左手中指)、「F」(左手人差指)、「J」(右手人差指)、「K」(右手中指)、「L」(右手薬指)、「+」(右手小指)の色が反転している。これらのキーが可能キーに相当する。決定キー画像53には、決定キーが表示されていない。使用者はキーを打鍵していない。使用者は、ディスプレイ13を視認することによって、打鍵動作によって選択可能なキー(可能キー)を認識できる。使用者は、打鍵動作を行う前に、選択される可能性のあるキーを確認できるので、所望のキーを確実に入力できる。また使用者は、ディスプレイ13を視認することによって、打鍵動作によって選択されたキー情報(決定キー)を認識できる。なお以下、可能キー画像52において示されるキー配列のうち、紙面左右方向を「行」と呼び、紙面上下方向を「列」と呼ぶ。
【0026】
本実施形態では、手袋部2が装着された手の移動方向と移動量とから、可能キーが特定される。移動方向と移動量とは、光学センサ8によって検出される検出データ(撮影画像)に基づいて算出される。手の上下方向の移動量に基づいて、キーボード配列のうち打鍵可能な行が特定される。手の左右方向の移動量に基づいて、キーボード配列のうち打鍵可能な列が特定される。打鍵可能な行と列とから一義的に特定されるキー情報が、可能キーとして特定される。また、指が打鍵動作を行ったかを判断することで、決定キーが特定される。打鍵動作を行ったか否かは、加速度センサ3によって検出される検出データ(加速度信号)に基づいて決定される。打鍵動作を行ったと判断された時点での可能キーが、決定キーとして特定される。
【0027】
本実施形態において、ディスプレイ13に表示される画像は、上述した態様に限定されない。例えば、可能キー画像と決定キー画像とのうちいずれか一のみディスプレイ13に表示させてもよい。また本発明では、例えばPC11において実行中のアプリケーション(ワープロソフト、表計算ソフトなど)において、特定された決定キーが入力情報として直接認識されてもよい。加速度センサ3及び光学センサ8が取り付けられる位置は、上述の位置に限定されない。光学センサ8は、例えば手、足など人体の様々な部位に取り付けられてもよい。加速度センサ3は、装着部5のうち特定の指にのみ取り付けられていてもよい。情報入力装置1は、例えば片方の手に装着される手袋部2のみ備えた構成であってもよい。PC11の代わりに専用機器が使用されてもよい。手袋部2とPC11との間の通信は無線通信に限定されず、有線通信であってもよい。情報入力装置1は、手袋部2の制御部6がディスプレイ13と直接接続した構成であってもよい。制御部6が可能キー及び決定キーを特定し、ディスプレイ13に直接出力してもよい。
【0028】
情報入力装置1の電気的構成について、図4及び図5を参照して説明する。手袋部2の電気的構成について、図4を参照して説明する。手袋部2の制御部6は、CPU31を備えている。CPU31は、加速度センサ3及び光学センサ8において検出される検出データの取得処理や、検出データの送信処理を司る。制御部6は、ROM32とRAM33とを備えている。ROM32には、CPU31が駆動する場合に必要なプログラム、初期設定情報、及びパラメータが少なくとも記憶されている。RAM33には、タイマやカウンタ等が記憶される。CPU31は、ROM32及びRAM33とバス34を介して電気的に接続している。CPU31は、ROM32及びRAM33の記憶領域にアクセスできる。
【0029】
手袋部2は、既述の加速度センサ3及び光学センサ8を備えている。制御部6は、A/Dコンバータ35を備えている。A/Dコンバータ35は、加速度センサ3から出力されるアナログ信号(加速度信号)をデジタル信号に変換する。加速度センサ3はA/Dコンバータ35と電気的に接続している。A/Dコンバータ35はCPU31と電気的に接続している。光学センサ8はCPU31と電気的に接続している。CPU31は、加速度センサ3及び光学センサ8において検出される検出データを取得できる。
【0030】
制御部6は、RFモジュール36とアンテナ37とを備えている。RFモジュール36は、変調制御を司る。アンテナ37は、無線の送受信を行う。CPU31は、RFモジュール36と電気的に接続している。RFモジュール36は、アンテナ37と電気的に接続している。CPU31は、アンテナ37を介してPC11と無線通信を行うことができる。制御部6は、バイブレータ7を備えている。バイブレータ7は、手袋部2を振動させることができる。CPU31はバイブレータ7と電気的に接続している。CPU31は、バイブレータ7を振動させることができる。
【0031】
PC11の電気的構成について、図5を参照して説明する。PC11は、CPU41を備えている。CPU41は、検出データの受信、解析、表示制御を司る。PC11は、ROM42、RAM43、及びハードディスクドライブ(HDD)44を備えている。ROM42には、ブートプログラムやBIOSが記憶される。RAM43には、タイマやカウンタ等が記憶される。HDD44には、CPU41によって実行されるOSやプログラム、後述する対応テーブル等が記憶される。CPU41は、ROM42、RAM43、及びHDD44とバス45を介して電気的に接続している。CPU41は、ROM42、RAM43、及びHDD44の記憶領域にアクセスできる。
【0032】
PC11は、入出力ドライバ46を備えている。入出力ドライバ46は、PC11に接続される周辺機器とCPU41との仲介処理を行う。CPU41は、入出力ドライバと電気的に接続している。入出力ドライバ46は、ディスプレイ13及びキーボード14と電気的に接続している。CPU41は、所望の画像をディスプレイ13に表示させることができる。CPU41は、キーボード14を介して入力された情報を認識できる。PC11は、RFモジュー47とアンテナ48とを備えている。RFモジュール47は、変復調制御を司る。CPU41は、RFモジュール47と電気的に接続している。RFモジュール47は、アンテナ48と電気的に接続している。CPU41は、アンテナ48を介して手袋部2と無線通信を行うことができる。
【0033】
図6を参照し、HDD44に記憶される対応テーブルの一例である対応テーブル441について説明する。対応テーブル441は、可能キー及び決定キーを特定するために使用される。対応テーブル441には、左手各指(小指、薬指、中指、人差指)と、キーボード配列における各行(第1行〜第4行)及び各列(第1列〜第6列)とが対応付けられて記憶されている。右手各指に対応する対応テーブルは省略されている。
【0034】
対応テーブル441では、キーボード配列の各行に、移動方向(上下方向)及び移動量が対応付けられている。移動量が正の値(+)である場合、移動方向が上方向であることを示している。移動量が負の値(−)である場合、移動方向が下方向であることを示している。キーボード配列の各列に、移動方向(左右方向)及び移動量が対応付けられている。移動量が正の値(+)である場合、移動方向が右方向であることを示している。移動量が負の値(−)である場合、移動方向が左方向であることを示している。なお移動方向及び移動量は、所定の位置(基準位置、詳細後述)を基準とした場合の値である。
【0035】
例えば、手が基準位置から上方向に「a」cm以上移動している場合、打鍵可能な行として、第1行が特定される。手が基準位置から下方向に「c」cm以上「d」cm未満の範囲で移動している場合、打鍵可能な行として、第3行が特定される。例えば、手が基準位置から左方向に「e」cm以上移動している場合、小指の打鍵可能な列として、第1列が選択される。手の基準位置から左方向への移動量が「e」cm未満である場合、小指の打鍵可能な列として、第2列が選択される。手が基準位置から右方向に「h」cm以上移動している場合、人差指の打鍵可能な列として、第6列が選択される。手の基準位置から右方向への移動量が「h」cm未満である場合、人差指の打鍵可能な列として、第5列が選択される。以上のようにして特定された打鍵可能な行と打鍵可能な列とから、可能キーが指毎に一義的に特定される。なお、薬指と中指に対応する打鍵可能な列は、手が左右方向に移動しても変化しない(薬指:第3列、中指:第4列)。通常、人差指と小指は、複数の列のキーを打鍵する為に使用されるのに対し、薬指と中指は、特定の列のキーを打鍵するために使用される。対応テーブル441使用して可能キーが特定されることで、使用者は、より実際のキーボードタイピングに近い入力操作を行うことができる。なお本発明は、例えば手が基準位置から左右方向に移動している場合、すべての指に対応する打鍵可能な列を変化させてもよい。
【0036】
図7を参照し、手袋部2のCPU31において実行される検出処理について説明する。検出処理は、手袋部2の電源が投入された場合に、CPU31において起動され実行される。検出処理では、加速度センサ3において検出される検出データ(以下「第一データ」という。)が取得される(S11)。光学センサ8において検出される検出データ(以下「第二データ」という。)が取得される(S13)。取得された第一データと第二データとは、PC11に対して無線送信される(S15)。
【0037】
PC11から送信される通知信号を受信したかが判断される(S17)。通知信号は、手袋部2が基準位置にある場合に、PC11から送信される(詳細後述)。通知信号が受信された場合(S17:YES)、バイブレータ7を振動させる(S19)。処理は、S21に進む。通知信号が受信されていない場合(S17:NO)、そのまま処理はS21に進む。このように情報入力装置1は、バイブレータ7を振動させることで、手袋部2が基準位置にあることを使用者に対して通知できる。使用者は、手袋部2の振動を感知することで、自身が装着する手袋部2が基準位置にあることを認識できる。
【0038】
S21では、処理が所定時間待機される(S21)。所定時間経過後、処理はS11に戻る。第一データと第二データとを取得し、PC11に対して送信する処理が繰り返される。手袋部2では、所定の周期で繰り返し第一データと第二データとが取得され、PC11に対して送信される。
【0039】
図8から図10を参照し、PC11のCPU41において実行される処理(受信処理、表示制御処理、キー特定処理)について説明する。各処理は、PC11の電源が投入された状態で起動され実行される。各処理は、OSによって適宜スイッチングされ実行される。
【0040】
図8を参照し、受信処理について説明する。手袋部2から検出データ(第一データ、第二データ)が送信されているかが判断される(S31)。手袋部2から検出データが送信されていない場合(S31:NO)。処理はS31に戻る。手袋部2から検出データが送信されている場合(S31:YES)、検出データが受信される(S33)。受信された検出データは、HDD44に記憶される(S35)。処理はS31に戻る。繰り返し、検出データの受信処理が実行される。
【0041】
図9を参照し、表示制御処理について説明する。ディスプレイ13に表示画像が表示されている場合、表示画像が消去される(S41)。HDD44に記憶されている第二データが解析される。光学センサ8に他の物体が接触しているかが判断される(S43)。光学センサ8に他の物体が接触していない場合(S43:NO)、手袋部2は机上等に載置していない可能性がある。手袋部2が机上等に載置されていない状態では、キーの入力は許可されないので、処理はS41に戻る。一方、第二データの解析の結果、光学センサ8に他の物体が接触していると判断された場合(S43:YES)、HDD44に記憶されている第一データが解析される。手袋部2が所定時間以上連続して静止しているか判断される(S45)。手袋部2が静止した状態での経過時間が所定時間未満である場合(S45:NO)、キーの入力は許可されないので、処理はS41に戻る。
【0042】
手袋部2が所定時間以上連続して静止した場合(S45:YES)、キーの入力が許可される。現時点の手袋部2の位置が、手袋部2の移動方向及び移動量を算出する場合の基準位置として設定される(S47)。基準位置の情報は、RAM43に記憶される。可能キー画像及び決定キー画像(図3参照)がディスプレイ13に表示される(S49)。HDD44に記憶されている第二データが解析される。光学センサ8に他の物体が接触しているかが判断される(S51)。光学センサ8に他の物体が接触している場合(S51:NO)、継続して可能キー及び決定キーを特定可能な状態であるので、処理はS49に戻る。
【0043】
光学センサ8に他の物体が接触していない場合(S51:YES)、光学センサ8に他の物体が接触していない状態が、連続して所定時間以上経過したかが判断される(S53)。他の物体が接触していない状態での経過時間が所定時間未満である場合(S53:NO)、一時的に光学センサ8が机上等から離隔した可能性がある。処理はS49に戻る。光学センサ8に他の物体が接触していない状態が連続して所定時間以上続いた場合(S53:YES)、S47においてRAM43に記憶された基準位置の情報は消去され、処理はS41に戻る。キーの入力が禁止されたことを使用者に通知するために、表示中の可能キー画像及び決定キー画像が消去される(S41)。そして上述の処理が繰り返される。このように情報入力装置1は、例えば手袋部2が机上等に載置されていない状態が連続して続いた場合、ディスプレイ13に表示中の画像を消去する。使用者は、キー入力が可能な状態か否かを、ディスプレイ13を視認することで認識できる。
【0044】
図10を参照し、キー特定処理について説明する。基準位置がRAM43に記憶されているかが判断される(S60)。基準位置がRAM43に記憶されていない場合(S60:NO)、手袋部2の移動方向及び移動量を算出することができないので、処理はS60に戻る。基準位置がRAM43に記憶されている場合(S60:YES)、HDD44に記憶されている第二データが解析される。基準位置に対する光学センサ8の移動方向及び移動量が算出される。算出された移動方向及び移動量に基づいて、現在の光学センサ8の位置が特定される。特定された位置と、RAM43に記憶された基準位置とが比較される。双方が一致する場合、手袋部2は基準位置に配置している(S61:YES)。手袋部2が基準位置に配置していることを通知する通知信号が、手袋部2に対して無線送信される(S63)。そして処理は、S65に進む。光学センサ8の位置と基準位置とが相違する場合(S61:NO)、そのまま処理はS65に進む。
【0045】
S65では、HDD44に記憶された第一データが解析される。いずれかの指で打鍵動作が行われたかが判断される(S65)。打鍵動作の有無の判断は、例えば以下の方法によって実行される。HDD44に記憶されている第一データの履歴が、所定の時間間隔で切り出される。切り出された第一データのうち、最大値と最小値とが抽出される。抽出された最大値と最小値との差分が所定値以上となった場合、打鍵動作が行われたと判断される。なお、打鍵動作の有無を判断する方法は、上述の方法に限定されない。例えばパターンマッチング処理を行うことによって、打鍵動作の有無を判断してもよい。
【0046】
打鍵動作が行われていないと判断された場合(S65:NO)、HDD44に記憶された第二データが解析される。基準位置に対する手袋部2の移動方向及び移動量が算出される(S67)。対応テーブル(図6参照)が参照される。算出された移動方向及び移動量に基づき、可能キーが指毎に特定される(S69)。特定された可能キーは、可能キー画像を介してディスプレイ13に出力される(S71)。処理はS60に戻る。
【0047】
打鍵動作が行われたと判断された場合(S65:YES)、打鍵動作が行われた指に対応する可能キーが、決定キーとして特定される(S73)。特定された決定キーは、決定キー画像を介してディスプレイ13に出力される(S75)。処理はS60に戻る。
【0048】
決定キーが出力された場合の表示画像の一例である表示画像54を、図11に示す。左手の打鍵可能な行として第2列が選択されている。使用者の左手に装着された手袋部2は、基準位置から上方向に「b」cm以上「a」cm未満の範囲で移動していることになる(図6参照)。左手人差指の打鍵可能な列として第6列「T」が選択されている。左手に装着された手袋部2は、基準位置から右方向に「h」cm以上移動していることになる。結果、左手小指の可能キー「Q」、左手薬指の可能キー「W」、左手中指の可能キー「E」、及び左手小指の可能キー「T」が、可能キー画像55として表示されている。同様に、右手小指の可能キー「0」、右手薬指の可能キー「9」、右手中指の可能キー「8」、及び右手人差指の可能キー「6」が、可能キー画像55として表示されている。使用者は、可能キー画像55を視認することで、打鍵動作前に可能キーを認識できる。使用者は、キーボード配列上で可能キーを認識できるので、どの方向にどの程度手を移動させれば、所望のキーの入力動作を行うことが出来るかを、打鍵動作前に認識できる。使用者は、手袋部2の位置を補正することで、所望のキーを正確に入力できる。
【0049】
また、決定キー「6」が決定キー画像56に表示されている。使用者は、右手人差指によって打鍵動作を行っていることになる。使用者は、打鍵動作によって認識されたキーを、決定キー画像56を視認することで確認できる。なお打鍵動作によって複数のキーが同時に選択されている場合は、複数のキーが決定キー画像56に表示されてもよい。
【0050】
以上説明したように、情報入力装置1は、基準位置に対する手袋部2の移動方向と移動量とから、可能キーを特定する。情報入力装置1は、指が打鍵動作を行ったと判断した時点の可能キーを、決定キーとして特定する。決定キーを特定するために必要な指の動作の認識を、打鍵動作に限定できるので、情報入力装置1は、簡易な処理で正確に決定キーを特定できる。また、移動方向及び移動量は、光学センサ8によって特定されるので、正確に移動方向及び移動量を特定できる。情報有力装置1は、高い認識精度で正確に決定キーを特定できる。さらに、一般的に、キーの打鍵動作が使用者によって行われる場合の手の移動方向及び移動量と打鍵動作とは、使用者毎のばらつきが小さい。従って情報入力装置1は、使用者が異なる場合であっても、高い認識精度で正確に決定キーを特定できる。
【0051】
情報入力装置1では、加速度センサ3が各指の位置に取り付け可能である。使用者は、複数の指を用いて情報を入力することができるので、より多くの情報を容易に且つ迅速に入力できる。例えば従来のキーボードタイピングに近い入力操作を行うことができる。また情報入力装置1は、バイブレータ7を振動させることで、手袋部2が基準位置にあるか否かを使用者に対して通知できる。使用者は、基準位置を確認できるので、手袋部2が装着された手をどのように動かせば、所望のキーの打鍵動作が実行できるかを認識できる。使用者は、正確に所望のキーの打鍵動作を実行できる。
【0052】
なお、図2の光学センサ8が本発明の「検出手段」に相当する。図10のS67の処理を行うCPU41が本発明の「算出手段」に相当する。対応テーブルを記憶する図5のHDD44が本発明の「記憶手段」に相当する。図10のS69の処理を行うCPU41が本発明の「第一特定手段」に相当し、S65の処理を行うCPU41が本発明の「打鍵判断手段」に相当し、S73の処理を行うCPU41が本発明の「第二特定手段」に相当し、S71、S75の処理を行うCPU41が本発明の「出力手段」に相当する。図1のディスプレイ13が本発明の「表示手段」に相当する。図9のS43、S51の処理を行うCPU41が本発明の「接触判断手段」に相当し、S53の処理を行うCPU41が本発明の「時間判断手段」に相当する。図10のS61の処理を行うCPU41が本発明の「位置判断手段」に相当し、図7のS19の処理を行うCPU31が本発明の「通知手段」に相当する。
【0053】
なお本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上述では、基準位置からの移動方向及び移動量を特定するためのセンサとして光学センサ8が使用されていた。本発明はこれに限定されず、移動方向及び移動量を特定可能な他のセンサが使用されてもよい。また、加速度センサ3から検出される検出データによって移動方向及び移動量が算出されてもよい。
【0054】
本実施の形態では、バイブレータ7を振動させることで、使用者に対して基準位置を通知していたが、本発明はこれに限定されない。基準位置に手袋部2が配置している旨をディスプレイ13に表示することで、使用者に基準位置を通知してもよい。
【0055】
本実施の形態では、光学センサ8において検出される検出データに基づいて、手袋部2が他の物体に接触しているかを特定していた。本発明はこれに限定されない。専用のセンサ(接触センサ)を設け、該センサによって手袋部2が他の物体に接触しているかを特定してもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 情報入力装置
3 加速度センサ
4 ハーネス
5 装着部
6 制御部
7 バイブレータ
8 光学センサ
11 PC
44 HDD
51,54 表示画像
52,55 可能キー画像
53,56 決定キー画像
441 対応テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体に取り付け可能であって、取り付けた部位の移動方向と移動量とを特定可能な物理量を検出する検出手段と、
前記検出手段において検出された前記物理量から、前記移動方向と前記移動量とを算出する算出手段と、
前記移動方向及び前記移動量と、キーの情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段を参照し、前記算出手段において算出された前記移動方向と前記移動量とに対応付けられているキーを、指が打鍵可能なキーである可能キーとして特定する第一特定手段と、
指の位置に取り付け可能なセンサからの信号に基づいて、指が打鍵動作を行ったか否かを判断する打鍵判断手段と、
前記打鍵判断手段において指が打鍵動作を行ったと判断されたときに前記第一特定手段において特定されている前記可能キーである決定キーを特定する第二特定手段と、
前記第一特定手段において特定された前記可能キーを示す可能キー情報、及び、前記第二特定手段において特定された前記決定キーを示す決定キー情報のうち少なくとも一方を出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする情報入力装置。
【請求項2】
前記センサは、複数の指の位置に其々取り付け可能であり、
前記記憶手段は、
前記移動方向及び前記移動量とキーの情報とを、前記センサが取り付けられた前記複数の指に対応付けて記憶し、
前記第一特定手段は、
前記複数の指の其々が打鍵可能な前記可能キーを特定し、
前記打鍵判断手段は、
前記複数の指のうちどの指が打鍵動作を行ったかを判断し、
前記第二特定手段は、
前記打鍵判断手段によって打鍵動作が行われたと判断された指に対応する前記可能キーを前記決定キーとして特定することを特徴とする請求項1に記載の情報入力装置。
【請求項3】
像を表示可能な表示手段を備え、
前記出力手段は、
前記可能キー情報及び前記決定キー情報のうち少なくとも一方を前記表示手段に出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報入力装置。
【請求項4】
前記出力手段は、
前記可能キー情報を出力する場合は、前記打鍵判断手段において打鍵動作が行われていないと判断された時点で、前記可能キー情報を出力し、
前記決定キー情報を出力する場合は、前記打鍵判断手段において打鍵動作が行われたと判断された時点で、前記決定キー情報を出力することを特徴とする請求項3に記載の情報入力装置。
【請求項5】
前記出力手段は、
キーボードのキー配列を示し、前記可能キー情報を特定するための画像である可能キー画像と、前記可能キー画像とは異なる態様の画像であって前記決定キー情報を特定するための画像である決定キー画像とを前記表示手段に出力することを特徴とする請求項3又は4に記載の情報入力装置。
【請求項6】
前記第一特定手段は、
複数の指のうち所定の第一指の前記可能キーを特定する場合には、一軸方向の前記移動方向と前記移動量とから前記可能キーを特定し、前記第一指以外の第二指の前記可能キーを特定する場合には、二軸方向の前記移動方向と前記移動量とから前記可能キーを特定することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の情報入力装置。
【請求項7】
前記検出手段において検出された前記物理量に基づいて、接触する物体の有無を判断する接触判断手段と、
前記接触判断手段において接触する物体がないことが検出された場合に、接触する物体がない状態で所定時間以上経過したか判断する時間判断手段とをさらに備え、
前記出力手段は、
前記時間判断手段において所定時間以上経過したと判断された場合に、前記表示手段に出力中の情報を消去することを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の情報入力装置。
【請求項8】
前記検出手段が所定位置にあるかを判断する位置判断手段と、
前記位置判断手段において前記検出手段が前記所定位置にあると判断された場合に、使用者に対して前記検出手段の位置を通知する通知手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の情報入力装置。
【請求項9】
バイブレータをさらに備え、
前記通知手段は、
前記バイブレータを振動させることにより、前記検出手段の位置が前記所定位置にあることを通知することを特徴とする請求項8に記載の情報入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−186693(P2011−186693A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50005(P2010−50005)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】