説明

情報再生装置

【課題】 手間のかかる入力が不要で、かつその入力内容を表示するための表示手段も不要な、複数ユーザが同一コンテンツを続き再生できる極めて良好な情報再生装置を提供する。
【解決手段】 音声や映像の情報が記憶されている情報記録媒体50と、前記情報記録媒体50から記録情報を再生する再生部10と、前記記録情報の再生を要求しているユーザが第1のユーザであるか第2のユーザであるかを分別する分別キー20と、再生中の情報記録媒体50の再生位置を、分別キー20の分別状態毎にレジューム情報として保持する再生位置記録部30と、再生位置記録部30が保持する前記レジューム情報に従って再生を再開するように再生部10を制御する制御部40とを具備することを特徴とする情報再生装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数ユーザで共有メディアを共有のAV機器で利用する際に、特許文献(特開2005−129093)に記載の情報再生装置および情報再生方法は、各ユーザが再生を一時中断した後、再生を再開する際に中断した箇所から再生できるレジューム機能を有している。このレジューム機能により、複数ユーザが同一コンテンツをユーザ毎に続き再生を実現している。
【0003】
しかしながら、このレジューム機能を実現するためには、ユーザ情報と再生するタイトルとを特定するための情報を入力する入力手段が必要であり、更に、都度これらの情報を入力しなければならないという手間がかかる。
【0004】
また、タイトルやユーザおよび再生位置情報も表示する必要があり、再生対象のメディアが音声だけの場合など、これらを表示する表示器が別途必要になるという問題も生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−129093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、手間のかかる入力が不要で、かつその入力内容を表示するための表示手段も不要な、複数ユーザが同一コンテンツを続き再生できる極めて良好な情報再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、音声や映像の情報が記憶されている情報記録媒体と、前記情報記録媒体から記録情報を再生する再生部と、前記記録情報の再生を要求しているユーザが第1のユーザであるか第2のユーザであるかを分別する分別キーと、再生中の前記情報記録媒体の再生位置を、前記分別キーの分別状態毎にレジューム情報として保持する再生位置記録部と、前記再生位置記録部が保持する前記レジューム情報に従って再生を再開するように前記再生部を制御する制御部とを具備することを特徴とする情報再生装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、手間のかかる入力が不要で、かつその入力内容を表示するための表示手段も不要な、複数ユーザが同一コンテンツを続き再生できる極めて良好な情報再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る動作フロー図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る動作フロー図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るレジューム情報の記録状態である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る全体構成図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る動作フロー図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る動作フロー図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る全体構成図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係るレジューム情報の記録状態である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、図中、同一または相当部分には同一の符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0011】
(第1の実施形態)
以下本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る全体構成図である。本実施の形態に係る情報再生装置100は、音声や映像の情報が記憶されている情報記録媒体50から記録情報を再生する再生部10と、再生を要求しているユーザがゲストであるか否か(ホストか)を分別するON/OFFキー20と、再生中の情報記録媒体の再生位置を、ON/OFFキー20の分別状態(ユーザ/ホスト)毎にレジューム情報として保持する再生位置記録部30と、再生位置記録部30が保持するレジューム情報に従って再生を再開するように再生部10を制御する制御部40とから構成される。
【0013】
この時、例えば、ON/OFFキー20のキーがON状態の場合は、再生要求をしているのはゲストであることを意味し、OFF状態の場合は、再生要求をしているのはゲストではない(ホストである)ことを意味する。つまり、ON/OFFキーの状態で、ユーザがゲストかホストかの判断が可能となる。
【0014】
以下、本情報再生装置の動作について、図2及び3のフローチャートを参照して説明する。
【0015】
まず、図2を参照して、本情報再生装置で最初に情報記録媒体50を再生するときの動作について説明する。ユーザが情報記録媒体50の再生を実行すると、ステップS11で情報記録媒体50が再生される。ステップS12で再生が停止されたか否かを判断し、停止されていない場合は、ステップS11を繰り返す。停止された場合は、ステップS13で、情報記録媒体50を再生したユーザが、ゲストかホストかを判断する。この時、ON/OFFキーがON状態であれば、ゲストであると判断し、ステップS14でレジュームのBエリアに情報記録媒体50の再生停止位置を記録する。一方、ON/OFFキーがOFF状態であれば、ホストであると判断し、ステップS15でレジュームのAエリアに再生停止位置を記録する。なお、上記では、ON状態をゲストとしたが、OFF状態をゲストとしても構わない。
【0016】
次に、図3を参照して、続き再生をする場合の動作について説明する。まず、ステップS21で続き再生を要求したのがゲストかホストかを判断する。この時、ON/OFFキー20がON状態であれば、続き再生を要求したのはゲストであると判断し、ステップS22で、制御部40はレジュームのBエリアに記録されている再生停止位置を読み出し、ステップS24で、その再生停止位置に基づき、再生部10に再生を要求し、再生部10はその再生停止位置から情報記録媒体50を再生する。
【0017】
一方、ステップS21でON/OFFキー20がOFF状態であれば、続き再生を要求したのはホストであると判断し、ステップS23で、制御部40は、レジュームのAエリアに記録されている再生停止位置を読み出し、ステップS24で、その再生位置に基づき、再生部10に再生を要求し、再生部10はその再生停止位置から情報記録媒体50を再生する。
【0018】
図4にレジューム情報の記録状態を示す。上記の通り、レジューム情報のAエリアにはホストの再生停止位置が記録され、Bエリアにはゲストの再生停止位置が記録される。
【0019】
以上により、ON/OFFキー20を入力するという極めて簡単な操作だけで、ゲストか否かの判断が可能となり、ユーザ名を入力するための入力の手間や、それを表示するための表示手段も不要で、複数ユーザが同一コンテンツを続き再生できる極めて良好な情報再生装置を提供することが可能となる。また、ON/OFFキー20の状態を見ることで、現在のユーザがゲストかホストかを即座に確認することができる。
【0020】
(第2の実施形態)
以下本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、第1の実施の形態との相違する内容についてのみ説明し、第1の実施の形態と同様の内容については説明を省略する。
【0021】
本実施の形態が、第1の実施の形態と異なる点は、第1の実施形態では、ゲストはゲストのレジューム情報に従ってのみ続き再生を行うが、本実施の形態では、ゲストがゲストのレジューム情報に従うか、ホストのレジューム情報に従うかを選択することができる。
【0022】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る構成図である。図5の構成は、第1の実施の形態に選択キー21を追加した構成である。選択キー21を追加することにより、ゲストのレジューム情報に従うか、ホストのレジューム情報に従うかを選択することが可能となる。
【0023】
図6は本実施の形態の動作を説明するフローチャートである。図3のフローチャートに加え、ステップS32の判断処理が追加されている。ステップS32で、選択キー21の状態に基づき、ホストのレジューム情報を利用するか否かを判断することができる。例えば、選択キー21がON状態であれば、ホストのレジューム情報を利用し、OFF状態であればゲストのレジューム情報を利用すると判断する。なお、選択キー21がON状態のときにゲストのレジューム情報を利用し、OFF状態のときにホストのレジューム情報を利用するとしても構わない。
【0024】
その他の各ステップについては、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。ステップS31はステップS21と同様であり、ステップS33〜S35はステップS22〜S24と夫々同様である。
【0025】
図7に、本実施の形態におけるレジューム情報の保存動作のフローチャートを記載する。ステップS43で、ユーザの種別を判断した後、ステップS44でユーザの種別と選択キーの状態が一致しているか否かを判断する。一致していると判断されれば、ステップS45でレジューム情報はその時の再生停止位置に書き換えられ、一致していないと判断されれば、レジューム情報は書き換えられない。
【0026】
以上により、本実施の形態は、第1の実施の形態と同様の効果を奏するのに加え次の効果が得られる。
【0027】
ON/OFFキー20がホストを意味する状態(例えばOFF状態)で、ゲスト及びホストが同じ情報記録媒体50を再生しているとき、途中で再生を停止した場合(この場合、再生停止位置はホストのレジューム情報として記録される)でも、後にゲストが同情報記録媒体50を続き再生しようとした場合、ホストのレジューム情報を利用することができる。更に、ユーザと選択キーの状態が一致していなければ、レジューム情報は書き換えられず、前回の状態を保持するので、例えば、ゲストがホストのレジュームを利用して情報記録媒体50を再生しても、ホストのレジュームにはなんら影響を与えない。従って、次回ホストは前回停止位置から続き再生をすることができる。
【0028】
(第3の実施形態)
以下本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、第1の実施の形態との相違する内容についてのみ説明し、第1の実施の形態と同様の内容については説明を省略する。
【0029】
本実施の形態が、第1の実施の形態と異なる点は、第1の実施形態では、ユーザはゲストかホストかのどちらかであったが、本実施の形態では、ゲストを複数にすることができる点である。
【0030】
図8に本実施の形態の構成図を示す。本実施の形態では、複数のON/OFFキー20が設けられている。この複数のON/OFFキー20を同時に複数押下することはできない。
【0031】
図9に本実施の形態のレジューム情報の記録状態を記載する。図9では、ユーザが5人の場合を示すが、ユーザの人数はこの限りではない。第1の実施の形態ではレジューム情報はA、Bエリアの2つのエリアから構成されていたが、本実施の形態では、A乃至Eの5つのエリアから構成される。これにより全ユーザのレジューム情報を記録することが可能になる。
【0032】
以上により、本実施の形態では、第1の実施の形態の効果に加え、更に、3人以上のユーザが同一の記憶媒体を再生する場合でも、各ユーザの再生停止位置を保存することができ、続き再生を行う際も、極めて簡単な操作で各ユーザに適した続き再生を行うことができる。
【0033】
本発明の実施例は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、各構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を構成できる。例えば、上述の実施形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、ON/OFFキーはリモコンに装備されてもよい。
【符号の説明】
【0034】
10 再生部
20 ON/OFFキー
21 選択キー
30 再生位置記録部
40 制御部
50 情報記録媒体
100 情報再生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声や映像の情報が記憶されている情報記録媒体と、
前記情報記録媒体から記録情報を再生する再生部と、
前記記録情報の再生を要求しているユーザが第1のユーザであるか第2のユーザであるかを分別する分別キーと、
再生中の前記情報記録媒体の再生位置を、前記分別キーの分別状態毎にレジューム情報として保持する再生位置記録部と、
前記再生位置記録部が保持する前記レジューム情報に従って再生を再開するように前記再生部を制御する制御部と
を具備することを特徴とする情報再生装置。
【請求項2】
前記分別状態毎に保持された前記レジューム情報を選択する選択キーを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項3】
前記ユーザと、前記選択された前記レジューム情報の分別状態とが、一致する場合に前記レジューム情報を書き換えることを特徴とする請求項2に記載の情報再生装置。
【請求項4】
前記分別キーを複数備えることを特徴とする請求項1乃至3に記載の情報再生装置。
【請求項5】
複数の前記分別キーのいずれか1つのみが押下できることを特徴とする請求項4に記載の情報再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−65695(P2011−65695A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−213992(P2009−213992)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】