情報処理システム、サーバ装置、および、車載装置
【課題】車両が走行する地点に応じた表示態様の画像をユーザに提供する。
【解決手段】複数の車両からユーザが撮影画像の表示態様を切替えた地点の当該表示態様を示すデータをサーバ装置で取得し、一の地点でユーザの使用頻度が最も高い表示態様のデータを代表態様として地点と対応付けて記憶する。そして、車両が代表態様の情報が記録された地点を走行する際に、サーバ装置から車両に代表態様の情報を送信して車両のディスプレイに当該表示態様に基づく画像を表示させる。これにより、複数の車両が実際に走行した車両の位置に対応する地点における撮影画像の最適な表示態様を取得できる。また、当該地点を初めて走行するユーザに撮影画像の最適な表示態様を提供できる。
【解決手段】複数の車両からユーザが撮影画像の表示態様を切替えた地点の当該表示態様を示すデータをサーバ装置で取得し、一の地点でユーザの使用頻度が最も高い表示態様のデータを代表態様として地点と対応付けて記憶する。そして、車両が代表態様の情報が記録された地点を走行する際に、サーバ装置から車両に代表態様の情報を送信して車両のディスプレイに当該表示態様に基づく画像を表示させる。これにより、複数の車両が実際に走行した車両の位置に対応する地点における撮影画像の最適な表示態様を取得できる。また、当該地点を初めて走行するユーザに撮影画像の最適な表示態様を提供できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の表示処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両周辺の撮影画像を表示装置のディスプレイに表示する場合、ユーザの選択した表示態様の画像を表示していた。しかし、表示態様を選択するユーザ操作が車両を運転する際に行われる場合、ユーザの運転に対する注意が散漫となるときがあった。これに対して、特許文献1には過去に車両が走行した地点近傍での表示態様の使用履歴により、当該地点に車両が近づいた場合、当該地点近傍での使用頻度が最も高い表示態様の画像を表示装置のディスプレイに表示する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−304416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では表示態様の使用履歴が、一の地点を車両が走行する場合に当該地点近傍の走行環境に応じてユーザが選択した表示態様の履歴なのか、当該地点を車両が走行することに関係なく当該地点に車両が接近する前から使用されていた表示態様の履歴なのかが不明確であった。そのため、表示態様の履歴が当該地点の走行環境に応じてユーザが選択したものでない場合、使用頻度の最も高い表示態様に対応する画像をディスプレイに表示しても、車両が走行する地点に対する最適な表示態様をユーザに提供できないことがあった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、車両が走行する地点に対応した最適な表示態様をユーザに提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、情報処理システムであって、車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な第1車載装置と、車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な第2車載装置と、前記第1車載装置及び前記第2車載装置と通信可能なサーバ装置と、を備え、(a)前記第1車載装置は、(a−1)現在の車両の位置を取得する取得手段と、(a−2)前記撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの車両の位置と、切り替え後の前記表示態様とを含む車両情報を前記サーバ装置に送信する送信手段と、を備え、(b)前記サーバ装置は、(b−1)複数の車両の前記第1車載装置から前記車両情報を取得する取得手段と、(b−2)前記車両情報に基づいて、前記車両情報が示す車両の位置において使用頻度が最も高い表示態様である代表態様を特定する特定手段と、(b−3)車両の位置と、該位置の前記代表態様とを対応付けて記憶する記憶手段と、(b−4)前記第2車載装置に、前記代表態様を送信する送信手段と、を備え、(c)前記第2車載装置は、(c−1)現在の車両の位置を取得する取得手段と、(c−2)現在の車両の位置に対応する前記代表態様で前記撮影画像を表示する表示手段と、を備える。
【0007】
また、請求項2の発明は、情報処理システムであって、車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置と、前記車載装置と通信可能なサーバ装置と、を備え、(a)前記車載装置は、現在の車両の位置を取得する取得手段と、前記撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの車両の位置と、切り替え後の前記表示態様とを含む車両情報を前記サーバ装置に送信する送信手段と、を備え、(b)前記サーバ装置は、複数の車両の前記車載装置から前記車両情報を取得する取得手段と、前記車両情報に基づいて、前記車両情報が示す車両の位置において使用頻度が最も高い表示態様である代表態様を特定する特定手段と、を備える。
【0008】
また、請求項3の発明は、情報処理システムであって、車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置と、前記車載装置と通信可能なサーバ装置と、を備え、(a)前記サーバ装置は、車両の位置と、該位置において前記異なる表示態様のうち使用頻度が最も高い表示態様である代表態様とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記車載装置に、前記代表態様を送信する送信手段と、を備え、(b)前記車載装置は、現在の車両の位置を取得する取得手段と、現在の車両の位置に対応する前記代表態様で前記撮影画像を表示する表示手段と、を備える。
【0009】
また、請求項4の発明は、車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置と通信可能なサーバ装置であって、前記撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの車両の位置と、切り替え後の前記表示態様とを含む車両情報を、複数の車両の前記車載装置から取得する取得手段と、前記車両情報に基づいて、前記車両情報が示す車両の位置において使用頻度が最も高い表示態様である代表態様を特定する特定手段と、を備える。
【0010】
また、請求項5の発明は、車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置と通信可能なサーバ装置であって、車両の位置と、該位置において前記異なる表示態様のうち使用頻度が最も高い表示態様である代表態様とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記車載装置に、前記代表態様を送信する送信手段と、を備える。
【0011】
また、請求項6の発明は、請求項5に記載のサーバ装置において、前記車載装置が使用される車両の位置を取得する取得手段、をさらに備え、前記送信手段は、前記車載装置が使用される車両の位置に対応する前記代表態様を送信する。
【0012】
また、請求項7の発明は、請求項5に記載のサーバ装置において、前記送信手段は、前記記憶手段に記憶される全ての前記代表態様を一度に送信する。
【0013】
また、請求項8の発明は、車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置であって、現在の車両の位置を取得する取得手段と、前記撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの車両の位置と、切り替え後の前記表示態様とを含む車両情報を、所定のサーバ装置に送信する送信手段と、を備える。
【0014】
また、請求項9の発明は、車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置であって、現在の車両の位置を取得する第1取得手段と、車両の位置と、該位置において前記異なる表示態様のうち使用頻度が最も高い表示態様である代表態様とを対応付けて記憶するサーバ装置から、前記代表態様を取得する第2取得手段と、現在の車両の位置に対応する前記代表態様で前記撮影画像を表示する表示手段と、を備える。
【0015】
また、請求項10の発明は、請求項9に記載の車載装置において、前記第2取得手段は、前記第1取得手段に取得された車両の位置に対応する前記代表態様を取得する。
【0016】
また、請求項11の発明は、請求項9に記載の車載装置において、前記代表態様を記憶する記憶手段、をさらに備え、前記第2取得手段は、前記記憶手段に記憶される全ての前記代表態様を一度に取得し、前記記憶手段に記憶させる。
【0017】
また、請求項12の発明は、情報処理システムであって、車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な表示手段と、現在の車両の位置を取得する取得手段と、前記撮影画像の表示態様をユーザが切替えたときの前記車両の位置と、切り替え後の前記表示態様とを含む車両情報に基づいて、前記車両情報が示す車両の位置において使用頻度が最も高い表示態様である代表態様を特定する特定手段と、前記車両の位置と、該位置の前記代表態様とを対応付けて記憶する記憶手段と、を備え、前記表示手段は、前記現在の車両の位置に対応する前記代表態様で前記撮影画像を表示する。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明によれば、現在の車両の位置に対応する代表態様で撮影画像を表示することで、複数の車両が実際に走行した車両の位置に対応する地点における撮影画像の最適な表示態様を取得できる。また、当該地点を初めて走行するユーザに撮影画像の最適な表示態様を提供できる。
【0019】
また、請求項2の発明によれば、取得手段が取得した車両情報に基づいて、車両情報が示す車両の位置において使用頻度が最も高い表示態様である代表態様を特定することで、複数の車両が実際に走行した車両の位置に対応する地点における撮影画像の最適な表示態様を取得できる。
【0020】
また、請求項3の発明によれば、現在の車両の位置に対応する代表態様で撮影画像を表示することで、車両の位置に対応する地点を初めて走行するユーザに撮影画像の最適な表示態様を提供できる。
【0021】
また、請求項4の発明によれば、取得手段が取得した車両情報に基づいて、車両情報が示す車両の位置において使用頻度が最も高い表示態様である代表態様を特定することで、複数の車両が実際に走行した車両の位置に対応する地点における撮影画像の最適な表示態様を取得できる。
【0022】
また、請求項5の発明によれば、車載装置に、代表態様を送信することで、車両の位置に対応する地点を初めて走行するユーザに撮影画像の最適な表示態様を提供できる。
【0023】
また、請求項6の発明によれば、送信手段が車載装置で使用される車両の位置に対応する代表態様を送信することで、車両の位置に対応する地点を初めて走行するユーザに撮影画像の最適な表示態様を提供できる。
【0024】
また、請求項7の発明によれば、送信手段は、記憶手段に記憶される全ての代表態様を一度に送信することで、複数の地点ごとの撮影画像の最適な表示態様を車両のユーザに提供できる。
【0025】
また、請求項8の発明によれば、撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの車両の位置と、切り替え後の前記表示態様とを含む車両情報を、所定のサーバ装置に送信することで、複数の車両が実際に走行した車両の位置に対応する地点における撮影画像の表示態様をサーバ装置に提供できる。
【0026】
また、請求項9の発明によれば、現在の車両の位置に対応する代表態様で撮影画像を表示することで、車両の位置に対応する地点を初めて走行するユーザに撮影画像の最適な表示態様を提供できる。
【0027】
また、請求項10の発明によれば、第2取得手段は、第1取得手段に取得された車両の位置に対応する代表態様を取得することで、車両の位置に対応する地点を初めて走行するユーザに撮影画像の最適な表示態様を提供できる。また、予め複数の地点における撮影画像の代表態様を記憶する必要がないことから、車載装置のメモリに記憶する容量を削減できる。
【0028】
また、請求項11の発明によれば、第2取得手段は、記憶手段に記憶される全ての代表態様を一度に取得し、記憶手段に記憶させることで、複数の地点における撮影画像の代表態様を予め取得できる。
【0029】
さらに、請求項12の発明によれば、表示手段は、現在の車両の位置に対応する表示態様で撮影画像を表示することで、車両の位置に対応する地点を初めて走行するユーザに撮影画像の最適な表示態様を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、画像の表示態様の通信を行う情報処理システムの概要を示す図である。
【図2】図2は、車載装置のブロック図である。
【図3】図3は、車載カメラが車両に配置される位置を示す図である。
【図4】図4は、合成画像を生成する手法を説明するための図である。
【図5】図5は、サーバ装置のブロック図である。
【図6】図6は、車載装置のブロック図である。
【図7】図7は、車載装置の動作モードの遷移を示す図である。
【図8】図8は、フロントモードにおける表示態様の遷移を示す図である。
【図9】図9は、表示装置に表示される画像に対応する領域を示した図である。
【図10】図10は、表示装置の記憶部に記憶される車両情報を示す図である。
【図11】図11は、サーバ装置のデータ記憶部に記憶される集計データを示す図である。
【図12】図12は、サーバ装置のデータ記憶部に記憶される地点データを示す図である。
【図13】図13は、車載装置からサーバ装置へ車両情報を送信する処理を示すフローチャートである。
【図14】図14は、サーバ装置から車載装置に個別地点データを送信する処理フローチャートである。
【図15】図15は、サーバ装置から車載装置に個別地点データを送信する処理フローチャートである。
【図16】図16は、車載装置のブロック図である。
【図17】図17は、サーバ装置から車載装置に地点データを送信する処理フローチャートである。
【図18】図18は、サーバ装置から車載装置に地点データを送信する処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0032】
<実施の形態1>
<1.構成>
<1−1.全体のシステム概要>
図1は、画像の表示態様に関する情報の通信を行う情報処理システム130の概要を示す図である。情報処理システム130は、車両A1a、A1b、A1c、A1dなどの複数の車両にそれぞれ搭載される車載装置120a、120b、120c、120dと、所定のセンターに配置されたサーバ装置9とを含んで構成される。
【0033】
自動車などの車両A1a、A1b、A1c(以下、「車両A1」ともいう。)に搭載される車載装置120a、120b、120c(以下、「送信側車載装置120」ともいう。)は、表示装置の通信部(例えば、図2に示す表示装置20の通信部23)を介してサーバ装置9との通信を行う。
【0034】
サーバ装置9は送信側車載装置120のディスプレイ(例えば、図2に示す「ディスプレイ24」)に表示される撮影画像の表示態様の情報を送信側車載装置120との通信により取得し、当該表示態様の情報を処理して記憶する。そして、サーバ装置9は、車両A1dの走行する位置に対応する地点における撮影画像の表示態様に関する情報を受信側車載装置120dに送信する。
【0035】
車載装置120dは、サーバ装置9から取得した表示態様に関する情報により、複数のカメラ(図4に示すカメラ51、52、53、54)の少なくとも一つを用いて撮影された画像をディスプレイ(例えば、図2に示すディスプレイ24)に表示する。以下、この車載装置120dを「受信側車載装置120d」ともいう。これにより、複数の車両が実際に走行した車両の位置に対応する地点における撮影画像の最適な表示態様を取得できる。また、当該地点を初めて走行するユーザに撮影画像の最適な表示態様を提供できる。
【0036】
<1−2.送信側車載装置>
図2は、車載装置120a、120b、120cのブロック図である。この送信側車載装置120は、車両A1a、A1b、A1cの周辺を撮影して画像を生成し、生成した画像を車室内の表示装置20に出力する機能を有している。車両A1のユーザ(代表的にはドライバ)は、送信側車載装置120を利用することにより、当該車両の周辺の様子をほぼリアルタイムに把握できるようになっている。
【0037】
図2に示すように、送信側車載装置120は、表示装置20と、車両の周辺を示す周辺画像を生成して表示装置20に画像情報を出力する画像処理装置100と、車両の周囲を撮影するカメラを備えている撮影部5とを主に有している。
【0038】
表示装置20は、ナビゲーション案内を表示するディスプレイを有するナビゲーション装置、音楽のタイトル情報やテレビの映像などを表示するディスプレイを備えたオーディオ装置、ユーザが携帯し車両A1内へ持ち込んで使用可能なスマートフォンなどである。
【0039】
また、表示装置20は装置全体を制御する制御部21と、制御部21の処理データなどを記憶する記憶部22と、サーバ装置9との間で通信を行う通信部23と、タッチパネル機能を備えた液晶などのディスプレイ24と、ユーザが操作を行う操作部25とを備えている。そして、ディスプレイ24の画面がユーザから視認可能なように、表示装置20は車両A1のインストルメントパネルなどに設置される。ユーザからの各種の指示は、操作部25とタッチパネルとしてのディスプレイ24とによって受け付けられる。
【0040】
制御部21は、CPU、RAM及びROMなどを備えたコンピュータであり、所定のプログラムに従ってCPUが演算処理を行うことでナビゲーション機能を含む各種の機能が実現される。
【0041】
制御部21は、主に表示制御部201、および、位置導出部202の機能を備えている。表示制御部201は、操作部25などからのユーザの操作に伴いディスプレイ24に表示される車載カメラの撮影画像の表示態様を制御する。つまり、車両A1の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示する制御を行う。
【0042】
位置導出部202は、車両A1の位置に対応する緯度・経度情報を導出する。このような車両A1の位置情報の導出が行われるのは、例えば、ディスプレイ24に表示される車載カメラの撮影画像の表示形態をユーザが切り替えたときである。このような車両A1の位置はGPS(Glpbal Positioning System)衛星からの電波の信号を受信し、受信した信号を制御部21で処理することにより実現される。GPSは、地球を周回する多数のGPS衛星のうち少なくとも3つ以上の衛星からの電波に基づいて車両A1の位置を測位するシステムである。
【0043】
記憶部22は、制御部1が表示装置20を制御するプログラムを記憶する。また、記憶部22は、ディスプレイ24に表示される車載カメラの撮影画像の表示態様をユーザが切替えたときの車両A1の位置情報と、ユーザによる切替え後の撮影画像の表示態様とを含む情報である車両情報(例えば、図10に示す車両情報TA1、TA2、TA3)を記憶する。つまり、車両ごとに走行地点におけるユーザの撮影画像の切り替え操作がトリガとなって、切り替え後の撮影画像の表示態様と、切り替えが行われた地点情報とを記憶部22に記憶する。
【0044】
通信部23は表示装置20とサーバ装置9との通信を行うインターフェースであり、記憶部22に記憶された車両情報TA1、TA2、TA3(以下、「車両情報TA」ともいう。)をサーバ装置9に送信する。これにより、複数の車両が実際に走行した車両の位置に対応する地点における撮影画像の最適な表示態様を取得できる。なお、サーバ装置9への車両情報TAの送信は、所定のデータ数が記憶部22に蓄積された場合に行われる。
【0045】
また、車両情報TAのサーバ装置9への送信は、記憶部22に車両情報TAを記憶せずに車両情報TAが取得された際に通信部23を介して行うようにしてもよい。つまり、ディスプレイ24に表示された撮影画像の表示態様がユーザの操作により切り替えられたときに、切り替えに伴う車両情報TAをサーバ装置9に送信するようにしてもよい。
【0046】
ディスプレイ24は、各種画像を表示する表示部であり、表示制御部201の制御により、通常は表示装置20単体の機能に基づく画像を表示する。そして、所定の条件下で画像処理装置100で生成された車両A1の周辺の様子を示す周辺画像を表示する。また、ディスプレイ24は、車両A1、および、車両A1の周辺領域を俯瞰した俯瞰画像を表示する。さらに、ディスプレイ24に表示される俯瞰画像は周辺領域をほぼリアルタイムに示すことになる。これにより、表示装置20は、画像処理装置100で生成された周辺画像を受信して表示する装置としても機能する。
【0047】
操作部25は、表示装置20の各種機能を実現するためにユーザが操作を行うものであり、例えば、表示装置20に設けられたハードスイッチなどである。また、操作部25をユーザが操作することでディスプレイ24に表示された車載カメラの撮影画像の表示態様を切り替えることができる。
【0048】
画像処理装置100は、その本体部10が周辺画像を生成する機能を有するECU(Electronic Control Unit)であり、車両A1の所定の位置に配置される。画像処理装置100は、撮影部5で車両A1の周辺を撮影して得られる撮影画像に基づいて仮想視点からみた合成画像を生成する画像生成装置として機能する。また、画像処理装置100は撮影部5の一のカメラで撮影された画像を処理する装置としても機能する。撮影部5が備える複数の車載カメラ51、52、53、54は、本体部10とは別の車両A1の適位置に配置されるが詳細は後述する。
【0049】
画像処理装置100の本体部10は、装置全体を制御する制御部1と、撮影部5で取得された撮影画像を処理して表示用の周辺画像を生成する画像処理部3を主に備えている。
【0050】
表示装置20の操作部25、および、ディスプレイ24のいずれかによって受け付けられたユーザからの各種の指示は、制御信号として通信部41によって受け付けられて制御部1に入力される。これにより、画像処理装置100は、表示装置20に対するユーザの操作に応答した動作が可能となっている。
【0051】
また、画像処理装置100は、切替ボタン301を備えている。切替ボタン301がユーザに操作されると、ユーザの指示を示す信号が制御部1に入力されて、後述するフロントモード(例えば、図8に示すフロントモードM2。)の表示態様の画像がディスプレイ24に表示される。なお、切替ボタン301はハードボタンとして表示装置20に設けられてもよい。また、切替ボタン301は、表示装置20のディスプレイ24にユーザが指などをディスプレイ24に接触させて操作するタッチパネルのボタンとして表示されるようにしてもよい。
【0052】
画像処理部3は、各種の画像処理が可能なハードウェア回路として構成されており、画像取得部31、合成画像生成部32、および、画像送信部33を主な機能として備えている。
【0053】
画像取得部31は、車両A1の周辺を撮影する撮影部5の車載カメラ51、52、53、54で撮影された複数の撮影画像を取得する。
【0054】
合成画像生成部32は、車載カメラ51、52、53、54で取得された複数の撮影画像に基づいて、車両の周辺の任意の仮想視点からみた合成画像を生成する。合成画像生成部32が仮想視点からみた合成画像を生成する手法については後述する。
【0055】
また、画像送信部33は合成画像生成部32において生成された合成画像、および、その他の画像(たとえば、一のカメラで撮影された画像)の少なくとも一つを通信部41を介して表示装置20へ送信する。これにより、車両の周辺を示す周辺画像が表示装置20のディスプレイ24に表示される。
【0056】
制御部1は、CPU、RAM及びROMなどを備えたコンピュータであり、所定のプログラムに従ってCPUが演算処理を行うことで各種の制御機能が実現される。図中に示す画像制御部101は、このようにして実現される制御部1の機能のうちの一部である。
【0057】
画像制御部101は、画像処理部3によって実行される画像処理を制御するものである。例えば、画像制御部101は、合成画像生成部32が生成する合成画像の生成に必要な各種パラメータを指示する。なお、このようなパラメータの指示は例えば、撮影画像の表示態様の切り替えに伴うユーザ操作の指示信号を制御部1が受信した場合に、画像制御部101が行う。
【0058】
また、画像処理装置100の本体部10は、不揮発性メモリ40、通信部41、および、信号入力部42をさらに備えており、これらは制御部1に接続されている。
【0059】
不揮発性メモリ40は、電源オフ時においても記憶内容を維持可能なフラッシュメモリなどで構成されている。不揮発性メモリ40には、車種別情報4aが記憶されている。車種別情報4aは、合成画像生成部32が合成画像を生成する際に必要となる車両の種別に応じたデータを含んでいる。
【0060】
通信部41は、画像処理装置100が表示装置20との間で通信を行うためのインターフェースである。
【0061】
信号入力部42は、車両A1に設けられた各種装置からの信号の入力が行われる際のインターフェースである。信号入力部42を介して、送信側車載装置120の外部からの信号が制御部1に入力される。具体的には、シフトセンサ81、車速センサ82、方向指示器83、および、操舵角センサ84などから、各種情報を示す信号が制御部1に入力される。
【0062】
シフトセンサ81からは、車両A1の変速装置のシフトレバーの操作の位置、すなわち、”P(駐車)”,”D(前進)”,”N(中立)”,”R(後退)”などのシフトポジションが入力される。車速センサ82からは、その時点の車両A1の走行速度(km/h)が入力される。
【0063】
方向指示器83からは、ウインカースイッチの操作に基づく方向指示、すなわち、車両A1のドライバが意図する方向指示を示すターン信号が入力される。ウインカースイッチが操作されたときはターン信号が発生し、ターン信号はその操作された方向(左方向あるいは右方向)を示すことになる。ウインカースイッチが中立位置となったときは、ターン信号はオフとなる。
【0064】
操舵角センサ84からは、ユーザが操作したステアリングホイールの操作方向が制御部1に入力される。詳細には、操舵角センサ84には、ユーザが操作したステアリングホイールの回転方向、回転角度、及び、回転速度が信号入力部42を介して制御部1に入力される。
【0065】
<1−3.撮影部>
次に、画像処理装置100の撮影部5について詳細に説明する。撮影部5は、制御部1に電気的に接続され、制御部1からの信号に基づいて動作する。
【0066】
撮影部5は、車載カメラであるフロントカメラ51、バックカメラ52、左サイドカメラ53、および、右サイドカメラ54を備えている。これらの車載カメラ51、52、53、54はそれぞれ、CCDやCMOSなどの撮像素子を備えており電子的に画像を取得する。
【0067】
図3は、車載カメラ51、52、53、54が車両A1およびA1dに配置される位置を示す図である。なお、以下の説明においては、車両A1を例に説明を行う。また、方向及び向きを示す際に、適宜、図中に示す3次元のXYZ直交座標を用いる。このXYZ軸は車両A1に対して相対的に固定される。ここで、X軸方向は車両A1の左右方向に沿い、Y軸方向は車両A1の直進方向(前後方向)に沿い、Z軸方向は鉛直方向に沿っている。また、便宜上、+X側を車両A1の右側、+Y側を車両A1の後側、+Z側を上側とする。
【0068】
フロントカメラ51は、車両A1の前端にあるナンバープレート取付位置の近傍に設けられ、その光軸51aは車両A1の直進方向(平面視でY軸方向の−Y側)に向けられている。バックカメラ52は、車両A1の後端にあるナンバープレート取付位置の近傍に設けられ、その光軸52aは車両A1の直進方向の逆方向(平面視でY軸方向の+Y側)に向けられている。また、左サイドカメラ53は、左のドアミラー93に設けられており、右サイドカメラ54は右のドアミラー94に設けられている。そして、光軸53aは車両A1の左方向、光軸54aは車両A1の右方向(平面視でX軸方向)に沿って外部に向けられている。なお、フロントカメラ51やバックカメラ52の取り付け位置は、左右略中央であることが望ましいが、左右中央から左右方向に多少ずれた位置であってもよい。
【0069】
これらの車載カメラ51、52、53、54のレンズとしては魚眼レンズなどが採用されており、車載カメラ51、52、53、54は180度以上の画角αを有している。このため、4つの車載カメラ51、52、53、54を利用することで、車両A1の全周囲の撮影が可能となっている。
【0070】
<1−3.画像変換処理>
次に、画像処理部3の合成画像生成部32が、撮影部5で得られた複数の撮影画像に基づいて車両A1およびA1dの周辺を任意の仮想視点からみた様子を示す合成画像を生成する手法について説明する。合成画像を生成する際には、不揮発性メモリ40に予め記憶された車種別情報4aが利用される。図4は、合成画像を生成する手法を説明するための図である。なお、以下の画像変換処理の説明では車両A1の処理を例に説明を行うが、車両A1dについても同様の画像変換処理が行われる。
【0071】
撮影部5のフロントカメラ51、バックカメラ52、左サイドカメラ53、および、右サイドカメラ54で同時に撮影が行われると、車両A1の前方、後方、左側方、および、右側方をそれぞれ示す4つの撮影画像P1〜P4が取得される。すなわち、撮影部5で取得される4つの撮影画像P1〜P4には、撮影時点の車両A1の全周囲を示す情報が含まれていることになる。
【0072】
次に、4つの撮影画像P1〜P4の各画素が、仮想的な三次元空間における立体曲面SPに投影される。立体曲面SPは、例えば略半球状(お椀形状)をしており、その中心部分(お椀の底部分)が車両A1の存在する位置として定められている。撮影画像P1〜P4に含まれる各画素の位置と、立体曲面SPの各画素の位置とは予め対応関係が定められている。このため、立体曲面SPの各画素の値は、この対応関係と撮影画像P1〜P4に含まれる各画素の値とに基づいて決定できる。
【0073】
撮影画像P1〜P4の各画素の位置と立体曲面SPの各画素の位置との対応関係は、車両A1における4つの車載カメラ51、52、53、54の配置(相互間距離、地上高さ、光軸角度等)に依存する。このため、この対応関係を示すテーブルデータが、不揮発性メモリ40に記憶された車種別情報4aに含まれている。
【0074】
また、車種別情報4aに含まれる車体の形状やサイズを示すポリゴンデータが利用され、車両A1の三次元形状を示すポリゴンモデルである車両像を仮想的に備えている。構成された車両像は、立体曲面SPが設定される三次元空間において、車両A1の位置と定められた略半球状の中心部分に配置される。
【0075】
さらに、立体曲面SPが存在する三次元空間に対して、制御部1により仮想視点VPが設定される。仮想視点VPは、視点位置と視野方向とで規定され、この三次元空間における車両A1の周辺に相当する任意の視点位置に任意の視野方向に向けて設定される。
【0076】
そして、設定された仮想視点VPに応じて、立体曲面SPにおける必要な領域が画像として切り出される。仮想視点VPと、立体曲面SPにおける必要な領域との関係は予め定められており、テーブルデータとして不揮発性メモリ40等に予め記憶されている。つまり、設定された仮想視点VPに応じて画像の領域が切り出されて、ポリゴンで構成された車両像に関してレンダリングがなされ、その結果となる二次元の車両像が、切り出された画像に対して重畳される。これにより、車両A1および車両A1の周辺を任意の仮想視点からみた様子を示す合成画像が生成されることになる。
【0077】
例えば、視点位置が車両A1の位置の略中央の直上位置で、視野方向が略直下方向とした仮想視点VP1を設定した場合は、車両A1の略直上から車両A1を見下ろすように、車両A1(実際には車両像)及び車両A1の周辺の様子を示す合成画像CP1が生成される。また、図中に示すように、視点位置が車両A1の位置の左後方で、視野方向が車両A1における略前方とした仮想視点VP2を設定した場合は、車両A1の左後方からその周辺全体を見渡すように、車両A1(実際には車両像)及び車両A1の周辺の様子を示す合成画像CP2が生成される。
【0078】
なお、実際に合成画像を生成する場合においては、立体曲面SPの全ての画素の値を決定する必要はなく、設定された仮想視点VPに対応して必要となる領域の画素の値のみを撮影画像P1〜P4に基づいて決定することで、処理速度を向上できる。
【0079】
<1−4.サーバ装置>
図5は、サーバ装置9のブロック図である。サーバ装置9は、車両A1の送信側車載装置120から収集した撮影画像の表示態様を含むデータを処理し、車両A1dの受信側車載装置120dに表示態様に関するデータを送信する。サーバ装置9は、制御部91、データ記録部92、および、通信部95を主に備えている。
【0080】
制御部91はCPU、RAM、および、ROMなどを備えたコンピュータであり、所定のプログラムに従ってCPUが演算処理を行うことで各種の制御機能が実現される。図中に示す取得部911、および、特定部912は、このようにして実現される制御部1の機能のうちの一部である。
【0081】
取得部911は、送信側車載装置120から送信される車両情報TAを取得する。つまり、撮影画像の表示態様をユーザが切替えたときの車両A1の位置情報(車両A1の緯度・経度情報)と、ユーザによる切替え後の撮影画像の表示態様とを含む車両情報TAを取得する。
【0082】
特定部912は、車両情報TAにおける車両A1の位置に対応する地点で使用頻度の最も高い表示態様である代表態様を特定する。つまり、ディスプレイ24に表示される撮影画像の表示態様をユーザが切替えた場合に、ユーザによる切替え後の撮影画像の表示態様のうち最も使用回数の多い表示態様を代表態様として特定する。これにより複数の車両が実際に走行した車両の位置に対応する地点における撮影画像の最適な表示態様を取得できる。
【0083】
データ記録部92には、集計データ(例えば、図11に示す集計データTD)、および、地点データ(例えば、図12に示す地点データTP)を含むデータを記録する。集計データTDは、複数の車両A1から送信され、取得部911が取得した車両情報TAを集計したデータである。つまり、集計データTDは、ユーザがディスプレイ24に表示される撮影画像を切替えたときの車両A1の位置情報と、ユーザによる切替え後の撮影画像の表示態様とを含む車両情報TAを蓄積したものである。
【0084】
また、地点データTPは、集計データTDのデータに基づいて、車両A1の位置に対応する地点における撮影画像の代表態様を特定部912が特定したデータである。つまり、地点データTPは、ディスプレイ24に表示される撮影画像の表示態様をユーザが切替えたときの車両A1の位置において、ユーザによる切替え後の撮影画像の表示態様のうち使用頻度が最も高い表示態様を含むデータを蓄積したものである。このように複数の車両が実際に走行した車両の位置に対応する地点における撮影画像の最適な表示態様を取得できる。
【0085】
通信部95は、サーバ装置9が送信側車載装置120、および、受信側車載装置120dとの情報の送受信を行うためのインターフェースである。そして、通信部95を介してサーバ装置9から受信側車載装置120dに車両A1dの位置に対応する地点の地点データを送信することで、車両の位置に対応する地点を初めて走行するユーザに最適な表示態様を提供できる。なお、サーバ装置9から受信側車載装置120dに送信する地点データは地点データTPに記録されたデータのうちの車両A1dの位置に対応する地点のデータであり、後述する個別地点データ(例えば、図12に示す個別地点データtp1)である。
【0086】
<1−5.受信側車載装置>
図6は、受信側車載装置120dのブロック図である。受信側車載装置120dは受信側車載装置120dを搭載する車両1dが走行する位置に対応する地点の代表態様の情報をサーバ装置9から受信する。なお、受信側車載装置120dの構成は、サーバ装置9に車両情報TAを送信する送信側車載装置120の構成と略同一の構成であるが、一部が相違する。以下相違点について説明する。
【0087】
車両A1に搭載された送信側車載装置120が、表示装置20の記憶部22にサーバ装置9に送信する車両情報TAを記憶していたのに対して、受信側車載装置120dはサーバ装置9から取得した個別地点データtp1を記録している
つまり、受信側車載装置120dは、サーバ装置9の地点データTPの中から車両A1dの位置に対応した地点の代表態様を含む個別地点データtp1を取得して、当該代表態様によりディスプレイ24に表示される撮影画像の表示態様を表示制御部201が制御する。これにより、車両の位置に対応する地点を初めて走行するユーザに撮影画像の最適な表示態様を提供できる。また、複数の地点の代表態様を記憶部22dに記憶する場合と比べて、予め複数の地点の代表態様を記憶する必要がないことから、表示装置20dの記憶部22dに記憶する容量を削減できる。
【0088】
なお、サーバ装置9から送信された場合に、記憶部22dに個別地点データtp1を記憶せずに、個別地点データtp1の代表態様によりディスプレイ24に表示される撮影画像の表示態様を表示制御部201が制御するようにしてもよい。
【0089】
<1−6.動作モード>
次に、送信側車載装置120、および、受信側車載装置120dの動作モードについて説明する。図7は、送信側車載装置120、および、受信側車載装置120dの動作モードの遷移を示す図である。送信側車載装置120、および、受信側車載装置120dは、ナビモードM0、周囲確認モードM1、フロントモードM2、バックモードM3の4つの動作モードを有している。これらの動作モードは、ユーザの操作や車両A1およびA1dの走行状態に応じて制御部1の制御により切り替えられるようになっている。なお、以下の動作モードの説明では車両A1dの処理を例に説明を行うが、車両A1についても同様の画像変換処理が行われる。
ナビモードM0は、表示装置20dの機能により、ナビゲーション案内用の地図画像などをディスプレイ24に表示する動作モードである。ナビモードM0では、画像処理装置100の機能が利用されず、表示装置20d単体の機能で各種の表示がなされる。このため、表示装置20dが、テレビジョン放送の電波を受信して表示する機能を有している場合は、ナビゲーション案内用の地図画像に代えて、テレビジョン放送画面が表示されることもある。
【0090】
これに対して、周囲確認モードM1、フロントモードM2、および、バックモードM3は、画像処理装置100の機能を利用して、車両A1dの周辺の状況をリアルタイムで示す表示用画像をディスプレイ24に表示する動作モードである。
【0091】
周囲確認モードM1は、車両A1dを見下ろした状態で車両A1dの周囲を周回するようなアニメーション表現を行う動作モードである。フロントモードM2は、前進時に必要となる車両A1dの前方や側方を主に示す表示用画像を表示する動作モードである。また、バックモードM3は、後退時に必要となる車両A1dの後方を主に示す表示用画像を表示する動作モードである。
【0092】
受信側車載装置120dを起動すると、最初に周囲確認モードM1となる。周囲確認モードM1の場合には、車両A1dの周囲を周回するようなアニメーション表現がなされた後に所定時間(例えば、6秒)が経過すると、自動的にフロントモードM2に切り替えられる。また、フロントモードM2の場合において、走行速度が例えば0km/hの状態(停止状態)で切替ボタン301が所定時間以上継続して押下されると、周囲確認モードM1に切り替えられる。なお、ドライバからの所定の指示で、周囲確認モードM1からフロントモードM2に切り替えるようにしてもよい。
【0093】
また、フロントモードM2の場合に走行速度が例えば10km/h以上になったときは、ナビモードM0に切り替えられる。逆に、ナビモードM0の場合に車速センサ82から入力される走行速度が例えば10km/h未満になったときは、フロントモードM2に切り替えられる。
【0094】
車両A1dの走行速度が比較的高い場合においては、ドライバを走行に集中させるためにフロントモードM2が解除される。逆に、車両A1dの走行速度が比較的低い場合においては、ドライバは車両A1dの周辺の状況をより考慮した運転、具体的には、見通しの悪い交差点への進入、方向変更、あるいは、幅寄せなどを行っている場面が多い。このため、走行速度が比較的低い場合においては、ナビモードM0からフロントモードM2に切り替えられる。なお、ナビモードM0からフロントモードM2に切り替える場合は、走行速度が10km/h未満という条件に、ドライバからの明示的な操作指示があるという条件を加えてもよい。
【0095】
また、ナビモードM0の場合において、走行速度が例えば0km/hの状態(停止状態)で切替ボタン301が所定時間以上継続して押下されると、周囲確認モードM1に切り替えられる。そして、車両A1dの周囲を周回するようなアニメーション表現がなされた後に所定時間(例えば、6秒)が経過すると、自動的にもとのモードであるナビモードM0に切り替わる。
【0096】
また、ナビモードM0あるいはフロントモードM2の場合に、シフトセンサ81から入力されるシフトレバーの位置が”R(後退)”となったときは、バックモードM3に切り替えられる。すなわち、車両A1dの変速装置が”R(後退)”の位置に操作されているときには、車両A1dは後退する状態であるため、車両A1dの後方を主に示すバックモードM3に切り替えられる。
【0097】
一方、バックモードM3の場合に、シフトレバーの位置が”R(後退)”以外となったときは、その時点の走行速度を基準として、ナビモードM0あるいはフロントモードM2に切り替えられる。すなわち、走行速度が10km/h以上であればナビモードM0に切り替えられ、走行速度が10km/h未満であればフロントモードM2に切り替えられる。なお、上記のモードの切り替えの条件(例えば走行速度が0km/h、走行速度が10km/h以上など)は、一例であり、その他の条件とすることもできる。
【0098】
次に、これらの4つのモードのうちフロントモードM2の車両A1dの周辺の表示態様について詳細に説明する。図8は、フロントモードM2における表示態様の遷移を示す図である。また、図9はディスプレイ24に表示される画像に対応する領域を示した図である。なお、図9の車両A1dの周辺の領域(R1〜R10)は、先に図4を用いて説明した立体曲面SPの車両A1、A1dの周辺の領域を示している。また、領域R1〜R10のそれぞれは複数の画素の集合の矩形の領域である。
【0099】
フロントモードM2では、走行俯瞰モードM21、自車確認モードM22、および、サイドカメラモードM23の3つの表示態様があり、これらの表示態様は互いに表示される撮影画像の種類が異なっている。これらの画面のうちM21、M22、および、M23の画面には、各表示態様における視野範囲を示す視野ガイド90が表示され、ユーザに対して車両A1dの周辺のいずれの領域を表示しているかが示されるようになっている。
【0100】
モードM21〜M23の表示態様の切り替えは、ユーザが切替ボタン301を押下するごとに、走行俯瞰モードM21、自車確認モードM22、サイドカメラモードM23の順で制御部1の制御により切り替えられる。
【0101】
走行俯瞰モードM21は、視点位置が車両A1dの位置の略中央の直上位置で、視野方向が略真下方向とした仮想視点VP1からみた車両A1dの様子を示す合成画像FP1と、フロントカメラ51の撮影により得られるフロント画像FP2とを並べて含む画面をディスプレイ24に表示する表示モードである。すなわち、走行俯瞰モードM21では、図9に示す車両A1dの周辺の領域R1〜R10に対応する合成画像FP1と、フロントカメラ51の撮影画像である車両A1dの前方を示すフロント画像FP2との二つの画像が同一画面上に示される。
【0102】
走行俯瞰モードM21においては、このような二つの合成画像FP1、FP2を閲覧することができるため、ユーザは、車両A1dの周囲全体とともに、車両A1dの進行方向である前方の状況を一目で確認できる。走行俯瞰モードM21は、前進中のさまざまな場面で汎用性高く利用できる表示モードであるといえる。
【0103】
また、自車確認モードM22は、フロントカメラ51での撮影により得られるフロント画像FP3と、視点位置が車両A1dの位置の略後方位置で、視野方向が車両A1における略前方とした仮想視点VP2からみた車両A1dの様子を示す合成画像FP4とを並べて含む画面をディスプレイ24に表示する表示モードである。すなわち、自車確認モードM22では、車両A1dの前方を示すフロント画像FP3と、車両A1dの周辺領域R1〜R10に対応する合成画像FP4との二つの画像が同一画面上に示される。
【0104】
このように、自車確認モードM22の合成画像FP4は、図9に示す領域のうち走行俯瞰モードM21の合成画像FP1と同じ領域(R1〜R10)に対応している。合成画像FP1とFP4との異なる点は、仮想視点の視点位置および視点方向である。上述のように、合成画像FP1の視点位置は車両A1dの位置の略中央の直上位置、視野方向は略真下方向である。また、合成画像FP4の視点位置は車両A1dの位置の略後方位置、視野方向は車両A1における略前方である。
【0105】
また、自車確認モードM22のフロント画像FP3は、走行俯瞰モードM21のフロント画像FP2と比較して、左右方向の視野範囲が広く設定されている。このため、見通しの悪い交差点に進入する場合に死角となりやすい車両A1dの前端より前方かつ左右方向に存在する物体を確認できる。
【0106】
また、自車確認モードM22の合成画像FP4は、走行俯瞰モードM21の合成画像FP1と比較して仮想視点VPの位置が車両A1dの後方に移動されているため、車両A1dの後方を示す領域は狭くなるものの、車両A1dの側方が確認しやすくなっている。このため、対向車とすれ違う場合などに、対向車とのクリアランスを容易に確認できる。
【0107】
自車確認モードM22においては、このような二つの画像FP3,FP4を閲覧することができるため、ユーザは、見通しの悪い交差点に進入する場合や対向車とすれ違う場合などの慎重な運転を必要とする状況において、確認すべき領域の状況を一目で確認できる。
【0108】
サイドカメラモードM23は、左サイドカメラ53および右サイドカメラ54での撮影によりそれぞれ得られるサイド画像FP5,FP6を並べて含む画面をディスプレイ24に表示する表示モードである。サイド画像FP5,FP6は、運転席から死角となりやすいフロントフェンダ97の外側のみを示している。
【0109】
サイドカメラモードM23においては、このような二つの画像FP5,FP6を閲覧することができるため、ユーザは、道路の端に車体を寄せる幅寄せを行う場合などにおいて、確認すべき領域の状況を容易に確認できる。
【0110】
<1−7.データベース>
次に、車両A1aの車載装置120aに記憶される車両情報TA1、車両A1bの車載装置120bに記憶される車両情報TA2、車両A1cの車載装置120cに記憶される車両情報TA3と、サーバ装置9のデータ記録部92に記録される集計データTDおよび地点データTPとについて詳細に説明する。
【0111】
図10は、車両情報TA1、TA2、TA3を示す図である。車両情報TA1は車両A1a、車両情報TA2は車両A1b、車両情報TA3は車両A1cにおいて、ユーザがディスプレイ24に表示される撮影画像の表示態様を切り替えたことにより取得されるデータである。各データは「ユーザID」、「情報取得日時」、「位置情報」、「モード情報」、および、「画像情報」の項目を有している。
【0112】
「ユーザID」は、各車両の識別番号である。「情報取得日時」は、ディスプレイ24に表示された撮影画像の表示態様をユーザが切り替えた日時の情報である。「位置情報」は、ディスプレイ24に表示された撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの車両の位置に対応する地点の情報(例えば、車両A1の緯度・経度情報)である。
【0113】
「モード情報」は、撮影画像の表示態様をユーザが切り替えた後の表示態様であるディスプレイ24に撮影画像を表示するモードの情報である。車両情報TA1、および、TA2では、自車確認モードM22の値が記録されており、車両情報TA3では、サイドカメラモードM23の値が記録されている。
【0114】
「画像情報」は、各モードにおいてディスプレイ24に表示される画像に対応する撮影画像、および、領域の少なくとも一つの情報である。車両情報TA1、および、TA2では、合成画像FP1に対応する領域R1〜R10と、画像FP2に対応するフロントカメラ画像の情報が記録されている。車両情報TA3では、画像FP5に対応する左サイドカメラ画像、および、画像FP6に対応する右サイドカメラ画像の情報が記録されている。
【0115】
図11は、サーバ装置9のデータ記録部92に記録される集計データTDを示す図である。集計データTDは、複数の車両A1から送信された車両情報TAを集計したデータであり、車両情報TAの項目と同じ項目(「ユーザID」、「情報取得日時」、「位置情報」、「モード情報」、「画像情報」)を有しているデータである。なお、図11の集計データTDに示す3つのデータは位置情報が同一および近傍のいずれかの車両情報である。なお、集計データTDは位置情報が同一および近傍のいずれかの位置のみではなく、複数の車両からの異なる位置の位置情報も集計することができる。
【0116】
図12は、サーバ装置9のデータ記録部92に記録されている地点データTPを示す図である。地点データTPは、集計データTDのうちの位置情報が同一および近傍のいずれかの車両情報がサーバ装置9の取得部911により所定数を超えて取得された場合に、特定部912が使用頻度が最も高い表示態様を代表態様として特定し、当該代表態様を位置情報と対応付けて記録したデータである。
【0117】
詳細には図12に示すように地点データTPは「位置情報」、「モード情報」、および、「画像情報」の項目を有している。なお、地点データTPに記録されている地点ごとのデータが個別地点データtpであり、図12の地点データTPには複数の個別地点データtp1、tp2が記録されている。「位置情報」はディスプレイ24に表示された撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの車両の位置に対応する地点の情報である。
【0118】
「モード情報」は、ディスプレイ24に表示された撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの位置情報に対応付けて、当該位置で撮影画像の表示態様をユーザが切り替えた後のディスプレイ24に表示されるモード情報のうち、使用頻度が最も高いモード情報である。つまり、集計データTDにおいて位置情報が同一および近傍のいずれかのデータのうち、ユーザの使用頻度が最も高いモード情報の値が記録されている。
【0119】
「画像情報」はモード情報に対応する情報であり、ディスプレイ24に表示された撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの位置情報に対応付けて、当該位置で撮影画像の表示態様をユーザが切り替えた後のディスプレイ24に表示される画像情報のうち、使用頻度が最も高い画像情報である。つまり、集計データTDにおいて位置情報が同一および近傍のいずれかのデータのうち、ユーザの使用頻度の最も高い画像情報が記録されている。
【0120】
<1−8.処理フローチャート>
図13は、送信側車載装置120からサーバ装置9へ車両情報TAを送信する処理フローチャートである。ディスプレイ24に表示されている撮影画像のモード切り替え操作がユーザにより行われた場合(ステップS101がYes)、ステップS102の処理に進む。なお、ユーザによるモード切り替え操作が行われていない場合(ステップS101がNo)は、現在のモードでディスプレイ24の撮影画像の表示を送信側車載装置120が継続する。
【0121】
ステップS102では、ユーザの切り替え操作に対応したモードの撮影画像を送信側車載装置120がディスプレイ24に表示して(ステップS102)、ステップS103の処理に進む。
【0122】
ステップS103では、ユーザの切り替え操作に対応したモードの撮影画像が例えば3秒を超えて表示された場合、つまり3秒を超えてユーザによるモードの切り替え操作が行われなかった場合(ステップS103がYes)は、ステップS104の処理に進む。なお、3秒以内に別のモードへの切り替え操作がユーザにより行われた場合(ステップS103がNo)は、ステップS102の処理に戻り、ユーザの切り替え操作に対応した別のモードの撮影画像を送信側車載装置120がディスプレイ24に表示する。また、モードの切り替え操作の有無を判定する時間(3秒)は別の時間(例えば、2秒、5秒など)に変更が可能である。
【0123】
ステップS104では、ディスプレイ24に表示される撮影画像の表示態様をユーザが切替えたときの車両A1の位置を表示装置20の位置導出部202が導出して(ステップS104)、ステップS105の処理に進む。
【0124】
ステップS105では、ディスプレイ24に表示される撮影画像の表示態様をユーザが切替えたときの車両A1の位置情報と、ユーザによる切替え後の撮影画像の表示態様とを含む情報である車両情報TAをサーバ装置9に送信する(ステップS104)。
【0125】
サーバ装置9では、送信側車載装置120から送信された車両情報TAを取得部911が取得して(ステップS201)、当該車両情報TAをデータ記録部92に集計データTDとして記録する(ステップS202)。
【0126】
図14、および、図15は、サーバ装置9から受信側車載装置120dに個別地点データtp1を送信する処理フローチャートである。受信側車載装置120dにおける表示装置20dの位置導出部202は、車両A1dの走行に伴い車両A1dの位置を導出して(ステップS301)、車両A1dの位置に対応した位置データをサーバ装置9に送信する(ステップS302)。
【0127】
サーバ装置9は、受信側車載装置120dからの位置データを取得して(ステップS401)、ステップS402の処理に進む。
【0128】
ステップS402では、受信側車載装置120dから取得した位置データの車両A1の位置に対応する地点データがサーバ装置9のデータ記録部92の地点データTPに記録されている場合(ステップS402がYes)は、地点データTPの中から車両A1dの位置に対応する地点データである個別地点データtp1を受信側車載装置120dに送信する(ステップS403)。つまり、地点データTPの中から車両A1dの位置に対応する位置情報の代表態様であるモード情報、および、画像情報を含む情報を受信側車載装置120dに送信する。なお、車両A1dの位置に対応する個別地点データtpがデータ記録部92の地点データTPに記録されていない場合(ステップS402がNo)は処理を終了する。
【0129】
受信側車載装置120dはサーバ装置9から個別地点データtp1を取得して(ステップS303)、ステップS304の処理に進む。
【0130】
ステップS304では、個別地点データtp1に記録されているモード情報および画像情報の少なくとも一つの情報により撮影画像を表示するモードを表示制御部201が切り替えて(ステップS304)、ステップS305の処理に進む。このように使用頻度が最も高いモードに切り替えられるため、モードの切り替えに煩雑な操作を伴うことなく、車両A1dの位置の走行環境に最適な態様で車両周辺の様子を確認できる。
【0131】
ステップS305では、車両A1dの位置が個別地点データtp1の地点を通過した位置でない場合(ステップS305がNo)は、ステップS307の処理に進む。なお、車両A1dの位置が個別地点データtpの地点を通過した位置の場合(ステップS305がYes)は、ユーザが切り替える前のモードに戻る制御を表示制御部201が行うことで、モードを切り替える前の撮影画像がディスプレイ24に表示される(ステップS306)。
【0132】
ステップS307では、個別地点データtp1に対応する地点を車両A1dが通過する前に、ユーザの操作によりモード切り替え操作が行われた場合(ステップS307がYes)は、ステップS308の処理に進む。なお、ユーザの操作によるモード切り替え操作が行われていない場合(ステップS307がNo)は、ステップS305の処理に戻る。
【0133】
ステップS308では、ユーザの切り替え操作に対応したモードの撮影画像をディスプレイ24に表示して(ステップS308)、ステップS309の処理に進む。
【0134】
ステップS309の処理では、3秒を超えてユーザのモード切り替え操作が行われない場合(ステップS309がYes)は、ステップS310の処理に進む。なお、3秒以内に別のモードへの切り替え操作がユーザにより行われた場合(ステップS309がNo)は、ステップS308の処理に戻りユーザの切り替え操作に対応した別のモードの撮影画像をディスプレイ24に表示する。
【0135】
ステップS310では、ディスプレイ24に表示される撮影画像の表示態様をユーザが切替えたときの車両A1dの位置を表示装置20dの位置導出部202が導出して(ステップS310)、ステップS311の処理に進む。
【0136】
ステップS311では、ディスプレイ24に表示される車載カメラの撮影画像の表示態様をユーザが切替えたときの車両A1dの位置情報と、ユーザによる切替え後の撮影画像の表示態様とを含む情報である車両情報をサーバ装置9に送信する(ステップS310)。
【0137】
サーバ装置9では、受信側車載装置120dからの車両情報を取得部911が取得して(ステップS404)、当該車両情報をデータ記録部92に集計データTDとして記録する(ステップS405)。このように、車両A1dの位置に対応する地点の代表態様の情報をサーバ装置9から取得して、ディスプレイ24に表示される画像を切り替える受信側車載装置120dからもユーザの切り替え操作に伴う新たな車両情報をサーバ装置9に送信することができる。そして、サーバ装置9に送信されたデータを蓄積することで、当該地点おける撮影画像の最適な表示態様を導出するための車両情報の蓄積が可能となる。
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態と第1の実施形態との相違点は次のとおりである。第1の実施の形態では、サーバ装置9が車両A1dの位置に対応する地点データを受信側車載装置120dに送信する場合、地点データTPの複数の地点ごとの表示態様のうち、受信側車載装置120dから受信した車両A1dの位置に対応する地点の代表態様を含む個別地点データtp1を送信していた。
【0138】
これに対して第2の実施の形態では、車両A1dの位置にかかわらず、地点データTPの複数の地点ごとの表示態様のうち全ての地点の表示態様を一度に車両A1dに送信する。以下、第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態においては、システム構成は第1の実施の形態と略同一であり、処理が相違する。以下では、相違点を中心に説明する。
【0139】
<2−1.システム構成>
図16は、受信側車載装置121dのブロック図である。表示装置20dの記憶部22dには、サーバ装置9のデータ記録部92に記録されている地点データTPと同じデータが記録されている。つまり、サーバ装置9から受信側車載装置121dに全ての代表態様のデータである地点データTPが所定タイミングで送信されて、記憶部22dに記憶されている。このように全ての地点の代表態様が予め記録されていることから、車両A1dの位置に応じてサーバ装置9との通信を行なうことなく、受信側車載装置121d単体で車両A1dの位置に対応した地点の代表態様によりディスプレイ24の表示態様を自動的に切り替えることができる。なお、受信側車載装置121dのその他の構成は図6に示した受信側車載装置120dの構成と同一である。
【0140】
<2−2.処理フローチャート>
図17および図18は、サーバ装置9から受信側車載装置121dに地点データTPを送信する処理フローチャートである。図17、および、図18の処理は第1の実施の形態中で説明した図14、および、図15の処理の一部が相違するものである。
【0141】
サーバ装置9は、データ記録部92に記録された全ての代表態様である地点データTPを一度に受信側車載装置121dに送信する(ステップS601)。つまり、地点データTPに記録された全地点の代表態様のデータをサーバ装置9から受信側車載装置121dに送信する。
【0142】
受信側車載装置121dは、サーバ装置9から送信された地点データTPを取得して(ステップS501)、ステップS301の処理に進む。
【0143】
ステップS301では、位置導出部202が車両A1dの位置を導出し(ステップS301)、ステップS502の処理に進む。
【0144】
ステップS502では、車両A1dの位置に対応する地点が、表示装置20dの記憶部22dに記憶された地点データTPに存在する場合(ステップS502がYes)は、ステップS503の処理に進む。
【0145】
ステップS503では、記憶部22dに記憶された地点データTPにより撮影画像を表示するモードを表示制御部201が切り替えて(ステップS503)、ステップS305の処理に進む。
【0146】
なお、車両A1dの位置に対応する地点のデータが地点データTPに存在しない場合(ステップS502がYes)は、表示制御部201によるディスプレイ24に表示されているモードの切り替えは行わずに、ステップS301の処理に戻り、位置導出部202が車両A1dの位置を導出する(ステップS301)。
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。なお、上記実施の形態で説明した形態、および、以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0147】
上記実施の形態において、一の地点について送信側車載装置120がサーバ装置9に車両情報TAを送信し、サーバ装置9から送信される代表態様を取得した受信側車載装置120dが当該代表態様による表示態様の切り替えを行うことについて述べた。これ以外にサーバ装置9に車両情報を送信する車載装置とサーバ装置9から代表態様を取得する車載装置については異なる組み合わせが可能である。
【0148】
例えば、一の地点において車載装置120b、120c、120dがサーバ装置9に車両情報を送信し、サーバ装置9から送信される代表態様を車載装置120aが取得するようにしてもよい。また、一の地点において車載装置120a、120b、120cがサーバ装置9に車両情報を送信し、同じ地点において車両情報を送信したのとは別のタイミングで車載装置120aを搭載した車両A1aが走行する場合に、サーバ装置9から送信される代表態様を車載装置120aが取得するようにしてもよい。
【0149】
また、上記実施の形態において、一つの車載装置が、上述した送信側車載装置120と受信側車載装置120dとの双方の機能を備えていてもよい。
【0150】
また、上記実施の形態において、送信側車載装置120、および、受信側車載装置120dによって実現されると説明した機能の一部は、サーバ装置9によって実現されるようにしてもよい。
【0151】
また、上記実施の形態において、サーバ装置9によって実現されると説明した機能の一部は、送信側車載装置120、および、受信側車載装置120dのいずれかによって実現されるようにしてもよい。
【0152】
また、上記実施の形態において、車両情報TA、集計データTD、および、地点データTPにおいて、表示態様(代表態様)を示す項目として説明した「モード情報」、および、「画像情報」については、表示態様(代表態様)の種類を判別可能な情報のみを記録するようにしてもよい。つまり、「モード情報」のみを記録してもよいし、「画像情報」のみを記録するようにしてもよい。また、表示態様を示す情報として、合成画像の仮想視点の情報を記録してもよい。つまり、仮想視点の視点位置、および、視野方向の情報を記録してもよい。
【0153】
また、上記実施の形態において、信号入力部42を介して画像処理装置100の制御部1に入力されると説明した信号の一部および全部のいずれかは、表示装置20に入力されるようになっていてもよい。この場合は、通信部41を経由して、画像処理装置100の制御部1に当該信号を入力すればよい。
【0154】
また、上記実施の形態において、車両が搭載している車載装置の種類をサーバ装置9のデータ記録部92に予め記録しておき、車両に搭載されている画像システムの種類に応じた代表態様の情報をサーバ装置9から車載装置に送信するようにしてもよい。つまり、車載装置の種類によって異なるモード情報、および、車載装置の種類によって異なる画像情報の少なくとも一つの情報を車載装置の種類に応じてサーバ装置9から車載装置を送信するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0155】
1・・・・・制御部
3・・・・・画像処理部
5・・・・・撮影部
10・・・・本体部
20・・・・表示装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の表示処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両周辺の撮影画像を表示装置のディスプレイに表示する場合、ユーザの選択した表示態様の画像を表示していた。しかし、表示態様を選択するユーザ操作が車両を運転する際に行われる場合、ユーザの運転に対する注意が散漫となるときがあった。これに対して、特許文献1には過去に車両が走行した地点近傍での表示態様の使用履歴により、当該地点に車両が近づいた場合、当該地点近傍での使用頻度が最も高い表示態様の画像を表示装置のディスプレイに表示する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−304416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では表示態様の使用履歴が、一の地点を車両が走行する場合に当該地点近傍の走行環境に応じてユーザが選択した表示態様の履歴なのか、当該地点を車両が走行することに関係なく当該地点に車両が接近する前から使用されていた表示態様の履歴なのかが不明確であった。そのため、表示態様の履歴が当該地点の走行環境に応じてユーザが選択したものでない場合、使用頻度の最も高い表示態様に対応する画像をディスプレイに表示しても、車両が走行する地点に対する最適な表示態様をユーザに提供できないことがあった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、車両が走行する地点に対応した最適な表示態様をユーザに提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、情報処理システムであって、車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な第1車載装置と、車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な第2車載装置と、前記第1車載装置及び前記第2車載装置と通信可能なサーバ装置と、を備え、(a)前記第1車載装置は、(a−1)現在の車両の位置を取得する取得手段と、(a−2)前記撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの車両の位置と、切り替え後の前記表示態様とを含む車両情報を前記サーバ装置に送信する送信手段と、を備え、(b)前記サーバ装置は、(b−1)複数の車両の前記第1車載装置から前記車両情報を取得する取得手段と、(b−2)前記車両情報に基づいて、前記車両情報が示す車両の位置において使用頻度が最も高い表示態様である代表態様を特定する特定手段と、(b−3)車両の位置と、該位置の前記代表態様とを対応付けて記憶する記憶手段と、(b−4)前記第2車載装置に、前記代表態様を送信する送信手段と、を備え、(c)前記第2車載装置は、(c−1)現在の車両の位置を取得する取得手段と、(c−2)現在の車両の位置に対応する前記代表態様で前記撮影画像を表示する表示手段と、を備える。
【0007】
また、請求項2の発明は、情報処理システムであって、車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置と、前記車載装置と通信可能なサーバ装置と、を備え、(a)前記車載装置は、現在の車両の位置を取得する取得手段と、前記撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの車両の位置と、切り替え後の前記表示態様とを含む車両情報を前記サーバ装置に送信する送信手段と、を備え、(b)前記サーバ装置は、複数の車両の前記車載装置から前記車両情報を取得する取得手段と、前記車両情報に基づいて、前記車両情報が示す車両の位置において使用頻度が最も高い表示態様である代表態様を特定する特定手段と、を備える。
【0008】
また、請求項3の発明は、情報処理システムであって、車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置と、前記車載装置と通信可能なサーバ装置と、を備え、(a)前記サーバ装置は、車両の位置と、該位置において前記異なる表示態様のうち使用頻度が最も高い表示態様である代表態様とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記車載装置に、前記代表態様を送信する送信手段と、を備え、(b)前記車載装置は、現在の車両の位置を取得する取得手段と、現在の車両の位置に対応する前記代表態様で前記撮影画像を表示する表示手段と、を備える。
【0009】
また、請求項4の発明は、車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置と通信可能なサーバ装置であって、前記撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの車両の位置と、切り替え後の前記表示態様とを含む車両情報を、複数の車両の前記車載装置から取得する取得手段と、前記車両情報に基づいて、前記車両情報が示す車両の位置において使用頻度が最も高い表示態様である代表態様を特定する特定手段と、を備える。
【0010】
また、請求項5の発明は、車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置と通信可能なサーバ装置であって、車両の位置と、該位置において前記異なる表示態様のうち使用頻度が最も高い表示態様である代表態様とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記車載装置に、前記代表態様を送信する送信手段と、を備える。
【0011】
また、請求項6の発明は、請求項5に記載のサーバ装置において、前記車載装置が使用される車両の位置を取得する取得手段、をさらに備え、前記送信手段は、前記車載装置が使用される車両の位置に対応する前記代表態様を送信する。
【0012】
また、請求項7の発明は、請求項5に記載のサーバ装置において、前記送信手段は、前記記憶手段に記憶される全ての前記代表態様を一度に送信する。
【0013】
また、請求項8の発明は、車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置であって、現在の車両の位置を取得する取得手段と、前記撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの車両の位置と、切り替え後の前記表示態様とを含む車両情報を、所定のサーバ装置に送信する送信手段と、を備える。
【0014】
また、請求項9の発明は、車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置であって、現在の車両の位置を取得する第1取得手段と、車両の位置と、該位置において前記異なる表示態様のうち使用頻度が最も高い表示態様である代表態様とを対応付けて記憶するサーバ装置から、前記代表態様を取得する第2取得手段と、現在の車両の位置に対応する前記代表態様で前記撮影画像を表示する表示手段と、を備える。
【0015】
また、請求項10の発明は、請求項9に記載の車載装置において、前記第2取得手段は、前記第1取得手段に取得された車両の位置に対応する前記代表態様を取得する。
【0016】
また、請求項11の発明は、請求項9に記載の車載装置において、前記代表態様を記憶する記憶手段、をさらに備え、前記第2取得手段は、前記記憶手段に記憶される全ての前記代表態様を一度に取得し、前記記憶手段に記憶させる。
【0017】
また、請求項12の発明は、情報処理システムであって、車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な表示手段と、現在の車両の位置を取得する取得手段と、前記撮影画像の表示態様をユーザが切替えたときの前記車両の位置と、切り替え後の前記表示態様とを含む車両情報に基づいて、前記車両情報が示す車両の位置において使用頻度が最も高い表示態様である代表態様を特定する特定手段と、前記車両の位置と、該位置の前記代表態様とを対応付けて記憶する記憶手段と、を備え、前記表示手段は、前記現在の車両の位置に対応する前記代表態様で前記撮影画像を表示する。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明によれば、現在の車両の位置に対応する代表態様で撮影画像を表示することで、複数の車両が実際に走行した車両の位置に対応する地点における撮影画像の最適な表示態様を取得できる。また、当該地点を初めて走行するユーザに撮影画像の最適な表示態様を提供できる。
【0019】
また、請求項2の発明によれば、取得手段が取得した車両情報に基づいて、車両情報が示す車両の位置において使用頻度が最も高い表示態様である代表態様を特定することで、複数の車両が実際に走行した車両の位置に対応する地点における撮影画像の最適な表示態様を取得できる。
【0020】
また、請求項3の発明によれば、現在の車両の位置に対応する代表態様で撮影画像を表示することで、車両の位置に対応する地点を初めて走行するユーザに撮影画像の最適な表示態様を提供できる。
【0021】
また、請求項4の発明によれば、取得手段が取得した車両情報に基づいて、車両情報が示す車両の位置において使用頻度が最も高い表示態様である代表態様を特定することで、複数の車両が実際に走行した車両の位置に対応する地点における撮影画像の最適な表示態様を取得できる。
【0022】
また、請求項5の発明によれば、車載装置に、代表態様を送信することで、車両の位置に対応する地点を初めて走行するユーザに撮影画像の最適な表示態様を提供できる。
【0023】
また、請求項6の発明によれば、送信手段が車載装置で使用される車両の位置に対応する代表態様を送信することで、車両の位置に対応する地点を初めて走行するユーザに撮影画像の最適な表示態様を提供できる。
【0024】
また、請求項7の発明によれば、送信手段は、記憶手段に記憶される全ての代表態様を一度に送信することで、複数の地点ごとの撮影画像の最適な表示態様を車両のユーザに提供できる。
【0025】
また、請求項8の発明によれば、撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの車両の位置と、切り替え後の前記表示態様とを含む車両情報を、所定のサーバ装置に送信することで、複数の車両が実際に走行した車両の位置に対応する地点における撮影画像の表示態様をサーバ装置に提供できる。
【0026】
また、請求項9の発明によれば、現在の車両の位置に対応する代表態様で撮影画像を表示することで、車両の位置に対応する地点を初めて走行するユーザに撮影画像の最適な表示態様を提供できる。
【0027】
また、請求項10の発明によれば、第2取得手段は、第1取得手段に取得された車両の位置に対応する代表態様を取得することで、車両の位置に対応する地点を初めて走行するユーザに撮影画像の最適な表示態様を提供できる。また、予め複数の地点における撮影画像の代表態様を記憶する必要がないことから、車載装置のメモリに記憶する容量を削減できる。
【0028】
また、請求項11の発明によれば、第2取得手段は、記憶手段に記憶される全ての代表態様を一度に取得し、記憶手段に記憶させることで、複数の地点における撮影画像の代表態様を予め取得できる。
【0029】
さらに、請求項12の発明によれば、表示手段は、現在の車両の位置に対応する表示態様で撮影画像を表示することで、車両の位置に対応する地点を初めて走行するユーザに撮影画像の最適な表示態様を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、画像の表示態様の通信を行う情報処理システムの概要を示す図である。
【図2】図2は、車載装置のブロック図である。
【図3】図3は、車載カメラが車両に配置される位置を示す図である。
【図4】図4は、合成画像を生成する手法を説明するための図である。
【図5】図5は、サーバ装置のブロック図である。
【図6】図6は、車載装置のブロック図である。
【図7】図7は、車載装置の動作モードの遷移を示す図である。
【図8】図8は、フロントモードにおける表示態様の遷移を示す図である。
【図9】図9は、表示装置に表示される画像に対応する領域を示した図である。
【図10】図10は、表示装置の記憶部に記憶される車両情報を示す図である。
【図11】図11は、サーバ装置のデータ記憶部に記憶される集計データを示す図である。
【図12】図12は、サーバ装置のデータ記憶部に記憶される地点データを示す図である。
【図13】図13は、車載装置からサーバ装置へ車両情報を送信する処理を示すフローチャートである。
【図14】図14は、サーバ装置から車載装置に個別地点データを送信する処理フローチャートである。
【図15】図15は、サーバ装置から車載装置に個別地点データを送信する処理フローチャートである。
【図16】図16は、車載装置のブロック図である。
【図17】図17は、サーバ装置から車載装置に地点データを送信する処理フローチャートである。
【図18】図18は、サーバ装置から車載装置に地点データを送信する処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0032】
<実施の形態1>
<1.構成>
<1−1.全体のシステム概要>
図1は、画像の表示態様に関する情報の通信を行う情報処理システム130の概要を示す図である。情報処理システム130は、車両A1a、A1b、A1c、A1dなどの複数の車両にそれぞれ搭載される車載装置120a、120b、120c、120dと、所定のセンターに配置されたサーバ装置9とを含んで構成される。
【0033】
自動車などの車両A1a、A1b、A1c(以下、「車両A1」ともいう。)に搭載される車載装置120a、120b、120c(以下、「送信側車載装置120」ともいう。)は、表示装置の通信部(例えば、図2に示す表示装置20の通信部23)を介してサーバ装置9との通信を行う。
【0034】
サーバ装置9は送信側車載装置120のディスプレイ(例えば、図2に示す「ディスプレイ24」)に表示される撮影画像の表示態様の情報を送信側車載装置120との通信により取得し、当該表示態様の情報を処理して記憶する。そして、サーバ装置9は、車両A1dの走行する位置に対応する地点における撮影画像の表示態様に関する情報を受信側車載装置120dに送信する。
【0035】
車載装置120dは、サーバ装置9から取得した表示態様に関する情報により、複数のカメラ(図4に示すカメラ51、52、53、54)の少なくとも一つを用いて撮影された画像をディスプレイ(例えば、図2に示すディスプレイ24)に表示する。以下、この車載装置120dを「受信側車載装置120d」ともいう。これにより、複数の車両が実際に走行した車両の位置に対応する地点における撮影画像の最適な表示態様を取得できる。また、当該地点を初めて走行するユーザに撮影画像の最適な表示態様を提供できる。
【0036】
<1−2.送信側車載装置>
図2は、車載装置120a、120b、120cのブロック図である。この送信側車載装置120は、車両A1a、A1b、A1cの周辺を撮影して画像を生成し、生成した画像を車室内の表示装置20に出力する機能を有している。車両A1のユーザ(代表的にはドライバ)は、送信側車載装置120を利用することにより、当該車両の周辺の様子をほぼリアルタイムに把握できるようになっている。
【0037】
図2に示すように、送信側車載装置120は、表示装置20と、車両の周辺を示す周辺画像を生成して表示装置20に画像情報を出力する画像処理装置100と、車両の周囲を撮影するカメラを備えている撮影部5とを主に有している。
【0038】
表示装置20は、ナビゲーション案内を表示するディスプレイを有するナビゲーション装置、音楽のタイトル情報やテレビの映像などを表示するディスプレイを備えたオーディオ装置、ユーザが携帯し車両A1内へ持ち込んで使用可能なスマートフォンなどである。
【0039】
また、表示装置20は装置全体を制御する制御部21と、制御部21の処理データなどを記憶する記憶部22と、サーバ装置9との間で通信を行う通信部23と、タッチパネル機能を備えた液晶などのディスプレイ24と、ユーザが操作を行う操作部25とを備えている。そして、ディスプレイ24の画面がユーザから視認可能なように、表示装置20は車両A1のインストルメントパネルなどに設置される。ユーザからの各種の指示は、操作部25とタッチパネルとしてのディスプレイ24とによって受け付けられる。
【0040】
制御部21は、CPU、RAM及びROMなどを備えたコンピュータであり、所定のプログラムに従ってCPUが演算処理を行うことでナビゲーション機能を含む各種の機能が実現される。
【0041】
制御部21は、主に表示制御部201、および、位置導出部202の機能を備えている。表示制御部201は、操作部25などからのユーザの操作に伴いディスプレイ24に表示される車載カメラの撮影画像の表示態様を制御する。つまり、車両A1の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示する制御を行う。
【0042】
位置導出部202は、車両A1の位置に対応する緯度・経度情報を導出する。このような車両A1の位置情報の導出が行われるのは、例えば、ディスプレイ24に表示される車載カメラの撮影画像の表示形態をユーザが切り替えたときである。このような車両A1の位置はGPS(Glpbal Positioning System)衛星からの電波の信号を受信し、受信した信号を制御部21で処理することにより実現される。GPSは、地球を周回する多数のGPS衛星のうち少なくとも3つ以上の衛星からの電波に基づいて車両A1の位置を測位するシステムである。
【0043】
記憶部22は、制御部1が表示装置20を制御するプログラムを記憶する。また、記憶部22は、ディスプレイ24に表示される車載カメラの撮影画像の表示態様をユーザが切替えたときの車両A1の位置情報と、ユーザによる切替え後の撮影画像の表示態様とを含む情報である車両情報(例えば、図10に示す車両情報TA1、TA2、TA3)を記憶する。つまり、車両ごとに走行地点におけるユーザの撮影画像の切り替え操作がトリガとなって、切り替え後の撮影画像の表示態様と、切り替えが行われた地点情報とを記憶部22に記憶する。
【0044】
通信部23は表示装置20とサーバ装置9との通信を行うインターフェースであり、記憶部22に記憶された車両情報TA1、TA2、TA3(以下、「車両情報TA」ともいう。)をサーバ装置9に送信する。これにより、複数の車両が実際に走行した車両の位置に対応する地点における撮影画像の最適な表示態様を取得できる。なお、サーバ装置9への車両情報TAの送信は、所定のデータ数が記憶部22に蓄積された場合に行われる。
【0045】
また、車両情報TAのサーバ装置9への送信は、記憶部22に車両情報TAを記憶せずに車両情報TAが取得された際に通信部23を介して行うようにしてもよい。つまり、ディスプレイ24に表示された撮影画像の表示態様がユーザの操作により切り替えられたときに、切り替えに伴う車両情報TAをサーバ装置9に送信するようにしてもよい。
【0046】
ディスプレイ24は、各種画像を表示する表示部であり、表示制御部201の制御により、通常は表示装置20単体の機能に基づく画像を表示する。そして、所定の条件下で画像処理装置100で生成された車両A1の周辺の様子を示す周辺画像を表示する。また、ディスプレイ24は、車両A1、および、車両A1の周辺領域を俯瞰した俯瞰画像を表示する。さらに、ディスプレイ24に表示される俯瞰画像は周辺領域をほぼリアルタイムに示すことになる。これにより、表示装置20は、画像処理装置100で生成された周辺画像を受信して表示する装置としても機能する。
【0047】
操作部25は、表示装置20の各種機能を実現するためにユーザが操作を行うものであり、例えば、表示装置20に設けられたハードスイッチなどである。また、操作部25をユーザが操作することでディスプレイ24に表示された車載カメラの撮影画像の表示態様を切り替えることができる。
【0048】
画像処理装置100は、その本体部10が周辺画像を生成する機能を有するECU(Electronic Control Unit)であり、車両A1の所定の位置に配置される。画像処理装置100は、撮影部5で車両A1の周辺を撮影して得られる撮影画像に基づいて仮想視点からみた合成画像を生成する画像生成装置として機能する。また、画像処理装置100は撮影部5の一のカメラで撮影された画像を処理する装置としても機能する。撮影部5が備える複数の車載カメラ51、52、53、54は、本体部10とは別の車両A1の適位置に配置されるが詳細は後述する。
【0049】
画像処理装置100の本体部10は、装置全体を制御する制御部1と、撮影部5で取得された撮影画像を処理して表示用の周辺画像を生成する画像処理部3を主に備えている。
【0050】
表示装置20の操作部25、および、ディスプレイ24のいずれかによって受け付けられたユーザからの各種の指示は、制御信号として通信部41によって受け付けられて制御部1に入力される。これにより、画像処理装置100は、表示装置20に対するユーザの操作に応答した動作が可能となっている。
【0051】
また、画像処理装置100は、切替ボタン301を備えている。切替ボタン301がユーザに操作されると、ユーザの指示を示す信号が制御部1に入力されて、後述するフロントモード(例えば、図8に示すフロントモードM2。)の表示態様の画像がディスプレイ24に表示される。なお、切替ボタン301はハードボタンとして表示装置20に設けられてもよい。また、切替ボタン301は、表示装置20のディスプレイ24にユーザが指などをディスプレイ24に接触させて操作するタッチパネルのボタンとして表示されるようにしてもよい。
【0052】
画像処理部3は、各種の画像処理が可能なハードウェア回路として構成されており、画像取得部31、合成画像生成部32、および、画像送信部33を主な機能として備えている。
【0053】
画像取得部31は、車両A1の周辺を撮影する撮影部5の車載カメラ51、52、53、54で撮影された複数の撮影画像を取得する。
【0054】
合成画像生成部32は、車載カメラ51、52、53、54で取得された複数の撮影画像に基づいて、車両の周辺の任意の仮想視点からみた合成画像を生成する。合成画像生成部32が仮想視点からみた合成画像を生成する手法については後述する。
【0055】
また、画像送信部33は合成画像生成部32において生成された合成画像、および、その他の画像(たとえば、一のカメラで撮影された画像)の少なくとも一つを通信部41を介して表示装置20へ送信する。これにより、車両の周辺を示す周辺画像が表示装置20のディスプレイ24に表示される。
【0056】
制御部1は、CPU、RAM及びROMなどを備えたコンピュータであり、所定のプログラムに従ってCPUが演算処理を行うことで各種の制御機能が実現される。図中に示す画像制御部101は、このようにして実現される制御部1の機能のうちの一部である。
【0057】
画像制御部101は、画像処理部3によって実行される画像処理を制御するものである。例えば、画像制御部101は、合成画像生成部32が生成する合成画像の生成に必要な各種パラメータを指示する。なお、このようなパラメータの指示は例えば、撮影画像の表示態様の切り替えに伴うユーザ操作の指示信号を制御部1が受信した場合に、画像制御部101が行う。
【0058】
また、画像処理装置100の本体部10は、不揮発性メモリ40、通信部41、および、信号入力部42をさらに備えており、これらは制御部1に接続されている。
【0059】
不揮発性メモリ40は、電源オフ時においても記憶内容を維持可能なフラッシュメモリなどで構成されている。不揮発性メモリ40には、車種別情報4aが記憶されている。車種別情報4aは、合成画像生成部32が合成画像を生成する際に必要となる車両の種別に応じたデータを含んでいる。
【0060】
通信部41は、画像処理装置100が表示装置20との間で通信を行うためのインターフェースである。
【0061】
信号入力部42は、車両A1に設けられた各種装置からの信号の入力が行われる際のインターフェースである。信号入力部42を介して、送信側車載装置120の外部からの信号が制御部1に入力される。具体的には、シフトセンサ81、車速センサ82、方向指示器83、および、操舵角センサ84などから、各種情報を示す信号が制御部1に入力される。
【0062】
シフトセンサ81からは、車両A1の変速装置のシフトレバーの操作の位置、すなわち、”P(駐車)”,”D(前進)”,”N(中立)”,”R(後退)”などのシフトポジションが入力される。車速センサ82からは、その時点の車両A1の走行速度(km/h)が入力される。
【0063】
方向指示器83からは、ウインカースイッチの操作に基づく方向指示、すなわち、車両A1のドライバが意図する方向指示を示すターン信号が入力される。ウインカースイッチが操作されたときはターン信号が発生し、ターン信号はその操作された方向(左方向あるいは右方向)を示すことになる。ウインカースイッチが中立位置となったときは、ターン信号はオフとなる。
【0064】
操舵角センサ84からは、ユーザが操作したステアリングホイールの操作方向が制御部1に入力される。詳細には、操舵角センサ84には、ユーザが操作したステアリングホイールの回転方向、回転角度、及び、回転速度が信号入力部42を介して制御部1に入力される。
【0065】
<1−3.撮影部>
次に、画像処理装置100の撮影部5について詳細に説明する。撮影部5は、制御部1に電気的に接続され、制御部1からの信号に基づいて動作する。
【0066】
撮影部5は、車載カメラであるフロントカメラ51、バックカメラ52、左サイドカメラ53、および、右サイドカメラ54を備えている。これらの車載カメラ51、52、53、54はそれぞれ、CCDやCMOSなどの撮像素子を備えており電子的に画像を取得する。
【0067】
図3は、車載カメラ51、52、53、54が車両A1およびA1dに配置される位置を示す図である。なお、以下の説明においては、車両A1を例に説明を行う。また、方向及び向きを示す際に、適宜、図中に示す3次元のXYZ直交座標を用いる。このXYZ軸は車両A1に対して相対的に固定される。ここで、X軸方向は車両A1の左右方向に沿い、Y軸方向は車両A1の直進方向(前後方向)に沿い、Z軸方向は鉛直方向に沿っている。また、便宜上、+X側を車両A1の右側、+Y側を車両A1の後側、+Z側を上側とする。
【0068】
フロントカメラ51は、車両A1の前端にあるナンバープレート取付位置の近傍に設けられ、その光軸51aは車両A1の直進方向(平面視でY軸方向の−Y側)に向けられている。バックカメラ52は、車両A1の後端にあるナンバープレート取付位置の近傍に設けられ、その光軸52aは車両A1の直進方向の逆方向(平面視でY軸方向の+Y側)に向けられている。また、左サイドカメラ53は、左のドアミラー93に設けられており、右サイドカメラ54は右のドアミラー94に設けられている。そして、光軸53aは車両A1の左方向、光軸54aは車両A1の右方向(平面視でX軸方向)に沿って外部に向けられている。なお、フロントカメラ51やバックカメラ52の取り付け位置は、左右略中央であることが望ましいが、左右中央から左右方向に多少ずれた位置であってもよい。
【0069】
これらの車載カメラ51、52、53、54のレンズとしては魚眼レンズなどが採用されており、車載カメラ51、52、53、54は180度以上の画角αを有している。このため、4つの車載カメラ51、52、53、54を利用することで、車両A1の全周囲の撮影が可能となっている。
【0070】
<1−3.画像変換処理>
次に、画像処理部3の合成画像生成部32が、撮影部5で得られた複数の撮影画像に基づいて車両A1およびA1dの周辺を任意の仮想視点からみた様子を示す合成画像を生成する手法について説明する。合成画像を生成する際には、不揮発性メモリ40に予め記憶された車種別情報4aが利用される。図4は、合成画像を生成する手法を説明するための図である。なお、以下の画像変換処理の説明では車両A1の処理を例に説明を行うが、車両A1dについても同様の画像変換処理が行われる。
【0071】
撮影部5のフロントカメラ51、バックカメラ52、左サイドカメラ53、および、右サイドカメラ54で同時に撮影が行われると、車両A1の前方、後方、左側方、および、右側方をそれぞれ示す4つの撮影画像P1〜P4が取得される。すなわち、撮影部5で取得される4つの撮影画像P1〜P4には、撮影時点の車両A1の全周囲を示す情報が含まれていることになる。
【0072】
次に、4つの撮影画像P1〜P4の各画素が、仮想的な三次元空間における立体曲面SPに投影される。立体曲面SPは、例えば略半球状(お椀形状)をしており、その中心部分(お椀の底部分)が車両A1の存在する位置として定められている。撮影画像P1〜P4に含まれる各画素の位置と、立体曲面SPの各画素の位置とは予め対応関係が定められている。このため、立体曲面SPの各画素の値は、この対応関係と撮影画像P1〜P4に含まれる各画素の値とに基づいて決定できる。
【0073】
撮影画像P1〜P4の各画素の位置と立体曲面SPの各画素の位置との対応関係は、車両A1における4つの車載カメラ51、52、53、54の配置(相互間距離、地上高さ、光軸角度等)に依存する。このため、この対応関係を示すテーブルデータが、不揮発性メモリ40に記憶された車種別情報4aに含まれている。
【0074】
また、車種別情報4aに含まれる車体の形状やサイズを示すポリゴンデータが利用され、車両A1の三次元形状を示すポリゴンモデルである車両像を仮想的に備えている。構成された車両像は、立体曲面SPが設定される三次元空間において、車両A1の位置と定められた略半球状の中心部分に配置される。
【0075】
さらに、立体曲面SPが存在する三次元空間に対して、制御部1により仮想視点VPが設定される。仮想視点VPは、視点位置と視野方向とで規定され、この三次元空間における車両A1の周辺に相当する任意の視点位置に任意の視野方向に向けて設定される。
【0076】
そして、設定された仮想視点VPに応じて、立体曲面SPにおける必要な領域が画像として切り出される。仮想視点VPと、立体曲面SPにおける必要な領域との関係は予め定められており、テーブルデータとして不揮発性メモリ40等に予め記憶されている。つまり、設定された仮想視点VPに応じて画像の領域が切り出されて、ポリゴンで構成された車両像に関してレンダリングがなされ、その結果となる二次元の車両像が、切り出された画像に対して重畳される。これにより、車両A1および車両A1の周辺を任意の仮想視点からみた様子を示す合成画像が生成されることになる。
【0077】
例えば、視点位置が車両A1の位置の略中央の直上位置で、視野方向が略直下方向とした仮想視点VP1を設定した場合は、車両A1の略直上から車両A1を見下ろすように、車両A1(実際には車両像)及び車両A1の周辺の様子を示す合成画像CP1が生成される。また、図中に示すように、視点位置が車両A1の位置の左後方で、視野方向が車両A1における略前方とした仮想視点VP2を設定した場合は、車両A1の左後方からその周辺全体を見渡すように、車両A1(実際には車両像)及び車両A1の周辺の様子を示す合成画像CP2が生成される。
【0078】
なお、実際に合成画像を生成する場合においては、立体曲面SPの全ての画素の値を決定する必要はなく、設定された仮想視点VPに対応して必要となる領域の画素の値のみを撮影画像P1〜P4に基づいて決定することで、処理速度を向上できる。
【0079】
<1−4.サーバ装置>
図5は、サーバ装置9のブロック図である。サーバ装置9は、車両A1の送信側車載装置120から収集した撮影画像の表示態様を含むデータを処理し、車両A1dの受信側車載装置120dに表示態様に関するデータを送信する。サーバ装置9は、制御部91、データ記録部92、および、通信部95を主に備えている。
【0080】
制御部91はCPU、RAM、および、ROMなどを備えたコンピュータであり、所定のプログラムに従ってCPUが演算処理を行うことで各種の制御機能が実現される。図中に示す取得部911、および、特定部912は、このようにして実現される制御部1の機能のうちの一部である。
【0081】
取得部911は、送信側車載装置120から送信される車両情報TAを取得する。つまり、撮影画像の表示態様をユーザが切替えたときの車両A1の位置情報(車両A1の緯度・経度情報)と、ユーザによる切替え後の撮影画像の表示態様とを含む車両情報TAを取得する。
【0082】
特定部912は、車両情報TAにおける車両A1の位置に対応する地点で使用頻度の最も高い表示態様である代表態様を特定する。つまり、ディスプレイ24に表示される撮影画像の表示態様をユーザが切替えた場合に、ユーザによる切替え後の撮影画像の表示態様のうち最も使用回数の多い表示態様を代表態様として特定する。これにより複数の車両が実際に走行した車両の位置に対応する地点における撮影画像の最適な表示態様を取得できる。
【0083】
データ記録部92には、集計データ(例えば、図11に示す集計データTD)、および、地点データ(例えば、図12に示す地点データTP)を含むデータを記録する。集計データTDは、複数の車両A1から送信され、取得部911が取得した車両情報TAを集計したデータである。つまり、集計データTDは、ユーザがディスプレイ24に表示される撮影画像を切替えたときの車両A1の位置情報と、ユーザによる切替え後の撮影画像の表示態様とを含む車両情報TAを蓄積したものである。
【0084】
また、地点データTPは、集計データTDのデータに基づいて、車両A1の位置に対応する地点における撮影画像の代表態様を特定部912が特定したデータである。つまり、地点データTPは、ディスプレイ24に表示される撮影画像の表示態様をユーザが切替えたときの車両A1の位置において、ユーザによる切替え後の撮影画像の表示態様のうち使用頻度が最も高い表示態様を含むデータを蓄積したものである。このように複数の車両が実際に走行した車両の位置に対応する地点における撮影画像の最適な表示態様を取得できる。
【0085】
通信部95は、サーバ装置9が送信側車載装置120、および、受信側車載装置120dとの情報の送受信を行うためのインターフェースである。そして、通信部95を介してサーバ装置9から受信側車載装置120dに車両A1dの位置に対応する地点の地点データを送信することで、車両の位置に対応する地点を初めて走行するユーザに最適な表示態様を提供できる。なお、サーバ装置9から受信側車載装置120dに送信する地点データは地点データTPに記録されたデータのうちの車両A1dの位置に対応する地点のデータであり、後述する個別地点データ(例えば、図12に示す個別地点データtp1)である。
【0086】
<1−5.受信側車載装置>
図6は、受信側車載装置120dのブロック図である。受信側車載装置120dは受信側車載装置120dを搭載する車両1dが走行する位置に対応する地点の代表態様の情報をサーバ装置9から受信する。なお、受信側車載装置120dの構成は、サーバ装置9に車両情報TAを送信する送信側車載装置120の構成と略同一の構成であるが、一部が相違する。以下相違点について説明する。
【0087】
車両A1に搭載された送信側車載装置120が、表示装置20の記憶部22にサーバ装置9に送信する車両情報TAを記憶していたのに対して、受信側車載装置120dはサーバ装置9から取得した個別地点データtp1を記録している
つまり、受信側車載装置120dは、サーバ装置9の地点データTPの中から車両A1dの位置に対応した地点の代表態様を含む個別地点データtp1を取得して、当該代表態様によりディスプレイ24に表示される撮影画像の表示態様を表示制御部201が制御する。これにより、車両の位置に対応する地点を初めて走行するユーザに撮影画像の最適な表示態様を提供できる。また、複数の地点の代表態様を記憶部22dに記憶する場合と比べて、予め複数の地点の代表態様を記憶する必要がないことから、表示装置20dの記憶部22dに記憶する容量を削減できる。
【0088】
なお、サーバ装置9から送信された場合に、記憶部22dに個別地点データtp1を記憶せずに、個別地点データtp1の代表態様によりディスプレイ24に表示される撮影画像の表示態様を表示制御部201が制御するようにしてもよい。
【0089】
<1−6.動作モード>
次に、送信側車載装置120、および、受信側車載装置120dの動作モードについて説明する。図7は、送信側車載装置120、および、受信側車載装置120dの動作モードの遷移を示す図である。送信側車載装置120、および、受信側車載装置120dは、ナビモードM0、周囲確認モードM1、フロントモードM2、バックモードM3の4つの動作モードを有している。これらの動作モードは、ユーザの操作や車両A1およびA1dの走行状態に応じて制御部1の制御により切り替えられるようになっている。なお、以下の動作モードの説明では車両A1dの処理を例に説明を行うが、車両A1についても同様の画像変換処理が行われる。
ナビモードM0は、表示装置20dの機能により、ナビゲーション案内用の地図画像などをディスプレイ24に表示する動作モードである。ナビモードM0では、画像処理装置100の機能が利用されず、表示装置20d単体の機能で各種の表示がなされる。このため、表示装置20dが、テレビジョン放送の電波を受信して表示する機能を有している場合は、ナビゲーション案内用の地図画像に代えて、テレビジョン放送画面が表示されることもある。
【0090】
これに対して、周囲確認モードM1、フロントモードM2、および、バックモードM3は、画像処理装置100の機能を利用して、車両A1dの周辺の状況をリアルタイムで示す表示用画像をディスプレイ24に表示する動作モードである。
【0091】
周囲確認モードM1は、車両A1dを見下ろした状態で車両A1dの周囲を周回するようなアニメーション表現を行う動作モードである。フロントモードM2は、前進時に必要となる車両A1dの前方や側方を主に示す表示用画像を表示する動作モードである。また、バックモードM3は、後退時に必要となる車両A1dの後方を主に示す表示用画像を表示する動作モードである。
【0092】
受信側車載装置120dを起動すると、最初に周囲確認モードM1となる。周囲確認モードM1の場合には、車両A1dの周囲を周回するようなアニメーション表現がなされた後に所定時間(例えば、6秒)が経過すると、自動的にフロントモードM2に切り替えられる。また、フロントモードM2の場合において、走行速度が例えば0km/hの状態(停止状態)で切替ボタン301が所定時間以上継続して押下されると、周囲確認モードM1に切り替えられる。なお、ドライバからの所定の指示で、周囲確認モードM1からフロントモードM2に切り替えるようにしてもよい。
【0093】
また、フロントモードM2の場合に走行速度が例えば10km/h以上になったときは、ナビモードM0に切り替えられる。逆に、ナビモードM0の場合に車速センサ82から入力される走行速度が例えば10km/h未満になったときは、フロントモードM2に切り替えられる。
【0094】
車両A1dの走行速度が比較的高い場合においては、ドライバを走行に集中させるためにフロントモードM2が解除される。逆に、車両A1dの走行速度が比較的低い場合においては、ドライバは車両A1dの周辺の状況をより考慮した運転、具体的には、見通しの悪い交差点への進入、方向変更、あるいは、幅寄せなどを行っている場面が多い。このため、走行速度が比較的低い場合においては、ナビモードM0からフロントモードM2に切り替えられる。なお、ナビモードM0からフロントモードM2に切り替える場合は、走行速度が10km/h未満という条件に、ドライバからの明示的な操作指示があるという条件を加えてもよい。
【0095】
また、ナビモードM0の場合において、走行速度が例えば0km/hの状態(停止状態)で切替ボタン301が所定時間以上継続して押下されると、周囲確認モードM1に切り替えられる。そして、車両A1dの周囲を周回するようなアニメーション表現がなされた後に所定時間(例えば、6秒)が経過すると、自動的にもとのモードであるナビモードM0に切り替わる。
【0096】
また、ナビモードM0あるいはフロントモードM2の場合に、シフトセンサ81から入力されるシフトレバーの位置が”R(後退)”となったときは、バックモードM3に切り替えられる。すなわち、車両A1dの変速装置が”R(後退)”の位置に操作されているときには、車両A1dは後退する状態であるため、車両A1dの後方を主に示すバックモードM3に切り替えられる。
【0097】
一方、バックモードM3の場合に、シフトレバーの位置が”R(後退)”以外となったときは、その時点の走行速度を基準として、ナビモードM0あるいはフロントモードM2に切り替えられる。すなわち、走行速度が10km/h以上であればナビモードM0に切り替えられ、走行速度が10km/h未満であればフロントモードM2に切り替えられる。なお、上記のモードの切り替えの条件(例えば走行速度が0km/h、走行速度が10km/h以上など)は、一例であり、その他の条件とすることもできる。
【0098】
次に、これらの4つのモードのうちフロントモードM2の車両A1dの周辺の表示態様について詳細に説明する。図8は、フロントモードM2における表示態様の遷移を示す図である。また、図9はディスプレイ24に表示される画像に対応する領域を示した図である。なお、図9の車両A1dの周辺の領域(R1〜R10)は、先に図4を用いて説明した立体曲面SPの車両A1、A1dの周辺の領域を示している。また、領域R1〜R10のそれぞれは複数の画素の集合の矩形の領域である。
【0099】
フロントモードM2では、走行俯瞰モードM21、自車確認モードM22、および、サイドカメラモードM23の3つの表示態様があり、これらの表示態様は互いに表示される撮影画像の種類が異なっている。これらの画面のうちM21、M22、および、M23の画面には、各表示態様における視野範囲を示す視野ガイド90が表示され、ユーザに対して車両A1dの周辺のいずれの領域を表示しているかが示されるようになっている。
【0100】
モードM21〜M23の表示態様の切り替えは、ユーザが切替ボタン301を押下するごとに、走行俯瞰モードM21、自車確認モードM22、サイドカメラモードM23の順で制御部1の制御により切り替えられる。
【0101】
走行俯瞰モードM21は、視点位置が車両A1dの位置の略中央の直上位置で、視野方向が略真下方向とした仮想視点VP1からみた車両A1dの様子を示す合成画像FP1と、フロントカメラ51の撮影により得られるフロント画像FP2とを並べて含む画面をディスプレイ24に表示する表示モードである。すなわち、走行俯瞰モードM21では、図9に示す車両A1dの周辺の領域R1〜R10に対応する合成画像FP1と、フロントカメラ51の撮影画像である車両A1dの前方を示すフロント画像FP2との二つの画像が同一画面上に示される。
【0102】
走行俯瞰モードM21においては、このような二つの合成画像FP1、FP2を閲覧することができるため、ユーザは、車両A1dの周囲全体とともに、車両A1dの進行方向である前方の状況を一目で確認できる。走行俯瞰モードM21は、前進中のさまざまな場面で汎用性高く利用できる表示モードであるといえる。
【0103】
また、自車確認モードM22は、フロントカメラ51での撮影により得られるフロント画像FP3と、視点位置が車両A1dの位置の略後方位置で、視野方向が車両A1における略前方とした仮想視点VP2からみた車両A1dの様子を示す合成画像FP4とを並べて含む画面をディスプレイ24に表示する表示モードである。すなわち、自車確認モードM22では、車両A1dの前方を示すフロント画像FP3と、車両A1dの周辺領域R1〜R10に対応する合成画像FP4との二つの画像が同一画面上に示される。
【0104】
このように、自車確認モードM22の合成画像FP4は、図9に示す領域のうち走行俯瞰モードM21の合成画像FP1と同じ領域(R1〜R10)に対応している。合成画像FP1とFP4との異なる点は、仮想視点の視点位置および視点方向である。上述のように、合成画像FP1の視点位置は車両A1dの位置の略中央の直上位置、視野方向は略真下方向である。また、合成画像FP4の視点位置は車両A1dの位置の略後方位置、視野方向は車両A1における略前方である。
【0105】
また、自車確認モードM22のフロント画像FP3は、走行俯瞰モードM21のフロント画像FP2と比較して、左右方向の視野範囲が広く設定されている。このため、見通しの悪い交差点に進入する場合に死角となりやすい車両A1dの前端より前方かつ左右方向に存在する物体を確認できる。
【0106】
また、自車確認モードM22の合成画像FP4は、走行俯瞰モードM21の合成画像FP1と比較して仮想視点VPの位置が車両A1dの後方に移動されているため、車両A1dの後方を示す領域は狭くなるものの、車両A1dの側方が確認しやすくなっている。このため、対向車とすれ違う場合などに、対向車とのクリアランスを容易に確認できる。
【0107】
自車確認モードM22においては、このような二つの画像FP3,FP4を閲覧することができるため、ユーザは、見通しの悪い交差点に進入する場合や対向車とすれ違う場合などの慎重な運転を必要とする状況において、確認すべき領域の状況を一目で確認できる。
【0108】
サイドカメラモードM23は、左サイドカメラ53および右サイドカメラ54での撮影によりそれぞれ得られるサイド画像FP5,FP6を並べて含む画面をディスプレイ24に表示する表示モードである。サイド画像FP5,FP6は、運転席から死角となりやすいフロントフェンダ97の外側のみを示している。
【0109】
サイドカメラモードM23においては、このような二つの画像FP5,FP6を閲覧することができるため、ユーザは、道路の端に車体を寄せる幅寄せを行う場合などにおいて、確認すべき領域の状況を容易に確認できる。
【0110】
<1−7.データベース>
次に、車両A1aの車載装置120aに記憶される車両情報TA1、車両A1bの車載装置120bに記憶される車両情報TA2、車両A1cの車載装置120cに記憶される車両情報TA3と、サーバ装置9のデータ記録部92に記録される集計データTDおよび地点データTPとについて詳細に説明する。
【0111】
図10は、車両情報TA1、TA2、TA3を示す図である。車両情報TA1は車両A1a、車両情報TA2は車両A1b、車両情報TA3は車両A1cにおいて、ユーザがディスプレイ24に表示される撮影画像の表示態様を切り替えたことにより取得されるデータである。各データは「ユーザID」、「情報取得日時」、「位置情報」、「モード情報」、および、「画像情報」の項目を有している。
【0112】
「ユーザID」は、各車両の識別番号である。「情報取得日時」は、ディスプレイ24に表示された撮影画像の表示態様をユーザが切り替えた日時の情報である。「位置情報」は、ディスプレイ24に表示された撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの車両の位置に対応する地点の情報(例えば、車両A1の緯度・経度情報)である。
【0113】
「モード情報」は、撮影画像の表示態様をユーザが切り替えた後の表示態様であるディスプレイ24に撮影画像を表示するモードの情報である。車両情報TA1、および、TA2では、自車確認モードM22の値が記録されており、車両情報TA3では、サイドカメラモードM23の値が記録されている。
【0114】
「画像情報」は、各モードにおいてディスプレイ24に表示される画像に対応する撮影画像、および、領域の少なくとも一つの情報である。車両情報TA1、および、TA2では、合成画像FP1に対応する領域R1〜R10と、画像FP2に対応するフロントカメラ画像の情報が記録されている。車両情報TA3では、画像FP5に対応する左サイドカメラ画像、および、画像FP6に対応する右サイドカメラ画像の情報が記録されている。
【0115】
図11は、サーバ装置9のデータ記録部92に記録される集計データTDを示す図である。集計データTDは、複数の車両A1から送信された車両情報TAを集計したデータであり、車両情報TAの項目と同じ項目(「ユーザID」、「情報取得日時」、「位置情報」、「モード情報」、「画像情報」)を有しているデータである。なお、図11の集計データTDに示す3つのデータは位置情報が同一および近傍のいずれかの車両情報である。なお、集計データTDは位置情報が同一および近傍のいずれかの位置のみではなく、複数の車両からの異なる位置の位置情報も集計することができる。
【0116】
図12は、サーバ装置9のデータ記録部92に記録されている地点データTPを示す図である。地点データTPは、集計データTDのうちの位置情報が同一および近傍のいずれかの車両情報がサーバ装置9の取得部911により所定数を超えて取得された場合に、特定部912が使用頻度が最も高い表示態様を代表態様として特定し、当該代表態様を位置情報と対応付けて記録したデータである。
【0117】
詳細には図12に示すように地点データTPは「位置情報」、「モード情報」、および、「画像情報」の項目を有している。なお、地点データTPに記録されている地点ごとのデータが個別地点データtpであり、図12の地点データTPには複数の個別地点データtp1、tp2が記録されている。「位置情報」はディスプレイ24に表示された撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの車両の位置に対応する地点の情報である。
【0118】
「モード情報」は、ディスプレイ24に表示された撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの位置情報に対応付けて、当該位置で撮影画像の表示態様をユーザが切り替えた後のディスプレイ24に表示されるモード情報のうち、使用頻度が最も高いモード情報である。つまり、集計データTDにおいて位置情報が同一および近傍のいずれかのデータのうち、ユーザの使用頻度が最も高いモード情報の値が記録されている。
【0119】
「画像情報」はモード情報に対応する情報であり、ディスプレイ24に表示された撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの位置情報に対応付けて、当該位置で撮影画像の表示態様をユーザが切り替えた後のディスプレイ24に表示される画像情報のうち、使用頻度が最も高い画像情報である。つまり、集計データTDにおいて位置情報が同一および近傍のいずれかのデータのうち、ユーザの使用頻度の最も高い画像情報が記録されている。
【0120】
<1−8.処理フローチャート>
図13は、送信側車載装置120からサーバ装置9へ車両情報TAを送信する処理フローチャートである。ディスプレイ24に表示されている撮影画像のモード切り替え操作がユーザにより行われた場合(ステップS101がYes)、ステップS102の処理に進む。なお、ユーザによるモード切り替え操作が行われていない場合(ステップS101がNo)は、現在のモードでディスプレイ24の撮影画像の表示を送信側車載装置120が継続する。
【0121】
ステップS102では、ユーザの切り替え操作に対応したモードの撮影画像を送信側車載装置120がディスプレイ24に表示して(ステップS102)、ステップS103の処理に進む。
【0122】
ステップS103では、ユーザの切り替え操作に対応したモードの撮影画像が例えば3秒を超えて表示された場合、つまり3秒を超えてユーザによるモードの切り替え操作が行われなかった場合(ステップS103がYes)は、ステップS104の処理に進む。なお、3秒以内に別のモードへの切り替え操作がユーザにより行われた場合(ステップS103がNo)は、ステップS102の処理に戻り、ユーザの切り替え操作に対応した別のモードの撮影画像を送信側車載装置120がディスプレイ24に表示する。また、モードの切り替え操作の有無を判定する時間(3秒)は別の時間(例えば、2秒、5秒など)に変更が可能である。
【0123】
ステップS104では、ディスプレイ24に表示される撮影画像の表示態様をユーザが切替えたときの車両A1の位置を表示装置20の位置導出部202が導出して(ステップS104)、ステップS105の処理に進む。
【0124】
ステップS105では、ディスプレイ24に表示される撮影画像の表示態様をユーザが切替えたときの車両A1の位置情報と、ユーザによる切替え後の撮影画像の表示態様とを含む情報である車両情報TAをサーバ装置9に送信する(ステップS104)。
【0125】
サーバ装置9では、送信側車載装置120から送信された車両情報TAを取得部911が取得して(ステップS201)、当該車両情報TAをデータ記録部92に集計データTDとして記録する(ステップS202)。
【0126】
図14、および、図15は、サーバ装置9から受信側車載装置120dに個別地点データtp1を送信する処理フローチャートである。受信側車載装置120dにおける表示装置20dの位置導出部202は、車両A1dの走行に伴い車両A1dの位置を導出して(ステップS301)、車両A1dの位置に対応した位置データをサーバ装置9に送信する(ステップS302)。
【0127】
サーバ装置9は、受信側車載装置120dからの位置データを取得して(ステップS401)、ステップS402の処理に進む。
【0128】
ステップS402では、受信側車載装置120dから取得した位置データの車両A1の位置に対応する地点データがサーバ装置9のデータ記録部92の地点データTPに記録されている場合(ステップS402がYes)は、地点データTPの中から車両A1dの位置に対応する地点データである個別地点データtp1を受信側車載装置120dに送信する(ステップS403)。つまり、地点データTPの中から車両A1dの位置に対応する位置情報の代表態様であるモード情報、および、画像情報を含む情報を受信側車載装置120dに送信する。なお、車両A1dの位置に対応する個別地点データtpがデータ記録部92の地点データTPに記録されていない場合(ステップS402がNo)は処理を終了する。
【0129】
受信側車載装置120dはサーバ装置9から個別地点データtp1を取得して(ステップS303)、ステップS304の処理に進む。
【0130】
ステップS304では、個別地点データtp1に記録されているモード情報および画像情報の少なくとも一つの情報により撮影画像を表示するモードを表示制御部201が切り替えて(ステップS304)、ステップS305の処理に進む。このように使用頻度が最も高いモードに切り替えられるため、モードの切り替えに煩雑な操作を伴うことなく、車両A1dの位置の走行環境に最適な態様で車両周辺の様子を確認できる。
【0131】
ステップS305では、車両A1dの位置が個別地点データtp1の地点を通過した位置でない場合(ステップS305がNo)は、ステップS307の処理に進む。なお、車両A1dの位置が個別地点データtpの地点を通過した位置の場合(ステップS305がYes)は、ユーザが切り替える前のモードに戻る制御を表示制御部201が行うことで、モードを切り替える前の撮影画像がディスプレイ24に表示される(ステップS306)。
【0132】
ステップS307では、個別地点データtp1に対応する地点を車両A1dが通過する前に、ユーザの操作によりモード切り替え操作が行われた場合(ステップS307がYes)は、ステップS308の処理に進む。なお、ユーザの操作によるモード切り替え操作が行われていない場合(ステップS307がNo)は、ステップS305の処理に戻る。
【0133】
ステップS308では、ユーザの切り替え操作に対応したモードの撮影画像をディスプレイ24に表示して(ステップS308)、ステップS309の処理に進む。
【0134】
ステップS309の処理では、3秒を超えてユーザのモード切り替え操作が行われない場合(ステップS309がYes)は、ステップS310の処理に進む。なお、3秒以内に別のモードへの切り替え操作がユーザにより行われた場合(ステップS309がNo)は、ステップS308の処理に戻りユーザの切り替え操作に対応した別のモードの撮影画像をディスプレイ24に表示する。
【0135】
ステップS310では、ディスプレイ24に表示される撮影画像の表示態様をユーザが切替えたときの車両A1dの位置を表示装置20dの位置導出部202が導出して(ステップS310)、ステップS311の処理に進む。
【0136】
ステップS311では、ディスプレイ24に表示される車載カメラの撮影画像の表示態様をユーザが切替えたときの車両A1dの位置情報と、ユーザによる切替え後の撮影画像の表示態様とを含む情報である車両情報をサーバ装置9に送信する(ステップS310)。
【0137】
サーバ装置9では、受信側車載装置120dからの車両情報を取得部911が取得して(ステップS404)、当該車両情報をデータ記録部92に集計データTDとして記録する(ステップS405)。このように、車両A1dの位置に対応する地点の代表態様の情報をサーバ装置9から取得して、ディスプレイ24に表示される画像を切り替える受信側車載装置120dからもユーザの切り替え操作に伴う新たな車両情報をサーバ装置9に送信することができる。そして、サーバ装置9に送信されたデータを蓄積することで、当該地点おける撮影画像の最適な表示態様を導出するための車両情報の蓄積が可能となる。
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態と第1の実施形態との相違点は次のとおりである。第1の実施の形態では、サーバ装置9が車両A1dの位置に対応する地点データを受信側車載装置120dに送信する場合、地点データTPの複数の地点ごとの表示態様のうち、受信側車載装置120dから受信した車両A1dの位置に対応する地点の代表態様を含む個別地点データtp1を送信していた。
【0138】
これに対して第2の実施の形態では、車両A1dの位置にかかわらず、地点データTPの複数の地点ごとの表示態様のうち全ての地点の表示態様を一度に車両A1dに送信する。以下、第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態においては、システム構成は第1の実施の形態と略同一であり、処理が相違する。以下では、相違点を中心に説明する。
【0139】
<2−1.システム構成>
図16は、受信側車載装置121dのブロック図である。表示装置20dの記憶部22dには、サーバ装置9のデータ記録部92に記録されている地点データTPと同じデータが記録されている。つまり、サーバ装置9から受信側車載装置121dに全ての代表態様のデータである地点データTPが所定タイミングで送信されて、記憶部22dに記憶されている。このように全ての地点の代表態様が予め記録されていることから、車両A1dの位置に応じてサーバ装置9との通信を行なうことなく、受信側車載装置121d単体で車両A1dの位置に対応した地点の代表態様によりディスプレイ24の表示態様を自動的に切り替えることができる。なお、受信側車載装置121dのその他の構成は図6に示した受信側車載装置120dの構成と同一である。
【0140】
<2−2.処理フローチャート>
図17および図18は、サーバ装置9から受信側車載装置121dに地点データTPを送信する処理フローチャートである。図17、および、図18の処理は第1の実施の形態中で説明した図14、および、図15の処理の一部が相違するものである。
【0141】
サーバ装置9は、データ記録部92に記録された全ての代表態様である地点データTPを一度に受信側車載装置121dに送信する(ステップS601)。つまり、地点データTPに記録された全地点の代表態様のデータをサーバ装置9から受信側車載装置121dに送信する。
【0142】
受信側車載装置121dは、サーバ装置9から送信された地点データTPを取得して(ステップS501)、ステップS301の処理に進む。
【0143】
ステップS301では、位置導出部202が車両A1dの位置を導出し(ステップS301)、ステップS502の処理に進む。
【0144】
ステップS502では、車両A1dの位置に対応する地点が、表示装置20dの記憶部22dに記憶された地点データTPに存在する場合(ステップS502がYes)は、ステップS503の処理に進む。
【0145】
ステップS503では、記憶部22dに記憶された地点データTPにより撮影画像を表示するモードを表示制御部201が切り替えて(ステップS503)、ステップS305の処理に進む。
【0146】
なお、車両A1dの位置に対応する地点のデータが地点データTPに存在しない場合(ステップS502がYes)は、表示制御部201によるディスプレイ24に表示されているモードの切り替えは行わずに、ステップS301の処理に戻り、位置導出部202が車両A1dの位置を導出する(ステップS301)。
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。なお、上記実施の形態で説明した形態、および、以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0147】
上記実施の形態において、一の地点について送信側車載装置120がサーバ装置9に車両情報TAを送信し、サーバ装置9から送信される代表態様を取得した受信側車載装置120dが当該代表態様による表示態様の切り替えを行うことについて述べた。これ以外にサーバ装置9に車両情報を送信する車載装置とサーバ装置9から代表態様を取得する車載装置については異なる組み合わせが可能である。
【0148】
例えば、一の地点において車載装置120b、120c、120dがサーバ装置9に車両情報を送信し、サーバ装置9から送信される代表態様を車載装置120aが取得するようにしてもよい。また、一の地点において車載装置120a、120b、120cがサーバ装置9に車両情報を送信し、同じ地点において車両情報を送信したのとは別のタイミングで車載装置120aを搭載した車両A1aが走行する場合に、サーバ装置9から送信される代表態様を車載装置120aが取得するようにしてもよい。
【0149】
また、上記実施の形態において、一つの車載装置が、上述した送信側車載装置120と受信側車載装置120dとの双方の機能を備えていてもよい。
【0150】
また、上記実施の形態において、送信側車載装置120、および、受信側車載装置120dによって実現されると説明した機能の一部は、サーバ装置9によって実現されるようにしてもよい。
【0151】
また、上記実施の形態において、サーバ装置9によって実現されると説明した機能の一部は、送信側車載装置120、および、受信側車載装置120dのいずれかによって実現されるようにしてもよい。
【0152】
また、上記実施の形態において、車両情報TA、集計データTD、および、地点データTPにおいて、表示態様(代表態様)を示す項目として説明した「モード情報」、および、「画像情報」については、表示態様(代表態様)の種類を判別可能な情報のみを記録するようにしてもよい。つまり、「モード情報」のみを記録してもよいし、「画像情報」のみを記録するようにしてもよい。また、表示態様を示す情報として、合成画像の仮想視点の情報を記録してもよい。つまり、仮想視点の視点位置、および、視野方向の情報を記録してもよい。
【0153】
また、上記実施の形態において、信号入力部42を介して画像処理装置100の制御部1に入力されると説明した信号の一部および全部のいずれかは、表示装置20に入力されるようになっていてもよい。この場合は、通信部41を経由して、画像処理装置100の制御部1に当該信号を入力すればよい。
【0154】
また、上記実施の形態において、車両が搭載している車載装置の種類をサーバ装置9のデータ記録部92に予め記録しておき、車両に搭載されている画像システムの種類に応じた代表態様の情報をサーバ装置9から車載装置に送信するようにしてもよい。つまり、車載装置の種類によって異なるモード情報、および、車載装置の種類によって異なる画像情報の少なくとも一つの情報を車載装置の種類に応じてサーバ装置9から車載装置を送信するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0155】
1・・・・・制御部
3・・・・・画像処理部
5・・・・・撮影部
10・・・・本体部
20・・・・表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な第1車載装置と、
車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な第2車載装置と、
前記第1車載装置及び前記第2車載装置と通信可能なサーバ装置と、
を備え、
(a)前記第1車載装置は、
(a−1)現在の車両の位置を取得する取得手段と、
(a−2)前記撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの車両の位置と、切り替え後の前記表示態様とを含む車両情報を前記サーバ装置に送信する送信手段と、
を備え、
(b)前記サーバ装置は、
(b−1)複数の車両の前記第1車載装置から前記車両情報を取得する取得手段と、
(b−2)前記車両情報に基づいて、前記車両情報が示す車両の位置において使用頻度が最も高い表示態様である代表態様を特定する特定手段と、
(b−3)車両の位置と、該位置の前記代表態様とを対応付けて記憶する記憶手段と、
(b−4)前記第2車載装置に、前記代表態様を送信する送信手段と、
を備え、
(c)前記第2車載装置は、
(c−1)現在の車両の位置を取得する取得手段と、
(c−2)現在の車両の位置に対応する前記代表態様で前記撮影画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
情報処理システムであって、
車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置と、
前記車載装置と通信可能なサーバ装置と、
を備え、
(a)前記車載装置は、
現在の車両の位置を取得する取得手段と、
前記撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの車両の位置と、切り替え後の前記表示態様とを含む車両情報を前記サーバ装置に送信する送信手段と、
を備え、
(b)前記サーバ装置は、
複数の車両の前記車載装置から前記車両情報を取得する取得手段と、
前記車両情報に基づいて、前記車両情報が示す車両の位置において使用頻度が最も高い表示態様である代表態様を特定する特定手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
情報処理システムであって、
車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置と、
前記車載装置と通信可能なサーバ装置と、
を備え、
(a)前記サーバ装置は、
車両の位置と、該位置において前記異なる表示態様のうち使用頻度が最も高い表示態様である代表態様とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記車載装置に、前記代表態様を送信する送信手段と、
を備え、
(b)前記車載装置は、
現在の車両の位置を取得する取得手段と、
現在の車両の位置に対応する前記代表態様で前記撮影画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置と通信可能なサーバ装置であって、
前記撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの車両の位置と、切り替え後の前記表示態様とを含む車両情報を、複数の車両の前記車載装置から取得する取得手段と、
前記車両情報に基づいて、前記車両情報が示す車両の位置において使用頻度が最も高い表示態様である代表態様を特定する特定手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項5】
車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置と通信可能なサーバ装置であって、
車両の位置と、該位置において前記異なる表示態様のうち使用頻度が最も高い表示態様である代表態様とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記車載装置に、前記代表態様を送信する送信手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項6】
請求項5に記載のサーバ装置において、
前記車載装置が使用される車両の位置を取得する取得手段、
をさらに備え、
前記送信手段は、前記車載装置が使用される車両の位置に対応する前記代表態様を送信することを特徴とするサーバ装置。
【請求項7】
請求項5に記載のサーバ装置において、
前記送信手段は、前記記憶手段に記憶される全ての前記代表態様を一度に送信することを特徴とするサーバ装置。
【請求項8】
車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置であって、
現在の車両の位置を取得する取得手段と、
前記撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの車両の位置と、切り替え後の前記表示態様とを含む車両情報を、所定のサーバ装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項9】
車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置であって、
現在の車両の位置を取得する第1取得手段と、
車両の位置と、該位置において前記異なる表示態様のうち使用頻度が最も高い表示態様である代表態様とを対応付けて記憶するサーバ装置から、前記代表態様を取得する第2取得手段と、
現在の車両の位置に対応する前記代表態様で前記撮影画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項10】
請求項9に記載の車載装置において、
前記第2取得手段は、前記第1取得手段に取得された車両の位置に対応する前記代表態様を取得することを特徴とする車載装置。
【請求項11】
請求項9に記載の車載装置において、
前記代表態様を記憶する記憶手段、
をさらに備え、
前記第2取得手段は、前記記憶手段に記憶される全ての前記代表態様を一度に取得し、
前記記憶手段に記憶させることを特徴とする車載装置。
【請求項12】
情報処理システムであって、
車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な表示手段と、
現在の車両の位置を取得する取得手段と、
前記撮影画像の表示態様をユーザが切替えたときの前記車両の位置と、切り替え後の前記表示態様とを含む車両情報に基づいて、前記車両情報が示す車両の位置において使用頻度が最も高い表示態様である代表態様を特定する特定手段と、
前記車両の位置と、該位置の前記代表態様とを対応付けて記憶する記憶手段と、
を備え、
前記表示手段は、前記現在の車両の位置に対応する前記代表態様で前記撮影画像を表示すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項1】
情報処理システムであって、
車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な第1車載装置と、
車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な第2車載装置と、
前記第1車載装置及び前記第2車載装置と通信可能なサーバ装置と、
を備え、
(a)前記第1車載装置は、
(a−1)現在の車両の位置を取得する取得手段と、
(a−2)前記撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの車両の位置と、切り替え後の前記表示態様とを含む車両情報を前記サーバ装置に送信する送信手段と、
を備え、
(b)前記サーバ装置は、
(b−1)複数の車両の前記第1車載装置から前記車両情報を取得する取得手段と、
(b−2)前記車両情報に基づいて、前記車両情報が示す車両の位置において使用頻度が最も高い表示態様である代表態様を特定する特定手段と、
(b−3)車両の位置と、該位置の前記代表態様とを対応付けて記憶する記憶手段と、
(b−4)前記第2車載装置に、前記代表態様を送信する送信手段と、
を備え、
(c)前記第2車載装置は、
(c−1)現在の車両の位置を取得する取得手段と、
(c−2)現在の車両の位置に対応する前記代表態様で前記撮影画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
情報処理システムであって、
車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置と、
前記車載装置と通信可能なサーバ装置と、
を備え、
(a)前記車載装置は、
現在の車両の位置を取得する取得手段と、
前記撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの車両の位置と、切り替え後の前記表示態様とを含む車両情報を前記サーバ装置に送信する送信手段と、
を備え、
(b)前記サーバ装置は、
複数の車両の前記車載装置から前記車両情報を取得する取得手段と、
前記車両情報に基づいて、前記車両情報が示す車両の位置において使用頻度が最も高い表示態様である代表態様を特定する特定手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
情報処理システムであって、
車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置と、
前記車載装置と通信可能なサーバ装置と、
を備え、
(a)前記サーバ装置は、
車両の位置と、該位置において前記異なる表示態様のうち使用頻度が最も高い表示態様である代表態様とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記車載装置に、前記代表態様を送信する送信手段と、
を備え、
(b)前記車載装置は、
現在の車両の位置を取得する取得手段と、
現在の車両の位置に対応する前記代表態様で前記撮影画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置と通信可能なサーバ装置であって、
前記撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの車両の位置と、切り替え後の前記表示態様とを含む車両情報を、複数の車両の前記車載装置から取得する取得手段と、
前記車両情報に基づいて、前記車両情報が示す車両の位置において使用頻度が最も高い表示態様である代表態様を特定する特定手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項5】
車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置と通信可能なサーバ装置であって、
車両の位置と、該位置において前記異なる表示態様のうち使用頻度が最も高い表示態様である代表態様とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記車載装置に、前記代表態様を送信する送信手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項6】
請求項5に記載のサーバ装置において、
前記車載装置が使用される車両の位置を取得する取得手段、
をさらに備え、
前記送信手段は、前記車載装置が使用される車両の位置に対応する前記代表態様を送信することを特徴とするサーバ装置。
【請求項7】
請求項5に記載のサーバ装置において、
前記送信手段は、前記記憶手段に記憶される全ての前記代表態様を一度に送信することを特徴とするサーバ装置。
【請求項8】
車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置であって、
現在の車両の位置を取得する取得手段と、
前記撮影画像の表示態様をユーザが切り替えたときの車両の位置と、切り替え後の前記表示態様とを含む車両情報を、所定のサーバ装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項9】
車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な車載装置であって、
現在の車両の位置を取得する第1取得手段と、
車両の位置と、該位置において前記異なる表示態様のうち使用頻度が最も高い表示態様である代表態様とを対応付けて記憶するサーバ装置から、前記代表態様を取得する第2取得手段と、
現在の車両の位置に対応する前記代表態様で前記撮影画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項10】
請求項9に記載の車載装置において、
前記第2取得手段は、前記第1取得手段に取得された車両の位置に対応する前記代表態様を取得することを特徴とする車載装置。
【請求項11】
請求項9に記載の車載装置において、
前記代表態様を記憶する記憶手段、
をさらに備え、
前記第2取得手段は、前記記憶手段に記憶される全ての前記代表態様を一度に取得し、
前記記憶手段に記憶させることを特徴とする車載装置。
【請求項12】
情報処理システムであって、
車両で使用されて該車両の周辺の撮影画像を異なる表示態様で表示可能な表示手段と、
現在の車両の位置を取得する取得手段と、
前記撮影画像の表示態様をユーザが切替えたときの前記車両の位置と、切り替え後の前記表示態様とを含む車両情報に基づいて、前記車両情報が示す車両の位置において使用頻度が最も高い表示態様である代表態様を特定する特定手段と、
前記車両の位置と、該位置の前記代表態様とを対応付けて記憶する記憶手段と、
を備え、
前記表示手段は、前記現在の車両の位置に対応する前記代表態様で前記撮影画像を表示すること、
を特徴とする情報処理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−191479(P2012−191479A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53971(P2011−53971)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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