情報処理システム、情報処理装置および情報処理方法
【課題】 情報コンテンツのレイアウト処理及び印刷処理を外部装置にて行う場合に、該外部装置より情報コンテンツに含まれる機密情報が漏洩するのを防止する。
【解決手段】 情報コンテンツに含まれる複数のデータをレイアウトし、可視出力する情報処理システムであって、出力用情報コンテンツ107とレイアウト用情報コンテンツ108とを生成する情報コンテンツ変換部101と、出力用情報コンテンツ107を暗号化し暗号化出力用情報コンテンツ110を生成するアクセス制御部104と、レイアウト用情報コンテンツ108をレイアウトし、レイアウトデータ109を生成するレイアウトデータ生成部102と、暗号化出力用情報コンテンツ110を復号し、レイアウトデータ109に基づいて出力コンテンツデータ111を生成する出力データ埋め込み部103とを備える。
【解決手段】 情報コンテンツに含まれる複数のデータをレイアウトし、可視出力する情報処理システムであって、出力用情報コンテンツ107とレイアウト用情報コンテンツ108とを生成する情報コンテンツ変換部101と、出力用情報コンテンツ107を暗号化し暗号化出力用情報コンテンツ110を生成するアクセス制御部104と、レイアウト用情報コンテンツ108をレイアウトし、レイアウトデータ109を生成するレイアウトデータ生成部102と、暗号化出力用情報コンテンツ110を復号し、レイアウトデータ109に基づいて出力コンテンツデータ111を生成する出力データ埋め込み部103とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報コンテンツに含まれる複数のデータをレイアウトし、可視出力するための情報処理技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダイレクトメールやサービスの利用明細書等は、個人向けにカスタマイズされた印刷物である。これらの印刷物は、各ページに共通する固定部分のデータと、各ページ毎に異なる可変部分のデータとから構成される情報コンテンツを適切にレイアウトし、印刷出力することにより得られる。
【0003】
固定部分とは、例えば、各ページに共通する明細書発行会社のロゴや、全顧客に対して通知されるメッセージ等であり、可変部分とは、例えば、各ページ毎に異なる個人の住所や氏名、その個人に宛てたメッセージや画像等である。
【0004】
このように、固定部分のデータと可変部分のデータとから構成される情報コンテンツを適切にレイアウトし、複数部出力する印刷は、一般に、バリアブル(可変)印刷と呼ばれる。これを実現するための手段としては、差込印刷やPPML(Personalized Printing Markup Language)を用いた印刷等が知られている。
【0005】
一般に、差込印刷は以下のような手順で行われる。まず、各ページで共通に印刷される固定部分のデータをレイアウトすることでテンプレートを作成し、ページ毎に異なる可変部分のデータを、作成したテンプレートの所望の位置に埋め込む指定を行うことで出力コンテンツデータを生成する。そして、印刷時には可変部分のデータをテンプレートに埋め込み、ページごとに異なるラスタデータを印刷機に送信することによって、印刷物を出力する。
【0006】
一方、PPMLとは、バリアブル印刷で利用されるページ記述言語であり、これを用いた印刷は以下のような手順で行われる。まず、PPMLにより、ページを構成するデータの単位であるオブジェクト(情報コンテンツを構成するデータ)を、ページ内にどのようにレイアウトするかを記述する。ここで、オブジェクトの一例としてはロゴなどの画像データ、テキストデータ或いはテキストデータを表現したPostScriptなどのページ記述言語が挙げられる。そして、印刷機で印刷する際に、各ページを構成するオブジェクトをそれぞれRIP(Raster Image Processor)処理し、該RIP処理されたラスタデータを指定されたページ構成となるように合成することで、印刷物を出力する。
【0007】
ここで、RIP処理とは、印刷するテキストデータ、PostScriptに代表されるベクタデータ、及び画像データなどから構成される出力コンテンツデータから、出力する印刷物のラスタデータ(2次元ビットマップ情報)を生成する処理である。
【0008】
なお、PPMLでは、複数のページに渡って繰り返し利用されるオブジェクトを、ラスタデータなどの形式でキャッシュすることを指定することができる。こうしてキャッシュされたオブジェクトを、複数ページに渡って再利用することによって、複数ページを高速に印刷することが可能となる。
【0009】
ここで、このように個人向けにカスタマイズされた印刷物を多量に出力する場合、情報コンテンツを構成するデータをレイアウトするための高価なソフトウェアや、高速に印刷を行うための印刷機といった特別な装置や設備が必要となってくる。このため、実際のレイアウト処理や印刷処理は外部業者に委託されることが多い。
【0010】
しかし、個人情報や画像などの機密情報を含む情報コンテンツは、企業にとって厳重に取り扱わなくてはならないデータ群であり、その処理を外部に委託する場合には、当該情報コンテンツを構成するデータの漏洩を防ぐことが重要となってくる。
【0011】
このため、従来より、ダイレクトメールの印刷に利用される個人情報の漏洩を防止するための印刷処理システムが提案されている。
【0012】
例えば、特許文献1の場合、発注者側の装置が個人情報を含む情報コンテンツを暗号化して、外部委託先の印刷業者の管理する印刷処理装置に送信し、印刷処理装置では、該暗号化された情報コンテンツを復号したうえで印刷する。さらに、印刷に利用された情報コンテンツは、印刷後に印刷処理装置内で自動的に消去される。このように構成することで、個人情報や画像などの機密情報を含む情報コンテンツが、印刷業者の手に触れられることがなくなり、情報コンテンツの漏洩を防止することが可能となっている。
【特許文献1】特開2003−196066号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ここで、外部委託が行われるような商業印刷ではデザイナ等の熟練者が専用のソフトウェアを用いて情報コンテンツを構成するデータのレイアウト処理(バリアブル印刷ではテンプレートの作成)を行うことが多い。
【0014】
しかしながら、上記従来技術のように、情報コンテンツを全て暗号化した上で、外部委託先に送信することとすると、外部委託先の印刷業者では、情報コンテンツを構成するデータを自由に取り扱うことができなくなってしまう。このため、発注者側で雛形(テンプレート)を作成しておき、外部委託先の印刷業者の管理する印刷処理装置では、その雛形に従って情報コンテンツを印刷するだけとなってしまう。つまり、レイアウト処理を外部に委託することができなくなってしまう。
【0015】
一方で、個人情報や画像などの機密情報を含む情報コンテンツを外部委託先の印刷業者に転送し、レイアウト処理(或いは、予めレイアウトされたデザインの修正)を依頼した場合、デザイナの不正により情報コンテンツが漏洩する危険性がある。
【0016】
このような問題を解決するための方法として、レイアウト処理を行うことを許可した印刷業者に対してのみ復号鍵を与えるといったアクセス制御方法も考えられる。
【0017】
しかしながら、そのような方法を用いた場合であっても、実際のレイアウト処理時には情報コンテンツが復号されるため、レイアウト処理中は印刷業者が情報コンテンツを構成するデータを自由に取り扱うことが可能な状態となっている。このため、レイアウト処理に際して印刷業者に不正があった場合には情報コンテンツが漏洩してしまうことが考えられる。
【0018】
このように、情報コンテンツのレイアウト処理及び印刷処理を外部に委託するにあたっては、情報コンテンツに含まれる個人情報や画像等の機密情報が、レイアウト処理時においても漏洩することがないようにしておくことが望ましい。
【0019】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、情報コンテンツのレイアウト処理及び印刷処理を外部装置にて行う場合に、該外部装置より情報コンテンツに含まれる機密情報が漏洩するのを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するための一手段として、本発明に係る情報処理システムは以下の構成を有する。即ち、
複数の情報処理装置が互いに通信可能に接続されることで、情報コンテンツに含まれるデータをレイアウトし、可視出力する情報処理システムであって、
前記第1の情報処理装置は、
前記レイアウトされ可視出力される前記データを、該データの属性を示す情報に変換する変換手段と、
前記レイアウトされ可視出力される前記データを暗号化する暗号化手段と、
前記情報を、前記第2の情報処理装置に送信し、前記暗号化手段により暗号化された前記データを、前記第3の情報処理装置に送信する送信手段と、を備え、
前記第2の情報処理装置は、
前記第1の情報処理装置における前記送信手段により送信された前記情報に基づいて、をレイアウトするためのレイアウトデータを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成されたレイアウトデータを前記第3の情報処理装置に送信する送信手段と、を備え、
前記第3の情報処理装置は、
前記第1の情報処理装置における前記送信手段により送信された前記データを復号する復号手段と、
前記復号手段により復号された前記データを、前記第3の情報処理装置における前記送信手段により送信されたレイアウトデータに基づいてレイアウトし、可視出力する出力手段とを備える。
【発明の効果】
【0021】
上記構成からなる本発明によれば、情報コンテンツのレイアウト処理及び印刷処理を外部装置にて行う場合に、該外部装置より情報コンテンツに含まれる機密情報が漏洩するのを防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して、本発明を、その好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
【0023】
<第1の実施形態>
1.情報処理システムの機能構成
図1に、本実施形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示す。同図に示すように、本実施形態にかかる情報処理システムは、発注者側の機能と外部委託先の機能とにより構成される。
【0024】
このうち、前者の機能は、情報コンテンツ変換部101とアクセス制御部104とにより実現される。
【0025】
情報コンテンツ変換部101は、ユーザ入力に基づいて、入力された情報コンテンツ106から、出力用情報コンテンツ107(詳細は後述)とレイアウト用情報コンテンツ108(詳細は後述)を生成する。
【0026】
アクセス制御部104は、生成した出力用情報コンテンツ107を暗号化し、許可されたエンティティのみがアクセスできる暗号化出力用情報コンテンツ110を生成する。
【0027】
一方、後者の機能は、レイアウトデータ生成部102と出力データ埋め込み部103と出力部105とにより実現される。
【0028】
レイアウトデータ生成部102は、ユーザ入力に基づいて、レイアウト用情報コンテンツ108からレイアウトデータ109(詳細は後述)を生成する。
【0029】
出力データ埋め込み部103は、暗号化出力用情報コンテンツ110を復号して出力用情報コンテンツ107を生成する。また、生成された出力用情報コンテンツ107をレイアウトデータ109に記述されるレイアウト情報に従ってレイアウトすることで、出力コンテンツデータ111を生成する。なお、出力データ埋め込み部103は、例えばプリンタドライバなどのレンラダラとして提供される。
【0030】
出力部105は、出力コンテンツデータ111を処理して出力コンテンツ112を生成し、出力する。なお、出力部105においては、出力コンテンツ112の出力後に、対応する出力コンテンツデータ111を削除する。出力部105は、例えば、印刷機やディスプレイとして実現される。
【0031】
なお、上記出力データ埋め込み部103及び出力部105は、耐タンパー性を有することが望ましい。これは、出力データ埋め込み部103及び出力部105で処理するデータを外部から解析して不正に読み出すことを困難にするとともに、出力データ埋め込み部103における処理を改竄して不正な処理を行わせることを困難にするためである。
【0032】
また、出力データ埋め込み部103から出力部105への伝達経路上のデータは、暗号化技術などにより保護されることが望ましい。
【0033】
2.発注者側の情報処理装置のハードウェア構成
図1の情報処理システムにおいて示した発注者側の機能を実現するための情報処理装置のハードウェア構成を図2に示す。
【0034】
図2は、情報コンテンツ変換部101及びアクセス制御部104として機能する情報処理装置のハードウェア構成、およびその周辺機器を示す図である。同図において、215は情報処理装置であり、例えば一般に普及しているパーソナルコンピュータによって実現される。
【0035】
情報処理装置215においては、情報コンテンツを構成する電子データをHD、CD、FD、及びDVDなどに蓄積したり、該蓄積した電子データをモニタ214に表示したりすることが可能である。更に、NIC213等を用いて、インターネット等を介して電子データを送受信することが可能である。
【0036】
また、ユーザからの各種指示等は、マウス211、及びキーボード212からの入力により行われる。情報処理装置215の内部では、バス201により後述する各ブロックが接続されることにより、種々の電子データの受け渡しが可能となっている。以下、情報処理装置215を構成する各ブロックについて説明する。
【0037】
214は、情報処理装置215における種々の情報を表示するモニタである。202は、情報処理装置215内の各部の動作を制御、或いはRAM204にロードされた制御プログラムを実行するCPUである。
【0038】
203は、BIOSやブートプログラムを記憶しているROMである。204は、CPU202にて処理を行うために一時的に制御プログラムや処理対象の電子データを格納しておくRAMであり、ここにOSや本実施形態にかかる情報処理方法を実現するための制御プログラム等がロードされる。
【0039】
205は、RAM204等に転送されるOSや制御プログラムをコンピュータ読取可能に格納したり、装置の動作中に電子データを格納したり、読み出したりするために使用されるハードディスク(HD)ドライブである。
【0040】
206は、外部記憶媒体の一つであるCD−ROM(CD−R)に記憶された電子データを読み込み或いは書き出しを可能とするCD−ROMドライブである。207は、CD−ROMドライブ206と同様に、FD(フロッピー(登録商標)ディスク)からの読み込み、およびFDへの書き出しを可能とするFDドライブである。208も、CD−ROMドライブ206と同様に、DVD−ROMからの読み込み、およびDVD−RAMへの書き出しを可能とするDVD−ROM(DVD−RAM)ドライブである。尚、CD−ROM、FD、DVD−ROM等に本実施形態にかかる情報処理方法を実現するための制御プログラムが記憶されている場合には、これら制御プログラムはHDドライブ205にインストールされ、必要に応じてRAM204に転送される。
【0041】
210は、情報処理装置215と各種周辺機器とを接続するインタフェース(I/F)である。マウス211やキーボード212はI/F210を介して情報処理装置215に接続されており、マウス211やキーボード212から入力された各種の指示は、I/F210を介してCPU202に入力される。
【0042】
209は、情報処理装置215において処理される電子データを、CPU202に代わって高速に処理するためのASICである。ASIC209は例えば、CPU202において処理される暗号化処理やRIP処理を、CPU202に代わって高速に処理する。
【0043】
なお、外部委託先の機能を実現するための情報処理装置のハードウェア構成も、基本的には同様の構成であるため、ここでは説明は省略する。
【0044】
3.情報処理システムの各部において処理される電子データ
次に、本実施形態にかかる情報処理システムの各部において処理される電子データについて、その概要を説明する。
【0045】
(1)情報コンテンツ106
情報コンテンツ106とは、後述する出力コンテンツ112を出力するために必要とされるテキストデータ、画像データ、映像データなどのディジタルデータからなる電子データ群である。
【0046】
図3に、情報コンテンツ106の一例を示す。同図において、301は個人情報データであり、個人情報と該個人に関連する情報とがリストとして構成されている。個人情報データ301は少なくとも、外部委託先において出力コンテンツ112として出力される“個人の氏名”(307)、“住所”(308)を含む。個人情報データ301はさらに、個人を特定する“ID番号”(306)、“個人の性別”(309)、その個人向けの出力コンテンツ112に埋め込まれるべき電子データを指定した情報(この例では“広告”)310を含んでもよい。
【0047】
302、303は画像データであり、304、305、311はテキストデータである。これらは、それぞれ出力コンテンツ112を生成するために利用される。
【0048】
(2)出力用情報コンテンツ107
出力用情報コンテンツ107とは、出力データ埋め込み部103において出力コンテンツデータ111を生成するために用いられ、レイアウトデータ109で記述されたオブジェクトとしてレイアウトされる電子データ群である。
【0049】
例えば、出力コンテンツ112が印刷物である場合、該印刷物に実際に印刷される画像データや文章などのテキストデータは、出力用情報コンテンツ107を構成する。なお、出力用情報コンテンツ107は、情報コンテンツ変換部101にて、情報コンテンツ106に基づいて生成される。
【0050】
図4Aは、図3に示す情報コンテンツ106に基づいて生成された出力用情報コンテンツ107の一例を示す図である。
【0051】
図4Aにおいて、401は、情報コンテンツ106内の個人情報に関するリストである個人情報データ301から生成された電子データである。詳細には、出力コンテンツ112として出力される情報(ID407、氏名408)を集めたリストと、そのリストから情報を特定するために必要なデータ(住所409)を含む。
【0052】
402、403、404、405、406はそれぞれ、情報コンテンツ106に含まれていた電子データである。なお、情報コンテンツ変換部101において出力用情報コンテンツ107を生成する時点で、出力コンテンツ112の具体的な構成が未定であれば、情報コンテンツ106に含まれている全ての電子データを出力用情報コンテンツ107のデータとしてもよい。
【0053】
なお、以下では、出力用情報コンテンツ107のファイル形式は、情報コンテンツ106と同じであるとして説明する。具体的には、出力用情報コンテンツは、出力データ埋め込み部103において処理が可能なデータ形式であれば良く、例えば、401をXML形式で記述することや、402、403をPostScript形式にデータ変換することも可能である。
【0054】
(3)レイアウト用情報コンテンツ108
レイアウト用情報コンテンツ108とは、レイアウトデータ生成部102において、レイアウトデータ109を生成するために利用される電子データ群である。レイアウト用情報コンテンツ108は、情報コンテンツ106に基づいて、情報コンテンツ変換部101において生成される。
【0055】
レイアウト用情報コンテンツ108は、具体的には、以下に例示するレイアウト属性情報を一つ以上含んでいる。これにより、外部委託先においてレイアウトデータ109を生成する際に、機密情報が漏洩することなく、デザイナがレイアウト処理を検討できるようになる。
【0056】
■情報コンテンツ106がテキストデータの場合のレイアウト用情報コンテンツの一例
−テキストデータを構成する文字数
−テキストデータが全角文字か半角文字かを示す情報
−テキストデータの文脈を示す情報
■情報コンテンツ106が画像データの場合のレイアウト用情報コンテンツの一例
−画像データの幅又は/及び高さ(寸法)
−赤っぽい、青っぽい等の画像データの色合いを表現した情報
−画像データを低解像度化した画像データ
−画像データに(可視或いは不可視の)透かしを入れた画像データ
−画像データの表現している情報(人物写真,風景写真などの指定)
−画像データのダミー(代替)の画像データ
−画像データのエンコーディング方法を示す情報
なお、レイアウト用情報コンテンツ108は上述の項目を複数組み合わせることによって表現されてもよい。
【0057】
例えば、情報コンテンツが「□□県●●●市△△△△1−2−3」のようなテキストデータであれば、レイアウト用情報コンテンツの一例としては「“都道府県”全角3文字」、「“市町村”全角4文字」、「“番地”全角9文字」となる。
【0058】
また、情報コンテンツが「鈴木一郎」のように氏名を表現するテキストデータであれば「“姓”2文字」、「“名”2文字」となる。ここで、例えば“都道府県”、“市町村”、“番地”、“姓”及び“名”のようにテキストデータの内容を表現した情報が前述したテキストデータの文脈の一例であり、“2文字”などの情報が文字数の一例である。
【0059】
一方、情報コンテンツが画像データの場合には、上述のような画像データの幅又は/及び高さのようなメタデータ又は/及びダミーの画像データをレイアウト用情報コンテンツ108として利用することができる。
【0060】
このようなレイアウト用情報コンテンツ108を情報コンテンツ106から抽出して外部委託先のデザイナに開示することによって、デザイナは情報コンテンツ106に含まれるデータをより自然に(デザイン性を考慮して)レイアウトすることができる。
【0061】
例えば、文脈等のように情報コンテンツを構成するデータの構成を示すことで、デザイナは、文字列の改行位置を適切に判断することができる。つまり、文脈についての情報がデザイナに開示されなかった場合には、例えば、“東京都大田区下丸子”というテキストが“東京都大田[改行]区下丸子”のような不自然なレイアウトになってしまう可能性があった。しかし、文脈についての情報が開示されることにより、デザイナは、“東京都大田区[改行]下丸子”のように、より自然なレイアウトを行うことが可能となる。
【0062】
また、画像データの色合いについての情報が開示されなかった場合には、該画像データの色合いに不釣合いな(見づらい)背景色を設定してしまう可能性があった。これに対して、デザイナは、色合いについての情報が開示されることにより自然な背景色を検討することが可能となる。さらに、文字数や画像のサイズ(幅及び/又は高さ)の情報を用いることによって、デザイナは、情報コンテンツを構成するデータを出力するために十分な領域を割り当ててレイアウトすることが可能となる。
【0063】
次に、図3に示す情報コンテンツ106に基づいて情報コンテンツ変換部101において生成された、レイアウト用情報コンテンツ108の一例を、図4Bを用いて説明する。
【0064】
図4Bにおいて、410は情報コンテンツ106内の個人情報データ301として示される、PersonalData.csvのレイアウト用情報コンテンツを、XML形式で記述したものである。また411は、情報コンテンツ106内の画像データ302として示されるcamera.jpgを、XML形式で記述したものである。
【0065】
なお、画像データ302から生成されるレイアウト用情報コンテンツ108として、412に示すようなサンプルの電子データ、すなわち本物の電子データではなく、本物の代替となる電子データを用いるようにしてもよい。
【0066】
ここで、XML形式からなる各電子データ410、411は複数のタグから構成されるが、それぞれのタグの表現する内容はその名称から明らかであるため、詳細な説明は省略する。また、レイアウト用情報コンテンツ108はXML形式に限定されるものではなく、その他のテキスト形式による記述や、バイナリデータによる記述であってもよい。さらに、レイアウト用情報コンテンツ108に含まれるデータの項目も上述したものに限定されるものではない。
【0067】
413は、出力コンテンツ112として出力される出力用情報コンテンツ107をレイアウトするために必要な情報コンテンツのメタ情報、すなわち、レイアウト属性情報である。このレイアウト属性情報としては、上述した情報コンテンツの幅・高さのピクセル数、テキストの文字数、エンコーディング方法、色合い情報などが挙げられる。
【0068】
414は、情報コンテンツ106から生成された出力用情報コンテンツ107の読み込みが、アクセス制御部104によって許可されなかった場合に、代替コンテンツとして表示するための情報である。例えば、画像データであれば情報コンテンツの解像度や色合いを低下させたもの、透かし文字を挿入したものであり、テキストデータであれば代替の文字列データなどとなる。
【0069】
415は、レイアウト用情報コンテンツ108に対応する出力用情報コンテンツ107へアクセスするためのURIなどである。416は、当該レイアウト用情報コンテンツ108を生成する元になった情報コンテンツ106の内容について記述したコメントである。417は、出力コンテンツ112を構成するオブジェクトの決定に利用される情報であり、例えばある個人へ挿入する広告の画像を指定したり、またはその性別によって色やデザインを変更すること等に利用される。
【0070】
(4)レイアウトデータ109
レイアウトデータ109とは、出力データ埋め込み部103が出力コンテンツデータ111を生成するために、オブジェクトをどのように配置するかを記述した電子データである。ここで、オブジェクトとは、出力コンテンツ112を構成する電子データの取扱い単位であり、出力コンテンツデータ111を構成するための出力用情報コンテンツ107に含まれる電子データは、オブジェクトを単位としてレイアウトされる。また、レイアウトデータ109は、情報コンテンツ変換部101において、情報コンテンツ106から生成されたレイアウト用情報コンテンツ108を用いて生成される。
【0071】
図5に、レイアウトデータ109の一例を示す。512はレイアウトデータ109のXML記述であり、513は、オブジェクトが画像データである場合の記述例である。
【0072】
図中、501は、レイアウトデータ109を用いて出力する出力コンテンツ112についての情報を記述するタグであり、例えば、印刷物の紙のサイズや、出力するディスプレイの解像度などがあげられる。
【0073】
502は、出力コンテンツを構成するオブジェクトについて記述するためのタグである。503は、出力用情報コンテンツを特定するための情報を記述するタグである。504は、出力用情報コンテンツ107のURIを記述するタグであり、出力用情報コンテンツ107が複数の情報からなるリスト形式である場合には、さらに、505、506を用いて、オブジェクトとして配置される出力用情報コンテンツ107を指定する。
【0074】
507は、アクセス制御された出力用情報コンテンツ107を取得できなかった場合に代替として表示するための情報を記述するためのタグである。508は、502で記述されたオブジェクトが、ページ内のどの座標に配置されるかを示したものである。509は、502で記述されたオブジェクトを出力する大きさを記述するタグである。510は、出力用情報コンテンツ107を変形させて出力するようにレイアウトした場合に用いるタグであり、511のタグでは、90度回転による出力を示している。
【0075】
尚、本発明におけるレイアウトデータの形式はXML形式に限定されることなく、出力データ埋め込み部103で処理可能なデータ形式であれば、その他のHTML形式やバイナリ形式など種々の形式を適応可能であることは明らかである。
【0076】
(5)出力コンテンツデータ111
出力コンテンツデータ111とは、出力部105が出力コンテンツ112を出力するために処理するデータであり、出力データ埋め込み部103によって生成される。例えば、出力部105が印刷機であれば、出力コンテンツデータ111は印刷機が処理するPostScriptやラスタデータであり、出力コンテンツ112は印刷物である。或いは、出力部105がディスプレイであれば、出力コンテンツデータ111はディスプレイに入力されるビットマップデータであり、出力コンテンツ112はディスプレイに表示される画面出力である。
【0077】
(6)出力コンテンツ112
出力コンテンツ112とは、情報コンテンツ106を複数レイアウトして出力部105によって出力されるコンテンツのことであり、例えば紙媒体に出力された印刷物や、ディスプレイに出力される画面出力等、可視出力されたコンテンツのことを指す。
【0078】
図6に、図3に示した情報コンテンツ106を用いて生成される出力コンテンツ112の一例を示す。図中、601、602はそれぞれ、印刷物やディスプレイに出力される出力コンテンツ112の一例である。出力コンテンツ601、602は各々、情報コンテンツ106に含まれる“個人の氏名”(603、607)、“個人の住所”(604、608)、“広告”(605、609)、画像データ(606、610)、作成元の会社の情報(611)から構成される。なお、会社情報611は、全てのページに固定で出力される。
【0079】
4.情報処理システムを構成する各部の詳細構成
以下、印刷物としての出力コンテンツを出力するための各部の構成について、詳細に説明する。すなわち、図3に例示した情報コンテンツ106を用いて、図6に例示した出力コンテンツ112を印刷物として出力する場合の各部の構成を詳細に説明する。
【0080】
なお、本発明は、印刷物の出力に限定されず、画面出力やその他の出力媒体に出力する場合にも適用可能であることはいうまでもない。
【0081】
(1)情報コンテンツ変換部101の詳細構成ならびに処理の流れ
まず、情報コンテンツ変換部101の詳細構成について、図7を用いて説明する。図7は、情報コンテンツ変換部101の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように情報コンテンツ変換部101は、情報コンテンツ入力部701、入力部702と、出力用情報コンテンツ生成部703および出力部704、そしてレイアウト用情報コンテンツ生成部705および出力部706、から構成される。
【0082】
情報コンテンツ入力部701は、情報コンテンツ106を外部より読み込む。入力部702は、マウス211及びキーボード212を介したユーザからの各種指示に基づく制御情報を入力する。
【0083】
出力用情報コンテンツ生成部703は、入力部702より入力される制御情報と、情報コンテンツ入力部701で読み込まれた情報コンテンツ106とを入力し、出力用情報コンテンツ107を生成する。生成された出力用情報コンテンツ107は、出力用情報コンテンツ出力部704を介して出力される。
【0084】
ここで、入力部702から入力される制御情報は、情報コンテンツ106にて生成される出力用情報コンテンツ107のデータの設定を行う。データの設定とは、例えば、情報コンテンツ106のどのデータを、どのような形式で出力用情報コンテンツ107として出力するかを指定するものである。なお、入力部702から入力される各種指示による設定について、ユーザが予め定義したデータがあれば、そのデータを入力部702からの入力としてもよい。
【0085】
レイアウト用情報コンテンツ生成部705は、入力部702より入力される制御情報と、情報コンテンツ入力部701で読み込まれた情報コンテンツ106を入力し、レイアウト用情報コンテンツ108を生成する。生成されたレイアウト用情報コンテンツ108は、レイアウト用情報コンテンツ出力部706を介して出力される。
【0086】
ここで、入力部702から入力される制御情報は、情報コンテンツ106から生成するレイアウト用情報コンテンツ108のデータの設定を行う。データの設定とは、例えば、情報コンテンツ106のどのデータを、どのような形式でレイアウト用情報コンテンツ108として出力するかを指定するものである。
【0087】
ここで、情報コンテンツ入力部701、出力用情報コンテンツ出力部704、及び、レイアウト用情報コンテンツ出力部706は、外部構成との電子データの受け渡しを可能とする。この際の電子データとは、NIC213などのネットワークインタフェースや、CD、FD、DVDに代表されるメディア媒体の入出力装置、または、コンピュータ内のプロセス間通信処理などの電子データである。
【0088】
続いて、情報コンテンツ変換部101において実行される処理のうち、レイアウト用情報コンテンツの生成処理の流れについて図8を用いて説明する。まず、ステップS801では、情報コンテンツ入力部701が、情報コンテンツを読み込む。
【0089】
続いて、ステップS802では、情報コンテンツ入力部701が情報コンテンツをレイアウト用情報コンテンツ生成部705に送信し、ここで前述のレイアウト属性情報を抽出する。
【0090】
例えば、情報コンテンツがテキストデータの場合には、テキストデータには文字数や文脈などの情報が含まれていないため、レイアウト用情報コンテンツ生成部705は入力されたテキストデータからレイアウト属性情報を計算(抽出)する。つまり、レイアウト用情報コンテンツ生成部705はレイアウト属性情報が文字数であればテキストデータの文字数を計算し、文脈であれば構文解析処理を行うことによってレイアウト属性情報を抽出する。
【0091】
一方、情報コンテンツが画像データの場合には、画像データの画素ごとに色情報を統計処理することによって色合い情報を計算する。また、画像の幅又は/及び高さのような情報が情報コンテンツにあらかじめ記述されている(例えば、画像のヘッダに記述される)場合には、その情報を読み取ってレイアウト属性情報として設定(コピー)することも可能である。
【0092】
さらに、ユーザがテキストエディタや画像編集ソフトを操作してレイアウト属性情報を生成してもよいし、上述のように抽出(計算又はコピー)されたレイアウト属性情報を修正(編集)してもよい。或いは、あらかじめ生成されている画像データなどを(ダミーデータとして)ユーザが選択してもよい。
【0093】
次に、ステップS803では、レイアウト用情報コンテンツ生成部705で抽出したレイアウト属性情報のうち、レイアウト用情報コンテンツとしてデザイナに開示する情報を入力部702を介して選択する。ここで、開示するレイアウト属性情報は、あらかじめ設定されたレイアウト属性情報のデータ項目に従って自動的に選択が行われてもよいし、デザイナに公開されるレイアウト属性情報をユーザが選択してもよい。後者の場合には、例えば、情報コンテンツ変換部101によって提示される複数のダミーデータからユーザが選択する。
【0094】
ステップS804では、選択されたレイアウト属性情報に基づいてレイアウト用情報コンテンツを生成する。
【0095】
(2)アクセス制御部104における処理
次に、アクセス制御部104における処理について、図9を用いて説明する。図9は、アクセス制御部104の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、アクセス制御部104は、データ入力部901、暗号処理部902、暗号鍵管理部903、及び、データ出力部904から構成される。アクセス制御部104は、情報コンテンツ変換部101が生成した出力用情報コンテンツ107に対し、出力データ埋め込み部103及び発注者が許可した装置や人物等のエンティティのみが、出力用情報コンテンツ107を読み出せるように制御する。
【0096】
データ入力部901は、情報コンテンツ変換部101において生成された出力用情報コンテンツ107を読み込む。暗号処理部902は、暗号鍵管理部903に管理された暗号鍵と、データ入力部901で読み込んだ出力用情報コンテンツ107を入力して暗号化処理を行い、暗号化出力用情報コンテンツ110を生成する。
【0097】
暗号鍵管理部903は、出力用情報コンテンツ107の暗号化に用いられる暗号鍵を、不正にアクセスされないように管理する。データ出力部904は、暗号処理部902において生成された暗号化出力用情報コンテンツ110を外部に出力する。
【0098】
ここで、データ入力部901及びデータ出力部904は、外部構成との電子データの受け渡しを可能とする。この際の電子データとは、NIC213などのネットワークインタフェースや、CD、FD、DVDに代表されるメディア媒体の入出力装置、または、コンピュータ内のプロセス間通信処理などの電子データである。また、暗号鍵管理部903は、HDドライブ205やRAM204に代表される記憶装置上で実現される。
【0099】
(3)レイアウトデータ生成部102の詳細構成
次に、レイアウトデータ生成部102の詳細構成について、図10を用いて説明する。図10は、レイアウトデータ生成部102の内部構成を示すブロック図である。同図に示すようにレイアウトデータ生成部102は、レイアウト用情報コンテンツ入力部1001、レイアウト用情報コンテンツ処理部1002、レイアウトデータ生成処理部1003、入力部1004、及び、レイアウトデータ出力部1005より構成される。
【0100】
レイアウト用情報コンテンツ入力部1001は、情報コンテンツ変換部101で生成したレイアウト用情報コンテンツ108を読み込む。レイアウト用情報コンテンツ処理部1002は、レイアウト用情報コンテンツ108内に記述されたデータ項目を読み出す。
【0101】
レイアウトデータ生成処理部1003は、レイアウト用情報コンテンツ処理部1002で読み出されたレイアウト用情報コンテンツ108のデータ項目と、入力部1004より入力される制御情報を用いてレイアウトデータ109を生成する。
【0102】
ここで、入力部1004から入力される制御情報とは、マウス211及びキーボード212から入力されるユーザからの各種指示に基づくものである。具体的には、レイアウト用情報コンテンツ108に記述された各種電子データを利用し、出力コンテンツ112を構成するオブジェクトのレイアウトを指定するものである。
【0103】
例えば、レイアウト用情報コンテンツ108に記述された、出力用情報コンテンツ107の幅や高さ等の情報413やサンプルデータ414を参考に、出力コンテンツ112を構成する出力用情報コンテンツ107のレイアウトを指定する。
【0104】
ここで、レイアウトデータ生成処理部1003は、図4Bで示したレイアウト用情報コンテンツを、(XML形式のテキストではなく)可視化してデザイナに提示してもよい。例えば、デザイナに「全角5文字のテキスト」であることを提示する代わりに“○○○○○”という代替の文字列を提示してもよい。あるいは、「“都道府県”全角3文字」、「“市町村”全角4文字」、「“番地”全角9文字」と提示する代わりに“○○県○○○町○○−○○−○○○”という代替の文字列を提示してもよい。
【0105】
レイアウトデータ出力部1005は、レイアウトデータ生成処理部1003で生成されたレイアウトデータ109を出力する。ここで、レイアウトデータ出力部1005は、外部構成との電子データの受け渡しを可能とする。この際の電子データとは、NIC213などのネットワークインタフェースや、CD、FD、DVDに代表されるメディア媒体の入出力装置、または、コンピュータ内のプロセス間通信処理などの電子データである。
【0106】
(4)出力データ埋め込み部103の詳細構成
以下、出力データ埋め込み部103における処理について、図11を用いて説明する。図11は、出力データ埋め込み部103の内部構成を示すブロック図であり、出力データ埋め込み部103は以下の構成からなる。
【0107】
すなわち、レイアウトデータ入力部1101、レイアウトデータ処理部1102、出力用情報コンテンツ変換命令管理部1103、ページ構成管理部1104、サンプルコンテンツ管理部1105を含む。さらに、暗号化出力用情報コンテンツ入力部1106、復号処理部1107、出力用情報コンテンツ変換部1108、情報コンテンツ埋め込み合成部1109、出力コンテンツデータ生成部1110、出力部1111、及び、復号鍵管理部1112を含む。
【0108】
出力データ埋め込み部103においては、レイアウトデータ109と出力用情報コンテンツ107とを入力し、出力コンテンツデータ111を出力する。
【0109】
レイアウトデータ入力部1101では、レイアウトデータ生成部102で生成したレイアウトデータ109を読み込む。レイアウトデータ処理部1102では、レイアウトデータ109内に記述された情報を、出力用情報コンテンツ変換命令管理部1103、ページ構成管理部1104、サンプルコンテンツ管理部1105にそれぞれ格納する。
【0110】
ここで、出力用情報コンテンツ変換命令管理部1103で管理されるデータとは、例えば、レイアウトデータ109の一例である図5において、タグ510によって指定される、オブジェクトの変換情報である。
【0111】
また、ページ構成管理部1104で管理するページ構成管理データとは、例えば、図5において501、508、509で記述されたページのサイズや、ページ内に配置するオブジェクトの位置を示す情報である。
【0112】
また、サンプルコンテンツ管理部1105で管理される情報とは、例えば、図5において508で記述されるような、出力用情報コンテンツ107を取得できなかった場合に代替出力されるサンプルデータである。また、プレビュー表示対象となるプレビューデータを、サンプルデータとして保持しておくことも有効である。
【0113】
暗号化出力用情報コンテンツ入力部1106では、暗号化出力用情報コンテンツ110を読み込む。復号処理部1107では、復号鍵管理部1112において管理された復号鍵を用いて、暗号化出力用情報コンテンツ入力部1106で読み込まれた暗号化出力用情報コンテンツ110を復号して、出力用情報コンテンツ107を得る。
【0114】
復号鍵管理部1112は、アクセス制御部104内の暗号処理部902において暗号化された出力用情報コンテンツを復号するための復号鍵を管理する。なお、復号鍵管理部1112において管理される復号鍵は、予め定められた手順によって、安全に渡されたものであるとする。
【0115】
ここで、復号鍵管理部1112は、予め指定された条件を満たした場合にのみ、復号処理部1107へ復号鍵を渡すようにしても良い。この条件とは例えば、出力用情報コンテンツ107へアクセスするユーザや、出力用情報コンテンツ107への全体閲覧、一部閲覧、編集などのアクセス種類等が挙げられる。また、出力用情報コンテンツ107の復号を許可する期間、復号を許可する回数、或いは印刷物の出力の枚数、等も条件として利用可能である。
【0116】
出力用情報コンテンツ変換部1108は、復号処理部1107において復号された出力用情報コンテンツ107を、出力用情報コンテンツ変換命令管理部1103に管理されたデータに従って変換する。情報コンテンツ埋め込み合成部1109は、ページ構成管理部1104に管理されたデータを用いて、出力用情報コンテンツ変換部1108で変換された出力用情報コンテンツ107を配置し、合成する。
【0117】
なお、復号処理部1107で復号できなかった等の理由により出力用情報コンテンツ107を取得できなかった場合には、出力用情報コンテンツ107の代わりに、サンプルコンテンツ管理部1105に管理されたサンプルデータを埋め込んでも良い。
【0118】
出力コンテンツデータ生成部1110は、情報コンテンツ埋め込み合成部1109で生成したデータを用いて、出力コンテンツデータ111を生成する。出力部1111は、生成された出力コンテンツデータ111を外部に出力する。
【0119】
ここで、出力用情報コンテンツ変換命令管理部1103、ページ構成管理部1104、サンプルコンテンツ管理部1105は、HDドライブ205やRAM204に代表される記憶装置上において実現される。
【0120】
出力部1111は、外部構成との電子データの受け渡しを可能とする。この際の電子データとは、NIC213などのネットワークインタフェースや、CD、FD、DVDに代表されるメディア媒体の入出力装置、コンピュータ内のプロセス間通信処理などである。また、プリンタ、ディスプレイへのインターフェースなどの電子データ等も考えられる。
【0121】
以上、本実施形態において、図1に示す情報コンテンツ106に基づいて、出力用情報コンテンツ107とレイアウト用情報コンテンツ108とを抽出し、最終的に出力コンテンツ112として出力するまでの各部の処理について説明した。以下、本実施形態にかかる情報処理システムを、実際の印刷業務に適用する例について具体的に説明する。
【0122】
5.実施例1
はじめに、情報コンテンツ106を所有する企業(発注者)が、外部委託先であるレイアウト業者にレイアウト処理を委託するとともに、印刷業者に、レイアウト処理された情報コンテンツを印刷物として出力する印刷処理を委託するケースについて説明する。
【0123】
5.1 情報処理システム
図12Aに、発注者が、外部委託先であるレイアウト業者と印刷業者にそれぞれレイアウト処理と印刷処理を委託する場合の情報処理システムの構成例を示す。
【0124】
同図に示すように、発注者PC1201(第1の情報処理装置)、レイアウト業者PC1203(第2の情報処理装置)、印刷業者PC1204(第3の情報処理装置)は互いに通信可能に接続されている。
【0125】
発注者PC1201は、図1に示す情報コンテンツ変換部101とアクセス制御部104とを有する。また、レイアウト業者PC1203は、レイアウトデータ生成部102を有し、印刷業者PC1204は、出力データ埋め込み部103、出力部105を有する。
【0126】
これにより、発注者PC1201内の情報コンテンツ106が、最終的に印刷業者PC1204から出力コンテンツ112として印刷出力される。なお、図12Aに示す各部により送信されるデータについては、既に説明済みであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0127】
5.2 処理の流れ
図12Bは、図12Aに示す情報処理システムにおける処理の流れを示す図である。図12Bは、発注者PC1201より情報コンテンツ106のレイアウト処理をレイアウト業者に依頼し、レイアウト処理の結果得られたレイアウトデータを用いて印刷業者PC1204にて印刷物を出力する場合のシーケンスを示している。
【0128】
まず、ステップS1201では、発注者PC1201の情報コンテンツ変換部101が処理を実行し、出力用情報コンテンツ107とレイアウト用情報コンテンツ108を生成する。次に、ステップS1202では、発注者PC1201が、レイアウト用情報コンテンツ108をレイアウト業者に送信する(第1の送信手段)。
【0129】
一方、ステップS1201において生成された出力用情報コンテンツ107についてはステップS1206にて、アクセス制御部104が処理を実行することで、暗号化出力用情報コンテンツ110を生成する。ステップS1207では、生成された暗号化出力用情報コンテンツ110は印刷業者PC1204に送信される(第2の送信手段)。
【0130】
レイアウト用情報コンテンツ108を受信したレイアウト業者PC1203では、ステップS1203にて、レイアウトデータ生成部102を実行して、レイアウトデータ109を生成する。その後、ステップS1204にて、これを印刷業者PC1204に送信する(第3の送信手段)。
【0131】
印刷業者PC1204では、必要であればレイアウト業者PC1203から受け取ったレイアウトデータ109の修正を行う(ステップS1205)。
【0132】
次に、レイアウトデータ109と暗号化出力用情報コンテンツ110を出力データ埋め込み部103で処理することによって、出力コンテンツデータ111を生成する(ステップS1208)。
【0133】
最後に、出力コンテンツデータ111を、出力部105である印刷機で処理することによって、印刷物としての出力コンテンツ112を出力する(ステップS1209)。
【0134】
以上説明したように本実施形態によれば、出力用情報コンテンツに対してアクセス制限を目的とした暗号化が施されるため、機密データの漏洩が防止できる。加えて、レイアウト用情報コンテンツを用いてレイアウトを行い、出力コンテンツデータを生成することができる。すなわち、個人情報などの情報コンテンツ106の内容を印刷業者やデザイン企業に開示することなく、レイアウト用情報コンテンツ108を用いて自由にレイアウトし、最終的に出力コンテンツデータ111を出力することが可能となる。
【0135】
6.実施例2
次に、情報コンテンツ106を所有する企業(発注者)が、外部委託先である印刷業者にレイアウト処理及び印刷処理を委託するケースについて説明する。
【0136】
6.1 情報処理システム
図13Aに、発注者が、外部委託先である印刷業者に、レイアウト処理と印刷処理とを委託する場合の情報処理システムの構成例を示す。
【0137】
同図に示すように、発注者PC1301と印刷業者PC1302とは互いに通信可能に接続されている。
【0138】
発注者PC1301は、図1に示す情報コンテンツ変換部101とアクセス制御部104を有し、印刷業者PC1302は、レイアウトデータ生成部102、出力データ埋め込み部103、出力部105を有している。
【0139】
これにより、発注者PC1301内の情報コンテンツ106が、最終的に印刷業者PC1302から出力コンテンツ112として印刷出力される。なお、図13Aに示す各部により送信されるデータについては、既に説明済みであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0140】
6.2 処理の流れ
図13Bに、図13Aに示す情報処理システムにおける処理の流れを示す図である。図13Bは、発注者PC1301において情報コンテンツ106を変換してから、印刷業者PC1302において印刷物(出力コンテンツ112)を出力するまでのシーケンスを示している。
【0141】
まず、発注者PC1301の情報コンテンツ変換部101が処理を実行し、出力用情報コンテンツ107とレイアウト用情報コンテンツ108を生成する(ステップS1301)。次に、発注者PC1301が、レイアウト用情報コンテンツ108を印刷業者PC1302に送信する(ステップS1302)。
【0142】
印刷業者PC1302では、レイアウトデータ生成部102を実行してレイアウト用情報コンテンツ108を処理し、レイアウトデータ109を生成する(ステップS1304)。
【0143】
発注者PC1301では、出力用情報コンテンツ107をアクセス制御部104で処理して暗号化出力用情報コンテンツ110を生成し(ステップS1303)、これを印刷業者PC1302に送信する(ステップS1305)。
【0144】
印刷業者PC1302では、出力データ埋め込み部103を実行して暗号化出力用情報コンテンツ110とレイアウトデータ109を処理し、出力コンテンツデータ111を生成する(ステップS1306)。
【0145】
最後に印刷業者PC1302では、出力コンテンツデータ111を出力部105である印刷機で処理することによって、印刷物としての出力コンテンツ112を出力する(ステップS1307)。
【0146】
ここで、ステップS1303において暗号化に用いられる暗号鍵は、出力データ埋め込み部103において復号可能な暗号鍵であり、出力データ埋め込み部103は耐タンパー性を有する。したがって、本実施形態における暗号化出力用情報コンテンツ110を、印刷業者に対して秘匿することができる。なお、アクセス制御部104の実行(ステップS1303)は、レイアウト用情報コンテンツ108を印刷業者に送信する(ステップS1302)タイミングよりも以前とすることも可能である。
【0147】
以上説明したように本実施形態によれば、出力用情報コンテンツに対してアクセス制限を目的とした暗号化が施されるため、機密データの漏洩が防止できる。加えて、レイアウト用情報コンテンツを用いてレイアウトを行い、出力コンテンツデータを生成することができる。すなわち、個人情報などの情報コンテンツ106の内容を印刷業者に開示することなく、レイアウト用情報コンテンツ108を用いて自由にレイアウトし、最終的に出力コンテンツデータ111を出力することが可能となる。
【0148】
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、アクセス制御部104において出力用情報コンテンツ107の暗号化処理のみを行って、暗号化出力用情報コンテンツ110を出力する例を示した。しかしながら、本発明における情報処理システムのアクセス制御部の機能はこれに限定されず、例えば、アクセス制御部104に対し、アクセス認証機能を有したサーバのような機能を持たせるようにしてもよい。例えば、IDやパスワード、又は、生体情報により認証を行い、認証されたエンティティに対してのみデータを配信するサーバなどが考えられる。
【0149】
また、上記第1の実施形態においては、暗号化出力用情報コンテンツ110が出力データ埋め込み部103において、レイアウトデータ109とともに処理される例を示した。しかしながら、本発明における情報処理システムの暗号化出力用情報コンテンツ110の出力先はこれに限定されない。例えば、暗号化出力用情報コンテンツ110とレイアウト用情報コンテンツ108を、レイアウトデータ生成部102で処理してレイアウトデータ109を生成するようにしてもよい。この場合、暗号化出力用情報コンテンツ110はそのまま、レイアウトデータ109の内部データとなる。そして、出力データ埋め込み部103では、もちろん暗号化出力用情報コンテンツ110を入力せずに、暗号化出力用情報コンテンツ110を復号し、出力用情報コンテンツ107を生成することができる。
【0150】
<第3の実施形態>
上記第1の実施形態では、レイアウト用情報コンテンツ108からレイアウトデータ109を生成する場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、ダミーデータを用いて印刷物のテンプレートを作成し、そのテンプレートとレイアウト用情報コンテンツ108とを用いてレイアウトデータ109を生成するようにしてもよい。
【0151】
例えばダミーデータとはPersonalData.csv401における“氏名”(408)の情報であれば、“鈴木一郎”のように情報コンテンツの中身を代替できるテキストデータである。
【0152】
また、画像データ302(camera.jpg)のような広告として差し込まれる画像であれば、単に無地の画像を表示する画像データでもよい。さらに、氏名408のダミーデータには“情報コンテンツ106に含まれる氏名が最大で20文字である”というような情報が付属されることが望ましい。同様に、画像データ302(camera.jpg)のダミーデータには“広告の画像は最大で縦Xピクセル、横Yピクセル”のように、情報コンテンツ106の特徴を表現した情報が付属されることが望ましい。
【0153】
図14を用いて、以下にテンプレートの一例を説明する。1401は図6に示す印刷物を生成するために利用可能なテンプレートである。テンプレートデータは1ページごとに可変となるデータ部分を、1402〜1406に示すように変数と変数が出力される領域の座標や大きさとによって記述する。また、1402に示すように、各ページ間で固定して利用される情報はその識別子を記述してよい。
【0154】
レイアウトデータ109を生成する時には、テンプレートの変数として記述された領域に、レイアウト用情報コンテンツ108を代入していくことによって図5に示したレイアウトデータ109を生成する。ここで、テンプレートに記述された変数にレイアウト用情報コンテンツ108を代入する前に、レイアウト用情報コンテンツ108の文字列長やサイズなどのレイアウト属性情報を利用して領域の大きさを調節してもよい。レイアウトデータ109を印刷する処理については、既に説明した方法が適用可能であるためここでは説明を省略する。
【0155】
<他の実施形態>
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0156】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給するよう構成することによっても達成されることはいうまでもない。この場合、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することにより、上記機能が実現されることとなる。なお、この場合、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0157】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0158】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現される場合に限られない。例えば、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0159】
さらに、記録媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。つまり、プログラムコードがメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
【図2】図1の情報処理システムにおいて示した発注者側の機能を実現するための情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図3】情報コンテンツ106の一例を示す図である。
【図4A】図3に示す情報コンテンツ106に基づいて生成された出力用情報コンテンツ107の一例を示す図である。
【図4B】図3に示す情報コンテンツ106に基づいて情報コンテンツ変換部101において生成された、レイアウト用情報コンテンツ108の一例を示す図である。
【図5】レイアウトデータ109の一例を示す図である。
【図6】図3に示した情報コンテンツ106を用いて生成される出力コンテンツ112の一例を示す図である。
【図7】情報コンテンツ変換部101の内部構成を示すブロック図である。
【図8】情報コンテンツ変換部101における情報コンテンツ変換処理のうち、レイアウト用情報コンテンツ生成処理の流れを示す図である。
【図9】アクセス制御部104の内部構成を示すブロック図である。
【図10】レイアウトデータ生成部102の内部構成を示すブロック図である。
【図11】出力データ埋め込み部103の内部構成を示すブロック図である。
【図12A】発注者が、外部委託先であるレイアウト業者と印刷業者にそれぞれレイアウト処理と印刷処理を委託する場合の情報処理システムの構成例を示す図である。
【図12B】図12Aに示す情報処理システムにおける処理の流れを示す図である。
【図13A】発注者が、外部委託先である印刷業者に、レイアウト処理と印刷処理を委託する場合の情報処理システムの構成例を示す図である。
【図13B】図13Aに示す情報処理システムにおける処理の流れを示す図である。
【図14】テンプレートの一例を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報コンテンツに含まれる複数のデータをレイアウトし、可視出力するための情報処理技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダイレクトメールやサービスの利用明細書等は、個人向けにカスタマイズされた印刷物である。これらの印刷物は、各ページに共通する固定部分のデータと、各ページ毎に異なる可変部分のデータとから構成される情報コンテンツを適切にレイアウトし、印刷出力することにより得られる。
【0003】
固定部分とは、例えば、各ページに共通する明細書発行会社のロゴや、全顧客に対して通知されるメッセージ等であり、可変部分とは、例えば、各ページ毎に異なる個人の住所や氏名、その個人に宛てたメッセージや画像等である。
【0004】
このように、固定部分のデータと可変部分のデータとから構成される情報コンテンツを適切にレイアウトし、複数部出力する印刷は、一般に、バリアブル(可変)印刷と呼ばれる。これを実現するための手段としては、差込印刷やPPML(Personalized Printing Markup Language)を用いた印刷等が知られている。
【0005】
一般に、差込印刷は以下のような手順で行われる。まず、各ページで共通に印刷される固定部分のデータをレイアウトすることでテンプレートを作成し、ページ毎に異なる可変部分のデータを、作成したテンプレートの所望の位置に埋め込む指定を行うことで出力コンテンツデータを生成する。そして、印刷時には可変部分のデータをテンプレートに埋め込み、ページごとに異なるラスタデータを印刷機に送信することによって、印刷物を出力する。
【0006】
一方、PPMLとは、バリアブル印刷で利用されるページ記述言語であり、これを用いた印刷は以下のような手順で行われる。まず、PPMLにより、ページを構成するデータの単位であるオブジェクト(情報コンテンツを構成するデータ)を、ページ内にどのようにレイアウトするかを記述する。ここで、オブジェクトの一例としてはロゴなどの画像データ、テキストデータ或いはテキストデータを表現したPostScriptなどのページ記述言語が挙げられる。そして、印刷機で印刷する際に、各ページを構成するオブジェクトをそれぞれRIP(Raster Image Processor)処理し、該RIP処理されたラスタデータを指定されたページ構成となるように合成することで、印刷物を出力する。
【0007】
ここで、RIP処理とは、印刷するテキストデータ、PostScriptに代表されるベクタデータ、及び画像データなどから構成される出力コンテンツデータから、出力する印刷物のラスタデータ(2次元ビットマップ情報)を生成する処理である。
【0008】
なお、PPMLでは、複数のページに渡って繰り返し利用されるオブジェクトを、ラスタデータなどの形式でキャッシュすることを指定することができる。こうしてキャッシュされたオブジェクトを、複数ページに渡って再利用することによって、複数ページを高速に印刷することが可能となる。
【0009】
ここで、このように個人向けにカスタマイズされた印刷物を多量に出力する場合、情報コンテンツを構成するデータをレイアウトするための高価なソフトウェアや、高速に印刷を行うための印刷機といった特別な装置や設備が必要となってくる。このため、実際のレイアウト処理や印刷処理は外部業者に委託されることが多い。
【0010】
しかし、個人情報や画像などの機密情報を含む情報コンテンツは、企業にとって厳重に取り扱わなくてはならないデータ群であり、その処理を外部に委託する場合には、当該情報コンテンツを構成するデータの漏洩を防ぐことが重要となってくる。
【0011】
このため、従来より、ダイレクトメールの印刷に利用される個人情報の漏洩を防止するための印刷処理システムが提案されている。
【0012】
例えば、特許文献1の場合、発注者側の装置が個人情報を含む情報コンテンツを暗号化して、外部委託先の印刷業者の管理する印刷処理装置に送信し、印刷処理装置では、該暗号化された情報コンテンツを復号したうえで印刷する。さらに、印刷に利用された情報コンテンツは、印刷後に印刷処理装置内で自動的に消去される。このように構成することで、個人情報や画像などの機密情報を含む情報コンテンツが、印刷業者の手に触れられることがなくなり、情報コンテンツの漏洩を防止することが可能となっている。
【特許文献1】特開2003−196066号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ここで、外部委託が行われるような商業印刷ではデザイナ等の熟練者が専用のソフトウェアを用いて情報コンテンツを構成するデータのレイアウト処理(バリアブル印刷ではテンプレートの作成)を行うことが多い。
【0014】
しかしながら、上記従来技術のように、情報コンテンツを全て暗号化した上で、外部委託先に送信することとすると、外部委託先の印刷業者では、情報コンテンツを構成するデータを自由に取り扱うことができなくなってしまう。このため、発注者側で雛形(テンプレート)を作成しておき、外部委託先の印刷業者の管理する印刷処理装置では、その雛形に従って情報コンテンツを印刷するだけとなってしまう。つまり、レイアウト処理を外部に委託することができなくなってしまう。
【0015】
一方で、個人情報や画像などの機密情報を含む情報コンテンツを外部委託先の印刷業者に転送し、レイアウト処理(或いは、予めレイアウトされたデザインの修正)を依頼した場合、デザイナの不正により情報コンテンツが漏洩する危険性がある。
【0016】
このような問題を解決するための方法として、レイアウト処理を行うことを許可した印刷業者に対してのみ復号鍵を与えるといったアクセス制御方法も考えられる。
【0017】
しかしながら、そのような方法を用いた場合であっても、実際のレイアウト処理時には情報コンテンツが復号されるため、レイアウト処理中は印刷業者が情報コンテンツを構成するデータを自由に取り扱うことが可能な状態となっている。このため、レイアウト処理に際して印刷業者に不正があった場合には情報コンテンツが漏洩してしまうことが考えられる。
【0018】
このように、情報コンテンツのレイアウト処理及び印刷処理を外部に委託するにあたっては、情報コンテンツに含まれる個人情報や画像等の機密情報が、レイアウト処理時においても漏洩することがないようにしておくことが望ましい。
【0019】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、情報コンテンツのレイアウト処理及び印刷処理を外部装置にて行う場合に、該外部装置より情報コンテンツに含まれる機密情報が漏洩するのを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するための一手段として、本発明に係る情報処理システムは以下の構成を有する。即ち、
複数の情報処理装置が互いに通信可能に接続されることで、情報コンテンツに含まれるデータをレイアウトし、可視出力する情報処理システムであって、
前記第1の情報処理装置は、
前記レイアウトされ可視出力される前記データを、該データの属性を示す情報に変換する変換手段と、
前記レイアウトされ可視出力される前記データを暗号化する暗号化手段と、
前記情報を、前記第2の情報処理装置に送信し、前記暗号化手段により暗号化された前記データを、前記第3の情報処理装置に送信する送信手段と、を備え、
前記第2の情報処理装置は、
前記第1の情報処理装置における前記送信手段により送信された前記情報に基づいて、をレイアウトするためのレイアウトデータを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成されたレイアウトデータを前記第3の情報処理装置に送信する送信手段と、を備え、
前記第3の情報処理装置は、
前記第1の情報処理装置における前記送信手段により送信された前記データを復号する復号手段と、
前記復号手段により復号された前記データを、前記第3の情報処理装置における前記送信手段により送信されたレイアウトデータに基づいてレイアウトし、可視出力する出力手段とを備える。
【発明の効果】
【0021】
上記構成からなる本発明によれば、情報コンテンツのレイアウト処理及び印刷処理を外部装置にて行う場合に、該外部装置より情報コンテンツに含まれる機密情報が漏洩するのを防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して、本発明を、その好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
【0023】
<第1の実施形態>
1.情報処理システムの機能構成
図1に、本実施形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示す。同図に示すように、本実施形態にかかる情報処理システムは、発注者側の機能と外部委託先の機能とにより構成される。
【0024】
このうち、前者の機能は、情報コンテンツ変換部101とアクセス制御部104とにより実現される。
【0025】
情報コンテンツ変換部101は、ユーザ入力に基づいて、入力された情報コンテンツ106から、出力用情報コンテンツ107(詳細は後述)とレイアウト用情報コンテンツ108(詳細は後述)を生成する。
【0026】
アクセス制御部104は、生成した出力用情報コンテンツ107を暗号化し、許可されたエンティティのみがアクセスできる暗号化出力用情報コンテンツ110を生成する。
【0027】
一方、後者の機能は、レイアウトデータ生成部102と出力データ埋め込み部103と出力部105とにより実現される。
【0028】
レイアウトデータ生成部102は、ユーザ入力に基づいて、レイアウト用情報コンテンツ108からレイアウトデータ109(詳細は後述)を生成する。
【0029】
出力データ埋め込み部103は、暗号化出力用情報コンテンツ110を復号して出力用情報コンテンツ107を生成する。また、生成された出力用情報コンテンツ107をレイアウトデータ109に記述されるレイアウト情報に従ってレイアウトすることで、出力コンテンツデータ111を生成する。なお、出力データ埋め込み部103は、例えばプリンタドライバなどのレンラダラとして提供される。
【0030】
出力部105は、出力コンテンツデータ111を処理して出力コンテンツ112を生成し、出力する。なお、出力部105においては、出力コンテンツ112の出力後に、対応する出力コンテンツデータ111を削除する。出力部105は、例えば、印刷機やディスプレイとして実現される。
【0031】
なお、上記出力データ埋め込み部103及び出力部105は、耐タンパー性を有することが望ましい。これは、出力データ埋め込み部103及び出力部105で処理するデータを外部から解析して不正に読み出すことを困難にするとともに、出力データ埋め込み部103における処理を改竄して不正な処理を行わせることを困難にするためである。
【0032】
また、出力データ埋め込み部103から出力部105への伝達経路上のデータは、暗号化技術などにより保護されることが望ましい。
【0033】
2.発注者側の情報処理装置のハードウェア構成
図1の情報処理システムにおいて示した発注者側の機能を実現するための情報処理装置のハードウェア構成を図2に示す。
【0034】
図2は、情報コンテンツ変換部101及びアクセス制御部104として機能する情報処理装置のハードウェア構成、およびその周辺機器を示す図である。同図において、215は情報処理装置であり、例えば一般に普及しているパーソナルコンピュータによって実現される。
【0035】
情報処理装置215においては、情報コンテンツを構成する電子データをHD、CD、FD、及びDVDなどに蓄積したり、該蓄積した電子データをモニタ214に表示したりすることが可能である。更に、NIC213等を用いて、インターネット等を介して電子データを送受信することが可能である。
【0036】
また、ユーザからの各種指示等は、マウス211、及びキーボード212からの入力により行われる。情報処理装置215の内部では、バス201により後述する各ブロックが接続されることにより、種々の電子データの受け渡しが可能となっている。以下、情報処理装置215を構成する各ブロックについて説明する。
【0037】
214は、情報処理装置215における種々の情報を表示するモニタである。202は、情報処理装置215内の各部の動作を制御、或いはRAM204にロードされた制御プログラムを実行するCPUである。
【0038】
203は、BIOSやブートプログラムを記憶しているROMである。204は、CPU202にて処理を行うために一時的に制御プログラムや処理対象の電子データを格納しておくRAMであり、ここにOSや本実施形態にかかる情報処理方法を実現するための制御プログラム等がロードされる。
【0039】
205は、RAM204等に転送されるOSや制御プログラムをコンピュータ読取可能に格納したり、装置の動作中に電子データを格納したり、読み出したりするために使用されるハードディスク(HD)ドライブである。
【0040】
206は、外部記憶媒体の一つであるCD−ROM(CD−R)に記憶された電子データを読み込み或いは書き出しを可能とするCD−ROMドライブである。207は、CD−ROMドライブ206と同様に、FD(フロッピー(登録商標)ディスク)からの読み込み、およびFDへの書き出しを可能とするFDドライブである。208も、CD−ROMドライブ206と同様に、DVD−ROMからの読み込み、およびDVD−RAMへの書き出しを可能とするDVD−ROM(DVD−RAM)ドライブである。尚、CD−ROM、FD、DVD−ROM等に本実施形態にかかる情報処理方法を実現するための制御プログラムが記憶されている場合には、これら制御プログラムはHDドライブ205にインストールされ、必要に応じてRAM204に転送される。
【0041】
210は、情報処理装置215と各種周辺機器とを接続するインタフェース(I/F)である。マウス211やキーボード212はI/F210を介して情報処理装置215に接続されており、マウス211やキーボード212から入力された各種の指示は、I/F210を介してCPU202に入力される。
【0042】
209は、情報処理装置215において処理される電子データを、CPU202に代わって高速に処理するためのASICである。ASIC209は例えば、CPU202において処理される暗号化処理やRIP処理を、CPU202に代わって高速に処理する。
【0043】
なお、外部委託先の機能を実現するための情報処理装置のハードウェア構成も、基本的には同様の構成であるため、ここでは説明は省略する。
【0044】
3.情報処理システムの各部において処理される電子データ
次に、本実施形態にかかる情報処理システムの各部において処理される電子データについて、その概要を説明する。
【0045】
(1)情報コンテンツ106
情報コンテンツ106とは、後述する出力コンテンツ112を出力するために必要とされるテキストデータ、画像データ、映像データなどのディジタルデータからなる電子データ群である。
【0046】
図3に、情報コンテンツ106の一例を示す。同図において、301は個人情報データであり、個人情報と該個人に関連する情報とがリストとして構成されている。個人情報データ301は少なくとも、外部委託先において出力コンテンツ112として出力される“個人の氏名”(307)、“住所”(308)を含む。個人情報データ301はさらに、個人を特定する“ID番号”(306)、“個人の性別”(309)、その個人向けの出力コンテンツ112に埋め込まれるべき電子データを指定した情報(この例では“広告”)310を含んでもよい。
【0047】
302、303は画像データであり、304、305、311はテキストデータである。これらは、それぞれ出力コンテンツ112を生成するために利用される。
【0048】
(2)出力用情報コンテンツ107
出力用情報コンテンツ107とは、出力データ埋め込み部103において出力コンテンツデータ111を生成するために用いられ、レイアウトデータ109で記述されたオブジェクトとしてレイアウトされる電子データ群である。
【0049】
例えば、出力コンテンツ112が印刷物である場合、該印刷物に実際に印刷される画像データや文章などのテキストデータは、出力用情報コンテンツ107を構成する。なお、出力用情報コンテンツ107は、情報コンテンツ変換部101にて、情報コンテンツ106に基づいて生成される。
【0050】
図4Aは、図3に示す情報コンテンツ106に基づいて生成された出力用情報コンテンツ107の一例を示す図である。
【0051】
図4Aにおいて、401は、情報コンテンツ106内の個人情報に関するリストである個人情報データ301から生成された電子データである。詳細には、出力コンテンツ112として出力される情報(ID407、氏名408)を集めたリストと、そのリストから情報を特定するために必要なデータ(住所409)を含む。
【0052】
402、403、404、405、406はそれぞれ、情報コンテンツ106に含まれていた電子データである。なお、情報コンテンツ変換部101において出力用情報コンテンツ107を生成する時点で、出力コンテンツ112の具体的な構成が未定であれば、情報コンテンツ106に含まれている全ての電子データを出力用情報コンテンツ107のデータとしてもよい。
【0053】
なお、以下では、出力用情報コンテンツ107のファイル形式は、情報コンテンツ106と同じであるとして説明する。具体的には、出力用情報コンテンツは、出力データ埋め込み部103において処理が可能なデータ形式であれば良く、例えば、401をXML形式で記述することや、402、403をPostScript形式にデータ変換することも可能である。
【0054】
(3)レイアウト用情報コンテンツ108
レイアウト用情報コンテンツ108とは、レイアウトデータ生成部102において、レイアウトデータ109を生成するために利用される電子データ群である。レイアウト用情報コンテンツ108は、情報コンテンツ106に基づいて、情報コンテンツ変換部101において生成される。
【0055】
レイアウト用情報コンテンツ108は、具体的には、以下に例示するレイアウト属性情報を一つ以上含んでいる。これにより、外部委託先においてレイアウトデータ109を生成する際に、機密情報が漏洩することなく、デザイナがレイアウト処理を検討できるようになる。
【0056】
■情報コンテンツ106がテキストデータの場合のレイアウト用情報コンテンツの一例
−テキストデータを構成する文字数
−テキストデータが全角文字か半角文字かを示す情報
−テキストデータの文脈を示す情報
■情報コンテンツ106が画像データの場合のレイアウト用情報コンテンツの一例
−画像データの幅又は/及び高さ(寸法)
−赤っぽい、青っぽい等の画像データの色合いを表現した情報
−画像データを低解像度化した画像データ
−画像データに(可視或いは不可視の)透かしを入れた画像データ
−画像データの表現している情報(人物写真,風景写真などの指定)
−画像データのダミー(代替)の画像データ
−画像データのエンコーディング方法を示す情報
なお、レイアウト用情報コンテンツ108は上述の項目を複数組み合わせることによって表現されてもよい。
【0057】
例えば、情報コンテンツが「□□県●●●市△△△△1−2−3」のようなテキストデータであれば、レイアウト用情報コンテンツの一例としては「“都道府県”全角3文字」、「“市町村”全角4文字」、「“番地”全角9文字」となる。
【0058】
また、情報コンテンツが「鈴木一郎」のように氏名を表現するテキストデータであれば「“姓”2文字」、「“名”2文字」となる。ここで、例えば“都道府県”、“市町村”、“番地”、“姓”及び“名”のようにテキストデータの内容を表現した情報が前述したテキストデータの文脈の一例であり、“2文字”などの情報が文字数の一例である。
【0059】
一方、情報コンテンツが画像データの場合には、上述のような画像データの幅又は/及び高さのようなメタデータ又は/及びダミーの画像データをレイアウト用情報コンテンツ108として利用することができる。
【0060】
このようなレイアウト用情報コンテンツ108を情報コンテンツ106から抽出して外部委託先のデザイナに開示することによって、デザイナは情報コンテンツ106に含まれるデータをより自然に(デザイン性を考慮して)レイアウトすることができる。
【0061】
例えば、文脈等のように情報コンテンツを構成するデータの構成を示すことで、デザイナは、文字列の改行位置を適切に判断することができる。つまり、文脈についての情報がデザイナに開示されなかった場合には、例えば、“東京都大田区下丸子”というテキストが“東京都大田[改行]区下丸子”のような不自然なレイアウトになってしまう可能性があった。しかし、文脈についての情報が開示されることにより、デザイナは、“東京都大田区[改行]下丸子”のように、より自然なレイアウトを行うことが可能となる。
【0062】
また、画像データの色合いについての情報が開示されなかった場合には、該画像データの色合いに不釣合いな(見づらい)背景色を設定してしまう可能性があった。これに対して、デザイナは、色合いについての情報が開示されることにより自然な背景色を検討することが可能となる。さらに、文字数や画像のサイズ(幅及び/又は高さ)の情報を用いることによって、デザイナは、情報コンテンツを構成するデータを出力するために十分な領域を割り当ててレイアウトすることが可能となる。
【0063】
次に、図3に示す情報コンテンツ106に基づいて情報コンテンツ変換部101において生成された、レイアウト用情報コンテンツ108の一例を、図4Bを用いて説明する。
【0064】
図4Bにおいて、410は情報コンテンツ106内の個人情報データ301として示される、PersonalData.csvのレイアウト用情報コンテンツを、XML形式で記述したものである。また411は、情報コンテンツ106内の画像データ302として示されるcamera.jpgを、XML形式で記述したものである。
【0065】
なお、画像データ302から生成されるレイアウト用情報コンテンツ108として、412に示すようなサンプルの電子データ、すなわち本物の電子データではなく、本物の代替となる電子データを用いるようにしてもよい。
【0066】
ここで、XML形式からなる各電子データ410、411は複数のタグから構成されるが、それぞれのタグの表現する内容はその名称から明らかであるため、詳細な説明は省略する。また、レイアウト用情報コンテンツ108はXML形式に限定されるものではなく、その他のテキスト形式による記述や、バイナリデータによる記述であってもよい。さらに、レイアウト用情報コンテンツ108に含まれるデータの項目も上述したものに限定されるものではない。
【0067】
413は、出力コンテンツ112として出力される出力用情報コンテンツ107をレイアウトするために必要な情報コンテンツのメタ情報、すなわち、レイアウト属性情報である。このレイアウト属性情報としては、上述した情報コンテンツの幅・高さのピクセル数、テキストの文字数、エンコーディング方法、色合い情報などが挙げられる。
【0068】
414は、情報コンテンツ106から生成された出力用情報コンテンツ107の読み込みが、アクセス制御部104によって許可されなかった場合に、代替コンテンツとして表示するための情報である。例えば、画像データであれば情報コンテンツの解像度や色合いを低下させたもの、透かし文字を挿入したものであり、テキストデータであれば代替の文字列データなどとなる。
【0069】
415は、レイアウト用情報コンテンツ108に対応する出力用情報コンテンツ107へアクセスするためのURIなどである。416は、当該レイアウト用情報コンテンツ108を生成する元になった情報コンテンツ106の内容について記述したコメントである。417は、出力コンテンツ112を構成するオブジェクトの決定に利用される情報であり、例えばある個人へ挿入する広告の画像を指定したり、またはその性別によって色やデザインを変更すること等に利用される。
【0070】
(4)レイアウトデータ109
レイアウトデータ109とは、出力データ埋め込み部103が出力コンテンツデータ111を生成するために、オブジェクトをどのように配置するかを記述した電子データである。ここで、オブジェクトとは、出力コンテンツ112を構成する電子データの取扱い単位であり、出力コンテンツデータ111を構成するための出力用情報コンテンツ107に含まれる電子データは、オブジェクトを単位としてレイアウトされる。また、レイアウトデータ109は、情報コンテンツ変換部101において、情報コンテンツ106から生成されたレイアウト用情報コンテンツ108を用いて生成される。
【0071】
図5に、レイアウトデータ109の一例を示す。512はレイアウトデータ109のXML記述であり、513は、オブジェクトが画像データである場合の記述例である。
【0072】
図中、501は、レイアウトデータ109を用いて出力する出力コンテンツ112についての情報を記述するタグであり、例えば、印刷物の紙のサイズや、出力するディスプレイの解像度などがあげられる。
【0073】
502は、出力コンテンツを構成するオブジェクトについて記述するためのタグである。503は、出力用情報コンテンツを特定するための情報を記述するタグである。504は、出力用情報コンテンツ107のURIを記述するタグであり、出力用情報コンテンツ107が複数の情報からなるリスト形式である場合には、さらに、505、506を用いて、オブジェクトとして配置される出力用情報コンテンツ107を指定する。
【0074】
507は、アクセス制御された出力用情報コンテンツ107を取得できなかった場合に代替として表示するための情報を記述するためのタグである。508は、502で記述されたオブジェクトが、ページ内のどの座標に配置されるかを示したものである。509は、502で記述されたオブジェクトを出力する大きさを記述するタグである。510は、出力用情報コンテンツ107を変形させて出力するようにレイアウトした場合に用いるタグであり、511のタグでは、90度回転による出力を示している。
【0075】
尚、本発明におけるレイアウトデータの形式はXML形式に限定されることなく、出力データ埋め込み部103で処理可能なデータ形式であれば、その他のHTML形式やバイナリ形式など種々の形式を適応可能であることは明らかである。
【0076】
(5)出力コンテンツデータ111
出力コンテンツデータ111とは、出力部105が出力コンテンツ112を出力するために処理するデータであり、出力データ埋め込み部103によって生成される。例えば、出力部105が印刷機であれば、出力コンテンツデータ111は印刷機が処理するPostScriptやラスタデータであり、出力コンテンツ112は印刷物である。或いは、出力部105がディスプレイであれば、出力コンテンツデータ111はディスプレイに入力されるビットマップデータであり、出力コンテンツ112はディスプレイに表示される画面出力である。
【0077】
(6)出力コンテンツ112
出力コンテンツ112とは、情報コンテンツ106を複数レイアウトして出力部105によって出力されるコンテンツのことであり、例えば紙媒体に出力された印刷物や、ディスプレイに出力される画面出力等、可視出力されたコンテンツのことを指す。
【0078】
図6に、図3に示した情報コンテンツ106を用いて生成される出力コンテンツ112の一例を示す。図中、601、602はそれぞれ、印刷物やディスプレイに出力される出力コンテンツ112の一例である。出力コンテンツ601、602は各々、情報コンテンツ106に含まれる“個人の氏名”(603、607)、“個人の住所”(604、608)、“広告”(605、609)、画像データ(606、610)、作成元の会社の情報(611)から構成される。なお、会社情報611は、全てのページに固定で出力される。
【0079】
4.情報処理システムを構成する各部の詳細構成
以下、印刷物としての出力コンテンツを出力するための各部の構成について、詳細に説明する。すなわち、図3に例示した情報コンテンツ106を用いて、図6に例示した出力コンテンツ112を印刷物として出力する場合の各部の構成を詳細に説明する。
【0080】
なお、本発明は、印刷物の出力に限定されず、画面出力やその他の出力媒体に出力する場合にも適用可能であることはいうまでもない。
【0081】
(1)情報コンテンツ変換部101の詳細構成ならびに処理の流れ
まず、情報コンテンツ変換部101の詳細構成について、図7を用いて説明する。図7は、情報コンテンツ変換部101の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように情報コンテンツ変換部101は、情報コンテンツ入力部701、入力部702と、出力用情報コンテンツ生成部703および出力部704、そしてレイアウト用情報コンテンツ生成部705および出力部706、から構成される。
【0082】
情報コンテンツ入力部701は、情報コンテンツ106を外部より読み込む。入力部702は、マウス211及びキーボード212を介したユーザからの各種指示に基づく制御情報を入力する。
【0083】
出力用情報コンテンツ生成部703は、入力部702より入力される制御情報と、情報コンテンツ入力部701で読み込まれた情報コンテンツ106とを入力し、出力用情報コンテンツ107を生成する。生成された出力用情報コンテンツ107は、出力用情報コンテンツ出力部704を介して出力される。
【0084】
ここで、入力部702から入力される制御情報は、情報コンテンツ106にて生成される出力用情報コンテンツ107のデータの設定を行う。データの設定とは、例えば、情報コンテンツ106のどのデータを、どのような形式で出力用情報コンテンツ107として出力するかを指定するものである。なお、入力部702から入力される各種指示による設定について、ユーザが予め定義したデータがあれば、そのデータを入力部702からの入力としてもよい。
【0085】
レイアウト用情報コンテンツ生成部705は、入力部702より入力される制御情報と、情報コンテンツ入力部701で読み込まれた情報コンテンツ106を入力し、レイアウト用情報コンテンツ108を生成する。生成されたレイアウト用情報コンテンツ108は、レイアウト用情報コンテンツ出力部706を介して出力される。
【0086】
ここで、入力部702から入力される制御情報は、情報コンテンツ106から生成するレイアウト用情報コンテンツ108のデータの設定を行う。データの設定とは、例えば、情報コンテンツ106のどのデータを、どのような形式でレイアウト用情報コンテンツ108として出力するかを指定するものである。
【0087】
ここで、情報コンテンツ入力部701、出力用情報コンテンツ出力部704、及び、レイアウト用情報コンテンツ出力部706は、外部構成との電子データの受け渡しを可能とする。この際の電子データとは、NIC213などのネットワークインタフェースや、CD、FD、DVDに代表されるメディア媒体の入出力装置、または、コンピュータ内のプロセス間通信処理などの電子データである。
【0088】
続いて、情報コンテンツ変換部101において実行される処理のうち、レイアウト用情報コンテンツの生成処理の流れについて図8を用いて説明する。まず、ステップS801では、情報コンテンツ入力部701が、情報コンテンツを読み込む。
【0089】
続いて、ステップS802では、情報コンテンツ入力部701が情報コンテンツをレイアウト用情報コンテンツ生成部705に送信し、ここで前述のレイアウト属性情報を抽出する。
【0090】
例えば、情報コンテンツがテキストデータの場合には、テキストデータには文字数や文脈などの情報が含まれていないため、レイアウト用情報コンテンツ生成部705は入力されたテキストデータからレイアウト属性情報を計算(抽出)する。つまり、レイアウト用情報コンテンツ生成部705はレイアウト属性情報が文字数であればテキストデータの文字数を計算し、文脈であれば構文解析処理を行うことによってレイアウト属性情報を抽出する。
【0091】
一方、情報コンテンツが画像データの場合には、画像データの画素ごとに色情報を統計処理することによって色合い情報を計算する。また、画像の幅又は/及び高さのような情報が情報コンテンツにあらかじめ記述されている(例えば、画像のヘッダに記述される)場合には、その情報を読み取ってレイアウト属性情報として設定(コピー)することも可能である。
【0092】
さらに、ユーザがテキストエディタや画像編集ソフトを操作してレイアウト属性情報を生成してもよいし、上述のように抽出(計算又はコピー)されたレイアウト属性情報を修正(編集)してもよい。或いは、あらかじめ生成されている画像データなどを(ダミーデータとして)ユーザが選択してもよい。
【0093】
次に、ステップS803では、レイアウト用情報コンテンツ生成部705で抽出したレイアウト属性情報のうち、レイアウト用情報コンテンツとしてデザイナに開示する情報を入力部702を介して選択する。ここで、開示するレイアウト属性情報は、あらかじめ設定されたレイアウト属性情報のデータ項目に従って自動的に選択が行われてもよいし、デザイナに公開されるレイアウト属性情報をユーザが選択してもよい。後者の場合には、例えば、情報コンテンツ変換部101によって提示される複数のダミーデータからユーザが選択する。
【0094】
ステップS804では、選択されたレイアウト属性情報に基づいてレイアウト用情報コンテンツを生成する。
【0095】
(2)アクセス制御部104における処理
次に、アクセス制御部104における処理について、図9を用いて説明する。図9は、アクセス制御部104の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、アクセス制御部104は、データ入力部901、暗号処理部902、暗号鍵管理部903、及び、データ出力部904から構成される。アクセス制御部104は、情報コンテンツ変換部101が生成した出力用情報コンテンツ107に対し、出力データ埋め込み部103及び発注者が許可した装置や人物等のエンティティのみが、出力用情報コンテンツ107を読み出せるように制御する。
【0096】
データ入力部901は、情報コンテンツ変換部101において生成された出力用情報コンテンツ107を読み込む。暗号処理部902は、暗号鍵管理部903に管理された暗号鍵と、データ入力部901で読み込んだ出力用情報コンテンツ107を入力して暗号化処理を行い、暗号化出力用情報コンテンツ110を生成する。
【0097】
暗号鍵管理部903は、出力用情報コンテンツ107の暗号化に用いられる暗号鍵を、不正にアクセスされないように管理する。データ出力部904は、暗号処理部902において生成された暗号化出力用情報コンテンツ110を外部に出力する。
【0098】
ここで、データ入力部901及びデータ出力部904は、外部構成との電子データの受け渡しを可能とする。この際の電子データとは、NIC213などのネットワークインタフェースや、CD、FD、DVDに代表されるメディア媒体の入出力装置、または、コンピュータ内のプロセス間通信処理などの電子データである。また、暗号鍵管理部903は、HDドライブ205やRAM204に代表される記憶装置上で実現される。
【0099】
(3)レイアウトデータ生成部102の詳細構成
次に、レイアウトデータ生成部102の詳細構成について、図10を用いて説明する。図10は、レイアウトデータ生成部102の内部構成を示すブロック図である。同図に示すようにレイアウトデータ生成部102は、レイアウト用情報コンテンツ入力部1001、レイアウト用情報コンテンツ処理部1002、レイアウトデータ生成処理部1003、入力部1004、及び、レイアウトデータ出力部1005より構成される。
【0100】
レイアウト用情報コンテンツ入力部1001は、情報コンテンツ変換部101で生成したレイアウト用情報コンテンツ108を読み込む。レイアウト用情報コンテンツ処理部1002は、レイアウト用情報コンテンツ108内に記述されたデータ項目を読み出す。
【0101】
レイアウトデータ生成処理部1003は、レイアウト用情報コンテンツ処理部1002で読み出されたレイアウト用情報コンテンツ108のデータ項目と、入力部1004より入力される制御情報を用いてレイアウトデータ109を生成する。
【0102】
ここで、入力部1004から入力される制御情報とは、マウス211及びキーボード212から入力されるユーザからの各種指示に基づくものである。具体的には、レイアウト用情報コンテンツ108に記述された各種電子データを利用し、出力コンテンツ112を構成するオブジェクトのレイアウトを指定するものである。
【0103】
例えば、レイアウト用情報コンテンツ108に記述された、出力用情報コンテンツ107の幅や高さ等の情報413やサンプルデータ414を参考に、出力コンテンツ112を構成する出力用情報コンテンツ107のレイアウトを指定する。
【0104】
ここで、レイアウトデータ生成処理部1003は、図4Bで示したレイアウト用情報コンテンツを、(XML形式のテキストではなく)可視化してデザイナに提示してもよい。例えば、デザイナに「全角5文字のテキスト」であることを提示する代わりに“○○○○○”という代替の文字列を提示してもよい。あるいは、「“都道府県”全角3文字」、「“市町村”全角4文字」、「“番地”全角9文字」と提示する代わりに“○○県○○○町○○−○○−○○○”という代替の文字列を提示してもよい。
【0105】
レイアウトデータ出力部1005は、レイアウトデータ生成処理部1003で生成されたレイアウトデータ109を出力する。ここで、レイアウトデータ出力部1005は、外部構成との電子データの受け渡しを可能とする。この際の電子データとは、NIC213などのネットワークインタフェースや、CD、FD、DVDに代表されるメディア媒体の入出力装置、または、コンピュータ内のプロセス間通信処理などの電子データである。
【0106】
(4)出力データ埋め込み部103の詳細構成
以下、出力データ埋め込み部103における処理について、図11を用いて説明する。図11は、出力データ埋め込み部103の内部構成を示すブロック図であり、出力データ埋め込み部103は以下の構成からなる。
【0107】
すなわち、レイアウトデータ入力部1101、レイアウトデータ処理部1102、出力用情報コンテンツ変換命令管理部1103、ページ構成管理部1104、サンプルコンテンツ管理部1105を含む。さらに、暗号化出力用情報コンテンツ入力部1106、復号処理部1107、出力用情報コンテンツ変換部1108、情報コンテンツ埋め込み合成部1109、出力コンテンツデータ生成部1110、出力部1111、及び、復号鍵管理部1112を含む。
【0108】
出力データ埋め込み部103においては、レイアウトデータ109と出力用情報コンテンツ107とを入力し、出力コンテンツデータ111を出力する。
【0109】
レイアウトデータ入力部1101では、レイアウトデータ生成部102で生成したレイアウトデータ109を読み込む。レイアウトデータ処理部1102では、レイアウトデータ109内に記述された情報を、出力用情報コンテンツ変換命令管理部1103、ページ構成管理部1104、サンプルコンテンツ管理部1105にそれぞれ格納する。
【0110】
ここで、出力用情報コンテンツ変換命令管理部1103で管理されるデータとは、例えば、レイアウトデータ109の一例である図5において、タグ510によって指定される、オブジェクトの変換情報である。
【0111】
また、ページ構成管理部1104で管理するページ構成管理データとは、例えば、図5において501、508、509で記述されたページのサイズや、ページ内に配置するオブジェクトの位置を示す情報である。
【0112】
また、サンプルコンテンツ管理部1105で管理される情報とは、例えば、図5において508で記述されるような、出力用情報コンテンツ107を取得できなかった場合に代替出力されるサンプルデータである。また、プレビュー表示対象となるプレビューデータを、サンプルデータとして保持しておくことも有効である。
【0113】
暗号化出力用情報コンテンツ入力部1106では、暗号化出力用情報コンテンツ110を読み込む。復号処理部1107では、復号鍵管理部1112において管理された復号鍵を用いて、暗号化出力用情報コンテンツ入力部1106で読み込まれた暗号化出力用情報コンテンツ110を復号して、出力用情報コンテンツ107を得る。
【0114】
復号鍵管理部1112は、アクセス制御部104内の暗号処理部902において暗号化された出力用情報コンテンツを復号するための復号鍵を管理する。なお、復号鍵管理部1112において管理される復号鍵は、予め定められた手順によって、安全に渡されたものであるとする。
【0115】
ここで、復号鍵管理部1112は、予め指定された条件を満たした場合にのみ、復号処理部1107へ復号鍵を渡すようにしても良い。この条件とは例えば、出力用情報コンテンツ107へアクセスするユーザや、出力用情報コンテンツ107への全体閲覧、一部閲覧、編集などのアクセス種類等が挙げられる。また、出力用情報コンテンツ107の復号を許可する期間、復号を許可する回数、或いは印刷物の出力の枚数、等も条件として利用可能である。
【0116】
出力用情報コンテンツ変換部1108は、復号処理部1107において復号された出力用情報コンテンツ107を、出力用情報コンテンツ変換命令管理部1103に管理されたデータに従って変換する。情報コンテンツ埋め込み合成部1109は、ページ構成管理部1104に管理されたデータを用いて、出力用情報コンテンツ変換部1108で変換された出力用情報コンテンツ107を配置し、合成する。
【0117】
なお、復号処理部1107で復号できなかった等の理由により出力用情報コンテンツ107を取得できなかった場合には、出力用情報コンテンツ107の代わりに、サンプルコンテンツ管理部1105に管理されたサンプルデータを埋め込んでも良い。
【0118】
出力コンテンツデータ生成部1110は、情報コンテンツ埋め込み合成部1109で生成したデータを用いて、出力コンテンツデータ111を生成する。出力部1111は、生成された出力コンテンツデータ111を外部に出力する。
【0119】
ここで、出力用情報コンテンツ変換命令管理部1103、ページ構成管理部1104、サンプルコンテンツ管理部1105は、HDドライブ205やRAM204に代表される記憶装置上において実現される。
【0120】
出力部1111は、外部構成との電子データの受け渡しを可能とする。この際の電子データとは、NIC213などのネットワークインタフェースや、CD、FD、DVDに代表されるメディア媒体の入出力装置、コンピュータ内のプロセス間通信処理などである。また、プリンタ、ディスプレイへのインターフェースなどの電子データ等も考えられる。
【0121】
以上、本実施形態において、図1に示す情報コンテンツ106に基づいて、出力用情報コンテンツ107とレイアウト用情報コンテンツ108とを抽出し、最終的に出力コンテンツ112として出力するまでの各部の処理について説明した。以下、本実施形態にかかる情報処理システムを、実際の印刷業務に適用する例について具体的に説明する。
【0122】
5.実施例1
はじめに、情報コンテンツ106を所有する企業(発注者)が、外部委託先であるレイアウト業者にレイアウト処理を委託するとともに、印刷業者に、レイアウト処理された情報コンテンツを印刷物として出力する印刷処理を委託するケースについて説明する。
【0123】
5.1 情報処理システム
図12Aに、発注者が、外部委託先であるレイアウト業者と印刷業者にそれぞれレイアウト処理と印刷処理を委託する場合の情報処理システムの構成例を示す。
【0124】
同図に示すように、発注者PC1201(第1の情報処理装置)、レイアウト業者PC1203(第2の情報処理装置)、印刷業者PC1204(第3の情報処理装置)は互いに通信可能に接続されている。
【0125】
発注者PC1201は、図1に示す情報コンテンツ変換部101とアクセス制御部104とを有する。また、レイアウト業者PC1203は、レイアウトデータ生成部102を有し、印刷業者PC1204は、出力データ埋め込み部103、出力部105を有する。
【0126】
これにより、発注者PC1201内の情報コンテンツ106が、最終的に印刷業者PC1204から出力コンテンツ112として印刷出力される。なお、図12Aに示す各部により送信されるデータについては、既に説明済みであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0127】
5.2 処理の流れ
図12Bは、図12Aに示す情報処理システムにおける処理の流れを示す図である。図12Bは、発注者PC1201より情報コンテンツ106のレイアウト処理をレイアウト業者に依頼し、レイアウト処理の結果得られたレイアウトデータを用いて印刷業者PC1204にて印刷物を出力する場合のシーケンスを示している。
【0128】
まず、ステップS1201では、発注者PC1201の情報コンテンツ変換部101が処理を実行し、出力用情報コンテンツ107とレイアウト用情報コンテンツ108を生成する。次に、ステップS1202では、発注者PC1201が、レイアウト用情報コンテンツ108をレイアウト業者に送信する(第1の送信手段)。
【0129】
一方、ステップS1201において生成された出力用情報コンテンツ107についてはステップS1206にて、アクセス制御部104が処理を実行することで、暗号化出力用情報コンテンツ110を生成する。ステップS1207では、生成された暗号化出力用情報コンテンツ110は印刷業者PC1204に送信される(第2の送信手段)。
【0130】
レイアウト用情報コンテンツ108を受信したレイアウト業者PC1203では、ステップS1203にて、レイアウトデータ生成部102を実行して、レイアウトデータ109を生成する。その後、ステップS1204にて、これを印刷業者PC1204に送信する(第3の送信手段)。
【0131】
印刷業者PC1204では、必要であればレイアウト業者PC1203から受け取ったレイアウトデータ109の修正を行う(ステップS1205)。
【0132】
次に、レイアウトデータ109と暗号化出力用情報コンテンツ110を出力データ埋め込み部103で処理することによって、出力コンテンツデータ111を生成する(ステップS1208)。
【0133】
最後に、出力コンテンツデータ111を、出力部105である印刷機で処理することによって、印刷物としての出力コンテンツ112を出力する(ステップS1209)。
【0134】
以上説明したように本実施形態によれば、出力用情報コンテンツに対してアクセス制限を目的とした暗号化が施されるため、機密データの漏洩が防止できる。加えて、レイアウト用情報コンテンツを用いてレイアウトを行い、出力コンテンツデータを生成することができる。すなわち、個人情報などの情報コンテンツ106の内容を印刷業者やデザイン企業に開示することなく、レイアウト用情報コンテンツ108を用いて自由にレイアウトし、最終的に出力コンテンツデータ111を出力することが可能となる。
【0135】
6.実施例2
次に、情報コンテンツ106を所有する企業(発注者)が、外部委託先である印刷業者にレイアウト処理及び印刷処理を委託するケースについて説明する。
【0136】
6.1 情報処理システム
図13Aに、発注者が、外部委託先である印刷業者に、レイアウト処理と印刷処理とを委託する場合の情報処理システムの構成例を示す。
【0137】
同図に示すように、発注者PC1301と印刷業者PC1302とは互いに通信可能に接続されている。
【0138】
発注者PC1301は、図1に示す情報コンテンツ変換部101とアクセス制御部104を有し、印刷業者PC1302は、レイアウトデータ生成部102、出力データ埋め込み部103、出力部105を有している。
【0139】
これにより、発注者PC1301内の情報コンテンツ106が、最終的に印刷業者PC1302から出力コンテンツ112として印刷出力される。なお、図13Aに示す各部により送信されるデータについては、既に説明済みであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0140】
6.2 処理の流れ
図13Bに、図13Aに示す情報処理システムにおける処理の流れを示す図である。図13Bは、発注者PC1301において情報コンテンツ106を変換してから、印刷業者PC1302において印刷物(出力コンテンツ112)を出力するまでのシーケンスを示している。
【0141】
まず、発注者PC1301の情報コンテンツ変換部101が処理を実行し、出力用情報コンテンツ107とレイアウト用情報コンテンツ108を生成する(ステップS1301)。次に、発注者PC1301が、レイアウト用情報コンテンツ108を印刷業者PC1302に送信する(ステップS1302)。
【0142】
印刷業者PC1302では、レイアウトデータ生成部102を実行してレイアウト用情報コンテンツ108を処理し、レイアウトデータ109を生成する(ステップS1304)。
【0143】
発注者PC1301では、出力用情報コンテンツ107をアクセス制御部104で処理して暗号化出力用情報コンテンツ110を生成し(ステップS1303)、これを印刷業者PC1302に送信する(ステップS1305)。
【0144】
印刷業者PC1302では、出力データ埋め込み部103を実行して暗号化出力用情報コンテンツ110とレイアウトデータ109を処理し、出力コンテンツデータ111を生成する(ステップS1306)。
【0145】
最後に印刷業者PC1302では、出力コンテンツデータ111を出力部105である印刷機で処理することによって、印刷物としての出力コンテンツ112を出力する(ステップS1307)。
【0146】
ここで、ステップS1303において暗号化に用いられる暗号鍵は、出力データ埋め込み部103において復号可能な暗号鍵であり、出力データ埋め込み部103は耐タンパー性を有する。したがって、本実施形態における暗号化出力用情報コンテンツ110を、印刷業者に対して秘匿することができる。なお、アクセス制御部104の実行(ステップS1303)は、レイアウト用情報コンテンツ108を印刷業者に送信する(ステップS1302)タイミングよりも以前とすることも可能である。
【0147】
以上説明したように本実施形態によれば、出力用情報コンテンツに対してアクセス制限を目的とした暗号化が施されるため、機密データの漏洩が防止できる。加えて、レイアウト用情報コンテンツを用いてレイアウトを行い、出力コンテンツデータを生成することができる。すなわち、個人情報などの情報コンテンツ106の内容を印刷業者に開示することなく、レイアウト用情報コンテンツ108を用いて自由にレイアウトし、最終的に出力コンテンツデータ111を出力することが可能となる。
【0148】
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、アクセス制御部104において出力用情報コンテンツ107の暗号化処理のみを行って、暗号化出力用情報コンテンツ110を出力する例を示した。しかしながら、本発明における情報処理システムのアクセス制御部の機能はこれに限定されず、例えば、アクセス制御部104に対し、アクセス認証機能を有したサーバのような機能を持たせるようにしてもよい。例えば、IDやパスワード、又は、生体情報により認証を行い、認証されたエンティティに対してのみデータを配信するサーバなどが考えられる。
【0149】
また、上記第1の実施形態においては、暗号化出力用情報コンテンツ110が出力データ埋め込み部103において、レイアウトデータ109とともに処理される例を示した。しかしながら、本発明における情報処理システムの暗号化出力用情報コンテンツ110の出力先はこれに限定されない。例えば、暗号化出力用情報コンテンツ110とレイアウト用情報コンテンツ108を、レイアウトデータ生成部102で処理してレイアウトデータ109を生成するようにしてもよい。この場合、暗号化出力用情報コンテンツ110はそのまま、レイアウトデータ109の内部データとなる。そして、出力データ埋め込み部103では、もちろん暗号化出力用情報コンテンツ110を入力せずに、暗号化出力用情報コンテンツ110を復号し、出力用情報コンテンツ107を生成することができる。
【0150】
<第3の実施形態>
上記第1の実施形態では、レイアウト用情報コンテンツ108からレイアウトデータ109を生成する場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、ダミーデータを用いて印刷物のテンプレートを作成し、そのテンプレートとレイアウト用情報コンテンツ108とを用いてレイアウトデータ109を生成するようにしてもよい。
【0151】
例えばダミーデータとはPersonalData.csv401における“氏名”(408)の情報であれば、“鈴木一郎”のように情報コンテンツの中身を代替できるテキストデータである。
【0152】
また、画像データ302(camera.jpg)のような広告として差し込まれる画像であれば、単に無地の画像を表示する画像データでもよい。さらに、氏名408のダミーデータには“情報コンテンツ106に含まれる氏名が最大で20文字である”というような情報が付属されることが望ましい。同様に、画像データ302(camera.jpg)のダミーデータには“広告の画像は最大で縦Xピクセル、横Yピクセル”のように、情報コンテンツ106の特徴を表現した情報が付属されることが望ましい。
【0153】
図14を用いて、以下にテンプレートの一例を説明する。1401は図6に示す印刷物を生成するために利用可能なテンプレートである。テンプレートデータは1ページごとに可変となるデータ部分を、1402〜1406に示すように変数と変数が出力される領域の座標や大きさとによって記述する。また、1402に示すように、各ページ間で固定して利用される情報はその識別子を記述してよい。
【0154】
レイアウトデータ109を生成する時には、テンプレートの変数として記述された領域に、レイアウト用情報コンテンツ108を代入していくことによって図5に示したレイアウトデータ109を生成する。ここで、テンプレートに記述された変数にレイアウト用情報コンテンツ108を代入する前に、レイアウト用情報コンテンツ108の文字列長やサイズなどのレイアウト属性情報を利用して領域の大きさを調節してもよい。レイアウトデータ109を印刷する処理については、既に説明した方法が適用可能であるためここでは説明を省略する。
【0155】
<他の実施形態>
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0156】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給するよう構成することによっても達成されることはいうまでもない。この場合、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することにより、上記機能が実現されることとなる。なお、この場合、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0157】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0158】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現される場合に限られない。例えば、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0159】
さらに、記録媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。つまり、プログラムコードがメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
【図2】図1の情報処理システムにおいて示した発注者側の機能を実現するための情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図3】情報コンテンツ106の一例を示す図である。
【図4A】図3に示す情報コンテンツ106に基づいて生成された出力用情報コンテンツ107の一例を示す図である。
【図4B】図3に示す情報コンテンツ106に基づいて情報コンテンツ変換部101において生成された、レイアウト用情報コンテンツ108の一例を示す図である。
【図5】レイアウトデータ109の一例を示す図である。
【図6】図3に示した情報コンテンツ106を用いて生成される出力コンテンツ112の一例を示す図である。
【図7】情報コンテンツ変換部101の内部構成を示すブロック図である。
【図8】情報コンテンツ変換部101における情報コンテンツ変換処理のうち、レイアウト用情報コンテンツ生成処理の流れを示す図である。
【図9】アクセス制御部104の内部構成を示すブロック図である。
【図10】レイアウトデータ生成部102の内部構成を示すブロック図である。
【図11】出力データ埋め込み部103の内部構成を示すブロック図である。
【図12A】発注者が、外部委託先であるレイアウト業者と印刷業者にそれぞれレイアウト処理と印刷処理を委託する場合の情報処理システムの構成例を示す図である。
【図12B】図12Aに示す情報処理システムにおける処理の流れを示す図である。
【図13A】発注者が、外部委託先である印刷業者に、レイアウト処理と印刷処理を委託する場合の情報処理システムの構成例を示す図である。
【図13B】図13Aに示す情報処理システムにおける処理の流れを示す図である。
【図14】テンプレートの一例を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報処理装置が互いに通信可能に接続されることで、情報コンテンツに含まれるデータをレイアウトし、可視出力する情報処理システムであって、
前記第1の情報処理装置は、
前記レイアウトされ可視出力される前記データを、該データの属性を示す情報に変換する変換手段と、
前記レイアウトされ可視出力される前記データを暗号化する暗号化手段と、
前記情報を、前記第2の情報処理装置に送信し、前記暗号化手段により暗号化された前記データを、前記第3の情報処理装置に送信する送信手段と、を備え、
前記第2の情報処理装置は、
前記第1の情報処理装置における前記送信手段により送信された前記情報に基づいて、をレイアウトするためのレイアウトデータを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成されたレイアウトデータを前記第3の情報処理装置に送信する送信手段と、を備え、
前記第3の情報処理装置は、
前記第1の情報処理装置における前記送信手段により送信された前記データを復号する復号手段と、
前記復号手段により復号された前記データを、前記第3の情報処理装置における前記送信手段により送信されたレイアウトデータに基づいてレイアウトし、可視出力する出力手段と
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記データがテキストデータであった場合、前記変換手段は、該テキストデータを構成する文字数、該テキストデータが全角文字か半角文字かを示す情報、または該テキストデータの文脈を示す情報のいずれかに変換することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記データが画像データであった場合、前記変換手段は、該画像データの寸法、該画像データの色合いを示す情報、該画像データを低解像度化した画像データ、該画像データに透かしを入れた画像データ、該画像データの内容を示す情報、画像データのダミーの画像データ、または該画像データのエンコーディング方法を示す情報のいずれかに変換することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
レイアウトされ可視出力されるデータを、該データの属性を示す情報に変換する変換手段と、
前記レイアウトされ可視出力される前記データを暗号化する暗号化手段と、
前記情報を、該情報に基づいてレイアウト処理しレイアウトデータを出力する情報処理装置に送信し、さらに、前記暗号化手段により暗号化された前記データを、該データを復号可能であって、該復号されたデータを前記レイアウトデータに基づいてレイアウトし可視出力することが可能な情報処理装置に送信する送信手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
前記データがテキストデータであった場合、前記変換手段は、該テキストデータを構成する文字数、該テキストデータが全角文字か半角文字かを示す情報、または該テキストデータの文脈を示す情報のいずれかに変換することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記データが画像データであった場合、前記変換手段は、該画像データの寸法、該画像データの色合いを示す情報、該画像データを低解像度化した画像データ、該画像データに透かしを入れた画像データ、該画像データの内容を示す情報、画像データのダミーの画像データ、または該画像データのエンコーディング方法を示す情報のいずれかに変換することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
レイアウトされ可視出力されるデータを、該データの属性を示す情報に変換する変換工程と、
前記レイアウトされ可視出力される前記データを暗号化する暗号化工程と、
前記情報を、該情報に基づいてレイアウト処理しレイアウトデータを出力する情報処理装置に送信する第1の送信工程と、
前記暗号化工程において暗号化された前記データを、該データを復号可能であって、該復号された複数のデータを前記レイアウトデータに基づいてレイアウトし可視出力することが可能な情報処理装置に送信する第2の送信工程と
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理方法をコンピュータによって実行させるための制御プログラム。
【請求項9】
請求項7に記載の情報処理方法をコンピュータによって実行させるための制御プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項1】
複数の情報処理装置が互いに通信可能に接続されることで、情報コンテンツに含まれるデータをレイアウトし、可視出力する情報処理システムであって、
前記第1の情報処理装置は、
前記レイアウトされ可視出力される前記データを、該データの属性を示す情報に変換する変換手段と、
前記レイアウトされ可視出力される前記データを暗号化する暗号化手段と、
前記情報を、前記第2の情報処理装置に送信し、前記暗号化手段により暗号化された前記データを、前記第3の情報処理装置に送信する送信手段と、を備え、
前記第2の情報処理装置は、
前記第1の情報処理装置における前記送信手段により送信された前記情報に基づいて、をレイアウトするためのレイアウトデータを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成されたレイアウトデータを前記第3の情報処理装置に送信する送信手段と、を備え、
前記第3の情報処理装置は、
前記第1の情報処理装置における前記送信手段により送信された前記データを復号する復号手段と、
前記復号手段により復号された前記データを、前記第3の情報処理装置における前記送信手段により送信されたレイアウトデータに基づいてレイアウトし、可視出力する出力手段と
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記データがテキストデータであった場合、前記変換手段は、該テキストデータを構成する文字数、該テキストデータが全角文字か半角文字かを示す情報、または該テキストデータの文脈を示す情報のいずれかに変換することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記データが画像データであった場合、前記変換手段は、該画像データの寸法、該画像データの色合いを示す情報、該画像データを低解像度化した画像データ、該画像データに透かしを入れた画像データ、該画像データの内容を示す情報、画像データのダミーの画像データ、または該画像データのエンコーディング方法を示す情報のいずれかに変換することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
レイアウトされ可視出力されるデータを、該データの属性を示す情報に変換する変換手段と、
前記レイアウトされ可視出力される前記データを暗号化する暗号化手段と、
前記情報を、該情報に基づいてレイアウト処理しレイアウトデータを出力する情報処理装置に送信し、さらに、前記暗号化手段により暗号化された前記データを、該データを復号可能であって、該復号されたデータを前記レイアウトデータに基づいてレイアウトし可視出力することが可能な情報処理装置に送信する送信手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
前記データがテキストデータであった場合、前記変換手段は、該テキストデータを構成する文字数、該テキストデータが全角文字か半角文字かを示す情報、または該テキストデータの文脈を示す情報のいずれかに変換することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記データが画像データであった場合、前記変換手段は、該画像データの寸法、該画像データの色合いを示す情報、該画像データを低解像度化した画像データ、該画像データに透かしを入れた画像データ、該画像データの内容を示す情報、画像データのダミーの画像データ、または該画像データのエンコーディング方法を示す情報のいずれかに変換することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
レイアウトされ可視出力されるデータを、該データの属性を示す情報に変換する変換工程と、
前記レイアウトされ可視出力される前記データを暗号化する暗号化工程と、
前記情報を、該情報に基づいてレイアウト処理しレイアウトデータを出力する情報処理装置に送信する第1の送信工程と、
前記暗号化工程において暗号化された前記データを、該データを復号可能であって、該復号された複数のデータを前記レイアウトデータに基づいてレイアウトし可視出力することが可能な情報処理装置に送信する第2の送信工程と
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理方法をコンピュータによって実行させるための制御プログラム。
【請求項9】
請求項7に記載の情報処理方法をコンピュータによって実行させるための制御プログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【公開番号】特開2008−159029(P2008−159029A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−259236(P2007−259236)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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