説明

情報処理方法、情報処理システム、情報処理装置およびプログラム

【課題】データ形式変換による処理負担を抑えつつ、携帯再生装置へのコンテンツデータの転送に要する時間を短縮する。
【解決手段】情報処理方法は、受信されたコンテンツを、自装置100によって再生可能な第1のデータ形式のコンテンツデータ131として記憶部130に格納するステップS101、自装置100から転送されたコンテンツデータによってコンテンツを再生する携帯再生装置200から提供される、再生されたコンテンツの部分に関する再生履歴情報137に基づいて、受信されたコンテンツの特定の部分を抽出するステップS103、および受信されたコンテンツの特定の部分に対応する第1のデータ形式のコンテンツデータ131を、携帯再生装置200によって再生可能な第2のデータ形式のコンテンツデータ133に変換して記憶部130に格納するステップS107を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理システム、情報処理装置およびプログラムに関し、特に、携帯再生装置にコンテンツデータを転送するための情報処理方法、情報処理システム、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像再生用のポータブルプレーヤ、映像再生機能を有する携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯ゲーム機などの携帯再生装置を用いて、外出先で映像コンテンツを再生して視聴することが普及している。このような映像コンテンツの1つとして、ビデオレコーダを用いて録画したテレビ番組の映像データを携帯再生装置に転送して再生することが一般的である。携帯再生装置において再生される映像コンテンツは、外出先における移動や休憩の間の、比較的短い時間で再生されることが多い。従って、携帯再生装置に転送されたテレビ番組も、ユーザの習慣や嗜好に合わせて、例えばその中の特定の番組コーナーのみが再生されることが多い。
【0003】
一方、ビデオレコーダにおいては、記憶部として用いられるHDD(Hard Disk Drive)の大容量化が進んでいる。これに加えて、ビデオレコーダに複数のチューナーを搭載して、同一時間帯に放送される複数のテレビ番組を録画することも一般的になっており、ビデオレコーダに蓄積されるテレビ番組の量は増加している。このようなビデオレコーダと比較すると、携帯再生装置の記憶部の容量は小さい。また、映像データはサイズが大きく、転送にはある程度の時間がかかる。そのため、多くの場合、携帯再生装置に映像データとして転送されるテレビ番組は、ビデオレコーダに蓄積されたテレビ番組の中から選択された一部の番組である。
【0004】
上記のビデオレコーダと携帯再生装置とでは、再生可能な映像データのデータ形式が異なる場合が多い。例えば、ビデオレコーダによって再生可能なデータ形式は、MPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)形式であることが多く、携帯再生装置によって再生可能なデータ形式は、MPEG4形式またはH.264形式であることが多い。この場合、ビデオレコーダを用いて録画したテレビ番組の映像データを携帯再生装置に転送して再生するためには、データ形式の変換が必要になる。映像データのデータ形式の変換は処理負担が高く、変換後の映像データの転送よりもはるかに長い時間を要する。従来のビデオレコーダの一例によれば、1時間分の映像データについて、既にデータ形式が変換された映像データを携帯再生装置へ転送するために要する時間が約2分であるのに対し、映像データのデータ形式を変換してから携帯再生装置へ転送するために要する時間はその10倍以上の20〜30分である。
【0005】
そこで、携帯再生装置に映像データを転送するビデオレコーダにおいて、データ形式が変換された映像データを転送用映像データとして予め用意し、転送時にはデータ変換処理を行わず、予め用意されたデータを転送することによって、転送に要する時間を短縮する技術が開発されている。例えば、特許文献1には、ユーザが予め各テレビ番組に対して設定した転送順序に従って、録画時に転送用映像データを自動的に生成する技術が記載されている。また、特許文献2には、転送用映像データがサイマル放送されているテレビ番組について、録画時に転送用映像データを同時に記録する技術が記載されている。さらに、特許文献3には、テレビ番組の転送履歴に基づいて、転送の頻度が高いジャンルの番組について、録画時に転送用映像データを自動的に生成する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−336464号公報
【特許文献2】特開2009−177567号公報
【特許文献3】特開2008−271393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載のように、ユーザが所望に応じて各テレビ番組に対して転送順序を設定する場合、ビデオレコーダに蓄積されるテレビ番組の量が増加すると、ユーザが各番組に対して転送順序を設定するための操作が著しく煩雑になってしまう。また、特許文献2に記載のように、サイマル放送の有無を基準に転送用の映像データを用意する場合、ユーザが番組の転送を所望するか否かとは無関係に転送用の映像データが用意されるため、実際には不要なデータ形式変換によって、処理負担が高くなってしまう。また、特許文献3に記載のように、転送の頻度が高いジャンルの番組について録画時に転送用映像データを生成する場合、ユーザが携帯再生装置で実際に視聴する番組の部分以外の部分の映像データも用意されるため、データ形式変換による処理負担には依然として軽減の余地があるといえる。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、データ形式変換による処理負担を抑えつつ、携帯再生装置へのコンテンツデータの転送に要する時間を短縮することが可能な、新規かつ改良された情報処理方法、情報処理システム、情報処理装置およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、受信されたコンテンツを、自装置によって再生可能な第1のデータ形式のコンテンツデータとして記憶部に格納するステップ、自装置から転送されたコンテンツデータによってコンテンツを再生する携帯再生装置から提供される、再生されたコンテンツの部分に関する再生履歴情報に基づいて、上記受信されたコンテンツの特定の部分を抽出するステップ、および上記受信されたコンテンツの特定の部分に対応する上記第1のデータ形式のコンテンツデータを、上記携帯再生装置によって再生可能な第2のデータ形式のコンテンツデータに変換して上記記憶部に格納するステップを含む情報処理方法が提供される。
【0010】
かかる構成によって、再生履歴情報に基づいて、ユーザが携帯再生装置における再生を所望すると推定されるコンテンツの部分に限定して、第1のデータ形式のコンテンツデータを第2のデータ形式のコンテンツデータに変換することができる。これによって、データ形式変換による処理負担を抑えつつ、携帯再生装置へのコンテンツデータの転送に要する時間を短縮することができる。
【0011】
上記受信されたコンテンツの特定の部分は、時間単位で抽出されてもよい。
【0012】
上記抽出するステップは、上記受信されたコンテンツと同分類のコンテンツについて、上記再生履歴情報から再生パターンを抽出するステップ、および上記受信されたコンテンツの特定の部分を、上記再生パターンに基づいて抽出するステップを含んでもよい。
【0013】
上記受信されたコンテンツおよび上記再生されたコンテンツは、いずれもテレビ番組であり、上記同分類のコンテンツは、上記テレビ番組の番組情報に基づいて決定されてもよい。
【0014】
上記再生パターンは、上記番組情報に含まれる番組コーナー情報に対応付けて抽出されてもよい。
【0015】
上記再生パターンは、上記番組情報に含まれる字幕情報のキーワードに対応付けて抽出されてもよい。
【0016】
上記再生パターンは、上記再生履歴情報に含まれる再生状態に対応付けて抽出され、上記第2のデータ形式のコンテンツデータは、上記再生パターンに対応付けられた上記再生状態で再生可能なデータに変換されてもよい。
【0017】
上記第2のデータ形式のコンテンツデータは、上記再生履歴情報に含まれる再生時間に応じた長さで変換されてもよい。
【0018】
上記情報処理方法は、コンテンツの部分を上記携帯再生装置に転送する順位を定義した転送順位情報に従って、上記第2のデータ形式のコンテンツデータを上記携帯再生装置に転送するステップをさらに含んでもよい。
【0019】
上記転送するステップは、上記転送順位情報に含まれるコンテンツの部分に対応する上記第2のデータ形式のコンテンツデータが記憶部に格納されている場合、当該部分に対応する上記第2のデータ形式のコンテンツデータを上記携帯再生装置に転送し、それ以外の場合、当該部分を変換対象部分として記憶するステップ、および上記変換対象部分に対応する上記第1のデータ形式のコンテンツデータを、上記第2のデータ形式のコンテンツデータに変換し、当該データを上記携帯再生装置に転送するステップを含んでもよい。
【0020】
上記転送順位情報は、上記再生履歴情報に基づいて生成されてもよい。
【0021】
上記転送順位情報は、ユーザによる選択に基づいて生成されてもよい。
【0022】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンテンツデータを情報処理装置から取得するデータ取得部、上記コンテンツデータによってコンテンツを再生する再生部、上記再生部が再生したコンテンツの部分に関する再生履歴情報を生成し、記憶部に格納する履歴生成部、および上記再生履歴情報を上記情報処理装置に転送する履歴転送部を備える携帯再生装置と、受信されたコンテンツを、自装置によって再生可能な第1のデータ形式のコンテンツデータとして記憶部に格納する録画部、上記再生履歴情報を上記携帯再生装置から取得する履歴取得部、上記再生履歴情報に基づいて、上記受信されたコンテンツの特定の部分を抽出する抽出部、上記受信されたコンテンツの特定の部分に対応する上記第1のデータ形式のコンテンツデータを、上記携帯再生装置によって再生可能な第2のデータ形式のコンテンツデータに変換して上記記憶部に格納するデータ変換部、および上記第2のデータ形式のコンテンツデータを上記携帯再生装置に転送するデータ転送部を備える情報処理装置とを含む情報処理システムが提供される。
【0023】
また、上記課題を解決するために、本発明のさらに別の観点によれば、受信されたコンテンツを、自装置によって再生可能な第1のデータ形式のコンテンツデータとして記憶部に格納する録画部、自装置から転送されたコンテンツデータによってコンテンツを再生する携帯再生装置から提供される、再生されたコンテンツの部分に関する再生履歴情報に基づいて、上記受信されたコンテンツの特定の部分を抽出する抽出部、および上記受信されたコンテンツの特定の部分に対応する上記第1のデータ形式のコンテンツデータを、上記携帯再生装置によって再生可能な第2のデータ形式のコンテンツデータに変換して上記記憶部に格納するデータ変換部を備える情報処理装置が提供される。
【0024】
また、上記課題を解決するために、本発明のさらに別の観点によれば、受信されたコンテンツを、自装置によって再生可能な第1のデータ形式のコンテンツデータとして記憶部に格納する手段、自装置から転送されたコンテンツデータによってコンテンツを再生する携帯再生装置から提供される、再生されたコンテンツの部分に関する再生履歴情報に基づいて、上記受信されたコンテンツの特定の部分を抽出する手段、および上記受信されたコンテンツの特定の部分に対応する上記第1のデータ形式のコンテンツデータを、上記携帯再生装置によって再生可能な第2のデータ形式のコンテンツデータに変換して上記記憶部に格納する手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように本発明によれば、データ形式変換による処理負担を抑えつつ、携帯再生装置へのコンテンツデータの転送に要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【図2】同実施形態に係るビデオレコーダの構成の一例を示す図である。
【図3】同実施形態に係る携帯再生装置の構成の一例を示す図である。
【図4】同実施形態に係るビデオレコーダにおいて、コンテンツであるテレビ番組の録画後に行われる処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】同実施形態に係るビデオレコーダが行う変換対象部抽出処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】同実施形態における番組情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図7】同実施形態における分類情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図8】同実施形態における再生履歴情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図9】同実施形態に係るビデオレコーダが行う、再生パターンを抽出する処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】同実施形態における番組コーナー情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図11】同実施形態における番組コーナー情報によって得ることができる情報を説明するための図である。
【図12】同実施形態における字幕情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図13】同実施形態における再生パターン情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図14】同実施形態における変換対象部分情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図15】同実施形態に係るビデオレコーダにおいて、携帯再生装置へのデータ転送時に行われる処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】同実施形態に係るビデオレコーダが行う転送順位情報生成処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第2の実施形態に係るビデオレコーダが行うデータ変換処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第3の実施形態に係るビデオレコーダにおいて、携帯再生装置へのデータ転送時に行われる処理の一例を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第4の実施形態に係るビデオレコーダが、転送順位情報を生成するためのユーザによる選択の操作を受け付けるためにディスプレイに表示する操作画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0028】
説明は、以下の順序で行われる。
1.第1の実施形態
1−1.情報処理システムの構成
1−2.録画後に行われる処理
1−3.転送時に行われる処理
1−4.まとめ
2.第2の実施形態
3.第3の実施形態
4.第4の実施形態
5.補足
【0029】
<1.第1の実施形態>
[1−1.情報処理システムの構成]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムの構成について説明する。
【0030】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システム10の構成の一例を示す図である。図1を参照すると、情報処理システム10は、本発明の情報処理装置の一例であるビデオレコーダ100、携帯再生装置200、およびディスプレイ300を含む。
【0031】
ビデオレコーダ100は、例えば、HDDレコーダ、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダ、BD(Blu-ray Disc)レコーダなどの専用の録画再生機、またはこれらの録画再生機の機能を有するPC(Personal Computer)などの情報処理装置でありうる。ビデオレコーダ100は、アンテナ(図示せず)を介して受信されたコンテンツであるテレビ番組を録画し、所定のデータ形式でコンテンツデータとして蓄積する。また、ビデオレコーダ100は、蓄積したコンテンツデータを自ら再生してディスプレイ300に表示する。さらに、ビデオレコーダ100は、蓄積したコンテンツデータを携帯再生装置200における再生のために転送する。
【0032】
携帯再生装置200は、例えば、専用のポータブルAV(Audio Visual)プレーヤ、またはAVプレーヤの機能を有する携帯電話、PDA、携帯ゲーム機などの携帯端末でありうる。携帯再生装置200は、ビデオレコーダ100が転送したコンテンツデータを取得する。この際、ビデオレコーダ100と携帯再生装置200とは、例えばUSB(Universal Serial Bus)、LAN(Local Area Network)などによって、有線または無線で接続される。また、携帯再生装置200は、取得したコンテンツデータによって、コンテンツであるテレビ番組を再生する。さらに、携帯再生装置200は、再生したテレビ番組の部分の履歴を蓄積し、ビデオレコーダ100に転送する。
【0033】
ディスプレイ300は、例えばHDMI(High-Definition Multimedia Interface)などのインターフェースによってビデオレコーダ100に接続された表示装置である。ディスプレイ300は、例えば液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどのディスプレイ、またはプロジェクタなど各種の表示装置でありうる。また、ディスプレイ300は、ビデオレコーダ100と別体に構成された装置であってもよく、ビデオレコーダ100と一体に構成されてその一部分をなすものであってもよい。ディスプレイ300は、ビデオレコーダ100が自ら再生したコンテンツデータによって、コンテンツであるテレビ番組を表示する。
【0034】
上記のような情報処理システム10において、ユーザは、ビデオレコーダ100を用いて録画したテレビ番組を、ビデオレコーダ100で再生し、ディスプレイ300に表示して視聴する。また、ユーザは、ビデオレコーダ100を用いて録画したテレビ番組を、携帯再生装置200に転送する。さらに、ユーザは、外出先に携行した携帯再生装置200を用いて、転送されたテレビ番組を再生して視聴する。
【0035】
(ビデオレコーダ100の構成)
次に、図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係るビデオレコーダ100の構成について説明する。
【0036】
図2は、本発明の第1の実施形態に係るビデオレコーダ100の構成の一例を示す図である。図2を参照すると、ビデオレコーダ100は、チューナー110、録画部120、記憶部130、再生部140、履歴取得部150、データ変換部160、抽出部170、データ転送部180、および転送順位設定部190を有する。
【0037】
上記のビデオレコーダ100の構成要素のうち、記憶部130は、HDD、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置、またはDVD、BDなどのリムーバブル記憶媒体を必要に応じて組み合わせて実装される。それ以外の構成要素は、例えばIC(Integrated Circuit)などを含む回路構成によってハードウェアとして実装されてもよく、また記憶部130に格納されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)が実行することによってソフトウェアとして実装されてもよい。
【0038】
また、図示していないが、ビデオレコーダ100は、ユーザによる選択などの指示を取得するために、リモートコントローラ、操作パネル、キーボード、マウスなどの入力装置を必要に応じて有する。さらに、図示していないが、ビデオレコーダ100は、携帯再生装置200、または別体のディスプレイ300に接続するために、USB、LAN、HDMIなどのインターフェースを必要に応じて有する。
【0039】
チューナー110は、アンテナ(図示せず)が受信した放送波を、復調、圧縮符号化などによって処理する。これによって、チューナー110は、コンテンツであるテレビ番組の放送信号を取得する。放送信号には、テレビ番組のAVデータの他に、SI(Service Information)、EPG(Electronic Program Guide)情報などの、テレビ番組に関連するメタデータが含まれていてもよい。
【0040】
録画部120は、チューナー110が取得した放送信号を、再生用データ131として記憶部130に格納する。再生用データ131は、ビデオレコーダ100の再生部140によって再生可能な第1のデータ形式のコンテンツデータであり、例えばMPEG2形式のAVデータである。録画部120はさらに、放送信号に含まれるSI、EPG情報などのメタデータを、番組情報135として記憶部130に格納してもよい。
【0041】
記憶部130は、ビデオレコーダ100において扱われるデータを永続的または一時的に記憶する。記憶部130が記憶するデータは、再生用データ131、転送用データ133、番組情報135、および再生履歴情報137を含む。このうち再生用データ131は、録画部120によって格納される。また、番組情報135は、録画部120によって放送信号に含まれるメタデータが格納されたものであってもよいし、インターネット(図示せず)経由で配信されたものが番組情報取得部(図示せず)によって格納されたものであってもよい。転送用データ133、および再生履歴情報137については後述する。
【0042】
再生部140は、入力装置(図示せず)を介して取得したユーザの指示に基づいて、記憶部130に格納された再生用データ131を再生し、ディスプレイ300に表示する。再生部140は、再生データ131によるテレビ番組の映像および音声に加えて、ユーザが再生、録画などの操作を行うための操作画面や、番組情報135に基づく番組の情報を表示してもよい。
【0043】
履歴取得部150は、携帯再生装置200と通信し、携帯再生装置200において再生されたテレビ番組の部分に関する再生履歴情報137を取得し、記憶部130に格納する。履歴取得部150は、ビデオレコーダ100と携帯再生装置200とが接続された場合に自動的に通信を開始し、再生履歴情報137を取得するように設定されていてもよい。また、履歴取得部150は、入力装置(図示せず)を介して取得したユーザの指示に基づいて、携帯再生装置200との通信を開始し、再生履歴情報137を取得するように設定されていてもよい。
【0044】
データ変換部160は、再生用データ131として記憶部130に格納されているテレビ番組のうちの特定の部分について、再生用データ131を転送用データ133に変換して、記憶部130に格納する。転送用データ133は、携帯再生装置200によって再生可能な第2のデータ形式のコンテンツデータであり、例えばMPEG4形式、またはH.264形式のAVデータである。データ変換部160が再生用データ131を転送用データ133に変換する処理を行うタイミングについては、後に詳述する。
【0045】
抽出部170は、データ変換部160による変換の対象となる、テレビ番組の特定の部分を抽出する。抽出部170が、記憶部130に格納された再生履歴情報137に基づいてテレビ番組の特定の部分を抽出する処理については、後に詳述する。
【0046】
データ転送部180は、記憶部130に格納された転送用データ133を、転送順位設定部190が設定した転送順位に従って携帯再生装置200に転送する。データ転送部180は、ビデオレコーダ100と携帯再生装置200とが接続された場合に、自動的に転送用データ133を携帯再生装置200に転送するように設定されていてもよい。また、データ転送部180は、入力装置(図示せず)を介して取得したユーザの指示に基づいて、転送用データ133を携帯再生装置200に転送するように設定されていてもよい。データ転送部180は、転送用データ133とともに、記憶部130に格納された番組情報135から取得したEPG情報などのメタデータをさらに転送するように設定されていてもよい。
【0047】
転送順位設定部190は、データ転送部180が携帯再生装置200に転送するコンテンツの部分の順位を定義した転送順位を生成し、データ転送部に提供する。転送順位設定部190は、記憶部130に格納された再生履歴情報137に基づいて、自動的に転送順位を生成するように設定されていてもよい。また、転送順位設定部190は、入力装置(図示せず)を介して取得したユーザの指示に基づいて転送順位を生成するように設定されていてもよい。
【0048】
(携帯再生装置200の構成)
次に、図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係る携帯再生装置200の構成について説明する。
【0049】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る携帯再生装置200の構成の一例を示す図である。図3を参照すると、携帯再生装置200は、データ取得部210、記憶部220、再生部230、表示部240、履歴生成部250、および履歴転送部260を有する。
【0050】
上記の携帯再生装置200の構成要素のうち、記憶部220は、ROM(Read Only Memory)、RAMなどの記憶装置、またはフラッシュメモリなどのリムーバブル記憶媒体を必要に応じて組み合わせて実装される。それ以外の構成要素は、例えばIC(Integrated Circuit)などを含む回路構成によってハードウェアとして実装されてもよく、また記憶部220に格納されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)が実行することによってソフトウェアとして実装されてもよい。
【0051】
また、図示していないが、携帯再生装置200は、ユーザによる選択などの指示を取得するために、操作パネル、タッチスクリーンなどの入力装置を必要に応じて有する。さらに、図示していないが、携帯再生装置200は、ビデオレコーダ100に接続するために、USB、LANなどのインターフェースを必要に応じて有する。
【0052】
データ取得部210は、ビデオレコーダ100から転送されたテレビ番組のAVデータを取得する。データ取得部210はさらに、取得したデータをコンテンツデータ221として記憶部220に格納する。データ取得部210は、テレビ番組のAVデータとともに、EPG情報などのメタデータをさらに取得するように設定されていてもよい。
【0053】
記憶部220は、携帯再生装置200において扱われるデータを永続的または一時的に記憶する。記憶部220が記憶するデータは、コンテンツデータ221、および再生履歴情報223を含む。このうちコンテンツデータ221は、データ取得部210によって格納される。再生履歴情報223については後述する。
【0054】
再生部230は、ユーザの指示を受けて、記憶部220に格納されたコンテンツデータ221を再生し、コンテンツであるテレビ番組を表示部240に表示する。再生部230は、コンテンツデータ221によるテレビ番組の映像および音声に加えて、ユーザが再生などの操作を行うための操作画面などを表示してもよい。
【0055】
表示部240は、再生部230が再生したコンテンツであるテレビ番組を表示する。表示部240は、例えば携帯再生装置200と一体に構成された液晶ディスプレイである。また、例えば外出先で携帯再生装置200を別体の表示装置に接続して、携帯再生装置200からの外部出力によってコンテンツを視聴するような場合は、当該表示装置が表示部240として機能する。
【0056】
履歴生成部250は、再生部230が再生したコンテンツの部分に基づいて、再生履歴情報223を生成し、記憶部220に格納する。具体的には、履歴生成部250は、再生部230が再生するコンテンツの再生開始と再生終了を監視し、再生開始時刻および再生終了時刻を、コンテンツを特定する情報とともに再生履歴情報223として記憶部220に格納する。なお、再生履歴情報223については、ビデオレコーダ100における処理の説明においてさらに詳述する。
【0057】
履歴転送部260は、記憶部220に格納された再生履歴情報223を、ビデオレコーダ100に転送する。履歴転送部260は、携帯再生装置200とビデオレコーダ100とが接続された場合に、自動的に再生履歴情報223をビデオレコーダ100に転送するように設定されていてもよい。また、履歴転送部260は、入力装置(図示せず)を介して取得したユーザの指示に基づいて、再生履歴情報223をビデオレコーダ100に転送するように設定されていてもよい。
【0058】
[1−2.録画後に行われる処理]
次に、図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係るビデオレコーダ100において、コンテンツであるテレビ番組の録画後に行われる処理について説明する。
【0059】
図4は、本発明の第1の実施形態に係るビデオレコーダ100において、コンテンツであるテレビ番組の録画後に行われる処理の一例を示すフローチャートである。図4を参照すると、まず、録画部120が、チューナー110によって受信されたコンテンツを、再生用データ131として記憶部130に格納する(ステップS101)。ここで、再生用データ131は、ビデオレコーダ100が自装置によって再生可能な第1のデータ形式のコンテンツデータである。既に述べたように、第1のデータ形式は例えばMPEG2形式であり、コンテンツデータはテレビ番組のAVデータである。ここで、録画部120は、さらに、放送信号に含まれるSI、EPG情報などのメタデータを、番組情報135として記憶部130に格納してもよい。
【0060】
次に、抽出部170が、再生履歴情報137に基づいて、変換対象部分抽出処理を行う(ステップS103)。この処理によって、ステップS101において受信されたコンテンツであるテレビ番組に、変換処理の対象とすべき特定の部分が存在する場合、その部分が抽出される。特定の部分が存在しない場合は、何も抽出されない。変換対象部分抽出処理については後に詳述する。
【0061】
次に、データ変換部160が、ステップS103の変換対象部分抽出処理によって、変換対象部分が抽出されたか否かを判定する(ステップS105)。抽出されなかったと判定された場合、データ変換部160は処理を終了する。
【0062】
ステップS105において、変換対象部分が抽出されたと判定された場合、次に、データ変換部160は、変換対象部分に対応する再生用データ131を転送用データ133に変換して記憶部130に格納し(ステップS107)、処理を終了する。ここで、転送用データ133は、携帯再生装置200によって再生可能な第2のデータ形式のコンテンツデータである。既に述べたように、第2のデータ形式は例えばMPEG4形式、またはH.264形式であり、コンテンツデータはテレビ番組のAVデータである。
【0063】
なお、上記の各処理は、ステップS101を除いて、必ずしもコンテンツであるテレビ番組の受信時に行われなくてもよい。例えば、ステップS103以降の処理を、他の処理が行われない深夜の時間に一括して行うように設定してもよい。これによって、抽出や変換などの処理による処理負担を分散させることができる。
【0064】
(変換対象部抽出処理)
次に、図5〜図14を参照して、本発明の第1の実施形態に係るビデオレコーダ100が行う変換対象部抽出処理(図4のステップS103)について詳しく説明する。
【0065】
図5は、本発明の第1の実施形態に係るビデオレコーダ100が行う変換対象部抽出処理の一例を示すフローチャートである。図5を参照すると、まず、抽出部170は、番組情報135に基づいて対象番組を分類する(ステップS201)。ここで、対象番組とは、図4のステップS101において受信されたコンテンツであるテレビ番組である。対象番組を分類するために用いられる番組情報135、およびその分類の結果である分類情報601について、以下で図6および図7を参照して説明する。
【0066】
図6は、番組情報135のデータ構造の一例を示す図である。番組情報135は、録画部120が再生用データ131として記憶部130に格納されたテレビ番組について、例えば放送信号に含まれるSI、EPG情報などのメタデータを元に生成される。図6を参照すると、番組情報135は、番組ID、タイトル、ファイル名、放送局、放送日時、およびジャンルを含む。ここで、番組IDは、番組情報135のレコードの単位である番組を一意に識別するIDである。タイトルは、番組のタイトルであって、EPG情報などから取得される。ファイル名は、番組に対応する再生用データ131のファイル名である。例えば再生用データ131が階層構造で記憶部130に格納されるような場合には、ファイル名はファイルパスを含むものであってもよい。放送局は、番組を放送する放送局であって、EPG情報などから取得される。放送日時は、番組が放送される日付と、番組の開始および終了の時刻とを含み、EPG情報などから取得される。ジャンルは、番組をその内容によっていくつかのグループに分ける単位で、たとえば図示されているように“ニュース”“経済”などである。ジャンルも、EPG情報などから取得される。
【0067】
図7は、分類情報601のデータ構造の一例を示す図である。分類情報601は、図5のステップS201における抽出部170の処理の結果として、記憶部130に格納される。図7を参照すると、分類情報601は、番組ID、分類ID、タイトル、放送日時、およびジャンルを含む。ここで、番組ID、タイトル、放送日時、ジャンルは、番組情報135における情報と同様の情報である。分類IDは、それぞれの番組を所定の基準によって分類した分類群を相互に識別するためのIDである。所定の基準とは、例えば、番組のタイトル、ジャンル、放送時間、出演者などである。例えば、図示されている例のうち、分類ID“2001”の分類群は、“ニュースABC”という番組のタイトルが共通することによって同分類とされている。また、分類ID“2002”の分類群は、番組のタイトルの一部分に
“笑い”という文字が共通して含まれ、“バラエティ”というジャンルが共通することによって同分類とされている。
【0068】
再び図5を参照して、次に、抽出部170は、対象番組と同分類の番組の再生履歴が存在するか否かを判定する(ステップS203)。具体的には、抽出部170は、対象番組に対応する番組IDの分類情報601のレコードを参照し、さらに、当該レコードの分類IDをもつ再生履歴情報137のレコードを検索する。ここで、条件に合致する再生履歴情報137のレコードが存在しない場合、すなわち対象番組と同分類の番組の再生履歴が存在しないと判定された場合、抽出部170は処理を終了する。ここで用いられる再生履歴情報137について、以下で図8を参照して説明する。
【0069】
図8は、再生履歴情報137のデータ構造の一例を示す図である。再生履歴情報137は、ビデオレコーダ100から転送されたコンテンツデータによってコンテンツであるテレビ番組を再生する携帯再生装置200から提供され、履歴取得部150によって記憶部130に格納される。図8を参照すると、再生履歴情報137は、再生履歴ID、番組ID、分類ID、再生開始位置、再生終了位置、再生状態、再生開始日時の情報を含む。
【0070】
以下で、再生履歴情報137に含まれる情報について、それぞれ説明する。再生履歴IDは、再生履歴情報137のレコードの単位である再生履歴を一意に識別するIDである。再生履歴情報137は、携帯再生装置200において再生されたテレビ番組の部分について生成されるため、同一のテレビ番組について、例えば異なる部分の再生、同じ部分の繰り返し再生などによって、複数の再生履歴レコードが生成されることもありうる。番組IDは、番組情報135に含まれる番組IDに対応する。番組情報135と再生履歴情報137とは、番組IDによって紐付けることができる。分類IDは、分類情報601に含まれる分類IDに対応する。分類情報601と再生履歴情報137とは、分類IDによって紐付けることができる。番組IDおよび分類IDは、例えば、ビデオレコーダ100から携帯再生装置200へのコンテンツデータの転送の際に、転送用データ133に伴って携帯再生装置200に転送される。
【0071】
再生開始位置および再生終了位置は、番組中のどの位置が再生されたかを示す情報である。ここでは、番組開始時からの経過秒数が、再生開始位置および再生終了位置を示すために用いられている。再生状態は、コンテンツが再生された際の映像および音声の再生状態を示す情報である。携帯再生装置200においては、コンテンツの映像および音声の両方が再生されるほか、ユーザがコンテンツを視聴する環境に応じて、コンテンツの音声のみ、または映像のみも再生されうる。そのような場合に対応して、再生状態は“音声、映像”、“音声”または“映像”のように記録される。再生開始日時は、携帯再生装置200におけるコンテンツの再生開始の時刻である。
【0072】
再び図5を参照して、ステップS203において、対象番組と同分類の番組の再生履歴情報137が存在すると判定された場合、抽出部170は、再生履歴情報137から再生パターンを抽出する(ステップS205)。ここで行われる、再生パターンを抽出する処理について、以下で図9〜13を参照して説明する。
【0073】
図9は、本発明の第1の実施形態に係るビデオレコーダ100が行う、再生パターンを抽出する処理の一例を示すフローチャートである。図9を参照すると、まず、抽出部170は、再生履歴情報137から、対象番組と同分類の番組の再生履歴を取得する(ステップS301)。
【0074】
次に、抽出部170は、ステップS301において取得した再生履歴を、再生開始位置および再生終了位置でグループ化して再生パターンを抽出する(ステップS303)。ここで、再生開始位置および再生終了位置は、図8を参照して説明したように、例えば番組開始時からの経過秒数として表される。抽出部170は、再生開始位置または再生終了位置が所定の範囲内にある(例えば、“再生開始位置が360〜420”かつ“再生終了位置が720〜840”のように)、再生開始位置と再生終了位置との間の区間が重複する、などの条件によって再生履歴をグループ化し、再生パターンを抽出する。
【0075】
上記の処理によって抽出される再生パターンは、携帯再生装置200において再生された同分類の番組の部分をグループ化したものであるため、ユーザが携帯再生装置200に転送することを所望する部分を表していると推定される。ユーザの所望がより強い部分を抽出するために、グループ化された再生履歴の数に基づいて、再生パターンとして抽出するか否かを決定してもよい。例えば、グループ化された再生履歴が、所定の閾値を上回る数である場合に、グループ化された再生履歴を再生パターンとして抽出するように、抽出部170が設定されていてもよい。
【0076】
次に、抽出部170は、番組コーナー情報603を取得し、再生パターンに対応付ける(ステップS305)。ここで用いられる番組コーナー情報603について、以下で図10および図11を参照して説明する。
【0077】
図10は、番組コーナー情報603のデータ構造の一例を示す図である。番組コーナー情報は、例えばWEB上のメタデータ配信サービスなどから取得することができる。図10を参照すると、番組コーナー情報603は、番組ID、コーナーID、コーナー開始位置、コーナー終了位置、および詳細情報を含む。番組IDは、番組情報135に含まれる番組IDに対応する。番組情報135と番組コーナー情報603とは、番組IDによって紐付けることができる。コーナーIDは、テレビ番組中のコーナーを一意に識別するためのIDである。コーナー開始位置およびコーナー終了位置は、コーナーの開始と終了の位置を、例えば番組開始からの経過秒数で表したものである。詳細情報は、例えばコーナータイトルや内容の要約などの、コーナーに関する詳細情報である。
【0078】
図11は、番組コーナー情報603によって得ることができる情報を説明するための図である。図11を参照すると、3月3日放送分および3月4日放送分の“ニュースABC”のコーナー構成が示されている。どちらの日においても、番組開始からのコーナーの並び順は同一である。しかし、各コーナーの開始位置はそれぞれの日で異なっている。例えば、“ニューヨーク情報”は、3月3日放送分では番組開始後6分00秒から開始されているのに対して、3月4日放送分では番組開始後8分03秒から開始されている。
【0079】
上記の例において、ユーザが、それぞれの日の“ニュースABC”の“ニューヨーク情報”のコーナーのみを携帯再生装置200で再生した場合、再生開始位置および再生終了位置の情報のみによって生成された再生パターンは、ユーザの所望を正確に反映していない可能性がある。ユーザは、「番組開始後、何秒から何秒まで」ではなく、「“ニューヨーク情報”のコーナー」を所望して再生していると考えられるからである。そこで、番組コーナー情報603がもつ各放送日のコーナー開始位置およびコーナー終了位置の情報を、同じ日の再生履歴の再生開始位置および再生終了位置と対応付けることによって、“コーナー単位での再生”を再生パターンに反映させることができる。
【0080】
再び図9を参照して、抽出部170は、次に、字幕情報605からキーワードを取得し、再生パターンに対応付ける(ステップS307)。ここで用いられる字幕情報605について、以下で図12を参照して説明する。
【0081】
図12は、字幕情報605のデータ構造の一例を示す図である。字幕情報605は、例えば放送信号に含まれるSI、EPG情報などのメタデータから取得することができる。図12を参照すると、字幕情報605は、番組ID、字幕ID、字幕開始位置、および字幕内容を含む。番組IDは、番組情報135に含まれる番組IDに対応する。番組情報135と字幕情報605とは、番組IDによって紐付けることができる。字幕IDは、テレビ番組中の字幕を、例えば一文ごとなどの単位ごとに区切って一意に識別するためのIDである。字幕開始位置は、字幕の開始の位置を、例えば番組開始からの経過秒数で表したものである。字幕内容は、字幕の内容を例えばテキストデータで表したものである。
【0082】
ここで、抽出部170は、再生パターンに対応する再生履歴の再生開始位置と、字幕情報605に含まれる字幕開始位置とを対応付けることによって、字幕情報605から再生履歴に対応する字幕レコードを取得する。抽出部170は、さらに、取得した字幕レコードの字幕の内容に対して形態素解析などを行い、字幕において頻出するキーワードを取得して再生パターンに対応付ける。なお、キーワードは、番組コーナー情報603に含まれるコーナーの詳細情報から、同様に形態素解析によって取得されてもよい。このように、再生パターンにキーワードを対応付けることによって、ユーザがコンテンツの再生部分を選択する基準となるキーワードを、再生パターンに反映させることができる。
【0083】
再び図9を参照して、抽出部170は、次に、再生履歴情報137から再生状態を推定し、再生パターンに対応付ける(ステップS309)。再生状態は、ユーザがコンテンツを再生したときの状態に応じて、例えば“音声、映像”、“音声”または“映像”のように記録されているものである。抽出部170は、特定の再生パターンについて、ユーザが“音声”、“映像”のような特定の再生状態で再生する頻度が高い場合、その再生状態を再生パターンに対応付ける。この場合、データ変換部160は、特定の再生状態が対応付けられた再生パターンに対応する変換対象部分を変換する際に、当該再生状態で転送用データ133を生成する。なお、ユーザが用いる再生状態が特に定まっていない場合、再生パターンには“音声、映像”の再生状態が対応付けられる。
【0084】
上記の処理によって抽出される再生パターン情報607について、以下で図13を参照して説明する。図13は、再生パターン情報607のデータ構造の一例を示す図である。図13を参照すると、再生パターン情報607は、再生パターンID、分類ID、コーナー位置、キーワード、再生状態、および再生回数を含む。再生パターンIDは、再生パターン情報のレコードの単位である再生パターンを一意に識別するIDである。分類IDは、分類情報601および再生履歴情報137に含まれる分類IDに対応する。コーナー位置は、図9のステップS305において、番組コーナー情報603を用いて対応付けられた情報であり、番組開始から数えたコーナーの位置である。キーワードは、ステップS307において、字幕情報605を用いて対応付けられた情報である。再生状態は、ステップS309において、再生履歴情報137を用いて対応付けられた情報である。再生回数は、再生パターンを生成する際にグループ化された再生履歴の数である。
【0085】
上記の再生パターン情報607に含まれる再生パターンの各レコードにおいて、コーナー位置およびキーワードは、そのいずれかが設定されていればよい。例えば、ユーザが、携帯再生装置200において、テーマに関わらず、番組の特定のコーナーのみを毎回再生しているような場合には、再生パターンID“4002”のレコードのように、共通するキーワードは検出されず、コーナー位置のみが設定されうる。また、ユーザが、携帯再生装置200において、コーナーに関わらず、特定のテーマに関する番組の部分のみを再生しているような場合には、再生パターンID“4003”のレコードのように、キーワードのみが設定されうる。
【0086】
再び図5を参照して、抽出部170は、次に、対象番組に対応する再生パターンが存在するか否かを判定する(ステップS207)。具体的には、抽出部170は、対象番組に対応する番組IDの分類情報601のレコードを参照し、さらに、当該レコードの分類IDをもつ再生パターン情報607のレコードを検索する。ここで、条件に合致する再生パターン情報607のレコードが存在しない場合、すなわち対象番組に対応する再生パターンが存在しないと判定された場合、抽出部170は処理を終了する。一方、対象番組に対応する再生パターンが存在すると判定された場合、抽出部170は、再生パターンに対応する対象番組の部分を、変換対象部分として抽出する(ステップS209)。ここで抽出される変換対象部分情報609について、以下で図14を参照して説明する。
【0087】
図14は、変換対象部分情報609のデータ構造の一例を示す図である。図14を参照すると、変換対象部分情報609は、変換対象部分ID、番組ID、ファイル名、再生パターンID、変換開始位置、変換終了位置、および再生状態を含む。変換対象部分IDは、変換対象部分情報609のレコードの単位である変換対象部分を一意に識別するIDである。番組IDは、対象番組の番組IDである。ファイル名は、番組IDが一致する番組情報135のレコードから取得された、再生用データ131のファイル名である。再生パターンIDは、変換対象部分に対応する再生パターンのIDである。変換開始位置および変換終了位置は、変換対象部分の始点と終点を、番組開始からの経過秒数によって表す。再生状態は、変換対象部分に対応する再生パターンに対応付けられた再生状態の情報である。
【0088】
ここで、抽出部170は、対象番組に対応する再生パターンに含まれるコーナー位置、またはキーワードに基づいて、対象番組の変換対象部分を時間単位で抽出する。具体的には、再生パターンにコーナー位置が設定されている場合、抽出部170は、対象番組について番組コーナー情報603を参照し、当該コーナー位置に対応するコーナーが存在する場合、そのコーナーの開始位置および終了位置を、変換対象部分の変換開始位置および変換終了位置に設定する。対応するコーナーが存在しない場合、変換対象部分は抽出されない。また、再生パターンにキーワードが設定されている場合、抽出部170は、対象番組について字幕情報605を参照し、当該キーワードを含む字幕が存在する場合、その字幕の開始位置に基づいて、変換対象部分の変換開始位置および変換終了位置を設定する。当該キーワードを含む字幕が存在しない場合、変換対象部分は抽出されない。
【0089】
上記のようにして抽出された変換対象部分情報609は、データ変換部160によって、以下のように用いられる。まず、データ変換部160は、変換対象部分情報609に含まれるファイル名の情報から、変換の対象とすべき再生用データ131を特定する。次に、データ変換部160は、変換対象部分情報609に含まれる変換開始位置および変換終了位置の情報から、再生用データ131の変換の対象とすべき部分を特定する。データ変換部160は、この特定された部分について、再生用データ131のデータ形式を変換して転送用データ133を生成し、記憶部130に格納する。この際、変換対象部分情報609に含まれる再生状態として、“音声”または“映像”が設定されている場合、データ変換部160は、音声のみ、または映像のみのデータとして転送用データ133を生成する。それ以外の場合、データ変換部160は、映像および音声を含むAVデータとして転送用データ133を生成する。
【0090】
[1−3.転送時に行われる処理]
次に、図15を参照して、本発明の第1の実施形態に係るビデオレコーダ100において、携帯再生装置200へのデータ転送時に行われる処理について説明する。
【0091】
図15は、本発明の第1の実施形態に係るビデオレコーダ100において、携帯再生装置200へのデータ転送時に行われる処理の一例を示すフローチャートである。図15を参照すると、まず、転送順位設定部190が、転送順位情報を生成する(ステップS401)。転送順位情報は、携帯再生装置200への転送の対象となる転送対象部分を、所定の順位で配列した情報である。転送順位情報生成処理については、後に詳述する。
【0092】
次に、データ転送部180は、転送順位情報に次の転送対象部分が存在するか否かを判定する(ステップS403)。ここで、次の転送対象部分が存在しない場合、データ転送部180は、転送順位情報に含まれるすべての転送対象部分について処理が行われたと判断し、処理を終了する。
【0093】
ステップS403において、転送順位情報に次の転送対象部分が存在すると判定された場合、データ転送部180は、その転送対象部分を取得する(ステップS405)。ここで、転送対象部分は、転送の対象とする部分を時間単位で指定したものである。
【0094】
次に、データ転送部180は、ステップS405において取得した転送対象部分に対応する転送用データ133が記憶部130に格納されているか否かを判定する(ステップS407)。ここで、対応する転送用データ133が記憶部130に格納されている場合、データ転送部180は、当該転送用データ133を携帯再生装置200に転送する(ステップS411)。この場合、転送時のデータ変換処理が必要ないため、ビデオレコーダ100から携帯再生装置200へのコンテンツデータの転送を高速に行うことができる。
【0095】
一方、ステップS407において、転送対象部分に対応する転送用データ133が記憶部130に格納されていないと判定された場合、データ変換部160が、転送対象部分に対応する再生用データ131を、転送用データ133に変換する(ステップS409)。これはつまり、転送用データ133を予め用意していない従来のビデオレコーダと同じ動作である。本実施形態においては、転送対象部分になると推定される番組の部分の転送用データ133を予め用意するため、このステップS409が実行される可能性は高くないと考えられる。続いて、データ転送部180は、ステップS409において変換された転送用データ133を、携帯再生装置200に転送する(ステップS411)。
【0096】
ステップS411において、転送用データ133を携帯再生装置200に転送した後、データ転送部180は、再びステップS403を実行し、転送順位情報に含まれるすべての転送対象部分に対して処理を行う。
【0097】
(転送順位情報生成処理)
次に、図16を参照して、本発明の第1の実施形態に係るビデオレコーダ100が行う転送順位情報生成処理(図15のステップS401)について説明する。
【0098】
図16は、本発明の第1の実施形態に係るビデオレコーダ100が行う転送順位情報生成処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態における転送順位情報は、転送用データ133のリストと、再生履歴情報137に基づいて生成される。図16を参照すると、まず、転送順位設定部190は、転送用データ133のリストを取得する(ステップS501)。ここで取得される転送用データ133のリストは、記憶部130に格納されている転送用データ133の情報のリストである。転送用データ133の情報は、例えば図14を参照して説明した変換対象部分情報609に類似したデータ構造を有し、分類IDを含む。
【0099】
次に、転送順位設定部190は、転送用データ133のリストに、次の転送用データ133の情報が存在するか否かを判定する(ステップS503)。ここで、次の転送用データ133の情報が存在すると判定された場合、転送順位設定部190は、転送用データ133のリストから、次の転送用データ133の情報を取得する(ステップS505)。
【0100】
次に、転送順位設定部190は、ステップS505において取得した転送用データ133の情報について、分類IDを用いて、再生履歴情報137から、同分類の番組の再生履歴を取得する(ステップS507)。次に、転送順位設定部190は、ステップ507において取得した再生履歴をカウントし、当該カウントを転送用データ133の情報に対応付ける(ステップS509)。ここで再生履歴は、番組単位でカウントされてもよく、また番組の部分の単位でカウントされてもよい。
【0101】
ステップS509において、カウントを転送用データ133の情報に対応付けた後、転送順位設定部190は、再びステップS503を実行し、転送用データ133のリストに含まれるすべての転送用データ133の情報に対して処理を行う。すべての転送用データ133の情報に対して処理が行われ、ステップ503において、次の転送用データ133の情報が存在しないと判断された場合、転送順位設定部190は、これまでに処理された転送用データ133の情報を、ステップS509において対応付けられたカウントが大きい順に転送順位情報に設定し(ステップS511)、処理を終了する。
【0102】
[1−4.まとめ]
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、ビデオレコーダ100は、受信したテレビ番組を、自装置によって再生可能なデータ形式の再生用データ131として記憶部130に格納する。さらに、ビデオレコーダ100は、再生用データ131のうち、携帯再生装置200から提供される再生履歴情報137に基づいて抽出された変換対象部分を、携帯再生装置200によって再生可能なデータ形式の転送用データ133に変換し、記憶部130に格納する。かかる構成によって、ユーザが携帯再生装置200における再生を所望すると推定される番組の部分に限定して、再生用データ131を転送用データ133に変換することができ、データ形式変換によるビデオレコーダ100の処理負担を抑えることができる。
【0103】
また、本実施形態において、変換対象部分情報609は、時間単位で抽出される。かかる構成によって、番組の必要な部分だけを変換対象部分として抽出することができる。また、本実施形態において、変換対象部分情報609は、受信したテレビ番組と同分類のテレビ番組についての再生パターンに基づいて抽出される。かかる構成によって、テレビ番組の特定の部分に対するユーザの嗜好を、変換対象部分情報609に反映することができる。また、本実施形態において、再生パターンは、番組コーナー情報603、字幕情報605のキーワード、または再生履歴情報137に含まれる再生状態に対応付けて抽出される。かかる構成によって、ユーザの多様な習慣や嗜好を再生パターンに反映させることができる。
【0104】
また、本実施形態において、ビデオレコーダ100は、所定の転送順位情報に従って、転送用データ133を携帯再生装置200に転送する。かかる構成によって、携帯再生装置200へのコンテンツデータの転送に要する時間を短縮することができる。また、本実施形態において、転送順位情報は、再生履歴情報137に基づいて自動的に生成される。かかる構成によって、転送用データ133が予め用意されたテレビ番組の部分を、優先的に携帯再生装置200に転送することができる。
【0105】
<2.第2の実施形態>
次に、図17を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、データ変換部160が、変換対象部分の再生用データ131を転送用データ133に変換して記憶部130に格納する処理において、データが、再生履歴情報137から取得した再生時間に応じた長さで変換されることを特徴としている。
【0106】
なお、第2の実施形態は、第1の実施形態と比べて、上記の処理(図4のステップS107に相当)において相違するが、その他の機能構成は、第1の実施形態と略同一であるので、詳細説明は省略する。
【0107】
図17は、本発明の第2の実施形態に係るビデオレコーダ100が行うデータ変換処理の一例を示すフローチャートである。図17を参照すると、まず、データ変換部160は、変換対象部分情報609を取得する(ステップS601)。変換対象部分情報609のデータ構造は、第1の実施形態において図14を参照して説明したデータ構造と同様である。
【0108】
次に、データ変換部160は、変換対象部分情報609に次の変換対象部分が存在するか否かを判定する(ステップS603)。ここで、次の変換対象部分が存在しない場合、データ変換部160は、変換対象部分情報609に含まれるすべての変換対象部分について処理が行われたと判断し、処理を終了する。
【0109】
ステップS603において、変換対象部分情報609に次の変換対象部分が存在すると判定された場合、データ変換部160は、その変換対象部分に対応する再生用データ131を、転送用データ133に変換し、記憶部130に格納する(ステップS605)。
【0110】
次に、データ変換部160は、ここまでの処理により変換した転送用データ133の累計再生時間を算出し、当該累計再生時間が、所定の時間以内であるか否かを判定する(ステップS607)。ここで、所定の時間とは、再生履歴情報137に含まれる再生時間に応じた長さの時間である。例えば、ビデオレコーダ100から携帯再生装置200へのコンテンツデータの転送が1日に1回行われる場合、上記の所定の時間は、再生履歴情報137における1日あたりの再生時間として算出される。携帯再生装置200における再生時間は、例えば、再生履歴に含まれる再生開始位置と再生終了位置の差として求めることができる。
【0111】
ステップS607において、累計再生時間が所定の時間以内であると判定された場合、データ変換部160は、再びステップS603を実行し、変換対象部分情報609に含まれる次の変換対象部分について処理を行う。一方、ステップS607において、累計再生時間が所定の時間を上回ったと判定された場合、データ変換部160は、処理を終了する。
【0112】
以上で説明した本実施形態の構成によって、ユーザが実際に再生すると推定される時間を超えた時間の転送用データ133が生成されることを防ぐことができ、データ形式変換によるビデオレコーダ100の処理負担を抑えることができる。
【0113】
<3.第3の実施形態>
次に、図18を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、転送順位情報に含まれるコンテンツの部分に対応する転送用データ133が記憶部130に格納されていない場合に、当該部分を変換対象部分として一旦記憶することを特徴としている。
【0114】
なお、第3の実施形態は、第1の実施形態および第2の実施形態と比べて、上記の処理(図15の処理に相当)において相違するが、その他の機能構成は、第1の実施形態または第2の実施形態と略同一であるので、詳細説明は省略する。
【0115】
図18は、本発明の第3の実施形態に係るビデオレコーダ100において、携帯再生装置200へのデータ転送時に行われる処理の一例を示すフローチャートである。図18を参照すると、まず、転送順位設定部190が、転送順位情報を生成する(ステップS701)。ここでの転送順位情報生成処理は、第1の実施形態において図16を用いて説明した処理と同様の処理である。
【0116】
次に、データ転送部180は、転送順位情報に次の転送対象部分が存在するか否かを判定する(ステップS703)。ここで、転送順位情報に次の転送対象部分が存在すると判定された場合、データ転送部180は、その転送対象部分を取得する(ステップS705)。ここで、転送対象部分は、転送の対象とする部分を時間単位で指定したものである。
【0117】
次に、データ転送部180は、ステップS705において取得した転送対象部分に対応する転送用データ133が記憶部130に格納されているか否かを判定する(ステップS707)。ここで、対応する転送用データ133が記憶部130に格納されている場合、データ転送部180は、当該転送用データ133を携帯再生装置200に転送する(ステップS709)。この場合、転送時のデータ変換処理が必要ないため、ビデオレコーダ100から携帯再生装置200へのコンテンツデータの転送を高速に行うことができる。
【0118】
一方、ステップS707において、転送対象部分に対応する転送用データ133が記憶部130に格納されていない場合、データ転送部180は、当該転送対象部分の情報を、変換対象部分として、記憶部130に一時的に記憶される変換対象リストに追加する(ステップS711)。
【0119】
ステップS709、またはステップS711を実行した後、データ転送部180は、再びステップS703を実行し、転送順位情報に含まれるすべての転送対象部分に対して処理を行う。
【0120】
一方、ステップS703において、転送順位情報に次の転送対象部分が存在しないと判定された場合、データ転送部180は、少なくとも、転送用データ133が予め記憶部130に格納されている転送対象部分についてはすべて処理が行われたと判断する。この場合、データ転送部180は、次に、記憶部130に一時的に記憶されている変換対象リストを取得する(ステップS713)。
【0121】
次に、データ転送部180は、変換対象リストに次の変換対象部分が存在するか否かを判定する(ステップS715)。ここで、変換対象リストに次の変換対象部分が存在すると判定された場合、データ転送部180は、その変換対象部分を取得する(ステップS717)。次に、データ変換部160が、変換対象部分に対応する再生用データ131を、転送用データ133に変換する(ステップS719)。続いて、データ転送部180は、ステップS719において変換された転送用データ133を、携帯再生装置200に転送する(ステップS721)。
【0122】
ステップS721において、転送用データ133を携帯再生装置200に転送した後、データ転送部180は、再びステップS715を実行し、変換対象リストに含まれるすべての変換対象部分に対して処理を行う。ステップS715において、変換対象リストに次の変換対象部分が存在しないと判定された場合、データ転送部180は、変換対象リストに含まれるすべての変換対象部分について処理が行われたと判断し、処理を終了する。
【0123】
以上で説明した本実施形態の構成とすることによって、転送順位情報に含まれるテレビ番組の部分のうち、転送用データ133が予め用意されている部分について、先行して携帯再生装置200に転送することができる。従って、転送用データ133が予め用意されていない部分について再生用データ131を転送用データ133に変換する処理の途中で処理を中断した場合にも、携帯再生装置200にある程度の量のコンテンツデータを転送することができる。
【0124】
<4.第4の実施形態>
次に、図19を参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、転送順位情報が、ユーザによる選択に基づいて生成されることを特徴としている。
【0125】
なお、第4の実施形態は、第1の実施形態、第2の実施形態、および第3の実施形態と比べて、上記の処理(図15のステップS401、または図18のステップS701に相当)において相違するが、その他の機能構成は、第1の実施形態、第2の実施形態、または第3の実施形態と略同一であるので、詳細説明は省略する。
【0126】
図19は、本発明の第4の実施形態に係るビデオレコーダ100が、転送順位情報を生成するためのユーザによる選択の操作を受け付けるためにディスプレイ300に表示する操作画面の一例を示す図である。ここでは、例として、ユーザが番組“ニュースABC”を選択した場合を図示している。“ニュースABC”では、2つの部分に対応する転送用データ133が記憶部130に格納されており、1つはコーナー「ニューヨーク情報」の部分、もう1つは、特定のキーワードとは関連付けられていないコーナーの部分(例えば図13の再生パターンID“4002”のような)であるものとする。
【0127】
この場合、操作画面には、例えば、図示するようなコンテキストメニューが表示される。このコンテキストメニューは、記憶部130に格納されている転送用データ133に基づいて生成することができる。図示されている例では、コーナー「ニューヨーク情報」の部分を選択する“「ニューヨーク情報」を転送”、特定のキーワードとは関連付けられていないコーナーの部分もあわせて、転送用データ133が記憶部130に格納されている部分をすべて選択する“おまかせ転送”、転送用データ133には関わりなく、番組すべてを転送する“すべて転送”が表示されている。
【0128】
ここで、例えば、ユーザが“「ニューヨーク情報」を転送”を選択する操作をした場合、入力装置を介して当該指示を取得した転送順位設定部190は、コーナー「ニューヨーク情報」の部分に対応する転送用データ133の情報を、転送順位情報に設定する。
【0129】
以上で説明した本実施形態の構成とすることによって、転送順位情報にユーザの嗜好を直接的に反映させることができる。また、操作画面を介してユーザに転送用データ133の存在を知らせることで、ユーザが転送用データ133を活用して転送順位情報を設定するよう誘導することができる。
【0130】
<5.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0131】
例えば、上記実施形態では、携帯再生装置における再生履歴情報のみに基づいて、再生パターンの抽出や転送順位情報の設定をしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、番組のジャンルや出演者といった属性情報、番組内の盛り上がり、音声(話し声や音楽)の有無に基づいて上記の処理を行ってもよい。
【0132】
また、上記実施形態では、ビデオレコーダが、データ形式の変換や携帯再生装置への転送の処理を行う構成としたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、ビデオレコーダが行う処理を、ビデオレコーダにインターネットなどのネットワークで接続されたコンピュータなどの、他の情報処理装置によって行ってもよい。
【符号の説明】
【0133】
10 情報処理システム
100 ビデオレコーダ
120 録画部
130 記憶部
131 再生用データ
133 転送用データ
135 番組情報
137 再生履歴情報
150 履歴取得部
160 データ変換部
170 抽出部
180 データ転送部
190 転送順位設定部
200 携帯再生装置
210 データ取得部
220 記憶部
230 再生部
250 履歴生成部
260 履歴転送部
603 番組コーナー情報
605 字幕情報
607 再生パターン情報
609 変換対象部分情報


【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信されたコンテンツを、自装置によって再生可能な第1のデータ形式のコンテンツデータとして記憶部に格納するステップ、
自装置から転送されたコンテンツデータによってコンテンツを再生する携帯再生装置から提供される、再生されたコンテンツの部分に関する再生履歴情報に基づいて、前記受信されたコンテンツの特定の部分を抽出するステップ、および
前記受信されたコンテンツの特定の部分に対応する前記第1のデータ形式のコンテンツデータを、前記携帯再生装置によって再生可能な第2のデータ形式のコンテンツデータに変換して前記記憶部に格納するステップ
を含む情報処理方法。
【請求項2】
前記受信されたコンテンツの特定の部分は、時間単位で抽出される、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記抽出するステップは、
前記受信されたコンテンツと同分類のコンテンツについて、前記再生履歴情報から再生パターンを抽出するステップ、および
前記受信されたコンテンツの特定の部分を、前記再生パターンに基づいて抽出するステップ
を含む、請求項1または2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記受信されたコンテンツおよび前記再生されたコンテンツは、いずれもテレビ番組であり、
前記同分類のコンテンツは、前記テレビ番組の番組情報に基づいて決定される、請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記再生パターンは、前記番組情報に含まれる番組コーナー情報に対応付けて抽出される、請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記再生パターンは、前記番組情報に含まれる字幕情報のキーワードに対応付けて抽出される、請求項4または5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記再生パターンは、前記再生履歴情報に含まれる再生状態に対応付けて抽出され、
前記第2のデータ形式のコンテンツデータは、前記再生パターンに対応付けられた前記再生状態で再生可能なデータに変換される、請求項3〜6のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記第2のデータ形式のコンテンツデータは、前記再生履歴情報に含まれる再生時間に応じた長さで変換される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項9】
コンテンツの部分を前記携帯再生装置に転送する順位を定義した転送順位情報に従って、前記第2のデータ形式のコンテンツデータを前記携帯再生装置に転送するステップをさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記転送するステップは、
前記転送順位情報に含まれるコンテンツの部分に対応する前記第2のデータ形式のコンテンツデータが記憶部に格納されている場合、当該部分に対応する前記第2のデータ形式のコンテンツデータを前記携帯再生装置に転送し、それ以外の場合、当該部分を変換対象部分として記憶するステップ、および
前記変換対象部分に対応する前記第1のデータ形式のコンテンツデータを、前記第2のデータ形式のコンテンツデータに変換し、当該データを前記携帯再生装置に転送するステップ
を含む、請求項9に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記転送順位情報は、前記再生履歴情報に基づいて生成される、請求項9または10に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記転送順位情報は、ユーザによる選択に基づいて生成される、請求項9または10に記載の情報処理方法。
【請求項13】
コンテンツデータを情報処理装置から取得するデータ取得部、
前記コンテンツデータによってコンテンツを再生する再生部、
前記再生部が再生したコンテンツの部分に関する再生履歴情報を生成し、記憶部に格納する履歴生成部、および
前記再生履歴情報を前記情報処理装置に転送する履歴転送部
を備える携帯再生装置と、
受信されたコンテンツを、自装置によって再生可能な第1のデータ形式のコンテンツデータとして記憶部に格納する録画部、
前記再生履歴情報を前記携帯再生装置から取得する履歴取得部、
前記再生履歴情報に基づいて、前記受信されたコンテンツの特定の部分を抽出する抽出部、
前記受信されたコンテンツの特定の部分に対応する前記第1のデータ形式のコンテンツデータを、前記携帯再生装置によって再生可能な第2のデータ形式のコンテンツデータに変換して前記記憶部に格納するデータ変換部、および
前記第2のデータ形式のコンテンツデータを前記携帯再生装置に転送するデータ転送部
を備える情報処理装置と
を含む情報処理システム。
【請求項14】
受信されたコンテンツを、自装置によって再生可能な第1のデータ形式のコンテンツデータとして記憶部に格納する録画部、
自装置から転送されたコンテンツデータによってコンテンツを再生する携帯再生装置から提供される、再生されたコンテンツの部分に関する再生履歴情報に基づいて、前記受信されたコンテンツの特定の部分を抽出する抽出部、および
前記受信されたコンテンツの特定の部分に対応する前記第1のデータ形式のコンテンツデータを、前記携帯再生装置によって再生可能な第2のデータ形式のコンテンツデータに変換して前記記憶部に格納するデータ変換部
を備える情報処理装置。
【請求項15】
受信されたコンテンツを、自装置によって再生可能な第1のデータ形式のコンテンツデータとして記憶部に格納する手段、
自装置から転送されたコンテンツデータによってコンテンツを再生する携帯再生装置から提供される、再生されたコンテンツの部分に関する再生履歴情報に基づいて、前記受信されたコンテンツの特定の部分を抽出する手段、および
前記受信されたコンテンツの特定の部分に対応する前記第1のデータ形式のコンテンツデータを、前記携帯再生装置によって再生可能な第2のデータ形式のコンテンツデータに変換して前記記憶部に格納する手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−239140(P2011−239140A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108222(P2010−108222)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】