説明

情報処理端末およびその表示制御方法

【課題】アプリケーションの画面の視認性を維持しつつ、ソフトウェアキーボードを表示すること。
【解決手段】本発明の情報処理端末は、2つのディスプレイと、情報処理端末の姿勢を検知する姿勢検知部と、前記情報処理端末の姿勢が前記2つのディスプレイを縦に並べて配置する特定姿勢であれば、下側に配置されたディスプレイにソフトウェアキーボードを表示する制御部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理端末およびその表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の情報処理端末の中には、ディスプレイにソフトウェアキーボードを表示し、文字や記号等の情報を入力するものも増えている。
【0003】
ただし、ソフトウェアキーボードを表示すると、文字や記号等の情報を入力する入力エリアが見えなくなってしまう可能性がある。
【0004】
そこで、特許文献1には、ディスプレイに表示する画面を2つの分割画面に分割し、入力エリアが指定された場合には、その入力エリアを含む分割画面とは反対側の分割画面にソフトウェアキーボードを表示する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−327715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、2つのディスプレイを備えた2画面端末と呼ばれる情報処理端末がある。
【0007】
2画面端末の場合、2つのディスプレイの各々に異なるアプリケーションに関する表示データを表示することが可能である。
【0008】
そのため、2画面端末において、2つのディスプレイのいずれかにアプリケーションに関する表示データを表示している状態で、そのアプリケーションに関する表示データの入力エリアが指定された場合、特許文献1に記載の技術を適用して、ソフトウェアキーボードを表示することも可能である。
【0009】
しかし、特許文献1に記載の技術においては、入力エリアが指定されたアプリケーションに関する表示データを表示しているディスプレイにソフトウェアキーボードが表示される。そのため、そのアプリケーションの画面の一部が見えなくなり視認性を損ねることになる。
【0010】
また、特許文献1に記載の技術においては、入力エリアが下側の分割画面に存在する場合、上側の分割画面にソフトウェアキーボードを表示する。その場合、ソフトウェアキーボードの操作時に、操作するためのオブジェクトや手指の配置状況によっては、下側の分割画面に対する視認性を損ねることになる。
【0011】
そこで、本発明の目的は、上述した課題を解決し、アプリケーションの画面の視認性を維持しつつ、ソフトウェアキーボードを表示することができる情報処理端末およびその表示制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の情報処理端末は、
2つのディスプレイと、
情報処理端末の姿勢を検知する姿勢検知部と、
前記情報処理端末の姿勢が前記2つのディスプレイを縦に並べて配置する特定姿勢であれば、下側に配置されたディスプレイにソフトウェアキーボードを表示する制御部と、を有する。
【0013】
本発明の表示制御方法は、
2つのディスプレイを有する情報処理端末による表示制御方法であって、
前記情報処理端末の姿勢を検知し、
前記情報処理端末の姿勢が前記2つのディスプレイを縦に並べて配置する特定姿勢であれば、下側に配置されたディスプレイにソフトウェアキーボードを表示する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、アプリケーションの画面の視認性を維持しつつ、ソフトウェアキーボードを表示することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1および第2の実施形態の情報処理端末の外観図である。
【図2】本発明の第1および第2の実施形態の情報処理端末の外観図である。
【図3】本発明の第1および第2の実施形態の情報処理端末の機能ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の情報処理端末の動作の概要を説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の情報処理端末の動作の概要を説明する図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の情報処理端末の動作の流れを説明するフロー図である。
【図7】本発明の第2の実施形態の情報処理端末の動作の概要を説明する図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の情報処理端末の動作の概要を説明する図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の情報処理端末の動作の流れを説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1および図2は、本実施形態の情報処理端末10の外観図である。
【0018】
図1および図2に示すように、本実施形態の情報処理端末10は、互いに開閉可能に接続された2つの筐体11−1,11−2からなり、各筐体11−1,11−2のそれぞれにディスプレイ12−1,12−2を備えた2画面端末である。
【0019】
情報処理端末10の利用スタイルとしては、大別して、図1に示すように、情報処理端末10の有する2つのディスプレイ12−1,12−2を横に並ぶように配置した、本のように利用するスタイル(以下、ブックスタイルと称す)と、図2に示すように、2つのディスプレイ12−1,12−2を縦に並ぶように配置した、ノート型PC(Personal Computer)のように利用するスタイル(以下、PCスタイルと称す)と、の2つが存在する。
【0020】
なお、図1および図2においては、ディスプレイ12−1には、インターネット上のWebページなどを検索する検索サイトのアプリケーションに関する表示データが表示されている。この検索サイトには、文字や記号等の情報を入力する入力エリアXが含まれている。また、ディスプレイ12−2には、ゲームのアプリケーションに関する表示データが表示されている。
【0021】
図3は、本実施形態の情報処理端末10の機能ブロック図である。
【0022】
図3に示すように、本実施形態の情報処理端末10は、ディスプレイ12−1,12−2と、制御部13と、姿勢センサ(姿勢検知部)14と、を有している。
【0023】
ディスプレイ12−1,12−2は、画面を表示する機能と、ユーザの指やペンによるタッチ操作を検出する機能と、を有するタッチパネル式のディスプレイである。なお、ディスプレイ12−1,12−2は、制御部13からの制御で指示を受けた表示データを画面上に表示し、また、タッチ操作を検出した位置を表すタッチ入力情報を制御部13に通知する。
【0024】
制御部13は、アプリケーションを起動してその画面をディスプレイ12−1,12−2に表示し、また、アプリケーションの処理を実行する。
【0025】
姿勢センサ14は、3軸加速度センサ等であり、情報処理端末10の姿勢を検知し、検知した姿勢を表す姿勢情報(各軸の加速度の情報等)を制御部13に通知する。
【0026】
制御部13は、姿勢センサ14からの姿勢情報を基に、情報処理端末10の利用スタイルがブックスタイルまたはPCスタイルのどちらであるかを判断する。さらに、ブックスタイルであれば、2つのディスプレイ12−1,12−2が右側または左側のどちらに配置されているかも判断し、また、PCスタイルであれば、2つのディスプレイ12−1,12−2が上側または下側のどちらに配置されているかも判断する。
【0027】
ただし、例えば、情報処理端末10の開閉角度を180度にして机の上などの平面上に置いた状態で起動した場合には、情報処理端末10の利用スタイルを判断できない可能性がある。その場合は、制御部13は、情報処理端末10の利用スタイルを判断するために、ディスプレイ12にメッセージを表示する等して、情報処理端末10を持ち上げて傾けることをユーザに促せば良い。
【0028】
ここで、PCスタイルの場合、図2に示したように、情報処理端末10の2つのディスプレイ12−1,12−2が縦に並べて配置される。そのため、ソフトウェアキーボードを表示する場合、2つのディスプレイ12−1,12−2のうち下側に配置されたディスプレイに表示すれば、上側に配置されたディスプレイに表示されたアプリケーションの画面は、たとえソフトウェアキーボードの操作中であっても変わらずに表示領域を確保した状態で表示することができる。
【0029】
そこで、制御部13は、PCスタイルの場合、2つのディスプレイ12−1,12−2が縦に並べて配置されることを利用して、ソフトウェアキーボードを下側に配置されたディスプレイに表示する。
【0030】
以下、本実施形態の情報処理端末10の動作について説明する。
【0031】
図4および図5は、本実施形態の情報処理端末10の動作の概要を説明する図である。
【0032】
図4では、PCスタイルにおいて、入力エリアXを含む検索サイトのアプリケーションに関する表示データが上側のディスプレイ12−1に表示され、下側のディスプレイ12−2にゲームのアプリケーションに関する表示データが表示されている(状態A1)。
【0033】
この状態A1で、上側のディスプレイ12−1上の検索サイトの入力エリアXがタップ操作によって指定されると、制御部13は、下側のディスプレイ12−2にソフトウェアキーボードを表示する(状態A2)。このとき、下側のディスプレイ12−2においては、ゲームの画面の上にソフトウェアキーボードの画面が重ねられた状態となっている。この重複表示とは、制御部13が上面に位置する表示データのみの描画処理を行うことであってもよいが、例えば下面に存在することになるゲームの画面が、上面に存在するソフトウェアキーボートの画面を通して少し視認できる程度とする半透過表示となるような描画処理であってもよい。また、半透過の有無に関らず、この重複表示の状態において、ソフトウェアキーボードの画面の終了指示を行った場合、そのディスプレイ12−2上に表示されていたゲームの画面が再び表示されることとなる。
【0034】
この重複表示により、検索サイトの画面は、たとえソフトウェアキーボードの操作中であっても表示状態を維持することが可能である。なお表示状態を維持するとは、他の表示用データ等が存在したとしても、当該検索サイトを描画する表示領域を確保したまま描画処理を行うことができることを示す。そのため、ユーザは、検索サイトの画面全体を見ながら、ソフトウェアキーボードを操作して文字や記号等を入力することができる。
【0035】
以降、ソフトウェアキーボードの操作が終了した場合は、制御部13は、下側のディスプレイ12−2上のソフトウェアキーボードの表示データの表示処理を中止して、ディスプレイ12−1,12−2をソフトウェアキーボードの表示前の元の状態A1に戻す(状態A3)。
【0036】
なお、ソフトウェアキーボードの操作の終了は、例えば、検索サイトの場合、検索キー(図中、入力エリアXの右側のキー)がタップされたこと、検索サイトの入力エリアX以外のエリアがタップされたこと等で判断しても良い。または、筐体11−1または11−2上に物理的に配置した特定のキーが押下されたこと、ディスプレイ12−1または12−2上に表示した特定のキーがタップされたこと等で判断しても良い。
【0037】
一方、図5では、PCスタイルにおいて、入力エリアXを含む検索サイトのアプリケーションに関する表示データが下側のディスプレイ12−2に表示され、上側のディスプレイ12−1にゲームのアプリケーションに関する表示データが表示されている(状態B1)。
【0038】
この状態B1で、下側のディスプレイ12−2上の検索サイトの入力エリアXがタップ操作によって指定されると、制御部13は、検索サイトを一時的に上側のディスプレイ12−1に移動させて表示すると共に、下側のディスプレイ12−2にソフトウェアキーボードを表示する(状態B2)。このとき、上側のディスプレイ12−1においては、ゲームの画面の上に検索サイトの画面が重ねられた状態となっている。
【0039】
これにより、検索サイトの画面は、たとえソフトウェアキーボードの操作中であっても表示状態が維持される。そのため、ユーザは、検索サイトの画面全体を見ながら、ソフトウェアキーボードを操作して文字や記号等を入力することができる。
【0040】
以降、ソフトウェアキーボードの操作が終了した場合は、制御部13は、下側のディスプレイ12−2上のソフトウェアキーボードの表示データの表示処理を終了すると共に、上側のディスプレイ12−1に移動させた検索サイトを元の下側のディスプレイ12−2に戻して表示して、ディスプレイ12−1,12−2をソフトウェアキーボードの表示前の元の状態B1に戻す(状態B3)。
【0041】
これにより、ソフトウェアキーボードを操作する前後での各ディスプレイ上で表示されていた画面それぞれの表示位置の変化が生じないため、ユーザは、ソフトウェアキーボード操作の前後において違和感を受けることなく、情報処理端末10の使用を継続することが可能になる。
【0042】
図6は、本実施形態の情報処理端末10の動作の流れを説明するフロー図である。
【0043】
図6において、制御部13は、姿勢センサ14からの姿勢情報を監視すると共に、2つのディスプレイ12−1,12−2からのタッチ入力情報を監視している。
【0044】
まず、制御部13は、姿勢センサ14からの姿勢情報を基に、情報処理端末10の利用スタイルがPCスタイルであるかを判断する(ステップS11)。PCスタイルである場合は、さらに、2つのディスプレイ12−1,12−2が上側または下側のどちらに配置されているかも判断する。
【0045】
ステップS11において、PCスタイルである場合、制御部13は、ディスプレイ12−1,12−2からのタッチ入力情報を基に、ディスプレイ12−1,12−2に表示されたアプリケーションに関する表示データの入力エリアがタップ操作によって指定されたかを判断する(ステップS12)。
【0046】
ステップS12において、入力エリアが指定された場合、制御部13は、入力エリアが指定されたアプリケーション(以降のステップにおいて、第1のアプリケーションと称す)に関する表示データを表示していたディスプレイが上側または下側のどちらに配置されているかを判断する(ステップS13)。
【0047】
ステップS13において、第1のアプリケーションに関する表示データを表示していたディスプレイが上側に配置されていた場合は(図4の状態A1参照)、制御部13は、下側のディスプレイにソフトウェアキーボードを表示する(ステップS14。図4の状態A2参照)。
【0048】
以降、制御部13は、ソフトウェアキーボードの操作が終了したか判断し(ステップS15)、終了した場合は、下側のディスプレイ上のソフトウェアキーボードの表示データの表示処理を終了する(ステップS16。図4の状態A3参照)。
【0049】
一方、ステップS13において、第1のアプリケーションに関する表示データを表示していたディスプレイが下側に配置されていた場合は(図5の状態B1参照)、制御部13は、下側のディスプレイ上の第1のアプリケーションに関する表示データを一時的に上側のディスプレイに移動させて表示すると共に、下側のディスプレイにソフトウェアキーボードを表示する(ステップS17。図5の状態B2参照)。
【0050】
以降、制御部13は、ソフトウェアキーボードの操作が終了したか判断し(ステップS18)、終了した場合は、下側のディスプレイ上のソフトウェアキーボードの表示データの表示処理を終了すると共に、上側のディスプレイに移動させた第1のアプリケーションに関する表示データを元の下側のディスプレイに戻して表示する(ステップS18。図5の状態B3参照)。
【0051】
上述したように本実施形態においては、PCスタイルの場合、2つのディスプレイ12−1,12−2のうち下側のディスプレイにソフトウェアキーボードを表示する。
【0052】
これにより、上側のディスプレイに表示されたアプリケーションの画面は、たとえソフトウェアキーボードの操作中であっても表示状態が維持される。
【0053】
したがって、ユーザは、上側のディスプレイに表示されたアプリケーションの画面全体を見ながら、ソフトウェアキーボードを操作して文字や記号等を入力することができる。
【0054】
また、本実施形態においては、入力エリアが指定されたアプリケーションに関する表示データを上側のディスプレイに表示し、下側のディスプレイにソフトウェアキーボードを表示する。
【0055】
これにより、入力エリアが指定されたアプリケーションに関する表示データが下側のディスプレイに表示されていたとしても、そのアプリケーションに関する表示データを上側のディスプレイに移動して表示することができる。
【0056】
また、本実施形態においては、下側から上側のディスプレイに移動してアプリケーションに関する表示データを表示した場合、そのアプリケーションに関する表示データを、ソフトウェアキーボードの操作の終了後に、元の下側のディスプレイに戻して表示する。
【0057】
これにより、ソフトウェアキーボードを操作する前後での画面のそれぞれの表示位置の変化が生じないため、ユーザは、違和感を受けることなく、情報処理端末10の使用を継続することが可能になる。
(2)第2の実施形態
本実施形態の情報処理端末10は、第1の実施形態と比較すると、構成自体は同様であるが、動作が異なる。すなわち、本実施形態の情報処理端末10は、PCスタイルにおいて、下側のディスプレイに表示されていたアプリケーションの画面があるにも関らず、ソフトウェアキーボードを下側のディスプレイに表示することにより、視認性が損ねられることになるアプリケーションの画面を、表示先ディスプレイを切り替えて上側のディスプレイに表示するものである。
【0058】
図7および図8は、本実施形態の情報処理端末10の動作の概要を説明する図である。
【0059】
図7の状態C1は、図4の状態A1と同様の状態である。
【0060】
この状態C1で、上側のディスプレイ12−1上の検索サイトの入力エリアXがタップ操作によって指定されると、制御部13は、下側のディスプレイ12−2にソフトウェアキーボードを表示すると共に、下側のディスプレイ12−2に表示されていたゲームの画面を縮小して上側のディスプレイ12−1に表示する(状態C2)。このとき、上側のディスプレイ12−1においては、ゲームの縮小画面は、所定の位置に所定のサイズで表示される。また、検索サイトの画面の上にゲームの縮小画面が重ねられた状態となっている。なお、下側のディスプレイ12−2の状態は第1の実施形態と同様である。
【0061】
これにより、ユーザは、ソフトウェアキーボードを表示することで見えなくなってしまったゲームの画面を継続して見ることができる。
【0062】
以降、ソフトウェアキーボードの操作が終了した場合は、制御部13は、下側のディスプレイ12−2上のソフトウェアキーボードの表示データの表示処理を終了すると共に、上側のディスプレイ12−1上のゲームの縮小表示の表示処理を終了して、ディスプレイ12−1,12−2をソフトウェアキーボードの表示前の元の状態C1に戻す(状態C3)。
【0063】
一方、図8の状態D1は、図5の状態B1と同様の状態である。
【0064】
この状態D1で、下側のディスプレイ12−2上の検索サイトの入力エリアXがタップ操作によって指定されると、制御部13は、検索サイトを一時的に上側のディスプレイ12−1に移動させて表示すると共に、下側のディスプレイ12−2にソフトウェアキーボードを表示し、さらに、下側のディスプレイ12−2に表示されていたゲームの画面を縮小して上側のディスプレイ12−1に表示する(状態D2)。このとき、上側のディスプレイ12−1においては、ゲームの縮小画面は、所定の位置に所定のサイズで表示される。また、ゲームの元の画面の上に検索サイトの画面が重ねられ、さらにその上に、ゲームの縮小画面が重ねられた状態となっている。なお、下側のディスプレイ12−2の状態は第1の実施形態と同様である。
【0065】
これにより、ユーザは、ソフトウェアキーボードを表示することで見えなくなってしまったゲームの画面を継続して見ることができる。
【0066】
以降、ソフトウェアキーボードの操作が終了した場合は、制御部13は、下側のディスプレイ12−2上のソフトウェアキーボードの表示データの表示処理を終了すると共に、上側のディスプレイ12−1上のゲームの縮小表示の表示処理を終了し、さらに、上側のディスプレイ12−1に移動させた検索サイトを元の下側のディスプレイ12−2に戻して表示して、ディスプレイ12−1,12−2をソフトウェアキーボードの表示前の元の状態D1に戻す(状態D3)。
【0067】
図9は、本実施形態の情報処理端末10の動作の流れを説明するフロー図である。
【0068】
図9において、ステップS21〜S23までの処理は、図6のステップS11〜S13までの処理と同様である。
【0069】
ステップS23において、入力エリアが指定されたアプリケーション(以降のステップにおいて、第1のアプリケーションと称す)に関する表示データを表示していたディスプレイが上側に配置されていた場合は(図7の状態C1参照)、ステップS24に進み、下側に配置されていた場合は(図8の状態D1参照)、ステップS27に進む。
【0070】
ステップS24において、制御部13は、下側のディスプレイにソフトウェアキーボードを表示すると共に、下側のディスプレイに表示されていたアプリケーション(以降のステップにおいて、第2のアプリケーションと称す)に関する表示データを縮小して上側のディスプレイに表示する(図7の状態C2参照)。
【0071】
以降、制御部13は、ソフトウェアキーボードの操作が終了したか判断し(ステップS25)、終了した場合は、下側のディスプレイ上のソフトウェアキーボードの表示データの表示処理を終了すると共に、上側のディスプレイ上の第2のアプリケーションに関する表示データの縮小表示の表示処理を終了する(ステップS26。図7の状態C3参照)。
【0072】
一方、ステップS27において、制御部13は、下側のディスプレイに表示されていた第1のアプリケーションに関する表示データを一時的に上側のディスプレイに移動させて表示すると共に、下側のディスプレイにソフトウェアキーボードを表示し、さらに、上側のディスプレイに表示されていたアプリケーション(以降のステップにおいて、第2のアプリケーションと称す)に関する表示データを縮小して上側のディスプレイに表示する(図8の状態D2参照)。
【0073】
以降、制御部13は、ソフトウェアキーボードの操作が終了したか判断し(ステップS28)、終了した場合は、下側のディスプレイ上のソフトウェアキーボードの表示データの表示処理を終了すると共に、上側のディスプレイ上の第2のアプリケーションに関する表示データの縮小表示の表示処理を終了し、さらに、上側のディスプレイに移動させた第1のアプリケーションに関する表示データを元の下側のディスプレイに戻して表示する(ステップS29。図8の状態D3参照)。
【0074】
上述したように本実施形態においては、ソフトウェアキーボードを表示することで見えなくなってしまったアプリケーションに関する表示データを、2つのディスプレイ12−1,12−2のうち上側のディスプレイに縮小表示する。
【0075】
これにより、ユーザは、ソフトウェアキーボードを表示することで見えなくなってしまったアプリケーションの画面を継続して見ることができる。この効果は、動画や音楽を視聴するアプリケーションや、無操作でも進行するゲームのアプリケーション等、ユーザが継続して使用するアプリケーションの場合、特に有用である。
【0076】
なお、本実施形態のその他の効果は、第1の実施形態と同様である。
【0077】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0078】
例えば、第1および第2の実施形態において、ディスプレイ12−1,12−2の配置は一例であり、ディスプレイ12−1,12−2の位置を入れ替えたPCスタイルの場合にも本発明は適用可能である。
【0079】
また、第1および第2の実施形態においては、ソフトウェアキーボードを1画面全体に表示していたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、ソフトウェアキーボードは、下側のディスプレイに表示すれば良く、1画面全体に表示する必要はない。
【0080】
また、第1および第2の実施形態においては、英字キーのソフトウェアキーボードを表示していたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、ソフトウェアキーボードは、任意のキーの組み合わせであれば良く、例えば、数字キーだけでも良いし、十字キー+Aキー+Bキー等でも良い。
【0081】
また、第2の実施形態においては、ソフトウェアキーボードを表示することで見えなくなってしまったアプリケーション(第2のアプリケーション)に関する表示データを上側のディスプレイに縮小表示する際に、第2のアプリケーションに関する表示データを所定の位置に所定のサイズで表示していたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、第2のアプリケーションに関する表示データの位置およびサイズは、ユーザのドラッグ操作等に応じて変更しても良い。
【0082】
また、第2の実施形態においては、第2のアプリケーションに関する表示データを、その種類に関わらず、上側のディスプレイに縮小表示していたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、第2のアプリケーションの種類に応じて、縮小表示をするか否かを決定しても良い。例えば、縮小表示をする第2のアプリケーションの種類を、動画や音楽を視聴するアプリケーションや、無操作でも進行するゲームのアプリケーション等のユーザが継続して使用するアプリケーションと予め決めておき、第2のアプリケーションが予め決められた種類であれば、縮小表示をすることが考えられる。
【0083】
また、第1および第2の実施形態においては、下側のディスプレイ上のアプリケーション(第1のアプリケーション)に関する表示データを一時的に上側のディスプレイに移動させて表示した場合、ソフトウェアキーボードの操作が終了すると、第1のアプリケーションに関する表示データを元の下側のディスプレイに戻していたが、本発明はこれに限定されない。
【0084】
第1のアプリケーションに関する表示データを元の下側のディスプレイに戻すことで、ソフトウェアキーボードを操作する前後での画面それぞれの表示位置の変化が生じないという利点があるが、第1および第2のアプリケーションに関する表示データを表示する際の輝度差が大きい場合、第1のアプリケーションに関する表示データを元の下側のディスプレイに戻すことで、画面のちらつきが大きくなることが懸念される。
【0085】
そこで、本発明においては、第1および第2のアプリケーションに関する表示データを表示する際の輝度差が所定の閾値以下である場合は、画面のちらつきが少ないと判断して、第1のアプリケーションに関する表示データを元の下側のディスプレイに戻し、また、輝度差が所定の閾値よりも大きい場合は、画面のちらつきが少ないと判断して、第1のアプリケーションに関する表示データを元の下側のディスプレイに戻さないこととしても良い。
【符号の説明】
【0086】
10 情報処理端末
11−1,11−2 筐体
12−1,12−2 ディスプレイ
13 制御部
14 姿勢センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのディスプレイと、
情報処理端末の姿勢を検知する姿勢検知部と、
前記情報処理端末の姿勢が前記2つのディスプレイを縦に並べて配置する特定姿勢であれば、下側に配置されたディスプレイにソフトウェアキーボードを表示する制御部と、を有する情報処理端末。
【請求項2】
前記制御部は、
前記特定姿勢において、前記2つのディスプレイの一方に第1のアプリケーションに関する表示データが表示されている状態で、前記第1のアプリケーションに関する表示データの入力エリアが指定された場合に、前記ソフトウェアキーボードを下側に配置されたディスプレイに表示する、請求項1に記載の情報処理端末。
【請求項3】
前記制御部は、
前記特定姿勢において、前記2つのディスプレイの一方に前記第1のアプリケーションに関する表示データが表示されている状態で、前記入力エリアが指定された場合、前記第1のアプリケーションに関する表示データを上側に配置されたディスプレイに表示すると共に、前記ソフトウェアキーボードを下側に配置されたディスプレイに表示する、請求項2に記載の情報処理端末。
【請求項4】
前記制御部は、
前記特定姿勢において、前記2つのディスプレイの一方に前記第1のアプリケーションに関する表示データが表示され、他方に第2のアプリケーションに関する表示データが表示されている状態で、前記入力エリアが指定された場合、前記第2のアプリケーションに関する表示データについては、上側に配置されたディスプレイに縮小表示する、請求項3に記載の情報処理端末。
【請求項5】
前記制御部は、
前記特定姿勢において、前記2つのディスプレイの一方に前記第1のアプリケーションに関する表示データが表示され、他方に前記第2のアプリケーションに関する表示データが表示されている状態で、前記入力エリアが指定された場合、前記第2のアプリケーションに関する表示データについては、予め決められた種類であれば、上側に配置されたディスプレイに縮小表示する、請求項3に記載の情報処理端末。
【請求項6】
前記制御部は、
前記特定姿勢において、ユーザの操作に応じて、前記第2のアプリケーションに関する表示データを上側に配置されたディスプレイに縮小表示する際の位置およびサイズを変更する、請求項4または5に記載の情報処理端末。
【請求項7】
前記制御部は、
前記特定姿勢において、前記ソフトウェアキーボードの表示前に、前記第1のアプリケーションに関する表示データが下側に配置されたディスプレイに表示されていた場合、前記ソフトウェアキーボードの操作が終了すると、前記第1のアプリケーションに関する表示データを下側に配置されたディスプレイに戻して表示する、請求項4から6のいずれか1項に記載の情報処理端末。
【請求項8】
前記制御部は、
前記特定姿勢において、前記ソフトウェアキーボードの表示前に、前記第1のアプリケーションに関する表示データが下側に配置されたディスプレイに表示されていた場合、前記ソフトウェアキーボードの操作が終了すると、前記第1および第2のアプリケーションに関する表示データを表示する際の輝度差が所定の閾値以下であれば、前記第1のアプリケーションに関する表示データを下側に配置されたディスプレイに戻して表示する、請求項4から6のいずれか1項に記載の情報処理端末。
【請求項9】
2つのディスプレイを有する情報処理端末による表示制御方法であって、
前記情報処理端末の姿勢を検知し、
前記情報処理端末の姿勢が前記2つのディスプレイを縦に並べて配置する特定姿勢であれば、下側に配置されたディスプレイにソフトウェアキーボードを表示する、表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−69203(P2013−69203A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208685(P2011−208685)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】