説明

情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび記憶媒体

【課題】タッチパネルを用いて図形を描画する際の入力操作性を向上させる。
【解決手段】複合機100は、タッチパネル90と接触物との接触座標X(N)、Y(N)を検出し、X座標の最小値Xminおよび最大値XmaxとY座標の最小値Yminおよび最大値Ymaxとを接触範囲として判別し、判別した接触範囲より最小接触座標(Xmin,Ymin)および最大接触座標(Xmax,Ymax)を求める。そして、複合機100は、最小接触座標(Xmin,Ymin)および最大接触座標(Xmax,Ymax)により形成される四角形に内接する楕円図形E1を表示領域として設定し、表示装置18に表示する。これにより、指で入力する場合には指の接触面積に応じて、タッチペンで入力する場合にはペン先の接触面積に応じて図形を描画することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルを搭載する装置は年々増加しており、近年では携帯電話や携帯ゲーム機等の携帯機器にも搭載されるなど、一般的な入力デバイスとして浸透している。タッチパネルは表示画面と入力点が一対一で対応した絶対座標入力装置であり、入力点と表示部が離れているタッチパッドやマウスなどの座標入力装置に比べて、入力操作が直接的で簡単であるという利点がある。
【0003】
例えば特許文献1や特許文献2では、タッチパネルと入力を行う接触物との接触範囲を判別し、接触物の接触範囲のサイズに応じて表示を拡大・縮小することにより、操作性を向上させる技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1や特許文献2においては、電気的な入力情報を補正して、タッチパネルに接触している指またはタッチペン等の接触部の位置情報を、接触面積に関わらず、タッチパネル上の接触座標が1点であるように補正される。例えば図形描画する場合に、接触に強弱をつけて接触面積を変化させても、通常の筆記用具のように線幅を変えて描画することができず、画一化された線幅で図形を描画することしかできないという課題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、タッチパネルを用いて図形を描画する際の入力操作性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、タッチパネルに対して接触物が接触する場合に、前記タッチパネルにおいて前記接触物が接触した接触領域に含まれる接触座標の入力を受付ける入力受付手段と、前記接触領域を前記接触座標の最小値および最大値により表した接触範囲を判別する接触範囲判別手段と、前記接触範囲判別手段が判別した前記接触範囲を用いて、前記入力された前記接触領域に対応する、表示部上の表示領域を設定する表示領域設定手段と、前記表示領域設定手段が設定した前記表示領域を前記表示部に表示する表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の情報処理方法は、情報処理装置は制御部と記憶部とを備え、制御部が、タッチパネルに対して接触物が接触する場合に、前記タッチパネルにおいて前記接触物が接触した接触領域に含まれる接触座標の入力を受付ける入力受付ステップと、前記接触領域を前記接触座標の最小値および最大値により表した接触範囲を判別する接触範囲判別ステップと、前記接触範囲判別手段が判別した前記接触範囲を用いて、前記入力された前記接触領域に対応する、表示部上の表示領域を設定する表示領域設定ステップと、前記表示領域設定手段が設定した前記表示領域を前記表示部に表示する表示制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明のプログラムは、コンピュータを、タッチパネルに対して接触物が接触する場合に、前記タッチパネルにおいて前記接触物が接触した接触領域に含まれる接触座標の入力を受付ける入力受付手段と、前記接触領域を前記接触座標の最小値および最大値により表した接触範囲を判別する接触範囲判別手段と、前記接触範囲判別手段が判別した前記接触範囲を用いて、前記入力された前記接触領域に対応する、表示部上の表示領域を設定する表示領域設定手段と、前記表示領域設定手段が設定した前記表示領域を前記表示部に表示する表示制御手段と、して機能させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の記憶媒体は、前記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、タッチパネルにおいて接触物が接触した接触座標の最小値および最大値により接触範囲を判別して、判別した接触範囲を用いて表示領域を設定するため、タッチパネルと接触物との接触範囲に応じて表示領域を変えることが可能となり、タッチパネルを用いて図形を描画する際の入力操作性を向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる複合機の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、複合機の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図3は、タッチパネルの構成および接触点の位置検出方法を説明する図である。
【図4】図4は、タッチパネルの構成および接触点の位置検出方法を説明する図である。
【図5】図5は、指で接触した場合の検出電位を示す図である。
【図6】図6は、タッチペンで接触した場合の検出電位を示す図である。
【図7】図7は、指で入力した場合の線幅を説明する図である。
【図8】図8は、タッチペンで入力した場合の線幅を説明する図である。
【図9】図9は、接触範囲と、最小接触座標、最大接触座標を説明する図である。
【図10】図10は、タッチパネルコントローラが行う、接触物からの入力受付処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、複合機が行う表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】図12は、第2の実施の形態にかかる複合機の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図13】図13は、接触中心座標を説明する図である。
【図14】図14は、複合機が行う表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】図15は、第3の実施の形態にかかる多点入力式タッチパネルにおいて、複数種類の接触物により入力する場合を説明する図である。
【図16】図16は、複合機の構成を示すブロック図である。
【図17】図17は、複合機の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図18】図18は、前回入力時における複数の接触点を示す図である。
【図19】図19は、今回入力時における複数の接触点を示す図である。
【図20】図20は、前回入力時の接触点と今回入力時の接触点との組み合わせの一例を示す図である。
【図21】図21は、前回入力時の接触点と今回入力時の接触点との組み合わせの一例を示す図である。
【図22】図22は、複合機が行う表示処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび記憶媒体の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる情報処理装置としての複合機100の構成を示すブロック図である。図1に示すように、複合機100は、コントローラ1と、通信制御ユニット13と、外部記憶装置14と、外部メディア入出力装置15と、印刷装置16と、画像読取装置17と、表示装置18と、操作入力装置19とを備えており、これら各部をPCI(Peripheral Component Interface)バスやインタフェースで接続した構成となっている。
【0014】
通信制御ユニット13は、LAN(Local Area Network)を介して複合機100がインターネット21やPC(Personal Computer)25、サーバ24などと通信を行うための制御を行う。
【0015】
外部記憶装置14は、外付けのHDD(Hard Disk Drive)等である。外部メディア入出力装置15は、マルチメディアカードや、スマートメディア、メモリスティック、SDメモリカード、CD−ROM、フレキシブルディスク、USBメモリなどの外部メディアとデータの入出力を行うものである。
【0016】
印刷装置16はカラー印刷やモノクロ印刷、片面印刷や両面印刷を行うカラーレーザープリンタまたはインクジェットプリンタなどである。画像読取装置17は、写真や文書等の画像を読み取るカラースキャナである。
【0017】
表示装置18は、LCD(液晶ディスプレイ)等で構成され、スキャンした画像や、印刷設定、FAX設定、その他各種設定等の情報を表示する。また、表示装置18は液晶パネルの表面にタッチパネル90を備えており、操作入力装置19のタッチパネル90から入力された図形や文字などの画像を表示する。尚、表示装置18はLCDに限られるものではなく、CRT等のその他の表示器を用いても良い。尚、液晶パネルに画像を表示させる場合の表示位置(表示座標)は、タッチパネル90が接触を検出する検出位置(接触座標)と対応付けられている。
【0018】
操作入力装置19は、表示装置18の液晶パネル表面に設けられた抵抗皮膜型のタッチパネル90やキーボタン(不図示)で構成され、タッチパネル90に接触したりキーボタンを押下したりすることによりユーザからの入力を受付けるものである。
【0019】
コントローラ1は、複合機100全体を制御するものであり、画像処理、通信、操作入力部19からの入力受付処理や表示装置18の表示処理などを制御する。コントローラ1は、CPU2と、メモリユニット3と、FAX制御部4と、LAN制御部5と、入力制御ユニット12と、入出力デバイス制御ユニット6と、記憶装置制御ユニット7と、記憶装置9と、画像処理制御ユニット8と、印刷制御ユニット10と、画像読取制御ユニット11と、表示制御ユニット70とを備えており、これら各部をAGP(Accelerated Graphics Port)などのバスやインタフェースで接続した構成となっている。
【0020】
メモリユニット3は、プログラムやデータの格納用メモリとして用いるROM(Read Only Memory)と、プログラムやデータの展開用メモリやプリンタの描画用メモリなどとして用いるRAM(Random Access Memory)とを備えている。
【0021】
記憶装置9は、HDD(ハードディスクドライブ)等で構成され、画像データやプログラム、フォントデータおよびフォームの蓄積を行うための記憶装置である。
【0022】
CPU2は、メモリユニット3に格納された制御プログラムにしたがって本装置を制御する。またCPU2は、記憶装置9に格納され必要に応じてメモリユニット3に展開されるプログラムに従って、FAX制御部4、LAN制御部5、入出力デバイス制御ユニット6、記憶装置制御ユニット7、画像処理制御ユニット8、入力制御ユニット12を制御する。
【0023】
FAX制御部4は、画像読取装置17が読み取った画像データや記憶装置9またはメモリユニット3に格納されたデータをFAX回線23によって送信したり、FAX回線23を介して受信したデータを記憶装置9等の記憶領域に格納したりするなどの処理を行う。
【0024】
LAN制御部5は、通信制御ユニット13およびLANを介して、PC25やサーバ24、インターネット21などに接続する制御を行い、印刷装置16で印刷するデータの受信や、画像読取装置17で読み取った画像データの送信などを行う。
【0025】
入出力デバイス制御ユニット6は、外部記憶装置14や外部メディア入出力装置15のデータの読込み処理および書込み処理の制御を行う。
【0026】
記憶装置制御ユニット7は、記憶装置9のデータの読込み処理および書込み処理の制御を行う。
【0027】
画像処理制御ユニット8は、印刷装置16を制御する印刷制御ユニット10と、画像読取装置17を制御する画像読取制御ユニット11と、表示装置18を制御する表示制御ユニット70とを制御するものである。
【0028】
入力制御ユニット12は、操作入力装置19のタッチパネル90やキーボタン(不図示)からの入力を受付けて、受付けたデータに関する処理を行うものである。また、入力制御ユニット12は、タッチパネル90から入力されたデータの処理やタッチパネル90の制御を行うタッチパネルコントローラ80を備えている。
【0029】
図2は、本実施の形態の複合機100の機能的構成を示す機能ブロック図である。図2に示すように、表示制御ユニット70は、表示領域設定部71と、表示制御部72と、画像メモリ73とを備えている。また、タッチパネルコントローラ80は、入力受付部81と、接触範囲判別部82と、メモリ83とを備えている。
【0030】
ここで、タッチパネル90の構成と入力受付動作について、図3ないし図6を参照して説明する。図3および図4は、抵抗皮膜型のタッチパネル90の構成および接触点の位置検出方法を説明する図である。図3および図4に示すように、タッチパネル90は、X方向に電位差を設けているA面と、X方向に直交するY方向に電位差を設けているB面とを備えている。そして、B面を押下すると、押圧によりB面がたわんでA面と接触し、A面とB面が導通する。これにより、接触点の電位を検出することができ、抵抗比により電位を位置に換算することで、X方向の位置およびY方向の位置を検出することができる。
【0031】
図5は、タッチパネル90を指で接触した場合の検出電位を示す図であり、図6は、タッチパネル90をタッチペンで接触した場合の検出電位を示す図である。図5に示すように、接触物である指が広い接触面積を伴ってタッチパネル90に接触する場合には、接触を検出する検出位置(検出座標)に広がりがある。一方、図6に示すように、タッチペンが狭い接触面積を伴ってタッチパネル90に接触する場合には、接触を検出する検出位置が狭い範囲に収束する。
【0032】
従来のタッチパネルでは、このように太さの違う接触物から入力を受付ける場合には、図5および図6に示すように、接触を検出した検出位置の中央の座標X1(図5参照)およびX2(図6参照)を入力位置(入力座標)として判定し、接触物が接触した接触範囲w1およびw2に関わらず一定の線幅によって表示装置に表示していた。
【0033】
これに対し、本実施の形態にかかる複合機100は、図5および図7に示すように指が接触物である場合にはタッチパネル90に指が接触した際の接触範囲w1に応じた線幅によって表示装置に図形(接触物の軌跡)を表示し、図6および図8に示すようにタッチペンが接触物である場合にはタッチパネル90にタッチペンが接触した際の接触範囲w2に応じた線幅によって表示装置に図形(接触物の軌跡)を表示することを特徴とする。
【0034】
入力受付部81(図2参照)は、タッチパネル90に対して接触物が接触する場合に、タッチパネル90において接触物が接触した接触領域に含まれる接触座標の入力を受付ける。すなわち入力受付部81は、接触物の接触によって電位変化を検出した位置の座標を接触座標(X(N)、Y(N))として受付けて、一定の検出時間内に受付けた全ての接触座標の座標データをメモリ83に格納する。また、入力受付部81は、接触座標の検出を複数回(N回)繰り返す。
【0035】
メモリ83は、入力受付部81が受付けたN回分の全ての接触座標の座標データ(X(N)、Y(N))を記憶する。また、メモリ83は、タッチパネル80および接触物が接触した接触領域を接触座標の最小値および最大値により表した接触範囲を記憶する。
【0036】
接触範囲判別部82は、メモリ83からN回分の接触座標X(N)およびY(N)のデータを読み込み、図9(A)に示すように、X座標の最小値Xminおよび最大値Xmaxと、Y座標の最小値Yminおよび最大値Ymaxとを接触範囲として判別する。また、接触範囲判別部82は、図9(B)に示すように、(Xmin,Ymin)を最小接触座標として求め、(Xmax,Ymax)を最大接触座標として求め、これら2点の座標データをメモリ83に格納する。
【0037】
表示領域設定部71は、接触範囲判別部82が判別した接触範囲を用いて表示領域を設定する。ここで、表示領域とは、タッチパネル90に対して接触物がある接触領域を伴って入力する場合に、接触領域に対応付けて表示装置18が表示する領域のことである。
【0038】
表示領域設定部71は、より具体的には、メモリ83から最小接触座標(Xmin,Ymin)および最大接触座標(Xmax,Ymax)を読み込む。そして、表示領域設定部71は、図9(B)に示すように、最小接触座標および最大接触座標により形成される四角形、すなわち、X=Xmin、X=Xmax、Y=Ymin、Y=Ymaxなる4本の直線で囲まれた四角形に内接する楕円図形E1を表示領域として設定する。より詳細には、表示領域設定部71は、表示領域である楕円図形E1を表示装置18に表示するためのデータとして、楕円図形E1の左上隅のX座標Xminと、楕円図形E1の左上隅のY座標Ymaxと、楕円図形E1の幅Xmax−Xminと、楕円図形E1の高さYmax−Yminとを画像メモリ73に格納する。
【0039】
画像メモリ73は、楕円図形E1を表示装置18に表示するためのデータとして、楕円図形E1の左上隅のX座標およびY座標と、楕円図形E1の幅および高さとを格納する。
【0040】
表示制御部72は、画像メモリ73から楕円図形E1を表示するためのデータを読み込み、読み込んだデータと、楕円を表示するためのOval(fillOval)関数やEllipse関数などの楕円関数とを用いて、表示装置18に楕円図形E1を表示する。
【0041】
次に、図10を用いて、複合機100が行う入力受付処理の手順について説明する。図10は、タッチパネルコントローラ80が行う、接触物からの入力受付処理の手順を示すフローチャートである。
【0042】
入力受付部81は、接触座標を複数回(例えば20回)検出して、検出した全ての接触座標の座標データをメモリ83に格納する。そこで、入力受付部81は電源がONとなった場合(ステップS1)には、検出回数Nを1で初期化する(ステップS2)。ステップS3からタッチパネル90における入力座標の読取処理となる。
【0043】
入力受付部81は、図3に示すようにA面のX方向に電圧を印加する(ステップS3)。C点に接触物が接触している場合には、B面がたわんでA面とB面が接触するため、入力受付部81は図3に示すように、B面から電位E_x(N)を検出する(ステップS4)。入力受付部81は、検出した電位E_x(N)とA面の抵抗係数よりX方向の接触座標X(N)を算出し(ステップS5)、一定の検出時間内に検出した全ての接触座標X(N)をメモリ83に格納する(ステップS6)。
【0044】
また、入力受付部81は、図4に示すようにB面のY方向に電圧を印加する(ステップS7)。そして、A面から電位E_y(N)を検出する(ステップS8)。入力受付部81は、検出した電位E_y(N)とB面の抵抗係数からY方向の接触座標Y(N)を算出し(ステップS9)、一定の検出時間内に検出した全ての接触座標Y(N)をメモリ83に格納する(ステップS10)。
【0045】
入力受付部81は検出回数Nを1だけインクリメントし(ステップS11)、検出回数Nが20より大きくなったか否かを判定する(ステップS12)。Nが20以下の場合(ステップS12:No)には、ステップS3に戻ってステップS3〜S12の処理を繰り返す。
【0046】
一方、接触座標の検出を20回行ってNが20より大きくなった場合(ステップS12:Yes)、接触範囲判別部82は、メモリ83に格納された接触座標X(N=1〜20)の中から最小値Xminおよび最大値Xmaxを判別する(ステップS13)。同様に、メモリ83に格納された接触座標Y(N=1〜20)の中から最小値Yminおよび最大値Ymaxを判別する(ステップS14)。そして、接触範囲判別部82は、Xmin、Xmax、Ymin、Ymaxを参照して最小接触座標(Xmin,Ymin)および最大接触座標(Xmax,Ymax)を求め、メモリ83に格納する(ステップS15)。そして、ステップS2に戻って接触部からの入力検出を続行する。
【0047】
次に、複合機100が行う表示処理の手順について、図11を用いて説明する。図11は、複合機100が行う表示処理の手順を示すフローチャートである。
【0048】
コントローラ1は、図形の入力が開始した場合、すなわちタッチパネル90に指やタッチペン等の接触物が触れて、タッチパネルコントローラ80が上述のように電位の変化を検出した場合(ステップS21)に、表示制御処理ユニット70を制御して接触座標に対する表示処理を開始する。まず、表示領域設定部71は、メモリ83から、図10のステップS15において接触範囲判別部82が格納した最小接触座標(Xmin,Ymin)および最大接触座標(Xmax,Ymax)を読み込む(ステップS22)。
【0049】
表示領域設定部71は、ステップS22で読み込んだ最小接触座標(Xmin,Ymin)および最大接触座標(Xmax,Ymax)により形成される四角形に内接する楕円図形E1(図9(B)参照)を表示領域として設定する(ステップS23)。そして、表示領域設定部71は、楕円図形E1を表示装置に表示するためのデータとして楕円図形E1の左上隅のX座標およびY座標と、楕円図形E1の幅および高さとを画像メモリ73に格納する(ステップS24)。表示制御部72は、画像メモリ73に格納されたデータを用いて、表示装置18に楕円図形E1を表示する(ステップS25)。
【0050】
そして、コントローラ1は、接触物がタッチパネル90から離れたか否か判定することにより入力が終了したか判定する(ステップS26)。ユーザによる図形入力中であって入力が終了していない場合(ステップS26:No)にコントローラ1は、ステップS22に戻ってステップS22〜S26の処理を繰り返す。一方、接触物がタッチパネル90から離れて図形の入力が終了したと判定した場合(ステップS26:Yes)にコントローラ1は、処理を終了する(ステップS27)。
【0051】
このように、本実施の形態にかかる複合機100は、接触座標X(N)、Y(N)から接触範囲を判別し、判別した接触範囲により形成される四角形に内接する楕円図形E1を表示領域として表示装置18に表示する。従って、タッチペンで入力する場合にはタッチペンのペン先の接触面積に応じた太さで図形を描画することができ、指で入力する場合には指の接触面積に応じた太さで図形を描画することができる。また、接触物が指や柔らかいペン先など弾性変形するものであれば、筆圧によって接触面積および接触範囲が変化するため、筆圧に応じて表示領域を変えることができる。すなわち、接触範囲の変化に追従して表示領域を簡単に変化させることが可能となり、図形描画の際の入力操作性を向上することができる。
【0052】
また、複合機100は、接触範囲Xmin、Xmax、Ymin、Ymaxに基づいて表示領域を設定するため、接触物の接触面積(図9(A)において色塗りされた部分の面積)を精密に計算せずとも、接触物が接触した領域に対応させて表示領域を変えることができる。従って、接触面積を逐一計算する場合に比べて、表示領域を設定する際に必要とするメモリ容量および計算量が少なくて済むという利点がある。
【0053】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、接触部の接触範囲を複数回検出するごとに表示画像を更新するため、例えば指で一続きの線を描画する場合には、指の接触面積を変えることで接触範囲を変えて、表示する線の太さを変えることができる。これに対し、一本の線の入力開始点から入力終了点まで、線の太さを同一にしたい場合がある。第2の実施の形態では、接触物が接触を開始した入力開始位置における接触物の接触範囲によって上述した表示領域を設定し、これを接触物が連続的な接触を終了する入力終了位置まで用いることを特徴とする。
【0054】
第2の実施の形態にかかる複合機200について図12および図14を参照して説明する。図12は、複合機200の機能的構成を示す機能ブロック図である。図12に示すように、表示制御ユニット270は、表示領域設定部271と、表示制御部272と、表示領域を記憶する画像メモリ273とを主に備えている。また、タッチパネルコントローラ80は、入力受付部81と、接触範囲判別部82と、メモリ83とを主に備えている。第1の実施の形態にかかる複合機100と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0055】
表示領域設定部271は、接触物がタッチパネル90に接触を開始した入力開始位置における接触範囲により、入力開始位置に対する表示領域を設定し、画像メモリ273に格納する。
【0056】
すなわち、表示領域設定部271は、画像メモリ273に表示領域としての楕円図形E1が格納されていない場合には、第1の実施の形態の表示領域設定部71と同様に、メモリ83が格納する最小接触座標および最大接触座標に基づいて、楕円図形E1を表示装置18に表示するためのデータを画像メモリ273に格納する。
【0057】
また、表示領域設定部271は、画像メモリ273に楕円図形E1が格納されている場合には、接触範囲の中心点を算出し、接触範囲の中心座標である接触中心座標として画像メモリ273に格納する。表示領域設定部271は、具体的には図13に示すように、最小接触座標(Xmin,Ymin)と最大接触座標(Xmax,Ymax)を結ぶ線分の中心点の座標(Xmid,Ymid)を、Xmid=(Xmin+Xmax)/2およびYmid=(Ymin+Ymax)/2として算出し、これを接触中心座標として画像メモリ73に格納する。そして、表示領域設定部271は、画像メモリ273が格納する接触中心座標(Xmid,Ymid)を楕円図形E1の中心の座標として設定し、接触中心座標を中心とする楕円図形E1を表示領域として設定して画像メモリ273に格納する。
【0058】
表示制御部272は、接触物が接触を開始してから接触による入力が連続して行われている間は、画像メモリ273が格納する表示領域を表示装置18に表示する。
【0059】
画像メモリ273は、画像メモリ73と同様に楕円図形E1を表示するためのデータを記憶するほか、接触中心座標(Xmid,Ymid)を記憶する。
【0060】
次に、本実施の形態の複合機200が行う表示処理の手順を、図14を用いて説明する。図14は、複合機200が行う表示処理の手順を示すフローチャートである。図11により説明した処理と同じ処理については同じ符号を付して説明を省略する。
【0061】
表示領域設定部271は、楕円図形E1が既に生成されており画像メモリ273内に楕円図形E1に関する座標データが格納されているか否かを判定する(ステップS30)。楕円図形E1が生成されておらず、画像メモリ273内に楕円図形E1に関する座標データが格納されていない場合(ステップS30:No)にはステップS31に移行する。表示領域設定部271はステップS22で読み込んだ最小接触座標および最大接触座標で形成される四角形に内接する楕円図形E1を表示領域として設定する(ステップS31)。そして、表示領域設定部271は、図11のステップS24と同様に、楕円図形E1を表示装置18に表示するためのデータを画像メモリ273に格納する(ステップS32)。
【0062】
一方、楕円図形E1が生成されており画像メモリ273内に楕円図形E1に関する座標データが格納されている場合(ステップS30:Yes)にはステップS33に移行する。表示領域設定部271は、画像メモリ273に格納された最小接触座標(Xmin,Ymin)および最大接触座標(Xmax,Ymax)を用いて接触中心座標(Xmid,Ymid)を算出し、画像メモリ273に格納する(ステップS33)。また、表示領域設定部271は、画像メモリ273から読み込んだ接触中心座標(Xmid,Ymid)を楕円図形E1の中心の座標として設定し、接触中心座標を中心とする楕円図形E1を表示領域として設定して画像メモリ273に格納する(ステップS34)。表示制御部272は、画像メモリ273に格納されたデータを用いて、表示装置18に楕円図形E1を表示する(ステップS35)。
【0063】
上述のように、第2の実施の形態にかかる複合機200は、接触物が接触を開始した入力開始位置と、接触物が接触を終了した入力終了位置とを結ぶ一続きの接触点の軌跡に対して、入力開始時点での楕円図形E1を一貫して表示領域として入力する。これにより、線を引くなどの動作中に接触物の入力圧や接触角度などの変化に関わらず、表示領域を一定に保つことができ、均一な線幅で接触物の軌跡を描画することができる。従って、ユーザの所望する入力方法に応じて図形描画をすることができ、図形描画の際の入力操作性を向上することができる。
【0064】
(第3の実施の形態)
第1および第2の実施の形態において接触物による接触点は一点であったが、第3の実施の形態では、図15に示すように、複数の接触物から同時に入力を受付けることのできる多点入力式タッチパネルにおいて、各接触物の接触範囲に応じた表示領域を表示する。
【0065】
第3の実施の形態にかかる複合機300について図16ないし図22を参照して説明する。図16は、複合機300の構成を示すブロック図であり、図17は、複合機300の機能的構成を示す機能ブロック図である。第1の実施の形態にかかる複合機100と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0066】
図16に示すように、複合機300は、多点入力式のタッチパネル390と、多点入力式のタッチパネル390から入力されたデータの処理や、タッチパネル390の制御を行うタッチパネルコントローラ380とを備えている。また、図17に示すように、表示制御ユニット370は、表示領域設定部371と、表示制御部372と、画像メモリ73とを備えている。タッチパネルコントローラ380は、入力受付部381と、接触範囲判別部382と、メモリ383とを備えている。
【0067】
多点入力式のタッチパネル390は、光センサ内蔵LCD(Liquid Crystal Display)を用いた光学式のタッチパネルである。尚、多点入力式のタッチパネル390として、カメラ方式などその他の光学式タッチパネルや、静電容量式のタッチパネルを用いても良い。光センサ内蔵LCDは格子状に配置された発光素子ごとに制御回路が設けられており、この制御回路に光センサを設けることでタッチポイントの接触座標を検出することができるので、LCD自体をイメージセンサとして用いることができる。また、光センサ内には、例えば特開2009−130276号公報に記載されているように、LCDの表示光が接触物に反射し、その反射光が光センサで焦点を結ぶようにレンズやピンホールが配置される。また、格子状に配置された光センサが反射光を検出する。タッチパネルコントローラ380は、光センサが検出した光強度を無入力時の光強度と比較して、所定の強度分検出光の光強度が強い場合には接触を検出したとして検出を行った光センサの座標データを接触座標として受付ける。
【0068】
入力受付部381は、複数の接触物から受付けたによる複数の接触点(接触中心座標)について、各接触点の移動距離を所定のタイムステップごとに算出し、算出した移動距離が最小となる接触点の組み合わせにより、同一の接触物による接触座標をそれぞれ識別する。また、接触範囲判別部382は、同一の接触物による接触座標を、各接触物を識別する識別番号Mに対応付けてメモリ383に格納する。
【0069】
次に、入力受付部381が複数の接触物の同一性を検出する方法について、図18ないし図21を用いて詳述する。
【0070】
図18は、前回入力時T(k-1)における複数の接触点を示す図であり、図19は、今回入力時T(k)の複数の接触点を示す図である。入力受付部381は、所定のタイムステップで時間Tのカウントを行う。また入力受付部381は、各タイムステップ(n=1,2,…,k-1,k,…)における複数の接触中心座標を、その前後のタイムステップにおける複数の接触中心座標と比較する。図18および図19に示す例では、同時にタッチパネル390に接触した接触数が2つであるので、前回入力時T(k-1)の接触点(図18参照)と今回入力時T(k)の接触点(図19参照)との組み合わせには、図20および図21に示すように2パターンが挙げられる。そこで入力受付部381は、前回入力時T(k-1)の接触中心座標と今回入力時T(k)の接触中心座標のすべての組み合わせについて組み合わせ毎の距離の総和をとり、距離の総和が最小のものを算出する。
【0071】
すなわち、図20に示すように、前回入力時の接触点と今回入力時の接触点との距離D1およびD2を算出し、さらにこれらの距離の総和DをD=D1+D2として算出する。また、図21に示すように、別の組み合わせに対して前回入力時の接触点と今回入力時の接触点との距離d1およびd2を算出し、さらにこれらの距離の総和dをd=d1+d2として算出する。入力受付部381は、距離の総和Dおよびdを比較し、図20、図21に示すように図21の距離の総和dのほうが図20の距離の総和Dより小さい場合には、図21に示す接触点同士の組み合わせを、同一の接触物によるものとして判定する。
【0072】
メモリ383は、M個分の接触点の接触範囲の座標データ(最小接触座標(Xmin,Ymin)および最大接触座標(Xmax,Ymax))と、接触中心座標(Xmid,Ymid)とを、各接触点の識別番号Mに対応付けて格納する。
【0073】
接触範囲判別部382は、メモリ383からM個分の各接触物の接触座標を読み込み、各接触物の各接触座標から、最小接触座標(Xmin,Ymin)および最大接触座標(Xmax,Ymax)を各接触物に対する接触範囲として判別し、各接触点の識別番号Mに対応付けてメモリ383に格納する。
【0074】
表示領域設定部371は、メモリ383から各識別番号Mの最小接触座標および最大接触座標を読み込んで、各最小接触座標および各最大接触座標により形成される四角形に内接する各楕円図形E(M)を、識別番号Mに対する表示領域として設定する。また、表示領域設定部371は、楕円図形E(M)を表示装置18に表示するためのデータとして楕円図形E(M)の左上隅のX座標およびY座標と、楕円図形E(M)の幅および高さを、各識別番号Mの楕円図形E(M)についてそれぞれ画像メモリ373に格納する。
【0075】
画像メモリ373は、M個の各楕円図形E(M)をそれぞれ表示するための上述のデータを、各接触点の識別番号Mに対応付けて記憶する。
【0076】
表示制御部372は、画像メモリ373に格納されたデータと上述の楕円関数とを用いて、識別番号Mの楕円図形E(M)をそれぞれ表示装置18に表示する。
【0077】
次に、複合機300が行う表示処理の手順について、図22を用いて説明する。図22は、第3の実施の形態において、複合機300が行う表示処理の手順を示すフローチャートである。
【0078】
コントローラ1は、図形の入力が開始した場合、すなわちタッチパネル390に複数の接触物が触れて電位の変化を複数の座標において検出した場合(ステップS41)に、表示制御処理ユニット370を制御して各接触座標に対する表示処理を開始する。まず、表示領域設定部371は識別番号Mを1とする(ステップS42)。表示領域設定部371は、識別番号が1である1番目の接触点の接触座標について、最小接触座標(Xmin,Ymin)および最大接触座標(Xmax,Ymax)をメモリ383から読み込む(ステップS43)。
【0079】
次に、表示領域設定部371は、識別番号Mが1である接触点に対して、最小接触座標(Xmin,Ymin)および最大接触座標(Xmax,Ymax)により形成される四角形(図9(B)参照)に内接する楕円図形E(M)を表示領域として設定する(ステップS44)。そして、表示領域設定部371は、識別番号Mが1である接触点について、楕円図形E(M)を表示装置18に表示するためのデータとして楕円図形E(M)の左上隅のX座標およびY座標と、楕円図形E(M)の幅および高さを画像メモリ373に格納する(ステップS45)。
【0080】
表示領域設定部371は、接触点の識別番号Mを1だけインクリメントする(ステップS46)。表示領域設定部371は、メモリ383を参照して識別番号Mが全接触点数より大きくなったか判定する(ステップS47)。識別番号Mが全接触点数より大きくない場合(ステップS47:No)には、表示領域設定部371はすべての識別番号Mの接触点についてステップS43〜S47を繰り返す。
【0081】
一方、識別番号Mが全接触点数より大きくなった場合(ステップS47:Yes)には、ステップS48に移行する。表示制御部372は、画像メモリ373に格納されている全ての識別番号Mの接触点について、各表示領域である各楕円図形E(M)をそれぞれ表示装置18に表示する(ステップS48)。コントローラ1は、入力処理が終了したか判定する(ステップS49)。入力処理が終了した場合(ステップS49:Yes)にコントローラ1は処理を終了する(ステップS50)。入力処理が終了していない場合(ステップS49:No)にコントローラ1は、ステップS42に戻ってステップS42〜S49の処理を繰り返す。
【0082】
上述のように、第3の実施の形態では、多点入力式のタッチパネル390において、複数の接触物の各々に対して、各接触物の接触面積に応じた表示領域を表示装置18に表示する。従って、多人数または複数の接触点を持つタッチペンなど複数の接触点によって図形描画を行う際にも、描画する線幅を各々の筆圧や接触物の接触面積に応じて変化させることができ、図形描画の際の入力操作性を向上することができる。
【0083】
なお、本実施の形態の情報処理装置で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態の情報処理装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0084】
さらに、本実施の形態の情報処理装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の情報処理装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0085】
本実施の形態の情報処理装置で実行されるプログラムは、上述した各部(入力受付部81、381、接触範囲判別部82、382、表示領域設定部71、271、371、表示制御部72、272、372)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU2(プロセッサ)がメモリユニット3等からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、入力受付部81、381、接触範囲判別部82、382、表示領域設定部71、271、371、表示制御部72、272、372が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0086】
尚、上述では、表示領域として楕円図形E1を用いたが、これに限定されず、その他の図形を表示領域として用いても良い。
【0087】
また、上述では、接触座標の最小値および最大値によって接触物の接触範囲を設定したが、これに限定されず接触座標X(N)、Y(N)の範囲を示すその他の座標を用いても良い。
【符号の説明】
【0088】
100、200、300 複合機
1 コントローラ
18 表示装置
70、270、370 表示制御ユニット
71、271、371 表示領域設定部
72、272、372 表示制御部
73、273、373 画像メモリ
80、380 タッチパネルコントローラ
81、381 入力受付部
82、382 接触範囲判別部
83、383 メモリ
90、390 タッチパネル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0089】
【特許文献1】特開2003−345511号公報
【特許文献2】特開2006−085218号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルに対して接触物が接触する場合に、前記タッチパネルにおいて前記接触物が接触した接触領域に含まれる接触座標の入力を受付ける入力受付手段と、
前記接触領域を前記接触座標の最小値および最大値により表した接触範囲を判別する接触範囲判別手段と、
前記接触範囲判別手段が判別した前記接触範囲を用いて、前記入力された前記接触領域に対応する、表示部上の表示領域を設定する表示領域設定手段と、
前記表示領域設定手段が設定した前記表示領域を前記表示部に表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示領域を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記表示領域設定手段は、前記接触範囲の中心座標を算出し、算出した前記中心座標と、前記記憶手段が記憶する前記表示領域とによって、前記表示領域を設定すること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示領域設定手段は、前記記憶手段が前記表示領域を記憶しているか否かを判別し、前記記憶手段が前記表示領域を記憶している場合には、前記中心座標と前記記憶手段が記憶する前記表示領域とによって前記表示領域を設定し、前記記憶手段が前記表示領域を記憶していない場合には、前記接触範囲判別手段が判別した前記接触範囲を用いて、前記表示領域を設定すること、
を特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記入力受付手段は、多点式のタッチパネルにおいて、複数の前記接触物が接触した前記接触座標の入力をそれぞれ受付け、
前記接触範囲判別手段は、前記各接触物に対する前記接触範囲を、前記接触物ごとの前記接触座標の最小値および最大値によってそれぞれ判別し、
前記表示領域設定手段は、前記各接触物に対する前記表示領域を、前記接触範囲判別手段が判別した前記各接触物に対する前記接触範囲を用いてそれぞれ設定し、
前記表示制御部は、前記表示領域設定手段が設定した前記各接触物に対する前記表示領域を、前記表示部にそれぞれ表示すること、
を特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示領域設定手段は、前記接触座標の最大値および最小値により形成される多角形に内接する楕円図形を前記表示領域として設定すること、
を特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置は制御部と記憶部とを備え、制御部が、
タッチパネルに対して接触物が接触する場合に、前記タッチパネルにおいて前記接触物が接触した接触領域に含まれる接触座標の入力を受付ける入力受付ステップと、
前記接触領域を前記接触座標の最小値および最大値により表した接触範囲を判別する接触範囲判別ステップと、
前記接触範囲判別手段が判別した前記接触範囲を用いて、前記入力された前記接触領域に対応する、表示部上の表示領域を設定する表示領域設定ステップと、
前記表示領域設定手段が設定した前記表示領域を前記表示部に表示する表示制御ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータを、
タッチパネルに対して接触物が接触する場合に、前記タッチパネルにおいて前記接触物が接触した接触領域に含まれる接触座標の入力を受付ける入力受付手段と、
前記接触領域を前記接触座標の最小値および最大値により表した接触範囲を判別する接触範囲判別手段と、
前記接触範囲判別手段が判別した前記接触範囲を用いて、前記入力された前記接触領域に対応する、表示部上の表示領域を設定する表示領域設定手段と、
前記表示領域設定手段が設定した前記表示領域を前記表示部に表示する表示制御手段と、
して機能させるプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−154553(P2011−154553A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15897(P2010−15897)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】