説明

情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム

【課題】 従来、1ページスプールしてから描画コマンドを作成していたため描画コマンドの送付開始が遅くなっていた。
【解決手段】 受信した描画命令が下地部分との演算処理が必要な命令であるか否かを判別し(S102)、受信した描画命令が下地部分との演算処理が必要な命令でないと判別された場合、描画命令を描画コマンドに変換してプリンタに送信すると共に受信した描画命令を中間データとして保存し(S103,S106)、受信した描画命令が下地部分との演算処理が必要な命令であると判別された場合、前記保存ステップにより保存された中間データの中から受信した描画命令に関係する中間データを抽出し、抽出された中間データに受信した描画命令の演算処理が施された描画コマンドに変換して印刷装置に送信する(S210、S208)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信した描画命令を描画コマンドに変換して印刷装置に送信する情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アプリケーションで見栄えの良い「透過データ」を用いた描画が増えてきている。「透過データ」を処理できるデバイスもあるが、廉価版のデバイス等「透過データ」を処理できないものも多い。
【0003】
「透過データ」を処理できないデバイスでも、意図した出力ができるようにプリンタドライバでデバイスに送る前に「透過部分」をなくす処理を行う。透過データを処理するためには下地の描画が必要となり、1ページ全ての描画が必要となる。
【0004】
従来の「透過データ」処理方法には、1ページ分の描画をスプールして「透過データ部分」と「透過データ部分をくり抜いた部分」に分けて描画コマンド化する技術がある。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開2001−293936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら先行技術には以下の課題がある。
【0006】
先行技術では1ページスプールしてから描画コマンドを作成する必要があるため描画コマンドの送付開始が遅くなる。
【0007】
またプリンタ内での計算誤差により「透過データ部分」と「透過データ部分をくり抜いた部分」との間に白スジ(隙間)が発生することもある。
【0008】
また透過データと重なるオブジェクトが多数ある場合に効率が悪くなる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の情報処理装置は、上記課題を解決するために、
受信した描画命令が下地部分との演算処理が必要な命令であるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により、受信した描画命令が下地部分との演算処理が必要な命令でないと判別された場合、描画命令を描画コマンドに変換してプリンタに送信すると共に受信した描画命令を中間データとして保存する保存手段と、
前記判別手段により、受信した描画命令が下地部分との演算処理が必要な命令であると判別された場合、前記保存手段により保存された中間データの中から受信した描画命令に関係する中間データを抽出し、抽出された中間データに受信した描画命令の演算処理が施された描画コマンドに変換して印刷装置に送信する送信手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、1ページスプールしてから描画コマンドを作成する必要はなく、アプリから描画命令を受け取るとすぐに描画コマンドに変換して印刷装置に送信するので、印刷装置における描画処理を早く開始でき、トータル印刷時間を短くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成を示す模式図である。
【0013】
この情報処理システムには、中央処理装置1、主記憶装置2、補助記憶装置3、入力装置4、表示装置5、媒体読取装置6、印刷装置7及びROM8が設けられている。中央処理装置1、主記憶装置2、入力装置4及び印刷装置7の関係を示すと、図2のようになる。そして、この情報処理システムは画像処理装置として機能する。
【0014】
中央処理装置1は、フレキシブルディスク、CD−ROM、ICメモリカード等の記録媒体に記録されているプリンタドライバを含む種々のプログラム及びデータ等を、媒体読取装置6を介して読み込み実行する。また、中央処理装置1は、主記憶装置2にロードされたオペレーティングシステム(OS)9、アプリケーションプログラム10及びプリンタプリンタドライバ11等に基づいて、入力装置4から入力された情報を処理し、表示装置5及び印刷装置7等に出力する。OS9、アプリケーションプログラム10及びプリンタドライバ11等は、例えば補助記憶装置3からロードされる。補助記憶装置3としては、例えば、ハードディスク及び光磁気ディスク等が単独で又は組み合わされて用いられる。また、夫々の装置がネットワークを介して接続されていてもよい。入力装置4としては、例えば、キーボード及びポインティングデバイス等が単独で又は組み合わされて用いられる。オペレーティングシステム(OS)9、アプリケーションプログラム10及びプリンタプリンタドライバ11は、例えばROM8に記憶されている。
【0015】
例えば、図2に示すように、入力装置4から入力された印刷命令は中央処理装置1によりアプリケーションプログラム10及びプリンタプリンタドライバ11を用いて処理され、印刷装置7に出力される。この時、アプリケーションプログラム10及びプリンタドライバ11はOS9の制御下で機能する。
【0016】
ここで、中央処理装置1及び主記憶装置2を備えたクライアントコンピュータについて説明する。図3は、クライアントコンピュータの機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【0017】
上述のように、アプリケーションプログラム10及びプリンタドライバ11はOS9の制御下で機能する。そして、プリンタドライバ11には、ユーザインタフェース部12、描画データ処理部13が含まれている。更に、描画データ処理部13は図4に示すような構成となっている。図4は本実施の形態の特徴を表す図である。
【0018】
ユーザインタフェース部12は、ユーザに印刷装置7に対しての設定など各種印刷設定等を入力させたり、印刷開始指示を入力させたりする。描画データ処理部13は、アプリケーションプログラム10から指定された描画命令を受け、印刷装置7において処理できるデータを作成する。
【0019】
続いて描画データ処理部13内の動作を説明する。描画データ処理部13では、アプリケーションから描画命令が送られてくると描画命令入力部17で描画命令を受け取り、描画命令解析部18で下地部分との演算処理が必要な命令かを解析する。演算処理が必要な命令とは透過データやROP演算である。透過命令には図9,10に示すように大きくグラフィックとイメージの2種類ある。(テキストはグラフィックに含むとする)図9はグラフィックの透過の例であり、図10はイメージの透過の例である。ROP(Raster Operation)演算には論理積(AND)、論理和(OR)、排他的論理和(XOR)、反転(NOT)等がある。
【0020】
解析後、描画コマンド生成部25が順次描画命令から描画コマンドを作成する。描画コマンド送信部26からデータ送受信部14を通して、印刷装置7に向けコマンドを送信する。描画コマンド生成部25で描画コマンドが生成されるのと同時に中間データ抽出部19で描画命令から中間データが抽出され、中間データ記憶部22にスプールされる。中間データとしてはエッジリストが用いられる。エッジリストは図13の様に描画要素の輪郭(エッジ)、塗りつぶす色と重なりの情報からなる。本実施の形態では、中間データはエッジリストの形式を用いるが、描画命令そのものを中間データとして保持しても良い。
【0021】
描画命令解析部18で演算が必要な描画命令と判断されると描画処理判断部20での判断に従い、中間データ分割部21で描画命令の演算領域に含まれる中間データのうち、演算領域の内側と外側にまたがるものを分割する。分割されたデータも含め、演算領域の内側にあるものをラスタライズ部23でラスタライズする。生成されるラスタデータと描画命令とで演算処理部24で演算処理をする。演算処理結果も描画コマンド生成部25でコマンド化され、描画コマンド送信部26から印刷装置7に向けコマンドを送信する。
【0022】
OS9には、その機能の一部としてデータ送受信部14が含まれており、このデータ送受信部14は、セントロニクス等の接続により印刷装置7との間でデータの送受信を行う。
【0023】
一方、印刷装置7には、データ送受信部15及びコントローラ部16が含まれている。データ送受信部15は、クライアントコンピュータとの間でデータの送受信を行う。コントローラ部16は、データ送受信部15が受信したデータに基づきプリンタエンジン27の制御等を行う。
【0024】
次に、上述のように構成された情報処理システムにおける演算が必要な描画命令の一例として透過データの描画方法について説明する。図5,6は、透過データの描画方法(プログラム)を示すフローチャートである。本フローチャートは、主記憶装置2に記憶され、中央処理装置1にて実行されるが、表示装置5内のCPUが行ってもよく、クライアントコンピュータ内でビットマップ処理を行うことが可能なアプリケーションプログラムが行ってもよい。
【0025】
まず、入力装置4から印刷を実行するように命令が入力されると、補助記憶装置3から主記憶装置2上に読み込まれたOS9が当該印刷命令を受け取る。OS9は、その時点でアクティブになっているアプリケーションプログラム10に印刷実行を受け渡す。
【0026】
アプリケーションプログラム10は、印刷命令を受け取ると、当該印刷命令をOS9が認識できるコマンドに変換して印刷するデータ及びコマンドのメッセージをOS9に送る。OS9は、このメッセージをプリンタドライバ11が認識できるコマンドに変換して、プリンタドライバ11に送る。なお、印刷するデータは、例えば、アプリケーションプログラム10の実行中に、入力装置4を介したユーザによる命令の入力により作成された描画命令である。
【0027】
プリンタドライバ11は、受け取ったコマンドに初期化用のコマンドが含まれている場合には、ユーザインタフェース部12を介した設定又はデフォルトの設定に基づいて、以下の処理を実行する。
【0028】
まず描画命令入力部17が、アプリケーションプログラム10が含ませた描画命令を受信する(ステップ101、以下ステップを「S」と略す)。受信したデータを描画命令解析部18で演算対象命令であるか判別する(S102)。透過データやROPデータ等の演算対象命令であるならば、図6に示す処理1に入る(S104)。演算対象命令でなければ描画コマンド生成部25にて描画命令を描画コマンドに変換して、描画コマンド送信部26にて描画コマンドを印刷装置7に送信する(S103)。同時に中間データ抽出部19にて中間データを生成して(S105), 中間データ記憶部22に中間データを保存する(S106)。この動作を描画命令が終了するまで繰り返す(S107)。
【0029】
続いて、描画命令解析部18で演算対象命令であると判断され処理1(図6)の処理に入った場合を示す。
【0030】
描画命令解析部18は描画命令に含まれる属性情報から演算処理が要求される領域(以下、「演算領域」という)を特定する(S201)。図9,10の例では描画命令の形状である矩形が演算領域となる。一方、図11の様に描画命令の形状が矩形でない場合は、描画要素の外接矩形が演算領域となる。
【0031】
演算領域が特定されると、中間データ抽出部19は、中間データ記憶部22に保存されているエッジの中から、演算領域に含まれるエッジリスト、すなわち演算領域内に存在する画像要素についてのエッジリストを抽出する(S202)。図12の例では描画要素a,b,cの内、演算領域に含まれる描画要素はa,bとなる。
【0032】
描画処理判断部20は、抽出したエッジリスト全体が、演算領域内に存在しているかを判断する(S205)。図12の画像要素bまたは図14の様にエッジが演算領域内に含まれている場合は、ラスタライズ部23が、そのエッジリストをラスタ化する(S206)。
【0033】
図12の画像要素aの様に、エッジが演算領域の内と外にまたがる場合には、中間データ分割部21が演算領域の内側のエッジリストと外側のエッジリストに分割する(S210)。つまり元は図13で示されるエッジが図15の様に分割される。
【0034】
ラスタライズ部は内側のエッジのみラスタライズする(S206)。
【0035】
この時外側のエッジリストは、再び中間データとして中間データ記憶部22に記憶される(S211,S212)。これにより演算領域の内側についてのみ、ラスタデータが作成されることになる。
【0036】
こうして、抽出されたエッジリスト全てがラスタ化されると、演算処理部24は、作成されたラスタデータと描画命令によって特定される画像要素との演算処理を行う(S207)。演算処理の結果出力を描画コマンド生成部25にて描画命令を描画コマンドに変換して、描画コマンド送信部26にて描画コマンドを送信する(S208)。また演算結果は描画コマンドに変換すると共に、中間データにも変換し記憶部に保存する(S209)。演算結果を中間データとして保存しておくことで、後に複数の透過データが重なるような、今回の演算結果を下地とするような演算処理描画命令がきた際に使用することができる。
【0037】
以上のように、本実施形態による描画情報処理装置によれば、演算処理を行なうのにあたり、中間データ記憶部に貯められたエッジリストを用いて演算処理についてのみラスタ化を行っている。中間データを貯めつつ、演算処理が必要のない描画命令に関しては逐次コマンド化することが可能である。先行技術の様に従来は1ページ全てをスプールするまでコマンド化することが出来ず、印刷装置7にコマンドを送信することができなかった。図16に示すように「アプリの作成データ」に透過データが含まれる場合に、アプリからの描画命令は座標軸に順序良く並んでいるとは限らない。透過データの下地がどの部分となるかは透過データ命令が呼ばれるまでわからないため、それまでの描画命令を全て貯めておく必要がある。また先行技術では透過データと重なる部分を除去した描画コマンドを作成するため、1ページ分の描画命令を貯めて透過データ処理等を行なった後に最初の描画コマンドが送付される。
【0038】
本実施形態では下地も含んだ演算結果のビットマップで上書きすることで、演算処理を行わない描画命令は直ちに描画コマンドに変換して送付することができる。図17に示すように、アプリからの描画命令を逐次描画コマンドに変換し送付しつつ、中間データとしても貯めておく。下地が必要な処理があれば、貯めておいた中間データを用いて下地も含んだビットマップを作成して印刷装置に送付し既に描画があっても「上書き」する。
【0039】
このため印刷装置7にて早くに処理を開始することができ、画像形成システム全体としての印刷処理時間を大幅に減少させることができる。また中間データを貯めるが、下地が必要な処理がなければ、中間データは使用されずそのまま捨てられるため、中間データを貯めない場合と同等の処理速度が得られる。
【0040】
図24は本実施の形態と従来例の印刷タイムチャートである。印刷タイムチャートを用いて本実施の形態の印刷処理時間が従来例と比べ減少する様子を示す。
【0041】
S501で印刷が開始され、プリンタドライバで処理が始まる。本実施の形態ではプリンタドライバはアプリから描画命令を受け取るとすぐに印刷コマンドを送付するので印刷装置はS502で印刷コマンドを受信開始し処理が開始できる。一方従来例はアプリから1ページ分の描画命令を受け取り、処理した後に印刷コマンドを送付するのでコマンドを受信するのはS506からとなる。S503,507で印刷コマンド受信が終了するのはほぼ同じだが、本実施の形態では早くから印刷コマンドを受信して処理を開始していたので、RIP処理(描画ビットマップ作成)終了までの時間が短い(S504)。一方、従来例では印刷コマンド受信が遅かった分、RIP処理終了まで時間が長い(S508)。紙排出に掛かる時間は本実施の形態、従来例とも変わらないので、印刷全体の時間としてもS505とS509の差が生じて本実施の形態は従来例と比べ印刷処理時間を減少することが可能となる。
【0042】
また先行技術ではデバイスでの演算誤差等により「透過データ」と「透過部分をくり抜いた部分」の間に白スジ(隙間)が生じることがある(図18)。
【0043】
本実施例では「透過部分をくり抜いていない」元データを描画コマンドとして送っているので、下地が描画されているため計算誤差が起きても白スジが発生することはない(図19)。
【0044】
また先行技術では演算領域内に多量の描画命令を含んだ場合に透過部分をくり抜く処理等で非常に負荷がかかる(図20)。細かな描画要素が数千、数万重なることがあり、くり抜く処理が多く発生する。
【0045】
本実施例では図21の様に、処理の重い「透過部分をくり抜く処理」が必要なく、送付する描画コマンドがアプリの作成データをそのまま描画コマンドに変換できるためシンプルになる。
【0046】
さらに本実施形態の描画情報処理装置において、描画判断部20にて演算領域内のエッジリストの数や複雑度が閾値以上の場合は、演算領域をエッジリストを含む外接矩形に広げる処理を行うこともできる(S204)。この閾値は、例えば、デフォルトで設定されているものであるか、又はユーザインタフェース部12を介してユーザにより設定されたものである。
【0047】
図7,8のフローチャートを用いて説明する。本フローチャートは、主記憶装置2に記憶され、中央処理装置1にて実行されるが、表示装置5内のCPUが行ってもよく、クライアントコンピュータ内でビットマップ処理を行うことが可能なアプリケーションプログラムが行ってもよい。
【0048】
UIで中間データ数や複雑度の閾値が設定されていれば(S301)、UIで指定された閾値を使用し(S302)、設定がなければデフォルトの閾値を使用する(S303)。演算領域内の中間データ数が閾値以上(S304)あるいは複雑度が閾値以上の場合は処理3を行なう。処理3では演算領域内の中間データがある分だけ(S401)、中間データの外接矩形が演算領域からはみ出していれば(S402)、演算領域を中間データを含む外接矩形に広げる(S403)処理を行う。
【0049】
この処理により図22のように演算領域内に多量のエッジリストを含んだ場合に、まとめてひとつの描画コマンドに変更することができる。また図23のように演算領域内に複雑な描画要素を含んだ場合も、まとめてひとつの描画コマンドに変更することができる。演算領域外の中間データがなくなるので、分割する必要がなくなり(S210を通らない)、時間の掛かる処理を省くことができる。
【0050】
また逐次描画コマンドを送信するのではなく、1ページ分スプールしてから描画コマンド送付するフローで本処理を行えば、送信コマンド数の削減することができる。数千、数万の描画オブジェクトが演算領域に重なる場合には、数千、数万の描画コマンドを送付する必要があるが、本処理により1つの描画コマンドのみ送付すればよい。印刷装置への最初のコマンド送信は遅くなるが、ネットワークが遅い場合等でコマンド数の削減が求められる場合は有効である。
【0051】
またデバイスでの演算誤差等により「透過データ」と「透過部分をくり抜いた部分」の間に白スジ(隙間)が生じる問題(図18)は本処理を用いた場合も起こらない。
【0052】
なお、本画像処理は、表示装置5内のCPUが行ってもよく、クライアントコンピュータ内でビットマップ処理を行うことが可能なアプリケーションが行ってもよい。
【0053】
なお、本発明の実施形態は、例えばコンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体又はかかるプログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本発明の実施形態として適用することができる。また、上記のプログラムも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体、伝送媒体及びプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。
【0054】
本発明の実施の形態によれば、プリンタドライバにて1ページスプールしてから描画コマンドを作成する必要はなく、アプリから描画命令を受け取るとすぐに描画コマンドを作成し送付できて、印刷装置にて描画が開始できる。
【0055】
また白スジ(隙間)の発生を抑えることができる。
【0056】
更に透過データと重なるオブジェクトが多数ある場合も効率良く処理できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成を示す模式図である。
【図2】中央処理装置1、主記憶装置2、入力装置4及び印刷装置7の関係を示す図である。
【図3】クライアントコンピュータの機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【図4】描画データ処理部の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【図5】描画データ処理部の処理を示すフローチャートである。
【図6】演算処理が必要なデータの処理を示すフローチャートである。
【図7】演算領域の外接矩形を広げるか判断する処理を示すフローチャートである。
【図8】演算領域の外接矩形を広げる処理を示すフローチャートである。
【図9】グラフィック透過データを示す図である。
【図10】イメージ透過データを示す図である。
【図11】描画要素の形状が矩形でないデータの描画領域を示す図である。
【図12】描画要素と演算領域の関係を示す図である。
【図13】エッジ情報を示す図である。
【図14】演算領域内にある描画要素を示す図である。
【図15】演算領域をまたがる描画要素のエッジの分割方法を示した図である。
【図16】アプリからの描画命令を1ページ分中間ファイルにスプールした後にコマンド作成、送付する例を示す図である。
【図17】アプリからの描画命令を逐次コマンドに変換し送付しつつ、描画命令を中間データとしてスプールする例を示す図である。
【図18】白スジ(隙間)を示す図である。
【図19】白スジ(隙間)が発生しない例を示す図である。
【図20】演算領域に多量の描画要素がある場合にコマンドが多量にはかれる例を示す図である。
【図21】本実施の形態により演算領域に多量の描画要素があっても、コマンドが複雑にならないことを示す図である。
【図22】演算領域をエッジリストを含む外接矩形に広げた場合の描画コマンドを示す図である。
【図23】複雑な描画要素の場合に演算領域を広げた描画コマンドを示す図である。
【図24】従来例と本実施の形態の印刷タイムチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1 中央処理装置
2 主記憶装置
3 補助記憶装置
4 入力装置
5 表示装置
6 媒体読取装置
7 印刷装置
8 ROM
9 オペレーティングシステム(OS)
10 アプリケーションプログラム
11 プリンタドライバ
12 ユーザインタフェース部
13 描画データ処理部
14 データ送受信部
15 データ受信部
16 コントローラ部
17 描画命令入力部
18 描画命令解析部
19 中間データ抽出部
20 描画処理判断部
21 中間データ分割部
22 中間データ記憶部
23 ラスタライズ部
24 演算処理部
25 描画コマンド生成部
26 描画コマンド送信部
27 プリンタエンジン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した描画命令が下地部分との演算処理が必要な命令であるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により、受信した描画命令が下地部分との演算処理が必要な命令でないと判別された場合、描画命令を描画コマンドに変換してプリンタに送信すると共に受信した描画命令を中間データとして保存する保存手段と、
前記判別手段により、受信した描画命令が下地部分との演算処理が必要な命令であると判別された場合、前記保存手段により保存された中間データの中から受信した描画命令に関係する中間データを抽出し、抽出された中間データに受信した描画命令の演算処理が施された描画コマンドに変換して印刷装置に送信する送信手段とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記送信手段は、受信した描画命令の演算領域外を含まない描画コマンドに変換して印刷装置に送信することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記送信手段は、受信した描画命令の演算領域外を含む描画コマンドに変換して印刷装置に送信することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記送信手段は、受信した描画命令に関係する中間データの複雑度に応じて、受信した描画命令の演算領域外を含まない描画コマンドに変換して印刷装置に送信するか、受信した描画命令の演算領域外を含む描画コマンドに変換して印刷装置に送信することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記下地部分との演算処理が必要な命令は、透過データまたはROPデータを含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
受信した描画命令が下地部分との演算処理が必要な命令であるか否かを判別する判別ステップと、
前記判別ステップにより、受信した描画命令が下地部分との演算処理が必要な命令でないと判別された場合、描画命令を描画コマンドに変換してプリンタに送信すると共に受信した描画命令を中間データとして保存する保存ステップと、
前記判別ステップにより、受信した描画命令が下地部分との演算処理が必要な命令であると判別された場合、前記保存ステップにより保存された中間データの中から受信した描画命令に関係する中間データを抽出し、抽出された中間データに受信した描画命令の演算処理が施された描画コマンドに変換して印刷装置に送信する送信ステップとを有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
前記送信ステップは、受信した描画命令の演算領域外を含まない描画コマンドに変換して印刷装置に送信することを特徴とする請求項6記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記送信ステップは、受信した描画命令の演算領域外を含む描画コマンドに変換して印刷装置に送信することを特徴とする請求項6記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記送信ステップは、受信した描画命令に関係する中間データの複雑度に応じて、受信した描画命令の演算領域外を含まない描画コマンドに変換して印刷装置に送信するか、受信した描画命令の演算領域外を含む描画コマンドに変換して印刷装置に送信することを特徴とする請求項6記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記下地部分との演算処理が必要な命令は、透過データまたはROPデータを含むことを特徴とする請求項6記載の情報処理方法。
【請求項11】
受信した描画命令が下地部分との演算処理が必要な命令であるか否かを判別する判別ステップと、
前記判別ステップにより、受信した描画命令が下地部分との演算処理が必要な命令でないと判別された場合、描画命令を描画コマンドに変換してプリンタに送信すると共に受信した描画命令を中間データとして保存する保存ステップと、
前記判別ステップにより、受信した描画命令が下地部分との演算処理が必要な命令であると判別された場合、前記保存ステップにより保存された中間データの中から受信した描画命令に関係する中間データを抽出し、抽出された中間データに受信した描画命令の演算処理が施された描画コマンドに変換して印刷装置に送信する送信ステップとをコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項12】
前記送信ステップは、受信した描画命令の演算領域外を含まない描画コマンドに変換して印刷装置に送信することを特徴とする請求項11記載のプログラム。
【請求項13】
前記送信ステップは、受信した描画命令の演算領域外を含む描画コマンドに変換して印刷装置に送信することを特徴とする請求項11記載のプログラム。
【請求項14】
前記送信ステップは、受信した描画命令に関係する中間データの複雑度に応じて、受信した描画命令の演算領域外を含まない描画コマンドに変換して印刷装置に送信するか、受信した描画命令の演算領域外を含む描画コマンドに変換して印刷装置に送信することを特徴とする請求項11記載のプログラム。
【請求項15】
前記下地部分との演算処理が必要な命令は、透過データまたはROPデータを含むことを特徴とする請求項11記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2010−9216(P2010−9216A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−166090(P2008−166090)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】