説明

情報処理装置、情報処理方法及びプログラム

【課題】表示画面を煩雑にすることなく、コンテンツに関する情報を提供すること。
【解決手段】本開示によれば、所定の特徴量に基づいて規定される特徴空間における位置を表す位置情報がメタデータとして関連付けられたコンテンツデータ群の中から、所定の条件を満たすコンテンツデータの集合を選択する選択部と、特徴空間の少なくとも一部と、選択されたコンテンツデータの集合と、を表示画面にあわせて表示する際の表示形式を選択する表示形式選択制御部と、を備え、表示形式選択制御部は、表示特徴空間の外側に位置するコンテンツデータの集合について、当該コンテンツデータの集合の存在方向を示した方向指示子を含むオブジェクトを表示画面内に表示させ、複数の方向指示子が互いに類似した方向を示す場合、当該複数の方向指示子を更にとりまとめて一つの新たな方向指示子とし、表示画面に表示させる情報処理装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定の特徴量により規定される特徴空間上において距離の近いデータごとにグループを作成する技術は、クラスタリングと呼ばれ、様々な分野に広く利用されている。また、クラスタリングにより生成される各クラスタに含まれるデータを、更にグループ分けすることで、木構造のデータ構造を作成することも広く行われている。
【0003】
こうして作成されたデータ構造は、上位階層が下位階層を含むような構造になっている。そのため、粒度の荒いグループから粒度の細かいグループまでを順に選択してゆくことで所望のデータを探索する目的や、あるデータに対するグループ分けを実現する際に、階層を変更することで、様々な粒度のグループ分けを実現する目的などに用いられる(例えば、以下の特許文献1を参照。)。
【0004】
グループ分けされたデータをユーザが検索する場合には、クラスタリングによって形成された階層構造を上から順にたどっていくことで、データの検索を行うことが多い。上記特許文献1においても、階層構造を直感的に把握できるような表示画面を提供することで、ユーザがデータ探索を容易に実行できるようにしている。
【0005】
ところで、検索対象となるデータが解っている場合には、上記特許文献1に記載の方法のような探索方法が効果的であるが、例えば、写真などのあるコンテンツデータが生成された状況と類似した状況を有するコンテンツ(例えば、写真等を撮影した場所がほぼ同じ場所であるコンテンツ等)を検索したい、といった場合には、現在着目しているデータを基準として、データの閲覧や検索ができたほうが便利である。
【0006】
そこで、近年では、指定された位置を基準としたコンテンツの一覧を表示するアプリケーションやサービスの開発が行われるようになってきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−122562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述のような指定された位置を基準としたコンテンツの一覧を表示するためのアプリケーションは、全てのコンテンツを表示画面に表示してしまうため、表示画面が煩雑になってしまうという問題があった。
【0009】
そこで、本開示では、表示画面を煩雑にすることなく、コンテンツに関する情報を提供することが可能な、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示によれば、所定の特徴量に基づいて規定される特徴空間における位置を表す位置情報がメタデータとして関連付けられたコンテンツデータ群の中から、所定の条件を満たすコンテンツデータの集合を選択する選択部と、前記特徴空間の少なくとも一部と、前記選択部により選択された前記コンテンツデータの集合と、を表示画面にあわせて表示する際の表示形式を選択する表示形式選択制御部と、を備え、前記表示形式選択制御部は、前記表示画面に表示される前記特徴空間である表示特徴空間の外側に位置する前記コンテンツデータの集合について、当該コンテンツデータの集合の存在方向を示した方向指示子を含むオブジェクトを前記表示画面内に表示させ、複数の前記方向指示子がそれぞれ互いに類似した方向を示す場合には、当該複数の方向指示子を更にとりまとめて一つの新たな方向指示子とし、前記表示画面に表示させる情報処理装置が提供される。
【0011】
また、本開示によれば、所定の特徴量に基づいて規定される特徴空間における位置を表す位置情報がメタデータとして関連付けられたコンテンツデータ群の中から、所定の条件を満たすコンテンツデータの集合を選択することと、前記特徴空間の少なくとも一部と、選択された前記コンテンツデータの集合と、を表示画面にあわせて表示する際の表示形式を選択することと、を含み、前記表示形式を選択する際には、前記表示画面に表示される前記特徴空間である表示特徴空間の外側に位置する前記コンテンツデータの集合について、当該コンテンツデータの集合の存在方向を示した方向指示子を含むオブジェクトが前記表示画面内に表示され、複数の前記方向指示子がそれぞれ互いに類似した方向を示す場合には、当該複数の方向指示子を更にとりまとめて一つの新たな方向指示子とされ、前記表示画面に表示されるようにする情報処理方法が提供される。
【0012】
また、本開示によれば、コンピュータに、所定の特徴量に基づいて規定される特徴空間における位置を表す位置情報がメタデータとして関連付けられたコンテンツデータ群の中から、所定の条件を満たすコンテンツデータの集合を選択する選択機能と、前記特徴空間の少なくとも一部と、前記選択機能により選択された前記コンテンツデータの集合と、を表示画面にあわせて表示する際の表示形式を選択する表示形式選択制御機能と、実現させ、前記表示形式選択制御機能が、前記表示画面に表示される前記特徴空間である表示特徴空間の外側に位置する前記コンテンツデータの集合について、当該コンテンツデータの集合の存在方向を示した方向指示子を含むオブジェクトを前記表示画面内に表示させ、複数の前記方向指示子がそれぞれ互いに類似した方向を示す場合には、当該複数の方向指示子を更にとりまとめて一つの新たな方向指示子とし、前記表示画面に表示させるためのプログラムが提供される。
【0013】
本開示によれば、選択部は、所定の特徴量に基づいて規定される特徴空間における位置を表す位置情報がメタデータとして関連付けられたコンテンツデータ群の中から、所定の条件を満たすコンテンツデータの集合を選択し、表示形式選択制御部は、特徴空間の少なくとも一部と、選択部により選択されたコンテンツデータの集合と、を表示画面にあわせて表示する際の表示形式を選択する。この際、表示形式選択制御部は、表示画面に表示される特徴空間である表示特徴空間の外側に位置するコンテンツデータの集合について、当該コンテンツデータの集合の存在方向を示した方向指示子を含むオブジェクトを表示画面内に表示させ、複数の方向指示子がそれぞれ互いに類似した方向を示す場合には、当該複数の方向指示子を更にとりまとめて一つの新たな方向指示子とし、表示画面に表示させる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本開示によれば、表示画面を煩雑にすることなく、コンテンツに関する情報を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】木構造について説明するための説明図である。
【図2】本開示の第1の実施形態に係る情報処理装置で利用されるクラスタリングの概略を説明するための説明図である。
【図3】同実施形態に係る情報処理装置について説明するための説明図である。
【図4】同実施形態に係る情報処理装置について説明するための説明図である。
【図5】同実施形態に係る情報処理装置の構成を示したブロック図である。
【図6】クラスタに関連付けられたメタデータについて説明するための説明図である。
【図7A】同実施形態に係る表示画面の制御方法の一例を説明するための説明図である。
【図7B】同実施形態に係る表示画面の制御方法の一例を説明するための説明図である。
【図8A】同実施形態に係る表示画面の制御方法の一例を説明するための説明図である。
【図8B】同実施形態に係る表示画面の制御方法の一例を説明するための説明図である。
【図9】同実施形態に係る情報処理装置で実施されるクラスタ選択処理について説明するための説明図である。
【図10】クラスタの生成方法の一例について説明するための説明図である。
【図11】クラスタの生成方法の一例について説明するための説明図である。
【図12A】クラスタの生成方法の一例について説明するための説明図である。
【図12B】クラスタの生成方法の一例について説明するための説明図である。
【図12C】クラスタの生成方法の一例について説明するための説明図である。
【図12D】クラスタの生成方法の一例について説明するための説明図である。
【図12E】クラスタの生成方法の一例について説明するための説明図である。
【図13】クラスタの生成方法の一例について説明するための説明図である。
【図14A】クラスタ間の距離について説明するための説明図である。
【図14B】クラスタ間の距離について説明するための説明図である。
【図14C】クラスタ間の距離について説明するための説明図である。
【図15】クラスタの生成方法の一例について説明するための説明図である。
【図16】同実施形態に係る情報処理方法の全体的な流れについて示した流れ図である。
【図17】同実施形態に係る情報処理方法におけるクラスタ選択処理の流れについて示した流れ図である。
【図18】同実施形態に係る情報処理装置の第1変形例について説明するためのブロック図である。
【図19】同実施形態に係る情報処理装置の第1変形例について説明するためのブロック図である。
【図20】表示画面の一例を示した説明図である。
【図21】表示画面の一例を示した説明図である。
【図22】本開示の第2の実施形態に係る情報処理装置の構成を示したブロック図である。
【図23A】同実施形態に係る表示画面制御方法の一例を示した説明図である。
【図23B】同実施形態に係る表示画面制御方法の一例を示した説明図である。
【図24】同実施形態に係る表示画面制御方法の一例を示した説明図である。
【図25】同実施形態に係る表示画面制御方法の一例を示した説明図である。
【図26】同実施形態に係る表示画面制御方法の一例を示した説明図である。
【図27】同実施形態に係る表示画面制御方法の一例を示した説明図である。
【図28】同実施形態に係る表示画面制御方法の一例を示した説明図である。
【図29】同実施形態に係る表示画面制御方法の一例を示した説明図である。
【図30】同実施形態に係る表示画面制御方法の一例を示した説明図である。
【図31A】同実施形態に係る表示画面制御方法の一例を示した説明図である。
【図31B】同実施形態に係る表示画面制御方法の一例を示した説明図である。
【図32】同実施形態に係る表示画面制御方法の一例を示した説明図である。
【図33】同実施形態に係る表示画面制御方法の一例を示した説明図である。
【図34】同実施形態に係る表示画面制御方法の一例を示した説明図である。
【図35A】同実施形態に係る表示画面制御方法の一例を示した説明図である。
【図35B】同実施形態に係る表示画面制御方法の一例を示した説明図である。
【図36】同実施形態に係る表示画面制御方法の一例を示した説明図である。
【図37】同実施形態に係る表示画面制御方法の一例を示した説明図である。
【図38A】同実施形態に係る表示画面制御方法を説明するための説明図である。
【図38B】同実施形態に係る表示画面制御方法を説明するための説明図である。
【図39】同実施形態に係る表示画面制御方法を説明するための説明図である。
【図40】同実施形態に係る表示画面制御方法を説明するための説明図である。
【図41】本開示の第3の実施形態に係る情報処理装置の構成を示したブロック図である。
【図42】本開示の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
なお、説明は、以下の順序で行うものとする。
(1)木構造について
(2)第1の実施形態
(2−1)情報処理装置で利用されるクラスタリングの概略について
(2−2)情報処理装置の構成について
(2−3)情報処理方法の流れについて
(2−4)第1変形例
(3)第2の実施形態
(3−1)表示画面の例について
(3−2)情報処理装置の構成について
(3−3)表示画面の制御方法の一例について
(4)第3の実施形態
(4−1)情報処理装置の構成について
(5)本開示の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について
【0018】
(木構造について)
まず、本開示の実施形態に係る説明を行うに先立ち、本明細書中で使用する木構造に関する用語について、図1を参照しながら簡単に説明する。図1は、木構造について説明するための説明図である。
【0019】
図1に例示したように、木構造は、複数の要素(図1において○で示したもの)から構成されている。これら複数の要素のことを、ノードと称する。また、木構造において、一番上に位置するノードをルートノードと称する。ルートノードに着目すると、このルートノードから図の下方向に向かって枝分かれが生じており、それぞれの枝の先にノードが位置している。このような枝分かれが繰り返されることで、木構造は、図1に示したような多層的な構造となる。また、木構造において、一番下に位置するノードを、リーフノードと称する。図から明らかなように、これらリーフノードからは枝分かれが生じていない。
【0020】
ここで、図1に示したノード「B」に着目する。ノードBから上に向かって延びている枝は、ルートノードにつながっており、ノードBから下に向かって延びている枝は、リーフ3及びリーフ4という2つのノード(リーフノード)につながっている。ここで、ノードBに対するルートノードのように、上方向(換言すれば、ルートノードの方向)に向かって延びている枝に直接つながっているノードのことを、親ノードと称することとする。また、ノードBに対するリーフ3及びリーフ4のように、下方向(換言すれば、ルートノードの方向とは逆の方向)に向かって延びている枝に直接つながっているノードのことを、子ノードと称することとする。
【0021】
親ノード、及び、子ノードという呼び方は、あくまでも相対的なものであって、着目しているノードが変わることで、その呼び方も変化する。例えば、ノードBは、リーフ3又はリーフ4にとっては親ノードとなるが、ルートノードにとっては子ノードとなる。
【0022】
また、木構造は、図1に示したような多層構造となっているが、以下では、ルートノードが属する階層を第0階層と呼ぶこととし、ルートノードの子ノードが属する階層を第1階層、第1階層に位置するノードの子ノードが属する階層を第2階層と呼ぶこととする。以下、必要に応じて、順に、第3階層、第4階層・・・と称することとする。
【0023】
また、ノードBに着目した場合におけるノードA及びノードCのように、あるノードの親ノードから分岐している、着目しているノード以外の子ノードのことを、兄弟ノード(sibling node)と称することとする。例えば図1において、リーフ3に着目した場合、その兄弟ノードはリーフ4となる。
【0024】
なお、図1に示した例では、あるノードから複数の枝が分岐している場合について示しているが、ノードから下方向(ルートノードに向かう方向とは逆の方向)に延びる枝の個数は、1つのみであってもよい。また、あるノードから分岐する枝の個数は、図1に示した例に限定されるわけではない。
【0025】
(第1の実施形態)
<情報処理装置で利用されるクラスタリングの概略について>
続いて、図2を参照しながら、本開示の第1の実施形態に係る情報処理装置で利用されるクラスタリングの概略を説明する。
【0026】
先に説明したように、データをグループ分け(クラスタリング)する際に、ある特定の位置を基準として、この特定の位置から近いデータは細かい粒度で分割し、遠く離れたデータは粗い粒度でまとめるようなグループ分けを行いたい場合がある。
【0027】
例えば、地図上の現在地に応じて、周辺のお勧めスポットを表示する装置を考える。この際、現在地の近くに位置するスポットは、グループ分けが行われることなく(又は、1データ=1グループのグループ分けを行って)表示されるものとする。また、現在地から少し離れた位置のスポットは市町村毎などにグループ分けして表示され、遠く離れた外国のスポットは国毎などにグループ分けして表示されるものとする。
【0028】
図2に示した例は、現在位置が東京の渋谷近辺である場合に、渋谷からの距離に応じてグループ(すなわち、クラスタ)の粒度を変化させながら、グループ分けの結果を示したものである。現在位置である渋谷の近傍に位置するグループ(クラスタ)である、「新宿」、「上野」、「品川」といった位置を表すクラスタは、細かい粒度で表示されており、現在位置から離れるにしたがって、クラスタの粒度が粗くなっていることがわかる。
【0029】
このような表示が装置によって提供されることで、ユーザは、表示されているクラスタ間の位置関係を大まかに、かつ、容易に把握することが可能となる。したがって、かかる装置を実現できれば、結果としてユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0030】
以上の例のように、指定された位置からの距離に応じてグループのサイズを分けたい場合、このようなグループ分けは、特徴空間上のデータの絶対的な位置に加え、特定の位置からのデータまでの距離も加味してクラスタリングを行うことで可能となる。
【0031】
しかしながら、クラスタリングは、特にデータが大量になる場合には、演算量の負荷が大きい。したがって、上述の例のような、現在の位置に応じてスポットをグループ分けするような場合、時々刻々と変化する現在地に応じて毎回クラスタリングを実行し直すことは、システムに大きな負荷を強いる処理となる。
【0032】
実際の現在地に基づくクラスタリングであれば、例えば現実世界ではそれほど高速な移動は考えられないことから、例えば1分に一度現在地を変更する、というような運用も考えられる。しかし、上記例と同じようなことを仮想世界で行わせようとする場合など、いつどれだけ特定位置が変化するか想定できないような場合では、かかるクラスタリングの実現は、困難となる。
【0033】
そこで、以下で説明する本実施形態に係る情報処理装置では、クラスタ粒度の異なる多階層のクラスタ構造を生成するクラスタリングに従って生成された、クラスタ構造を表す木構造を利用する。また、本実施形態に係る情報処理装置では、クラスタ構造が規定される特徴空間においてある領域が指定されると、指定された領域と、生成されているクラスタ構造とを利用して、様々な階層から所望のクラスタを抽出する。これにより、本実施形態に係る情報処理装置では、特徴空間における特定の領域からの距離に基づきクラスタ粒度を変化させるようなクラスタリングを、クラスタリングに要する負荷を抑制しながら行うことが可能となる。
【0034】
<情報処理装置の構成について>
続いて、図3〜図15を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置の構成について、詳細に説明する。
【0035】
[情報処理装置の概略]
本実施形態に係る情報処理装置は、各種のコンテンツデータが所定の条件のもとで配置された木構造を利用し、情報処理装置の表示画面に、コンテンツデータ、又は、コンテンツデータ群がある規則の下でまとめられたグループ(すなわち、クラスタ)を表示する。ここで、本実施形態に係る情報処理装置が利用する木構造は、所定の特徴量に基づいて規定される特徴空間の位置を表す位置情報がメタデータとして関連づけられたコンテンツデータをリーフノードとし、特徴空間におけるノード間の距離が所定の条件を満たすノードの集合が、当該所定の条件を満たすノードの親ノードとして規定される。
【0036】
なお、本実施形態に係る情報処理装置で扱うコンテンツデータの一例として、静止画コンテンツ、動画コンテンツといった画像コンテンツや、ユーザ同士が各種情報の共有を行うためにサーバ等に登録した各種の文字情報・画像情報等を挙げることができる。これらのデータ以外にも、例えば、メール、楽曲、スケジュール、電子マネー使用履歴、通話履歴、コンテンツ視聴履歴、観光情報や地域情報、ニュースや天気予報、着信音モード履歴等のコンテンツに適用することができる。
【0037】
以下の説明では、静止画コンテンツ及び動画コンテンツといった画像コンテンツを例にとって、説明を行うものとする。しかしながら、本実施形態に係る情報処理装置では、特徴空間における位置を表す位置情報が例えばメタデータとして添付されているデータであれば、任意の情報やコンテンツデータを扱うことが可能である。
【0038】
また、上述のようなコンテンツデータや各種情報を表すデータは、情報処理装置の内部に格納されていることが好ましい。しかしながら、情報処理装置の外部に設けられたサーバ等の装置にデータ本体が格納されており、情報処理装置には、これらのデータ本体に対応するメタデータが格納されていてもよい。以下では、情報処理装置がコンテンツデータや各種情報を表すデータを、メタデータとともに格納している場合を例にとって説明を行うものとする。
【0039】
メタデータ中に記載されている所定の特徴量の一例としては、例えば、コンテンツが生成された場所を特定するための緯度・経度に関する情報、コンテンツが生成された時刻に関する情報、コンテンツが生成された場所を表す住所に関する情報等を挙げることができる。これら所定の特徴量に関するメタデータは、例えば、コンテンツデータに関連付けられたExif(Exchangeable Image File Format)タグ等に格納されていてもよい。
【0040】
場所を特定するための緯度・経度に関する情報は、例えばGPS信号を取得及び解析することで得ることが可能な情報である。緯度・経度といった位置情報は、地球という球状の物体の表面の位置(球表面上の位置)を特定するための特徴量であるといえる。したがって、この緯度・経度に関する情報をもとに規定された特徴空間は、地球という球表面上の位置を表す空間となる。かかる特徴空間における位置は、当然ながら、緯度及び経度をそれぞれ指定することで定義することができる。また、特徴空間上のある2つの位置間の距離は、いわゆる大圏距離を用いて定義することができる。
【0041】
また、地球表面上の位置を表す情報を特徴量として用いる場合であっても、着目している領域が局所的である場合には、球表面を近似的に平面とみなすこともできる。したがって、緯度をx座標とし、経度をy座標として扱うことで、特徴空間を規定することも可能である。この場合における特徴空間は、(x,y)のような2次元のベクトルで規定される平面空間(ユークリッド空間)となり、特徴空間上のある2つの位置間の距離は、いわゆるユークリッド距離を用いて定義することができる。
【0042】
また、コンテンツが生成された時刻に関する情報を特徴量として用いる場合には、時間という一次元の情報を元に特徴空間を規定することとなる。したがって、かかる場合における特徴空間は、スカラー量である時刻によって定義され、特徴空間上のある2つの位置間の距離は、時刻差で定義することができる。
【0043】
また、かかる特徴空間の次数は、一次元又は二次元に限定されるわけではなく、例えば、幅方向、高さ方向及び奥行き方向を考慮した三次元空間を特徴空間として取り扱っても良く、四次元以上の空間を特徴空間として取り扱っても良い。
【0044】
かかる特徴空間におけるコンテンツの分布度合いに応じて実施されたコンテンツのクラスタリング結果を表す木構造は、以下のような特徴を有するものである。
【0045】
(1)コンテンツデータは、リーフノードに対応している。
(2)特徴空間上で互いの距離が近いデータは、同一のノードに包含される。
(3)互いの距離が近いデータを包含するノード自体が、他のノードと近い距離に存在する場合、これらのノードは、同一のノードに包含される。
(4)階層レベルが同じノード間には、ノードサイズに関して関連性がある。
【0046】
また、本実施形態に係る情報処理装置が利用する木構造は、上記(1)〜(4)に示した特徴に加えて、以下の特徴を更に備えていても良い。
【0047】
(5)親子関係にあるノードを除き、あるノードの特徴空間での領域は、他のノードの特徴空間での領域と重複しない。
【0048】
なお、位置情報に関するメタデータが関連付けられたコンテンツのクラスタリングは、上記説明のように特徴空間上の距離に基づいて実施されてもよいが、例えば、都道府県、市町村などといった行政区画に着目し、同じ行政区画に含まれる等といった観点に則して、住所階層に基づくクラスタリングが実施されてもよい。また、特徴空間上の距離や行政区画等といった観点とは異なるものを利用して、クラスタリングを実施してもよい。
【0049】
図3及び図4は、本実施形態に係る情報処理装置の表示画面の一例を示した説明図である。図3に示した例では、コンテンツデータに対して地球表面上の位置を表す位置情報が関連づけられており、クラスタが、特徴空間に対応する地図情報とともに表示されている。本実施形態に係る情報処理装置は、表示画面に表示されている特徴空間の大きさに応じて表示画面内に表示されるクラスタ11の粒度を調整するとともに、表示画面内には表示されないクラスタの粒度を、当該クラスタと表示画面との距離に応じて調整する。その上で、本実施形態に係る情報処理装置は、表示画面内には表示されないクラスタの存在を、当該クラスタの名称を示したラベル13や、クラスタの存在位置を示した方向指示子15等とともに表示画面に表示することで、ユーザに通知する。
【0050】
図4上段に示したような表示画面が、ある時点での情報処理装置の表示装置に表示されているものとする。ここで、ユーザによりズームイン操作が行われた場合には、図4下段右側の図に示したように、表示画面に表示されている地図の縮尺が小さくなり、かかる変化に伴い、表示画面中に表示されているクラスタ11のサイズ(クラスタ粒度)も、小さくなる。その結果、図4上段に示した表示画面では、例えばクラスタ11のサイズが半径1kmであった場合に、図4下段右側に示した表示画面では、例えばクラスタ11のサイズが半径200mとなるように変化することとなる。他方、図4上段に示した表示画面に対し、ユーザによりズームアウト操作が行われた場合には、図4下段左側の図に示したように、表示画面に表示されている地図の縮尺が大きくなり、かかる変化に伴い、表示画面中に表示されているクラスタ11のサイズも大きくなる。その結果、図4上段に示した表示画面では、例えばクラスタ11のサイズが半径1kmであった場合に、図4下段左側に示した表示画面では、例えばクラスタ11のサイズが半径10kmとなるように変化することとなる。
【0051】
また、表示画面に表示されるクラスタの粒度が変化するに伴い、表示画面外に存在するクラスタの粒度も変化することとなり、表示画面内に表示されるラベル13の名称や方向指示子15の大きさも、併せて変化する。ここで、図4に示したように、例えば表示画面外に存在するクラスタのうち表示画面の近くに存在するものほどラベル13を大きく表示するようにすることで、ユーザ操作の利便性を高めることができる。なお、かかるラベル13や方向指示子15の表示制御方法については、以下で改めて説明する。
【0052】
本実施形態に係る情報処理装置の具体例としては、例えば、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーションシステム、携帯電話やスマートフォンなどの携帯移動通信機器、携帯用ゲーム機、携帯用音楽プレーヤや携帯用動画プレーヤ等の携帯用コンテンツプレーヤ、タブレット式携帯移動端末、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラといった撮像装置、各種のデジタル家電、ネットワーク上の地図サービスと連携したコンテンツ管理閲覧サービス等を挙げることができるが、これらの例に限定されるわけではない。
【0053】
[情報処理装置の構成]
続いて、図5を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置10の構成について、詳細に説明する。図5は、本実施形態に係る情報処理装置10の構成を示したブロック図である。
【0054】
図5に示したように、本実施形態に係る情報処理装置10は、ユーザ操作情報生成部101と、表示形式選択制御部103と、表示制御部105と、ノード選択部107と、記憶部109と、を主に備える。また、本実施形態に係る情報処理装置10は、これらの処理部に加えて、木構造生成部111を更に備えていても良い。
【0055】
ユーザ操作情報生成部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入力装置等により実現される。ユーザ操作情報生成部101は、ユーザが、情報処理装置10が備えるキーボード、マウス、各種ボタン、タッチパネル等の入力装置を利用して行った操作(ユーザ操作)を表すユーザ操作情報を生成する。ユーザ操作情報生成部101は、ユーザ操作を表すユーザ操作情報を生成すると、生成したユーザ操作情報を、後述する表示形式選択制御部103や表示制御部105へと出力する。
【0056】
表示形式選択制御部103は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。表示形式選択制御部103は、後述する表示制御部105及びノード選択部107と連携しながら、所定の特徴量に基づいて規定される特徴空間の少なくとも一部と、コンテンツデータもしくはコンテンツデータの集合(クラスタ)と、を表示画面にあわせて表示する際の表示形式を選択する。なお、かかる木構造は、本実施形態に係る情報処理装置10において予め生成されたものであってもよく、情報処理装置10が通信可能な各種機器(例えば、ネットワーク上に存在する情報処理サーバ等)において予め生成されたものであってもよい。
【0057】
例えば、表示形式選択制御部103は、表示画面へのクラスタの表示開始を要請するユーザ操作情報や、表示画面に表示されている表示領域の移動を要請するユーザ操作情報がユーザ操作情報生成部101から通知された場合、後述する記憶部109等に格納された初期設定値等を参照して、表示画面に表示させる特徴空間(例えば、地球表面上の位置を表す地図平面)の大きさを特定する。その後、表示形式選択制御部103は、特定した特徴空間の大きさに応じて表示画面に表示させるクラスタの粒度(クラスタの大きさ)を決定し、特定した特徴空間の大きさ及び決定したクラスタの粒度に関する情報を、後述するノード選択部107に通知する。これにより、後述するノード選択部107によって、表示画面に表示すべきクラスタが選択されることとなる。ノード選択部107から表示画面に表示すべきクラスタを示した情報が通知されると、表示形式選択制御部103は、表示すべきクラスタの表示形式を決定して、後述する表示制御部105にクラスタの表示制御を実施させる。
【0058】
また、表示形式選択制御部103は、表示画面に表示されている特徴空間の大きさの変更を要請するユーザ操作情報がユーザ操作情報生成部101から通知された場合、その時点で表示されている特徴空間の大きさを特定する。その上で、表示形式選択制御部103は、通知されたユーザ操作情報に応じて、表示画面に表示させる特徴空間の大きさを変更する。表示形式選択制御部103は、変更後の特徴空間の大きさに応じて表示画面に表示させるクラスタの粒度(クラスタの大きさ)を決定し、変更後の特徴空間の大きさ及び決定したクラスタの粒度に関する情報を、後述するノード選択部107に通知する。これにより、後述するノード選択部107によって、表示画面に表示すべきクラスタが選択されることとなる。ノード選択部107から表示画面に表示すべきクラスタを示した情報が通知されると、表示形式選択制御部103は、表示すべきクラスタの表示形式を決定して、後述する表示制御部105にクラスタの表示制御を実施させる。
【0059】
ここで、表示画面内に表示されるクラスタの粒度を表示形式選択制御部103が選択可能な特徴空間の大きさ(例えば、選択可能な地図平面の大きさや、選択可能な地図平面の縮尺等)毎に予め設定しておき、表示形式選択制御部103が、かかる設定値に応じてクラスタの粒度を選択するようにしてもよい。また、表示形式選択制御部103は、表示画面に表示させる特徴空間の大きさ等を利用して、所定の計算式によりクラスタの粒度を決定してもよい。また、表示形式選択制御部103がクラスタの粒度を決定する方法は、かかる例に限定されるわけではなく、表示形式選択制御部103は、任意の方法でクラスタの粒度を決定することができる。
【0060】
ところで、本実施形態において、木構造のノードに対応するクラスタには、図6に示したようなメタデータがそれぞれ関連づけられている。このメタデータを、以下では、クラスタデータと称することとする。
【0061】
クラスタデータは、生成されたクラスタそれぞれに固有の情報である。このクラスタデータには、図6に例示したように、クラスタに固有な識別情報(クラスタID)、クラスタ中心位置と半径に関する情報、クラスタに属するコンテンツ数、コンテンツリスト、子クラスタのリスト等が記録されている。
【0062】
クラスタIDは、クラスタデータに対応するクラスタに固有の識別情報であり、例えば、4桁の整数値が記録される。クラスタ中心位置は、クラスタデータに対応するクラスタの中心位置を示すデータであり、特徴空間における位置を指定する情報(例えば、クラスタの中心位置に対応する緯度及び経度を表す情報)が記録される。クラスタ半径は、クラスタデータに対応するクラスタの半径を示すデータであり、例えば、単位をメートル(m)とする値など、特徴空間を規定する特徴量を表すのに適した任意の形式で記録される。クラスタ名は、クラスタに関連付けられた名称を示すデータである。コンテンツ数は、クラスタデータに対応するクラスタの領域に含まれるコンテンツの数を示すデータである。コンテンツデータリストは、クラスタデータに対応するクラスタの領域に含まれるコンテンツのID(図6では整数値で表されている。)を示すデータであり、例えば、コンテンツのIDとして整数値のリストが記録される。
【0063】
表示形式選択制御部103は、選択されたクラスタを表示させる際に、表示画面外に位置することとなるクラスタ(以下、単に、表示画面外クラスタとも称する。)の存在をユーザに認識させるために、図3及び図4に示したようなラベル13や方向指示子15の表示を行うことが可能である。以下では、ラベル13及び方向指示子15を、クラスタオブジェクトと称することもある。
【0064】
ここで、図3及び図4に示したように、表示画面中に複数のクラスタオブジェクトが配置される場合も生じうる。この場合、表示形式選択制御部103は、ラベル13及び方向指示子15といったクラスタオブジェクトがなるべく重なりあわないように、その表示位置を調整することが好ましい。
【0065】
方向指示子15は、その先端が、表示画面外クラスタの中心位置の方向に向くように、表示画面中に表示される。以下、図7A及び図7Bを参照しながら、方向指示子15の描画制御方法について、簡単に説明する。なお、図7A及び図7Bに示した座標系は、表示画面の中央を原点とする、表示画面中の各位置を表すための座標系である。
【0066】
図7Aは、表示画面に表示されている表示領域と、表示画面外クラスタに対応するクラスタAとの位置関係を模式的に表した図である。図7Aに示したように、表示形式選択制御部103は、クラスタAに対応する方向指示子15を表示画面に表示させる場合、まず、クラスタAのクラスタ領域について、表示画面用の座標系における中心位置C(c_x,c_y)を特定する。その後、表示形式選択制御部103は、原点と中心位置Cとを結ぶ直線を考え、この直線上に方向指示子15を配置する。この際、図7Aに示したように、方向指示子15の先端を、原点と中心位置Cとを結ぶ直線と、表示領域の境界線との交点A(a_x,a_y)とすることが好ましい。
【0067】
また、図7Bに示したように、表示形式選択制御部103は、表示画面の中心位置(すなわち、原点O)とクラスタAとの間の距離に応じて、方向指示子15の大きさを変化させる。より詳細には、表示形式選択制御部103は、クラスタAとの距離が近づくほど、方向指示子15の大きさを大きくする。かかる表示を行うことで、ユーザは、方向指示子15に対応する表示画面外クラスタと、表示領域の中心位置との間の距離を、感覚的に把握することが可能となる。
【0068】
また、図7A及び図7Bでは、方向指示子15の表示位置及び大きさについて説明したが、ラベル13についても、クラスタAが存在する方向を示唆するような位置に表示され、また、クラスタとの距離を示唆するような大きさで表示されることが好ましい。
【0069】
例えば図7Aに示したように、表示領域は、その対角線を現す2本の直線によって、4つの部分領域に区分することができる。ここで、各表示画面外クラスタに対応するクラスタオブジェクト(ラベル13及び方向指示子15)は、クラスタが属する部分領域内に配置されることが好ましい。例えば、図7に示したクラスタAに対応するクラスタオブジェクトは、y≧(height/width)x、かつ、y≧−(height/width)xで表される領域内に配置されることが好ましい。
【0070】
また、図3及び図4に示したように、文字配列からなるラベル13を表示する場合には、表示形式選択制御部103は、文字の大きさを、表示画面外クラスタとの距離を示唆するような大きさで表示することが好ましい。例えば、表示形式選択制御部103は、表示画面外クラスタとの距離が大きい場合には文字の大きさを小さくし、表示画面外クラスタとの距離が小さい場合には文字の大きさを大きくすることが好ましい。
【0071】
ここで、表示形式選択制御部103は、ラベル13及び方向指示子15の具体的な大きさを任意の方法で決定することが可能であるが、表示形式選択制御部103は、例えば、図8Aに示したような関数を用いて具体的な大きさを決定してもよい。
【0072】
図8Aに示した関数において、X座標は、表示画面の中心位置からクラスタ中心までのピクセル距離を現しており、Y座標は、ラベル13及び方向指示子15の表示倍率を表している。
【0073】
ここで、表示形式選択制御部103は、表示倍率Yを、以下の式101及び式102のように決定する。
【0074】
【数1】

【0075】
上記式より明らかなように、表示形式選択制御部103は、クラスタ中心との距離が所定の閾値(MIN_DIST)未満である場合には、表示倍率を最大値(MAX_SCALE)とし、所定の閾値以上である場合には、表示倍率が最大値の1/Xとなるように変化させる。
【0076】
また、表示形式選択制御部103は、ラベル13及び方向指示子15の具体的な大きさを、着目している表示画面外クラスタに含まれるコンテンツ数に応じて決定してもよい。この場合、表示形式選択制御部103は、図8Bに示したような関数を用いて具体的な大きさを決定してもよい。
【0077】
図8Bに示した関数において、X座標は、着目している表示画面外クラスタに含まれるコンテンツ数を現しており、Y座標は、ラベル13及び方向指示子15の表示倍率を表している。
【0078】
ここで、表示形式選択制御部103は、表示倍率Yを、以下の式103及び式104のように決定する。
【0079】
【数2】

【0080】
ここで、上記式103におけるパラメータkは、関数の傾きを決める係数であり、かかる方法を適用する環境に応じて、任意の値を設定することが可能である。上記式より明らかなように、表示形式選択制御部103は、クラスタに含まれるコンテンツ数が1である場合には、表示倍率を最小値(MIN_SCALE)とし、クラスタに含まれるコンテンツ数が増加するに従って、上記式103に基づいて表示倍率を変化させる。
【0081】
また、表示形式選択制御部103は、予め設定されている初期設定値やユーザ操作等に応じて、図3及び図4に例示したようなクラスタのラベル13や方向指示子15の表示/非表示を切り替える制御を行うことも可能である。表示形式選択制御部103がこのような切り替え制御を行うことで、ユーザは、ユーザ自身が所望する表示画面の表示形式(より詳細には、表示画面外に存在するクラスタについての情報の表示形式)を選択することが可能となる。ラベル13や方向指示子15の表示/非表示を切り替えるためのユーザ操作は、具体的な情報処理装置10の仕様に応じて適宜設定することが可能である。このような切り替え操作の例として、アイコン等のオブジェクトやボタン等の選択、タッチパネルの長押し、タッチパネルに対するフリック操作等を挙げることが可能である。
【0082】
更に、本実施形態に係る表示形式選択制御部103は、後述するノード選択部107によって選択されたクラスタに関連づけられている、図6に示したようなメタデータを参照して、表示画面外に存在するクラスタまでの距離(表示領域からの離隔距離)を、クラスタのラベル13や方向指示子15に付随して表示させてもよい。また、かかるクラスタまでの距離を表すオブジェクトは、クラスタのラベル13や方向指示子15と同様に、表示/非表示を切り替えることが可能である。
【0083】
なお、上記説明では、表示画面に表示させる特徴空間の大きさ(例えば、特徴空間を表示する際の縮尺率等)に応じて、クラスタの粒度が決定される場合を例にとって説明したが、クラスタの粒度は、例えば、表示画面に表示される地図の行政区画に応じて決定されてもよく、行政区画や縮尺率をそれぞれ考慮したうえで決定されてもよい。
【0084】
表示制御部105は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置、出力装置等により実現される。表示制御部105は、情報処理装置10が備えるディスプレイ等の表示装置や、情報処理装置10の外部に設けられたディスプレイ等の表示装置における表示画面の表示制御を行う。この表示制御部105は、ユーザ操作情報生成部101から通知されたユーザ操作情報や、表示形式選択制御部103から通知された表示画面の表示形式に関する情報等に基づいて、表示画面の表示制御を実施する。
【0085】
ノード選択部107は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。ノード選択部107は、予め生成されている木構造を利用して、表示画面に表示される特徴空間である表示特徴空間の大きさに応じて、木構造に含まれるノードの中から所定の条件を満たすノードを選択する。より詳細には、ノード選択部107は、表示形式選択制御部103から通知された、表示画面に表示される特徴空間に関する情報、及び、表示画面に表示するクラスタ粒度に関する情報に基づき、表示画面の表示形式の制御を行う際に用いられるノード(すなわち、クラスタ)を選択する。
【0086】
ここで、ノード選択部107は、表示画面に表示されている点(ポイント)ではなく、表示画面に表示されている領域(エリア)に着目することで、ノードの選択を行う。より詳細には、ノード選択部107は、表示領域内に含まれるクラスタの粒度をそろえるとともに、表示画面外に存在するクラスタについては、表示画面に対応する表示領域から距離が離れるほどクラスタの粒度が大きくなるように、クラスタを選択する。
【0087】
以下、図9を参照しながら、本実施形態に係るノード選択部107におけるノード選択処理(クラスタ選択処理)について、具体的に説明する。
具体的には、ノード選択部107は、表示形式選択制御部103から通知された表示画面に表示される特徴空間に関する情報を参照して、表示画面に表示される特徴空間の大きさや、かかる特徴空間が表示画面に表示される際の縮小率(又は拡大率)を特定する。なお、表示画面に表示される特徴空間に関する情報には、表示画面に表示される特徴空間の大きさに関する情報、及び、縮小率の双方が含まれていなくともよく、表示画面の実際の大きさに基づいて表示画面に表示される特徴空間の大きさや縮小率を算出することが可能な情報が含まれていればよい。
【0088】
本実施形態に係る情報処理装置10で利用される木構造は、図9に例示したように、同一の階層レベルに属するクラスタ間は、クラスタの粒度に関して関連性がある(より具体的には、互いに類似したクラスタ粒度を有する)ようになっている。そこで、ノード選択部107は、表示形式選択制御部103から、表示画面に表示するクラスタの粒度に関する情報を取得すると、得られたクラスタの粒度についての情報を利用して、木構造においてノードの探索を行う階層を決定する。具体的には、ノード選択部107は、通知されたクラスタの粒度を特定すると、ルートノードを含む階層から、通知されたクラスタの粒度に該当する階層まで(図9の場合には、第0階層〜第3階層)を、ノードの探索を行う階層として決定する。
【0089】
次に、ノード選択部107は、図6に示したようなクラスタに関連付けられたメタデータと、表示画面に表示される特徴領域の大きさに関する知見とを利用して、ルートノードから順に、表示画面に対応する特徴空間と交差するクラスタが存在するか否かを判断する。ここで、表示画面に対応する特徴空間と交差しないクラスタが存在する場合には、ノード選択部107は、かかるクラスタを、表示形式選択制御部103で利用されるクラスタとして選択する。
【0090】
また、表示画面に対応する特徴空間と交差するクラスタが存在する場合には、かかるクラスタの子ノードに対応するクラスタに対して、再帰的に処理を繰り返す。すなわち、着目しているクラスタの子ノードに対応する各クラスタについて、表示画面に対応する特徴空間と交差するか否かを判断していく。
【0091】
ノード選択部107は、着目しているクラスタ(ノード)の階層が、表示形式選択制御部103から通知されたクラスタの粒度に対応する階層(規定階層)となった場合には、着目している階層よりも下層(リーフノード側)の探索は行わず、着目している階層において着目しているクラスタ全てを、表示形式選択制御部103で利用されるクラスタとして選択する。
【0092】
以下、図9を参照しながら、ノード選択部107によるノードの選択処理を具体的に説明する。なお、以下の説明では、図9に示した第3階層が規定階層であるものとする。
まず、ノード選択部107は、ルートノードcに関連付けられたメタデータを参照して、ルートノードcが表示画面に対応する特徴空間(以下、表示特徴空間とも称する。)と交差するか否かを判断する。図9に示した例の場合、ルートノードcは表示特徴空間と交差しているため、ノード選択部107は、第1階層に属するノードcとノードcとを、探索対象とする。
【0093】
この際、ノードcは、表示特徴空間とは交差しておらず、ノードcは、表示特徴空間と交差しているものとする。かかる場合、ノード選択部107は、ノードcに対応するクラスタを表示形式選択制御部103で利用されるクラスタとして選択するとともに、ノードcの子ノードに対応するノードc〜cを、探索対象とする。
【0094】
ここで、ノードc及びノードcは、表示特徴空間と交差しており、ノードcは、表示特徴空間と交差していないものとする。かかる場合、ノード選択部107は、ノードcに対応するクラスタを表示形式選択制御部103で利用されるクラスタとして選択するとともに、ノードc及びノードcの子ノードに対応するノードc12〜c16を、探索対象とする。
【0095】
次に、ノード選択部107は、ノードc12〜c16を処理対象とするわけであるが、ノードc12〜c16は、規定階層である第3階層に属しているため、着目している階層において着目しているクラスタ全てであるノードc12〜c16を、表示形式選択制御部103で利用されるクラスタとして選択する。
【0096】
以上のような探索処理により、最終的に、ノードc,c,c12〜c16が、表示形式選択制御部103で利用されるクラスタとして選択されることとなる。
【0097】
ここで、規定階層は、表示画面に表示されるクラスタ粒度に基づいて決定されるため、規定階層に属している選択クラスタの一部は、表示特徴空間内に包含されることとなる。図9に示した例では、ノードc13〜c15に対応するクラスタが、表示画面内にほぼ同一のクラスタ粒度で表示されることとなる。また、表示画面外に存在するクラスタは、ノードc12,ノードc16,ノードc,ノードcにそれぞれ対応するクラスタとなるが、図9から明らかなように、表示画面(表示特徴空間)から離れるにつれて、そのクラスタの粒度が大きくなっていることがわかる。本実施形態に係るクラスタの選択手法によらずに表示特徴空間外のクラスタを表示しようとした場合、例えば、図9に例示したクラスタc〜c12や、クラスタc16〜c17に対応する方向指示子が、表示画面内に表示されてしまい、表示画面が煩雑になる恐れがある。しかしながら、以上説明したようなクラスタの選択手法を用いることで、表示特徴空間から遠くに位置するクラスタが大きなクラスタ粒度でグループ化され、表示画面上に表示されるクラスタオブジェクト(ラベル13及び方向指示子15)の増大を防止することが可能となる。
【0098】
ノード選択部107は、以上のような処理により選択したノード(クラスタ)を示した情報を、表示形式選択制御部103に通知する。
【0099】
記憶部109は、本実施形態に係る情報処理装置10が備えるストレージ装置の一例である。この記憶部109には、情報処理装置10が有する各種のコンテンツデータ、及び、コンテンツデータに対応付けられたメタデータ等が格納されてもよい。また、記憶部109には、後述する木構造生成部111や外部の情報処理装置によって生成された木構造に対応する木構造データが格納されてもよい。また、記憶部109には、表示形式選択制御部103や表示制御部105が、各種の情報を表示画面に表示するために利用する各種のアプリケーションに対応する実行データが格納されてもよい。また、この記憶部109には、情報処理装置10が何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等、又は、各種のデータベース等が適宜格納される。この記憶部109は、本実施形態に係る情報処理装置10が備える各処理部が、自由に読み書きを行うことが可能である。
【0100】
木構造生成部111は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。木構造生成部111は、先に説明したような特徴量を用いて規定される特徴空間を想定し、この特徴空間内におけるコンテンツの分布度合いに応じて、コンテンツのクラスタリング結果を表す木構造を生成する。
【0101】
木構造生成部111は、上述のような木構造を、例えば以下のようにして生成する。
木構造生成部111は、まず、情報処理装置10が利用可能なコンテンツデータに関連付けられているメタデータを参照し、メタデータ中に記載されている位置情報に基づいて、コンテンツデータを特徴空間内の平面上に配置する。これらのコンテンツの配置は、あくまでも仮想的なものである点に注意されたい。
【0102】
次に、木構造生成部111は、平面上に存在するコンテンツデータの集合に対して、各データ間の距離を算出する。続いて、木構造生成部111は、互いの距離が近い複数のデータ同士をまとめて、グループ化(分類)する。木構造生成部111が実施するこのようなグループ化処理が、クラスタリングであるといえる。また、このグループ化処理(クラスタリング)によってまとめられた各グループのことを、クラスタと称することとする。
【0103】
木構造生成部111は、このようなクラスタの結合又は分離の操作を経ることで、情報処理装置10が利用可能なコンテンツを複数のクラスタに分類し、コンテンツデータがリーフノードとなり各クラスタがノードとなる多階層の木構造を生成する。
【0104】
以下では、図10〜図15を参照しながら、木構造生成部111が実施するクラスタリング方法の一例について、簡単に説明する。
【0105】
本実施形態に係る木構造生成部111が実施するクラスタリング方法は、図10に示したような流れで行われる。まず、木構造生成部111は、コンテンツデータに関連付けられている位置情報を参照して、図10の右上に示した内部ツリーと称する木構造をまず生成する。次に、木構造生成部111は、所定の条件に基づき、生成した内部ツリーを再構成することで、図10の下側に示したクラスタツリーを生成する。
【0106】
なお、図10では、コンテンツデータに関連付けられた位置情報の例として、緯度及び経度を用いた位置情報を記載している。また、図10において、斜線のつけられた○印で示したものがコンテンツデータに対応し、○印が内部ツリーにおけるノード(クラスタ)を表している。また、□印は、木構造生成部111による木構造生成処理により生成される木構造のノードを表している。
【0107】
まず、内部ツリーを生成する処理について説明する。
図11は、クラスタの生成方法について説明するための説明図である。ここで、図11(a)は、クラスタc1に1つのコンテンツが属する場合を示す図であり、図11(b)は、クラスタc2に2つのクラスタが属する場合を示す図である。また、図11(c)は、クラスタc5に少なくとも4つのクラスタが属する場合を示す図である。
【0108】
なお、図11(b)に示すクラスタc2は、1つのコンテンツのみを有するクラスタc3及びc4で構成されているクラスタであり、図11(c)に示すクラスタc5は、少なくとも2以上のコンテンツを有するクラスタc6及びc7により作成されているクラスタである。また、以下では、2次元に配置されるコンテンツをクラスタリングする場合について説明する。
【0109】
複数のコンテンツがクラスタリングされた後に生成される各クラスタは、円形状の領域であり、その円の中心位置(中心点)及び半径を属性値として有する。このように、中心点及び半径により定まる円形状のクラスタ領域に、当該クラスタに属するコンテンツが含まれることとなる。
【0110】
例えば図11(a)に示すように、クラスタc1に1つのコンテンツのみが属する場合において、クラスタc1の中心位置は、クラスタc1に属するコンテンツの位置となる。また、クラスタc1の半径は、クラスタc1自体が1つの点のみで構成されているため、0(r=0)となる。
【0111】
また、例えば図11(b)に示すように、クラスタc2に2つのコンテンツ(クラスタc3及びc4)が属する場合、クラスタc2の中心位置は、2つのコンテンツの位置を結ぶ直線上に位置し、詳細な位置はこの直線の中央となる。また、クラスタc2の半径は、2つのコンテンツの位置を結ぶ直線の半分となる。例えば、2つのコンテンツに対応するクラスタc3及びc4を結ぶ直線の距離がA1の場合、クラスタc2の半径rは、A1/2となる。
【0112】
なお、クラスタリングする場合において、1つのコンテンツのみが属するクラスタ間の距離を算出する場合には、各コンテンツ間の距離を算出する。例えば、クラスタc3及びc4間の距離を算出する場合には、クラスタc3に属するコンテンツの位置と、クラスタc4に属するコンテンツの位置との間の距離を算出する。
【0113】
また、例えば図11(c)に示すように、クラスタc5に少なくとも4以上のコンテンツが属する場合を考える。この場合、クラスタc5の中心位置は、クラスタc6の中心位置及びクラスタc7の中心位置を結ぶ直線上であって、クラスタc5の円とクラスタc6の円とが接する位置と、クラスタc5の円とクラスタc7の円とが接する位置とを結ぶ直線の真中の位置となる。また、クラスタc5の半径は、クラスタc6及びc7の円とクラスタc5の円とが接する位置を結ぶ直線の半分の値となる。
【0114】
なお、クラスタリングする場合において、複数のコンテンツが属するクラスタ間の距離を算出する場合には、各クラスタの円の外周間の最短距離を算出する。例えば、クラスタc6及びc7間の距離は、図中に示した距離dとなる。クラスタc6の半径をA2とし、クラスタc7の半径をA3とし、クラスタc5の半径をA4とした場合には、クラスタc6及びc7間の距離dは、2(A4−A2−A3)となる。
【0115】
なお、本実施形態に係る木構造生成部111で用いられるクラスタ間の距離の計算方法は、上述の方法に限定されるわけではなく、重心法(Centroid)、最短距離法、最長距離法、群間平均距離法、Ward法等の任意の方法を利用することができる。
【0116】
次に、図12A〜図13を参照しながら、木構造生成部111により実施されるクラスタリング処理の具体例について説明する。図12A〜図13は、クラスタの生成方法(より詳細には、内部ツリーの生成方法)について説明するための説明図である。図12A〜図13では、5つのコンテンツC11〜C15をクラスタリングする場合について図示している。
【0117】
まず、木構造生成部111は、5つのコンテンツC11〜C15に関連付けられている位置情報を参照して、これらのコンテンツを特徴空間上の平面に配置する(図12A)。次に、木構造生成部111は、各コンテンツ間の距離を計算する。この計算結果に基づいて、木構造生成部111は、コンテンツ間の距離が最も短くなったコンテンツC11及びコンテンツC12を1つのグループとしてまとめ、クラスタc21とする(図12B)。ここで、木構造生成部111は、クラスタc21を、クラスタc21の要素であるコンテンツC11及びコンテンツC12の全てを包含するように決定する。
【0118】
木構造生成部111は、同様にして処理を行い、コンテンツ間の距離が次に短くなったコンテンツC14及びコンテンツC15を1つのグループとしてまとめ、クラスタc22とする(図12C)。この場合にも、木構造生成部111は、クラスタc22を、クラスタc22の要素であるコンテンツC14及びコンテンツC15の全てを包含するように決定する。
【0119】
次に、木構造生成部111は、生成した2つのクラスタc21及びc22と、残っているコンテンツC13との間の距離をそれぞれ算出する。図12Cに示した場合では、クラスタc21とコンテンツC13との距離が、クラスタc22とコンテンツC13との距離よりも短くなる。そのため、木構造生成部111は、クラスタc21とコンテンツC13とを1つのグループとしてまとめ、クラスタc23とする(図12D)。この場合においても、木構造生成部111は、クラスタc23を、クラスタc21とコンテンツC18の全てを包含するように決定する。
【0120】
最後に、木構造生成部111は、残っている2つのクラスタc22及びクラスタc23を1つのグループとしてまとめ、クラスタc24とする(図12E)。この場合においても、木構造生成部111は、クラスタc24を、クラスタc22及びクラスタc23の全てを包含するように決定する。例えば、木構造生成部111は、2つのクラスタc22及びc23が表す円の外接円となるように、クラスタc24を決定することができる。
【0121】
木構造生成部111は、以上説明したようにコンテンツC11〜C15を順次クラスタリングし、クラスタc21〜c24を生成する。また、木構造生成部111は、生成したクラスタc21〜c24に基づいて、木構造(クラスタリング樹形図)を生成する。このようにして生成された木構造を、図13に示す。
【0122】
各コンテンツC11〜C15をリーフノードとして扱うと、木構造生成部111により生成される各クラスタは、図13に示すような木構造を形成することがわかる。例えば図12Bにおいて、クラスタc21は、コンテンツC11及びコンテンツC12の全てを包含するクラスタである旨を説明した。このような包含関係は、図13において、クラスタc21から2つの枝が分岐しており、コンテンツC11及びコンテンツC12がクラスタc21の子ノードとなっていることに対応している。同様に、例えば図12Eにおいて、クラスタc24が、クラスタc22及びクラスタc23の全てを包含するクラスタである旨を説明した。このような包含関係は、図13に示した木構造において、クラスタc24から2つの枝が分岐しており、クラスタc22及びクラスタc23がクラスタc24の子ノードとなっていることに対応している。
【0123】
また、図12E及び図13からも明らかなように、最終的に生成されたクラスタc24は、全てのコンテンツ(すなわち、全てのリーフノード)及び全てのクラスタ(すなわち、ノード)を包含するものである。したがって、クラスタc24は、木構造において、ルートノードに対応するクラスタであることがわかる。
【0124】
以上、木構造生成部111が実施する内部ツリーの生成処理を、具体例を挙げながら説明した。
【0125】
木構造生成部111は、内部ツリーの生成処理が終了すると、続いて、以下で説明するようなクラスタツリーの生成処理を実施する。
【0126】
なお、図12A〜図12Eに示したような内部ツリーの生成処理、及び、以下で説明するクラスタツリーの生成処理が行われる際には、クラスタの中心位置及びクラスタ間距離を適切に算出することが好ましい。本実施形態に係る木構造生成部111は、これらの情報を算出するために、任意の方法を用いることが可能であるが、例えば、以下のような方法を用いても良い。
【0127】
例えば、コンテンツデータが全部でn個存在する場合、木構造生成部111は、まず、1つのクラスタに各データが1つの要素として属するようにクラスタを設定し、全体でn個のクラスタを作成する。なお、各クラスタは、属性値として、中心点C及び半径rを有し、中心点Cの初期値はデータの座標値であり、半径rの初期値は0である。
【0128】
次に、木構造生成部111は、クラスタに属する全要素について、クラスタ中心Cから各要素までの距離が半径r以下になるように、クラスタ中心Cと半径rとを決定する。これにより、中心点C及び半径rで定まる球の内部に、クラスタに属する全要素が含まれることとなる。
【0129】
続いて、木構造生成部111は、クラスタ間の距離を、例えば以下のように定める。
【0130】
クラスタi及びクラスタjを併合してクラスタkが作成される場合、木構造生成部111は、クラスタi及びクラスタjの間の距離d(i,j)を、以下の式111及び式112を利用して算出することができる。
【0131】
d(i,j)=r(k)−r(i)−r(j) (r(k)≧r(i)+r(j))
・・・(式111)
d(i,j)=0 (r(k)<r(i)+r(j)) ・・・(式112)
【0132】
なお、上記式111及び式112において、r(i)は、クラスタiの半径を表す。上記式101及び式102から明らかなように、クラスタ間距離dは、クラスタを併合した場合の半径の増分に相当する。
【0133】
次に、2つのクラスタが併合された後の併合後のクラスタの中心点及び半径を求める方法について、図14A〜図14Cを参照しながら、簡単に説明する。図14A〜図14Cは、2つのクラスタを併合する場合における各クラスタに属する要素の包含関係を示す図である。
【0134】
2つのクラスタを併合する場合、木構造生成部111は、クラスタに属する要素の包含関係に応じて、以下の(1)〜(3)の3つのパターンに場合分けをする。
【0135】
(a) m(i)⊃m(j)
(b) m(j)⊃m(i)
(c) 上記以外
【0136】
なお、m(i)は、クラスタiに属する全要素の集合を示し、m(j)は、クラスタjに属する全要素の集合を示している。
【0137】
上記(a)が表す状況は、図14Aに示したように、クラスタjに属する全ての要素が、クラスタiに属する場合である。上記(b)が表す状況は、図14Bに示したように、クラスタiに属する全ての要素が、クラスタjに属する場合である。また、上記(c)は、上記(a)及び(b)以外の状況であり、例えば、クラスタi及びクラスタjの包含関係が、図14Cに示す関係となっている場合である。
【0138】
木構造生成部111は、上記(a)〜(c)の場合分けを、クラスタi及びクラスタjの各中心点の座標及び各半径に基づいて決定する。
【0139】
例えば、クラスタiの中心点の座標C(i)から半径r(i)の球が、中心点の座標C(j)及び半径r(j)で構成される球からなるクラスタjを全て含む場合、木構造生成部111は、図14Aにしたような上記(a)の状況が成立していると判断する。
【0140】
換言すれば、木構造生成部111は、r(i)≧r(j)+l(i,j)となる場合、上記(a)の関係が成立していると判断する。ここで、l(i,j)は、以下の式113に示すように、クラスタi及びクラスタjの中心点間のユークリッド距離である。
【0141】
l(i,j)=|C(i)−C(j)| ・・・(式113)
【0142】
ここで、データの次元をdimとすると、l(i,j)は、以下の式114により表すことができる。ここで、以下の式114において、c(i,k)は、クラスタiの中心値を表す属性のk番目の値を意味する。
【0143】
【数3】

【0144】
上記(a)の状況が成立している場合、木構造生成部111は、併合後のクラスタkの中心点及び半径として、クラスタiのものをそのまま利用する。
【0145】
また、上記(b)の場合は、上記(a)の場合において添え字「i」及び「j」を入れ替えた場合に相当するため、木構造生成部111は、上記(a)の場合と同様に処理を行うことができる。
【0146】
上記(c)の状況が成立している場合、木構造生成部111は、図14Cに示したように、クラスタiの球及びクラスタjの球を含む最小の球として、クラスタkを生成する。ここで、木構造生成部111は、クラスタkの半径を、以下の式115を用いて算出する。また、木構造生成部111は、クラスタkの中心点を、以下の式116を用いて算出する。ここで、クラスタkの中心点は、クラスタiの中心点C(i)及びクラスタjの中心点C(j)を結ぶ直線上に存在することとなる。
【0147】
r(k)=(l(i,j)+r(i)+r(j))/2 ・・・(式115)
C(k)={(r(i)−r(j)+l(i,j))*C(i)
+(r(j)−r(i)+l(i,j))*C(j)}
/(2*l(i,j)) ・・・(式116)
【0148】
以上説明したような方法を用いることで、木構造生成部111は、クラスタ間距離及びクラスタの中心点を決定することができる。
【0149】
木構造生成部111は、このようにして算出されたクラスタの中心点(中心位置)及び半径を、図6に示したようなクラスタデータを構成する、クラスタに固有な属性値とする。木構造生成部111は、内部ツリーを構成する各クラスタに固有なこれらの属性値を利用して、以下で説明するクラスタツリーの生成処理を実行する。また、ノード選択部107は、クラスタが表示特徴空間と交差しているか否かを、クラスタツリーを構成する各クラスタの属性値と、任意の点に対応する位置情報とを比較することで、容易に判断することができる。また、あるクラスタ領域は、このクラスタ領域の親クラスタのクラスタ領域に全てが含まれており、クラスタの属性値(中心位置及び半径)がそのクラスタに含まれる要素の範囲を示す。そのため、表示形式選択制御部103及びノード選択部107は、表示画面に表示されるクラスタと要素との対応付けを容易に行うことができる。
【0150】
続いて、図15を参照しながら、木構造生成部111が行うクラスタツリーの生成処理について、簡単に説明する。図15は、クラスタの生成方法(より詳細には、クラスタツリーの生成方法)を説明するための説明図である。
【0151】
内部ツリーに基づくクラスタツリーの生成処理は、図15に示したようなパラメータに則して行われる。クラスタツリーの生成処理に利用されるパラメータとして、図15では、(A)クラスタのどのような特徴量に着目するか、(B)ルートノードの位置する階層及びリーフノードの位置する階層以外に、いくつの階層を生成するか、(C)各階層のクラスタ粒度の条件、というパラメータが設定されている。具体的には、図15では、(A)クラスタの最大直径に基づいて、(B)ルートノードの位置する階層及びリーフノードの位置する階層の間に2つの階層を生成し、(C)第1階層の最大直径R≦100、第2階層の最大直径R≦50、という設定がなされている。
【0152】
ここで、木構造生成部111は、生成した内部ツリーのルートノードから順に木構造を探索し、第1階層に関する条件を満たすノードを特定する。そして、木構造生成部111は、特定したノードが属する各ブランチについて、条件を満たす最上位のノードを、第1階層に属するノードとする。この結果、図15に示した例では、太字の点線でつないだ3つのノード(図の左から順に、R=53であるノード、R=46であるノード、及び、R=82であるノード)が、第1階層に属するノードとして選択される。
【0153】
同様にして、木構造生成部111は、生成した内部ツリーのルートノードから順に木構造を探索し、第2階層に関する条件を満たすノードを特定する。そして、木構造生成部111は、特定したノードが属する各ブランチについて、条件を満たす最上位のノードを第2階層に属するノードとする。この結果、図15に示した例では、一点鎖線でつないだ6つのノード(左から順に、R=1であるノード、R=20であるノード、R=46であるノード、左から7番目のコンテンツデータ、R=22であるノード、一番右のコンテンツデータ)が、第2階層に属するノードとして選択される。
【0154】
このような処理を行うことで、木構造生成部111は、図15の右側に示したようなクラスタツリーを生成する。
【0155】
木構造生成部111は、情報処理装置10が利用可能なコンテンツについて、クラスタツリーの生成が終了すると、生成した各クラスタに対して、図6に示したようなメタデータを関連付ける。木構造生成部111は、クラスタリング処理が終了し、クラスタデータを生成した各クラスタに関連付けると、生成した木構造を表す木構造データ、及び、クラスタデータを、記憶部109等に格納する。
【0156】
以上、本実施形態に係る情報処理装置10が備えうる木構造生成部111について説明した。
【0157】
以上、本実施形態に係る情報処理装置10の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
【0158】
なお、上述のような本実施形態に係る情報処理装置の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
【0159】
なお、上記説明では、特徴空間を特徴づける特徴量として、地球表面上の位置を特定する緯度・経度を用い、地球表面を平面展開した地図平面が表示画面に表示される場合を例にとって説明を行った。そのため、上記説明においては、表示特徴空間は、表示画面に収まる地図範囲という略矩形状のものとなる。しかしながら、例えば、幅方向、高さ方向、奥行き方向を有する3次元の特徴空間を表示画面に表示する場合を考えると、例えば遠近法を用いた絵画を思い浮かべれば明らかなように、幅方向及び高さ方向は表示画面の大きさとほぼ同様の有限の値を有し無限の奥行き長さを有する立体が、表示画面に表示されることとなる。このような場合における表示特徴空間をどのように規定するかについては、適宜設定すればよいが、例えば、表示画面から奥行き方向に向かって所定の長さ(換言すれば、遠方の奥行き位置は考慮しない有限の長さ)を有する立体を、表示特徴空間として用いればよい。
【0160】
<情報処理方法の流れについて>
続いて、図16及び図17を参照しながら、本実施形態に係る情報処理方法の流れについて説明する。図16及び図17は、本実施形態に係る情報処理方法の流れの一例を示した流れ図である。
【0161】
[全体的な流れ]
まず、図16を参照して、本実施形態に係る情報処理方法の全体的な流れについて説明する。
まず、情報処理装置10のユーザ操作情報生成部101は、各種入力装置からユーザ操作に伴う信号を取得して、ユーザによる操作内容を示したユーザ操作情報を生成し(ステップS101)、表示形式選択制御部103及び表示制御部105に出力する。
【0162】
表示形式選択制御部103は、ユーザ操作情報生成部101から通知されたユーザ操作情報に基づいて、表示画面に表示される特徴空間(表示特徴空間)を特定する(ステップS103)。これにより、表示特徴空間の大きさや、表示特徴空間が表示画面に表示される際の縮尺率(又は拡大率)が特定されることとなる。
【0163】
続いて、表示形式選択制御部103は、特定した表示特徴空間の大きさや縮尺率に基づいて、表示画面内に表示するクラスタの粒度を決定する(ステップS105)。その後、表示形式選択制御部103は、表示特徴空間に関する各種情報や表示画面内に表示するクラスタの粒度に関する情報を、ノード選択部107に出力する。
【0164】
ノード選択部107は、表示特徴空間の大きさや縮尺率等、及び、表示するクラスタの粒度に基づいて、予め生成されている木構造やクラスタに関連付けられたメタデータを参照して、表示形式選択制御部103が処理に利用するクラスタを選択する(ステップS107)。ノード選択部107は、表示形式選択制御部103が処理に利用するクラスタを選択すると、選択したクラスタに関する情報を、表示形式選択制御部103へ出力する。
【0165】
表示形式選択制御部103は、ノード選択部107から通知されたクラスタに関する情報を参照し、選択されたクラスタを利用して表示内容を生成する(ステップS109)。具体的には、表示形式選択制御部103は、選択されたクラスタのうち表示画面内に位置するものについては、クラスタを表示画面内に表示させるようにする。また、表示形式選択制御部103は、選択されたクラスタのうち表示画面外に位置するものについては、ラベル13や方向指示子15といったクラスタオブジェクトを表示画面内に表示させるようにする。これにより、表示画面内に存在するクラスタの粒度がそろうとともに、表示画面外に位置するクラスタについては、表示画面外に位置するクラスタの存在を示唆するクラスタオブジェクトが表示画面内に表示されることとなる。
【0166】
[クラスタ選択処理の流れ]
次に、図17を参照しながら、本実施形態に係るクラスタ選択処理の流れについて説明する。
ノード選択部107は、表示形式選択制御部103からノード(すなわち、クラスタ)の選択処理の開始を要請されると、まず、表示形式選択制御部103から通知されたクラスタ粒度に関する情報に基づいて、木構造において探索を行う階層を規定するパラメータ(図17における、パラメータLAYER)の値を設定する。また、ノード選択部107は、表示形式選択制御部103から通知された表示特徴空間に関する情報に基づいて、表示特徴空間(以下、単に表示領域とも称する。)を規定するパラメータの値を設定する。
【0167】
続いて、ノード選択部107は、ノード選択処理に用いるリストの要素の初期設定を行う(ステップS151)。
【0168】
具体的には、ノード選択部107は、3種類のリストL_src,L_next,L_outの初期設定を行う。ここで、リストL_srcはノードの探索処理において着目しているノードを示す値が要素として格納されるリストであり、リストL_nextは、次の一連の処理で着目するノードを示す値が要素として格納されるリストであり、リストL_outは、選択されたノードを示す値が要素として格納されるリストである。ノード選択部107は、リストL_srcにルートノードを追加するとともに、リストL_next及びL_outの内容を空にする。
【0169】
ノード選択部107は、図17に示した「ループA」という繰り返し処理において、着目している木構造の階層を表すパラメータlの値を0に設定するとともに、パラメータl<LAYERの関係が成立する間、以下で説明するステップS153〜ステップS163の処理を繰り返す。この「ループA」で表された繰り返し処理は、「ループB」というステップS153〜ステップS157までの繰り返し処理と、ステップS159〜ステップS163までの処理とから構成されている。
【0170】
ノード選択部107は、図17に示した「ループB」という繰り返し処理において、リストL_srcに格納されているノード(パラメータeで表される。)に対して、以下で説明する処理を実施する。すなわち、ノード選択部107は、パラメータeで表されるノード(着目しているノード)について、当該ノードが表示領域と交差しているか否かを判断する(ステップS153)。パラメータeで表される着目しているノードが表示領域と交差している場合には、ノード選択部107は、リストL_nextに、ノードeの全ての子ノードを追加する(ステップS155)。また、パラメータeで表されるノードが表示領域と交差していない場合には、ノード選択部107は、リストL_outに、ノードeを追加する(ステップS157)。
【0171】
ノード選択部107は、リストL_srcに格納されている全てのノードeに対して処理を終了すると、「ループB」で表される繰り返し処理を終了して、リストL_srcの内容(要素)を空にする(ステップS159)。続いて、ノード選択部107は、リストL_srcの要素と、リストL_nextの要素とを交換する(ステップS161)。その上で、ノード選択部107は、リストL_srcの要素が空であるか否かを判断する(ステップS153)。
【0172】
リストL_srcの要素が空であった場合には、ノード選択部107は、「ループA」という繰り返し処理を中断して、後述する「ループC」という繰り返し処理を実施する。また、リストL_srcの要素が空ではなかった場合には、ノード選択部107は、パラメータLAYERの値を1増加させ、「ループA」の繰り返し処理を継続する。
【0173】
ステップS153においてリストL_srcの値が空になった場合、又は、「ループA」の繰り返し条件が満たされなくなった場合には、ノード選択部107は、「ループC」という繰り返し処理を実施する。この「ループC」の繰り返し処理は、リストL_srcの要素として格納されている全てのノードeに対して実施される。
【0174】
具体的には、ノード選択部107は、着目しているノードeを表す値を、リストL_outの要素として追加する(ステップS165)。リストL_srcの要素として格納されている全てのノードeに対してステップS165の処理を実施すると、ノード選択部107は、「ループC」で表される繰り返し処理を終了して、ノード選択処理を終了する。
【0175】
このような流れでノード選択処理が行われることにより、ノード選択部107は、例えば図9に示したようなノードを、表示形式選択制御部103が処理に利用するノード(クラスタ)として選択することができる。
【0176】
以上、図16及び図17を参照しながら、本実施形態に係る情報処理方法の流れを説明した。
【0177】
<第1変形例>
続いて、図18及び図19を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置10の第1変形例について、簡単に説明する。図18及び図19は、本実施形態に係る情報処理装置10の機能を実現することが可能な情報処理システムの構成の一例を示したブロック図である。
【0178】
図5に示した例は、本実施形態に係る情報処理装置10の機能が、ある一つの装置の内部に実現されているものとして図示したものであった。しかしながら、例えば図18に示したように、図3〜図15を参照しながら説明した本実施形態に係る情報処理装置10の機能は、各種ネットワークを介して接続された複数の装置、又は、互いに直接接続されている複数の装置が、相互に連携することで実現されてもよい。
【0179】
本変形例に係る情報処理システムは、図18に示したように、ユーザ操作機器20と、情報処理サーバ30とが、ネットワークを介して相互に接続されており、これらの機器が互いに連携することで、本実施形態に係る情報処理装置10の機能を実現している。
【0180】
ユーザ操作機器20は、図18に例示したように、ユーザ操作情報生成部201と、表示制御部203と、データ送受信部205と、記憶部207と、を主に備える。
【0181】
ここで、ユーザ操作情報生成部201は、生成したユーザ操作情報を、後述するデータ送受信部205を介して情報処理サーバ30に出力する以外は、図5に示した本実施形態に係る情報処理装置10が備えるユーザ操作情報生成部101と同様の機能を有し、同様の効果を奏するものであるため、以下では詳細な説明は省略する。
【0182】
また、表示制御部203は、後述するデータ送受信部205が受信した情報処理サーバ30からの出力情報を利用して表示制御を実施する。また、表示制御部203は、表示画面の大きさ等といった、表示画面に表示される特徴空間の大きさを特定するために用いられる情報を、後述するデータ送受信部205を介して情報処理サーバ30に出力する。本変形例に係る表示制御部203は、他の点に関しては、図5に示した本実施形態に係る情報処理装置10が備える表示制御部105と同様の機能を有し、同様の効果を奏するものであるため、以下では詳細な説明は省略する。
【0183】
データ送受信部205は、CPU、ROM、RAM、通信装置等により実現される。データ送受信部205は、ユーザ操作情報生成部201及び表示制御部203から出力された各種の情報を、ネットワークを介して情報処理サーバ30へと送信する。また、データ送受信部205は、ネットワークを介して情報処理サーバ30から出力された各種情報を受信し、表示制御部203に出力する。
【0184】
記憶部207は、本変形例に係るユーザ操作機器20が備えるストレージ装置の一例である。記憶部207には、表示制御部203が、各種の情報を表示画面に表示するために利用する各種のアプリケーションに対応する実行データが格納されてもよい。また、この記憶部207には、ユーザ操作機器20が何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等、又は、各種のデータベース等が適宜格納される。この記憶部207は、本変形例に係るユーザ操作機器20が備える各処理部が、自由に読み書きを行うことが可能である。
【0185】
なお、本変形例では、各種のコンテンツデータ、及び、コンテンツデータに対応付けられたメタデータ等が、情報処理サーバ30に格納されている場合を例にとって説明を行うが、これらコンテンツデータやメタデータは、記憶部207に格納されていてもよい。
【0186】
以上、本変形例に係るユーザ操作機器20の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
【0187】
なお、上述のような本変形例に係るユーザ操作機器の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
【0188】
本変形例に係る情報処理サーバ30は、図18に例示したように、表示形式選択制御部301と、ノード選択部303と、木構造生成部305と、データ送受信部307と、記憶部309と、を主に備える。
【0189】
ここで、本変形例に係る表示形式選択制御部301は、ネットワークを介してユーザ操作機器20から送信された各種情報を利用する以外は、図5に示した本実施形態に係る情報処理装置10が備える表示形式選択制御部103と同様の機能を有し、同様の効果を奏するものであるため、以下では詳細な説明は省略する。
【0190】
また、ノード選択部303及び木構造生成部305は、図5に示した本実施形態に係る情報処理装置10が備えるノード選択部107及び木構造生成部111と同様の構成を有し、同様の効果を奏するものであるため、以下では詳細な説明は省略する。
【0191】
データ送受信部307は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置等により実現される。データ送受信部307は、ネットワークを介してユーザ操作機器20から送信された各種の情報を受信するとともに、表示形式選択制御部301から出力された各種情報を、ネットワークを介してユーザ操作機器20に送信する。
【0192】
記憶部309は、本変形例に係る情報処理サーバ30が備えるストレージ装置の一例である。この記憶部309には、ユーザ操作機器20を操作するユーザが所有している各種のコンテンツデータ、及び、コンテンツデータに対応付けられたメタデータ等が格納されている。また、記憶部309には、木構造生成部305や外部の情報処理装置によって生成された木構造に対応する木構造データが格納されてもよい。また、記憶部309には、情報処理サーバ30が何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等、又は、各種のデータベース等が適宜格納される。この記憶部309は、本変形例に係る情報処理サーバ30が備える各処理部が、自由に読み書きを行うことが可能である。
【0193】
以上、本変形例に係る情報処理サーバ30の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
【0194】
なお、上述のような本変形例に係る情報処理サーバの各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
【0195】
ここで、図18に示した例では、表示形式選択制御部の機能、ノード選択部の機能、木構造生成部の機能、及び、コンテンツデータやメタデータの格納・管理機能がある一つのサーバに実現されている場合を例に挙げているが、これらの機能は、複数のサーバにわたって別個に実現されていてもよい。
【0196】
また、図18に示した例では、本実施形態に係る情報処理装置10の機能のうち、ユーザ操作情報生成部及び表示制御部の機能がユーザ操作機器20に実現され、表示形式選択制御部、ノード選択部及び木構造生成部の機能が情報処理サーバ30に実現されている。しかしながら、図5に示した本実施形態に係る情報処理装置10が備える複数の処理部のうち、どの処理部の機能がユーザ操作機器20又は情報処理サーバ30のどちらに実現されるかについては、適宜変更することが可能である。
【0197】
例えば、図19では、本実施形態に係る情報処理装置10の機能のうち、ユーザ操作情報生成部、表示形式選択制御部、表示制御部及びノード選択部の機能がユーザ操作機器20に実現され、木構造生成部の機能が情報処理サーバ30に実現されている例を示している。この例において、ノード選択処理に用いられる木構造は、情報処理サーバ30により任意のタイミングで生成されればよく、また、任意のタイミングで更新されてもよい。
【0198】
この例において、ユーザ操作機器20は、ユーザ操作情報生成部211、表示形式選択制御部213、表示制御部215、ノード選択部219、データ送受信部219及び記憶部221を主に備える。
【0199】
ここで、ユーザ操作情報生成部211、表示形式選択制御部213、表示制御部215及び記憶部221は、本実施形態に係る情報処理装置10におけるユーザ操作情報生成部101、表示形式選択制御部103、表示制御部105及び記憶部109とそれぞれ同様の構成を有し、同様の効果を奏するものであるため、以下では詳細な説明は省略する。
【0200】
また、ノード選択部217は、ユーザ操作機器20が管理しているコンテンツに基づいて情報処理サーバ30により生成された木構造の提供を情報処理サーバ30に要請するとともに、かかる木構造を利用してノード選択処理を行う以外は、本実施形態に係る情報処理装置10におけるノード選択部107と同様の構成を有し、同様の効果を奏するものである。従って、以下では詳細な説明は省略する。
【0201】
データ送受信部219は、CPU、ROM、RAM、通信装置等により実現される。データ送受信部219は、ノード選択部217から出力された、木構造の提供を要請する情報を、ネットワークを介して情報処理サーバ30へと送信する。また、データ送受信部219は、ネットワークを介して情報処理サーバ30から出力された、生成された木構造に関する情報を受信し、ノード選択部217に出力する。
【0202】
以上、本変形例に係るユーザ操作機器20の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
【0203】
なお、上述のような本変形例に係るユーザ操作機器の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
【0204】
また、情報処理サーバ30は、データ送受信部311と、木構造生成部313と、記憶部315と、を主に備える。
【0205】
データ送受信部311は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置等により実現される。データ送受信部311は、ネットワークを介してユーザ操作機器20から送信された木構造の提供要請を受信するとともに、後述する木構造生成部313により生成された木構造に関する情報を、ネットワークを介してユーザ操作機器20に送信する。
【0206】
本変形例における木構造生成部313は、ユーザ操作機器20が管理しているコンテンツに基づいてコンテンツのクラスタリング処理を実施して、クラスタリング結果を表す木構造を生成する処理部であり、本実施形態に係る情報処理装置10が備える木構造生成部111と同様の構成を有し、同様の効果を奏するものである。従って、以下では詳細な説明は省略する。
【0207】
記憶部315は、本変形例に係る情報処理サーバ30が備えるストレージ装置の一例である。この記憶部315には、情報処理サーバ30が何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等、又は、各種のデータベース等が適宜格納される。この記憶部315は、本変形例に係る情報処理サーバ30が備える各処理部が、自由に読み書きを行うことが可能である。
【0208】
以上、本変形例に係る情報処理サーバ30の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
【0209】
なお、上述のような本変形例に係る情報処理サーバの各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
【0210】
以上、図18及び図19を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置10の第1変形例について説明した。
【0211】
(第2の実施形態)
<表示画面について>
表示画面の任意の位置(例えば、現在地等)や、第1の実施形態において説明したような表示画面に対応する表示特徴空間の範囲に基づいて、位置情報が関連づけられたコンテンツデータやクラスタの選択処理を行い、選択結果を表示画面に表示させることを考える。以下では、公知の各種の方法に則してコンテンツデータの集合からなるクラスタや当該クラスタ自体の集合から構築されるクラスタ等が選択され、選択されたクラスタ等が、第1の実施形態で説明した表示形式で表示画面に表示される場合を例にとって説明を行うものとする。
【0212】
図20及び図21は、表示画面の一例を示した説明図である。
上述のような場合において、表示画面に対応する特徴空間(表示特徴空間)内に存在するクラスタ11は、クラスタの範囲を表す形状(例えば、図20に示したような円形)を用いて表示される。また、表示画面内に表示されているクラスタ11の内部には、図20に示したように、クラスタ11内に存在するコンテンツデータの位置を表すピンオブジェクトPが表示されていてもよい。
【0213】
また、第1の実施形態において説明したように、表示特徴空間内には存在しないクラスタ(表示画面外クラスタ)については、図20に示したように、該当するクラスタの名称を示したラベル13や、該当するクラスタが存在する方向を示した方向指示子15が表示画面に表示され、表示画面外クラスタの存在をユーザに喚起させる。
【0214】
ここで、図20に示したような方向指示子15は、表示画面内の任意の一点(例えば、表示画面の中心)から表示画面外クラスタのクラスタ中心へと向かうベクトルの方向に向くように付与されるものである。従って、表示画面外クラスタが、ある方向にまとまって存在している場合には、図21の点線の枠内に示したように、ラベル13や方向指示子15が互いに重なり合って表示されてしまうことが考えられる。
【0215】
そこで、以下で説明する本開示の第2の実施形態に係る情報処理装置では、表示画面外に位置するクラスタの存在を示唆するオブジェクトにより表示画面が煩雑なものとならないように表示形式の選択を行い、表示画面の制御を実施する。
【0216】
<情報処理装置の構成について>
以下では、まず、図22を参照しながら、本実施形態に係る情報処理装置10の構成について説明する。図22は、本実施形態に係る情報処理装置の構成を示したブロック図である。
【0217】
図22に示したように、本実施形態に係る情報処理装置10は、ユーザ操作情報生成部151と、表示形式選択制御部153と、利用データ選択部155と、表示制御部157と、記憶部159と、を主に備える。
【0218】
ユーザ操作情報生成部151は、例えば、CPU、ROM、RAM、入力装置等により実現される。ユーザ操作情報生成部151は、ユーザが、情報処理装置10が備えるキーボード、マウス、各種ボタン、タッチパネル等の入力装置を利用して行った操作(ユーザ操作)を表すユーザ操作情報を生成する。ユーザ操作情報生成部151は、ユーザ操作を表すユーザ操作情報を生成すると、生成したユーザ操作情報を、後述する表示形式選択制御部153や表示制御部157へと出力する。
【0219】
表示形式選択制御部153は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。表示形式選択制御部153は、後述する利用データ選択部155及び表示制御部157と連携しながら、所定の特徴量に基づいて規定される特徴空間の少なくとも一部と、コンテンツデータもしくはコンテンツデータの集合(クラスタ)と、を表示画面にあわせて表示する際の表示形式を選択する。
【0220】
具体的には、表示形式選択制御部153は、後述する利用データ選択部155により選択されたコンテンツデータやクラスタを利用して、表示画面内に選択されたコンテンツデータやクラスタを表示させるとともに、表示画面外に位置するクラスタ等を示唆するクラスタオブジェクト(ラベル13や方向指示子15等)を表示させる。クラスタオブジェクトの表示形式については、第1の実施形態において説明した通りである。
【0221】
また、本実施形態に係る表示形式選択制御部153は、表示画面外に位置するクラスタについて、図21に示したように方向指示子15が互いに重なり合ってしまう状況下では、以下で説明するような表示画面の制御方法を実施する。これにより、表示画面に表示されるクラスタオブジェクトが整理され、ユーザの利便性を高めることが可能となる。
【0222】
なお、クラスタオブジェクトの表示制御を実施することで、表示画面の表示形式を選択する処理については、以下で具体例を挙げながら説明する。
【0223】
選択部の一例である利用データ選択部155は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。利用データ選択部155は、表示特徴空間からの離隔距離に応じた粒度を有するように、コンテンツデータやコンテンツデータのクラスタの中から、所定の条件を満たすコンテンツデータの集合を選択する。ここで、コンテンツデータの集合は、1つのコンテンツデータのみを要素として有していてもよいし、複数のコンテンツデータを要素として有していてもよい。具体的には、利用データ選択部155は、予め生成されている木構造を利用し、表示画面内の任意の位置に着目する方法や、第1の実施形態で説明した表示画面に表示されている特徴空間とその大きさに着目する方法等に基づいて、表示形式選択制御部153によって利用されるコンテンツやクラスタに関するデータを選択する。利用データ選択部153がコンテンツやクラスタに関するデータを選択する方法は、上記例に限定されるわけではなく、任意の方法を利用することが可能である。利用データ選択部153は、選択したコンテンツやクラスタに関する情報を、表示形式選択制御部153に出力する。
【0224】
表示制御部157は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置、出力装置等により実現される。表示制御部157は、情報処理装置10が備えるディスプレイ等の表示装置や、情報処理装置10の外部に設けられたディスプレイ等の表示装置における表示画面の表示制御を行う。この表示制御部157は、ユーザ操作情報生成部151から通知されたユーザ操作情報や、表示形式選択制御部153から通知された表示画面の表示形式に関する情報等に基づいて、表示画面の表示制御を実施する。
【0225】
記憶部159は、本実施形態に係る情報処理装置10が備えるストレージ装置の一例である。この記憶部159には、情報処理装置10が有する各種のコンテンツデータ、及び、コンテンツデータに対応付けられたメタデータ等が格納されてもよい。また、記憶部159には、コンテンツデータのクラスタリング結果を示した木構造に対応する木構造データが格納されてもよい。また、記憶部159には、表示形式選択制御部153や表示制御部157が、各種の情報を表示画面に表示するために利用する各種のアプリケーションに対応する実行データが格納されてもよい。また、この記憶部159には、情報処理装置10が何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等、又は、各種のデータベース等が適宜格納される。この記憶部159は、本実施形態に係る情報処理装置10が備える各処理部が、自由に読み書きを行うことが可能である。
【0226】
以上、本実施形態に係る情報処理装置10の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
【0227】
なお、上述のような本実施形態に係る情報処理装置の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
【0228】
<表示画面の制御方法の一例について>
続いて、図23A〜図40Bを参照しながら、本実施形態に係る表示形式選択制御部153が実施する表示画面の表示制御方法の一例を具体的に説明する。図23A〜図40Bは、本実施形態に係る表示画面の表示制御方法の一例を示した説明図である。
【0229】
図21のように複数のクラスタのラベル13や方向指示子15が互いに重なり合っている場合、表示形式選択制御部153は、図23Aに示した例のように、方向指示子15の向きは維持したまま、ラベル13や方向指示子15を可能な限り分離させるように表示形式を選択してもよい。方向指示子15を、表示画面の中心とクラスタ中心とを結ぶ直線上に配置しなくとも良いようであれば、かかる表示制御を実施することで、ラベル13や方向指示子15を自由に配置することが可能となる。
【0230】
また、情報処理装置10の入力装置としてタッチパネルが実装されている場合には、例えば図23Bに示したように、互いに重なり合っているラベル13及び方向指示子15を、指やスタイラス等の入力デバイスを用いて、ドラッグ操作により一時的に任意の位置へと移動可能なように表示制御をしてもよい。この場合、ラベル13及び方向指示子15を、表示画面から近い順に上位に配置することが好ましい。ユーザは、ラベル13や方向指示子15をタップやクリック等といった操作により選択することで、選択したクラスタの位置へ表示特徴空間を移動させることができるため、重なっているラベル13や方向指示子15をドラッグ操作により移動させるという操作を数回繰り返すことで、ユーザは所望のクラスタを選択することが可能となる。なお、表示形式選択制御部153は、このようなクラスタオブジェクトの制御を実施する場合には、クラスタオブジェクトの移動履歴は記録しないようにし、表示画面の内容が移動等により更新された場合には、クラスタオブジェクトを元の位置に表示するように制御することが好ましい。例えば図23Bに示した例では、ユーザは、「目黒区」というラベルの添付された方向指示子を移動させているが、かかる移動は一時的なもので、例えば表示画面に表示されている地図の領域を一旦他のエリアに変更した後に再度図23Bに示したエリアへと戻した場合には、図23Bの下段に示した方向指示子15の状態ではなく、図23Bの上段に示した状態が表示画面に表示される。これにより、ユーザは、クラスタオブジェクトを直感的に操作することが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0231】
また、表示形式選択制御部153は、図24に示したように、方向指示子15は重ね合わせたままで、ラベル13を分離させるように表示形式を制御してもよい。図24に示したように、ラベル13と方向指示子15とを結ぶ接続線を表示させるようにすれば、クラスタの名称を示したラベル13を方向指示子15から離隔させることも可能となるため、表示画面の自由度を更に高めることが可能である。
【0232】
また、表示形式選択制御部153は、図25に示したように、重なり合っているラベル13及び方向指示子15を表示画面に近い順に並べたうえで、一番上に位置するラベル13及び方向指示子15以外にブラー(ぼかし)をかけて、選択できないようにしてもよい。
【0233】
また、表示形式選択制御部153は、図26に示したように、表示画面から遠くに位置するクラスタのラベル13は表示しないようにするとともに、方向指示子15を相対的に小さく表示させるようにし、存在のみをユーザに示唆するようにしてもよい。これにより、表示画面の煩雑化を防止することが可能となる。
【0234】
表示形式選択制御部153は、図27に示したように、方向指示子15を表示させるための領域(方向指示子表示領域)を地図が表示される地図表示領域とは別に設定し、かかる方向指示子表示領域に各クラスタに対応する方向指示子15を表示させるようにしてもよい。この際、表示形式選択制御部153は、方向指示子15とともに、方向指示子15に対応するクラスタの位置を表す地図を所定形状内(図27では円内)に表示して、どの場所に対応するクラスタであるかをユーザに示しても良い。また、クラスタの位置を表す地図だけでなく、クラスタの名称やクラスタまでの距離といった各種情報を、方向指示子表示領域内に表示させてもよい。また、表示形式選択制御部153は、クラスタに対応する地図の中に、当該地図の場所を示すような文字列が記載されている場合には、クラスタの名称を示したラベルを表示しないといった表示制御を実施してもよい。方向指示子15とともにどのような情報を方向指示子表示領域に表示させるかは、ユーザ操作やユーザによる初期設定に応じて変更することが可能である。
【0235】
このように、表示形式選択制御部153は、表示画面外に位置するクラスタを示唆するクラスタオブジェクトを様々な表示形式で表示させることが可能であるが、表示形式選択制御部153は、図21に示したように互いに重なり合っているクラスタオブジェクトをまとめて、新たに別個のオブジェクトとして表示させてもよい。図28に示した例では、表示形式選択制御部153は、互いに重なり合っていた4つのクラスタオブジェクトをまとめて、一つの矢印として新たに表示しなおす表示形式を選択している。以下では、互いに重なり合っているクラスタをまとめることで生成される方向指示子を、グループ方向指示子と称することとする。
【0236】
また、表示形式選択制御部153は、互いに重なり合っているクラスタオブジェクトだけではなく、例えば、表示画面の中心とクラスタ中心とを結ぶ直線のなす角度が所定の閾値以下となるクラスタの組み合わせをとりまとめて、グループ方向指示子として表示しなおすように表示形式を選択してもよい。これにより、重なり合っていないクラスタオブジェクトであってもグループ方向指示子として表示しなおすことが可能となり、表示画面の煩雑化を防止することが可能となる。
【0237】
表示形式選択制御部153は、表示画面に表示させているグループ方向指示子がユーザにより選択された場合に、表示画面にグループ方向指示子でまとめられているクラスタの内容を表示させて、ユーザに提示することができる。
【0238】
例えば図29に示した例では、表示形式選択制御部153は、グループ方向指示子がユーザにより選択されると、表示画面に表示されている地図をグレーアウトさせ、グループ方向指示子の内容を表示させるための新たなレイヤーを表示画面に表示させている。表示形式選択制御部153は、このような表示形式を選択することで、グループ方向指示子に含まれるクラスタの内容を、ユーザに提示することが可能となる。また、地図をグレーアウトした上で新たなレイヤーを表示画面に表示させるため、グループ方向指示子に含まれるクラスタのクラスタオブジェクトを表示画面に自由に配置することが可能となり、表示形式の自由度を向上させることができる。
【0239】
また、表示形式選択制御部153は、グループ方向指示子が選択された場合、グループ方向指示子に対応するクラスタまでの離隔距離を反映するように、グループ方向指示子の内容を表示させる。具体的には、表示形式選択制御部153は、図30に示したように、グループ方向指示子を所定の方向に移動させた後に、グループ方向指示子の示す方向に応じて直線を表示して、かかる直線上、又は、かかる直線の周辺にグループ方向指示子の内容を展開するようにしてもよい。この際、表示形式選択制御部153は、グループ方向指示子の示す方向に応じて、表示画面の幅方向(水平方向)又は高さ方向(上下方向)に沿って表示させる。図30の例では、表示画面の左端に存在するグループ方向指示子が選択された場合、表示形式選択制御部153は、地図をグレーアウトした上で、グループ方向指示子を右端まで移動させた後、右端から左端に向かって水平に直線を表示させて、かかる直線上に均等な間隔でグループ方向指示子に含まれるクラスタに関する情報を表示させている。グループ方向指示子に含まれるクラスタは、表示特徴空間からの離隔距離に従ってソートされているため、かかる表示を行うことで、ユーザは、グループ方向指示子に含まれるクラスタが、どのような位置関係で存在しているかを直感的に把握することが可能となる。
【0240】
なお、図30に示した例では、グループ方向指示子に含まれるクラスタに関する情報として、クラスタの名称及び対応するクラスタまでの離隔距離を表示しているが、表示形式選択制御部153は、クラスタの名称又はクラスタまでの離隔距離のみを表示するようにしてもよく、クラスタに関する情報そのものを表示しないようにしてもよい。
【0241】
ここで、表示形式選択制御部153は、グループ方向指示子を移動させる場合、図31A及び図31Bに示したような方針で、グループ方向指示子を移動させる。すなわち、表示形式選択制御部153は、図31Aに示したように、グループ方向指示子が左端に位置している場合には、グループ方向指示子を右端まで移動させて、右端から左端に向かって直線を表示させる。同様に、表示形式選択制御部153は、グループ方向指示子が右端に位置している場合には、グループ方向指示子を左端まで移動させて、左端から右端に向かって直線を表示させる。
【0242】
また、表示形式選択制御部153は、図31Bに示したように、グループ方向指示子が上端に位置している場合には、グループ方向指示子を下端まで移動させて、下端から上端に向かって直線を表示させる。同様に、表示形式選択制御部153は、グループ方向指示子が下端に位置している場合には、グループ方向指示子を上端まで移動させて、上端から下端に向かって直線を表示させる。
【0243】
グレーアウトした地図上にグループ方向指示子の内容を直線上に表示させる際に、グループ方向指示子の内容が一画面では収まりきらない場合も生じうる。このような場合、表示形式選択制御部153は、図32に示したように、続きが存在することを示唆するアイコン等のオブジェクトを表示画面に表示させて、続きが存在することをユーザに示しても良い。ユーザがかかるオブジェクトを選択したり、表示画面をフリックしたりすることで、表示形式選択制御部153は、図32下段に示したように、表示画面内では収まりきれていなかった内容を、表示画面に表示させる。
【0244】
なお、表示形式選択制御部153は、グループ方向指示子の内容をグレーアウトした地図上に表示させる際に、図33に示したように、グループ方向指示子が指し示す方向を維持したまま直線を表示させてもよい。また、表示形式選択制御部153は、図34に示したように、直線上にグループ方向指示子の内容を表示させる際に、クラスタの名称やクラスタまでの離隔距離といった情報の表示位置を、クラスタまでの距離に応じて決定してもよい。これにより、ユーザは、グループ方向指示子に含まれるクラスタがどのような位置関係で存在しているかを、より直感的に把握することが可能となる。
【0245】
また、表示形式選択制御部153は、直線上にグループ方向指示子に含まれるクラスタを表示する際に、クラスタのラベルやクラスタの離隔距離を表すオブジェクトを表示させるだけでなく、クラスタの形状及び大きさに対応したオブジェクトを表示させてもよい。これにより、ユーザは、クラスタの大きさ(例えばクラスタ半径)を直感的に把握することが可能となる。
【0246】
図35A及び図35Bに示した例では、表示形式選択制御部153は、クラスタの大きさをユーザに示唆するために、クラスタの形状に対応した円形のオブジェクトを、クラスタの名称を示したラベル及びクラスタの離隔距離と併せて表示させている。この際に、クラスタの名称や離隔距離を示したラベルが互いに重なり合わないように、これらのラベルを例えば上下方向にずらして表示させたり、略L字型に表示させたりすることが好ましい。
【0247】
ここで、表示画面に表示されるクラスタの粒度(すなわち、図35A、図35Bにおける円の大きさ)は、例えば、グレーアウトする前に表示されていた地図におけるクラスタの粒度とほぼ同様となるように設定されてもよいし、異なるクラスタの粒度となるように設定されていてもよい。この際、表示画面に表示可能なオブジェクトの大きさは限られているため、オブジェクトの大きさの上限値及び下限値は、適宜設定されることが好ましい。
【0248】
また、表示形式選択制御部153は、グループ方向指示子に含まれるクラスタの粒度に応じて、まとめられたクラスタのうち最大の粒度を有するものがオブジェクトの大きさの上限値となり、最小の粒度を有するものがオブジェクトの大きさの下限値となるように、円形オブジェクトの大きさを決定するようにしてもよい。
【0249】
なお、表示形式選択制御部153は、表示画面のグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を、適宜変更することが可能である。例えば図36に示したように、表示形式選択制御部153は、グループ方向指示子が選択された場合に、地図をグレーアウトするのではなく、グループ方向指示子とともにスライドさせて、グループ方向指示子の部分だけ地図が表示されるようにしてもよい。また、表示形式選択制御部153は、グループ方向指示子が選択された場合に、グループ方向指示子に含まれるクラスタが全て表示画面内に表示されるように、表示特徴空間の縮小率を調整してもよい。また、表示形式選択制御部153は、例えば図37に示したように、グループ方向指示子が選択された場合に、グループ方向指示子に含まれるクラスタに関する情報が、リスト表示されるようにしてもよい。
【0250】
このように、本実施形態に係る表示形式選択制御部153は、表示画面外に位置するクラスタ等の存在をユーザに示唆するために、各種の表示形式を利用しながら表示画面の制御を行うことが可能である。
【0251】
なお、上述の説明では、ユーザ操作によりグループ方向指示子の内容が展開される際に、表示画面が一旦グレーアウトし、新たなレイヤーを利用してグループ方向指示子の内容が表示される場合を中心に説明したが、かかる例に限定されるわけではない。例えば図38Aに示したように、一つの表示画面を2つに区分して、一方を地図表示領域とし、他方をグループ方向指示子内容表示領域としてもよい。また、図38Bに示したように、地図表示領域の中に、グループ方向指示子内容表示領域に対応するウィンドウを設けても良い。また、本実施形態に係る情報処理装置10が2つの表示画面を有している場合には、例えば図39に示したように、一方をグループ方向指示子内容表示領域用の表示画面(第1の表示画面)とし、他方を地図表示領域用の表示画面(第2の表示画面)としてもよい。
【0252】
また、上記説明では、2次元平面である地図が表示画面に表示され、グループ方向指示子の内容が直線上に表示される場合について説明したが、3次元空間が表示画面に表示される場合には、かかる空間にあわせてグループ方向指示子の内容の表示方法を設定することが可能である。例えば、図40に示したように、3次元空間を表示画面に表示している際にグループ方向指示子が選択された場合、表示画面が切り替わって、グループ方向指示子に含まれるクラスタの位置関係を上方から俯瞰したような俯瞰図が表示されるようにしてもよい。
【0253】
以上、本実施形態に係る情報処理装置10で実施される表示形式の選択処理(表示画面の制御処理)について、具体的に説明した。
【0254】
(第3の実施形態)
以上説明した第2の実施形態に係る表示形式の選択処理は、第1の実施形態に係る情報処理装置に対しても適用することが可能である。そこで、以下の本開示に係る第3の実施形態では、第1の実施形態で説明したノード(クラスタ)の選択処理及びクラスタの表示方法と、第2の実施形態で説明した表示形式の選択処理と、を共に実施可能な情報処理装置の構成について、簡単に説明する。
【0255】
<情報処理装置の構成について>
図41は、本実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示したブロック図である。
本実施形態に係る情報処理装置10は、図41に例示したように、ユーザ操作情報生成部171と、表示形式選択制御部173と、表示制御部175と、利用データ選択部177と、記憶部183と、を主に備える。
【0256】
ユーザ操作情報生成部171は、例えば、CPU、ROM、RAM、入力装置等により実現される。ユーザ操作情報生成部171は、ユーザが、情報処理装置10が備えるキーボード、マウス、各種ボタン、タッチパネル等の入力装置を利用して行った操作(ユーザ操作)を表すユーザ操作情報を生成する。ユーザ操作情報生成部171は、ユーザ操作を表すユーザ操作情報を生成すると、生成したユーザ操作情報を、後述する表示形式選択制御部173や表示制御部175へと出力する。
【0257】
表示形式選択制御部173は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。表示形式選択制御部173は、後述する表示制御部175及び利用データ選択部177と連携しながら、所定の特徴量に基づいて規定される特徴空間の少なくとも一部と、コンテンツデータもしくはコンテンツデータの集合(クラスタ)と、を表示画面にあわせて表示する際の表示形式を選択する。
【0258】
より詳細には、本実施形態に係る表示形式選択制御部173は、後述する利用データ選択部177に選択されたデータ(ノード/クラスタに関するデータ)を利用し、第1の実施形態で説明したように、表示特徴領域内に含まれるクラスタを、ほぼ同一のクラスタ粒度となるように表示画面に表示する。また、表示形式選択制御部173は、利用データ選択部177により選択されたクラスタのうち表示画面外クラスタとなるものについては、第1の実施形態で説明したようなクラスタオブジェクトを利用して、表示画面外クラスタの存在をユーザに示唆する。その上で、表示形式選択制御部173は、クラスタの存在方向が類似している表示画面外クラスタについて、第2の実施形態で説明したようなグループ方向指示子を用いて表示を行うことで、表示画面の煩雑化を防止する。
【0259】
本実施形態に係る表示形式選択制御部173の詳細な機能については、第1の実施形態及び第2の実施形態で説明した通りであるため、以下では詳細な説明は省略する。
【0260】
表示制御部175は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置、出力装置等により実現される。表示制御部175は、情報処理装置10が備えるディスプレイ等の表示装置や、情報処理装置10の外部に設けられたディスプレイ等の表示装置における表示画面の表示制御を行う。この表示制御部175は、ユーザ操作情報生成部171から通知されたユーザ操作情報や、表示形式選択制御部173から通知された表示画面の表示形式に関する情報等に基づいて、表示画面の表示制御を実施する。
【0261】
選択部の一例である利用データ選択部177は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。利用データ選択部177は、予め生成されている木構造を利用し、第1の実施形態で説明した表示画面に表示されている特徴空間とその大きさに着目する方法に基づいて、表示形式選択制御部173によって利用されるコンテンツやクラスタに関するデータを選択する。かかる利用データ選択部177は、図41に例示したように、木構造生成部179と、ノード選択部181と、を更に備える。
【0262】
木構造生成部179及びノード選択部181は、本開示の第1の実施形態に係る木構造生成部111及びノード選択部107と同様の構成を有し、同様の効果を奏するものである。従って、以下では詳細な説明は省略する。
【0263】
記憶部183は、本実施形態に係る情報処理装置10が備えるストレージ装置の一例である。この記憶部183には、情報処理装置10が有する各種のコンテンツデータ、及び、コンテンツデータに対応付けられたメタデータ等が格納されてもよい。また、記憶部183には、木構造生成部179や外部の情報処理装置によって生成された木構造に対応する木構造データが格納されてもよい。また、記憶部183には、表示形式選択制御部173や表示制御部175が、各種の情報を表示画面に表示するために利用する各種のアプリケーションに対応する実行データが格納されてもよい。また、この記憶部183には、情報処理装置10が何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等、又は、各種のデータベース等が適宜格納される。この記憶部183は、本実施形態に係る情報処理装置10が備える各処理部が、自由に読み書きを行うことが可能である。
【0264】
以上、本実施形態に係る情報処理装置10の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
【0265】
なお、上述のような本実施形態に係る情報処理装置の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
【0266】
また、本実施形態に係る情報処理装置10の機能は、各種ネットワークを介して接続された複数の装置、又は、互いに直接接続されている複数の装置が、相互に連携することで実現されてもよい。
【0267】
(ハードウェア構成について)
次に、図42を参照しながら、本開示の実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成について、詳細に説明する。図42は、本開示の実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【0268】
情報処理装置10は、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、を備える。また、情報処理装置10は、更に、ホストバス907と、ブリッジ909と、外部バス911と、インターフェース913と、入力装置915と、出力装置917と、ストレージ装置919と、ドライブ921と、接続ポート923と、通信装置925とを備える。
【0269】
CPU901は、演算処理装置及び制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919、又はリムーバブル記録媒体927に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置10内の動作全般又はその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。
【0270】
ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
【0271】
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ及びレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、情報処理装置10の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器929であってもよい。さらに、入力装置915は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。情報処理装置10のユーザは、この入力装置915を操作することにより、情報処理装置10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0272】
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置及びランプなどの表示装置や、スピーカ及びヘッドホンなどの音声出力装置や、プリンタ装置、携帯電話、ファクシミリなどがある。出力装置917は、例えば、情報処理装置10が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、情報処理装置10が行った各種処理により得られた結果を、テキスト又はイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
【0273】
ストレージ装置919は、情報処理装置10の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、又は光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、及び外部から取得した各種のデータなどを格納する。
【0274】
ドライブ921は、記録媒体用リーダライタであり、情報処理装置10に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体927は、例えば、DVDメディア、HD−DVDメディア、Blu−rayメディア等である。また、リムーバブル記録媒体927は、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash:CF)、フラッシュメモリ、又は、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等であってもよい。また、リムーバブル記録媒体927は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)又は電子機器等であってもよい。
【0275】
接続ポート923は、機器を情報処理装置10に直接接続するためのポートである。接続ポート923の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート等がある。接続ポート923の別の例として、RS−232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)ポート等がある。この接続ポート923に外部接続機器929を接続することで、情報処理装置10は、外部接続機器929から直接各種データを取得したり、外部接続機器929に各種データを提供したりする。
【0276】
通信装置925は、例えば、通信網931に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。通信装置925は、例えば、有線又は無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、又はWUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置925は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、又は、各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置925は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置925に接続される通信網931は、有線又は無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信又は衛星通信等であってもよい。
【0277】
以上、本開示の実施形態に係る情報処理装置10の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
【0278】
なお、本開示の第1実施形態に係る情報処理装置の第1変形例において言及したユーザ操作機器20及び情報処理サーバ30は、それぞれ、本開示の実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成と同様の構成を有するものであるため、詳細な説明は省略する。
【0279】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0280】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)所定の特徴量に基づいて規定される特徴空間における位置を表す位置情報がメタデータとして関連付けられたコンテンツデータ群の中から、所定の条件を満たすコンテンツデータの集合を選択する選択部と、
前記特徴空間の少なくとも一部と、前記選択部により選択された前記コンテンツデータの集合と、を表示画面にあわせて表示する際の表示形式を選択する表示形式選択制御部と、
を備え、
前記表示形式選択制御部は、
前記表示画面に表示される前記特徴空間である表示特徴空間の外側に位置する前記コンテンツデータの集合について、当該コンテンツデータの集合の存在方向を示した方向指示子を含むオブジェクトを前記表示画面内に表示させ、
複数の前記方向指示子がそれぞれ互いに類似した方向を示す場合には、当該複数の方向指示子を更にとりまとめて一つの新たな方向指示子とし、前記表示画面に表示させる、情報処理装置。
(2)前記選択部は、前記表示特徴空間からの離隔距離に応じた前記特徴空間における集合の大きさを有するように、前記前記方向指示子に対応する前記コンテンツデータの集合を選択する、(1)に記載の情報処理装置。
(3)前記表示形式選択制御部は、
前記新たな方向指示子がユーザ操作により選択された場合、前記新たな方向指示子に含まれる前記コンテンツデータの集合に関する情報を、当該コンテンツデータの集合までの離隔距離を反映するように表示させる、(1)又は(2)に記載の情報処理装置。
(4)前記表示形式選択制御部は、前記新たな方向指示子に含まれるコンテンツデータの集合に関する情報として、当該コンテンツデータの集合に対応する前記特徴空間の形状及び大きさを反映したオブジェクトを更に表示させる、(3)に記載の情報処理装置。
(5)前記表示形式選択制御部は、
前記新たな方向指示子がユーザ操作により選択された場合、選択された前記新たな方向指示子が指し示す方向と交差する前記表示画面の端部に対向する端部に向かって前記選択された新たな方向指示子を移動させた後、前記コンテンツデータの集合に関する情報を表示させる、(3)又は(4)に記載の情報処理装置。
(6)前記特徴空間は、緯度及び経度によって規定される地球表面上の位置を表す空間である、(1)〜(5)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(7)前記特徴空間は、平面上又は空間上の位置を指定する特徴量によって規定される空間である、(1)〜(5)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(8)所定の特徴量に基づいて規定される特徴空間における位置を表す位置情報がメタデータとして関連付けられたコンテンツデータ群の中から、所定の条件を満たすコンテンツデータの集合を選択することと、
前記特徴空間の少なくとも一部と、選択された前記コンテンツデータの集合と、を表示画面にあわせて表示する際の表示形式を選択することと、
を含み、
前記表示形式を選択する際には、前記表示画面に表示される前記特徴空間である表示特徴空間の外側に位置する前記コンテンツデータの集合について、当該コンテンツデータの集合の存在方向を示した方向指示子を含むオブジェクトが前記表示画面内に表示され、複数の前記方向指示子がそれぞれ互いに類似した方向を示す場合には、当該複数の方向指示子を更にとりまとめて一つの新たな方向指示子とされ、前記表示画面に表示されるようにする、情報処理方法。
(9)コンピュータに、
所定の特徴量に基づいて規定される特徴空間における位置を表す位置情報がメタデータとして関連付けられたコンテンツデータ群の中から、所定の条件を満たすコンテンツデータの集合を選択する選択機能と、
前記特徴空間の少なくとも一部と、前記選択機能により選択された前記コンテンツデータの集合と、を表示画面にあわせて表示する際の表示形式を選択する表示形式選択制御機能と、
を実現させ、
前記表示形式選択制御機能が、前記表示画面に表示される前記特徴空間である表示特徴空間の外側に位置する前記コンテンツデータの集合について、当該コンテンツデータの集合の存在方向を示した方向指示子を含むオブジェクトを前記表示画面内に表示させ、複数の前記方向指示子がそれぞれ互いに類似した方向を示す場合には、当該複数の方向指示子を更にとりまとめて一つの新たな方向指示子とし、前記表示画面に表示させる
ためのプログラム。
【符号の説明】
【0281】
10 情報処理装置
20 ユーザ操作機器
30 情報処理サーバ
101,151,171,201,211 ユーザ操作情報生成部
103,153,173,213,301 表示形式選択制御部
105,157,175,203,215 表示制御部
107,181,217,303 ノード選択部
109,207,221,309,315 記憶部
111,179,305,313 木構造生成部
155,177 利用データ選択部
205,219,307,311 データ送受信部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の特徴量に基づいて規定される特徴空間における位置を表す位置情報がメタデータとして関連付けられたコンテンツデータ群の中から、所定の条件を満たすコンテンツデータの集合を選択する選択部と、
前記特徴空間の少なくとも一部と、前記選択部により選択された前記コンテンツデータの集合と、を表示画面にあわせて表示する際の表示形式を選択する表示形式選択制御部と、
を備え、
前記表示形式選択制御部は、
前記表示画面に表示される前記特徴空間である表示特徴空間の外側に位置する前記コンテンツデータの集合について、当該コンテンツデータの集合の存在方向を示した方向指示子を含むオブジェクトを前記表示画面内に表示させ、
複数の前記方向指示子がそれぞれ互いに類似した方向を示す場合には、当該複数の方向指示子を更にとりまとめて一つの新たな方向指示子とし、前記表示画面に表示させる、情報処理装置。
【請求項2】
前記選択部は、前記表示特徴空間からの離隔距離に応じた前記特徴空間における集合の大きさを有するように、前記前記方向指示子に対応する前記コンテンツデータの集合を選択する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示形式選択制御部は、
前記新たな方向指示子がユーザ操作により選択された場合、前記新たな方向指示子に含まれる前記コンテンツデータの集合に関する情報を、当該コンテンツデータの集合までの離隔距離を反映するように表示させる、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示形式選択制御部は、前記新たな方向指示子に含まれるコンテンツデータの集合に関する情報として、当該コンテンツデータの集合に対応する前記特徴空間の形状及び大きさを反映したオブジェクトを更に表示させる、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示形式選択制御部は、
前記新たな方向指示子がユーザ操作により選択された場合、選択された前記新たな方向指示子が指し示す方向と交差する前記表示画面の端部に対向する端部に向かって前記選択された新たな方向指示子を移動させた後、前記コンテンツデータの集合に関する情報を表示させる、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特徴空間は、緯度及び経度によって規定される地球表面上の位置を表す空間である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記特徴空間は、平面上又は空間上の位置を指定する特徴量によって規定される空間である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
所定の特徴量に基づいて規定される特徴空間における位置を表す位置情報がメタデータとして関連付けられたコンテンツデータ群の中から、所定の条件を満たすコンテンツデータの集合を選択することと、
前記特徴空間の少なくとも一部と、選択された前記コンテンツデータの集合と、を表示画面にあわせて表示する際の表示形式を選択することと、
を含み、
前記表示形式を選択する際には、前記表示画面に表示される前記特徴空間である表示特徴空間の外側に位置する前記コンテンツデータの集合について、当該コンテンツデータの集合の存在方向を示した方向指示子を含むオブジェクトが前記表示画面内に表示され、複数の前記方向指示子がそれぞれ互いに類似した方向を示す場合には、当該複数の方向指示子を更にとりまとめて一つの新たな方向指示子とされ、前記表示画面に表示されるようにする、情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
所定の特徴量に基づいて規定される特徴空間における位置を表す位置情報がメタデータとして関連付けられたコンテンツデータ群の中から、所定の条件を満たすコンテンツデータの集合を選択する選択機能と、
前記特徴空間の少なくとも一部と、前記選択機能により選択された前記コンテンツデータの集合と、を表示画面にあわせて表示する際の表示形式を選択する表示形式選択制御機能と、
を実現させ、
前記表示形式選択制御機能が、前記表示画面に表示される前記特徴空間である表示特徴空間の外側に位置する前記コンテンツデータの集合について、当該コンテンツデータの集合の存在方向を示した方向指示子を含むオブジェクトを前記表示画面内に表示させ、複数の前記方向指示子がそれぞれ互いに類似した方向を示す場合には、当該複数の方向指示子を更にとりまとめて一つの新たな方向指示子とし、前記表示画面に表示させる
ためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31A】
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【図31B】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35A】
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【図35B】
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【図36】
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【図37】
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【図38A】
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【図38B】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公開番号】特開2013−3597(P2013−3597A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130543(P2011−130543)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】