説明

情報処理装置、情報処理装置の制御方法、制御プログラム、および記録媒体

【課題】秘匿対象情報を表示しないときに画面の視認性を悪化させず、簡易な構成で秘匿対象情報が他者から覗き見られることを防ぐ。
【解決手段】情報端末装置1は、パスワード入力用画面を表示することを検知する入力処理部21と、入力処理部21が、パスワード入力用画面を表示することを検知したときに、表示部12の表示面の正面から見た場合にパスワード入力用画面が表示部12の視差バリアによって立体視されるステレオグラムを上記表示面に表示させるパスワード照合部23とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盗み見による情報漏洩を防止できる情報処理装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
情報端末の表示画面を不特定の者に見られ得る状況で使用する場合において、機密性の高い個人情報を表示する際には、他人からの覗き見からこれを保護することが重要となる。例えば、金融機関が設置するATMを使用する場合において、他人に表示画面を盗み見られることでパスワード等が漏洩すれば甚大な損害を被る可能性があるため、これを厳重に秘匿する方法は特に重要と考えられる。また、携帯電話等の携帯型情報端末を使用する際にも、パスワードや個人情報などが表示されるため、このような情報を覗き見されないようにする必要がある。
【0003】
こうした状況で個人情報を保護する方法として、例えばパスワード入力時においてはユーザが入力した文字の代わりに適当な記号等を表示して入力した文字数だけを確認できるようにする方法が一般的であるが、入力機器を操作する指の動きやその位置などを覗き見られることで簡単に漏洩する危険性がある。
【0004】
この問題点を解決するために、下記の特許文献1には、表示画面などのインターフェース部分の周囲を透明でないプラスチック製のカバーで囲い、横からの視線を遮蔽することにより他人の盗み見を阻止する方法が開示されている。実際に、金融機関などで4桁の暗証番号を入力するテンキーボードなどには指の動きを隠す簡単な囲いが設置されていることが多く、最も簡便な秘匿方法として一般的である。
【0005】
また、斜め方向から見た場合の画面のコントラストを低下させる特別のフィルムを画面に貼付して盗み見を防ぐ方法は、特に携帯電話の液晶画面に対して一般的に実施されている。
【0006】
さらに、同文献においては、秘匿したい画像とダミー画像とを高速で切り替えながら交互に表示し、画像の切り替えと同期する液晶シャッターを備えるメガネにより、メガネを装着した者にのみ、秘匿したい画像を視認させる方法も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−24580号公報(平成11年1月29日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、表示画面を物理的に囲う方法は、特に携帯用の小型情報端末において携帯性を損ねるため望ましくない。また、コントラストを低下させるフィルムを貼付する方法は、秘匿する必要のない通常の画面を正面から正視した場合にも表示が不鮮明になることがある。そして、ダミー画像との切り替え表示を行う方法は、液晶シャッターを備えたメガネを別途用意する必要が生じて使用が煩雑となることに加え、凝視すればメガネを装着しなくても秘匿したい画像が見えてしまうという問題がある。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成で秘匿対象情報が他者から覗き見られることを防ぐことができると共に、秘匿対象情報を表示しないときに画面の視認性が悪化することのない情報処理装置等を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の情報処理装置は、表示面の正面に位置するユーザに、該表示面に表示したステレオグラムのうち、右目で視認されるべき部分が右目で視認され、左目で視認されるべき部分が左目で視認されるようにする立体視用部材によって上記ステレオグラムを立体視させる表示部を備えた情報処理装置であって、予め定められた覗き見を防ぐべき秘匿対象情報を表示することを検知する検知手段と、上記検知手段が、上記秘匿対象情報を表示することを検知したときに、上記表示面の正面から見た場合に上記立体視用部材によって当該秘匿対象情報が立体視されるステレオグラムを上記表示面に表示させる表示制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明の情報処理装置の制御方法は、上記課題を解決するために、表示面の正面に位置するユーザに、該表示面に表示したステレオグラムのうち、右目で視認されるべき部分が右目で視認され、左目で視認されるべき部分が左目で視認されるようにする立体視用部材によって上記ステレオグラムを立体視させる表示部を備えた情報処理装置の制御方法であって、予め定められた覗き見を防ぐべき秘匿対象情報を表示することを検知する検知ステップと、上記検知ステップにて、上記秘匿対象情報を表示することを検知したときに、上記表示面の正面から見た場合に上記立体視用部材によって当該秘匿対象情報が立体視されるステレオグラムを上記表示面に表示させる表示制御ステップとを含むことを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、秘匿対象情報を表示することを検知すると共に、秘匿対象情報を表示することを検知したときには、表示面の正面から見た場合に立体視用部材によって当該秘匿対象情報が立体視されるステレオグラムを表示面に表示させる。
【0013】
ここで、立体視用部材は、表示面の正面に位置するユーザに、該表示面に表示したステレオグラムのうち、右目で視認されるべき部分が右目で視認され、左目で視認されるべき部分が左目で視認されるようにするものである。
【0014】
このため、表示面の正面に位置するユーザには、立体視用部材によって秘匿対象情報が立体視される場合であっても、表示面に対して斜め方向に位置する者からは秘匿対象情報が立体視されない。
【0015】
したがって、上記の構成によれば、秘匿対象情報が他者から覗き見られることを防ぐことができる。また、上記の構成によれば、秘匿対象情報を表示するときにステレオグラムを表示するため、上記従来のフィルム貼付による秘匿のように、秘匿対象情報を表示していないときに画面の視認性が悪くなることもない。さらに、特殊なメガネを用いたりする煩雑さもなく、表示面を囲うことにより装置が大型化することもない。
【0016】
なお、上記ステレオグラムは、表示面の正面から見た場合に立体視用部材によって秘匿対象情報が立体視され、表示面を斜め方向から見た場合には秘匿対象情報が視認されないようなものであればよく、特に限定されない。例えば、ランダムドットステレオグラム、シングルイメージランダムドットステレオグラム、シングルイメージステレオグラム等を用いることもできる。
【0017】
また、上記情報処理装置は、ユーザの右目で視認させるべき右目用ステレオグラムと、ユーザの左目で視認させるべき左目用ステレオグラムとを合成して上記ステレオグラムを生成する合成手段を備え、上記表示制御手段は、上記合成手段が生成したステレオグラムを上記表示面に表示させることが好ましい。
【0018】
ここで、ステレオグラムは平面の画像であるが、その一部を右目で、他の一部を左目で見ることによって、立体的な画像が視認されるものである。つまり、表示面に表示される1つのステレオグラムには、右目に見せるための部分と、左目に見せるための部分が含まれる。
【0019】
このため、上記の構成によれば、ユーザの右目で視認させるべき右目用ステレオグラムと、ユーザの左目で視認させるべき左目用ステレオグラムとを合成してステレオグラムを生成する。無論、この合成は、立体視用部材によって、表示面の正面に位置するユーザに、合成後のステレオグラムのうち、右目で視認されるべき部分が右目で視認され、左目で視認されるべき部分が左目で視認されるように行う。
【0020】
したがって、このようにして合成したステレオグラムを表示することにより、表示面の正面に位置するユーザに、立体視用部材によって秘匿対象情報を立体視させることができる。
【0021】
また、上記情報処理装置は、上記表示面に対する入力操作を検知する入力部を備え、上記表示制御手段は、上記ステレオグラムを上記表示面に表示させている間に、上記入力部が当該表示面に対する入力操作を検知したときには、当該入力操作が検知された表示面上の位置に表示されている上記秘匿対象情報が上記ユーザに凹んで視認されるステレオグラムを表示させることが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、入力部が表示面に対する入力操作を検知したときには、その入力操作が検知された表示面上の位置に表示されている秘匿対象情報がユーザに凹んで視認されるステレオグラムを表示させる。
【0023】
したがって、入力操作を行った表示面上の位置をユーザに容易に認識させることができると共に、表示面から浮かび上がっている秘匿対象情報を押し込んだかのような操作感をユーザに与えることができる。また、例えば、凹む範囲を入力操作が検知された位置を中心とした円形の範囲とすることにより、入力操作を行った位置が、ユーザの指などで隠れている場合であっても、どのような位置に入力操作を行ったかを認識させることができるので好ましい。
【0024】
また、上記表示制御手段は、上記ユーザが自装置に対して行った入力操作の内容を示す情報を上記秘匿対象情報として立体視されるステレオグラムを表示させることが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、ユーザが上記情報処理装置に対して行った入力操作の内容を示す情報が、該ユーザに立体視されるステレオグラムを表示させる。
【0026】
したがって、情報処理装置が受け付けた入力操作の内容をユーザに認識させることができる。また、このような情報についても、立体視用部材によって表示面の正面に位置するユーザに立体視されるように表示するので、入力操作の内容を、表示面を覗き見る者に知得されることを防ぐことができる。
【0027】
また、上記表示制御手段は、上記ユーザに選択させる文字、数字、及び記号の少なくとも何れかを示す秘匿対象情報が立体視されるステレオグラムを表示させるときに、過去に表示させたステレオグラムとは異なる配列で文字、数字、及び記号の少なくとも何れかが立体視されるステレオグラムを表示させることが好ましい。
【0028】
ここで、ユーザに選択させる文字、数字、及び記号の少なくとも何れかを示す秘匿対象情報が立体視されるステレオグラムを表示させることが複数の機会に行われ、毎回同じ配列のものを表示させた場合には、その文字等を選択するユーザ操作(例えば指の動き等)から、入力内容を読み取られることも考えられる。
【0029】
そこで、上記の構成によれば、過去に表示させたステレオグラムとは異なる配列で文字、数字、及び記号の少なくとも何れかが立体視されるステレオグラムを表示させる。これにより、入力内容を読み取られる危険性を低減することができる。
【0030】
また、上記右目用ステレオグラムと上記左目用ステレオグラムとは、異なる情報を含む異なる画像であることが好ましい。
【0031】
上記の構成によれば、右目用ステレオグラムと左目用ステレオグラムとが、異なる情報を含む異なる画像である。このため、例えば、右目用ステレオグラムを覗き見られ、そして裸眼立体視の手法を用いることによってこれを立体視されたような場合であっても、左目用ステレオグラムに含まれる情報は認識されないので、秘匿対象情報を知得される可能性を低減することができる。
【0032】
また、上記検知手段は、自装置が暗証番号の入力の受け付けを開始することを検知したときに、上記秘匿対象情報を表示すると判断し、上記表示制御手段は、上記検知手段が、自装置が暗証番号の入力の受け付けを開始することを検知したときに、暗証番号を入力する際にユーザに選択させる文字、数字、及び記号の少なくとも何れかが立体視されるステレオグラムを表示することが好ましい。
【0033】
上記の構成によれば、暗証番号の入力時に、選択対象となる文字、数字、及び記号の少なくとも何れかが、表示面の正面に位置するユーザにのみ立体視されるので、表示面を覗き込まれたとしても、どのような暗証番号を入力したかを知得されることを防ぐことができる。
【0034】
なお、上記情報処理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記情報処理装置の各手段として動作させることにより、上記情報処理装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0035】
以上のように、本発明の情報処理装置は、予め定められた覗き見を防ぐべき秘匿対象情報を表示することを検知する検知手段と、上記検知手段が、上記秘匿対象情報を表示することを検知したときに、表示面の正面から見た場合に立体視用部材によって当該秘匿対象情報が立体視されるステレオグラムを上記表示面に表示させる表示制御手段とを備えている構成である。
【0036】
また、本発明の情報処理装置の制御方法は、以上のように、予め定められた覗き見を防ぐべき秘匿対象情報を表示することを検知する検知ステップと、上記検知ステップにて、上記秘匿対象情報を表示することを検知したときに、表示面の正面から見た場合に立体視用部材によって当該秘匿対象情報が立体視されるステレオグラムを上記表示面に表示させる表示制御ステップとを含む構成である。
【0037】
したがって、特殊なメガネや装置をサイズアップさせる囲い等を用いることなく、簡易な構成で秘匿対象情報が他者から覗き見られることを防ぐことができると共に、秘匿対象情報を表示しないときに画面の視認性が悪化することがないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態を示す図であり、情報端末装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記情報端末装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】左目用のランダムドットステレオグラムの一例を示す図である。
【図4】右目用のランダムドットステレオグラムの一例を示す図である。
【図5】上記情報端末装置のユーザに視認されるパスワード入力用の画面のイメージ図である。
【図6】「5」が表示されている位置にタッチしたときに上記情報端末装置のユーザに視認される像のイメージ図である。
【図7】上記情報端末装置のユーザに視認される、入力済みの数字が表示されたパスワード入力用の画面のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図7に基づいて詳細に説明する。
【0040】
〔概要〕
本実施形態の情報端末装置は、秘匿の必要のある情報を表示するときに、表示部の正面から見た場合にはその情報を認識することができるが、斜め方向から見た場合にはその情報の認識が困難となるような表示を行い、これにより、秘匿の必要のある情報が覗き見られることを防ぐものである。
【0041】
ここでは、情報端末装置が、視差バリアを有し、またタッチパネル機能を有する表示部を備えており、パスワード(暗証番号)入力時に、右目用及び左目用にそれぞれ用意されたランダムドットステレオグラムを合成して生成したパスワード入力画面の画像を上記の表示部に表示させる例を説明する。
【0042】
なお、一般的なランダムドットステレオグラムは、目の焦点を画像の手前または奥にずらして合わせることによって、立体的に見ることができるステレオグラムの一種であり、その名の通り、ランダムなドットによって構成される画像である。
【0043】
一般的なランダムドットステレオグラムでは、裸眼立体視が可能になるように計算してドットの位置関係が決められている。このため、画像に焦点を合わせたときには右目と左目に見える画像は全く同じとなるが、焦点を画像の奥または手前にずらしたときには、右目と左目の両方から同じ位置に見えるドットや、左右の目で位置がずれて見えるドット、片方の目からしか見えないドットなどが生じ、その視差から立体的に見えるようになる。なお、焦点を奥側にずらす見方は平行法と呼ばれ、手前側にずらす見方は交差法と呼ばれる。何れの方法にせよ、立体的な像を認識できるようになるまでにはある程度の練習が必要である。
【0044】
これに対し、本実施形態の情報端末装置は、表示部に視差バリアが設けられており、該表示部の表示面に対して正面からランダムドットステレオグラムを見るユーザに、左目用のランダムドットステレオグラムが左目で視認され、右目用のランダムドットステレオグラムが右目で視認されるようにして、立体画像を認識させることができる。
【0045】
つまり、上記情報処理装置は、右目用のランダムドットステレオグラムと、左目用のランダムドットステレオグラムとを合成した画像を表示する。表示面の正面から画像を見るユーザからは、視差バリアによって、右目用のランダムドットステレオグラムが右目で、左目用のランダムドットステレオグラムが左目で見えることにより、立体像が認識される。
【0046】
その一方で、表示部の表示面に対して斜め方向からランダムドットステレオグラムを見た場合には、右目用画像を右目で、左目用画像を左目で見るということができなくなるため、ドットの集まりとしか認識できない。
【0047】
上記情報処理装置は、これを利用して、パスワード入力時に、表示部を正面から見ることのできる自装置のユーザにはパスワード入力画面に表示されている情報が認識できる一方、表示部を覗き込む位置の者からはその情報が認識できないようにし、パスワードの覗き見を防ぐものである。
【0048】
〔情報端末装置の構成〕
続いて、上記情報端末装置の構成を図1に基づいて説明する。図1は、情報端末装置(情報処理装置)1の要部構成を示すブロック図である。図示のように、情報端末装置1は、制御部2、記憶部3、入力部11、および表示部12を備えている。また、制御部2には、入力処理部(検知手段)21、表示処理部(合成手段)22、およびパスワード照合部(表示制御手段)23が含まれている。
【0049】
入力部11は、ユーザの入力操作を受け付けて制御部2に出力するものである。入力部11は、ユーザの入力操作を受け付けて制御部2に出力することができるものであればよく、特に限定されないが、ここでは、入力部11をいわゆるタッチパネルとする例を説明する。すなわち、入力部11は、表示部12の表示面に対するユーザのタッチ操作を検知し、その操作のあった位置を制御部2に出力する。
【0050】
表示部12は、制御部2の制御に従って画像を表示するものであり、上述のように、視差バリア(立体視用部材)を有している。視差バリアとは、画像の表示面と、ユーザとの間に設けられるものであり、表示された画像の一部がユーザの右目のみから見え、表示された画像の他の一部がユーザの左目から見えるようにユーザの視線を遮るものである。
【0051】
なお、表示部12は、正面から見たときには画像が立体的に視認され、斜め方向から見たときには視認されないような表示を行うことができるものであればよく、例えばレンチキュラー方式で立体視させるものであってもよい。この場合、表示部12は視差バリアの代わりにレンチキュラーレンズを備える構成となる。
【0052】
記憶部3は、情報端末装置1で使用する各種データを格納するものであり、パスワードを格納するパスワード格納部31、パスワード入力時に表示する画像を格納するパスワード入力用画像格納部32、およびユーザのタッチ位置を凹んだように視認させる画像を格納する凹画像格納部33が含まれる。記憶3は、これらの情報を記録できるものであればよく、例えば半導体メモリやハードディスク等で構成してもよい。
【0053】
入力処理部21は、表示部12に表示されている画像に応じて、入力部11に対する入力操作の内容を判断する。具体的には、入力処理部21は、入力部11から受信する、表示部12の表示面に対するタッチが検出された位置を示す情報(例えば座標)と、そのときに表示部12に表示されている画像とに応じて、どのような入力操作が行われたかを判断する。
【0054】
表示処理部22は、表示部12に画像を表示させる。また、表示処理部22は、ユーザにランダムドットステレオグラムを立体視させるために、右目用のランダムドットステレオグラムと、左目用のランダムドットステレオグラムとを合成する。なお、ここでは、右目用のランダムドットステレオグラムと、左目用のランダムドットステレオグラムとは、同一の画像であるとする。
【0055】
具体的には、表示処理部22は、パスワード入力用画像格納部32から左目用、および右目用のランダムドットステレオグラムを読み出し、これを視差バリア方式に基づく立体視用画像とするために、これら2枚の画像を合成する。なお、右目用と左目用で同一の画像を用いる場合には、1つの画像のみを格納しておき、これを複製することによって右目用及び左目用の画像を取得してもよい。
【0056】
画像の合成は、視差バリアを介することによって、左目用のランダムドットステレオグラムが左目のみに視認され、右目用のランダムドットステレオグラムが右目のみに視認されるように、左目用のランダムドットステレオグラムと、右目用のランダムドットステレオグラムを、左右方向に視差分だけずらして並べた1枚の画像を生成することによって行われる。
【0057】
これにより、表示部12の正面からこの画像を見たユーザの左目には左目用のランダムドットステレオグラムが、右目には左目用のランダムドットステレオグラムが左右方向に視差分だけずれた右目用のランダムドットステレオグラムが捉えられるので、ランダムドットステレオグラムが立体的に視認される。
【0058】
パスワード照合部23は、パスワードの入力及び照合に関する処理を行う。具体的には、パスワード照合部23は、パスワードの入力を開始する場合に、表示処理部22に指示してパスワード入力用の画面の表示を開始させる。そして、ユーザが入力したパスワードと、パスワード格納部31に格納されているパスワードとを照合する。
【0059】
〔パスワード入力を行う場合の具体例〕
続いて、情報端末装置1が実行する処理について、図2に基づいて説明する。図2は、情報端末装置1が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0060】
まず、パスワード照合部23は、パスワード入力用の画面表示の開始を待ち受けている(S1、検知ステップ)。ここで、パスワード入力用の画面表示を開始すると判断した場合(S1でYES)、表示処理部22にパスワード入力用の画像を表示するように指示する。
【0061】
なお、パスワード照合部23は、例えば、表示処理部22が表示部12に表示させている画像と、入力処理部21から取得したユーザの表示部12の表示面に対するタッチ位置とから、パスワード入力を開始する入力操作が行われたと判定した場合に、パスワード入力用の画面表示を開始すると判断してもよい。また、例えば、情報端末装置1が備える他のアプリケーションソフトウェアや、情報端末装置1と有線または無線通信接続された他の機器等から、パスワードの入力を求める情報を受信したときに、パスワード入力用の画面表示を開始すると判断してもよい。
【0062】
パスワード入力用の画像を表示するように指示された表示処理部22は、パスワード入力用画像格納部32から左目用のランダムドットステレオグラム、および右目用のランダムドットステレオグラムを読み出す(S2)。
【0063】
なお、ランダムドットステレオグラムの画像は、例えば図3、図4に示すような画像であってもよい。図3は、左目用のランダムドットステレオグラムの一例を示す図であり、図4は、右目用のランダムドットステレオグラムの一例を示す図である。
【0064】
図示のように、ランダムドットステレオグラムは、視差バリアを介さずに裸眼で見た場合には、点の集まりにしか見えず、平行法または交差法といった特殊な見方をしなければ裸眼では画像の内容を認識することができない。また、立体感覚にも個人差が生じる場合が多い。
【0065】
そして、これを視差バリア方式に基づく立体視用画像とするために、両画像を視差分だけ左右方向へずらして合成した1枚の画像を生成し、これを表示部12に表示させる(S3、表示制御ステップ)。なお、シングルイメージのステレオグラムを用いる場合には、画像の合成処理は必要なく、パスワード入力用画像格納部32から読み出したシングルイメージのステレオグラムをそのまま表示させる。
【0066】
S3で表示した画像は、平行法または交差法といった特殊な見方をしなくとも、表示部12の正面から視差バリアを介して見ることによって、立体画像として視認される。ユーザに視認される画像は、例えば図5のようになる。
【0067】
図5は、情報端末装置1のユーザに視認されるパスワード入力用の画面のイメージ図である。図示のように、0から9までの数字(秘匿対象情報)が配列している。なお、同図ではこれらの数字を平面的に記載しているが、実際には立体的に視認される。つまり、図示の例は、0から9までの数字が立体的に視認されることを示している。ユーザは、これらの数字に対してタッチ操作を行うことによってパスワードを入力する。
【0068】
なお、パスワード入力用の画面の表示内容は図示の例に限られない。例えば、パスワードに応じて、アルファベット、ひらがな、カタカナ等の任意種類の文字や、記号等を表示してもよい。
【0069】
また、文字等の配列については、数字を昇順、または降順に並べたり、一般的なqwerty配列を用いたりしてもよいが、パスワードの入力ごとにランダムな配列とすることもできる。
【0070】
この場合、数字や文字等がランダムに配列された、互いに異なる複数のパスワード入力用画像をパスワード入力用画像格納部32に格納しておき、パスワード入力開始時にそれらの画像の中からランダムに読み出せばよい。また、ステレオグラムにおける数字や文字等に対応する部分を組み替えることによって、数字の配列を変えてもよい。これにより、表示部12へのタッチ位置からパスワードを推測される危険性を低くすることができる。
【0071】
ここで、入力処理部21は、入力部11からの入力を待ち受けている(S4)。具体的には、入力部11が表示部12の表示面に対するタッチ操作を検出したときには、タッチ位置を示す情報が入力処理部21に出力されるので、入力処理部21はこの情報の受信を待ち受けている。
【0072】
そして、入力部11からの入力があったと判断したとき(S4でYES)には、入力処理部21は、表示部12に表示されている画像と、入力部11から出力されたタッチ位置を示す情報とから、入力された数字を特定し(S5)、この数字をパスワード照合部23に通知する。
【0073】
ここで、パスワード照合部23は、入力処理部21から通知された数字を表示処理部22へ転送する。そして、表示処理部22は、通知された数字が立体的に凹んで視認される画像を凹画像格納部33から読み出して表示部12に表示させる(S6)。
【0074】
これにより、ユーザは、押下した数字が立体的に凹んだ状態を視認できる。このときにユーザに視認される像は、例えば図6のようになる。図6は、「5」が表示されている位置にタッチしたときに情報端末装置1のユーザに視認される像のイメージ図である。
【0075】
図6では、「5」の数字を中心とした円形の領域が、「5」の数字に向かって傾斜している様子を陰影で示しているが、実際にはランダムドットステレオグラムによって、「5」の数字を中心として凹曲面状に凹んだ様子が立体的に認識される。これにより、ユーザは、物理的なボタンを押し込むような感覚で入力を行うことができる。
【0076】
なお、押下した数字が凹んで視認される画像は、ユーザのタッチ操作とできるだけ連動させて表示することが好ましい。すなわち、表示部12の表示面へのタッチ操作が検出されたときに表示を開始し、当該表示面へのタッチ操作が検出されなくなったときに表示を終了することが好ましい。また、タッチ位置の数字が、タッチしている間に沈みこんでいくように認識されるよう、タッチ操作が継続している期間に応じて表示する画像を切り替えてもよい。
【0077】
また、パスワード照合部23は、入力処理部21から通知された数字を入力済みの数字として表示するよう、表示処理部22に指示する。この指示を受信した表示処理部22は、当該数字を表示部12に表示する(S7)。
【0078】
具体的には、表示処理部22は、表示を指示された数字の画像(左目用、および右目用のランダムドットステレオグラム)をパスワード入力用画像格納部32から読み出し、上述のようにして合成した画像を表示部12に表示させる。
【0079】
なお、パスワードの入力途中であれば、パスワードを入力するための表示(数字の一覧表示)を継続する必要があるため、数字が一覧表示されている領域とは別の領域に表示させる。この場合、数字が一覧表示されている領域のそのままの画像、あるいは縮小または変形した画像と、入力済みの数字の画像とを合成して表示する。
【0080】
ここで、ユーザに視認される画像は、例えば図7のようになる。図7は、情報端末装置1のユーザに視認される、入力済みの数字が表示されたパスワード入力用の画面のイメージ図である。
【0081】
図示のように、0から9までの数字が表示されている領域とは別の領域(図示の例では0から9までの数字が表示されている領域の上側の領域)に、「1234」の数字列が表示されている。なお、同図ではこれらの数字を平面的に記載しているが、実際には立体的に視認される。つまり、図示の例は、「1234」の数字列がユーザの入力したパスワード(秘匿対象情報)であり、このパスワードが立体的に視認されることを示している。
【0082】
このように、入力済みのパスワードを立体表示することにより、情報端末装置1のユーザは、自分の入力したパスワードを確認しながら、確実にパスワードの入力を行うことができる。また、このパスワードは、表示部12の表示面に対して斜め方向からは視認されないので、覗き見によって知得されることもない。
【0083】
続いて、パスワード照合部23は、パスワード入力が完了したか確認する(S8)。具体的には、パスワード照合部23は、パスワード入力を完了する操作が行われた旨の通知を入力処理部21から受信したか否かによって、上記の確認を行う。ここで、パスワード入力の完了が確認されなかった場合(S8でNO)には、S4の処理に戻る。
【0084】
一方、パスワード入力の完了が確認された場合(S8でYES)には、パスワード照合部23は、パスワード格納部31から予め登録されているパスワードを読み出し、S8までに入力された数字列と照合し(S9)、両者が一致するか確認する(S10)。
【0085】
照合の結果、両者が一致しないと判定されたときには(S10でNO)、ユーザに最初からパスワード入力をやり直すことを求めるため、S3の処理に戻り、パスワード入力用の画面を再表示する。なお、パスワード入力を求めるたびに表示する数字(文字)の配列を変更する場合には、S2に戻って別のパスワード入力用画像をパスワード入力用画像格納部32から読み出す。
【0086】
一方、照合の結果、両者が一致すると判定されたときには(S10でYES)、パスワード照合部23は、パスワード入力のための処理を終了する。これにより、表示される画像は、通常通り二次元の画像に戻る。
【0087】
〔凹画像の表示について〕
情報端末装置1のように、タッチパネルによる入力が可能な装置においては、ユーザが入力した内容のユーザへのフィードバックを工夫してインターフェースの改善を図ることも重要な課題である。
【0088】
一般的には、タッチパネル入力を行う装置では、タッチ操作が行われたことを示す音を出力し、タッチを検出した位置の色や輝度を変化させることによって、タッチ操作が認識されたこと、及びタッチ操作を認識した位置をユーザにフィードバックする。しかしながら、このようなフィードバックは、実際に物理的なキー操作等を行う場合と比べて、ユーザへのフィードバックが弱い。
【0089】
このため、金融機関等のATMのように不特定多数のユーザを想定する装置においては特に重要であり、タッチパネルに加えて、物理的な押下により感覚的なフィードバックが得られる入力装置(一般的なキーボード等)が設置される場合もある。しかし、新たな入力装置を導入する場合、コストが上がるだけでなく、ユーザが、何れの入力装置で入力を行えばよいか分からず混乱するおそれがある。
【0090】
これに対して、情報端末装置1では、立体表示を行う利点を生かし、図7のようにボタンが立体的に凹んだ画像を表示することで、「押した」という直感的で強力なフィードバックを与えることができる。これにより、入力装置を別途導入することなく使いやすいユーザインターフェースを実現できる。
【0091】
〔画像の読み出しタイミングについて〕
パスワード入力用画像は、上述の説明のように、表示の都度パスワード入力用画像格納部32から読み出してもよいが、パスワード入力用画像格納部32から読み出して内部メモリ(図示せず)に格納しておくことが好ましい。これにより、S10でパスワードが一致しなかった場合のパスワード入力用画像の再表示をスムーズに行うことができる。無論、内部メモリは、パスワード入力用画像格納部32から画像を読み出す場合と比べて、高速な読み出しが可能なものとする。
【0092】
同様に、凹画像格納部33に格納されている画像についても、凹画像格納部33から内部メモリに読み出しておくことにより、タッチ位置が窪んだ画像の表示をスムーズに行うことができる。
【0093】
〔応用例〕
上記実施形態では、パスワードの入力画面を立体表示する例を説明したが、立体表示する画面は、覗き見られたくない情報を含む画面であればよく、この例に限られない。例えば、ユーザの氏名、住所、電話番号等の個人情報を表示するときに立体表示してもよいし、預金残高等を表示するときに立体表示してもよい。
【0094】
このような場合には、入力処理部21にて、予め設定されたこれらの画面を表示する入力操作が行われたことを検知し、このような入力操作を検知したときに、個人情報や預金残高の表示画面を、予め格納しておいたステレオグラムで表示すればよい。また、例えば、秘匿したい文章等を入力するような場合に、入力された文字等をステレオグラムで表示してもよい。秘匿したい文章等を入力する場合と、秘匿する必要のない文章等を入力する場合とは、例えば入力部11への入力操作によって切り替えるようにしてもよい。
【0095】
〔入力部11の変形例〕
上記実施形態では、入力部11がタッチパネルである例を説明したが、入力部11は、入力キーやペンタブレット等、任意のものを適用することができる。ただし、入力キーを適用する場合には、入力キーを操作する指の動きから入力内容を読み取られることがないように、入力キーとその入力キーに割り当てられる文字や数字等を、表示する立体画像に応じて変えることが好ましい。この場合、ユーザは、何れの入力キーに何れの文字や数字等が割り当てられているかを立体表示によって確認しながら入力を行うことになる。
【0096】
〔ステレオグラムの変形例〕
上記実施形態では、同一のランダムドットステレオグラムを左右方向にずらしたものである、左目用および右目用のランダムドットステレオグラムを使用したが、両画像は全く同一である必要はなく、異なる情報を含む異なる画像であってもよい。
【0097】
例えば、右目のみに見せる情報(立体の右側の側面形状を示す情報等)を含む右目用の画像と、左目のみに見せる情報(立体の左側の側面形状を示す情報等)を含む左目用の画像とを組み合わせて(合成して)表示してもよい。つまり、概ね同様の画像であるが、局所的(エッジ部分等)に視差による見え方の違いが反映された画像を組み合せて表示してもよい。
【0098】
このような画像を表示する場合、右目用の画像のみからは、左目用の画像に含まれる左目のみに見せる情報が視認されず、同様に、左目用の画像のみからは、右目用の画像に含まれる右目のみに見せる情報が視認されない。
【0099】
このため、左目用の画像または右目用の画像の何れかのみを覗き見られ、そして、その画像を並行法等によって立体視されたとしても、正面から見た場合のような完全な情報が認識されないので、覗き見による情報漏洩をさらに確実に防ぐことができる。
【0100】
例えば、数字を立体表示するために、右目用画像として数字の右側のエッジ部分の形状を示す情報を含むものを用い、左目用画像として数字の左側のエッジ部分の形状を示す情報を含むものを用いた場合を考える。この場合、右目用の画像を覗き見られたときには、数字の右側のエッジ部分の形状のみが認識され、左側のエッジ部分の形状が認識されないことにより、表示されている数字が何であるかを認識することが困難となる。
【0101】
また、表示するステレオグラムは、ランダムドットステレオグラムに限られず、立体視しないときには画像の内容が認識されず、立体視したときにのみ画像の内容がされる画像であればよい。例えば、シングルイメージステレオグラムを適用することもできる。
【0102】
シングルイメージステレオグラムは、任意の色で、任意のパターンを組み合わせた画像とすることができるため、シングルイメージステレオグラムを用いる場合には、色やパターンをユーザに選択させてもよい。この場合、選択対象となるパターンをパスワード入力用画像格納部32に格納しておく。
【0103】
〔ステレオグラムの生成〕
上記実施形態では、予め格納されたステレオグラムを読み出して表示する例を示したが、ステレオグラムは情報端末装置1が生成してもよい。つまり、情報端末装置1は、ステレオグラムを生成する手段を備えていてもよい。なお、任意の画像からステレオグラムを生成する処理は、公知の手法を適用すればよい。これにより、覗き見られたくない任意の画面を立体表示することができる。
【0104】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0105】
〔ソフトウェアによる実現例〕
最後に、情報端末装置1の各ブロック、特に制御部2は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0106】
後者の場合、情報端末装置1は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである情報端末装置1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記情報端末装置1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0107】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0108】
また、情報端末装置1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、携帯電話やスマートフォン等のような携帯型の装置の他、ATMのような据え置き型の装置にも利用することができる。
【符号の説明】
【0110】
1 情報端末装置(情報処理装置)
11 入力部
21 入力処理部(検知手段)
22 表示処理部(合成手段)
23 パスワード照合部(表示制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面の正面に位置するユーザに、該表示面に表示したステレオグラムのうち、右目で視認されるべき部分が右目で視認され、左目で視認されるべき部分が左目で視認されるようにする立体視用部材によって上記ステレオグラムを立体視させる表示部を備えた情報処理装置であって、
予め定められた覗き見を防ぐべき秘匿対象情報を表示することを検知する検知手段と、
上記検知手段が、上記秘匿対象情報を表示することを検知したときに、上記表示面の正面から見た場合に上記立体視用部材によって当該秘匿対象情報が立体視されるステレオグラムを上記表示面に表示させる表示制御手段とを備えていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
ユーザの右目で視認させるべき右目用ステレオグラムと、ユーザの左目で視認させるべき左目用ステレオグラムとを合成して上記ステレオグラムを生成する合成手段を備え、
上記表示制御手段は、上記合成手段が生成したステレオグラムを上記表示面に表示させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
上記表示面に対する入力操作を検知する入力部を備え、
上記表示制御手段は、上記ステレオグラムを上記表示面に表示させている間に、上記入力部が当該表示面に対する入力操作を検知したときには、当該入力操作が検知された表示面上の位置に表示されている上記秘匿対象情報が上記ユーザに凹んで視認されるステレオグラムを表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
上記表示制御手段は、上記ユーザが自装置に対して行った入力操作の内容を示す情報を上記秘匿対象情報として立体視されるステレオグラムを表示させることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
上記表示制御手段は、上記ユーザに選択させる文字、数字、及び記号の少なくとも何れかを示す秘匿対象情報が立体視されるステレオグラムを表示させるときに、過去に表示させたステレオグラムとは異なる配列で文字、数字、及び記号の少なくとも何れかが立体視されるステレオグラムを表示させることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
上記右目用ステレオグラムと上記左目用ステレオグラムとは、異なる情報を含む異なる画像であることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
上記検知手段は、自装置が暗証番号の入力の受け付けを開始することを検知したときに、上記秘匿対象情報を表示すると判断し、
上記表示制御手段は、上記検知手段が、自装置が暗証番号の入力の受け付けを開始することを検知したときに、暗証番号を入力する際にユーザに選択させる文字、数字、及び記号の少なくとも何れかが立体視されるステレオグラムを表示することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
表示面の正面に位置するユーザに、該表示面に表示したステレオグラムのうち、右目で視認されるべき部分が右目で視認され、左目で視認されるべき部分が左目で視認されるようにする立体視用部材によって上記ステレオグラムを立体視させる表示部を備えた情報処理装置の制御方法であって、
予め定められた覗き見を防ぐべき秘匿対象情報を表示することを検知する検知ステップと、
上記検知ステップにて、上記秘匿対象情報を表示することを検知したときに、上記表示面の正面から見た場合に上記立体視用部材によって当該秘匿対象情報が立体視されるステレオグラムを上記表示面に表示させる表示制御ステップとを含むことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
請求項1から7の何れか1項に記載の情報処理装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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