説明

情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及びプログラム

【課題】 サーバからの要求に基づく処理を実行する際に、操作画面が遷移されている場合は、サーバからの要求に基づく処理の実行を制限する仕組みを提供することを目的とする。
【解決手段】 Webアプリケーション410から処理の実行を要求されたサービスプロバイダ430は、現在最前面に表示されている操作画面がWebブラウザであるか否かを判断する。そして、最前面に表示されている操作画面がWebブラウザである場合は、Webアプリケーション410から要求された処理を実行させ、最前面に表示されている操作画面がWebブラウザでない場合は、Webアプリケーション410から要求された処理を実行しないよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバに接続され、当該サーバにより提供される操作画面を表示可能な表示部を備えた情報処理装置、情報処理装置の制御方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
PCなどの情報処理装置がネットワーク上のサーバに接続され、サーバにより提供される操作画面を、情報処理装置が備える表示部に表示することが知られている。その代表例としては、ネットワーク上のWebサーバから取得した操作画面を、情報処理装置に備えられたWebブラウザが表示するシステムが挙げられる。
【0003】
この場合、まず情報処理装置のWebブラウザが、Webサーバに対して操作画面を要求(リクエスト)する。そして、Webサーバ上のWebアプリケーションが情報処理装置からの要求に応えて、Webブラウザに操作画面を表示させるためのHTMLファイルを情報処理装置に応答(レスポンス)する。情報処理装置のWebブラウザは、受信したHTMLファイルを解析し、HTMLファイルの記述に基づいた操作画面を表示する。
【0004】
更に、Webブラウザに表示された操作画面を介してユーザが指示を入力すると、入力された指示をWebブラウザがWebサーバに対して通知する。そして、この通知を受けたWebサーバ上のWebアプリケーションは、入力された指示に従って処理を実行する。
【0005】
ところで、最近ではスキャナやプリンタを備えたMFP(Multi Function Peripheral)にも、上述したようなWebブラウザを備えているものがある。そして、MFPは、上述した手順を用いてWebサーバにより提供される操作画面をMFPのWebブラウザに表示し、ユーザからの各種指示を受け付ける。
【0006】
また更には、特許文献1のような技術も考えられている。特許文献1の記載によれば、MFPが備える各機能を利用するための指示を入力する操作画面を、Webサーバが提供する。即ち、MFPのユーザは、Webブラウザ上に表示された操作画面を介して、MFPに対する指示を入力する。そして、入力された指示はMFPのWebブラウザによってWebサーバに通知される。
【0007】
この通知を受けたWebサーバは、ユーザから入力された指示の内容に従って、MFPに対して各種処理の実行を要求する。そして、この要求を受けたMFPは、要求された処理を実行する。これにより、MFPを操作するための全ての操作画面情報をMFP内で保持しておく必要がなくなり、また操作画面の内容の変更もWebサーバ上で容易に行うことができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−127503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1のように、情報処理装置の表示部に表示された操作画面を介して入力された指示を一旦サーバに通知し、サーバから返される要求に従って情報処理装置が各種処理を実行する場合、以下の問題が発生し得る。
【0010】
即ち、操作画面を介して入力された指示をサーバに通知した後、サーバから処理の実行を要求されるまでの間に、ユーザが情報処理装置を操作して表示部に表示されている操作画面を他の操作画面に遷移させる場合がある。例えば、Webブラウザで表示した操作画面を介して入力された指示をWebサーバに通知した後、Webブラウザを閉じて情報処理装置内のアプリケーションが提供する他の操作画面に遷移させる場合である。または、Webブラウザ自体は起動させたままの状態で、情報処理装置内のアプリケーションが提供する他の操作画面をWebブラウザよりも前面に新たに表示させる場合である。
【0011】
このような場合、サーバから要求される処理が、処理後にユーザの操作を必要とするものであるとすると、処理を実行したとしても処理後の操作が行われず、処理を実行すること自体が無駄になってしまう可能性がある。例えば、サーバから要求される処理が原稿の読取処理であり、処理によって得られた画像データをユーザがプレビュー確認する必要がある場合に、Webブラウザが閉じられてしまっているとプレビュー確認されることがない。従って、プレビュー確認以降の工程の処理も実行されないことになり、実行した読取処理が無駄になってしまう。
【0012】
また、例えば、サーバから要求される処理を実行するときに、情報処理装置が保持する画面情報に基づいて、「処理実行中」であることを示す画面を表示するような構成にした場合は、次のような問題もある。即ち、遷移後の操作画面をユーザが操作しているときに、サーバから遅れて要求されてくる処理が開始されると同時に「処理実行中」であることを示す画面に切り替えられる(或いは、最前面に上書き表示される)と、ユーザ操作の邪魔になってしまう。
【0013】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであり、サーバからの要求に基づく処理を実行する際に、操作画面が遷移されている場合は、サーバからの要求に基づく処理の実行を制限する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために本発明の情報処理装置は、サーバに接続され、当該サーバにより提供される操作画面を表示可能な表示部を備える情報処理装置であって、前記サーバにより提供され、前記表示部に表示された操作画面を介したユーザからの指示内容を前記サーバに通知する通知手段と、前記通知手段が通知した指示内容に基づいて前記サーバから処理の実行を要求された場合に、当該要求された処理を実行する処理手段と、前記通知手段が前記サーバへの通知を行った後、前記表示部に表示されている操作画面を判断する判断手段と、前記判断手段による判断に基づき、前記サーバにより提供された操作画面が前記表示部に表示されている場合は、前記サーバから要求された処理を前記処理手段に実行させ、前記サーバにより提供された操作画面に代えて他の操作画面が前記表示部に表示されている場合は、前記サーバから要求された処理の実行を行わないよう制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、サーバからの要求に基づく処理を実行する際に、操作画面が遷移されている場合は、サーバからの要求に基づく処理の実行を制限する仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態における情報処理システムの全体図である。
【図2】本発明の実施形態におけるMFP101の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態におけるWebサーバ102の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態における情報処理システムのソフトウェア構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態におけるサービスプロバイダ430の動作を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態における操作部219に表示される操作画面例である。
【図7】Webブラウザ420、Webアプリケーション410、及びサービスプロバイダ430が一連の処理を実行する動作を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0018】
図1は、本実施形態における情報処理システムの全体図である。LAN110には、MFP101およびWebサーバ102が互いに通信可能に接続されている。
【0019】
図2は、MFP101の構成を示すブロック図である。CPU211を含む制御部210は、MFP101全体の動作を制御する。CPU211は、ROM212に記憶された制御プログラムを読み出して読取制御や送信制御などの各種制御を行う。これにより、MFP101は、コピー/スキャン(送信)/プリント等の各種サービスを提供することができる。RAM213は、CPU211の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。
【0020】
HDD214は、画像データや各種プログラム、或いは各種情報テーブルを記憶する。操作部I/F215は、操作部219と制御部210とを接続する。操作部219には、タッチパネル機能を有する液晶表示部やキーボードなどが備えられている。また、MFP101には後述するWebブラウザ機能が備えられており、MFP101のWebブラウザはWebサーバ102から受信したHTMLファイルを解析し、受信したHTMLファイルの記述に基づく操作画面を操作部219の液晶表示部に表示する。また、液晶表示部は、Webサーバ102が提供する操作画面ではなく、MFP101内のアプリケーションが提供する操作画面も表示可能である。
【0021】
プリンタI/F216は、プリンタ220と制御部210とを接続する。プリンタ220で印刷すべき画像データはプリンタI/F216を介して制御部210から転送され、プリンタ220において記録媒体上に印刷される。
【0022】
スキャナI/F217は、スキャナ221と制御部210とを接続する。スキャナ221は、原稿上の画像を読み取って画像データを生成し、スキャナI/F217を介して制御部210に入力する。
【0023】
ネットワークI/F218は、制御部210(MFP101)をLAN110に接続する。ネットワークI/F218は、LAN110上の外部装置(例えば、Webサーバ102)に画像データや情報を送信したり、LAN110上の外部装置から各種情報を受信したりする。
【0024】
図3は、Webサーバ102の構成を示すブロック図である。CPU311を含む制御部310は、Webサーバ102全体の動作を制御する。CPU311は、ROM312に記憶された制御プログラムを読み出して各種制御処理を実行する。RAM313は、CPU311の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD314は、画像データや各種プログラム、或いは後述する各種情報テーブルを記憶する。
【0025】
ネットワークI/F315は、制御部310(Webサーバ102)をLAN110に接続する。ネットワークI/F315は、LAN110上の他の装置との間で各種情報を送受信する。また、Webサーバ102は、図示しないLAN110上のメールサーバを経由させて、画像データを添付した電子メールを送信する機能を有する。
【0026】
図4は、情報処理システム全体のソフトウェア構成を説明するための図である。図4に示す各機能部は、MFP101およびWebサーバ102のそれぞれに備えられているCPUが制御プログラムを実行することにより実現される。
【0027】
MFP101は、Webブラウザ420およびサービスプロバイダ430を備えている。Webブラウザ420は、通信部421、解析部422、及び画面表示部423を含む。通信部421は、HTTPプロトコルに従ってWebアプリケーション410のプレゼンテーション部411と通信する。より具体的には、通信部421は、Webブラウザで表示する操作画面をWebアプリケーション410に対して要求したり、Webブラウザで表示した操作画面を介して入力されたユーザからの指示をWebアプリケーション410に通知したりする。
【0028】
解析部422は、Webアプリケーション410から受信するHTMLファイルを解析する。このHTMLファイルには、Webブラウザに表示すべき操作画面の内容を示す記述が含まれている。画面表示部423は、解析部422による解析の結果に基づいて操作画面を作成および更新する。
【0029】
Webサーバ102には、プレゼンテーション部411及びロジック部412を含むWebアプリケーション410が備えられている。
【0030】
プレゼンテーション部411は、通信部421と通信し、MFP101からの要求に応えてMFP101のWebブラウザで表示すべき操作画面をMFP101に送信する。また、MFP101のWebブラウザに表示された操作画面を介して入力されたユーザからの指示内容をMFP101から受け取る。
【0031】
ユーザからの指示を受け取ったWebアプリケーション410は、指示の内容に従って各種処理を実行するとともに、必要に応じてMFP101に処理の実行を要求する。具体的には、MFP101のプリンタ220による印刷処理の実行や、スキャナ221による読取処理の実行、或いはネットワークI/F218を介した送信処理の実行を要求する。
【0032】
このようにMFP101に対して処理の実行を要求する場合には、ロジック部412がMFP101に備えられたサービスプロバイダ430内の通信部431と通信する。ロジック部412と通信部431の間は、SOAP(Simple Object Access Protocol)/HTTPプロトコルに従って通信される。
【0033】
サービスプロバイダ430は、通信部431、ジョブ生成部432および画面表示部433を含む。通信部431は、Webアプリケーション410内のロジック部412からの処理の要求を受け付ける。Webアプリケーション410から処理の実行を要求された場合、ジョブ生成部432が要求された処理を実行するためのジョブを生成して実行する。画面表示部433は、ジョブ生成部432によるジョブ実行の状況に基づいて実行中画面を作成および更新する。サービスプロバイダ430は実行中画面を操作部219へ表示する際には、画面制御部450に対して実行中画面の表示を指示する。
【0034】
このように、MFP101はサービスプロバイダ430を備えることにより、Webサーバ102(Webアプリケーション410)からの要求に応じて、コピーやスキャン、プリントなどのサービスを提供することができる。
【0035】
画面制御部450は、Webブラウザ420やサービスプロバイダ430、或いは他のモジュールから操作画面の表示が指示された場合に、どの操作画面を優先して表示するかを表示制御する。ある操作画面を優先して表示することは、例えば、その操作画面を最前面に表示することを意味する。
【0036】
図4の例では、ユーザの操作部219からの指示ならびにサービスプロバイダ430からの指示に従って、画面表示部423が表示する操作画面と、画面表示部433が表示する操作画面のどちらの画面を操作部219に優先して表示するかを制御する。
【0037】
読取処理部470は、スキャナ221を用いて原稿上の画像を読み取って画像データを生成する読取処理を実行する。また、印刷処理部480は、プリンタ220を用いて画像データに基づく画像を記録媒体上に印刷する印刷処理を実行する。主制御部460は、MFP101の各機能部を制御する。
【0038】
図5は、MFP101のサービスプロバイダ430がWebアプリケーション410から処理の実行要求を受けたときに行う一連の処理を説明するフローチャートである。図5のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU211がHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0039】
ステップS501では、サービスプロバイダ430の通信部431がWebアプリケーション410から処理の実行要求を受信する。
【0040】
ステップS502では、サービスプロバイダ430がステップS501で受信した処理実行要求により要求されている処理の内容を判断する。ここでは、サービスプロバイダ430が要求され得る処理の内容として「Print」と「ScanToMail」とがある例を説明する。「Print」とは、Webアプリケーション410から送信される画像データをプリンタ220で印刷する処理である。
【0041】
「ScanToMail」とは、スキャナ221で原稿上の画像を読み取って生成した画像データをWebアプリケーション410が受け取り、電子メールに添付してWebサーバ102から所望の宛先に送信する処理である。「ScanToMail」では、スキャナ221により生成された画像データを電子メールで送信する前に、ユーザによる画像データのプレビュー確認を行う。プレビュー確認の具体的な方法は、サービスプロバイダ430からWebアプリケーション410に送信された画像データを、Webアプリケーション410がMFP101のWebブラウザ420に送信して表示させる。そして、ユーザが画像データの内容を確認した後にWebブラウザ420を操作して送信実行を指示すると、この指示がWebアプリケーション410に通知され、Webアプリケーション410による電子メールの送信が実行される。一方、「Print」の場合は、Webアプリケーション410から送信される画像データをプリンタ220で印刷することで処理が完了するため、処理後のユーザ操作は必要ない。
【0042】
また、「ScanToMail」では、スキャナ221による原稿の読み取り処理が実行されている間、後述する図6に示すような、「処理実行中」であることを示す画面が表示される。図6に示す画面には、複数枚の原稿を連続して読み取らせる場合に使用する「読取実行」ボタン604が設けられており、ユーザはスキャナ221に原稿をセットした後に「読取実行」ボタン604を押下することにより、原稿の読み取りが実行される。なお、「Print」の場合は、上述した「処理実行中」であることを示す画面は表示されない。
【0043】
図5の説明に戻り、ステップS503で処理内容が「ScanToMail」であると判断した場合はステップS503に進み、処理内容が「Print」であると判断した場合はステップS505に進む。
【0044】
ステップS503では、サービスプロバイダ430が画面制御部450に問い合わせることにより、MFP101の操作部219に現在最前面に表示されている画面がWebブラウザであるか否かを判定する。ここで、現在最前面に表示されている画面がWebブラウザでない(Webブラウザが表示する操作画面以外の操作画面が表示されている)と判定した場合は、ステップS508に進み、Webアプリケーション410にエラーを応答する。この場合、Webアプリケーション410から要求された処理は実行されない(実行が制限される)。
【0045】
なお、ここでは複数の操作画面を重ねて表示するマルチウィンドウ機能を有する場合の例について説明したが、マルチウィンドウ機能を有さない構成(1つの操作画面を表示するときに、それまでに表示していた操作画面が閉じられる)であっても構わない。この場合、ステップS503では、「現在表示されている画面がWebブラウザであるか否か」が判定される。
【0046】
一方、現在最前面に表示されている画面がWebブラウザであると判定した場合は、ステップS504に進み、図6に示す画面を操作部219に表示するように画面制御部450に指示する。これにより、図6に示す画面が操作部219の最前面(即ち、Webブラウザよりも前面)に表示されることになる。
【0047】
ステップS505では、通信部431がWebアプリケーション410へ正常応答を行うことにより、要求された処理を正常に受け付けたことをWebアプリケーション410に通知する。
【0048】
ステップS506では、ジョブ生成部432が要求された処理を実行するためのジョブを生成して実行する。具体的には、処理内容が「ScanToMail」である場合は、スキャナ211を用いた原稿の読み取り処理を実行する。また、処理内容が「Print」である場合は、Webアプリケーション410から送信される画像データを、プリンタ220を用いて印刷する処理を実行する。なお、ジョブの実行状況に応じて、必要であれば画面表示部433がステップS504で表示した実行中画面を随時更新するようにしても良い。要求された処理が終了すると、ステップS507へ進む。
【0049】
ステップS507ではサービスプロバイダ430が画面制御部450へ画面(図6)のクローズ指示を行い、処理を終了する。指示を受けた画面制御部450は、ステップS504以前に表示していた操作画面(即ち、Webブラウザ420が表示する操作画面)を操作部219の最前面に表示する。なお、処理内容が「Print」の場合は、ステップS504の処理が行われていないため、ステップS507の処理は省略される。
【0050】
図6は、ステップS504で表示される実行中画面の一例である。601は現在実行中の処理内容、処理状況を表示するエリアである。図6の例では、ユーザは処理内容が「ScanToMail」であり、現在の状況は読取処理を実行中であることが判別できる。601は処理の実行状況に応じて随時更新されてもよい。602は設定内容および現在の状況の詳細を表示するエリアである。図6の例でユーザは、カラー設定はグレースケール、倍率は100%および原稿サイズはA4の設定で実行中であることが判別できる。加えて、2ページ目までを読み取り終えた状態であることが判別できる。601と同様に、602の表示内容(例えば、ページ数の表示)は適時更新されてもよい。ボタン603は、実行中の処理を中止するボタンである。ボタン604は、原稿をスキャナ211にセットした後にユーザが読み取り実行を指示するためのボタンである。
【0051】
図7は、Webアプリケーション410から要求される処理の内容が「ScanToMail」である場合のMFP101及びWebサーバ102を含む全体のシーケンス図を示す。
【0052】
ステップS701では、予めWebブラウザ420に登録されたURLまたはユーザにより任意に指定されたURLに基づいて、Webブラウザ420がWebサーバ102(Webアプリケーション410)にアクセスし、操作画面を要求する。この要求を受けたWebアプリケーション410は、ステップS702において、操作画面を表示するための画面データであるHTMLファイルをMFP101(Webブラウザ420)に応答する。
【0053】
HTMLファイルを受信したWebブラウザ420は、ステップS703で操作画面を表示し、ユーザの操作を受け付ける。そして、ユーザが「ScanToMail」の実行を指示したときに、この指示がWebアプリケーション410に通知される(ステップS704)。
【0054】
ステップS705では、Webアプリケーション410がサービスプロバイダ430に対して「ScanToMail」の実行を要求する。そして、この要求を受けたサービスプロバイダ430は、ステップS706において、MFP101の操作部219に現在最前面に表示されている画面がWebブラウザであることを確認する(図5のステップS503の処理に対応する)。なお、ここでMFP101の操作部219に現在最前面に表示されている画面がWebブラウザでない場合は、Webアプリケーション410にエラー応答を行う。
【0055】
ステップS707では、サービスプロバイダ430が、図6に示す画面を操作部219に表示するように画面制御部450に指示する(図5のステップS504の処理に対応する)。続くステップS708では、サービスプロバイダ430がWebアプリケーション410に対して正常応答を行う(図5のステップS505の処理に対応する)。
【0056】
ステップS709では、サービスプロバイダ430が要求された処理を実行する(図5のステップS506の処理に対応する)。続くステップS710では、読取処理により得られた画像データをWebアプリケーション410に送信する。Webアプリケーション410は、ステップS711において、サービスプロバイダ430から送信された画像データをWebブラウザ420に送信する。
【0057】
ステップS712では、Webアプリケーション410から送信された画像データをWebブラウザ420がプレビュー表示し、ユーザに画像データの内容を確認させる。画像データの内容を確認したユーザが、Webブラウザ420により表示される操作画面を介して画像データの送信実行を指示すると、この指示がステップS713でWebアプリケーション410に通知される。そして、ステップS714においてWebアプリケーション410が画像データを電子メールに添付して送信する。なお電子メールの宛先は、ステップS703で表示される操作画面を介してユーザが指定しているものとする。
【0058】
以上説明した通り、本実施形態のサービスプロバイダ430は、Webアプリケーション410から要求された処理の内容に応じて、Webブラウザが現在最前面に表示されていることを条件として処理を実行するか否かを切り替える。即ち、要求された処理の内容が「ScanToMail」の場合は、Webブラウザが現在最前面に表示されていることを条件として処理を実行する。これにより、既に他の操作画面に表示が切り替えられている(例えば、Webブラウザが閉じられている)場合は、処理の実行が制限される。従って、遷移後の操作画面に上書きする形で「処理実行中」であることを示す画面が表示されてユーザ操作の邪魔になることを防止することができる。また、既に他の操作画面に遷移されていることにより、処理後のユーザ操作(例えば、プレビュー確認)が行われない可能性が高いにも関わらず、処理(例えば、読取処理)を実行することを防止することができる。これにより、読取処理の実行によって生成された画像データがいつまでも確認されずWebサーバ102内に留まってしまうことを防止することができる。
【0059】
一方、要求された処理の内容が「Print」の場合は、Webブラウザが現在最前面に表示されているか否かに関わらず処理を実行する。これは、「Print」が、処理後のユーザ操作を必要としない処理であるため、他の操作画面に遷移されていたとしても実行する処理が無駄になる可能性が小さいからである。また、「Print」を実行するときは、「処理実行中」であることを示す画面が表示されないため、遷移後の操作画面を介したユーザ操作の邪魔になることがないからである。
【0060】
なお、本実施形態では、“処理後にユーザ操作を必要とする処理”または“「処理実行中」であることを示す画面が表示される処理”に該当する処理(第1種別の処理)として「ScanToMail」を例に挙げた。また、これらに該当しない処理(第2種別の処理)として「Print」を例に挙げた。しかしながら、各種別に分類される処理の内容は「ScanToMail」や「Print」に限定されない。
【0061】
また、処理の内容または種別毎に、“処理後にユーザ操作を必要とする処理”であるか否か、或いは“「処理実行中」であることを示す画面が表示される処理”であるか否かを示す情報をサービスプロバイダ430内に予め管理するようにしても構わない。または、Webアプリケーション410が処理実行を要求する際に、要求する処理が、“処理後にユーザ操作を必要とする処理”であるか否か、或いは“「処理実行中」であることを示す画面が表示される処理”であるか否かを示す情報を通知するようにしても良い。
【0062】
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0063】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバに接続され、当該サーバにより提供される操作画面を表示可能な表示部を備える情報処理装置であって、
前記サーバにより提供され、前記表示部に表示された操作画面を介したユーザからの指示内容を前記サーバに通知する通知手段と、
前記通知手段が通知した指示内容に基づいて前記サーバから処理の実行を要求された場合に、当該要求された処理を実行する処理手段と、
前記通知手段が前記サーバへの通知を行った後、前記表示部に表示されている操作画面を判断する判断手段と、
前記判断手段による判断に基づき、前記サーバにより提供された操作画面が前記表示部に表示されている場合は、前記サーバから要求された処理を前記処理手段に実行させ、前記サーバにより提供された操作画面に代えて他の操作画面が前記表示部に表示されている場合は、前記サーバから要求された処理の実行を行わないよう制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記サーバから要求された処理が、第1種別の処理であるか第2種別の処理であるかを判定する判定手段を更に備え、
前記制御手段は、前記サーバから要求された処理が前記第1種別の処理である場合は、前記判断手段による判断に基づく前記制御を実行し、前記サーバから要求された処理が前記第2種別の処理である場合は、前記表示部に表示されている操作画面に関わらず当該サーバから要求された処理を前記処理手段に実行させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1種別の処理は、当該処理を実行した後にユーザからの操作を必要とする処理であり、前記第2種別の処理は、当該処理を実行した後にユーザからの操作を必要としない処理であることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理手段が処理を実行する際に、当該処理が実行中であることを示す画面を前記表示部に表示する表示制御手段を更に備え、
前記第1種別の処理は、当該処理が実行される際に前記表示制御手段による画面の表示が行われる処理であり、前記第2種別の処理は、当該処理が実行される際に前記表示制御手段による画面の表示が行われない処理であることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
原稿上の画像を読み取って、当該画像に対応する画像データを生成する読取手段を更に備え、
前記第1種別の処理は、前記読取手段により実行される読取処理を含むことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記サーバから送信される画像データを印刷する印刷手段を更に備え、
前記第2種別の処理は、前記印刷手段により実行される印刷処理を含むことを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示部は、前記サーバから送信されるHTMLファイルを受信し、当該HTMLファイルを解析した結果に基づいて前記操作画面を表示するWebブラウザ機能を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記Webブラウザ機能によって表示される操作画面が前記表示部の最前面に表示されている場合は、前記サーバから要求された処理を前記処理手段に実行させ、前記Webブラウザ機能によって表示される操作画面以外の操作画面が前記表示部の最前面に表示されている場合は、前記サーバから要求された処理の実行を行わないよう制御することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
サーバに接続され、当該サーバにより提供される操作画面を表示可能な表示部を備える情報処理装置の制御方法であって、
前記サーバにより提供され、前記表示部に表示された操作画面を介したユーザからの指示内容を前記サーバに通知する通知工程と、
前記通知手段が通知した指示内容に基づいて前記サーバから処理の実行を要求された場合に、当該要求された処理を実行する処理工程と、
前記通知工程で前記サーバへの通知を行った後、前記表示部に表示されている操作画面を判断する判断工程と、
前記判断工程における判断に基づき、前記サーバにより提供された操作画面が前記表示部に表示されている場合は、前記サーバから要求された処理を前記処理工程で実行させ、前記サーバにより提供された操作画面に代えて他の操作画面が前記表示部に表示されている場合は、前記サーバから要求された処理の実行を行わないよう制御する制御工程と、
を備えることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−128814(P2011−128814A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285757(P2009−285757)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】