説明

情報処理装置、文字情報入力方法、文字情報入力プログラム、文字情報入力プログラムを記録した記録媒体

【課題】操作子数の少ない電子機器で、文字等の情報をスピーディ且つ容易に入力可能とし、文字入力のためのGUIの占有面積を減らす。
【解決手段】コントローラ20は、それぞれが独立して押下される複数のボタンを有する。ゲーム機2は、コントローラ20から、複数のボタンの各々が押下されているか否かを示す操作状態信号を受信して処理する。ゲーム機2は、操作状態信号に基づいて複数のボタンのうち同時に押下されているボタンの組み合わせを仮決定組み合わせとして特定し、仮決定組み合わせを特定した状態で複数のボタンの押下が全て解除されたか否かを判定し、複数のボタンの押下が全て解除されたと判定したとき、仮決定組み合わせを本決定組み合わせとして決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも文字の情報を入力するための情報処理装置、文字情報入力方法、文字情報入力プログラム、文字情報入力プログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、パーソナルコンピュータやワードプロセッサのようなハードウェアキーボードを備えたもののみならず、例えば、携帯電話機やPDA(personal digital assistans)、テレビゲーム機のように、ユーザによって操作可能な操作子数が制限された電子機器においても、文字情報の入力機能が必須の機能となってきている。
【0003】
上記操作子数が制限された電子機器において文字情報の入力が行われる場合、一般的には、仮名の全文字或いはアルファベットの全文字が画面上の所定領域に表示され、それら表示されている各文字の中から、ユーザが所望の文字を選択及び決定するような文字入力システムが採用されている。すなわち、従来の文字入力システムにおいて、仮名文字入力が行われる場合、画面上には例えば「あ行」,「か行」,「さ行」,…のように行単位で五十音順に各仮名文字が規則正しく並べて表示され、それら各文字の中から所望の文字がユーザにより選択され、さらにその選択状態を決定するための操作がユーザにより行われることで、文字情報の入力がなされる。また、従来の文字入力システムにおいて、アルファベット文字の入力が行われる場合、画面上には「A」から「Z」までの各文字が所定の規則で並べられ、上述同様にそれら各文字の中から所望の文字がユーザにより選択され、さらにその選択状態を決定するための操作がユーザにより行われることで、文字情報の入力がなされる。また、仮名漢字変換を行う文字入力システムにおいて、いわゆるローマ字入力が行われる場合、ユーザは、画面上に表示された各アルファベット文字の中から、先ず「a,k,s,t,n,h,m,y,r,w」の何れかの子音音素に対応した文字を選択し、次に、「a,i,u,e,o」の何れかの母音音素に対応した文字を選択した後、その選択状態を決定するための操作を行うことで、1つの仮名文字を入力することになる。なお、上記画面上に表示される文字の配列は、ハードウェアキーボートと同じ配列になされる場合(いわゆるソフトウェアキーボード)が多い。
【0004】
ところで、上記操作子数が制限された電子機器において、上記画面上に表示されている各文字の中から所望の文字を選択する場合、一般的には、画面上にカーソルを表示し、ユーザがそのカーソルを操作して所望の文字上に移動させた上で所定の決定ボタン等を操作するような文字選択のための手法が採用されている。
【0005】
しかしながら、上述した従来の文字入力システムは、カーソルを所望の文字上まで移動させるのに時間がかかったり、移動しているカーソルを所望の文字上で上手く停止させるのに慣れが必要である。また、上述の文字入力システムの場合、入力する1つの文字を決定するまでに、カーソルを所望の文字上に移動させる操作や、選択状態の文字を決定するための所定のボタンの操作など、多くの操作が必要であり非常に煩雑である。したがって、従来の文字入力システムは、スピーディで且つ容易に文字入力を行うことが難しい。
【0006】
さらに、従来の文字入力システムは、上記五十音順の全文字やアルファベットの全文字を画面上に表示するため、モニタ画面上の多くの表示領域を占有してしまう。したがって、従来の文字入力システムは、例えば文字入力のためのGUI(Graphical User Interface)以外の他の画像を同時に表示し難いという欠点もある。
【0007】
この点に関し、操作子数が制限された電子機器において、文字等の情報のスピーディ且つ容易な入力を可能とし、文字入力の際にGUIがモニタ画面上で占める面積を減らすことをも可能とするため、複数の操作自由度を有する第1及び第2操作部を備えた文字情報入力装置が提案されている。
【0008】
この文字情報入力装置では、文字を特定するための複数の各文字情報を、第1操作部が備える複数の各操作自由度と第2操作部が備える複数の各操作自由度に対してそれぞれ個々に設定し、各操作部のうちの何れか一方での所定操作に応じて決定した文字情報と、他方での所定操作に応じて決定した文字情報とから一文字が特定される。
【0009】
【特許文献1】特開2004−21346号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上記従来の文章情報入力装置では、複数の操作自由度を有する操作部を複数設ける必要があり、押下操作によって入力を行う操作部のみが設けられたコントローラに適用することができず、汎用性が低い。
【0011】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、押下操作によって入力を行う操作部のみが設けられた入力装置に適用可能であり、且つ文字のスピーディ且つ容易な入力が可能な情報処理装置、文字情報入力方法、文字情報入力プログラム、文字情報入力プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の情報処理装置は、組み合わせ決定手段と文字決定手段とを備え、それぞれが独立して押下される複数の操作部を有する入力装置から、前記複数の操作部の各々が押下されているか否かを示す操作状態信号を受信して処理する。
【0013】
組み合わせ決定手段は、操作状態信号に基づいて複数の操作部のうち同時に押下されている操作部の組み合わせを仮決定組み合わせとして特定し、当該仮決定組み合わせを特定した状態で操作状態信号が所定の本決定状態に変更されたか否かを判定し、操作状態信号が本決定状態に変更されたと判定したとき、仮決定組み合わせを本決定組み合わせとして決定する。
【0014】
文字決定手段は、複数の操作部の組み合わせと文字との間に設定された対応関係を参照し、組み合わせ決定手段が決定した本決定組み合わせに対応する文字を入力文字として決定する。
【0015】
ユーザは、所望の文字を入力する場合、予め設定された複数の操作部の組み合わせの中から所望の文字に対応する1つの組み合わせを選択し、その組み合わせの操作部を同時に押下し、その押下状態から操作状態信号を所定の本決定状態に変更するための操作を行う。この操作状態信号を所定の本決定状態に変更するための操作は、例えば、複数の操作部のうち本決定組み合わせに使用されることがない所定の操作部を含むように複数の操作部を同時に押下する操作や、全ての操作部の押下を同時に解除する操作などである。操作状態信号が上記所定の本決定状態に変更されると、組み合わせ決定手段は、上記1つの組み合わせを仮決定組み合わせとして特定し、同時に解除されると、文字決定手段は、上記1つの組み合わせに対応した文字を入力文字として決定する。従って、ユーザは、所望の1つの組み合わせの操作部を同時に押下し、その押下状態で操作状態信号を所定の本決定状態に変更するための操作を行うという一連の操作によって、所望の文字の入力を行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、押下操作によって入力を行う操作部のみが設けられた入力装置に適用することができ、且つ文字のスピーディ且つ容易な入力が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の文字入力システムの一実施の形態として、テレビゲーム機の入力装置(以下、コントローラと呼ぶ)を使用し、テレビジョン画面上で文字情報の入力を行う例を挙げて説明する。
【0018】
[システムの概略]
図1は、本実施の形態のシステムの概略構成を示す。このシステム1は、情報処理装置としてのテレビゲーム機(以下、単にゲーム機と称する)2と、当該ゲーム機2に接続されてユーザ(プレイヤー)により操作される入力装置であるコントローラ20と、ゲーム画面や入力された文字,記号等を表示したり音を出力するためのテレビジョンモニタ装置10とからなる。
【0019】
上記ゲーム機2は、メモリカードスロット8A,8B、コントローラポート7A,7B、ディスクトレイ3、ボタン4,9、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394接続端子6、USB(Universal Serial Bus)接続端子5等を備えている。メモリカードスロット8A,8Bは、メモリカード14を着脱自在に構成されている。コントローラポート7A,7Bは、上記コントローラ20に接続されたケーブル13のコネクタ12が着脱自在に構成されている。ディスクトレイ3は、DVD−ROMやCD−ROM等の光ディスクが装填可能に構成されている。ボタン9は、ディスクトレイ3をオープン/クローズさせるためのボタンである。ボタン4は、電源のオンやスタンバイ,ゲームのリセットを行うためのボタンである。また、図示は省略するが、当該ゲーム機2の背面側には、電源スイッチ、音響映像出力端子(AVマルチ出力端子)、PCカードスロット、光ディジタル出力端子、ハードディスクドライブの挿入部、AC電源入力端子などが設けられている。
【0020】
当該ゲーム機2は、上記CD−ROM,DVD−ROM等の光ディスクや半導体メモリ等の記録媒体から読み出したアプリケーションプログラムと、コントローラ20を介したユーザからの指示とに基づいて、ゲームや文字情報入力等を実行する。また、ゲーム機2は、電話回線、LAN、CATV回線、通信衛星回線等の各種通信回線(伝送媒体)を介してダウンロードされたアプリケーションプログラムに基づいて、ゲームや文字情報入力等を実行することもできる。
【0021】
また、図1に示したゲーム機2は、コントローラポート7A,7Bにそれぞれコントローラ20を接続することができる。また、ゲーム機2は、メモリカードスロット8A,8Bに装着されたメモリカード14に、各種のゲームデータや文章データ等を記憶させることができる。
【0022】
なお、上記ゲーム機2は、例えばCDに記録されたオーディオデータやDVDに記録された映画等のビデオ及びオーディオデータをも再生可能である。また、ゲーム機2は、ゲーム以外の各種のアプリケーションプログラムに基づいて動作することも可能である。
【0023】
[コントローラの概要]
上記コントローラ20は、図1〜図3に示すように、左把持部20L、右把持部20R、左操作部21、右操作部22、左スティック23L、右スティック23R、L1ボタン29a、L2ボタン29b、R1ボタン28a、R2ボタン28b等を備えている。左把持部20Lは、ユーザが左手101の手の平により内包するように把持する部分である。右把持部20Rは、ユーザが右手102の手の平により内包するように把持する部分である。左操作部21および右操作部22は、それら把持部20L,20Rを左右の手101,102により把持した状態で、ユーザが、左右の親指101T,102Tによりそれぞれ操作する部分である。左スティック23Lおよび右スティック23Rは、把持部20L,20Rを左右の手101,102により把持した状態で、ユーザが左右の親指101T,102Tによりそれぞれ傾倒及び周回自在に操作(ジョイスティック操作)を行う部分である。L1ボタン29aおよびその下方に配置されるL2ボタン29bは、ユーザが左手101の例えば人差し指101Iと中指(図示省略)によりそれぞれ押圧してオン操作するボタンである。R1ボタン28aおよびその下方に配置されるR2ボタン28bは、ユーザが、右手102の例えば人差し指102Iと中指(図示省略)によりそれぞれ押圧してオン操作するボタンである。
【0024】
上記左操作部21には、上方向、右方向、下方向及び左方向を表す刻印がそれぞれ施された方向指示ボタン(十字キー)21a,21b,21c,21dが設けられている。これら方向指示ボタン21a,21b,21c,21dは、ユーザが左手101の親指101Tにより押下してオン操作するボタンであり、指示方向に対応した上下左右に十字状に配置されている。ユーザは、例えば画面上でゲームキャラクタなどのオブジェクトを移動させたりする際に、左手101の親指101Tで方向指示ボタン21a,21b,21c,21dを押下してオン操作する。また、方向指示ボタン21a,21b,21c,21dは、上下左右の方向指示のみならず、斜め方向の方向指示にも用いられる。例えば方向指示ボタン21a,21bを同時に押圧操作することで、ユーザは、右斜め上方向の方向指示をゲーム機2に与えることができる。他の方向指示ボタンにおいても同様であり、例えば方向指示ボタン21c,21dを同時に押圧操作することで、ユーザは、左斜め下方向の方向指示をゲーム機2に与えることができる。なお、以下の説明において、方向指示ボタン21aを上ボタン、方向指示ボタン21bを右ボタン、方向指示ボタン21cを下ボタン、方向指示ボタン21dを左ボタンとそれぞれ称する。
【0025】
また、上記右操作部22には、アプリケーションプログラムによりそれぞれ異なる機能が割り付けられる4つの指示ボタン22a,22b,22c,22dが設けられている。これら指示ボタン22a,22b,22c,22dは、ユーザが右手102の親指102Tにより押下してオン操作するボタンである。これら指示ボタンのうち、ボタン22aにはその表面に三角(△)形状の刻印が施されており、ボタン22bにはその表面に丸(○)形状の刻印が、ボタン22cにはその表面にバツ(×)形状の刻印が、ボタン22dにはその表面に四角(□)形状の刻印が施されている。なお、以下の説明において、ボタン22aを三角ボタン、ボタン22bを丸ボタン、ボタン22cをバツボタン、ボタン22dを四角ボタンとそれぞれ称する。
【0026】
左スティック23Lは、操作軸23LAを中心として、任意の方向に所定の角度までの傾倒操作が可能で、且つ所望の角度だけ傾倒させた状態で周回操作が可能な傾倒操作子23LHを備えている。同様に、右スティック23Rは、操作軸23RAを中心として、傾倒及び周回操作が可能な傾倒操作子23RHを備えている。また、上記傾倒操作子23LHは、弾性部材により中立位置に復帰するように取り付けられた操作軸23LAの先端側に取り付けられており、ユーザにより傾倒操作がなされていない時には起立した状態(傾きのない状態、以下、ニュートラル状態と表記する)でそのポジション(基準ポジション)が保持される。同様に、上記傾倒操作子23RHは、操作軸23RAの先端側に取り付けられ、ユーザにより傾倒操作がなされていない時にはニュートラル状態でそのポジションが保持される。すなわち、これら左スティック23L及び右スティック23Rは、それぞれ、基準ポジションに対して360度何れの方向へも傾倒操作が可能であり、また、傾倒された状態でそれぞれ操作軸23LA,23RAを中心にして360度何れの方向へも周回操作可能な、操作自由度を備えている。また、左スティック23L,右スティック23Rは、それぞれその内部に、上記傾倒操作子23LH,23RHの傾倒及び周回操作に応じた可変のアナログ値を出力する可変アナログ値出力手段(図示は省略)を備えている。上記可変アナログ値出力手段は、例えば可変抵抗素子等を備えており、上記傾倒操作子23LH,23RHの傾倒及び周回操作に応じて当該可変抵抗素子の抵抗値が変化する。当該左スティック23L,右スティック23Rの上記傾倒操作子23LH,23RHを傾倒操作した時には、上記基準ポジションに対する傾き量とその傾き方向に応じたXY座標上の座標値が検出され、当該座標値が操作出力としてゲーム機2へ送られる。
【0027】
また、コントローラ20は、機能選択スイッチ26、点灯表示部27、セレクトボタン25、スタートボタン24等を備えている。機能選択スイッチ26は、左右操作部21,22や左右スティック23L,23Rの機能を動作若しくは停止させたりする操作機能の選択を行うためのスイッチである。点灯表示部27は、上記選択された操作機能を点灯表示によりユーザに認識させるためのLED(発光ダイオード)等を備える。スタートボタン24は、文字情報入力のためのアプリケーションプログラムの実行開始は停止などをユーザが指示するためのボタンである。セレクトボタン25は、モニタ画面11上にメニュー等を表示させることなどをユーザが指示するためのボタンである。
【0028】
このコントローラ20上の各種ボタンや左右スティック23L,23Rがユーザにより操作されると、当該コントローラ20は、それら操作に応じた操作信号を発生し、その操作信号を上記ケーブル13及びコネクタ12,コントローラポート7を介してゲーム機2へ送信する。例えば、ユーザがあるボタンを押下すると、コントローラ20は、押下されたボタンに対応したON信号を操作信号(操作状態信号)としてゲーム機2へ送信し、ゲーム機2は、コントローラ20から受信した操作信号に基づき、コントローラ20の各種ボタンのうち何れのボタンが押下されているかを認識する。
【0029】
[コントローラのキーコンフィグ]
次に、文字の入力が行われる際に、ゲーム機2がコントローラ20の各種ボタンに割り当てる機能について説明する。
【0030】
上記文字情報入力が行われるとき、テレビゲーム機2は、左操作部21の4つの方向指示ボタン(上ボタン21a、右ボタン21b、下ボタン21c、及び左ボタン21d)と、右操作部22のうち三角ボタン22a及び丸ボタン22bと、R1ボタン28aと、L1ボタン29aとに、その組み合わせに応じた文字や記号やステート(以下文字等と称する)を特定するための機能を割り当てる。また、ゲーム機2は、バツボタン22cに漢字変換などの文字変換機能を割り当て、丸ボタン22bにリターン機能を割り当て、四角ボタン22dにバックスペース機能を割り当てる。さらに、テレビゲーム機2は、所定のボタン又はその組み合わせ(本実施形態では、丸ボタン22bとL1ボタン29aとの組み合わせ)に、仮名文字を入力するための仮名入力モードか若しくは、アルファベット文字や数字,記号等を入力するための英数字入力モードの何れか一方のモードへの変更の指示入力のための機能を割り当てる。上記仮名入力モードとは、平仮名の他、文字変換や文節変換により片仮名、漢字の入力を行うためのモードである。英数字入力モードとは、アルファベット小文字,数字,記号の他、文字変換によりアルファベット大文字やドイツ語のウムラウト、フランス語のセディーユ、スペイン語の感嘆符等の特殊文字の入力を行うためのモードである。なお、ゲーム機2が通信機能を有するものであるとき、R2ボタン28bには、文字情報の送信開始の指示入力機能が割り当てられる。
【0031】
ゲーム機2には、後述するように、仮名入力モード及び英数字入力モードにそれぞれ対応した文字情報のテーブル(図4及び図5に示す)が予め記憶され、文字情報のテーブルを参照して押下されたボタンの組み合わせに応じた文字等を特定及び決定する。また、文字等の入力に際して使用する全てのボタン(上ボタン21a、右ボタン21b、下ボタン21c、左ボタン21d、三角ボタン22a、丸ボタン22b、R1ボタン28a、及びL1ボタン29a)は、第1のグループと第2のグループとに分けられている。第1のグループには、上ボタン21a、右ボタン21b、下ボタン21c、及び左ボタン21dが属し、第2のグループには、三角ボタン22a、丸ボタン22b、R1ボタン28a、及びL1ボタン29aが属する。各テーブルは、第1のグループ内で押下するボタンを規定する第1押下パターンと、第2のグループ内で押下するボタンを規定する第2押下パターンとの組み合わせによって、1つの文字等が特定されるように設定されている。
【0032】
[文字等及び機能の特定及び決定]
上述のように、各種ボタンには、その組み合わせに応じて文字等や実行処理を特定する機能が割り当てられ、ユーザが上記複数のボタンから所定のボタンを選択して押下すると、ゲーム機2は、押下されたボタンの組み合わせ(押下された1つのボタン又は同時に押下された複数のボタンの組み合わせ)に対応して予め設定された1つの文字等又は処理を特定する。また、ゲーム機2は、コントローラ20から受信している操作信号が予め定められた所定の本決定状態に変更されたタイミングで、ボタンの組み合わせ(特定した文字等や処理)を決定する。本実施形態では、押下されているボタンが全て解除されたタイミング(押下されている全てのボタンの操作信号がOFFに変更されたタイミング)で、ボタンの組み合わせを決定する。すなわち、何れかのボタンの押下が継続されている状態では、その組み合わせは、適宜変更可能な未決定状態で特定され、全てのボタンの押下が解除されたときに決定される。なお、特定された組み合わせを仮決定組み合わせと称し、決定された組み合わせを本決定組み合わせと称する。また、ユーザが押下したボタンの組み合わせが予め設定された組み合わせの何れにも該当しない場合、後述する左操作部21の押下判定における特定組み合わせの場合を除き、ゲーム機2は、押下されたボタンの組み合わせを無効とし、文字等又は処理を特定しない。
【0033】
例えば、全てのボタンの押下が解除された状態から予め設定された組み合わせである三角ボタン22aと上ボタン21aとがともに押下されると、ゲーム機2は、三角ボタン22aと上ボタン21aとの組み合わせに対応した1つの文字等を入力文字として特定し、三角ボタン22aと上ボタン21aとの押下がともに解除されると、三角ボタン22aと上ボタン21aとの組み合わせに対応した1つの文字等を入力文字として決定する。同様に、全てのボタンの押下が解除された状態から四角ボタン22dのみが押下されると、四角ボタン22dに対応した1つの処理を特定し、さらに、四角ボタン22dの押下が解除されると、四角ボタン22dに対応した1つの処理を決定し実行する。
【0034】
ここで、ユーザが複数のボタンを押下して解除する場合、完全に同じタイミングで全てのボタンを解除することは難しく、各ボタンを解除するタイミングには通常ずれが生じるため、単に全てのボタンを解除したときの最後のボタンの組み合わせを本決定組み合わせとして採用すると、ユーザの意図していない組み合わせが本決定組み合わせとして採用されてしまう可能性が生じる。このため、ゲーム機2は、最初にボタンが押下されたときから全てのボタンの押下が解除されるまでの間において、同時に押下されたボタンの組み合わせを変更する度に、その組み合わせが継続した時間(以下、組み合わせ継続時間と称する)をカウントし、組み合わせ継続時間が最も長時間であるボタンの組み合わせを本決定組み合わせとして優先して採用し、ユーザからの指示入力として決定する。すなわち、ゲーム機2は、最初に特定した仮決定組み合わせを仮決定情報として記憶するとともに、その組み合わせ継続時間を最長組み合わせ継続時間として記憶し、その仮決定組み合わせが本決定組み合わせとして採用されることなく(何れかのボタンが押下されたまま)、仮決定組み合わせが変更されると、変更後の組み合わせ継続時間を再度カウントし、カウントした組み合わせ継続時間が前回記憶した最長組み合わせ継続時間に達すると、既に記憶された仮決定情報を更新して最新の仮決定組み合わせを仮決定情報として記憶するとともに、既に記憶された最長組み合わせ継続時間を最新の最長組み合わせ継続時間に更新して記憶するという処理を、全てのボタンの押下が解除されるまで実行する。そして、全てのボタンの押下が解除されたときに、仮決定情報として最後に記憶した仮決定組み合わせをユーザからの指示入力と判定し、本決定組み合わせとして採用する。すなわち、何れかのボタンが押下されている間であれば、特定されたボタンの組み合わせ(仮決定組み合わせ)は未決定状態であり、ユーザは、他の組み合わせに任意に変更して決定することができる。
【0035】
例えば、三角ボタン22aとR1ボタン28aと上ボタン21aとの組み合わせを選択して押下する場合において、ユーザが最初に三角ボタン22aを押下し、次に三角ボタン22aを押下したまま上ボタン21aを第1の時間T1継続して押下し、さらに三角ボタン22aと上ボタン21aとを押下したままR1ボタン28aを第2の時間T2継続して押下した後、全てのボタンの押下を解除した場合、ゲーム機2は、T1>T2であれば、三角ボタン22aと上ボタン21aとの組み合わせを最後の仮決定情報として記憶し、この組み合わせを優先して採用する。一方、T1≦T2であれば、三角ボタン22aとR1ボタン28aと上ボタン21aとの組み合わせ継続時間が第1の時間T1に達したときに、三角ボタン22aと上ボタン21aとR1ボタン28aとの組み合わせを最後の仮決定情報として記憶し、この組み合わせを優先して採用する。なお、上述のように、T1=T2の場合には、後の組み合わせ(三角ボタン22aと上ボタン21aとR1ボタン28a)を優先して採用する。
【0036】
また、ゲーム機2は、特定した文字等をテレビジョンモニタ装置10に仮決定態様で表示する。そして、全てのボタンの押下が解除されて特定した文字等を入力文字として決定すると、その表示を仮決定態様から本決定態様へ変更する。従って、ユーザは、テレビジョンモニタ装置10に表示された仮決定態様の文字等が所望の文字等であるか否かを視認し、所望の文字等が表示されている場合には、全てのボタンの押下を解除してその文字等を入力文字として決定することができる。また、ユーザは、所望の文字等が表示されていない場合には、少なくとも1つのボタンの押下を継続して未決定状態を保持しながら、所望の文字等が表示されるまで押下するボタンの組み合わせを適宜変更することができる。
【0037】
例えば、ゲーム機2は、三角ボタン22aを押下したまま上ボタン21aを継続して押下される上記第1の時間T1の間は、テレビジョンモニタ装置10に三角ボタン22aと上ボタン21aとの組み合わせに対応した第1の文字等を仮決定態様で表示し、R1ボタン28aが押下された際にも仮決定態様での第1の文字等の表示を継続し、R1ボタン28aの継続押下時間(上記第2の時間T2)が第1の時間T1に達したときに、三角ボタン22aとR1ボタン28aと上ボタン21aとの組み合わせに対応した第2の文字等を仮決定態様で表示し、全てのボタンの押下が解除されたときに、第2の文字等を本決定態様で表示する。
【0038】
上述のように文字等の特定及び決定を行うことにより、操作に慣れた上級者は、1回の入力操作(所望の文字等に対応した所定の組み合わせのボタンを同時に1回押下して同時に解除する操作)によって、所望の文字等を入力することができる。また、操作に慣れていない初心者であっても、全てのボタンの押下を解除しない限り(何れかのボタンを押下している限り)、他の組み合わせに何度でも任意に変更して決定することができる。
【0039】
[上限閾値]
ユーザがボタンの組み合わせを間違えて長時間押下した後、間違えに気づいて組み合わせを修正した場合に、上述のように単に組み合わせ継続時間が最も長い組み合わせを最優先して採用してしまうと、修正した組み合わせのボタンを誤って押下した時間よりも常に長時間継続して押下しなければならず、入力操作に要する時間が増大してしまう可能性が生じる。このため、ゲーム機2は、組み合わせ継続時間をカウントする際に、そのカウント値が予め設定された上限閾値に達した場合には、上限閾値を最長組み合わせ継続時間として記憶する。このように最長組み合わせ継続時間の上限閾値が設定されているので、ボタンの組み合わせを間違えて長時間押下した後に組み合わせを修正したいユーザは、修正した組み合わせのボタンを上限閾値以上の時間継続して押下すればよい。すなわち、適正な組み合わせのボタンを継続して押下する時間が上限閾値以上であれば、最初の誤操作による組み合わせ継続時間と最後の適正な組み合わせ継続時間とがともに上限閾値となり、後の組み合わせである適正な組み合わせが優先して採用されるため、未決定状態で一度特定されたボタンの組み合わせを比較的短時間に修正変更することが可能となる。従って、入力操作に要する時間の増大を抑制することができ、操作性が向上する。なお、上限閾値が設定された状態と設定されていない状態とにユーザからコントローラ20への所定の入力に応じて切換可能にゲーム機2を構成してもよい。
【0040】
また、上限閾値が設定されていると、組み合わせ継続時間が上限閾値に達する度に、ゲーム機2は、仮決定組み合わせを仮決定情報として更新して記憶し、テレビジョンモニタ装置10の画面上における仮決定態様の文字等の表示を変更する。
【0041】
[下限閾値]
所定のボタンの組み合わせを入力しようとしたユーザが誤って他のボタンを瞬間的に押下して直ぐに正規のボタンを押下し直した場合、このような誤入力によって組み合わせが極めて短時間に変化してしまう可能性が生じる。このため、ゲーム機2は、各ボタンのそれぞれについて、ボタン有効/無効判定処理を行う。すなわち、各ボタンについて、正規な入力として認識するための必要最低限の時間(予め設定された下限閾値(下限閾値<上限閾値))を超えて継続して押下されたか否かを判定し、下限閾値を超えて継続してボタンが押下されている場合に限り、正規の押下操作が行われたと判定して、そのボタンの押下を有効とし、押下時間が下限閾値以下の場合には、誤った押下操作が行われたと判定して、そのボタンの押下を無効とする。
【0042】
[初心者用設定と上級者用設定]
仮決定組み合わせの変更に要する時間を短縮するためには、上記上限閾値は短く設定されている方が好ましい。しかし、上限閾値が短い場合、最長組み合わせ継続時間が上限閾値となる頻度が高くなるため、ユーザは、全てのボタンの押下を解除して入力文字等を決定する際に、その解除操作の途中で意図しない仮決定組み合わせの組み合わせ継続時間が上限閾値に達しないように(意図しない仮決定組み合わせが本決定組み合わせとして採用されないように)、その解除操作を慎重に行う必要がある。すなわち、ユーザが入力文字等を決定する際に、その解除操作に細心の注意を払うことなくノイズ(ユーザの意図しない誤入力)を少なくするためには、上限閾値は長く設定されている方が好ましい。このため、ボタン操作は丁寧であるが、ボタンの組み合わせの変更回数が多い初心者にとっては、上限閾値はある程度短時間に設定されていた方が好ましく、反対に、ボタン操作はあまり丁寧ではないが、ボタンの組み合わせの変更回数は少ない上級者にとっては、上限閾値はある程度長時間に設定されていた方が好ましい。上記理由から、ゲーム機2は、コントローラ20を操作するユーザが初心者か上級者かを判定し、判定の結果、上級者の場合には上級者用として第1の上限閾値を設定し、初心者の場合には第1の上限閾値よりも小さい(短時間である)第2の上限閾値を設定する。なお、設定される上限閾値をユーザからコントローラ20への所定の入力に応じて切換可能にゲーム機2を構成してもよく、また、初心者用、中級者用及び上級者用のように、3段階以上に上限閾値を設定可能としてもよい。
【0043】
また、ゲーム機2は、初心者か上級者かの判定を、最初にボタンが押下されたときから全てのボタンの押下が解除されるまでの時間、すなわち1つのボタンの組み合わせを決定するためにユーザが要した時間(以下、単位操作時間と称する)に基づいて行う。
【0044】
すなわち、ユーザが上記文字情報入力を開始すると、ゲーム機2は、ユーザが1つのボタンの組み合わせを決定する度に(本決定組み合わせが採用される度に)、その決定に対応する単位操作時間をカウントし、カウントした単位操作時間が予め設定された判定基準時間を超えているか否かを判定し、判定基準値を超えていれば初心者用カウンタを増加し、判定基準値以下であれば上級者カウンタを増加する。そして、初心者用カウンタのカウント値と上級者用カウンタのカウント値との比(初心者用カウンタのカウント値/上級者用カウンタのカウント値)を判定対象値として求め、求めた判定対象値を予め設定された判定用基準値と比較し、判定対象値が判定用基準値を超えていれば初心者と判定し、判定対象値が判定用基準値以下であれば上級者と判定する。
【0045】
[左操作部の押下判定の設定]
後述するように、本実施形態の文字入力モード(仮名入力モード及び英数字入力モード)では、ユーザの左手101の親指101Tによって操作される左操作部21の方向指示ボタン(上ボタン21a、右ボタン21b、下ボタン21c、左ボタン21d)については、これらのうち複数のボタンが同時に押下された場合の組み合わせは設定されていない。このため、文字入力モードにおいて、左操作部21の上ボタン21a、右ボタン21b、下ボタン21c、左ボタン21dのうち複数のボタンが同時に押下されている場合、ゲーム機2は、押下されたボタンの組み合わせを無効とし、文字等又は処理を基本的に特定しない。
【0046】
しかし、上ボタン21aと右ボタン21bと下ボタン21cと左ボタン21dは、十字状に配置され、ユーザは、左手101の親指101Tの位置を移動させることによって十字状に配置された4つの方向指示ボタン21a〜21dの中から1つの所望のボタンを押下するため、押下操作時に意図せずに誤って複数のボタンを同時に押下してしまう可能性が生じる。このようなユーザが意図しない誤操作時において、ボタンの組み合わせを一律に無効としてしまうと、ユーザにとっての操作性が低下してしまう可能性が生じる。このため、ゲーム機2は、4つの方向指示ボタン21a〜21dのうちユーザが意図しない誤操作によって同時に押下されてしまう可能性の高い組み合わせ(特定組み合わせ)を予め記憶し、特定組み合わせのボタンが押下されたか否かを判定し、特定組み合わせのボタンが押下された場合には、予め設定された優先ボタン決定処理(以下、十字キーフィルタ処理と称する)によって決定した優先ボタンの押下のみを有効とし、他のボタン(特定組み合わせのうちの他のボタン)の押下を無効とする。
【0047】
本実施形態では、上ボタン21aと右ボタン21bとの組み合わせ、右ボタン21bと下ボタン21cとの組み合わせ、下ボタン21cと左ボタン21dとの組み合わせ、及び左ボタン21dと上ボタン21aとの組み合わせが、特定組み合わせとして設定されている。なお、他の組み合わせを特定組み合わせとして設定してもよい。
【0048】
また、上記十字キーフィルタ処理として、本実施形態では、ボタンの押下順序を優先した処理(第1のフィルタ処理)と、ボタンの配置を考慮した処理(第2のフィルタ処理)と、ユーザのくせを考慮した処理(第3のフィルタ処理)とが設定されている。
【0049】
第1のフィルタ処理では、上記特定組み合わせのボタンが同時に押下された場合、先に押下されたボタンを有効とし、後から押下されたボタンを無効とする。例えば、ゲーム機2は、上ボタン21aが押下され、続いて右ボタン21bが押下された場合、上ボタン21aのみを有功とし、右ボタン21bを無効とする。
【0050】
第2のフィルタ処理では、上記特定組み合わせのボタンが同時に押下された場合、ボタンの押下順に関係なく、ユーザの手(指)に対するボタンの配置に応じて優先ボタンを決定する。本実施形態では、ユーザがコントローラ20を把持した状態で左手101の親指101Tの付け根から遠くに位置すると想定されるボタンの方を優先ボタンとして設定する。例えば、上ボタン21aと右ボタン21bとの組み合わせでは右ボタン21bを優先ボタンとし、右ボタン21bと下ボタン21cとの組み合わせでは右ボタン21bを優先ボタンとし、下ボタン21cと左ボタン21dとの組み合わせでは下ボタン21cを優先ボタンとし、左ボタン21dと上ボタン21aとの組み合わせでは上ボタン21aを優先ボタンとしてそれぞれ設定する。
【0051】
なお、ゲーム機2は、特定組み合わせの種類によらず、第1のフィルタ処理と第2のフィルタ処理とのうち何れか一方の処理を択一的に設定してもよく、また特定組み合わせの種類に応じて、第1のフィルタ処理と第2のフィルタ処理とのうち何れか一方の処理を個別に設定してもよい。例えば、上記4つの特定組み合わせのうち、上ボタン21aと右ボタン21bとの組み合わせの場合には第1のフィルタ処理によって優先ボタンを決定し、他の組み合わせの場合には第2のフィルタ処理によって優先ボタンを決定してもよい。
【0052】
第3のフィルタ処理では、ユーザのボタン操作のくせ(傾向)を記憶しておき、ユーザのくせに応じて優先ボタンを決定する。すなわち、ゲーム機2は、ボタンの組み合わせの特定及び決定が継続して行われているときに、特定組み合わせのボタンが押下された後に最終的に何れのボタンの組み合わせが決定されたか(特定ボタンの組み合わせのうち何れのボタンが選択されたか)を記憶し、特定組み合わせのうちユーザが最終的に選択して決定したボタンを優先ボタンとして設定する。なお、同じユーザによって文字入力が継続して行われている場合であっても、特定組み合わせのボタンが押下された後に最終的に決定されるボタンの組み合わせ(特定組み合わせのうち選択されるボタン)は常に同じであるとは限らない。このため、本実施形態の第3のフィルタ処理では、直前に選択されたボタンを優先ボタンとして設定する。なお、各特定組み合わせについて各ボタンが選択された回数を積算して記憶し、選択された回数が多い方のボタンを優先ボタンとして設定してもよい。また、第3のフィルタ処理は、特定組み合わせのボタンが最初に押下されたときには実行できない。このため、ゲーム機2は、入力開始時の初期状態では、上記第1又は第2のフィルタ処理若しくはボタンの組み合わせを特定しない基本処理の何れかの処理を実行し、かかる処理において、特定組み合わせから1つのボタンが選択され決定されたときに、そのボタンを優先ボタンとして設定し、それ以降第3のフィルタ処理を実行する。
【0053】
また、一般に、ボタン操作に慣れておらず慎重な操作を行う初心者は、特定組み合わせのボタンを押下してしまう場合、先に目的のボタンを押下し、後で意図しないボタンを押下する傾向が高い。これに対し、ボタン操作に慣れた上級者は、特定組み合わせのボタンを押下してしまう場合、先に目的のボタンを押下する傾向は低く、ボタンの配置に依存する傾向が高い。すなわち、特定組み合わせボタンのうち何れのボタンを優先ボタンとして設定するかは、ユーザの熟練度によって相違する。このため、ゲーム機2は、ユーザの熟練度に応じて好適なフィルタ処理(第1〜第3のフィルタ処理の何れか)を設定する。例えば、上記初心者か上級者かの判定を行った結果、初心者と判定した場合には、上記十字キーフィルタ処理として上記第1のフィルタ処理を設定する。一方、上級者と判定した場合には、上記十字キーフィルタ処理として、上記第2のフィルタ処理を設定する。また、初心者又は上級者の何れの場合であっても、第1又は第2のフィルタ処理によって特定組み合わせから1つのボタンが選択され決定された後であることを条件として、上記第3のフィルタ処理を優先的に設定してもよい。
【0054】
[仮名入力モード]
仮名入力モードの場合、ゲーム機2は、図4に示すような仮名入力用のテーブルを読み出して設定する。この仮名入力用のテーブルでは、第1のグループ(上ボタン21a、右ボタン21b、下ボタン21c、及び左ボタン21d)内で押下するボタンを規定する5種類の第1押下パターン(1−1〜1−5)と、第2のグループ(三角ボタン22a、丸ボタン22b、R1ボタン28a、及びL1ボタン29a)内で押下するボタンを規定する12種類の第2押下パターン(2−1〜2−12)が設定され、両者の組み合わせによって1つの仮名文字、記号、又はステートが特定される。
【0055】
第1押下パターンのパターン1−1には「A」、パターン1−2には「I」、パターン1−3には「U」、パターン1−4には「E」、パターン1−5には「O」の文字情報がそれぞれ割り振られている。すなわち、仮名入力モードの場合、第1押下パターンのパターン1−1〜1−5には仮名入力のための母音の音素を表す「A」〜「O」の各文字情報が設定される。また、第2押下パターンのパターン2−1には「子音なし」の文字情報が割り振られ、以下同様に、パターン2−2には「K」、パターン2−3には「S」、パターン2−4には「T」、パターン2−5には「N」、パターン2−6には「H」、パターン2−7には「M」、パターン2−8には「Y」、パターン2−9には「R」、パターン2−10には「W」、パターン2−11には記号、パターン2−12にはステートの文字情報がそれぞれ割り振られている。すなわち、当該仮名入力モードの場合、第2押下パターンのパターン2−1〜2−10には仮名入力のための子音の音素を表す「子音なし」〜「W」の各文字情報が設定される。なお、「を」は、パターン1−2とパターン2−10との組み合わせとして設定され、「ん」は、パターン1−3とパターン2−10との組み合わせとして設定されている。また、長音記号「ー」は、パターン1−1とパターン2−11との組み合わせとして設定され、読点「、」は、パターン1−2とパターン2−11との組み合わせとして設定され、句点「。」は、パターン1−3とパターン2−11との組み合わせとして設定されている。さらに、パターン1−3とパターン2−12との組み合わせは濁点に対応し、パターン1−4とパターン2−12との組み合わせは半濁点又は小文字に対応する。小文字のステートが特定され決定されると、前回に入力した文字が小文字に変換される。なお、小文字が決定された場合に、次回の入力時において特定され決定される文字を小文字としてもよい。
【0056】
次に、第1押下パターンにおける各パターン1−1〜1−5と押下するボタンとの関係を、図6を参照して説明する。図6において、黒丸は押下するボタンを示し、バツは押下しないボタンを示す。
【0057】
図6に示すように、第1押下パターンは、4つの方向指示ボタン(上ボタン21a、右ボタン21b、下ボタン21c、及び左ボタン21d)の押下操作によって特定されるパターンであり、4つの方向指示ボタン21a〜21dの何れも押下されていない状態がパターン1−1、上ボタン21aのみが押下された状態がパターン1−2、右ボタン21bのみが押下された状態がパターン1−3、下ボタン21cのみが押下された状態がパターン1−4、左ボタン21dのみが押下された状態がパターン1−5としてそれぞれ認識される。なお、上述のように、4つの方向指示ボタン21a〜21dについては、これらのボタンを複数同時に押下するパターンは設定されていない。
【0058】
次に、第2押下パターンにおける各パターン2−1〜2−12と押下するボタンとの関係を、図7を参照して説明する。図7において、黒丸は押下するボタンを示し、バツは押下しないボタンを示す。
【0059】
図7に示すように、第2押下パターンは、三角ボタン22aと丸ボタン22bとR1ボタン28aとL1ボタン29aの押下操作によって特定されるパターンであり、三角ボタン22aのみが押下された状態がパターン2−1、三角ボタン22aとR1ボタン28aとが押下された状態がパターン2−2、R1ボタン28aのみが押下された状態がパターン2−3、R1ボタン28aとL1ボタン29aとが押下された状態がパターン2−4、L1ボタン29aのみが押下された状態がパターン2−5、三角ボタン22aとL1ボタン29aとが押下された状態がパターン2−6、三角ボタン22aとR1ボタン28aとL1ボタン29aとが押下された状態がパターン2−7、丸ボタン22bと三角ボタン22aとが押下された状態がパターン2−8、丸ボタン22bと三角ボタン22aとR1ボタン28aとが押下された状態がパターン2−9、丸ボタン22bと三角ボタン22aとL1ボタン29aとが押下された状態がパターン2−10、丸ボタン22bと三角ボタン22aとR1ボタン28aとL1ボタン29aとが押下された状態がパターン2−11、丸ボタン22bのみが押下された状態がパターン2−12として認識される。
【0060】
仮名入力モードでは、各仮名文字は、基本的に母音と子音との組み合わせによって特定され、母音には、4つの方向指示ボタン(上ボタン21a、右ボタン21b、下ボタン21c、及び左ボタン21d)が割り付けられ、子音には三角ボタン22a、丸ボタン22b、R1ボタン28a、及びL1ボタン29aが割り付けられている。
【0061】
例えば、「そ」の文字を入力する場合、「そ」の文字はパターン1−5とパターン2−3との組み合わせであるため、ユーザは、左ボタン21dとR1ボタン28aとをともに押下することによって「そ」の文字を特定し、これらのボタン21d,28aをともに離す(押下を解除する)ことによって「そ」の文字を決定する。このとき、ボタン21d,28aが押下された状態では、パターン1−5とパターン2−3との組み合わせが仮決定組み合わせとなり、テレビジョンモニタ装置10に「そ」の文字が仮決定態様で表示され、ボタン21d,28aの押下が解除されたとき、パターン1−5とパターン2−3との組み合わせが本決定組み合わせとなり、仮決定態様の「そ」の文字が本決定態様に変わる。
【0062】
以上説明したように、当該仮名入力モードの場合、第1押下パターンのパターン1−1から1−5には母音音素を表す各文字情報が設定され、第2押下パターンのパターン2−1〜2−10には子音音素を表す各文字情報が設定され、ユーザが、第1押下パターンの中の1つのパターンと第2押下パターンの中の1つのパターンとを選択し、その組み合わせを特定し決定した場合、ゲーム機2は、その組み合わせに対応する仮名一文字を入力文字として特定し決定する。なお、従来のキーボードを使用した文字入力システムにおけるローマ字入力の場合、先に子音音素を特定するキーを押下し、その状態で母音音素を特定するキーを押下するという順番でのみ、文字を特定可能である。この点に関し、本実施形態の文字入力システムは、母音音素と子音音素とを特定する際にボタンの押下の順番に依存せず、単に組み合わせのみで仮名一文字が特定されるため、上記従来のローマ字入力の場合とは大きく異なる。
【0063】
[英数字入力モード]
英数字入力モードの場合、ゲーム機2は、図5に示すような英数字入力用のテーブルを読み出して設定する。この英数字入力用のテーブルでは、4種類の第1押下パターン(1−1〜1−4)と11種類の第2押下パターン(2−1〜2−11)が設定され、両者の組み合わせによって1つの英字又は数字が特定される。
【0064】
なお、各パターン1−1〜1−4,2−1〜2−11と押下するボタンとの関係は、上記仮名入力モードの場合と同様であるため、その説明を省略する。
【0065】
[入力モードの切り替えと参照するテーブルの切り替え]
仮名入力モードと英数字入力モードと間における何れか一方から他方への入力モードの切り替え指示は、丸ボタン22bとL1ボタン29aとがともに押下され、その押下が解除されることによって行われる。なお、所定の文字を入力している途中で入力モードを切り替えたい場合、ユーザは、その所定の文字を決定せず(全てのボタンの押下が解除された状態を生成することなく)、丸ボタン22bとL1ボタン29aとの組み合わせを特定して決定すればよい。
【0066】
[文字入力時のGUI]
本実施の形態の文字入力システムにおいて、ゲーム機2は、文字入力時のGUI(Graphical User Interface)として、図8〜図12に示すような操作案内画像120をテレビジョンモニタ装置10のモニタ画面11に表示する。なお、図8〜図10に示す操作案内画像120は、仮名入力モードのときに表示される画像であり、仮名入力モードにおける操作案内画像120について以下に説明する。なお、操作案内画像120は、文字入力モードが設定されているときに常に表示してもよく、またユーザからの入力指示によって表示/非表示を切り替え可能としてもよい。
【0067】
図8に示すように、モニタ画面11には文字入力位置を示すカーソル126と操作案内画像120とが表示される。本実施形態では、カーソル126は矩形枠状に表示され、操作案内画像120はカーソル126の周りに表示される。操作案内画像120は、本実施形態の文字入力システムに最適化された必要最小限な大きさに設定され、モニタ画面11の表示領域を圧迫しない大きさで表示される。
【0068】
操作案内画像120は、1つの十字キーオブジェクト121と、10個のコントローラオブジェクト122a〜122jからなるコントローラオブジェクト群122とを含む。十字キーオブジェクト121は、コントローラ20の左操作部21の十字形状を模式的に表したものであり、第1押下パターンを案内する表示である。また、各コントローラオブジェクト122a〜122jは、コントローラ20の外形と右操作部22の各ボタン22a〜22dとR1ボタン28aとL1ボタン29aとを模式的に表したものであり、第2押下パターンを案内する表示である。
【0069】
コントローラオブジェクト122a〜122jは上方と下方とに5個ずつ分かれて表示され、その間にカーソル126が位置する。十字キーオブジェクト121は、コントローラオブジェクト群122の左側に配置される。このように、左手101による操作を案内する十字キーオブジェクト121が左側に、主に右手101による操作を案内するコントローラオブジェクト群122が右側にそれぞれ表示されるため、ユーザは操作案内画像120を視ながら容易にボタンの押下操作を行うことができる。
【0070】
コントローラオブジェクト122a〜122jは、第2押下パターンのパターン2−1〜2−10(図7に示す)をそれぞれ模式的に表示したものであり、各パターン2−1〜2−10において押下するボタンが判るように、各コントローラオブジェクト122a〜122j中の対応する部分が識別可能な状態で表示(本実施形態では、他と識別可能な特別色(例えば赤色)で着色)されている。例えば、パターン2−1に対応するコントローラオブジェクト122aでは、押下するボタンである三角ボタン22aに対応する部分が着色され、パターン2−2に対応するコントローラオブジェクト122bでは、押下するボタンである三角ボタン22aとR1ボタン28aとが着色されている。
【0071】
また、各コントローラオブジェクト122a〜122j内には、各パターン2−1〜2−10を代表する文字として、第1押下パターンのパターン1−1との組み合わせによって特定される文字が表示される。例えば、パターン2−1に対応するコントローラオブジェクト122a内には、「あ」の文字が表示され、パターン2−2に対応するコントローラオブジェクト122b内には、「か」の文字が表示される。また、第2押下パターンの1つのパターンで実際にボタンが押下されると、そのパターンに対応したコントローラオブジェクト122a〜122jの表示態様が、他のコントローラオブジェクト122a〜122jから識別可能な表示態様に変化する。本実施形態では、コントローラオブジェクト122a〜122j内の文字色が他と識別可能な特別色(例えば赤色)で表示される。なお、図10及び図11では、コントローラオブジェクト122d内の文字「た」が特別色に着色された状態を、傾斜文字によって表している。
【0072】
十字キーオブジェクト121は、第1押下パターンのパターン1−1〜1−5(図6に示す)をそれぞれ模式的に表示したものであり、第2押下パターンによる押下が行われている状態で各パターン1−1〜1−5において押下するボタンが判るように、各ボタンに対応する部分に対応する文字が表示される。なお、左操作部21のボタンが全く押下されないパターン1−1の文字は、十字キーオブジェクト121の中央部分に表示される。
【0073】
例えば、パターン2−4による押下が行われると、図10に示すように、十字キーオブジェクト121では、パターン1−1〜1−5とパターン2−4とを組み合わせた場合に特定可能な文字「た」「ち」「つ」「て」「と」がそれぞれ所定の場所に表示される。また、係る状態で第1押下パターンで実際にボタンが押下されると、そのパターンの組み合わせに対応した文字の表示態様が、他の文字から識別可能な表示態様に変化する。本実施形態では、文字の色が他と識別可能な特別色(例えば赤色)で表示される。なお、本実施形態では、パターン1−1では左操作部21のボタンが全く押下されないため、第2押下パターンによる押下のみが行われた場合、パターン1−1との組み合わせによって特定される文字が特別色で表示される。すなわち、図10の例では、「た」の文字が特別色で表示される。なお、図10では十字キーオブジェクト121内の「た」の文字が特別色に着色された状態を、図11では十字キーオブジェクト121内の「ち」の文字が特別色に着色した状態を、それぞれ傾斜文字によって表している。
【0074】
なお、本実施形態では、第2押下パターンによる押下が行われていない初期状態では、図8及び図9に示すように、暫定的にパターン2−1で押下された場合の文字を表示するが、この場合、全く文字を表示しなくてもよい。
【0075】
ゲーム機2は、第1押下パターンと第2押下パターンとの組み合わせに対応した文字を特定すると、その特定した文字をカーソル126内に仮決定態様で表示する。また、全てのボタンの押下が解除されると、ゲーム機2は、特定した文字を入力文字として決定し、仮決定態様の文字を本決定態様に変更して表示する。本実施形態では、仮決定態様と本決定態様とは異なる色で表示される。なお、図10及び図11では、仮決定態様を傾斜文字で表している。
【0076】
次に、図9〜図12に基づき、ユーザが仮名文字を入力する場合のモニタ画面11の状態を具体的に説明する。この例では、吹き出し125の中に「こんにちは」の文字入力において、ユーザが「こんに」までの文字入力を行った状態で「ち」の文字を入力する場合を説明する。
【0077】
ユーザが「こんに」までの文字入力を行うと、図9に示すように「こんに」の直後にカーソル126が表示され、カーソル126の周りに操作案内画像120が表示される。ユーザは、表示されたコントローラオブジェクト群122の中から、「ち」が属するパターン2−4を代表する文字「た」が表示されたコントローラオブジェクト122dを探し、コントローラオブジェクト122dの表示に従ってR1ボタン28aとL1ボタン29aとを押下する。ユーザがR1ボタン28aとL1ボタン29aとを押下し、ゲーム機2がR1ボタン28aとL1ボタン29aとの組み合わせを仮決定組み合わせと認定すると、図10に示すように、コントローラオブジェクト122d内の「た」の文字が特別色で表示され、十字キーオブジェクト121内に「た」「ち」「つ」「て」「と」の文字が表示され、カーソル126内に「た」の文字が仮決定態様で表示される。このとき、十字キーオブジェクト121内では、「た」の文字が特別色で表示される。
【0078】
次に、ユーザは、R1ボタン28aとL1ボタン29aとの押下を維持したまま、十字キーオブジェクト121を視て、「ち」が表示された部分に対応するボタン(上ボタン21a)を押下する。ユーザが上ボタン21aを押下し、ゲーム機2が上ボタン21aとR1ボタン28aとL1ボタン29aとの組み合わせを仮決定組み合わせとして更新すると、図11に示すように、十字キーオブジェクト121内に「た」の文字が通常色に戻るとともに「ち」の文字が特別色で表示される。また、カーソル126内では、「ち」の文字が仮決定態様で表示される。
【0079】
次に、ユーザは、押下している全てのボタン(この場合、上ボタン21aとR1ボタン28aとL1ボタン29a)の押下を解除する。全てのボタンの押下が解除されると、上ボタン21aとR1ボタン28aとL1ボタン29aとの組み合わせが本決定組み合わせとして決定され、対応する「ち」の文字が入力文字として決定される。「ち」の文字が入力文字として決定されると、図12に示すように、カーソル126がスライド移動し、カーソル126から外れた「ち」の文字が本決定態様で表示される。また、カーソル126の移動に伴い、操作案内画像120も移動する。
【0080】
なお、入力された文字や文節は、所定の入力操作によって漢字等に適宜変換され、確定する。確定した文字は、仮決定態様及び本決定態様とは異なる態様で表示される。
【0081】
また、英数字入力モードにおいても、上記仮名入力モードと同様に、十字キーオブジェクトとコントローラオブジェクト群とを含む操作案内画像が表示される。この場合、コントローラオブジェクト群の各コントローラオブジェクト内には、図5に示す第2押下パターンの各パターン2−1〜2−11を代表する文字として、同図に示す第1押下パターンのパターン1−1との組み合わせによって特定される文字が表示される。例えば、パターン2−1に対応するコントローラオブジェクト内には、パターン2−1を代表する文字として「A」の文字が表示される。また、十字キーオブジェクト内には、第2押下パターンによる押下が行われている状態で各パターン1−1〜1−4において押下するボタンが判るように、各ボタンに対応する部分に対応する文字が表示される。例えば、パターン2−4による押下が行われると、十字キーオブジェクトでは、パターン1−1〜1−3とパターン2−4とを組み合わせた場合に特定可能な文字「J」「K」「F」がそれぞれ所定の場所に表示される。
【0082】
[テレビゲーム機の内部回路構成]
次に、上述した文字情報の入力を実現可能なゲーム機2の内部回路構成の概要について図13を用いて説明する。
【0083】
ゲーム機2は、メインCPU30、グラフィックプロセッサユニット(以下、GPUとする)31、IOプロセッサ(以下、IOPとする)34、光ディスク再生部42、メインメモリ(RAM:Random Access Memory)35、MASK−ROM36、サウンドプロセッサユニット(以下、SPUとする)38などを備える。メインCPU30は、前述した文字情報の入力等を実現する各種アプリケーションプログラムに基づいて、信号処理や内部構成要素の制御を行う。GPU31は、画像処理を行う。IOP34は、外部と装置内部との間のインターフェイス処理や下位互換性を保つための処理を行う。メインメモリ35は、上記メインCPU30のワークエリアや光ディスク46から読み出されたデータを一時的に格納するバッファとしての機能を有する。
【0084】
MASK−ROM36は、ゲーム機2の初期設定プログラムや、各種スイッチ,ボタンが押された時にメインCPU30やIOP34の処理を例えば一時中断して、それらスイッチやボタンの操作に応じた処理を実行するためのプログラム(いわゆるハンドラ)等を格納している。SPU38は、音響信号処理を行う。光ディスク再生部42は、アプリケーションプログラムやマルチメディアデータが記録されているDVD,DVD−ROM,CD,CD−ROM等の光ディスク46の再生を行う。また、光ディスク再生部42は、スピンドルモータ45、光ピックアップ44、RFアンプ43、スライド機構等からなる。スピンドルモータ45はDVDやCD等の光ディスク46を回転させる。また、スピンドルモータ45には、回転速度を検出する速度センサが設けられている。光ピックアップ44は、光ディスク46に記録されている信号を読み取る。スライド機構は、光ピックアップ44をディスク半径方向に移動させる。RFアンプ43は、光ピックアップ44からの出力信号を増幅する。
【0085】
さらに、このゲーム機2は、CD/DVDディジタルシグナルプロセッサ(以下、DSPとする)40、ドライバ41、メカコントローラ39、カード型コネクタ(以下、PCカードスロットとする)37も有している。DSP40は、光ディスク再生部42のRFアンプ43の出力信号を2値化し、例えば誤り訂正処理(CIRC処理)や伸張復号化処理等を施すことで、光ディスク46に記録されている信号を再生する。ドライバ41及びメカコントローラ39は、光ディスク再生部42のスピンドルモータ45の回転制御、光ピックアップ44のフォーカス/トラッキング制御、ディスクトレイ3のローディング制御等を行う。PCカードスロット37は、例えば通信カードや外付けのハードディスクドライブ等と接続するためのインターフェイスデバイスである。
【0086】
これらの各部は、主にバスライン32,33等を介してそれぞれ相互に接続されている。なお、メインCPU30とGPU31は、専用バスで接続されている。また、メインCPU30とIOP34は、SBUSにより接続されている。IOP34とDSP40、MASK−ROM36、SPU38、PCカードスロット37は、SSBUSにより接続されている。
【0087】
メインCPU30は、MASK−ROM36に記憶されている初期設定プログラム等や、光ディスク46から読み出されたメインCPU用のオペレーティングシステムプログラムを実行することにより、当該ゲーム機2の全動作を制御する。また、メインCPU30は、上記文字情報の入力,編集等を実行するための各種アプリケーションプログラムを実行することにより、当該ゲーム機2における様々な動作をも制御する。なお、それら各種アプリケーションプログラムは、例えば上記光ディスク46から読み出されてメインメモリ35にロードされたり、通信ネットワーク介してダウンロードされるものである。
【0088】
IOP34は、MASK−ROM36に記憶されているIOプロセッサ用のオペレーティングシステムプログラムを実行することにより、コントローラポート7A,7Bやメモリカードスロット8A,8BからなるPAD/メモリカードコネクタとゲーム機2との間のデータ入出力、前記USB接続端子5とゲーム機2との間のデータ入出力、前記IEEE1394接続端子6とゲーム機2との間のデータ入出力、PCカードスロット37とゲーム機2との間のデータ入出力などを制御するとともに、それらのデータプロトコル変換等を行う。なお、上記MASK−ROM36には、このゲーム機2のデバイスIDも保存されている。
【0089】
GPU31は、座標変換等の処理を行うジオメトリトランスファエンジンの機能と、レンダリングプロセッサの機能とを有し、メインCPU30からの描画指示に従って描画を行い、描画された画像を図示しないフレームバッファに格納する。本実施の形態の文字情報入力が行われる場合、GPU31は、前記操作案内画像120やカーソル126や文字等の画像を描画する。また例えば、光ディスク46に記録されている各種アプリケーションプログラムがテレビゲームのようにいわゆる3次元(3D)グラフィックを利用するものである場合、当該GPU31は、ジオメトリ演算処理により、3次元オブジェクトを構成するためのポリゴンの座標計算等を行い、さらに、レンダリング処理により、この3次元オブジェクトを仮想的なカメラ(仮想視野を決定する仮想的なカメラ)で撮影することにより得られる画像を生成するための諸計算、すなわち透視変換(3次元オブジェクトを構成する各ポリゴンの頂点を仮想的なカメラスクリーン上に投影した場合における座標値の計算など)を行い、最終的に得られた画像データをフレームバッファ上へ書き込む。そして、GPU31は、この作成した画像に対応するビデオ信号を出力する。
【0090】
SPU38は、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)復号機能、オーディオ信号再生機能、信号変調機能等を備えている。ADPCM復号機能とは、適応予測符号化された音響データを復号する機能である。オーディオ信号再生機能とは、当該SPU38に内蔵或いは外付けされた図示しないサウンドバッファに記憶されている波形データを読み出すことで、効果音等のオーディオ信号を再生して出力する機能である。信号変調機能とは、上記サウンドバッファに記憶されている波形データを変調させて様々な音波形データを生成する機能である。すなわち、当該SPU38は、メインCPU30からの指示に基づいて、サウンドバッファに記憶されている波形データから、楽音や効果音等のオーディオ信号を発生する、いわゆるサンプリング音源としても動作する。
【0091】
以上のような構成を有するゲーム機2は、電源が投入されると、MASK−ROM36からメインCPU用の初期設定プログラムとIOP用のオペレーティングシステムプログラムとがそれぞれ読み出され、メインCPU30とIOP34において、それら対応したプログラムが実行される。これにより、メインCPU30は、当該ゲーム機2の各部を統括的に制御する。また、IOP34は、コントローラ20やメモリカード14等とゲーム機2との間の信号の入出力を制御する。また、メインCPU30は、動作確認等の初期化処理を行った後、光ディスク再生部42を制御して、光ディスク46に記録されているアプリケーションプログラムを読み出し、メインメモリ35にロードした後、そのアプリケーションプログラムを実行する。このアプリケーションプログラムの実行により、メインCPU30は、IOP34を介してコントローラ20から受け付けたユーザの指示に応じて、GPU31やSPU38を制御し、文字情報の入力や画像の表示,効果音、楽音の発生を制御する。なお、ゲーム機2において、例えば光ディスク46に記録された映画等の再生を行う場合も同様であり、メインCPU30は、IOP34を介してコントローラ20から受け付けたユーザからの指示に従って、GPU31やSPU38を制御し、光ディスク46から再生された映画の映像の表示や効果音や音楽等の発生を制御する。
【0092】
また、メインCPU30は、文字入力モードにおいて、上記組み合わせ継続時間を計時するタイマ、及び各ボタン毎にその押下継続時間(以下、ボタン押下継続時間と称する)を計時するタイマとして機能する。
【0093】
また、メインメモリ35には、何れかのボタンが押下されているアクティブ状態か全てのボタンの押下が解除されているアイドル状態かを示す操作状態情報を前回と今回とについてそれぞれ記憶する操作状態情報記憶領域と、検知した各ボタンの前回及び今回のON/OFF状態(検知キー情報)を一時的にそれぞれ記憶する検知キー情報記憶領域と、上記ボタン有効/無効判定処理により有効と判定した各ボタンの前回及び今回のON/OFF状態(有効キーパターン)を一時的にそれぞれ記憶する有効ボタン状態記憶領域(有効キーパターンビット列)と、各ボタンの上記ボタン押下継続時間をそれぞれ記憶するボタン押下継続時間記憶領域と、上記組み合わせ継続時間及び上記最長組み合わせ継続時間を記憶する組み合わせ継続時間記憶領域と、上記単位操作時間を記憶する単位操作時間記憶領域と、上記判定基準時間を記憶する基準時間記憶領域と、上記仮決定情報(仮決定組み合わせ)を記憶する仮決定情報記憶領域と、後述する基準上限閾値と上補正値と下補正値とをそれぞれ記憶する上閾値記憶領域と、上記下限閾値を記憶する下限閾値記憶領域と、上記初心者用カウンタ及び上記上級者用カウンタの各カウント値をそれぞれ記憶するカウント値記憶領域と、上記判定基準値を記憶する判定基準値記憶領域と、上記特定組み合わせ(上記特定ボタンの組み合わせ)を記憶する特定組み合わせ記憶領域と、上記特定組み合わせ毎の優先ボタン(優先ボタン情報)を記憶する優先ボタン記憶領域と、上記仮名入力モードや上記英数字入力モードなどの各入力モードで使用するテーブルを記憶するテーブル記憶領域などの記憶領域が設定される。なお、上記各記憶領域を、メインメモリ35以外に設定してもよい。
【0094】
[文字情報入力時のテレビゲーム機の主要処理]
次に、前述した文字情報の入力を行う際に、本実施形態のゲーム機2のメインCPU30,IOP34,GPU31が、コントローラ20からの操作信号に基づいて行う処理について、図14〜図16のフローチャートを用いて説明する。図14は本実施形態の文字情報入力のためのプログラムが起動したときに実行する初期設定処理を示し、図15はボタン情報取得処理を示し、図16はパターン取得処理を示す。パターン取得処理はボタン情報取得処理から連続して実行され、これら一連の処置(ボタン情報取得処理とパターン取得処理)は、文字情報入力のためのプログラムが起動している限り、画像更新と同じタイミングで繰り返して実行される。本実施形態では、画像更新の頻度(フレームレート)は60fps(flame Per Second)に設定され、メインCPU30は、上記一連の処理を画像更新と同期して1/60sec毎に実行する。なお、上記一連の処理を画像更新よりも少ない頻度で実行してもよく、反対に画像更新よりも多い頻度で実行してもよい。また、上記図14〜図16のフローチャートの処理は、本実施形態の文字情報入力処理を実現するためのプログラムに含まれる。
【0095】
本実施形態の文字情報入力のためのプログラムが起動すると、メインCPU30は、初期設定処理を実行する。初期設定処理では、図14に示すように、まず、基準上限閾値、下限閾値、上補正値、下補正値、判定基準時間、判定基準値及び優先ボタン情報を設定する(ステップS1)。すなわち、基準上限閾値、下限閾値、上補正値、下補正値、判定基準時間、判定基準値及び優先ボタン情報を、メインメモリ35内の対応する各記憶領域にそれぞれ記憶する。なお、特に図示していないが、ステップS1では、各テーブル(図4〜図7参照)や特定組み合わせを設定する。また、上記第1及び第2のフィルタ処理のそれぞれにおける優先ボタン情報(第1優先ボタン情報及び第2優先ボタン情報)を、各特定組み合わせに対応して優先ボタン記憶領域に記憶する。また、上記第3のフィルタ処理における優先ボタン情報(第3優先ボタン情報)については、ステップS1において全てクリアし、後述するステップS29において各特定組み合わせに対応して優先ボタン記憶領域に適宜記憶する。
【0096】
また、本実施形態では、基準上限閾値は90フレームの更新時間(1/60fps×90フレーム=1.5sec)に、下限閾値は2フレームの更新時間(1/60fps×2フレーム=1/30sec)に、上補正値は30フレームの更新時間(1/60fps×30フレーム=0.5sec)に、下補正値は30フレームの更新時間(1/60fps×30フレーム=0.5sec)に、判定基準時間は3.0〜5.0sec程度に、判定基準値は1.0にそれぞれ設定されるが、これらの値は上記に限定されるものでない。
【0097】
また、上級者用の上限閾値(第1の上限閾値)は、基準上限閾値に上補正値を加算することによって得られ、初心者用の上限閾値(第2の上限閾値)は、基準上限閾値から下補正値を減算することによって得られる。
【0098】
次に、メインCPU30は、初心者用カウンタ、上級者用カウンタ、操作状態情報、検知キー情報、有効キーパターン、ボタン押下継続時間、組み合わせ継続時間(最長組み合わせ継続時間を含む)、仮決定情報をそれぞれクリアし(ステップS2)、本処理を終了してボタン情報取得処理(図15のステップS10)へ移行する。すなわち、メインメモリ35内のカウント値記憶領域に記憶された初心者用カウンタのカウント値及び上級者用カウンタのカウント値と、操作状態情報記憶領域に記憶された前回及び今回の操作状態情報記憶領域と、検知キー情報記憶領域に記憶された各ボタンの前回及び今回の検知キー情報と、有効キーパターンビット列に記憶(登録)された前回及び今回の有効キーパターンと、ボタン押下継続時間記憶領域に記憶されたボタン押下継続時間と、組み合わせ継続時間記憶領域に記憶された組み合わせ継続時間及び最長組み合わせ継続時間と、仮決定情報記憶領域に記憶された仮決定情報(仮決定組み合わせ)をクリアする。なお、カウント値のクリアとはカウント値をゼロに設定することを、操作状態情報のクリアとは操作状態情報をアイドル状態に設定することを、検知キー情報や有効キーパターンや仮決定情報のクリアとは全てOFF状態に設定することを、継続時間のクリアとは継続時間をゼロに設定することをそれぞれ意味する。また、単位操作時間記憶領域に記憶された単位操作時間をクリアしてもよい。
【0099】
ボタン情報取得処理では、図15に示すように、メインCPU30は、現在の操作状態情報、検知キー情報、有効キーパターンを、それぞれ前回の情報及びパターンとして更新して記憶する(ステップS10)。すなわち、操作状態情報記憶領域において、今回用の記憶領域に記憶されている操作状態情報を前回用の記憶領域に移し、各ボタンの検知キー情報記憶領域において、今回用の記憶領域に記憶されているキー情報を前回用の記憶領域に移し、有効キーパターン記憶領域において、今回用の記憶領域に記憶されている有効キーパターンを前回用記憶領域に移す。
【0100】
次に、メインCPU30は、各ボタンの検知キー情報を取得する(ステップS11)。すなわち、IOP34は、コントローラ20から各ボタンの操作信号を受信してメインCPU30に送信し、メインCPU30は、IOP34から受信した操作信号に応じたON/OFF情報を、各ボタンの検知キー情報として、検知キー情報記憶領域のうち今回用の記憶領域に記憶する。
【0101】
次に、メインCPU30は、ユーザが上級者か否かの判定処理を行う(ステップS12)。この判定処理では、カウント値記憶領域に記憶された初心者用カウンタのカウント値と上級者用カウンタの各カウント値との比(初心者用カウンタのカウント値/上級者用カウンタのカウント値)を判定対象値として求め、求めた判定対象値を判定用基準値記憶領域に記憶された判定用基準値と比較し、判定対象値が判定用基準値を超えていれば初心者と判定し、判定対象値が判定用基準値以下であれば上級者と判定する。なお、初心者用及び上級者用のカウンタは、後述するステップS30において適宜増加される。また、上級者用カウンタのカウント値がゼロの場合には、初心者と判定する。
【0102】
ステップS12において上級者と判定した場合、メインCPU30は、ステップS11で取得した今回の検知キー情報が特定組み合わせ(左操作部21の4つのボタン21a〜21dのうちユーザが意図しない誤操作によって同時に押下されてしまう可能性の高い組み合わせ)を含むか否かを判定し、特定組み合わせを含む場合、上級者用の十字キーフィルタ処理を実行する(ステップS13)。この上級者用の十字キーフィルタ処理では、上記第2のフィルタ処理を実行し、特定組み合わせのボタンのうち優先ボタンの押下のみを有効とし、他のボタン(特定組み合わせのうちの他のボタン)の押下を無効とし、今回の検知キー情報のうち無効としたボタンに対応する検知キー情報をOFF状態に書き換える。
【0103】
また、ステップS12において初心者と判定した場合、メインCPU30は、上記上級者の場合(ステップS13)と同様に特定組み合わせを含むか否かを判定し、特定組み合わせを含む場合、初心者用の十字キーフィルタ処理を実行する(ステップS14)。この初心者用の十字キーフィルタ処理では、上記第1のフィルタ処理を実行し、特定組み合わせのボタンのうち優先ボタンの押下のみを有効とし、他のボタン(特定組み合わせのうちの他のボタン)の押下を無効とし、今回の検知キー情報のうち無効としたボタンに対応する検知キー情報をOFF状態に書き換える。
【0104】
メインCPU30は、ステップS13又はステップS14の十字キーフィルタ処理を実行した後、各ボタン毎に、前回の検知キー情報と今回の検知キー情報との比較処理を実行し(ステップS15)、ステップS16へ移行する。前回の検知キー情報とは、ステップS10で更新した前回の検知キー情報であり、今回の検知キー情報とは、ステップS11で取得し且つステップS13又はステップS14の十字キーフィルタ処理を施した今回のキー情報である。
【0105】
ステップS16では、メインCPU30は、ステップS15における比較の結果、前回の検知キー情報と今回の検知キー情報とが同じである(変化していない)と判定したボタンについて、押下継続時間記憶領域の対応する押下継続時間を増加し、ステップS17へ移行する。
【0106】
ステップS17では、メインCPU30は、押下継続時間記憶領域の押下継続時間が閾値記憶領域の下限閾値を超えているか否かを各ボタン毎に判定し、下限閾値を超えているボタンについては、今回の検知キー情報を有効キーパターンビット列の対応領域に登録する一方、下限閾値以下のボタンについては、今回の検知キー情報を無効とし、前回の検知キー情報を有効キーパターンビット列の対応領域に登録して、ステップS18へ移行する。
【0107】
ステップS18では、メインCPU30は、ステップS10で更新した前回の有効キーパターンと、ステップS17で登録した今回の有効キーパターンとを比較する比較処理を実行し、ステップS19へ移行する。
【0108】
ステップS19では、メインCPU30は、ステップS18における比較の結果、前回の有効キーパターンと今回の有効キーパターンとが同一の場合には組み合わせ継続時間記憶領域の組み合わせ継続時間を増加し、両者が相違する場合には組み合わせ継続時間をクリアして、ステップS20へ移行する。
【0109】
ステップS20では、現在の操作状態情報を記憶し、続いてパターン取得処理(図16のステップS21以降)へ移行する。本処理では、ステップS11で取得した各ボタンの検知キー情報、若しくはステップS17で登録した有効キーパターンに基づき、何れかのボタンが押下されているアクティブ状態か全てのボタンの押下が解除されているアイドル状態かを示す操作状態情報を、操作状態情報記憶領域の今回用の記憶領域に記憶する。
【0110】
パターン取得処理では、図16に示すように、メインCPU30は、前回の操作状態情報(操作状態記憶領域の前回用の記憶領域に記憶された操作状態情報)がアイドル状態で、且つ今回の操作状態情報(操作状態記憶領域の今回用の記憶領域に記憶された操作状態情報)がアクティブ状態か否かを判定する(ステップS21)。
【0111】
ステップS21において、前回の操作状態情報がアイドル状態で、且つ今回の操作状態情報がアクティブ状態であると判定した場合には、ユーザが1つの文字等の入力を開始した直後であるため、メインCPU30は、ステップS22へ移行して、仮決定情報記憶領域に記憶された仮決定情報をクリアするとともに、組み合わせ継続時間記憶領域に記憶された組み合わせ継続時間をクリアした後、ステップS23へ移行する。
【0112】
一方、ステップS21において、前回の操作状態情報がアクティブ状態である、若しくは今回の操作状態情報がアイドル状態であると判定した場合には、ユーザが1つの文字等の入力を開始した直後ではないため、仮決定情報及び組み合わせ継続時間をクリアせず、ステップS23へ移行する。
【0113】
ステップS23では、メインCPU30は、今回の操作状態情報がアイドル状態か否かを判定し、今回の操作状態情報がアイドル状態ではない(アクティブ状態である)と判定した場合には、ユーザが何れかのボタンを押下している状態であるため、ステップS24へ移行し、単位操作時間記憶領域の単位操作時間を増加して、ステップS25へ移行する。
【0114】
ステップS25では、メインCPU30は、ステップS19で更新した組み合わせ継続時間と、組み合わせ継続時間記憶領域に記憶された最長組み合わせ継続時間とを比較し、組み合わせ継続時間が最長組み合わせ継続時間以上と判定した場合には、ステップS26へ移行する。なお、後述するステップS26において、最長組み合わせ継続時間として上限閾値が記憶されている場合には、実質的に組み合わせ継続時間と上限閾値とを比較する。
【0115】
ステップS26では、メインCPU30は、ステップS19で更新した組み合わせ継続時間を最長組み合わせ継続時間として記憶し、ステップS27へ移行する。なお、ステップS19で更新した組み合わせ継続時間が上限閾値(後述するステップS31で決定した上限閾値)以上の場合には、上限閾値を最長組み合わせ継続時間として記憶する。また、後述するステップS31が未だ実行されておらず、上限閾値が未決定の場合には、ステップS12における判定結果に対応した上限閾値(本実施形態では初心者用の第2の上限閾値)を最長組み合わせ継続時間として記憶する。
【0116】
ステップS27では、メインCPU30は、ステップS17で登録した有効キーパターンを仮決定組み合わせとして仮決定組み合わせ記憶領域に更新して記憶するとともに、GPU31の描画処理を制御し、この仮決定組み合わせに対応する文字等を仮決定態様でモニタ画面11に表示した後、本処理を終了する。
【0117】
また、ステップS25において、組み合わせ継続時間が最長組み合わせ継続時間未満と判定した場合には、メインCPU30は、ステップS26及びステップS27の処理を実行せずに本処理を終了する。
【0118】
また、ステップS23において、今回の操作状態情報がアイドル状態であると判定した場合には、ユーザが何れのボタンも押下していない(全てのボタンの押下を解除している)状態であるため、メインCPU30は、ステップS28へ移行して、前回の操作状態情報がアクティブ状態か否かを判定する。
【0119】
ステップS28において、前回の操作状態情報がアクティブ状態であると判定した場合(前回の操作状態情報:アクティブ状態、今回の操作状態情報:アイドル状態)には、ユーザが文字等を決定するために全てのボタンの押下を解除した直後であるため、メインCPU30は、ステップS29へ移行し、仮決定組み合わせ記憶領域に記憶された仮決定組み合わせを本決定組み合わせとして決定(採用)するとともに、GPU31の描画処理を制御し、既に仮決定態様で表示している文字等を本決定態様に変更してモニタ画面11に表示した後、ステップS30へ移行する。
【0120】
ステップS30では、単位操作時間記憶領域に記憶された単位操作時間と判定基準時間とを比較し、単位操作時間が判定基準時間を超えていると判定した場合には、初心者用カウンタを増加し、反対に単位操作時間が判定基準時間以下であると判定した場合には、上級者用カウンタを増加して、ステップS31へ移行する。
【0121】
ステップS31では、ステップS30において更新したカウント値を用いて、初心者用カウンタのカウント値と上級者用カウンタの各カウント値との比(初心者用カウンタのカウント値/上級者用カウンタのカウント値)を判定対象値として求め、求めた判定対象値を判定用基準値記憶領域に記憶された判定用基準値と比較し、判定対象値が判定用基準値を超えていれば初心者と判定し、判定対象値が判定用基準値以下であれば上級者と判定して、判定結果に対応した上限閾値(上級者:第1の上限閾値、初心者:第2の上限閾値)を決定し、本処理を終了する。
【0122】
また、ステップS28において、前回の操作状態情報がアクティブ状態ではない(アイドル状態である)と判定した場合(前回及び今回の操作状態情報:アイドル状態)には、ユーザが全てのボタンの押下を解除した状態を継続しているため、メインCPU30は、ステップS29〜ステップS31の処理を実行せずに、本処理を終了する。
【0123】
[文字情報入力のアプリケーションプログラムの概略的な構成]
次に、上述した本実施の形態の文字情報の入力処理を実現するためのアプリケーションプログラムの構成を説明する。
【0124】
当該プログラムは、例えばDVD−ROMやCD−ROMのような光ディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたり、通信回線等の伝送媒体を介してダウンロード可能なものであり、例えば図17に示すようなデータ構成を有している。なお、この図17に示すプログラムのデータ構成は、上述した文字情報の入力処理を実現するためのプログラム部340とその他のデータ部360の主要なもののみを概念的に表すものであり、実際のプログラム構成を表しているものではない。
【0125】
図17において、データ部360は、本実施形態の文字情報入力処理を実行する際に使用される各種のデータとして、ポリゴン・テクスチャデータ等361と、文字等のフォントデータ362と、辞書データ363を有している。
【0126】
ポリゴン・テクスチャデータ等361は、前記十字キーオブジェクト121やコントローラオブジェクト122a〜122jやカーソル126などの画像を生成するためのポリゴンやテクスチャ生成用のデータである。フォントデータ362は、カーソル126内など表示される文字等のデータである。辞書データ363は、文節変換の変換候補や仮名漢字変換等のためのデータである。
【0127】
上記プログラム部340は、本実施形態の文字情報入力のためのプログラムとして、少なくとも、ディスク制御プログラム341、コントローラ管理プログラム342、描画制御プログラム345、文字情報処理プログラム351などを有している。
【0128】
ディスク制御プログラム341は、光ディスクやHDDからのデータを読み出すための制御等を行う。コントローラ管理プログラム342は、ユーザによるコントローラ20上の各種ボタンやキーのオン操作やコントローラ20の機能等の管理を行う。
【0129】
描画制御プログラム345は、前記十字キーオブジェクト121やコントローラオブジェクト122a〜122jやカーソル126等を描画するためのオブジェクト・カーソル制御部346を含む。
【0130】
文字情報処理プログラム351は、描画制御プログラム345と連携して、前記カーソル126内などに表示される文字等を制御する文字入力編集制御部352と、データ部360内のフォントデータ362を管理するフォント管理部353と、データ部360内の辞書データ363を管理する辞書管理部354とを有する。
【0131】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザは、予め設定された複数のボタンの組み合わせの中から所望の文字等に対応する1つの組み合わせを選択し、その組み合わせのボタンを同時に押下して同時に押下を解除することにより、所望の文字等を入力することができる。すなわち、ユーザは、所望の1つの組み合わせのボタンを同時に押下して同時に解除するという1回の操作によって、所望の文字等の入力を行うことができる。
【0132】
また、ユーザが何れかのボタンの押下を継続している限り、ゲーム機2は、その組み合わせを適宜変更可能な仮決定組み合わせとして特定し、ユーザが全てのボタンの押下を解除したときに、本決定組み合わせとして採用し、本決定組み合わせに対応する文字等を入力文字等として確定する。従って、ユーザは、何れかのボタンの押下を継続している間であれば、仮決定組み合わせを未決定状態のまま他の組み合わせに任意に変更して決定することができる。
【0133】
また、ゲーム機2は、1つの文字等を入力する際の1回の継続した入力操作の間(最初にボタンが押下されたときから全てのボタンの押下が解除されるまでの間)において、同時に押下されたボタンの組み合わせを変更する毎に、その組み合わせが継続した時間を組み合わせ継続時間としてカウントし、全てのボタンの押下が解除されたときに、組み合わせ継続時間が最も長時間であるボタンの組み合わせを本決定組み合わせとして優先して採用する。このため、ユーザが複数のボタンを押下又は解除する際に、各ボタン間で押下又は解除のタイミングに若干のずれが生じた場合であっても、意図する組み合わせによる組み合わせ継続時間が最も長時間であれば、ユーザの意図していない組み合わせが本決定組み合わせとして採用されてしまうことがない。従って、ユーザの意図していない文字等がボタン操作のタイミングのずれによって入力されてしまうことを抑制することができ、入力時の操作性が向上する。
【0134】
また、ゲーム機2は、組み合わせ継続時間をカウントする際に、そのカウント値が予め設定された上限閾値に達した場合には、上限閾値を最長組み合わせ継続時間として記憶するとともに、既に最長組み合わせ継続時間として上限閾値が記憶された状態で、上限閾値以上の組み合わせ継続時間をカウントした場合には、後のカウントに対応する仮決定組み合わせを優先して本決定組み合わせとして採用する。このため、ボタンの組み合わせを間違えて長時間押下した後、間違えに気づいて組み合わせを修正する場合、ユーザは、修正した組み合わせのボタンを上限閾値以上の時間継続して押下することによって、未決定状態で一度特定されたボタンの組み合わせを適正な組み合わせに修正変更することができる。すなわち、誤った組み合わせによるボタンの押下時間が長時間であっても、その後に適正な組み合わせで上限閾値以上の間ボタンを押下すればその適正な組み合わせが採用される。従って、入力操作に要する時間の増大を抑制することができ、操作性が向上する。
【0135】
また、仮決定組み合わせの変更に要する時間を短縮するためには、上記上限閾値は短く設定されている方が好ましい。しかし、上限閾値が短い場合この場合、最長組み合わせ継続時間が上限閾値となる頻度が高くなるため、ユーザは、全てのボタンの押下を解除して入力文字等を決定する際に、その解除操作の途中で意図しない仮決定組み合わせの組み合わせ継続時間が上限閾値に達しないように、その解除操作を慎重に行う必要がある。すなわち、ユーザが入力文字等を決定する際に、その解除操作に細心の注意を払うことなくノイズを少なくするためには、上限閾値は長く設定されている方が好ましい。このため、ボタン操作は丁寧であるが、ボタンの組み合わせの変更回数が多い初心者にとっては、上限閾値はある程度短時間に設定されていた方が好ましく、反対に、ボタン操作はあまり丁寧ではないが、ボタンの組み合わせの変更回数は少ない上級者にとっては、上限閾値はある程度長時間に設定されていた方が好ましい。この点に関し、本実施形態のゲーム機2では、上限閾値として、初心者にとって好適な第1の上限閾値と、上級者にとって好適な第2の上限閾値(第2の上限閾値<第1の上限閾値)とが設定可能である。すなわち、ユーザの熟練度に応じて操作性が良好となる上限閾値が設定可能であるため、操作性がさらに向上する。
【0136】
また、ゲーム機2は、最初にボタンが押下されたときから全てのボタンの押下が解除されるまでの時間(1つのボタンの組み合わせを決定するためにユーザが要した単位操作時間)に基づいて、ユーザが初心者か上級者かを判定し、その判定結果に応じた上限閾値(第1の上限閾値又は第2の上限閾値)を設定する。すなわち、ゲーム機2は、ユーザの熟練度を判定してそのユーザに好適な上限閾値を設定するので、ユーザによる上限閾値の選択設定が不要であり、操作性がさらに向上する。
【0137】
また、ゲーム機2は、各ボタンのそれぞれについて、正規な入力として認識するための必要最低限の時間である下限閾値(下限閾値<上限閾値)を超えて継続して押下されたか否かを判定し、下限閾値を超えて継続してボタンが押下されている場合に限り、正規の押下操作が行われたと判定して、そのボタンの押下を有効とし、押下時間が下限閾値以下の場合には、誤った押下操作が行われたと判定して、そのボタンの押下を無効とする。従って、所定のボタンの組み合わせを入力しようとしたユーザが誤って他のボタンを瞬間的に押下して直ぐに正規のボタンを押下し直した場合、このような誤入力によって組み合わせが極めて短時間に変化してしまうことがなく、操作性がさらに向上する。
【0138】
また、ゲーム機2には、同時に押下された場合の組み合わせが設定されていないボタンの組み合わせのうち、押下操作時にユーザが意図せずに誤って同時に押下してしまう可能性が高いボタンの組み合わせを特定組み合わせとして予め設定され、この特定組み合わせのボタンが押下された場合、ゲーム機2は、特定組み合わせのうち有効なボタン(優先ボタン)を決定する優先ボタン決定処理(十字キーフィルタ処理)を実行し、優先ボタンの押下のみを有効とし、他のボタン(特定組み合わせのうちの他のボタン)の押下を無効とする。また、十字キーフィルタ処理として、ボタンの押下順序を優先した第1のフィルタ処理と、ボタンの配置を考慮した第2のフィルタ処理と、ユーザのくせを考慮した第3のフィルタ処理とが設定され、これらのフィルタ処理が適宜実行される。従って、押下操作時にユーザが意図せずに特定組み合わせのボタンを同時に押下してしまった場合であっても、ゲーム機2が優先ボタンを決定し、優先ボタン以外のボタンの押下を無効とするので、操作性がさらに向上する。
【0139】
また、ゲーム機2は、ユーザが初心者か上級者かを判定し、その判定結果に応じて好適なフィルタ処理(第1〜第3のフィルタ処理)を設定する。すなわち、ゲーム機2は、ユーザの熟練度に応じて好適なフィルタ処理を設定するので、ユーザによるフィルタ処理の選択設定が不要であり、操作性がさらに向上する。
【0140】
また、ゲーム機2は、特定した文字等をモニタ画面11に仮決定態様で表示し、全てのボタンの押下が解除されて特定した文字等を入力文字として決定すると、その表示を仮決定態様から本決定態様へ変更する。従って、ユーザは、モニタ画面11に表示された仮決定態様の文字等が所望の文字等であるか否かを視認し、所望の文字等が表示されている場合には、全てのボタンの押下を解除してその文字等を入力文字として決定することができる。また、ユーザは、所望の文字等が表示されていない場合には、少なくとも1つのボタンの押下を継続して未決定状態を保持しながら、所望の文字等が表示されるまで押下するボタンの組み合わせを適宜変更することができる。
【0141】
また、ゲーム機2は、第1のグループに属するボタンの中から押下する1つのボタンを規定する第1押下パターンと、第2のグループに属するボタンの中から押下する1つ又は複数のボタンを規定する第2押下パターンとの組み合わせによって、1つの文字等を特定するとともに、第1のグループに属するボタンを示す第1の案内画像(十字キーオブジェクト121)と、第2押下パターンに属する複数のパターンを示す第2の案内画像(コントローラオブジェクト122a〜122j)とを含む操作案内画像120を、モニタ画面11に表示する。操作案内画像120には、第2押下パターンの各パターンを代表する文字等が、コントローラオブジェクト122a〜122jに対応して表示され、ユーザが、コントローラオブジェクト122a〜122jとこれに対応して表示された文字等を視て第2押下パターンの中の1つを選択し、その組み合わせ(1つの第2押下パターン)でボタンを押下すると、ゲーム機2は、当該1つの第2押下パターンと第1のグループの各ボタンとを組み合わせることによって特定される文字等を、第1の案内画像の対応するボタンに関連付けて表示する。すなわち、ユーザは、操作案内画像120を視ながら、第2押下パターンの1つ(第2のグループに属するボタンの1つ又は複数)を押下し、次に第1押下パターンの1つ(第1のグループに属するボタンの1つ)を押下することにより、用意に所望の文字等を入力することができる。
【0142】
また、文字情報の入力を補助する操作案内画像120がモニタ画面11上で占有する面積を必要最小限に抑えているため、画面上の他の画像等の表示を圧迫することなく、文字情報の入力が可能である。従って、例えばテレビゲーム機2においてゲームの実行中に文字入力が必要となるような用途では、文字入力のためのGUIがゲーム画像の邪魔にならず、ゲームの進行を停滞させることがない。
【0143】
なお、上述した実施の形態の説明は、本発明の一例である。このため、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
【0144】
例えば、本発明にかかる文字情報の入力のための入力装置は、テレビゲームシステム1のコントローラ20に限定されるものではなく、携帯電話機や、PDA、文字入力機能を備えた携帯型ゲーム機やカーナビゲーションシステム、セットトップボックス等のように、押下操作される複数のボタンを有する様々な電子機器の入力装置に適用可能である。
【0145】
また、上記実施形態では、ゲーム機2は、押下されている全てのボタンの操作信号がOFFに変更されたタイミングでボタンの組み合わせを決定したが、操作信号の本決定状態はこれに限定されるものではなく、例えば、ゲーム機2は、本決定組み合わせに使用される1つ又は複数のボタンの操作信号がそれぞれONであり、且つ複数のボタンのうち本決定組み合わせに使用されることがない所定の決定用ボタン(例えば、L2ボタン29b)の操作信号がONになったタイミングで、ボタンの組み合わせを決定してもよい。この場合、ユーザは、所望の1つ又は複数のボタンを同時に押下し、その状態でさらに決定用ボタンを押下することにより、決定用ボタンを押下する直前に押下されていたボタンの組み合わせ(仮決定組み合わせ)を、本決定組み合わせとして決定することができる。また、決定用ボタンの押下前であれば、仮決定組み合わせを自由に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】本発明の一実施形態の文字入力システムの主要部の概略構成例を示す模式図である。
【図2】コントローラの外観図である。
【図3】コントローラが把持された状態を示す平面図である。
【図4】仮名入力モード時の押下パターンの組み合わせと文字等との対応関係を示す図である。
【図5】英数字入力モード時の押下パターンの組み合わせと文字等との対応関係を示す図である。
【図6】第1押下パターンとボタンとの対応関係を示す図である。
【図7】第2押下パターンとボタンとの対応関係を示す図である。
【図8】操作案内画像を示す模式図である。
【図9】モニタ画面上の操作案内画像を示す模式図である。
【図10】モニタ画面上の操作案内画像を示す模式図である。
【図11】モニタ画面上の操作案内画像を示す模式図である。
【図12】モニタ画面上の操作案内画像を示す模式図である。
【図13】本実施の形態のテレビゲーム機の内部概略構成を示すブロック図である。
【図14】初期設定処理を示すフローチャートである。
【図15】ボタン情報取得処理を示すフローチャートである。
【図16】パターン取得処理を示すフローチャートである。
【図17】本実施の形態の文字情報入力処理を実現するためのアプリケーションプログラムの概略的な構成図である。
【符号の説明】
【0147】
1…テレビゲームシステム、2…テレビゲーム機(ゲーム機)、10…テレビジョンモニタ装置、20…コントローラ(入力装置)、30…メインCPU、31…GPU、34…IOP、120…操作案内画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが独立して押下される複数の操作部を有する入力装置から、前記複数の操作部の各々が押下されているか否かを示す操作状態信号を受信して処理する情報処理装置であって、
前記操作状態信号に基づいて前記複数の操作部のうち同時に押下されている操作部の組み合わせを仮決定組み合わせとして特定し、当該仮決定組み合わせを特定した状態で前記操作状態信号が所定の本決定状態に変更されたか否かを判定し、前記操作状態信号が前記本決定状態に変更されたと判定したとき、前記仮決定組み合わせを本決定組み合わせとして決定する組み合わせ決定手段と、
前記複数の操作部の組み合わせと文字との間に設定された対応関係を参照し、前記組み合わせ決定手段が決定した本決定組み合わせに対応する文字を入力文字として決定する文字決定手段と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記組み合わせ決定手段は、前記仮決定組み合わせを特定した状態で前記複数の操作部の押下が全て解除されたとき、前記操作状態信号が前記本決定状態に変更されたと判定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記組み合わせ決定手段は、前記複数の操作部の何れかが継続して押下されているとき、前記本決定組み合わせを決定することなく前記仮決定組み合わせの変更を許容し、前記仮決定組み合わせを変更する毎に、当該仮決定組み合わせが継続した時間を組み合わせ継続時間として計時し、前記複数の操作部の押下が全て解除されたと判定したとき、前記組み合わせ継続時間が最も長時間であった仮決定組み合わせを前記本決定組み合わせとして決定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記組み合わせ決定手段は、前記仮決定組み合わせを変更する毎に、その変更前後の組み合わせ継続時間同士を比較し、変更後の組み合わせ継続時間が変更前の組み合わせ継続時間以上で且つ所定の上限閾値未満の場合、前記変更後の組み合わせ継続時間を最長組み合わせ継続時間として記憶し、前記変更後の組み合わせ継続時間が前記所定の上限閾値に達している場合、前記上限閾値を前記最長組み合わせ継続時間として記憶し、前記複数の操作部の押下が全て解除されたと判定したとき、最後に記憶した最長組み合わせ継続時間に対応する仮決定組み合わせを前記本決定組み合わせとして決定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記操作部の少なくとも1つが最初に押下されたときから全ての操作部の押下が解除されるまでの単位操作時間を前記操作状態信号に基づいて計時し、この単位操作時間に基づいてユーザの熟練の度合いを判定する熟練度判定手段を備え、
前記組み合わせ決定手段は、ユーザが熟練していないと前記熟練度判定手段が判定した場合、前記上限閾値として第1の上限閾値を設定し、ユーザが熟練していると前記熟練度判定手段が判定した場合、前記第1の上限閾値よりも小さい第2の上限閾値を前記上限閾値として設定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のうち、何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記複数の操作部の各々の継続押下時間を前記操作状態信号に基づいて計時し、前記複数の操作部の各々に対し前記継続押下時間が所定の下限閾値を超えて継続したか否かを判定し、前記継続押下時間が前記下限閾値を超えて継続した場合、当該操作部に対して正規の押下が行われたと判定する押下適否判定手段を備え、
前記組み合わせ決定手段は、正規の押下が行われたと前記押下適否判定手段が判定した操作部の組み合わせを前記仮決定組み合わせとして特定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のうち、何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記組み合わせ決定手段は、前記操作状態信号が前記文字との対応関係が設定されていない所定の特定組み合わせを示すとき、当該特定組み合わせのうち予め設定された所定の優先操作部のみが押下されたと擬制して、前記仮決定組み合わせを特定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のうち、何れか一項に記載の情報処理装置であって、
操作案内画像を表示手段に表示する表示制御手段を備え、
前記組み合わせと文字との対応関係は、前記複数の操作部のうち第1のグループに属する操作部の中から押下する1つのボタンを規定する第1押下パターンと、前記複数の操作部のうち第2のグループに属する操作部の中から押下する1つ又は複数のボタンを規定する第2押下パターンとの組み合わせによって、前記文字を特定し、
前記操作案内画像は、前記第1のグループに属する操作部を示す第1の案内画像と、前記第2押下パターンに属する複数のパターンを示す第2の案内画像と、前記第2押下パターンに属する各パターンをそれぞれ代表する文字とを含み、
前記第2押下パターンに属する1つのパターンで前記操作部が押下されたとき、前記表示制御手段は、前記1つのパターンと前記第1のグループの各操作部とを組み合わせることによって特定される文字を、前記第1の案内画像の対応する操作部に関連付けて表示する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
それぞれが独立して押下される複数の操作部を有する入力装置から、前記複数の操作部の各々が押下されているか否かを示す操作状態信号を受信した情報処理装置が実行する文字情報入力方法であって、
組み合わせ決定手段が、前記操作状態信号に基づいて、前記複数の操作部のうち同時に押下されている操作部の組み合わせを仮決定組み合わせとして特定するステップと、
前記組み合わせ決定手段が、前記仮決定組み合わせが特定された状態で前記操作状態信号が所定の本決定状態に変更されたか否かを判定するステップと、
前記操作状態信号が所定の本決定状態に変更されたと判定されたとき、前記組み合わせ決定手段が、前記仮決定組み合わせを本決定組み合わせとして決定するステップと、
文字決定手段が、前記複数の操作部の組み合わせと文字との間に設定された対応関係を参照し、前記組み合わせ決定手段が決定した本決定組み合わせに対応する文字を入力文字として決定するステップと
を備えたことを特徴とする文字情報入力方法。
【請求項10】
それぞれが独立して押下される複数の操作部を有する入力装置から、前記複数の操作部の各々が押下されているか否かを示す操作状態信号を受信して処理する情報処理装置のコンピュータを、
前記操作状態信号に基づいて前記複数の操作部のうち同時に押下されている操作部の組み合わせを仮決定組み合わせとして特定し、当該仮決定組み合わせを特定した状態で前記操作状態信号が所定の本決定状態に変更されたか否かを判定し、前記操作状態信号が前記本決定状態に変更されたと判定したとき、前記仮決定組み合わせを本決定組み合わせとして決定する組み合わせ決定手段と、
前記複数の操作部の組み合わせと文字との間に設定された対応関係を参照し、前記組み合わせ決定手段が決定した本決定組み合わせに対応する文字を入力文字として決定する文字決定手段と
して機能させるための文字情報入力プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の文字情報入力プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−122993(P2009−122993A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−296736(P2007−296736)
【出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(395015319)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (871)
【Fターム(参考)】