説明

情報処理装置、機能検査方法、およびプログラム

【課題】情報処理装置に対してプラグイン・モジュールまたはアドイン・モジュールで実装された追加モジュールの機能検査を容易にする、情報処理装置、機能検査方法、およびプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明の情報処理装置は、情報処理装置からの呼出しに応答して追加モジュールが機能を拡張しており、追加モジュールからの出力値を取得して、出力値が情報処理装置の指定する形式か否かを検査し、エラー内容を作成するエラーチェック処理部52と、エラーチェック処理部の検査によりエラーと判断された場合に、作成されたエラー内容を受け取り、通知処理を行うエラー通知処理部54とを備えていて、追加モジュールが実装された状態でのエラーチェックを可能としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置の追加機能実装に関し、より詳細には、情報処理装置に対してプラグイン・モジュールまたはアドイン・モジュールで実装された追加モジュールの機能検査を容易にする、情報処理装置、機能検査方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像処理装置を含む情報処理装置の機能が向上し、オブジェクト指向プログラミングによる種々の機能を提供することができるようになっている。情報処理装置では、種々のソフトウェア実装手法が知られており、なかでもプラグイン・モジュールまたはアドイン・モジュールなど(以下、追加モジュールとして参照する。)としてソフトウェアが実装される場合も多くなっている。
【0003】
追加モジュールをランタイム呼出しなどを使用して実装する方法により、拡張機能プログラムを簡便に情報処理装置に追加することができ、情報処理装置の種々の機能に対して柔軟性を与えることができる。また、ソフトウェア開発上も、比較的小さなサイズのファイルのセットとして機能拡張を行うことができ、情報処理装置の機能拡張性およびソフトウェア開発が効率化できる。
【0004】
追加モジュールは、通常では、情報処理装置の本体ソフトウェアとは独立して構成される。このため、追加モジュール開発者は、作成した追加モジュールにエラーがあった場合、情報処理装置の本体側で何らかのレスポンスを行わない場合には、追加モジュールの個別的な検査することが必要とされる。このような不都合を、追加モジュールを呼び出す情報処理装置側で記録または表示させることができれば、追加モジュール開発者の開発の手間が大きく削減できることになると考えられる。
【0005】
オブジェクト指向プログラミング実装技術を使用した画像処理装置としては、特開2005−278161号公報(特許文献1)、特開2002−288589号公報(特許文献2)、および特開2004−112346号公報(特許文献3)が知られている。
【特許文献1】特開2005−278161号公報
【特許文献2】特開2002−288589号公報
【特許文献3】特開2004−112346号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明は、追加モジュールに起因するエラーを、追加モジュール開発者に通知することにより、さらに効率的な情報処理装置の追加モジュール開発を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、追加モジュールが実装された画像処理装置といった情報処理装置は、追加モジュールの戻り値または出力引数などの出力値を受け付ける。情報処理装置は、受け取った処理結果を解析し、追加モジュールの出力値のエラーを判断し、情報処理装置のパネル上に表示させる。
【0008】
また、本発明の別の実施の形態では、エラーが検出されると、情報処理装置のログデータとしてログデータ記録部にエラー内容を記述して、追加モジュール開発者に対してエラーの内容を通知する。
【0009】
さらに、本発明では、本体装置側に追加モジュールのデバックを実行するモード、またはデバッグを実行しないモードを選択して起動するエラーチェック制御部を備えている。外部入力に応答して、追加モジュールのデバッグを実行する場合は、エラーチェックを実行し、デバッグの必要がない場合には、エラーチェックを行うことなく、追加モジュールの出力値をUI作成処理部に使用させることで、UI表示作成の効率化を行う。
【0010】
すなわち、本発明によれば、
情報処理装置からの呼出しに応答して追加モジュールが機能を拡張する情報処理装置であって、
前記追加モジュールからの出力値を取得して、前記出力値が情報処理装置の指定する形式か否かを検査し、エラー内容を作成するエラーチェック処理部と、
前記エラーチェック処理部の検査によりエラーと判断された場合に、作成された前記エラー内容を受け取り、通知処理を行うエラー通知処理部と
を備える、情報処理装置が提供できる。
【0011】
本発明では、前記エラー通知処理部からの前記エラー内容を記録するログデータ記録部を備えることができる。本発明では、前記追加モジュールからの出力値または前記エラー内容を表示させるUI表示作成部を含むことができる。本発明では、前記追加モジュールからの出力値を、前記追加モジュールの識別値に対応して指定したリストを含むことができる。本発明では、外部入力を受け付け、前記外部入力に応答して前記エラーチェック処理部によるエラーチェックを制御するエラーチェック制御部を含むことができる。本発明では、前記追加モジュールは、プラグイン機能またはアドイン機能を提供するソフトウェア・モジュールとすることができる。
【0012】
本発明によれば、
情報処理装置に対して追加モジュールの機能検査方法を実行させる装置実行可能な機能検査方法であって、情報処理装置に対して
前記追加モジュールからの出力値を取得して、前記出力値が情報処理装置の指定する形式か否かを検査し、エラー内容を作成するステップと、
前記検査によりエラーと判断された場合に、作成された前記エラー内容を受け取り、通知処理を行うエラー通知処理部と、
前記追加モジュールからの出力値または前記エラーとの判断に応答して前記エラー内容を表示させるステップと
を実行させる、装置実行可能な機能検査方法が提供できる。
【0013】
本発明では、ログデータ記録部に前記エラー通知処理部からの前記エラー内容を記録するステップを含むことができる。本発明では、前記エラー内容を作成するステップは、前記追加モジュールからの出力値を、前記追加モジュールの識別値に対応して指定したリストをルックアップするステップと、
前記リストにリストされ、前記出力値に含まれていない値の差分値を取得して前記エラー内容を作成するステップを含むことができる。本発明では、外部入力を受け付け、前記外部入力に応答して前記エラーチェック処理部によるエラーチェックを制御するステップを含むことができる。本発明では、前記追加モジュールは、プラグイン機能またはアドイン機能を提供するソフトウェア・モジュールとすることができる。
【0014】
本発明では、上記いずれかに記載の機能検査方法を情報処理装置に実行させる、装置実行可能なプログラムが提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を図面に示した実施の形態をもって説明するが、本発明は、図面に示した実施の形態に限定されるものではない。
【0016】
図1は、本発明の情報処理装置の実施の形態である、画像形成装置10の機能ブロック図を示す。本発明の画像形成装置10は、所謂、MFP(Multi-Function Peripheral)として参照される画像処理装置であり、ADFを備えるスキャナ装置12およびパネルおよび入力キーなどの入力部14からデータまたは画像データを取得している。スキャナ装置12などが取得した画像データは、スキャナI/F16を介して画像処理部22へと送られている。また、画像形成装置10は、システム・コントローラとして機能するCPU24を備えている。CPU24は、画像形成装置10の各アプリケーション処理部の実行を、メソッド呼出しなどを使用して管理している。
【0017】
また、画像形成装置10は、さらに画像などを処理したり、アプリケーション・ソフトウェアの実行空間を与えるためのRAM26と、処理を行うためのデータまたはプログラムなどを格納したROM28とを備えていて、RAM26、ROM28は、CPU24による画像処理装置の機能提供を可能としている。
【0018】
本発明の画像形成装置10が使用するCPUとしては、より具体的には、例えば、PENTIUM(登録商標)〜PENTIUM(登録商標)IV、PENTIUM(登録商標)互換CPU、POWER PC(登録商標)、MIPSなどを挙げることができる。
【0019】
また、使用するオペレーティング・システム(OS)としては、MacOS(商標)、Windows(登録商標)、Windows(登録商標)200X Server、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)またはそれ以外の適切なOSを挙げることができる。さらに、画像形成装置10は、上述したOS上で動作する、C、C++、Visual C++、VisualBasic、Java(登録商標)などのオブジェクト指向のプログラミング言語により記述されたアプリケーション・プログラムを格納し、実行する。
【0020】
画像処理部22は、イメージ・スキャナにより取得された画像データに対してフィルタリング処理、文字画像抽出処理、網点画像抽出処理などを実行し、その結果生成される各種の属性値に基づき画像処理を行い、プリント指令をエンジン・コントローラ32へと送出する。エンジン・コントローラ32は、画像形成装置10の仕様に応じて、直接またはUSB(Universal Serial BUS)またはIEEE1284などのバスを介して、感光体ドラム、現像装置、定着装置などを含むプリンタに対して作像を行わせている。また、画像形成装置10は、ファクシミリ・コントローラ30またはネットワーク・インタフェース・カード(NIC)34、ATA、シリアルATA、ATAPI、ATA−4などの規格を有する記憶装置インタフェース36などのインタフェースを備えている。
【0021】
ファクシミリ・コントローラ30は、取得した画像データをG3、G4などのファクシミリ・フォーマットへと変換させ、モデムなどのファクシミリ送受信装置38またはDSU/TA40を介してT.4、T.6、T.90などの通信プロトコルの下で、公衆電話網またはISDNなどを経由してアナログまたはディジタル回線を介してファクシミリ通信を行っている。
【0022】
また、NIC34は、100BASE−TXなどのイーサネット(登録商標)ケーブルを介してローカルエリア・ネットワーク(LAN)、ワイドエリア・ネットワーク(WAN)、またはインターネットなどのネットワーク44へと接続されていて、ユーザに対して画像形成装置10をリモート・プリンタとして機能させ、またSMTP、POPなどのプロトコルの下で電子メールなどのサービスを提供させている。なお、電子メールなどのサービスは、NIC34を経由せず、モデムなどを介してPPP(Point-to-Point Protocol)のもと、ダイアルアップ接続で都度接続先を指定して送受信することもできる。また、本発明の画像形成装置10は、インターネット44などの公共ネットワークに接続された、ディレクトリ・サーバまたはファイル・サーバなどの情報処理装置に接続されていて、種々のトランザクションを可能としている。
【0023】
また、記憶装置インタフェース36は、ハードディスク・ドライブ、SDカード、メモリ・スティックなどの外部記憶装置を接続し、ADFにより取得されたオリジナルの画像データ、アドレス帳データなどを外部記憶装置に格納させている。この他、画像形成装置10は、SCSIなどの適切なインタフェースを使用し、USB、PCIなどのバスを介してフレキシブル・ディスク、CD−ROM、DVD、MOなどの外部記憶装置46と接続されていてもよい。
【0024】
本発明の画像処理装置10は、RAM26などの適切な格納領域にプラグイン・モジュールやアドイン・モジュールとして機能させるため、例えばDLLなどの拡張子により指定されたファイル名とされた追加モジュールを格納している。また、本発明で追加モジュールを作成する場合のプログラミング言語としては、C、C++、JAVA(登録商標)を使用することができ、これらは、エクスポート関数、メソッド、クラスとして、所定のディレクトリなどに格納され、ランタイム呼出しなどに応答して、プラグインまたはアドイン機能を提供する。
【0025】
本発明の画像処理装置10は、追加モジュールのエラーチェック処理部を備えており、追加モジュールの機能検査を実行する。本発明の特定の実施の形態では、エラーチェック処理部は、追加モジュールの機能を使用する、特定の処理部、例えば、入出力I/F18などのモジュールとして構成することができる。
【0026】
また、この他、ネットワーク制御機能についての追加モジュールを提供する場合には、エラーチェック機能は、NIC34を管理するネットワーク・ドライバに実装することができる。
【0027】
本発明の他の実施の形態では、エラーチェック処理部を、エラーチェックを実行する独立したモジュールとして画像処理装置10に構成することができる。この実施例の場合には、独立モジュールは、追加モジュールからの出力値を統括的にチェックする。この場合、追加モジュールを使用する各モジュールごとにエラーチェック処理部を追加することなく、エラーチェック・モジュールおよび追加モジュールの開発だけを行うことができるので、効率的なソフトウェア開発が可能となる。
【0028】
図2は、本発明の画像処理装置10が含むエラーチェックを実行するエラーチェック処理部の実施の形態を示す。図2に示した実施の形態では、追加モジュールは、ユーザ・インタフェース提供機能を与えており、エラーチェック処理部52は、利用する入出力I/F処理部18のモジュールとして構成されている。図2を使用して説明すると、入出力I/F処理部18は、UI作成処理部50を備えている。UI作成処理部50は、プラグイン関数A56、プラグイン関数B58などの追加モジュールに対してランタイム呼出しを実行し、また追加モジュールから戻り値または出力引数を取得して、タッチパネル上に表示するべきUI表示を生成する。また、図2に示すように、機能検査処理部48は、エラーチェック処理部52と、エラー通知処理部54とを備えている。
【0029】
エラーチェック処理部52は、UI作成処理部50から呼び出された追加モジュールの出力値がUI作成処理部50から渡されて、出力値がUI作成処理部50で指定するフォーマットとされているか、または出力値の数、または属性が適切か否かを判断する。エラーチェック処理部52の処理結果は、エラー判断に応答して、UI作成処理部50またはエラー通知処理部54へと渡される。
【0030】
エラーが発生しない場合には、UI作成処理部50は、追加モジュールの出力値を使用して、UI表示を作成する。また、エラーが発生し、エラーチェック処理部52が、IOExeption_Errorなどのエラーを生成すると、エラー通知処理部54へと、検出されたエラー内容を示すテキスト・データを送付する。通知されたエラー内容は、タッチパネル上に表示されるか、または後に参照できるようにログデータとして画像処理装置10のログデータ記録部に書き込む処理が実行される。
【0031】
図3は、本発明の実施の形態において、機能検査処理部48と追加モジュールとの間のシーケンス図である。入出力I/F18が”getUIFormat”などの呼出しを実行すると、追加モジュールは、対応する処理を実行し、その実行結果である戻り値、出力引数などの出力値を機能検査処理部48に渡す。機能検査処理部48は、エラーチェック処理部52を起動して、受け取った出力値などを渡し、エラーチェック処理を実行させる。エラーがあった場合には、エラー通知処理を実行する。また、エラーが発生しなかった場合には、UI作成処理部50へと追加モジュールの出力値を渡して以後の処理を実行させている。
【0032】
図4は、本発明の入出力I/F処理部18が実行する機能検査処理の実施の形態を示したフローチャートである。図4の処理は、ステップS100から開始し、ステップS101で追加モジュールからの出力値を取得する。ステップS102では、追加モジュールごとに設定された条件リストをルックアップして、エラー判定処理を実行する。ステップS103で追加モジュールの出力値にエラーがあるか否かを判断し、エラーがない場合(no)ステップS105で入出力I/F処理部18に戻り値または出力引数を渡し、ステップS107で処理を終了させる。
【0033】
また、ステップS103の判断でエラーがあると判断された場合(yes)、ステップS104でエラー内容に対応するテキスト・データまたは構造化言語のファイルを作成して、ログデータに記述させるエラー通知処理を実行する。エラー内容の作成は、指定された形式と出力値のセットの間の差分を検査し、差分に対応したコメントなどを作成して表示・格納させるか、または対応して登録されたコメントなどを読み出して表示・格納することができる。その後、ステップS106で入出力I/F処理部に対してエラー終了させるためのエラー終了処理を起動して、入出力I/F処理部に通知を行い、ステップS107で処理を終了させる。
【0034】
図5は、図4で説明したエラー判定処理のために使用する条件リスト60の実施の形態を示した図である。図5に示す条件リスト60には、追加モジュールの識別値を登録するフィールド62と、当該識別値により指定される追加モジュールが出力する値のリストを登録するフィールド64とを備えている。エラー判定処理は、条件リスト60をルックアップして、呼出しが実行された追加モジュール識別値で指定されるレコードに登録されたフィールド64の値を取得する。その後、フィールド64の値と追加モジュールからの出力値とを順次比較して、各値の数、各値の属性値が正しいかなどを検査する。
【0035】
また、図5に示した実施の形態では、追加モジュール識別値として、例えばネットワーク設定を実行するためのデータを取得する“getNetworkData”なども登録されていて、その戻り値として、ドメイン識別値、サーバ・アドレスなどの値がチェック項目として設定されているのが示されている。本発明では、これらの追加モジュールに限定されることなく、いかなる追加モジュールでも同様の条件リストを作成し、追加モジュールを呼び出した機能処理部が、追加モジュールの出力値を使用して処理を実行する前に、エラー通知を生成させることができる。
【0036】
図6は本発明の特定の実施の形態で、UI表示を実行させるためのデータを作成する追加モジュールと、当該追加モジュールの出力値を使用して、UI作成処理部50が作成したUI表示の実施の形態を示す。図6に示したUI表示66は、UI表示がリスト・ボックス68としてUI表示を与えており、このリスト・ボックスが、「テスト」モードであることを示すモード表示フィールド70と、出力されたアイテムを表示されるアイテム名表示フィールド72とを表示している。
【0037】
追加モジュールは、UI作成処理部50からの呼出しを受け付けると、“フォームタイプ,フォーム名,フォーム固有設定”のカンマ、スペースなどの適切な区切りで識別されたフォーマットの出力値を返す。また、フォーム固有設定の値は、当該フォームが必要とする表示アイテムの数、アイテム名称1、・・・アイテム名称Nなどが同様にカンマ区切りまたはスペース区切りとして与えられている。エラーチェック処理部52は、図6に示したフォーマットの出力値を取得し、図5に示した条件リストを、対応する追加モジュール識別値のレコードから取得して、逐次比較を実行し、その数および属性を検査し、その結果を使用して以後の処理を実行する。なお、本発明では、さらに別のフォーマットでも対応できるように、エラーチェック処理部52に適切なプロトコル解析処理部を実装しても良い。
【0038】
また、受信した出力値が、例えば、“ListBox,テスト,3,りんご,ミカン,メロン”であるべき所、追加モジュールからの出力値が、“ListBox,3”のみであった場合には、エラーチェック処理部52は、差分値を判断して、“ListBoxのアイテム数が不正です”などのテキスト・データを作成し、エラー通知処理部54へと渡し、エラー通知処理部54による処理のために使用させる。
【0039】
図7は、本発明の機能検査処理の第2の実施の形態を示す。図7に示した実施の形態では、機能検査処理は、入出力I/F処理部のモジュールとして実装されている。また、機能検査処理をユーザからの指令に応答して実行するか否かを記述したエラーチェック制御部74を備えている。エラーチェック制御部74は、ユーザからエラーチェックを実行することを通知する値を受け付けると、例えば、変数“check_error”にエラーチェックを実行する値を記述する。
【0040】
エラーチェック制御部74は、追加モジュールのエラーチェックを実行する場合、変数check_errorの値を検査し、check_errorの値がエラーチェックを実行する値を示す場合(true)の場合には、エラーチェック処理部52およびエラー通知処理部を起動して機能検査を実行させる。また、エラーチェック・モード制御部74は、変数check_errorの値が、エラーチェックを実行しないことを示す値の場合(false)には、そのままUI作成処理部50を起動して、追加モジュールからの戻り値または出力引数などの出力値を使用したUI表示の作成を実行する。
【0041】
本発明の図7に示した実施の形態では、エラーチェック制御部74は、サービス・モードなどでサービスマンまたは追加モジュールの開発者が外部入力により指定することができる構成とすることができる。この実施の形態では、デバックなどが必要な場合にだけエラーチェックを実行させることができるので、それ以外の場合にはエラーチェック処理部52による割り込みを受けることなく、UI作成処理部50による効率の良い処理を実行することができる。また、追加モジュールを呼び出すごとにエラーチェック処理部52の処理を呼び出すことが必要なく、機能検査処理の実装を、他の機能モジュールの機能低下を最低限としつつ、行うことができる。
【0042】
図8は、本発明の検査処理方法の第2の実施形態のフローチャートを示した図である。図8に示した処理は、ステップS200から開始し、ステップS201で変数check_errorの値を取得し、ステップS202でcheck_errorの値を検査し、check_errorの値が、エラーチェックを実行することを示す値である場合(true)には、ステップS203で条件リストをルックアップして受け取った出力値のエラーチェックを実行する。ステップS204では、エラーがないか否かを判断し、エラーが発見された場合(no)には、ステップS205でエラー通知処理を実行し、タッチパネル上にエラー表示を行うか、またはログデータに記述するテキスト・データを作成して、ログデータ記録部に通知して、ステップS206で処理を終了させる。また、ステップS204でエラーがないと判断された場合(yes)には、機能検査処理を終了させてUI作成処理部50による処理を開始させる。
【0043】
一方、check_errorの値が、エラーチェックを実行しないことを示す値である場合(false)には、ステップS206へと処理を分岐させて、機能検査処理を終了させ、直ちにUI作成処理部50に処理を実行させる。
【0044】
本発明の画像形成装置10は、追加モジュールの出力結果を判断する機能を備えているので、追加モジュールの検査結果に応答して追加モジュールのエラー状態を知ることができ、効率的な追加モジュール開発を行うことができる。
【0045】
また、ユーザ指令により機能検査処理の実行を管理できるので、検査が必要とされる場合にだけ検査機能を起動し、それ以外は通常の処理を実行させることができるので、UI作成処理部50の通常の処理を阻害することなく、機能検査機能を実装することができる。また、本発明は、画像形成装置の追加モジュールを検査するものとして説明してきたが、本発明は同様のプラグイン関数またはアドイン関数を使用することができるいかなる情報処理装置についても適用することができる。
【0046】
また、本発明の上記機能は、C、C++、Java(登録商標)、Java(登録商標)Beans、Java(登録商標)Applet、Java(登録商標)Script、Perl、Rubyなどのオブジェクト指向ブログラミング言語などで記述された装置実行可能なプログラムにより実現でき、装置可読な記録媒体に格納して頒布することができる。
【0047】
これまで本発明を図面に示した実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、他の実施の形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、エラーチェック処理部の実装などについては本発明の作用・効果を奏する限り、いかなる実装形態であっても、本発明の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の画像処理装置の実施の形態を示した図。
【図2】本発明の機能検査処理部の実施の形態を示した図。
【図3】本発明の機能検査処理のシーケンスを示した図。
【図4】本発明の機能検査処理方法のフローチャート。
【図5】本発明の機能検査処理に使用する条件リスト。
【図6】本発明の機能検査処理によりUI作成処理部が作成するUI表示を示した図。
【図7】本発明の第2の実施の形態における機能検査処理部を示した図。
【図8】本発明の第2の機能検査処理方法のフローチャート。
【符号の説明】
【0049】
10…画像形成装置、12…スキャナ装置、14…パネル(入力キー)、16…スキャナI/F、18…入出力I/F、22…画像処理部、24…中央処理装置(CPU)、26…RAM、28…ROM、30…ファクシミリ・コントローラ、32…エンジン・コントローラ、34…ネットワーク・インタフェース・カード(NIC)、36…記憶装置インタフェース、38…ファクシミリ送受信装置、40…DSU/TA、42…プリンタ、44…ネットワーク、46…記憶装置、48…機能検査処理部、50…UI作成処理部、52…エラーチェック処理部、54…エラー通知処理部、56、58…プラグイン関数(追加モジュール)、60…条件リスト、62、64…フィールド、66…UI表示、68…リスト・ボックス、70…モード表示フィールド、72…アイテム名表示フィールド、74…エラーチェック制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置からの呼出しに応答して追加モジュールが機能を拡張する情報処理装置であって、
前記追加モジュールからの出力値を取得して、前記出力値が情報処理装置の指定する形式か否かを検査し、エラー内容を作成するエラーチェック処理部と、
前記エラーチェック処理部の検査によりエラーと判断された場合に、作成された前記エラー内容を受け取り、通知処理を行うエラー通知処理部と
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記エラー通知処理部からの前記エラー内容を記録するログデータ記録部を備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記追加モジュールからの出力値または前記エラー内容を表示させるUI表示作成部を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記追加モジュールからの出力値を、前記追加モジュールの識別値に対応して指定したリストを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
外部入力を受け付け、前記外部入力に応答して前記エラーチェック処理部によるエラーチェックを制御するエラーチェック制御部を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記追加モジュールは、プラグイン機能またはアドイン機能を提供するソフトウェア・モジュールである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置に対して追加モジュールの機能検査方法を実行させる装置実行可能な機能検査方法であって、情報処理装置に対して
前記追加モジュールからの出力値を取得して、前記出力値が情報処理装置の指定する形式か否かを検査し、エラー内容を作成するステップと、
前記検査によりエラーと判断された場合に、作成された前記エラー内容を受け取り、通知処理を行うエラー通知処理部と、
前記追加モジュールからの出力値または前記エラーとの判断に応答して前記エラー内容を表示させるステップと
を実行させる、装置実行可能な機能検査方法。
【請求項8】
ログデータ記録部に前記エラー通知処理部からの前記エラー内容を記録するステップを含む、請求項7に記載の機能検査方法。
【請求項9】
前記エラー内容を作成するステップは、前記追加モジュールからの出力値を、前記追加モジュールの識別値に対応して指定したリストをルックアップするステップと、
前記リストにリストされ、前記出力値に含まれていない値の差分値を取得して前記エラー内容を作成するステップを含む、請求項7または8に記載の機能検査方法。
【請求項10】
外部入力を受け付け、前記外部入力に応答して前記エラーチェック処理部によるエラーチェックを制御するステップを含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載の機能検査方法。
【請求項11】
前記追加モジュールは、プラグイン機能またはアドイン機能を提供するソフトウェア・モジュールである、請求項7〜10のいずれか1項に記載の機能検査方法。
【請求項12】
請求項7〜10のいずれか1項に記載の機能検査方法を情報処理装置に実行させる、装置実行可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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