説明

情報処理装置、画像読取装置、画像読取システム、制御方法、プログラム、及び記録媒体

【課題】装置を大型化せず、高額化させず、重送検知機能の誤検知、検知失敗を避け、重送が検知された部位の視認性をあげ、重送検知機能に関する操作性を向上した画像読取装置を提供すること。
【解決手段】PC314のCPU317は、画像読取装置200からシートの重送を検知した旨の通知を受けた場合、画像読取装置200から受信した原稿の読取画像に対応させて、画像読取装置200から通知された重送検知エリアを表示し、さらに該表示した重送検知エリアを重送エラー無効エリアする指定を受け付け、前記重送検知エリアが重送エラー無効エリアに指定された場合、前記重送検知エリアを重送エラー無効エリアとして画像読取装置200に設定し、画像読取装置200の原稿読取処理を継続可能に制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートの重送を検知可能な画像読取装置の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
ドキュメントスキャナや複写機などのシートを搬送する自動給紙機構において紙が複数枚重なって給紙されたことを検知する重送検知機能がついているものがある。一般に、この設定/解除はユーザが行い、ユーザはこの機能を有効にすることで重送の発生を知ることができる。
【0003】
しかし、原稿に付箋紙や写真といった別シートが貼られている場合、原稿は1枚であっても、原稿に貼られた別シートが重送検知センサの検知エリアを通過すると重送が発生したと判断して、給紙を停止し、エラーメッセージを表示するといった処置が行われる。
【0004】
そのため、このような一般的な重送検知機能では、重送検知が可能な範囲に別シートが添付された原稿の搬送に重送検知機能を用いることが困難であった。
【0005】
この問題を解決するために特許文献1に示された方法が提案されている。
特許文献1記載の画像読取装置によると、用紙長さを測定可能な用紙長測定手段と、重なって搬送された用紙同士の重なった距離を測定可能な重送長測定手段とシートが間髪あけずに搬送され続けた距離を測定可能な搬送長測定手段を用いて重送長と用紙長及び搬送長を測定し、搬送長が用紙長を超えかつ重送した2枚の用紙長の合計値と搬送長の差分が重送長と等しい際にのみ重送と判定することにより、原稿よりも小さい添付物が用紙に張り付いていた場合は重送と判定することを避けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−13345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の方法は、用紙同士が完全に重なりあっていた場合や、サイズの異なる用紙同士が搬送方向に対して一方の用紙がもう一方の用紙からはみ出すことなく重なって搬送された場合に、重送を検知できない可能性がある。
【0008】
そして、添付物また用紙長が搬送長と等しいときは重送と判定しないため、このようなときにユーザに重送が告知されず重送検知に失敗したことをユーザが気づかない可能性が高い。また、異なったサイズの用紙混載時は用紙長を一枚ずつ測定しなければならない。
【0009】
さらに、特許文献1では通常の重送検知手段に加え用紙長測定手段及び搬送長測定手段の双方が必要になり、装置が大型化、高額化する可能性があった。
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、画像形成装置を大型化せず、高額化させず、重送検知機能の誤検知、検知失敗を避け、重送が検知された部位の視認性をあげ、重送検知機能に関する操作性を向上する仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、シート束からシートを一枚ずつ給送しながらシートの画像を読み取るにあたりシートの重送を検知する画像読取装置を制御する情報処理装置であって、前記画像読取装置で読み取られた画像データを前記画像読取装置から受信する画像データ受信手段と、前記画像データ受信手段で受信した画像データを記憶する記憶手段と、前記画像読取装置がシートの重送を検知したこと及び前記画像読取装置がシートの重送を検知した領域を示す重送検知エリアに関する重送情報を前記画像読取装置から受信する重送情報受信手段と、前記重送情報受信手段が前記重送情報を受信した場合、前記画像データ受信手段で受信した画像データに対応する重送検知エリアを表示する表示手段と、前記表示手段で表示された重送検知エリアを、そのエリアで重送が検知されても重送エラーとしない無効エリアとして指定する指定手段と、前記指定手段により前記重送検知エリアが前記無効エリアに指定された場合、前記重送検知エリアを前記無効エリアとして設定するように制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、装置を大型化せず、高額化させず、重送検知機能の誤検知、検知失敗を避け、重送が検知された部位の視認性をあげ、重送検知機能に関する操作性を向上した画像読取装置を提要することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例を示す画像読取装置の外観を示す斜視図である。
【図2】画像読取装置200の概略縦断面図である。
【図3】画像読取装置200及びPC314の内部構成を示すブロック図である。
【図4】PC314にインストールされたアプリケーションによってPC314に接続されたディスプレイ320に表示されるアプリケーション画面の一例を示す図である。
【図5】画像読取装置200におけるスキャン処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】PC314にインストールされたアプリケーションを用いてスキャン処理をするフローチャートである。
【図7】図6のS700の原稿なし通知処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】図6のS800の重送後処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】図8のステップS900の重送回復待ち処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】PC314のディスプレイ320に表示される原稿無し通知ダイアログ1000の一例を示す図である。
【図11】PC314のディスプレイ320に表示される終了ダイアログ1400の一例を示す図である。
【図12】PC314のディスプレイ320に表示される重送エラーダイアログ1200の一例を示す図である。
【図13】PC314のディスプレイ320に表示される重送部位を示す画像の一例を示す図である。
【図14】PC314のディスプレイ320に表示される無効エリア設定ダイアログ1300の一例を示す図である。
【図15】PC314のディスプレイ320に表示される継続確認ダイアログ1500の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の一実施例を示す画像読取装置の外観を示す斜視図である。
図1に示すように、画像読取装置200は、複数枚のシート原稿(以下、原稿)101を載置可能な原稿台102と、排紙された原稿101が載置される排紙台103と、本装置を操作するための操作パネル106と、原稿101の載置位置を規制する原稿規制板105等を備える。
【0016】
画像読取装置200は、後述する図3に示すパーソナルコンピュータ(以下、PC)314と、周知のSCSI(Small Computer System Interface)やUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介して接続されている。
【0017】
PC314は、画像読取装置200を制御する情報処理装置である。PC314には、画像読取装置200を制御するためのスキャナドライバや画像キャプチャアプリケーションがインストールされており、これらにより画像読取装置200に画像を読み取らせ、読取画像を受信することが可能となっている。
【0018】
図2は、画像読取装置200の概略縦断面図である。
図2に示すように、画像読取装置200は、給紙センサ201、給紙ローラ202、分離ローラ203、搬送ローラ204、搬送従動ローラ205、重送検知センサ206、レジストセンサ207、表面画像読取ユニット208、裏面画像読取ユニット209、排紙センサ210、排紙ローラ211,排紙従動ローラ212、メインモータ213等を備える。
【0019】
給紙センサ201は、原稿台102上の原稿101の有無を検知する。給紙ローラ202は、原稿台102に載置される原稿束から原稿101を一枚ずつ装置内に給紙搬送(給送)する。分離ローラ203は、原稿101の搬送方向に対して反対方向に回転して給紙ローラ202により給送される原稿を分離する。搬送ローラ204は、装置内に搬送された原稿101を搬送する。搬送従動ローラ205は、搬送ローラ204に追従して回る。
【0020】
重送検知センサ206は、搬送路上の原稿101の重送を検知する。レジストセンサ207は、原稿101の通過有無を検知する。
【0021】
表面画像読取ユニット208は、搬送路上を搬送されている原稿101の表面の画像を読み取る。裏面画像読取ユニット209は、搬送路上を搬送されている原稿101の裏面の画像を読み取る。排紙ローラ211は、原稿101を装置外に排紙する。排紙従動ローラ212は、排紙ローラ211に追従して回る。
【0022】
メインモータ213は、給紙ローラ202、搬送ローラ204、及び排紙ローラ211を駆動する。排紙センサ210は、排紙される原稿101を検知する。
【0023】
図3は、画像読取装置200及びPC314の内部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、画像読取装置200は、表面画像読取センサ部301f、裏面画像読取センサ部301b、画像合成部302、画像処理部303、画像メモリ304等を有する。
【0024】
表面画像読取センサ部301fは、原稿101の表面の画像を読み取る読取部であり、表面画像読取ユニット208に内蔵されている。裏面画像読取センサ部301bは、原稿101の裏面の画像を読み取る読取部であり、裏面画像読取ユニット209に内蔵されている。
【0025】
画像合成部302は、表面画像読取センサ部301fで読み取った原稿表面の画像データと、裏面画像読取センサ部301bで読み取った原稿裏面の画像データとを合成する。画像処理部303は、画像合成部302で合成された画像データに対して色調調整などの所定の画像処理を行う。画像メモリ304は、画像処理部303で画像処理された画像データを記憶するためのものである。
【0026】
さらに、画像読取装置200は、駆動制御部305、原稿検知センサ制御部306、CPU308、フラッシュメモリ307、タイマ309、USB制御部310、重送検知センサ制御部311等を有する。
【0027】
駆動制御部305は、表面画像読取センサ部301fや裏面画像読取センサ部301bを走査駆動したり、原稿101を搬送したりするためのローラを駆動する。
【0028】
原稿検知センサ制御部306は、搬送路上の原稿101の有無を検知するエラー検知部である。なお、原稿検知センサ制御部306には、給紙センサ201、レジストセンサ207、及び排紙センサ210が接続されている。
【0029】
フラッシュメモリ307は、CPU308が実行する各種の制御プログラムをコンピュータ読取可能に保持する。CPU308は、フラッシュメモリ307に記録されたプログラムを読み出して実行することにより、本装置全体を制御する。タイマ309は、駆動制御部305などを制御するためのタイミング信号等を生成する。
【0030】
USB制御部310は、PC314との通信を制御して、PC314との間で画像データ等を送受信する。
【0031】
重送検知センサ制御部311は、超音波を用いて原稿101の重送の有無を検知する。なお、重送検知センサ制御部311には、超音波センサである重送検知センサ206が接続されている。
【0032】
PC314は、インタフェース(I/F)319、CPU317、ROM315、RAM316、I/Oポート318、ハードディスク(HDD)322等を有する。
【0033】
インタフェース319は、画像読取装置200とデータを送受信するためのインタフェースである。CPU317は、ROM315やHDD322等にコンピュータ読取可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより、PC314全体を制御する。RAM316は、CPU317の作業領域として使用される。I/Oポート318は、マウスやキーボードを含む入力装置321やディスプレイ320と接続するためのものである。
【0034】
図4は、PC314にインストールされたアプリケーションによってPC314に接続されたディスプレイ320に表示されるアプリケーション画面の一例を示す図である。
【0035】
図4において、400はアプリケーション画面である。アプリケーション画面400には、スキャン開始ボタン401、スキャンストップボタン402、モード設定ボタン403、読取画像表示部404、スキャナ状況表示部405がある。
【0036】
スキャン開始ボタン401、スキャンストップボタン402、モード設定ボタン403は、オペレータによる入力装置321からの操作によってクリックされるカーソルであり、オペレータはスキャン開始ボタン及びスキャンストップボタンをクリックすることにより、読取装置への動作指示を行え、モード設定ボタンをクリックすることにより、読取装置の動作環境の設定を行える。スキャン開始ボタン401は、画像読取装置200にスキャンの開始命令をするためのボタンである。スキャンストップボタン402は、スキャンの中止中断を命令するためのボタンである。モード設定ボタン403は、原稿読取設定を行うためのボタンであり、クリック後重送検知の有効/無効の設定ができる。さらに、重送検知を有効に設定した場合、後述する重送エラー無効エリアの設定も行うことができる。
【0037】
読取画像表示部404は、読取画像及び重送検知部を表示するための表示領域である。スキャナ状況表示部405は、画像読取装置200の状態等の表示するための表示領域である。
【0038】
なお、上記のボタン401〜403がオペレータにクリックされた場合、クリックされたボタンに対応した不図示のダイアログがアプリケーション画面400と別に表示される。
【0039】
また、モード設定ボタン403がクリックされた場合に表示されるダイアログ上で、重送検知の有効/無効の切り替え及び、後述する重送エラー無効エリアを設定することが可能である。重送エラー無効エリアは、オペレータにより読取画像上に設定されるエリアであり、設定されたエリア内で原稿搬送中に重送が検知されても重送エラーと判定されない。本実施例では、画像読取装置200は、重送エラー無効エリア内で重送を検知しても、重送の発生をPC314に通知することなく、原稿の搬送と読み取りを継続する。
【0040】
なお、オペレータがアプリケーション画面400にて設定した原稿の読み取り設定、重送エラー無効エリア等の設定値は、画像読取装置200による読み取り開始前に、PC314からUSB制御部310経由で画像読取装置200に送信されて、画像読取装置200のフラッシュメモリ307に保存される。
【0041】
次に、画像読取装置200における原稿101の画像読取処理(スキャン処理)を図5〜図15を参照して説明する。なお、以下に説明する処理は、本発明の一実施形態としてPS314のディスプレイ320に表示される画面にて入力装置321により画像読取開始/停止を操作した場合の処理を示すものであり、本発明の画像読取装置の画像読取処理は、以下の図5〜図15で示す処理に限定されるものではない。
【0042】
図5は、画像読取装置200におけるスキャン処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、画像読取装置200のCPU308がフラッシュメモリ307にコンピュータ読取可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0043】
CPU308は、まず、PC314からUSB制御部310を介してスキャン開始命令(スタート命令)が通知されたと判定した場合(S501でYes)、予め設定されてフラッシュメモリ307に記憶された設定値を読み出し、該設定値に基づいてスキャンを再開するように、S502に処理を進める。
【0044】
S502では、CPU308は、給紙センサ201により原稿101の存在を検知したか否かを確認する。そして、原稿101の存在を検知したと判定した場合(S502でYes)、CPU308は、メインモータ213を駆動して原稿101の給紙を開始する(S503)。これにより、原稿台102に載置された原稿101は、周知の原稿分離機構により1枚ずつ分離され、画像読取装置200内へ給紙搬送される。
【0045】
次に、S504において、CPU308は、装置内へ給紙搬送された原稿101の先端がレジストセンサ207を通過するまで待機する。そして、原稿101の先端がレジストセンサ207を通過したと判定した場合(S504でYes)、CPU308は、その一定時間後に表面画像読取センサ部301f及び裏面画像読取センサ部301bを制御して原稿101の画像読み取りを開始する(S505)。
【0046】
上記S505の画像読み取りが開始された後、CPU308は、原稿101の後端がレジストセンサ207を通過するまで待機する(S506)。そして、原稿101の後端がレジストセンサ207を通過したと判定した場合(S506でYes)、CPU308は、その一定時間後に表面画像読取センサ部301f及び裏面画像読取センサ部301bを制御して原稿101の画像読み取りを終了する(S507)。このようにして表面画像読取センサ部301f及び裏面画像読取センサ部301bで読み取られた原稿101の画像は、CPU308の制御により、画像データとしてUSB制御部310を介してPC314に送信される。
【0047】
次に、CPU308は、原稿101の後端が排紙センサ210を通過するまで待機する(S508)。そして、原稿101の後端が排紙センサ210を通過したと判定した場合(S508でYes)、CPU308は、S509に処理を進める。
【0048】
次に、CPU308は、重送エラー無効エリアの外(重送検知対象エリア)に重送があったかどうかを判定する(S509,S511)。以下、詳細に説明する。
【0049】
まず、S509において、CPU308は、原稿101が給紙されてから排紙されるまでの間に重送検知センサ206が重送を検知したか否かを判定する。
【0050】
そして、重送を検知しなかったと判定した場合(S509でNo)、CPU308は、原稿101を排紙し(S510)、S502に処理を戻し、スキャン処理を継続するように制御する。
【0051】
一方、原稿101が原稿搬送中又は画像読み取り中に重送検知センサ206により原稿101の重送を検知したと判定した場合(S509でYes)、CPU308は、S511に処理を進める。なお、CPU308は、重送検知センサ206が原稿101の重送を検知した場合、重送を検知した部位(重送検知エリア)をフラッシュメモリ307に保持するように制御する。なお、重送検知エリアは、例えば重送を検知した範囲を含む矩形の原稿上での左上座標、右下座標でフラッシュメモリ307に保持されるものとする。
【0052】
S511では、CPU308は、重送を検知した部位が重送検知対象エリア内か(即ち、重送エラー無効エリアの外か)否かを判定する。なお、重送エラー無効エリアは、予めオペレータによりPC314から設定されて画像読取装置200のフラッシュメモリ307に保存されている。重送エラー無効エリアの設定方法についての詳細は後述する。
【0053】
そして、重送を検知した部位が重送検知対象エリア内でない(重送エラー無効エリアに該当する)と判定した場合(S511でNo)、CPU308は、重送エラーとせず、原稿101を排紙し(S510)、S502に処理を戻し、スキャン処理を継続するように制御する。
【0054】
一方、重送を検知した部位が重送検知対象エリア内である(重送エラー無効エリアに該当しない)と判定した場合(S511でYes)、CPU308は、重送エラーとして扱い、S512に処理を進める。
【0055】
S512では、CPU308は、メインモータ213を停止し、重送を検知した旨をPC314に通知し(S513)、フラッシュメモリ307に保持された重送を検知した部位(範囲)を示す情報である重送検知部位(重送検知エリア)をPC314に通知し(S514)、本フローチャートの処理を終了する。なお、S513の通知(重送検知通知)とS514の通知(重送検知部位通知)とを、一度の通知で行ってもよい。この場合、PC314も、後述する図6のS606で、重送検知通知と重送検知部位通知とを受信するものとする。
【0056】
また、給紙センサ201により原稿101を検知しないと判定した場合(S502でNo)、CPU308は、S515に処理を進める。なお、給紙センサ201により原稿101を検知しない場合とは、例えば、原稿台102に初めから原稿101が載置されていない、原稿台102に原稿101が正しく載置されていない、又は、原稿台102に載置された複数枚の原稿101を全て読み取り終えて原稿台102に原稿が無くなった場合等である。
【0057】
S515では、CPU308は、メインモータ213が動いているか否かを判定し、動いていると判定した場合(S515でYes)、メインモータ213を停止し(S516)、S517に処理を進める。
【0058】
一方、メインモータ213が動いていないと判定した場合(S515でNo)、CPU308は、そのままS517に処理を進める。
【0059】
S517では、次原稿がない旨をPC314に通知し(S517)、本フローチャートの処理を終了する。
【0060】
図6は、PC314にインストールされたアプリケーションを用いてスキャン処理をするフローチャートである。このフローチャートの処理は、PC314のCPU317がHDD322にコンピュータ読取可能に記録されたアプリケーションプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0061】
CPU317により実行されるアプリケーションプログラム(以下、CPU317)は、オペレータによりスキャン開始ボタン401(図4)がクリックされたと判定した場合(S601)、画像読取装置200にスキャン開始命令(読取開始命令)を送信する(S602)。
【0062】
次に、CPU317は、画像読取装置200から原稿が無いことを示す通知(上記図5のS517の通知)を受信したか否かを判定する(S603)。
【0063】
そして、画像読取装置200から原稿が無いことを示す通知を受信したと判定した場合(S603でYes)、CPU317は、S700に処理を進め、後述する図7に示す原稿なし通知処理を行う。
【0064】
一方、画像読取装置200から原稿が無いことを示す通知を受信しなかったと判定した場合(S603でNo)、CPU317は、S604に処理を進める。
【0065】
上記S602のスキャン開始命令により画像読取装置200はスキャン処理を実行し読取画像(画像データ)をPC314に送信する。そして、CPU317は、画像読取装置200より送信される読取画像(画像データ)を受信してRAM316に格納する画像データ受信処理を行う。
S604では、CPU317は、画像読取装置200から転送される画像データ(読取画像)を受信したか否かを判定する。
【0066】
そして、画像読取装置200から転送される画像データ(読取画像)を受信したと判定した場合(S604でYes)、CPU317は、該受信した画像データ(読取画像)を読取画像表示部404(図4)に表示するように制御する(S605)。なお、画像読取装置200から受信されてRAM316に記憶された画像データは、そのままRAM316に保持される。
【0067】
次に、S606において、CPU317は、画像読取装置200から重送検知通知(図5のS513の通知)を受信したか否かを判定する。
上述したように、画像読取装置200はスキャン処理の実行中に重送エラー無効エリア外で重送を検知すると、重送検知通知をPC314に送信する。CPU317は、画像読取装置200より送信される重送検知通知を受信する重送情報受信処理を行う。
【0068】
そして、重送検知通知を受信しなかったと判定した場合(S606でNo)、CPU317は、S603に処理を戻し、スキャンを継続させるように制御する。
【0069】
一方、重送検知通知を受信したと判定した場合(S606でYes)、CPU317は、S800に処理を進め、後述する図8に示す重送後処理を実行する。
【0070】
図7は、図6のS700の原稿なし通知処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、PC314のCPU317がHDD322にコンピュータ読取可能に記録されたアプリケーションプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0071】
原稿がないことが画像読取装置200から通知されると、PC314のCPU317は、図10に示す原稿無し通知ダイアログ1000をディスプレイ320に表示し(S701)、スキャンを継続するか否かの選択操作を受け付ける。
【0072】
図10は、PC314のディスプレイ320に表示される原稿無し通知ダイアログ1000の一例を示す図である。
【0073】
図10に示すように、原稿無し通知ダイアログ1000には、スキャン継続する場合に指示する継続ボタン1001と、スキャン終了する場合に指示するスキャンストップボタン1002が設けられている。オペレータは、入力装置321を用いて、継続ボタン1001、又はスキャンストップボタン1002をクリック操作することにより、スキャンを継続するか否かの選択操作を行うことができる。
【0074】
そして、オペレータからの選択操作を検知すると、CPU317は、オペレータによって継続ボタン1001がクリックされた(スキャン継続指示があった)か否かを判定する(S702)。
【0075】
そして、継続ボタン1001がクリックされた(スキャン継続指示があった)と判定した場合(S702でYes)、CPU317は、図6のS602に処理を戻し、スキャン開始命令を送信してスキャンを継続するように制御する。例えば、ユーザが原稿台102上に原稿を追加載置して、又は、原稿台102の載置状態を整えて、継続ボタン1001をクリックすることにより、引き続き原稿のスキャンを継続することができる。
【0076】
一方、スキャンストップボタン1002がクリックされた(スキャン終了指示があった)と判定した場合(S702でNo)、CPU317は、図11に示す終了ダイアログ1400をディスプレイ320に表示する(S703)。
【0077】
図11は、PC314のディスプレイ320に表示される終了ダイアログ1400の一例を示す図である。
【0078】
そして、終了ダイアログ1400のOKボタン1401のクリックを検知すると、CPU317は、図6のS601に処理を戻し、オペレータからのスキャン開始操作を待つ。なお、画像読取装置200から受け取った画像データが、RAM316に保持されている場合(即ち、原稿台102上に載置される全ての原稿を給紙したために原稿無しとなった場合)、CPU317は、上記RAM316に保持される画像データをHDD322に保存するように制御する。
【0079】
図8は、図6のS800の重送後処理の一例を示すフローチャートである。この重送後処理においてオペレータは重送エラー無効エリアの設定が可能である。なお、このフローチャートの処理は、PC314のCPU317がHDD322にコンピュータ読取可能に記録されたアプリケーションプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0080】
画像読取装置200から重送の発生が通知(重送検知通知)されると、PC314のCPU317は、ディスプレイ320に図12に示す重送検知した旨を伝えるダイアログを表示する(S801)。
【0081】
図12は、PC314のディスプレイ320に表示される重送エラーダイアログ1200の一例を示す図である。
【0082】
次に、CPU317は、画像読取装置200から転送される重送検知部位(重送検知エリア)を受信するまで待機する(S802)。例えば、重送検知エリアは、重送を検知した範囲を含む矩形の原稿上での左上座標、右下座標で通知されるものとする。
【0083】
そして、画像読取装置200から転送される重送検知部位を受信したと判定した場合(S802でYes)、CPU317は、ディスプレイ320上のアプリケーション画面400に、図13に示すように重送検知部位を示す画像(読取画像(図6のS604で表示した画像)に重送検知部位を重ね、重送検知部位を点滅させた画像)を表示する(S803)。例えば、CPU317は、重送検知部位(原稿上の左上座標、右下座標)を用いて、表示されている原稿の読取画像上に重送検知部位を示す画像を表示する。
【0084】
図13は、PC314のディスプレイ320に表示される重送部位を示す画像の一例を示す図である。
図13に示すように、図8のS803では、重送部位を示す画像として、ディスプレイ320上のアプリケーション画面400に、読取画像1101と、点滅した重送検知部位1102を重ねた画像を表示する。
【0085】
続いて、CPU317は、図14に示す無効エリア設定ダイアログ1300をディスプレイ320に表示し、重送検知部位を重送エラー無効エリアに設定するかどうかの選択操作を受け付けて、選択結果を判定する(S804)。
【0086】
図14は、PC314のディスプレイ320に表示される無効エリア設定ダイアログ1300の一例を示す図である。
【0087】
図14に示すように、無効エリア設定ダイアログ1300には、重送検知部位を重送エラー無効エリアに設定する場合に指示するYESボタン1301と、重送検知部位を重送エラー無効エリアに設定しない場合に指示するNOボタン1302が設けられている。オペレータは、入力装置321を用いて、YESボタン1301、又はNOボタン1302をクリック操作することにより、重送検知部位を重送エラー無効エリアに設定か否かの選択操作を行うことができる。
【0088】
図13のように、読取画像に点滅した重送検知部位を重ねた画像を表示して、オペレータに、重送部位を通知することにより、オペレータは、重送部位を容易、且つ、正確に認識することができる。そして、図14に示す無効エリア設定ダイアログ1300により、その重送検知部位を重送エラー無効エリアに設定するか否かの選択操作を行うことができる。
【0089】
そして、オペレータからの選択操作を検知すると、CPU317は、オペレータによってYESボタン1301がクリックされた(重送検知部位を重送エラー無効エリアに設定する指示があった)か、オペレータによってNOボタン1302がクリックされた(重送検知部位を重送エラー無効エリアに設定しない指示があった)かを判定する。
【0090】
そして、オペレータによってNOボタン1302がクリックされた(重送検知部位を重送エラー無効エリアに設定しない指示があった)と判定した場合(S804でNo)、CPU317は、S805に処理を進める。
【0091】
S805では、CPU317は、図11に示した終了ダイアログ1400をディスプレイ320に表示する。
【0092】
そして、終了ダイアログ1400のOKボタン1401のクリックを検知すると、CPU317は、RAM316に保持されている画像読取装置200から受け取った画像データ(読取画像)を破棄し(S806)、図6のS601に処理を戻す。そして、オペレータからの新たなスキャン開始操作を待つ。
【0093】
一方、オペレータによってYESボタン1301がクリックされた(重送検知部位を重送エラー無効エリアに設定する指示があった)と判定した場合(S804でYes)、CPU317は、S807に処理を進める。
【0094】
S807では、CPU317は、重送検知部位1102を重送エラー無効エリアに設定して画像読取装置200のフラッシュメモリ307に保存する指示(重送エラー無効エリア設定指示)を画像読取装置200に行う。この指示では、重送検知エリアとそのエリアを重送エラー無効エリアに設定する旨の指示が含まれる。この指示により画像読取装置200は、上記重送検知エリアを重送エラー無効エリアに設定してフラッシュメモリ307に格納する。
【0095】
次に、CPU317は、S900に処理を進め、後述する図9の重送回復待ち処理を行うように制御する。なお、ここでは、CPU317は、RAM316に保持されている画像読取装置200から受け取った画像データ(読取画像)の破棄は行わず、該画像データ(読取画像)はRAM316に保持されたままとなる。
【0096】
以下、図9を用いて重送回復待ち処理について説明する。
図9は、図8のステップS900の重送回復待ち処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、PC314のCPU317がHDD322にコンピュータ読取可能に記録されたアプリケーションプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0097】
まず、CPU317は、ディスプレイ320に図15に示す継続確認ダイアログ1500を表示し(S901)、スキャンを継続するか否かの選択操作を受け付ける。
【0098】
図15は、PC314のディスプレイ320に表示される継続確認ダイアログ1500の一例を示す図である。
【0099】
図15に示すように、継続確認ダイアログ1500には、スキャン継続する場合に指示する継続ボタン1501と、スキャン終了する場合に指示するストップボタン1502が設けられている。オペレータは、入力装置321を用いて、継続ボタン1501、又はストップボタン1502をクリック操作することにより、スキャンを継続するか否かの選択操作を行うことができる。
【0100】
そして、オペレータからの選択操作を検知すると、CPU317は、オペレータによって継続ボタン1501がクリックされた(スキャン継続指示があった)か否かを判定する(S902)。
【0101】
そして、継続ボタン1501がクリックされた(スキャン継続指示があった)と判定した場合(S902でYes)、CPU317は、図6のS602に処理を戻し、スキャン開始命令を送信してスキャンを継続するように制御する。ここでは、CPU317は、RAM316に保持されている画像読取装置200から受け取った画像データ(読取画像)の破棄は行わず、該画像データ(読取画像)はRAM316に保持されたままとなる。なお、画像読取装置200は、アプリケーションプログラムからのスキャン開始命令の通知(S602)に応じて、画像読み取り前に予め設定されてフラッシュメモリ307に記憶された設定値(図8のS807で設定された重送エラー無効エリアを含む)を読み出し、該設定値に基づいてスキャン処理を再開する。
【0102】
一方、ストップボタン1502がクリックされた(スキャン終了指示があった)と判定した場合(S902でNo)、CPU317は、図11に示した終了ダイアログ1400をディスプレイ320に表示する(S903)。
【0103】
そして、終了ダイアログ1400のOKボタン1401のクリックを検知すると、CPU317は、RAM316に保持されている画像読取装置200から受け取った画像データ(読取画像)を破棄し(S904)、図6のS601に処理を戻す。そして、オペレータからの新たなスキャン開始操作を待つ。
【0104】
以上示したように、上記実施例では、PC314で読取画像及び重送検知部位の表示、及び重送検知後の継続可否の問い合わせ(重送エラー無効エリアの設定の有無、設定後の継続の有無の問い合わせ)を行っている。しかし、画像読取装置200本体の操作パネル106を用いて読取画像及び重送検知部位の表示、及び重送検知後の継続可否の問い合わせを行うように構成してもよい。
【0105】
また、上記実施例では、超音波を用いて原稿の重送検知を行っているが、その他の方法、例えば原稿長さの検知や厚さによって原稿の重送検知を行うようにしてもよい。
【0106】
さらに、上記実施例では、重送エラー無効エリアで検知された重送をPC314に通知しないという方法で重送エラーの通知/非通知を部分的に切り換えている。しかし、本発明の目的は重送エラー無効エリアにおける重送をオペレータに通知せず連続スキャンを継続することであり、この方法は上記に限らない。重送エラー無効エリアで重送が検知されても重送エラーとしない構成であればどのような方法を用いてもよい。例えば、重送検知を検知する電気部品の電源を落とすといった方法でもかまわない。
【0107】
また、上記実施例では、原稿束の連続スキャン中に重送が発生した際に、重送エラー無効エリアを設定している。しかし、バッチスキャン(連続スキャン)の前に予め、モード設定機能により重送エラー無効エリアを設定してから連続スキャンを開始する、若しくは重送エラー無効エリア設定時のスキャンに引き続き通常のスキャンを継続するといった手順でもかまわない。
【0108】
また、上記実施例では、重送検知部位を重送エラー無効エリアに設定しているが、重送エラー無効エリアは重送検知部位に限らない。例えばオペレータのマウスによるドラッグなどにより、設定してもかまわない。また、重送検知部位(重送検知エリア)1102をオペレータがマウス等により修正し、該修正したエリアを重送エラー無効エリアに設定してもよい。また、重送検知部位(重送検知エリア)1102に新たなエリア(複数でもよい)をオペレータがマウス等により追加し、重送検知エリアと追加したエリアを重送エラー無効エリアに設定してもよい。また、オペレータは任意のタイミングでマウス等の操作によりPC314から画像読取装置200に重送エラー無効エリアの設定を可能にしてもよい。また、これらの設定方法を組み合わせてもよい。この様にオペレータが自由に重送エラー無効エリアを設定できれば、添付物の場所の決まった定型紙に限らず、オペレータが重送エラーを無効にする添付物を張る位置を固定しておけば重送検知を有効的に使用できる。
【0109】
さらに、重送エラー無効エリアの設定後に、その設定値、若しくは設定値及び読取方法の設定をオペレータのカスタマイズモードとして、フラッシュメモリ307に保存しておけば、このカスタマイズモードをスキャン前に呼び出すだけで、何度も搬送する定型紙などの重送エラー無効エリアを毎回設定する手順が不要となる。なお、上記カスタマイズモードを、PC314のHDD322に保存しておき、このカスタマイズモードをスキャン指示の前に呼び出してPC314から画像読取装置200に設定するように構成してもよい。
【0110】
ここで、オペレータが任意のタイミングで、PC314から画像読取装置200に行う重送エラー無効エリアの設定方法について説明する。
【0111】
PC314では、図4に示したモード設定ボタン403にて、重送検知が「有効」に設定され、さらに、不図示のボタンにより、重送エラー無効エリアの設定が指示されると、PC314のCPU317は、設定されている原稿サイズに対応する画像(原稿画像)を、アプリケーション画面400上に表示する。
【0112】
そして、入力装置321を用いて上記原稿画像上への重送エラー無効エリアの指定を受け付ける。例えば、マウス等を用いた上記原稿画像上への矩形領域の指定を受け付ける。そして、オペレータは、上記原稿画像上への矩形領域の指定操作を行い、図示しない決定ボタンをクリックする操作を行うことで、重送エラー無効エリアを決定することができる。この操作を複数回行うことで、複数の重送エラー無効エリアを決定することができる。
【0113】
そして、オペレータが、アプリケーション画面400上の図示しない設定ボタンをクリックすると、CPU317はこの操作を検知し上記重送エラー無効エリアとして決定された1又は複数の矩形領域の情報を重送エラー無効エリアの情報として画像読取装置200に通知する。例えば、矩形領域の左上及び右下の原稿画像上での座標を、重送エラー無効エリアの情報として、画像読取装置200に通知する。
【0114】
この通知を受けて、画像読取装置200のCPU308は、PC314から受け取った原稿画像上への重送エラー無効エリアの情報をフラッシュメモリ307に格納する。以上のように重送エラー無効エリアを設定することができる。
【0115】
なお、本実施例では、重送検知される毎に画像読取装置200から重送を検知の通知がPC314に送信されるので、このタイミングで実行される重送後処理(図8)にてオペレータは重送検知部位を重送エラー無効エリアに設定することができる。このため、上述のように予め手動で重送エラー無効エリアの設定を行うことなく、スキャンを開始することが可能である。
【0116】
最後に様々なサイズのシート媒体の混載されたシート束の中に重送検知非対象物のある用紙が混在している場合の重送エラー無効エリアの使用法について述べる。
【0117】
多くの画像読取装置もしくは、アプリケーションには読み取った画像などから用紙のサイズを求める自動サイズ検知機能が備えられている。
【0118】
様々なサイズの原稿が混載されているシート束をスキャンする場合には、画像読取装置200は図5のS511にて、重送検知エリアとともに自動検知した用紙サイズをPC314に通知する。そして、PC314は図8のS807にて、重送エラー無効エリアとともに、該重送エラー無効エリアを適用する用紙サイズとして画像読取装置200で自動検知された用紙サイズを、画像読取装置200に設定するようにする。そして画像読取装置200はこの設定をフラッシュメモリ307に保存しておき、設定後は自動サイズ検知機能によって検知されたシートのサイズから、重送エラー無効エリアの有効/無効を切り替えてPC314への重送検知の通知の有無を制御する。即ち、重送エラー無効エリアを、シートのサイズ毎に設定可能にする。このような構成により、添付物のある原稿が様々なサイズの原稿に混載された場合でも、原稿サイズに応じて適切な重送検知エラーを制御して、潤滑に効率よく画像を読み取ることができる。
【0119】
また、この方法を用いればサイズの異なる用紙が重なり、サイズの大きな紙に小さい紙がはみ出すことなく重なって搬送された場合でも、重送検知を失敗することもない。
【0120】
また、上記実施例では、重送エラー無効エリアを画像読取装置200のフラッシュメモリ307に設定保持するものとし、画像読取装置200がフラッシュメモリ307に設定された重送エラー無効エリアにて重送を検知した場合には、重送検知通知を行わない構成について説明した。
【0121】
しかし、重送エラー無効エリアをPC314のHDD322に設定保持するようにしてもよい。この場合、画像読取装置200のCPU308は、重送を検知すると、そのまま重送検知した旨と重送検知エリアをPC314に通知する。そして、PC314のCPU317では、重送検知通知を受信した場合でも、その重送検知エリアがHDD322に設定保持された重送エラー無効エリアに該当する場合には、重送部位表示(図13)を行わず、即ち、S803以降の処理は行わず、S602に処理を戻して、スキャン処理を継続するように制御するものとする。
【0122】
以上の説明は、画像読取装置と画像読取装置に接続されたPCとを有する画像読取システムについて説明をしてきたが、本発明はこれに限定されるものではない。内部に画像処理機能と制御機能等を備えたが画像読取装置や、内部に画像処理機能と制御機能、画像表示機能等を備えたが画像読取装置、ファクシミリや複写機の画像読取装置、複合機等の幅広い画像読取システムに適用できる。
【0123】
以上示したように、本発明によれば、上述した方法によりオペレータによって設定された重送エラー無効エリアに重送検知対象物があっても重送エラーが発生せず重送検知モードを有効にした状態で重送検知対象物のある原稿を潤滑に効率よく搬送し画像を読み取ることができる。
【0124】
この構成は、決まった位置に添付物のある定型紙シート媒体を連続して搬送する場合に非常に有効となる。
【0125】
そして、重送エラー無効エリアの外に重送を検知すると、重送したと判定して、原稿から読み取った画像に重ねて重送検知エリアを表示してオペレータに確認させるので、重送エラー無効エリアの外に添付物が貼られている原稿を誤って重送エラーとする失敗がなく、複数枚のシート媒体が完全に重なった状態で搬送された原稿を、添付物が貼られている原稿として重送エラーを見逃してしまう失敗もない。
【0126】
このように、本発明では、簡単な構成により、画像読取装置の大型化や高額化(コストアップ)を招くことなく、添付物のあるシート搬送において重送検知機能の誤検知や失敗を避けることができる。さらに、重送エラー無効エリアを実際に読み取られた原稿と該原稿上の重送検知エリアにより視認性良く設定可能にし、使用者の用途に合わせて重送エラー無効エリアを容易かつ正確に設定することが可能となり、使用者の操作性を向上することもできる。
【0127】
従って、装置を大型化せず、高額化させず、重送検知機能の誤検知、検知失敗を避け、重送が検知された部位の視認性をあげ、重送検知機能の操作性を向上させることができる画像読取装置を適用することができる。
【0128】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0129】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0130】
(他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記録媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0131】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0132】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0133】
200 画像読取装置
206 重送検知センサ
301f 表面画像読取センサ部
301b 裏面画像読取センサ部
306 原稿検知センサ制御部
307 フラッシュメモリ
308 CPU
311 重送検知センサ制御部
314 パーソナルコンピュータ(PC)
322 HDD
320 ディスプレイ
321 入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート束からシートを一枚ずつ給送しながらシートの画像を読み取るにあたりシートの重送を検知する画像読取装置を制御する情報処理装置であって、
前記画像読取装置で読み取られた画像データを前記画像読取装置から受信する画像データ受信手段と、
前記画像データ受信手段で受信した画像データを記憶する記憶手段と、
前記画像読取装置がシートの重送を検知したこと及び前記画像読取装置がシートの重送を検知した領域を示す重送検知エリアに関する重送情報を前記画像読取装置から受信する重送情報受信手段と、
前記重送情報受信手段が前記重送情報を受信した場合、前記画像データ受信手段で受信した画像データに対応する重送検知エリアを表示する表示手段と、
前記表示手段で表示された重送検知エリアを、そのエリアで重送が検知されても重送エラーとしない無効エリアとして指定する指定手段と、
前記指定手段により前記重送検知エリアが前記無効エリアに指定された場合、前記重送検知エリアを前記無効エリアとして設定するように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記無効エリアを前記画像読取装置に設定し、設定された前記無効エリアにて前記画像読取装置が重送を検知した場合でも、前記画像読取装置による前記重送情報の送信を行わせないようにすることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記無効エリアの設定を保持する設定保持手段を有し、
前記表示手段は、前記重送情報受信手段が前記重送情報を受信した場合でも、前記重送検知エリアが前記設定保持手段に保持されている無効エリアに該当する場合には、前記表示を行わない、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記指定手段により前記重送検知エリアが前記無効エリアに指定された場合、前記画像データを前記記憶手段に保持しつつ、前記画像読取装置に原稿の読み取りを継続させるように制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記重送検知エリアを前記無効エリアに指定しないことを受け付けた場合、前記画像データを前記記憶手段から破棄するように制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記無効エリアは、シートのサイズ毎に設定されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
画像読取装置と前記画像読取装置を制御する情報処理装置とを有する画像読取システムであって、
前記画像読取装置は、
シート束からシートを一枚ずつ給送する給送手段と、
前記給送手段により給送されるシートの画像を読み取る読取手段と、
前記読取手段で読み取って得た画像データを前記情報処理装置に送信する画像データ送信手段と、
シートの重送を検知する検知手段と、
前記情報処理装置からの指示により前記検知手段がシートの重送を検知しても重送エラーとしない無効エリアの設定を保持する設定保持手段と、
前記検知手段がシートの重送を検知し、且つ、前記検知手段がシートの重送を検知した領域を示す重送検知エリアが前記設定保持手段によって保持されている無効エリアに該当しない場合、シートの重送を検知したこと及び前記重送検知エリアに関する重送情報を前記情報処理装置に送信する重送情報送信手段と、を有し、
前記情報処理装置は、
前記画像読取装置で読み取られた画像データを前記画像読取装置から受信する画像データ受信手段と、
前記画像データ受信手段によって受信した画像データを記憶する記憶手段と、
前記画像読取装置から前記重送情報を受信する重送情報受信手段と、
前記重送情報受信手段が前記重送情報を受信した場合、前記画像データ受信手段で受信した画像データに対応する重送検知エリアを表示する表示手段と、
前記表示手段で表示された重送検知エリアを、前記無効エリアとして指定する指定手段と、
前記指定手段により前記重送検知エリアが前記無効エリアに指定された場合、前記重送検知エリアを前記無効エリアとして前記画像読取装置に設定するように指示する制御手段と、を有する、
ことを特徴とする画像読取システム。
【請求項8】
画像読取装置と前記画像読取装置を制御する情報処理装置とを有する画像読取システムであって、
前記画像読取装置は、
シート束からシートを一枚ずつ給送する給送手段と、
前記給送手段により給送されるシートの画像を読み取る読取手段と、
前記読取手段で読み取って得た画像データを前記情報処理装置に送信する画像データ送信手段と、
シートの重送を検知する検知手段と、
前記検知手段がシートの重送を検知したこと及び前記検知手段がシートの重送を検知した領域を示す重送検知エリアに関する重送情報を前記情報処理装置に送信する重送情報送信手段と、を有し、
前記情報処理装置は、
前記画像読取装置で読み取られた画像データを前記画像読取装置から受信する画像データ受信手段と、
前記画像データ受信手段により受信した画像データを記憶する記憶手段と、
前記画像読取装置から前記重送情報を受信する重送情報受信手段と、
前記重送情報受信手段が前記重送情報を受信した場合、前記画像データ受信手段で受信した画像データに対応する重送検知エリアを表示する表示手段と、
前記表示手段で表示された重送検知エリアを、そのエリアで重送を検知しても重送エラーとしない無効エリアとして指定する指定手段と、
前記指定手段により前記重送検知エリアが前記無効エリアに指定された場合、前記重送検知エリアを前記無効エリアとして設定する制御手段と、
前記無効エリアの設定を保持する設定保持手段と、を有し、
前記表示手段は、前記重送情報受信手段が前記重送情報を受信した場合でも、前記重送検知エリアが前記設定保持手段に保持されている無効エリアに該当する場合には、前記表示を行わない、ことを特徴とする画像読取システム。
【請求項9】
シート束からシートを一枚ずつ給送する給送手段と、
前記給送手段により給送されるシートの画像を読み取る読取手段と、
シートの重送を検知する検知手段と、
前記検知手段がシートの重送を検知しても重送エラーとしない無効エリアの設定を保持する設定保持手段と、
前記検知手段がシートの重送を検知し、且つ、前記検知手段がシートの重送を検知した領域を示す重送検知エリアが前記設定保持手段に保持されている無効エリアに該当しない場合、前記読取手段で読み取った画像データに対応する重送検知エリアを表示する表示手段と、
前記表示手段で表示された重送検知エリアを、前記無効エリアとして指定する指定手段と、
前記指定手段により前記重送検知エリアが前記無効エリアに指定された場合、前記重送検知エリアを前記無効エリアとして設定するように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項10】
シート束からシートを一枚ずつ給送しながらシートの画像を読み取るにあたりシートの重送を検知する画像読取装置を制御する情報処理装置の制御方法であって、
画像データ受信手段が、前記画像読取装置で読み取られた画像データを前記画像読取装置から受信する画像データ受信ステップと、
制御手段が、前記画像データ受信ステップで受信した画像データを記憶手段に記憶する画像データ記憶ステップと、
重送情報受信手段が、前記画像読取装置がシートの重送を検知したこと及び前記画像読取装置がシートの重送を検知した領域を示す重送検知エリアに関する重送情報を前記画像読取装置から受信する重送情報受信ステップと、
表示手段が、前記重送情報受信ステップで前記重送情報を受信した場合、前記画像データ受信ステップで受信した画像データに対応する重送検知エリアを表示する表示ステップと、
指定手段が、前記表示ステップで表示された重送検知エリアを、そのエリアで重送が検知されても重送エラーとしない無効エリアとする指定を受け付ける指定ステップと、
制御手段が、前記指定ステップで前記重送検知エリアが前記無効エリアに指定された場合、前記重送検知エリアを前記無効エリアとして設定するように制御するステップと、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項11】
画像読取装置と前記画像読取装置を制御する情報処理装置とを有する画像読取システムの制御方法であって、
前記画像読取装置の給送手段が、シート束からシートを一枚ずつ給送する給送ステップと、
前記画像読取装置の読取手段が、前記給送ステップで給送されるシートの画像を読み取る読取ステップと、
前記画像読取装置の画像データ送信手段が、前記読取ステップで読み取った画像データを前記情報処理装置に送信する画像データ送信ステップと、
前記画像読取装置の検知手段が、シートの重送を検知する検知ステップと、 前記画像読取装置の設定手段が、前記情報処理装置からの指示により前記検知ステップでシートの重送を検知しても重送エラーとしない無効エリアを設定し該設定を前記画像読取装置の設定保持手段に格納する設定保持ステップと、 前記画像読取装置の重送情報送信手段が、前記検知ステップでシートの重送が検知され、且つ、前記検知ステップでシートの重送が検知された領域を示す重送検知エリアが前記設定保持手段に保持されている無効エリアに該当しない場合、シートの重送を検知したこと及び前記重送検知エリアに関する重送情報を前記情報処理装置に送信する重送情報送信ステップと、
前記情報処理装置の画像データ受信手段が、前記画像読取装置で読み取られた画像データを前記画像読取装置から受信する画像データ受信ステップと、
前記情報処理装置の制御手段が、前記画像データ受信ステップで受信した画像データを記憶手段に記憶する画像データ記憶ステップと、
前記情報処理装置の重送情報受信手段が、前記画像読取装置から前記重送情報を受信する重送情報受信ステップと、
前記情報処理装置の表示手段が、前記重送情報受信ステップで前記重送情報を受信した場合、前記画像データ受信ステップで受信した画像データに対応する重送検知エリアを表示する表示ステップと、
前記情報処理装置の指定手段が、前記表示ステップで表示された重送検知エリアを、前記無効エリアとする指定を受け付ける指定ステップと、
前記情報処理装置の制御手段が、前記指定ステップで前記重送検知エリアが前記無効エリアに指定された場合、前記重送検知エリアを前記無効エリアとして前記画像読取装置に設定するように指示するステップと、
を有することを特徴とする画像読取システムの制御方法。
【請求項12】
画像読取装置と前記画像読取装置を制御する情報処理装置とを有する画像読取システムの制御方法であって、
前記画像読取装置の給送手段が、シート束からシートを一枚ずつ給送する給送ステップと、
前記画像読取装置の読取手段が、前記給送ステップで給送されるシートの画像を読み取る読取ステップと、
前記画像読取装置の画像データ送信手段が、前記読取ステップで読み取って得た画像データを前記情報処理装置に送信する画像データ送信ステップと、
前記画像読取装置の検知手段が、シートの重送を検知する検知ステップと、
前記画像読取装置の重送情報送信手段が、前記検知ステップがシートの重送を検知した場合、シートの重送を検知したこと及び前記検知ステップがシートの重送を検知した領域を示す重送検知エリアに関する重送情報を前記情報処理装置に送信する重送情報送信手段と、
前記情報処理装置の画像データ受信手段が、前記画像読取装置で読み取られた画像データを前記画像読取装置から受信する画像データ受信ステップと、
前記情報処理装置の制御手段が、前記画像データ受信ステップで受信した画像データを記憶手段に記憶する画像データ記憶ステップと、
前記情報処理装置の重送情報受信手段が、前記画像読取装置から前記重送情報を受信する重送情報受信ステップと、
前記情報処理装置の表示手段が、前記重送情報受信ステップで前記重送情報を受信した場合、前記画像データ受信ステップで受信した画像データに対応する重送検知エリアを表示する表示ステップと、
前記情報処理装置の指定手段が、前記表示ステップで表示された重送検知エリアを、重送エラーとしない無効エリアとする指定を受け付ける指定ステップと、
前記情報処理装置の制御手段が、前記指定ステップで前記重送検知エリアが前記無効エリアに指定された場合、前記重送検知エリアを前記無効エリアとして設定し該設定を前記情報処理装置の設定保持手段に保持させるステップと、を有し、
前記表示ステップでは、前記重送情報受信ステップで前記重送情報を受信した場合でも、前記重送検知エリアが前記設定保持手段に保持されている無効エリアに該当する場合には、前記表示を行わない、ことを特徴とする画像読取システムの制御方法。
【請求項13】
給送手段が、シート束からシートを一枚ずつ給送する給送ステップと、
読取手段が、前記給送ステップで給送されるシートの画像を読み取る読取ステップと、
検知手段が、シートの重送を検知する検知ステップと、
表示手段が、前記検知ステップでシートの重送を検知し、且つ、前記検知ステップでシートの重送を検知した領域を示す重送検知エリアが設定保持手段に保持されている重送エラーとしない無効エリアに該当しない場合、前記読取ステップで読み取った画像データに対応する重送検知エリアを表示する表示ステップと、
指定手段が、前記表示ステップで表示された重送検知エリアを、前記無効エリアとする指定を受け付ける指定ステップと、
制御手段が、前記指定ステップで前記重送検知エリアが前記無効エリアに指定された場合、前記重送検知エリアを前記無効エリアとして設定し該設定を前記設定保持手段に保持させるように制御するステップと、
を有することを特徴とする画像読取装置の制御方法。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1乃至6のいずれか1項に記載された情報処理装置の手段として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
コンピュータを、請求項1乃至6のいずれか1項に記載された情報処理装置の手段として機能させるためのプログラムをコンピュータが読み取り可能に記録した記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2012−229065(P2012−229065A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96705(P2011−96705)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】