説明

情報処理装置、視聴情報収集システム、及び視聴判定プログラム

【課題】 収集した情報を用いてテレビ放送が視聴されていることを判定する。
【解決手段】 情報収集部102は、ユーザからの入力に基づいて放送処理部101からチューナ120に供給された、チャンネルを変更するプロセスに対する確認応答を抜き取る。情報収集部102は、音声出力部140において、放送処理部101からサウンドカードドライバ142に供給された音声情報、ミュート等を指定するプロセスに対する確認応答を抜き取る。視聴判定部103は、チューナ120の動作を指定するプロセスに対する確認応答と、放送処理部101から音声出力部140に供給された音声出力部140のプロセスに対する確認応答とが同一の場合、放送コンテンツが視聴されていると判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実装されたチューナ及びソフトウェアによってテレビ放送を視聴可能な情報処理装置、及びこの情報処理装置による視聴の実態を収集する視聴情報収集システム、及び情報処理装置に実装される視聴判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話のような情報処理装置には、テレビ放送用のチューナが備えられたものがある。つまり、使用者は、従来のテレビ受像器を持たなくても、テレビ放送用のチューナと表示装置とを備えた情報処理装置を用いて、テレビ放送を視聴することができる。このように、テレビ放送の視聴形態は、多様化している。これに伴い、放送事業者、広告制作業者等は、従来のテレビ放送の場合と同様に、情報処理装置によるテレビ放送の視聴状況を把握したいという要求をもっている。
【0003】
パーソナルコンピュータの場合、オペレーティングシステム(OS)上で起動するアプリケーションの動作の履歴を参照することができる(例えば、特許文献1)。従って、テレビ放送を視聴可能なパーソナルコンピュータでは、チューナの動作の履歴を参照することができる。
【0004】
また、パーソナルコンピュータの動作の履歴である事象のログから、パーソナルコンピュータによってアクセスされたURLの履歴を抽出することにより、パーソナルコンピュータの使用状態を調べる方法が提供されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
上述のように、テレビ放送を受信可能なパーソナルコンピュータ、携帯電話のような情報処理装置において、テレビ放送の視聴状況に関する情報は、取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許3097033号公報
【特許文献2】特許3317705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
パーソナルコンピュータ、携帯電話のような情報処理装置において、情報(事象のログ、又はアプリケーションの利用データ)を収集する方法として、例えば、特許文献2には、可搬体の記録媒体、電話回線のような通信チャネル、電子メール等を用いて収集した情報を収集することが記載されている。
【0008】
しかし、収集された情報が格納された記録媒体をサーバに送る場合、情報量によっては、記録媒体に蓄えることが困難な場合がある。また、通信チャネルを用いて伝送する場合であれば、情報処理装置から送られる情報が収集サーバに殺到し、ネットワークに負荷が掛かる。
【0009】
更に、特許文献1,2の両方法に共通に、情報処理装置において収集した情報(事象のログ、又はアプリケーションの利用データ)の整理にかかる負荷が増大するといった問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、テレビ放送が視聴されていることを判定することができる情報処理装置、視聴の実態を収集する際におけるネットワークやサーバにかかる負荷を低減することのできる視聴情報収集システム、及びテレビ放送が視聴されていることを判定する処理を情報処理装置に実行させる視聴判定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した問題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。本発明の第1の特徴は、放送事業者によって送信された放送コンテンツを再生する状態である視聴モードを有する情報処理装置であって、前記放送コンテンツに関するデータを受信する受信部と、前記受信部において受信した前記データを視聴可能に処理する放送処理部と、前記放送処理部から送られた映像信号を出力する映像出力部と、前記放送処理部から送られた音声信号を出力する音声出力部と、前記受信部、前記放送処理部、前記映像出力部、または前記音声出力部のうち少なくとも一つの部の動作に関連する情報を収集する情報収集部と、前記情報収集部において収集された前記動作に関連する情報、または前記動作に関する複数の情報の組み合わせにより、前記視聴モードが選択されているか否かを表す視聴状態を判定する視聴判定部と、時刻を取得する時刻情報取得部とを有し、前記視聴判定部は、前記時刻に前記視聴モードが選択されているか否かを判定することを要旨とする。
【0012】
本発明に係る情報処理装置は、視聴判定部を有することにより、情報収集部において収集された情報に基づいて、取得された時刻に視聴モードが選択されているか否かを判定することができる。従って、情報処理装置は、テレビ放送が視聴されていることを判定することができる。
【0013】
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記視聴判定部は、前記受信部の動作に関連する情報と、前記放送処理部から前記音声出力部に供給された動作に関連する情報とが同一の場合、前記視聴モードが選択されていると判定することを要旨とする。
【0014】
本発明の第3の特徴は、本発明の第2の特徴に係り、前記情報収集部は、前記音声出力部から出力される音声データを収集し、前記視聴判定部は、前記音声出力部から予め決められた所定期間音声が出力されているとき、前記視聴モードが選択されていると判定することを要旨とする。
【0015】
本発明の第4の特徴は、本発明の第1乃至3の何れか1つの特徴に係り、前記映像出力部は、前記映像信号を出力する画面のサイズに対して実際に映像を表示する表示サイズが変更可能であって、前記視聴判定部は、前記映像出力部における表示サイズが所定のサイズよりも大きい場合に、前記視聴モードが選択されていると判定することを要旨とする。
【0016】
本発明の第5の特徴は、本発明の第1乃至3の何れか1つの特徴に係り前記受信部、前記放送処理部、前記映像出力部、または前記音声出力部の各々に対して、動作を指示する制御部を有し、前記動作に関連する情報は、前記受信部、前記放送処理部、前記映像出力部、または前記音声出力部のうち少なくとも一つが、前記制御部によって指示された前記動作を完了したことを前記制御部に報告する確認応答であることを要旨とする。
【0017】
本発明の第6の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記情報収集部は、前記受信部において選択されたチャンネルのチャンネル番号、チャンネル周波数のうち少なくとも一方とを収集し、前記視聴判定部は、前記チャンネル番号、前記チャンネル周波数のうち少なくとも一方と、前記時刻とに基づいて、前記時刻に受信された前記放送コンテンツを特定することを要旨とする。
【0018】
本発明の第7の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記情報処理装置の設置されている場所を示す位置情報を取得する位置情報取得部を有し、前記情報収集部は、前記位置情報を収集し、前記視聴判定部は、前記チャンネル番号、前記チャンネル周波数のうち少なくとも一方と、前記時刻と、前記位置情報とに基づいて、前記時刻に受信された前記放送コンテンツを特定することを要旨とする。
【0019】
本発明の第8の特徴は放送事業者によって送信された放送コンテンツに関するデータを受信する受信部と、受信した前記データを視聴可能にする放送処理部と、前記放送処理部から送られた映像信号を出力する映像出力部と、前記放送処理部から送られた音声信号を出力する音声出力部と、時刻を取得する時刻情報取得部とを備え、前記放送コンテンツを再生する状態である視聴モードを有する情報処理装置に搭載されたコンピュータに、前記受信部、前記放送処理部、前記映像出力部、及び前記音声出力部のうち少なくとも一つの部の動作に関連する情報を収集するステップと、収集された前記動作に関連する情報、または前記動作に関する複数の情報の組み合わせにより、前記時刻に前記視聴モードが選択されているか否かを表す視聴状態を判定するステップとを実行させる視聴判定プログラムであることを要旨とする。
【0020】
本発明の第9の特徴は、少なくとも、映像信号を出力する映像出力部と、音声信号を出力する音声出力部と、時刻を取得する時刻情報取得部とを備え、放送事業者から送信された放送コンテンツを再生する状態である視聴モードを有する情報処理装置と、前記情報処理装置から送られた情報から前記情報処理装置における前記放送コンテンツの視聴に関わる情報を収集する情報収集サーバと、前記情報収集サーバにおいて収集された前記視聴に関わる情報を集計する情報集計サーバとを備え、前記情報処理装置と前記情報収集サーバと前記情報集計サーバとが互いにネットワークを介して接続された視聴情報収集システムであって、前記ネットワークに接続されており前記放送コンテンツに関するデータを受信する受信部と、前記ネットワークに接続されており前記受信部において受信した前記データを視聴可能に処理する放送処理部とを備え、前記情報処理装置は、前記ネットワークに接続されており前記受信部、前記放送処理部、前記映像出力部、及び前記音声出力部のうち少なくとも一つの部の動作に関連する情報を収集する情報収集部と、前記情報収集部において収集された前記動作に関連する情報、または前記動作に関する複数の情報の組み合わせにより、前記時刻に前記視聴モードが選択されているか否かを表す視聴状態を判定する視聴判定部と、前記情報収集サーバとネットワークを介して通信を行う通信処理部とを有し、前記通信処理部は、前記視聴状態と、前記情報処理装置を識別する識別情報とを前記情報収集サーバに送信することを要旨とする。
【0021】
本発明に係る視聴情報収集システムは、視聴判定部を有することにより、情報収集部において収集された情報に基づいて、取得された時刻に視聴モードが選択されているか否かを判定することができる。従って、情報処理装置において、テレビ放送が視聴されていることを判定することができる。更に、情報処理装置は、取得された時刻に視聴モードが選択されているか否かを判定し、視聴モードが選択された時刻に関する情報を送信するため、視聴情報収集システムを構成するネットワーク或いはサーバにかかる負荷を低減することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、収集した情報を用いてテレビ放送が視聴されていることを判定する情報処理装置を提供することができる。また、この情報処理装置による視聴の実態を収集する視聴情報収集システムを提供することができる。更に、テレビ放送が視聴されていることを判定する処理を情報処理装置に実行させる視聴判定プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る視聴情報収集システムの構成図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に係る情報処理装置の構成図である。
【図3】図3(a)は、本発明の実施形態に係る視聴モードテーブルの一例を示す図である。図3(b)は、本発明の実施形態に係る視聴コンテンツテーブルの一例を示す図である。
【図4】図4(a)は、視聴モードが選択されたか否かを判定する方法を説明するフローチャートである。図4(b)は、放送コンテンツを判定する方法を説明するフローチャートである。
【図5】図5は、リアルタイム視聴モードの判定方法を説明するフローチャートである。
【図6】図6は、ランダム視聴モードの判定方法を説明するフローチャートである。
【図7】図7は、録画視聴モードの判定方法を説明するフローチャートである。
【図8】図8は、本発明の別の実施形態に係る視聴情報収集システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明に係る視聴情報収集システム、及び情報処理装置について、図面を参照して説明する。具体的には、(1)視聴情報収集システムの概略構成、(2)情報処理装置の構成、(3)情報収集サーバの構成、(4)情報集計サーバの構成、(5)視聴状態の判定方法、(6)視聴判定プログラム、(7)視聴情報収集システムの別の実施形態、(8)作用・効果、(9)その他の実施形態について説明する。
【0025】
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
【0026】
(1)視聴情報収集システムの概略構成
図1は、本実施形態に係る視聴情報収集システム1の概略構成について説明する。
【0027】
視聴情報収集システム1は、放送コンテンツの一例としてテレビ放送を受信可能な装置において、放送コンテンツを再生する状態である視聴モードが選択されているか否かを表す視聴状態と、視聴に関わる情報(以下、視聴情報という)とを収集する。視聴情報は、例えば、チャンネル番号、チャンネル周波数、時刻などである。本実施形態では、テレビ放送を受信可能な装置は、パーソナルコンピュータ、携帯電話等である。
【0028】
視聴情報収集システム1は、放送事業者の放送局60(後述する)から送信された放送コンテンツを視聴可能にするパーソナルコンピュータ等の情報処理装置10を有する。また、視聴情報収集システム1は、情報処理装置10から送られた情報から情報処理装置10における放送コンテンツの視聴情報を収集する情報収集サーバ20と、情報収集サーバ20において収集された視聴情報を集計する情報集計サーバ30とを有する。情報処理装置10と情報収集サーバ20と情報集計サーバ30とは、ネットワーク40を介して互いに接続される。
【0029】
視聴情報収集システム1は、予め登録された情報処理装置10から、放送コンテンツの視聴状態及び視聴情報を収集する。視聴情報収集システム1は、登録サーバ50を有する。登録サーバ50は、モニターデータベース51を有する。モニターデータベース51には、情報処理装置10を識別することのできる識別情報と、情報処理装置10を所有する使用者(モニターという)のプロフィールとが関連付けて格納されている。モニターのプロフィールには、ユーザの名前又は略称、年齢、性別、生年月日、職業、婚歴、最終学歴、年収、情報処理装置10の機種、生活意識、商品関与などの意識項目に関する情報などが含まれる。
【0030】
本実施形態では、登録サーバ50は、ネットワーク40に接続されている。視聴情報収集システム1は、登録された複数の情報処理装置10、10a、10b、・・・を含む。また、本実施形態では、複数の放送局60、60a、60b、・・・が含まれる。
【0031】
(2)情報処理装置の構成
図2は、情報処理装置10を説明する構成図である。図1における情報処理装置10、10a、10b、・・・の基本構成は同一である。従って、以下では、情報処理装置10の構成を説明する。
【0032】
図2に示すように、情報処理装置10は、情報処理部100、情報記憶部110、チューナ120、映像出力部130、音声出力部140、入力部150、及び通信処理部160を有する。また、情報処理装置10は、位置情報取得部170を有していてもよい。
【0033】
情報記憶部110は、後述する情報処理部100における情報処理に必要な各種の情報を記憶する。また、情報記憶部110は、情報処理部100によって実行されるプログラムを記憶する。情報記憶部110は、情報処理部100においてプログラムが実行される際に利用されるデータなどを一時的に記憶する。本実施形態では、情報記憶部110は、ハードディスク111、ハードディスク111を駆動するハードディスクドライバ112を含む。また、図示しない半導体メモリを含む。
【0034】
チューナ120は、放送局60から送信されたテレビ放送波を受信する。チューナ120は、ビデオ信号を情報処理装置10に取り込む。チューナ120は、例えば、地上デジタルテレビジョン放送波を受信する。
【0035】
映像出力部130は、表示部131と、表示部131を駆動する表示部ドライバ132とを有する。表示部131は、例えば、液晶表示装置(LCD)である。映像出力部130は、チューナ120において受信されて情報処理部100において処理された映像信号を出力する。
【0036】
音声出力部140は、サウンドカード141と、サウンドカード141を駆動するサウンドカードドライバ142と、スピーカ143とを有する。音声出力部140は、チューナ120において受信されて情報処理部100において処理された音声信号を出力する。
【0037】
入力部150は、情報処理装置10を利用するユーザ(すなわち、モニター)とのインターフェイスとして機能する。
【0038】
通信処理部160は、ネットワーク40とのインターフェイスとして機能する。通信処理部160は、ネットワーク40を介して、情報収集サーバ20と通信を行う。通信処理部160は、放送コンテンツの視聴状態、情報処理装置10を識別する識別情報等を情報収集サーバ20に送信する。
【0039】
位置情報取得部170は、情報処理装置10の設置されている位置情報を取得する。位置情報取得部170は、例えば、GPSである。位置情報は、登録サーバ50に登録される際に入力するモニターのプロフィールに含まれていてもよい。登録サーバ50に登録される際に入力したプロフィールを、例えば、情報記憶部110に予め記憶しておき、必要なタイミングでプロフィールから位置情報を抽出してもよい。
【0040】
情報処理部100は、放送処理部101、情報収集部102、及び視聴判定部103を有する。また、情報処理部100は、時刻を計測するクロック104を有する。また、情報処理部100は、図示しないが、チューナ120を駆動するためのドライバとしての機能も有する。
【0041】
放送処理部101は、チューナ120において受信した放送コンテンツに関するデータを視聴可能に処理する。放送処理部101は、地上デジタルテレビジョン放送波をビデオ信号とオーディオ信号に分離し、映像出力部130及び音声出力部140に供給する。情報収集部102は、チューナ120、放送処理部101、映像出力部130、又は音声出力部140のうち少なくとも一つの部の動作に関連する情報を収集する。視聴判定部103は、情報収集部102において収集された動作に関連する情報、または動作に関連する複数の情報の組み合わせにより、視聴モードが選択されているか否かを表す視聴状態を判定する。
【0042】
視聴モードは、チューナ120において受信した放送コンテンツが放送事業者(放送局60)によって放送された時刻と同一時刻に再生されるリアルタイム視聴モードと、チューナ120において受信した放送コンテンツが放送事業者(放送局60)によって放送された時刻と異なる時刻に再生されるタイムシフト視聴モードとを有する。
【0043】
情報処理装置10を構成する情報処理部100、放送処理部101、情報記憶部110、チューナ120、映像出力部130、音声出力部140は、全てシステムによって実行されるプログラムのプロセスによって動作する。本実施形態における「システム」には、いわゆるOS、テレビ視聴を可能にするアプリケーション、若しくは、情報収集部102に情報を送る専用のアプリケーションなどが含まれる。
【0044】
以下で、プロセスと記述した場合には、特に断り無き場合には、システムによって実行されるプログラムのプロセスを表す。
【0045】
ここで、動作に関連する情報は、情報処理部100、放送処理部101、情報記憶部110、チューナ120、映像出力部130、音声出力部140のうち少なくとも一つが、システムによって指示された動作を完了したことをシステムに報告する確認応答である。各プロセスには、プロセス識別子(以下、プロセスIDという)が付けられている。システムによって指示された動作が完了された確認応答を用いると、視聴モードが選択されているか否かの判定が確実に行える。なお、動作に関連する情報としては、システムが情報処理部100、放送処理部101、情報記憶部110、チューナ120、映像出力部130、音声出力部140の動作を指定する情報であってもよい(すなわち、プロセスID)。
【0046】
また、プロセスIDと確認応答との両方を用いることもできる。これにより、視聴モードが選択されているか否かの判定の精度を一層高めることができる。
【0047】
本実施形態では、情報収集部102は、上述した情報処理部100、放送処理部101、情報記憶部110、チューナ120、映像出力部130、音声出力部140等の動作を指定するプロセスに対する確認応答を取得する。また、クロック104から時刻を取得する。
【0048】
具体的に、情報収集部102は、ユーザからの入力に基づいて放送処理部101からチューナ120に供給された、チャンネルを変更するプロセスに対する確認応答を取得する。また、情報収集部102は、チューナ120において選択されたチャンネル番号、チャンネル周波数などを取得する。また、情報収集部102は、音声出力部140において、放送処理部101からサウンドカードドライバ142に供給された音声情報、ミュート等を指定するプロセスに対する確認応答を取得する。また、情報収集部102は、確認応答のほかに、スピーカ143から出力される音声データを取得する。スピーカ143から出力される音声データは、PCMデータである。また、情報収集部102は、情報記憶部110において、放送処理部101からハードディスクドライバ112に供給されたファイルを読み込むプロセスに対する確認応答を取得する。
【0049】
また、情報収集部102は、チューナ120、音声出力部140、放送処理部101からサウンドカードドライバ142に供給された音声情報、ミュート等を指定するプロセスに対する確認応答、情報記憶部110において放送処理部101からハードディスクドライバ112に供給されたファイルを読み込むプロセスに対する確認応答などをシステムが受け取った時刻を取得する。また、情報収集部102は、これらの確認応答がシステムに送られた時刻を取得してもよい。
【0050】
次に、視聴判定部103による視聴モードの判定について説明する。
【0051】
視聴判定部103は、上述した判定方法の結果と、情報収集部102によって収集された時刻とに基づいて、この時刻に視聴モードが選択されているか否かを判定する。
【0052】
視聴判定部103は、チューナ120の動作を指定するプロセスに対する確認応答と、放送処理部101から音声出力部140に供給された音声出力部140のプロセスに対する確認応答とが同一の場合、視聴モードが選択されていると判定する。
【0053】
視聴判定部103は、スピーカ143から出力されるPCMデータの出力期間をクロック104によりカウントする。所定の期間以上のとき、視聴モードが選択されていると判定する。
【0054】
視聴判定部103は、チューナ120の動作を指定するプロセスのプロセスIDと同一のプロセスIDによって、ハードディスクドライバ112が連続的に駆動されており、且つ、チューナ120の動作を指定するプロセスに対する確認応答と、放送処理部101から音声出力部140に供給された音声出力部140のプロセスに対する確認応答とが同一でないとき、視聴モードが選択されていないと判定する。
【0055】
視聴判定部103は、更に、上述したリアルタイム視聴モードかタイムシフト視聴モードかを判定する。例えば、チューナ120の動作を指定するプロセスのプロセスIDと同一のプロセスIDによって、ハードディスクドライバ112が連続的に駆動されているが、チューナ120の動作を指定するプロセスに対する確認応答と、放送処理部101から音声出力部140に供給された音声出力部140のプロセスに対する確認応答とが同一でないときには、タイムシフト視聴モードが選択されていると判定する。
【0056】
情報処理装置10は、表示部131の画面のサイズに対して実際に映像を表示する表示サイズが変更可能である。視聴判定部103は、例えば、表示サイズが所定のサイズよりも大きい場合に、視聴モードが選択されていると判定する。例えば、マウス移動、マウスクリック、キーボードへの入力、画面上のアプリケーションの移動、サイズ変更、最大化、最小化などのオペレーション、ウィンドウをアクティブから非アクティブにするなどのプロセスのプロセスIDを放送コンテンツの視聴の判定に使用することもできる。
【0057】
また、視聴判定部103は、表示部131の画面のサイズに対して、実際に映像を表示するウィンドウの占める割合(画面占有率という)の値に応じて、視聴モードが選択されていると判定する。例えば、視聴判定部103は、画面占有率が所定値よりも大きい場合に、視聴モードが選択されていると判定する。
【0058】
情報処理装置10は、例えば、チャンネルのチャンネル番号、チャンネル周波数、時刻等に対応する放送コンテンツの情報を情報記憶部110に備えることによって、視聴モードの判定だけでなく、放送コンテンツを特定することができる。情報記憶部110内部に蓄えられる放送コンテンツの情報は、所定のタイミングで更新される。
【0059】
視聴判定部103は、情報収集部102によって収集された、チューナ120において選択されたチャンネルのチャンネル番号、チャンネル周波数のうち少なくとも一方と、クロック104において取得された時刻とに基づいて、この時刻に受信された放送コンテンツを特定できる。
【0060】
更に、チャンネルのチャンネル番号、チャンネル周波数のうち少なくとも一方と、クロック104において取得された時刻と、情報収集部102によって収集された位置情報とを用いて、この時刻に受信された放送コンテンツを特定できる。
【0061】
また、放送コンテンツにメタ情報が含まれる場合には、視聴判定部103は、これらのメタ情報を用いて放送コンテンツを特定する。
【0062】
以上説明したように、視聴判定部103は、少なくとも時刻を用いて、視聴モードが選択されていた時刻のテーブル(視聴モードテーブル)を作成する。視聴モードテーブルは、ハードディスク111に格納される。通信処理部160は、ネットワーク40を介して、視聴モードテーブルと、情報処理装置10を識別する識別情報等を情報収集サーバ20に送信する。
【0063】
図3(a)は、視聴モードテーブルの一例を示す。視聴モードテーブルには、視聴モード選択開始時刻、視聴モード選択終了時刻が列挙される。
【0064】
視聴判定部103は、受信した放送コンテンツが特定可能な場合には、放送コンテンツのテーブル(視聴コンテンツテーブルという)を作成する。視聴コンテンツテーブルは、ハードディスク111に格納される。通信処理部160は、ネットワーク40を介して、視聴コンテンツテーブルと、情報処理装置10を識別する識別情報等を情報収集サーバ20に送信する。
【0065】
図3(b)は、視聴コンテンツテーブルの一例を示す。視聴コンテンツテーブルには、チャンネル番号またはチャンネル周波数、視聴モード選択開始開始時刻、視聴モード選択終了時刻が含まれる。
【0066】
(3)情報収集サーバの構成
情報収集サーバ20は、ネットワーク40を介して送られた情報処理装置10の識別情報、視聴状態に基づいて作成された視聴コンテンツテーブルを、ネットワーク40を介して取得する。情報収集サーバ20は、図示しないが、収集した識別情報及び視聴コンテンツテーブルを格納する格納部を有する。
【0067】
(4)情報集計サーバの構成
情報集計サーバ30は、情報収集サーバ20によって収集された情報処理装置10の識別情報及び視聴コンテンツテーブルをネットワーク40を介して取得する。情報集計サーバ30は、登録サーバ50からモニタープロフィールを取得する。情報集計サーバ30は、テレビ放送を受信可能なパーソナルコンピュータ、携帯電話のような情報処理装置による放送コンテンツ毎の視聴状態から視聴状況に関する指標を算出する。
【0068】
(5)視聴状態の判定方法
(5−1)視聴モードの判定
以下に、視聴状態を判定する方法について、図4(a)、(b)を用いて説明する。
【0069】
図4(a)は、視聴モードが選択されているか否かを判定する方法を説明するフローチャートである。
【0070】
情報収集部102は、ステップS1において、プロセスに対する確認応答を収集する。情報収集部102は、チューナ120、情報処理部100、映像出力部130、及び音声出力部140に対してシステムから送られたプロセスに対する確認応答、及びシステムが確認応答を受け取った時刻を収集する。
【0071】
視聴判定部103は、ステップS2において、システムから送られたプロセスに対する確認応答を用いて視聴モードが選択されているか否かを表す視聴状態を判定する。ステップS3において、視聴判定部103は、チューナ120の動作を指定するプロセスに対する確認応答と、放送処理部101から音声出力部140に供給された音声出力部140のプロセスに対する確認応答とが同一の場合(ステップS3:yes)、ステップS4に進む。
【0072】
また、視聴判定部103は、ステップS3において、視聴判定部103は、チューナ120の動作を指定するプロセスに対する確認応答と、放送処理部101から音声出力部140に供給された音声出力部140のプロセスに対する確認応答とが同一でない場合(ステップS3:no)、ステップS1に戻る。
【0073】
視聴判定部103は、ステップS4において、スピーカ143から出力されるPCMデータの出力期間をクロック104によりカウントする。ステップS5において、所定の期間以上のとき、視聴モードが選択されていると判定し、ステップS6に進む。
【0074】
視聴判定部103は、ステップS6において、視聴判定部103は、視聴モードが選択されていた時刻のテーブル(視聴モードテーブル)を作成する。
【0075】
通信処理部160は、視聴モードテーブルを情報収集サーバ20に定期的に送信する。通信処理部160は、視聴モードテーブルを情報収集サーバ20に定刻に送信してもよい。或いは、通信処理部160は、情報収集サーバ20からの要求に応じて、視聴モードテーブルを情報収集サーバ20に送信してもよい。
【0076】
図4(b)は、放送コンテンツの特定が可能な場合、情報処理装置10において受信された放送コンテンツを判定する方法を説明するフローチャートである。
【0077】
情報収集部102は、ステップS11において、プロセスに対する確認応答を収集する。情報収集部102は、チューナ120、情報処理部100、映像出力部130、及び音声出力部140に対してシステムから送られたプロセスに対する確認応答、及びシステムが確認応答を受け取った時刻を収集する。
【0078】
視聴判定部103は、ステップS12において、システムから送られたプロセスに対する確認応答を用いて視聴モードが選択されているか否かを表す視聴状態を判定する。ステップS13において、視聴判定部103は、チューナ120の動作を指定するプロセスに対する確認応答と、放送処理部101から音声出力部140に供給された音声出力部140のプロセスに対する確認応答とが同一の場合(ステップS13:yes)、ステップS14に進む。
【0079】
また、視聴判定部103は、ステップS13において、視聴判定部103は、チューナ120の動作を指定するプロセスに対する確認応答と、放送処理部101から音声出力部140に供給された音声出力部140のプロセスに対する確認応答とが同一でない場合(ステップS13:no)、ステップS14に進む。
【0080】
視聴判定部103は、ステップS14において、スピーカ143から出力されるPCMデータの出力期間をクロック104によりカウントする。ステップS15において、所定の期間以上のとき、視聴モードが選択されていると判定する。
【0081】
視聴判定部103は、ステップS16において、視聴コンテンツテーブルを更新する。視聴判定部103は、情報収集部102によって収集された、チューナ120において選択されたチャンネルのチャンネル番号またはチャンネル周波数と、クロック104において取得された時刻と、位置情報に基づいて、視聴された放送コンテンツを特定する。
【0082】
通信処理部160は、視聴コンテンツテーブルを情報収集サーバ20に定期的に送信する。通信処理部160は、視聴コンテンツテーブルを情報収集サーバ20に定刻に送信してもよい。或いは、通信処理部160は、情報収集サーバ20からの要求に応じて、視聴コンテンツテーブルを情報収集サーバ20に送信してもよい。
【0083】
(5−2)リアルタイム視聴モードの判定
図5は、リアルタイム視聴モードの判定方法を説明するフローチャートである。具体的に、リアルタイム視聴モードの判定方法について説明する。リアルタイム視聴モードとは、放送コンテンツが放送された時刻に情報処理装置10において受信され、かつ再生されるモードである。本実施形態における「リアルタイム」には、伝搬された放送波の受信側における処理によって起こる、放送された時刻と再生された時刻との不一致は含まれる。
【0084】
情報収集部102は、ステップS21において、チューナ120、情報処理部100、映像出力部130、及び音声出力部140からシステムに送られたプロセスに対する確認応答、及びシステムが確認応答を受け取った時刻、放送局60において放送された放送時刻、すなわち放送コンテンツを受信した時刻、情報処理装置10における再生時刻を収集する。
【0085】
ステップS22において、情報収集部102は、放送コンテンツを受信した時刻と、システムが確認応答を受け取った時刻、すなわち、少なくともチューナ120、映像出力部130及び音声出力部140から送られたプロセスに対する確認応答をシステムが受け取った時刻を比較する。
【0086】
ステップS23において、視聴判定部103は、システムが確認応答を受け取った時刻が、放送コンテンツを受信した時刻に含まれる場合(ステップS23:yes)、ステップS24に進む。視聴判定部103は、ステップS23において、システムが確認応答を受け取った時刻が放送コンテンツを受信した時刻に含まれない場合(ステップS23:no)、ステップS21に戻る。
【0087】
視聴判定部103は、ステップS24において、スピーカ143から出力されるPCMデータの出力期間をクロック104によりカウントする。ステップS25において、所定の期間以上のとき、リアルタイム視聴モードが選択されていると判定し、ステップS26に進む。
【0088】
視聴判定部103は、ステップS26において、視聴判定部103は、視聴モードが選択されていた時刻のテーブル(視聴モードテーブル)を作成する。通信処理部160は、視聴モードテーブルを情報収集サーバ20に定期的に送信する。
【0089】
(5−3)タイムシフト視聴モードの判定
次に、タイムシフト視聴モードの判定方法について説明する。タイムシフト視聴モードには、更に、ランダム視聴モードと録画視聴モードとが含まれる。ランダム視聴モードとは、リアルタイム視聴モード中に、同時にコンテンツが記録されており、現在取得されているコンテンツの過去の部分まで戻って再生したり、過去の部分から取得中のコンテンツ部分までの間のコンテンツ部分を再生するモードである。
【0090】
例えば、現在の時刻を含む放送枠のなかで放送されている放送コンテンツが放送開始時刻(現在の放送位置よりも過去であればよい)から予め録画されていることを前提として、視聴者が放送開始時刻から10分遅れて視聴を開始し、コマーシャル部分を早送りしながら、実時間の放送位置に近づいていくような再生の仕方を含む。あるいは、現在の時刻を含む放送枠のなかで放送されている放送コンテンツが放送開始時刻(現在の放送位置よりも過去であればよい)から予め録画されていることを前提として、視聴者が現在の放送位置よりも過去のシーンをもう一度再生して視聴し、再び実時間の視聴に戻るような再生の仕方を含む。
【0091】
また、録画視聴モードとは、完全に記録を終了した放送コンテンツを、この放送コンテンツの実際の放送枠とは、全く異なる時間帯に再生するモードである。
【0092】
(5−3−1)ランダム視聴モードの判定方法
図6は、ランダム視聴モードの判定方法を説明するフローチャートである。具体的に、ランダム視聴モードの判定では、情報収集部102は、現在選択されているチャンネル番号と、現在時刻と、視聴されているコンテンツに含まれたコンテンツの視聴場面を示す時間情報とを取得する。視聴判定部103は、現在時刻とコンテンツの視聴場面を示す時間情報とを比較する。
【0093】
ステップS31において、情報収集部102は、システムによって実行される、情報処理装置10にテレビ視聴を可能にするアプリケーションと、チューナ120との間でやりとりされる情報のうち、チャンネルを変更するコマンド(チャンネル変更命令という)を監視することにより、現在選択されているチャンネルを特定する(視聴チャンネル)という。
【0094】
ステップS32において、情報収集部102は、クロック104から現在時刻を取得する。
【0095】
ステップS33において、情報収集部102は、放送コンテンツの視聴場面を示す時間情報(視聴位置情報という)を取得する。視聴位置情報は、放送コンテンツの録画開始時刻を基準にして、情報処理装置10において算出されたものである。録画開始時刻は、放送コンテンツが実際に放送された時間帯(放送枠)に含まれる。録画開始時刻は、情報処理装置10における受信時の時刻でもある。なお、情報処理装置10が放送コンテンツを録画する際には、放送コンテンツのファイルに、この受信時刻が紐付けられていてもよい。
【0096】
例えば、視聴者が録画された放送コンテンツのファイルを視聴する場合、10分間視聴した場合には、「録画開始時刻+視聴時間10分間」という視聴位置情報を取得する。
【0097】
例えば、視聴者が情報処理装置10を用いて放送コンテンツを再生し、中断し、その後再び放送コンテンツの再生を再開するとき、すなわち、情報処理装置10に放送コンテンツの再生を可能にするアプリケーションが放送コンテンツの再生を中断させた後に、再び実行させるときに、前回の続きから視聴できる機能を備えている場合には、オペレーションシステムによって、この視聴位置情報が情報記憶部110などの記憶領域に一時的に格納されている。
【0098】
情報収集部102は、この視聴位置情報を取得する。システムが現在再生中の放送コンテンツの視聴位置情報を常に情報収集部102に伝えるようにしてもよい例えば、Windows Media Center(登録商標)では、PCによって再生されたコンテンツに関する、本実施形態における視聴位置情報に相当する情報を取得できる場合がある。
【0099】
ステップS34において、視聴判定部103は、現在時刻と視聴位置情報とが一致しない場合(ステップS34:no)、ステップS35に進む。視聴判定部103は、ステップS35において、スピーカ143から出力されるPCMデータの出力期間をクロック104によりカウントする。ステップS36において、所定の期間以上のとき、ランダム視聴モードが選択されていると判定し、ステップS37に進む。
【0100】
視聴判定部103は、ステップS37において、視聴モードが選択されていた時刻のテーブル(視聴モードテーブル)を作成する。通信処理部160は、視聴モードテーブルを情報収集サーバ20に定期的に送信する。
【0101】
以上のようにして、ランダム視聴モードであることを判定できる。
【0102】
(5−3−2)録画視聴モードの判定方法
図7は、録画視聴モードの判定方法を説明するフローチャートである。録画視聴モードにおいて再生される放送コンテンツは、情報記憶部110にファイルとして格納されている。
【0103】
録画済みのコンテンツが格納されたファイル(録画ファイルという)が開かれ連続的にその内容が読み込まれている場合には、録画ファイルを再生している可能性が高い。
【0104】
そこで、録画視聴モードの判定方法では、情報収集部102は、情報記憶部110からのデータの読み出しに係る確認応答と、音声出力部140からの確認応答、チューナ120からの確認応答などの複数の条件を用いて、録画視聴モードであることを判定できる。
【0105】
ステップS41において、情報収集部102は、録画ファイルのファイル名からチャンネル情報を取得する。或いは、録画ファイルの管理情報(目次ファイル)からチャンネル情報を取得する。或いは、録画ファイルにアクセスした記録からチャンネル情報を取得する。
【0106】
ステップS42において、情報収集部102は、クロック104から、現在の時刻情報を取得する。
【0107】
ステップS43において、録画ファイルの放送コンテンツを再生しているときの、視聴位置の情報を取得する。
【0108】
ステップS44において、視聴判定部103は、現在時刻と視聴位置情報とが一致しない場合(ステップS44:no)、ステップS45に進む。視聴判定部103は、ステップS45において、スピーカ143から出力されるPCMデータの出力期間をクロック104によりカウントする。ステップS46において、所定の期間以上のとき、録画視聴モードが選択されていると判定し、ステップS47に進む。
【0109】
視聴判定部103は、ステップS47において、視聴モードが選択されていた時刻のテーブル(視聴モードテーブル)を作成する。通信処理部160は、視聴モードテーブルを情報収集サーバ20に定期的に送信する。
【0110】
以上のようにして、録画視聴モードであることを判定できる。
【0111】
(6)視聴判定プログラム
本実施形態において、視聴判定部103及び情報収集部102は、専用のハードウェアとして用意されてもよい。また、CPU等の制御部によって実行されるソフトウェアモジュールとして実現されてもよい。
【0112】
従って、図3に示した処理は、デバイス制御、マルチタスク動作環境、タイマ等の機能をもった一般的なマルチタスクOS上で、上述のように用意された各ソフトウェアモジュールを実行するプログラムによって、情報処理装置10を動作させることによって実現できる。
【0113】
視聴判定プログラムは、例えば、登録サーバ50に登録された際に、情報処理装置10に送信される。視聴判定プログラムは、情報処理装置10のハードディスク111に格納された後、インストールされることにより、情報処理装置10の情報処理部100を情報収集部102及び視聴判定部103として動作させる。
【0114】
(7)視聴情報収集システムの別の実施形態
次に、視聴情報収集システムの別の実施形態について説明する。図8は、視聴情報収集システム2の構成を説明する構成図である。
【0115】
図8に示す視聴情報収集システム2は、ネットワーク40に、情報収集サーバ20、情報集計サーバ30、ネットワーク40、登録サーバ50、情報処理装置10’、受信装置60、情報記憶装置70が接続されている。視聴情報収集システム2では、情報処理装置10’は、放送コンテンツを再生可能な構成を備えていればよく、放送コンテンツを直接受信するチューナを備えてなくてもよい。
【0116】
受信装置60は、チューナ61と、チューナ61において受信した放送コンテンツに関するデータを視聴可能に処理する放送処理部62とを有する。また、情報記憶装置70は、ハードディスク71、ハードディスク71を駆動するハードディスクドライバ72とを有する。
【0117】
視聴情報収集システム2において、情報処理装置10’は、パーソナルコンピュータに相当する。また、情報記憶装置70は、家庭内サーバに相当する。この場合、ネットワーク40は、例えば、家庭内に構成されたホームネットワークに相当する。図8には図示しないがゲートウェイサーバを介して、情報集計サーバ30、ネットワーク40、登録サーバ50と接続されている。
【0118】
すなわち、視聴情報収集システム2は、ホームネットワーク内において、ある時刻に視聴モードが選択されているか否かを判定することができる。また、放送コンテンツの視聴モードのうち、リアルタイム視聴モード或いはタイムシフト視聴モードを判定することができる。
【0119】
(8)作用・効果
情報処理装置10は、視聴判定部103を有することにより、情報収集部102において収集された情報に基づいて、取得された時刻に視聴モードが選択されているか否かを判定することができる。従って、情報処理装置10は、テレビ放送が視聴されていることを判定することができる。
【0120】
視聴情報収集システム1は、情報処理装置10が視聴判定部103を有することにより、取得された時刻に視聴モードが選択されているか否かを判定することができる。更に、情報処理装置10は、時刻に視聴モードが選択されているか否かを判定し、視聴モードが選択された時刻に関する情報をネットワークに送信するため、視聴情報収集システム1を構成するネットワーク或いはサーバにかかる負荷を低減することができる。
【0121】
(9)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0122】
本発明の実施形態において、判定に用いたプロセスIDの種類は一例であって、実施形態に例示しないプロセスIDを用いて、放送コンテンツが視聴されていることを判定することができる。例えば、クロスバーデバイスドライバの入力ピンに接続されるハードウェアと、クロスバーデバイスドライバに供給されたプロセスのプロセスIDとを使用することができる。
【0123】
本実施形態において、チューナ120は、地上デジタルテレビジョン放送用のチューナであると説明したが、地上デジタルテレビジョン放送用に割り当てられた周波数帯域のうち12セグメントを使用する、いわゆるフルセグメント放送用のチューナであってもよい。また、4セグメント放送用のチューナであってもよい。更に、ワンセグメント放送用のチューナであってもよい。
【0124】
図4(a)に示した、本実施形態に係る視聴モードの判定方法では、視聴判定部103は、ステップS2における判定工程と、ステップS4における判定工程とを実行しているが、ステップS4を実行しなくてもよい。例えば、判定の正確性を向上させる目的で、異なる確認応答を複数使用する場合には、情報収集部102によって収集される、チューナ120、放送処理部101、映像出力部130、又は音声出力部140のうち少なくとも一つの部のプロセスのプロセスID、又はプロセスによって指示された動作を完了したことをシステムに報告する確認応答であればよい。
【0125】
本実施形態において、情報収集部102は、チューナ120、情報処理部100、映像出力部130、及び音声出力部140に対してシステムから送られたプロセスに対する確認応答、及びシステムが確認応答を受け取った時刻を収集すると説明した。しかし、情報収集部102は、システムが確認応答を受け取った時刻のかわりに、確認応答がシステムに送られた時刻を取得してもよい。
【0126】
本実施形態では、視聴判定部103は、チューナ120の動作を指定するプロセスに対する確認応答と、放送処理部101から音声出力部140に供給された音声出力部140のプロセスに対する確認応答とが同一の場合、視聴モードが選択されていると判定すると説明した。しかし、視聴判定部103は、音声出力のかわりに、映像出力により視聴モードを判定してもよい。この場合には、例えば、視聴判定部103は、表示部131に表示される映像信号の出力期間をクロック104によりカウントする。所定の期間以上のとき、視聴モードが選択されていると判定する。
【0127】
実施形態において、「コンテンツの受信」という表現には、ネットワーク40を介してコンテンツを取得することと、放送局60から放送された放送波を受信する意味とが含まれる。
【0128】
本実施形態において時刻は、情報処理装置10に内蔵されるクロック104に基づく時刻であってもよいが、例えば、時刻情報は、情報収集サーバ20,情報集計サーバ30などのサーバ或いは別のサーバに備えられるサーバ基準のクロックから取得されてもよい。更には、正確な時刻情報を取得することが可能な計時装置を使用してもよい。
【0129】
本実施形態では、ランダム視聴モードの判定方法などにおいて、選択されているチャンネル情報を取得する方法としては、アプリケーションから取得すると説明した。しかし、チャンネル変更時にテレビ画面に表示されるチャンネル番号、画面の所定位置に表示される放送局ロゴなどの画像データから取得してもよい。これらの画像データから文字認識(文字解析)技術などによってチャンネル番号を割り出してもよい。
【0130】
本実施形態では、放送事業者の放送局60から送信された放送コンテンツを視聴可能にするパーソナルコンピュータ等の情報処理装置10を挙げて説明した。しかし、本発明に係る情報処理装置は、一例としてテレビ放送が視聴されていることを判定することができるとともに、視聴の実態を収集する際にネットワークやサーバにアクセス可能な機能を備えていればよく、いわゆるテレビとして販売されている機器(例えば、デジタルテレビジョン放送に対応したテレビ、ワンセグメント放送にのみ対応したテレビ)、ラジオとして販売されている機器(デジタル放送に対応したラジオ)などは、本実施形態に含まれる。
【0131】
図8に示す視聴情報収集システム2では、情報処理装置10’における情報処理部100の機能を備える装置が情報処理装置10’の外部に接続されていてもよい。
【0132】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0133】
1…視聴情報収集システム、 10…情報処理装置、 20…情報収集サーバ、 30…情報集計サーバ、 40…ネットワーク、 50…登録サーバ、 51…モニターデータベース、 60…放送局、 100…情報処理部、 101…放送処理部、 102…情報収集部、 103…視聴判定部、 104…クロック、 110…情報記憶部、 111…ハードディスク、 112…ハードディスクドライバ、 120…チューナ、 130…映像出力部、 131…表示部、 132…表示部ドライバ、 140…音声出力部、 141…サウンドカード、 142…サウンドカードドライバ、 143…スピーカ、 150…入力部、 160…通信処理部、 170…位置情報取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送事業者によって送信された放送コンテンツを再生する状態である視聴モードを有する情報処理装置であって、
前記放送コンテンツに関するデータを受信する受信部と、
前記受信部において受信した前記データを視聴可能に処理する放送処理部と、
前記放送処理部から送られた映像信号を出力する映像出力部と、
前記放送処理部から送られた音声信号を出力する音声出力部と、
前記受信部、前記放送処理部、前記映像出力部、または前記音声出力部のうち少なくとも一つの部の動作に関連する情報を収集する情報収集部と、
前記情報収集部において収集された前記動作に関連する情報、または前記動作に関する複数の情報の組み合わせにより、前記視聴モードが選択されているか否かを表す視聴状態を判定する視聴判定部と、
時刻を取得する時刻情報取得部とを有し、
前記視聴判定部は、前記時刻に前記視聴モードが選択されているか否かを判定する情報処理装置。
【請求項2】
前記視聴判定部は、前記受信部の動作に関連する情報と、前記放送処理部から前記音声出力部に供給された動作に関連する情報とが同一の場合、前記視聴モードが選択されていると判定する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報収集部は、前記音声出力部から出力される音声データを収集し、
前記視聴判定部は、前記音声出力部から予め決められた所定期間音声が出力されているとき、前記視聴モードが選択されていると判定する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記映像出力部は、前記映像信号を出力する画面のサイズに対して実際に映像を表示する表示サイズが変更可能であって、
前記視聴判定部は、前記映像出力部における表示サイズが所定のサイズよりも大きい場合に、前記視聴モードが選択されていると判定する請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記受信部、前記放送処理部、前記映像出力部、または前記音声出力部の各々に対して、動作を指示する制御部を有し、
前記動作に関連する情報は、前記受信部、前記放送処理部、前記映像出力部、または前記音声出力部のうち少なくとも一つが、前記制御部によって指示された前記動作を完了したことを前記制御部に報告する確認応答である請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報収集部は、前記受信部において選択されたチャンネルのチャンネル番号、チャンネル周波数のうち少なくとも一方を収集し、
前記視聴判定部は、前記チャンネル番号、前記チャンネル周波数のうち少なくとも一方と、前記時刻とに基づいて、前記時刻に受信された前記放送コンテンツを特定する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記情報処理装置の設置されている場所を示す位置情報を取得する位置情報取得部を有し、
前記情報収集部は、前記位置情報を収集し、
前記視聴判定部は、前記チャンネル番号、前記チャンネル周波数のうち少なくとも一方と、前記時刻と、前記位置情報とに基づいて、前記時刻に受信された前記放送コンテンツを特定する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記視聴判定部は、前記放送コンテンツを受信した時刻と、少なくとも前記放送コンテンツのチャンネル番号、前記放送時刻情報、及び前記時刻情報取得部から取得される時刻とを比較し、同一であれば、前記チャンネル番号において放送される放送コンテンツが実時間再生されていると判定する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記情報処理装置は、前記放送コンテンツを記憶する記憶部を有し、
前記放送コンテンツには、
前記放送コンテンツの視聴場面を示す時間情報である視聴位置情報と、
前記記憶部にファイルとして記憶されたときのファイル情報と
が対応付けて記憶されており、
前記視聴判定部は、前記視聴位置情報と、前記ファイル情報と、前記時刻情報取得部から取得される時刻とから前記記憶部に記憶された放送コンテンツが再生されていると判定する請求項1乃至7の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
放送事業者によって送信された放送コンテンツに関するデータを受信する受信部と、受信した前記データを視聴可能にする放送処理部と、前記放送処理部から送られた映像信号を出力する映像出力部と、前記放送処理部から送られた音声信号を出力する音声出力部と、時刻を取得する時刻情報取得部とを備え、前記放送コンテンツを再生する状態である視聴モードを有する情報処理装置に搭載されたコンピュータに、
前記受信部、前記放送処理部、前記映像出力部、及び前記音声出力部のうち少なくとも一つの部の動作に関連する情報を収集するステップと、
収集された前記動作に関連する情報、または前記動作に関する複数の情報の組み合わせにより、前記時刻に前記視聴モードが選択されているか否かを表す視聴状態を判定するステップと
を実行させる視聴判定プログラム。
【請求項11】
少なくとも、映像信号を出力する映像出力部と、音声信号を出力する音声出力部と、時刻を取得する時刻情報取得部とを備え、放送事業者から送信された放送コンテンツを再生する状態である視聴モードを有する情報処理装置と、
前記情報処理装置から送られた情報から前記情報処理装置における前記放送コンテンツの視聴に関わる情報を収集する情報収集サーバと、
前記情報収集サーバにおいて収集された前記視聴に関わる情報を集計する情報集計サーバとを備え、前記情報処理装置と前記情報収集サーバと前記情報集計サーバとが互いにネットワークを介して接続された視聴情報収集システムであって、
前記ネットワークに接続されており前記放送コンテンツに関するデータを受信する受信部と、
前記ネットワークに接続されており前記受信部において受信した前記データを視聴可能に処理する放送処理部とを備え、
前記情報処理装置は、
前記ネットワークに接続されており前記受信部、前記放送処理部、前記映像出力部、及び前記音声出力部のうち少なくとも一つの部の動作に関連する情報を収集する情報収集部と、
前記情報収集部において収集された前記動作に関連する情報、または前記動作に関する複数の情報の組み合わせにより、前記時刻に前記視聴モードが選択されているか否かを表す視聴状態を判定する視聴判定部と、
前記情報収集サーバとネットワークを介して通信を行う通信処理部とを有し、
前記通信処理部は、前記視聴状態と、前記情報処理装置を識別する識別情報とを前記情報収集サーバに送信する視聴情報収集システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−206787(P2010−206787A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−23638(P2010−23638)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(591101434)株式会社ビデオリサーチ (52)
【Fターム(参考)】