説明

情報処理装置およびその制御方法

【課題】 録音されたメッセージや受け取った電子メールに対する返信のし忘れを防止する。
【解決手段】 情報処理装置は、通話の発信元からのメッセージを録音するメッセージ録音部(101)と、このメッセージ録音部(101)により録音されたメッセージを再生するメッセージ再生部(104)とを有し、さらに、メッセージ録音部(101)により録音されたメッセージに対する返信の要否をDTMF信号に基づき設定するためのDTMF解釈部(102)と、要返信に設定されたメッセージに対する返信がなされていない場合、そのメッセージをメッセージ再生部(104)に再生させる再生管理部(103)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびその制御方法に関し、特に、いわゆる留守番電話機能や電子メール送受信機能を有する情報処理装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の留守番電話装置においては、録音メッセージがある場合、留守番電話装置に設けたLEDなどを点灯することにより可視表示を行ってメッセージのある旨をユーザに知らせている。また、録音メッセージの再生し忘れを防止するための各種方法が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開平06−205099号公報
【特許文献2】特開平07−030639号公報
【特許文献3】特開平11−017804号公報
【特許文献4】特開平11−068929号公報
【特許文献5】特開平11−191803号公報
【特許文献6】特開平11−252245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したような従来の技術では、録音メッセージの再生し忘れを防止することはできるが、返信のし忘れまでは防止することはできない。
【0005】
そこで、本発明は、録音されたメッセージや受け取った電子メールに対する返信のし忘れを防止することが可能な情報処理技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために、例えば本発明の一側面に係る情報処理装置は、音声通話を行う通話手段と、通話の発信元からのメッセージを録音する録音手段と、この録音手段により録音されたメッセージを再生する再生手段とを有する情報処理装置であって、前記録音手段により録音されたメッセージに対する返信の要否を設定する設定手段と、前記設定手段により要返信に設定されたメッセージに対する返信がなされていない場合に、そのメッセージを前記再生手段に再生させる制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、録音されたメッセージや受け取った電子メールに対する返信のし忘れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る情報処理装置の構成を示す機能ブロック図である。同図において、101は音声メッセージの録音を行うメッセージ録音部、102は送信側から受信したDTMF(Dial Tone Multi Frequency)を認識して解釈するDTMF解釈部、103は録音メッセージを再生するタイミングを管理する再生管理部、104はメッセージを再生するメッセージ再生部、105は発信履歴の管理を行う発信管理部、106はテキストを入力とし、言語処理及び音響処理を行い、合成音声を出力する音声合成部、107は録音したメッセージおよびその発信元を特定する情報(例えば電話番号)を保持するメッセージ保持部、108はDTMF解釈部102が要返信と解釈したメッセージを保持する要返信メッセージ保持部である。メッセージ保持部107および要返信メッセージ保持部108はRAM等のメモリで構成される。
【0010】
このように構成された情報処理装置は基本的に、留守番電話機能を有する電話機として動作する。ただし、電話本来の機能である音声通話機能そのものについては公知のものを使用できるため、ここでは音声通話機能に係る構成については図示を省略した。なお、音声通話は、アナログ公衆回線を使用するものでもよいし、インターネットを使用するもの(いわゆるインターネット電話)であってもよい。以下、この情報処理装置による制御処理について詳しく説明する。
【0011】
図5は、上記情報処理装置の留守番電話機能に係る動作手順の一例を示すフローチャートである。同図において、左側の列が受信側である本情報処理装置の動作を示し、右側の列が発信側における操作内容を示している。
【0012】
まず、ステップS501では、音声合成部106により「メッセージを入力して下さい。」という音声ガイダンスを出力する。ステップS502へ進む。なお、この音声ガイダンスは、音声合成部106ではなく、メッセージ再生部104により、録音しておいた音声データを再生し出力するようにしてもよい。この音声ガイダンスに応じて発信者側で録音メッセージが入力されると(ステップS502)、そのメッセージおよび発信元を特定する情報(例えば電話番号)がメッセージ保持部107に保持される。
【0013】
ステップS503では、例えば「返信が必要な場合は1、不要な場合は*を入力して下さい。」という音声ガイダンスを音声合成部106により出力する。これを聞いた発信側ユーザが電話機のプッシュボタンを押すことにより“1”または“*”のDTMF信号を入力すると(ステップS504)、受信側ではそのDTMF信号をDTMF解釈部102にて解釈する。ここで、“1”が入力された場合はステップS505へ進み、他方、“*”が入力された場合は処理を終了する。
【0014】
ステップS505では、例えば「再生日時を設定する場合は日付と時刻を入力した後に#、不要な場合は*を入力して下さい。」という音声ガイダンスを音声合成部106により出力する。発信側ユーザはこれに応じて、電話機のプッシュボタンを押すことにより“日時と#”または“*”を入力する(ステップS506)。例えば、再生日時を2003年12月15日17時に設定したい場合は、“200312151700#”と入力する。
【0015】
受信側ではこのDTMF信号をDTMF解釈部102にて解釈し、設定を再生管理部103に保存後、ステップS507で、例えば「再生間隔を設定する場合は間隔を入力した後に#、不要な場合は*を入力して下さい。」という音声ガイダンスを音声合成部106にて出力する。発信側ユーザはこれに応じて電話機のプッシュボタンを押すことにより“間隔と#”または“*”を入力する(ステップS508)。例えば、再生間隔を1時間(60分)に設定したい場合は、“60#”と入力する。受信側ではこのDTMF信号をDTMF解釈部102にて解釈し、設定を再生管理部103に保存後、ステップS509で、例えば「再生期限を設定する場合は期限を入力した後に#、不要な場合は*を入力して下さい。」という音声ガイダンスを音声合成部106にて出力する。発信側ユーザはこれに応じて電話機のプッシュボタンを押すことにより“期限日付と#”または“*”を入力する(ステップS510)。例えば、再生期限を2003年12月17日に設定したい場合は、“20031217#”と入力する。受信側ではこのDTMF信号をDTMF解釈部102にて解釈し、設定を再生管理部103に保存後、処理を終了する。
【0016】
なお、発信側からの設定には上記のようにDTMFによる入力だけでなく、図6に示すように音声認識部601を備え、音声認識による入力を可能にしてもよい。その場合、例えばステップS506で再生日時を2003年12月15日17時に設定したい場合は、「2003年12月15日17時」と発声した後に“#”を入力する。受信側ではこの入力された音声を音声認識部601にて認識し、設定を再生管理部103に保存することになる。
【0017】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置による要返信の録音メッセージを選択するための処理手順を示すフローチャートである。
【0018】
留守番電話機能が作動すると、まずステップS201で、メッセージ録音部101がメッセージを録音し、ステップS202で、録音したメッセージおよび発信元を特定する情報(例えば電話番号)をメッセージ保持部107へ保持する。メッセージ保持部107に保持されたメッセージは、引き続き、DTMF解釈部102及び再生管理部103が留守番電話機能の一部として機能することで管理される。
【0019】
ステップS203では、要返信であるか否かを判定する。要返信か否かは、例えば、メッセージを録音するユーザに返信が必要か否かの質問を音声合成部106にて出力し(図5のステップS503)、録音者のDTMF入力により指定される(図5のステップS504)。入力されたDTMFは、DTMF解釈部102により解釈し、返信が必要な場合はステップS204へ進み、不要な場合は処理を終了する。
【0020】
ステップS204では、メッセージの再生に関する設定を再生管理部103に保存する。まず、そのメッセージを入力した相手の電話番号(着信電話番号)を保存する。その他のメッセージの再生に関する設定は、上記と同様に録音者のDTMF入力により指定される。
【0021】
図5に示した例のように、メッセージを初回に再生する日時:再生日時(ステップS505、ステップS506)、その後返信されなかった場合に再度メッセージを再生するまでの間隔:再生間隔(ステップS507、ステップS508)、返信が必要な期限:再生期限(ステップS509、ステップS510)が指定されると、それぞれの設定を再生管理部103に保存する。上記メッセージの再生に関する指定がされなかった場合はデフォルト値(例えば、初回再生日時:現在の日時、再生間隔:60分、再生期限:なし)を再生管理部103設定し、次のステップS205へ進む。
【0022】
ステップS205では、録音したメッセージのコピーを要返信メッセージ保持部108へ格納し処理を終了する。
【0023】
図3は、本実施形態に係る情報処理装置による、要返信のメッセージを再生日時に再生するための処理手順を示すフローチャートである。この処理は、定期的(例えば30秒ごと)に呼び出される。
【0024】
ステップS301では、再生管理部103により、要返信メッセージ保持部108に保持されているメッセージの中から先頭のメッセージが取り出される。ステップS301にてメッセージを取り出すことができた場合は、ステップS303へ進み、メッセージを取り出すことができなかった場合は、処理を終了する(ステップS302)。
【0025】
ステップS303では、再生管理部103にて、取り出したメッセージの再生期限と現在の日付とが比較される。現在の日付が再生期限内の場合は、ステップS304へ進む。一方、再生期限を過ぎている場合はステップS305に進み、要返信メッセージ保持部108から当該メッセージおよび対応する発信元を特定する情報を削除し、その後ステップS308へ進む。
【0026】
ステップS304では、再生管理部103にて、取り出したメッセージに設定された再生日時と現在の日時とを比較する。その差が一定の値以内(例えば1分以内)の場合はステップS306へ進み、一定の値を超える場合はステップS308へ進む。
【0027】
ステップS306では、取り出したメッセージをメッセージ再生部104にて再生し、電話機のスピーカを介して出力される。なお、このステップS306ではメッセージの再生だけに限られず、要返信メッセージがあることを知らせる別の通知手段(例えばランプの点灯や報知音の再生など)を用いてもよい。
【0028】
さらに、ステップS307では、再生管理部103にて、再生されたメッセージの再生日時を再設定する。ここでは、再生日時を、現在の時刻から再生間隔の分だけ後の時刻に再設定する(例えば、再生間隔が120分に設定されており、現在の時刻が14時だとすると、16時に設定する)。
【0029】
また、ステップS308では、再生管理部103にて、要返信メッセージ保持部108から次のメッセージを1つ取り出し、ステップS302に戻って処理を繰り返す。
【0030】
図4は、本実施形態に係る情報処理装置による電話発信に伴う制御処理を示すフローチャートである。この処理は電話で発信した後に呼び出される。
【0031】
まず、ステップS401で、発信履歴管理部105にて発信先を特定する情報(例えば電話番号)を取得する。
【0032】
続いて、ステップS402で、再生管理部103において、この発信先電話番号と要返信メッセージ保持部108に保持されている全てのメッセージの発信元を特定する情報(着信電話番号)とを比較する。その発信先電話番号がどの着信電話番号とも一致しなかった場合(ステップS403にてNOの場合)は処理を終了し、一致した場合(ステップS403にてYESの場合)はステップS404へ進む。
【0033】
ステップS404では、電話番号が一致したメッセージおよびその電話番号を要返信メッセージ保持部108から削除する。このとき、メッセージ保持部107から削除してもよい。
【0034】
また、返信しなくても、(例えば電話機上でのGUIにより)特定の要返信メッセージに「返信解除」という指示を出すことにより、その要返信メッセージを要返信メッセージ保持部108から削除することが可能である。また、再度同一の発信先から返信解除を示す特定のDTMFを受信することにより、着信電話番号と上記特定のDTMFに基づいて、要返信メッセージ保持部108に保持されている要返信メッセージを削除してもよい。
【0035】
なお、上述のように、送信側からの設定には前述のようにDTMFによる入力だけでなく、音声認識による入力でもよい。
【0036】
以上の説明から明らかなように、本実施形態における情報処理装置によれば、留守番電話機能を有する電話機として、送信者が要返信と設定した録音メッセージを、返信するまで定期的に再生することが可能となる。これにより、録音されたメッセージに対する返信のし忘れを防止することができる。
【0037】
(第2の実施形態)
上述の第1の実施形態は、返信が必要な録音メッセージを、返信されるまで定期的に再生するというものであった。これに対し本実施形態は、返信が必要な電子メールを、返信されるまで定期的に音声出力するというものである。
【0038】
図13は、本実施形態に係るネットワーク構成を示す図である。同図において、1301はインターネットであり、1302と1303は電子メール機能付きファクシミリ装置として機能する情報処理装置(以下「FAX」という。)である。FAX1302とFAX1303はファクシミリ通信を行うほか、インターネット1301を介して電子メールの送受を行うことができる。
【0039】
ここで、FAX1302、FAX1303においては、特定のコードを含むタグを電子メール内に記述することができる。図11に一例を示す。同図に示した電子メールの例は、返信が必要な旨や音声出力の設定を示す特定のコード(タグ)を含んでいる。
【0040】
例えば、1101に示されるタグ<need−reply limit=“20040408”/>のうち、「need−reply」は返信が必要な旨を示す。また、「limit=“20040408”」は音声出力期限を指定しており、2004年4月8日までは返信されるまで音声出力する旨を表している。
【0041】
また、1102に示されるタグ<read …>と1103に示されるタグ</read>とで挟まれたメール本文が、読み上げの対象(音声出力範囲)として指定される。また、タグ1102において、「date=“20040402”」および「time=“10:00”」でメールを読み上げる日時(2004年4月2日10時)を指定しており、その後返信されなかった場合に再度読み上げるまでの間隔120分を「interval=“120”」によって指定している。このようなタグは直接文字列を入力することで記述してもよいが、図12に示すようなGUIを用いて設定してもよい。
【0042】
図7は、本実施形態に係る情報処理装置の構成を示す機能ブロック図である。同図において、701は電子メールの受信を行うメール受信部、702は受信したメールの中から特定のタグを含むメールを選択するメール選択部、703はメールを読み上げるタイミングを管理する読み上げ管理部、704はテキストを入力とし、言語処理及び音響処理を行い、合成音声を出力する音声合成部、705は電子メールの送信を行うメール送信部、706は受信した電子メールを保持するメール保持部、707はメール選択部702が選択した電子メールを保持する要返信メール保持部である。メール保持部706および要返信メール保持部707は、例えばRAM等のメモリで構成される。
【0043】
このように構成された情報処理装置は基本的に、電子メール機能および音声合成機能付きのFAXとして動作する。ただし、ファクシミリ通信機能そのものについては公知のものを使用できるため、ここではファクシミリ通信機能に係る構成については図示を省略した。以下、この情報処理装置による制御処理について詳しく説明する。
【0044】
図8は、本実施形態に係る情報処理装置よる要返信電子メールを選択するための処理手順を示すフローチャートである。
【0045】
電子メール機能が作動すると、まずステップS801で、メール受信部701がメールを受信し、ステップS802で、受信したメールをメール保持部706へ保持する。メール保持部706に保持されたメールは、引き続き、メール選択部702及び読み上げ管理部703がメール機能の一部として機能することで管理される。
【0046】
ステップS803では、メール選択部702において、メールの本文に要返信である旨を指定するタグが含まれているか否かを判定する。要返信である旨は、例えば、<need−reply>タグによって指定されることは先述したとおりである。この指定は、図11の1101のように「<need−reply limit=“20040408”>」といった音声出力期限の情報を含んでいてもよい。音声出力期限が指定されていない場合は、期限はないと解釈する。このように要返信を指定するタグが含まれている場合はステップS804へ進み、含まれていない場合は処理を終了する。
【0047】
ステップS804ではメールの音声出力に関する設定を読み上げ管理部703に保存する。例えば、図11の<read>タグ1102と</read>タグ1103とでメールを読み上げる範囲(音声出力範囲)が指定されている場合、<read>タグ1102と</read>タグ1103とで挟まれた間の文を読み上げるように読み上げ管理部703に設定する。更に、メールを読み上げる日時:音声出力日時(図11の例では、date=“20040402”とtime=“10:00”)、返信されなかった場合に再度読み上げるまでの間隔:音声出力間隔(図11の例では、interval=“120”)が指定されてもよい。上記の指定は、2004年4月2日、10時に音声出力し、その後返信されなかった場合は120分毎に音声出力する旨を示している。上記音声出力に関する指定がされなかった場合はデフォルト値(例えば、音声出力範囲:全文、音声出力日時:現在の日時、音声出力間隔:60分)を読み上げ管理部703に設定し、次のステップS805へ進む。ここで、上記設定は、読み上げ管理部703に保存せずにメール本文に直接書き込んでもよい。
【0048】
ステップS805では、受信したメールのコピーを要返信メール保持部707へ格納し処理を終了する。上記コピーは、音声出力範囲のみでもよい。
【0049】
図9は、本実施形態に係る情報処理装置による、要返信のメールを音声出力日時に読み上げるための処理手順を示すフローチャートである。この処理は、定期的(例えば30秒ごと)に呼び出される。
【0050】
ステップS901では、読み上げ管理部703により、要返信メール保持部707に保持されているメールの中から先頭のメールが取り出される。ステップS901にてメールを取り出すことができた場合は、ステップS903へ進み、メールを取り出すことができなかった場合は、処理を終了する(ステップS902)。
【0051】
ステップS903では、読み上げ管理部703にて、取り出したメールの音声出力期限と現在の日付とが比較される。現在の日付が音声出力期限内の場合は、ステップS904へ進み、音声出力期限を過ぎている場合は要返信メール保持部707から削除し(ステップS905)、ステップS908へ進む。
【0052】
ステップS904では、読み上げ管理部703にて、取り出したメールに設定された音声出力時刻と現在時刻とを比較する。その差が一定の値以内(例えば1分)の場合はステップS906へ進み、一定の値を超える場合はステップS908へ進む。
【0053】
ステップS906では、取り出したメールを音声合成部704にて音声合成し、音声合成した結果が、FAXのスピーカを介して音声出力される。なお、このステップS906ではメールの音声出力だけに限られず、要返信メールがあることを知らせる別の通知手段(例えばランプの点灯や報知音の再生など)を用いてもよい。
【0054】
さらに、ステップS907では、読み上げ管理部703にて、音声出力されたメールの音声出力時刻を再設定する。ここでは、音声出力時刻を、現在の時刻から読み上げ間隔の分だけ後の時刻に再設定する(例えば、音声出力間隔が120分に設定されており、現在の時刻が14時だとすると、16時に設定する)。
【0055】
また、ステップS908では、読み上げ管理部703にて、要返信メール保持部707から次のメールを1つ取り出し、ステップS902に戻って処理を繰り返す。
【0056】
図10は、本実施形態に係る情報処理装置によるメール送信に伴う制御処理を示すフローチャートである。この処理はメールを送信した後に呼び出される。
【0057】
まず、ステップS1001で、メール送信部705にて送信メールの送信先アドレスを取得する。
【0058】
続いて、ステップS1002で、読み上げ管理部703において、この送信先アドレスと要返信メール保持部707に保持されている全てのメールの返信先アドレスとを比較する。その送信先アドレスがどのメールの返信先アドレスとも一致しなかった場合(ステップS1003にてNOの場合)は処理を終了し、一致した場合(ステップS1003にてYESの場合)はステップS1004へ進む。
【0059】
ステップS1004では、アドレスが一致したメールを要返信メール保持部707から削除する。このとき、メール保持部706から削除してもよい。
【0060】
また、返信しなくても、(例えばFAX上でのGUIにより)特定の要返信メールに「返信解除」という指示を出すことにより、その要返信メールを要返信メール保持部707から削除することが可能である。また、再度同一の送信先から返信解除を示す特定のタグを含む電子メールを受信した場合、送信者メールアドレスと上記特定のタグに基づいて、要返信メール保持部707に保持されている要返信メールを削除してもよい。
【0061】
以上の説明から明らかなように、本実施形態における情報処理装置によれば、電子メール機能および音声合成機能を有するFAXとして、送信者が要返信と設定した電子メールを、返信するまで定期的に音声出力することが可能となる。これにより、受け取った電子メールに対する返信のし忘れを防止することができる。
【0062】
(第3の実施形態)
上記第1の実施形態では、留守番電話機能により録音した要返信メッセージに対して電話で返信するまで定期的にメッセージを再生する場合について説明し、上記第2の実施形態では、電子メール機能により受信した要返信メールに対してメールで返信するまで定期的にメッセージを再生する場合について説明したが、これらを組み合わせた機能を備えるように構成することもできる。
【0063】
すなわち、留守番電話機能により録音した要返信メッセージに対して電子メールで返信してもよい。同様に、電子メールで受信した要返信メッセージに対して電話やFAXで返信してもよい。
【0064】
上記の機能は、携帯電話機やFAXにもよく使われているアドレス帳を利用することにより実現される。上記アドレス帳には、電話番号や電子メールアドレスが、例えば個人毎に、関連付けて保存されており、これらの電話番号やFAX番号、電子メールアドレスを関連付けることは容易である。
【0065】
このような構成によれば、電子メール機能、留守番電話機能ならびに音声合成機能を有するFAXとして、送信者が要返信と設定したメールや録音メッセージに対して返信するまで定期的に音声出力することが可能となる。これにより、録音されたメッセージや受け取った電子メールに対する返信のし忘れを防止することができる。
【0066】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0067】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータがその供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。その場合、プログラムの機能を有していれば、その形態はプログラムである必要はない。
【0068】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、そのコンピュータにインストールされるプログラムコード自体およびそのプログラムを格納した記憶媒体も本発明を構成することになる。つまり、本発明の特許請求の範囲には、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体、およびそのプログラムを格納した記憶媒体も含まれる。
【0069】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0070】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0071】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、そのホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記憶媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明のクレームに含まれるものである。
【0072】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0073】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0074】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置による要返信の録音メッセージを選択するための処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置による、要返信のメッセージを再生日時に再生するための処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置による、電話発信に伴う制御処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置の留守番電話機能に係る動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置の別の構成例を示す機能ブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る情報処理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る情報処理装置による要返信のメールを選択するための処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る情報処理装置による、要返信のメールを音声出力時刻に読み上げるための処理手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る情報処理装置によるメール送信に伴う制御処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る、返信が必要な旨や音声出力の設定を指定するコードを含む電子メールの例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態における、返信および音声出力に関する設定を行うためのユーザーインタフェースの一例を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係るネットワーク構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
101 メッセージ録音部
102 DTMF解釈部
103 再生管理部
104 メッセージ再生部
105 発信履歴管理部
106 音声合成部
107 メッセージ保持部
108 要返信メッセージ保持部
601 音声認識部
701 メール受信部
702 メール選択部
703 読み上げ管理部
704 音声合成部
705 メール送信部
706 メール保持部
707 要返信メール保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声通話を行う通話手段と、通話の発信元からのメッセージを録音する録音手段と、この録音手段により録音されたメッセージを再生する再生手段とを有する情報処理装置であって、
前記録音手段により録音されたメッセージに対する返信の要否を設定する設定手段と、
前記設定手段により要返信に設定されたメッセージに対する返信がなされていない場合に、そのメッセージを前記再生手段に再生させる制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記設定手段により要返信に設定されたメッセージおよび発信元を特定する情報を保持する保持手段を更に有し、
前記制御手段は、前記保持手段により保持されているメッセージから選択される一のメッセージに対する返信がなされていない場合に当該一のメッセージを前記再生手段に再生させることを、前記保持手段により保持されている各メッセージに対して行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記通話手段による通話のために発信した際に、その発信先を特定する情報が前記保持手段により発信元を特定する情報として保持されている場合に、前記保持手段から当該発信元を特定する情報および対応するメッセージを削除する管理手段を更に有することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記設定手段は、発信元からのDTMF信号に基づいて、前記録音手段により録音されたメッセージに対する返信の要否を設定することを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
発信元からの音声を認識する音声認識手段を更に有し、
前記設定手段は、前記音声認識手段による認識結果に基づいて、前記録音手段により録音されたメッセージに対する返信の要否を設定することを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記設定手段により要返信に設定されたメッセージを、そのメッセージに対する返信がなされるまで前記再生手段に再所定の時間間隔で繰り返し再生させることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項7】
音声通話を行う通話手段と、通話の発信元からのメッセージを録音する録音手段と、この録音手段により録音されたメッセージを再生する再生手段とを有する情報処理装置の制御方法であって、
前記録音手段により録音されたメッセージに対する返信の要否を設定するステップと、
要返信に設定されたメッセージに対する返信がなされていない場合に、そのメッセージを前記再生手段に再生させるステップと、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項8】
音声通話を行う通話手段と、通話の発信元からのメッセージを録音する録音手段と、この録音手段により録音されたメッセージを再生する再生手段とを有する情報処理装置を制御するためのプログラムであって、
前記録音手段により録音されたメッセージに対する返信の要否を設定するためのコードと、
要返信に設定されたメッセージに対する返信がなされていない場合に、そのメッセージを前記再生手段に再生させるためのコードと、
を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
電子メールを送受信する送受信手段と、受信した電子メールの内容を音声合成により出力する出力手段とを有する情報処理装置であって、
受信した電子メールに対する返信の要否を設定する設定手段と、
前記設定手段により要返信に設定された電子メールに対する返信がなされていない場合に、その電子メールの内容を前記出力手段に出力させる制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
電子メールを送受信する送受信手段と、受信した電子メールの内容を音声合成により出力する出力手段とを有する情報処理装置の制御方法であって、
受信した電子メールに対する返信の要否を設定するステップと、
要返信に設定された電子メールに対する返信がなされていない場合に、その電子メールの内容を前記出力手段に出力させるステップと、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項11】
電子メールを送受信する送受信手段と、受信した電子メールの内容を音声合成により出力する出力手段とを有する情報処理装置を制御するためのプログラムであって、
受信した電子メールに対する返信の要否を設定するためのコードと、
要返信に設定された電子メールに対する返信がなされていない場合に、その電子メールの内容を前記出力手段に出力させるためのコードと、
を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項12】
音声通話を行う通話手段と、通話の発信元からのメッセージを録音する録音手段とを有する情報処理装置であって、
前記録音手段により録音されたメッセージに対する返信の要否を設定する設定手段と、
前記設定手段で返信が要に設定されたそのメッセージに対する返信がなされるまで、所定の情報を出力する出力手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
音声通話を行う通話手段と、通話の発信元からのメッセージを録音する録音手段とを有する情報処理装置の制御方法であって、
前記録音手段により録音されたメッセージに対する返信の要否を設定する設定ステップと、
前記設定ステップで返信が要に設定されたそのメッセージに対する返信がなされるまで、所定の情報を出力する出力ステップと、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項14】
音声通話を行う通話手段と、通話の発信元からのメッセージを録音する録音手段とを有する情報処理装置を制御するためのプログラムであって、
前記録音手段により録音されたメッセージに対する返信の要否を設定するためのコードと、
前記設定ステップで返信が要に設定されたそのメッセージに対する返信がなされるまで、所定の情報を出力するためのコードと、
を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項15】
電子メールを送受信する送受信手段を有する情報処理装置であって、
受信した電子メールに対する返信の要否を設定する設定手段と、
前記設定手段で返信が要に設定されたそのメッセージに対する返信がなされるまで、所定の情報を出力する出力手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項16】
電子メールを送受信する送受信手段を有する情報処理装置の制御方法であって、
受信した電子メールに対する返信の要否を設定する設定ステップと、
前記設定手段で返信が要に設定されたそのメッセージに対する返信がなされるまで、所定の情報を出力する出力ステップと、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項17】
電子メールを送受信する送受信手段を有する情報処理装置を制御するためのプログラムであって、
受信した電子メールに対する返信の要否を設定するためのコードと、
前記設定手段で返信が要に設定されたそのメッセージに対する返信がなされるまで、所定の情報を出力するためのコードと、
を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項18】
請求項7、11、14又は17のいずれかに記載のプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−25025(P2006−25025A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−199406(P2004−199406)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】