説明

情報処理装置およびその動作方法

【課題】機能(動作モード)が切り替わる場合であっても、表示する画面を効率良く決定する。
【解決手段】UI画面を表示手段に表示させる情報処理装置であって、複数のモードのそれぞれに対応する優先度が設定されたグループを複数有し、前記複数のグループのそれぞれにUI画面が少なくとも1つ分類されているデータを取得し、前記複数のグループの少なくとも一部に分類されたUI画面を保持し、モードを特定し、保持されたUI画面が分類されているグループのうち、特定されたモードに対応する優先度が最も高いグループの代表となるUI画面を表示手段に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はUI画面を切り替える技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多機能なデジタル機器における画面遷移が複雑化している。そして、互いに切り替えて表示する複数のUI画面の各々に設定した優先度に応じて、前面に表示するUI画面を決定する技術が知られている(例えば、特許文献1)。また従来、カラー印刷とモノクロ印刷とを切り替えて実行することができるデジタル複合機(以下、複合機とする。)が知られている。そして、このような複合機において、以下のような画面遷移が実現されている。
即ち、まず、カラー印刷が選択されている場合には、カラー印刷の基本画面(UI画面A)が表示される。そして、カラー印刷が選択され、かつカラートナーの残量が少なくなった場合には、表示される画面は、カラー印刷の基本画面(UI画面A)からカラートナー切れを示す画面(UI画面B)に切り替わる。カラートナー切れを示す画面(UI画面B)が表示されている場合に、モノクロ印刷が選択されると、表示される画面は、カラートナー切れを示す画面(UI画面B)からモノクロ印刷の基本画面(UI画面C)に切り替わる。これはカラートナーの残量が少なくとも、モノクロ印刷をすることが可能だからである。そして、モノクロ印刷の基本画面(UI画面C)が表示されている場合に、カラー印刷が選択されると、表示される画面は、モノクロ印刷の基本画面(UI画面C)からカラートナー切れを示す画面(UI画面B)に切り替わる。即ち、モノクロ印刷の基本画面(画面C)からカラー印刷の基本画面(UI画面A)には切り替わらない。これはカラートナーの残量が少ないと、好適なカラー印刷をすることが困難な場合があるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−111805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術を用いて、上述した画面遷移を実現することは困難な場合がある。即ち、UI画面AよりUI画面Bを優先して表示するよう優先度を設定し、UI画面BよりもUI画面Cを優先して表示するよう優先度を設定すると、UI画面CからUI画面A、Bへ切り替えられない。また、UI画面AよりUI画面Bを優先して表示するよう優先度を設定し、UI画面AとUI画面Cに同じ優先度を設定すると、UI画面BがUI画面Cよりも優先して表示される。また、画面遷移が複雑化している今日、入力イベント、アプリケーションイベントの1つ1つに対して遷移前の画面と遷移後の画面を決定すると、繁雑な処理を要する場合がある。本発明は、上記の課題を解決するものであって、機能(動作モード)が切り替わる場合であっても、表示する画面を効率良く決定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するために、本発明の情報処理装置は、UI画面を表示手段に表示させる情報処理装置であって、複数のモードのそれぞれに対応する優先度が設定されたグループを複数有し、前記複数のグループのそれぞれにUI画面が少なくとも1つ分類されているデータを取得する取得手段と、前記複数のグループの少なくとも一部に分類されたUI画面を保持する保持手段と、モードを特定する特定手段と、前記保持手段によって保持されたUI画面が分類されているグループのうち、前記特定手段によって特定されたモードに対応する優先度が最も高いグループの代表となるUI画面を表示手段に表示させる表示制御手段とを有する情報処理装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、機能が切り替わる場合であっても、表示する画面を効率良く決定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る多機能プリンタのブロック図およびハードウェア構成図
【図2】画面遷移仕様データを表現する図
【図3】画面遷移仕様データをXML形式で表現した図
【図4】制御部102の処理を説明するフローチャート
【図5】制御部102の処理を説明するフローチャート
【図6】履歴管理部104が保持する画面遷移履歴リストを示す図
【図7】本発明に係る多機能プリンタのブロック図およびハードウェア構成図
【図8】多機能プリンタの操作パネル1401を表現する図
【図9】画面遷移仕様データを表現する図
【図10】制御部102の処理を説明するフローチャート
【図11】制御部102の処理を説明するフローチャート
【図12】履歴管理部104が保持する画面遷移履歴リストを示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態)
図1(a)は、本実施形態に係る情報処理装置の一例である多機能プリンタの機能ブロック図である。同図において、101は入力部、102は制御部、103は画面遷移仕様記述部、104は管理部、105は表示部である。入力部101は、複数のボタン204、トナーの容量を検知するセンサー等から構成され、ユーザによる各種の入力やセンサー入力などを受け付ける。制御部102は、CPU201等から構成され、ROM203に記憶されたプログラムやデータをRAM202に読み出して各種の処理を実行する。画面遷移仕様記述部103は、ROM203等の記憶媒体から構成され、前記プログラムを実行する際に必要な画面遷移仕様データなどがコンピュータ(CPU等を含む)読み出し可能なプログラムコードの形態で記述されている。管理部104は、RAM202等から構成され、画面遷移の履歴情報などを管理する。表示部105は、LCDなどの出力装置205から構成され、画像、文字等により構成される各種情報を表示する。
【0009】
図1(b)は、本実施形態に係る情報処理装置の一例である多機能プリンタのハードウェア構成を示す構成図である。尚、図1(a)の機能ブロック図の説明において示した要素には同一符号を付し、その説明を省略する。同図において、201はCPU、202はRAM、203はROM、204は入力装置、205は出力装置、206はシステムバスである。入力装置204は例えばCOPY機能を有効にするためのCOPYボタンやFAX機能を有効にするためのFAXボタンなどがある。出力装置205は例えばLCDなどの表示部がある。システムバス206は、本装置内の各要素を接続し、各要素間における信号の送受信を行う。
【0010】
次に、上記多機能プリンタにおいて実行される画面遷移の一例について、図2に基づいて説明する。図2は、画面遷移仕様を表す画面遷移図である。画面遷移図は、UI画面と、画面遷移、一つ以上のUI画面をグループ化するグループ(カテゴリ)、削除遷移によって構成される。UI画面には、COPY基本画面S11、印刷画面S12、FAX基本画面S21、カラートナーなし画面S31、黒トナーなし画面S41、電源異常画面S51の5つがあり、それぞれUI画面は多機能プリンタを操作するためのUIを持つ。実線の矢印は画面遷移を表し、破線の矢印は画面遷移履歴の情報から所定のグループに属する(分類された)情報を削除する削除遷移を表現する。また、画面遷移と削除遷移には、アクションを設定することができる。画面遷移と削除遷移は、特定のイベントに反応して、設定されたアクションを実行する。
【0011】
画面遷移には、COPYボタン押下による画面遷移(E11)、印刷ボタン押下による画面遷移(E12)、FAXボタン押下による画面遷移(E21)がある。また例外的な状況で発生する画面遷移として、カラートナー切れ検知による画面遷移(E31)、黒トナー切れ検知による画面遷移(E41)、電源異常検知による画面遷移(E51)がある。削除遷移には、カラートナー復帰検知による削除遷移(E32)、黒トナー復帰検知による削除遷移(E42)、電源異常復帰検知による削除遷移(E52)がある。本実施形態ではE11に現在の機能をCOPY機能に切り替える機能切替アクション、E21にFAX機能に切り替える機能切替アクションがそれぞれ設定されているものとする。これらのアクションは遷移のプロパティとして設定される。
【0012】
グループ(カテゴリ)には、COPYグループG1、FAXグループG2、カラートナー異常グループG3、黒トナー異常グループ、致命的エラーグループG5と、これらのグループをグループ化するグループG0がある。グループは現在の機能に応じて優先度を切り替える。そのためにグループは機能ごとの優先度情報(機能別優先度)を持つことができる。G1はCOPY機能で優先度2、FAX機能で優先度1の機能別優先度を持つ。同様に、G2はCOPY機能で優先度1、FAX機能で優先度2、G3はCOPY機能で優先度3、FAX機能で優先度1、G4はFAX、COPY機能で優先度3、G5はFAX,COPY機能で優先度4の機能別優先度をそれぞれ持つ。優先度は最低が1で数値が大きくなるほど優先度が高いものとする。尚、画面遷移仕様のデータは、テキストでもバイナリデータでもよい。テキストの場合、例えば、図3に示すようなXML形式のデータで記述される。
【0013】
ここで、各要素の意味は以下のとおりである。<screentransition>は、root要素を示し、図2のG0に相当する。<screen>はUI画面を示し、図2では四角形で表現されている。<group>はグループを示し、図2では、角丸四角形のG1、G2、G3、G4、G5に相当する。尚、<group>要素のpriority属性には、機能ごとに優先度を記述する。<transition>は画面遷移を示し、図2では実線矢印で表現されている。<exit>は削除遷移を示し、図2では破線矢印で表現されている。<setmode>は機能切替アクションを示し、図2での記述は省略する。
【0014】
制御部102は、この画面遷移仕様のデータを、RAM202に読み出して実行する。次に、画面遷移のトリガーとなる動作が検知された場合に、制御部102において実行させる処理について図4のフローチャートを用いて説明する。ステップS501において、制御部102は、画面遷移のトリガーとなる動作(ユーザによるボタン操作、上記イベント等)が検知されたか否か判断し、イベント等が検知された場合、ステップS502の処理を実行する。一方、イベント等が検知されなかった場合、イベント等が検知されるまで待機する。ステップS502においては、制御部102は、表示部105に表示されているUI画面(遷移元のUI画面)を画面遷移の基準として設定する。次に、ステップS503において、遷移元のUI画面に対して、ステップS501で検知されたイベントによる画面遷移が画面遷移仕様のデータに定義されているか否か調べ、所定のデータが定義されていた場合、ステップS504の処理を実行する。一方、所定のデータが定義されていなかった場合、ステップS511の処理を実行する。
【0015】
ステップS504においては、画像遷移仕様のデータの定義に基づいて、遷移先のUI画面を決定する。次に、ステップS505において、その遷移が、遷移先のUI画面の属するグループの外からそのグループの中への遷移になる場合、ステップS506の処理を実行する。一方、その遷移が、遷移先のUI画面の属するグループの外からそのグループの中への遷移ではない場合、処理を終了する。ステップS506において、制御部102は、管理部104から画面遷移履歴リストの現在の機能を取得する。ステップS507において、制御部102は遷移先のUI画面の属するグループに現在の機能に対応する機能別優先度があるかどうかを確認し、あればステップS508の処理を実行し、なければステップS510の処理を実行する。ステップS508において、現在の機能に対応する機能別優先度を取得する。また、ステップS510において、現在の機能に対応する機能別優先度がない場合は最低の優先度(本実施形態では1)を取得する。
【0016】
ステップS509において、制御部102は、管理部104に遷移先のUI画面の属するグループに対応するスタック状の新たな画面遷移履歴を生成し、既存の画面遷移履歴リストに追加する。尚、前記リストに対する生成した画面遷移履歴の追加位置はステップS508またはステップS510で取得された優先度に従って決定される。また、ステップS511において、制御部102は、図3の破線矢印で表される削除遷移が定義されているか否か調べ、削除遷移が定義されている場合、ステップS514の処理を実行する。一方、削除遷移が定義されていない場合、ステップS512の処理を実行する。ステップS514では、管理部104が管理する画面遷移履歴リストの中から、削除対象となるグループに対応する画面遷移履歴を削除し、処理を終了する。
ステップS512では、遷移元のUI画面に親グループが定義されているか否かを調べ、親グループが設定されていた場合、ステップS513の処理を実行する。一方、親グループが設定されていない場合、イベント等が検知されるまで待機する。ステップS513では、検出された親グループを画面遷移の基準に設定し、当該親グループを遷移元のUI画面と解釈して、ステップS503以降の処理を実行する。
【0017】
次に、機能の切り替えが検知された場合に、制御部102において実行させる処理について図5(a)のフローチャートを用いて説明する。ステップS601において、制御部102は、画面間遷移のアクション等により、機能の切り替えを検知されたか否かを判定し、検知された場合、ステップS602の処理を実行する。一方、検知されなかった場合、アクション等が検知されるまで待機する。ステップS602において、制御部102は、管理部104が保持する現在の機能を指定された機能に設定する。ステップS603において、制御部102は、管理部104が保持する全ての画面遷移履歴の優先度を、現在の機能に対応する優先度に変更する。ステップS604において、制御部102は、管理部104が保持する画面遷移履歴リストを画面遷移履歴の優先度に基づきソートする。
【0018】
図6(a)は画面遷移履歴リスト(継続中のイベントに対応するUI画面が属するグループを管理するリスト)の一例を示す模式図である。図6(a)において、履歴管理部104の画面遷移履歴リストは、図6(a)の701のようになっているとする。画面遷移履歴は、グループ内のUI画面に画面遷移したときに、そのグループに対応する画面遷移履歴がなければ新規に作成され、画面遷移履歴リストに追加される。また既に存在している場合は、その画面遷移履歴の中にUI画面の情報が追加される。ここではグループG1,G2,G3,G4,G5の画面遷移履歴をそれぞれH1,H2,H3,H4,H5に対応するものとする。画面遷移履歴リストは、画面遷移履歴の優先度の順でソートされており、右側に行くほど高い優先度となる。また、画面遷移履歴の中で、先頭(一番下)にあるUI画面(代表UI画面)が現在表示されている表示部を表す。図6(a)において、アクティブな画面遷移履歴はH1であり、その画面遷移履歴の先頭にあるUI画面S11が現在表示されているUI画面となる。画面遷移履歴に保存するUI画面の情報はUI画面のメモリ情報であってもよいし、UI画面識別子だけでもよい。
【0019】
次に、ステップS604において実行されるソート処理について、図5(b)のフローチャートを用いて説明する。ステップS901において、制御部102は画面遷移履歴リストの中で最も優先度の高い画面遷移履歴を優先的に探索し、画面遷移履歴リストの右端に移動する。最も優先度の高い画面遷移履歴が複数ある場合は、最も右側にあるものを右端に移動する。ステップS902において、制御部102は右端の画面遷移履歴をアクティブにし、この画面遷移履歴の先頭のUI画面を表示部に設定する表示制御を行う。ステップS903において、制御部102は右端以外の画面遷移履歴を画面遷移履歴の優先度に基づき、右側にいくほど優先度が高くなるようにソートし、ソート処理を終了する。このように優先度の高い一部のUI画面を先に移動することで、画面遷移履歴リストをソートしている間に、優先度の低い画面遷移履歴のUI画面が表示部に表示される可能性を防ぐ。
【0020】
図6(a)において「印刷ボタン」イベントが発生した場合、印刷画面S12への遷移(E12)が起こる。印刷画面はCOPY基本画面と同じグループG1に属するため、画面遷移履歴H1の先頭にUI画面が追加され(S702)、S12が現在画面になる。続いて「カラートナー切れ」イベントによる遷移(E31)が起こった場合、グループG3に入るため、新たに画面遷移履歴H3が積まれ、UI画面S31がH3の先頭に追加され(703)、S31が現在画面になる。COPY機能において、G1は優先度2、G3は優先度3であるため、優先度の高いG3がリストの右側に追加される。さらに「電源異常」イベントによる遷移(E51)が起こった場合、グループG5に入るため、画面遷移履歴G5がリストに追加され、UI画面S51が先頭に追加され(704)、現在画面がS51になる。G5はCOPY機能で優先度4になるため、画面遷移履歴H5は右側に追加される。続いて(電源異常が復帰する前に、)多機能プリンタにカラートナーが補充され、「カラートナー復帰」イベントが起こった場合、G3の画面遷移履歴を削除するアクション(E32)が実行される。G3に対応する画面遷移履歴H3が削除され、705のようになる。先頭のUI画面は変わらないため、画面遷移は起こらない。続いて電源異常が直り、「電源異常復帰」イベントが起こった場合、G5の画面遷移履歴H5を削除する削除遷移(E52)が実行され(706)、UI画面S12が表示される。
【0021】
次に図6(b)を用いて機能の変更が起こる際の処理を説明する。801、802、803は、それぞれ図6(a)の701、702、703と同様の処理のため、説明は省略する。画面遷移履歴リストが803の状態で、多機能プリンタのFAXボタンが押され、「FAXボタン」イベントによる遷移(E21)が起こった場合、グループG2に入るため、画面遷移履歴H2が積まれ、UI画面S21が追加される。画面遷移履歴リストのH2はCOPY機能において優先度が1であるため、H2はリストの一番左側に挿入されるはずである。しかしE21は現在の機能をFAX機能に変更するアクションを持っているため、画面遷移履歴の優先度はFAX機能での優先度によってソートされる。そのため、画面遷移履歴はH1,H3,H2(優先度は左から1,1,2)の順序で左から並び(804)、多機能プリンタにカラートナーがない状態でも、FAXが使用できる状態となる。
【0022】
次に、多機能プリンタのCOPYボタンが押され、「COPYボタン」イベントによる遷移(E11)が起こったとする。すでにグループG1は画面遷移履歴リスト内にあるためUI画面の生成は発生しないが、E11は現在の機能をCOPY機能に変更するアクションを持っているので、画面遷移履歴の優先度はCOPY機能の優先度でソートされる。そのため、画面遷移履歴はH2,H1,H3(優先度は左から1,2,3)の順序で左から並び(805)、COPY機能を使用する状態ではカラートナー切れを示すUI画面(S31)が表示されるようになる。以上のように、機能切り替えに応じたUI画面の切り替えを含む複雑な画面遷移のロジックを図2のような宣言的な記述で簡単に実現でき、プログラミングの負荷を軽減できる。
尚、本実施の形態においては多機能プリンタを例に説明したが、本発明は、ディスプレイを備え、当該ディスプレイに複数のUI画面を切り替えて表示するデジタル機器に対しても有用である。
【0023】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、例外的な状況下で使用するUI画面を持つグループに対して動作モードごとの優先度の指定を行い、優先度に基づいて実行時に画面遷移履歴のソート処理を行うことで、動作モードに応じて優先度が変わる画面遷移を実現した。これに対して本実施形態では、例外的な状況下で使用するUI画面の他に、ユーザ認証に関するUI画面を加えた場合にも適用できることを示す。
【0024】
本実施例では、コピー、ファックス、スキャンの3つの機能を持つ多機能プリンタを例に説明する。図7(a)は、本実施形態に係る情報処理装置の一例である多機能プリンタの機能ブロック図である。同図において、102は制御部、103は画面遷移仕様記述部、104は管理部、105は表示部である。また、1301は操作入力部、1302はトナー残量検知部、1303は用紙残量検知部、1304はカバーの開閉検知部、1305は紙詰まり検知部、1306はID管理部である。制御部102は、CPU201等から構成され、ROM203に記憶されたプログラムやデータをRAM202に読み出して各種の処理を実行する。画面遷移仕様記述部103は、ROM203等の記憶媒体から構成され、前記プログラムを実行する際に必要な画面遷移仕様データなどがコンピュータ(CPU等を含む)読み出し可能なプログラムコードの形態で記述されている。
【0025】
管理部104は、RAM202等から構成され、画面遷移の履歴情報などを管理する。表示部105は、LCDなどの出力装置205から構成され、画像、文字等により構成される各種情報を表示する。操作入力部1301は、操作パネル1401上の複数のボタンにより構成され、ユーザによる入力を受け付ける。トナー残量検知部1302は、トナーの残量に関する情報をセンサ1403等から受け付ける。用紙残量検知部1303は、用紙の残量に関する情報をセンサ1403等から受け付ける。カバーの開閉検知部1304は、プリンタの筐体のカバーの開閉状況をセンサ1403等から受け付ける。紙詰まり検知部1305は、プリンタの印刷装置1404における紙詰まり状況をセンサ1403等から受け付ける。ID管理部1306は、RAM202等から構成され、認証情報を管理する。認証情報にはユーザIDや部門ID、パスワード等があり、認証とはこれらの情報を使って、使用者の特定もしくは制限を行うことである。
【0026】
図7(b)は、本実施形態に係る情報処理装置の一例である多機能プリンタのハードウェア構成を示す構成図である。尚、図7(a)の機能ブロック図の説明において示した要素には同一符号を付し、その説明を省略する。同図において、201はCPU、202はRAM、203はROM、205は出力装置、206はシステムバス、1401は操作パネル、1402はスキャナ、1403はセンサ、1404は印刷装置、1406は回線制御装置、1407は電話回線である。出力装置205は例えばLCDなどの表示部がある。システムバス206は、本装置内の各要素を接続し、各要素間における信号の送受信を行う。操作パネル1401はCOPY機能を有効にするCOPYボタンや、印刷を実行するスタートボタンなどを持つ。スキャナ1402は原稿台におかれた紙の情報を取り込む。印刷装置1404は紙にデータを印刷して出力を行う。回線制御装置1406は、FAX機能を使用する際に、電話回線1407を介して、データの送受信を行う。
【0027】
図8は、操作入力部1301に対応する操作パネル1401と、表示部105に対応する出力装置205により構成される多機能プリンタのパネルを表す。同図において、302はCOPY機能を有効にするCOPYボタン、303はFAX機能を有効にするFAXボタン、304はSCAN機能を有効にするSCANボタンを表す。305はCOPYやFAX、SCANを実際に実行するためのスタートボタンを表す。306は実行中のタスクを停止する際に使用するストップボタンを表す。307は表示部に表示された選択項目を決定する際に使用するOKボタンを表す。308は画面遷移履歴に基づいて、一つ前のUI画面に戻る際に使用する戻るボタンを表す。
【0028】
309、310、311、312はそれぞれ上ボタン、右ボタン、左ボタン、下ボタンを表し、表示部に表示された複数の項目の選択場所を移動する際に使用する。313はLCDの濃度を変更する際に使用する濃度ボタンを表す。314は原稿の画質レベルを設定する際に使用する画質ボタンを表す。315は使用する用紙のサイズを指定する際に使用する用紙選択ボタンを表す。316から319のボタンは現在の機能がCOPY機能のときに使用するボタンである。316は複数のページを一つのページに集約する指定を行う際に使用するボタンである。317は複数の部数を印刷する時に、ソートの仕方を指定する際に使用するボタンである。318は印刷するページを拡大、または縮小して印刷する指定を行う際に使用するボタンである。319はページを両面で印刷する指定を行う際に使用するボタンである。320から331はCOPY時の部数指定や、FAX時のFAX番号入力、ユーザ認証時の認証ID指定に使用する数値ボタン及び記号ボタンである。332は入力された数値を消すためのクリアボタンである。333は機能に対し認証をかけるためのIDボタンである。
【0029】
次に、多機能プリンタにおいて実行される画面遷移の一例について、図9に基づいて説明する。図9は画面遷移仕様を表す画面遷移図である。グループには、全体を表すグループG400、その中に正常系では、COPYグループG401、FAXグループG402、SCANグループG403、COPY制限グループG404、FAX制限グループG405、SCAN制限グループG406がある。また、例外的な状況下で使用されるグループでは、用紙なしグループG414、黒トナー異常グループG415、カラートナー異常グループG416、カバーグループG417、紙詰まりグループG418がある。COPYグループ、FAXグループ、SCANグループはさらに中にグループを持ち、それぞれが共通に持つグループとして、濃度グループG407、画質グループG408、用紙選択グループG409がある。COPYグループだけが持つグループとして、ページ集約グループG410、ソートグループG411、拡大縮小グループG412、両面グループG413がある。右肩に機能ごとの優先度が付加されているグループは、現在の機能に応じて優先度が切り替わることを表す。付加されていないグループは、上位のグループの優先度に従う。
【0030】
G401はCOPY機能で2、FAX機能で1、SCAN機能で1の優先度をそれぞれ持つ。同様に、G402はCOPY機能で1、FAX機能で2、SCAN機能で1の優先度をそれぞれ持つ。G403はCOPY機能で1、FAX機能で1、SCAN機能で2の優先度をそれぞれ持つ。G404はCOPY機能で3、FAX機能で1、SCAN機能で1の優先度をそれぞれ持つ。G405はCOPY機能で1、FAX機能で3、SCAN機能で1の優先度をそれぞれ持つ。G406はCOPY機能で1、FAX機能で1、SCAN機能で3の優先度をそれぞれ持つ。G414はCOPY機能で4、FAX機能で4、SCAN機能で1の優先度をそれぞれ持つ。G415はCOPY機能で4、FAX機能で4、SCAN機能で1の優先度をそれぞれ持つ。G416はCOPY機能で4、FAX機能で1、SCAN機能で1の優先度をそれぞれ持つ。G417はCOPY機能で5、FAX機能で5、SCAN機能で5の優先度をそれぞれ持つ。G418はCOPY機能で5、FAX機能で5、SCAN機能で5の優先度をそれぞれ持つ。
【0031】
UI画面には、COPYグループの画面としてCOPY基本画面S4011、印刷画面S4012がある。FAXグループの画面としてFAX基本画面S4021、番号入力画面S4022、送信画面S4023がある。SCANグループの画面としてSCAN基本画面S4031、あて先指定画面S4032、スキャン画面S4033、メモリメディア基本画面S4034、メディアスキャン画面S4035がある。COPY制限グループの画面としてCOPY制限画面S4041、認証画面S4042がある。FAX制限グループの画面としてFAX制限画面S4051、認証画面S4052がある。SCAN制限グループの画面としてSCAN制限画面S4061、認証画面S4062がある。濃度グループの画面として濃度基本画面S4071、濃度調整画面S4072がある。画質グループの画面として原稿種別設定画面S4081、画質レベル設定画面S4082がある。用紙選択グループの画面として用紙選択画面S4091、用紙サイズ指定画面S4092、用紙の縦横サイズ指定画面S4093がある。
【0032】
ページ集約グループの画面としてページ集約種類選択画面S4101、集約レイアウト選択画面S4102、出力サイズ選択画面S4103がある。ソートグループの画面としてソート種別設定画面S4111がある。拡大縮小画面グループの画面として倍率設定画面S4121、任意倍率設定画面S4122がある。両面グループの画面として両面種別選択画面S4131、原稿の向き設定画面S4132、仕上がりの開き方設定画面S4133がある。用紙なしグループの画面として用紙なし画面S4141がある。黒トナー異常グループの画面として黒トナーなし画面S4151、トナー準備中画面S4152がある。カラートナー異常グループの画面としてカラートナーなし画面S4161、トナー準備中画面S4162がある。カバーグループの画面としてカバーオープン画面S4171がある。紙詰まりグループの画面として紙詰まり画面S4181がある。
【0033】
同図の実線と破線の矢印の意味は第1の実施形態と同様である。画面遷移には、主要なものとして、COPYボタン押下による画面遷移(E4011)、FAXボタン押下による画面遷移(E4021)、SCANボタン押下による画面遷移(E4031)がある。また、他にOKボタン押下による画面遷移(E4013)、スタートボタン押下による画面遷移(E4014)がある。ユーザ制限に関する画面遷移としては、COPY、FAX、SCANの各機能が制限されているときに、内部イベントで起動される画面遷移がそれぞれE4012、E4022、E4032である。COPY、FAX、SCANの各グループ共通の画面遷移として、濃度ボタン313押下による画面遷移(E4071)、画質ボタン314押下による画面遷移(E4081)、用紙選択ボタン315押下による画面遷移(E4091)がある。COPY特有の画面遷移として、ページ集約ボタン316押下による画面遷移(E4101)、ソートボタン317押下による画面遷移(E4111)がある。また、他に拡大縮小ボタン318押下による画面遷移(E4121)、両面ボタン319押下による画面遷移(E4131)がある。
【0034】
COPY、FAX、SCANの各グループにおいて、印刷やFAX送信、SCAN処理が終了したときや、各種設定(濃度設定など)が完了した際に発生する内部イベントで起動される画面遷移がE4015である。例外的状況で発生する画面遷移として、用紙なし検知による画面遷移(E4141)、黒トナー切れ検知による画面遷移(E4151)、カラートナー切れ検知による画面遷移(E4161)がある。また、他にカバーオープン検知による画面遷移(E4171)、紙詰まり検知による画面遷移(E4181)がある。また、黒トナーやカラートナーが多機能プリンタに補充されたときに内部で発生するイベントによって起動される画面遷移が、それぞれE4152、E4162である。削除遷移には、用紙復帰検知による削除遷移(E4142)、黒トナー復帰検知による削除遷移(E4153)、カラートナー復帰検知による削除遷移(E4163)がある。また、他にカバー復帰検知による削除遷移(E4172)、紙詰まり復帰検知による削除遷移(E4182)がある。また、各機能の制限グループにおいて、ユーザ認証が完了した際に起動される削除遷移がE4041である。
【0035】
本実施形態ではE4011、E4021、E4031に現在の機能をそれぞれCOPY機能、FAX機能、SCAN機能に切り替える機能切替アクションが設定されているものとする。制御部102は、図9の画面遷移仕様のデータを、RAM202に読み出して実行する。次に、画面遷移のトリガーとなる動作が検知された場合に、制御部102において実行させる処理について図10のフローチャートを用いて説明する。ステップS1501において、制御部102は、画面遷移のトリガーとなる動作(ユーザによるボタン操作、センサによるイベント、内部イベント等)が検知されたか否か判断し、イベント等が検知された場合、ステップS1502の処理を実行する。一方、イベント等が検知されなかった場合、イベント等が検知されるまで待機する。ステップS1502においては、制御部102は、表示部105に表示されているUI画面(遷移元のUI画面)を画面遷移の基準として設定する。次に、ステップS1503において、遷移元のUI画面に対して、ステップS1501で検知されたイベントによる画面遷移が画面遷移仕様のデータに定義されているか否か調べ、所定のデータが定義されていた場合、ステップS1504の処理を実行する。一方、所定のデータが定義されていなかった場合、ステップS1511の処理を実行する。
【0036】
ステップS1504においては、画像遷移仕様のデータの定義に基づいて、遷移先のUI画面を決定する。次に、ステップS1505において、その遷移が、遷移先のUI画面の属する優先度付きのグループの外からそのグループの中への遷移になる場合、ステップS1506の処理を実行する。一方、その遷移が、遷移先のUI画面の属するグループの外からそのグループの中への遷移ではない場合、ステップS1507の処理を実行する。ステップS1506において、制御部102は、管理部104の画面遷移履歴リストに、遷移先のUI画面の属する優先度付きグループに対応する画面遷移履歴があるかどうかを確認し、あればステップS1507の処理を実行する。一方、対応する画面遷移履歴がなければステップS1508の処理を実行する。ステップS1507において、制御部102は、管理部104の画面遷移履歴リストに、遷移先のUI画面に対応する画面情報があるかどうかを確認し、あればステップS1515を実行し、なければステップS1510の処理を実行する。ステップS1515において、制御部102は、管理部104の画面遷移履歴リストにある遷移先のUI画面情報の下にその他のUI画面情報が存在する場合は、それらのUI画面情報を削除し、処理を終了する。ステップS1508において、制御部102は、管理部104から画面遷移履歴リストの現在の機能を取得する。ステップS1509において、制御部102は、遷移先のUI画面の属するグループに現在の機能に対応する機能別優先度を持つ画面遷移履歴を生成し、管理部104の画面遷移履歴リストに追加する。ステップS1510において、制御部102は、遷移先のUI画面の属するグループに対応する画面遷移履歴に対し、現在のUI画面情報を追加する。
【0037】
また、ステップS1511において、制御部102は、図3の破線矢印で表される削除遷移が定義されているか否か調べ、削除遷移が定義されている場合、ステップS1514の処理を実行する。一方、削除遷移が定義されていない場合、ステップS1512の処理を実行する。ステップS1514では、管理部104が管理する画面遷移履歴リストの中から、削除対象となるグループに対応する画面遷移履歴を削除し、処理を終了する。ステップS1512では、遷移元のUI画面に親グループが定義されているか否かを調べ、親グループが設定されていた場合、ステップS1513の処理を実行する。一方、親グループが設定されていない場合、イベント等が検知されるまで待機する。ステップS1513では、検出された親グループを画面遷移の基準に設定し、当該親グループを遷移元のUI画面と解釈して、ステップS1503以降の処理を実行する。
【0038】
次に、機能の切り替えが検知された場合に、制御部102において実行させる処理について図11(a)のフローチャートを用いて説明する。ステップS1601において、制御部102は、画面間遷移のアクション等により、機能の切り替えを検知されたか否かを判定し、検知された場合、ステップS1602の処理を実行する。一方、検知されなかった場合、アクション等が検知されるまで待機する。ステップS1602において、制御部102は、管理部104が保持する現在の機能を指定された機能に設定する。ステップS1603において、制御部102は、管理部104が保持する全ての画面遷移履歴の優先度を、現在の機能に対応する優先度に変更する。ステップS1604において、制御部102は、管理部104が保持する画面遷移履歴リストを画面遷移履歴の優先度に基づきソートする。
【0039】
ステップS1604において実行されるソート処理について、図11(b)のフローチャートを用いて説明する。ステップS1701において、制御部102は画面遷移履歴リストの中で最も優先度の高い画面遷移履歴を優先的に探索し、画面遷移履歴リストの右端に移動する。最も優先度の高い画面遷移履歴が複数ある場合は、最も右側にあるものを右端に移動する。ステップS1702において、制御部102は右端の画面遷移履歴をアクティブにし、この画面遷移履歴の先頭のUI画面を表示部に設定する。ステップS1703において、制御部102は右端以外の画面遷移履歴を画面遷移履歴の優先度に基づき、右側にいくほど優先度が高くなるようにソートし、ソート処理を終了する。このように優先度の高い一部のUI画面を先に移動することで、画面遷移履歴リストをソートしている間に、優先度の低い画面遷移履歴のUI画面が表示部に表示される可能性を防ぐ。
【0040】
図12(a)、(b)はそれぞれ多機能プリンタの画面遷移履歴リストの一例を示す模式図である。画面遷移履歴リストの振る舞いは第1の実施例と同様である。ここではグループG401、G402、G403、G404、G405、G406の画面遷移履歴をそれぞれH401、H402、H403、H404、H405、H406に対応するものとする。同様にグループG414、G415、G416、G417、G418の画面遷移履歴は、それぞれH414、H415、H416、H417、H418に対応するものとする。
【0041】
図12(a)の1001の状態においてFAXボタンイベントが発生した場合、FAX基本画面S4021への遷移(E4021)が起こる。FAX基本画面はCOPY基本画面と異なるFAXグループ(G402)に属するため、新たに画面遷移履歴H402が積まれ、画面S4021がH402の先頭に追加される。E4021には現在の機能をFAX機能に変更するアクションを持っているため、画面遷移履歴の優先度はFAX機能での優先度によってソートされる。FAX機能において、G401は優先度1、G402は優先度2となるため、画面遷移履歴H402が右側に移動し、S4021が現在画面となる(1002)。このようにして、FAXボタンが押下された場合はFAXが使用できるUI画面へと画面遷移が起こる。続いてSCANボタンイベントが発生した場合、SCAN基本画面S4031への遷移(E4031)が起こる。先ほどと同様、SCAN基本画面はFAX基本画面と異なるSCANグループ(G403)に属するため、新たに画面遷移履歴H403が積まれ、画面S4031がH403の先頭に追加される。E4031には現在の機能をSCAN機能に変更するアクションを持っているため、画面遷移履歴の優先度はFAX機能での優先度によってソートされる。SCAN機能において、G401、G402は優先度1、G403は優先度2となるため、画面遷移履歴H403が右側に移動し、S4031が現在画面となる(1003)。このようにしてSCANボタンが押下された場合はSCANが実行できる画面へと画面遷移が起こる。
【0042】
次に、COPYボタンイベントが発生した場合、COPY基本画面S4011への遷移(E4011)が起こる。COPY基本画面(S4011)が所属する画面遷移履歴H401と、画面S4011が既に追加されているため、画面遷移履歴リストはそのままの状態となる。E4011には現在の機能をCOPY機能に変更するアクションを持っているため、画面遷移履歴の優先度はCOPY機能での優先度によってソートされる。COPY機能において、G401は優先度2、G402、G403は優先度1となるため、画面遷移履歴H401が一番右側移動し、S4011が現在画面となる(1004)。次に、濃度ボタン313押下による濃度ボタンイベントが発生した場合、濃度基本画面S4071への遷移(E4071)が起こる。濃度基本画面(S4071)が所属する画面遷移履歴H401は既に積まれているが、UI画面情報は追加されていないので、濃度基本画面(S4071)のUI画面情報が画面遷移履歴H401に追加され、S4071が現在画面となる(1005)。次に、OKボタン307押下によるOKボタンイベントが発生した場合、濃度調整画面S4072への遷移(E4013)が起こる。濃度調整画面(S4072)が所属する画面遷移履歴H401は既に積まれているが、UI画面情報は追加されていないので、濃度調整画面(S4072)のUI画面情報が画面遷移履歴H401に追加され、S4072が現在画面となる(1006)。次に、濃度調整が完了し、内部で完了イベントが発生した場合、COPY基本画面S4011への遷移(E4015)が起こる。COPY基本画面(S4011)が所属する画面遷移履歴H401と、UI画面情報S4011は既に追加されている。しかし、S4011の下にUI画面情報があるので、これらは削除され、S4011が現在画面となる(1007)。
【0043】
次に図12(b)を用いて認証画面表示中にエラー画面が発生した場合の処理の一例を説明する。図12(b)の1101の状態において制御部102がID管理部1306から取得した情報により、COPY機能に制限があると判断し、COPY制限を実行した場合、COPY制限画面S4041への遷移(E4012)が起こる。COPY制限画面はCOPY基本画面と異なるCOPY制限グループ(G404)に属するため、新たに画面遷移履歴H404が積まれ、画面S4041がH404の先頭に追加され、S4041が現在画面となる(1102)。次に、OKボタン307押下によるOKボタンイベントが発生した場合、認証画面S4042への遷移(E4013)が起こる。認証画面(S4042)が所属する画面遷移履歴H404は既に積まれているが、画面情報は追加されていないので、認証画面(S4042)の画面情報が画面遷移履歴H404に追加され、S4042が現在画面となる(1103)。
【0044】
認証画面では、ユーザによる認証情報の入力を受け付ける。この時、制御部102は、入力中の認証情報を、画面遷移履歴H404の認証画面の画面情報に付帯させて記憶してもよい。次に、認証画面のバックグラウンドでFAXの受信が実行され、受信データのプリントが実行される。その際、制御部102が用紙残量検知部1303から用紙がなくなったことを信号として受け取り、用紙なし画面(S4141)への遷移(E4141)が起こる。用紙なし画面は認証画面と異なる用紙なしグループ(G414)に属するため、新たに画面遷移履歴H414が積まれ、画面S4141がH414の先頭に追加され、S4141が現在画面となる(1104)。次に、制御部102は用紙が補充されたことを検知して、用紙復帰イベントによる削除遷移(E4142)が起こり、G414に対応する画面遷移履歴H414が削除されるため、先頭のUI画面が認証画面S4042に戻る(1105)。認証画面に戻ったときに、制御部102は、認証情報をUI画面情報に付帯させて記憶していた場合は、認証情報を履歴管理部104から取得し、表示部上の認証情報を入力するためのフォームに代入する。このようにあるUI画面の情報を遷移時に記憶しておき、そのUI画面に遷移で戻ってきたときに、記憶した情報を戻すことで、遷移前の状態を再現することができる。次に、認証情報が全て入力され、認証手続きが完了する。その際、認証イベントが発生し、G404に対応する画面遷移履歴H404が削除されるため、COPY基本画面S4011が現在画面になる(1106)。
【0045】
以上のように、例外的な状況下で使用されるUI画面や、ユーザ認証に関するUI画面が、動作モードごとに優先度が異なるグループに含まれているような画面遷移であっても、図9のように宣言的な記述を用いて簡単に実現することができる。
【0046】
(その他の実施の形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
UI画面を表示手段に表示させる情報処理装置であって、
複数のモードのそれぞれに対応する優先度が設定されたグループを複数有し、前記複数のグループのそれぞれにUI画面が少なくとも1つ分類されているデータを取得する取得手段と、
前記複数のグループの少なくとも一部に分類されたUI画面を保持する保持手段と、
モードを特定する特定手段と、
前記保持手段によって保持されたUI画面が分類されているグループのうち、前記特定手段によって特定されたモードに対応する優先度が最も高いグループの代表となるUI画面を表示手段に表示させる表示制御手段とを有する情報処理装置。
【請求項2】
前記複数のグループのそれぞれに対して第1のモードに対応する第1の優先度と、第2のモードに対応する第2の優先度と、第3のモードに対応する第3の優先度とが設定されていることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1のモードはコピーの機能に対応する動作モードであり、前記第2のモードはファックスの機能に対応する動作モードであり、前記第3のモードはスキャンの機能に対応する動作モードであることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
UI画面を表示手段に表示させる情報処理装置の制御方法であって、
複数のモードのそれぞれに対応する優先度が設定されたグループを複数有し、前記複数のグループのそれぞれにUI画面が少なくとも1つ分類されているデータを取得する取得工程と、
前記複数のグループの少なくとも一部に分類されたUI画面を保持する保持工程と、
モードを特定する特定工程と、
前記保持工程で保持されたUI画面が分類されているグループのうち、前記特定工程で特定されたモードに対応する優先度が最も高いグループの代表となるUI画面を表示手段に表示させる表示制御工程とを有する制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−216161(P2012−216161A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103006(P2011−103006)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】