説明

情報処理装置および情報処理方法

【課題】インターネット上のサービス提供サーバを利用する際のユーザの作業負担を軽減する。
【解決手段】インターネット上のサービス提供サーバ8とデータ通信可能な情報処理装置4は、サービス提供サーバ8とのデータ通信を行うための設定情報22dを記憶する。また情報処理装置4は、画像データ24を記憶するためのBOX20と、個々のBOX20に対してサービス提供サーバ8を対応付けたサービス対応情報23を設定するサービス対応情報設定部34と、BOX20に記憶される画像データ24を管理するデータ管理部35とを備える。データ管理部35は、BOX20に画像データ24が記憶されることに伴い、サービス対応情報23に基づいてサービス提供サーバ8を特定し、設定情報22dに基づいてBOX20に記憶された画像データ24をサービス提供サーバ8に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および情報処理方法に関し、特に、インターネットに接続されたサービス提供サーバとデータ通信可能な情報処理装置において、そのサービス提供サーバにより提供されるサービスを利用するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークを介して送受信されるデータのセキュリティを確保するための技術として様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1には、コンピュータがサーバに対して印刷データを送信する際、その印刷データを暗号化し、サーバがネットワークを介して暗号化された印刷データを受信すると、その暗号化された印刷データを復号化することにより、ネットワークを介して送受信される印刷データのセキュリティを確保する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−133788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、オフィス環境などにおいて、ユーザがコンピュータを操作することにより、インターネット上のサービス提供サーバにアクセスし、そのサービス提供サーバによって提供される様々なアプリケーションサービスの機能を利用することができるようになってきている。例えば、サービス提供サーバによって提供される機能がファイルサーバとしての機能である場合、ユーザは、コンピュータによって作成した文書などの画像データを、インターネット上のサービス提供サーバに保存してデータ管理を行うことが可能である。このようなデータ管理形態によると、オフィス環境に設置されるコンピュータ内に画像データを記憶していく必要がないため、コスト負担やハードウェア負担を低減できるというメリットがある。また、画像データをインターネット上のサービス提供サーバに保存しておくことにより、例えばユーザが外出先などで画像データを取得したい場合、インターネットに接続できる環境があれば、その環境を利用して画像データを取得することができるというメリットもある。
【0005】
しかし、インターネット上のサービス提供サーバを利用する場合には、以下のような問題点もある。
【0006】
まず第1に、オフィスなどで作成される文書などの画像データには、秘密情報が含まれているデータが多い。そのため、この種の画像データをインターネット上のサービス提供サーバに保存して管理する場合には、セキュリティを確保するため、上記特許文献1のように、画像データを暗号化した状態でサービス提供サーバに送信する必要がある。このような暗号化を行う際には、ユーザは、サービス提供サーバにおいて画像データを復号化可能な鍵を指定して暗号化処理を実行させる必要があり、画像データを送信する際の暗号化作業が煩わしいという問題がある。また、サービス提供サーバから画像データを取得した場合にも、その画像データが所定の鍵で暗号化されたデータとなっているため、その画像データを利用するためには復号化のための鍵を指定して復号化処理を実行させなければならず、画像データを取得した際の復号化作業も煩わしいという問題がある。
【0007】
第2に、インターネット上のサービス提供サーバに保存されている画像データをダウンロードして取得する際に時間を要することがある。そのため、例えば、ユーザがサービス提供サーバから一の画像データをダウンロードして印刷出力を行いたい場合でも、そのダウンロードが完了するまでは印刷指示を行うことができず、ダウンロードが完了するまで長時間待機しなければならないことがあり、利便性が悪いという問題がある。
【0008】
第3に、インターネット上のサービス提供サーバによって提供される機能は、上述したファイルサーバとしての機能に限られず、例えば画像データに対して特定の画像処理を行ったり、或いは、画像データのデータ形式を特定のデータ形式に変換したりする機能であることもある。このようなサービス提供サーバがインターネット上に複数設けられている場合、ユーザは一のサービス提供サーバを選択し、その選択したサービス提供サーバに画像データを送信することで各種の機能を利用することができる。しかし、この場合、個々のサービス提供サーバが処理可能な画像データのデータ形式がそれぞれ異なることがあり、ユーザは、選択したサービス提供サーバが処理可能なデータ形式に画像データを変換しなければならず、そのための作業負担が煩わしいという問題がある。
【0009】
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、インターネット上のサービス提供サーバを利用する際の操作性を改善し、ユーザの作業負担を軽減することを可能にする情報処理装置および情報処理方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、インターネットに接続されたサービス提供サーバとデータ通信可能な情報処理装置であって、前記サービス提供サーバとのデータ通信を行うための設定情報を記憶する設定情報記憶手段と、画像データを記憶するための画像データ記憶手段と、前記画像データ記憶手段に対して前記サービス提供サーバを対応付けたサービス対応情報を設定するサービス対応情報設定手段と、前記画像データ記憶手段に記憶される画像データを管理するデータ管理手段と、を備え、前記データ管理手段は、前記画像データ記憶手段に画像データが記憶されることに伴い、前記サービス対応情報に基づいて前記サービス提供サーバを特定し、前記設定情報記憶手段に記憶されている前記設定情報に基づいて前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを前記サービス提供サーバに送信することにより、前記サービス提供サーバによって提供されるサービスを利用することを特徴とする構成である。
【0011】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記設定情報には、前記サービス提供サーバとデータ通信を行う際にデータを暗号化するための暗号化鍵が含まれており、前記データ管理手段は、前記サービス提供サーバに画像データを送信する際に、前記暗号化鍵に基づいて画像データを暗号化することを特徴とする構成である。
【0012】
請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載の情報処理装置において、前記設定情報には、前記サービス提供サーバから送信される暗号化されたデータを復号化するための復号化鍵がさらに含まれており、前記データ管理手段は、前記サービス提供サーバから取得する暗号化された画像データを前記復号化鍵に基づいて復号化することを特徴とする構成である。
【0013】
請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置において、前記サービス提供サーバは、画像データを記憶するサービスを提供するファイルサーバであり、前記データ管理手段は、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを前記サービス提供サーバに送信することにより、当該画像データを前記サービス提供サーバに記憶させた状態で管理することを特徴とする構成である。
【0014】
請求項5にかかる発明は、請求項4に記載の情報処理装置において、ユーザに対して各種情報を表示するための表示画面を生成する表示制御手段をさらに備え、前記データ管理手段は、前記サービス提供サーバに記憶されている画像データのファイルリストを作成して保持し、前記表示制御手段は、前記データ管理手段によって作成されるファイルリストを含む表示画面を生成して出力することを特徴とする構成である。
【0015】
請求項6にかかる発明は、請求項5に記載の情報処理装置において、前記データ管理手段は、所定のタイミングで前記サービス提供サーバとデータ通信を行い、前記サービス提供サーバに記憶されている画像データのファイルリストを更新することを特徴とする構成である。
【0016】
請求項7にかかる発明は、請求項4乃至6のいずれかに記載の情報処理装置において、プリントジョブを実行するジョブ実行手段をさらに備え、前記データ管理手段は、ユーザによって指定された画像データを前記サービス提供サーバからダウンロードして取得し、その取得した画像データを前記ジョブ実行手段に出力することにより、前記ジョブ実行手段にプリントジョブを実行させることを特徴とする構成である。
【0017】
請求項8にかかる発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置において、プリントジョブ、スキャンジョブ、又は、FAXジョブを実行するジョブ実行手段をさらに備え、前記ジョブ実行手段は、ジョブを実行することに伴って取得する画像データを前記画像データ記憶手段に記憶し、前記データ管理手段は、前記ジョブ実行手段によって前記画像データ記憶手段に記憶される画像データを前記サービス提供サーバに送信することにより、前記ジョブ実行手段によるジョブの実行と連携して前記サービス提供サーバによって提供されるサービスを利用することを特徴とする構成である。
【0018】
請求項9にかかる発明は、インターネットに接続されたサービス提供サーバとデータ通信可能な情報処理装置において、前記サービス提供サーバにより提供されるサービスを利用する情報処理方法であって、前記サービス提供サーバとのデータ通信を行うための設定情報を予め記憶するステップと、画像データを記憶するための画像データ記憶手段に対して前記サービス提供サーバを対応付けたサービス対応情報を予め設定するステップと、前記画像データ記憶手段に画像データを記憶するステップと、前記画像データ記憶手段に画像データが記憶されることに伴い、前記サービス対応情報に基づいて前記サービス提供サーバを特定し、予め記憶される前記設定情報に基づいて前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを前記サービス提供サーバに送信することにより、前記サービス提供サーバによって提供されるサービスを利用するステップと、を有することを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、画像データ記憶手段に画像データが記憶されることに伴い、サービス対応情報に基づいてサービス提供サーバが特定される。そして、その特定されたサービス提供サーバとのデータ通信を行うための設定情報に基づいて、画像データがそのサービス提供サーバに送信され、そのサービス提供サーバによって提供されるサービスが利用されるようになっている。そのため、ユーザがインターネット上のサービス提供サーバを利用する際には、画像データ記憶手段に対して画像データを記憶させるようにすれば良い。したがって、本発明によれば、インターネット上のサービス提供サーバを利用する際の操作性が著しく改善され、ユーザの作業負担を軽減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。
【図2】情報処理システムにおいてユーザがサービス提供サーバによって提供されるサービスを利用する場合の通信形態の概念を示す図である。
【図3】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】情報処理装置における制御部の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図5】サービス管理情報の一例を示す図である。
【図6】サービス対応情報の一例を示す図である。
【図7】データ管理部がコンピュータとの間で画像データの入出力を行う機能を示す図である。
【図8】データ管理部がジョブ実行部と連携して画像データの入出力を行う機能を示す図である。
【図9】情報処理装置によって行われる主たる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】サービス管理情報登録処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】サービス対応情報登録処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】BOXデータ処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】画像データ保存処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】画像データ出力処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】情報処理装置において行われるジョブ連携処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】情報処理装置において行われるファイルリスト更新処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0022】
図1は、本実施形態における情報処理システム1の概略構成の一例を示す図である。この情報処理システム1は、ユーザが操作するコンピュータ3と、MFP(Multi Function Peripheral)などで構成される情報処理装置4とがオフィスなどの特定の環境2に設けられるLANなどのローカルネットワーク5を介して相互にデータ通信可能であり、さらにローカルネットワーク5にはルータなどのインターネット接続装置6が設けられ、このインターネット接続装置6を介してコンピュータ3および情報処理装置4のそれぞれがインターネット7に接続することができる構成である。
【0023】
またインターネット7には、図1に示すように、インターネットを介して様々なアプリケーションサービスの機能を提供するための複数のサービス提供サーバ8が設けられている。図例では、3台のサービス提供サーバ8a,8b,8cが設けられている場合を示している。これら複数のサービス提供サーバ8のうち、例えば、サービス提供サーバ8aはファイルサーバとして機能し、インターネット7を介して入力する画像データを保存しておき、画像データの取得要求に基づいて指定された画像データを送信するサービスを提供する。またサービス提供サーバ8b,8cは、例えばインターネット7を介して入力する画像データに対して所定のデータ処理を行い、その処理済みのデータを送信するサービスを提供する。尚、以下においては、サービス提供サーバ8bが画像データをPDF(Portable Document Format)データに変換するサービスを提供するサーバであり、サービス提供サーバ8cが画像データに対してOCR(Optical Character Recognition)などの文字認識処理を行ってテキストデータに変換するサービスを提供するサーバである場合を例示する。
【0024】
情報処理装置4は、上記のようなサービス提供サーバ8a,8b,8cのそれぞれとデータ通信可能であり、各サービス提供サーバ8a,8b,8cに対して文書などの画像データを送信することにより、それら各サーバで提供されているサービスを利用することができるようになっている。そして本実施形態では、ユーザがコンピュータ3を操作することによって画像データを作成すると、その作成した画像データをコンピュータ3からローカルネットワーク5を介して情報処理装置4に送信する。そして情報処理装置4が、コンピュータ3から受信する画像データをサービス提供サーバ8a,8b,8cに送信することにより、各サービス提供サーバ8a,8b,8cによって提供されるサービスを利用する構成である。
【0025】
図2は、情報処理システム1においてユーザがサービス提供サーバ8a,8b,8cによって提供されるサービスを利用する場合の通信形態の概念を示す図である。図2に示すように、情報処理装置4は、各種情報を記憶するハードディスク装置などの記憶装置18を備えている。この記憶装置18には、画像データ24を記憶するための記憶領域であるBOX20が設けられる。このようなBOX20は、例えばユーザごとに設けられ、記憶装置18に少なくとも1つ設けられる。また記憶装置18には、一ユーザの使用可能なBOX20が複数個設けられることもある。そしてユーザがコンピュータ3を操作して画像データ24を情報処理装置4に送信する際、記憶装置18に設けられているBOX20を指定して画像データ24を送信する。情報処理装置4は、そのような画像データ24をコンピュータ3から受信すると、指定されたBOX20に格納する。尚、BOX20には、画像データ24の他にも種々の情報を記憶することが可能である。
【0026】
また、記憶装置18のBOX20には、複数のサービス提供サーバ8a,8b,8cのうちのいずれかが対応付けられている。そのため、情報処理装置4は、コンピュータ3から受信する画像データ24をBOX20に保存すると、そのBOX20に対応付けられたサービス提供サーバ8を特定し、BOX20に保存した画像データ24をその特定したサービス提供サーバ8に対して自動送信することにより、特定したサービス提供サーバ8によって提供されるサービスを利用するように構成される。このとき、情報処理装置4は、各サービス提供サーバ8a,8b,8cとデータ通信を行うための暗号化などの必要な処理を自動で行う構成である。そのため、ユーザにとっては、図2に示すように、コンピュータ3を操作することによって情報処理装置4のBOX20に画像データ24を保存するだけで、情報処理装置4が各サービス提供サーバ8a,8b,8cとのデータ通信を行い、サービス提供サーバ8で提供されるサービスを利用できるようになっている。以下、このような処理を行う情報処理装置4について詳しく説明する。
【0027】
図3は、情報処理装置4のハードウェア構成の一例を示す図である。この情報処理装置4は、上述したように記憶装置18のBOX20に画像データを記憶する機能の他に、コピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能、FAX機能などの画像処理に関する複数の機能を備えており、それら各機能を動作させるためのハードウェア構成を有している。すなわち、図3に示すように、情報処理装置4は、制御部10と、スキャナ部13と、プリンタ部14と、FAX部15と、操作パネル16と、ネットワークインタフェース17と、記憶装置18とを有し、これらがデータバスを介して相互にデータの入出力を行うことができる構成である。
【0028】
制御部10は、CPU11とメモリ12とを備えており、CPU11が所定のプログラムを実行することにより、各部の動作を制御するものである。メモリ12は、CPU11がプログラムを実行する際に一時的なデータなどを記憶するためのものである。
【0029】
スキャナ部13は、原稿を読み取って画像データを生成するための処理部である。このスキャナ部13は、情報処理装置4においてコピー機能、スキャン機能又はFAX機能が利用される際のスキャンジョブが実行されるときに機能し、ユーザによってセットされた原稿を光学的に読み取って画像データを生成するように構成される。
【0030】
プリンタ部14は、入力する画像データに基づいて印刷用紙などに画像形成を行って印刷出力を行うための処理部である。このプリンタ部14は、情報処理装置4においてコピー機能、プリンタ機能又はFAX機能が利用される際のプリントジョブが実行されるときに機能し、ローカルネットワーク5を介して入力する画像データ、スキャナ部13から入力する画像データ、或いは、記憶装置18から読み出した画像データに基づいて画像形成を行い、印刷出力を行うように構成される。
【0031】
FAX部15は、FAXデータの送受信を行うための処理部である。このFAX部15は、図示しない電話回線などを介してFAXデータの送受信を行う。例えば、情報処理装置4においてFAX送信ジョブが行われるとき、FAX部15は、スキャナ部13が原稿を読み取って生成する画像データを取得し、その画像データに基づいてFAXデータを生成してFAX送信を行う。また、FAXデータ受信時には、FAX部15は、受信したFAXデータに基づいて画像データを生成し、その画像データをプリンタ部14へ出力して印刷出力を行わせる。
【0032】
操作パネル16は、ユーザが情報処理装置3を操作する際のユーザインタフェースとなるものである。この操作パネル16は、ユーザに対して各種の情報を表示する表示部16aと、ユーザからの各種操作入力を受け付けるための操作部16bとを備えている。ユーザは、このような操作パネル16を直接操作することもできるようになっている。
【0033】
ネットワークインタフェース17は、情報処理装置4をローカルネットワーク5に接続するためのものである。制御部10は、このネットワークインタフェース17を介してコンピュータ3とデータ通信を行うことができると共に、インターネット7を介してサービス提供サーバ8a,8b,8cのそれぞれとデータ通信を行うことができるようになっている。
【0034】
記憶装置18には、上述したような画像データを記憶するためのBOX20が設けられると共に、設定情報記憶部19が設けられている。設定情報記憶部19は、例えば情報処理装置4の管理者などによって予め設定される各種の情報を記憶するための記憶領域である。例えばこの設定情報記憶部19には、図3に示すように、ユーザ情報21と、サービス管理情報22と、サービス対応情報23とが記憶されている。ユーザ情報21は、情報処理装置4を使用することが許可されたユーザに関する情報が登録された情報である。このユーザ情報21には、例えば、ユーザごとにユーザIDやパスワードなどが登録されている。そのため、情報処理装置4は、このユーザ情報を参照してユーザ認証を行うことによりユーザを特定し、その特定したユーザをログインユーザとして動作状態をログイン状態へと移行させるようになっている。また、サービス管理情報22は、情報処理装置4がインターネット7を介してデータ通信を行うサービス提供サーバ8に関する情報が登録された情報であり、例えば管理者によって登録される情報である。また、サービス対応情報23は、記憶装置18に設けられるBOX20とサービス提供サーバ8とを互いに対応付けた情報であり、各ユーザが予め登録しておく情報である。尚、サービス管理情報22およびサービス対応情報23の詳細については後述する。
【0035】
次に図4は、制御部10の機能構成の一例を示すブロック図である。上述したCPU11が所定のプログラムを実行することにより、制御部10は、図4に示すように、ユーザ認証部31、表示制御部32、サービス登録部33、サービス対応情報設定部34、データ管理部35およびジョブ実行部36として機能する。
【0036】
ユーザ認証部31は、入力するユーザIDやパスワードに基づき、ユーザ情報21を参照することによってユーザ認証を行う処理部である。このユーザ認証部31は、ローカルネットワーク5を介してコンピュータ3からユーザIDやパスワードを入力した場合、その入力したユーザIDやパスワードの組み合わせに一致する情報がユーザ情報21に登録されているか否かを判断し、一致する情報が登録されていれば、それによってユーザをログインユーザとして特定する。そして情報処理装置4の動作状態を、ログインユーザによるリモートログイン状態へと移行させる。また、ユーザ認証部31は、操作パネル16からもユーザIDやパスワードの入力操作を受け付け、ユーザ情報21に登録されているユーザとパスワードの組み合わせと一致する情報の入力が行われた場合、情報処理装置4の動作状態をログインユーザによる通常のログイン状態へと移行させる。また、ユーザ認証部31は、ログインユーザを特定すると、そのログインユーザが管理者であるか、一般ユーザであるかを判別するようになっている。
【0037】
ユーザ認証部31によって動作状態がログイン状態へと移行すると、制御部10において表示制御部32が機能する。表示制御部32は、ログインユーザに対して表示する表示画面を生成して出力する処理部である。例えば、ログインユーザがコンピュータ3から情報処理装置4にリモートログインしている場合、表示制御部32は、コンピュータ3に表示させるための表示画面を生成し、その表示画面をコンピュータ3に送信する。また、ログユーザが操作パネル16を直接操作することによって通常のログイン状態へと移行した場合、表示制御部32は、操作パネル16の表示部16aに表示させるための表示画面を生成し、その表示画面を表示部16aに出力する。このようにして表示制御部32で生成される表示画面は、ログインユーザに対応した画面となる。そのため、ログインユーザは、表示制御部32によって生成される表示画面を見ながら操作を行うことにより、ログインユーザが使用可能なBOX20に対してサービス提供サーバ8を登録すると共に、そのBOX20に対して画像データ24を格納するための操作を行うことができる。また、ログインユーザが管理者である場合には、サービス管理情報22の登録操作を行うことも可能である。
【0038】
サービス登録部33は、ログインユーザが管理者である場合に機能する処理部であり、サービス管理情報22に対して新規なサービス提供サーバ8に関する情報を登録する処理部である。このサービス登録部33は、管理者から入力される情報に基づいて、新規なサービス提供サーバ8とデータ通信を行うために必要となる情報を生成し、その情報をサービス管理情報22に登録する。
【0039】
図5は、サービス管理情報22の一例を示す図である。図5に示すように、このサービス管理情報22には、サービス提供サーバ8ごとに、そのサービス提供サーバ8を特定するためのサーバ名22aと、そのサービス提供サーバ8によって提供されるサービス内容22bと、管理者が各ユーザに対して推奨するために設定された推奨ランク22cと、そのサービス提供サーバ8とデータ通信を行うための設定情報22dとが登録されている。尚、図5において、サーバAはサービス提供サーバ8aに対応し、サーバBはサービス提供サーバ8bに対応し、サーバCはサービス提供サーバ8cに対応する情報となっている。推奨ランク22cには、例えば5段階などのランク値が設定され、ランク値が高い程、管理者による推奨度が高いものとなっている。
【0040】
設定情報22dには、そのサービス提供サーバ8にアクセスするためのアドレス情報であるURL(Uniform Resource Locator)と、そのサービス提供サーバ8が受け付けることが可能な画像データのデータ形式と、そのサービス提供サーバ8とデータ通信を行う際に画像データの暗号化が必要であるか否かを示す情報とが含まれている。また、暗号化が必要な場合、設定情報22dには、さらに、その暗号化方式と、画像データを暗号化するための暗号化鍵と、画像データを復号化するための復号化鍵とが含まれる。尚、サービス提供サーバ8aがファイルサーバであり、どのようなデータ形式の画像データも記憶しておくことができるため、設定情報22dのデータ形式の欄はブランクになっている。サービス管理情報22に、このような設定情報22dが予め登録されることにより、各サービス提供サーバ8a,8b,8cとデータ通信を行うときに、そのアドレスや、データ形式などを把握することができると共に、画像データの暗号化が必要な際には、その暗号化のための暗号化鍵を読み出して画像データの暗号化を行うことができるようになる。
【0041】
図4に戻り、サービス対応情報設定部34は、ログインユーザによる指示操作に基づいて機能し、ログインユーザに対応するサービス対応情報23を生成する処理部である。すなわち、ログインユーザは、自身が使用可能なBOX20に対してサービス管理情報22に登録されているサービス提供サーバ8を自由に対応付けることができるようになっている。サービス対応情報設定部34は、そのようなログインユーザの指示操作に基づき、指定されたBOX20とサービス提供サーバ8との対応関係を設定し、サービス対応情報23に登録する。
【0042】
図6は、サービス対応情報23の一例を示す図である。図6に示すサービス対応情報23は、ユーザAに関する情報である場合を例示しているが、これと同様の情報が他のユーザについても作成され、記憶装置18に保存されている。図6に示すように、このサービス対応情報23には、ユーザAの使用可能なBOX20として、「BOX1」〜「BOX4」までの4つのBOXが登録されている。そして、「BOX1」と「BOX2」には「サーバA」が対応付けられており、「BOX3」には「サーバB」が対応付けられ、「BOX4」には「サーバC」が対応付けられている。このような対応付けにより、各BOX20に画像データ24が保存された場合に、その画像データ24を送信すべきサービス提供サーバ8を特定することが可能であり、BOX20に保存された画像データ24を特定されたサービス提供サーバ8に自動送信することができるようになる。このようにサービス対応情報設定部34は、サービス管理情報22に登録されているサーバ名を、各BOX20に対応付けてサービス対応情報23に記録することにより、BOX20とサービス提供サーバ8との対応関係を設定する。
【0043】
また、このサービス対応情報23には、ジョブ連携情報が含まれている。このジョブ連携情報は、情報処理装置4においてジョブの実行が行われることに伴って取得される画像データを保存することができるBOX20をジョブの種類ごとに対応付けた情報である。例えば、図6において「BOX2」に対応するジョブ連携情報には、「PRINT/SCAN/FAX」の3つのジョブが設定されている。そのため、ユーザAがログインユーザとなってプリントジョブ、スキャンジョブ、又はFAXジョブの実行指示を行う際には、そのジョブの実行に伴って取得される画像データ24の保存先として「BOX2」を指定することができるようになっている。そしてログインユーザによってそのような指定が行われた場合、情報処理装置4においてプリントジョブ、スキャンジョブおよびFAXジョブが実行されると、それに伴って取得された画像データ24が「BOX2」に対応する記憶装置18のBOX20に保存されるようになる。そして「BOX2」には「サーバA」が更に対応付けられているため、「BOX2」に対応するBOX20に保存された画像データ24は、サービス提供サーバ8aに自動送信される設定となっている。したがって、このようなサービス対応情報23によれば、情報処理装置4におけるジョブの実行と連携して画像データ24がサービス提供サーバ8に送信されるように予め設定しておくことができる。尚、各BOXに対してどのようなジョブを連携させるかは、ログインユーザが自由に設定することができる。
【0044】
次に、データ管理部35は、BOX20に保存される画像データ24を管理する処理部である。このデータ管理部35は、BOX20への画像データ24の保存処理や、BOX20からの画像データ24の読み出し処理を行う。また、このデータ管理部35は、サービス管理情報22とサービス対応情報23とを読み出し、それらの情報に基づいて各BOX20に対応付けられたサービス提供サーバ8を特定する。そして画像データ24の保存されたBOX20にサービス提供サーバ8が対応付けられている場合、データ管理部35は、そのBOX20に保存された画像データ24をサービス提供サーバ8に送信する。このとき、データ管理部35は、サービス管理情報22に登録されている設定情報22dを参照することにより、送信先となるサービス提供サーバ8が受け付け可能な画像データのデータ形式を判別し、必要に応じてBOX20に保存された画像データ24のデータ形式を変換する。また、データ管理部35は、送信先となるサービス提供サーバ8とのデータ通信を行う際、設定情報22dに基づいて画像データ24の暗号化が必要であるか否かを判別し、暗号化が必要な場合には設定情報22dから暗号化鍵を読み出して画像データ24の暗号化を行う。データ管理部35は、BOX20に保存した画像データ24に対し、上記のような必要なデータ処理を行った後、その処理済みの画像データ24をサービス提供サーバ8に送信する。
【0045】
また、上記のようなデータ管理部35は、ジョブ実行部36と連携した動作を行うように構成される。ジョブ実行部36は、情報処理装置4におけるジョブの実行を制御する処理部である。ジョブ実行部36は、ユーザによってジョブの実行が指示されると、上述したスキャナ部13、プリンタ部14およびFAX部15のそれぞれの動作を制御することにより、ユーザによって指定されたジョブの実行を制御する。このようなジョブ実行部36は、ログインユーザがジョブを実行することに伴って取得された画像データ24を上述したジョブ連携情報の設定されたBOX20に保存することを指定していた場合、そのジョブの実行に伴って取得した画像データ24をデータ管理部35に出力する。そしてデータ管理部35は、ジョブ実行部36から画像データ24を取得すると、その画像データ24をログインユーザによって指定されたBOX20に保存する。このときもまた、データ管理部35は、上記と同様に、画像データ24を保存したBOX20にサービス提供サーバ8が対応付けられている場合、そのBOX20に保存された画像データ24をサービス提供サーバ8に送信する。
【0046】
次に図7および図8を参照しつつ、データ管理部35の機能について説明する。まず図7は、データ管理部35がコンピュータ3との間で画像データ24の入出力を行う機能を示す図である。図7に示すように、データ管理部35は、コンピュータ3から画像データ24を取得すると、その画像データ24をユーザによって指定されたBOX20に保存する。そしてデータ管理部35は、サービス管理情報22およびサービス対応情報23に基づいてBOX20に対応付けられたサービス提供サーバ8を特定する。このとき、BOX20に対応付けられているサービス提供サーバ8が、ファイルサーバとして機能するサービス提供サーバ8aである場合、データ管理部35は、BOX20に保存した画像データ24をサービス提供サーバ8aに送信する。
【0047】
ファイルサーバとして機能するサービス提供サーバ8aは、図7に示すようにハードディスク装置などで構成される記憶装置9を備えており、データ管理部35からインターネット7経由で送信される画像データ24を受信すると、その画像データ24を記憶装置9に保存する。
【0048】
そしてデータ管理部35は、サービス提供サーバ8aに保存した画像データ24を管理するように構成される。すなわち、データ管理部35は、サービス提供サーバ8aに保存した画像データ24を管理するためにファイルリスト作成部35aを有している。このファイルリスト作成部35aは、情報処理装置4のBOX20に保存されている画像データ24と、ファイルサーバとして機能するサービス提供サーバ8aで保存されている画像データ24とのファイルリストを作成して保持しておく処理部である。つまり、このファイルリスト作成部35aは、ファイルサーバであるサービス提供サーバ8aと所定のタイミングでデータ通信を行うことにより、そのサービス提供サーバ8aで保存されている画像データ24のファイルリストを取得し、その取得したファイルリストと、BOX20に保存している画像データ24のファイルリストとを組み合わせたファイルリストを作成する。尚、このようなファイルリストは、記憶装置18に設けられているBOX20ごとに作成される。そしてデータ管理部35は、ファイルリスト作成部35aによって作成されるファイルリストを管理することにより、BOX20に保存している画像データ24と、サービス提供サーバ8aで保存されている画像データ24との双方を管理する。
【0049】
その後、コンピュータ3からファイルリストの閲覧要求があった場合、上述した表示制御部32が機能する。そして表示制御部32は、ファイルリスト作成部35aで保持されているファイルリストを取得し、そのファイルリストを含む表示画面を生成してコンピュータ3に出力する。これにより、コンピュータ3を操作するユーザは、情報処理装置4のBOX20に保存されている画像データ24と、サービス提供サーバ8aに保存されている画像データ24との双方を一覧形式で確認することができる。そして、その一覧形式の中から一の画像データ24を選択すると、コンピュータ3は情報処理装置4に対して画像データ24の取得要求を送信する。
【0050】
情報処理装置4のデータ管理部35は、コンピュータ3から画像データ24の取得要求を受信すると、その選択された画像データ24が、BOX20に保存されているか、或いは、サービス提供サーバ8aに保存されているかをファイルリストに基づいて特定する。その結果、BOX20に保存されている場合、データ管理部35は、BOX20から選択された画像データ24を読み出してコンピュータ3に送信する。これに対し、サービス提供サーバ8aに保存されている場合、データ管理部35は、サービス提供サーバ8aに対して画像データ24の送信要求を送信する。これにより、データ管理部35は、サービス提供サーバ8aから暗号化された状態の画像データ24を受信するので、画像データ24の受信後、サービス管理情報22の設定情報22dから復号化鍵を読み出して復号化する。そして復号化した画像データ24を、コンピュータ3に対して送信する。
【0051】
したがって、ユーザは、コンピュータ3を操作することにより、ローカルネットワーク5を介して情報処理装置4のBOX20に画像データ24を保存する操作を行えば、情報処理装置4のデータ管理部35がその画像データ24をユーザによって指定されたBOX20に保存すると共に、そのBOX20に予め対応付けられているサービス提供サーバ8aに対して画像データ24を自動送信する。このとき、データ管理部35は、サービス提供サーバ8aとのデータ通信を行うために画像データ24の暗号化などの処理を自動的に行うように構成される。そのため、ユーザは、画像データ24の暗号化などを行うための操作を行う必要がなく、インターネット7を介してサービス提供サーバ8aによって提供されるサービスを利用する際のユーザの操作負担を軽減することができるようになっている。
【0052】
また、ユーザは、サービス提供サーバ8aに保存されている画像データ24を取得する際にも、コンピュータ3を操作して情報処理装置4のBOX20にアクセスすると、ファイルリスト作成部35aによって作成されたファイルリストが表示されるので、BOX20およびサービス提供サーバ8aのそれぞれに記憶されている画像データ24を一覧形式で確認することができる。そしてユーザは、その一覧形式の中から一の画像データ24を選択すれば、BOX20とサービス提供サーバ8aとのいずれに保存されていう画像データ24であるかを意識することなく、情報処理装置4からその選択した画像データ24を取得することができるようになっている。このとき、情報処理装置4がユーザによって選択された画像データ24をサービス提供サーバ8aからダウンロードして取得した場合、データ管理部35が、暗号化された画像データ24を自動的に復号化するように構成されている。そのため、ユーザは、サービス提供サーバ8aで保存されている画像データ24を取得したときに、その画像データ24の復号化を行うための操作を行う必要がなく、操作負担が軽減されるようになっている。
【0053】
次に図8は、データ管理部35がジョブ実行部36と連携して画像データ24の入出力を行う機能を示す図である。図8に示すように、ジョブ実行部36は、データ管理部35との間で画像データ24の入出力を行うことができるように構成される。すなわち、上述したようにログインユーザがジョブを実行することに伴って取得された画像データ24を特定のBOX20に保存することを指定していた場合、ジョブ実行部36は、そのジョブの実行に伴って取得した画像データ24をデータ管理部35に出力する。そしてデータ管理部35は、ジョブ実行部36から画像データ24を取得すると、その画像データ24をログインユーザによって指定されたBOX20に保存する。そしてデータ管理部35は、サービス管理情報22およびサービス対応情報23に基づいて、その画像データ24を保存したBOX20に対応付けられているサービス提供サーバ8を特定する。このとき、BOX20に対応付けられているサービス提供サーバ8が、ファイルサーバとして機能するサービス提供サーバ8aである場合、データ管理部35は、BOX20に保存した画像データ24をサービス提供サーバ8aに送信する。そして上記と同様に、データ管理部35は、サービス提供サーバ8aに保存した画像データ24を管理するようになる。
【0054】
このようにデータ管理部35は、ジョブ実行部36によるジョブの実行と連携して画像データ24をBOX20に保存すると共に、そのBOX20に保存された画像データ24をサービス提供サーバ8aに送信することが可能である。そのため、ユーザは、ジョブの実行指示を行う際に画像データ24を保存するBOX20を指定しておくことにより、そのジョブの実行によって得られた画像データ24をサービス提供サーバ8aの記憶装置9に自動で保存させることができるようになる。このとき、ユーザは、サービス提供サーバ8aに送信する画像データ24を暗号化するための操作などを行う必要がない。そのため、ユーザにとっては、煩わしい操作を行うことなく、ジョブの実行時に取得された画像データ24をサービス提供サーバ8aに保存しておくことができるようになる。
【0055】
また、データ管理部35およびジョブ実行部36は、BOX20又はサービス提供サーバ8aに保存されている画像データ24に基づいて印刷出力を行う際にも連携した動作を行うように構成される。例えば、ログインユーザによってBOX20又はサービス提供サーバ8aに保存されている一の画像データ24が選択され、さらにその選択された画像データ24の印刷出力が指示された場合、データ管理部35は、その選択された画像データ24をBOX20又はサービス提供サーバ8aから取得し、その取得した画像データ24をジョブ実行部26に出力する。ジョブ実行部26は、データ管理部35から入力する画像データ24に基づいてプリンタ部14の動作を制御することにより印刷出力を行う。このとき、印刷対象となる画像データ24がサービス提供サーバ8aから取得された場合、データ管理部35は、サービス管理情報22の設定情報22dに含まれる復号化鍵を用いて暗号化されている画像データ24を自動で復号化する。そのため、ユーザは、サービス提供サーバ8aで保持されている画像データ24を指定して印刷指示を行う場合でも、暗号化された画像データ24を復号化するための復号化鍵を指定するための操作を行う必要がない。それ故、ユーザは、煩わしい操作を行うことなく、サービス提供サーバ8aに記憶されている画像データ24に基づく印刷出力を効率的に取得することができるようになる。
【0056】
上記図7および図8では、データ管理部35がファイルサーバとして機能するサービス提供サーバ8aとデータ通信を行う場合を例示したが、他のサービス提供サーバ8b,8cであっても同様である。すなわち、データ管理部35は、画像データ24を保存したBOX20にそれらサービス提供サーバ8b,8cが対応付けられている場合、その画像データ24をサービス提供サーバ8b,8cに送信する。このとき、データ管理部35は、サービス管理情報22の設定情報22dに基づいて画像データ24のデータ形式を変換したり、暗号化鍵を読み出して画像データ24の暗号化処理を行ったりする。そしてそれら処理済みの画像データ24を、サービス提供サーバ8b,8cに送信する。
【0057】
サービス提供サーバ8b,8cは、データ管理部35から画像データ24を受信すると、復号化を行い、その画像データ24をPDFデータに変換したり、或いは、その画像データ24に対して文字認識処理を行ってテキストデータを生成したりする。そしてサービス提供サーバ8b,8cは、PDFデータ又はテキストテータを暗号化して情報処理装置4に送信する。情報処理装置4のデータ管理部35は、サービス提供サーバ8b,8cのそれぞれからPDFデータ又はテキストデータを受信すると、設定情報22dに含まれる復号化鍵を用いて復号化し、その復号化済みのデータをBOX20に保存する。したがって、ユーザは、情報処理装置4のBOX20に対して画像データ24を保存する操作を行えば、その画像データ24に基づくPDFデータやテキストデータが自動的にBOX20に保存されるため、特に煩雑な操作を行うことなく、サービス提供サーバ8b,8cで生成されたPDFデータやテキストデータを利用することができるようになる。
【0058】
次に上記のような情報処理装置4において行われる具体的な処理手順について説明する。図9は、情報処理装置4によって行われる主たる処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置4は、この処理を開始すると、まず、ユーザがログインしたか否かを判断する(ステップS1)。ここでは、上述したユーザ認証部31が機能し、コンピュータ3から入力する情報、又は操作パネル16から入力する情報に基づいてユーザ認証が行われ、そのユーザ認証に成功してログインユーザが特定された場合にYESとなる。尚、ユーザ認証に失敗した場合には、NOとなり、情報処理装置4がログイン状態へ移行するまで待機する状態となる。
【0059】
情報処理装置4がログイン状態へと移行した場合(ステップS1でYES)、情報処理装置4は、ログインユーザが管理者であるか否かを判断する(ステップS2)。その結果、ログインユーザが管理者であれば(ステップS2でYES)、サービス管理情報登録処理を実行する(ステップS3)。このサービス管理情報登録処理(ステップS3)では、上述したサービス管理情報22を登録するための処理が行われる。尚、サービス管理情報登録処理(ステップS3)の詳細については後述する。
【0060】
一方、ログインユーザが管理者でなかった場合(ステップS2でNO)、情報処理装置4は、そのログインユーザに関するサービス対応情報23が既に設定情報記憶部19に保存されているか否かを判断する(ステップS4)。そしてログインユーザに関するサービス対応情報23が未だ保存されていない場合(ステップS4)、情報処理装置4は、サービス対応情報登録処理を実行する(ステップS5)。このサービス対応情報登録処理(ステップS5)では、ログインユーザに関するサービス管理情報22を登録するための処理が行われる。尚、サービス対応情報登録処理(ステップS5)の詳細については後述する。
【0061】
そしてサービス対応情報処理(ステップS5)が終了すると、ステップS6に進む。また、ログインユーザに関するサービス対応情報23が既に設定情報記憶部19に登録されている場合にも(ステップS4でYES)、ステップS6に進む。そして情報処理装置4は、BOXデータ処理を実行する(ステップS6)。このBOXデータ処理(ステップS6)では、ログインユーザによるBOX20の指定操作に基づき、画像データ24をその指定されたBOX20に保存したり、指定されたBOX20から画像データ24を読み出したりする処理などが行われる。また、このBOXデータ処理(ステップS6)では、サービス提供サーバ8とのデータ通信も行われる。尚、このBOXデータ処理(ステップS6)の詳細については後述する。
【0062】
図9のフローチャートに示す処理手順が全て終了すると、情報処理装置4の動作状態がログアウト状態となり、再びステップS1に戻ってログイン状態への移行を待機する状態となる。
【0063】
次に、図10は、上述したサービス管理情報登録処理(ステップS3)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置4は、この処理を開始すると、管理者によって新規なサービス提供サーバ8を登録するための新規登録操作が行われたか否かを判断する(ステップS10)。その結果、新規登録操作が行われなかった場合(ステップS10でNO)、この処理は終了する。これに対し、新規登録操作が行われた場合(ステップS10でYES)、情報処理装置4は、新規なサービス提供サーバ8にアクセするためのURLの入力操作を受け付け(ステップS11)、入力されたURLに基づいて新規なサービス提供サーバ8にアクセスする(ステップS12)。そして情報処理装置4は、サービス提供サーバ8からサービス内容に関する情報を取得する(ステップS13)。また情報処理装置4は、サービス提供サーバ8と画像データの送受信を行うために必要となる暗号化鍵や復号化鍵を含む各種の設定情報をサービス提供サーバ8から取得する(ステップS14)。さらに情報処理装置4は、管理者によって設定される推奨ランクの入力を受け付ける(ステップS15)。そして情報処理装置4は、上記のようにして取得した各種の情報を、新規サービス提供サーバ8に関する情報としてサービス管理情報22に登録する(ステップS16)。そして情報処理装置4は、管理者によって更に別のサービス提供サーバ8を登録するための操作が行われたか否かを判断し(ステップS17)、更なる登録操作が行われた場合には、ステップS11に戻って上述した処理を繰り返す。これに対し、更なる登録操作が行われなかった場合には、このサービス管理情報登録処理(ステップS3)が終了する。
【0064】
上記のようなサービス管理情報登録処理(ステップS3)が行われることにより、情報処理装置4は、インターネット7を介してアクセス可能なサービス提供サーバ8に関する情報を、記憶装置18に記憶されているサービス管理情報22に登録する。
【0065】
次に、図11は、上述したサービス対応情報登録処理(ステップS5)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置4は、この処理を開始すると、まず管理者によって予め登録されているサービス管理情報22を読み出す(ステップS20)。そして情報処理装置4は、サービス管理情報22に登録されているサービス提供サーバ8を一覧表示したサービス一覧画面を生成し、そのサービス一覧画面をログインユーザに対して表示するように制御する(ステップS21)。このようなサービス一覧画面は、上述した表示制御部32によって生成され、コンピュータ3又は操作パネル16の表示部16aに出力される。また、このサービス一覧画面には、管理者により設定された推奨ランクのランク値が高いサービス提供サーバ8から優先的に表示されるようになっている。そのため、ログインユーザは、インターネット7を介して利用したいサービスを、管理者によって推奨されているものから優先的に選択することができるようになる。そして情報処理装置4は、そのようなサービス一覧画面に対して行われるログインユーザのサービス選択操作を受け付け(ステップS22)、ログインユーザが利用することを望むサービス提供サーバ8を特定する。
【0066】
そして情報処理装置4は、ログインユーザが使用可能なBOX20を全て抽出し(ステップS23)、その抽出したBOX20を一覧表示したBOX一覧画面を生成してログインユーザに対して表示するように制御する(ステップS24)。ログインユーザは、このBOX一覧画面の中から、ステップS22で選択したサービス提供サーバ8を対応付けるBOX20を選択するための操作を行う。情報処理装置4は、その操作を受け付け(ステップS25)、その選択されたBOX20に、ステップS22で選択されたサービス提供サーバ8を対応付けてログインユーザのサービス対応情報23に登録する(ステップS26)。このような処理により、ログインユーザの使用可能なBOX20に対してサービス提供サーバ8が対応付けられたサービス対応情報23が生成されることになる。
【0067】
そして情報処理装置4は、上記のようにしてサービス提供サーバ8が対応付けられたBOX20に対し、更にジョブの連携動作を行わせるための設定操作が行われたか否かを判断する(ステップS27)。ログインユーザによるジョブ連携設定操作が行われた場合(ステップS27でYES)、情報処理装置4は、ログインユーザの操作に基づいて、選択されたBOX20に対して連携させるジョブを特定する(ステップS28)。そして選択されたBOX20に対し、その特定したジョブを対応付けてログインユーザのサービス対応情報23に登録する(ステップS29)。このような処理により、ログインユーザの使用可能なBOX20に対し、ジョブの実行に伴って取得される画像データ24を自動保存することなどの設定が行われる。尚、ログインユーザがジョブ連携のための設定操作を行わなかった場合(ステップS27でNO)、ステップS28,S29の処理はスキップする。
【0068】
そして情報処理装置4は、ログインユーザによって更に別のサービス提供サーバ8を他のBOX20などに対応付けて登録するための操作が行われたか否かを判断し(ステップS30)、更なる登録操作が行われた場合には、ステップS21に戻って上述した処理を繰り返す。これに対し、更なる登録操作が行われなかった場合には、このサービス対応情報登録処理(ステップS5)が終了する。
【0069】
上記のようなサービス対応情報登録処理(ステップS5)が行われることにより、情報処理装置4は、ログインユーザの使用可能なBOX20に対してサービス提供サーバ8を対応付けた情報をサービス管理情報22に登録することができる。また、ジョブの実行に伴って取得される画像データ24を自動的にそのBOX20に保存すると共に、サービス提供サーバ8によって提供されるサービスをジョブの実行に伴って自動的に利用するための情報をサービス管理情報22に登録することもできる。
【0070】
次に、図12は、上述したBOXデータ処理(ステップS6)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置4は、この処理を開始すると、ログインユーザによってBOX20の指定操作が行われたか否かを判断する(ステップS40)。ログインユーザによるBOX20の指定操作が行われなかった場合(ステップS40でNO)には、この処理は終了する。一方、ログインユーザによってBOX20の指定操作が行われた場合(ステップS40でYES)、情報処理装置4は、ログインユーザのサービス対応情報23を読み出し(ステップS41)、ログインユーザによって指定されたBOX20にサービス提供サーバ8の対応付けが行われているか否かを判断する(ステップS42)。その結果、BOX20にサービス提供サーバ8が対応付けられていない場合(ステップS42でNO)、この処理は終了する。ただし、BOX20にサービス提供サーバ8が対応付けられていない場合(ステップS42でNOの場合)でも、その指定されたBOX20を通常のデータ記憶領域として、ログインユーザによって指定された画像データの保存処理や読み出し処理を行うようにしても良い。
【0071】
ログインユーザによって指定されたBOX20にサービス提供サーバ8が対応付けられている場合(ステップS42でYES)、情報処理装置4は、サービス管理情報22を読み出し(ステップS43)、そのBOX20に対応付けられたサービス提供サーバ8によって提供されるサービス内容22bを判別する。そしてサービス提供サーバ8によって提供されるサービス内容22bがファイルサーバであるか否かを判断する(ステップS44)。
【0072】
その結果、ファイルサーバである場合(ステップS44でYES)、情報処理装置4は、そのファイルサーバとして機能するサービス提供サーバ8で記憶されている画像データ24と、BOX20に記憶されている画像データ24とのファイルリストを保持しているか否かを判断し(ステップS45)、ファイルリストを保持していれば、そのファイルリストを読み出す(ステップS46)。これに対し、ファイルリストを保持していない場合(ステップS45でNO)、情報処理装置4は、そのサービス提供サーバ8とデータ通信を行い、サービス提供サーバ8から画像データ24のファイルリストを取得する(ステップS47)。そして情報処理装置4は、サービス提供サーバ8から取得したファイルリストと、ログインユーザによって指定されたBOX20に記憶されている画像データ24のファイルリストとを組み合わせたファイルリストを作成する(ステップS48)。そして情報処理装置4は、ステップS46で読み出したファイルリスト、又は、ステップS48で作成したファイルリストに基づいてファイルリスト表示画面を生成し、ログインユーザに対して表示するように出力する(ステップS49)。尚、サービス提供サーバ8がファイルサーバでない場合には(ステップS44でNO)、ステップS45〜S49の処理はスキップする。
【0073】
そして情報処理装置4は、ログインユーザによるファイル操作が行われると、指定されたBOX20への画像データ24の保存操作であるか否かを判別し(ステップS50)、画像データ24の保存操作である場合には、画像データ保存処理を実行する(ステップS51)。また、画像データ24の保存操作でなかった場合(ステップS50でNO)、画像データ24の読み出し操作か否かを判断し(ステップS52)、画像データ24の読み出し操作であれば、画像データ出力処理を実行する(ステップS52)。さらに画像データ24の読み出し操作でもなかった場合は(ステップS52でNO)、この処理が終了する。
【0074】
図13は、画像データ保存処理(図12のステップS51)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置4は、この処理を開始すると、指定されたBOX20への保存対象となる画像データ24を取得する(ステップS60)。ここでは、例えば、ログインユーザのコンピュータ3から出力される画像データ24がBOX20への保存対象として取得される。そして情報処理装置4は、取得した画像データ24を、ログインユーザによって指定されたBOX20へ保存する(ステップS61)。
【0075】
そして情報処理装置4は、画像データ24を保存したBOX20に対応付けられているサービス提供サーバ8の設定情報22dを読み出し(ステップS62)、その設定情報22dに基づいて画像データ24のデータ変換を行う(ステップS63)。尚、画像データ24のデータ変換が必要でない場合には、ここでのデータ変換は行われない。また情報処理装置4は、BOX20に保存された画像データ24をサービス提供サーバ8へ送信するために、設定情報22dに含まれる暗号化鍵を用いて画像データ24の暗号化を行う(ステップS64)。そして情報処理装置4は、ステップS63,S64でデータ処理が行われることによって暗号化された画像データ24を、BOX20に対応付けられているサービス提供サーバ8に対して送信する(ステップS65)。
【0076】
そして情報処理装置4は、画像データ24を送信したサービス提供サーバ8がファイルサーバであるか否かを判断し(ステップS66)、ファイルサーバである場合(ステップS66でYES)、サービス提供サーバ8からファイルリストを取得し(ステップS67)、ファイルリスト作成部35aで保持されているファイルリストを更新する(ステップS68)。
【0077】
またサービス提供サーバ8がファイルサーバでなかった場合(ステップS66でNO)、画像データ24の送信後に、情報処理装置4は、サービス提供サーバ8からPDFデータやテキストデータなどの処理済みデータを受信する(ステップS69)。そして情報処理装置4は、その受信したデータの復号化処理を行い(ステップS70)、復号化した画像データをBOX20に保存する(ステップS71)。
【0078】
情報処理装置4において上記のような画像データ保存処理(ステップS51)の処理が行われることにより、ログインユーザの使用可能なBOX20に画像データ24が保存されることに伴い、そのBOX20に対応付けられているサービス提供サーバ8に対して画像データ24が自動送信される。そしてサービス提供サーバ8に対して画像データ24を送信する際には、情報処理装置4において自動的に暗号化処理などの適切なデータ処理が自動で行われるようになる。
【0079】
次に、図14は、画像データ出力処理(図12のステップS53)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置4は、この処理を開始すると、ログインユーザによってファイルリストの中から指定された画像データ24がBOX20内に保存されているか否かを判断する(ステップS80)。その結果、BOX20内に保存されている場合(ステップS80でYES)、情報処理装置4は、BOX20の中からログインユーザによって指定された画像データ24を読み出す(ステップS81)。これに対し、BOX20に指定された画像データ24が記憶されていない場合(ステップS80でNO)、情報処理装置4は、サービス提供サーバ8から画像データを取得し(ステップS82)、その取得した画像データ24を設定情報22dに含まれる復号化鍵を用いて復号化する(ステップS83)。
【0080】
そして情報処理装置4は、ログインユーザによって指定された画像データ24のプリント出力が指定されているか否かを判断する(ステップS84)。プリント出力が指定されている場合(ステップS84でYES)、情報処理装置4は、ステップS81又はS83で取得した画像データ24に基づいてプリントジョブを実行し(ステップS85)、処理を終了する。また、プリント出力が指定されていない場合(ステップS84でNO)、情報処理装置4は、ステップS81又はS83で取得した画像データ24を、ログインユーザによって指定された出力先(例えばコンピュータ3など)に出力し(ステップS86)、処理を終了する。
【0081】
情報処理装置4において上記のような画像データ出力処理(ステップS53)の処理が行われることにより、ログインユーザは、情報処理装置4のBOX20と、サービス提供サーバ8とのいずれに画像データ24が記憶されているのかを特に意識することなく、所望の画像データ24を取得することができるようになる。
【0082】
次に、情報処理装置4において、ジョブの実行に伴って取得される画像データ24をサービス提供サーバ8に対して自動送信する場合の処理について説明する。図15は、情報処理装置4において行われるジョブ連携処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、ログインユーザによって例えばスキャンジョブ、プリントジョブ、又はFAX送信ジョブの実行が指示された場合に行われる処理である。情報処理装置4は、この処理を開始すると、ジョブの実行指示が行われたか否かを判断する(ステップS100)。そしてジョブの実行指示が行われると(ステップS100でYES)、情報処理装置4は、ジョブの実行指示に伴ってBOX20の指定が行われているか否かを判断する(ステップS101)。ここで、BOX20の指定が行われていない場合(ステップS101でNO)、情報処理装置4は、通常のジョブ実行処理を行い(ステップS113)、ジョブの実行が終了すると処理を終了する。尚、通常のジョブ実行処理とは、スキャンジョブ、プリントジョブ、およびFAX送信ジョブのうち、ログインユーザによって指定されたジョブを実行するだけの処理である。
【0083】
一方、ジョブの実行指示に伴ってBOX20の指定が行われている場合(ステップS101でYES)、情報処理装置4は、サービス管理情報22およびサービス対応情報23を読み出し(ステップS102)、指定されたBOX20に対応付けられているサービス提供サーバ8を特定する。そしてログインユーザによって指定されたジョブがスキャンジョブであるか否かを判断し(ステップS103)、スキャンジョブである場合、スキャンジョブを実行し(ステップS104)、画像データ24を取得する(ステップS105)。ただし、スキャンジョブでない場合は、ステップS104,S105をスキップする。また、情報処理装置4は、ログインユーザによって指定されたジョブがプリントジョブであるか否かを判断し(ステップS106)、プリントジョブである場合、プリント出力の対象となる画像データ24を取得し(ステップS107)、プリントジョブを実行する(ステップS108)。ただし、プリントジョブでない場合は、ステップS107,S108をスキップする。さらに情報処理装置4は、ログインユーザによって指定されたジョブがFAX送信ジョブであるか否かを判断し(ステップS109)、FAX送信ジョブである場合、FAX送信の対象となる画像データ24を取得し(ステップS110)、FAX送信ジョブを実行する(ステップS111)。ただし、FAX送信でない場合は、ステップS110,S111をスキップする。
【0084】
そして情報処理装置4は、ログインユーザによって指定されたジョブの実行を終了すると、次に画像データ保存処理を実行する(ステップS112)。この画像データ保存処理(ステップS112)の詳細な処理手順は、図13に示したフローチャートと同様である。つまり、この場合、ステップS104,S107,S110のいずれかで取得された画像データ24が、ステップS101で指定されたBOX20への保存対象となり、図13のフローチャートに示した処理手順が実行されることになる。したがって、この場合は、ジョブの実行に伴って取得された画像データ24が、ログインユーザによって指定されたBOX20へ保存されると共に、そのBOX20に対応付けられているサービス提供サーバ8へ自動送信されるようになる。
【0085】
次に、情報処理装置4においてデータ管理部35が管理するファイルリストを定期的に更新する場合の処理について説明する。図16は、情報処理装置4において行われるファイルリスト更新処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、情報処理装置4において一定時間間隔で定期的に行われる処理である。情報処理装置4は、この処理を開始すると、データ管理部35がファイルリストを保持しているか否かを判断する(ステップS120)。その結果、ファイルリストが保持されていなければ、この処理は終了する。これに対し、ファイルリストが保持されている場合(ステップS120でYES)、情報処理装置4は、前回のファイルリストの更新から所定の時間(例えば1時間、1日、1週間、或いは1か月などの予め定められた時間)が経過しているか否かを判断する(ステップS121)。ここでも、前回のファイルリストの更新から所定の時間が経過していなければ、この処理は終了する。
【0086】
一方、前回のファイルリストの更新から所定の時間が経過している場合(ステップS121でYES)、情報処理装置4は、ファイルサーバとして機能するサービス提供サーバ8aにアクセスし(ステップS122)、ファイルリストを取得する(ステップS123)。そしてデータ管理部35で保持されているファイルリストを更新し(ステップS124)、この処理を終了する。
【0087】
このようなファイルリスト更新処理が情報処理装置4において定期的に行われることにより、例えばユーザが外出先などからファイルサーバとして機能するサービス提供サーバ8aに直接アクセスして新たな画像データ24の保存などを行った場合でも、情報処理装置4で保持されるファイルリストに、その新たな画像データ24を反映させることができるようになる。そのため、ユーザが外出先から戻ったときには、自身のコンピュータ3を操作することによって情報処理装置4にアクセスすれば、その新たな画像データ24を取得することができるようになる。
【0088】
以上のように本実施形態の情報処理装置4は、インターネット7に接続されたサービス提供サーバ8とデータ通信可能であり、サービス提供サーバ8とのデータ通信を行うための設定情報22dを記憶すると共に、画像データ24を記憶するための記憶領域であるBOX20を有している。また情報処理装置4は、BOX20に対してサービス提供サーバ8を対応付けたサービス対応情報23を設定するサービス対応情報設定部34と、BOX20に記憶される画像データ24を管理するデータ管理部35とを備えている。そしてデータ管理部35は、BOX20に画像データ24が記憶されることに伴い、サービス対応情報23に基づいてサービス提供サーバ8を特定し、そのサービス提供サーバ8の設定情報22dに基づいてBOX20に記憶された画像データ24をサービス提供サーバ8に自動送信することにより、サービス提供サーバ8によって提供されるサービスを利用する構成である。
【0089】
このような構成によれば、ユーザは、情報処理装置4のBOX20に対して画像データ24を保存するための操作を行うだけで、インターネット7に設けられたサービス提供サーバ8によって提供されるサービスを利用することができるようになる。すなわち、ユーザは、インターネット7に設けられたサービス提供サーバ8によって提供されるサービスを利用する際、サービス提供サーバ8とデータ通信を行うための煩わしい作業を行う必要がなくなるので、ユーザの作業負担が著しく軽減され、サービス提供サーバ8を利用する際の操作性が改善されるという利点がある。
【0090】
また本実施形態においては、設定情報22dに、サービス提供サーバ8とデータ通信を行う際にデータを暗号化するための暗号化鍵が含まれており、データ管理部35が、サービス提供サーバ8に画像データを送信する際に、その暗号化鍵に基づいて画像データ24を自動で暗号化するようになっている。それ故、ユーザは、画像データ24を暗号化するための作業を行う必要がなく、利便性の優れたものとなる。
【0091】
また本実施形態においては、設定情報22dに、サービス提供サーバ8から送信される暗号化されたデータを復号化するための復号化鍵がさらに含まれており、データ管理部35は、サービス提供サーバ8から取得する暗号化された画像データ24をその復号化鍵に基づいて自動で復号化するようになっている。それ故、ユーザは、サービス提供サーバ8から取得された画像データ24を自ら復号化する必要はなく、この点においても利便性の優れたものとなる。
【0092】
また本実施形態では、サービス提供サーバ8が画像データ24を記憶するサービスを提供するファイルサーバである場合、データ管理部35は、BOX20に記憶された画像データ24をそのサービス提供サーバ8に送信することにより、当該画像データ24をそのサービス提供サーバ8に記憶させた状態で管理するように構成される。それ故、ユーザは、情報処理装置4を介してファイルサーバとして機能するサービス提供サーバ8を効率的に利用することができるようになる。
【0093】
また本実施形態では、データ管理部35が、ファイルサーバとして機能するサービス提供サーバ8に記憶されている画像データ24のファイルリストを作成して保持する。さらに本実施形態の情報処理装置4は、ユーザに対して各種情報を表示するための表示画面を生成する表示制御部32を備えており、この表示制御部32が、データ管理部35によって作成されるファイルリストを含む表示画面を生成して出力する構成である。そのため、ユーザは、ファイルサーバとして機能するサービス提供サーバ8に記憶されている画像データ24のファイルリストを情報処理装置4から取得して確認することができるようになっている。
【0094】
また本実施形態では、データ管理部35が、所定のタイミングでファイルサーバとして機能するサービス提供サーバ8とデータ通信を行い、そのサービス提供サーバ8に記憶されている画像データ24のファイルリストを更新するように構成されている。このような構成によれば、ユーザが外出先などからサービス提供サーバ8に直接アクセスして画像データ24を追加記録したような場合でも、データ管理部35で保持されるファイルリストには、その追加記録された画像データ24などが反映されるようになる。それ故、ユーザが情報処理装置4を介してサービス提供サーバ8を利用する際の利便性がより一層向上する。
【0095】
また本実施形態におけるデータ管理部35は、ユーザによって指定された画像データ24をサービス提供サーバ8からダウンロードして取得し、その取得した画像データ24をジョブ実行部36に出力することにより、ジョブ実行部36にプリントジョブを実行させることが可能である。このとき、画像データ24のダウンロードと、プリントジョブとが一連の処理として実行されるので、ユーザの操作負担が軽減されるようになる。
【0096】
また本実施形態におけるデータ管理部35は、ジョブ実行部36がジョブを実行することに伴って取得される画像データ24をサービス提供サーバ8に送信することにより、ジョブ実行部36によるジョブの実行と連携してサービス提供サーバ8によって提供されるサービスを利用するように構成されている。したがって、ユーザにとっては、情報処理装置4の利便性がより一層高まるようになる。
【0097】
(変形例)
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能であることは言うまでもない。
【0098】
例えば、上述した実施形態では、情報処理装置4がプリントジョブ、スキャンジョブ、FAXジョブなどを実行するMFPである場合を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、上述した情報処理装置4の機能を、コンピュータサーバなどによって実現しても構わない。
【0099】
また上述した実施形態において、表示制御部32が、データ管理部35で保持されているファイルリストに基づいてファイルリスト表示画面を生成する際、ユーザによって指定される条件に基づいてフィルタ処理を行ってからファイルリスト表示画面を生成するようにしても良い。この場合、表示制御部32は、データ管理部35によって作成されるファイルリストの中から、ユーザによって予め指定される条件(例えばデータ更新日時、データ形式、プロパティなどの条件)に適合する画像データを抽出し、その選択した画像データから成るファイルリストの表示画面を生成して出力する。表示制御部32において、このような処理を行うことにより、ユーザは、多数の画像データが含まれるファイルリストの中から絞り込み検索を行うことができるようになる。それ故、画像データ24を選択する際の利便性がより一層向上する。
【0100】
また上述したサービス提供サーバ8によって提供されるサービスは一例である。したがって、サービス提供サーバ8によって提供されるサービスは、上述したものに限られない。
【符号の説明】
【0101】
1 情報処理システム
3 コンピュータ
4 情報処理装置
5 ローカルネットワーク
7 インターネット
8(8a,8b,8c) サービス提供サーバ
18 記憶装置
19 設定情報記憶部(設定情報記憶手段)
20 BOX(画像データ記憶手段)
22 サービス管理情報
22d 設定情報
23 サービス対応情報
32 表示制御部(表示制御手段)
34 サービス対応情報設定部(サービス対応情報設定手段)
35 データ管理部(データ管理手段)
36 ジョブ実行部(ジョブ実行手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットに接続されたサービス提供サーバとデータ通信可能な情報処理装置であって、
前記サービス提供サーバとのデータ通信を行うための設定情報を記憶する設定情報記憶手段と、
画像データを記憶するための画像データ記憶手段と、
前記画像データ記憶手段に対して前記サービス提供サーバを対応付けたサービス対応情報を設定するサービス対応情報設定手段と、
前記画像データ記憶手段に記憶される画像データを管理するデータ管理手段と、
を備え、
前記データ管理手段は、前記画像データ記憶手段に画像データが記憶されることに伴い、前記サービス対応情報に基づいて前記サービス提供サーバを特定し、前記設定情報記憶手段に記憶されている前記設定情報に基づいて前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを前記サービス提供サーバに送信することにより、前記サービス提供サーバによって提供されるサービスを利用することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記設定情報には、前記サービス提供サーバとデータ通信を行う際にデータを暗号化するための暗号化鍵が含まれており、
前記データ管理手段は、前記サービス提供サーバに画像データを送信する際に、前記暗号化鍵に基づいて画像データを暗号化することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設定情報には、前記サービス提供サーバから送信される暗号化されたデータを復号化するための復号化鍵がさらに含まれており、
前記データ管理手段は、前記サービス提供サーバから取得する暗号化された画像データを前記復号化鍵に基づいて復号化することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記サービス提供サーバは、画像データを記憶するサービスを提供するファイルサーバであり、
前記データ管理手段は、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを前記サービス提供サーバに送信することにより、当該画像データを前記サービス提供サーバに記憶させた状態で管理することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
ユーザに対して各種情報を表示するための表示画面を生成する表示制御手段をさらに備え、
前記データ管理手段は、前記サービス提供サーバに記憶されている画像データのファイルリストを作成して保持し、
前記表示制御手段は、前記データ管理手段によって作成されるファイルリストを含む表示画面を生成して出力することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記データ管理手段は、所定のタイミングで前記サービス提供サーバとデータ通信を行い、前記サービス提供サーバに記憶されている画像データのファイルリストを更新することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
プリントジョブを実行するジョブ実行手段をさらに備え、
前記データ管理手段は、ユーザによって指定された画像データを前記サービス提供サーバからダウンロードして取得し、その取得した画像データを前記ジョブ実行手段に出力することにより、前記ジョブ実行手段にプリントジョブを実行させることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
プリントジョブ、スキャンジョブ、又は、FAXジョブを実行するジョブ実行手段をさらに備え、
前記ジョブ実行手段は、ジョブを実行することに伴って取得する画像データを前記画像データ記憶手段に記憶し、
前記データ管理手段は、前記ジョブ実行手段によって前記画像データ記憶手段に記憶される画像データを前記サービス提供サーバに送信することにより、前記ジョブ実行手段によるジョブの実行と連携して前記サービス提供サーバによって提供されるサービスを利用することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
インターネットに接続されたサービス提供サーバとデータ通信可能な情報処理装置において、前記サービス提供サーバにより提供されるサービスを利用する情報処理方法であって、
前記サービス提供サーバとのデータ通信を行うための設定情報を予め記憶するステップと、
画像データを記憶するための画像データ記憶手段に対して前記サービス提供サーバを対応付けたサービス対応情報を予め設定するステップと、
前記画像データ記憶手段に画像データを記憶するステップと、
前記画像データ記憶手段に画像データが記憶されることに伴い、前記サービス対応情報に基づいて前記サービス提供サーバを特定し、予め記憶される前記設定情報に基づいて前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを前記サービス提供サーバに送信することにより、前記サービス提供サーバによって提供されるサービスを利用するステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−160800(P2012−160800A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17495(P2011−17495)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】