説明

情報処理装置および方法

【課題】 環境光の分光データから環境光種類を高精度に推定する。
【解決手段】 推定対象である環境光の分光データを取得する手段と、参照環境光の分光データと環境光種類情報を取得する手段と、前記推定対象である環境光の分光データと前記参照環境光の分光データとを比較する比較手段と、前記比較結果に基づき、前記参照環境光の環境光種類情報から前記推定対象である環境光分光データの環境光種類を推定する推定手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境光の環境光種類を推定するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モニタとプリンタなどの異なる出力デバイスの間においてカラーマッチングを行う場合、測色的色再現に基づく色再現技術が一般的であった。測色的色再現では、まず、各出力デバイスから出力される色のXYZ三刺激値を求める。次に、CIE−L*a*b*値を求める。最後に各出力デバイス間で出力される色のL*a*b*値が、求められたCIE−L*a*b*値と一致するように色再現を行う。
【0003】
ここで、出力デバイスがモニタのように自発光することで色を再現する場合には、式(1)を用いてXYZ三刺激値を求める。一方、印刷物のように観察環境の光(以下、環境光と言う)を反射することで色を再現する場合には、式(2)を用いてXYZ三刺激値を求める。また、CIE−L*a*b*値は、式(3)を用いてXYZ三刺激値から求める。
【0004】
式(2)で示されるように、印刷物では、環境光が異なれば、XYZ三刺激値が変化し、その結果、CIE−L*a*b*値も変化する。そのため、モニタとプリンタなどでカラーマッチングを行う場合には、印刷物がどのようか環境光下で観察されるかが重要となる。一般的には、CIE(国際照明委員会)が規定する色温度が5000K相当の太陽光D50を基準の光としてXYZ三刺激値を算出し、カラーマッチングを行っている。
【0005】
【数1】

【0006】
【数2】

【0007】
【数3】

【0008】
しかしながら、近年、多様な環境光下におけるカラーマッチングのユーザニーズが高まりつつある。そのため、多様な環境光情報と各環境光下におけるXYZ三刺激値が必要となる。
【0009】
特許文献1には、分光照度計などを用いて環境光の分光データを測定し、式(2)を用いて、物体色の分光データと環境光の分光データとからその環境光下における物体色のXYZ三刺激値を求めることが提案されている。
【特許文献1】特開2002−218266号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1のように環境光の分光データを測定する場合は、環境光の分光データそのものを取得できるため、高精度にカラーマッチングを行うことができる。特許文献1の場合は、物体色についても分光データを保持しているので、分光データ上における計算を行うことができる。
【0011】
しかしながら、物体色について分光データを保持するためには、分光データのデータ量の多さによるユーザ負荷の大きさが問題となる。
【0012】
環境光の分光情報として可視光範囲の380nm〜730nmを10nmでサンプリングしたとしても、36個のデータとなる。また、高精度なプロファイルを作成するためには、数百の物体色のデータが必要となる。つまり、環境光情報および物体色の両方を分光データとして管理することは困難である。
【0013】
一方、環境光のXYZ三刺激値のみを測定し、環境光情報としてカラーマッチングを行った場合、マッチング精度が問題となる。なぜなら、式(1)によって求められた環境光のXYZ三刺激値が等しいとしても、分光データが等しいとは限らないからである。例えば、一般的な照明器具として用いられる蛍光灯は、高演色形、三波長領域発光形、普通形といった種類がある。これらの蛍光灯は、同じXYZ三刺激値を示したとしても、分光データは異なり、色特性も異なる。
【0014】
このように、環境光情報として分光データそのものを用いてカラーマッチング処理するにはデータ量の問題がある。そして、環境光情報としてXYZ三刺激値を用いた場合は精度の問題がある。
【0015】
そこで、本発明では、これらの問題を解決し、環境光情報として環境光種類を使用することにより、適度な精度でかつ扱いやすい情報を実現することを目的とする。さらには、環境光の分光データから環境光種類を高精度に推定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明は、推定対象である環境光の分光データを取得する手段と、参照環境光の分光データと環境光種類情報を取得する手段と、前記推定対象である環境光の分光データと前記参照環境光の分光データとを比較する比較手段と、前記比較結果に基づき、前記参照環境光の環境光種類情報から前記推定対象である環境光分光データの環境光種類を推定する推定手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、環境光情報として環境光種類を使用することにより、環境光情報が適度な精度を有しかつ扱いやすくすることができる。さらには、環境光の分光データから環境光種類を高精度に推定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
<実施形態1>
図1は、本実施形態の情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【0019】
図1の情報処理システムは、分光照度計102を用いて印刷物を観察する環境光を測定し、測定結果から推定した環境光情報をモニタ103に表示する。つまり、分光照度計102を用いて、推定対象の環境光の分光データを測定し、PC101において環境光情報を推定する。そして、その推定された環境光情報をモニタ上に表示することにより、ユーザに報知する。
【0020】
本実施形態では、環境光情報として、環境光種類と色温度の組み合わせを用いる。情報処理システムは、PC(パーソナルコンピュータ)101、分光照度計102、モニタ103によって構成されている。104は、分光照度計102を制御し、環境光の分光データを取得する分光照度計制御部である。105は、モニタ103を制御し、ユーザインタフェースや環境光情報を表示するモニタドライバである。106は、PC101全体を制御するCentral Processing Unit(CPU)である。107は外部装置などから供給されるプログラムやデータを一時記憶するRandom Access Memory(RAM)である。108は変更を必要としないプログラムやパラメータを格納するRead Only Memory(ROM)である。116は104〜115の各ユニットを通信可能にするシステムバスである。
【0021】
109は、分光照度計制御部104が分光照度計102によって測定された環境光の分光データを用いて環境光を推定する環境光情報取得部である。110は環境光推定に用いる閾値を記憶する閾値記憶部である。111は、分光照度計102によって測定された環境光の分光データを記憶する環境光分光データ記憶部である。
【0022】
112は、複数の代表的な環境光の分光データおよび環境光種類情報を記憶する環境光分光データベース記憶部である。この複数の代表的な環境光は参照環境光である。そして、環境光分光データベース記憶部に記憶されている複数の代表的な環境光の分光データは、環境光分光データ記憶部111に記憶された環境光の分光データの環境光情報を推定する際に参照データとして用いられる。
【0023】
113は正規化処理を行うための正規化処理部である。114は、環境光分光データ記憶部111に記憶された環境光の分光データの環境光種類を推定する環境光推定部である。115は、環境光分光データ記憶部111に記憶された環境光の分光データ色温度を算出する色温度算出部である。
【0024】
図2は、モニタ103に表示されるユーザインタフェースの一例である。
【0025】
201は、環境光の種類を表示するための環境光種類表示部である。202は環境光の色温度を表示するための色温度表示部である。
【0026】
本実施形態では、環境光情報として環境光種類と色温度の組み合わせを用いる。よって、環境光の推定結果として、201に環境光種類を表示し、202に色温度を表示する。
【0027】
203は、分光照度計制御部104を動作させ、分光照度計102で環境光を測定するための環境光測定ボタンである。204は、環境光推定処理を終了させるための終了ボタンである。
【0028】
図3は、本実施形態の環境光推定処理の流れを示すフローチャートである。
【0029】
まず、S301では測定開始ボタン203が押されたかどうかを判定する。押されたと判定された場合はS302に進み、押されていないと判定された場合はS301に戻る。
【0030】
S302では、分光照度計制御部104を動作させ分光照度計102を用いて環境光の分光データを測定し、この測定された環境光の分光データを環境光分光データ記憶部111に記憶する。
【0031】
S303では、環境光種類推定部114を用いて、環境光分光データ記憶部111に記憶されている分光データに対応する環境光の種類を推定する。
【0032】
S304では、S303にて推定した環境光の種類を環境光種類表示部201に表示する。
【0033】
S305では、色温度算出部115にて環境光分光データ記憶部111に記憶されている分光データに対応する環境光の色温度を算出する。S306では、S305にて算出した色温度を色温度表示部202に表示する。
【0034】
最後に、S307では、終了ボタン204が押されたかどうかを判定する。終了ボタンが押されたと判定された場合は終了し、押されていないと判定された場合はS301に戻る。
【0035】
<環境光の光源種類推定処理>
S303の環境光の光源種類推定処理について、図4のフローチャートを用いて、詳細に説明する。
【0036】
まず、S401では、環境光の分光データベースを入力する。任意の環境光の分光データおよび環境光種類情報を対応づけて環境光の分光データベースに入力することができる。本実施形態では、CIEが規定する照明(A、D50、D65、C、F1〜F12)の分光データを環境光分光データベースとして保持する。また、環境光種類を、例えば図5のように、「高演色」・「三波領域発光形」・「普通形」・「不明」の4種類に分類する。環境光種類は分光データの形状の特性に基づく。本実施形態で保持するA、D50、D65、C、F1〜F12は、「高演色」・「三波領域発光形」・「普通形」の三種類に分類することができる。
【0037】
S402では、環境光分光データベース記憶部112に記憶されている環境光の分光データの夫々を式(4)に基づき正規化する。
【0038】
【数4】

【0039】
S403では、ROM108から閾値を入力し、閾値記憶部110に記憶する。
【0040】
S404では、環境光分光データ記憶部111に記憶されている環境光の分光データを、式(5)に基づき正規化する。
【0041】
【数5】

【0042】
本実施形態では、環境光分光データベース内の複数の代表的な環境光の分光データと、分光照度計で測定した環境光の分光データに対して、分光データの形状を比較する。形状を高精度に比較するためには、それぞれが同じ相対値で比較する必要がある。そこで、本実施形態では、環境光において重要なパラメータである明るさが等しくなるように正規化を行う。
【0043】
本実施形態では、式(4)および式(5)を用いて、環境光分光データベース内の分光データと測定した環境光の分光データの相対分光放射強度を等しくする。
【0044】
S405では、環境光分光データ記憶部111に記憶されている推定対象の環境光の分光データと、環境光分光データベースに保持されている分光データの各々とを比較する。本実施形態では、推定対象の環境光の分光データと、環境光分光データベースに保持されている各分光データとの二乗誤差値を計算する。そして、求められた複数の二乗誤差値から最小値を有する二乗誤差値を最小二乗誤差値として選択する。(二乗誤差値の計算方法については、後述する)。
【0045】
S406では、S405で算出した最小二乗誤差値が閾値記憶部110に記憶した閾値以下であるかどうかを判定する。最小二乗誤差値が閾値以下の場合には、S408に進み、閾値を超えた場合には、S407に進む。
【0046】
S407では、推定結果として「不適合」を出力する。
【0047】
実際の観察条件では、様々な環境光が考えられる。例えば、高演色である太陽光と三波領域発光形である蛍光灯との混合光源も考えられる。このような光源の場合は、本実施形態において環境光分光データベースに記憶している環境光とは形状がかなり異なることが考えられる。本実施形態によれば、このような場合、不適合と判定することができ、ユーザに環境光の種類が特定できなかった旨を報知することができる。これにより、例えば、環境光情報に応じたカラーマッチング処理において、不適切な環境光情報に基づく色処理が行われてしまうことを防ぐことができる。
【0048】
S408では、最小二乗誤差値に対応する環境光種類を出力する。
【0049】
本実施形態では、S402とS404において、相対分光放射強度が等しくなるように正規化しているので、分光データの形状を高精度に比較することができる。分光データの形状は環境光の種類に応じて異なるので、本実施形態によれば高精度に環境光の種類を特定することができる。
【0050】
<二乗誤差値の算出方法>
S405の二乗誤差値の算出方法について詳細に説明する。誤差値の式(6)を用いて、S404において正規化した環境光の分光データと、S402において正規化した環境光分光データベース内の各環境光の分光データとの重み付二乗誤差を求める。
【0051】
【数6】

【0052】
ここで、本実施形態では、式(7)で示されるように、等色関数に応じた重み関数を用いる。
【0053】
【数7】

【0054】
等色関数に応じた重み関数を用いることにより、環境光種類の推定精度を非常に向上させることができる。
【0055】
図6を用いて、重み関数として式(7)に示される等色関数に応じた重み関数を用いた場合の効果について説明する。図6において、(a),(b)は重み関数を用いない場合の二乗誤差値を模式的に示している。一方、(c),(d)は重み関数として、式(7)を用いた場合を示している。
【0056】
ここで、図6において傍線は、環境光分光データベースに保持されている図5に示した複数の環境光の分光データから二乗誤差値が最小となった分光データを示している。一方、点線は測定された環境光の分光データを示している。また、網線で囲まれた領域は二乗誤差を示している。
【0057】
さらに、(a),(c)は、高演色形電球色蛍光灯を測定した場合を示しており、一方で、(b),(d)は水銀灯を測定した場合を示している。この時、(a)において680nm以降で誤差が非常に大きい。そのため、(a)と(b)の二乗誤差値は、近い値となる。本件において、水銀灯などの想定していない環境光を測定した場合には、著しくカラーマッチング精度が低下するため、不適合と出力したい。しかしながら、図6の(a),(b)が示すように高演色形の蛍光灯であるにもかかわらず、想定していない水銀灯と二乗誤差値が近い値になってしまう。
【0058】
したがって、(a)の二乗誤差値が閾値以下と判定されるように閾値を設定すると、(b)のケースにおいても閾値以下となる。つまり、(b)の場合、不適合と判定するところ、適切に判定されたと誤判定してしまう。このように、重み関数を使用しなかった場合は、環境光種類の推定精度が低下してしまう。
【0059】
これに対して、式(7)のような等色関数に応じた重み関数を用いると、(c)に示すように、二乗誤差値を小さくすることができる。その一方、(d)に示すように、水銀灯の場合には、それほど二乗誤差値が小さくならない。よって、(c)の場合を参考にして閾値を設定しても、水銀灯など想定していない環境光の場合に、不適合と高精度に判定することができる。
【0060】
これは、蛍光灯などが等色関数を用いた色度点を設計パラメータとしているためである。蛍光灯などが等色関数の分光感度の高い領域を重要視して設計しているからである。このようなことから、重み関数として等色関数は非常に有効である。そして、等色関数に応じた重み関数を用いることで、環境光種類の推定精度を格段に向上させることができる。
【0061】
<色温度の算出方法>
図3のS305で行われる色温度の計算について、詳細に説明する。
【0062】
本実施形態では、色温度Tを式(8)を用いて算出する。
【0063】
【数8】

【0064】
このように、本実施形態では、色温度については環境光分光データベースを使用せずに、測定された環境光の分光データから色温度を算出する。
【0065】
これにより、環境光分光データベースに保持された限られた環境光の色温度に限定されずに、測定された環境光に応じた色温度を算出することができる。
【0066】
本実施形態では、環境光分光データベースを用いて、環境光種類を推定した後に、環境光の色温度を算出する。その結果、環境光分光データベース二保持している環境光と種類が似ているにもかかわらず、色温度が異なるような環境光の環境光情報を高精度に推定することができる。例えば、環境光分光データベースとして、高演色6500K、5000K、4000Kがあり、高演色5500Kの環境光を測定した場合でも、環境光情報として環境光種類(高演色)と色温度(5500K)を正確に推定することができる。
【0067】
このように、本実施形態では、環境光種類については分光データの形状に基づき高精度に判定するために環境光データベースを使用する。ただし、環境光データベースを使用するために、環境光データベースに保持されていない環境光の種類に対しては、環境光の種類を推定することができない。そこで、本実施形態では、不適合と判定し、ユーザに報知するようにしている。
【0068】
これに対して、色温度については、分光データベースを使用せずに、式(8)を用いて、測定した環境光の分光データから色温度を高精度に算出する。これにより、環境光データベースに保持されていない色温度についても高精度に推定することができる。
【0069】
上記実施形態では、環境光データベースとして、CIEで規定している照明分光データを用いたが、他の分光データを使用しても構わない。例えば、実際に分光照度計を用いて測定した分光データを環境光分光データベースとしても良い。
【0070】
また、環境光種類として図5のようにしたが、他の環境光種類を用いても構わない。例えば、環境光種類として、太陽光や、電球色、水銀灯などを用いても構わない。
【0071】
環境光の分光データを測定する機器は、分光照度計ではなく分光放射輝度データでも構わない。この場合は、分光データは分光放射輝度データとなる。
【0072】
また、上記実施形態では、環境光データベースに保持されている分光データをS403で正規化している。しかし、予め正規化した分光データを分光データベースに格納するようにしても構わない。この場合は、S403の処理が不要となる。
【0073】
本発明の目的は前述した実施例の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUまたはMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することとなり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0074】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0075】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施例の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOperating System(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0076】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書きこまれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】環境光情報取得方法の構成例を示すブロック図
【図2】ユーザインタフェースの一例
【図3】フローチャート
【図4】環境光種類推定部のフローチャート
【図5】環境光種類を説明するための図
【図6】重み関数の効果を示すための図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
推定対象である環境光の分光データを取得する手段と、
参照環境光の分光データと環境光種類情報を取得する手段と、
前記推定対象である環境光の分光データと前記参照環境光の分光データとを比較する比較手段と、
前記比較結果に基づき、前記参照環境光の環境光種類情報から前記推定対象である環境光分光データの環境光種類を推定する推定手段とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
さらに、前記推定対象である環境光の分光データを正規化する正規化手段とを有し、
前記参照環境光の分光データは正規化が行われたデータであることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記比較手段は、前記推定対象である環境光の分光データと前記参照環境光の分光データの誤差を求めることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記比較手段は、等色関数に応じた重みを用いた二乗誤差を求めることを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推定手段は、前記誤差を閾値と比較し、前記比較結果に応じて前記推定対象である環境光が前記参照環境光の環境光種類と同じであるか否かを判定し、前記環境光種類と同じでないと判定された場合は不適合であることを出力することを特徴とする請求項3または4記載の情報処理装置。
【請求項6】
さらに、前記推定対象である環境光の分光データから色温度を算出する算出手段を有し、
前記推定対象である環境光の環境光情報として、前記環境光種類および前記色温度を求めることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置を、コンピュータを用いて実現するためにコンピュータが読み取り可能に記録媒体に記録されたプログラム。
【請求項8】
推定対象である環境光の分光データを取得し、
参照環境光の分光データと環境光種類情報を取得し、
前記推定対象である環境光の分光データと前記参照環境光の分光データとを比較し、
前記比較結果に基づき、前記参照環境光の環境光種類情報から前記推定対象である環境光分光データの環境光種類を推定することを特徴とする情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−275374(P2008−275374A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−117033(P2007−117033)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】