情報処理装置および表示切換方法
【課題】映像の視聴開始までの待ち時間を低減すること。
【解決手段】映像情報生成部1aは、表示装置2に映像を表示させるための第1の映像情報を生成する。映像情報生成部1bは、映像情報生成部1aよりも起動時間が短く、表示装置2に映像を表示させるための第2の映像情報を生成する。制御部1cは、映像情報生成部1aの起動を伴う機能に関する操作入力を受け付けると、第1の映像情報の出力が可能になるまで、表示装置2に対する出力元を映像情報生成部1bとする。第1の映像情報の出力が可能になると、表示装置2に対する出力元を映像情報生成部1aに切り換える。
【解決手段】映像情報生成部1aは、表示装置2に映像を表示させるための第1の映像情報を生成する。映像情報生成部1bは、映像情報生成部1aよりも起動時間が短く、表示装置2に映像を表示させるための第2の映像情報を生成する。制御部1cは、映像情報生成部1aの起動を伴う機能に関する操作入力を受け付けると、第1の映像情報の出力が可能になるまで、表示装置2に対する出力元を映像情報生成部1bとする。第1の映像情報の出力が可能になると、表示装置2に対する出力元を映像情報生成部1aに切り換える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置および表示切換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビチューナを内蔵して、テレビ番組を視聴する機能や、テレビ番組を録画する機能を備えた情報処理装置が利用されている。特に近年では、情報処理装置と表示装置とが接続された情報処理システムにおいて、表示装置にもテレビチューナを内蔵して、表示装置単体でテレビ番組を視聴可能としたものがある。
【0003】
そのような情報処理装置として、例えば、情報処理装置側のテレビチューナでテレビチャンネルの設定を行った際に、表示装置側のテレビチューナにも当該テレビチャンネルの設定を同時に行うことで、ユーザの操作性を向上したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−209015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、情報処理装置では、オペレーティングシステム(Operating System)やテレビ番組を視聴するためのアプリケーションにより、テレビ視聴環境が実現されるのが一般的である。しかしながら、これらのソフトウェアは起動に時間がかかることがある。このため、テレビ視聴の開始までに待ち時間が生ずることがある。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、映像の視聴開始までの待ち時間を低減した情報処理装置および表示切換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の映像情報生成部と第2の映像情報生成部と制御部とを有する情報処理装置が提供される。第1の映像情報生成部は、表示装置に映像を表示させるための第1の映像情報を生成する。第2の映像情報生成部は、第1の映像情報生成部よりも起動時間が短く、表示装置に映像を表示させるための第2の映像情報を生成する。制御部は、第1の映像情報生成部の起動を伴う機能に関する操作入力を受け付けると、第1の映像情報の出力が可能になるまで、表示装置に対する出力元を第2の映像情報生成部とし、第1の映像情報の出力が可能になると、表示装置に対する出力元を第1の映像情報生成部に切り換える。
【0008】
また、情報処理装置の表示切換方法が提供される。この表示切換方法では、情報処理装置が、表示装置に映像を表示させるための第1の映像情報を生成する第1の映像情報生成部の起動を伴う機能に関する操作入力を受け付ける。すると、第1の映像情報の出力が可能になるまで、表示装置に対する出力元を、第1の映像情報生成部よりも起動時間が短く、表示装置に映像を表示させるための第2の映像情報を生成する第2の映像情報生成部とする。そして、第1の映像情報の出力が可能になると、表示装置に対する出力元を第1の映像情報生成部に切り換える。
【発明の効果】
【0009】
上記情報処理装置および表示切換方法によれば、映像の視聴開始までの待ち時間を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施の形態の情報処理装置を示す図である。
【図2】第2の実施の形態の情報処理装置のハードウェア例を示す図である。
【図3】リモートコントローラのボタン例を示す図である。
【図4】情報処理装置の機能を示すブロック図である。
【図5】コマンド出力先選択テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図6】起動要因管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図7】視聴情報管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図8】連携開始処理を示すフローチャートである。
【図9】メッセージの例を示す図である。
【図10】メッセージの他の例を示す図である。
【図11】第1の表示切換制御を示すフローチャートである。
【図12】第1の連携制御を示すシーケンス図である。
【図13】第2の表示切換制御を示すフローチャートである。
【図14】第2の連携制御を示すシーケンス図である。
【図15】表示切換制御を例示する図である。
【図16】第2の連携制御の他の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の情報処理装置を示す図である。情報処理装置1は、表示装置2と接続されている。情報処理装置1は、映像情報生成部1a,1bおよび制御部1cを有する。
【0012】
映像情報生成部1aは、表示装置2に映像を表示させるための第1の映像情報を生成する。映像情報生成部1aは、例えば情報処理装置1が、第1のオペレーティングシステムまたは当該第1のオペレーティングシステム上で動作する第1のアプリケーションの両方あるいは何れか一方を実行することで実現される。
【0013】
映像情報生成部1bは、表示装置2に映像を表示させるための第2の映像情報を生成する。映像情報生成部1bは、映像情報生成部1aよりも起動時間が短い。映像情報生成部1bは、例えば情報処理装置1が、第2のオペレーティングシステムまたは当該第2のオペレーティングシステム上で動作する第2のアプリケーションの両方あるいは何れか一方を実行することで実現される。映像情報生成部1bでは、例えば映像情報生成部1aよりも機能を制限した簡易なオペレーティングシステムやアプリケーションを実行することで、映像情報生成部1aよりもその起動時間を短縮する。
【0014】
制御部1cは、映像情報生成部1aの起動を伴う機能に関する操作入力を受け付ける。当該操作入力としては、例えば、(1)映像情報生成部1aでの映像視聴の開始を指示する操作入力、(2)映像情報生成部1bでは当該機能が制限されて利用できないが、映像情報生成部1aでは利用可能な機能の利用開始を指示する操作入力、などが考えられる。(2)の操作入力の一例としては、映像情報生成部1aによる録画開始が考えられる。当該操作入力により、情報処理装置1は映像情報生成部1aの起動を開始させる。制御部1cが映像情報生成部1aの起動を開始させてもよい。
【0015】
制御部1cは、映像情報生成部1aによる第1の映像情報の出力が可能になるまで、表示装置2に対する出力元を映像情報生成部1bとする。このとき、映像情報生成部1bが停止していた場合、制御部1cは映像情報生成部1bを起動させてもよい。
【0016】
制御部1cは、映像情報生成部1aによる第1の映像情報の出力が可能になると、表示装置2に対する出力元を映像情報生成部1aに切り換える。このとき、制御部1cは、受け付けた操作入力の内容や映像情報生成部1bが第2の映像情報の生成に用いた設定内容を引き継いでもよい。当該設定内容としては、例えば、画質、音声、音量および字幕などの視聴状態を示す情報が考えられる。また、第1,第2の映像情報がテレビ映像の情報であれば、チャンネルおよび番組表などの視聴状態を示す情報が考えられる。更に、切り換え後に操作入力に対応する機能を映像情報生成部1aに実行させてもよい。
【0017】
情報処理装置1によれば、制御部1cにより、映像情報生成部1aの起動を伴う機能に関する操作入力が受け付けられる。すると、制御部1cにより、第1の映像情報の出力が可能になるまで、表示装置2に対する出力元が、映像情報生成部1aよりも起動時間の短い映像情報生成部1bとされる。そして、第1の映像情報の出力が可能になると、制御部1cにより、表示装置2に対する出力元が、映像情報生成部1aに切り換えられる。
【0018】
これにより、映像の視聴開始までの待ち時間を低減できる。具体的には、映像情報生成部1aによる映像視聴が可能になるまで、映像情報生成部1aよりも起動が早い映像情報生成部1bにより間をもたせるようにしたので、ユーザは映像の視聴を迅速に開始できる。その結果、視聴開始まで待機する煩わしさを軽減できる。
【0019】
特に、映像情報生成部1bの映像を既に視聴している場合、映像情報生成部1aによる第1の映像情報の出力が可能となるまで表示装置2では映像情報生成部1bによる映像表示が維持される。そして、第1の映像情報の出力が可能になったタイミングで表示装置2に対する出力元が映像情報生成部1aに切り換えられる。これにより、映像情報生成部1aが起動するまでの間、ユーザは映像情報生成部1bにより映像視聴を行える。よって、ユーザの映像視聴が中断されるのを防止できる。
【0020】
その際、映像情報生成部1bが第2の映像情報の生成に用いている設定内容を映像情報生成部1aに引き継げば、ユーザの再設定操作の手間を省ける。また、切り換え後に、契機となった操作入力に対応する機能を映像情報生成部1aに実行させれば、ユーザの再操作の手間を省ける。これらの手間を省くことで、ユーザの利便性を向上できる。
【0021】
以下に説明する第2の実施の形態では、映像情報生成部1a,1bとして2つのテレビ視聴環境を備えた情報処理装置を例示する。
【0022】
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態の情報処理装置のハードウェア例を示す図である。情報処理装置10は、2つのテレビ視聴環境を備えている。ユーザは、これらのテレビ視聴環境を用途に応じて使い分けることができる。ユーザは、リモートコントローラ20により、情報処理装置10にテレビ視聴環境の切り換え、チャンネル選択および画質・音声・音量の変更などの操作を行える。なお、以下の説明ではリモートコントローラ20をリモコン20と称する。
【0023】
情報処理装置10は、モニタ31と接続されている。情報処理装置10は、テレビ映像情報を生成してモニタ31に出力し、モニタ31にテレビ映像を表示させる。ここで、テレビ映像情報には、テレビ番組に係る映像情報および音声情報を含むとする。情報処理装置10では、当該テレビ視聴環境を含む種々の機能を実現できる。情報処理装置10は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)である。
【0024】
情報処理装置10は、情報処理部11、テレビ制御部12、モニタ制御部13、リモコン制御部14および汎用MPU(Micro Processing Unit)15を有する。
【0025】
情報処理部11は、種々の情報処理機能を実現する。情報処理部11は、例えばPCとしての主な機能を担う。情報処理部11は、CPU(Central Processing Unit)11a、ROM(Read Only Memory)11b、RAM(Random Access Memory)11c、HDD(Hard Disk Drive)11d、無線処理部11e、グラフィックI/F(InterFace)11f、サウンドI/F11g、入力I/F11h、記録媒体読取装置11iおよび通信I/F11jを有する。
【0026】
CPU11aは、オペレーティングシステム(以下、OSと略記する)プログラムやアプリケーションプログラムを実行して、情報処理部11全体を制御する。
ROM11bは、情報処理部11の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)プログラムなどの所定のプログラムを記憶する。ROM11bは、書き換え可能な不揮発性メモリであってもよい。
【0027】
RAM11cは、CPU11aが実行するOSプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部を一時的に記憶する。
HDD11dは、OSプログラムやアプリケーションプログラムを記憶する。また、HDD11dは、CPU11aの処理に用いられるデータを記憶する。なお、HDD11dに代えて(または、HDD11dと併せて)、SSD(Solid State Drive)など他の種類の不揮発性の記憶装置を用いてもよい。
【0028】
無線処理部11eは、アンテナ32と接続され、アンテナ32が受信するRF(Radio Frequency)帯のテレビ放送波を取得する。そして、無線処理部11eは、テレビ放送波に対し、所望のチャンネルの周波数に同調し、ベースバンド帯の周波数に周波数変換して、当該チャンネルのベースバンド信号を取得する。無線処理部11eは、取得したベースバンド信号を復調し、当該復調結果を用いて誤り訂正復号処理や、スクランブル解除処理(デスクランブル処理)を実行して、テレビ番組などのコンテンツ再生処理を行う。無線処理部11eは、例えばテレビチューナである。無線処理部11eが再生するテレビ番組は、CPU11aが実行するアプリケーションプログラムを用いて視聴・録画・ビデオ再生などが可能である。
【0029】
グラフィックI/F11fは、CPU11aからの命令に従って、OSやアプリケーションの画像情報(無線処理部11eが再生するコンテンツの映像情報を含む)をモニタ制御部13に出力する。
サウンドI/F11gは、CPU11aからの命令に従って、OSやアプリケーションの音声情報(無線処理部11eが再生するコンテンツの音声情報を含む)をモニタ制御部13に出力する。
入力I/F11hは、マウス33やキーボード34などの入力デバイスに接続される。入力I/F11hは、入力デバイスから送られる入力信号をCPU11aに出力する。
【0030】
記録媒体読取装置11iは、記録媒体35に格納されたデータを読み取る読取装置である。記録媒体35には、例えば、情報処理部11や汎用MPU15に実行させるプログラムが記録されている。情報処理部11および汎用MPU15は、例えば、記録媒体35に記録されたプログラムを、所定のメモリに読み込んで実行することでも、後述するような表示切換制御を実現することができる。すなわち、当該プログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体35に記録して配布することが可能である。
【0031】
記録媒体35としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリを使用できる。磁気記録装置には、HDD、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、CD(Compact Disc)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−R/RW/RAMおよびBlu−ray(ブルーレイディスクアソシエーションの登録商標)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。半導体メモリには、USB(Universal Serial Bus)メモリなどのフラッシュメモリがある。
【0032】
通信I/F11jは、ネットワークに接続される。通信I/F11jは、ネットワークを介して他の情報処理装置とデータ通信を行える。なお、記録媒体35に記録されたプログラムは、ネットワークに接続された他の情報処理装置に格納しておいてもよい。その場合、情報処理装置10は、当該他の情報処理装置からプログラムをダウンロードして実行することもできる。
【0033】
テレビ制御部12は、テレビチューナである。テレビ制御部12は、情報処理部11のテレビ機能よりも短時間で起動する。テレビ制御部12は、短時間での起動を実現するため、情報処理部11のテレビ機能よりも簡易なテレビ機能を備える。例えば、視聴機能を備えるが録画・ビデオ再生などの機能を備えていない。テレビ制御部12は、MPU12a、フラッシュメモリ12b、RAM12cおよびRF部12dを有する。
【0034】
MPU12aは、OSプログラムやアプリケーションプログラムを実行して、テレビ制御部12全体を制御する。また、MPU12aは、当該アプリケーションプログラムを実行することでテレビ制御部12のテレビチューナとしての機能を実現する。なお、OSプログラムが当該アプリケーションプログラムを含んでいてもよい。
フラッシュメモリ12bは、テレビ制御部12の起動時に実行されるBIOSプログラム、OSプログラムおよびアプリケーションプログラムを記憶する。また、フラッシュメモリ12bは、MPU12aの処理に用いられるデータを記憶する。
RAM12cは、MPU12aが実行するOSプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部を一時的に記憶する。
【0035】
RF部12dは、アンテナ36と接続され、アンテナ36が受信するRF帯のテレビ放送波を取得する。RF部12dは、テレビ放送波に対し、所望のチャンネルの周波数に同調し、ベースバンド帯の周波数に周波数変換して、当該チャンネルのベースバンド信号を取得する。RF部12dは、取得したベースバンド信号を復調し、当該復調結果を用いて誤り訂正復号処理を行い、MPU12aに出力する。MPU12aは、誤り訂正復号処理の結果得られたデータに対してスクランブル解除処理(デスクランブル処理)を実行して、テレビ番組などのコンテンツ再生処理を行う。
MPU12aは、コンテンツの映像および音声の情報をモニタ制御部13に出力する。
【0036】
モニタ制御部13は、モニタ31に対するテレビ映像情報の出力元を制御する。モニタ制御部13は、汎用MPU15の指示に基づいて、情報処理部11およびテレビ制御部12の何れかに出力元を切り換える。更に、モニタ制御部13は、汎用MPU15の指示に応じて、モニタ31が表示する映像の上に図形や文字列を重畳表示するOSD(On Screen Display)機能を備える。
【0037】
リモコン制御部14は、リモコン20による操作を受け付ける。リモコン制御部14は、MPU14aおよび受光部14bを有する。
MPU14aは、リモコン20から受信したコマンドを情報処理部11および汎用MPU15に出力する。
受光部14bは、リモコン20が送信した赤外線信号を受光して、赤外線信号を解析し、コマンドを取得する。受光部14bは、当該コマンドをMPU14aに出力する。
【0038】
汎用MPU15は、情報処理部11およびテレビ制御部12、モニタ制御部13およびリモコン制御部14の動作を制御する。具体的には、汎用MPU15は、リモコン制御部14から取得したコマンドに基づいて、情報処理部11、テレビ制御部12の起動・停止、モニタ制御部13によるテレビ映像の切り換えなどを制御する。また、汎用MPU15は、モニタ制御部13が、情報処理部11およびテレビ制御部12の何れのテレビ映像情報をモニタ31に表示させているかによって、リモコン制御部14のコマンドの出力先を制御する。
【0039】
更に、汎用MPU15は、例えば情報処理部11およびテレビ制御部12の電源管理、バッテリ制御およびファンコントロールなどに利用することもできる。情報処理装置10は、情報処理部11およびテレビ制御部12への給電を停止していても、汎用MPU15には給電を行う。これにより、当該各種の制御機能を実現する。
汎用MPU15は、汎用MPU15の上記機能を実現するためのプログラムを格納し、汎用MPU15の処理に用いるデータを格納したメモリを有している。
【0040】
図3は、リモートコントローラのボタン例を示す図である。リモコン20は、ボタン群A,C,DおよびボタンB,Y,Zを有する。ここで、ボタン群A,C,Dとは、文字(Aなど)と数値(11など)との結合により符号が表されているボタンの集合である。例えばボタン群Aに含まれるボタンの符号は、文字Aと数値との結合(A11など)で表されている。
【0041】
ボタン群Aは、情報処理部11およびテレビ制御部12の操作に利用できるボタン群である。ボタン群Aに対する操作がなされると、情報処理装置10は、モニタ31に表示を行っている方のデバイスに、当該操作に応じた処理を実行させる。すなわち、モニタ31に情報処理部11の画面が表示されていれば情報処理部11に、モニタ31にテレビ制御部12の画面が表示されていればテレビ制御部12に、当該操作に応じた処理を実行させる。
【0042】
ボタン群Aには、ボタンA11,A21〜A26,A31〜A36およびチャンネル操作ボタン群A12が含まれる。
ボタンA11は、番組表の表示を指示するボタンである。チャンネル操作ボタン群A12は、チャンネル選択に用いるボタンである。チャンネル操作ボタン群A12は、情報処理部11のテレビ機能の操作中に文字入力を行うために用いることもできる。
【0043】
ボタンA21は、画質・音質・音量などの設定一覧の表示を指示するボタンである。ボタンA22は、前の画面に戻ったり表示中のメニューなどを非表示にしたりするためのボタンである。ボタンA23は、利用可能な全メニューの一覧の表示/非表示を切り換えるためのボタンである。ボタンA24は、所定のオプション機能の起動を指示するボタンである。ボタンA25は、画面上のカーソルの選択範囲の移動を指示するボタンである。ボタンA26は、カーソルで選択されている項目の実行を指示するボタンである。
【0044】
ボタンA31は、音量を調節するためのボタンである。ボタンA32は、音量を最小(消音)にするためのボタンである。ボタンA33は、チャンネルの切り換えを指示するボタンである。ボタンA34は、画面表示を情報処理装置10本体(情報処理部11またはテレビ制御部12の何れか)の表示から、外部入力による表示への切り換えを指示するためのボタンである。外部入力端子は情報処理装置10に設けられる。外部入力には、例えば、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(エイチディーエムアイ・ライセンシングの登録商標)やビデオ入力が考えられる。ボタンA35は、字幕の表示/非表示を指示するボタンである。ボタンA36は、複数の音声がある番組やビデオを見ている時に音声の切り換えを指示するボタンである。
【0045】
ボタンBは、情報処理部11のテレビ機能の起動を指示するボタンである。情報処理部11のテレビ機能が未起動の場合、情報処理装置10は、テレビ制御部12と情報処理部11とを連携させて、情報処理部11のテレビ機能の起動を行う。当該連携に関する処理の詳細は後述する。ボタンBには、情報処理部11のテレビ機能を起動するためのボタンであることがユーザにとって識別し易いように、例えば「拡張TV(TeleVision)起動」という文字列が付される。ユーザは、情報処理部11のテレビ機能によるテレビ視聴を開始したい場合に、ボタンBを押下すれば、情報処理部11に当該テレビ機能を実行させることができる。
【0046】
ボタン群Cは、テレビ制御部12のテレビ機能では実行できない機能であるが、情報処理部11のテレビ機能で実行可能な機能の操作に利用できるボタン群である。情報処理装置10は、情報処理部11のテレビ機能が未起動であってもボタン群Cに対する操作を受け付ける。情報処理部11のテレビ機能が未起動の場合、情報処理装置10は、テレビ制御部12と情報処理部11とを連携させて、情報処理部11のテレビ機能の起動を行う。ボタン群Cには、ボタンC11〜C14が含まれる。
【0047】
ボタンC11は、地上デジタル放送や衛星デジタル放送の切り換えを指示するボタンである。ボタンC12は、録画予約や録画済みのビデオ一覧の表示を指示するボタンである。ボタンC13は、データ放送に含まれるコンテンツ一覧の表示を指示するボタンである。ボタンC14は、テレビ番組の録画開始を指示するボタンである。
【0048】
ボタン群Dは、テレビ制御部12のテレビ機能では実行できない機能であるが、情報処理部11のテレビ機能で実行可能な機能の操作に利用できるボタン群である。情報処理部11のテレビ機能が未起動である場合、情報処理装置10はボタン群Dに対する操作を受け付けない。この点がボタン群Cと異なる。ボタン群Dには、ボタンD11〜D25,D31〜D39が含まれる。
【0049】
ボタンD11〜D13は、文字入力に用いるボタンである。ボタンD14は、ダイレクト選局(3桁入力)でのチャンネル切り換えに用いるボタンである。ボタンD15は、文字入力時に文字を消去するために用いるボタンである。ボタンD16は、キーワード検索などを行う場合に、入力した文字を決定するために用いるボタンである。ボタンD17は、番組の詳細情報の表示を指示するボタンである。ボタンD18〜D21は、データ放送、双方向サービスおよび番組表の操作に用いるボタンである。ボタンD22はウィンドウシステムのOSで、手前のウィンドウを他のウィンドウに切り換えるために用いるボタンである。ボタンD23は、手前のウィンドウを閉じるために用いるボタンである。ボタンD24は、OSの所定の機能の起動を指示するボタンである。ボタンD25は、テレビ機能を実現するアプリケーション(以下、アプリと略記することがある)に関連する他のアプリケーションの起動を指示するボタンである。
【0050】
ボタンD31〜D37は、ビデオ操作に用いるボタンである。ボタンD31は、早戻しを指示するボタンである。ボタンD32は、早送りを指示するボタンである。ボタンD33は、ビデオ再生時に前チャプターへの移動を指示するボタンである。ボタンD34は、ビデオ再生時に次チャプターへの移動を指示するボタンである。ボタンD35は、再生の開始を指示するボタンである。ボタンD36は、再生の一時停止を指示するボタンである。ボタンD37は、再生の停止を指示するボタンである。
【0051】
ボタンD38は、録画の停止を指示するボタンである。ボタンD39は、画面表示のモード(画面モード)を、ノーマル(加工なし)、フル(モニタ31の表示領域に合わせる)、ズーム(拡大する)などの各モードに切り換えるために用いるボタンである。
【0052】
ボタンYは、テレビ制御部12の起動を指示するボタンである。テレビ制御部12は、上述した通り、情報処理部11よりも簡易なテレビ機能を備えて、起動時間を短縮している。このため、それがユーザにとって識別し易いように、ボタンYには例えば「簡易TV起動」という文字列が付される。
ボタンZは、情報処理部11の電源をオンにするために用いるボタンである。情報処理部11の電源がオンの場合、ボタンZの操作によって、情報処理部11の電源をオフにしたり、スタンバイ状態に移行させたりしてもよい。
【0053】
なお、以上で説明したリモコン20のボタンの配置や機能の割り当て方法は一例である。すなわち、各ボタンの配置は適宜変更してもよいし、情報処理部11およびテレビ制御部12で利用可能な機能を上記の例より増減させてもよい。例えば、テレビ制御部12でもボタンD18〜D21による番組表の操作を可能としてもよい。
【0054】
図4は、情報処理装置の機能を示すブロック図である。情報処理部11は、視聴情報記憶部111、第1のOS112、連携プロセス113および拡張テレビアプリ114を有する。これらのユニットの機能は、CPU11aが所定のOSプログラムやアプリケーションプログラムを実行することで実現される。ただし、これらのユニットの機能の全部または一部を専用のハードウェアで実装してもよい。
【0055】
視聴情報記憶部111は、情報処理部11における現在のテレビ視聴状態(例えば、チャンネル設定、画面設定および音声設定など)を示す視聴情報を記憶する。
【0056】
第1のOS112は、情報処理部11を制御するOSである。第1のOS112は、例えば、Windows(マイクロソフトコーポレイションの登録商標)である。
【0057】
連携プロセス113は、第1のOS112および汎用MPU15と通信して、情報処理部11とテレビ制御部12とのテレビ機能の連携に係る処理を行う。連携プロセス113は、拡張テレビアプリ114が起動されていなくても、例えば第1のOS112の起動直後に起動し、常駐する。
【0058】
拡張テレビアプリ114は、情報処理部11におけるテレビ機能を実現するアプリケーションである。拡張テレビアプリ114は、テレビ制御部12よりも豊富な機能を備える。具体的には、テレビ番組の視聴に加えて、録画、ビデオ再生、ビデオ管理、デジタル放送で配信される番組連動データの取得・表示などの機能を備えている。拡張テレビアプリ114で利用可能な機能には、リモコン20のボタン群A,C,DおよびボタンBに対応する機能を含む。拡張テレビアプリ114は、視聴情報記憶部111に記憶された視聴情報に基づいて、出力する映像の画質や音質などを決定する。また、拡張テレビアプリ114は、リモコン20などから受け付けたコマンドに応じて視聴情報記憶部111に記憶された視聴情報の設定を更新する。
【0059】
拡張テレビアプリ114は、CPU11aや無線処理部11eに上述したコンテンツ再生処理を実行させ、テレビ映像情報を生成する。拡張テレビアプリ114は、生成したテレビ映像情報をモニタ制御部13に出力する。
【0060】
なお、拡張テレビアプリ114は、第1のOS112の一部機能として実現されてもよい。更に、拡張テレビアプリ114が連携プロセス113の機能を有していてもよい。
【0061】
テレビ制御部12は、視聴情報記憶部121、第2のOS122およびテレビアプリ123を有する。これらのユニットの機能は、MPU12aが所定のOSプログラムやアプリケーションプログラムを実行することで実現される。ただし、これらのユニットの機能の全部または一部を専用のハードウェアで実装してもよい。
【0062】
視聴情報記憶部121は、テレビ制御部12における現在のテレビ視聴状態を示す視聴情報を記憶する。
【0063】
第2のOS122は、テレビ制御部12を制御するOSである。第2のOS122は、例えば、組み込みOS(embedded OS)である。第2のOS122は、テレビ制御部12が電源オンされると起動する。
【0064】
テレビアプリ123は、テレビ制御部12におけるテレビ機能を実現するアプリケーションである。テレビアプリ123は、拡張テレビアプリ114が備える機能よりも簡易な機能を備える。具体的には、テレビ番組の視聴を行うための機能である。テレビアプリ123で利用可能な機能には、リモコン20のボタン群Aに対応する機能を含む。テレビアプリ123は、視聴情報記憶部121に記憶された視聴情報に基づいて、出力する映像の画質や音質などを決定する。また、テレビアプリ123は、リモコン20などから受け付けたコマンドに応じて視聴情報記憶部121に記憶された視聴情報の設定を変更する。
【0065】
テレビアプリ123は、MPU12aに上述したコンテンツ再生処理を実行させ、テレビ映像情報を生成する。テレビアプリ123は、生成したテレビ映像情報をモニタ制御部13に出力する。
テレビアプリ123は、第2のOS122が起動すると、当該OSにより起動される。
なお、テレビアプリ123は、第2のOS122の一部機能として実現されてもよい。
【0066】
モニタ制御部13は、表示切換部131を有する。表示切換部131は、汎用MPU15の指示に応じて、モニタ31に対するテレビ映像情報の出力元を、情報処理部11またはテレビ制御部12に切り換える。
【0067】
リモコン制御部14は、リモコン操作受付部141を有する。リモコン操作受付部141は、リモコン20から受光した赤外線信号を解析して得たコマンドを情報処理部11または汎用MPU15に出力する。リモコン制御部14は、モニタ31の出力元が何れのデバイスであるかに応じて、コマンドの出力先を決定する(後述する)。
【0068】
汎用MPU15は、記憶部151および連携制御部152を有する。
記憶部151は、連携制御部152の処理に必要なデータを一時的に格納する記憶領域である。
【0069】
連携制御部152は、リモコン20から拡張テレビアプリ114の起動を指示するコマンドを受け付けた場合に、テレビ制御部12と連携した拡張テレビアプリ114の起動(連携起動)を制御する。具体的には、連携制御部152は、拡張テレビアプリ114の起動が完了して、拡張テレビアプリ114によるテレビ映像情報の出力が開始されるまで、モニタ31の出力元をテレビ制御部12とする。そして、連携制御部152は、拡張テレビアプリ114によるテレビ映像情報の出力が開始された後に、モニタ31の出力元を情報処理部11に切り換える。ここで、拡張テレビアプリ114の起動を指示するコマンドには、テレビアプリ123では実行できないが拡張テレビアプリ114では実行可能な機能の実行を指示するコマンドが含まれる。
【0070】
連携制御部152は、当該連携起動時に、操作されたボタンの情報やテレビアプリ123の現在の視聴状態を拡張テレビアプリ114に引き継ぐ。連携制御部152は、テレビアプリ123から視聴情報を取得して記憶部151に保持する。
更に、連携制御部152は、表示切換部131から、モニタ31に対する現在の出力元を取得し、リモコン操作受付部141に通知する。
【0071】
ここで、以下の説明では、拡張テレビアプリ114によって実現されるテレビ視聴環境を拡張テレビ、テレビアプリ123によって実現されるテレビ視聴環境を簡易テレビと称することがある。
【0072】
図5は、コマンド出力先選択テーブルのデータ構造例を示す図である。コマンド出力先選択テーブル141aは、リモコン操作受付部141によるコマンド出力先の選択ルールを定義したテーブルである。コマンド出力先選択テーブル141aは、MPU14a内のメモリに予め設定される。
【0073】
コマンド出力先選択テーブル141aには、モニタ出力元、操作ボタンおよびコマンド出力先の項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つのコマンド出力先の選択ルールを示す。
モニタ出力元の項目には、モニタ31の現在の出力元が設定される。操作ボタンの項目には、リモコン20のボタンを識別する情報が設定される。コマンド出力先の項目には、コマンドの出力先とするデバイス(情報処理部11および汎用MPU15の何れか)が設定される。
【0074】
コマンド出力先選択テーブル141aには、例えば、モニタ出力元が“情報処理部11”、操作ボタンが“拡張テレビ起動(ボタンB)、簡易テレビ起動(ボタンY)、情報処理部の電源(ボタンZ)”、コマンド出力先につき情報処理部11が“−”(ハイフン)、汎用MPU15が“○”(丸印)という情報が設定される。
これは、モニタ31に対する現在の出力元が情報処理部11であり、かつ、リモコン20の操作ボタンB,Y,Zの何れかが操作された場合、リモコン20から受け付けたコマンドを汎用MPU15に出力することを示す。
【0075】
また、コマンド出力先選択テーブル141aには、例えば、モニタ出力元が“情報処理部11”、操作ボタンが“その他ボタン”(すなわち、ボタンB,Y,Z以外のボタン)、コマンド出力先につき情報処理部11が“○”(丸印)、汎用MPU15が“−”(ハイフン)という情報が設定される。
これは、モニタ31に対する現在の出力元が情報処理部11であり、かつ、リモコン20の操作ボタンB,Y,Z以外の何れかが操作された場合に、リモコン20から受け付けたコマンドを情報処理部11に出力することを示す。
【0076】
また、コマンド出力先選択テーブル141aには、例えば、モニタ出力元が“テレビ制御部12”、操作ボタンが“全ボタン”、コマンド出力先につき情報処理部11が“−”(ハイフン)、汎用MPU15が“○”(丸印)という情報が設定される。
これは、モニタ31に対する現在の出力元がテレビ制御部12である場合には、リモコン20から受け付けたコマンドを汎用MPU15に出力することを示す。ここで、情報処理部11が停止している(電源オフ状態)の場合にも、リモコン操作受付部141はリモコン20から受け付けたコマンドを汎用MPU15に出力する。
【0077】
なお、リモコン操作受付部141は、モニタ31に対する現在の出力元を汎用MPU15から取得できる。例えば、汎用MPU15とリモコン制御部14とを汎用入出力(GPIO:General Purpose Input/Output)I/Fを介して接続する。そして、汎用MPU15がリモコン制御部14に対してGPIOピンにより、現在の出力元を通知する。
【0078】
図6は、起動要因管理テーブルのデータ構造例を示す図である。起動要因管理テーブル151aは、拡張テレビアプリ114の起動の契機となった操作ボタンを設定するテーブルである。起動要因管理テーブル151aは、記憶部151に格納され、連携制御部152によって設定される。
【0079】
起動要因管理テーブル151aには、操作ボタン、連携内容および起動要因の項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの起動要因に関する情報を示す。
操作ボタンの項目には、連携起動の契機となり得るボタンの情報が設定される。連携内容の項目には、各ボタンを契機とした連携処理の内容が設定される。起動要因の項目には、何れの操作ボタンが今回の連携起動の契機となったかを示す情報が設定される。
【0080】
起動要因管理テーブル151aには、例えば、操作ボタンが“拡張テレビ起動(ボタンB)”、連携内容が“(1)視聴状態の引き継ぎ”、起動要因が“○”(丸印)という情報が設定される。これは、拡張テレビアプリ114が未起動の状態でボタンBに対する操作を受け付けた場合、視聴状態を引き継いで連携起動を行うことを示す。更に、起動要因がボタンBであることを示す。
【0081】
また、起動要因管理テーブル151aには、例えば、操作ボタンが“放送切換(ボタンC11)”、連携内容が“(1)視聴状態の引き継ぎ、(2)地上、衛星デジタル放送の切り換え”、起動要因が“−”(ハイフン)という情報が設定される。これは、拡張テレビアプリ114が未起動の状態でボタンC11に対する操作を受け付けた場合、(1)視聴状態を引き継いで連携起動を行い、(2)起動後の拡張テレビアプリ114で地上、衛星デジタル放送の切り換えを行うことを示す。更に、ボタンC11は起動要因ではないことを示す。
【0082】
また、起動要因管理テーブル151aには、例えば、操作ボタンが“ビデオ一覧(ボタンC12)”、連携内容が“(1)視聴状態の引き継ぎ、(2)録画した番組一覧の表示”、起動要因が“−”(ハイフン)という情報が設定される。これは、拡張テレビアプリ114が未起動の状態でボタンC12に対する操作を受け付けた場合、(1)視聴状態を引き継いで連携起動を行い、(2)起動後の拡張テレビアプリ114で録画した番組のビデオ一覧の表示を行うことを示す。更に、ボタンC12は起動要因ではないことを示す。
【0083】
また、起動要因管理テーブル151aには、例えば、操作ボタンが“データ放送(ボタンC13)”、連携内容が“(1)視聴状態の引き継ぎ、(2)データ放送の表示”、起動要因が“−”(ハイフン)という情報が設定される。これは、拡張テレビアプリ114が未起動の状態でボタンC13に対する操作を受け付けた場合、(1)視聴状態を引き継いで連携起動を行い、(2)起動後の拡張テレビアプリ114でデータ放送の表示を行うことを示す。更に、ボタンC13は起動要因ではないことを示す。
【0084】
また、起動要因管理テーブル151aには、例えば、操作ボタンが“録画開始(ボタンC14)”、連携内容が“(1)視聴状態の引き継ぎ、(2)引き継ぎ録画の開始”、起動要因が“−”(ハイフン)という情報が設定される。これは、拡張テレビアプリ114が未起動の状態でボタンC14に対する操作を受け付けた場合、(1)視聴状態を引き継いで連携起動を行い、(2)起動後の拡張テレビアプリ114でテレビ番組の録画を開始することを示す。更に、ボタンC14は起動要因ではないことを示す。
【0085】
ここで、起動要因管理テーブル151aには、各操作ボタンに対応付けて何れの視聴状態を引き継ぐかを設定することもできる。例えば、録画開始のボタンC14の場合には、チャンネル設定を引き継ぐが、ビデオ一覧のボタンC12ではチャンネル設定を引き継がないという設定が可能である。
【0086】
図7は、視聴情報管理テーブルのデータ構造例を示す図である。視聴情報管理テーブル101は、視聴情報記憶部111,121および記憶部151に格納される。ここで、視聴情報記憶部111に格納された視聴情報管理テーブル101は、拡張テレビアプリ114が参照し、テレビ映像情報の生成に用いる設定情報である。視聴情報記憶部121に格納された視聴情報管理テーブル101はテレビアプリ123が参照し、テレビ映像情報の生成に用いる設定情報である。記憶部151に格納された視聴情報管理テーブル101は、連携制御部152が連携起動時の引き継ぎ用に格納した設定情報である。
【0087】
視聴情報管理テーブル101には、設定名および値を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、視聴状態のうちの1つの設定内容を示す。
設定名の項目には、設定の名称が設定される。値の項目には、設定された値が設定される。
【0088】
視聴情報管理テーブル101には、例えば、設定名が“チャンネル”、値が“777ch”という情報が設定される。これは、現在、777チャンネルのテレビ番組につき、テレビ映像情報を生成していることを示す。
【0089】
また、視聴情報管理テーブル101には、例えば、設定名が“番組表”、値が“888ch,2011/1/1,0:00〜0:15”という情報が設定される。これは、番組表を表示中であって、888チャンネルの2011年1月1日0時0分〜0時15分の番組欄にフォーカスがあることを示す。番組表を表示中でない場合には、当該項目は設定無しとなる。
【0090】
また、視聴情報管理テーブル101には、例えば、設定名が“表示モード”、値が“チャンネル表示”という情報が設定される。これは、テレビ番組の表示モードとして、チャンネル表示がオンに設定されていることを示す。チャンネル表示とは、番組映像にチャンネル番号を重畳表示させる表示モードである。
【0091】
また、視聴情報管理テーブル101には、例えば、設定名が“画質”、値が“シネマモード”という情報が設定される。これは、現在の画質がシネマモードと呼ばれるモードであることを示す。画質としては、例えばバックライトの明るさ、色の明るさおよび色の濃さなどを設定可能である。シネマモードは映画に適した設定がなされていることを示す。その他にもデフォルトの画質モードやユーザがカスタマイズできるカスタムモードなどの設定が可能である。
【0092】
また、視聴情報管理テーブル101には、例えば、設定名が“音量”、値が“5”という情報が設定される。これは、現在の音量のレベルが、例えば10段階のうちの5であることを示す。
【0093】
また、視聴情報管理テーブル101には、例えば、設定名が“音質”、値が“サラウンド”という情報が設定される。これは、現在の音質のレベルとして、ダイナミック、ノーマル、サラウンドのうちのサラウンドが選択されていることを示す。“音質”としては、他にも使用するスピーカーやその数を指定する設定を行うこともできる。
【0094】
また、視聴情報管理テーブル101には、例えば、設定名が“画面モード”、値が“フル”という情報が設定される。これは、現在の画面モードとして、フルモードが選択されていることを示す。それ以外のモードには、例えば、上述したようにノーマル(加工なし)およびズーム(拡大)などの画面モードが考えられる。
【0095】
また、視聴情報管理テーブル101には、例えば、設定名が“字幕モード”、値が“日本語”という情報が設定される。これは、現在の字幕モードとして、日本語の表示がオンになっていることを示す。その他の字幕モードとして、英語やその他の言語の字幕表示をオンに設定することもできる。
【0096】
また、視聴情報管理テーブル101には、例えば、設定名が“音声モード”、値が“副音声”という情報が設定される。これは、現在出力する音声モードとして、副音声が選択されていることを示す。その他にも、主音声を選択したり、主副両方の音声を選択したりすることができる。
【0097】
次に、以上の構成の情報処理装置10の処理手順を説明する。
ここで、情報処理部11は、第1のOS112の省電力化機能によりACPI(Advanced Configuration and Power Interface)で規定される複数のスリープ状態を取り得る。具体的には次のような状態をサポートしているとする。
【0098】
(1)電源オンの稼働状態(ACPIのS0状態)。
(2)一部デバイスへの給電を停止するがRAM11cへの給電を継続して高速に復帰可能とするスタンバイ状態(ACPIのS3状態)。
(3)HDD11dにRAM11cのデータを退避してから、RAM11cを含む各デバイスへの給電を停止し、HDD11dから復帰可能とする休止状態(ACPIのS4状態)。
(4)電源オフの停止状態(ACPIのS5状態)。
【0099】
連携制御部152は、情報処理部11のこれらの各状態に応じた連携制御を行う。以下の説明では、その処理手順を詳細に説明する。なお、以下の処理手順が開始される前に、情報処理装置10は簡易テレビによるテレビ視聴に利用されているか、あるいはテレビ制御部12が電源オフの状態とする。更に、何れの状態においても拡張テレビアプリ114は起動されていないとする。
【0100】
図8は、連携開始処理を示すフローチャートである。以下、図8に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップS11)リモコン操作受付部141は、リモコン20から赤外線信号を受光する。リモコン操作受付部141は、赤外線信号に対応するコマンドを取得する。リモコン操作受付部141は、コマンド出力先選択テーブル141aに設定されたルールに基づき、当該コマンドの出力先を決定する。ここでは、現在のモニタ出力元がテレビ制御部12なので、リモコン操作受付部141は、汎用MPU15にコマンドを出力する。
【0101】
(ステップS12)連携制御部152は、リモコン操作受付部141からコマンドを取得する。連携制御部152は、当該コマンドが連携対象ボタンに対応するコマンド(連携コマンド)かを判定する。連携対象ボタンとは、起動要因管理テーブル151aに定義された各ボタンを示す。具体的には、ボタンB、ボタンC11〜C14である。連携対象ボタンに対応する場合、表示切換部131を制御して、モニタ31に対する出力元をテレビ制御部12にし、処理をステップS13に進める。このとき、簡易テレビが視聴されていれば、出力元はテレビ制御部12に維持されることになる。また、テレビ制御部12の電源がオフの場合は、電源をオンとする。取得したコマンドが連携対象ボタンに対応しない場合、処理を終了する。
【0102】
(ステップS13)連携制御部152は、テレビアプリ123から現在の視聴状態を問い合わせる。テレビアプリ123は、視聴情報記憶部121に記憶された視聴情報管理テーブル101を参照して、視聴状態を連携制御部152に応答する。連携制御部152は、記憶部151に視聴情報管理テーブル101を格納する。
【0103】
(ステップS14)連携制御部152は、情報処理部11の省電力状態を確認する。停止状態(ACPIのS5状態)である場合、処理をステップS15に進める。スタンバイ状態(ACPIのS3状態)または休止状態(ACPIのS4状態)である場合、処理をステップS18に進める。稼働状態(ACPIのS0状態)である場合、処理をステップS21に進める。その他の状態の場合、処理をステップS23に進める。その他の状態と判定する場合には、情報処理部11の状態が確認できない場合や、情報処理部11で、ブートローダなどにより第1のOS112とは別のOSが起動されている場合が考えられる。
【0104】
(ステップS15)連携制御部152は、起動要因を保存する。例えば、受け付けた連携コマンドがボタンBに対応する場合、起動要因管理テーブル151aでボタンBにつき起動要因の項目のフラグをオン(図6の例では丸印)に設定する。
【0105】
(ステップS16)連携制御部152は、情報処理部11の電源をオンとし、第1のOS112の起動を開始する。第1のOS112は、起動が完了すると連携プロセス113を起動する。
【0106】
(ステップS17)連携制御部152は、所定のメッセージを表示させるよう表示切換部131に指示する。このメッセージは、第1のOS112を起動中である旨をユーザに通知するものである。表示切換部131は、当該メッセージをモニタ31に表示させる。
(ステップS18)連携制御部152は、起動要因を保存する。具体例は、ステップS15と同様である。
【0107】
(ステップS19)連携制御部152は、情報処理部11内の電源供給が停止されていた各デバイスに対して電源供給を再開し、第1のOS112の復帰を開始する。なお、第1のOS112は、起動が完了すると連携プロセス113を起動する。
【0108】
(ステップS20)連携制御部152は、所定のメッセージを表示させるよう表示切換部131に指示する。このメッセージは、第1のOS112を復帰中である旨をユーザに通知するものである。表示切換部131は、当該メッセージをモニタ31に表示させる。
【0109】
(ステップS21)連携制御部152は、連携プロセス113に連携通知を発行する。連携通知は、拡張テレビアプリ114の連携起動の開始を連携プロセス113に指示するものである。連携通知には、リモコン操作受付部141から取得した連携コマンドが含まれる。
【0110】
(ステップS22)連携制御部152は、所定のメッセージを表示させるよう表示切換部131に指示する。このメッセージは、拡張テレビアプリ114を起動中である旨をユーザに通知するものである。表示切換部131は、当該メッセージをモニタ31に表示させる。
【0111】
(ステップS23)連携制御部152は、所定のメッセージを表示させるよう表示切換部131に指示する。このメッセージは、受け付けたコマンドを現在の環境では実行できないことをユーザに通知するものである。表示切換部131は、当該メッセージをモニタ31に表示させる。
【0112】
このようにして、情報処理装置10は、リモコン20で連携対象ボタンの操作がなされると、連携起動を開始する。
なお、ステップS12において、連携対象ボタンに対応するものでないと判定した場合には、その後、次のような処理を行うことが考えられる。すなわち、ボタン群Aに対応するコマンドを受け付けた場合には、テレビ制御部12に当該コマンドを出力して、対応する機能を実行させる。また、ボタンD群に対応するコマンドを受け付けた場合には、現在利用中の簡易テレビでは、当該ボタンD群に対応する機能を利用できない旨を通知するメッセージを表示させるよう表示切換部131に指示する。
【0113】
ここで、図8では表示切換部131がOSD機能によって、種々のメッセージをモニタ31に表示させることで、情報処理装置10の状況をユーザに通知する旨を説明した。そこで、各メッセージを例示する。
【0114】
図9は、メッセージの例を示す図である。図9(A)は、図8のステップS17,S20でモニタ31に表示させるメッセージウィンドウM1を例示している。メッセージウィンドウM1には、「拡張テレビアプリに切り換えます。第1のOSをバックグラウンドで起動します。」というメッセージが含まれる。なお、第1のOS112の起動および復帰で同一のメッセージを表示させるものとしたが、異なるメッセージを表示させてもよい。例えば、復帰時には、「拡張テレビアプリに切り換えます。第1のOSをバックグラウンドで復帰します。」などとメッセージ表示することが考えられる。
【0115】
図9(B)は、図8のステップS22でモニタ31に表示させるメッセージウィンドウM2を例示している。メッセージウィンドウM2には、「拡張テレビアプリに切り換えます。」というメッセージが含まれる。
【0116】
図9(C)は、図8のステップS23でモニタ31に表示させるメッセージウィンドウM3を例示している。メッセージウィンドウM3には、「拡張テレビアプリを起動できません。リモコンのPC電源ボタンを押して第1のOSの画面に切り換え、情報処理部の状態を確認してください。」というメッセージが含まれる。
【0117】
図9(D)は、図8のステップS12でボタンD群の操作を受け付けたと判定した場合に、モニタ31に表示させ得るメッセージウィンドウM4を例示している。メッセージウィンドウM4には、「現在この操作はできません。」というメッセージが含まれる。
【0118】
このように、連携制御部152および表示切換部131は、情報処理部11の各状態に応じて、種々のメッセージをモニタ31に表示させることで、ユーザに対して現在の状況を適切に通知できる。メッセージウィンドウM3で例示したように、正常な動作またはユーザの意図した動作を行えない場合に、その対処方法(所定のデバイスの確認指示など)を含めるとユーザにとって特に利便性が良い。
【0119】
図10は、メッセージの他の例を示す図である。メッセージウィンドウM5は、図8のステップS12の直後に、連携起動の開始許否をユーザに確認すべく、モニタ31に表示し得るものである。
【0120】
メッセージウィンドウM5には、「この機能は現在のテレビ視聴環境では使えません。拡張テレビアプリを起動して、この機能を実行しますか?」というメッセージ、確認ボタンR1,R2およびカーソルCR1が含まれる。
【0121】
当該メッセージウィンドウM5をモニタ31に表示させることで、上記ステップS12からステップS13に進める前の連携制御部152の処理として、次のような変形例が考えられる。
【0122】
すなわち、連携制御部152は、ステップS12からステップS13に進む前に、表示切換部131にメッセージウィンドウM5の表示を指示する。すると、表示切換部131は、メッセージウィンドウM5をモニタ31に表示させる。
【0123】
ユーザは、例えば、リモコン20のボタンA25を操作してカーソルCR1を移動させ、確認ボタンR1,R2の何れかを選択する。選択後、ユーザはボタンA26を押下することにより、選択内容を情報処理装置10に入力する。そして、連携制御部152は、確認ボタンR1の選択入力を受け付ければ、処理をステップS13に進める。一方、確認ボタンR2の選択入力を受け付ければ、処理を終了する。
【0124】
このようにユーザの操作に対して確認を取るようにすれば、ユーザが連携対象ボタンを誤操作したとしても、当該誤操作によって、連携起動が開始されるのを抑制できる。
【0125】
次に、図8のステップS16,19における第1のOS112の起動または復帰の完了後の情報処理装置10の処理手順を説明する。第1のOS112の起動または復帰が完了すると、第1のOS112によって連携プロセス113が起動される。以下の処理は、連携プロセス113の起動完了に伴って開始される。
【0126】
図11は、第1の表示切換制御を示すフローチャートである。以下、図11に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップS31)連携プロセス113は、連携制御部152に起動要因を問い合わせる。連携制御部152は、記憶部151に格納された起動要因管理テーブル151aを参照して、連携プロセス113に何れのボタンが起動要因となったかを応答する。なお、起動要因が、連携対象ボタンによるものでない場合(例えば、単に情報処理部11の起動のみを行う場合)も考えられる。その場合、連携制御部152は起動要因管理テーブル151aに設定された以外の起動要因を応答することも考えられる。
【0127】
(ステップS32)連携プロセス113は、起動要因が連携対象ボタンによるもの(すなわち、連携起動)であるか否かを判定する。連携起動である場合、処理をステップS33に進める。連携起動でない場合、処理を終了する。
【0128】
(ステップS33)連携プロセス113は、第1のOS112に対して現在何れの画面状態であるかを問い合わせ、第1のOS112の画面がログオン画面であるか否かを判定する。ログオン画面である場合、処理をステップS34に進める。ログオン画面でない場合、処理をステップS36に進める。ここで、ログオン画面とは、第1のOS112のユーザ認証用の画面である。すなわち、第1のOS112の起動または復帰時に、当該OSを利用可能とするため、ユーザID(IDentifier)やパスワードの入力をユーザに求めるものである。
【0129】
(ステップS34)連携プロセス113は、ログオン用のユーザIDに対するパスワードの設定が有るか否かを判定する。パスワード設定が有る場合、処理をステップS35に進める。パスワード設定が無い場合、処理をステップS36に進める。なお、ユーザは、ログオン用のユーザIDおよびパスワードを、拡張テレビを起動する際の認証情報として、連携プロセス113に予め指定しておくことができる。設定内容は、例えばRAM11cやHDD11dに予め格納しておくことができる。なお、当該ユーザIDおよびパスワードを第1のOS112に予め指定しておいてもよい。
【0130】
(ステップS35)連携プロセス113は、当該ユーザIDおよびパスワードを用いて、第1のOS112のログオン処理を行う。
【0131】
(ステップS36)連携プロセス113は、ログオン処理が完了すると、連携制御部152に視聴状態を問い合わせる。すると、連携制御部152は、テレビアプリ123に現在の視聴状態を問い合わせて、現在の(最新の)視聴状態を取得する。連携制御部152は、当該視聴状態を連携プロセス113に応答する。なお、連携制御部152は、ユーザがテレビ制御部12の電源をオフにしたなどの要因で、テレビアプリ123から視聴状態を得られないことも考えられる。その場合、連携制御部152は、記憶部151に格納された視聴情報管理テーブル101を参照して視聴状態を取得し、連携プロセス113に応答する。
【0132】
(ステップS37)連携プロセス113は、拡張テレビアプリ114の起動を開始させる。このとき、連携プロセス113は、連携制御部152から取得した視聴状態に係る各種設定を拡張テレビアプリ114に入力する。すなわち、簡易テレビの視聴状態を拡張テレビに引き継ぐ。また、連携プロセス113は、取得した連携コマンドを拡張テレビアプリ114に入力する。
【0133】
(ステップS38)拡張テレビアプリ114は、起動を完了し、テレビ映像情報の出力が可能になると、その旨を連携プロセス113に通知する。連携プロセス113は、当該通知により拡張テレビアプリ114の起動完了を検知する。ここで、拡張テレビアプリ114は、起動後、視聴状態を引き継いだ状態でテレビ映像情報の出力を開始する。そして、連携プロセス113により入力された連携コマンドに対応する機能を実行する。
【0134】
(ステップS39)連携プロセス113は、連携制御部152に現在のモニタ31の出力元を問い合わせる。そして、連携プロセス113は、現在のモニタ31の出力元が、情報処理部11以外(本例ではテレビ制御部12)であるか否かを判定する。情報処理部11以外である場合、処理をステップS40に進める。情報処理部11である場合、処理を終了する。
【0135】
(ステップS40)連携プロセス113は、モニタ31の出力元を情報処理部11に切り換えるよう連携制御部152に指示する。連携制御部152は、当該指示に応じて表示切換部131に切換指示を出力する。すると、表示切換部131は、モニタ31の出力元を情報処理部11に切り換える。モニタ制御部13は、OSD機能により、出力元が情報処理部11に切り換わった旨を通知するメッセージをモニタ31に表示させる。
【0136】
このようにして、連携プロセス113および連携制御部152は、拡張テレビアプリ114によるテレビ映像情報の出力が可能になると、モニタ31の出力元をテレビ制御部12から情報処理部11に切り換える。なお、ステップS39の時点で、例えばユーザの操作によってモニタ31の出力元が既に情報処理部11に設定されている場合には、その状態が維持される。
【0137】
その際、テレビ制御部12の視聴状態および起動要因に対応する連携コマンドが拡張テレビアプリ114に引き継がれる。
また、ステップS40において、モニタ31の出力元を情報処理部11に切り換えた後、連携制御部152はテレビ制御部12の電源をオフにしてもよい。これにより、省電力化を図れる。
【0138】
更に、上記ステップS36において、起動要因管理テーブル151aに起動要因に応じた引き継ぎ内容が指定されている場合には、連携制御部152は当該指定された引き継ぎ内容のみを連携プロセス113に応答してもよい。
【0139】
また、ステップS35において、ログオン処理に失敗することも考え得る。その場合には、連携プロセス113は、連携制御部152にモニタ31の出力元を情報処理部11に切り換えるよう指示してもよい。そうすれば、ログオン画面をユーザに示して、ユーザIDやパスワードの入力を促せる。更に、当該ログオンが成功した後に、上記ステップS36から処理を再開してもよい。
【0140】
次に、図8,11で説明した連携制御の流れの具体例を説明する。なお、図8と同様、以下の処理手順が開始される前に、情報処理装置10は簡易テレビによるテレビ視聴に利用されているか、あるいはテレビ制御部12が電源オフの状態とする。また、情報処理部11は電源オフの停止状態(ACPIのS5状態)であるとする。ただし、ACPIのS3,S4状態であっても、以下の流れと同様である。
【0141】
図12は、第1の連携制御を示すシーケンス図である。以下、図12に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップST101)リモコン制御部14は、リモコン20から連携対象ボタンに対応した連携コマンドを受信する。リモコン制御部14は、連携コマンドを汎用MPU15に出力する。
【0142】
(ステップST102)汎用MPU15は、連携コマンドを受け付けたため、モニタ制御部13を制御してモニタ31に対する出力元をテレビ制御部12とする(出力元が元々テレビ制御部12であれば、それが維持される)。このとき、テレビ制御部12の電源がオフであるかを確認し、電源がオフであればテレビ制御部12の電源をオンにする。そして、汎用MPU15はテレビ制御部12に視聴状態を問い合わせる。
(ステップST103)テレビ制御部12は、視聴情報記憶部121に記憶された視聴情報管理テーブル101を参照して、汎用MPU15に視聴状態を応答する。
【0143】
(ステップST104)汎用MPU15は、第1のOS112の省電力状態を問い合わせる。
(ステップST105)第1のOS112は、停止状態(ACPIのS5状態)である旨を応答する。なお、汎用MPU15は、情報処理部11から所定の応答が得られなかった場合に、停止状態であると判断することもできる。汎用MPU15は、起動要因を保存する。
【0144】
(ステップST106)汎用MPU15は、情報処理部11の電源をオンにし、第1のOS112の起動を開始する。
(ステップST107)汎用MPU15は、モニタ制御部13にメッセージウィンドウM1の表示を指示する。モニタ制御部13は、OSD機能によりメッセージウィンドウM1をモニタ31に表示させる。メッセージウィンドウM1は、例えば期間T11の間、モニタ31に表示される。
【0145】
(ステップST108)第1のOS112は、起動を完了する。そして、第1のOS112は、連携プロセス113を起動する。
(ステップST109)連携プロセス113は、起動を完了する。そして、連携プロセス113は、汎用MPU15に起動要因を問い合わせる。
(ステップST110)汎用MPU15は、連携プロセス113に起動要因を応答する。
【0146】
(ステップST111)連携プロセス113は、連携起動を行うべく、第1のOS112に画面状態を問い合わせ、現在の画面状態がログオン画面であるかを確認する。
(ステップST112)第1のOS112は、ログオン画面である旨を連携プロセス113に応答する。
(ステップST113)連携プロセス113は、ログオン用のユーザIDおよびパスワードの設定を取得して、第1のOS112のログオン処理を実行する。
【0147】
(ステップST114)連携プロセス113は、汎用MPU15に視聴状態を問い合わせる。
(ステップST115)汎用MPU15は、テレビ制御部12に視聴状態を問い合わせる。
(ステップST116)テレビ制御部12は、視聴情報記憶部121に記憶された視聴情報管理テーブル101を参照して、汎用MPU15に視聴状態を応答する。
(ステップST117)汎用MPU15は、当該視聴状態を連携プロセス113に応答する。
【0148】
(ステップST118)連携プロセス113は、拡張テレビアプリ114を起動させる。このとき、連携プロセス113は、取得した視聴状態を拡張テレビアプリ114に引き継ぐ。また、起動要因に対応する連携コマンドを拡張テレビアプリ114に出力する。
【0149】
(ステップST119)拡張テレビアプリ114は、起動を完了する。拡張テレビアプリ114は、連携プロセス113により入力された視聴状態で、テレビ映像情報の出力を開始する。また、連携プロセス113により入力された連携コマンドに対応する機能を実行する。
【0150】
(ステップST120)連携プロセス113は、モニタ31に対する出力元が情報処理部11であるか否か、汎用MPU15に問い合わせる。
(ステップST121)汎用MPU15は、モニタ31に対する出力元がテレビ制御部12である旨を連携プロセス113に応答する。
【0151】
(ステップST122)連携プロセス113は、出力元の切換指示を汎用MPU15に出力する。
(ステップST123)汎用MPU15は、モニタ制御部13に出力元の切換指示を出力する。モニタ制御部13は、モニタ31に対する出力元をテレビ制御部12から情報処理部11に切り換える。このとき、汎用MPU15は、画面の出力元が情報処理部11に切り換わった旨を通知するメッセージの表示を指示する。モニタ制御部13は、OSD機能により当該メッセージをモニタ31に表示させる。メッセージは、例えば期間T12の間、モニタ31に表示される。
【0152】
このようにして、情報処理部11が停止状態(ACPIのS5状態)の場合の連携制御が行われる。具体的には、拡張テレビの起動を受け付けた際に、拡張テレビアプリ114が起動して、当該アプリによりテレビ映像情報の出力が可能になるまで、モニタ31に対する出力元がテレビ制御部12とされる(期間T1に対応)。そして、拡張テレビアプリ114が起動して、当該アプリによりテレビ映像情報の出力が可能になると(期間T2に対応)、モニタ31に対する出力元が情報処理部11に切り換えられる(期間T3に対応)。
【0153】
これにより、情報処理装置10による映像の視聴開始までの待ち時間を低減できる。すなわち、拡張テレビによるテレビ視聴が可能になるまで、起動が早い簡易テレビのテレビ映像情報により間をもたせるようにしたので、ユーザはテレビ視聴を迅速に開始できる。その結果、視聴開始まで待機する煩わしさを軽減できる。
【0154】
また、簡易テレビを既に視聴しているような場合でも、拡張テレビによるテレビ視聴が可能となるまで簡易テレビでのテレビ視聴を継続し、拡張テレビによるテレビ視聴が可能になったタイミングで拡張テレビに切り換える。このため、ユーザのテレビ視聴が中断されるのを抑制できる。
【0155】
更に、切り換えの際、連携プロセス113および連携制御部152は、簡易テレビの視聴状態を拡張テレビに引き継ぐ。また、起動要因となった連携コマンドに対応する機能を起動後の拡張テレビに実行させる。
【0156】
これにより、簡易テレビと拡張テレビとの間でチャンネル設定などが異なっていたとしても、共通の視聴状態で拡張テレビの視聴を開始できる。すなわち、チャンネル、映像および音声などに関する設定を拡張テレビ側で再設定および再操作する手間を省ける。よって、ユーザにとって利便性が良い。また、切り換え前後における、画質や音質などの相違による違和感が抑えられるので、スムーズな切り換えが可能となる。
【0157】
ここで、拡張テレビが実行し得る主な連携内容は、図6の起動要因管理テーブル151aに示した通りである。例えば、録画開始のボタンC14が起動要因である場合には、拡張テレビにより、引き継いだチャンネルの録画を開始する。
【0158】
また、引き継がれる主な視聴状態は、図7の視聴情報管理テーブル101で説明した通りである。例えば、番組表の設定値を引き継いだ場合、設定値に基づいて、拡張テレビ側でも番組表を表示した状態となる。具体的には、番組表上で、設定値のチャンネル、年月日および時間帯のテレビ番組欄にフォーカスが当たった状態である。番組表内の小ウィンドウにテレビ番組を表示可能であれば、チャンネルの設定値に対応するチャンネルのテレビ番組が当該小ウィンドウに表示される。画質、音量、音質および字幕などの他の情報に関しても同様に引き継がれる。
【0159】
更に、汎用MPU15は、連携コマンドを取得した際に、テレビ制御部12に視聴状態を予め問い合わせておき、記憶部151に格納しておくので、ステップST116の応答を得られなかったとしても、記憶部151から視聴状態を取得できる。
【0160】
ここで、ユーザは、拡張テレビの起動中に簡易テレビ側の設定を変更することが考えられる。このため、視聴状態は可能な限り新しい情報を取得しておくことが望ましい。そこで、汎用MPU15は、ステップST102以降もテレビ制御部12に定期的に視聴状態の問い合わせを行ってもよい。このようにすれば、例えステップST116の応答を得られなかったとしても、汎用MPU15は可能な限り新しい視聴情報を記憶部151から取得し、ステップST117の連携プロセス113への応答ができる。
【0161】
次に、図8のステップS21において、連携制御部152による連携通知の出力後の情報処理装置10の処理手順を説明する。
図13は、第2の表示切換制御を示すフローチャートである。以下、図13に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップS41)連携プロセス113は、連携制御部152から連携通知を受け付ける。
【0162】
(ステップS42)連携プロセス113は、第1のOS112に対して現在何れの画面状態であるかを問い合わせ、第1のOS112の画面がログオン画面であるか否かを判定する。ログオン画面である場合、処理をステップS43に進める。ログオン画面でない場合、処理をステップS45に進める。
【0163】
(ステップS43)連携プロセス113は、ログオン用のユーザIDに対するパスワードの設定が有るか否かを判定する。パスワード設定が有る場合、処理をステップS44に進める。パスワード設定が無い場合、処理をステップS45に進める。
【0164】
(ステップS44)連携プロセス113は、ログオン用のユーザIDおよびパスワードを用いて、第1のOS112のログオン処理を行う。
【0165】
(ステップS45)連携プロセス113は、ログオン処理が完了すると、連携制御部152に視聴情報を問い合わせる。連携制御部152は、テレビアプリ123に現在の視聴情報を問い合わせて、最新の視聴情報を取得する。連携制御部152は、当該視聴情報を連携プロセス113に応答する。なお、連携制御部152は、ユーザがテレビ制御部12の電源をオフにしたなどの要因で、テレビアプリ123から視聴情報の応答を得られないことも考えられる。その場合、連携制御部152は、記憶部151に格納された視聴情報管理テーブル101を参照して、当該テーブルの設定内容を連携プロセス113に応答する。
【0166】
(ステップS46)連携プロセス113は、拡張テレビアプリ114の起動を開始させる。このとき、連携プロセス113は連携制御部152から取得した視聴情報を拡張テレビアプリ114に入力する。すなわち、簡易テレビの視聴状態を拡張テレビに引き継ぐ。また、連携プロセス113は、連携通知として取得したコマンドを拡張テレビアプリ114に入力する。
【0167】
(ステップS47)拡張テレビアプリ114は、起動を完了し、テレビ映像情報の出力が可能になると、その旨を連携プロセス113に通知する。連携プロセス113は、当該通知により拡張テレビアプリ114の起動完了を検知する。ここで、拡張テレビアプリ114は、起動後、視聴状態を引き継いだ状態でテレビ映像情報の出力を開始する。そして、連携プロセス113により入力されたコマンドに対応する機能を実行する。
【0168】
(ステップS48)連携プロセス113は、連携制御部152に現在のモニタ31の出力元を問い合わせる。そして、連携プロセス113は、現在のモニタ31の出力元が、情報処理部11以外(本例ではテレビ制御部12)であるか否かを判定する。情報処理部11以外である場合、処理をステップS49に進める。情報処理部11である場合、処理を終了する。
【0169】
(ステップS49)連携プロセス113は、連携制御部152にモニタ31の出力元を情報処理部11に切り換えるよう指示する。連携制御部152は、当該指示に応じて表示切換部131に切換指示を出力する。すると、表示切換部131は、モニタ31の出力元を情報処理部11に切り換える。
【0170】
このようにして、連携プロセス113および連携制御部152は、拡張テレビアプリ114によるテレビ映像情報の出力が可能になると、モニタ31の出力元をテレビ制御部12から情報処理部11に切り換える。なお、ステップS48の時点で、例えばユーザの操作によってモニタ31の出力元が既に情報処理部11に設定されている場合には、その状態が維持される。
【0171】
また、図11の処理手順と同様に、ステップS48において、モニタ31の出力元を情報処理部11に切り換えた後、連携制御部152はテレビ制御部12の電源をオフにしてもよい。これにより、省電力化を図れる。
【0172】
更に、上記ステップS45において、起動要因管理テーブル151aにコマンドに応じた引き継ぎ内容が指定されている場合には、連携制御部152は当該指定された引き継ぎ内容のみを連携プロセス113に応答してもよい。
【0173】
次に、図8,13で説明した連携制御の流れの具体例を説明する。なお、図8と同様、以下の処理手順が開始される前に、情報処理装置10は簡易テレビによるテレビ視聴に利用されているか、あるいはテレビ制御部12が電源オフの状態とする。また、情報処理部11は電源オンの稼働状態(ACPIのS0状態)であるが、拡張テレビアプリ114が未起動の状態とする。
【0174】
図14は、第2の連携制御を示すシーケンス図である。以下、図14に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップST131)リモコン制御部14は、リモコン20から連携コマンドを受信する。リモコン制御部14は、連携コマンドを汎用MPU15に出力する。
【0175】
(ステップST132)汎用MPU15は、連携コマンドを受け付けたため、モニタ制御部13を制御してモニタ31に対する出力元をテレビ制御部12とする(簡易テレビ視聴中であれば、出力元が維持される)。このとき、テレビ制御部12の電源がオフであるかを確認し、電源がオフであればテレビ制御部12の電源をオンにする。そして、汎用MPU15はテレビ制御部12に視聴状態を問い合わせる。
(ステップST133)テレビ制御部12は、視聴情報記憶部121に記憶された視聴情報管理テーブル101を参照して、汎用MPU15に視聴状態を応答する。
【0176】
(ステップST134)汎用MPU15は、第1のOS112の省電力状態を問い合わせる。
(ステップST135)第1のOS112は、稼働状態(ACPIのS0状態)である旨を応答する。
【0177】
(ステップST136)汎用MPU15は、モニタ制御部13にメッセージウィンドウM2の表示を指示する。モニタ制御部13は、OSD機能によりメッセージウィンドウM2をモニタ31に表示させる。メッセージウィンドウM2は、例えば期間T21の間、モニタ31に表示される。
(ステップST137)汎用MPU15は、連携プロセス113に連携通知を出力する。連携通知には、ステップST131で取得した連携コマンドが含まれる。
【0178】
(ステップST138)連携プロセス113は、連携通知を受け付けると、汎用MPU15に視聴状態を問い合わせる。
(ステップST139)汎用MPU15は、テレビ制御部12に視聴状態を問い合わせる。
(ステップST140)テレビ制御部12は、視聴情報記憶部121に記憶された視聴情報管理テーブル101を参照して、汎用MPU15に視聴状態を応答する。
(ステップST141)汎用MPU15は、当該視聴状態を連携プロセス113に応答する。
【0179】
(ステップST142)連携プロセス113は、拡張テレビアプリ114を起動させる。このとき、連携プロセス113は、取得した視聴状態を拡張テレビアプリ114に引き継ぐ。また、連携コマンドを拡張テレビアプリ114に出力する。
【0180】
(ステップST143)拡張テレビアプリ114は、起動を完了する。拡張テレビアプリ114は、連携プロセス113により入力された視聴状態で、テレビ映像情報の出力を開始する。また、連携プロセス113により入力された連携コマンドに対応する機能を実行する。
【0181】
(ステップST144)連携プロセス113は、モニタ31に対する出力元が情報処理部11であるか否か、汎用MPU15に問い合わせる。
(ステップST145)汎用MPU15は、モニタ31に対する出力元がテレビ制御部12である旨を連携プロセス113に応答する。
【0182】
(ステップST146)連携プロセス113は、出力元の切換指示を汎用MPU15に出力する。
(ステップST147)汎用MPU15は、モニタ制御部13に出力元の切換指示を出力する。モニタ制御部13は、モニタ31に対する出力元をテレビ制御部12から情報処理部11に切り換える。このとき、汎用MPU15は、画面の出力元が情報処理部11に切り換わった旨を通知するメッセージの表示を指示する。モニタ制御部13は、OSD機能により当該メッセージをモニタ31に表示させる。メッセージは、例えば期間T22の間、モニタ31に表示される。
【0183】
このようにして、情報処理部11が稼働状態(ACPIのS0状態)の場合の連携制御が行われる。具体的には、拡張テレビによる視聴開始を受け付けた際に、拡張テレビアプリ114が起動して、当該アプリによりテレビ映像情報の出力が可能になるまで、モニタ31に対する出力元がテレビ制御部12とされる(期間T4に対応)。そして、拡張テレビアプリ114が起動して、当該アプリによりテレビ映像情報の出力が可能になると(期間T5に対応)、モニタ31に対する出力元が情報処理部11に切り換えられる(期間T6に対応)。
【0184】
これにより、情報処理装置10による映像の視聴開始までの待ち時間を低減できる。すなわち、拡張テレビによるテレビ視聴が可能になるまで、起動が早い簡易テレビのテレビ映像情報により間をもたせるようにしたので、ユーザはテレビ視聴を迅速に開始できる。その結果、視聴開始まで待機する煩わしさを軽減できる。
【0185】
その際、連携プロセス113および連携制御部152は、簡易テレビの視聴状態を拡張テレビに引き継ぐ。また、起動要因となった連携コマンドに対応する機能を起動後の拡張テレビに実行させる。
【0186】
また、簡易テレビを既に視聴しているような場合でも、拡張テレビによるテレビ視聴が可能となるまで簡易テレビでのテレビ視聴を継続し、拡張テレビによるテレビ視聴が可能になったタイミングで拡張テレビに切り換える。このため、ユーザのテレビ視聴が中断されるのを抑制できる。
【0187】
更に、切り換えの際、連携プロセス113および連携制御部152は、簡易テレビの視聴状態を拡張テレビに引き継ぐ。また、起動要因となった連携コマンドに対応する機能を起動後の拡張テレビに実行させる。
【0188】
これにより、簡易テレビと拡張テレビとの間でチャンネル設定などが異なっていたとしても、共通の視聴状態で拡張テレビの視聴を開始できる。すなわち、チャンネル、映像および音声などに関する設定を拡張テレビ側で再設定および再操作する手間を省ける。よって、ユーザにとって利便性が良い。また、切り換え前後における、画質や音質などの相違による違和感が抑えられるので、スムーズな切り換えが可能となる。
【0189】
ここで、拡張テレビが実行し得る主な連携内容は、図6の起動要因管理テーブル151aに示した通りである。また、引き継がれる主な視聴状態は、図7の視聴情報管理テーブル101で説明した通りである。
【0190】
次に、以上で説明した表示切換制御の具体例を説明する。
図15は、表示切換制御を例示する図である。以下、図15に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、以下の説明において、ステップST211〜ST213は情報処理装置10がモニタ31に順次表示させる画面イメージを示す。一方、ステップST221〜ST224は、情報処理部11が順次出力する映像情報(テレビ映像情報を含む)のイメージを示す。ステップST221〜ST224のイメージは、モニタ31には表示されないものである。
【0191】
まず、ステップST211〜ST213を説明する。ステップST211の直前では、ユーザは簡易テレビを視聴しており、情報処理部11は停止状態(ACPIのS5状態)であるとする。
【0192】
(ステップST211)ユーザは、リモコン20の連携対象ボタン(ここでは、拡張テレビ起動のためのボタンBとする)を押下する。すると、リモコン20は、ボタンBのコマンドに対応する赤外線信号を情報処理装置10に送信する。情報処理装置10は、当該連携コマンドの受信により、連携制御を開始する(ステップST221の処理が開始される)。モニタ31には、拡張テレビへの切り換えを開始する旨を示すメッセージウィンドウM1が所定期間表示される。
【0193】
(ステップST212)モニタ31には、簡易テレビの画面が継続して表示される。情報処理部11は、第1のOS112、連携プロセス113および拡張テレビアプリ114を起動中である。
【0194】
(ステップST213)情報処理部11は、第1のOS112、連携プロセス113および拡張テレビアプリ114の起動を完了し、テレビ映像情報の出力を開始する。情報処理装置10は、モニタ31の出力元をテレビ制御部12から情報処理部11に切り換える。モニタ31には、拡張テレビに切り換わった旨を示すメッセージウィンドウM6が所定期間表示される。
【0195】
次に、ステップST221〜ST224を説明する。ステップST221〜ST224は、ステップST211〜ST213の間に実行される処理である。
【0196】
(ステップST221)情報処理部11は、第1のOS112の起動を行う。情報処理部11が出力する映像情報は、第1のOS112のOS画面の情報である。更に、第1のOS112の起動が完了すると、連携プロセス113の起動も行う。
【0197】
(ステップST222)連携プロセス113は拡張テレビアプリ114を起動させる。拡張テレビアプリ114は、例えば、当該アプリで前回設定され、視聴情報記憶部111に格納された設定内容(例えば、チャンネル設定が555チャンネルなど)で起動される。
【0198】
(ステップST223)拡張テレビアプリ114は、連携プロセス113からテレビ制御部12の視聴情報を取得し、当該視聴情報に基づいて視聴状態を引き継ぐ(例えば、チャンネル設定を777チャンネルに変更)。
【0199】
(ステップST224)情報処理部11は、視聴状態を引き継いでテレビ映像情報の出力を開始する。そして、情報処理部11は、汎用MPU15にモニタ31の出力元を切り換えるよう指示する。汎用MPU15は、モニタ制御部13を制御して、モニタ31の出力元をテレビ制御部12から情報処理部11に切り換える。そして、情報処理部11が出力したテレビ映像情報に対応する画面がモニタ31に表示される(ステップST213に対応する)。
【0200】
このように、情報処理装置10は、ステップST224において拡張テレビによるテレビ映像情報の出力が可能になった後に、簡易テレビから拡張テレビに切り換える。例えば、ステップST211において、連携対象ボタンの操作を受け付けた後にモニタ31の出力元を情報処理部11に切り換えるとすると、第1のOS112の画面がモニタ31に表示されてしまい、ユーザのテレビ視聴が中断されることになる。そこで、ステップST224に至るまではモニタ31の出力元をテレビ制御部12とすることで、ユーザのテレビ視聴が中断されるのを抑制できる。
【0201】
また、例えば、ユーザが簡易テレビの視聴を行っていない場合、ステップST211で連携起動を開始する際に、情報処理装置10は、テレビ制御部12を起動し、簡易テレビによる視聴を可能とする。そして、情報処理装置10は、ステップST224において拡張テレビによるテレビ映像情報の出力が可能になった後に、簡易テレビから拡張テレビに切り換える。このようにすれば、ユーザは、ステップST224の処理が行われるまで待機することなく、即座にテレビ視聴を開始できる。
【0202】
なお、ステップST222では、連携プロセス113が汎用MPU15に問い合わせて取得した視聴情報を反映した状態で、拡張テレビアプリ114を起動させてもよい。
【0203】
また、情報処理部11の状態がスタンバイ状態(ACPIのS3状態)や休止状態(ACPIのS4状態)の場合も、停止状態からの連携制御と同様の処理が行われる。ただし、ステップST221において第1のOS112の起動(復帰)方法が異なる。
【0204】
また、情報処理部11の状態が稼働状態(ACPIのS0状態)の場合も、停止状態からの連携制御と同様の処理が行われる。ただし、第1のOS112は既に稼働状態であるため、ステップS221の処理が行われずに、ステップST222から連携制御の処理が行われる点が異なる。
【0205】
ところで、第2の実施の形態の説明では、情報処理部11が稼働状態(ACPIのS0状態)で連携起動が発生した場合、拡張テレビアプリ114が起動した後に、モニタ31に対する出力元をテレビ制御部12から情報処理部11へ、切り換えることとした。
【0206】
しかしながら、情報処理部11の状態によっては、当該連携制御を確実に行えない場合も生じ得る。例えば、第1のOS112が起動中である場合やシャットダウン中である場合などである。その場合、ユーザの意図した動作を行えない旨をユーザに認識可能とすることが望ましい。
【0207】
そこで、以下に示す変形例では、情報処理部11が稼働状態の場合に、モニタ31に対する出力元をテレビ制御部12から情報処理部11へ切り換えるタイミングを変更して、ユーザが第1のOS112の状態を認識し易いようにする。
【0208】
なお、以下の処理手順が開始される前に、情報処理装置10は簡易テレビによるテレビ視聴に利用されているとする。また、情報処理部11は電源オンの稼働状態(ACPIのS0状態)であるが、拡張テレビアプリ114が未起動の状態とする。
【0209】
図16は、第2の連携制御の他の例を示すシーケンス図である。以下、図16に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップST151)リモコン制御部14は、リモコン20から連携コマンドを受信する。リモコン制御部14は、連携コマンドを汎用MPU15に出力する。
【0210】
(ステップST152)汎用MPU15は、テレビ制御部12に視聴状態を問い合わせる。
(ステップST153)テレビ制御部12は、視聴情報記憶部121に記憶された視聴情報管理テーブル101を参照して、汎用MPU15に視聴状態を応答する。
【0211】
(ステップST154)汎用MPU15は、第1のOS112の省電力状態を問い合わせる。
(ステップST155)第1のOS112は、稼働状態である旨を応答する。
【0212】
(ステップST156)汎用MPU15は、連携プロセス113に連携通知を出力する。連携通知には、ステップST151で取得した連携コマンドが含まれる。
【0213】
(ステップST157)汎用MPU15は、モニタ制御部13に出力元の切換指示を出力する。モニタ制御部13は、モニタ31に対する出力元をテレビ制御部12から情報処理部11に切り換える。このとき、汎用MPU15は、画面の出力元が情報処理部11に切り換わった旨を通知するメッセージの表示を指示する。モニタ制御部13は、OSD機能により当該メッセージをモニタ31に表示させる。メッセージは、例えば期間T31の間、モニタ31に表示される。
【0214】
(ステップST158)連携プロセス113は、ステップST156で連携通知を取得すると、汎用MPU15に視聴状態を問い合わせる。
(ステップST159)汎用MPU15は、テレビ制御部12に視聴状態を問い合わせる。
(ステップST160)テレビ制御部12は、視聴情報記憶部121に記憶された視聴情報管理テーブル101を参照して、汎用MPU15に視聴状態を応答する。
(ステップST161)汎用MPU15は、当該視聴状態を連携プロセス113に応答する。
【0215】
(ステップST162)連携プロセス113は、拡張テレビアプリ114を起動させる。このとき、連携プロセス113は、取得した視聴状態を拡張テレビアプリ114に引き継ぐ。また、連携コマンドを拡張テレビアプリ114に出力する。その後、拡張テレビアプリ114は、起動を完了する。拡張テレビアプリ114は、連携プロセス113により入力された視聴状態で、テレビ映像情報の出力を開始する。また、連携プロセス113により入力された連携コマンドに対応する機能を実行する。
【0216】
このようにして、情報処理部11が稼働状態(ACPIのS0)の場合の連携制御が行われる。具体的には、拡張テレビによる視聴開始を受け付けると、モニタ31に対する出力元が情報処理部11に切り換えられる(期間T7の終端に対応)。すると、第1のOS112の画面がモニタ31に表示される(当該表示期間は期間T8に対応)。更に、当該画面内で拡張テレビアプリ114の起動に伴って、当該アプリの画面が、例えばウィンドウあるいは全画面で表示され、モニタ31によるテレビ番組の表示が開始される(期間T9に対応)。
【0217】
これにより、ユーザは、連携対象ボタンを操作した際に、第1のOS112の状態を容易に認識できる。そして、ユーザは、自身が意図した動作を情報処理装置10が実行できる否かを適切に判断できるようになる。
【0218】
例えば、情報処理部11が稼働状態であったとしても、それがシャットダウン中や起動中などの状態であると、連携制御を実行できない場合が生じ得る。そこで、情報処理部11が稼働状態の場合に連携対象ボタンの操作を受け付けた際には、モニタ31の出力元を情報処理部11に切り換える。このようにすれば、ユーザは第1のOS112での拡張テレビアプリ114の起動が行えるかを即座に判断できる。
【符号の説明】
【0219】
1…情報処理装置、1a,1b…映像情報生成部、1c…制御部、2…表示装置、10…情報処理装置、11…情報処理部、12…テレビ制御部、13…モニタ制御部、14…リモコン制御部、15…汎用MPU、111,121…視聴情報記憶部、112…第1のOS、113…連携プロセス、114…拡張テレビアプリ、122…第2のOS、123…テレビアプリ、131…表示切換部、141…リモコン操作受付部、151…記憶部、152…連携制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置および表示切換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビチューナを内蔵して、テレビ番組を視聴する機能や、テレビ番組を録画する機能を備えた情報処理装置が利用されている。特に近年では、情報処理装置と表示装置とが接続された情報処理システムにおいて、表示装置にもテレビチューナを内蔵して、表示装置単体でテレビ番組を視聴可能としたものがある。
【0003】
そのような情報処理装置として、例えば、情報処理装置側のテレビチューナでテレビチャンネルの設定を行った際に、表示装置側のテレビチューナにも当該テレビチャンネルの設定を同時に行うことで、ユーザの操作性を向上したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−209015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、情報処理装置では、オペレーティングシステム(Operating System)やテレビ番組を視聴するためのアプリケーションにより、テレビ視聴環境が実現されるのが一般的である。しかしながら、これらのソフトウェアは起動に時間がかかることがある。このため、テレビ視聴の開始までに待ち時間が生ずることがある。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、映像の視聴開始までの待ち時間を低減した情報処理装置および表示切換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の映像情報生成部と第2の映像情報生成部と制御部とを有する情報処理装置が提供される。第1の映像情報生成部は、表示装置に映像を表示させるための第1の映像情報を生成する。第2の映像情報生成部は、第1の映像情報生成部よりも起動時間が短く、表示装置に映像を表示させるための第2の映像情報を生成する。制御部は、第1の映像情報生成部の起動を伴う機能に関する操作入力を受け付けると、第1の映像情報の出力が可能になるまで、表示装置に対する出力元を第2の映像情報生成部とし、第1の映像情報の出力が可能になると、表示装置に対する出力元を第1の映像情報生成部に切り換える。
【0008】
また、情報処理装置の表示切換方法が提供される。この表示切換方法では、情報処理装置が、表示装置に映像を表示させるための第1の映像情報を生成する第1の映像情報生成部の起動を伴う機能に関する操作入力を受け付ける。すると、第1の映像情報の出力が可能になるまで、表示装置に対する出力元を、第1の映像情報生成部よりも起動時間が短く、表示装置に映像を表示させるための第2の映像情報を生成する第2の映像情報生成部とする。そして、第1の映像情報の出力が可能になると、表示装置に対する出力元を第1の映像情報生成部に切り換える。
【発明の効果】
【0009】
上記情報処理装置および表示切換方法によれば、映像の視聴開始までの待ち時間を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施の形態の情報処理装置を示す図である。
【図2】第2の実施の形態の情報処理装置のハードウェア例を示す図である。
【図3】リモートコントローラのボタン例を示す図である。
【図4】情報処理装置の機能を示すブロック図である。
【図5】コマンド出力先選択テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図6】起動要因管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図7】視聴情報管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図8】連携開始処理を示すフローチャートである。
【図9】メッセージの例を示す図である。
【図10】メッセージの他の例を示す図である。
【図11】第1の表示切換制御を示すフローチャートである。
【図12】第1の連携制御を示すシーケンス図である。
【図13】第2の表示切換制御を示すフローチャートである。
【図14】第2の連携制御を示すシーケンス図である。
【図15】表示切換制御を例示する図である。
【図16】第2の連携制御の他の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の情報処理装置を示す図である。情報処理装置1は、表示装置2と接続されている。情報処理装置1は、映像情報生成部1a,1bおよび制御部1cを有する。
【0012】
映像情報生成部1aは、表示装置2に映像を表示させるための第1の映像情報を生成する。映像情報生成部1aは、例えば情報処理装置1が、第1のオペレーティングシステムまたは当該第1のオペレーティングシステム上で動作する第1のアプリケーションの両方あるいは何れか一方を実行することで実現される。
【0013】
映像情報生成部1bは、表示装置2に映像を表示させるための第2の映像情報を生成する。映像情報生成部1bは、映像情報生成部1aよりも起動時間が短い。映像情報生成部1bは、例えば情報処理装置1が、第2のオペレーティングシステムまたは当該第2のオペレーティングシステム上で動作する第2のアプリケーションの両方あるいは何れか一方を実行することで実現される。映像情報生成部1bでは、例えば映像情報生成部1aよりも機能を制限した簡易なオペレーティングシステムやアプリケーションを実行することで、映像情報生成部1aよりもその起動時間を短縮する。
【0014】
制御部1cは、映像情報生成部1aの起動を伴う機能に関する操作入力を受け付ける。当該操作入力としては、例えば、(1)映像情報生成部1aでの映像視聴の開始を指示する操作入力、(2)映像情報生成部1bでは当該機能が制限されて利用できないが、映像情報生成部1aでは利用可能な機能の利用開始を指示する操作入力、などが考えられる。(2)の操作入力の一例としては、映像情報生成部1aによる録画開始が考えられる。当該操作入力により、情報処理装置1は映像情報生成部1aの起動を開始させる。制御部1cが映像情報生成部1aの起動を開始させてもよい。
【0015】
制御部1cは、映像情報生成部1aによる第1の映像情報の出力が可能になるまで、表示装置2に対する出力元を映像情報生成部1bとする。このとき、映像情報生成部1bが停止していた場合、制御部1cは映像情報生成部1bを起動させてもよい。
【0016】
制御部1cは、映像情報生成部1aによる第1の映像情報の出力が可能になると、表示装置2に対する出力元を映像情報生成部1aに切り換える。このとき、制御部1cは、受け付けた操作入力の内容や映像情報生成部1bが第2の映像情報の生成に用いた設定内容を引き継いでもよい。当該設定内容としては、例えば、画質、音声、音量および字幕などの視聴状態を示す情報が考えられる。また、第1,第2の映像情報がテレビ映像の情報であれば、チャンネルおよび番組表などの視聴状態を示す情報が考えられる。更に、切り換え後に操作入力に対応する機能を映像情報生成部1aに実行させてもよい。
【0017】
情報処理装置1によれば、制御部1cにより、映像情報生成部1aの起動を伴う機能に関する操作入力が受け付けられる。すると、制御部1cにより、第1の映像情報の出力が可能になるまで、表示装置2に対する出力元が、映像情報生成部1aよりも起動時間の短い映像情報生成部1bとされる。そして、第1の映像情報の出力が可能になると、制御部1cにより、表示装置2に対する出力元が、映像情報生成部1aに切り換えられる。
【0018】
これにより、映像の視聴開始までの待ち時間を低減できる。具体的には、映像情報生成部1aによる映像視聴が可能になるまで、映像情報生成部1aよりも起動が早い映像情報生成部1bにより間をもたせるようにしたので、ユーザは映像の視聴を迅速に開始できる。その結果、視聴開始まで待機する煩わしさを軽減できる。
【0019】
特に、映像情報生成部1bの映像を既に視聴している場合、映像情報生成部1aによる第1の映像情報の出力が可能となるまで表示装置2では映像情報生成部1bによる映像表示が維持される。そして、第1の映像情報の出力が可能になったタイミングで表示装置2に対する出力元が映像情報生成部1aに切り換えられる。これにより、映像情報生成部1aが起動するまでの間、ユーザは映像情報生成部1bにより映像視聴を行える。よって、ユーザの映像視聴が中断されるのを防止できる。
【0020】
その際、映像情報生成部1bが第2の映像情報の生成に用いている設定内容を映像情報生成部1aに引き継げば、ユーザの再設定操作の手間を省ける。また、切り換え後に、契機となった操作入力に対応する機能を映像情報生成部1aに実行させれば、ユーザの再操作の手間を省ける。これらの手間を省くことで、ユーザの利便性を向上できる。
【0021】
以下に説明する第2の実施の形態では、映像情報生成部1a,1bとして2つのテレビ視聴環境を備えた情報処理装置を例示する。
【0022】
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態の情報処理装置のハードウェア例を示す図である。情報処理装置10は、2つのテレビ視聴環境を備えている。ユーザは、これらのテレビ視聴環境を用途に応じて使い分けることができる。ユーザは、リモートコントローラ20により、情報処理装置10にテレビ視聴環境の切り換え、チャンネル選択および画質・音声・音量の変更などの操作を行える。なお、以下の説明ではリモートコントローラ20をリモコン20と称する。
【0023】
情報処理装置10は、モニタ31と接続されている。情報処理装置10は、テレビ映像情報を生成してモニタ31に出力し、モニタ31にテレビ映像を表示させる。ここで、テレビ映像情報には、テレビ番組に係る映像情報および音声情報を含むとする。情報処理装置10では、当該テレビ視聴環境を含む種々の機能を実現できる。情報処理装置10は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)である。
【0024】
情報処理装置10は、情報処理部11、テレビ制御部12、モニタ制御部13、リモコン制御部14および汎用MPU(Micro Processing Unit)15を有する。
【0025】
情報処理部11は、種々の情報処理機能を実現する。情報処理部11は、例えばPCとしての主な機能を担う。情報処理部11は、CPU(Central Processing Unit)11a、ROM(Read Only Memory)11b、RAM(Random Access Memory)11c、HDD(Hard Disk Drive)11d、無線処理部11e、グラフィックI/F(InterFace)11f、サウンドI/F11g、入力I/F11h、記録媒体読取装置11iおよび通信I/F11jを有する。
【0026】
CPU11aは、オペレーティングシステム(以下、OSと略記する)プログラムやアプリケーションプログラムを実行して、情報処理部11全体を制御する。
ROM11bは、情報処理部11の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)プログラムなどの所定のプログラムを記憶する。ROM11bは、書き換え可能な不揮発性メモリであってもよい。
【0027】
RAM11cは、CPU11aが実行するOSプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部を一時的に記憶する。
HDD11dは、OSプログラムやアプリケーションプログラムを記憶する。また、HDD11dは、CPU11aの処理に用いられるデータを記憶する。なお、HDD11dに代えて(または、HDD11dと併せて)、SSD(Solid State Drive)など他の種類の不揮発性の記憶装置を用いてもよい。
【0028】
無線処理部11eは、アンテナ32と接続され、アンテナ32が受信するRF(Radio Frequency)帯のテレビ放送波を取得する。そして、無線処理部11eは、テレビ放送波に対し、所望のチャンネルの周波数に同調し、ベースバンド帯の周波数に周波数変換して、当該チャンネルのベースバンド信号を取得する。無線処理部11eは、取得したベースバンド信号を復調し、当該復調結果を用いて誤り訂正復号処理や、スクランブル解除処理(デスクランブル処理)を実行して、テレビ番組などのコンテンツ再生処理を行う。無線処理部11eは、例えばテレビチューナである。無線処理部11eが再生するテレビ番組は、CPU11aが実行するアプリケーションプログラムを用いて視聴・録画・ビデオ再生などが可能である。
【0029】
グラフィックI/F11fは、CPU11aからの命令に従って、OSやアプリケーションの画像情報(無線処理部11eが再生するコンテンツの映像情報を含む)をモニタ制御部13に出力する。
サウンドI/F11gは、CPU11aからの命令に従って、OSやアプリケーションの音声情報(無線処理部11eが再生するコンテンツの音声情報を含む)をモニタ制御部13に出力する。
入力I/F11hは、マウス33やキーボード34などの入力デバイスに接続される。入力I/F11hは、入力デバイスから送られる入力信号をCPU11aに出力する。
【0030】
記録媒体読取装置11iは、記録媒体35に格納されたデータを読み取る読取装置である。記録媒体35には、例えば、情報処理部11や汎用MPU15に実行させるプログラムが記録されている。情報処理部11および汎用MPU15は、例えば、記録媒体35に記録されたプログラムを、所定のメモリに読み込んで実行することでも、後述するような表示切換制御を実現することができる。すなわち、当該プログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体35に記録して配布することが可能である。
【0031】
記録媒体35としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリを使用できる。磁気記録装置には、HDD、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、CD(Compact Disc)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−R/RW/RAMおよびBlu−ray(ブルーレイディスクアソシエーションの登録商標)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。半導体メモリには、USB(Universal Serial Bus)メモリなどのフラッシュメモリがある。
【0032】
通信I/F11jは、ネットワークに接続される。通信I/F11jは、ネットワークを介して他の情報処理装置とデータ通信を行える。なお、記録媒体35に記録されたプログラムは、ネットワークに接続された他の情報処理装置に格納しておいてもよい。その場合、情報処理装置10は、当該他の情報処理装置からプログラムをダウンロードして実行することもできる。
【0033】
テレビ制御部12は、テレビチューナである。テレビ制御部12は、情報処理部11のテレビ機能よりも短時間で起動する。テレビ制御部12は、短時間での起動を実現するため、情報処理部11のテレビ機能よりも簡易なテレビ機能を備える。例えば、視聴機能を備えるが録画・ビデオ再生などの機能を備えていない。テレビ制御部12は、MPU12a、フラッシュメモリ12b、RAM12cおよびRF部12dを有する。
【0034】
MPU12aは、OSプログラムやアプリケーションプログラムを実行して、テレビ制御部12全体を制御する。また、MPU12aは、当該アプリケーションプログラムを実行することでテレビ制御部12のテレビチューナとしての機能を実現する。なお、OSプログラムが当該アプリケーションプログラムを含んでいてもよい。
フラッシュメモリ12bは、テレビ制御部12の起動時に実行されるBIOSプログラム、OSプログラムおよびアプリケーションプログラムを記憶する。また、フラッシュメモリ12bは、MPU12aの処理に用いられるデータを記憶する。
RAM12cは、MPU12aが実行するOSプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部を一時的に記憶する。
【0035】
RF部12dは、アンテナ36と接続され、アンテナ36が受信するRF帯のテレビ放送波を取得する。RF部12dは、テレビ放送波に対し、所望のチャンネルの周波数に同調し、ベースバンド帯の周波数に周波数変換して、当該チャンネルのベースバンド信号を取得する。RF部12dは、取得したベースバンド信号を復調し、当該復調結果を用いて誤り訂正復号処理を行い、MPU12aに出力する。MPU12aは、誤り訂正復号処理の結果得られたデータに対してスクランブル解除処理(デスクランブル処理)を実行して、テレビ番組などのコンテンツ再生処理を行う。
MPU12aは、コンテンツの映像および音声の情報をモニタ制御部13に出力する。
【0036】
モニタ制御部13は、モニタ31に対するテレビ映像情報の出力元を制御する。モニタ制御部13は、汎用MPU15の指示に基づいて、情報処理部11およびテレビ制御部12の何れかに出力元を切り換える。更に、モニタ制御部13は、汎用MPU15の指示に応じて、モニタ31が表示する映像の上に図形や文字列を重畳表示するOSD(On Screen Display)機能を備える。
【0037】
リモコン制御部14は、リモコン20による操作を受け付ける。リモコン制御部14は、MPU14aおよび受光部14bを有する。
MPU14aは、リモコン20から受信したコマンドを情報処理部11および汎用MPU15に出力する。
受光部14bは、リモコン20が送信した赤外線信号を受光して、赤外線信号を解析し、コマンドを取得する。受光部14bは、当該コマンドをMPU14aに出力する。
【0038】
汎用MPU15は、情報処理部11およびテレビ制御部12、モニタ制御部13およびリモコン制御部14の動作を制御する。具体的には、汎用MPU15は、リモコン制御部14から取得したコマンドに基づいて、情報処理部11、テレビ制御部12の起動・停止、モニタ制御部13によるテレビ映像の切り換えなどを制御する。また、汎用MPU15は、モニタ制御部13が、情報処理部11およびテレビ制御部12の何れのテレビ映像情報をモニタ31に表示させているかによって、リモコン制御部14のコマンドの出力先を制御する。
【0039】
更に、汎用MPU15は、例えば情報処理部11およびテレビ制御部12の電源管理、バッテリ制御およびファンコントロールなどに利用することもできる。情報処理装置10は、情報処理部11およびテレビ制御部12への給電を停止していても、汎用MPU15には給電を行う。これにより、当該各種の制御機能を実現する。
汎用MPU15は、汎用MPU15の上記機能を実現するためのプログラムを格納し、汎用MPU15の処理に用いるデータを格納したメモリを有している。
【0040】
図3は、リモートコントローラのボタン例を示す図である。リモコン20は、ボタン群A,C,DおよびボタンB,Y,Zを有する。ここで、ボタン群A,C,Dとは、文字(Aなど)と数値(11など)との結合により符号が表されているボタンの集合である。例えばボタン群Aに含まれるボタンの符号は、文字Aと数値との結合(A11など)で表されている。
【0041】
ボタン群Aは、情報処理部11およびテレビ制御部12の操作に利用できるボタン群である。ボタン群Aに対する操作がなされると、情報処理装置10は、モニタ31に表示を行っている方のデバイスに、当該操作に応じた処理を実行させる。すなわち、モニタ31に情報処理部11の画面が表示されていれば情報処理部11に、モニタ31にテレビ制御部12の画面が表示されていればテレビ制御部12に、当該操作に応じた処理を実行させる。
【0042】
ボタン群Aには、ボタンA11,A21〜A26,A31〜A36およびチャンネル操作ボタン群A12が含まれる。
ボタンA11は、番組表の表示を指示するボタンである。チャンネル操作ボタン群A12は、チャンネル選択に用いるボタンである。チャンネル操作ボタン群A12は、情報処理部11のテレビ機能の操作中に文字入力を行うために用いることもできる。
【0043】
ボタンA21は、画質・音質・音量などの設定一覧の表示を指示するボタンである。ボタンA22は、前の画面に戻ったり表示中のメニューなどを非表示にしたりするためのボタンである。ボタンA23は、利用可能な全メニューの一覧の表示/非表示を切り換えるためのボタンである。ボタンA24は、所定のオプション機能の起動を指示するボタンである。ボタンA25は、画面上のカーソルの選択範囲の移動を指示するボタンである。ボタンA26は、カーソルで選択されている項目の実行を指示するボタンである。
【0044】
ボタンA31は、音量を調節するためのボタンである。ボタンA32は、音量を最小(消音)にするためのボタンである。ボタンA33は、チャンネルの切り換えを指示するボタンである。ボタンA34は、画面表示を情報処理装置10本体(情報処理部11またはテレビ制御部12の何れか)の表示から、外部入力による表示への切り換えを指示するためのボタンである。外部入力端子は情報処理装置10に設けられる。外部入力には、例えば、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(エイチディーエムアイ・ライセンシングの登録商標)やビデオ入力が考えられる。ボタンA35は、字幕の表示/非表示を指示するボタンである。ボタンA36は、複数の音声がある番組やビデオを見ている時に音声の切り換えを指示するボタンである。
【0045】
ボタンBは、情報処理部11のテレビ機能の起動を指示するボタンである。情報処理部11のテレビ機能が未起動の場合、情報処理装置10は、テレビ制御部12と情報処理部11とを連携させて、情報処理部11のテレビ機能の起動を行う。当該連携に関する処理の詳細は後述する。ボタンBには、情報処理部11のテレビ機能を起動するためのボタンであることがユーザにとって識別し易いように、例えば「拡張TV(TeleVision)起動」という文字列が付される。ユーザは、情報処理部11のテレビ機能によるテレビ視聴を開始したい場合に、ボタンBを押下すれば、情報処理部11に当該テレビ機能を実行させることができる。
【0046】
ボタン群Cは、テレビ制御部12のテレビ機能では実行できない機能であるが、情報処理部11のテレビ機能で実行可能な機能の操作に利用できるボタン群である。情報処理装置10は、情報処理部11のテレビ機能が未起動であってもボタン群Cに対する操作を受け付ける。情報処理部11のテレビ機能が未起動の場合、情報処理装置10は、テレビ制御部12と情報処理部11とを連携させて、情報処理部11のテレビ機能の起動を行う。ボタン群Cには、ボタンC11〜C14が含まれる。
【0047】
ボタンC11は、地上デジタル放送や衛星デジタル放送の切り換えを指示するボタンである。ボタンC12は、録画予約や録画済みのビデオ一覧の表示を指示するボタンである。ボタンC13は、データ放送に含まれるコンテンツ一覧の表示を指示するボタンである。ボタンC14は、テレビ番組の録画開始を指示するボタンである。
【0048】
ボタン群Dは、テレビ制御部12のテレビ機能では実行できない機能であるが、情報処理部11のテレビ機能で実行可能な機能の操作に利用できるボタン群である。情報処理部11のテレビ機能が未起動である場合、情報処理装置10はボタン群Dに対する操作を受け付けない。この点がボタン群Cと異なる。ボタン群Dには、ボタンD11〜D25,D31〜D39が含まれる。
【0049】
ボタンD11〜D13は、文字入力に用いるボタンである。ボタンD14は、ダイレクト選局(3桁入力)でのチャンネル切り換えに用いるボタンである。ボタンD15は、文字入力時に文字を消去するために用いるボタンである。ボタンD16は、キーワード検索などを行う場合に、入力した文字を決定するために用いるボタンである。ボタンD17は、番組の詳細情報の表示を指示するボタンである。ボタンD18〜D21は、データ放送、双方向サービスおよび番組表の操作に用いるボタンである。ボタンD22はウィンドウシステムのOSで、手前のウィンドウを他のウィンドウに切り換えるために用いるボタンである。ボタンD23は、手前のウィンドウを閉じるために用いるボタンである。ボタンD24は、OSの所定の機能の起動を指示するボタンである。ボタンD25は、テレビ機能を実現するアプリケーション(以下、アプリと略記することがある)に関連する他のアプリケーションの起動を指示するボタンである。
【0050】
ボタンD31〜D37は、ビデオ操作に用いるボタンである。ボタンD31は、早戻しを指示するボタンである。ボタンD32は、早送りを指示するボタンである。ボタンD33は、ビデオ再生時に前チャプターへの移動を指示するボタンである。ボタンD34は、ビデオ再生時に次チャプターへの移動を指示するボタンである。ボタンD35は、再生の開始を指示するボタンである。ボタンD36は、再生の一時停止を指示するボタンである。ボタンD37は、再生の停止を指示するボタンである。
【0051】
ボタンD38は、録画の停止を指示するボタンである。ボタンD39は、画面表示のモード(画面モード)を、ノーマル(加工なし)、フル(モニタ31の表示領域に合わせる)、ズーム(拡大する)などの各モードに切り換えるために用いるボタンである。
【0052】
ボタンYは、テレビ制御部12の起動を指示するボタンである。テレビ制御部12は、上述した通り、情報処理部11よりも簡易なテレビ機能を備えて、起動時間を短縮している。このため、それがユーザにとって識別し易いように、ボタンYには例えば「簡易TV起動」という文字列が付される。
ボタンZは、情報処理部11の電源をオンにするために用いるボタンである。情報処理部11の電源がオンの場合、ボタンZの操作によって、情報処理部11の電源をオフにしたり、スタンバイ状態に移行させたりしてもよい。
【0053】
なお、以上で説明したリモコン20のボタンの配置や機能の割り当て方法は一例である。すなわち、各ボタンの配置は適宜変更してもよいし、情報処理部11およびテレビ制御部12で利用可能な機能を上記の例より増減させてもよい。例えば、テレビ制御部12でもボタンD18〜D21による番組表の操作を可能としてもよい。
【0054】
図4は、情報処理装置の機能を示すブロック図である。情報処理部11は、視聴情報記憶部111、第1のOS112、連携プロセス113および拡張テレビアプリ114を有する。これらのユニットの機能は、CPU11aが所定のOSプログラムやアプリケーションプログラムを実行することで実現される。ただし、これらのユニットの機能の全部または一部を専用のハードウェアで実装してもよい。
【0055】
視聴情報記憶部111は、情報処理部11における現在のテレビ視聴状態(例えば、チャンネル設定、画面設定および音声設定など)を示す視聴情報を記憶する。
【0056】
第1のOS112は、情報処理部11を制御するOSである。第1のOS112は、例えば、Windows(マイクロソフトコーポレイションの登録商標)である。
【0057】
連携プロセス113は、第1のOS112および汎用MPU15と通信して、情報処理部11とテレビ制御部12とのテレビ機能の連携に係る処理を行う。連携プロセス113は、拡張テレビアプリ114が起動されていなくても、例えば第1のOS112の起動直後に起動し、常駐する。
【0058】
拡張テレビアプリ114は、情報処理部11におけるテレビ機能を実現するアプリケーションである。拡張テレビアプリ114は、テレビ制御部12よりも豊富な機能を備える。具体的には、テレビ番組の視聴に加えて、録画、ビデオ再生、ビデオ管理、デジタル放送で配信される番組連動データの取得・表示などの機能を備えている。拡張テレビアプリ114で利用可能な機能には、リモコン20のボタン群A,C,DおよびボタンBに対応する機能を含む。拡張テレビアプリ114は、視聴情報記憶部111に記憶された視聴情報に基づいて、出力する映像の画質や音質などを決定する。また、拡張テレビアプリ114は、リモコン20などから受け付けたコマンドに応じて視聴情報記憶部111に記憶された視聴情報の設定を更新する。
【0059】
拡張テレビアプリ114は、CPU11aや無線処理部11eに上述したコンテンツ再生処理を実行させ、テレビ映像情報を生成する。拡張テレビアプリ114は、生成したテレビ映像情報をモニタ制御部13に出力する。
【0060】
なお、拡張テレビアプリ114は、第1のOS112の一部機能として実現されてもよい。更に、拡張テレビアプリ114が連携プロセス113の機能を有していてもよい。
【0061】
テレビ制御部12は、視聴情報記憶部121、第2のOS122およびテレビアプリ123を有する。これらのユニットの機能は、MPU12aが所定のOSプログラムやアプリケーションプログラムを実行することで実現される。ただし、これらのユニットの機能の全部または一部を専用のハードウェアで実装してもよい。
【0062】
視聴情報記憶部121は、テレビ制御部12における現在のテレビ視聴状態を示す視聴情報を記憶する。
【0063】
第2のOS122は、テレビ制御部12を制御するOSである。第2のOS122は、例えば、組み込みOS(embedded OS)である。第2のOS122は、テレビ制御部12が電源オンされると起動する。
【0064】
テレビアプリ123は、テレビ制御部12におけるテレビ機能を実現するアプリケーションである。テレビアプリ123は、拡張テレビアプリ114が備える機能よりも簡易な機能を備える。具体的には、テレビ番組の視聴を行うための機能である。テレビアプリ123で利用可能な機能には、リモコン20のボタン群Aに対応する機能を含む。テレビアプリ123は、視聴情報記憶部121に記憶された視聴情報に基づいて、出力する映像の画質や音質などを決定する。また、テレビアプリ123は、リモコン20などから受け付けたコマンドに応じて視聴情報記憶部121に記憶された視聴情報の設定を変更する。
【0065】
テレビアプリ123は、MPU12aに上述したコンテンツ再生処理を実行させ、テレビ映像情報を生成する。テレビアプリ123は、生成したテレビ映像情報をモニタ制御部13に出力する。
テレビアプリ123は、第2のOS122が起動すると、当該OSにより起動される。
なお、テレビアプリ123は、第2のOS122の一部機能として実現されてもよい。
【0066】
モニタ制御部13は、表示切換部131を有する。表示切換部131は、汎用MPU15の指示に応じて、モニタ31に対するテレビ映像情報の出力元を、情報処理部11またはテレビ制御部12に切り換える。
【0067】
リモコン制御部14は、リモコン操作受付部141を有する。リモコン操作受付部141は、リモコン20から受光した赤外線信号を解析して得たコマンドを情報処理部11または汎用MPU15に出力する。リモコン制御部14は、モニタ31の出力元が何れのデバイスであるかに応じて、コマンドの出力先を決定する(後述する)。
【0068】
汎用MPU15は、記憶部151および連携制御部152を有する。
記憶部151は、連携制御部152の処理に必要なデータを一時的に格納する記憶領域である。
【0069】
連携制御部152は、リモコン20から拡張テレビアプリ114の起動を指示するコマンドを受け付けた場合に、テレビ制御部12と連携した拡張テレビアプリ114の起動(連携起動)を制御する。具体的には、連携制御部152は、拡張テレビアプリ114の起動が完了して、拡張テレビアプリ114によるテレビ映像情報の出力が開始されるまで、モニタ31の出力元をテレビ制御部12とする。そして、連携制御部152は、拡張テレビアプリ114によるテレビ映像情報の出力が開始された後に、モニタ31の出力元を情報処理部11に切り換える。ここで、拡張テレビアプリ114の起動を指示するコマンドには、テレビアプリ123では実行できないが拡張テレビアプリ114では実行可能な機能の実行を指示するコマンドが含まれる。
【0070】
連携制御部152は、当該連携起動時に、操作されたボタンの情報やテレビアプリ123の現在の視聴状態を拡張テレビアプリ114に引き継ぐ。連携制御部152は、テレビアプリ123から視聴情報を取得して記憶部151に保持する。
更に、連携制御部152は、表示切換部131から、モニタ31に対する現在の出力元を取得し、リモコン操作受付部141に通知する。
【0071】
ここで、以下の説明では、拡張テレビアプリ114によって実現されるテレビ視聴環境を拡張テレビ、テレビアプリ123によって実現されるテレビ視聴環境を簡易テレビと称することがある。
【0072】
図5は、コマンド出力先選択テーブルのデータ構造例を示す図である。コマンド出力先選択テーブル141aは、リモコン操作受付部141によるコマンド出力先の選択ルールを定義したテーブルである。コマンド出力先選択テーブル141aは、MPU14a内のメモリに予め設定される。
【0073】
コマンド出力先選択テーブル141aには、モニタ出力元、操作ボタンおよびコマンド出力先の項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つのコマンド出力先の選択ルールを示す。
モニタ出力元の項目には、モニタ31の現在の出力元が設定される。操作ボタンの項目には、リモコン20のボタンを識別する情報が設定される。コマンド出力先の項目には、コマンドの出力先とするデバイス(情報処理部11および汎用MPU15の何れか)が設定される。
【0074】
コマンド出力先選択テーブル141aには、例えば、モニタ出力元が“情報処理部11”、操作ボタンが“拡張テレビ起動(ボタンB)、簡易テレビ起動(ボタンY)、情報処理部の電源(ボタンZ)”、コマンド出力先につき情報処理部11が“−”(ハイフン)、汎用MPU15が“○”(丸印)という情報が設定される。
これは、モニタ31に対する現在の出力元が情報処理部11であり、かつ、リモコン20の操作ボタンB,Y,Zの何れかが操作された場合、リモコン20から受け付けたコマンドを汎用MPU15に出力することを示す。
【0075】
また、コマンド出力先選択テーブル141aには、例えば、モニタ出力元が“情報処理部11”、操作ボタンが“その他ボタン”(すなわち、ボタンB,Y,Z以外のボタン)、コマンド出力先につき情報処理部11が“○”(丸印)、汎用MPU15が“−”(ハイフン)という情報が設定される。
これは、モニタ31に対する現在の出力元が情報処理部11であり、かつ、リモコン20の操作ボタンB,Y,Z以外の何れかが操作された場合に、リモコン20から受け付けたコマンドを情報処理部11に出力することを示す。
【0076】
また、コマンド出力先選択テーブル141aには、例えば、モニタ出力元が“テレビ制御部12”、操作ボタンが“全ボタン”、コマンド出力先につき情報処理部11が“−”(ハイフン)、汎用MPU15が“○”(丸印)という情報が設定される。
これは、モニタ31に対する現在の出力元がテレビ制御部12である場合には、リモコン20から受け付けたコマンドを汎用MPU15に出力することを示す。ここで、情報処理部11が停止している(電源オフ状態)の場合にも、リモコン操作受付部141はリモコン20から受け付けたコマンドを汎用MPU15に出力する。
【0077】
なお、リモコン操作受付部141は、モニタ31に対する現在の出力元を汎用MPU15から取得できる。例えば、汎用MPU15とリモコン制御部14とを汎用入出力(GPIO:General Purpose Input/Output)I/Fを介して接続する。そして、汎用MPU15がリモコン制御部14に対してGPIOピンにより、現在の出力元を通知する。
【0078】
図6は、起動要因管理テーブルのデータ構造例を示す図である。起動要因管理テーブル151aは、拡張テレビアプリ114の起動の契機となった操作ボタンを設定するテーブルである。起動要因管理テーブル151aは、記憶部151に格納され、連携制御部152によって設定される。
【0079】
起動要因管理テーブル151aには、操作ボタン、連携内容および起動要因の項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの起動要因に関する情報を示す。
操作ボタンの項目には、連携起動の契機となり得るボタンの情報が設定される。連携内容の項目には、各ボタンを契機とした連携処理の内容が設定される。起動要因の項目には、何れの操作ボタンが今回の連携起動の契機となったかを示す情報が設定される。
【0080】
起動要因管理テーブル151aには、例えば、操作ボタンが“拡張テレビ起動(ボタンB)”、連携内容が“(1)視聴状態の引き継ぎ”、起動要因が“○”(丸印)という情報が設定される。これは、拡張テレビアプリ114が未起動の状態でボタンBに対する操作を受け付けた場合、視聴状態を引き継いで連携起動を行うことを示す。更に、起動要因がボタンBであることを示す。
【0081】
また、起動要因管理テーブル151aには、例えば、操作ボタンが“放送切換(ボタンC11)”、連携内容が“(1)視聴状態の引き継ぎ、(2)地上、衛星デジタル放送の切り換え”、起動要因が“−”(ハイフン)という情報が設定される。これは、拡張テレビアプリ114が未起動の状態でボタンC11に対する操作を受け付けた場合、(1)視聴状態を引き継いで連携起動を行い、(2)起動後の拡張テレビアプリ114で地上、衛星デジタル放送の切り換えを行うことを示す。更に、ボタンC11は起動要因ではないことを示す。
【0082】
また、起動要因管理テーブル151aには、例えば、操作ボタンが“ビデオ一覧(ボタンC12)”、連携内容が“(1)視聴状態の引き継ぎ、(2)録画した番組一覧の表示”、起動要因が“−”(ハイフン)という情報が設定される。これは、拡張テレビアプリ114が未起動の状態でボタンC12に対する操作を受け付けた場合、(1)視聴状態を引き継いで連携起動を行い、(2)起動後の拡張テレビアプリ114で録画した番組のビデオ一覧の表示を行うことを示す。更に、ボタンC12は起動要因ではないことを示す。
【0083】
また、起動要因管理テーブル151aには、例えば、操作ボタンが“データ放送(ボタンC13)”、連携内容が“(1)視聴状態の引き継ぎ、(2)データ放送の表示”、起動要因が“−”(ハイフン)という情報が設定される。これは、拡張テレビアプリ114が未起動の状態でボタンC13に対する操作を受け付けた場合、(1)視聴状態を引き継いで連携起動を行い、(2)起動後の拡張テレビアプリ114でデータ放送の表示を行うことを示す。更に、ボタンC13は起動要因ではないことを示す。
【0084】
また、起動要因管理テーブル151aには、例えば、操作ボタンが“録画開始(ボタンC14)”、連携内容が“(1)視聴状態の引き継ぎ、(2)引き継ぎ録画の開始”、起動要因が“−”(ハイフン)という情報が設定される。これは、拡張テレビアプリ114が未起動の状態でボタンC14に対する操作を受け付けた場合、(1)視聴状態を引き継いで連携起動を行い、(2)起動後の拡張テレビアプリ114でテレビ番組の録画を開始することを示す。更に、ボタンC14は起動要因ではないことを示す。
【0085】
ここで、起動要因管理テーブル151aには、各操作ボタンに対応付けて何れの視聴状態を引き継ぐかを設定することもできる。例えば、録画開始のボタンC14の場合には、チャンネル設定を引き継ぐが、ビデオ一覧のボタンC12ではチャンネル設定を引き継がないという設定が可能である。
【0086】
図7は、視聴情報管理テーブルのデータ構造例を示す図である。視聴情報管理テーブル101は、視聴情報記憶部111,121および記憶部151に格納される。ここで、視聴情報記憶部111に格納された視聴情報管理テーブル101は、拡張テレビアプリ114が参照し、テレビ映像情報の生成に用いる設定情報である。視聴情報記憶部121に格納された視聴情報管理テーブル101はテレビアプリ123が参照し、テレビ映像情報の生成に用いる設定情報である。記憶部151に格納された視聴情報管理テーブル101は、連携制御部152が連携起動時の引き継ぎ用に格納した設定情報である。
【0087】
視聴情報管理テーブル101には、設定名および値を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、視聴状態のうちの1つの設定内容を示す。
設定名の項目には、設定の名称が設定される。値の項目には、設定された値が設定される。
【0088】
視聴情報管理テーブル101には、例えば、設定名が“チャンネル”、値が“777ch”という情報が設定される。これは、現在、777チャンネルのテレビ番組につき、テレビ映像情報を生成していることを示す。
【0089】
また、視聴情報管理テーブル101には、例えば、設定名が“番組表”、値が“888ch,2011/1/1,0:00〜0:15”という情報が設定される。これは、番組表を表示中であって、888チャンネルの2011年1月1日0時0分〜0時15分の番組欄にフォーカスがあることを示す。番組表を表示中でない場合には、当該項目は設定無しとなる。
【0090】
また、視聴情報管理テーブル101には、例えば、設定名が“表示モード”、値が“チャンネル表示”という情報が設定される。これは、テレビ番組の表示モードとして、チャンネル表示がオンに設定されていることを示す。チャンネル表示とは、番組映像にチャンネル番号を重畳表示させる表示モードである。
【0091】
また、視聴情報管理テーブル101には、例えば、設定名が“画質”、値が“シネマモード”という情報が設定される。これは、現在の画質がシネマモードと呼ばれるモードであることを示す。画質としては、例えばバックライトの明るさ、色の明るさおよび色の濃さなどを設定可能である。シネマモードは映画に適した設定がなされていることを示す。その他にもデフォルトの画質モードやユーザがカスタマイズできるカスタムモードなどの設定が可能である。
【0092】
また、視聴情報管理テーブル101には、例えば、設定名が“音量”、値が“5”という情報が設定される。これは、現在の音量のレベルが、例えば10段階のうちの5であることを示す。
【0093】
また、視聴情報管理テーブル101には、例えば、設定名が“音質”、値が“サラウンド”という情報が設定される。これは、現在の音質のレベルとして、ダイナミック、ノーマル、サラウンドのうちのサラウンドが選択されていることを示す。“音質”としては、他にも使用するスピーカーやその数を指定する設定を行うこともできる。
【0094】
また、視聴情報管理テーブル101には、例えば、設定名が“画面モード”、値が“フル”という情報が設定される。これは、現在の画面モードとして、フルモードが選択されていることを示す。それ以外のモードには、例えば、上述したようにノーマル(加工なし)およびズーム(拡大)などの画面モードが考えられる。
【0095】
また、視聴情報管理テーブル101には、例えば、設定名が“字幕モード”、値が“日本語”という情報が設定される。これは、現在の字幕モードとして、日本語の表示がオンになっていることを示す。その他の字幕モードとして、英語やその他の言語の字幕表示をオンに設定することもできる。
【0096】
また、視聴情報管理テーブル101には、例えば、設定名が“音声モード”、値が“副音声”という情報が設定される。これは、現在出力する音声モードとして、副音声が選択されていることを示す。その他にも、主音声を選択したり、主副両方の音声を選択したりすることができる。
【0097】
次に、以上の構成の情報処理装置10の処理手順を説明する。
ここで、情報処理部11は、第1のOS112の省電力化機能によりACPI(Advanced Configuration and Power Interface)で規定される複数のスリープ状態を取り得る。具体的には次のような状態をサポートしているとする。
【0098】
(1)電源オンの稼働状態(ACPIのS0状態)。
(2)一部デバイスへの給電を停止するがRAM11cへの給電を継続して高速に復帰可能とするスタンバイ状態(ACPIのS3状態)。
(3)HDD11dにRAM11cのデータを退避してから、RAM11cを含む各デバイスへの給電を停止し、HDD11dから復帰可能とする休止状態(ACPIのS4状態)。
(4)電源オフの停止状態(ACPIのS5状態)。
【0099】
連携制御部152は、情報処理部11のこれらの各状態に応じた連携制御を行う。以下の説明では、その処理手順を詳細に説明する。なお、以下の処理手順が開始される前に、情報処理装置10は簡易テレビによるテレビ視聴に利用されているか、あるいはテレビ制御部12が電源オフの状態とする。更に、何れの状態においても拡張テレビアプリ114は起動されていないとする。
【0100】
図8は、連携開始処理を示すフローチャートである。以下、図8に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップS11)リモコン操作受付部141は、リモコン20から赤外線信号を受光する。リモコン操作受付部141は、赤外線信号に対応するコマンドを取得する。リモコン操作受付部141は、コマンド出力先選択テーブル141aに設定されたルールに基づき、当該コマンドの出力先を決定する。ここでは、現在のモニタ出力元がテレビ制御部12なので、リモコン操作受付部141は、汎用MPU15にコマンドを出力する。
【0101】
(ステップS12)連携制御部152は、リモコン操作受付部141からコマンドを取得する。連携制御部152は、当該コマンドが連携対象ボタンに対応するコマンド(連携コマンド)かを判定する。連携対象ボタンとは、起動要因管理テーブル151aに定義された各ボタンを示す。具体的には、ボタンB、ボタンC11〜C14である。連携対象ボタンに対応する場合、表示切換部131を制御して、モニタ31に対する出力元をテレビ制御部12にし、処理をステップS13に進める。このとき、簡易テレビが視聴されていれば、出力元はテレビ制御部12に維持されることになる。また、テレビ制御部12の電源がオフの場合は、電源をオンとする。取得したコマンドが連携対象ボタンに対応しない場合、処理を終了する。
【0102】
(ステップS13)連携制御部152は、テレビアプリ123から現在の視聴状態を問い合わせる。テレビアプリ123は、視聴情報記憶部121に記憶された視聴情報管理テーブル101を参照して、視聴状態を連携制御部152に応答する。連携制御部152は、記憶部151に視聴情報管理テーブル101を格納する。
【0103】
(ステップS14)連携制御部152は、情報処理部11の省電力状態を確認する。停止状態(ACPIのS5状態)である場合、処理をステップS15に進める。スタンバイ状態(ACPIのS3状態)または休止状態(ACPIのS4状態)である場合、処理をステップS18に進める。稼働状態(ACPIのS0状態)である場合、処理をステップS21に進める。その他の状態の場合、処理をステップS23に進める。その他の状態と判定する場合には、情報処理部11の状態が確認できない場合や、情報処理部11で、ブートローダなどにより第1のOS112とは別のOSが起動されている場合が考えられる。
【0104】
(ステップS15)連携制御部152は、起動要因を保存する。例えば、受け付けた連携コマンドがボタンBに対応する場合、起動要因管理テーブル151aでボタンBにつき起動要因の項目のフラグをオン(図6の例では丸印)に設定する。
【0105】
(ステップS16)連携制御部152は、情報処理部11の電源をオンとし、第1のOS112の起動を開始する。第1のOS112は、起動が完了すると連携プロセス113を起動する。
【0106】
(ステップS17)連携制御部152は、所定のメッセージを表示させるよう表示切換部131に指示する。このメッセージは、第1のOS112を起動中である旨をユーザに通知するものである。表示切換部131は、当該メッセージをモニタ31に表示させる。
(ステップS18)連携制御部152は、起動要因を保存する。具体例は、ステップS15と同様である。
【0107】
(ステップS19)連携制御部152は、情報処理部11内の電源供給が停止されていた各デバイスに対して電源供給を再開し、第1のOS112の復帰を開始する。なお、第1のOS112は、起動が完了すると連携プロセス113を起動する。
【0108】
(ステップS20)連携制御部152は、所定のメッセージを表示させるよう表示切換部131に指示する。このメッセージは、第1のOS112を復帰中である旨をユーザに通知するものである。表示切換部131は、当該メッセージをモニタ31に表示させる。
【0109】
(ステップS21)連携制御部152は、連携プロセス113に連携通知を発行する。連携通知は、拡張テレビアプリ114の連携起動の開始を連携プロセス113に指示するものである。連携通知には、リモコン操作受付部141から取得した連携コマンドが含まれる。
【0110】
(ステップS22)連携制御部152は、所定のメッセージを表示させるよう表示切換部131に指示する。このメッセージは、拡張テレビアプリ114を起動中である旨をユーザに通知するものである。表示切換部131は、当該メッセージをモニタ31に表示させる。
【0111】
(ステップS23)連携制御部152は、所定のメッセージを表示させるよう表示切換部131に指示する。このメッセージは、受け付けたコマンドを現在の環境では実行できないことをユーザに通知するものである。表示切換部131は、当該メッセージをモニタ31に表示させる。
【0112】
このようにして、情報処理装置10は、リモコン20で連携対象ボタンの操作がなされると、連携起動を開始する。
なお、ステップS12において、連携対象ボタンに対応するものでないと判定した場合には、その後、次のような処理を行うことが考えられる。すなわち、ボタン群Aに対応するコマンドを受け付けた場合には、テレビ制御部12に当該コマンドを出力して、対応する機能を実行させる。また、ボタンD群に対応するコマンドを受け付けた場合には、現在利用中の簡易テレビでは、当該ボタンD群に対応する機能を利用できない旨を通知するメッセージを表示させるよう表示切換部131に指示する。
【0113】
ここで、図8では表示切換部131がOSD機能によって、種々のメッセージをモニタ31に表示させることで、情報処理装置10の状況をユーザに通知する旨を説明した。そこで、各メッセージを例示する。
【0114】
図9は、メッセージの例を示す図である。図9(A)は、図8のステップS17,S20でモニタ31に表示させるメッセージウィンドウM1を例示している。メッセージウィンドウM1には、「拡張テレビアプリに切り換えます。第1のOSをバックグラウンドで起動します。」というメッセージが含まれる。なお、第1のOS112の起動および復帰で同一のメッセージを表示させるものとしたが、異なるメッセージを表示させてもよい。例えば、復帰時には、「拡張テレビアプリに切り換えます。第1のOSをバックグラウンドで復帰します。」などとメッセージ表示することが考えられる。
【0115】
図9(B)は、図8のステップS22でモニタ31に表示させるメッセージウィンドウM2を例示している。メッセージウィンドウM2には、「拡張テレビアプリに切り換えます。」というメッセージが含まれる。
【0116】
図9(C)は、図8のステップS23でモニタ31に表示させるメッセージウィンドウM3を例示している。メッセージウィンドウM3には、「拡張テレビアプリを起動できません。リモコンのPC電源ボタンを押して第1のOSの画面に切り換え、情報処理部の状態を確認してください。」というメッセージが含まれる。
【0117】
図9(D)は、図8のステップS12でボタンD群の操作を受け付けたと判定した場合に、モニタ31に表示させ得るメッセージウィンドウM4を例示している。メッセージウィンドウM4には、「現在この操作はできません。」というメッセージが含まれる。
【0118】
このように、連携制御部152および表示切換部131は、情報処理部11の各状態に応じて、種々のメッセージをモニタ31に表示させることで、ユーザに対して現在の状況を適切に通知できる。メッセージウィンドウM3で例示したように、正常な動作またはユーザの意図した動作を行えない場合に、その対処方法(所定のデバイスの確認指示など)を含めるとユーザにとって特に利便性が良い。
【0119】
図10は、メッセージの他の例を示す図である。メッセージウィンドウM5は、図8のステップS12の直後に、連携起動の開始許否をユーザに確認すべく、モニタ31に表示し得るものである。
【0120】
メッセージウィンドウM5には、「この機能は現在のテレビ視聴環境では使えません。拡張テレビアプリを起動して、この機能を実行しますか?」というメッセージ、確認ボタンR1,R2およびカーソルCR1が含まれる。
【0121】
当該メッセージウィンドウM5をモニタ31に表示させることで、上記ステップS12からステップS13に進める前の連携制御部152の処理として、次のような変形例が考えられる。
【0122】
すなわち、連携制御部152は、ステップS12からステップS13に進む前に、表示切換部131にメッセージウィンドウM5の表示を指示する。すると、表示切換部131は、メッセージウィンドウM5をモニタ31に表示させる。
【0123】
ユーザは、例えば、リモコン20のボタンA25を操作してカーソルCR1を移動させ、確認ボタンR1,R2の何れかを選択する。選択後、ユーザはボタンA26を押下することにより、選択内容を情報処理装置10に入力する。そして、連携制御部152は、確認ボタンR1の選択入力を受け付ければ、処理をステップS13に進める。一方、確認ボタンR2の選択入力を受け付ければ、処理を終了する。
【0124】
このようにユーザの操作に対して確認を取るようにすれば、ユーザが連携対象ボタンを誤操作したとしても、当該誤操作によって、連携起動が開始されるのを抑制できる。
【0125】
次に、図8のステップS16,19における第1のOS112の起動または復帰の完了後の情報処理装置10の処理手順を説明する。第1のOS112の起動または復帰が完了すると、第1のOS112によって連携プロセス113が起動される。以下の処理は、連携プロセス113の起動完了に伴って開始される。
【0126】
図11は、第1の表示切換制御を示すフローチャートである。以下、図11に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップS31)連携プロセス113は、連携制御部152に起動要因を問い合わせる。連携制御部152は、記憶部151に格納された起動要因管理テーブル151aを参照して、連携プロセス113に何れのボタンが起動要因となったかを応答する。なお、起動要因が、連携対象ボタンによるものでない場合(例えば、単に情報処理部11の起動のみを行う場合)も考えられる。その場合、連携制御部152は起動要因管理テーブル151aに設定された以外の起動要因を応答することも考えられる。
【0127】
(ステップS32)連携プロセス113は、起動要因が連携対象ボタンによるもの(すなわち、連携起動)であるか否かを判定する。連携起動である場合、処理をステップS33に進める。連携起動でない場合、処理を終了する。
【0128】
(ステップS33)連携プロセス113は、第1のOS112に対して現在何れの画面状態であるかを問い合わせ、第1のOS112の画面がログオン画面であるか否かを判定する。ログオン画面である場合、処理をステップS34に進める。ログオン画面でない場合、処理をステップS36に進める。ここで、ログオン画面とは、第1のOS112のユーザ認証用の画面である。すなわち、第1のOS112の起動または復帰時に、当該OSを利用可能とするため、ユーザID(IDentifier)やパスワードの入力をユーザに求めるものである。
【0129】
(ステップS34)連携プロセス113は、ログオン用のユーザIDに対するパスワードの設定が有るか否かを判定する。パスワード設定が有る場合、処理をステップS35に進める。パスワード設定が無い場合、処理をステップS36に進める。なお、ユーザは、ログオン用のユーザIDおよびパスワードを、拡張テレビを起動する際の認証情報として、連携プロセス113に予め指定しておくことができる。設定内容は、例えばRAM11cやHDD11dに予め格納しておくことができる。なお、当該ユーザIDおよびパスワードを第1のOS112に予め指定しておいてもよい。
【0130】
(ステップS35)連携プロセス113は、当該ユーザIDおよびパスワードを用いて、第1のOS112のログオン処理を行う。
【0131】
(ステップS36)連携プロセス113は、ログオン処理が完了すると、連携制御部152に視聴状態を問い合わせる。すると、連携制御部152は、テレビアプリ123に現在の視聴状態を問い合わせて、現在の(最新の)視聴状態を取得する。連携制御部152は、当該視聴状態を連携プロセス113に応答する。なお、連携制御部152は、ユーザがテレビ制御部12の電源をオフにしたなどの要因で、テレビアプリ123から視聴状態を得られないことも考えられる。その場合、連携制御部152は、記憶部151に格納された視聴情報管理テーブル101を参照して視聴状態を取得し、連携プロセス113に応答する。
【0132】
(ステップS37)連携プロセス113は、拡張テレビアプリ114の起動を開始させる。このとき、連携プロセス113は、連携制御部152から取得した視聴状態に係る各種設定を拡張テレビアプリ114に入力する。すなわち、簡易テレビの視聴状態を拡張テレビに引き継ぐ。また、連携プロセス113は、取得した連携コマンドを拡張テレビアプリ114に入力する。
【0133】
(ステップS38)拡張テレビアプリ114は、起動を完了し、テレビ映像情報の出力が可能になると、その旨を連携プロセス113に通知する。連携プロセス113は、当該通知により拡張テレビアプリ114の起動完了を検知する。ここで、拡張テレビアプリ114は、起動後、視聴状態を引き継いだ状態でテレビ映像情報の出力を開始する。そして、連携プロセス113により入力された連携コマンドに対応する機能を実行する。
【0134】
(ステップS39)連携プロセス113は、連携制御部152に現在のモニタ31の出力元を問い合わせる。そして、連携プロセス113は、現在のモニタ31の出力元が、情報処理部11以外(本例ではテレビ制御部12)であるか否かを判定する。情報処理部11以外である場合、処理をステップS40に進める。情報処理部11である場合、処理を終了する。
【0135】
(ステップS40)連携プロセス113は、モニタ31の出力元を情報処理部11に切り換えるよう連携制御部152に指示する。連携制御部152は、当該指示に応じて表示切換部131に切換指示を出力する。すると、表示切換部131は、モニタ31の出力元を情報処理部11に切り換える。モニタ制御部13は、OSD機能により、出力元が情報処理部11に切り換わった旨を通知するメッセージをモニタ31に表示させる。
【0136】
このようにして、連携プロセス113および連携制御部152は、拡張テレビアプリ114によるテレビ映像情報の出力が可能になると、モニタ31の出力元をテレビ制御部12から情報処理部11に切り換える。なお、ステップS39の時点で、例えばユーザの操作によってモニタ31の出力元が既に情報処理部11に設定されている場合には、その状態が維持される。
【0137】
その際、テレビ制御部12の視聴状態および起動要因に対応する連携コマンドが拡張テレビアプリ114に引き継がれる。
また、ステップS40において、モニタ31の出力元を情報処理部11に切り換えた後、連携制御部152はテレビ制御部12の電源をオフにしてもよい。これにより、省電力化を図れる。
【0138】
更に、上記ステップS36において、起動要因管理テーブル151aに起動要因に応じた引き継ぎ内容が指定されている場合には、連携制御部152は当該指定された引き継ぎ内容のみを連携プロセス113に応答してもよい。
【0139】
また、ステップS35において、ログオン処理に失敗することも考え得る。その場合には、連携プロセス113は、連携制御部152にモニタ31の出力元を情報処理部11に切り換えるよう指示してもよい。そうすれば、ログオン画面をユーザに示して、ユーザIDやパスワードの入力を促せる。更に、当該ログオンが成功した後に、上記ステップS36から処理を再開してもよい。
【0140】
次に、図8,11で説明した連携制御の流れの具体例を説明する。なお、図8と同様、以下の処理手順が開始される前に、情報処理装置10は簡易テレビによるテレビ視聴に利用されているか、あるいはテレビ制御部12が電源オフの状態とする。また、情報処理部11は電源オフの停止状態(ACPIのS5状態)であるとする。ただし、ACPIのS3,S4状態であっても、以下の流れと同様である。
【0141】
図12は、第1の連携制御を示すシーケンス図である。以下、図12に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップST101)リモコン制御部14は、リモコン20から連携対象ボタンに対応した連携コマンドを受信する。リモコン制御部14は、連携コマンドを汎用MPU15に出力する。
【0142】
(ステップST102)汎用MPU15は、連携コマンドを受け付けたため、モニタ制御部13を制御してモニタ31に対する出力元をテレビ制御部12とする(出力元が元々テレビ制御部12であれば、それが維持される)。このとき、テレビ制御部12の電源がオフであるかを確認し、電源がオフであればテレビ制御部12の電源をオンにする。そして、汎用MPU15はテレビ制御部12に視聴状態を問い合わせる。
(ステップST103)テレビ制御部12は、視聴情報記憶部121に記憶された視聴情報管理テーブル101を参照して、汎用MPU15に視聴状態を応答する。
【0143】
(ステップST104)汎用MPU15は、第1のOS112の省電力状態を問い合わせる。
(ステップST105)第1のOS112は、停止状態(ACPIのS5状態)である旨を応答する。なお、汎用MPU15は、情報処理部11から所定の応答が得られなかった場合に、停止状態であると判断することもできる。汎用MPU15は、起動要因を保存する。
【0144】
(ステップST106)汎用MPU15は、情報処理部11の電源をオンにし、第1のOS112の起動を開始する。
(ステップST107)汎用MPU15は、モニタ制御部13にメッセージウィンドウM1の表示を指示する。モニタ制御部13は、OSD機能によりメッセージウィンドウM1をモニタ31に表示させる。メッセージウィンドウM1は、例えば期間T11の間、モニタ31に表示される。
【0145】
(ステップST108)第1のOS112は、起動を完了する。そして、第1のOS112は、連携プロセス113を起動する。
(ステップST109)連携プロセス113は、起動を完了する。そして、連携プロセス113は、汎用MPU15に起動要因を問い合わせる。
(ステップST110)汎用MPU15は、連携プロセス113に起動要因を応答する。
【0146】
(ステップST111)連携プロセス113は、連携起動を行うべく、第1のOS112に画面状態を問い合わせ、現在の画面状態がログオン画面であるかを確認する。
(ステップST112)第1のOS112は、ログオン画面である旨を連携プロセス113に応答する。
(ステップST113)連携プロセス113は、ログオン用のユーザIDおよびパスワードの設定を取得して、第1のOS112のログオン処理を実行する。
【0147】
(ステップST114)連携プロセス113は、汎用MPU15に視聴状態を問い合わせる。
(ステップST115)汎用MPU15は、テレビ制御部12に視聴状態を問い合わせる。
(ステップST116)テレビ制御部12は、視聴情報記憶部121に記憶された視聴情報管理テーブル101を参照して、汎用MPU15に視聴状態を応答する。
(ステップST117)汎用MPU15は、当該視聴状態を連携プロセス113に応答する。
【0148】
(ステップST118)連携プロセス113は、拡張テレビアプリ114を起動させる。このとき、連携プロセス113は、取得した視聴状態を拡張テレビアプリ114に引き継ぐ。また、起動要因に対応する連携コマンドを拡張テレビアプリ114に出力する。
【0149】
(ステップST119)拡張テレビアプリ114は、起動を完了する。拡張テレビアプリ114は、連携プロセス113により入力された視聴状態で、テレビ映像情報の出力を開始する。また、連携プロセス113により入力された連携コマンドに対応する機能を実行する。
【0150】
(ステップST120)連携プロセス113は、モニタ31に対する出力元が情報処理部11であるか否か、汎用MPU15に問い合わせる。
(ステップST121)汎用MPU15は、モニタ31に対する出力元がテレビ制御部12である旨を連携プロセス113に応答する。
【0151】
(ステップST122)連携プロセス113は、出力元の切換指示を汎用MPU15に出力する。
(ステップST123)汎用MPU15は、モニタ制御部13に出力元の切換指示を出力する。モニタ制御部13は、モニタ31に対する出力元をテレビ制御部12から情報処理部11に切り換える。このとき、汎用MPU15は、画面の出力元が情報処理部11に切り換わった旨を通知するメッセージの表示を指示する。モニタ制御部13は、OSD機能により当該メッセージをモニタ31に表示させる。メッセージは、例えば期間T12の間、モニタ31に表示される。
【0152】
このようにして、情報処理部11が停止状態(ACPIのS5状態)の場合の連携制御が行われる。具体的には、拡張テレビの起動を受け付けた際に、拡張テレビアプリ114が起動して、当該アプリによりテレビ映像情報の出力が可能になるまで、モニタ31に対する出力元がテレビ制御部12とされる(期間T1に対応)。そして、拡張テレビアプリ114が起動して、当該アプリによりテレビ映像情報の出力が可能になると(期間T2に対応)、モニタ31に対する出力元が情報処理部11に切り換えられる(期間T3に対応)。
【0153】
これにより、情報処理装置10による映像の視聴開始までの待ち時間を低減できる。すなわち、拡張テレビによるテレビ視聴が可能になるまで、起動が早い簡易テレビのテレビ映像情報により間をもたせるようにしたので、ユーザはテレビ視聴を迅速に開始できる。その結果、視聴開始まで待機する煩わしさを軽減できる。
【0154】
また、簡易テレビを既に視聴しているような場合でも、拡張テレビによるテレビ視聴が可能となるまで簡易テレビでのテレビ視聴を継続し、拡張テレビによるテレビ視聴が可能になったタイミングで拡張テレビに切り換える。このため、ユーザのテレビ視聴が中断されるのを抑制できる。
【0155】
更に、切り換えの際、連携プロセス113および連携制御部152は、簡易テレビの視聴状態を拡張テレビに引き継ぐ。また、起動要因となった連携コマンドに対応する機能を起動後の拡張テレビに実行させる。
【0156】
これにより、簡易テレビと拡張テレビとの間でチャンネル設定などが異なっていたとしても、共通の視聴状態で拡張テレビの視聴を開始できる。すなわち、チャンネル、映像および音声などに関する設定を拡張テレビ側で再設定および再操作する手間を省ける。よって、ユーザにとって利便性が良い。また、切り換え前後における、画質や音質などの相違による違和感が抑えられるので、スムーズな切り換えが可能となる。
【0157】
ここで、拡張テレビが実行し得る主な連携内容は、図6の起動要因管理テーブル151aに示した通りである。例えば、録画開始のボタンC14が起動要因である場合には、拡張テレビにより、引き継いだチャンネルの録画を開始する。
【0158】
また、引き継がれる主な視聴状態は、図7の視聴情報管理テーブル101で説明した通りである。例えば、番組表の設定値を引き継いだ場合、設定値に基づいて、拡張テレビ側でも番組表を表示した状態となる。具体的には、番組表上で、設定値のチャンネル、年月日および時間帯のテレビ番組欄にフォーカスが当たった状態である。番組表内の小ウィンドウにテレビ番組を表示可能であれば、チャンネルの設定値に対応するチャンネルのテレビ番組が当該小ウィンドウに表示される。画質、音量、音質および字幕などの他の情報に関しても同様に引き継がれる。
【0159】
更に、汎用MPU15は、連携コマンドを取得した際に、テレビ制御部12に視聴状態を予め問い合わせておき、記憶部151に格納しておくので、ステップST116の応答を得られなかったとしても、記憶部151から視聴状態を取得できる。
【0160】
ここで、ユーザは、拡張テレビの起動中に簡易テレビ側の設定を変更することが考えられる。このため、視聴状態は可能な限り新しい情報を取得しておくことが望ましい。そこで、汎用MPU15は、ステップST102以降もテレビ制御部12に定期的に視聴状態の問い合わせを行ってもよい。このようにすれば、例えステップST116の応答を得られなかったとしても、汎用MPU15は可能な限り新しい視聴情報を記憶部151から取得し、ステップST117の連携プロセス113への応答ができる。
【0161】
次に、図8のステップS21において、連携制御部152による連携通知の出力後の情報処理装置10の処理手順を説明する。
図13は、第2の表示切換制御を示すフローチャートである。以下、図13に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップS41)連携プロセス113は、連携制御部152から連携通知を受け付ける。
【0162】
(ステップS42)連携プロセス113は、第1のOS112に対して現在何れの画面状態であるかを問い合わせ、第1のOS112の画面がログオン画面であるか否かを判定する。ログオン画面である場合、処理をステップS43に進める。ログオン画面でない場合、処理をステップS45に進める。
【0163】
(ステップS43)連携プロセス113は、ログオン用のユーザIDに対するパスワードの設定が有るか否かを判定する。パスワード設定が有る場合、処理をステップS44に進める。パスワード設定が無い場合、処理をステップS45に進める。
【0164】
(ステップS44)連携プロセス113は、ログオン用のユーザIDおよびパスワードを用いて、第1のOS112のログオン処理を行う。
【0165】
(ステップS45)連携プロセス113は、ログオン処理が完了すると、連携制御部152に視聴情報を問い合わせる。連携制御部152は、テレビアプリ123に現在の視聴情報を問い合わせて、最新の視聴情報を取得する。連携制御部152は、当該視聴情報を連携プロセス113に応答する。なお、連携制御部152は、ユーザがテレビ制御部12の電源をオフにしたなどの要因で、テレビアプリ123から視聴情報の応答を得られないことも考えられる。その場合、連携制御部152は、記憶部151に格納された視聴情報管理テーブル101を参照して、当該テーブルの設定内容を連携プロセス113に応答する。
【0166】
(ステップS46)連携プロセス113は、拡張テレビアプリ114の起動を開始させる。このとき、連携プロセス113は連携制御部152から取得した視聴情報を拡張テレビアプリ114に入力する。すなわち、簡易テレビの視聴状態を拡張テレビに引き継ぐ。また、連携プロセス113は、連携通知として取得したコマンドを拡張テレビアプリ114に入力する。
【0167】
(ステップS47)拡張テレビアプリ114は、起動を完了し、テレビ映像情報の出力が可能になると、その旨を連携プロセス113に通知する。連携プロセス113は、当該通知により拡張テレビアプリ114の起動完了を検知する。ここで、拡張テレビアプリ114は、起動後、視聴状態を引き継いだ状態でテレビ映像情報の出力を開始する。そして、連携プロセス113により入力されたコマンドに対応する機能を実行する。
【0168】
(ステップS48)連携プロセス113は、連携制御部152に現在のモニタ31の出力元を問い合わせる。そして、連携プロセス113は、現在のモニタ31の出力元が、情報処理部11以外(本例ではテレビ制御部12)であるか否かを判定する。情報処理部11以外である場合、処理をステップS49に進める。情報処理部11である場合、処理を終了する。
【0169】
(ステップS49)連携プロセス113は、連携制御部152にモニタ31の出力元を情報処理部11に切り換えるよう指示する。連携制御部152は、当該指示に応じて表示切換部131に切換指示を出力する。すると、表示切換部131は、モニタ31の出力元を情報処理部11に切り換える。
【0170】
このようにして、連携プロセス113および連携制御部152は、拡張テレビアプリ114によるテレビ映像情報の出力が可能になると、モニタ31の出力元をテレビ制御部12から情報処理部11に切り換える。なお、ステップS48の時点で、例えばユーザの操作によってモニタ31の出力元が既に情報処理部11に設定されている場合には、その状態が維持される。
【0171】
また、図11の処理手順と同様に、ステップS48において、モニタ31の出力元を情報処理部11に切り換えた後、連携制御部152はテレビ制御部12の電源をオフにしてもよい。これにより、省電力化を図れる。
【0172】
更に、上記ステップS45において、起動要因管理テーブル151aにコマンドに応じた引き継ぎ内容が指定されている場合には、連携制御部152は当該指定された引き継ぎ内容のみを連携プロセス113に応答してもよい。
【0173】
次に、図8,13で説明した連携制御の流れの具体例を説明する。なお、図8と同様、以下の処理手順が開始される前に、情報処理装置10は簡易テレビによるテレビ視聴に利用されているか、あるいはテレビ制御部12が電源オフの状態とする。また、情報処理部11は電源オンの稼働状態(ACPIのS0状態)であるが、拡張テレビアプリ114が未起動の状態とする。
【0174】
図14は、第2の連携制御を示すシーケンス図である。以下、図14に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップST131)リモコン制御部14は、リモコン20から連携コマンドを受信する。リモコン制御部14は、連携コマンドを汎用MPU15に出力する。
【0175】
(ステップST132)汎用MPU15は、連携コマンドを受け付けたため、モニタ制御部13を制御してモニタ31に対する出力元をテレビ制御部12とする(簡易テレビ視聴中であれば、出力元が維持される)。このとき、テレビ制御部12の電源がオフであるかを確認し、電源がオフであればテレビ制御部12の電源をオンにする。そして、汎用MPU15はテレビ制御部12に視聴状態を問い合わせる。
(ステップST133)テレビ制御部12は、視聴情報記憶部121に記憶された視聴情報管理テーブル101を参照して、汎用MPU15に視聴状態を応答する。
【0176】
(ステップST134)汎用MPU15は、第1のOS112の省電力状態を問い合わせる。
(ステップST135)第1のOS112は、稼働状態(ACPIのS0状態)である旨を応答する。
【0177】
(ステップST136)汎用MPU15は、モニタ制御部13にメッセージウィンドウM2の表示を指示する。モニタ制御部13は、OSD機能によりメッセージウィンドウM2をモニタ31に表示させる。メッセージウィンドウM2は、例えば期間T21の間、モニタ31に表示される。
(ステップST137)汎用MPU15は、連携プロセス113に連携通知を出力する。連携通知には、ステップST131で取得した連携コマンドが含まれる。
【0178】
(ステップST138)連携プロセス113は、連携通知を受け付けると、汎用MPU15に視聴状態を問い合わせる。
(ステップST139)汎用MPU15は、テレビ制御部12に視聴状態を問い合わせる。
(ステップST140)テレビ制御部12は、視聴情報記憶部121に記憶された視聴情報管理テーブル101を参照して、汎用MPU15に視聴状態を応答する。
(ステップST141)汎用MPU15は、当該視聴状態を連携プロセス113に応答する。
【0179】
(ステップST142)連携プロセス113は、拡張テレビアプリ114を起動させる。このとき、連携プロセス113は、取得した視聴状態を拡張テレビアプリ114に引き継ぐ。また、連携コマンドを拡張テレビアプリ114に出力する。
【0180】
(ステップST143)拡張テレビアプリ114は、起動を完了する。拡張テレビアプリ114は、連携プロセス113により入力された視聴状態で、テレビ映像情報の出力を開始する。また、連携プロセス113により入力された連携コマンドに対応する機能を実行する。
【0181】
(ステップST144)連携プロセス113は、モニタ31に対する出力元が情報処理部11であるか否か、汎用MPU15に問い合わせる。
(ステップST145)汎用MPU15は、モニタ31に対する出力元がテレビ制御部12である旨を連携プロセス113に応答する。
【0182】
(ステップST146)連携プロセス113は、出力元の切換指示を汎用MPU15に出力する。
(ステップST147)汎用MPU15は、モニタ制御部13に出力元の切換指示を出力する。モニタ制御部13は、モニタ31に対する出力元をテレビ制御部12から情報処理部11に切り換える。このとき、汎用MPU15は、画面の出力元が情報処理部11に切り換わった旨を通知するメッセージの表示を指示する。モニタ制御部13は、OSD機能により当該メッセージをモニタ31に表示させる。メッセージは、例えば期間T22の間、モニタ31に表示される。
【0183】
このようにして、情報処理部11が稼働状態(ACPIのS0状態)の場合の連携制御が行われる。具体的には、拡張テレビによる視聴開始を受け付けた際に、拡張テレビアプリ114が起動して、当該アプリによりテレビ映像情報の出力が可能になるまで、モニタ31に対する出力元がテレビ制御部12とされる(期間T4に対応)。そして、拡張テレビアプリ114が起動して、当該アプリによりテレビ映像情報の出力が可能になると(期間T5に対応)、モニタ31に対する出力元が情報処理部11に切り換えられる(期間T6に対応)。
【0184】
これにより、情報処理装置10による映像の視聴開始までの待ち時間を低減できる。すなわち、拡張テレビによるテレビ視聴が可能になるまで、起動が早い簡易テレビのテレビ映像情報により間をもたせるようにしたので、ユーザはテレビ視聴を迅速に開始できる。その結果、視聴開始まで待機する煩わしさを軽減できる。
【0185】
その際、連携プロセス113および連携制御部152は、簡易テレビの視聴状態を拡張テレビに引き継ぐ。また、起動要因となった連携コマンドに対応する機能を起動後の拡張テレビに実行させる。
【0186】
また、簡易テレビを既に視聴しているような場合でも、拡張テレビによるテレビ視聴が可能となるまで簡易テレビでのテレビ視聴を継続し、拡張テレビによるテレビ視聴が可能になったタイミングで拡張テレビに切り換える。このため、ユーザのテレビ視聴が中断されるのを抑制できる。
【0187】
更に、切り換えの際、連携プロセス113および連携制御部152は、簡易テレビの視聴状態を拡張テレビに引き継ぐ。また、起動要因となった連携コマンドに対応する機能を起動後の拡張テレビに実行させる。
【0188】
これにより、簡易テレビと拡張テレビとの間でチャンネル設定などが異なっていたとしても、共通の視聴状態で拡張テレビの視聴を開始できる。すなわち、チャンネル、映像および音声などに関する設定を拡張テレビ側で再設定および再操作する手間を省ける。よって、ユーザにとって利便性が良い。また、切り換え前後における、画質や音質などの相違による違和感が抑えられるので、スムーズな切り換えが可能となる。
【0189】
ここで、拡張テレビが実行し得る主な連携内容は、図6の起動要因管理テーブル151aに示した通りである。また、引き継がれる主な視聴状態は、図7の視聴情報管理テーブル101で説明した通りである。
【0190】
次に、以上で説明した表示切換制御の具体例を説明する。
図15は、表示切換制御を例示する図である。以下、図15に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、以下の説明において、ステップST211〜ST213は情報処理装置10がモニタ31に順次表示させる画面イメージを示す。一方、ステップST221〜ST224は、情報処理部11が順次出力する映像情報(テレビ映像情報を含む)のイメージを示す。ステップST221〜ST224のイメージは、モニタ31には表示されないものである。
【0191】
まず、ステップST211〜ST213を説明する。ステップST211の直前では、ユーザは簡易テレビを視聴しており、情報処理部11は停止状態(ACPIのS5状態)であるとする。
【0192】
(ステップST211)ユーザは、リモコン20の連携対象ボタン(ここでは、拡張テレビ起動のためのボタンBとする)を押下する。すると、リモコン20は、ボタンBのコマンドに対応する赤外線信号を情報処理装置10に送信する。情報処理装置10は、当該連携コマンドの受信により、連携制御を開始する(ステップST221の処理が開始される)。モニタ31には、拡張テレビへの切り換えを開始する旨を示すメッセージウィンドウM1が所定期間表示される。
【0193】
(ステップST212)モニタ31には、簡易テレビの画面が継続して表示される。情報処理部11は、第1のOS112、連携プロセス113および拡張テレビアプリ114を起動中である。
【0194】
(ステップST213)情報処理部11は、第1のOS112、連携プロセス113および拡張テレビアプリ114の起動を完了し、テレビ映像情報の出力を開始する。情報処理装置10は、モニタ31の出力元をテレビ制御部12から情報処理部11に切り換える。モニタ31には、拡張テレビに切り換わった旨を示すメッセージウィンドウM6が所定期間表示される。
【0195】
次に、ステップST221〜ST224を説明する。ステップST221〜ST224は、ステップST211〜ST213の間に実行される処理である。
【0196】
(ステップST221)情報処理部11は、第1のOS112の起動を行う。情報処理部11が出力する映像情報は、第1のOS112のOS画面の情報である。更に、第1のOS112の起動が完了すると、連携プロセス113の起動も行う。
【0197】
(ステップST222)連携プロセス113は拡張テレビアプリ114を起動させる。拡張テレビアプリ114は、例えば、当該アプリで前回設定され、視聴情報記憶部111に格納された設定内容(例えば、チャンネル設定が555チャンネルなど)で起動される。
【0198】
(ステップST223)拡張テレビアプリ114は、連携プロセス113からテレビ制御部12の視聴情報を取得し、当該視聴情報に基づいて視聴状態を引き継ぐ(例えば、チャンネル設定を777チャンネルに変更)。
【0199】
(ステップST224)情報処理部11は、視聴状態を引き継いでテレビ映像情報の出力を開始する。そして、情報処理部11は、汎用MPU15にモニタ31の出力元を切り換えるよう指示する。汎用MPU15は、モニタ制御部13を制御して、モニタ31の出力元をテレビ制御部12から情報処理部11に切り換える。そして、情報処理部11が出力したテレビ映像情報に対応する画面がモニタ31に表示される(ステップST213に対応する)。
【0200】
このように、情報処理装置10は、ステップST224において拡張テレビによるテレビ映像情報の出力が可能になった後に、簡易テレビから拡張テレビに切り換える。例えば、ステップST211において、連携対象ボタンの操作を受け付けた後にモニタ31の出力元を情報処理部11に切り換えるとすると、第1のOS112の画面がモニタ31に表示されてしまい、ユーザのテレビ視聴が中断されることになる。そこで、ステップST224に至るまではモニタ31の出力元をテレビ制御部12とすることで、ユーザのテレビ視聴が中断されるのを抑制できる。
【0201】
また、例えば、ユーザが簡易テレビの視聴を行っていない場合、ステップST211で連携起動を開始する際に、情報処理装置10は、テレビ制御部12を起動し、簡易テレビによる視聴を可能とする。そして、情報処理装置10は、ステップST224において拡張テレビによるテレビ映像情報の出力が可能になった後に、簡易テレビから拡張テレビに切り換える。このようにすれば、ユーザは、ステップST224の処理が行われるまで待機することなく、即座にテレビ視聴を開始できる。
【0202】
なお、ステップST222では、連携プロセス113が汎用MPU15に問い合わせて取得した視聴情報を反映した状態で、拡張テレビアプリ114を起動させてもよい。
【0203】
また、情報処理部11の状態がスタンバイ状態(ACPIのS3状態)や休止状態(ACPIのS4状態)の場合も、停止状態からの連携制御と同様の処理が行われる。ただし、ステップST221において第1のOS112の起動(復帰)方法が異なる。
【0204】
また、情報処理部11の状態が稼働状態(ACPIのS0状態)の場合も、停止状態からの連携制御と同様の処理が行われる。ただし、第1のOS112は既に稼働状態であるため、ステップS221の処理が行われずに、ステップST222から連携制御の処理が行われる点が異なる。
【0205】
ところで、第2の実施の形態の説明では、情報処理部11が稼働状態(ACPIのS0状態)で連携起動が発生した場合、拡張テレビアプリ114が起動した後に、モニタ31に対する出力元をテレビ制御部12から情報処理部11へ、切り換えることとした。
【0206】
しかしながら、情報処理部11の状態によっては、当該連携制御を確実に行えない場合も生じ得る。例えば、第1のOS112が起動中である場合やシャットダウン中である場合などである。その場合、ユーザの意図した動作を行えない旨をユーザに認識可能とすることが望ましい。
【0207】
そこで、以下に示す変形例では、情報処理部11が稼働状態の場合に、モニタ31に対する出力元をテレビ制御部12から情報処理部11へ切り換えるタイミングを変更して、ユーザが第1のOS112の状態を認識し易いようにする。
【0208】
なお、以下の処理手順が開始される前に、情報処理装置10は簡易テレビによるテレビ視聴に利用されているとする。また、情報処理部11は電源オンの稼働状態(ACPIのS0状態)であるが、拡張テレビアプリ114が未起動の状態とする。
【0209】
図16は、第2の連携制御の他の例を示すシーケンス図である。以下、図16に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップST151)リモコン制御部14は、リモコン20から連携コマンドを受信する。リモコン制御部14は、連携コマンドを汎用MPU15に出力する。
【0210】
(ステップST152)汎用MPU15は、テレビ制御部12に視聴状態を問い合わせる。
(ステップST153)テレビ制御部12は、視聴情報記憶部121に記憶された視聴情報管理テーブル101を参照して、汎用MPU15に視聴状態を応答する。
【0211】
(ステップST154)汎用MPU15は、第1のOS112の省電力状態を問い合わせる。
(ステップST155)第1のOS112は、稼働状態である旨を応答する。
【0212】
(ステップST156)汎用MPU15は、連携プロセス113に連携通知を出力する。連携通知には、ステップST151で取得した連携コマンドが含まれる。
【0213】
(ステップST157)汎用MPU15は、モニタ制御部13に出力元の切換指示を出力する。モニタ制御部13は、モニタ31に対する出力元をテレビ制御部12から情報処理部11に切り換える。このとき、汎用MPU15は、画面の出力元が情報処理部11に切り換わった旨を通知するメッセージの表示を指示する。モニタ制御部13は、OSD機能により当該メッセージをモニタ31に表示させる。メッセージは、例えば期間T31の間、モニタ31に表示される。
【0214】
(ステップST158)連携プロセス113は、ステップST156で連携通知を取得すると、汎用MPU15に視聴状態を問い合わせる。
(ステップST159)汎用MPU15は、テレビ制御部12に視聴状態を問い合わせる。
(ステップST160)テレビ制御部12は、視聴情報記憶部121に記憶された視聴情報管理テーブル101を参照して、汎用MPU15に視聴状態を応答する。
(ステップST161)汎用MPU15は、当該視聴状態を連携プロセス113に応答する。
【0215】
(ステップST162)連携プロセス113は、拡張テレビアプリ114を起動させる。このとき、連携プロセス113は、取得した視聴状態を拡張テレビアプリ114に引き継ぐ。また、連携コマンドを拡張テレビアプリ114に出力する。その後、拡張テレビアプリ114は、起動を完了する。拡張テレビアプリ114は、連携プロセス113により入力された視聴状態で、テレビ映像情報の出力を開始する。また、連携プロセス113により入力された連携コマンドに対応する機能を実行する。
【0216】
このようにして、情報処理部11が稼働状態(ACPIのS0)の場合の連携制御が行われる。具体的には、拡張テレビによる視聴開始を受け付けると、モニタ31に対する出力元が情報処理部11に切り換えられる(期間T7の終端に対応)。すると、第1のOS112の画面がモニタ31に表示される(当該表示期間は期間T8に対応)。更に、当該画面内で拡張テレビアプリ114の起動に伴って、当該アプリの画面が、例えばウィンドウあるいは全画面で表示され、モニタ31によるテレビ番組の表示が開始される(期間T9に対応)。
【0217】
これにより、ユーザは、連携対象ボタンを操作した際に、第1のOS112の状態を容易に認識できる。そして、ユーザは、自身が意図した動作を情報処理装置10が実行できる否かを適切に判断できるようになる。
【0218】
例えば、情報処理部11が稼働状態であったとしても、それがシャットダウン中や起動中などの状態であると、連携制御を実行できない場合が生じ得る。そこで、情報処理部11が稼働状態の場合に連携対象ボタンの操作を受け付けた際には、モニタ31の出力元を情報処理部11に切り換える。このようにすれば、ユーザは第1のOS112での拡張テレビアプリ114の起動が行えるかを即座に判断できる。
【符号の説明】
【0219】
1…情報処理装置、1a,1b…映像情報生成部、1c…制御部、2…表示装置、10…情報処理装置、11…情報処理部、12…テレビ制御部、13…モニタ制御部、14…リモコン制御部、15…汎用MPU、111,121…視聴情報記憶部、112…第1のOS、113…連携プロセス、114…拡張テレビアプリ、122…第2のOS、123…テレビアプリ、131…表示切換部、141…リモコン操作受付部、151…記憶部、152…連携制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置に映像を表示させるための第1の映像情報を生成する第1の映像情報生成部と、
前記第1の映像情報生成部よりも起動時間が短く、前記表示装置に映像を表示させるための第2の映像情報を生成する第2の映像情報生成部と、
前記第1の映像情報生成部の起動を伴う機能に関する操作入力を受け付けると、前記第1の映像情報の出力が可能になるまで、前記表示装置に対する出力元を前記第2の映像情報生成部とし、前記第1の映像情報の出力が可能になると、前記出力元を前記第1の映像情報生成部に切り換える制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記操作入力は、前記第1の映像情報生成部による映像の視聴開始を指示する操作入力である、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記操作入力は、前記第2の映像情報生成部が備えていない機能の実行を指示する操作入力である、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1,第2の映像情報は、テレビ映像を表示させるための情報であり、
前記操作入力は、前記第1の映像情報生成部による録画開始、録画結果の表示、番組連動データの取得、および、地上デジタル放送と衛星デジタル放送との表示切り換え、の何れかを指示する操作入力である、
請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1の映像情報生成部は、前記第1の映像情報の出力が可能になると前記操作入力に対応する機能を実行する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記出力元を前記第1の映像情報生成部に切り換える際に、前記第2の映像情報生成部から前記第2の映像情報の生成に用いる設定情報を取得して、前記第1の映像情報生成部に当該設定情報を出力し、
前記第1の映像情報生成部は、当該設定情報を用いて前記第1の映像情報を生成する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記操作入力を受け付けた際に、前記第2の映像情報生成部から前記設定情報を取得して記憶部に格納し、その後、前記出力元を前記第1の映像情報生成部に切り換える際に、前記第2の映像情報生成部から前記設定情報を得られない場合、前記記憶部から前記設定情報を取得して、前記第1の映像情報生成部に出力する、
請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1,第2の映像情報は、テレビ映像を表示させるための情報であり、
前記設定情報は、テレビ放送波のチャンネル、番組表、画質および字幕に関する情報のうち少なくとも1つを含む、
請求項6記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1,第2の映像情報は、音声に関する情報を含み、
前記設定情報は、音質、音量および主副音声の指定に関する情報のうち少なくとも1つを含む、
請求項8記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第1の映像情報生成部は、所定のオペレーティングシステムのプログラムおよび前記オペレーティングシステム上で動作し映像を生成する所定のアプリケーションのプログラムを自装置が実行することで実現される、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第1の映像情報生成部は、映像を生成する所定のアプリケーションのプログラムを自装置が実行することで実現される、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記操作入力を受け付けた際に前記第2の映像情報生成部が起動していない場合、前記第2の映像情報生成部を起動させる、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項13】
情報処理装置の表示切換方法であって、
表示装置に映像を表示させるための第1の映像情報を生成する第1の映像情報生成部の起動を伴う機能に関する操作入力を受け付けると、前記第1の映像情報の出力が可能になるまで、前記表示装置に対する出力元を、前記第1の映像情報生成部よりも起動時間が短く、前記表示装置に映像を表示させるための第2の映像情報を生成する前記第2の映像情報生成部とし、
前記第1の映像情報の出力が可能になると、前記出力元を前記第1の映像情報生成部に切り換える、
表示切換方法。
【請求項1】
表示装置に映像を表示させるための第1の映像情報を生成する第1の映像情報生成部と、
前記第1の映像情報生成部よりも起動時間が短く、前記表示装置に映像を表示させるための第2の映像情報を生成する第2の映像情報生成部と、
前記第1の映像情報生成部の起動を伴う機能に関する操作入力を受け付けると、前記第1の映像情報の出力が可能になるまで、前記表示装置に対する出力元を前記第2の映像情報生成部とし、前記第1の映像情報の出力が可能になると、前記出力元を前記第1の映像情報生成部に切り換える制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記操作入力は、前記第1の映像情報生成部による映像の視聴開始を指示する操作入力である、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記操作入力は、前記第2の映像情報生成部が備えていない機能の実行を指示する操作入力である、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1,第2の映像情報は、テレビ映像を表示させるための情報であり、
前記操作入力は、前記第1の映像情報生成部による録画開始、録画結果の表示、番組連動データの取得、および、地上デジタル放送と衛星デジタル放送との表示切り換え、の何れかを指示する操作入力である、
請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1の映像情報生成部は、前記第1の映像情報の出力が可能になると前記操作入力に対応する機能を実行する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記出力元を前記第1の映像情報生成部に切り換える際に、前記第2の映像情報生成部から前記第2の映像情報の生成に用いる設定情報を取得して、前記第1の映像情報生成部に当該設定情報を出力し、
前記第1の映像情報生成部は、当該設定情報を用いて前記第1の映像情報を生成する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記操作入力を受け付けた際に、前記第2の映像情報生成部から前記設定情報を取得して記憶部に格納し、その後、前記出力元を前記第1の映像情報生成部に切り換える際に、前記第2の映像情報生成部から前記設定情報を得られない場合、前記記憶部から前記設定情報を取得して、前記第1の映像情報生成部に出力する、
請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1,第2の映像情報は、テレビ映像を表示させるための情報であり、
前記設定情報は、テレビ放送波のチャンネル、番組表、画質および字幕に関する情報のうち少なくとも1つを含む、
請求項6記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1,第2の映像情報は、音声に関する情報を含み、
前記設定情報は、音質、音量および主副音声の指定に関する情報のうち少なくとも1つを含む、
請求項8記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第1の映像情報生成部は、所定のオペレーティングシステムのプログラムおよび前記オペレーティングシステム上で動作し映像を生成する所定のアプリケーションのプログラムを自装置が実行することで実現される、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第1の映像情報生成部は、映像を生成する所定のアプリケーションのプログラムを自装置が実行することで実現される、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記操作入力を受け付けた際に前記第2の映像情報生成部が起動していない場合、前記第2の映像情報生成部を起動させる、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項13】
情報処理装置の表示切換方法であって、
表示装置に映像を表示させるための第1の映像情報を生成する第1の映像情報生成部の起動を伴う機能に関する操作入力を受け付けると、前記第1の映像情報の出力が可能になるまで、前記表示装置に対する出力元を、前記第1の映像情報生成部よりも起動時間が短く、前記表示装置に映像を表示させるための第2の映像情報を生成する前記第2の映像情報生成部とし、
前記第1の映像情報の出力が可能になると、前記出力元を前記第1の映像情報生成部に切り換える、
表示切換方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−138749(P2012−138749A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289484(P2010−289484)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]