説明

情報処理装置及び情報処理方法

【課題】写真等のコンテンツデータやメタデータ等の人気度にユーザの好みを適切に反映させることを目的とする。
【解決手段】ユーザからの要求に基づいて、ページデータに配置されているコンテンツデータを変更する変更手段と、ページデータに配置されているコンテンツデータのうち、変更手段で変更されなかったコンテンツデータに付加されているメタデータに対応する残存数をカウントするカウント手段と、カウント手段でカウントされた残存数に基づいて、メタデータの人気の度合を表すランキング情報を生成するランキング情報生成手段と、を有することによって課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディジタル画像形成装置の特徴を生かしたVDP(Variable Data Print)と呼ばれる手法がある。この手法では、データベース等にある情報にしたがって、プリントする内容をその都度変えることができる。例えば、この手法では、顧客情報にしたがって、提供する商品情報を変えるダイレクトメールや、光熱費等の利用状況にしたがって数値を変える利用明細書等に利用することができる。そのため、ダイレクトメール作成等を行う市場において急速に利用が広まっている。
【0003】
VDPシステムにおけるプリントデータをVDPデータと呼ぶ。また、このVDPデータの作成を行うアプリケーションを、VDPアプリケーションと呼ぶ。VDPアプリケーションは、ユーザに対しページレイアウトを行うユーザーインタフェースを提供する。ここで、通常の印刷レイアウトアプリケーションでは、ユーザはこのユーザーインタフェースの中で、文字や画像等の実際のオブジェクトを配置していく。一方でVDPアプリケーションでは、これらのオブジェクトがデータベースに応じて変化する場合があるので、オブジェクトを配置する領域、即ち、位置や大きさ及び前記領域の種別(文字、画像、グラフィック等)等を決定していく。これらの領域は、特に、データベースのレコードに応じてその内容が変化するものを「可変領域」と呼び、データベースのレコードに応じてその内容が変化しない領域を「固定領域」と呼ぶ。
【0004】
データベースのレコードに応じて可変領域の内容が変化するように、例えばユーザは、データベースの各カラムを使った画像配置ルールを設定する。例えばユーザは、データベースのあるレコードの「年齢」の値が20〜29であった場合は若い人向けの写真画像をその領域に配置し、60以上であった場合は年配者向けの写真画像をその領域に配置するといった画像配置ルールを設定することができる。
以上のようにして、VDPアプリケーションは、ページ上の領域とデータベースを関連付けたVDPデータとを作成し、これをディジタル画像形成装置に送る。そして、VDPデータを受け取ったディジタル画像形成装置が、VDPデータ内の関連付けにしたがってプリントを行う。
【0005】
VDPアプリケーションにて、ページ上の領域とデータベースを関連付けたVDPデータが生成された後、そのVDPデータに流し込まれている画像をユーザが別の写真に変更したい場合がある。これはVDPアプリケーションが、前述したように領域に配置される画像を自動的に決定しているため、必ずしもユーザの望んでいる画像がそのVDPデータに反映されているとは限らないためである。
【0006】
ここで、ユーザがVDPデータ上のある画像を別の画像に変更する際に、すべての候補画像を閲覧しながら自分の望む写真を探していくのは、ユーザにとって非常に手間がかかる作業である。その作業の手間を減らす手段の一つとして、予め写真にメタデータを付加しておき、そのメタデータを検索キーワードとして使用し、候補写真の絞込みを行うことが考えられる。このとき、複数のユーザが各々自分のVDPデータに流し込まれている画像の手直しを行っている場合もある。例えば、パーソナライズされた写真アルバムをその受け取り手である複数のユーザが手直しする場合等である。ここで、各ユーザは、他の多くのユーザの間で人気の高い写真に付加されているメタデータが分かれば、検索キーワードとしてどのメタデータを選択して候補写真の絞込みを行うのかを考える上での指針となり、ユーザにとって便利であると考えられる。
【0007】
従来のコンテンツ検索技術の中にも、様々な方法を用いてコンテンツそのものの人気度や検索キーワード及びメタデータの人気度を数値化するシステムが存在する。
従来の技術としては特許文献1のように、ユーザの操作履歴情報からユーザへのお勧めの番組がどれなのかを算出し、サービス利用開始初期から効果的にユーザへの番組のレコメンデーションを行えるようにする技術がある。また、特許文献2のように、インターネット上のあるコンテンツを検索/表示したときにそのコンテンツに人気度のポイントを与える技術がある。
また、特許文献3のように、メタデータの人気度を算出した後に、その人気度をユーザに視覚的に提示する方法として、タグクラウドを使用するものが存在する。なお、タグクラウドとは、各メタデータに対する全てのユーザの人気度をもとに、そのメタデータ名を表示させる際のフォントサイズを変化させてメタデータの一覧表示を行う機能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−332087号公報
【特許文献2】特開2006−260337号公報
【特許文献3】特開2004−096479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来技術では、検索キーワードとして使用されたメタデータの使用回数や、ユーザによって選択されたコンテンツの回数のみで各コンテンツデータの人気の度合いを算出していた。しかしながら、編集開始時(初期状態)からVDPデータに掲載されており、ユーザが気にいったため置き換えずにVDPデータ上に残してある写真も存在する。
したがって、従来技術では、写真に付加されているメタデータの人気度や写真そのものの人気度を評価することができない。そのため、従来のような方法ではユーザ間でのメタデータの人気度や写真そのものの人気度に、ユーザの好みが適切に反映されない問題がある。
【0010】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、写真等のコンテンツデータやメタデータ等の人気度にユーザの好みを適切に反映させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、本発明の情報処理装置は、ユーザからの要求に基づいて、ページデータに配置されているコンテンツデータを他のコンテンツデータに変更する変更手段と、前記ページデータに配置されているコンテンツデータのうち、前記変更手段で変更されなかったコンテンツデータに付加されているメタデータに対応する残存数をカウントするカウント手段と、前記カウント手段でカウントされた残存数に基づいて、メタデータの人気の度合を表すランキング情報を生成するランキング情報生成手段と、を有することを特徴とする。
かかる構成とすることにより、メタデータの人気度にユーザの好みを適切に反映させることができる。
また、本発明の情報処理装置は、ユーザからの要求に基づいて、ページデータに配置されているコンテンツデータを他のコンテンツデータに変更する変更手段と、前記ページデータに配置されているコンテンツデータのうち、前記変更手段で変更されなかったコンテンツデータに対応する残存数をカウントするカウント手段と、前記カウント手段でカウントされた残存数に基づいて、コンテンツデータの人気の度合を表すランキング情報を生成するランキング情報生成手段と、を有することを特徴とする。
かかる構成とすることにより、コンテンツデータの人気度にユーザの好みを適切に反映させることができる。
また、本発明は、情報処理方法、プログラム及び記憶媒体としてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、写真等のコンテンツデータやメタデータ等の人気度にユーザの好みを適切に反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係るシステムのシステム構成の一例を示した図である。
【図2】クライアントPCのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】アルバム制作装置103のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】アルバム制作の一連の流れを概説する図である。
【図5】アルバム制作装置103により実行されるプログラム群(ソフトウェア群)及びそのプログラム群にて使用されるデータ群の構成の一例を示した図である。
【図6】アルバムレイアウトデータの概念的なデータ構造の一例を示した図である。
【図7】生徒プロフィールデータの一例を示す図である。
【図8】写真管理テーブルの一例を示す図である。
【図9】メタデータ管理テーブルの一例を示す図である。
【図10】写真/メタデータ対応テーブルの一例を示す図である。
【図11】ウェブアプリケーションの機能構成の一例を示す図である。
【図12】レイアウト編集画面の一例を示した図である。
【図13】タグクラウドの一例を示す図である。
【図14】メタデータが付加された写真のみに絞り込んだ結果を一覧表示する一例を示す図である。
【図15】ユーザからの写真変更要求に伴って追加回数、削除回数が更新される例の概念を示す図である。
【図16】総合人気ポイントを算出する処理を示すフローチャートである。
【図17】総合人気ポイントの算出に用いられる式の一例を示す図である。
【図18】各メタデータの残存数をカウントする処理の一例を示すフローチャートである。
【図19】人気ポイントの重みをグラフで表した図である。
【図20】フォントサイズの算出に用いられる式の一例を示す図である。
【図21】ユーザの利用度を算出する際に用いられる式の一例を示す図である。
【図22】残存数によって得られる人気ポイントの重みの関係性を示すグラフの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。なお、以下で示す実施形態では、生徒ごとにパーソナライズされたアルバムの制作を行うシステム(装置)を例に挙げて説明する。以下の実施形態では、写真に付加された、メタデータに対して人気の度合いを数値化し、メタデータの人気の度合いをユーザに提示する例を示す。なお、人気の度合いを数値化し、その人気の度合いをユーザに提示する対象はメタデータに限らず、例えば写真自体を対象として人気の度合いを数値化し、写真自体の人気の度合いをユーザに提示するようにしてもよい。
【0015】
<実施形態1>
(システム構成)
図1は、本実施形態に係るシステムのシステム構成の一例を示した図である。
図1に示されるように、本実施形態に係るシステムでは、1台以上のクライアントパーソナルコンピュータ(以下、クライアントPCと表記する)102、アルバム制作装置103及びプリンタ104がネットワーク101を介して接続されている。
クライアントPC102は、ネットワーク101を通じてアルバム制作装置103に印刷指示を送信することが可能である。印刷指示を受け付けたアルバム制作装置103は、印刷ジョブを生成し、ネットワーク101経由でプリンタ104に前記印刷ジョブを送信する。プリンタ104は、受信した前記印刷ジョブをビットマップデータ等に展開し、用紙に印刷する。
【0016】
(クライアントPCのハードウェア構成)
次に、クライアントPC102について図2を用いて説明する。図2は、クライアントPCのハードウェア構成の一例を示す図である。
クライアントPC102のハードウェアは、様々な接続方法や、様々なバスやインターフェースを有した構成が一般に知られており、ここで紹介するハードウェア構成は一例である。
点線で囲まれた部分がマザーボードであり、CPU201は、キャッシュメモリ202を介してノースブリッジ203、サウスブリッジ204と通信しながら、このクライアントPC102のソフトウェア全体を制御している。ここで、ノースブリッジ203とサウスブリッジ204とのデータのやり取りやクライアントPC102内部でのデータ一次保存のためメモリ(RAM)205が使用される。
【0017】
次にノースブリッジ203は、汎用PCIバス206を持っており、オプション(後付け)でSCSI外部装置等を接続することができる。ノースブリッジ203は、ディスプレイ208を表示させるためのグラフィックコントローラ207にも接続されている。
更に、サウスブリッジ204は、別の汎用PCIバス209を持っており、こちらには、NIC210を介してネットワーク接続が可能となっている。また、サウスブリッジ204は、IDEバス211も持っている。加えて、サウスブリッジ204には、クライアントPC102の制御ソフトウェアを初め、様々なデータを格納しておくハードディスクドライブ(HDD)213が接続される。また、サウスブリッジ204には、クライアントPC102のインストール時等のデータ読み出しや大量データのデータ保存(アーカイブ)等に役立つCD−ROM(又は、CD−R、CD−R/W)ドライブ212等が接続される。クライアントPC102のHDD213にはウェブブラウザが記録され、適宜、RAM205上に読み込まれ、CPU201により実行される。
【0018】
また、USBポート214は、USBメモリに代表されるUSB外部装置にアクセスすることが可能になる。
そして、I/O部215を経由してキーボード216やマウス217或いは、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ(F/Dドライブ)218につながって、データの入出力を行うこともできる。
クライアントPC102は、キーボード216やマウス217からユーザの入力を受け付け、CPU201の制御のもと、前記ウェブブラウザを実行することによりユーザからの入力を処理する。そして、NIC210、ネットワーク101経由でアルバム制作装置103へユーザの要求を通知する。より具体的に説明すると、ログイン、写真のアップロード、アルバムレイアウトの編集、印刷指示等の要求が通知される。
【0019】
(アルバム制作装置のハードウェア構成)
次に、情報処理装置の一例であるアルバム制作装置103のハードウェア構成について図3を用いて説明する。図3は、アルバム制作装置103のハードウェア構成の一例を示す図である。
クライアントPC102と同様に、アルバム制作装置103のハードウェアは、様々な接続方法や、様々なバスやインターフェースを有した構成が一般に知られており、ここで紹介するハードウェア構成は一例である。
301、302、303、304、305、306、307、308は、図2と同じくそれぞれ、CPU、キャッシュメモリ、ノースブリッジ、サウスブリッジ、メモリ(RAM)、汎用PCIバス、グラフィックコントローラ、ディスプレイである。
また、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318も、図2と同様に、汎用PCIバス、NIC、IDEバス、CD−ROMドライブ、HDD、USBポート、I/O部、キーボード、マウス、F/Dドライブである。
【0020】
このうち、HDD313には、ログイン、写真のアップロード、アルバムレイアウトの編集、印刷指示等の機能をもったウェブアプリケーションや、ウェブアプリケーションを動作させるためのウェブサーバソフトウェア等が記録されている。ウェブアプリケーション、ウェブサーバソフトウェアは、CPU301の制御のもと、適宜、RAM305に読み込まれる。そして、クライアントPC102のNIC210とネットワーク101、アルバム制作装置103のNIC310を介してクライアントPC102上で動作するウェブブラウザとの通信を行う。
【0021】
(アルバム制作の流れ概要)
次に図4を用いて、アルバム制作の一連の流れを概説する。
図4の各ステップにおいて、クライアントPC102は、キーボード216及びマウス217によりユーザからの入力を受け付ける。そしてHTTP等のプロトコルを用いてNIC210、ネットワーク101、NIC310を経由して、アルバム制作装置103との通信を行うことで、ユーザからの要求をアルバム制作装置103に通知する。一方、アルバム制作装置103は、先ほどとは逆のルートを経由してクライアントPC102と通信し、ウェブアプリケーションによりユーザの要求を処理した結果をクライアントPC102に通知する。クライアントPC102は、ディスプレイ208にてその処理結果を表示する。
【0022】
ここでの処理は大きく分けて、ステップS401からステップS403までが、アルバムデータの初稿を制作するためのステップである。ステップS404は、一人以上のユーザが自分のアルバムデータを確認し、自分の好みではない写真を変更していくステップである。最後にステップS405が、ステップS404を経たアルバムデータの印刷を行うステップとなっている。
なお、図4には記載していないが、ステップS401からS405までの各ステップを行う前に、アルバム制作装置103は、ユーザからログイン要求を受け付け、ログイン処理を行う。また、アルバム制作装置103は、ユーザからのシステム設定変更要求を受け付け、アルバム制作装置103のシステム設定変更処理を行う。
以下では、S401からS405までの各ステップに関して説明する。
【0023】
ステップS401は、CPU301が、ユーザからのアルバムレイアウトデータの生成及び編集の要求を、ネットワーク101を介して受け付け、そのアルバムレイアウトデータをアルバム制作装置103のHDD313に記憶する処理である。アルバムレイアウトデータは、写真やグラフィックが流し込まれる領域である画像フレームや、文字列が流し込まれるテキストフレームにより構成される。画像フレーム及びテキストフレームは、可変領域か固定領域かを識別するための属性をもっている。なお、以下では、可変領域が設定された画像フレームを可変画像フレーム、固定領域が設定された画像フレームを固定画像フレームと呼ぶこととする。ステップS403までの処理が終了すると、可変画像フレームには生徒ごとにパーソナライズされた写真が配置され、固定画像フレームには全生徒に共通した写真が配置されることとなる。なお、ページデータの一例であるアルバムレイアウトデータの概念的なデータ構造に関しては後述する図6を用いて説明する。
ステップS401にてユーザから受け付ける入力としては、アルバム上の画像フレーム、テキストフレームの設置とそれらフレームのリサイズ、各画像フレームへの可変領域か固定領域かの指定、可変フレームに設定する画像配置ルールの編集等がある。
【0024】
ステップS402は、CPU301が、ユーザからの写真アップロードの要求を、ネットワーク101を介して受け付け、その写真をアルバム制作装置103内のHDD313に写真データ及び写真管理テーブルとして記憶する処理である。ステップS402では更に、CPU301が、アップロードされる写真に紐付けられる0個以上のメタデータの入力も受け、HDD313内にメタデータ管理テーブル及び写真/メタデータ対応テーブルとして記憶する。このメタデータは、後の工程において、どの可変画像フレームにどの写真を配置するかを自動決定するために必要となる。
なお、写真データ、写真管理テーブル、メタデータ管理テーブル及び写真/メタデータ対応テーブルのそれぞれの関係性については後述する図5を用いて説明する。
【0025】
ステップS403は、CPU301が、各生徒のプロフィールデータの入力をユーザからネットワーク101を介して受け付け、そのプロフィールデータをアルバム制作装置103内のHDD313に生徒プロフィールデータとして記憶する処理である。CPU301は、生徒のプロフィールとして、所属クラブ、好きな教科、担任教師の名前、仲のよい友人の名前等の入力を受け付ける。
なお、生徒プロフィールデータの詳細は後述する図7を用いて説明する。
【0026】
ステップS404は、CPU301が、ユーザからのアルバム掲載写真の変更要求を、ネットワーク101を介して受け付け、アルバムレイアウトデータの編集結果をアルバム制作装置103内のHDD313に記憶する処理である。ステップS404では、CPU301は、所定の期間、ユーザからの写真変更要求を受け付ける。ユーザはこのステップで、前記所定の期間、自分の写真アルバムデータを確認し、自分の好みではない写真を別の写真に変更する等してアルバムデータの編集を行うこととなる。
ステップS404のときユーザに表示されるGUIの詳細は後述する図12を用いて説明する。また、ステップS404の間、CPU301は、所定時間おきにメタデータの人気度が算出するが、その処理に関しては後述する図16を用いて説明する。
【0027】
ステップS405は、CPU301が、ユーザからの印刷指示を、ネットワーク101を介して受け付け印刷ジョブを生成する処理である。CPU301は、ネットワーク101経由でプリンタ104に前記印刷ジョブを送信する。プリンタ104は、受信した前記印刷ジョブをビットマップデータ等に展開し、用紙に印刷する。
なお、ステップS401からステップS403までの処理は、アルバムデータの初稿を制作するためのステップである。そのためアルバム制作装置103は、アルバムのデザイン全般を管理するユーザ、例えば、アルバム制作業者やアルバム委員会に所属する生徒からの入力を受け付けるのが望ましい。なお、図4においてはステップS401からステップS403までは図示を行う都合上、逐次的なステップとして記述されているが、個々のステップを並行して行ってもよいし、異なる順番で行ってもよい。
【0028】
また、ステップS404では、一人以上のユーザが自分のアルバムデータを確認し、自分の好みではない写真を変更していくため、アルバム制作装置103は、そのアルバムを受け取る予定の生徒からの入力を受け付けるのが望ましい。
また、ステップS405は、ステップS404を経たアルバムデータの印刷を行うステップなので、アルバム制作装置103は、印刷の管理を行うユーザ、例えば、アルバム制作業者やアルバム委員会に所属する生徒からの入力を受け付けるのが望ましい。
【0029】
(プログラムのブロック図)
次に、図5から図10までを参照して、アルバム制作装置103により実行されるプログラムのブロック構成及びアルバム制作装置103のHDD313に記録されている各種データの構造について説明する。
図5は、アルバム制作装置103により実行されるプログラム群(ソフトウェア群)及びそのプログラム群にて使用されるデータ群の構成の一例を示した図である。ウェブアプリケーション501は、アルバムのデザイン、編集等の機能を実装したアプリケーションである。組版エンジン502は、ウェブアプリケーション501からの指示に基づき、所定の生徒のアルバムレイアウトデータ503を組版し、その組版の結果をウェブアプリケーション501に返すソフトウェアである。ウェブアプリケーション501及び組版エンジン502は、アルバム制作装置103のHDD313に記録され、HDD313からRAM305に適宜、読み込まれ、CPU301により実行される。
また、図5において、アルバムレイアウトデータ503、生徒プロフィールデータ504、写真管理テーブル505、写真データ506及びメタデータ管理テーブル507は、アルバム制作装置103のHDD313に記録されている。写真/メタデータ対応テーブル508及びシステム設定データ509も同様である。なお、これらのデータは、アルバム制作装置103のHDD313上に記録される場合に限定されない。例えば、ネットワーク101上に1つ以上のデータベースサーバコンピュータを構成し、データベースサーバコンピュータ上の記憶装置に記録されているという構成でもよい。
【0030】
アルバムレイアウトデータ503は、アルバムのレイアウト情報を含んだデータである。図6は、アルバムレイアウトデータの概念的なデータ構造の一例を示した図である。アルバムレイアウトデータ503は、全生徒のアルバムレイアウトのテンプレートとなるレイアウトテンプレート601及び各生徒によってアルバムに加えられた変更データを記録する変更履歴データ602を含む。レイアウトテンプレート601は、フレームID、各フレームの座標情報、フレームの幅と高さと、画像フレームかテキストフレームかを識別するためのフラグ、可変画像フレームと固定画像フレームを識別するためのフラグを含む。また、レイアウトテンプレート601は、可変画像フレームに紐付けられた画像配置ルール等の情報を更に含む。また、変更履歴データ602は、フレームID、変更された座標情報、変更された幅と高さ、可変画像フレームの写真が変更されたかどうかを識別するためのフラグ、変更後のファイルパス等の情報から構成される。
【0031】
図7は、生徒プロフィールデータの一例を示す図である。
生徒プロフィールデータ504は、生徒の個人情報から構成されるデータである。生徒プロフィールデータ504は図7の例に示すように、生徒数分の個人情報が格納されており、生徒それぞれについて、生徒番号ID、氏名、性別、学年ごとのクラス、所属委員会、選択科目、所属する部活動等の情報が記録されている。
【0032】
図8は、写真管理テーブルの一例を示す図である。
写真管理テーブル505には、図8の例に示すように、ユーザによりアップロードされた写真データ506に対する写真ID801と、それら写真のファイルパス802を含んだ情報と、が記録されている。写真IDは、各写真がアップロードされる際にウェブアプリケーション501が付加する一意な識別子であり、写真管理テーブル505における主キーとなる。
写真データ506は、ユーザにアップロードされた写真データであり、例えばJPEG、ビットマップ、TIFF等の画像ファイルである。
【0033】
図9は、メタデータ管理テーブルの一例を示す図である。
メタデータ管理テーブル507は、図9の例に示すように、ユーザによりアップロードされた写真データ506の各写真に紐付けられているメタデータに関する情報が記録されている。1つのメタデータは、1つの"キーとなる文字列"と1つの"値となる文字列"とのペアから構成される。キーはそのメタデータの属するカテゴリを示し、値はそのキーに対する実際の情報を示す。より具体的に説明すると、キーは"部活動"で値は"テニス部"を持ったメタデータや、キーは"科目"で値は"物理"を持ったメタデータである。メタデータ管理テーブル507は、5つのフィールドから構成されており、メタデータのIDを格納する901、キーを格納する902、値を格納する903、追加回数を格納する904、削除回数を格納する905の各フィールドから構成されるテーブルである。
なお、追加回数904に格納される値は、ステップS404において、ユーザが選択した写真に当該メタデータが含まれている場合にカウントされるカウンタである。また、削除回数905に格納される値は、ステップS404において、ユーザによってアルバムから取り除かれた写真に当該メタデータが含まれている場合にカウントされるカウンタである。追加回数、削除回数に関する詳細は、後述する図15を用いて説明する。メタデータのID901は、写真のアップロードの際にユーザによって付加されるメタデータに対して、ウェブアプリケーション501が付加する一意な識別子であり、メタデータ管理テーブル507における主キーとなる。
【0034】
図10は、写真/メタデータ対応テーブルの一例を示す図である。
写真/メタデータ対応テーブル508には、図10の例に示すように、写真ID1001とそれに対応するメタデータID1002が記録されている。写真ID1001は、写真管理テーブル505にて管理されている写真ID801に対応する。また、メタデータID1002は、メタデータ管理テーブル507にて管理されているID901に対応する。
最後に、システム設定データ509には、アルバム制作装置103の各種設定情報が記録されており、アルバム制作装置103にログインするユーザを管理するためのログインユーザ情報、アルバム編集期間の設定等が記録されている。
【0035】
(ウェブアプリケーションのブロック図)
次に、図11を参照して、アルバム制作装置103のHDD313に記憶されているウェブアプリケーションのブロック図を示し、各処理モジュールについて説明する。図11は、ウェブアプリケーションの機能構成の一例を示す図である。
図11のように、ウェブアプリケーションは、GUI部1101、ログイン管理モジュール1102、レイアウトデザインモジュール1103、写真管理モジュール1104、プロフィールデータ編集モジュール1105、を含む。また、ウェブアプリケーションは、レイアウト編集モジュール1106、ジョブ生成モジュール1107、システム環境管理モジュール1108、人気度算出モジュール1109等を含む。
GUI部1101は、ユーザにグラフィカルユーザインタフェイスを提供するモジュールである。GUI部の詳細は後述する図12を用いて説明する。
【0036】
ログイン管理モジュール1102は、ユーザがアルバム制作装置103へログインする際の認証を行うモジュールである。
レイアウトデザインモジュール1103は、ステップS401において、CPU301により、ユーザから画像フレームの移動、画像フレームの追加・削除、可変画像フレームに対する画像配置ルールの編集等の指示を受け付ける。そして、レイアウトデザインモジュール1103は、その指示に従ってアルバムレイアウトデータ503のレイアウトテンプレート601に反映する処理を行う。
写真管理モジュール1104は、ステップS402において、CPU301により、ユーザからアップロード命令を受け付け、写真データ506へ記録する。また、写真管理モジュール1104は、メタデータ入力を受け付け、メタデータ管理テーブル507に反映させる処理を行う。
【0037】
プロフィールデータ編集モジュール1105は、ステップS403において、CPU301により、ユーザからプロフィール入力を受け付け、生徒プロフィールデータ504の当該生徒に対応するデータに反映させる処理を行う。
レイアウト編集モジュール1106は、ステップS404において、CPU301により、ユーザから写真の変更、フレームのサイズ、位置の変更等を受け付ける。そして、その変更結果をアルバムレイアウトデータ503の当該生徒の変更履歴データ602に反映させる処理を行う。
【0038】
ジョブ生成モジュール1107は、ステップS405において、ユーザからウェブアプリケーションに印刷指示を受け付けると、アルバムレイアウトデータ503及び写真データ506に対し、組版エンジン502を用いて組版処理を行う。そして、その組版結果から、印刷ジョブを生成し、プリンタ104に送信する処理を行う。
システム環境管理モジュール1108は、ユーザからシステムの環境設定変更の指示を受け付け、CPU301により、その変更内容をシステム設定データ509に反映させる処理を行う。
人気度算出モジュール1109は、CPU301によりメタデータの人気度を算出する処理を行うモジュールである。人気度の算出方法の詳細に関しては後述する図16を用いて説明する。
【0039】
(画面構成(GUI))
次に、図12を用いて、アルバム制作装置103のGUI部1101について、ステップS404(アルバム編集)に関して詳細を述べる。
図12は、レイアウト編集画面の一例を示した図である。
アルバムレイアウト表示領域1202には、アルバムのレイアウトと、そのアルバムに配置された写真と、が表示される。
候補写真一覧表示領域1203には、CPU301により候補写真の一覧が表示される。CPU301がユーザから可変画像フレームの選択を受け付けたときに、その可変画像フレームに流し込まれる写真の候補が1203に表示される。写真が並ぶ順序は、ユーザから選択を受け付けた可変画像フレームに対するレイアウトテンプレート601を、CPU301が参照し、その画像配置ルールに従って優先度が高い順にソートされ表示される。
【0040】
アルバムレイアウト表示領域1202に表示されている写真を、候補写真一覧表示領域1203内のある写真に変更する際の手順は以下の通りである。まず、CPU301は、ユーザから、アルバムレイアウト表示領域1202における写真選択要求を受け付けると、選択された写真が配置されている可変画像フレームに対応する候補写真を候補写真一覧表示領域1203に表示する。次に、CPU301は、ユーザから、候補写真一覧表示領域1203における写真選択要求を受け付けると、アルバム上から前者の写真を削除し、後者の写真に置き換えた様子をアルバムレイアウト表示領域1202に表示する。
1204は、タグクラウドの表示を指示するためのボタンである。タグクラウドとは、各メタデータに対する全てのユーザの人気度をもとに、そのメタデータ名を表示させる際のフォントサイズを変化させてメタデータの一覧表示を行う機能である。
【0041】
GUI部1101に表示されるタグクラウドの例を図13に示した。図13は、タグクラウドの一例を示す図である。図13のタグクラウド1301では、人気度が高いメタデータであれば、大きいフォントサイズでそのメタデータ名が表示され、一方、人気度が低いメタデータであれば、小さいフォントサイズでそのメタデータ名が表示されている。このようにすることで、ユーザは人気が高いメタデータはどれなのかを視覚的に容易に認識することができる。
CPU301は、ユーザから、タグクラウド上に表示されたメタデータ名の選択要求を受け付けると、図14のように、そのメタデータが付加された写真のみに絞り込んだ結果を、候補写真一覧表示領域1203に表示する。図14は、メタデータが付加された写真のみに絞り込んだ結果を一覧表示する一例を示す図である。この機能を用いることにより、ユーザは候補写真一覧表示領域に並べられているすべての写真を閲覧して好みの写真を選択していくという手間を減らすことができる。このタグクラウド1301を表示させるには、予めメタデータの人気度を数値化しておく必要がある。メタデータの人気度算出方法に関しては、後述する図16を用いて説明する。また、人気度からタグクラウドのフォントサイズを決定する方法に関しては、後述する図20を用いて説明する。
なお、メタデータの人気度をユーザに視覚的に提示する方法は、タグクラウドに限ったものではなく、例えば人気の高いメタデータをランキングとして表示させる等してもよい。
【0042】
再び、図12の説明に戻り、1205は、前述のタグクラウドによって絞り込まれた1203上の写真一覧を、一つ前の状態の一覧に戻すことを指示するためのボタンである。
1206は、ボタン1205によって一つ前の状態に戻された1203上の写真一覧をボタン1205が押される前の状態の一覧に戻すことを指示するためのボタンである。
1207は、候補写真一覧表示領域1203に候補写真をすべて表示させることを指示するためのボタンである。
1208は、現在のレイアウトデータをアルバムレイアウトデータ503の変更履歴データ602に記録することを指示するためのボタンである。
1209、1210はそれぞれ、一つ前のページ及び次のページのレイアウトデータに移動することを指示するためのボタンである。
1211は、ログアウト処理を指示するためのボタンである。
【0043】
(人気度の算出方法)
タグクラウド1301を生成するためには、各メタデータの人気度を算出する必要がある。以下では、その人気度の算出方法を説明する。
CPU301は、人気度を、メタデータに紐付けられる3つのカウンタから人気の度合いを数値化し、その人気の度合いの重み付け和を求めることにより算出する。前記3つのカウンタから算出される人気の度合いを数値化したものを、以下では人気ポイントと呼ぶこととする。また、前記3つの人気ポイントの重み付け和により算出される総合的な人気度を、以下では総合人気ポイントと呼ぶこととする。なお、CPU301は、全てのメタデータを対象として総合人気ポイントを算出しなければならないとは限らず、所定のメタデータのみを対象にして総合人気ポイントを算出するようにしてもよい。また、逆に、CPU301は、所定のメタデータを除外して総合人気ポイントを算出するようにしてもよい。
以下では、前記3つのカウンタの詳細、及び総合人気ポイントを算出する流れを説明する。
【0044】
まず、各メタデータに紐付けられる3つのカウンタ『追加回数』、『削除回数』、『残存数』について説明する。
第一のカウンタである追加回数は、ステップS404において、ユーザが選択した写真に含まれている累積回数を示す。また、第二のカウンタである削除回数は、ステップS404において、ユーザによってアルバムから取り除かれた写真に含まれている累積回数を示す。CPU301は、ステップS404においてユーザによる写真変更要求を受け付けるたびに、変更要求があった写真のメタデータに関して、メタデータ管理テーブル507に記録されている追加回数904及び削除回数905の値をインクリメントする。
図15は、ユーザからの写真変更要求に伴って追加回数、削除回数が更新される例の概念を示す図である。図15の例ではユーザから、写真1501から写真1502への写真変更要求を受け付けた場合を示している。このとき、CPU301は、写真1501に付加されているメタデータ(図15では、キー=教科、値=社会)に対する削除回数905を1インクリメントさせる。一方、CPU301は、写真1502に付加されているメタデータ(図15では、キー=イベント、値=文化祭)の追加回数904を1インクリメントさせる。
【0045】
第三のカウンタである残存数は、ステップS404において、編集開始時(初期状態)から総合人気ポイントを算出するタイミングまでアルバムに残りつづけている写真に含まれている回数を示す。例えば、あるユーザの編集開始時点(初期状態)で写真CC.jpgが掲載されており、総合人気ポイントを算出する時点までアルバムに写真CC.jpgが残りつづけているとき、CPU301は、CC.jpgに付加されているメタデータの残存数を1インクリメントさせる。
【0046】
次に、図16を用いて総合人気ポイントを算出する流れを説明する。図16は、総合人気ポイントを算出する処理を示すフローチャートである。CPU301は、各メタデータに対して所定の時間間隔おきに、図16に示すフローチャートにしたがった処理を行い、総合人気ポイントを算出する。これにより、時々刻々と総合人気ポイントは変動することとなる。総合人気ポイントを算出する時間間隔は、ステップS401からS403までの間に、CPU301が、ユーザから設定入力を受け付ける。例えば、ユーザは、1時間おき、30分おき、5分おき等の設定を行う。なお、ここでは所定の時間間隔おきに総合人気ポイントを算出することを述べたが、CPU301は、ユーザの作業量に連動したタイミングで総合人気ポイントを算出するようにしてもよい。例えば、CPU301は、10人のユーザがログインするたびに総合人気ポイントを算出したり、5人のユーザが写真を1枚変更するたびに総合人気ポイントを算出したりしてもよい。
以下では、図16に示すフローチャートの各処理について詳細を述べる。
【0047】
ステップS1601は、開始処理である。
ステップS1602は、CPU301が、図16に示すフローにおいて必要となる各種データを、RAM305に格納するためのメモリ領域を確保する処理である。図16に示すフローチャートにおいて必要となるデータは、各メタデータの追加回数、削除回数、残存数である。また、ステップS1606で必要となる前記3つのカウンタによるソート順位及びステップS1607にて必要となる前記ソート順位から得られる人気ポイントの値もある。CPU301は、これらのデータを格納するためのメモリ領域を確保する。
ステップS1603は、CPU301が、前記確保されたメモリ領域を初期化する処理である。
【0048】
ステップS1604は、CPU301が各メタデータについて追加回数、削除回数のそれぞれをメタデータ管理テーブル507の追加回数904、削除回数905の各フィールドから取得し、ステップS1602にて確保されたメモリ領域に読み込む処理である。
ステップS1605は、CPU301が各メタデータについて残存数をカウントする処理である。カウンタはステップS1602においてRAM305上に確保されたメモリ領域に保持され、CPU301がそのカウンタをインクリメントさせていく。残存数のカウント方法の詳細は後述する図18を用いて説明する。
ステップS1606は、CPU301が各メタデータの追加回数、削除回数、残存数それぞれについてメタデータのランキングを生成する処理である(ランキング情報生成)。より具体的に説明すると、CPU301は、各メタデータを追加回数で降順ソートした場合、削除回数で降順ソートした場合、残存数で降順ソートした場合のそれぞれに関して、各メタデータの順位を決定する。つまり、本実施形態では、追加回数に係るランキング(ランキング情報)とは、メタデータを追加回数で降順にソートしたリストを指す。また、削除回数に係るランキング(ランキング情報)とは、メタデータを削除回数で降順にソートしたリストを指す。また、残存数に係るランキング(ランキング情報)とは、メタデータを残存数で降順にソートしたリストを指す。
【0049】
なお、CPU301は、メタデータのランキングを生成するときに、単純にカウント数でソートするのではなく、カウント数をメタデータの付加写真数で割った値でソートし、ランキングを生成してもよい。この場合、ランキングの順位はユーザからの選択された回数ではなく、ユーザからの選択率による評価が可能となる。例えば、あるメタデータAは100枚の写真に付加されており、あるメタデータBは3枚の写真に付加されているとする。また、メタデータAの追加回数は5、メタデータBの追加回数は4だとすると、単純に選択された回数で比較した場合は、メタデータAの方がランキングの上位に来る。一方、ユーザからの選択率でランキングを生成する場合、メタデータAは5/100、メタデータBは4/3なので、メタデータBの方がランキングの上位に来る。選択回数で比較するのか、選択率で比較するのかは、予めアルバム制作装置103がユーザからの入力を受け付けて設定しておく等としてもよい。
【0050】
ステップS1607は、CPU301が前記順位の1位のメタデータから所定の順位のメタデータまでに人気度ポイントを与える処理である。ここで、CPU301は、追加回数、残存数のランキングにラインクインしたメタデータには正のポイントを、また、削除回数のランキングにランクインしたメタデータには負のポイントを、ステップS1602にて確保されたメモリ領域に記憶する。なお、何位のメタデータまで人気ポイントを与えるか、及び、各ランクに何ポイント与えるかについては、予めアルバム制作装置103がユーザからの入力を受け付けて設定しておく等としてもよい。
ステップS1608は、CPU301が各メタデータに対して総合人気ポイントを算出する処理である。総合人気ポイントを算出するためには、残存数のランキングにより得られた人気ポイントのみ、その重みを時間経過によって変動させる式を用いる。総合人気ポイントの算出に用いられる式の一例を図17に示した。図17は、総合人気ポイントの算出に用いられる式の一例を示す図である。どのように時間経過によって変動させるか、及び時間経過によって変動させるようにした理由に関しては後述する図19を用いて説明する。
ステップS1609は、終了処理である。
【0051】
(残存数のカウント方法)
以下では、ステップS1605において、CPU301が各メタデータの残存数をカウントする処理を説明する。図18は、各メタデータの残存数をカウントする処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS1801は、開始処理である。
ステップS1802は、CPU301が、処理対象アルバム内の、処理対象の可変画像フレーム上の写真が初期状態から残っているものなのかを判定する処理である。CPU301は、アルバムレイアウトデータ503の処理対象アルバムに対応する変更履歴データ602を参照し、処理対象可変画像フレームに対応する変更フラグをチェックすることで前記判定を行う。ここで、初期状態から残っている写真であると判定した場合、CPU301は、ステップS1803に進む。初期状態から変更された写真であると判定した場合、CPU301は、ステップS1803をスキップし、ステップS1804に進む。
【0052】
ステップS1803は、CPU301が、ステップS1802で初期状態から残っていると判定された写真に付加されているメタデータの残存数をインクリメントさせる処理である。CPU301は、写真/メタデータ対応テーブル508を参照し、前記写真に付加されているメタデータがどれなのかをチェックする。そして、CPU301は、RAM305上に確保されているメモリ領域のうち、当該メタデータに対応する残存数の値を1インクリメントするという処理を行う。
ステップS1804は、CPU301が、処理対象のアルバムの、可変画像フレームを全て処理したかどうかを判定する処理である。
ステップS1805は、CPU301が、全生徒のアルバムを処理したかを判定する処理である。
ステップS1806は、CPU301が次の可変画像フレームに処理を移す処理である。
ステップS1807は、CPU301が次の生徒のアルバムに処理を移す処理である。
ステップS1808は、終了処理である。
【0053】
(総合人気ポイント算出)
前述したように、ステップS1608において各メタデータの総合人気ポイントを算出する際、CPU301は、残存数のランキングにより得られた人気ポイントに関してはその重みを時間経過によって変動させる式を用いる。
より具体的に説明すると、CPU301は、残存数のランキングにより得られた人気ポイントの重みは、編集期間開始時(ステップS404開始時)に最も低くし、時間が経つにつれて上昇させ、編集期間終了時(ステップS404終了時)に最大になるようにする。図19は、人気ポイントの重みをグラフで表した図である。なお、図19は、線形のグラフとなっているが、線形のグラフに限らず、非線形のグラフであってもよい。
【0054】
このように重みを変動させる理由を以下で説明する。編集期間開始時(初期状態)の各ユーザのアルバムには、CPU301が可変画像フレームに設定された画像配置ルールに則って自動的に決定した写真のみが掲載されている。そのため、ユーザの好みは必ずしも反映されているとは限らないと言える。したがって、編集期間開始時(=初期状態)における、残存数ランキングによって得られる人気ポイントの重みを最も低くする。ユーザは、ユーザにとって好みではない写真を好みの写真に置き換えていく。一方で、編集期間開始時(初期状態)のアルバムにユーザの好みの写真が載っていた場合、その写真は置き換えられずにアルバム上に残り続ける。
【0055】
ここで、ある写真が編集期間開始時(初期状態)からアルバム上に残り続けている理由は、『ユーザの好みの写真だったから』、『ユーザの好みの写真ではないが、(何らかの理由により)まだ変更していないから』という2通りが考えられる。後者の理由に関して、より具体的に説明すると、他のページを編集しているためにまだ当該写真に目を通していない、等の理由が考えられる。しかし、ユーザがシステムを利用する時間が長くなるにつれ、後者の理由で写真が残りつづけている可能性は減っていくと予想される。
以上の理由から、CPU301は、編集期間の経過時間にあわせて残存数のランキングによって得られる人気ポイントの重みを大きい値にしていき、当該システムの運用終了時に重みが最大になるようにする。これにより総合人気ポイントを算出する場合に時間経過で重みを付けない場合と重み付ける場合とで比較すると、『ユーザの好みの写真ではないが、(何らかの理由により)まだ変更していないから』という理由から残存数が大きくなるケースを減らすことができる。そのため、より適切にユーザの好みを総合人気ポイントに反映できるという効果が得られる。
【0056】
(タグクラウドのフォントサイズ算出方法)
ステップS1608にて算出された各メタデータの総合人気ポイントから、CPU301は、タグクラウドとして各メタデータを表示する際のフォントサイズを算出する。より具体的に説明すると、CPU301は、総合人気ポイントの高いメタデータに対して大きいフォントサイズでそのメタデータ名を表示し、総合人気ポイントが低いメタデータに対しては小さいフォントサイズでそのメタデータ名を表示する。
フォントサイズの算出に用いられる式の一例を図20に示す。図20は、フォントサイズの算出に用いられる式の一例を示す図である。図20に示される式では、Pxは算出対象のメタデータの総合人気ポイントを示し、SizeMax、SizeMinは、それぞれフォントサイズの最大、最小を示す。また、PointMaxは、総合人気ポイントが最も高かったメタデータのその総合人気ポイントを示す。
SizeMax、SizeMin、PointMaxの値に関しては、例えば、予めアルバム制作装置103がユーザからの入力を受け付けて設定しておく。
なお、図20は線形の式となっているが、これは一例であり、非線形の式であってもよい。
【0057】
(写真の表示サイズ)
また、CPU301は、総合人気ポイントの高いメタデータが付加されている写真は大きい表示サイズで候補写真一覧表示領域1203に表示するようにしてもよい。そして、CPU301は、総合人気ポイントの低いメタデータが付加されている写真は小さい表示サイズで候補写真一覧表示領域1203に表示するようにしてもよい。
このようにすることによってユーザは、人気のあるメタデータが付加された写真を容易に判別することができる。
【0058】
<実施形態2>
実施形態1ではCPU301は、ステップS1608において、アルバム編集期間内の経過時間に従って総合人気ポイントを算出する際の残存数によって得られる人気ポイントの重みを増加させていた。
実施形態1は、時間経過に比例してユーザによるアルバムの写真の置き換える累積回数が増えるという前提をもとにしている。したがって、ユーザによるアルバムの写真を変更する量が時間経過に比例しない場合は、ユーザの好みが総合人気ポイントに適切に反映されない可能性もある。例えば、編集期間が終了する間近に大勢のユーザが写真の変更を始める場合等が考えられる。この場合、その大勢のユーザが写真の変更を開始する直前において、『ユーザの好みの写真ではないが、(何らかの理由により)まだ変更していないから』という理由でアルバム上に残り続けているメタデータに関しても、残存数が大きくなってしまう。この場合ユーザの好みが総合人気ポイントに適切に反映されないといったことが起こり得る。
【0059】
実施形態2では上記の場合を考慮し、各ユーザがどれくらい自分のアルバム写真の置き換えを行ったかを"ユーザの利用度"として算出する。そして、CPU301は、そのユーザの利用度に基づき、残存数ランキングによって得られる人気ポイントの重みを算出する。ユーザの利用度を算出する際に用いられる式の一例を図21に示す。図21は、ユーザの利用度を算出する際に用いられる式の一例を示す図である。図21に示される式では、『最終的に変更すると予想されるユーザの数』と『最終的に変更されると予想される写真の枚数』とから、ユーザの利用度を算出している。実際に例を挙げると、最終的に写真を変更すると予想されるユーザの数が30人であり、最終的に変更すると予想される平均変更枚数が5枚だとする。総合人気ポイントを算出するタイミングで、写真変更を1枚以上行ったユーザの数が20人で、写真変更を1枚以上行ったユーザの平均変更枚数が4枚だとすると、ユーザの利用度は、0.533となる。
【0060】
また、ユーザの利用度に対する、残存数によって得られる人気ポイントの重みの関係性を示すグラフの一例を図22に示す。図22は、残存数によって得られる人気ポイントの重みの関係性を示すグラフの一例を示す図である。図22に関して、ここではユーザの利用度に対して線形に重みを増やしているが、これは一例であり、線形に限らず非線形に重みを増やしてもよい。
上記のような処理により、ユーザによるアルバム写真の変更量が時間経過に比例しない場合でも、ユーザの好みを総合人気ポイントに適切に反映させることができる。
【0061】
<その他の実施形態>
また、本発明の目的は、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、システム或いは装置の中央演算処理手段(CPUやMPU)が記憶媒体から読み出して実行することでも達成される。
【0062】
また、システム或いは装置の前記中央演算処理手段が読み出したプログラムコードの指示に基づき、オペレーティングシステム(OS)等が実際の処理の一部又は全部を行う場合も含まれる。
【0063】
上述した各実施形態によれば、二人以上のユーザがそれぞれのアルバムを編集している場合、ユーザが気にいったため置き換えずにVDPデータ上に残してある写真について、その写真に付加されているメタデータの人気度や写真そのものの人気度を評価できるようになる。これにより、各ユーザの好みが適切に反映された人気度を算出できる。
また、上述した各実施形態によれば、写真等のコンテンツデータやメタデータ等の人気度にユーザの好みを適切に反映させることができる。
【0064】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0065】
103 アルバム制作装置、104 プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからの要求に基づいて、ページデータに配置されているコンテンツデータを他のコンテンツデータに変更する変更手段と、
前記ページデータに配置されているコンテンツデータのうち、前記変更手段で変更されなかったコンテンツデータに付加されているメタデータに対応する残存数をカウントするカウント手段と、
前記カウント手段でカウントされた残存数に基づいて、メタデータの人気の度合を表すランキング情報を生成するランキング情報生成手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記カウント手段は、前記変更手段で新たにページデータに配置されたコンテンツデータに付加されているメタデータに対応する追加回数をカウントし、前記変更手段でページデータから削除されたコンテンツデータに付加されているメタデータに対応する削除回数をカウントし、
前記ランキング情報生成手段は、前記残存数に基づいて、前記残存数に係る、前記メタデータの人気の度合を表すランキング情報を生成すると共に、前記追加回数に基づいて、前記追加回数に係る、前記メタデータの人気の度合を表すランキング情報を生成し、前記削除回数に基づいて、前記削除回数に係る、前記メタデータの人気の度合を表すランキング情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
メタデータの人気の度合を数値化した人気ポイントを算出する算出手段を更に有し、
前記算出手段は、前記残存数に係るランキング情報に基づき、前記残存数に係る人気ポイントを算出することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記算出手段は、前記残存数に係るランキング情報に基づき、前記残存数に係る人気ポイントを算出すると共に、前記追加回数に係るランキング情報に基づき、前記追加回数に係る人気ポイントを算出し、前記削除回数に係るランキング情報に基づき、前記削除回数に係る人気ポイントを算出することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記算出手段は、前記残存数に係る人気ポイントと、前記追加回数に係る人気ポイントと、前記削除回数に係る人気ポイントと、に基づいて、メタデータの総合的な人気の度合を数値化した総合人気ポイントを算出することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記算出手段は、前記残存数に係る人気ポイントに対して時間経過に応じて変化させる重みを付加して前記総合人気ポイントを算出することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記算出手段は、前記残存数に係る人気ポイントに対してメタデータの利用度に応じて変化させる重みを付加して前記総合人気ポイントを算出することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
ユーザからの要求に応じて、コンテンツデータに付加されているメタデータを示す情報の一覧を表示装置に表示する表示手段を更に有し、
前記表示手段は、前記算出手段で算出されたメタデータの前記総合人気ポイントに基づいて、前記一覧に含まれる、前記メタデータを示す情報のフォントサイズを変化させることを特徴とする請求項5乃至7の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
ユーザからの要求に応じて、コンテンツデータの一覧を表示装置に表示する表示手段を更に有し、
前記表示手段は、前記算出手段で算出された前記総合人気ポイントに基づいて、前記一覧に含まれる、前記メタデータが付加されたコンテンツデータの表示サイズを変化させることを特徴とする請求項5乃至7の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
ユーザからの要求に基づいて、ページデータに配置されているコンテンツデータを他のコンテンツデータに変更する変更手段と、
前記ページデータに配置されているコンテンツデータのうち、前記変更手段で変更されなかったコンテンツデータに対応する残存数をカウントするカウント手段と、
前記カウント手段でカウントされた残存数に基づいて、コンテンツデータの人気の度合を表すランキング情報を生成するランキング情報生成手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
情報処理装置における情報処理方法であって、
ユーザからの要求に基づいて、ページデータに配置されているコンテンツデータを他のコンテンツデータに変更する変更ステップと、
前記ページデータに配置されているコンテンツデータのうち、前記変更ステップで変更されなかったコンテンツデータに付加されているメタデータに対応する残存数をカウントするカウントステップと、
前記カウントステップでカウントされた残存数に基づいて、メタデータの人気の度合を表すランキング情報を生成するランキング情報生成ステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
情報処理装置における情報処理方法であって、
ユーザからの要求に基づいて、ページデータに配置されているコンテンツデータを他のコンテンツデータに変更する変更ステップと、
前記ページデータに配置されているコンテンツデータのうち、前記変更ステップで変更されなかったコンテンツデータに対応する残存数をカウントするカウントステップと、
前記カウントステップでカウントされた残存数に基づいて、コンテンツデータの人気の度合を表すランキング情報を生成するランキング情報生成ステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータを、
ユーザからの要求に基づいて、ページデータに配置されているコンテンツデータを他のコンテンツデータに変更する変更手段と、
前記ページデータに配置されているコンテンツデータのうち、前記変更手段で変更されなかったコンテンツデータに付加されているメタデータに対応する残存数をカウントするカウント手段と、
前記カウント手段でカウントされた残存数に基づいて、メタデータの人気の度合を表すランキング情報を生成するランキング情報生成手段と、
して機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
コンピュータを、
ユーザからの要求に基づいて、ページデータに配置されているコンテンツデータを他のコンテンツデータに変更する変更手段と、
前記ページデータに配置されているコンテンツデータのうち、前記変更手段で変更されなかったコンテンツデータに対応する残存数をカウントするカウント手段と、
前記カウント手段でカウントされた残存数に基づいて、コンテンツデータの人気の度合を表すランキング情報を生成するランキング情報生成手段と、
して機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項15】
請求項13又は14に記載のプログラムを記憶したコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−267018(P2010−267018A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−116900(P2009−116900)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】