情報処理装置及びETCシステム
【課題】車両に搭載された車載器との間で通信を行う場合に、電波吸収体によらずに、誤通信を回避する。
【解決手段】電波到来角度検出部101は、角度検出用アンテナ200に到来した電波の送出元の方位を、水平角度Φと垂直角度θで特定する。角度関係定義情報記憶部103は、車両が自レーンを走行する場合に当該車両の車載器から送出された電波が角度検出用アンテナ200に到来する際の水平角度Φと垂直角度θとの対応関係が定義される角度関係定義情報を記憶している。車載器位置判定部102は、電波到来角度検出部101により特定された水平角度Φと垂直角度θと、角度関係定義情報とを照合し、電波到来角度検出部101により特定された水平角度Φと垂直角度θが角度関係定義情報で定義されている対応関係に合致する場合に、角度検出用アンテナ200に到来した電波の送出元が自レーンを走行する車両の車載器であると判定する。
【解決手段】電波到来角度検出部101は、角度検出用アンテナ200に到来した電波の送出元の方位を、水平角度Φと垂直角度θで特定する。角度関係定義情報記憶部103は、車両が自レーンを走行する場合に当該車両の車載器から送出された電波が角度検出用アンテナ200に到来する際の水平角度Φと垂直角度θとの対応関係が定義される角度関係定義情報を記憶している。車載器位置判定部102は、電波到来角度検出部101により特定された水平角度Φと垂直角度θと、角度関係定義情報とを照合し、電波到来角度検出部101により特定された水平角度Φと垂直角度θが角度関係定義情報で定義されている対応関係に合致する場合に、角度検出用アンテナ200に到来した電波の送出元が自レーンを走行する車両の車載器であると判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、到来した電波の送出元の位置を判定する技術に関する。
より具体的には、本発明は、ETC(Electronic Toll Collection)システムにおいて電波の送出元の車両が走行しているレーンを判定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ETCシステムでは、料金所の近傍に配置されているアンテナと車両に搭載されている車載器との間の無線通信により課金処理に必要な情報が送受信される。
有料道路の料金所では、複数のETCレーンが隣接して配置されていることが一般的である。
また、ETCレーンに隣接して一般道が配置されていることもある。
このように複数のETCレーンが隣接して配置されている場合や、ETCレーンに隣接して一般道が配置されている場合には、ETCレーン間における誤通信やETCレーンと一般道との間における誤通信が起こり得る。
誤通信が起こると、料金未収受や二重課金、また金額間違い等が生じる可能性がある。
この点につき、例えば、特許文献1及び特許文献2では、隣接レーンまたは一般道を走行する車両との誤通信防止のため、道路端に電波吸収体を設置することで対策を実施している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−123111号公報
【特許文献2】特開2003−218581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示の電波吸収体は素材、設置工事を含めて費用が高いという課題がある。
また、経年劣化により電波吸収体を交換する必要があるという課題がある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決することを主な目的としており、車両に搭載された車載器との間で通信を行う場合に、電波吸収体によらずに、誤通信を回避することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理装置は、
車両が走行する走行レーン上の所定の位置に、走行する車両に対向する向きで配置され、前記走行レーンの長手方向における水平軸と前記水平軸に直交する鉛直方向の垂直軸が指定されており、到来した電波の送出元の方位を特定するための方位特定用アンテナ
に接続されている情報処理装置であって、
前記方位特定用アンテナに到来した電波の送出元の方位を、前記水平軸を基準とする角度である水平角度と、前記垂直軸を基準とする角度である垂直角度で特定する電波方位特定部と、
電波を送出する車載器が搭載された車両が前記走行レーンを走行する場合に前記車載器から送出された電波が前記方位特定用アンテナに到来する際の水平角度と垂直角度との対応関係が定義される角度関係定義情報を記憶する角度関係定義情報記憶部と、
前記電波方位特定部により特定された水平角度及び垂直角度と前記角度関係定義情報とを照合し、前記電波方位特定部により特定された水平角度及び垂直角度が前記角度関係定義情報で定義されている対応関係に合致する場合に、前記方位特定用アンテナに到来した電波の送出元が前記走行レーンを走行する車両の車載器であると判定する走行判定部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、方位特定用アンテナに到来した電波の送信元の方位を特定して、電波の送出元が走行レーンを走行する車両の車載器か否かを判定することができるので、電波吸収体によらずに、誤通信を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1に係る情報処理装置の構成例を示す図。
【図2】実施の形態1に係るレーン、アンテナ及び車両の位置関係を説明する図。
【図3】実施の形態1に係るレーン、アンテナ及び車両の位置関係とX軸、Y軸及びZ軸を説明する図。
【図4】実施の形態1に係るアンテナに到来した電波の水平角度及び垂直角度を説明する図。
【図5】実施の形態1に係る自レーン及び隣接レーンにおける水平角度及び垂直角度の関係を説明する図。
【図6】実施の形態1に係る角度検出用アンテナの構成例を示す図。
【図7】実施の形態1に係る角度検出用アンテナの構成例を示す図。
【図8】実施の形態1に係る車載器位置判定部の動作例を示すフローチャート図。
【図9】実施の形態1に係る車載器位置判定部の判定例を説明する図。
【図10】実施の形態1に係る車載器位置判定部の判定例を説明する図。
【図11】実施の形態1に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
本実施の形態では、ETCなどの路側機器と車載器とが無線通信を行う路車間通信システムにおいて、電波吸収体を用いることなく、隣接するレーン間の誤通信を回避する構成を説明する。
本実施の形態では、路側用アンテナの受信アンテナにおいて、複数のアンテナから電波の到来方向を求めるアンテナを用い、車載器から受信した信号から、路側アンテナを基準とした水平方向と垂直方向の電波到来角度を検出する。
電波到来角度が検出できれば、電波到来角度とアンテナ高さから電波の路来方向すなわち車載器の位置(対象の走行レーンを走行している車両の車載器からの電波であるか否か)を求めることができる。
ただし、1ポイントでの推定では誤差が大きく位置を誤る可能性が高くなるため、車両の進入に合せて複数のポイントのデータを用いて車載器の進入レーンを推定する。
前記で推定した車載器の位置により、対象の走行レーン(以下、自レーンともいう)内に車載器がいる時は通信を開始し、自レーンにいない時は通信をやめることで電波吸収体の使用を不要もしくは削減することが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本実施の形態に係る構成を説明する。
【0010】
図1は、本実施の形態に係る情報処理装置100の構成を示す。
【0011】
情報処理装置100は、角度検出用アンテナ200と通信用アンテナ300に接続されている。
角度検出用アンテナ200は、到来した電波の送出元の方位(水平角度、垂直角度)を特定するためのアンテナである。
角度検出用アンテナ200は方位特定用アンテナの例に相当する。
通信用アンテナ300は、車両に搭載されている車載器と通行料金の課金に必要な情報の送受信を行うためのアンテナである。
【0012】
角度検出用アンテナ200と通信用アンテナ300は、例えば、図2に示すように、料金所の近傍において、車両が走行する走行レーン(自レーン)上の所定の位置に、走行する車両400に対向する向きで配置されている。
図2(a)は、上空から走行レーンを見た状態を示しており、図2(b)は、側方から走行レーンを見た状態を示している。
自レーンを走行する車両400に搭載されている車載器から送信された無線通信用の電波は角度検出用アンテナ200で受波され、角度検出用アンテナ200で受波された電波の送信元が自レーンを走行している車両400であると判定した場合に、情報処理装置100は、通信用アンテナ300を介して、車両400の車載器と料金収受のための通信を行う。
【0013】
角度検出用アンテナ200は、水平角度及び垂直角度を検出する必要があるため、図6に例示するように、例えばX軸(水平軸)の方向に2つ、Z軸(垂直軸)の方向に2つ配置することが考えられる。
また、図7に例示するように、3つの角度検出用アンテナ200を配置するようにしてもよい。
【0014】
なお、X軸は、図3に示すように、自レーンの長手方向における軸であり、Z軸は、X軸に直交する鉛直方向の軸である。
X軸は、例えば、自レーンの路面に平行する軸とすることが考えられるが、これに限らない。
【0015】
なお、図1等では、角度検出用アンテナ200と通信用アンテナ300を別の構成にしているが記載しているが、両者の機能を1つのアンテナで実現してもよい。
【0016】
次に、情報処理装置100の内部構成例について説明する。
【0017】
電波到来角度検出部101は、角度検出用アンテナ200に到来した電波の送出元の方位を、X軸(水平軸)を基準とする角度である水平角度Φと、Z軸(垂直軸)を基準とする角度である垂直角度θで特定する。
水平角度Φ及び垂直角度θは、具体的には、図4に示す角度である。
つまり、水平角度Φは、角度検出用アンテナ200のアンテナ位置を基準にした走行レーンの幅方向の角度であり、垂直角度θは、角度検出用アンテナ200のアンテナ位置を基準にした遠近方向の角度である。
なお、車両400内の要素500は車載器を表している。
電波到来角度検出部101の角度検出の方法はいくつかあるが、例えば2つの角度検出用アンテナ200間の距離と受信電波の位相差を用いる方法では以下のように検出できる。
水平角度Φ=sin−1(λ・α/d/360) [度] ・・・式1
d:アンテナ水平間距離
λ:波長
α:受信電波の位相差
垂直角度θについても同様に求めることができる。
また、電波到来角度検出部101は、受信電波に対するデコード処理を行ってID(Identification)情報(例えば、車両400の識別子)を抽出する。
そして、電波到来角度検出部101は、水平角度Φ及び垂直角度θと、ID情報を車載器位置判定部102に出力する。
なお、電波到来角度検出部101は、電波方位特定部の例である。
【0018】
車載器位置判定部102は、電波到来角度検出部101により特定された水平角度Φ及び垂直角度θと後述する角度関係定義情報記憶部103に記憶されている角度関係定義情報とを照合する。
そして、水平角度Φ及び垂直角度θが角度関係定義情報で定義されている対応関係に合致する場合に、車載器位置判定部102は、車載器500を搭載する車両400が自レーンを走行している、すなわち、電波到来角度検出部101により水平角度Φ及び垂直角度θが検出された電波の送信元は自レーンを走行している車両400の車載器500であると判定する。
自レーンを走行している車両400の車載器500からの電波であると判定した場合に、車載器位置判定部102は、電波到来角度検出部101から入力したID情報を課金処理部104に出力する。
なお、車載器位置判定部102は、所定の垂直角度θを閾値角度として保持し、電波到来角度検出部101から入力した垂直角度θが閾値角度以下になった時点で、角度関係定義情報との照合を開始する。
また、車載器位置判定部102は、正確を期すために、同じID情報に対して、水平角度Φ及び垂直角度θと角度関係定義情報との照合を複数回行い、当該複数回の照合において水平角度Φ及び垂直角度θが連続して角度関係定義情報と整合している場合に、電波の送信元が自レーン内の車両400であると判定する。
車載器位置判定部102は、走行判定部の例である。
【0019】
角度関係定義情報記憶部103は、角度関係定義情報を記憶している。
角度関係定義情報は、車載器が搭載された車両が自レーンを走行する場合に当該車載器から送出された電波が角度検出用アンテナ200に到来する際の水平角度Φと垂直角度θとの対応関係が定義される情報である。
例えば、図2に示すような以下の環境のETCの料金所を考える。
アンテナ高さ:地上高 5m
車載器高さ :地上高 1〜2m
自レーン幅 :3.5m
アイランド幅:2.2m
この環境では、自レーンを走行する車両の車載器からの電波の水平角度Φと垂直角度θと、隣接レーンを走行する車両の車載器からの電波の水平角度Φと垂直角度θとは、図5に示すようにプロットされる。
角度関係定義情報は、図5に例示する自レーン内の車両の車載器からの電波の水平角度Φと垂直角度θの対応関係(水平角度Φと垂直角度θのプロット結果)が示される情報である。
【0020】
ID情報カウント値蓄積部105は、車載器位置判定部102により同じID情報に対して水平角度Φ及び垂直角度θが角度関係定義情報と整合していると判定された回数を計数する。
【0021】
課金処理部104は、道路料金の課金に関する処理を行う。
より具体的には、課金処理部104は、車載器位置判定部102から通知されたID情報と同じID情報が通信用アンテナ300で受波された電波に含まれている場合に、当該ID情報に対して道路料金の課金に関する処理を行う。
【0022】
次に、本実施の形態に係る情報処理装置100の動作例を説明する。
図8は車載器位置判定部102の動作例を示すフローチャートであり、以下では、図8を参照しながら、車載器位置判定部102の動作を中心に情報処理装置100の動作例を説明する。
【0023】
電波到来角度検出部101は、角度検出用アンテナ200に到来した電波の平角度Φと垂直角度θを、例えば、上記の式1に従って算出する。
また、電波到来角度検出部101は、受信電波に対するデコード処理を行ってID情報(例えば、車両400の識別子)を抽出し、水平角度Φ及び垂直角度θと、ID情報を車載器位置判定部102に出力する。
【0024】
車載器位置判定部102は、電波到来角度検出部101から水平角度Φ及び垂直角度θとID情報を入力する(S801)。
【0025】
次に、車載器位置判定部102は、垂直角度θが所定の閾値角度以下であるかを判断し(S802)、閾値角度よりも大きい場合(S802でNO)は、処理を終える。
【0026】
一方、垂直角度θが閾値角度以下である場合(S802でYES)は、角度関係定義情報を参照し、水平角度Φが許容範囲内にあるかを判断する(S803)。
つまり、車載器位置判定部102は、電波到来角度検出部101から入力した水平角度Φと垂直角度θとの対応関係が、図5に例示する自レーン内のグラフから逸脱していないかの判断を行う。
【0027】
水平角度Φが許容範囲内である場合(S803でYES)は、車載器位置判定部102は、電波到来角度検出部101から入力したID情報と同じID情報がID情報カウント値蓄積部105に蓄積されているかを判断する(S804)。
【0028】
電波到来角度検出部101から入力したID情報と同じID情報がID情報カウント値蓄積部105に蓄積されていない場合(S804でNO)は、車載器位置判定部102は、ID情報カウント値蓄積部105にそのID情報とカウント値として1(1回)を蓄積させる。
【0029】
一方、電波到来角度検出部101から入力したID情報と同じID情報がID情報カウント値蓄積部105に蓄積されている場合(S804でYES)は、車載器位置判定部102は、ID情報カウント値蓄積部105に蓄積されているカウント値を読み出し(S806)、カウント値をカウントアップする(S807)。
そして、車載器位置判定部102は、カウントアップ後のカウント値が条件値(例えば、5回)に達したかを判断する(S808)。
【0030】
カウントアップ後のカウント値が条件値に達していない場合(S808でNO)は、車載器位置判定部102は、カウントアップ後のカウント値をID情報カウント値蓄積部105に蓄積させて処理を終える。
一方、カウントアップ後のカウント値が条件値に達している場合(S808でYES)は、車載器位置判定部102は、受信電波の送信元の車両400が自レーンを走行中と判定し(S809)、電波到来角度検出部101から入力したID情報を課金処理部104に出力する。
課金処理部104では、前述のように、ID情報に基づき、課金処理を行う。
また、車載器位置判定部102は、ID情報カウント値蓄積部105のID情報及びカウント値をクリアする。
【0031】
また、S803の判断において、水平角度Φが許容範囲内にない場合、つまり、電波到来角度検出部101から入力した水平角度Φと垂直角度θとの対応関係が、図5に例示する自レーン内のグラフから逸脱している場合は、車載器位置判定部102は、電波到来角度検出部101から入力したID情報と同じID情報がID情報カウント値蓄積部105に蓄積されているかを判断する(S811)。
そして、同じID情報がID情報カウント値蓄積部105に蓄積されている場合(S811でYES)は、ID情報カウント値蓄積部105に蓄積されているID情報とカウント値を消去する(S812)。
一方、電波到来角度検出部101から入力したID情報と同じID情報がID情報カウント値蓄積部105に蓄積されていない場合(S811でNO)は、車載器位置判定部102は処理を終える。
【0032】
次に、本実施の形態に係る車載器位置判定部102の動作例を具体的に説明する。
ここでは、上記のETC料金所、すなわち、以下の環境のETC料金所を例にとり車載器位置判定部102の動作例を説明する。
アンテナ高さ:地上高 5m
車載器高さ :地上高 1〜2m
自レーン幅 :3.5m
アイランド幅:2.2m
【0033】
料金所レーンと座標系は図4に示した通りであり、ここで到来角度と車載器500位置との関係は以下の式となる。
水平角度Φ=tan−1(Y/X)
垂直角度θ=tan−1(ρ/X) ただし ρ=√(X^2+Y^2)
この関係より車載器の高さが地上高1〜2mの範囲であることを考慮すると、自レーン内と隣接レーンの水平角度Φと垂直角度θの関係は、上述したように図5のようになる。
よって、ある垂直角度θの時に水平角度Φの値が車載器高さH=2に相当する水平角度Φ以下となっていれば自レーン内に存在すると推定できる。
垂直角度θが大きい時には、自レーンと隣接レーンの位相差が小さいこと、また、現地環境では周囲の反射により誤差が発生すると考えられるため車載器位置判定部102は以下のような判定を実施する。
垂直角度θがある角度より小さくなった時点で判定を開始する。
1ポイントでの判定ではなく、例えば連続5回のデータが自レーン内である場合に自レーン内と判定する。
また、車載器位置判定部102は、前後の角度差から速度ベクトルを求めデータの信頼性検定を行ってもよい。
【0034】
図9は、車載器位置判定部102の判定例を説明する図である。
図9では、自レーン内の車両の車載器からの電波を受信した例を示している。
図9では、説明のため、電波到来角度検出部101から同じID情報(以下、ID情報:AAAとする)に対して入力した水平角度Φと垂直角度θとを図5のグラフ上に時系列に点α0〜α5としてマッピングしている(α0が最も古いデータであり、α5が最も新しいデータ)。
なお、図9では隣接レーンのグラフも表示しているが、これは説明上の理由であり、車載器位置判定部102では隣接レーンでの水平角度Φと垂直角度θの対応関係を考慮する必要はない。
また、図9では、垂直角度θ=45度を図8のS802における閾値角度としている。
また、ここでは、連続して5回、水平角度Φと垂直角度θとの対応関係が角度関係定義情報(図9の自レーンのグラフ)と整合している場合に、図8のS809の自レーンを走行中との判定を行うものとする。
【0035】
最初に、車載器位置判定部102は、点α0に相当する水平角度Φと垂直角度θを電波到来角度検出部101から入力した場合は、入力した垂直角度θ>45度なので、S802でNOとなる。
次に、車載器位置判定部102が、点α1に相当する水平角度Φと垂直角度θを電波到来角度検出部101から入力した場合は、入力した垂直角度θ<45度なので、S802でYESとなる。
また、点α1における水平角度Φは自レーン内のグラフの水平角度Φよりも小さいのでS803でYESとなり、また、点α1時点でID情報:AAAは蓄積されていないので、S804でNOとなり、車載器位置判定部102は、S805で、ID情報:AAAとカウント値(1回)を蓄積させる。
また、車載器位置判定部102が点α2〜α4に相当する水平角度Φと垂直角度θを入力している間は、S802でYES、S803でYES、S804でYESとなり、S808でNOとなる。
一方、車載器位置判定部102が点α5に相当する水平角度Φと垂直角度θを入力した場合は、S802でYES、S803でYES、S804でYESとなり、S808でYESとなり、S810でID情報:AAAが課金処理部104に出力される。
【0036】
図10は、車載器位置判定部102の別の判定例を説明する図である。
図10では、図9の点α0〜α5の代わりに点β1、β2、β31、β32、をマッピングしている以外は、図9と同じである。
また、点β1、β2、β31、β32に相当する水平角度Φと垂直角度θとともに電波到来角度検出部101から入力するID情報をBBBとする。
【0037】
最初に、車載器位置判定部102は、点β1に相当する水平角度Φと垂直角度θを電波到来角度検出部101から入力した場合は、入力した垂直角度θ<45度なので、S802でYESとなる。
また、点β1における水平角度Φは自レーン内のグラフの水平角度Φよりも小さいのでS803でYESとなり、また、点β1時点でID情報:BBBは蓄積されていないので、S804でNOとなり、車載器位置判定部102は、S805で、ID情報:BBBとカウント値(1回)を蓄積させる。
次に、車載器位置判定部102が点β2に相当する水平角度Φと垂直角度θを入力した場合は、S802でYESとなるが、S803でNOとなり、S811でYESとなり、S812においてID情報:BBBとカウント値(1回)が消去される。
この場合は、点β1又は点β2は反射による計測結果であると考えられる。
また、その後、車載器位置判定部102が点β31に相当する水平角度Φと垂直角度θを入力した場合はS802でYESとなるが、S803でNOとなり、S811でNOとなる。
点β31に相当する水平角度Φと垂直角度θが入力された場合は、点β1が反射による計測結果である可能性が高い。
一方、点β31に相当する水平角度Φと垂直角度θの代わりに、車載器位置判定部102が点β32に相当する水平角度Φと垂直角度θを入力した場合は、S802でYES、S803でYESとなり、また、点β32時点でID情報:BBBは蓄積されていないので、S804でNOとなり、車載器位置判定部102は、S805で、ID情報:BBBとカウント値(1回)を蓄積させる。
点β32に相当する水平角度Φと垂直角度θが入力された場合は、点β2が反射による計測結果である可能性が高い。
点β32以降、4回連続して(合計5回連続して)、自レーンのグラフと整合する水平角度Φと垂直角度θが入力された場合は、図9の場合と同様に、ID情報:BBBが課金処理部104に通知される。
【0038】
このように、本実施の形態によれば、角度検出用アンテナに到来した電波の送信元の方位を特定して、電波の送出元が自レーンを走行する車両の車載器か否かを判定することができるので、電波吸収体によらずに、誤通信を回避することができる。
このため、電波吸収体の設置コストが発生せず、また、経年劣化による電波吸収体の交換も発生しない。
【0039】
最後に、本実施の形態に示した情報処理装置100のハードウェア構成例について説明する。
図11は、本実施の形態に示す情報処理装置100のハードウェア資源の一例を示す図である。
なお、図11の構成は、あくまでも情報処理装置100のハードウェア構成の一例を示すものであり、情報処理装置100のハードウェア構成は図11に記載の構成に限らず、他の構成であってもよい。
【0040】
図11において、情報処理装置100は、プログラムを実行するCPU911(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。
CPU911は、バス912を介して、例えば、ROM(Read Only Memory)913、RAM(Random Access Memory)914、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。
また、CPU911は、A/D(アナログ/ディジタル)変換器915、916を介して角度検出用アンテナ200と通信用アンテナ300に接続されており、A/D変換器915、916で変換された後のディジタル信号を処理して、本実施の形態で説明した水平角度Φ及び垂直角度θの検出、課金処理を行う。
【0041】
また、磁気ディスク装置920の代わりに、SSD(Solid State Drive)、光ディスク装置、メモリカード(登録商標)読み書き装置などの記憶装置でもよい。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。
本実施の形態で説明した「角度関係定義情報記憶部103」及び「ID情報カウント値蓄積部105」は、RAM914、磁気ディスク装置920等により実現される。
【0042】
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム921(OS)、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。
プログラム群923のプログラムは、CPU911がオペレーティングシステム921を利用しながら実行する。
【0043】
また、RAM914には、CPU911に実行させるオペレーティングシステム921のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。
また、RAM914には、CPU911による処理に必要な各種データが格納される。
【0044】
また、ROM913には、BIOS(Basic Input Output System)プログラムが格納され、磁気ディスク装置920にはブートプログラムが格納されている。
情報処理装置100の起動時には、ROM913のBIOSプログラム及び磁気ディスク装置920のブートプログラムが実行され、BIOSプログラム及びブートプログラムによりオペレーティングシステム921が起動される。
【0045】
上記プログラム群923には、本実施の形態の説明において「〜部」(「角度関係定義情報記憶部103」及び「ID情報カウント値蓄積部105」以外、以下同様)として説明している機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
【0046】
ファイル群924には、本実施の形態の説明において、「〜の検出」、「〜の特定」、「〜の判定」、「〜の抽出」、「〜の評価」、「〜の更新」、「〜の設定」、「〜の選択」、「〜の入力」、「〜の出力」等として説明している処理の結果を示す情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。
「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。
ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出される。
【0047】
また、本実施の形態で説明しているフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示す。
データや信号値は、RAM914のメモリ、フレキシブルディスク、コンパクトディスク、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記録される。
また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0048】
また、本実施の形態の説明において「〜部」として説明しているものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。
すなわち、本実施の形態で説明したフローチャートに示すステップ、手順、処理により、本発明に係る情報処理装置の動作手順を情報処理方法として捉えることができる。
また、「〜部」として説明しているものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。
或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。
ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。
プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。
すなわち、プログラムは、本実施の形態の「〜部」、としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、本実施の形態の「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【符号の説明】
【0049】
100 情報処理装置、101 電波到来角度検出部、102 車載器位置判定部、103 角度関係定義情報記憶部、104 課金処理部、105 ID情報カウント値蓄積部、200 角度検出用アンテナ、300 通信用アンテナ、400 車両、500 車載器。
【技術分野】
【0001】
本発明は、到来した電波の送出元の位置を判定する技術に関する。
より具体的には、本発明は、ETC(Electronic Toll Collection)システムにおいて電波の送出元の車両が走行しているレーンを判定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ETCシステムでは、料金所の近傍に配置されているアンテナと車両に搭載されている車載器との間の無線通信により課金処理に必要な情報が送受信される。
有料道路の料金所では、複数のETCレーンが隣接して配置されていることが一般的である。
また、ETCレーンに隣接して一般道が配置されていることもある。
このように複数のETCレーンが隣接して配置されている場合や、ETCレーンに隣接して一般道が配置されている場合には、ETCレーン間における誤通信やETCレーンと一般道との間における誤通信が起こり得る。
誤通信が起こると、料金未収受や二重課金、また金額間違い等が生じる可能性がある。
この点につき、例えば、特許文献1及び特許文献2では、隣接レーンまたは一般道を走行する車両との誤通信防止のため、道路端に電波吸収体を設置することで対策を実施している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−123111号公報
【特許文献2】特開2003−218581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示の電波吸収体は素材、設置工事を含めて費用が高いという課題がある。
また、経年劣化により電波吸収体を交換する必要があるという課題がある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決することを主な目的としており、車両に搭載された車載器との間で通信を行う場合に、電波吸収体によらずに、誤通信を回避することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理装置は、
車両が走行する走行レーン上の所定の位置に、走行する車両に対向する向きで配置され、前記走行レーンの長手方向における水平軸と前記水平軸に直交する鉛直方向の垂直軸が指定されており、到来した電波の送出元の方位を特定するための方位特定用アンテナ
に接続されている情報処理装置であって、
前記方位特定用アンテナに到来した電波の送出元の方位を、前記水平軸を基準とする角度である水平角度と、前記垂直軸を基準とする角度である垂直角度で特定する電波方位特定部と、
電波を送出する車載器が搭載された車両が前記走行レーンを走行する場合に前記車載器から送出された電波が前記方位特定用アンテナに到来する際の水平角度と垂直角度との対応関係が定義される角度関係定義情報を記憶する角度関係定義情報記憶部と、
前記電波方位特定部により特定された水平角度及び垂直角度と前記角度関係定義情報とを照合し、前記電波方位特定部により特定された水平角度及び垂直角度が前記角度関係定義情報で定義されている対応関係に合致する場合に、前記方位特定用アンテナに到来した電波の送出元が前記走行レーンを走行する車両の車載器であると判定する走行判定部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、方位特定用アンテナに到来した電波の送信元の方位を特定して、電波の送出元が走行レーンを走行する車両の車載器か否かを判定することができるので、電波吸収体によらずに、誤通信を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1に係る情報処理装置の構成例を示す図。
【図2】実施の形態1に係るレーン、アンテナ及び車両の位置関係を説明する図。
【図3】実施の形態1に係るレーン、アンテナ及び車両の位置関係とX軸、Y軸及びZ軸を説明する図。
【図4】実施の形態1に係るアンテナに到来した電波の水平角度及び垂直角度を説明する図。
【図5】実施の形態1に係る自レーン及び隣接レーンにおける水平角度及び垂直角度の関係を説明する図。
【図6】実施の形態1に係る角度検出用アンテナの構成例を示す図。
【図7】実施の形態1に係る角度検出用アンテナの構成例を示す図。
【図8】実施の形態1に係る車載器位置判定部の動作例を示すフローチャート図。
【図9】実施の形態1に係る車載器位置判定部の判定例を説明する図。
【図10】実施の形態1に係る車載器位置判定部の判定例を説明する図。
【図11】実施の形態1に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
本実施の形態では、ETCなどの路側機器と車載器とが無線通信を行う路車間通信システムにおいて、電波吸収体を用いることなく、隣接するレーン間の誤通信を回避する構成を説明する。
本実施の形態では、路側用アンテナの受信アンテナにおいて、複数のアンテナから電波の到来方向を求めるアンテナを用い、車載器から受信した信号から、路側アンテナを基準とした水平方向と垂直方向の電波到来角度を検出する。
電波到来角度が検出できれば、電波到来角度とアンテナ高さから電波の路来方向すなわち車載器の位置(対象の走行レーンを走行している車両の車載器からの電波であるか否か)を求めることができる。
ただし、1ポイントでの推定では誤差が大きく位置を誤る可能性が高くなるため、車両の進入に合せて複数のポイントのデータを用いて車載器の進入レーンを推定する。
前記で推定した車載器の位置により、対象の走行レーン(以下、自レーンともいう)内に車載器がいる時は通信を開始し、自レーンにいない時は通信をやめることで電波吸収体の使用を不要もしくは削減することが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本実施の形態に係る構成を説明する。
【0010】
図1は、本実施の形態に係る情報処理装置100の構成を示す。
【0011】
情報処理装置100は、角度検出用アンテナ200と通信用アンテナ300に接続されている。
角度検出用アンテナ200は、到来した電波の送出元の方位(水平角度、垂直角度)を特定するためのアンテナである。
角度検出用アンテナ200は方位特定用アンテナの例に相当する。
通信用アンテナ300は、車両に搭載されている車載器と通行料金の課金に必要な情報の送受信を行うためのアンテナである。
【0012】
角度検出用アンテナ200と通信用アンテナ300は、例えば、図2に示すように、料金所の近傍において、車両が走行する走行レーン(自レーン)上の所定の位置に、走行する車両400に対向する向きで配置されている。
図2(a)は、上空から走行レーンを見た状態を示しており、図2(b)は、側方から走行レーンを見た状態を示している。
自レーンを走行する車両400に搭載されている車載器から送信された無線通信用の電波は角度検出用アンテナ200で受波され、角度検出用アンテナ200で受波された電波の送信元が自レーンを走行している車両400であると判定した場合に、情報処理装置100は、通信用アンテナ300を介して、車両400の車載器と料金収受のための通信を行う。
【0013】
角度検出用アンテナ200は、水平角度及び垂直角度を検出する必要があるため、図6に例示するように、例えばX軸(水平軸)の方向に2つ、Z軸(垂直軸)の方向に2つ配置することが考えられる。
また、図7に例示するように、3つの角度検出用アンテナ200を配置するようにしてもよい。
【0014】
なお、X軸は、図3に示すように、自レーンの長手方向における軸であり、Z軸は、X軸に直交する鉛直方向の軸である。
X軸は、例えば、自レーンの路面に平行する軸とすることが考えられるが、これに限らない。
【0015】
なお、図1等では、角度検出用アンテナ200と通信用アンテナ300を別の構成にしているが記載しているが、両者の機能を1つのアンテナで実現してもよい。
【0016】
次に、情報処理装置100の内部構成例について説明する。
【0017】
電波到来角度検出部101は、角度検出用アンテナ200に到来した電波の送出元の方位を、X軸(水平軸)を基準とする角度である水平角度Φと、Z軸(垂直軸)を基準とする角度である垂直角度θで特定する。
水平角度Φ及び垂直角度θは、具体的には、図4に示す角度である。
つまり、水平角度Φは、角度検出用アンテナ200のアンテナ位置を基準にした走行レーンの幅方向の角度であり、垂直角度θは、角度検出用アンテナ200のアンテナ位置を基準にした遠近方向の角度である。
なお、車両400内の要素500は車載器を表している。
電波到来角度検出部101の角度検出の方法はいくつかあるが、例えば2つの角度検出用アンテナ200間の距離と受信電波の位相差を用いる方法では以下のように検出できる。
水平角度Φ=sin−1(λ・α/d/360) [度] ・・・式1
d:アンテナ水平間距離
λ:波長
α:受信電波の位相差
垂直角度θについても同様に求めることができる。
また、電波到来角度検出部101は、受信電波に対するデコード処理を行ってID(Identification)情報(例えば、車両400の識別子)を抽出する。
そして、電波到来角度検出部101は、水平角度Φ及び垂直角度θと、ID情報を車載器位置判定部102に出力する。
なお、電波到来角度検出部101は、電波方位特定部の例である。
【0018】
車載器位置判定部102は、電波到来角度検出部101により特定された水平角度Φ及び垂直角度θと後述する角度関係定義情報記憶部103に記憶されている角度関係定義情報とを照合する。
そして、水平角度Φ及び垂直角度θが角度関係定義情報で定義されている対応関係に合致する場合に、車載器位置判定部102は、車載器500を搭載する車両400が自レーンを走行している、すなわち、電波到来角度検出部101により水平角度Φ及び垂直角度θが検出された電波の送信元は自レーンを走行している車両400の車載器500であると判定する。
自レーンを走行している車両400の車載器500からの電波であると判定した場合に、車載器位置判定部102は、電波到来角度検出部101から入力したID情報を課金処理部104に出力する。
なお、車載器位置判定部102は、所定の垂直角度θを閾値角度として保持し、電波到来角度検出部101から入力した垂直角度θが閾値角度以下になった時点で、角度関係定義情報との照合を開始する。
また、車載器位置判定部102は、正確を期すために、同じID情報に対して、水平角度Φ及び垂直角度θと角度関係定義情報との照合を複数回行い、当該複数回の照合において水平角度Φ及び垂直角度θが連続して角度関係定義情報と整合している場合に、電波の送信元が自レーン内の車両400であると判定する。
車載器位置判定部102は、走行判定部の例である。
【0019】
角度関係定義情報記憶部103は、角度関係定義情報を記憶している。
角度関係定義情報は、車載器が搭載された車両が自レーンを走行する場合に当該車載器から送出された電波が角度検出用アンテナ200に到来する際の水平角度Φと垂直角度θとの対応関係が定義される情報である。
例えば、図2に示すような以下の環境のETCの料金所を考える。
アンテナ高さ:地上高 5m
車載器高さ :地上高 1〜2m
自レーン幅 :3.5m
アイランド幅:2.2m
この環境では、自レーンを走行する車両の車載器からの電波の水平角度Φと垂直角度θと、隣接レーンを走行する車両の車載器からの電波の水平角度Φと垂直角度θとは、図5に示すようにプロットされる。
角度関係定義情報は、図5に例示する自レーン内の車両の車載器からの電波の水平角度Φと垂直角度θの対応関係(水平角度Φと垂直角度θのプロット結果)が示される情報である。
【0020】
ID情報カウント値蓄積部105は、車載器位置判定部102により同じID情報に対して水平角度Φ及び垂直角度θが角度関係定義情報と整合していると判定された回数を計数する。
【0021】
課金処理部104は、道路料金の課金に関する処理を行う。
より具体的には、課金処理部104は、車載器位置判定部102から通知されたID情報と同じID情報が通信用アンテナ300で受波された電波に含まれている場合に、当該ID情報に対して道路料金の課金に関する処理を行う。
【0022】
次に、本実施の形態に係る情報処理装置100の動作例を説明する。
図8は車載器位置判定部102の動作例を示すフローチャートであり、以下では、図8を参照しながら、車載器位置判定部102の動作を中心に情報処理装置100の動作例を説明する。
【0023】
電波到来角度検出部101は、角度検出用アンテナ200に到来した電波の平角度Φと垂直角度θを、例えば、上記の式1に従って算出する。
また、電波到来角度検出部101は、受信電波に対するデコード処理を行ってID情報(例えば、車両400の識別子)を抽出し、水平角度Φ及び垂直角度θと、ID情報を車載器位置判定部102に出力する。
【0024】
車載器位置判定部102は、電波到来角度検出部101から水平角度Φ及び垂直角度θとID情報を入力する(S801)。
【0025】
次に、車載器位置判定部102は、垂直角度θが所定の閾値角度以下であるかを判断し(S802)、閾値角度よりも大きい場合(S802でNO)は、処理を終える。
【0026】
一方、垂直角度θが閾値角度以下である場合(S802でYES)は、角度関係定義情報を参照し、水平角度Φが許容範囲内にあるかを判断する(S803)。
つまり、車載器位置判定部102は、電波到来角度検出部101から入力した水平角度Φと垂直角度θとの対応関係が、図5に例示する自レーン内のグラフから逸脱していないかの判断を行う。
【0027】
水平角度Φが許容範囲内である場合(S803でYES)は、車載器位置判定部102は、電波到来角度検出部101から入力したID情報と同じID情報がID情報カウント値蓄積部105に蓄積されているかを判断する(S804)。
【0028】
電波到来角度検出部101から入力したID情報と同じID情報がID情報カウント値蓄積部105に蓄積されていない場合(S804でNO)は、車載器位置判定部102は、ID情報カウント値蓄積部105にそのID情報とカウント値として1(1回)を蓄積させる。
【0029】
一方、電波到来角度検出部101から入力したID情報と同じID情報がID情報カウント値蓄積部105に蓄積されている場合(S804でYES)は、車載器位置判定部102は、ID情報カウント値蓄積部105に蓄積されているカウント値を読み出し(S806)、カウント値をカウントアップする(S807)。
そして、車載器位置判定部102は、カウントアップ後のカウント値が条件値(例えば、5回)に達したかを判断する(S808)。
【0030】
カウントアップ後のカウント値が条件値に達していない場合(S808でNO)は、車載器位置判定部102は、カウントアップ後のカウント値をID情報カウント値蓄積部105に蓄積させて処理を終える。
一方、カウントアップ後のカウント値が条件値に達している場合(S808でYES)は、車載器位置判定部102は、受信電波の送信元の車両400が自レーンを走行中と判定し(S809)、電波到来角度検出部101から入力したID情報を課金処理部104に出力する。
課金処理部104では、前述のように、ID情報に基づき、課金処理を行う。
また、車載器位置判定部102は、ID情報カウント値蓄積部105のID情報及びカウント値をクリアする。
【0031】
また、S803の判断において、水平角度Φが許容範囲内にない場合、つまり、電波到来角度検出部101から入力した水平角度Φと垂直角度θとの対応関係が、図5に例示する自レーン内のグラフから逸脱している場合は、車載器位置判定部102は、電波到来角度検出部101から入力したID情報と同じID情報がID情報カウント値蓄積部105に蓄積されているかを判断する(S811)。
そして、同じID情報がID情報カウント値蓄積部105に蓄積されている場合(S811でYES)は、ID情報カウント値蓄積部105に蓄積されているID情報とカウント値を消去する(S812)。
一方、電波到来角度検出部101から入力したID情報と同じID情報がID情報カウント値蓄積部105に蓄積されていない場合(S811でNO)は、車載器位置判定部102は処理を終える。
【0032】
次に、本実施の形態に係る車載器位置判定部102の動作例を具体的に説明する。
ここでは、上記のETC料金所、すなわち、以下の環境のETC料金所を例にとり車載器位置判定部102の動作例を説明する。
アンテナ高さ:地上高 5m
車載器高さ :地上高 1〜2m
自レーン幅 :3.5m
アイランド幅:2.2m
【0033】
料金所レーンと座標系は図4に示した通りであり、ここで到来角度と車載器500位置との関係は以下の式となる。
水平角度Φ=tan−1(Y/X)
垂直角度θ=tan−1(ρ/X) ただし ρ=√(X^2+Y^2)
この関係より車載器の高さが地上高1〜2mの範囲であることを考慮すると、自レーン内と隣接レーンの水平角度Φと垂直角度θの関係は、上述したように図5のようになる。
よって、ある垂直角度θの時に水平角度Φの値が車載器高さH=2に相当する水平角度Φ以下となっていれば自レーン内に存在すると推定できる。
垂直角度θが大きい時には、自レーンと隣接レーンの位相差が小さいこと、また、現地環境では周囲の反射により誤差が発生すると考えられるため車載器位置判定部102は以下のような判定を実施する。
垂直角度θがある角度より小さくなった時点で判定を開始する。
1ポイントでの判定ではなく、例えば連続5回のデータが自レーン内である場合に自レーン内と判定する。
また、車載器位置判定部102は、前後の角度差から速度ベクトルを求めデータの信頼性検定を行ってもよい。
【0034】
図9は、車載器位置判定部102の判定例を説明する図である。
図9では、自レーン内の車両の車載器からの電波を受信した例を示している。
図9では、説明のため、電波到来角度検出部101から同じID情報(以下、ID情報:AAAとする)に対して入力した水平角度Φと垂直角度θとを図5のグラフ上に時系列に点α0〜α5としてマッピングしている(α0が最も古いデータであり、α5が最も新しいデータ)。
なお、図9では隣接レーンのグラフも表示しているが、これは説明上の理由であり、車載器位置判定部102では隣接レーンでの水平角度Φと垂直角度θの対応関係を考慮する必要はない。
また、図9では、垂直角度θ=45度を図8のS802における閾値角度としている。
また、ここでは、連続して5回、水平角度Φと垂直角度θとの対応関係が角度関係定義情報(図9の自レーンのグラフ)と整合している場合に、図8のS809の自レーンを走行中との判定を行うものとする。
【0035】
最初に、車載器位置判定部102は、点α0に相当する水平角度Φと垂直角度θを電波到来角度検出部101から入力した場合は、入力した垂直角度θ>45度なので、S802でNOとなる。
次に、車載器位置判定部102が、点α1に相当する水平角度Φと垂直角度θを電波到来角度検出部101から入力した場合は、入力した垂直角度θ<45度なので、S802でYESとなる。
また、点α1における水平角度Φは自レーン内のグラフの水平角度Φよりも小さいのでS803でYESとなり、また、点α1時点でID情報:AAAは蓄積されていないので、S804でNOとなり、車載器位置判定部102は、S805で、ID情報:AAAとカウント値(1回)を蓄積させる。
また、車載器位置判定部102が点α2〜α4に相当する水平角度Φと垂直角度θを入力している間は、S802でYES、S803でYES、S804でYESとなり、S808でNOとなる。
一方、車載器位置判定部102が点α5に相当する水平角度Φと垂直角度θを入力した場合は、S802でYES、S803でYES、S804でYESとなり、S808でYESとなり、S810でID情報:AAAが課金処理部104に出力される。
【0036】
図10は、車載器位置判定部102の別の判定例を説明する図である。
図10では、図9の点α0〜α5の代わりに点β1、β2、β31、β32、をマッピングしている以外は、図9と同じである。
また、点β1、β2、β31、β32に相当する水平角度Φと垂直角度θとともに電波到来角度検出部101から入力するID情報をBBBとする。
【0037】
最初に、車載器位置判定部102は、点β1に相当する水平角度Φと垂直角度θを電波到来角度検出部101から入力した場合は、入力した垂直角度θ<45度なので、S802でYESとなる。
また、点β1における水平角度Φは自レーン内のグラフの水平角度Φよりも小さいのでS803でYESとなり、また、点β1時点でID情報:BBBは蓄積されていないので、S804でNOとなり、車載器位置判定部102は、S805で、ID情報:BBBとカウント値(1回)を蓄積させる。
次に、車載器位置判定部102が点β2に相当する水平角度Φと垂直角度θを入力した場合は、S802でYESとなるが、S803でNOとなり、S811でYESとなり、S812においてID情報:BBBとカウント値(1回)が消去される。
この場合は、点β1又は点β2は反射による計測結果であると考えられる。
また、その後、車載器位置判定部102が点β31に相当する水平角度Φと垂直角度θを入力した場合はS802でYESとなるが、S803でNOとなり、S811でNOとなる。
点β31に相当する水平角度Φと垂直角度θが入力された場合は、点β1が反射による計測結果である可能性が高い。
一方、点β31に相当する水平角度Φと垂直角度θの代わりに、車載器位置判定部102が点β32に相当する水平角度Φと垂直角度θを入力した場合は、S802でYES、S803でYESとなり、また、点β32時点でID情報:BBBは蓄積されていないので、S804でNOとなり、車載器位置判定部102は、S805で、ID情報:BBBとカウント値(1回)を蓄積させる。
点β32に相当する水平角度Φと垂直角度θが入力された場合は、点β2が反射による計測結果である可能性が高い。
点β32以降、4回連続して(合計5回連続して)、自レーンのグラフと整合する水平角度Φと垂直角度θが入力された場合は、図9の場合と同様に、ID情報:BBBが課金処理部104に通知される。
【0038】
このように、本実施の形態によれば、角度検出用アンテナに到来した電波の送信元の方位を特定して、電波の送出元が自レーンを走行する車両の車載器か否かを判定することができるので、電波吸収体によらずに、誤通信を回避することができる。
このため、電波吸収体の設置コストが発生せず、また、経年劣化による電波吸収体の交換も発生しない。
【0039】
最後に、本実施の形態に示した情報処理装置100のハードウェア構成例について説明する。
図11は、本実施の形態に示す情報処理装置100のハードウェア資源の一例を示す図である。
なお、図11の構成は、あくまでも情報処理装置100のハードウェア構成の一例を示すものであり、情報処理装置100のハードウェア構成は図11に記載の構成に限らず、他の構成であってもよい。
【0040】
図11において、情報処理装置100は、プログラムを実行するCPU911(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。
CPU911は、バス912を介して、例えば、ROM(Read Only Memory)913、RAM(Random Access Memory)914、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。
また、CPU911は、A/D(アナログ/ディジタル)変換器915、916を介して角度検出用アンテナ200と通信用アンテナ300に接続されており、A/D変換器915、916で変換された後のディジタル信号を処理して、本実施の形態で説明した水平角度Φ及び垂直角度θの検出、課金処理を行う。
【0041】
また、磁気ディスク装置920の代わりに、SSD(Solid State Drive)、光ディスク装置、メモリカード(登録商標)読み書き装置などの記憶装置でもよい。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。
本実施の形態で説明した「角度関係定義情報記憶部103」及び「ID情報カウント値蓄積部105」は、RAM914、磁気ディスク装置920等により実現される。
【0042】
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム921(OS)、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。
プログラム群923のプログラムは、CPU911がオペレーティングシステム921を利用しながら実行する。
【0043】
また、RAM914には、CPU911に実行させるオペレーティングシステム921のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。
また、RAM914には、CPU911による処理に必要な各種データが格納される。
【0044】
また、ROM913には、BIOS(Basic Input Output System)プログラムが格納され、磁気ディスク装置920にはブートプログラムが格納されている。
情報処理装置100の起動時には、ROM913のBIOSプログラム及び磁気ディスク装置920のブートプログラムが実行され、BIOSプログラム及びブートプログラムによりオペレーティングシステム921が起動される。
【0045】
上記プログラム群923には、本実施の形態の説明において「〜部」(「角度関係定義情報記憶部103」及び「ID情報カウント値蓄積部105」以外、以下同様)として説明している機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
【0046】
ファイル群924には、本実施の形態の説明において、「〜の検出」、「〜の特定」、「〜の判定」、「〜の抽出」、「〜の評価」、「〜の更新」、「〜の設定」、「〜の選択」、「〜の入力」、「〜の出力」等として説明している処理の結果を示す情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。
「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。
ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出される。
【0047】
また、本実施の形態で説明しているフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示す。
データや信号値は、RAM914のメモリ、フレキシブルディスク、コンパクトディスク、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記録される。
また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0048】
また、本実施の形態の説明において「〜部」として説明しているものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。
すなわち、本実施の形態で説明したフローチャートに示すステップ、手順、処理により、本発明に係る情報処理装置の動作手順を情報処理方法として捉えることができる。
また、「〜部」として説明しているものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。
或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。
ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。
プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。
すなわち、プログラムは、本実施の形態の「〜部」、としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、本実施の形態の「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【符号の説明】
【0049】
100 情報処理装置、101 電波到来角度検出部、102 車載器位置判定部、103 角度関係定義情報記憶部、104 課金処理部、105 ID情報カウント値蓄積部、200 角度検出用アンテナ、300 通信用アンテナ、400 車両、500 車載器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が走行する走行レーン上の所定の位置に、走行する車両に対向する向きで配置され、前記走行レーンの長手方向における水平軸と前記水平軸に直交する鉛直方向の垂直軸が指定されており、到来した電波の送出元の方位を特定するための方位特定用アンテナ
に接続されている情報処理装置であって、
前記方位特定用アンテナに到来した電波の送出元の方位を、前記水平軸を基準とする角度である水平角度と、前記垂直軸を基準とする角度である垂直角度で特定する電波方位特定部と、
電波を送出する車載器が搭載された車両が前記走行レーンを走行する場合に前記車載器から送出された電波が前記方位特定用アンテナに到来する際の水平角度と垂直角度との対応関係が定義される角度関係定義情報を記憶する角度関係定義情報記憶部と、
前記電波方位特定部により特定された水平角度及び垂直角度と前記角度関係定義情報とを照合し、前記電波方位特定部により特定された水平角度及び垂直角度が前記角度関係定義情報で定義されている対応関係に合致する場合に、前記方位特定用アンテナに到来した電波の送出元が前記走行レーンを走行する車両の車載器であると判定する走行判定部とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記電波方位特定部は、
前記方位特定用アンテナに到来した電波の送出元の方位を水平角度と垂直角度で特定するとともに、前記方位特定用アンテナに到来した電波に含まれているID(Identification)情報を抽出し、
前記走行判定部は、
前記電波方位特定部から、水平角度及び垂直角度と、ID情報とを通知され、
同一のID情報について、所定の複数回の照合において連続して、水平角度及び垂直角度が前記角度関係定義情報で定義されている対応関係に合致する場合に、前記方位特定用アンテナに到来した電波の送出元が前記走行レーンを走行する車両の車載器であると判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記走行判定部は、
同一のID情報について、垂直角度が所定の角度以下になった以降に、所定の複数回の照合において連続して、水平角度及び垂直角度が前記角度関係定義情報で定義されている対応関係に合致する場合に、前記方位特定用アンテナに到来した電波の送出元が前記走行レーンを走行する車両の車載器であると判定することを特徴とすることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記走行判定部は、
電波を送出する車載器が搭載された車両が前記走行レーンに隣接するレーンを走行する場合に前記車載器から送出された電波が前記方位特定用アンテナに到来する際の水平角度と垂直角度との対応関係と、前記角度関係定義情報で定義されている対応関係とが区別できる垂直角度を閾値角度として保持し、
同一のID情報について、垂直角度が前記閾値角度以下になった以降に、所定の複数回の照合において連続して、水平角度及び垂直角度が前記角度関係定義情報で定義されている対応関係に合致する場合に、前記方位特定用アンテナに到来した電波の送出元が前記走行レーンを走行する車両の車載器であると判定することを特徴とすることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置は、更に、
道路料金の課金に関する処理を行う課金処理部を有し、
前記走行判定部は、
前記方位特定用アンテナに到来した電波の送出元が前記走行レーンを走行する車両の車載器であると判定した場合に、対応するID情報を前記課金処理部に通知することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記課金処理部は、
前記走行判定部により通知されたID情報と同じID情報が所定のアンテナで受波された電波に含まれている場合に、当該ID情報に対して道路料金の課金に関する処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の情報処理装置を備えることを特徴とするETC(Electronic Toll Collection)システム。
【請求項1】
車両が走行する走行レーン上の所定の位置に、走行する車両に対向する向きで配置され、前記走行レーンの長手方向における水平軸と前記水平軸に直交する鉛直方向の垂直軸が指定されており、到来した電波の送出元の方位を特定するための方位特定用アンテナ
に接続されている情報処理装置であって、
前記方位特定用アンテナに到来した電波の送出元の方位を、前記水平軸を基準とする角度である水平角度と、前記垂直軸を基準とする角度である垂直角度で特定する電波方位特定部と、
電波を送出する車載器が搭載された車両が前記走行レーンを走行する場合に前記車載器から送出された電波が前記方位特定用アンテナに到来する際の水平角度と垂直角度との対応関係が定義される角度関係定義情報を記憶する角度関係定義情報記憶部と、
前記電波方位特定部により特定された水平角度及び垂直角度と前記角度関係定義情報とを照合し、前記電波方位特定部により特定された水平角度及び垂直角度が前記角度関係定義情報で定義されている対応関係に合致する場合に、前記方位特定用アンテナに到来した電波の送出元が前記走行レーンを走行する車両の車載器であると判定する走行判定部とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記電波方位特定部は、
前記方位特定用アンテナに到来した電波の送出元の方位を水平角度と垂直角度で特定するとともに、前記方位特定用アンテナに到来した電波に含まれているID(Identification)情報を抽出し、
前記走行判定部は、
前記電波方位特定部から、水平角度及び垂直角度と、ID情報とを通知され、
同一のID情報について、所定の複数回の照合において連続して、水平角度及び垂直角度が前記角度関係定義情報で定義されている対応関係に合致する場合に、前記方位特定用アンテナに到来した電波の送出元が前記走行レーンを走行する車両の車載器であると判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記走行判定部は、
同一のID情報について、垂直角度が所定の角度以下になった以降に、所定の複数回の照合において連続して、水平角度及び垂直角度が前記角度関係定義情報で定義されている対応関係に合致する場合に、前記方位特定用アンテナに到来した電波の送出元が前記走行レーンを走行する車両の車載器であると判定することを特徴とすることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記走行判定部は、
電波を送出する車載器が搭載された車両が前記走行レーンに隣接するレーンを走行する場合に前記車載器から送出された電波が前記方位特定用アンテナに到来する際の水平角度と垂直角度との対応関係と、前記角度関係定義情報で定義されている対応関係とが区別できる垂直角度を閾値角度として保持し、
同一のID情報について、垂直角度が前記閾値角度以下になった以降に、所定の複数回の照合において連続して、水平角度及び垂直角度が前記角度関係定義情報で定義されている対応関係に合致する場合に、前記方位特定用アンテナに到来した電波の送出元が前記走行レーンを走行する車両の車載器であると判定することを特徴とすることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置は、更に、
道路料金の課金に関する処理を行う課金処理部を有し、
前記走行判定部は、
前記方位特定用アンテナに到来した電波の送出元が前記走行レーンを走行する車両の車載器であると判定した場合に、対応するID情報を前記課金処理部に通知することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記課金処理部は、
前記走行判定部により通知されたID情報と同じID情報が所定のアンテナで受波された電波に含まれている場合に、当該ID情報に対して道路料金の課金に関する処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の情報処理装置を備えることを特徴とするETC(Electronic Toll Collection)システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−247958(P2012−247958A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118570(P2011−118570)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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