説明

情報処理装置

【課題】1つのLEDのみを用いて充電中に、充電中であること以外の内容を好適に通知することができるようにする。
【解決手段】本発明に係る情報処理装置においては、発光素子は複数の発光色のうちいずれか1色で発光し、制御部は、発光素子の点滅に関する点滅情報を取得し、情報処理装置が充電中である場合に点滅情報が取得されたとき、点滅情報に含まれる発光素子の点灯ON区間に基づく発光手段の点灯と、充電中であることを通知するための発光素子の点灯との間に、発光素子の点灯OFF区間を設定し、点滅情報に含まれる発光素子の点灯ON区間と点灯OFF区間、および設定された発光手段の点灯OFF区間に従い、発光素子の点灯を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置に係り、特に、LEDの点滅を制御することができるようにした情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理装置としての携帯電話機には、単なる音声通話による通信機能だけでなく、アドレス帳機能、メール機能や、ブラウザ機能などの種々の機能が搭載されるようになってきている。従来の携帯電話機では、着信やメールの受信時、およびアラーム鳴動時などにLED(Light Emitting Diode)を点滅することにより、ユーザにその旨を通知している。また、携帯電話機を充電する場合、着信時などに用いられるLEDと同一のLEDを、充電開始から充電終了までの間継続的に点灯することによりユーザに充電中である旨を通知している。
【0003】
なお、LEDの点灯制御に関する技術として、特開2008−17283号公報に示される技術が知られている(特許文献1参照)。この技術によれば、充電が開始されるとLEDを点灯し、充電中に着信があるとLEDを点滅する。着信に応答がなされると、LEDの輝度を下げて点灯する。これにより、ユーザはLEDの点滅を見ることで着信があったことを知ることができ、LEDを1つだけ備える携帯電話機であったとしても、着信があったことと充電中であることを報知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−17283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に提案されている技術では、1つのLEDを用いて、着信があったことと充電中であることを報知することができるが、充電中であることを通知する際に用いられる発光色と同一色を用いてLEDを点滅させることにより、着信があったことを通知するために、健常者にとって充電中に異なる内容の通知がされたことを知ることが困難である。
【0006】
そこで、通知する内容によってLEDの発光色を変更する方法が考えられる。ところが、仮に携帯電話機の充電中にメールが受信された場合、充電中であることを通知するためのLEDの点灯と、メールの受信を通知するためのLEDの点滅が競合してしまう。この場合、メールの受信を通知するためのLEDの点滅のOFF区間に、充電中であることを通知するためにLEDが点灯される。その結果、LEDは充電が終了するまで点灯され続ける。このとき、ユーザは、点灯するLEDの色によっていずれの通知であるかを知ることができる。
【0007】
しかしながら、先天的または後天的に色覚に異常をもつ方々にとっては、点灯するLEDの色によって通知の内容を判断することは困難である。そのため、携帯電話機の充電中にメールが受信された場合、たとえLEDの色によって異なる内容を通知したとしても、LEDが点灯中であるということしか判断することが困難であるという状況が想定される。その結果、色覚に異常をもつ方々は、LEDが点灯し続けている状況に基づき、携帯電話機の充電中であると判断することはできるが、LEDの色の変化に基づいて携帯電話機の充電中にメールが受信されたと判断することは困難となる。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、1つのLEDのみを用いて、充電中に充電中であること以外の内容を好適に通知することができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の情報処理装置は、上述した課題を解決するために、複数の発光色のうちいずれか1色で発光する1つの発光手段と、発光手段の点滅に関する点滅情報を取得する取得手段と、情報処理装置が充電中である場合に取得手段により点滅情報が取得されたとき、点滅情報に含まれる発光手段の点灯ON区間に基づく発光手段の点灯と、充電中であることを通知するための発光手段の点灯との間に、発光手段の点灯OFF区間を設定する設定手段と、点滅情報に含まれる発光手段の点灯ON区間と点灯OFF区間、および設定手段により設定された発光手段の点灯OFF区間に従い、発光手段の点灯を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、1つのLEDのみを用いて、充電中に充電中であること以外の内容を好適に通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機の外観の構成を示す図。
【図2】本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機の他の外観の構成を示す図。
【図3】本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機の内部の構成を示すブロック図。
【図4】発光素子が点滅する際のタイミングチャート。
【図5】図3の携帯電話機における発光素子点灯制御処理を説明するフローチャート。
【図6】図3の携帯電話機における他の発光素子点灯制御処理を説明するフローチャート。
【図7】図3の携帯電話機における他の発光素子点灯制御処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る情報処理装置として適用可能な携帯電話機1の外観の構成を表している。なお、図1(A)は、携帯電話機1を約180度に見開いたときの正面から見た外観の構成を表しており、図1(B)は、携帯電話機1を見開いたときの側面から見た外観の構成を表している。
【0013】
図1(A)および(B)に示されるように、携帯電話機1は、中央のヒンジ部11を境に第1の筐体12と第2の筐体13とがヒンジ結合されており、ヒンジ部11を介して矢印X方向に折り畳み可能に形成される。携帯電話機1の内部の所定の位置には、送受信用のアンテナ(後述する図3のアンテナ31)が設けられており、内蔵されたアンテナを介して基地局(図示せず)との間で電波を送受信する。
【0014】
第1の筐体12には、その表面に「0」乃至「9」の数字キー、発呼キー、リダイヤルキー、終話・電源キー、クリアキー、および電子メールキーなどの操作キー14が設けられており、操作キー14を用いて各種指示を入力することができる。
【0015】
第1の筐体12には、操作キー14として上部に十字キーと確定キーが設けられており、ユーザが十字キーを上下左右方向に操作することにより当てられたカーソルを上下左右方向に移動させることができる。具体的には、第2の筐体13に設けられたメインディスプレイ17に表示されている電話帳リストや電子メールのスクロール動作、簡易ホームページのページ捲り動作および画像の送り動作などの種々の動作を実行する。
【0016】
また、確定キーを押下することにより、種々の機能を確定することができる。例えば第1の筐体12は、ユーザによる十字キーの操作に応じてメインディスプレイ17に表示された電話帳リストの複数の電話番号の中から所望の電話番号が選択され、確定キーが第1の筐体12の内部方向に押圧されると、選択された電話番号を確定して電話番号に対して発呼処理を行う。
【0017】
さらに、第1の筐体12には、十字キーと確定キーの左隣に電子メールキーが設けられており、電子メールキーが第1の筐体12の内部方向に押圧されると、メールの送受信機能を呼び出すことができる。十字キーと確定キーの右隣には、ブラウザキーが設けられており、ブラウザキーが第1の筐体12の内部方向に押圧されると、Webページのデータを閲覧することが可能となる。
【0018】
また、第1の筐体12には、操作キー14の下部にマイクロフォン15が設けられており、マイクロフォン15によって通話時のユーザの音声を集音する。さらに、第1の筐体12には、携帯電話機1の操作を行うサイドキー16が設けられている。
【0019】
なお、第1の筐体12は、背面側に図示しないバッテリパックが挿着されており、終話・電源キーがオン状態になると、バッテリパックから各回路部に対して電力が供給されて動作可能な状態に起動する。
【0020】
一方、第2の筐体13には、その正面にメインディスプレイ17が設けられており、電波の受信状態、電池残量、電話帳として登録されている相手先名や電話番号及び送信履歴等の他、電子メールの内容、簡易ホームページ、CCD(Charge Coupled Device)カメラ(後述する図2のCCDカメラ20)で撮像した画像、外部のコンテンツサーバ(図示せず)より受信したコンテンツ、メモリカード(後述する図3のメモリカード46)に記憶されているコンテンツを表示することができる。また、メインディスプレイ17の上部の所定の位置にはレシーバ(受話器)18が設けられており、これにより、ユーザは音声通話することが可能である。なお、携帯電話機1の所定の位置には、レシーバ18以外の音声出力部としてのスピーカ(図3のスピーカ50)も設けられている。
【0021】
また、第1の筐体12と第2の筐体13の内部の所定の位置には、携帯電話機1の状態を検知するための磁気センサ19a、19b、19c、および19dが設けられる。なお、メインディスプレイ17は、例えば有機ELにより構成されるディスプレイでもよいし、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)でもよい。
【0022】
図2は、本発明に係る携帯端末として適用可能な携帯電話機1の他の外観の構成を表している。図2の携帯電話機1の状態は、図1の携帯電話機1の状態から矢印X方向に回動させた状態である。なお、図2(A)は、携帯電話機1を閉じたときの正面から見た外観の構成を表しており、図2(B)は、携帯電話機1を閉じたときの側面から見た外観の構成を表している。
【0023】
第2の筐体13の上部には、CCDカメラ20が設けられており、これにより、所望の撮影対象を撮像することができる。CCDカメラ20の下部には、サブディスプレイ21が設けられており、現在のアンテナの感度のレベルを示すアンテナピクト、携帯電話機1の現在の電池残量を示す電池ピクト、現在の時刻などが表示される。また、第2の筐体13には、発光素子(LED:Light Emitting Diode)48が設けられている。この発光素子48は、着信やメールの受信時、あるいはアラーム鳴動時などに所定の周期で発光する。
【0024】
図3は、本発明に係る携帯端末に適用可能な携帯電話機1の内部の構成を表している。図示せぬ基地局から送信されてきた無線信号は、アンテナ31で受信された後、アンテナ共用器(DUP)32を介して受信回路(RX)33に入力される。受信回路33は、受信された無線信号を周波数シンセサイザ(SYN)34から出力された局部発振信号とミキシングして中間周波数信号に周波数変換(ダウンコンバート)する。そして、受信回路33は、このダウンコンバートされた中間周波数信号を直交復調して受信ベースバンド信号を出力する。なお、周波数シンセサイザ34から発生される局部発振信号の周波数は、制御部41から出力される制御信号SYCによって指示される。
【0025】
受信回路33からの受信ベースバンド信号は、CDMA信号処理部36に入力される。CDMA信号処理部36は、図示せぬRAKE受信機を備える。このRAKE受信機では、受信ベースバンド信号に含まれる複数のパスがそれぞれの拡散符号(すなわち、拡散された受信信号の拡散符号と同一の拡散符号)で逆拡散処理される。そして、この逆拡散処理された各パスの信号は、位相が調停された後、コヒーレントRake合成される。Rake合成後のデータ系列は、デインタリーブおよびチャネル復号(誤り訂正復号)が行われた後、2値のデータ判定が行われる。これにより、所定の伝送フォーマットの受信パケットデータが得られる。この受信パケットデータは、圧縮伸張処理部37に入力される。
【0026】
圧縮伸張処理部37は、DSP(Digital Signal Processor)などにより構成され、CDMA信号処理部36から出力された受信パケットデータを図示せぬ多重分離部によりメディアごとに分離し、分離されたメディアごとのデータに対してそれぞれ復号処理を行う。例えば通話モードにおいては、受信パケットデータに含まれる通話音声などに対応するオーディオデータをスピーチコーデックにより復号する。また、例えばテレビ電話モードなどのように、受信パケットデータに動画像データが含まれていれば、この動画像データをビデオコーデックにより復号する。さらに、受信パケットデータがダウンロードコンテンツであれば、このダウンロードコンテンツを伸張した後、伸張されたダウンロードコンテンツを制御部41に出力する。
【0027】
復号処理により得られたディジタルオーディオ信号はPCMコーデック38に供給される。PCMコーデック38は、圧縮伸張処理部37から出力されたディジタルオーディオ信号をPCM復号し、PCM復号後のアナログオーディオデータ信号を受話増幅器39に出力する。このアナログオーディオ信号は、受話増幅器39にて増幅された後、レシーバ18により出力される。
【0028】
圧縮伸張処理部37によりビデオコーデックにて復号されたディジタル動画像信号は、制御部41に入力される。制御部41は、圧縮伸張処理部37から出力されたディジタル動画像信号に基づく動画像を、図示せぬビデオRAM(例えばVRAMなど)を介してメインディスプレイ17に表示させる。なお、制御部41は、受信された動画像データだけでなく、CCDカメラ20により撮像された動画像データに関しても、図示せぬビデオRAMを介してメインディスプレイ17に表示させることも可能である。
【0029】
また、圧縮伸張処理部37は、受信パケットデータが電子メールである場合、この電子メールを制御部41に供給する。制御部41は、圧縮伸張処理部37から供給された電子メールを記憶部42に記憶させる。そして、制御部41は、ユーザによる入力部としての操作キー14の操作に応じて、記憶部42に記憶されているこの電子メールを読み出し、読み出された電子メールをメインディスプレイ17に表示させる。
【0030】
一方、通話モードにおいて、マイクロフォン15に入力された話者(ユーザ)の音声信号(アナログオーディオ信号)は、送話増幅器40により適正レベルまで増幅された後、PCMコーデック38によりPCM符号化される。このPCM符号化後のディジタルオーディオ信号は、圧縮伸張処理部37に入力される。また、CCDカメラ20から出力される動画像信号は、制御部41によりディジタル化されて圧縮伸張処理部37に入力される。さらに、制御部41にて作成されたテキストデータである電子メールも、圧縮伸張処理部37に入力される。
【0031】
圧縮伸張処理部37は、PCMコーデック38から出力されたディジタルオーディオ信号を所定の送信データレートに応じたフォーマットで圧縮符号化する。これにより、オーディオデータが生成される。また、圧縮伸張処理部37は、制御部41から出力されたディジタル動画像信号を圧縮符号化して動画像データを生成する。そして、圧縮伸張処理部37は、これらのオーディオデータや動画像データを図示せぬ多重分離部で所定の伝送フォーマットに従って多重化した後にパケット化し、パケット化後の送信パケットデータをCDMA信号処理部36に出力する。なお、圧縮伸張処理部37は、制御部41から電子メールが出力された場合にも、この電子メールを送信パケットデータに多重化する。
【0032】
CDMA信号処理部36は、圧縮伸張処理部37から出力された送信パケットデータに対し、送信チャネルに割り当てられた拡散符号を用いてスペクトラム拡散処理を施し、スペクトラム拡散処理後の出力信号を送信回路(TX)35に出力する。送信回路35は、スペクトラム拡散処理後の信号をQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式などのディジタル変調方式を使用して変調する。送信回路35は、ディジタル変調後の送信信号を、周波数シンセサイザ34から発生される局部発振信号と合成して無線信号に周波数変換(アップコンバート)する。そして、送信回路35は、制御部41により指示される送信電力レベルとなるように、このアップコンバートにより生成された無線信号を高周波増幅する。この高周波増幅された無線信号は、アンテナ共用器32を介してアンテナ31に供給され、このアンテナ31から図示せぬ基地局に向けて送信される。
【0033】
また、携帯電話機1は、外部メモリインタフェース45を備えている。この外部メモリインタフェース45は、メモリカード46を着脱することが可能なスロットを備えている。メモリカード46は、NAND型フラッシュメモリカードやNOR型フラッシュメモリカードなどに代表されるフラッシュメモリカードの一種であり、10ピン端子を介して画像や音声、音楽等の各種データの書き込み及び読み出しが可能となっている。さらに、携帯電話機1には、現在の正確な現在の時刻を測定する時計回路(タイマ)47が設けられている。
【0034】
制御部41は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などからなり、CPUは、ROMに記憶されているプログラムまたは記憶部42からRAMにロードされた、オペレーティングシステム(OS)を含む各種のアプリケーションプログラムに従って各種の処理を実行するとともに、種々の制御信号を生成し、各部に供給することにより携帯電話機1を統括的に制御する。RAMは、CPUが各種の処理を実行する上において必要なデータなどを適宜記憶する。なお、制御部41には、必要に応じて1または複数のCPUが備えられる。
【0035】
記憶部42は、例えば、電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ素子やHDD(Hard Disc Drive)などからなり、制御部41のCPUにより実行される種々のアプリケーションプログラムや種々のデータ群を格納している。
【0036】
電源回路44は、バッテリ43の出力を基に所定の動作電源電圧Vccを生成して各回路部に供給する。
【0037】
従来の携帯電話機1においては、着信やメールの受信時、およびアラーム鳴動時などに発光素子48を点滅することにより、ユーザにその旨を通知している。図4(A)に示されるように、メールが受信されたことをユーザに通知するために、例えば100msの発光素子48の点灯ON区間と1000msの発光素子48の点灯OFF区間(消灯区間)が交互に設けられ、発光素子48は点灯ON区間において青色で発光する。一方、携帯電話機1を充電する場合、携帯電話機1を充電している最中である旨を通知するために、発光素子48は、充電開始から充電終了までの間継続的に点灯(発光)する。
【0038】
仮に携帯電話機1の充電中にメールが受信された場合、充電中であることを通知するための発光素子48の点灯と、メールの受信を通知するための発光素子48の点滅が競合する。この場合、図4(B)に示されるように、メールの受信を通知するための発光素子48の点滅の点灯OFF区間に、充電中であることを通知するために発光素子48が赤色で点灯される。その結果、発光素子48は充電が終了するまで点灯され続ける。このとき、ユーザは、点灯する発光素子48の色によっていずれの通知であるかを知ることができる。
【0039】
しかしながら、先天的または後天的に色覚に異常をもつ方々にとっては、点灯する発光素子48の色によって通知の内容を判断することは困難である。そのため、携帯電話機1の充電中にメールが受信された場合、たとえ発光素子48の色によって異なる内容を通知したとしても、発光素子48が点灯中であるということしか判断することが困難であるという状況が想定される。その結果、色覚に異常をもつ方々は、発光素子48が点灯し続けている状況に基づき、携帯電話機1の充電中であると判断することはできるが、発光素子48の色の変化に基づいて携帯電話機1の充電中にメールが受信されたと判断することは困難となる。勿論、色覚の異常の種別によって正確に認識することが可能な色も異なるために、色覚に異常をもつ方々が、発光素子48の色の変化に基づいて携帯電話機1の充電中にメールが受信されたと判断することが可能な場合もありうる。しかし、携帯電話機1のユーザが発光素子48の色の変化に基づいて通知の内容を知るためには、発光素子48をある程度の時間凝視する必要があり、発光素子48の色の変化に基づいて携帯電話機1の充電中にメールが受信されたと判断することは健常者であったとしても困難であると言わざるを得ない。
【0040】
そこで、本発明の実施形態においては、携帯電話機1の充電中にメールが受信された場合、メールの受信を通知するための発光素子48の点滅の点灯OFF区間に、充電中であることを通知するために発光素子48が赤色で点灯されるが、図4(C)に示されるように、メールの受信を通知するための発光素子48の青色の点灯と、充電中であることを通知するための発光素子48の赤色の点灯との間に、発光素子48の点灯OFF区間を設けるようにする。図4(C)の場合、メールの受信を通知するために発光素子48が例えば100msの間青色で点灯し、発光素子48がXmsの間消灯した後、充電中であることを通知するために発光素子48がYmsの間赤色で点灯する。その後、発光素子48は、メールの受信を通知するために発光素子48が青色で点灯を開始するまでのXmsの間消灯する。
【0041】
これにより、先天的または後天的に色覚に異常をもつ方々は、携帯電話機1の充電中にメールが受信された場合であっても、携帯電話機1の充電中に何らかの通知が発生したことを知ることができる。従って、1つの発光素子48のみを用いて携帯電話機1の充電中に、充電中であること以外の内容を好適に通知することができる。以下、この方法を用いた発光素子点灯制御処理について説明する。
【0042】
図5のフローチャートを参照して、図3の携帯電話機1における発光素子点灯制御処理について説明する。
【0043】
ステップS1において、制御部41は、アンテナ31、受信回路33、およびCDMA信号処理部36を介してメールが受信されたか、あるいは着信信号が受信されたか否かを判定し、メールが受信されたか、あるいは着信信号が受信されたと判定するまで待機する。ステップS1において制御部41がメールが受信されたか、あるいは着信信号が受信されたと判定した場合、制御部41はステップS2で、メールの受信時または着信時の発光素子48の点滅に関する点滅情報を記憶部42から取得する。この点滅情報には、メールの受信時または着信時に点滅する発光素子48の点灯ON区間と点灯OFF区間が指示されている。記憶部42は、メールの受信時または着信時の発光素子48の点滅に関する点滅情報を予め記憶している。メールが受信されたことをユーザに通知するための点滅情報の場合、図4(A)に示されるように、例えば100msの発光素子48の点灯ON区間と1000msの発光素子48の点灯OFF区間が交互に設けられるように指示されている。なお、記憶部42から取得される点滅情報に指示される点灯ON区間と点灯OFF区間に関するパターンは、メールの受信時の点滅情報であるのか、あるいは、着信時の点滅情報であるのかによって基本的に異なる。また、後述するように、携帯電話機1は、記憶部42から点滅情報を取得した後、点滅情報により指示される点滅パターンで発光素子48の点滅を遅滞なく開始する。
【0044】
ステップS3において、制御部41は、携帯電話機1が充電中であるか否かを判定する。具体的には、制御部41は、図示せぬ接続端子に充電用のコネクタが接続されているか否かに基づいて、携帯電話機1が充電中であるか否かを判定する。なお、携帯電話機1が充電されている場合、携帯電話機1を充電している最中である旨を通知するために、発光素子48が充電開始から充電終了までの間赤色で点灯している。
【0045】
ステップS3において制御部41が、携帯電話機1が充電中ではないと判定した場合、制御部41はステップS4で、記憶部42から取得された点滅情報に基づいて、メールの受信または着信を通知するための発光素子48の点滅を開始する。ステップS3において制御部41が、携帯電話機1が充電中であると判定した場合、制御部41はステップS5で、記憶部42から取得された点滅情報に基づいて、メールの受信または着信を通知するための発光素子48の点灯と、充電中であることを通知するための発光素子48の点灯との間に、発光素子48の点灯OFF区間を設定する。具体的には、携帯電話機1の充電中にメールが受信された場合、メールの受信を通知するために発光素子48が青色で100msの間点灯する点灯ON区間と、充電中であることを通知するために発光素子48が赤色で点灯する点灯ON区間との間に、制御部41は、発光素子48の点灯OFF区間を設けるようにする。図4(C)の場合、メールの受信を通知するための発光素子48の1000msの点灯OFF区間に、充電中であることを通知するために発光素子48がYmsの間赤色で点灯する。このとき、メールの受信を通知するために発光素子48が青色で100msの間点灯する点灯ON区間と、充電中であることを通知するために発光素子48が赤色でYmsの間点灯する点灯ON区間との間において、発光素子48がXmsの間消灯する。これにより、メールの受信を通知するための発光素子48の100msの間の青色での点灯と、充電中であることを通知するための発光素子48のYmsの間の赤色での点灯との間で、発光素子48がXmsの間消灯されることになる。また、充電中であることを通知するために発光素子48が赤色でYmsの間点灯する点灯ON区間と、メールの受信を通知するために発光素子48が青色で100msの間点灯する点灯ON区間との間において、発光素子48がXmsの間消灯する。なお、充電中であることを通知するための発光素子48のYmsの間の点灯ON区間は、メールの受信を通知するための発光素子48の1000msの点灯OFF区間から、発光素子48のXmsの間の点灯OFF区間を2回分引いた区間として求められる。
【0046】
ステップS6において、制御部41は、発光素子48を制御し、メールの受信または着信を通知するための発光素子48の点灯を開始するとともに、設定された発光素子48の点灯OFF区間に従い、充電中であることを通知するための発光素子48の点灯を継続する。
【0047】
これにより、点滅情報により指示される点滅パターンを変更することなく、1つの発光素子(LED)48のみを用いて充電中に、充電中であること以外の内容を好適に通知することができる。その結果、健常者のみならず、色覚に異常をもつ方々にとっての使い勝手を向上させることができる。
【0048】
なお、図5のステップS5において設定される発光素子48の点灯OFF区間(Xms)は固定値として説明したが、ユーザの好みに応じて任意の値に設定するようにしてもよい。また、ユーザが発光素子48が消灯したことを好適に認識することができるようにするために、発光素子48の点灯OFF区間は100ms以上であることが好ましい。さらに、本発明は、外部から取得される点滅情報や、携帯電話機1の購入後に新たにインストールされたアプリケーションからの点滅要求に従って携帯電話機1の充電中に発光素子48を点滅する場合にも適用することができる。
【0049】
ところで、携帯電話機1の充電中にメールが受信された場合、充電中であることを通知するための発光素子48のYmsの間の点灯ON区間は、メールの受信を通知するための発光素子48の1000msの点灯OFF区間から、発光素子48のXmsの間の点灯OFF区間を2回分引いた区間として求められる。しかし、例えばメールの受信を通知するための発光素子48の点灯OFF区間が500msであり、かつXmsが250msに固定されているとき、充電中であることを通知するための発光素子48の点灯ON区間としてのYmsは0msとなってしまう。その結果、このままでは携帯電話機1の充電中であることを通知することができなくなってしまう。
【0050】
勿論、すべての通知を行うべきという観点から、図4(D)に示されるように、発光素子48のXmsの間の点灯OFF区間を設けないようにしてもよいが、健常者はその通知を知ることはできたとしても、色覚に異常をもつ方々は結局その通知の内容を知ることは困難である。
【0051】
そこで、充電中に記憶部42から取得される点滅情報(メールの受信時の発光素子48の点滅に関する点滅情報)により指示される発光素子48の点灯OFF区間が、充電中に他の通知(メールの受信の通知など)をする際に設定されるXmsの間の発光素子48の点灯OFF区間(具体的には、図4(C)に示されるXmsの間の発光素子48の点灯OFF区間)の2倍よりも短い場合、発光素子48の点灯OFF区間のXmsを短く設定するようにしてもよい。以下、この方法を用いた発光素子点灯制御処理について説明する。
【0052】
図6のフローチャートを参照して、図3の携帯電話機1における他の発光素子点灯制御処理について説明する。なお、図6のステップSS11乃至S14、およびステップS16乃至S17は、図5のステップS1乃至S6の処理と基本的には同様であり、その説明は繰り返しになるので適宜省略する。
【0053】
ステップS15において、制御部41は、記憶部42から取得された点滅情報に基づいて、点滅情報により指示される発光素子48の点灯OFF区間が、充電中に他の通知をする際に設定される発光素子48の点灯OFF区間としての固定値Xmsの2倍よりも大きいか否かを判定する。ステップS15において制御部41が、点滅情報により指示される発光素子48の点灯OFF区間が、充電中に他の通知をする際に設定される発光素子48の点灯OFF区間としての固定値Xmsの2倍よりも大きいと判定した場合、充電中であることを通知するための発光素子48の点灯ON区間としてのYmsを確保することが可能であることから、処理はステップS16に進む。勿論、点滅情報により指示される発光素子48の点灯OFF区間が、充電中に他の通知をする際に設定される発光素子48の点灯OFF区間としての固定値Xmsの2倍よりも大きいと判定した場合であっても、充電中であることを通知するための発光素子48の点灯ON区間としてのYmsが100ms以下(例えば50msなど)となってしまうときには、ユーザが充電中であることを認識しにくくなることから、後述するステップS18に進むようにしてもよい。これにより、充電中に記憶部42から取得された点滅情報により指示される発光素子48の点灯OFF区間に応じて、充電中であることを通知するための発光素子48の点灯ON区間としてのYmsを100ms以上確保することができる。一方、ステップS15において制御部41が、点滅情報により指示される発光素子48の点灯OFF区間が、充電中に他の通知をする際に設定される発光素子48の点灯OFF区間としての固定値Xmsの2倍以下であると判定した場合、充電中であることを通知するための発光素子48の点灯ON区間としてのYmsを確保することができないことから、制御部41はステップS18で、点滅情報により指示される発光素子48の点灯OFF区間に応じて、充電中に他の通知をする際に設定される発光素子48の点灯OFF区間としての固定値Xmsを、新たな値X´msに変更する。これにより、充電中であることを通知するための発光素子48の点灯ON区間としてのYmsを確保することが可能となる。ここで、X´ms=α×Xmsの式に示されるように、新たな値X´msは固定値Xmsに対して所定の係数αを乗ずることで求めることができる。固定値Xmsが250msに設定される場合においては、点滅情報により指示される発光素子48の点灯OFF区間が例えば1000msであるときを想定しているものとすると、所定の係数αは、記憶部42から取得された点滅情報により指示される発光素子48の点灯OFF区間(ms)/1000msにより求められる。より具体的には、固定値Xmsが250msに設定されており、かつ記憶部42から取得された点滅情報により指示される発光素子48の点灯OFF区間が600msである場合、所定の係数αは、所定の係数α=600ms/1000msの式によって0.6と求められるとともに、新たなX´msは、X´ms=0.6×250msの式によって150msと求められる。従って、充電中であることを通知するための発光素子48の赤色での点灯ON区間としてのYmsは300ms(=600ms−(150ms×2))となる。
【0054】
以上により、メールの受信を通知するために発光素子48が青色で100msの間点灯する点灯ON区間と、充電中であることを通知するために発光素子48が赤色で300msの間点灯する点灯ON区間との間において、発光素子48が150msの間消灯する。また、充電中であることを通知するために発光素子48が赤色で300msの間点灯する点灯ON区間と、メールの受信を通知するために発光素子48が青色で100msの間点灯する点灯ON区間との間において、発光素子48が150msの間消灯する。これにより、充電中に記憶部42から取得された点滅情報により指示される発光素子48の点灯OFF区間に応じて、発光素子48の点灯OFF区間としての固定値Xmsを短く変更することができる。なお、点滅情報により指示される発光素子48の点灯OFF区間が、充電中に他の通知をする際に設定される発光素子48の点灯OFF区間としての固定値Xmsの2倍よりも大きいと判定した場合に、充電中に記憶部42から取得された点滅情報により指示される発光素子48の点灯OFF区間に応じて、発光素子48の点灯OFF区間としての固定値Xmsを長く変更するようにしてもよい。
【0055】
その後、処理はステップS19に進み、制御部41は、変更された値X´msを用いて、発光素子48のOFF区間を設定する。
【0056】
これにより、充電中に取得される点滅情報により指示される発光素子48の点灯OFF区間が、充電中に他の通知をする際に設定されるXmsの間の発光素子48の点灯OFF区間の2倍よりも短い場合であっても、点滅情報により指示される点滅パターンを変更することなく、1つの発光素子(LED)48のみを用いて充電中に、充電中であること以外の内容を好適に通知することができる。
【0057】
なお、図6のフローチャートを用いて説明した発光素子点灯制御処理においては、充電中に取得される点滅情報により指示される発光素子48の点灯OFF区間が、充電中に他の通知をする際に設定されるXmsの間の発光素子48の点灯OFF区間の2倍よりも短い場合、点滅情報により指示される発光素子48の点灯OFF区間に応じて、固定値Xmsを変更するようにしたが、このような場合に限られない。図4(E)に示されるように、点滅情報により指示される点滅パターンを変更することなく、1または複数の周期おきに、携帯電話機1の充電中であることを通知するようにしてもよい。この場合における発光素子点灯処理は図7に示される。なお、図7のステップS31乃至S37の処理は、図6のステップS11乃至S17の処理と基本的に同様であり、その説明は繰り返しになるので省略する。
【0058】
ステップS35において制御部41が、点滅情報により指示される発光素子48の点灯OFF区間が、充電中に他の通知をする際に設定される発光素子48の点灯OFF区間としての固定値Xmsの2倍以下であると判定した場合、充電中であることを通知するための発光素子48の点灯ON区間としてのYmsを確保することができないことから、制御部41はステップS38で、メールの受信を通知するための発光素子48の500msの点灯OFF区間を、1周期または複数の周期ごとに、発光素子48の点灯OFF区間と、充電中であることを通知するための発光素子48の点灯ON区間に設定する。
【0059】
これにより、充電中に取得される点滅情報により指示される発光素子48の点灯OFF区間が、充電中に他の通知をする際に設定されるXmsの間の発光素子48の点灯OFF区間の2倍よりも短い場合であっても、点滅情報により指示される点滅パターンを変更することなく、1つの発光素子(LED)48のみを用いて充電中に、複数の周期を利用して充電中であること以外の内容を好適に通知することができる。
【0060】
なお、本発明は、携帯電話機1以外にも、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機、携帯型音楽再生機、携帯型動画再生機、その他の情報処理情報処理装置にも適用することができる。
【0061】
また、本発明の実施形態において説明した一連の処理は、ソフトウェアにより実行させることもできるが、ハードウェアにより実行させることもできる。
【0062】
さらに、本発明の実施形態では、フローチャートのステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。
【符号の説明】
【0063】
1…携帯電話機、11…ヒンジ、12…第1の筐体、13…第2の筐体、14…操作キー、15…マイクロフォン、16…サイドキー、17…液晶ディスプレイ、18…スピーカ、19a乃至19d…磁気センサ、20…CCDカメラ、21…サブディスプレイ、31…アンテナ、32…アンテナ共用器(DUP)、33…受信回路(RX)、34…周波数シンセサイザ(SYN)、35…送信回路(TX)、36…CDMA信号処理部、37…圧縮伸張処理部、38…PCMコーデック、39…受話増幅器、40…送話増幅器、41…制御部、42…記憶部、43…バッテリ、44…電源回路、45…外部メモリインタフェース、46…メモリカード、47…時計回路、48…発光素子、50…スピーカ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光色のうちいずれかで発光する1つの発光手段と、
前記発光手段の点滅に関する点滅情報を取得する取得手段と、
情報処理装置が充電中である場合に前記取得手段により前記点滅情報が取得されたとき、前記点滅情報に含まれる前記発光手段の点灯ON区間に基づく前記発光手段の点灯と、充電中であることを通知するための前記発光手段の点灯との間に、前記発光手段の点灯OFF区間を設定する設定手段と、
前記点滅情報に含まれる前記発光手段の点灯ON区間と点灯OFF区間、および前記設定手段により設定された前記発光手段の点灯OFF区間に従い、前記発光手段の点灯を制御する制御手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
情報処理装置が充電中である場合に前記取得手段により取得される前記点滅情報には、少なくとも、メールが受信されたときに、または着信信号が受信されたときに取得される前記点滅情報が含まれることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、充電中であることを通知するために点灯する際に用いられる前記発光手段の第1の発光色と異なる第2の発光色を用いて、前記点滅情報に含まれる前記発光手段の点灯ON区間に前記発光手段が点灯するように制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記設定手段により設定された前記発光手段の点灯OFF区間は、固定値または任意の値であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記点滅情報に含まれる前記発光手段の点灯OFF区間が、前記設定手段により設定される発光手段の点灯OFF区間の2倍以下である場合、前記点滅情報に含まれる前記発光手段の点灯OFF区間に応じて、前記設定手段により設定される発光手段の点灯OFF区間を変更する変更手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−187322(P2010−187322A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−31586(P2009−31586)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】