情報収集装置
【課題】複数の入力デバイスから入力された情報を、正確な順序で認識することが可能な情報収集装置を提供する。
【解決手段】情報入力装置4は、右手用装置と左手用装置とを備えている。左手用装置から送信されたキー情報が、情報収集装置3において受信される(S5)。情報収集装置3は、受信したキー情報をPC2に出力する(S6)。右手用装置からキー情報が送信されるが、通信遅延によって情報収集装置3に到達しない。左手用装置から送信されたキー情報が、続けて情報収集装置3において受信される(S7)。情報収集装置3は、受信したキー情報を記憶する。右手用装置から送信されたキー情報が、遅れて情報収集装置3において受信される(S8)。情報収集装置3は、受信したキー情報をPC2に出力し(S9)、続けて、記憶したキー情報をPC2に出力する(S10)。
【解決手段】情報入力装置4は、右手用装置と左手用装置とを備えている。左手用装置から送信されたキー情報が、情報収集装置3において受信される(S5)。情報収集装置3は、受信したキー情報をPC2に出力する(S6)。右手用装置からキー情報が送信されるが、通信遅延によって情報収集装置3に到達しない。左手用装置から送信されたキー情報が、続けて情報収集装置3において受信される(S7)。情報収集装置3は、受信したキー情報を記憶する。右手用装置から送信されたキー情報が、遅れて情報収集装置3において受信される(S8)。情報収集装置3は、受信したキー情報をPC2に出力し(S9)、続けて、記憶したキー情報をPC2に出力する(S10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報収集装置に関する。より詳細には、複数の入力デバイスを介して入力された情報を収集する情報収集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の入力デバイスを介して入力された情報を収集する情報収集装置が提案されている。例えば特許文献1に記載の装置は、QWERTYキーボードの一部分を含む第一の装置と、QWERTYキーボードの他の部分を含む第二の装置とを入力デバイスとして備えている。第一及び第二の装置を介して入力された情報は、無線を介してPCに対して送信される。PCにおいて、第一及び第二の装置から送信された情報が受信される。PCは、其々の入力デバイスを介して入力された情報に基づいて、完全なキー情報を再現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2005−529423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記情報収集装置において、第一及び第二の装置とPCとの間の通信に遅延が発生する場合がある。通信の遅延によってPCは、第一の装置から先に情報が送信されたにも関わらず、第二の装置から送信された情報を先に受信する可能性がある。従って、受信順に入力された情報を認識すると、正確な順序で入力情報を認識することができないという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、複数の入力デバイスから入力された情報を、正確な順序で認識することが可能な情報収集装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係る情報収集装置は、ユーザが情報を入力するための複数の入力装置から送信される入力データであって、前記入力データを識別する識別情報が前記入力装置によって対応付けられた入力データを受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記入力データに対応付けられると共に、対応付けるタイミングが前記入力装置ごとに異なる前記識別情報に基づいて、前記入力データを外部機器に出力する場合の出力順を特定する特定手段と、前記特定手段で特定された前記出力順に従い、前記入力データを前記外部機器に出力する出力制御手段とを備えている。
【0007】
入力データの通信時に遅延が生じると、複数の入力装置から送信される入力データの送信順序と、実際に情報収集装置において入力データが受信された場合の受信順序とが相違する場合がある。しかしながら本発明の第一態様によれば、受信した入力データに対応付けられている識別情報を参照することで、情報収集装置は、入力データが送信された順番通りに認識し、入力データを外部機器に出力できる。情報収集装置は、入力装置を介して入力された入力データを正確に外部機器に出力できる。
【0008】
また、第一態様において、前記識別情報は、前記入力装置において規則的に更新される第一変数であり、前記入力装置毎に割り当てられる変数であって、前記情報収集装置において規則的に更新される第二変数を記憶する第一記憶手段を備え、前記特定手段は、前記受信手段によって受信された前記入力データに対応付けられている前記第一変数と、前記第一記憶手段に記憶された前記第二変数とが所定の関係を満たす場合に、受信された前記入力データを、次に前記外部機器に出力する入力データとして特定してもよい。これによって情報収集装置は、入力データに対応付けられた第一変数と、記憶されている第二変数とに基づいて、入力データの送信順を特定できる。第一変数及び第二変数は規則的に更新されるので、情報収集装置は、入力データの出力順を容易に特定し、外部機器に出力できる。情報収集装置は、複数の入力装置の其々に異なる変数を割り当てることによって、受信した入力データの送信元の入力装置を容易に特定できる。
【0009】
また、第一態様において、前記入力装置に対して、前記第二変数を前記第一変数の初期値として送信する送信手段を備え、前記受信手段は、前記送信手段によって送信された前記第二変数に基づいて規則的に更新される前記第一変数が対応付けられた前記入力データを受信してもよい。これによって情報収集装置は、第一変数の初期値を入力装置に対して指定できる。ユーザは、予め入力装置と情報収集装置とに変数を設定する必要がない。情報収集装置は、第一変数と第二変数との間に所定の関係を満たすかを判断することで、確実に入力データを順番通りに外部機器に出力できる。
【0010】
また、第一態様において、前記識別情報は、前記入力データを送信する前記入力装置を識別するID情報であり、前記入力データの受信が許可された前記入力装置の前記ID情報を記憶する第一記憶手段を備え、前記特定手段は、前記受信手段によって受信された前記入力データに対応付けられている前記ID情報と、前記第一記憶手段に記憶された前記ID情報とが一致する場合に、受信された前記入力データを、次に前記外部機器に出力する入力データとして特定してもよい。これによって情報収集装置は、入力データに対応付けられたID情報によって、送信元の入力装置を特定できる。情報収集装置は、受信した入力データの送信元の入力装置を認識できる。情報収集装置は、許可されていない入力装置から送信された入力データが外部機器に出力されてしまうことを禁止できる。
【0011】
また、第一態様において、前記複数の入力装置をグループ毎に分類して記憶する第二記憶手段と、前記第二記憶手段に記憶された情報を参照することで、前記受信手段によって受信された前記入力データの送信元の前記入力装置が属するグループを、前記入力データに対応する前記識別情報に基づいて判別する判別手段とを備え、前記特定手段は、前記判別手段において同一グループと判断された前記入力装置から送信される前記入力データ毎に、前記出力順を特定してもよい。これによって情報収集装置は、入力装置をグループに区分して認識できる。情報収集装置は、入力データを出力する場合の出力順をグループ毎に特定し、外部機器に出力する。情報収集装置は、グループ毎に入力データを外部機器に出力できる。
【0012】
また、第一態様において、前記外部機器は、表示手段を備え、前記出力制御手段は、受信した前記入力データが所定の第一データである場合に、前記表示手段の表示領域のうち第一領域に前記入力データを表示させ、受信した前記入力データが所定の第二データである場合に、前記入力データの履歴を、前記表示手段の表示領域のうち第二領域に表示させるためのデータを出力してもよい。これによって、複数の情報が入力装置を介して同時に入力されている場合であっても、ユーザは、複数の情報を同時に認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】情報収集システム1の概要を示す模式図である。
【図2】情報収集装置3の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】情報入力装置4の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】第一実施形態における通信シーケンスを示す図である。
【図5】収集処理を示すフローチャートである。
【図6】表示画像37を示す図である。
【図7】送信処理を示すフローチャートである。
【図8】第二実施形態における通信シーケンスを示す図である。
【図9】収集処理を示すフローチャートである。
【図10】送信処理を示すフローチャートである。
【図11】第三実施形態における通信シーケンスを示す図である。
【図12】収集処理を示すフローチャートである。
【図13】第四実施形態における通信シーケンスを示す図である。
【図14】収集処理を示すフローチャートである。
【図15】第五実施形態における通信シーケンスを示す図である。
【図16】収集処理を示すフローチャートである。
【図17】送信処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態における情報収集装置3について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0015】
<第一実施形態>
図1を参照し、情報収集装置3を備えた情報収集システム1の概要について説明する。図1に示すように、情報収集システム1は、情報収集装置3及び情報入力装置4を備えている。
【0016】
情報入力装置4は、ユーザの手に装着可能な装着部7を備えている。装着部7は、手袋形状を有している。情報入力装置4は、右手用及び左手用の装着部7を備えている。装着部7には、加速度センサ5が取り付けられている。加速度センサ5は、装着部7が使用者の手に装着された状態で、使用者の各指の先端部分に配置する。装着部7には制御部9が取り付けられている。制御部9は、ハーネス6を介して加速度センサ5と接続している。加速度センサ5において検出された加速度信号は、ハーネス6を介して制御部9に伝送される。
【0017】
ユーザは、装着部7を手に装着し、キーボードを打鍵する動作を行う。加速度センサ5は、打鍵動作時の指の加速度信号を検出する。制御部9では、加速度センサ5にて検出された信号に基づき、打鍵動作によって選択されたキーが特定される。特定されたキーの情報(以下「キー情報」という。)は、情報入力装置4から情報収集装置3に対して無線送信される。
【0018】
情報収集装置3は、USBコネクタを備えており、PC2のUSB端子に接続されている。情報収集装置3は、右手用及び左手用の情報入力装置4から送信されたキー情報を其々受信する。受信されたキー情報は、PC2に出力される。PC2は、ユーザによって選択されたキーを認識する。ユーザは、キーボードを用いることなくキーをPC2に対してキーを入力できる。
【0019】
なお本発明は上述の構成に限定されない。情報入力装置4は、例えばQWERTYキー配列のうち一部分を備えた第一装置、及び、残りの部分を備えた第二装置を備えていてもよい。情報入力装置4は、打鍵されたキーを検出し、検出されたキーの情報をキー情報として情報収集装置3に対して送信してもよい。情報収集装置3は、PC2に組み込まれていてもよい。情報収集装置3は、ディスプレイに接続可能な構成であってもよい。情報収集装置3及び情報入力装置4は、有線によって接続してもよい。情報収集装置3及び情報入力装置4は、インターネットを介して接続してもよい。装着部7に取り付けられるセンサは、ジャイロセンサであってもよい。
【0020】
ユーザが打鍵動作を連続的に実行することによって、複数のキーが順番に選択される場合がある。この場合、情報収集装置3は、実行された打鍵動作の順番通りにキーを認識し、PC2に対して出力する必要がある。ここで、情報収集装置3と情報入力装置4との間の通信に遅延が発生する場合がある。通信遅延の発生によって、例えば右手用の情報入力装置4において先にキーが特定されてキー情報が送信され、続いて、左手用の情報入力装置4においてキーが特定されてキー情報が送信された場合でも、情報収集装置3において、左手用の情報入力装置4から送信されたキー情報が先に受信されてしまう場合がある。本実施形態では、キー情報に識別情報が対応付けられ、情報入力装置4から情報収集装置3に対して送信される。この識別情報は、それぞれの情報入力装置4でキー情報に対応付けられるタイミングが異なっている。情報収集装置3は、識別情報に基づいて、実際にキー情報が情報収集装置3から送信された順番を特定し、特定した順番に従ってキー情報をPC2に出力する。これによって、情報入力装置4と情報収集装置3との間の通信に遅延が発生した場合であっても、情報収集装置3は、打鍵動作の順番通りにキーを認識し、PC2に出力できる。以下詳説する。
【0021】
図2を参照し、情報収集装置3の電気的構成について説明する。情報収集装置3は、CPU11、ROM12、RAM13、フラッシュメモリ14、USBドライバ15、RFモジュール16、及びアンテナ17を備えている。CPU11は、情報収集装置3全体の動作を制御する。ROM12には、CPU11が動作するためのプログラムが少なくとも記憶される。RAM13には、プログラムで使用される各種の情報が一時的に記憶される。フラッシュメモリ14は、後述する順番テーブルが記憶される。USBドライバ15は、USBを介してPC2と通信を行うためのドライバ素子である。RFモジュール16は、データの変復調を行うモジュールである。CPU11は、ROM12、RAM13、フラッシュメモリ14、USBドライバ15、及びRFモジュール16と電気的に接続している。RFモジュール16はアンテナ17と電気的に接続している。
【0022】
図3を参照し、情報入力装置4の電気的構成について説明する。情報入力装置4は、CPU21、ROM22、RAM23、フラッシュメモリ24、A/Dコンバータ25、加速度センサ5、RFモジュール26、及びアンテナ27を備えている。CPU21は、情報入力装置4全体の動作を制御する。ROM22には、CPU21が動作するためのプログラムが少なくとも記憶される。RAM23には、プログラムで使用される各種の情報が一時的に記憶される。フラッシュメモリ24には、受信された加速度信号が記憶される。A/Dコンバータ25は、加速度センサ5において検出された加速度信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。RFモジュール26は、データの変復調を行うモジュールである。CPU21は、ROM22、RAM23、フラッシュメモリ24、A/Dコンバータ25、及びRFモジュール26と電気的に接続している。A/Dコンバータ25は加速度センサ5と電気的に接続している。RFモジュール26はアンテナ27と電気的に接続している。
【0023】
図4を参照し、第一実施形態における通信シーケンスについて説明する。第一実施形態では、識別情報として、左手用の情報入力装置4(以下「左手入力装置」という。)及び右手用の情報入力装置4(以下「右手入力装置」という。)の其々を識別するID情報が使用される。左手入力装置に、ID情報「001」が予め設定されている。右手入力装置に、ID情報「002」が予め設定されている。情報入力装置4は、キー情報にID情報を対応付け、情報収集装置3に対して送信する。情報入力装置4は、所定の周期で連続的にキー情報を情報収集装置3に対して送信する。キーの打鍵動作が行われていない場合、「打鍵動作なし」を示すキー情報が情報収集装置3に対して送信される。情報収集装置3は、キー情報に対応付けられたID情報に基づいて、キー情報をPC2に出力する場合の順番を特定する。
【0024】
情報収集装置3は、フラッシュメモリ14に記憶された順番テーブル30(31〜36)を使用することで、受信したキー情報をPC2に出力する場合の順番を特定する。順番テーブル30には、インデックス(図4中「No.」に相当)、フラグ情報、及びID情報が格納される。フラグ情報は、PC2への出力を許可するID情報を示す。例えば順番テーブル31では、ID情報「001」に対応するフラグ情報が「1」となっているので、ID情報「001」が対応付けられたキー情報は、PC2への出力が許可される。ID情報「002」に対応するフラグ情報が「0」となっているので、ID情報「002」が対応付けられたキー情報は、PC2への出力が禁止される。フラグ情報「1」の格納位置は、キー情報がPC2に出力された場合に、インデックスの順に移動することで更新される。フラグ情報「1」の格納位置がインデックスの最終位置に移動した場合、フラグ情報「1」の格納位置は、インデックスの先頭位置に戻る。
【0025】
左手入力装置からキー情報(ID情報:001)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S1)。順番テーブル31では、ID情報「001」が対応付けられたキー情報はPC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S2)。フラグ情報「1」の格納位置が更新される。右手入力装置からキー情報(ID情報:002)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S3)。順番テーブル32では、ID情報「002」が対応付けられたキー情報はPC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S4)。フラグ情報「1」の格納位置が更新される。左手入力装置からキー情報(ID情報:001)が送信され、情報収集装置3において受信される(S5)。順番テーブル33では、ID情報「001」が対応付けられたキー情報はPC2への出力が許可されているので、キー情報はPC2に対して出力される(S6)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。
【0026】
ここで、右手入力装置から送信されたキー情報(ID情報:002)が遅延し、左手入力装置から送信されたキー情報(ID情報:001)が先に情報収集装置3において受信されたとする(S7)。順番テーブル34では、ID情報「001」が対応付けられたキー情報はPC2への出力が禁止されている。キー情報は、PC2に対して出力されない。情報収集装置3は、ID情報をキー情報に対応付け、フラッシュメモリ14に記憶する。フラグ情報「1」の格納位置は更新されない。
【0027】
右手入力装置から送信されたキー情報(ID情報:002)が、遅れて情報収集装置3に到達する(S8)。順番テーブル35では、ID情報「002」が対応付けられたキー情報はPC2への出力が許可されているので、キー情報はPC2に対して出力される(S9)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。S7で、ID情報「001」が対応付けられたキー情報が既に受信され、フラッシュメモリ14に記憶されている。フラッシュメモリ14に記憶されているキー情報はPC2に対して出力される(S10)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。このように情報収集装置3は、情報入力装置4との間の通信に遅延が発生し、キー情報の順番が入れ替わった場合でも、情報入力装置4からキー情報が送信された順番通りに、キー情報をPC2に対して出力できる。
【0028】
ここで、ID情報「003」が設定された情報入力装置4から、情報収集装置3に対してキー情報(ID情報:003)が送信されたとする。情報収集装置3はキー情報を受信する(S11)。ID情報「003」は、順番テーブル36に格納されていない。情報収集装置3は、受信したキー情報をPC2に出力せず、キー情報を破棄する。このように情報収集装置3は、送信元の情報入力装置4をID情報によって特定できる。情報収集装置3は、順番テーブル30に登録されているID情報と同一のID情報が対応付けられたキー情報のみ、PC2に対して出力できる。情報収集装置3は、第三者からのキー情報をPC2に出力してしまうことを防止できる。
【0029】
図5を参照し、情報収集装置3のCPU11において実行される収集処理について説明する。収集処理は、情報収集装置3の電源が投入されている状態で、CPU11において起動され実行される。
【0030】
はじめに、現時点で順番テーブル30に登録されているID情報の合計数が、予め設定された必要接続数に達したかが判断される(S111)。必要接続数は、ユーザによって予め設定される。例えば、キー情報を受け付ける情報入力装置4が左手用及び右手用を備えている場合、必要接続数として「2」が設定される。順番テーブル30に登録されているID情報の合計数が必要接続数に達している場合(S111:YES)、処理はS119に進む。順番テーブル30に登録されているID情報の合計数が必要接続数に達していない場合(S111:NO)、情報入力装置4から接続要求パケットを受信したかが判断される(S113)。接続要求パケットは、情報入力装置4が情報収集装置3との間の通信を開始させる場合に、情報入力装置4から送信される(S143、図7参照)。情報入力装置4から接続要求パケットを受信していない場合(S113:NO)、処理はS119に進む。情報入力装置4から接続要求パケットを受信した場合(S113:YES)、接続要求パケットに格納されたID情報が、順番テーブル30に格納される(S115)。接続要求パケットに応答する応答パケットが、接続要求パケットを送信した情報入力装置4に対して送信される(S117)。処理はS119に進む。
【0031】
S119では、情報入力装置4からキー情報を受信したかが判断される(S119)。情報入力装置4からキー情報を受信していない場合(S119:NO)、処理はS111に戻る。情報入力装置4からキー情報を受信した場合(S119:YES)、受信したキー情報に対応付けられているID情報(以下「受信ID情報」という。)と同一のID情報が、順番テーブル30に格納されているかが判断される(S121)。受信ID情報と同一のID情報が、順番テーブル30に格納されていない場合(S121:NO)、受信したキー情報は、PC2への出力が禁止されている。そのまま処理はS111に戻る。
【0032】
受信ID情報と同一のID情報が、順番テーブル30に格納されている場合(S121:YES)、PC2に対するキー情報の出力が許可されているかが判断される。順番テーブル30のうち、受信ID情報と同一のID情報に対応するフラグ情報が「1」であるかが判断される(S123)。フラグ情報として「0」が格納されている場合(S123:NO)、受信したキー情報は、PC2への出力が禁止されている。同一のID情報が対応付けられたキー情報が、フラッシュメモリ14に既に記憶されているかが判断される(S131)。同一のID情報が対応付けられたキー情報が、フラッシュメモリ14に既に記憶されている場合(S131:YES)、そのまま処理はS119に戻る。同一のID情報が対応付けられたキー情報が、フラッシュメモリ14に記憶されていない場合(S131:NO)、キー情報に受信ID情報が対応付けられ、フラッシュメモリ14に記憶される(S133)。処理はS119に戻る。
【0033】
S123において、受信ID情報と同一のID情報に対応するフラグ情報が「1」である場合(S123:YES)、受信したキー情報は、PC2への出力が許可されている。キー情報は、PC2に対して出力される(S125)。順番テーブル30のうちフラグ情報「1」の格納位置が更新される。フラッシュメモリ14にキー情報が記憶されているかが判断される(S127)。キー情報が記憶されている場合(S127:YES)、処理はS123に戻る。記憶されているキー情報をPC2に対して出力するかが判断される(S123)。記憶されたキー情報に対応付けられている受信ID情報が参照される。順番テーブル30のうち、受信ID情報と同一のID情報に対応するフラグ情報が「1」である場合(S123:YES)、フラッシュメモリ14に記憶されているキー情報はPC2に対して出力される(S125)。
【0034】
フラッシュメモリ14にキー情報が記憶されていない場合(S127:NO)、情報収集装置3の電源が遮断されたかが判断される(S129)。情報収集装置3の電源が遮断された場合(S129:YES)、収集処理は終了する。情報収集装置3の電源が遮断されていない場合(S129:NO)、処理はS111に戻る。
【0035】
図6を参照し、情報収集装置3からPC2に対してキー情報が出力された結果、PC2のディスプレイに表示される表示画像の一例(表示画像37)について説明する。表示画像37は、履歴ウィンドウ部38及び打鍵キー表示部39を備えている。履歴ウィンドウ部38には、打鍵動作によって選択されたキーの履歴が表示される。打鍵キー表示部39では、所定のキー(「Shift」「Alt」「Ctrl」)が打鍵された状態となっている場合に、該当するキーが反転表示される。図6に示す例では、履歴ウィンドウ部38内に、打鍵されたキーの履歴情報として「ASDFGHJKL」が表示されている。打鍵キー表示部39内の表示のうち、「Alt」の文字が反転しており、「Alt」キーが打鍵された状態にあることを示している。このようにキーをディスプレイに表示させることで、ユーザは打鍵動作によって認識されたキーを容易に特定できる。また、表示画像37は履歴ウィンドウ部38と打鍵キー表示部39とを備えているので、複数のキーが同時に打鍵されている状態であっても、ユーザは、双方の情報を認識できる。なお表示画像37は、PC2がキー情報に基づいて作成しても良い。また、表示画像37をディスプレイに表示させるためのデータが、情報収集装置4からPC2に対して送信されてもよい。
【0036】
図7を参照し、情報入力装置4のCPU21において実行される送信処理について説明する。送信処理は、情報入力装置4の電源が投入されている状態で、CPU21において起動され実行される。
【0037】
はじめに、情報収集装置3に対して送信する接続要求パケットに、自身のID情報が格納される(S141)。ID情報が格納された接続要求パケットは、情報収集装置3に対して送信される(S143)。送信された接続要求パケットに応じ、情報収集装置3から返信される応答パケットの受信が監視される(S145)。情報収集装置から送信される応答パケットを受信していない場合(S145:NO)、処理はS145に戻る。情報収集装置3から返信された応答パケットを受信した場合(S145:YES)、情報収集装置3において、自身が送信するキー情報の受信が可能な状態になったことになる。加速度センサ5から検出される加速度信号に基づいて、打鍵動作によって選択されたキーが特定される(S147)。なお、打鍵動作が行われていない場合には「打鍵なし」であると特定される。特定されたキーの情報(キー情報)に、自身のID情報を対応付ける(S149)。キー情報は、情報収集装置3に対して送信される(S151)。
【0038】
情報入力装置4の電源が遮断されたかが判断される(S153)。情報入力装置4の電源が遮断された場合(S153;YES)、送信処理は終了する。情報入力装置4の電源が遮断されていない場合(S153:NO)、所定の周期で繰り返しキー情報を情報収集装置3に対して送信するために、所定時間待機される(S155)。所定時間待機後、処理はS147に戻る。キー情報が所定の周期で繰り返し情報収集装置3に対して送信される。
【0039】
以上説明したように、情報収集装置3では、受信したキー情報に対応付けられたID情報を参照することで、PC2に対してキー情報を順番に出力できる。上述のように、情報入力装置4が二つの入力装置(右手用、左手用)を備えている場合、情報収集装置3は、其々から受信したキー情報を交互にPC2に対して出力できる。情報入力装置4は、一定周期で連続してキー情報を送信しているので、情報収集装置3は、情報入力装置4においてキー情報が送信された順番通りに、受信したキー情報をPC2に対して出力できる。
【0040】
情報収集装置3では、キー情報に対応付けられたID情報によって、送信元の情報入力装置4を特定できる。情報収集装置3は、順番テーブル30に格納されたID情報が対応付けられたキー情報のみ、PC2に出力できる。情報収集装置3は、許可されていない第三者から送信されたキー情報をPC2に出力してしまうことを防止できる。
【0041】
なお上述では、ID情報は予め情報入力装置4に設定されていたが、本発明はこれに限定されない。例えばID情報は、通信開始時に、情報収集装置3が情報入力装置4に対して割り当ててもよい。上述の処理で、情報入力装置4は、ID情報が格納されていない接続要求パケットを情報収集装置3に対して送信してもよい。情報収集装置3は、接続要求パケットを受信した場合、情報入力装置4に対して割り当てるID情報を特定してもよい。特定されたID情報が格納された応答パケットが、情報収集装置3から情報入力装置4に対して送信されてもよい。
【0042】
順番テーブル30に格納されたID情報の有効期間を定めてもよい。例えば、順番テーブル30にID情報が格納されてから所定時間経過した場合、該ID情報を順番テーブルから削除してもよい。情報入力装置4は、再度接続要求パケットを情報収集装置3に対して送信してもよい。
【0043】
<第二実施形態>
図8から図10を参照し、本発明の第二実施形態について説明する。情報収集システム1の構成、情報収集装置3及び情報入力装置4の電気的構成については、第一実施形態と同一である。以下では説明を省略している。
【0044】
図8を参照し、第二実施形態における通信シーケンスについて説明する。第二実施形態が第一実施形態と異なる点は、情報収集装置3から其々の情報入力装置4に対して割り当てられる変数が識別情報として使用される点にある。情報入力装置4は、情報収集装置3から割り当てられた変数をキー情報に対応付け、キー情報を情報収集装置3に対して送信する。情報入力装置4は、キー情報を情報収集装置3に対して送信する毎に、変数に1ずつ加算し更新する。情報収集装置3は、受信したキー情報に対応付けられた変数に基づいて、PC2に対してキー情報を出力する場合の順番を特定する。情報収集装置3は、フラッシュメモリ14に記憶された順番テーブル40(41〜47)を使用することで、受信したキー情報の順番を特定する。順番テーブル40には、インデックス、フラグ情報、及び変数が格納されている。フラグ情報は、第一実施形態と同様の方法で更新される。変数は、キー情報を受信するタイミングで1ずつ加算され更新される。
【0045】
情報収集装置3から左手入力装置に対して、変数の初期値「0001」を通知する変数通知パケットが送信される。変数の初期値は、周知のアルゴリズムに基づいてランダムに特定される。左手入力装置は、変数通知パケットを受信する(S21)。情報収集装置3は、通知した変数の初期値「0001」を、順番テーブル41に格納する。対応するフラグ情報として「1」が格納される。左手入力装置は、変数通知パケットに格納されている変数の初期値「0001」を、RAM23に記憶する。
【0046】
左手入力装置からキー情報(変数:0001)が送信される。左手入力装置のRAM23に記憶された変数は「0002」に更新される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S22)。順番テーブル42に格納された変数は「0002」に更新される(順番テーブル43)。更新された変数に対応付けられたフラグ情報は「1」であり、キー情報は、PC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S23)。順番テーブル42には、変数が一つ格納されているのみであるので、フラグ情報「1」の格納位置は更新されない。左手入力装置から続けてキー情報(変数:0002)が送信される。左手入力装置のRAM23に記憶された変数は更新される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S24)。順番テーブル43に格納された変数は「0003」に更新される(順番テーブル44)。更新された変数に対応付けられたキー情報は、PC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S25)。フラグ情報「1」の格納位置は更新されない。
【0047】
情報収集装置3から右手入力装置に対して、変数の初期値「1001」を通知する変数通知パケットが送信される。右手入力装置は、変数通知パケットを受信する(S26)。情報収集装置3は、通知した変数の初期値「1001」を、順番テーブル44に記憶する。右手入力装置は、変数通知パケットに格納されている変数の初期値「1001」を、RAM23に記憶する。
【0048】
左手入力装置からキー情報(変数:0003)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S27)。順番テーブル45に格納された変数「0003」は「0004」に更新される(順番テーブル46)。更新された変数に対応付けられたフラグ情報は「1」であり、キー情報は、PC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S28)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。右手入力装置からキー情報(変数:1001)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S29)。順番テーブル46に格納された変数「1001」は「1002」に更新される(順番テーブル47)。更新された変数に対応付けられたキー情報は、PC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S30)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。このように情報収集装置3は、キー情報をPC2に対して出力する場合の順番を、変数に基づいて特定できる。変数は、情報収集装置3及び情報入力装置4において規則的に更新されるので、情報収集装置3は、キー情報の出力順を容易に特定できる。また情報収集装置3は、変数の初期値を情報入力装置4に対して通知する。予め情報入力装置4と情報収集装置3とに変数を設定する必要がない。
【0049】
ここで、変数「2000」が対応付けられたキー情報が、情報収集装置3に対して送信されたとする。情報収集装置3はキー情報を受信する(S31)。受信したキー情報に対応付けられたID情報「2000」は、順番テーブル47に格納されていない。情報収集装置3は、受信したキー情報をPC2に出力せず、キー情報を破棄する。このように情報収集装置3は、許可されていない情報入力装置4から受信したキー情報を容易に判別できる。
【0050】
図9を参照し、情報収集装置3のCPU11において実行される収集処理について説明する。第一実施形態と同一処理部分については、同一符号を付し、説明を省略又は簡略化する。はじめに、現時点で順番テーブル40に登録されている変数の合計数が、予め設定された必要接続数に達したかが判断される(S111)。変数の合計数が必要接続数に達している場合(S111:YES)、処理はS119に進む。変数の合計数が必要接続数に達していない場合(S111:NO)、情報入力装置4から接続要求パケットを受信したかが判断される(S113)。接続要求パケットを受信した場合(S113:YES)、変数の初期値がランダムに特定される。特定された変数の初期値を通知する変数通知パケットが、接続要求パケットを送信した情報入力装置4に対して送信される(S161)。変数の初期値は、順番テーブル40に格納される(S163)。処理はS119に進む。
【0051】
S119において、情報入力装置4からキー情報を受信したと判断された場合(S119:YES)、受信したキー情報に対応付けられている変数(以下「受信変数」という。)と同一の変数が、順番テーブル40に格納されているかが判断される(S165)。受信変数と同一の変数が順番テーブル40に格納されていない場合(S165:NO)、受信したキー情報は、PC2への出力が禁止されている。受信したキー情報は破棄され、処理はS111に戻る。受信変数が順番テーブル40に格納されている場合(S165:YES)、順番テーブル40に格納されている変数に1加算され更新される(S167)。処理はS123に進む。
【0052】
順番テーブル40のうち、S167の処理で更新された変数に対応するフラグ情報として「1」が格納されているかが判断される(S123)。フラグ情報として「0」が格納されている場合(S123:NO)、必要に応じて、受信したキー情報は変数に対応付けられフラッシュメモリ14に記憶される(S133)。フラグ情報として「1」が格納されている場合(S123:YES)、受信したキー情報は、PC2に対して出力される(S125)。
【0053】
図10を参照し、情報入力装置4のCPU21において実行される送信処理について説明する。第一実施形態と同一処理部分については、同一符号を付し、説明を省略又は簡略化する。送信された接続要求パケットに応じ、情報収集装置3から送信される変数通知パケットの受信が監視される(S171)。変数通知パケットを受信していない場合(S171:NO)、処理はS171に戻る。変数通知パケットを受信した場合(S171:YES)、受信された変数通知パケットに格納されている変数が、RAM23に記憶される(S173)。
【0054】
打鍵動作によって選択されたキーが特定される(S147)。特定されたキーの情報(キー情報)に、RAM23に記憶した変数が対応付けられる(S175)。キー情報は、情報収集装置3に対して送信される(S151)。RAM23に記憶した変数に1が加算され更新される(S177)。電源が遮断された場合(S153:YES)、送信処理は終了する。
【0055】
以上説明したように、情報収集装置3は、キー情報に対応付けられた変数と、順番テーブル40に格納された変数とに基づいて、キー情報をPC2に対して出力する場合の順番を特定できる。変数は規則的に更新されるので、情報収集装置3は、情報入力装置4がキー情報を送信した順番を正確に特定できる。連続して送信された複数のキー情報の受信順が入れ替わった場合も、情報収集装置3は、キー情報が送信された順番通りに、キー情報をPC2に出力できる。
【0056】
情報収集装置3では、キー情報に対応付けられた変数によって、送信元の情報入力装置4を特定できる。情報収集装置3は、順番テーブル40に格納された変数が対応付けられたキー情報のみ、PC2に出力できる。情報収集装置3は、許可されていない第三者から送信されたキー情報をPC2に出力してしまうことを防止できる。
【0057】
情報収集装置3は、変数の初期値を情報入力装置4に対して通知できる。予め情報入力装置4と情報収集装置3とに変数を設定することなく、情報収集装置3はキー情報の送信順を調整できる。情報収集装置3は、複数の情報入力装置4の其々に割り当てる変数の初期値を調整することで、キー情報を送信した情報入力装置4を確実に区別して認識できる。例えば、複数の情報入力装置4の其々に割り当てる変数の差分を大きくすることによって、情報入力装置3は、受信したキー情報を正確に区別して認識できる。
【0058】
なお上述では、情報収集装置3が情報入力装置4に対して変数を割り当てていたが、本発明はこれに限定されない。予め情報入力装置4に対して所定の変数が設定されていてもよい。上述では、情報入力装置4に対して割り当てられる変数はランダムに決定されていたが、本発明はこれに限定されない。変数間の差分が最も大きくなるように、複数の変数が決定されてもよい。例えば、変数「0000」が一の情報入力装置4に対して割り当てられた場合、他の情報入力装置4に対して次に割り当てられる変数は「5000」としてもよい。これによって、変数が更新された場合であっても、其々の変数の値が重複し難いので、情報収集装置3は、キー情報を送信した情報入力装置4を確実に区別できる。
【0059】
上述では、情報収集装置3と情報入力装置4とが同一周期で変数を更新していたが、本発明はこれに限定されず、異なる周期であってもよい。この場合、順番テーブル40に記憶されている変数と受信変数とが一定の関係を満たす場合、例えば、順番テーブル40に記憶されている変数と受信変数との比が一定である場合に、受信したキー情報をPC2に対して送信してもよい。
【0060】
上述では、情報収集装置3及び情報入力装置4において変数は1ずつ加算され更新されていたが、本発明はこれに限定されない。情報収集装置3及び情報入力装置4は、あらかじめ定めた規則性をもつ数列を使用して変数を更新しても良い。数列としては、例えば、加算値と変数に対するMD5などのハッシュ関数値列、情報収集装置3から情報入力装置4に対して送信した任意の変数初期値に対する疑似乱数列、ロジスティック方程式によって生成されるカオス数列を用いることができる。
【0061】
<第三実施形態>
図11及び図12を参照し、本発明の第三実施形態について説明する。情報収集システム1の構成、情報収集装置3及び情報入力装置4の電気的構成については、第一実施形態と同一である。以下では説明を省略している。
【0062】
図11を参照し、第三実施形態における通信シーケンスについて説明する。第三実施形態では、識別情報として、第二実施形態と同様、情報収集装置3から其々の情報入力装置4に対して割り当てられる変数が使用される。第三実施形態が第二実施例と異なる点は、情報収集装置3は、順番テーブル50に登録された情報入力装置4の全てからキー情報を受信した後、受信したキー情報をまとめてPC2に出力する点にある。
【0063】
情報収集装置3は、フラッシュメモリ14に記憶された順番テーブル50(51〜53)を使用することで、受信したキー情報の順番を特定する。順番テーブル50には、フラグ情報、及び変数情報が格納されている。情報収集装置3は、左手入力装置に対して、変数の初期値「0001」を通知している。情報収集装置3は、右手入力装置に対して、変数の初期値「1001」を通知している。
【0064】
左手入力装置からキー情報(変数:0001)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S41)。順番テーブル51に格納された変数「0001」は「0002」に更新される(順番テーブル52)。受信されたキー情報は、変数が対応付けられフラッシュメモリ14に記憶される。右手入力装置からキー情報(変数:1001)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S42)。順番テーブル52に格納された変数「1001」は「1002」に更新される(順番テーブル53)。受信されたキー情報は、変数が対応付けられフラッシュメモリ24に記憶される。
【0065】
この時点で、順番テーブル50に格納された変数の合計「2」は、フラッシュメモリ24に記憶されたキー情報の合計「2」と一致する。情報収集装置3は、フラッシュメモリ24に記憶されているキー情報を、順番テーブル50に格納されたインデックスの順番でPC2に出力する。変数「0001」が対応付けられたキー情報が、はじめにPC2に対して出力される(S43)。次に、変数「1001」が対応付けられたキー情報がPC2に対して出力される(S44)。このように情報収集装置3は、受信したキー情報をまとめて同時期にPC2に対して出力できる。
【0066】
図12を参照し、情報収集装置3のCPU11において実行される収集処理について説明する。第二実施形態と同一処理部分については、説明を省略又は簡略化する。情報入力装置4のCPU21において実行される送信処理については、第二実施形態と同一である(図10参照)。
【0067】
情報入力装置4からキー情報を受信し(S119:YES)、受信変数と同一の変数が、順番テーブル50に格納されていると判断された場合(S165:YES)、順番テーブル50に格納されている変数に1加算され更新される(S167)。受信したキー情報は、変数が対応付けられフラッシュメモリ14に記憶される(S181)。
【0068】
フラッシュメモリ14に記憶されたキー情報の合計が、順番テーブル50に格納された変数の合計と一致するか判断される(S183)。キー情報の合計が、変数の合計と一致しない場合(S183:NO)、処理はS119に戻る。フラッシュメモリ14に記憶されたキー情報の合計が、順番テーブル50の変数の合計と一致した場合(S183:YES)、フラッシュメモリ14に記憶されたキー情報に対応付けた変数が参照される。順番テーブル50に記憶されたインデックスの順番で、キー情報がフラッシュメモリ14から抽出される。抽出されたキー情報は、PC2に対して順番に出力される(S185)。
【0069】
以上説明したように、情報収集装置3は、受信したキー情報をまとめてPC2に対して出力できる。PC2は、キー情報をまとめて受信することで、共通の情報入力装置4を構成する複数の情報入力装置(例えば、左手入力装置及び右手入力装置)からのキー情報として認識できる。これによってPC2は、異なる複数の情報入力装置4において入力されたキー情報を、情報入力装置4毎に区別できる。
【0070】
なお上述では、受信テーブルに記憶されている変数の合計と、フラッシュメモリ14に記憶したキー情報の合計とが一致した場合に、キー情報をまとめてPC2に対して送信していたが、本発明はこれに限定されない。フラッシュメモリ14に記憶したキー情報の合計が所定数(例えば、変数の合計の2倍)と一致した場合に、キー情報をまとめてPC2に対して送信してもよい。
【0071】
上述の実施の形態では、情報収集装置3は、フラグ情報「1」の格納位置に関わらず、受信したキー情報をフラッシュメモリ14に記憶していた。本発明はこれに限定されない。情報収集装置は、PC2への出力が許可されているキー情報のみ受信し、フラッシュメモリ14に記憶してもよい。
【0072】
<第四実施形態>
図13及び図14を参照し、本発明の第四実施形態について説明する。第四実施形態では、合計二つの情報入力装置91,94(図13参照)を備えている。其々の情報入力装置は、左手入力装置と右手入力装置とを備えている。その他の情報収集システム1の構成、及び情報収集装置3の電気的構成については、第一実施形態と同一である。情報入力装置91,94の電気的構成は、情報入力装置4の電気的構成と同一である。以下では説明を省略している。
【0073】
図13を参照し、第四実施形態における通信シーケンスについて説明する。第四実施形態では、識別情報として、第二実施形態と同様、情報収集装置3から割り当てられる変数が使用される。割り当てられた変数は、情報入力装置91,94が情報収集装置3に対して送信するキー情報に対応付けられる。情報収集装置3は、フラッシュメモリ14に記憶された順番テーブル80(81〜87)を使用することで、受信したキー情報の順番を特定する。第四実施形態が第二実施形態と異なる点は、順番テーブル80がグループ情報を備えている点にある。グループ情報は、共通の情報入力装置に割り当てられた変数を示す。情報収集装置3は、情報入力装置91,94の其々から送信されたキー情報を、送信元の情報入力装置毎に管理する。情報収集装置3は、PC2へのキー情報の出力順を、情報入力装置毎に調整できる。
【0074】
情報収集装置3は、情報入力装置91の左手入力装置92に対して、変数の初期値「0001」を通知し、右手入力装置93に対して、変数の初期値「1001」を通知している。情報収集装置3は、情報入力装置94の左手入力装置95に対して、変数の初期値「2001」を通知し、右手入力装置96に対して、変数の初期値「3001」を通知している状態である。
【0075】
順番テーブル81では、情報入力装置91に割り当てられた変数であることを示す「1」が、グループ情報として変数「0001」及び変数「1001」に対応付けられている。情報入力装置94に割り当てられた変数であることを示す「2」が、グループ情報として変数「2001」及び変数「3001」に対応付けられている。フラグ情報は、同一のグループ情報が格納されたフラグ情報毎に管理、更新される。インデックスは、同一のグループ情報毎に、1から順に割り当てられる。
【0076】
左手入力装置92からキー情報(変数:0001)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S61)。変数は更新される(0001→0002、順番テーブル82)。更新された変数に対応付けられたフラグ情報は「1」であり、キー情報はPC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S62)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。右手入力装置93からキー情報(変数:1001)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S63)。変数は更新される(1001→1002、順番テーブル83)。更新された変数に対応付けられたフラグ情報は「1」であり、キー情報はPC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S64)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。左手入力装置95からキー情報(変数:2001)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S65)。変数は更新される(2001→2002、順番テーブル84)。更新された変数に対応付けられたフラグ情報は「1」であり、キー情報はPC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S66)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。
【0077】
左手入力装置92からキー情報(変数:0002)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S67)。変数は更新される(0002→0003、順番テーブル85)。更新された変数に対応付けられたフラグ情報は「1」であり、キー情報はPC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S68)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。左手入力装置92から、キー情報(変数:0003)が連続して送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S69)。変数は更新される(0003→0004、順番テーブル86)。更新された変数に対応付けられたフラグ情報は「0」であり、キー情報はPC2への出力が禁止されている。情報収集装置3は、受信したキー情報に変数を対応付け、フラッシュメモリ14に記憶する。フラグ情報「1」の格納位置は更新されない。
【0078】
右手入力装置96からキー情報(変数:3001)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S70)。変数は更新される(3001→3002、順番テーブル87)。更新された変数に対応付けられたフラグ情報は「1」であり、キー情報はPC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S71)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。このように情報収集装置3は、情報入力装置91から受信したキー情報がPC2に出力されない状態であっても、情報入力装置94から受信したキー情報を確実にPC2に出力できる。
【0079】
左手入力装置93からキー情報(変数:1002)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S72)。変数は更新される。更新された変数に対応付けられたフラグ情報は「1」であり、キー情報はPC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S73)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。フラグ情報「1」に対応する変数は「0004」となる。ここでフラッシュメモリ14には、変数「0003」が対応付けられたキー情報が記憶されている。フラッシュメモリ14に記憶されたキー情報は、PC2に対して出力される(S74)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。このように情報収集装置3は、グループ毎にキー情報を区分して認識できるので、通信遅延によってキー情報が入れ替わった場合であっても、グループ毎にキー情報の出力順を特定し、PC2に出力できる。
【0080】
図14を参照し、情報収集装置3のCPU11において実行される収集処理について説明する。第二実施形態と同一処理部分については、説明を簡略化する。情報入力装置4のCPU21において実行される送信処理については、第二実施形態と同一である(図10参照)。
【0081】
接続要求パケットが受信され(S113:YES)、変数通知パケットが情報入力装置91,94に対して送信された(S161)後、変数通知パケットに格納した変数の初期値が順番テーブル80に格納される(S163)。格納された変数の初期値に、グループ情報が対応付けられる(S191)。そしてS119の処理に進む。例えば、変数の初期値が予め特定された数分順番テーブル80に格納される毎に、共通のグループ情報が対応付けられてもよい。また例えば、ユーザによって予め指定された値が変数の初期値として順番テーブル80に格納された場合に、共通のグループ情報が対応付けられてもよい。
【0082】
キー情報が受信された場合(S119:YES)、受信変数と同一の変数が、受信テーブル80に記憶されているかが判断される(S165)。同一の変数が受信テーブル80に記憶されている場合(S165:YES)、該当する変数に対応するグループが、キー情報を送信した情報入力装置4の属するグループとして特定される(S193)。以後、特定されたグループ毎に、出力されるキー情報の出力順が特定される。フラグ情報が更新される場合には、特定されたグループに対応付けられているフラグ情報の範囲内で、「1」の格納位置が更新される。
【0083】
以上説明したように、情報収集装置3は、情報入力装置4をグループ毎に区分して認識できる。情報収集装置3は、グループ毎にキー情報の出力順を特定し、PC2に出力できる。情報収集装置3は、一のグループに属する情報入力装置4から受信したキー情報と、他のグループに属する情報入力装置4から受信したキー情報とを区別して認識できる。情報入力装置からキー情報が周期的に連続して送信されるので、情報収集装置3は、情報入力装置4から送信されたキー情報を、グループ毎に、キー情報が送信された順番でPC2に出力できる。
【0084】
なお本発明は、同一グループに属する情報入力装置4が三つ以上であってもよい。情報収集装置3が管理する情報入力装置4のグループは三つ以上であってもよい。また上述では、受信したキー情報のPC2への出力が許可されている場合に、該当するキー情報をPC2に対して出力していたが、本発明はこれに限定されない。受信されたキー情報は、フラッシュメモリ14に記憶されてもよい。同一グループに対応付けられている変数の合計と、フラッシュメモリ14に記憶されたキー情報の合計とが一致したタイミングで、フラッシュメモリ14に記憶されているキー情報をまとめてPC2に対して出力してもよい。
【0085】
<第五実施形態>
図15から図17を参照し、本発明の第五実施形態について説明する。情報収集システム1の構成、情報収集装置3及び情報入力装置4の電気的構成については、第一実施形態と同一である。以下では説明を省略している。
【0086】
図15を参照し、第五実施形態における通信シーケンスについて説明する。第五実施形態では、ユーザの打鍵動作によって情報入力装置4がキーを特定した場合にのみ、情報入力装置4はキー情報を情報収集装置3に対して送信する。キー情報には、第二実施形態〜第四実施形態と同様、識別情報として変数が対応付けられる。第二実施形態〜第四実施形態と異なり、順番テーブル100には、カウンタ、変数、保存カウンタ、及び換算値が格納される。カウンタは、情報収集装置3において所定の周期で1ずつ加算され更新される。変数は、情報収集装置3から情報入力装置4に対して割り当てられる変数の初期値である。保存カウンタは、変数が情報入力装置4に対して割り当てられた時点でのカウンタの値である。換算値は、情報入力装置4においてキー情報が送信された時間と、情報収集装置3においてキー情報が受信された時間とを比較するために算出される値である。情報収集装置3は、順番テーブル100を参照することで、キー情報をPC2に対して出力する場合の出力順を調整する。
【0087】
情報収集装置3から左手入力装置に対して、変数通知パケット(変数:0000)が送信される。変数通知パケットは、カウンタの値が「0010」のタイミングで送信される。左手入力装置は、変数通知パケットを受信する(S81)。送信された変数「0000」、及び、変数通知パケットが送信された時点でのカウンタの値(保存カウンタ)「0010」が、順番テーブル101に記憶される。左手入力装置では、通知された変数「0000」がRAM23に記憶される。なお、RAM23に記憶された変数は、所定の周期で1ずつ加算され更新される。情報入力装置4において変数が更新される場合の周期は、情報収集装置3においてカウンタが更新される場合の周期と同一である。
【0088】
情報収集装置3から右手入力装置に対して、変数通知パケット(変数:1000)が送信される。変数通知パケットは、カウンタの値が「0021」のタイミングで送信される。右手入力装置は、変数通知パケットを受信する(S82)。変数「1000」、及び保存カウンタ「0021」が、順番テーブル102に記憶される。左手入力装置では、通知された変数「1000」がRAM23に記憶される。RAM23に記憶された変数は、所定の周期で更新される。
【0089】
左手入力装置が装着された手によって打鍵動作が実行される。左手入力装置において、選択されたキーが特定される。特定されたキーの情報(キー情報)は、左手入力装置から情報収集装置3に対して送信される。キー情報には、送信時点での変数「0029」が対応付けられる。続いて、左手入力装置が装着された手によって打鍵動作が連続して実行される。左手入力装置において、選択されたキーが特定される。キー情報は、左手入力装置から情報収集装置3に対して送信される。キー情報には、送信時点での変数「0030」が対応付けられる。なお、情報収集装置3と左手入力装置との間の通信状況が悪く、送信されたキー情報は、情報収集装置3に到達するまでに時間を要してしまうものとする。
【0090】
右手入力装置が装着された手によって、打鍵動作が実行される。右手入力装置において、選択されたキーが特定される。キー情報は、右手入力装置から情報収集装置3に対して送信される。キー情報には、送信時点での変数「1020」が対応付けられる。送信されたキー情報は、左手入力装置から送信されたキー情報よりも先に、情報収集装置3において受信される(S83)。
【0091】
情報収集装置3において、受信されたキー情報に対応付けられている変数(以下「受信変数」という。)に基づいて、受信したキー情報が、PC2に出力するキー情報として有効なものであるかが判断される。順番テーブルに格納された変数を「N1」、保存カウンタを「N2」、カウンタを「C」、受信変数を「rN」と表記すると、以下の(1)式を満たすN1が順番テーブル100に格納されている場合に、受信したキー情報は有効であると判断される。
(C−α)<(rN−N1+N2)≦C(α:所定値)・・・(1)
なお、(1)式のうち「rN−N1+N2」の算出結果は、キー情報が情報入力装置4から送信された時点での、情報収集装置3のカウンタの値に相当する。
【0092】
変数が通知された情報入力装置4からキー情報が送信されている場合、(1)式のうち「rN−N1+N2」によって算出される値は、キー情報が情報収集装置3において受信された時点でのカウンタの値「C」とほぼ同一となる。この場合、情報収集装置3では、受信したキー情報は有効であると判断する。一方、変数が通知されていない情報入力装置4からキー情報が送信されている場合、キー情報に対応付けられる変数は不定であるので、算出結果「rN−N1+N2」は、カウンタ「C」の値と大きく異なる。情報収集装置3は、「C」と「rN−N1+N2」との差異がα以上である場合、変数が通知されていない第三者から送信されたキー情報であると判断する。情報収集装置3は、受信したキー情報は有効でないと判断する。これによって情報収集装置3は、許可されていない第三者から送信されたキー情報をPC2に出力してしまうことを防止できる。なお上記式のうち、「rN−N1+N2」によって算出される値が「換算値」に相当する。本実施形態では、αは「5」に設定されているものとする。
【0093】
S83で受信されたキー情報に基づいて算出される換算値は「0041」(=1020−1000+0021)であり、受信時点でのカウンタの値「0041」と同一である。従って情報収集装置3は、受信したキー情報は有効であると判断する。受信されたキー情報は、算出された換算値「0041」が対応付けられ、フラッシュメモリ14に記憶される。
【0094】
続いて、左手入力装置から送信されたキー情報が、遅れて其々受信される(S84,S85)。S84で受信されたキー情報に基づいて算出される換算値は「0040」(=0030−0000+0010)である(順番テーブル104)。S85で受信されたキー情報に基づいて算出される換算値は「0039」(=0029−0000+0010)である(順番テーブル105)。算出された換算値は、いずれも(1)式を満たす。従って情報収集装置3は、受信したキー情報がいずれも有効であると判断する。受信されたキー情報は、算出された換算値が対応付けられ、フラッシュメモリ14に記憶される。
【0095】
フラッシュメモリ14に記憶されたキー情報は、情報入力装置4が該キー情報を送信してから所定時間経過後に、PC2に対して出力される。具体的には以下のようにしてPC2に出力するタイミングが制御される。フラッシュメモリ14に記憶されたキー情報に対応付けられている換算値が参照される。順番テーブルのカウンタからα(=5)だけ減算した値と、フラッシュメモリ14に記憶されたキー情報に対応付けられた換算値とが一致するか判断される。カウンタが「44」となった時点(順番テーブル106)で、「0044−0005=0039」となり、S85で左手入力装置から受信されたキー情報に対応付けられている換算値「0039」と一致する。該当するキー情報は、PC2に対して送信される(S86)。カウンタが「0045」となった時点(順番テーブル107)で「0045−0005=0040」となり、S84で左手入力装置から受信されたキー情報に対応付けられている換算値「0040」と一致する。該当するキー情報は、PC2に対して送信される(S87)。カウンタが「0046」となった時点(順番テーブル108)で、「0046−0005=0041」となり、S83で右手入力装置から受信されたキー情報に対応付けられている換算値「0041」と一致する。該当するキー情報は、PC2に対して送信される(S88)。以上のようにして情報収集装置3は、打鍵動作が実行されたタイミングで情報入力装置4からキー情報が送信される場合でも、受信したキー情報の出力順を調整してPC2に対して出力できる。
【0096】
図16を参照し、情報収集装置3のCPU11において実行される収集処理について説明する。第二実施形態と同一処理部分については、説明を省略し又は簡略化する。接続要求パケットを情報収集装置3から受信した場合(S113:YES)、周知のアルゴリズムに基づいて、変数がランダムに特定される。特定された変数を通知する変数通知パケットが、接続要求パケットを送信した情報入力装置4に対して送信される(S201)。変数は、順番テーブル100に格納される(S203)。変数通知パケットを送信した時点でのカウンタの値が、保存カウンタとして順番テーブル100に記憶される(S205)。
【0097】
情報入力装置4からキー情報を受信したかが判断される(S207)。情報入力装置4からキー情報を受信していない場合(S207:NO)、処理はS213に進む。情報入力装置4からキー情報を受信した場合(S207:YES)、受信したキー情報が有効であるかが判断される。(1)式を満たす変数が順番テーブル100に格納されているかが判断される(S209)。(1)式を満たす変数が順番テーブル100に格納されていない場合(S209:NO)、受信されたキー情報は無効であるので、処理はS111に戻る。(1)式を満たす変数が順番テーブル100に格納されている場合(S209:YES)、受信されたキー情報は有効である。受信変数と、順番テーブルに格納された変数及び保存カウンタに基づいて、換算値が算出される(S211)。算出された換算値は、受信したキー情報に対応付けられ、フラッシュメモリ14に記憶される。
【0098】
情報入力装置4がキー情報を送信してから所定時間が経過したかが判断される(S213)。カウンタの値からα(=5)を減算した値と、フラッシュメモリ14に記憶したキー情報に対応付けられた換算値とが一致するかが判断される。双方が一致しない場合(S213:NO)、キー情報において情報入力装置4が送信されてから所定時間が経過していないので、処理はS111に戻る。双方が一致する場合(S213:YES)、情報入力装置4においてキー情報が送信されてから所定時間が経過している。該当する換算値に対応付けられているキー情報は、PC2に出力される(S215)。情報収集装置3の電源が遮断されたかが判断される(S217)。電源が遮断された場合(S217:YES)、収集処理は終了する。電源が遮断されていない場合(S217:NO)、処理はS111に戻る。
【0099】
図17を参照し、情報入力装置4のCPU21において実行される送信処理について説明する。はじめに、情報収集装置3に対して接続を要求する接続要求パケットが、情報収集装置3に対して送信される(S221)。送信された接続要求パケットに応じ、情報収集装置3から送信される変数通知パケットの受信が監視される(S223)。変数通知パケットを受信していない場合(S223:NO)、処理はS223に戻る。変数通知パケットが受信された場合(S223:YES)、受信された変数通知パケットに格納されている変数がRAM23に記憶される(S225)。RAM23に記憶された変数は、所定の周期で1ずつ加算され更新される。
【0100】
加速度センサ5から検出される加速度信号に基づいて、ユーザによって打鍵動作が行われたかが判断される(S227)。ユーザによって打鍵動作が行われていない場合(S227:NO)、処理はS227に戻る。ユーザによって打鍵動作が行われたと判断された場合(S227:YES)、打鍵動作によって選択されたキーが特定される(S228)。特定されたキーの情報(キー情報)に、RAM23に記憶した変数が対応付けられる(S229)。キー情報は、情報収集装置3に対して送信される(S231)。情報入力装置4の電源が遮断されたかが判断される(S233)。情報入力装置4の電源が遮断された場合(S233:YES)、送信処理は終了する。情報入力装置4の電源が遮断されていない場合(S233:NO)、処理はS227に戻る。
【0101】
以上説明したように、打鍵動作が実行されたタイミングで情報入力装置4からキー情報が送信される場合でも、情報収集装置3は、キー情報の出力順を調整してPC2に対して出力できる。情報収集装置3は、情報入力装置4から送信されたキー情報の順番が入れ替わった場合であっても、情報入力装置4からキー情報が送信された順番で、受信したキー情報をPC2に対して出力できる。情報収集装置3は、許可されていない第三者から送信されたキー情報をPC2に出力してしまうことを防止できる。
【0102】
なお上述では、カウンタの値からα(=5)を減算した値と、フラッシュメモリ14に記憶したキー情報に対応付けられていた換算値とが一致した場合に、該当するキー情報をPC2に対して送信していた。本発明はこれに限定されない。情報入力装置4がキー情報を送信してからの経過時間を判断するためのパラメータを別途設けてもよい。
【0103】
上述では、換算値を算出することで、情報入力装置4がキー情報を送信するタイミングと、情報収集装置3がキー情報を受信するタイミングとを比較していたが、本発明はこれに限定されない。通信の開始時に、情報収集装置3は情報入力装置4に対してカウンタを送信してもよい。情報入力装置4は、カウンタを受信し、RAM23に記憶してもよい。情報入力装置4は、RAM23に記憶したカウンタに所定の周期で1ずつ加算し更新してもよい。情報入力装置4は、変数とカウンタとをキー情報に対応付けて、情報収集装置3に対して送信してもよい。情報収集装置3は、キー情報に対応付けられたカウンタを参照することで、換算値を算出することなく、キー情報の送信タイミングと受信タイミングとを比較できる。
【0104】
図1の情報入力装置4が本発明の「入力装置」に相当する。情報入力装置4から送信されるキー情報が本発明の「入力データ」に相当する。図1のPC2が本発明の「外部機器」に相当し、PC2が備えるディスプレイが本発明の「表示手段」に相当する。図5、図9、図12、及び図14のS119、図16のS207の処理を行うCPU11が本発明の「受信手段」に相当する。図5、図9、及び図14のS123の処理を行うCPU11が本発明の「特定手段」に相当する。図5、図9、及び図14のS125の処理を行うCPU11が本発明の「出力制御手段」に相当する。図9、図12、及び図14のS161、図16のS201の処理を行うCPU11が本発明の「送信手段」に相当する。変数及びID情報が格納された順番テーブルを記憶する図2のフラッシュメモリ14が本発明の「第一記憶手段」に相当する。グループ情報が格納された順番テーブルを記憶する図2のフラッシュメモリ14が本発明の「第二記憶手段」に相当する。図14のS193の処理を行うCPU11が本発明の「判別手段」に相当する。情報入力装置4がRAM23に記憶する変数が本発明の「第一変数」に相当し、情報収集装置3がフラッシュメモリ14に記憶する変数が本発明の「第二変数」に相当する。
【符号の説明】
【0105】
1 情報収集システム
3 情報収集装置
4 情報入力装置
11 CPU
14 フラッシュメモリ
37 表示画像
38 履歴ウィンドウ部
39 打鍵キー表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は情報収集装置に関する。より詳細には、複数の入力デバイスを介して入力された情報を収集する情報収集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の入力デバイスを介して入力された情報を収集する情報収集装置が提案されている。例えば特許文献1に記載の装置は、QWERTYキーボードの一部分を含む第一の装置と、QWERTYキーボードの他の部分を含む第二の装置とを入力デバイスとして備えている。第一及び第二の装置を介して入力された情報は、無線を介してPCに対して送信される。PCにおいて、第一及び第二の装置から送信された情報が受信される。PCは、其々の入力デバイスを介して入力された情報に基づいて、完全なキー情報を再現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2005−529423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記情報収集装置において、第一及び第二の装置とPCとの間の通信に遅延が発生する場合がある。通信の遅延によってPCは、第一の装置から先に情報が送信されたにも関わらず、第二の装置から送信された情報を先に受信する可能性がある。従って、受信順に入力された情報を認識すると、正確な順序で入力情報を認識することができないという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、複数の入力デバイスから入力された情報を、正確な順序で認識することが可能な情報収集装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係る情報収集装置は、ユーザが情報を入力するための複数の入力装置から送信される入力データであって、前記入力データを識別する識別情報が前記入力装置によって対応付けられた入力データを受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記入力データに対応付けられると共に、対応付けるタイミングが前記入力装置ごとに異なる前記識別情報に基づいて、前記入力データを外部機器に出力する場合の出力順を特定する特定手段と、前記特定手段で特定された前記出力順に従い、前記入力データを前記外部機器に出力する出力制御手段とを備えている。
【0007】
入力データの通信時に遅延が生じると、複数の入力装置から送信される入力データの送信順序と、実際に情報収集装置において入力データが受信された場合の受信順序とが相違する場合がある。しかしながら本発明の第一態様によれば、受信した入力データに対応付けられている識別情報を参照することで、情報収集装置は、入力データが送信された順番通りに認識し、入力データを外部機器に出力できる。情報収集装置は、入力装置を介して入力された入力データを正確に外部機器に出力できる。
【0008】
また、第一態様において、前記識別情報は、前記入力装置において規則的に更新される第一変数であり、前記入力装置毎に割り当てられる変数であって、前記情報収集装置において規則的に更新される第二変数を記憶する第一記憶手段を備え、前記特定手段は、前記受信手段によって受信された前記入力データに対応付けられている前記第一変数と、前記第一記憶手段に記憶された前記第二変数とが所定の関係を満たす場合に、受信された前記入力データを、次に前記外部機器に出力する入力データとして特定してもよい。これによって情報収集装置は、入力データに対応付けられた第一変数と、記憶されている第二変数とに基づいて、入力データの送信順を特定できる。第一変数及び第二変数は規則的に更新されるので、情報収集装置は、入力データの出力順を容易に特定し、外部機器に出力できる。情報収集装置は、複数の入力装置の其々に異なる変数を割り当てることによって、受信した入力データの送信元の入力装置を容易に特定できる。
【0009】
また、第一態様において、前記入力装置に対して、前記第二変数を前記第一変数の初期値として送信する送信手段を備え、前記受信手段は、前記送信手段によって送信された前記第二変数に基づいて規則的に更新される前記第一変数が対応付けられた前記入力データを受信してもよい。これによって情報収集装置は、第一変数の初期値を入力装置に対して指定できる。ユーザは、予め入力装置と情報収集装置とに変数を設定する必要がない。情報収集装置は、第一変数と第二変数との間に所定の関係を満たすかを判断することで、確実に入力データを順番通りに外部機器に出力できる。
【0010】
また、第一態様において、前記識別情報は、前記入力データを送信する前記入力装置を識別するID情報であり、前記入力データの受信が許可された前記入力装置の前記ID情報を記憶する第一記憶手段を備え、前記特定手段は、前記受信手段によって受信された前記入力データに対応付けられている前記ID情報と、前記第一記憶手段に記憶された前記ID情報とが一致する場合に、受信された前記入力データを、次に前記外部機器に出力する入力データとして特定してもよい。これによって情報収集装置は、入力データに対応付けられたID情報によって、送信元の入力装置を特定できる。情報収集装置は、受信した入力データの送信元の入力装置を認識できる。情報収集装置は、許可されていない入力装置から送信された入力データが外部機器に出力されてしまうことを禁止できる。
【0011】
また、第一態様において、前記複数の入力装置をグループ毎に分類して記憶する第二記憶手段と、前記第二記憶手段に記憶された情報を参照することで、前記受信手段によって受信された前記入力データの送信元の前記入力装置が属するグループを、前記入力データに対応する前記識別情報に基づいて判別する判別手段とを備え、前記特定手段は、前記判別手段において同一グループと判断された前記入力装置から送信される前記入力データ毎に、前記出力順を特定してもよい。これによって情報収集装置は、入力装置をグループに区分して認識できる。情報収集装置は、入力データを出力する場合の出力順をグループ毎に特定し、外部機器に出力する。情報収集装置は、グループ毎に入力データを外部機器に出力できる。
【0012】
また、第一態様において、前記外部機器は、表示手段を備え、前記出力制御手段は、受信した前記入力データが所定の第一データである場合に、前記表示手段の表示領域のうち第一領域に前記入力データを表示させ、受信した前記入力データが所定の第二データである場合に、前記入力データの履歴を、前記表示手段の表示領域のうち第二領域に表示させるためのデータを出力してもよい。これによって、複数の情報が入力装置を介して同時に入力されている場合であっても、ユーザは、複数の情報を同時に認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】情報収集システム1の概要を示す模式図である。
【図2】情報収集装置3の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】情報入力装置4の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】第一実施形態における通信シーケンスを示す図である。
【図5】収集処理を示すフローチャートである。
【図6】表示画像37を示す図である。
【図7】送信処理を示すフローチャートである。
【図8】第二実施形態における通信シーケンスを示す図である。
【図9】収集処理を示すフローチャートである。
【図10】送信処理を示すフローチャートである。
【図11】第三実施形態における通信シーケンスを示す図である。
【図12】収集処理を示すフローチャートである。
【図13】第四実施形態における通信シーケンスを示す図である。
【図14】収集処理を示すフローチャートである。
【図15】第五実施形態における通信シーケンスを示す図である。
【図16】収集処理を示すフローチャートである。
【図17】送信処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態における情報収集装置3について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0015】
<第一実施形態>
図1を参照し、情報収集装置3を備えた情報収集システム1の概要について説明する。図1に示すように、情報収集システム1は、情報収集装置3及び情報入力装置4を備えている。
【0016】
情報入力装置4は、ユーザの手に装着可能な装着部7を備えている。装着部7は、手袋形状を有している。情報入力装置4は、右手用及び左手用の装着部7を備えている。装着部7には、加速度センサ5が取り付けられている。加速度センサ5は、装着部7が使用者の手に装着された状態で、使用者の各指の先端部分に配置する。装着部7には制御部9が取り付けられている。制御部9は、ハーネス6を介して加速度センサ5と接続している。加速度センサ5において検出された加速度信号は、ハーネス6を介して制御部9に伝送される。
【0017】
ユーザは、装着部7を手に装着し、キーボードを打鍵する動作を行う。加速度センサ5は、打鍵動作時の指の加速度信号を検出する。制御部9では、加速度センサ5にて検出された信号に基づき、打鍵動作によって選択されたキーが特定される。特定されたキーの情報(以下「キー情報」という。)は、情報入力装置4から情報収集装置3に対して無線送信される。
【0018】
情報収集装置3は、USBコネクタを備えており、PC2のUSB端子に接続されている。情報収集装置3は、右手用及び左手用の情報入力装置4から送信されたキー情報を其々受信する。受信されたキー情報は、PC2に出力される。PC2は、ユーザによって選択されたキーを認識する。ユーザは、キーボードを用いることなくキーをPC2に対してキーを入力できる。
【0019】
なお本発明は上述の構成に限定されない。情報入力装置4は、例えばQWERTYキー配列のうち一部分を備えた第一装置、及び、残りの部分を備えた第二装置を備えていてもよい。情報入力装置4は、打鍵されたキーを検出し、検出されたキーの情報をキー情報として情報収集装置3に対して送信してもよい。情報収集装置3は、PC2に組み込まれていてもよい。情報収集装置3は、ディスプレイに接続可能な構成であってもよい。情報収集装置3及び情報入力装置4は、有線によって接続してもよい。情報収集装置3及び情報入力装置4は、インターネットを介して接続してもよい。装着部7に取り付けられるセンサは、ジャイロセンサであってもよい。
【0020】
ユーザが打鍵動作を連続的に実行することによって、複数のキーが順番に選択される場合がある。この場合、情報収集装置3は、実行された打鍵動作の順番通りにキーを認識し、PC2に対して出力する必要がある。ここで、情報収集装置3と情報入力装置4との間の通信に遅延が発生する場合がある。通信遅延の発生によって、例えば右手用の情報入力装置4において先にキーが特定されてキー情報が送信され、続いて、左手用の情報入力装置4においてキーが特定されてキー情報が送信された場合でも、情報収集装置3において、左手用の情報入力装置4から送信されたキー情報が先に受信されてしまう場合がある。本実施形態では、キー情報に識別情報が対応付けられ、情報入力装置4から情報収集装置3に対して送信される。この識別情報は、それぞれの情報入力装置4でキー情報に対応付けられるタイミングが異なっている。情報収集装置3は、識別情報に基づいて、実際にキー情報が情報収集装置3から送信された順番を特定し、特定した順番に従ってキー情報をPC2に出力する。これによって、情報入力装置4と情報収集装置3との間の通信に遅延が発生した場合であっても、情報収集装置3は、打鍵動作の順番通りにキーを認識し、PC2に出力できる。以下詳説する。
【0021】
図2を参照し、情報収集装置3の電気的構成について説明する。情報収集装置3は、CPU11、ROM12、RAM13、フラッシュメモリ14、USBドライバ15、RFモジュール16、及びアンテナ17を備えている。CPU11は、情報収集装置3全体の動作を制御する。ROM12には、CPU11が動作するためのプログラムが少なくとも記憶される。RAM13には、プログラムで使用される各種の情報が一時的に記憶される。フラッシュメモリ14は、後述する順番テーブルが記憶される。USBドライバ15は、USBを介してPC2と通信を行うためのドライバ素子である。RFモジュール16は、データの変復調を行うモジュールである。CPU11は、ROM12、RAM13、フラッシュメモリ14、USBドライバ15、及びRFモジュール16と電気的に接続している。RFモジュール16はアンテナ17と電気的に接続している。
【0022】
図3を参照し、情報入力装置4の電気的構成について説明する。情報入力装置4は、CPU21、ROM22、RAM23、フラッシュメモリ24、A/Dコンバータ25、加速度センサ5、RFモジュール26、及びアンテナ27を備えている。CPU21は、情報入力装置4全体の動作を制御する。ROM22には、CPU21が動作するためのプログラムが少なくとも記憶される。RAM23には、プログラムで使用される各種の情報が一時的に記憶される。フラッシュメモリ24には、受信された加速度信号が記憶される。A/Dコンバータ25は、加速度センサ5において検出された加速度信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。RFモジュール26は、データの変復調を行うモジュールである。CPU21は、ROM22、RAM23、フラッシュメモリ24、A/Dコンバータ25、及びRFモジュール26と電気的に接続している。A/Dコンバータ25は加速度センサ5と電気的に接続している。RFモジュール26はアンテナ27と電気的に接続している。
【0023】
図4を参照し、第一実施形態における通信シーケンスについて説明する。第一実施形態では、識別情報として、左手用の情報入力装置4(以下「左手入力装置」という。)及び右手用の情報入力装置4(以下「右手入力装置」という。)の其々を識別するID情報が使用される。左手入力装置に、ID情報「001」が予め設定されている。右手入力装置に、ID情報「002」が予め設定されている。情報入力装置4は、キー情報にID情報を対応付け、情報収集装置3に対して送信する。情報入力装置4は、所定の周期で連続的にキー情報を情報収集装置3に対して送信する。キーの打鍵動作が行われていない場合、「打鍵動作なし」を示すキー情報が情報収集装置3に対して送信される。情報収集装置3は、キー情報に対応付けられたID情報に基づいて、キー情報をPC2に出力する場合の順番を特定する。
【0024】
情報収集装置3は、フラッシュメモリ14に記憶された順番テーブル30(31〜36)を使用することで、受信したキー情報をPC2に出力する場合の順番を特定する。順番テーブル30には、インデックス(図4中「No.」に相当)、フラグ情報、及びID情報が格納される。フラグ情報は、PC2への出力を許可するID情報を示す。例えば順番テーブル31では、ID情報「001」に対応するフラグ情報が「1」となっているので、ID情報「001」が対応付けられたキー情報は、PC2への出力が許可される。ID情報「002」に対応するフラグ情報が「0」となっているので、ID情報「002」が対応付けられたキー情報は、PC2への出力が禁止される。フラグ情報「1」の格納位置は、キー情報がPC2に出力された場合に、インデックスの順に移動することで更新される。フラグ情報「1」の格納位置がインデックスの最終位置に移動した場合、フラグ情報「1」の格納位置は、インデックスの先頭位置に戻る。
【0025】
左手入力装置からキー情報(ID情報:001)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S1)。順番テーブル31では、ID情報「001」が対応付けられたキー情報はPC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S2)。フラグ情報「1」の格納位置が更新される。右手入力装置からキー情報(ID情報:002)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S3)。順番テーブル32では、ID情報「002」が対応付けられたキー情報はPC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S4)。フラグ情報「1」の格納位置が更新される。左手入力装置からキー情報(ID情報:001)が送信され、情報収集装置3において受信される(S5)。順番テーブル33では、ID情報「001」が対応付けられたキー情報はPC2への出力が許可されているので、キー情報はPC2に対して出力される(S6)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。
【0026】
ここで、右手入力装置から送信されたキー情報(ID情報:002)が遅延し、左手入力装置から送信されたキー情報(ID情報:001)が先に情報収集装置3において受信されたとする(S7)。順番テーブル34では、ID情報「001」が対応付けられたキー情報はPC2への出力が禁止されている。キー情報は、PC2に対して出力されない。情報収集装置3は、ID情報をキー情報に対応付け、フラッシュメモリ14に記憶する。フラグ情報「1」の格納位置は更新されない。
【0027】
右手入力装置から送信されたキー情報(ID情報:002)が、遅れて情報収集装置3に到達する(S8)。順番テーブル35では、ID情報「002」が対応付けられたキー情報はPC2への出力が許可されているので、キー情報はPC2に対して出力される(S9)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。S7で、ID情報「001」が対応付けられたキー情報が既に受信され、フラッシュメモリ14に記憶されている。フラッシュメモリ14に記憶されているキー情報はPC2に対して出力される(S10)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。このように情報収集装置3は、情報入力装置4との間の通信に遅延が発生し、キー情報の順番が入れ替わった場合でも、情報入力装置4からキー情報が送信された順番通りに、キー情報をPC2に対して出力できる。
【0028】
ここで、ID情報「003」が設定された情報入力装置4から、情報収集装置3に対してキー情報(ID情報:003)が送信されたとする。情報収集装置3はキー情報を受信する(S11)。ID情報「003」は、順番テーブル36に格納されていない。情報収集装置3は、受信したキー情報をPC2に出力せず、キー情報を破棄する。このように情報収集装置3は、送信元の情報入力装置4をID情報によって特定できる。情報収集装置3は、順番テーブル30に登録されているID情報と同一のID情報が対応付けられたキー情報のみ、PC2に対して出力できる。情報収集装置3は、第三者からのキー情報をPC2に出力してしまうことを防止できる。
【0029】
図5を参照し、情報収集装置3のCPU11において実行される収集処理について説明する。収集処理は、情報収集装置3の電源が投入されている状態で、CPU11において起動され実行される。
【0030】
はじめに、現時点で順番テーブル30に登録されているID情報の合計数が、予め設定された必要接続数に達したかが判断される(S111)。必要接続数は、ユーザによって予め設定される。例えば、キー情報を受け付ける情報入力装置4が左手用及び右手用を備えている場合、必要接続数として「2」が設定される。順番テーブル30に登録されているID情報の合計数が必要接続数に達している場合(S111:YES)、処理はS119に進む。順番テーブル30に登録されているID情報の合計数が必要接続数に達していない場合(S111:NO)、情報入力装置4から接続要求パケットを受信したかが判断される(S113)。接続要求パケットは、情報入力装置4が情報収集装置3との間の通信を開始させる場合に、情報入力装置4から送信される(S143、図7参照)。情報入力装置4から接続要求パケットを受信していない場合(S113:NO)、処理はS119に進む。情報入力装置4から接続要求パケットを受信した場合(S113:YES)、接続要求パケットに格納されたID情報が、順番テーブル30に格納される(S115)。接続要求パケットに応答する応答パケットが、接続要求パケットを送信した情報入力装置4に対して送信される(S117)。処理はS119に進む。
【0031】
S119では、情報入力装置4からキー情報を受信したかが判断される(S119)。情報入力装置4からキー情報を受信していない場合(S119:NO)、処理はS111に戻る。情報入力装置4からキー情報を受信した場合(S119:YES)、受信したキー情報に対応付けられているID情報(以下「受信ID情報」という。)と同一のID情報が、順番テーブル30に格納されているかが判断される(S121)。受信ID情報と同一のID情報が、順番テーブル30に格納されていない場合(S121:NO)、受信したキー情報は、PC2への出力が禁止されている。そのまま処理はS111に戻る。
【0032】
受信ID情報と同一のID情報が、順番テーブル30に格納されている場合(S121:YES)、PC2に対するキー情報の出力が許可されているかが判断される。順番テーブル30のうち、受信ID情報と同一のID情報に対応するフラグ情報が「1」であるかが判断される(S123)。フラグ情報として「0」が格納されている場合(S123:NO)、受信したキー情報は、PC2への出力が禁止されている。同一のID情報が対応付けられたキー情報が、フラッシュメモリ14に既に記憶されているかが判断される(S131)。同一のID情報が対応付けられたキー情報が、フラッシュメモリ14に既に記憶されている場合(S131:YES)、そのまま処理はS119に戻る。同一のID情報が対応付けられたキー情報が、フラッシュメモリ14に記憶されていない場合(S131:NO)、キー情報に受信ID情報が対応付けられ、フラッシュメモリ14に記憶される(S133)。処理はS119に戻る。
【0033】
S123において、受信ID情報と同一のID情報に対応するフラグ情報が「1」である場合(S123:YES)、受信したキー情報は、PC2への出力が許可されている。キー情報は、PC2に対して出力される(S125)。順番テーブル30のうちフラグ情報「1」の格納位置が更新される。フラッシュメモリ14にキー情報が記憶されているかが判断される(S127)。キー情報が記憶されている場合(S127:YES)、処理はS123に戻る。記憶されているキー情報をPC2に対して出力するかが判断される(S123)。記憶されたキー情報に対応付けられている受信ID情報が参照される。順番テーブル30のうち、受信ID情報と同一のID情報に対応するフラグ情報が「1」である場合(S123:YES)、フラッシュメモリ14に記憶されているキー情報はPC2に対して出力される(S125)。
【0034】
フラッシュメモリ14にキー情報が記憶されていない場合(S127:NO)、情報収集装置3の電源が遮断されたかが判断される(S129)。情報収集装置3の電源が遮断された場合(S129:YES)、収集処理は終了する。情報収集装置3の電源が遮断されていない場合(S129:NO)、処理はS111に戻る。
【0035】
図6を参照し、情報収集装置3からPC2に対してキー情報が出力された結果、PC2のディスプレイに表示される表示画像の一例(表示画像37)について説明する。表示画像37は、履歴ウィンドウ部38及び打鍵キー表示部39を備えている。履歴ウィンドウ部38には、打鍵動作によって選択されたキーの履歴が表示される。打鍵キー表示部39では、所定のキー(「Shift」「Alt」「Ctrl」)が打鍵された状態となっている場合に、該当するキーが反転表示される。図6に示す例では、履歴ウィンドウ部38内に、打鍵されたキーの履歴情報として「ASDFGHJKL」が表示されている。打鍵キー表示部39内の表示のうち、「Alt」の文字が反転しており、「Alt」キーが打鍵された状態にあることを示している。このようにキーをディスプレイに表示させることで、ユーザは打鍵動作によって認識されたキーを容易に特定できる。また、表示画像37は履歴ウィンドウ部38と打鍵キー表示部39とを備えているので、複数のキーが同時に打鍵されている状態であっても、ユーザは、双方の情報を認識できる。なお表示画像37は、PC2がキー情報に基づいて作成しても良い。また、表示画像37をディスプレイに表示させるためのデータが、情報収集装置4からPC2に対して送信されてもよい。
【0036】
図7を参照し、情報入力装置4のCPU21において実行される送信処理について説明する。送信処理は、情報入力装置4の電源が投入されている状態で、CPU21において起動され実行される。
【0037】
はじめに、情報収集装置3に対して送信する接続要求パケットに、自身のID情報が格納される(S141)。ID情報が格納された接続要求パケットは、情報収集装置3に対して送信される(S143)。送信された接続要求パケットに応じ、情報収集装置3から返信される応答パケットの受信が監視される(S145)。情報収集装置から送信される応答パケットを受信していない場合(S145:NO)、処理はS145に戻る。情報収集装置3から返信された応答パケットを受信した場合(S145:YES)、情報収集装置3において、自身が送信するキー情報の受信が可能な状態になったことになる。加速度センサ5から検出される加速度信号に基づいて、打鍵動作によって選択されたキーが特定される(S147)。なお、打鍵動作が行われていない場合には「打鍵なし」であると特定される。特定されたキーの情報(キー情報)に、自身のID情報を対応付ける(S149)。キー情報は、情報収集装置3に対して送信される(S151)。
【0038】
情報入力装置4の電源が遮断されたかが判断される(S153)。情報入力装置4の電源が遮断された場合(S153;YES)、送信処理は終了する。情報入力装置4の電源が遮断されていない場合(S153:NO)、所定の周期で繰り返しキー情報を情報収集装置3に対して送信するために、所定時間待機される(S155)。所定時間待機後、処理はS147に戻る。キー情報が所定の周期で繰り返し情報収集装置3に対して送信される。
【0039】
以上説明したように、情報収集装置3では、受信したキー情報に対応付けられたID情報を参照することで、PC2に対してキー情報を順番に出力できる。上述のように、情報入力装置4が二つの入力装置(右手用、左手用)を備えている場合、情報収集装置3は、其々から受信したキー情報を交互にPC2に対して出力できる。情報入力装置4は、一定周期で連続してキー情報を送信しているので、情報収集装置3は、情報入力装置4においてキー情報が送信された順番通りに、受信したキー情報をPC2に対して出力できる。
【0040】
情報収集装置3では、キー情報に対応付けられたID情報によって、送信元の情報入力装置4を特定できる。情報収集装置3は、順番テーブル30に格納されたID情報が対応付けられたキー情報のみ、PC2に出力できる。情報収集装置3は、許可されていない第三者から送信されたキー情報をPC2に出力してしまうことを防止できる。
【0041】
なお上述では、ID情報は予め情報入力装置4に設定されていたが、本発明はこれに限定されない。例えばID情報は、通信開始時に、情報収集装置3が情報入力装置4に対して割り当ててもよい。上述の処理で、情報入力装置4は、ID情報が格納されていない接続要求パケットを情報収集装置3に対して送信してもよい。情報収集装置3は、接続要求パケットを受信した場合、情報入力装置4に対して割り当てるID情報を特定してもよい。特定されたID情報が格納された応答パケットが、情報収集装置3から情報入力装置4に対して送信されてもよい。
【0042】
順番テーブル30に格納されたID情報の有効期間を定めてもよい。例えば、順番テーブル30にID情報が格納されてから所定時間経過した場合、該ID情報を順番テーブルから削除してもよい。情報入力装置4は、再度接続要求パケットを情報収集装置3に対して送信してもよい。
【0043】
<第二実施形態>
図8から図10を参照し、本発明の第二実施形態について説明する。情報収集システム1の構成、情報収集装置3及び情報入力装置4の電気的構成については、第一実施形態と同一である。以下では説明を省略している。
【0044】
図8を参照し、第二実施形態における通信シーケンスについて説明する。第二実施形態が第一実施形態と異なる点は、情報収集装置3から其々の情報入力装置4に対して割り当てられる変数が識別情報として使用される点にある。情報入力装置4は、情報収集装置3から割り当てられた変数をキー情報に対応付け、キー情報を情報収集装置3に対して送信する。情報入力装置4は、キー情報を情報収集装置3に対して送信する毎に、変数に1ずつ加算し更新する。情報収集装置3は、受信したキー情報に対応付けられた変数に基づいて、PC2に対してキー情報を出力する場合の順番を特定する。情報収集装置3は、フラッシュメモリ14に記憶された順番テーブル40(41〜47)を使用することで、受信したキー情報の順番を特定する。順番テーブル40には、インデックス、フラグ情報、及び変数が格納されている。フラグ情報は、第一実施形態と同様の方法で更新される。変数は、キー情報を受信するタイミングで1ずつ加算され更新される。
【0045】
情報収集装置3から左手入力装置に対して、変数の初期値「0001」を通知する変数通知パケットが送信される。変数の初期値は、周知のアルゴリズムに基づいてランダムに特定される。左手入力装置は、変数通知パケットを受信する(S21)。情報収集装置3は、通知した変数の初期値「0001」を、順番テーブル41に格納する。対応するフラグ情報として「1」が格納される。左手入力装置は、変数通知パケットに格納されている変数の初期値「0001」を、RAM23に記憶する。
【0046】
左手入力装置からキー情報(変数:0001)が送信される。左手入力装置のRAM23に記憶された変数は「0002」に更新される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S22)。順番テーブル42に格納された変数は「0002」に更新される(順番テーブル43)。更新された変数に対応付けられたフラグ情報は「1」であり、キー情報は、PC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S23)。順番テーブル42には、変数が一つ格納されているのみであるので、フラグ情報「1」の格納位置は更新されない。左手入力装置から続けてキー情報(変数:0002)が送信される。左手入力装置のRAM23に記憶された変数は更新される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S24)。順番テーブル43に格納された変数は「0003」に更新される(順番テーブル44)。更新された変数に対応付けられたキー情報は、PC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S25)。フラグ情報「1」の格納位置は更新されない。
【0047】
情報収集装置3から右手入力装置に対して、変数の初期値「1001」を通知する変数通知パケットが送信される。右手入力装置は、変数通知パケットを受信する(S26)。情報収集装置3は、通知した変数の初期値「1001」を、順番テーブル44に記憶する。右手入力装置は、変数通知パケットに格納されている変数の初期値「1001」を、RAM23に記憶する。
【0048】
左手入力装置からキー情報(変数:0003)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S27)。順番テーブル45に格納された変数「0003」は「0004」に更新される(順番テーブル46)。更新された変数に対応付けられたフラグ情報は「1」であり、キー情報は、PC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S28)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。右手入力装置からキー情報(変数:1001)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S29)。順番テーブル46に格納された変数「1001」は「1002」に更新される(順番テーブル47)。更新された変数に対応付けられたキー情報は、PC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S30)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。このように情報収集装置3は、キー情報をPC2に対して出力する場合の順番を、変数に基づいて特定できる。変数は、情報収集装置3及び情報入力装置4において規則的に更新されるので、情報収集装置3は、キー情報の出力順を容易に特定できる。また情報収集装置3は、変数の初期値を情報入力装置4に対して通知する。予め情報入力装置4と情報収集装置3とに変数を設定する必要がない。
【0049】
ここで、変数「2000」が対応付けられたキー情報が、情報収集装置3に対して送信されたとする。情報収集装置3はキー情報を受信する(S31)。受信したキー情報に対応付けられたID情報「2000」は、順番テーブル47に格納されていない。情報収集装置3は、受信したキー情報をPC2に出力せず、キー情報を破棄する。このように情報収集装置3は、許可されていない情報入力装置4から受信したキー情報を容易に判別できる。
【0050】
図9を参照し、情報収集装置3のCPU11において実行される収集処理について説明する。第一実施形態と同一処理部分については、同一符号を付し、説明を省略又は簡略化する。はじめに、現時点で順番テーブル40に登録されている変数の合計数が、予め設定された必要接続数に達したかが判断される(S111)。変数の合計数が必要接続数に達している場合(S111:YES)、処理はS119に進む。変数の合計数が必要接続数に達していない場合(S111:NO)、情報入力装置4から接続要求パケットを受信したかが判断される(S113)。接続要求パケットを受信した場合(S113:YES)、変数の初期値がランダムに特定される。特定された変数の初期値を通知する変数通知パケットが、接続要求パケットを送信した情報入力装置4に対して送信される(S161)。変数の初期値は、順番テーブル40に格納される(S163)。処理はS119に進む。
【0051】
S119において、情報入力装置4からキー情報を受信したと判断された場合(S119:YES)、受信したキー情報に対応付けられている変数(以下「受信変数」という。)と同一の変数が、順番テーブル40に格納されているかが判断される(S165)。受信変数と同一の変数が順番テーブル40に格納されていない場合(S165:NO)、受信したキー情報は、PC2への出力が禁止されている。受信したキー情報は破棄され、処理はS111に戻る。受信変数が順番テーブル40に格納されている場合(S165:YES)、順番テーブル40に格納されている変数に1加算され更新される(S167)。処理はS123に進む。
【0052】
順番テーブル40のうち、S167の処理で更新された変数に対応するフラグ情報として「1」が格納されているかが判断される(S123)。フラグ情報として「0」が格納されている場合(S123:NO)、必要に応じて、受信したキー情報は変数に対応付けられフラッシュメモリ14に記憶される(S133)。フラグ情報として「1」が格納されている場合(S123:YES)、受信したキー情報は、PC2に対して出力される(S125)。
【0053】
図10を参照し、情報入力装置4のCPU21において実行される送信処理について説明する。第一実施形態と同一処理部分については、同一符号を付し、説明を省略又は簡略化する。送信された接続要求パケットに応じ、情報収集装置3から送信される変数通知パケットの受信が監視される(S171)。変数通知パケットを受信していない場合(S171:NO)、処理はS171に戻る。変数通知パケットを受信した場合(S171:YES)、受信された変数通知パケットに格納されている変数が、RAM23に記憶される(S173)。
【0054】
打鍵動作によって選択されたキーが特定される(S147)。特定されたキーの情報(キー情報)に、RAM23に記憶した変数が対応付けられる(S175)。キー情報は、情報収集装置3に対して送信される(S151)。RAM23に記憶した変数に1が加算され更新される(S177)。電源が遮断された場合(S153:YES)、送信処理は終了する。
【0055】
以上説明したように、情報収集装置3は、キー情報に対応付けられた変数と、順番テーブル40に格納された変数とに基づいて、キー情報をPC2に対して出力する場合の順番を特定できる。変数は規則的に更新されるので、情報収集装置3は、情報入力装置4がキー情報を送信した順番を正確に特定できる。連続して送信された複数のキー情報の受信順が入れ替わった場合も、情報収集装置3は、キー情報が送信された順番通りに、キー情報をPC2に出力できる。
【0056】
情報収集装置3では、キー情報に対応付けられた変数によって、送信元の情報入力装置4を特定できる。情報収集装置3は、順番テーブル40に格納された変数が対応付けられたキー情報のみ、PC2に出力できる。情報収集装置3は、許可されていない第三者から送信されたキー情報をPC2に出力してしまうことを防止できる。
【0057】
情報収集装置3は、変数の初期値を情報入力装置4に対して通知できる。予め情報入力装置4と情報収集装置3とに変数を設定することなく、情報収集装置3はキー情報の送信順を調整できる。情報収集装置3は、複数の情報入力装置4の其々に割り当てる変数の初期値を調整することで、キー情報を送信した情報入力装置4を確実に区別して認識できる。例えば、複数の情報入力装置4の其々に割り当てる変数の差分を大きくすることによって、情報入力装置3は、受信したキー情報を正確に区別して認識できる。
【0058】
なお上述では、情報収集装置3が情報入力装置4に対して変数を割り当てていたが、本発明はこれに限定されない。予め情報入力装置4に対して所定の変数が設定されていてもよい。上述では、情報入力装置4に対して割り当てられる変数はランダムに決定されていたが、本発明はこれに限定されない。変数間の差分が最も大きくなるように、複数の変数が決定されてもよい。例えば、変数「0000」が一の情報入力装置4に対して割り当てられた場合、他の情報入力装置4に対して次に割り当てられる変数は「5000」としてもよい。これによって、変数が更新された場合であっても、其々の変数の値が重複し難いので、情報収集装置3は、キー情報を送信した情報入力装置4を確実に区別できる。
【0059】
上述では、情報収集装置3と情報入力装置4とが同一周期で変数を更新していたが、本発明はこれに限定されず、異なる周期であってもよい。この場合、順番テーブル40に記憶されている変数と受信変数とが一定の関係を満たす場合、例えば、順番テーブル40に記憶されている変数と受信変数との比が一定である場合に、受信したキー情報をPC2に対して送信してもよい。
【0060】
上述では、情報収集装置3及び情報入力装置4において変数は1ずつ加算され更新されていたが、本発明はこれに限定されない。情報収集装置3及び情報入力装置4は、あらかじめ定めた規則性をもつ数列を使用して変数を更新しても良い。数列としては、例えば、加算値と変数に対するMD5などのハッシュ関数値列、情報収集装置3から情報入力装置4に対して送信した任意の変数初期値に対する疑似乱数列、ロジスティック方程式によって生成されるカオス数列を用いることができる。
【0061】
<第三実施形態>
図11及び図12を参照し、本発明の第三実施形態について説明する。情報収集システム1の構成、情報収集装置3及び情報入力装置4の電気的構成については、第一実施形態と同一である。以下では説明を省略している。
【0062】
図11を参照し、第三実施形態における通信シーケンスについて説明する。第三実施形態では、識別情報として、第二実施形態と同様、情報収集装置3から其々の情報入力装置4に対して割り当てられる変数が使用される。第三実施形態が第二実施例と異なる点は、情報収集装置3は、順番テーブル50に登録された情報入力装置4の全てからキー情報を受信した後、受信したキー情報をまとめてPC2に出力する点にある。
【0063】
情報収集装置3は、フラッシュメモリ14に記憶された順番テーブル50(51〜53)を使用することで、受信したキー情報の順番を特定する。順番テーブル50には、フラグ情報、及び変数情報が格納されている。情報収集装置3は、左手入力装置に対して、変数の初期値「0001」を通知している。情報収集装置3は、右手入力装置に対して、変数の初期値「1001」を通知している。
【0064】
左手入力装置からキー情報(変数:0001)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S41)。順番テーブル51に格納された変数「0001」は「0002」に更新される(順番テーブル52)。受信されたキー情報は、変数が対応付けられフラッシュメモリ14に記憶される。右手入力装置からキー情報(変数:1001)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S42)。順番テーブル52に格納された変数「1001」は「1002」に更新される(順番テーブル53)。受信されたキー情報は、変数が対応付けられフラッシュメモリ24に記憶される。
【0065】
この時点で、順番テーブル50に格納された変数の合計「2」は、フラッシュメモリ24に記憶されたキー情報の合計「2」と一致する。情報収集装置3は、フラッシュメモリ24に記憶されているキー情報を、順番テーブル50に格納されたインデックスの順番でPC2に出力する。変数「0001」が対応付けられたキー情報が、はじめにPC2に対して出力される(S43)。次に、変数「1001」が対応付けられたキー情報がPC2に対して出力される(S44)。このように情報収集装置3は、受信したキー情報をまとめて同時期にPC2に対して出力できる。
【0066】
図12を参照し、情報収集装置3のCPU11において実行される収集処理について説明する。第二実施形態と同一処理部分については、説明を省略又は簡略化する。情報入力装置4のCPU21において実行される送信処理については、第二実施形態と同一である(図10参照)。
【0067】
情報入力装置4からキー情報を受信し(S119:YES)、受信変数と同一の変数が、順番テーブル50に格納されていると判断された場合(S165:YES)、順番テーブル50に格納されている変数に1加算され更新される(S167)。受信したキー情報は、変数が対応付けられフラッシュメモリ14に記憶される(S181)。
【0068】
フラッシュメモリ14に記憶されたキー情報の合計が、順番テーブル50に格納された変数の合計と一致するか判断される(S183)。キー情報の合計が、変数の合計と一致しない場合(S183:NO)、処理はS119に戻る。フラッシュメモリ14に記憶されたキー情報の合計が、順番テーブル50の変数の合計と一致した場合(S183:YES)、フラッシュメモリ14に記憶されたキー情報に対応付けた変数が参照される。順番テーブル50に記憶されたインデックスの順番で、キー情報がフラッシュメモリ14から抽出される。抽出されたキー情報は、PC2に対して順番に出力される(S185)。
【0069】
以上説明したように、情報収集装置3は、受信したキー情報をまとめてPC2に対して出力できる。PC2は、キー情報をまとめて受信することで、共通の情報入力装置4を構成する複数の情報入力装置(例えば、左手入力装置及び右手入力装置)からのキー情報として認識できる。これによってPC2は、異なる複数の情報入力装置4において入力されたキー情報を、情報入力装置4毎に区別できる。
【0070】
なお上述では、受信テーブルに記憶されている変数の合計と、フラッシュメモリ14に記憶したキー情報の合計とが一致した場合に、キー情報をまとめてPC2に対して送信していたが、本発明はこれに限定されない。フラッシュメモリ14に記憶したキー情報の合計が所定数(例えば、変数の合計の2倍)と一致した場合に、キー情報をまとめてPC2に対して送信してもよい。
【0071】
上述の実施の形態では、情報収集装置3は、フラグ情報「1」の格納位置に関わらず、受信したキー情報をフラッシュメモリ14に記憶していた。本発明はこれに限定されない。情報収集装置は、PC2への出力が許可されているキー情報のみ受信し、フラッシュメモリ14に記憶してもよい。
【0072】
<第四実施形態>
図13及び図14を参照し、本発明の第四実施形態について説明する。第四実施形態では、合計二つの情報入力装置91,94(図13参照)を備えている。其々の情報入力装置は、左手入力装置と右手入力装置とを備えている。その他の情報収集システム1の構成、及び情報収集装置3の電気的構成については、第一実施形態と同一である。情報入力装置91,94の電気的構成は、情報入力装置4の電気的構成と同一である。以下では説明を省略している。
【0073】
図13を参照し、第四実施形態における通信シーケンスについて説明する。第四実施形態では、識別情報として、第二実施形態と同様、情報収集装置3から割り当てられる変数が使用される。割り当てられた変数は、情報入力装置91,94が情報収集装置3に対して送信するキー情報に対応付けられる。情報収集装置3は、フラッシュメモリ14に記憶された順番テーブル80(81〜87)を使用することで、受信したキー情報の順番を特定する。第四実施形態が第二実施形態と異なる点は、順番テーブル80がグループ情報を備えている点にある。グループ情報は、共通の情報入力装置に割り当てられた変数を示す。情報収集装置3は、情報入力装置91,94の其々から送信されたキー情報を、送信元の情報入力装置毎に管理する。情報収集装置3は、PC2へのキー情報の出力順を、情報入力装置毎に調整できる。
【0074】
情報収集装置3は、情報入力装置91の左手入力装置92に対して、変数の初期値「0001」を通知し、右手入力装置93に対して、変数の初期値「1001」を通知している。情報収集装置3は、情報入力装置94の左手入力装置95に対して、変数の初期値「2001」を通知し、右手入力装置96に対して、変数の初期値「3001」を通知している状態である。
【0075】
順番テーブル81では、情報入力装置91に割り当てられた変数であることを示す「1」が、グループ情報として変数「0001」及び変数「1001」に対応付けられている。情報入力装置94に割り当てられた変数であることを示す「2」が、グループ情報として変数「2001」及び変数「3001」に対応付けられている。フラグ情報は、同一のグループ情報が格納されたフラグ情報毎に管理、更新される。インデックスは、同一のグループ情報毎に、1から順に割り当てられる。
【0076】
左手入力装置92からキー情報(変数:0001)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S61)。変数は更新される(0001→0002、順番テーブル82)。更新された変数に対応付けられたフラグ情報は「1」であり、キー情報はPC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S62)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。右手入力装置93からキー情報(変数:1001)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S63)。変数は更新される(1001→1002、順番テーブル83)。更新された変数に対応付けられたフラグ情報は「1」であり、キー情報はPC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S64)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。左手入力装置95からキー情報(変数:2001)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S65)。変数は更新される(2001→2002、順番テーブル84)。更新された変数に対応付けられたフラグ情報は「1」であり、キー情報はPC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S66)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。
【0077】
左手入力装置92からキー情報(変数:0002)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S67)。変数は更新される(0002→0003、順番テーブル85)。更新された変数に対応付けられたフラグ情報は「1」であり、キー情報はPC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S68)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。左手入力装置92から、キー情報(変数:0003)が連続して送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S69)。変数は更新される(0003→0004、順番テーブル86)。更新された変数に対応付けられたフラグ情報は「0」であり、キー情報はPC2への出力が禁止されている。情報収集装置3は、受信したキー情報に変数を対応付け、フラッシュメモリ14に記憶する。フラグ情報「1」の格納位置は更新されない。
【0078】
右手入力装置96からキー情報(変数:3001)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S70)。変数は更新される(3001→3002、順番テーブル87)。更新された変数に対応付けられたフラグ情報は「1」であり、キー情報はPC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S71)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。このように情報収集装置3は、情報入力装置91から受信したキー情報がPC2に出力されない状態であっても、情報入力装置94から受信したキー情報を確実にPC2に出力できる。
【0079】
左手入力装置93からキー情報(変数:1002)が送信される。情報収集装置3はキー情報を受信する(S72)。変数は更新される。更新された変数に対応付けられたフラグ情報は「1」であり、キー情報はPC2への出力が許可されている。受信されたキー情報は、PC2に対して出力される(S73)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。フラグ情報「1」に対応する変数は「0004」となる。ここでフラッシュメモリ14には、変数「0003」が対応付けられたキー情報が記憶されている。フラッシュメモリ14に記憶されたキー情報は、PC2に対して出力される(S74)。フラグ情報「1」の格納位置は更新される。このように情報収集装置3は、グループ毎にキー情報を区分して認識できるので、通信遅延によってキー情報が入れ替わった場合であっても、グループ毎にキー情報の出力順を特定し、PC2に出力できる。
【0080】
図14を参照し、情報収集装置3のCPU11において実行される収集処理について説明する。第二実施形態と同一処理部分については、説明を簡略化する。情報入力装置4のCPU21において実行される送信処理については、第二実施形態と同一である(図10参照)。
【0081】
接続要求パケットが受信され(S113:YES)、変数通知パケットが情報入力装置91,94に対して送信された(S161)後、変数通知パケットに格納した変数の初期値が順番テーブル80に格納される(S163)。格納された変数の初期値に、グループ情報が対応付けられる(S191)。そしてS119の処理に進む。例えば、変数の初期値が予め特定された数分順番テーブル80に格納される毎に、共通のグループ情報が対応付けられてもよい。また例えば、ユーザによって予め指定された値が変数の初期値として順番テーブル80に格納された場合に、共通のグループ情報が対応付けられてもよい。
【0082】
キー情報が受信された場合(S119:YES)、受信変数と同一の変数が、受信テーブル80に記憶されているかが判断される(S165)。同一の変数が受信テーブル80に記憶されている場合(S165:YES)、該当する変数に対応するグループが、キー情報を送信した情報入力装置4の属するグループとして特定される(S193)。以後、特定されたグループ毎に、出力されるキー情報の出力順が特定される。フラグ情報が更新される場合には、特定されたグループに対応付けられているフラグ情報の範囲内で、「1」の格納位置が更新される。
【0083】
以上説明したように、情報収集装置3は、情報入力装置4をグループ毎に区分して認識できる。情報収集装置3は、グループ毎にキー情報の出力順を特定し、PC2に出力できる。情報収集装置3は、一のグループに属する情報入力装置4から受信したキー情報と、他のグループに属する情報入力装置4から受信したキー情報とを区別して認識できる。情報入力装置からキー情報が周期的に連続して送信されるので、情報収集装置3は、情報入力装置4から送信されたキー情報を、グループ毎に、キー情報が送信された順番でPC2に出力できる。
【0084】
なお本発明は、同一グループに属する情報入力装置4が三つ以上であってもよい。情報収集装置3が管理する情報入力装置4のグループは三つ以上であってもよい。また上述では、受信したキー情報のPC2への出力が許可されている場合に、該当するキー情報をPC2に対して出力していたが、本発明はこれに限定されない。受信されたキー情報は、フラッシュメモリ14に記憶されてもよい。同一グループに対応付けられている変数の合計と、フラッシュメモリ14に記憶されたキー情報の合計とが一致したタイミングで、フラッシュメモリ14に記憶されているキー情報をまとめてPC2に対して出力してもよい。
【0085】
<第五実施形態>
図15から図17を参照し、本発明の第五実施形態について説明する。情報収集システム1の構成、情報収集装置3及び情報入力装置4の電気的構成については、第一実施形態と同一である。以下では説明を省略している。
【0086】
図15を参照し、第五実施形態における通信シーケンスについて説明する。第五実施形態では、ユーザの打鍵動作によって情報入力装置4がキーを特定した場合にのみ、情報入力装置4はキー情報を情報収集装置3に対して送信する。キー情報には、第二実施形態〜第四実施形態と同様、識別情報として変数が対応付けられる。第二実施形態〜第四実施形態と異なり、順番テーブル100には、カウンタ、変数、保存カウンタ、及び換算値が格納される。カウンタは、情報収集装置3において所定の周期で1ずつ加算され更新される。変数は、情報収集装置3から情報入力装置4に対して割り当てられる変数の初期値である。保存カウンタは、変数が情報入力装置4に対して割り当てられた時点でのカウンタの値である。換算値は、情報入力装置4においてキー情報が送信された時間と、情報収集装置3においてキー情報が受信された時間とを比較するために算出される値である。情報収集装置3は、順番テーブル100を参照することで、キー情報をPC2に対して出力する場合の出力順を調整する。
【0087】
情報収集装置3から左手入力装置に対して、変数通知パケット(変数:0000)が送信される。変数通知パケットは、カウンタの値が「0010」のタイミングで送信される。左手入力装置は、変数通知パケットを受信する(S81)。送信された変数「0000」、及び、変数通知パケットが送信された時点でのカウンタの値(保存カウンタ)「0010」が、順番テーブル101に記憶される。左手入力装置では、通知された変数「0000」がRAM23に記憶される。なお、RAM23に記憶された変数は、所定の周期で1ずつ加算され更新される。情報入力装置4において変数が更新される場合の周期は、情報収集装置3においてカウンタが更新される場合の周期と同一である。
【0088】
情報収集装置3から右手入力装置に対して、変数通知パケット(変数:1000)が送信される。変数通知パケットは、カウンタの値が「0021」のタイミングで送信される。右手入力装置は、変数通知パケットを受信する(S82)。変数「1000」、及び保存カウンタ「0021」が、順番テーブル102に記憶される。左手入力装置では、通知された変数「1000」がRAM23に記憶される。RAM23に記憶された変数は、所定の周期で更新される。
【0089】
左手入力装置が装着された手によって打鍵動作が実行される。左手入力装置において、選択されたキーが特定される。特定されたキーの情報(キー情報)は、左手入力装置から情報収集装置3に対して送信される。キー情報には、送信時点での変数「0029」が対応付けられる。続いて、左手入力装置が装着された手によって打鍵動作が連続して実行される。左手入力装置において、選択されたキーが特定される。キー情報は、左手入力装置から情報収集装置3に対して送信される。キー情報には、送信時点での変数「0030」が対応付けられる。なお、情報収集装置3と左手入力装置との間の通信状況が悪く、送信されたキー情報は、情報収集装置3に到達するまでに時間を要してしまうものとする。
【0090】
右手入力装置が装着された手によって、打鍵動作が実行される。右手入力装置において、選択されたキーが特定される。キー情報は、右手入力装置から情報収集装置3に対して送信される。キー情報には、送信時点での変数「1020」が対応付けられる。送信されたキー情報は、左手入力装置から送信されたキー情報よりも先に、情報収集装置3において受信される(S83)。
【0091】
情報収集装置3において、受信されたキー情報に対応付けられている変数(以下「受信変数」という。)に基づいて、受信したキー情報が、PC2に出力するキー情報として有効なものであるかが判断される。順番テーブルに格納された変数を「N1」、保存カウンタを「N2」、カウンタを「C」、受信変数を「rN」と表記すると、以下の(1)式を満たすN1が順番テーブル100に格納されている場合に、受信したキー情報は有効であると判断される。
(C−α)<(rN−N1+N2)≦C(α:所定値)・・・(1)
なお、(1)式のうち「rN−N1+N2」の算出結果は、キー情報が情報入力装置4から送信された時点での、情報収集装置3のカウンタの値に相当する。
【0092】
変数が通知された情報入力装置4からキー情報が送信されている場合、(1)式のうち「rN−N1+N2」によって算出される値は、キー情報が情報収集装置3において受信された時点でのカウンタの値「C」とほぼ同一となる。この場合、情報収集装置3では、受信したキー情報は有効であると判断する。一方、変数が通知されていない情報入力装置4からキー情報が送信されている場合、キー情報に対応付けられる変数は不定であるので、算出結果「rN−N1+N2」は、カウンタ「C」の値と大きく異なる。情報収集装置3は、「C」と「rN−N1+N2」との差異がα以上である場合、変数が通知されていない第三者から送信されたキー情報であると判断する。情報収集装置3は、受信したキー情報は有効でないと判断する。これによって情報収集装置3は、許可されていない第三者から送信されたキー情報をPC2に出力してしまうことを防止できる。なお上記式のうち、「rN−N1+N2」によって算出される値が「換算値」に相当する。本実施形態では、αは「5」に設定されているものとする。
【0093】
S83で受信されたキー情報に基づいて算出される換算値は「0041」(=1020−1000+0021)であり、受信時点でのカウンタの値「0041」と同一である。従って情報収集装置3は、受信したキー情報は有効であると判断する。受信されたキー情報は、算出された換算値「0041」が対応付けられ、フラッシュメモリ14に記憶される。
【0094】
続いて、左手入力装置から送信されたキー情報が、遅れて其々受信される(S84,S85)。S84で受信されたキー情報に基づいて算出される換算値は「0040」(=0030−0000+0010)である(順番テーブル104)。S85で受信されたキー情報に基づいて算出される換算値は「0039」(=0029−0000+0010)である(順番テーブル105)。算出された換算値は、いずれも(1)式を満たす。従って情報収集装置3は、受信したキー情報がいずれも有効であると判断する。受信されたキー情報は、算出された換算値が対応付けられ、フラッシュメモリ14に記憶される。
【0095】
フラッシュメモリ14に記憶されたキー情報は、情報入力装置4が該キー情報を送信してから所定時間経過後に、PC2に対して出力される。具体的には以下のようにしてPC2に出力するタイミングが制御される。フラッシュメモリ14に記憶されたキー情報に対応付けられている換算値が参照される。順番テーブルのカウンタからα(=5)だけ減算した値と、フラッシュメモリ14に記憶されたキー情報に対応付けられた換算値とが一致するか判断される。カウンタが「44」となった時点(順番テーブル106)で、「0044−0005=0039」となり、S85で左手入力装置から受信されたキー情報に対応付けられている換算値「0039」と一致する。該当するキー情報は、PC2に対して送信される(S86)。カウンタが「0045」となった時点(順番テーブル107)で「0045−0005=0040」となり、S84で左手入力装置から受信されたキー情報に対応付けられている換算値「0040」と一致する。該当するキー情報は、PC2に対して送信される(S87)。カウンタが「0046」となった時点(順番テーブル108)で、「0046−0005=0041」となり、S83で右手入力装置から受信されたキー情報に対応付けられている換算値「0041」と一致する。該当するキー情報は、PC2に対して送信される(S88)。以上のようにして情報収集装置3は、打鍵動作が実行されたタイミングで情報入力装置4からキー情報が送信される場合でも、受信したキー情報の出力順を調整してPC2に対して出力できる。
【0096】
図16を参照し、情報収集装置3のCPU11において実行される収集処理について説明する。第二実施形態と同一処理部分については、説明を省略し又は簡略化する。接続要求パケットを情報収集装置3から受信した場合(S113:YES)、周知のアルゴリズムに基づいて、変数がランダムに特定される。特定された変数を通知する変数通知パケットが、接続要求パケットを送信した情報入力装置4に対して送信される(S201)。変数は、順番テーブル100に格納される(S203)。変数通知パケットを送信した時点でのカウンタの値が、保存カウンタとして順番テーブル100に記憶される(S205)。
【0097】
情報入力装置4からキー情報を受信したかが判断される(S207)。情報入力装置4からキー情報を受信していない場合(S207:NO)、処理はS213に進む。情報入力装置4からキー情報を受信した場合(S207:YES)、受信したキー情報が有効であるかが判断される。(1)式を満たす変数が順番テーブル100に格納されているかが判断される(S209)。(1)式を満たす変数が順番テーブル100に格納されていない場合(S209:NO)、受信されたキー情報は無効であるので、処理はS111に戻る。(1)式を満たす変数が順番テーブル100に格納されている場合(S209:YES)、受信されたキー情報は有効である。受信変数と、順番テーブルに格納された変数及び保存カウンタに基づいて、換算値が算出される(S211)。算出された換算値は、受信したキー情報に対応付けられ、フラッシュメモリ14に記憶される。
【0098】
情報入力装置4がキー情報を送信してから所定時間が経過したかが判断される(S213)。カウンタの値からα(=5)を減算した値と、フラッシュメモリ14に記憶したキー情報に対応付けられた換算値とが一致するかが判断される。双方が一致しない場合(S213:NO)、キー情報において情報入力装置4が送信されてから所定時間が経過していないので、処理はS111に戻る。双方が一致する場合(S213:YES)、情報入力装置4においてキー情報が送信されてから所定時間が経過している。該当する換算値に対応付けられているキー情報は、PC2に出力される(S215)。情報収集装置3の電源が遮断されたかが判断される(S217)。電源が遮断された場合(S217:YES)、収集処理は終了する。電源が遮断されていない場合(S217:NO)、処理はS111に戻る。
【0099】
図17を参照し、情報入力装置4のCPU21において実行される送信処理について説明する。はじめに、情報収集装置3に対して接続を要求する接続要求パケットが、情報収集装置3に対して送信される(S221)。送信された接続要求パケットに応じ、情報収集装置3から送信される変数通知パケットの受信が監視される(S223)。変数通知パケットを受信していない場合(S223:NO)、処理はS223に戻る。変数通知パケットが受信された場合(S223:YES)、受信された変数通知パケットに格納されている変数がRAM23に記憶される(S225)。RAM23に記憶された変数は、所定の周期で1ずつ加算され更新される。
【0100】
加速度センサ5から検出される加速度信号に基づいて、ユーザによって打鍵動作が行われたかが判断される(S227)。ユーザによって打鍵動作が行われていない場合(S227:NO)、処理はS227に戻る。ユーザによって打鍵動作が行われたと判断された場合(S227:YES)、打鍵動作によって選択されたキーが特定される(S228)。特定されたキーの情報(キー情報)に、RAM23に記憶した変数が対応付けられる(S229)。キー情報は、情報収集装置3に対して送信される(S231)。情報入力装置4の電源が遮断されたかが判断される(S233)。情報入力装置4の電源が遮断された場合(S233:YES)、送信処理は終了する。情報入力装置4の電源が遮断されていない場合(S233:NO)、処理はS227に戻る。
【0101】
以上説明したように、打鍵動作が実行されたタイミングで情報入力装置4からキー情報が送信される場合でも、情報収集装置3は、キー情報の出力順を調整してPC2に対して出力できる。情報収集装置3は、情報入力装置4から送信されたキー情報の順番が入れ替わった場合であっても、情報入力装置4からキー情報が送信された順番で、受信したキー情報をPC2に対して出力できる。情報収集装置3は、許可されていない第三者から送信されたキー情報をPC2に出力してしまうことを防止できる。
【0102】
なお上述では、カウンタの値からα(=5)を減算した値と、フラッシュメモリ14に記憶したキー情報に対応付けられていた換算値とが一致した場合に、該当するキー情報をPC2に対して送信していた。本発明はこれに限定されない。情報入力装置4がキー情報を送信してからの経過時間を判断するためのパラメータを別途設けてもよい。
【0103】
上述では、換算値を算出することで、情報入力装置4がキー情報を送信するタイミングと、情報収集装置3がキー情報を受信するタイミングとを比較していたが、本発明はこれに限定されない。通信の開始時に、情報収集装置3は情報入力装置4に対してカウンタを送信してもよい。情報入力装置4は、カウンタを受信し、RAM23に記憶してもよい。情報入力装置4は、RAM23に記憶したカウンタに所定の周期で1ずつ加算し更新してもよい。情報入力装置4は、変数とカウンタとをキー情報に対応付けて、情報収集装置3に対して送信してもよい。情報収集装置3は、キー情報に対応付けられたカウンタを参照することで、換算値を算出することなく、キー情報の送信タイミングと受信タイミングとを比較できる。
【0104】
図1の情報入力装置4が本発明の「入力装置」に相当する。情報入力装置4から送信されるキー情報が本発明の「入力データ」に相当する。図1のPC2が本発明の「外部機器」に相当し、PC2が備えるディスプレイが本発明の「表示手段」に相当する。図5、図9、図12、及び図14のS119、図16のS207の処理を行うCPU11が本発明の「受信手段」に相当する。図5、図9、及び図14のS123の処理を行うCPU11が本発明の「特定手段」に相当する。図5、図9、及び図14のS125の処理を行うCPU11が本発明の「出力制御手段」に相当する。図9、図12、及び図14のS161、図16のS201の処理を行うCPU11が本発明の「送信手段」に相当する。変数及びID情報が格納された順番テーブルを記憶する図2のフラッシュメモリ14が本発明の「第一記憶手段」に相当する。グループ情報が格納された順番テーブルを記憶する図2のフラッシュメモリ14が本発明の「第二記憶手段」に相当する。図14のS193の処理を行うCPU11が本発明の「判別手段」に相当する。情報入力装置4がRAM23に記憶する変数が本発明の「第一変数」に相当し、情報収集装置3がフラッシュメモリ14に記憶する変数が本発明の「第二変数」に相当する。
【符号の説明】
【0105】
1 情報収集システム
3 情報収集装置
4 情報入力装置
11 CPU
14 フラッシュメモリ
37 表示画像
38 履歴ウィンドウ部
39 打鍵キー表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが情報を入力するための複数の入力装置から送信される入力データであって、前記入力データを識別する識別情報が前記入力装置によって対応付けられた入力データを受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記入力データに対応付けられると共に、対応付けるタイミングが前記入力装置ごとに異なる前記識別情報に基づいて、前記入力データを外部機器に出力する場合の出力順を特定する特定手段と、
前記特定手段で特定された前記出力順に従い、前記入力データを前記外部機器に出力する出力制御手段と
を備えたことを特徴とする情報収集装置。
【請求項2】
前記識別情報は、前記入力装置において規則的に更新される第一変数であり、
前記入力装置毎に割り当てられる変数であって、前記情報収集装置において規則的に更新される第二変数を記憶する第一記憶手段を備え、
前記特定手段は、
前記受信手段によって受信された前記入力データに対応付けられている前記第一変数と、前記第一記憶手段に記憶された前記第二変数とが所定の関係を満たす場合に、受信された前記入力データを、次に前記外部機器に出力する入力データとして特定することを特徴とする請求項1に記載の情報収集装置。
【請求項3】
前記入力装置に対して、前記第二変数を前記第一変数の初期値として送信する送信手段を備え、
前記受信手段は、
前記送信手段によって送信された前記第二変数に基づいて規則的に更新される前記第一変数が対応付けられた前記入力データを受信することを特徴とする請求項2に記載の情報収集装置。
【請求項4】
前記識別情報は、前記入力データを送信する前記入力装置を識別するID情報であり、
前記入力データの受信が許可された前記入力装置の前記ID情報を記憶する第一記憶手段を備え、
前記特定手段は、
前記受信手段によって受信された前記入力データに対応付けられている前記ID情報と、前記第一記憶手段に記憶された前記ID情報とが一致する場合に、受信された前記入力データを、次に前記外部機器に出力する入力データとして特定することを特徴とする請求項1に記載の情報収集装置。
【請求項5】
前記複数の入力装置をグループ毎に分類して記憶する第二記憶手段と、
前記第二記憶手段に記憶された情報を参照することで、前記受信手段によって受信された前記入力データの送信元の前記入力装置が属するグループを、前記入力データに対応する前記識別情報に基づいて判別する判別手段と
を備え、
前記特定手段は、
前記判別手段において同一グループと判断された前記入力装置から送信される前記入力データ毎に、前記出力順を特定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の情報収集装置。
【請求項6】
前記外部機器は、表示手段を備え、
前記出力制御手段は、
受信した前記入力データが所定の第一データである場合に、前記表示手段の表示領域のうち第一領域に前記入力データを表示させ、受信した前記入力データが所定の第二データである場合に、前記入力データの履歴を、前記表示手段の表示領域のうち第二領域に表示させるためのデータを出力することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の情報収集装置。
【請求項1】
ユーザが情報を入力するための複数の入力装置から送信される入力データであって、前記入力データを識別する識別情報が前記入力装置によって対応付けられた入力データを受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記入力データに対応付けられると共に、対応付けるタイミングが前記入力装置ごとに異なる前記識別情報に基づいて、前記入力データを外部機器に出力する場合の出力順を特定する特定手段と、
前記特定手段で特定された前記出力順に従い、前記入力データを前記外部機器に出力する出力制御手段と
を備えたことを特徴とする情報収集装置。
【請求項2】
前記識別情報は、前記入力装置において規則的に更新される第一変数であり、
前記入力装置毎に割り当てられる変数であって、前記情報収集装置において規則的に更新される第二変数を記憶する第一記憶手段を備え、
前記特定手段は、
前記受信手段によって受信された前記入力データに対応付けられている前記第一変数と、前記第一記憶手段に記憶された前記第二変数とが所定の関係を満たす場合に、受信された前記入力データを、次に前記外部機器に出力する入力データとして特定することを特徴とする請求項1に記載の情報収集装置。
【請求項3】
前記入力装置に対して、前記第二変数を前記第一変数の初期値として送信する送信手段を備え、
前記受信手段は、
前記送信手段によって送信された前記第二変数に基づいて規則的に更新される前記第一変数が対応付けられた前記入力データを受信することを特徴とする請求項2に記載の情報収集装置。
【請求項4】
前記識別情報は、前記入力データを送信する前記入力装置を識別するID情報であり、
前記入力データの受信が許可された前記入力装置の前記ID情報を記憶する第一記憶手段を備え、
前記特定手段は、
前記受信手段によって受信された前記入力データに対応付けられている前記ID情報と、前記第一記憶手段に記憶された前記ID情報とが一致する場合に、受信された前記入力データを、次に前記外部機器に出力する入力データとして特定することを特徴とする請求項1に記載の情報収集装置。
【請求項5】
前記複数の入力装置をグループ毎に分類して記憶する第二記憶手段と、
前記第二記憶手段に記憶された情報を参照することで、前記受信手段によって受信された前記入力データの送信元の前記入力装置が属するグループを、前記入力データに対応する前記識別情報に基づいて判別する判別手段と
を備え、
前記特定手段は、
前記判別手段において同一グループと判断された前記入力装置から送信される前記入力データ毎に、前記出力順を特定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の情報収集装置。
【請求項6】
前記外部機器は、表示手段を備え、
前記出力制御手段は、
受信した前記入力データが所定の第一データである場合に、前記表示手段の表示領域のうち第一領域に前記入力データを表示させ、受信した前記入力データが所定の第二データである場合に、前記入力データの履歴を、前記表示手段の表示領域のうち第二領域に表示させるためのデータを出力することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の情報収集装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−204147(P2011−204147A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−73043(P2010−73043)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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