説明

情報埋め込み装置、印刷用媒体、および、情報読み取り装置

【課題】 大量の情報を、人間の視覚上邪魔にならないよう、印刷用媒体に埋め込むこと。また、人間の視覚上邪魔にならないように印刷用媒体に埋め込まれた大量の情報を、読み出すこと。
【解決手段】 情報埋め込み装置201は、印刷用媒体上に複数の微小点を配置することによって情報の記録を行う。微小点には、少なくとも領域規定点と情報点の2種類の微小点が存在している。そして、領域規定点によって規定される領域における情報点の位置で、情報を表現する。1ビットの情報は、単数の情報点で行われるため、視覚上邪魔になりにくい。また、領域規定点と情報点は共通の形状をしているため、視覚上邪魔になりにくい。さらに、情報埋め込み装置201は、微小点をカラーで印刷し、視覚上邪魔になりにくくしたり、微小点で模様を表現してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報埋め込み装置、印刷用媒体、および、情報読み取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人間にとって読み取りが困難である形式で印刷用媒体に情報を埋め込み、また、該情報を検出し、読み取る技術は、これまでに多く提案されている。特に本発明と関係の深い公知技術としては、以下のものが挙げられる。
【0003】
特許文献1には、ドットの配列によって波の方向及び/または波長を変化させたドットパターンを複数用意し、1つのドットパターンに対して1つのシンボルを与え、ドットパターンを組み合わせて配置することにより、機密情報を印刷文書に埋め込む処理部、及び、前記機密情報を印刷文書から検出する処理部を提供する技術が開示されている。
【0004】
特許文献2には、情報をドットコードで表現し、紙などの媒体上に記録し、再生する技術が開示されている。前記技術のドットコードは、情報をデータドットパターンで表現し、前記データドットパターンには有り得ないパターンを持ち、かつ前記データドットパターンに関して所定の位置関係で配置されるマーカを具備している。そして、情報再生システムにおけるドットコード復元手段は、ドットコードからマーカを検出した後、データ配列方向を検出し、データを検出する。
【0005】
特許文献3には、情報の存在が第三者に判らないようにして公開情報中に大量に埋め込んで印刷できる情報記録方法が開示されている。前記技術では、記録しようとする情報を2値化してブロック化し、その各ブロックの内容を十進数化することにより情報ブロックを作成する。そして、基準点マークと位置判別マークとの位置関係により、前記情報をブロックごとに表現している。
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0021442号明細書
【特許文献2】米国特許第5896403号明細書
【特許文献3】特開平9−179494号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されている技術では、複数種類の固定ドットパターンを用いているため、目立ちやすく、透かし入り文書画像から使用されているドットパターンを類推することができる。このため、ドットパターンを入れ替えることができ、透かし入り文書画像を無効化されたり偽造されたりする危険があった。
【0007】
特許文献2に開示されている技術では、マーカがドットのパターンから構成されているため、目立ちやすく、視覚上の妨害となってしまう場合があった。
【0008】
特許文献3に開示されている技術では、基準点マーカと位置判別マークがドットのパターンからなっているため、目立ちやすく、視覚上の妨害となってしまう場合があった。
【0009】
そこで、本発明は、前記課題を解決し、人の目に目立ちにくいように、印刷物に情報を埋め込むことを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明は、共通の形状を有する複数の微小点を印刷用媒体に印刷することによって、埋め込み情報の記録を行う情報埋め込み装置であって、前記微小点が、前記埋め込み情報を示す情報点、または、前記印刷用媒体において前記情報点を配置する領域を囲う領域枠を示す領域規定点のいずれかであり、前記埋め込み情報を入力する埋め込み情報入力処理部と、前記領域枠内に前記情報点を配置する情報点群決定処理部と、前記領域枠と線とを対応づける第1規則により前記領域枠を線に分割し、線と点とを対応づける第2規則により前記領域枠の線上に前記領域規定点を配置する領域規定点群決定処理部と、前記微小点を前記印刷用媒体に印刷して出力する印刷出力処理部と、を有することを特徴とする。その他の手段は、後記する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、情報点と領域規定点とを、共通の形状を有する微小点として印刷することにより、大量の情報を、人の目に目立ちにくいように、印刷用媒体に埋め込むこと、また、人の目に目立ちにくいように、印刷用媒体に埋め込まれた大量の情報を読み出すことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0013】
まず、本発明の第1実施形態について、説明する。
【0014】
(情報埋め込み装置と情報読み取り装置の構成)
図1は、本発明の以下の各実施形態における情報埋め込み装置と情報読み取り装置とを、それぞれ、CPUとメモリとを備える一般的な計算機を用いて実現したときの、構成例を示した図である。情報埋め込み装置と情報読み取り装置は、処理演算を担当するCPU101と、プログラムやデータを一時的に記憶するメモリ102と、デバイス同士を接続するインターフェース103と、プログラムやデータを長期間記憶保持するハードディスク116と、オペレータの入力を受け付けるキーボード112と、出力表示する画面113とを備える。さらに情報埋め込み装置と情報読み取り装置は、ネットワークと接続するネットワークインタフェース111や、印刷物を読み込むスキャナ114や、印刷出力するプリンタ115を備えていてもよい。
【0015】
前記実施形態において各処理を構成する各処理部は、CPU101がハードディスク116またはメモリ102に格納されているプログラムを実行することにより、前記計算機上に具現化される。
【0016】
各プログラムは、あらかじめ、前記計算機内に格納されていてもよいし、必要なときに、計算機が利用可能な、着脱可能な記憶媒体または通信媒体(通信回線または通信回線上の搬送波)を介して、前記計算機に導入されてもよい。
【0017】
なお、本発明は、計算機内部の構成に依っておらず、前記の他の構成による計算機によって実現されてもよい。
【0018】
(情報埋め込み装置201)
図2は、本発明の第1実施形態にかかる情報埋め込み装置の処理フローを示す説明図である。情報埋め込み装置201は、埋め込み情報211と文書画像212を読み込んで、埋め込み情報211を微小点で表現して文書画像212に埋め込み、印刷用媒体213上に印刷し、印刷文書232として出力する装置である。
【0019】
情報埋め込み装置201は、埋め込み情報入力処理部221と、コード化処理部222と、文書画像入力処理部223と、領域規定点群決定処理部224と、情報点群決定処理部225と、印刷出力処理部226と、から構成される。
【0020】
以下、情報埋め込み装置201の各処理について詳細に説明する。
【0021】
(埋め込み情報入力処理部221)
埋め込み情報入力処理部221は、媒体から読み込む、もしくは人間が直接入力する、などの方法によって、埋め込み情報211を、情報埋め込み装置201内に入力する。埋め込む情報は、一般的には数字や文字の列であり、一般的にはキーボード112によって実現されるが、計算機が読めるようなバイナリファイルをハードディスク116から直接読み込んでも構わない。埋め込み情報入力処理部221は、これら入力された情報を、情報埋め込み装置201が理解できるようなデジタル形式に変換してコード化処理部222に渡す。なお、埋め込み情報211は、デジタル情報として保存されるので、1あるいは0のシンボルが連続するビット列と捉えても、一般性を失わない。このため、以降では、埋め込み情報211は、その保存形式に関わらず、1あるいは0のシンボルが連続するビット列で表現されているとする。
【0022】
(コード化処理部222)
コード化処理部222は、埋め込み情報211を入力として受け取り、暗号化や誤り訂正符号を、必要であれば適用し、コード化情報231を出力する。ここで、コード化情報231も、埋め込み情報211同様デジタル情報であり、その形式に関わらず、1あるいは0のシンボルが連続するビット列で表現されているとする。
【0023】
なお、暗号化や誤り訂正符号を適用する必要がなければ、コード化処理部は埋め込み情報211をそのまま出力してもよい。
【0024】
コード化処理部222では、一般に知られるデジタル暗号化方式を用いることができ、例えばDES(Data Encryption Standard)やMULTI2(Multimedia Encription 2)といった公知の秘密鍵暗号方式や、例えば楕円曲線暗号といった公開鍵暗号方式がその例であるが、これらに限定されない。
【0025】
また、コード化処理部222では、一般に知られる誤り訂正符号を用いることができ、例えばBCH(Bose-Chaudhuri-Hocquenghem)符号やRS(Reed-Solomon)符号、あるいは畳み込み符号や(272、190)符号がその例であるが、これらに限定されない。
【0026】
(文書画像入力処理部223)
文書画像入力処理部223は、文書画像212を、情報埋め込み装置201内に入力する。例えばスキャナ114によって実現されるが、ハードディスク116からファイルを読み込むなどの方法によって、実現されてもよい。典型例としては、600DPI2値画像として入力されるが、他の解像度、他の形式で入力してもよい。入力された画像は、デジタル形式で領域規定点群決定処理部224に渡される。
【0027】
(領域規定点群決定処理部224)
領域規定点群決定処理部224は、後記する情報埋め込み単位領域301(図3参照)の、文書画像212上への配置を決定し、前記配置に応じて領域規定点群を決定する。本実施形態では、文書画像212上に、同一矩形状の情報埋め込み単位領域301が、繰り返し配置される。
【0028】
(情報埋め込み単位領域301)
情報の埋め込みは、単位矩形領域ごとに行われる。この単位矩形領域を、情報埋め込み単位領域301と呼ぶ。その構造を図3(a)に示す。
【0029】
本実施形態では、情報埋め込み単位領域301は、領域規定点群領域311と、1つ以上の情報スロット312と、を少なくとも含む。これらの配置はあらかじめ決めた規則に従うが、本実施形態では、図3(a)のように配置される。
【0030】
さらに、情報規定点群領域311と、情報スロット312と、それ以外の領域が存在してもよい。この領域に後記する情報点401と共通の形状の微小点をランダムに配置することで、領域規定点群領域311や情報スロット312の配置を分かりにくくする効果が得られる。
【0031】
なお、本実施形態では情報埋め込み単位領域301を矩形としているが、他の形状で実施することもできる。
【0032】
(領域規定点群領域311)
領域規定点群領域311は、図3(b)に示すような構造になっている。領域規定点群領域311の内部には、横方向に規則正しく並んだ微小点と、縦方向に規則正しく並んだ微小点がある。横方向に規則正しく並んだ微小点の、各微小点間距離をax画素とし、縦方向に規則正しく並んだ微小点の、各微小点間距離をay画素とする。これら、横方向ax画素毎、または縦方向ay画素毎に規則正しく並んだ微小点を、領域規定点321と呼ぶ。また、縦横の領域規定点321の列の両方に含まれる領域規定点321を特に領域規定格子点322とも呼ぶ。
【0033】
なお、図3(c)に例示するように、横方向に隣接する情報埋め込み単位領域301では、領域規定点321は、隣接する情報埋め込み単位領域301の境界を越えて、横方向にax画素毎に規則正しく並ぶように配置される。同様に、縦方向に隣接する情報埋め込み単位領域301では、領域規定点321は、隣接する情報埋め込み単位領域301の境界を越えて、縦方向にay画素毎に規則正しく並ぶように配置される。
【0034】
(情報スロット312)
情報スロット312は、図3(d)に示すような構造になっている。情報スロット312の内部は、一つ以上の、情報点配置領域331と、それ以外の領域とに分かれる。そして、情報点配置領域331毎に、情報点401(図4参照)と呼ぶ微小点を1つ打つか、あるいは全く打たないかのどちらかの状態を設定する。そして、各情報点配置領域331の状態によって、情報スロット312で情報を表現する。
【0035】
なお、情報点401は、領域規定点321と共通の形状をしている。
【0036】
(情報点群決定処理部225)
情報点群決定処理部225は、情報スロット312に情報点401を配置することにより、文書画像212に埋め込み情報211を埋め込み、それを後続の印刷出力処理部226に渡す。
【0037】
(シンボルを表現する情報スロット312の例)
図4(a)と図4(b)は、情報スロット312に、それぞれシンボル0とシンボル1を割り当てた例である。この例では図3(d)で示す4つの情報点配置領域331において、右下の情報点配置領域331に情報点401を配置し、その他の情報点配置領域331には情報点401を配置しない、という状態を、シンボル0に割り当てている。また、図3(d)で示す4つの情報点配置領域331において、左上の情報点配置領域331に情報点401を配置し、その他の情報点配置領域331には情報点401を配置しない、という状態を、シンボル1に割り当てている。情報点401を配置する情報点配置領域331では、情報点配置領域331内のどこに情報点401を配置するかは、任意の方法により択一的に決定される。一つの実現例としては、乱数を用いて、どこに情報点401を配置するかを決定する。こうすることによって、情報点配置領域331の配置を知らない第三者が、シンボル0やシンボル1を表現する情報スロット312の推定をすることが、難しくなる効果が得られる。しかし、情報点配置領域331のどこに情報点401を配置するかは、乱数でなく関数で決めてもよい。
【0038】
本実施形態では、シンボル0とシンボル1のみを情報スロット312に割り当てるが、他の実施形態として、例えば図3(d)の右上の情報点配置領域331に情報点401を配置することで、シンボル2を一つの情報スロット312に割り当ててもよいし、他の情報点配置領域331を使うことで、それ以上の数のシンボルを、一つの情報スロット312に割り当ててもよい。
【0039】
また、複数の情報点配置領域331に情報点401を配置して、シンボルを割り当ててもよい。また、情報スロット312内の全ての情報点配置領域331に、情報点401が配置されていない、という状態に、シンボルを割り当ててもよい。
【0040】
(印刷出力処理部226)
印刷出力処理部226は、情報点群決定処理部225の出力を入力として受け取り、印刷文書232という形で印刷出力する機能を備える。具体的には、プリンタ115を用いて実現される。印刷は、例えば600DPIの解像度で行われるが、これに限定されず、他の解像度であってもよい。プリンタ115は、典型例ではレーザプリンタであるが、他の印刷機であってもよい。
【0041】
(印刷文書232)
図5は、情報埋め込み装置201の出力である印刷文書232の模式例である。文字を印刷していない部分501を拡大した502に模式的に示すように、文書画像212に重ねて微小点を配置することによって、埋め込み情報211を印刷用媒体213に埋め込んでいる。埋め込み情報211は微細な微小点で表現されるため、視覚的には薄い背景のように見え、視覚的に邪魔にならないという特徴を持っている。
【0042】
(情報読み取り装置601)
図6の情報読み取り装置601は、印刷文書232を読み込んで、印刷文書232に埋め込まれている情報を検出し、これを読み取り情報623として出力する装置である。印刷文書232の皺や破れといった媒体の状態が、許容範囲に収まっていれば、埋め込み情報211と読み取り情報623は一致する。
【0043】
情報読み取り装置601における処理フローを図6に示す。印刷文書入力処理部611は、印刷文書232を入力として受け取り、印刷文書画像データ621を出力する。画像認識処理部612は、領域規定点群認識処理部703と、情報点群認識処理部704を含んでおり、読み取られた印刷文書画像データ621を入力として受け取り、読み取りコード化情報622を出力する。情報デコード処理部613は、読み取りコード化情報622を入力として受け取り、読み取り情報623を出力する。
【0044】
埋め込み情報出力処理部614は、画面113に表示、あるいはプリンタ115で印刷その他の方法によって、読み取り情報623を情報読み取り装置601の出力として、出力する。
【0045】
(印刷文書入力処理部611)
印刷文書入力処理部611は、印刷文書232を入力として受け取り、これを画像データに変換し、印刷文書画像データ621を出力する。この処理を実現するためには、例えばスキャナ114が使用されるが、例えばデジタルカメラや、他の入力用機材であっても構わない。入力用機材によって印刷文書232を画像データに変換するが、この際、印刷出力処理部226で用いた解像度と、入力の際の解像度が大きく異なる場合、入力画像の拡大もしくは縮小処理を実行する。拡大・縮小処理は、例えばニアレストネイバー法や、バイリニア法、キュービックコンボリューション法など、一般に用いられている方法で実行できる。
【0046】
印刷文書入力処理部611の出力である、印刷文書画像データ621の画像データ形式は、例えば8ビット階調のビットマップ形式であるが、これに限定されない。
【0047】
(画像認識処理部612)
画像認識処理部612は、読み取られた印刷文書画像データ621を入力として受け取り、印刷文書画像データ621に埋め込まれた情報を読み、読み取りコード化情報622を出力する機能を有する。図7は、画像認識処理部612の処理フローを示した図である。画像認識処理部612は、以下のような順序でデータを処理する。
【0048】
文字・図形領域除外処理部701は、印刷文書画像データ621を入力として受け取り、印刷文書画像データ621の画素から微小点領域711を抽出する。微小点情報認識処理部702は、微小点領域711に含まれる画素を処理し、全微小点の位置情報を内容とする微小点情報712を作成する。この微小点情報712は、領域規定点群認識処理部703の入力になるとともに、情報点群認識処理部704の入力ともなる。領域規定点群認識処理部703は、微小点情報712を入力として受け取り、領域規定情報713を生成する。情報点群認識処理部704は、領域規定情報713と微小点情報712を入力として受け取り、読み取りコード化情報622を出力する。
【0049】
(文字・図形領域除外処理部701)
文字・図形領域除外処理部701は、印刷文書画像データ621を入力として受け取り、印刷文書画像データ621の画素から文字・図形を表現している画素を取り除き、それ以外の部分を微小点領域711として抽出する機能を有する。すなわち、微小点領域711には、微小点や、背景部分や、認識ミスによって文字・図形と判断されなかった文字・図形など、文字・図形を表現していると考えられる画素以外が全て含まれる。この抽出には、画素の輝度を表現している画素値を用いて行う。
【0050】
画素値は、典型例では8ビットのデータ形式であり、0から255までの値を取る。画素値が0である画素が最も暗い画素であり、すなわち黒微小点を表す。画素値が255である画素は最も明るい画素であり、すなわち白い領域を表す。その中間は、グレーの画素である。値が大きいほうが薄い、すなわち白に近いグレーになり、値が小さいほうが濃い、すなわち黒に近いグレーになる。
【0051】
本実施形態で用いる微小点は微細であるため、印刷文書画像データ621では、薄いグレーとして読み取られる。一方で文書の文字や図形は、通常、濃いグレー、あるいは黒として読み取られる。よって、この差を用いて分類することができる。ある閾値を用意し、前記閾値以下の画素値を持つ画素は文字・図形を表現しているとして取り除き、前記閾値より大きい画素値を持つ画素だけを微小点領域711として抽出する。前記閾値の決定では、固定閾値を用いてもよいし、印刷文書画像データ621の特性に適応した閾値を求めてもよい。固定閾値の例としては、8ビットの場合、128が挙げられる。
【0052】
(微小点情報認識処理部702)
微小点情報認識処理部702は、微小点領域711に含まれる画素を処理し、全微小点の位置情報を内容とする、微小点情報712を生成する。
【0053】
図8は、微小点情報認識処理部702における処理の具体例を示した説明図である。今、図8(a)に示すような階調画像として微小点が入力されたとする。そして、このときの画素値が図8(b)に示すような値だったとする。
【0054】
まず、微小点領域711に含まれる画素の画素値(図8(b))で、例えば横方向の差分を取る(図8(c))。なおここで、差分を取る方向はある固定の一方向であれば、縦方向でも、また任意の角度でも構わない。なお、差をとる対象の画素が存在しない、差分方向で最初の列や行では、差分値はないものとして取り扱ってもよいし、差分値は差分方向で次の差分値と同じとしてもよいし、他の方法を取ってもよい。図8(c)では、最初の行は、差分値はないものとして取り扱っている。
【0055】
次に差分値によって画素を+画素と−画素と0画素の3種類に分類する(図8(d))。ここで分類は、閾値+と閾値−の2つの閾値によって行う。例えば閾値+は+8であり、例えば閾値−は−8である。差分値が閾値+以上であれば、その差分値の画素を+画素に分類する。また、差分値が閾値−以下であれば、その差分値の画素を−画素に分類する。また、差分値が、閾値−より大きく閾値+より小さければ、その差分値の画素を0画素に分類する。次に、隣り合う、同じ分類の画素をまとめて領域とする。もし、隣り合う、同じ分類の画素がなければ、その画素だけで領域を作る。このようにして、微小点領域711全体を、+領域と−領域と0領域の3種類の領域に分類する。図8(d)の例では、太線によって+領域と−領域と0領域の境界を表現している。
【0056】
次に、微小点情報認識処理部702において、差分の方向で、例えば4画素などある長さ以下の−領域と、例えば4画素などある長さ以下の+領域が連続しているか、1画素など、ある決まった間隔の0領域を挟んで−領域と+領域が隣り合って並んでいる所を取り出す。取り出した領域は、微小点が存在しているため、画素値が低下(黒に近づく)し、また画素値が上昇(白に近づく)している場所であると推定できる。取り出した部分を図8(e)に示す。前記領域中、最も画素値が低い画素を見つけて前記領域を代表する微小点とし(図8(f))、その位置座標を微小点情報に登録する。この処理を全ての+領域、−領域、0領域について行う。
【0057】
以上の処理の結果、画像から、1画素分の座標だけを持つよう抽象化された微小点の情報の集合である微小点情報712が得られる。
【0058】
なお、本実施形態では、以上の処理例において差分を一方向だけに取ったが、例えば横と縦など、二方向以上の差分を取り、−画素や+画素を求めてもよい。
【0059】
(領域規定点群認識処理部703)
領域規定点群認識処理部703は、微小点情報712を入力として受け取り、領域規定点321に相当する微小点を読み取って領域規定点群を認識し、領域規定情報713を生成する。図9に、領域規定点群認識処理部703の処理を示す。
【0060】
まず、単体規則性評価処理部901が、微小点情報712を入力として受け取り、各微小点について縦方向と横方向の2つの単体評価点911を算出する。次に、連続規則性評価処理部902が、各微小点の単体評価点911を入力として受け取り、各微小点の連続評価点912を算出する。次に、領域規定格子候補点選択処理部903が、全ての微小点の連続評価点912を入力として受け取り、領域規定格子候補点913を出力する。次に、領域規定情報構成処理部904が、領域規定格子候補点913を入力として受け取り、領域規定情報713を出力する。
【0061】
(単体規則性評価処理部901)
単体規則性評価処理部901は、評価対象の微小点である対象微小点が領域規定点321であるかどうかを判定するための評価点である単体評価点911を、算出する処理部である。この評価点が高い方が、より前記対象微小点が領域規定点321である可能性が高い、と判定される。
【0062】
単体規則性評価は、対象微小点から、縦あるいは横方向に、他の微小点がないかどうかを調べ、また、対象微小点からある決まった距離離れた場所に微小点があるかどうかを調べることで行う。図10(a)と図10(b)は、単体規則性評価に関係する調査対象画素の例を図示したものである。図10(a)は右方向規則性評価の調査対象画素の例であり、図10(b)は下方向規則性評価の調査対象画素の例である。図10(a)と図10(b)では、単体規則性評価をする対象微小点を対象微小点1001として表している。
【0063】
対象微小点1001の周囲の領域を、微小点非存在期待領域1002と定義する。典型例では、横ax+4画素、縦5画素からなる。なお、対象微小点1001や、後記する微小点存在期待領域1003は、微小点非存在期待領域1002の領域には含まれていない。微小点非存在期待領域1002では、微小点がない方が評価点が高くなる。微小点非存在期待領域1002に微小点がない場合、例えば+100点をつける。
【0064】
評価対象微小点からax画素、あるいはay画素分離れており、決まった誤差を許す領域を、微小点存在期待領域1003と定義する。典型例では、微小点存在期待領域1003は、縦横3画素の正方領域である。微小点存在期待領域1003では、微小点がある方が、評価点が高くなる。微小点存在期待領域1003に微小点がある場合、例えば+200点をつける。
【0065】
この評価点の付け方により、隣の微小点と、ax画素、あるいはay画素離れている微小点に高い評価点を付けることになる。
【0066】
(連続規則性評価処理部902)
連続規則性評価処理部902は、単体評価点911を入力として受け取り、微小点の連続評価点912を算出する。これは、連続規則性評価の対象微小点から、ある一方向にn連続している微小点の単体評価点911を総計した評価点であり、その対象微小点が領域規定点321であるかどうかを、巨視的に判定するための評価点である。
【0067】
連続規則性評価は、例えば図10(c)のように行われる。図10(c)は、右方向5連続評価の例である。単体規則性評価の際、微小点存在期待領域1003に微小点が存在した場合、その微小点の単体評価点を、連続規則性評価対象微小点の連続評価点912に加算する。もし微小点存在期待領域1003に微小点が存在しない場合、その微小点存在期待領域1003の中心に微小点があると仮定して次の微小点を検索し、もし次の微小点が存在すれば、その微小点の単体評価点911を、連続規則性評価対象微小点の連続評価点912に加算する。なお、微小点が存在しなかった部分の単体評価点は、例えば0点、あるいはマイナス点として計算する。このようにして、n連続評価点は、n個の単体評価点の総和として算出される。nの値としては、例えば5を使うことができる。
【0068】
なお、連続規則性評価は、例えば右方向や下方向に行われるが、右に行くと印刷文書画像データ621の画像データ平面をはみ出しそうな場合などが存在するため、左方向や上方向に行われてもよい。さらに、画像データ平面上で最適な方向を自動的に選択できるようにしてもよい。これは、例えば、画像データ平面上で対象微小点が左上1/4に含まれていれば、右方向や下方向に連続規則性評価を行い、画像データ平面上で対象微小点が右上1/4に含まれていれば、左方向や下方向に連続規則性評価を行い、画像データ平面上で対象微小点が右下1/4に含まれていれば、左方向や上方向に連続規則性評価を行い、画像データ平面上で対象微小点が左下1/4に含まれていれば、右方向や上方向に連続規則性評価を行う、というようにしても実現できる。
【0069】
(領域規定格子候補点選択処理部903)
領域規定格子候補点選択処理部903は、連続評価点912を入力として受け取り、縦方向と横方向の連続評価点912がどちらも高い微小点を抜き出し、領域規定格子候補点913を出力する。この領域規定格子候補点913は、領域規定格子点322だと推定される微小点である。この推定は、領域規定格子点322を除く領域規定点321は、一方向のみ連続評価点912が高くなるが、領域規定格子点322は、縦横の両方向の連続評価点912が高くなることを利用している。
【0070】
(領域規定情報構成処理部904)
領域規定情報構成処理部904は、領域規定格子候補点913を入力として受け取り、領域規定情報713を出力する。領域規定格子候補点913は、読み取り誤差その他の理由により、座標に誤差が含まれている。さらに、領域規定格子候補点913の中には、正しくは領域規定格子点ではない微小点が含まれている可能性がある。さらに、領域規定格子候補点913は、全ての領域規定格子点を含んではいない可能性がある。
【0071】
よって、領域規定情報構成処理部904では、これらを補正し、領域規定格子点322に沿って決定される領域座標を領域規定候補点に振る処理を行う。そして、領域規定情報713として、全ての情報埋め込み単位領域に、後記する領域座標と、対応する微小点座標がつけられている情報を出力する。なお、ここで微小点座標とは、印刷文書画像データ621における、微小点の画素座標である。
【0072】
図11に示すとおり、領域規定情報構成処理部904では、まず、領域規定格子候補点913を、その座標に従って並べ、横方向に所定の誤差を許してgx画素離れて並んでいる微小点の列を、横微小点列1101と定義する。同様に、縦方向に所定の誤差を許してgy画素離れて並んでいる微小点の列を、縦微小点列1102と定義する。なお、微小点列の長さは、含まれている微小点の数と定義する。
【0073】
ここで、長さが短い微小点列は、読み取りミスによるものである可能性が高いため、例えば長さが2以下の微小点列など、所定の長さに満たない微小点列1101、1102を削除する処理をしてもよい。さらに、所定の長さ以上の横微小点列1101同士が、所定の誤差を許してn×gx画素(nは2など、小さい整数)離れている場合、間に内分あるいは直線近似あるいは多項式近似によって、微小点を補完した上で、当該の2つの横微小点列1101を接続して、新しい横微小点列1101としてもよい。同様に、所定の長さ以上の縦微小点列1102同士が、所定の誤差を許してn×gy画素(nは2など、小さい整数)離れている場合、間に内分あるいは直線近似あるいは多項式近似によって、微小点を補完した上で、当該の2つの縦微小点列1102を接続して、新しい縦微小点列1102としてもよい。
【0074】
次に、横微小点列1101と縦微小点列1102の両方に含まれている微小点を使い、横微小点列1101と縦微小点列1102を格子状に並べる。並べた例を図11に示す。そして、この並べた微小点列から領域座標を決定する。領域座標は、格子状に並べた微小点列の最左微小点をx座標0、格子状に並べた微小点列の最上微小点をy座標0と定義し、他の領域規定格子候補点913の領域座標は、最左微小点、最上微小点から、微小点列での距離でどれくらい離れているかで決定する。例えば、最左微小点と同じ横微小点列1101に含まれており、最左微小点の右隣に位置する微小点の領域座標は、x座標が1となる。
【0075】
以上の結果、領域座標が決定するが、領域規定情報はまだ不完全であり、領域規定格子候補点913がなかった部分や、あっても微小点列にならなかった部分の格子に領域座標が割り当てられていない。例えば図11では、1303に微小点消失部分を示している。この部分の微小点を補完によって補う。補完法は、内分や外分、直線近似あるいは多項式近似などを用いることができる。さらに、補完法によって計算された微小点座標の近辺に、読み取った微小点が存在する場合、計算された微小点座標ではなく、読み取った微小点の微小点座標を、その格子の微小点座標に用いてもよい。
【0076】
以上の処理の結果、全ての領域規定格子について、領域座標と微小点座標との対応をつけることができる。この情報が領域規定情報713である。
【0077】
(情報点群認識処理部704)
情報点群認識処理部704は、領域規定情報713と微小点情報712を入力として受け取り、情報埋め込み単位領域301に含まれる情報スロットが、それぞれどのシンボルを表すかを読み取り、読み取りコード化情報622を出力する(図12参照)。
【0078】
領域規定情報713には、全ての領域規定格子の、微小点座標と領域座標が含まれており、互いに変換可能である。また、微小点情報712には、全ての微小点の座標情報が含まれている。
【0079】
これらによって、以下のように、各情報埋め込み単位領域毎に情報を読み取る。
【0080】
今、読み取り対象の情報埋め込み単位領域の、左上の領域規定格子点の領域座標を(u、v)とする。読み取り対象の情報埋め込み単位領域の、四隅の領域規定格子点の領域座標は、(u、v)、(u+1、v)、(u+1、v+1)、(u、v+1)である。また、それぞれの領域規定格子点の微小点座標を(x0、y0)、(x1、y1)、(x2、y2)、(x3、y3)とする。
【0081】
これらにより、読み取り対象の情報埋め込み単位領域内の、情報スロットや、情報点配置領域331の微小点座標を決定できる。これは例えば、後記する印刷出力処理部226の処理フローに示すように、情報埋め込み単位領域の四辺を比で分割することによって、決定できる。また、隣接する領域規定格子点も用いて立方格子補完を行ってもよい。
【0082】
そして、情報スロット312毎に、情報点配置領域331内に微小点が存在するか否かを判定する。そして、例えば図4のように、シンボルを決定した場合、情報点配置領域331内での微小点の存在・非存在の状態が、図4のシンボルのどちらに近いかで、その情報スロットのシンボルを決定する。これらをデジタルデータとして並べたものが、出力すべき読み取りコード化情報622になる。
【0083】
(情報デコード処理部613)
情報デコード処理部613は、読み取りコード化情報622を入力として受け取り、情報をデコードし、読み取り情報623を出力する。
【0084】
情報デコード処理部613でのデコードは、コード化処理部222で行われた、暗号化や誤り訂正符号の適用を、復号するものである。ここで具体的に用いられる暗号化方式や誤り訂正符号は、コード化処理部222で用いられるものと同一である。
【0085】
(埋め込み情報出力処理部614)
埋め込み情報出力処理部614は、画面113に表示、あるいはプリンタ115で印刷その他の方法によって、読み取り情報623を情報読み取り装置601の出力として、出力する。
【0086】
本実施形態によれば、以下に挙げるような効果が得られる。
【0087】
まず、本実施形態では、領域規定点群を読み取る際、一部が欠落していても、他の読み取れた点群から補完する。このため、安定した読み取りが可能となる。
【0088】
次に、本実施形態では、重複して情報を埋め込むようにできる。このようにすると、印刷用媒体の汚れなどがあった場合でも、安定した読み取りが可能となる。
【0089】
そして、本実施形態では、領域規定点群であることの判定は広範囲にわたる特徴から行う。このため、印刷用媒体が折り曲げられたりしわがつけられたりして局所的に領域規定点群の特徴が失われても、領域規定点群を認識でき、安定した読み取りが可能となる。
【0090】
さらに、本実施形態では、情報点の個々の配置は、所定の範囲で定められた候補の中から択一的に選択されるようにできる。このようにすると、前記範囲を広く取り、かつ情報との対応を秘密にしておくことで、情報を埋め込んだ印刷用媒体から情報を解読しにくくすることが可能となる。
【0091】
そして、本実施形態による情報埋め込み装置は、印刷用媒体に、文字として印刷されている情報を、微小点を用いて埋め込んでおくことができる。このようにすると、文書の改ざんを検知することが可能となる。また、文字を改ざんしても微小点として埋め込まれている情報を優先するようにすると、改ざんを無効化することが可能となる。
【0092】
さらに、本実施形態における、領域規定点群決定処理部224と領域規定点群認識処理部703は、位置を合わせる機構として利用できる。
【0093】
本発明の第2実施形態を説明する(図2、図6などを適宜参照)。本発明の第2実施形態では、第1実施形態で説明した情報埋め込み装置201において、コード化処理部222に付帯情報算出機能を追加したことと、情報読み取り装置601において、情報デコード処理部613に付帯情報検証表示機能を追加したこと、を特徴とする。第2実施形態は、前記コード化処理部222と情報デコード処理部613以外の部分は第1実施形態と同じ構成であるので、重複する説明は省略し、以下、第2実施形態におけるコード化処理部222と情報デコード処理部613について説明する。
【0094】
(第2実施形態におけるコード化処理部222)
第2実施形態におけるコード化処理部222は、入力された埋め込み情報211の付帯情報を算出し、次に前記付帯情報を、暗号化や誤り訂正符号の適用によってコード化し、コード化情報231として出力する。ここで、算出される付帯情報の例としては、埋め込み情報211の電子署名や、埋め込み情報211のハッシュ値があり、さらに、これら付帯情報と、もとの埋め込み情報211を合わせて付帯情報としてもよい。
【0095】
また、文書画像212に電子署名を施した情報や、文書画像212のハッシュ値や、そのほかの方法で文書画像212から算出した情報、を付帯情報としてもよい。
【0096】
(第2実施形態における情報デコード処理部613)
第2実施形態における情報デコード処理部613は、読み取りコード化情報622を入力として受け取り、適用されている暗号や誤り訂正符号を復号して得られる付帯情報を取り出し、その検証を行い、結果を読み取り情報623として出力する。前記付帯情報は、第2実施形態におけるコード化処理部222で使われた付帯情報と同一の情報を用いる。そして、前記付帯情報が、正当であるかどうか検証し、その結果を読み取り情報623として出力する。出力方法の例としては、モニタへの表示、音による出力、印刷出力、記憶処理部に出力、などの方法が挙げられる。
【0097】
本実施形態によれば、印刷用媒体に、情報とともに前記情報の電子署名情報などの付帯情報を埋め込んでおき、情報読み取り装置でその情報を検証することができる。このようにすると、情報の真正性を確認することが可能となる。
【0098】
本発明の第3実施形態を説明する(図3、図6などを適宜参照)。本発明の第3実施形態では、第1実施形態で説明した情報埋め込み単位領域301や情報スロット312、あるいは情報点配置領域331が、矩形でない場合の実施方法について述べる。
【0099】
図13(a)は、一般の曲線や直線を境界線とした情報埋め込み単位領域301と、情報スロット312の例である。この場合においても、領域規定点群領域311は直線による境界線を持つ。ただし本実施形態では、領域規定点群領域311は直角で交わってはおらず、また印刷用媒体の辺と平行ではないとする。
【0100】
領域規定点群領域311の内部には、第1実施形態で説明したとおり、2方向に所定の間隔で、領域規定点が規則的に並んでいる。よって、領域規定点群の規則性のみから領域規定点群を認識する領域規定点群認識処理部703では、規則性評価の方向を合わせる変更を行うことで、領域規定点群認識処理部703は正しく領域規定点を認識できる。このため、領域規定点群認識処理部703は一般の曲線や直線を境界線とした情報埋め込み単位領域301の座標を正しく読み取ることができる。
【0101】
また、情報スロット312も一般の曲線や直線を境界線としているが、この情報スロット312の配置は、領域規定点群領域311との相対位置によっており、情報スロット312の形状とは無関係である。このため、情報読み取り装置601にあらかじめ、情報埋め込み単位領域301内の情報スロット312の配置や形状を入力しておけば、情報読み取り装置601は情報スロット312の配置を認識することができ、座標を決定することができる。
【0102】
また、図13(b)は一般の曲線や直線を境界線とした情報点配置領域331の例である。この場合も、情報点配置領域331の配置は、情報スロット312との相対位置によっており、情報点配置領域331の形状とは無関係である。このため、情報読み取り装置601にあらかじめ、情報スロット312内の情報点配置領域331の配置や形状を入力しておけば、情報読み取り装置601は情報点配置領域331の配置を認識することができ、情報点配置領域331の座標を決定することができる。
【0103】
以上のように座標を決定できれば、他の変更は必要なく、実施可能となる。
【0104】
本実施形態による情報埋め込み単位領域は、印刷用媒体の形状に依存しないようにできるので、本実施形態を任意の形状の印刷用媒体に適用することが可能となる。
【0105】
本発明の第4実施形態を説明する(図2、図6などを適宜参照)。本発明の第4実施形態では、印刷媒体の色に応じて微小点の色を選択することを特徴とする。第4実施形態では、情報埋め込み装置201は、第1実施形態と比較して、印刷出力処理部226での処理が異なる。また、第4実施形態では、情報読み取り装置601は、第1実施形態と比較して、画像認識処理部612での処理が異なる。他の処理は第1実施形態と共通である。よって以下では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0106】
(印刷出力処理部226)
図14(a)は、本発明の第4実施形態にかかる印刷出力処理部226の処理フローを示した図である。第4実施形態では、印刷出力処理部226では、まず印刷用媒体読取処理部1401で、前記印刷用媒体213を読み取って前記印刷用媒体213の色を判別し、微小点色決定処理部1402で印刷色を決定して前記印刷色を指定した印刷色指定マップ1411を作成し、次に微小点カラー印刷処理部1403で、前記印刷色指定マップ1411に応じて前記微小点の色を変化させながら、前記印刷用媒体213に、前記文書画像212と前記微小点を印刷し、前記印刷文書232として出力する。
【0107】
(印刷用媒体読取処理部1401)
まず、印刷用媒体読取処理部1401では、前記印刷用媒体213を読み取る。具体的には、スキャナ114を用いて実現されるが、例えばデジタルカメラや、他の入力用機材であっても構わない。読み取った結果はデジタル画像として前記微小点色決定処理部1402に渡される。前記デジタル画像のフォーマットは、典型例としては24ビットRGBのbmp形式画像である。
【0108】
次に、印刷用媒体読取処理部1401では、印刷用媒体213の色を判別する。判別した結果の色は印刷用媒体213に対し単一である必要はなく、複数であってもよい。微小点色決定処理部の出力は、印刷文書232の大きさと同一の印刷用媒体色画像情報になる。
【0109】
印刷用媒体213の色を判別する方法としては、例えば読み取った前記印刷用媒体213の画像をそのまま、大きさのみを修正して出力する方法が挙げられる。ここで大きさの修正は、印刷文書232の大きさと同一となるよう、読み取った前記印刷用媒体213の画像の周辺部を切り落とすなどの方法で実現できる。他、印刷用媒体213の色を判別する方法として、例えばR、G、Bプレーンごとに、5×5画素の中央値フィルタを適用する方法や、全画素の中央値や平均値を全ての画素に代入し、単一色からなる画像を用いる方法が、挙げられる。
【0110】
(微小点色決定処理部1402)
微小点色決定処理部1402では、印刷色を決定し、前記印刷色を指定した印刷色指定マップ1411を作成する。印刷色指定マップ1411は、前記印刷用媒体色画像情報の、各画素の補色をとることで作成される。ここで、さらに各画素の濃度を例えば50%など薄くしてもよい。
【0111】
(微小点カラー印刷処理部1403)
微小点カラー印刷処理部1403では、前記印刷色指定マップ1411に応じて前記微小点の色を変化させながら、前記印刷用媒体213に、前記文書画像212と前記微小点を印刷し、前記印刷文書232として出力する。
【0112】
(画像認識処理部612)
本実施形態では、印刷文書232上の微小点は、印刷色指定マップ1411によって、1つ以上の色で記録されている。よって、画像認識処理部612では、1つ以上の色で記録された微小点に対応する必要がある。本実施形態における画像認識処理部612の処理フローを図14(b)に示すが、本実施形態における画像認識処理部612では、第1実施形態における画像認識処理部612で説明した各処理の前に、色フィルタ処理部1421が存在する。その他の処理は第1実施形態と共通である。
【0113】
(色フィルタ処理部1421)
色フィルタ処理部1421では、印刷文書画像データ621から、画素ごとに印刷用媒体の色を推定して印刷用媒体推定色とし、画素ごとに印刷文書画像データ621の前記印刷媒体推定色に関する輝度を求め、これを出力とする。
【0114】
前記印刷用媒体推定色は、印刷文書画像データ621に、例えば10×10画素の中央値フィルタを適用することによって推定できる。これは、微小点を含む10×10画素に対して中央値フィルタを適用しても、微小点の面積が5×5画素よりも小さいため、微小点部分は中央値フィルタの結果にならず、背景の印刷用媒体色を示す部分が中央値フィルタの結果になるためである。
【0115】
次に画素ごとに印刷文書画像データ621の前記印刷用媒体推定色に関する輝度を求める。これは以下のようにして実現される。まず、前記印刷用媒体推定色を、R、G、Bの色成分に分解し、(pR、pG、pB)とする。ただし、pRは前記印刷用媒体推定色中のR成分であり、最小値が0、最大値を255とする。pG、pBは同様にそれぞれG成分とB成分である。また、同様に、輝度を求める対象画素も、R、G、Bの色成分に分解し、(tR、tG、tB)とする。そして、含有率(tR/pR、tG/pG、tB/pB)を計算し、前記3つの含有率のうち最小値を、求める輝度とする。ただし、pR、pG、pBのいずれかが、例えば64以下など小さい場合や、(tR、tG、tB)から求められる輝度が例えば64以下など小さい場合は、(tR、tG、tB)から求められる輝度をそのまま求める輝度として出力する。ここで、(tR、tG、tB)から輝度Iを求める方法は、例えば、I=0.299×tR+0.587×tG+0.114×tBである。
【0116】
色フィルタ処理部1421の出力は、第1実施形態で既に説明した、文字・図形領域除外処理部701に入力され、以降の処理は第1実施形態と共通である。
【0117】
本実施形態によると、印刷用媒体が複数の色からなっているような場合でも、前記印刷用媒体に情報を埋め込み、また読み出すことが可能となる。
【0118】
また、本実施形態によると、印刷用媒体に模様を印刷したような場合でも、前記印刷用媒体に情報を埋め込み、また読み出すことが可能となる。よってポスターやカレンダーなどに本発明を適用可能となり、本発明が適用可能な印刷用媒体が多くなる。
【0119】
また、本実施形態によると、グラデーションが適用されている印刷用媒体にも、本発明を適用可能となる。このため、多くのイラストに対しても、本発明を適用可能となる。
【0120】
本発明の第5実施形態を説明する(図2、図6などを適宜参照)。本発明の第5実施形態では、微小点の色を情報埋め込み装置201に対して指定することを特徴とする。
【0121】
本実施形態における情報埋め込み装置201は、第4実施形態と比較して、印刷出力処理部226での処理が異なる。本実施形態における情報埋め込み装置201の他の処理は、第4実施形態と共通である。
【0122】
また、本実施形態における情報読み取り装置601は、第4実施形態と比較して、画像認識処理部612の処理が異なる。本実施形態における情報読み取り装置601の他の処理は、第4実施形態と共通である。
【0123】
以下では、第4実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0124】
(印刷出力処理部226)
本実施形態における印刷出力処理部226の処理フローを図15(a)に示す。本実施形態において、印刷出力処理部226では、まず印刷色指定マップ1411を印刷色指定マップ入力処理部で情報埋め込み装置201内に入力する。次に、印刷色指定マップ1411を第4実施形態と共通の微小点カラー印刷処理部1403に入力し、第4実施形態と共通の処理を行う。この結果、情報埋め込み装置201の外から微小点の印刷色を指定した印刷文書232が出力される。
【0125】
(画像認識処理部612)
本実施形態における画像認識処理部612の処理フローを図15(b)に示す。本実施形態は、第4実施形態における画像認識処理部612と比較すると、色フィルタ処理部1421の代わりに、印刷色フィルタ処理部1501がある点が異なる。他の処理は、第4実施形態と共通である。
【0126】
(印刷色フィルタ処理部1501)
印刷色フィルタ処理部1501は、まず印刷色指定マップ1411を情報読み取り装置601内に読み込む。次に、印刷文書画像データ621を受け取り、印刷文書画像データを、印刷色指定マップ1411に関する輝度になるように変更して、文字・図形領域除外処理部701に渡す。これ以降の処理は第4実施形態と共通である。
【0127】
印刷文書画像データ621を、印刷色指定マップ1411に関する輝度になるように変更するには、以下の処理を画素ごとに繰り返す。まず、印刷色指定マップ1411から、ある画素の印刷色を取得し、R、G、Bの色成分に分解し、(pR、pG、pB)とする。ただし、pRは前記画素の印刷色中のR成分であり、最小値が0、最大値を255とする。pG、pBは同様にそれぞれG成分とB成分である。また、同様に、輝度を求める対象画素も、R、G、Bの色成分に分解し、(tR、tG、tB)とする。そして、含有率(tR/pR、tG/pG、tB/pB)を計算し、前記3つの含有率のうち最小値を、求める輝度とする。ただし、pR、pG、pBのいずれかが、例えば64以下など小さい場合や、(tR、tG、tB)から求められる輝度が例えば64以下など小さい場合は、(tR、tG、tB)から求められる輝度をそのまま求める輝度として出力する。ここで、(tR、tG、tB)から輝度Iを求める方法は、例えば、I=0.299×tR+0.587×tG+0.114×tBである。
【0128】
本実施形態によると、図16のように、印刷文書や埋め込み情報のほかに、微小点を用いて他の情報を表現することが可能となる。なお、図16では、微小点の色の違いを、微小点の大きさで表現している。
【0129】
本実施形態は、例えば「複写禁止」や「社外秘」など、文書そのものではなく、その属性情報を表すような情報を表現したいといった要求を満たすことができる。また、画像を表現することも可能であるので、薄い画像を背景に表現したいといった場合に、利用できる。
【0130】
本発明の第6実施形態を説明する(図2、図6などを適宜参照)。本発明の第6実施形態では、情報埋め込み装置201による情報の埋め込み処理、および、情報読み取り装置601による情報の読み取り処理を具体的に説明する。
【0131】
図17を参照して、情報埋め込み装置201による情報の埋め込み処理を説明する。まず、情報点群決定処理部225は、領域枠内に情報点を配置する。図17においては、2つの領域枠(情報点を有する第1領域枠、情報点を有さない第2領域枠)と、1つの情報点とが示されている。なお、領域枠の中のどの位置に情報点を配置するかについては、1つの候補点(例えば領域枠内の中央)を常に選択するようにしてもよいし、複数の候補点(例えば領域枠内の上下左右)を択一的に選択するようにしてもよい。
【0132】
次に、領域規定点群決定処理部224は、領域枠生成規則により、領域枠を線に分割する。なお、領域枠生成規則は、例えば次に示す表であり、領域枠と、その領域枠を形成する線の集合とを対応づける規則である。
【表1】

【0133】
そして、領域規定点群決定処理部224は、線生成規則により、線上に領域点を配置する。なお、線生成規則は、例えば次に示す表であり、線と、その線を形成する点の集合とを対応づける規則である。
【表2】

【0134】
さらに、領域規定点群決定処理部224は、領域枠の線を削除し、領域点と情報点とを併せて、微小点の集合とする。つまり、微小点は、コンピュータには領域点か情報点かを分類可能であるが、外観上は同じ形状をしているので、人間の視覚からは分類が困難である点である。
【0135】
そして、印刷出力処理部226は、微小点を印刷する。ここで、印刷出力処理部226は、印刷用紙の色と微小点の色とを、同一ではないが類似する色を用いて、カラーで印刷してもよい。これにより、微小点は、人間の視覚からは認識が困難であるが、コンピュータには抽出が可能であるので、目立たなくすることができる。
【0136】
図18を参照して、情報読み取り装置601による情報の読み取り処理を説明する。まず、印刷文書入力処理部611は、印刷用媒体の印刷情報を読み取り、微小点の集合を認識する。
【0137】
次に、領域規定点群認識処理部703は、微小点の集合から線生成規則により、微小点を線にグループ化する。そして、領域規定点群認識処理部703は、線上の微小点を領域規定点とする。
【0138】
さらに、領域規定点群認識処理部703は、線の集合から領域枠生成規則により、線を領域枠にグループ化する。そして、情報点群認識処理部704は、領域規定点を除く点を、情報点とする。さらに、埋め込み情報出力処理部614は、領域枠内に位置する情報点を出力する。
【0139】
図19を参照して、情報読み取り装置601による情報の読み取り処理の別の一例を説明する。なお、領域規定点は、線生成規則により抽出された線上の微小点(図18参照)とする代わりに、領域枠生成規則により抽出された領域枠を構成する線上の微小点(図19参照)とする。
【0140】
微小点Aは、線生成規則では線上の点と判断されなかったが、領域枠生成規則では領域枠を構成する線(領域枠として補完された線)上の微小点であるので、領域規定点と判断される。微小点Bは、線生成規則では線上の点と判断されたが、領域枠生成規則では領域枠を構成する線ではない、領域枠に使用されない線上の微小点であるので、情報点と判断される。
【0141】
以上説明した、本発明の実施形態は、第1には、大量の情報を、人間の視覚上邪魔にならないよう、印刷用媒体213に埋め込む技術と、その技術を用いた情報埋め込み装置201と印刷用媒体213を提供する。
【0142】
情報埋め込み装置201は、印刷用媒体213に複数の微小点を配置することによって情報の記録を行う情報埋め込み装置201であって、印刷用媒体213において情報を埋め込む際の情報埋め込み単位領域の配置を規定する領域規定点群決定処理部224と、前記領域に配置されて埋め込まれる情報を表現する情報点群決定処理部225と、埋め込み情報入力処理部221と、印刷出力処理部226とからなる。前記領域規定点群決定処理部224は、前記領域規定点群の前記印刷用媒体213上の配置を、他の点群と区別可能であるよう定めた領域規定点群配置規則によって、決定し、前記埋め込み情報入力処理部は、埋め込む情報を入力情報として前記情報埋め込み装置内に入力し、前記情報点群決定処理部225は、入力情報が前記情報埋め込み単位領域に対する相対位置によって表現されるよう、前記情報点の前記印刷用媒体213上の配置を決定し、前記印刷出力処理部226は、共通の形状を持つ前記領域規定点群と前記情報点とを前記印刷用媒体213に印刷するものである。
【0143】
印刷用媒体213は、複数の微小点を配置したことによって情報を記録した印刷用媒体213であって、情報を埋め込んだ情報埋め込み単位領域の配置を規定する領域規定点群と、前記情報埋め込み単位領域に配置されて埋め込まれている情報を表現している情報点群とが、印刷されている。前記領域規定点群は、他の点群と区別可能であるよう定めた領域規定点群配置規則によって印刷用媒体213に配置されており、前記情報点群は、埋め込まれている情報を、前記情報埋め込み単位領域に対する相対位置によって表現する1つ以上の情報点からなり、前記領域規定点群と前記情報点群に含まれる個々の点は、共通の形状を持つものである。
【0144】
また、本発明の実施形態は、第2には、人間の視覚上邪魔にならないように印刷用媒体213に埋め込まれた大量の情報を読み出す技術と、その技術を用いた情報読み取り装置601を提供する。
【0145】
情報読み取り装置601は、印刷用媒体213に、共通の形状をもつ複数の微小点を配置することによって、情報の記録を行った印刷用媒体213から、埋め込まれた情報を読み取る情報読み取り装置601であって、前記共通の形状をもつ複数の微小点から、印刷用媒体213において情報埋め込み単位領域の配置を規定している領域規定点群を認識し、前記情報埋め込み単位領域の配置を読み取る領域規定点群認識処理部703と、前記共通の形状を持つ複数の微小点から、前記領域に配置されて埋め込まれている情報を表現している前記情報点群を認識し、前記埋め込み情報を読み取る情報点群認識処理部704と、埋め込み情報出力処理部614とを含む。前記領域規定点群認識処理部703は、前記領域規定点群を、他の点群と区別可能であるよう定めた領域規定点群配置規則によって他の点群と区別し、前記情報点群認識処理部704は、前記埋め込み情報を、情報点の前記情報埋め込み単位領域に対する相対位置によって認識するものである。
【0146】
本発明の実施形態によれば、以下に挙げるような効果が得られる。
【0147】
まず、情報埋め込み装置201は、微小な点を配置することによって情報の記録を行う。このため、印刷用媒体213に埋め込まれた情報を、視覚的に邪魔にならないようにできる。
【0148】
次に、情報埋め込み装置201は、領域規定点群と情報点群で共通の形状の微小点を用いる。このため、どちらかが目立つということがないようにでき、視覚的に邪魔にならないようにできる。
【0149】
そして、情報埋め込み装置201は、印刷用媒体213の、文字や絵などが印刷されていない部分に情報を埋め込む。このため、文字や絵などに情報を埋め込む一般の電子透かしと比較して、埋め込み情報量を大きくすることができる。
【0150】
さらに、情報埋め込み装置201は、微小な点を配置することによって情報の記録を行う。このため、埋め込める情報量を大きくできる。
【0151】
そして、情報埋め込み装置201は、領域規定点に微小点を用いる。よって、領域規定点の中心を高精度で合わせることが可能となり、安定した読み取りが可能となる。さらに、領域規定点が必要とする面積が小さく、領域規定点の面積によるオーバーヘッドを小さくできる。よって、情報点をより多く配置でき、埋め込める情報量を大きくできる。
【0152】
さらに、情報埋め込み装置201は、ロゴマークなどが印刷されている印刷用媒体213を活用することができる。ロゴマークなどは、視覚的な品質が重要で、かつ複雑な形状をしていないため電子透かしが適用しにくく、情報を埋め込みにくい。しかし、情報埋め込み装置201は、視覚的に邪魔にならないように情報を埋め込むことができ、かつ前記情報を読み出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】本発明の第1実施形態に関する一般的な計算機の構成を示す構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に関する情報埋め込み装置201の処理フローを示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施形態に関する情報埋め込み単位領域301と、領域規定点群領域311と、情報スロット312の構造を示す説明図である。
【図4】本発明の第1実施形態に関する情報スロット312にシンボルを割り当てた例を示す説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態に関する情報を挿入した印刷文書232の例を示す説明図である。
【図6】本発明の第1実施形態に関する情報読取装置601の処理フローを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態に関する画像認識処理部612の処理フローを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1実施形態に関する微小点情報認識処理部702の処理の具体例を示す説明図である。
【図9】本発明の第1実施形態に関する領域規定点群認識処理部703の処理フローを示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1実施形態に関する単体規則性評価処理部901における微小点存在期待領域1003と微小点非存在期待領域1002と、連続規則性評価処理部902における、右方向5連続規則性評価の例を示す説明図である。
【図11】本発明の第1実施形態に関する領域規定情報構成処理部904における、縦微小点列1102と、横微小点列1101の例を示す説明図である。
【図12】本発明の第1実施形態に関する情報点群認識処理部704において、領域規定情報713を用いて、情報埋め込み単位領域301の領域座標から、情報スロット312の微小点座標を求める方法を示す説明図である。
【図13】本発明の第3実施形態に関する情報埋め込み単位領域301と情報点配置領域331の例を示す説明図である。
【図14】本発明の第4実施形態に関する印刷出力部226と画像認識処理部612の処理フローを示すフローチャートである。
【図15】本発明の第5実施形態に関する印刷出力部226と画像認識処理部612の処理フローを示すフローチャートである。
【図16】本発明の第5実施形態に関する印刷文書232の例を示す説明図である。
【図17】本発明の第6実施形態に関する情報埋め込み装置201による情報の埋め込み処理の例を示す説明図である。
【図18】本発明の第6実施形態に関する情報読み取り装置601による情報の読み取り処理の例を示す説明図である。
【図19】本発明の第6実施形態に関する情報読み取り装置601による情報の読み取り処理の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0154】
101 CPU
102 メモリ
103 インターフェース
111 ネットワークインターフェース
112 キーボード
113 画面
114 スキャナ
115 プリンタ
116 ハードディスク
201 情報埋め込み装置
211 埋め込み情報
212 文書画像
213 印刷用媒体
221 埋め込み情報入力処理部
222 コード化処理部
223 文書画像入力処理部
224 領域規定点群決定処理部
225 情報点群決定処理部
226 印刷出力処理部
231 コード化情報
232 印刷文書
301 情報埋め込み単位領域
311 領域規定点群領域
312 情報スロット
321 領域規定点
322 領域規定格子点
331 情報点配置領域
401 情報点
501 拡大元
502 拡大図
601 情報読み取り装置
611 印刷文書入力処理部
612 画像認識処理部
613 情報デコード処理部
614 埋め込み情報出力処理部
621 印刷文書画像データ
622 読み取りコード化情報
623 読み取り情報
701 文字・図形領域除外処理部
702 微小点情報認識処理部
703 領域規定点群認識処理部
704 情報点群認識処理部
711 微小点領域
712 微小点情報
713 領域規定情報
901 単体規則性評価処理部
902 連続規則性評価処理部
903 領域規定格子候補点選択処理部
904 領域規定情報構成処理部
911 単体評価点
912 連続評価点
913 領域規定格子候補点
1001 単体規則性評価対象微小点
1002 微小点非存在期待領域
1003 微小点存在期待領域
1101 横微小点列
1102 縦微小点列
1401 印刷用媒体読取処理部
1402 微小点色決定処理部
1403 微小点カラー印刷処理部
1411 印刷色指定マップ
1421 色フィルタ処理部
1501 印刷色フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通の形状を有する複数の微小点を印刷用媒体に印刷することによって、埋め込み情報の記録を行う情報埋め込み装置であって、
前記微小点は、前記埋め込み情報を示す情報点、または、前記印刷用媒体において前記情報点を配置する領域を囲う領域枠を示す領域規定点のいずれかであり、
前記埋め込み情報を入力する埋め込み情報入力処理部と、
前記領域枠内に前記情報点を配置する情報点群決定処理部と、
前記領域枠と線とを対応づける第1規則により前記領域枠を線に分割し、線と点とを対応づける第2規則により前記領域枠の線上に前記領域規定点を配置する領域規定点群決定処理部と、
前記微小点を前記印刷用媒体に印刷して出力する印刷出力処理部と、を有すること
を特徴とする情報埋め込み装置。
【請求項2】
前記情報点群決定処理部は、前記情報点の個々の配置を、前記領域内の所定の範囲で定められた候補の中から択一的に選択することを特徴とする請求項1に記載の情報埋め込み装置。
【請求項3】
前記第2規則は、所定の誤差を許して等間隔に並んだ前記微小点からなる点列と、線とを対応づけることを特徴とする請求項1に記載の情報埋め込み装置。
【請求項4】
前記第2規則は、所定の誤差を許して直線状に配置される点列と、線とを対応づけることを特徴とする請求項1に記載の情報埋め込み装置。
【請求項5】
前記印刷出力処理部は、
前記印刷用媒体の色と、前記微小点の色とを、互いに類似する色として決定する前記微小点色決定処理部と、
前記微小点色決定処理部が決定した前記微小点の色に従って、前記微小点を前記印刷用媒体に印刷出力する前記微小点カラー印刷処理部と、を含むこと
を特徴とする請求項1に記載の情報埋め込み装置。
【請求項6】
共通の形状を有する複数の微小点が印刷された、埋め込み情報を記録した印刷用媒体であって、
前記微小点は、前記埋め込み情報を示す情報点、または、前記印刷用媒体において前記情報点を配置する領域を囲う領域枠を示す領域規定点のいずれかであり、
前記情報点は、前記領域枠内に配置された前記微小点であり、
前記領域規定点は、前記領域枠と線とを対応づける第1規則により前記領域枠が分割された線に対し、線と点とを対応づける第2規則により前記領域枠の線上に配置された前記微小点であること
を特徴とする印刷用媒体。
【請求項7】
前記印刷用媒体の色と、前記微小点の色とが、互いに類似した色で印刷されていることを特徴とする請求項6に記載の印刷用媒体。
【請求項8】
共通の形状を持つ複数の微小点が配置された印刷用媒体から、埋め込み情報を読み取る情報読み取り装置であって、
前記微小点は、前記埋め込み情報を示す情報点、または、前記印刷用媒体において前記情報点を配置する領域を囲う領域枠を示す領域規定点のいずれかであり、
前記印刷用媒体の前記微小点を含む印刷情報を印刷文書画像データとして読み込む印刷文書入力処理部と、
線と点とを対応づける第1規則により前記微小点群から線を抽出し、前記領域枠と線とを対応づける第2規則により抽出した線から前記領域枠を作成し、前記領域枠の線上の前記微小点を前記領域規定点として認識する領域規定点群認識処理部と、
前記印刷文書入力処理部が認識した前記微小点群から、前記領域規定点群認識処理部が認識した前記領域規定点を除く前記微小点を前記情報点とする情報点群認識処理部と、
前記情報点の前記埋め込み情報を出力する前記埋め込み情報出力処理部とを含むこと
を特徴とする情報読み取り装置。
【請求項9】
前記第1規則は、所定の誤差を許して等間隔に並んだ前記微小点からなる点列と、線とを対応づけることを特徴とする請求項8に記載の情報読み取り装置。
【請求項10】
前記第1規則は、所定の誤差を許して直線状に配置される点列と、線とを対応づけることを特徴とする請求項8に記載の情報読み取り装置。
【請求項11】
前記印刷文書入力処理部は、前記印刷用媒体の紙面を読み込み、
画素の集合ごとに、その集合において使われている頻度が多い多頻度色を決定し、
前記多頻度色に応じて前記微小点の期待色を決定し、
前記期待色の補色で前記印刷用媒体を照射したときの画素ごとの反射率の集合である反射率集合を、実際にあるいは計算上求め、
前記反射率集合を読み取り情報とすること
を特徴とする請求項8に記載の情報読み取り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−279640(P2006−279640A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−96782(P2005−96782)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】