説明

情報提供システム及び情報処理装置

【課題】異常レベルに応じて情報提供サービスの稼動の可否を選択することができる情報提供システム及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】判定部11は、処理部10の状態が、予め定められた複数の異なる異常レベルのいずれであるかを判定する。決定部12は、判定部11で判定した異常レベルを正常とするか異常とするかを決定する。判定部11は、決定部12で決定した結果に基づいて、情報中継装置1が正常であるか異常であるかを示すフラグを中央装置8へ送信する。中央装置8は、情報中継装置1から送信されたフラグに応じて、情報提供サービスの稼動の可否を判定する。中央装置8は、例えば、異常を示すフラグを受信した場合には、情報提供サービスの稼動を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等の安全運転や歩行者の安全などを支援するための情報提供サービスに供される情報提供システム及び該情報提供システムを構成する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の安全運転支援や歩行者の安全を支援するために、道路を走行する車両の情報や歩行者等の情報を検出し、あるいは交通信号機の信号情報などを用いて、車両の運転者に安全運転に有用な情報を提供する路車協調システムなどに関する技術が開発されている。
【0003】
例えば、中央装置、交通信号機、路上装置などを備え、中央装置は、各交差点がサービス交差点か否かを識別するための情報等を含むサービス交差点情報を複数の交通信号機へ送信する。そして、路上装置は、通信回線を介して接続された交通信号機からサービス交差点情報を受信し、車載機へ送信する。車載機は、サービス交差点情報に基づいて、サービス交差点の所在地を道路地図に重畳して報知情報を作成して運転者へ提供することにより、安全運転支援サービスを提供する情報提供システムが開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
上述のような情報提供システムでは、情報元装置である中央装置や交通信号機と、車載機と通信可能な路上装置との間の情報の中継を行う情報中継装置を備えている。情報中継装置は、いわゆる自己診断機能を備え、何らかの原因で自身が異常であると判定した場合には、異常であることを示すフラグを中央装置へ送信する。そして、中央装置は、情報中継装置の異常を検知した場合、すべての情報提供サービスの稼動を停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−112255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、情報中継装置の異常状態には様々なものがあり、異常レベル(異常の度合い)も個々の原因や事象に応じて異なる。また、このような情報提供システムが提供する情報提供サービスにも様々な種類のものが存在する。このため、仮に情報中継装置に異常が生じたとしても、影響のある情報提供サービスもあれば、影響のない情報提供サービスもあり、情報提供装置の異常時にすべての情報提供サービスの稼動を停止するのは、利用者にとって不便であった。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、異常レベルに応じて情報提供サービスの稼動の可否を選択することができる情報提供システム及び該情報提供システムを構成する情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明に係る情報提供システムは、情報を処理する処理部を有する情報処理装置と、前記処理部が正常であるか異常であるかに応じて前記情報を用いた情報提供サービスの稼動の可否を判定する判定装置とを備える情報提供システムにおいて、前記情報処理装置は、前記処理部が、予め定められた複数の異なる状態レベルのいずれであるかを判定する判定部と、該判定部で判定した状態レベルを正常とするか異常とするかを決定する決定部と、該決定部の決定結果に基づいて、正常又は異常の別を前記判定装置へ送信する送信部とを備え、前記判定装置は、前記情報部が異常である場合、前記情報提供サービスの稼動を停止するように構成してあることを特徴とする。
【0009】
第2発明に係る情報提供システムは、第1発明において、前記情報処理装置は、前記状態レベルのいずれかに対応する閾値を記憶する記憶部を備え、前記決定部は、前記判定部で判定した状態レベルが前記閾値以上である場合、異常であると決定するように構成してあることを特徴とする。
【0010】
第3発明に係る情報提供システムは、第1発明において、前記情報処理装置は、前記状態レベルのそれぞれが正常であるか又は異常であるかを対応付けた対応情報を記憶する記憶部を備え、前記決定部は、前記判定部で判定した状態レベル及び前記対応情報に基づいて正常又は異常の別を決定するように構成してあることを特徴とする。
【0011】
第4発明に係る情報処理装置は、正常又は異常の別を外部へ送信する送信部と、情報を処理する処理部とを備える情報処理装置において、前記処理部が、予め定められた複数の異なる状態レベルのいずれであるかを判定する判定部と、該判定部で判定した状態レベルを正常とするか異常とするかを決定する決定部とを備え、前記送信部は、前記決定部で決定した正常又は異常の別を外部へ送信するように構成してあることを特徴とする。
【0012】
第1発明及び第4発明にあっては、情報処理装置は、情報提供サービス用の情報を処理する処理部を有する。情報提供システムは、情報処理装置と、情報処理装置の処理部が正常であるか異常であるかに応じて情報提供サービスの稼動の可否を判定する判定装置とを備える。情報提供サービスは、道路状況や交通状況などに応じて様々なサービスを提供することができる。例えば、信号情報を提供する信号情報提供サービス、道路交通に関する規制内容を提供する規制情報提供サービス、道路上の障害物に関する情報を提供する障害物検知情報提供サービス、路面情報を提供する路面情報提供サービスなどを提供することができる。
【0013】
情報処理装置は、処理部の状態が、予め定められた複数の異なる状態レベルのいずれであるかを判定する判定部と、判定部で判定した状態レベルを正常とするか異常とするかを決定する決定部と、決定部の決定結果に基づいて、正常又は異常の別を判定装置へ送信する送信部とを備える。状態レベルは、例えば、異常の度合いに応じて、レベル1〜4のように4段階に区分けすることができる(例えば、状態レベル1が最も重大なレベル)。そして、例えば、状態レベルが1〜3までを「異常」とすべく予め定めておけば、自身の状態がレベル1〜3の場合に、情報処理装置は、「異常」を示すフラグ(例えば、「1」)を判定装置へ送信し、状態がレベル4の場合に、「正常」を示すフラグ(例えば、「0」)を判定装置へ送信する。このように、情報処理装置の処理部が「異常」であるとする状態レベルを選択することができるので、情報提供サービスの内容に応じて、その稼動の可否を選択することができ、すべての情報提供サービスの稼動を停止せざるを得ない事態を防止することができ、利用者の利便性が向上する。
【0014】
第2発明にあっては、情報処理装置は、状態レベルのいずれかに対応する閾値を記憶する記憶部を備え、決定部は、判定部で判定した状態レベルが閾値以上(異常のレベルが閾値で定めたレベル以上)である場合、異常であると決定する。例えば、状態レベルを異常の度合いに応じて、レベル1〜4のように4段階に区分けした場合に、異常レベルの閾値を3にしたときには、情報処理装置は、自身の状態がレベル1〜3の場合(閾値以上の場合)に、「異常」を示すフラグ(例えば、「1」)を判定装置へ送信し、状態がレベル4の場合に、「正常」を示すフラグ(例えば、「0」)を判定装置へ送信することができる。このように簡便な構成で「異常」とする状態レベルを選択することができる。
【0015】
第3発明にあっては、情報処理装置は、状態レベルのそれぞれが正常であるか又は異常であるかを対応付けた対応情報を記憶する記憶部を備え、決定部は、判定部で判定した状態レベル及び対応情報に基づいて正常又は異常の別を決定する。例えば、状態レベルを異常の度合いに応じて、レベル1〜4のように4段階に区分けした場合に、状態レベル1〜3に異常フラグ「1」を対応付け、状態レベル4に正常フラグ「0」を対応付けた対応情報を記憶しておく。情報処理装置は、処理部の状態がレベル1〜3の場合に、対応情報に基づいて「異常」を示すフラグ(例えば、「1」)を判定装置へ送信し、状態がレベル4の場合には、「正常」を示すフラグ(例えば、「0」)を判定装置へ送信することができる。このように簡便な構成で「異常」とする異常レベルを選択することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、情報提供サービスの内容に応じて、その稼動の可否を選択することができ、すべての情報提供サービスの稼動を停止せざるを得ない事態を防止することができ、利用者の利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】情報提供システムの一例を示す模式図である。
【図2】情報処理装置の一実施の形態である情報中継装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】処理部の異常レベルの一例を示す説明図である。
【図4】閾値による異常レベルの決定方法の一例を示す説明図である。
【図5】閾値による異常レベルの決定方法の他の例を示す説明図である。
【図6】異常対応情報による異常レベルの決定方法の一例を示す説明図である。
【図7】異常対応情報による異常レベルの決定方法の他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る情報処理装置及び情報提供システムの実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は情報提供システムの一例を示す模式図であり、図2は情報処理装置の一実施の形態である情報中継装置1の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、情報提供システムは、情報提供サービス用の情報を処理する情報処理装置としての情報中継装置1、交通信号制御機2、画像式の車両感知器4、光ビーコン5、6、情報提供サービスの稼動の可否を判定する判定装置としての中央装置8などを備えている。なお、上述の各装置の数や設置場所は、一例であって図1で示す例に限定されるものではない。
【0019】
図1に示すように、交差点の四隅付近には信号灯器3が設置され、各信号灯器3は交通信号制御機2により制御される。交通信号制御機2は、信号情報を出力することができる。信号情報は、例えば、各信号灯器3の現在ステップにおける残り表示時間及び将来ステップにおける表示時間などを、例えば2サイクル分含む。
【0020】
交差点付近には、画像式の車両感知器4を設置してあり、交差点に繋がる1つの道路の所要の領域及び交差点内の領域である感知領域40に存在する車両等を検知することができる。車両感知器4は、車両の存在、感知領域40に存在する車両の台数、車両の位置及び速度、車種、感知後の経過時間などの車両感知情報を出力することができる。なお、車両感知器4は、画像式に限定されるものではなく、超音波式など他の方式のものでもよい。
【0021】
上述の道路と交差点を間にして同一進行方向の他の道路には、交差点付近に光ビーコン5を、また交差点から適長距離だけ離れた地点に別の光ビーコン6を設置してある。光ビーコン5、6は、それぞれ通信領域50、60において車載機7と双方向の通信を行うことができる。すなわち、光ビーコン5、6を経由して車載機7へ情報提供サービスに応じた所要の情報が送信される。なお、光ビーコン6に代えて、電波ビーコン、DSRC(Dedicated Short Range Communication)、狭域の無線LAN通信装置などを用いることもできる。
【0022】
情報中継装置1は、交差点付近の適宜の場所に設置することができる。情報中継装置1は、交通管制センタなどに設置され情報提供サービスの稼動の可否の判定を行うための中央装置8、上述の交通信号制御機2、車両感知器4、及び光ビーコン5、6等と所定のインタフェース規格で接続される。なお、情報中継装置1は、別個の装置として設置することもできるが、交通信号制御機2や光ビーコン5、6に内蔵する構成としてもよい。
【0023】
情報中継装置1は、中央装置8、交通信号制御機2、車両感知器4などが出力する情報を、各光ビーコン5、6に割り当てられた情報提供サービスに応じて中継する。光ビーコン5、6は、情報中継装置1を経由して中継された情報を取得し、取得した情報を登録情報として記憶する。また、情報中継装置1は、光ビーコン5、6が出力する情報を中央装置8、交通信号制御機2などに中継する。
【0024】
中央装置8は、各光ビーコン5、6を経由して車載機7へ提供される情報提供サービスを、各光ビーコン5、6に対応付けして定めたシステム情報を送信する。中央装置8が送信したシステム情報は、情報中継装置1を経由して各光ビーコン5、6で受信される。各光ビーコン5、6は、受信したシステム情報で定められた情報提供サービスに応じて所要の情報を車載機7へ送信する。
【0025】
情報提供システムにより提供されるサービスは、例えば、信号情報を提供する信号情報提供サービス、道路交通に関する規制内容を提供する規制情報提供サービス、道路上の障害物に関する情報を提供する障害物検知情報提供サービス、路面情報を提供する路面情報提供サービスなどであるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
情報中継装置1は、自己診断機能を備え、自身(後述する処理部10)の状態が、予め定められた複数の異なる状態レベルのいずれであるかを判定する。情報中継装置1と中央装置8との間では、情報中継装置1の異常の有無を1ビットで定義されたフラグにより特定する。すなわち、情報中継装置1は、自身が異常であると判定した場合には、「異常」を示すフラグ(例えば、「1」)を中央装置8へ送信し、自身が正常であると判定した場合には、「正常」を示すフラグ(例えば、「0」)を中央装置8へ送信する。
【0027】
中央装置8は、情報中継装置1から送信されたフラグに応じて、情報提供サービスの稼動の可否を判定する。中央装置8は、例えば、異常を示すフラグを受信した場合には、情報提供サービスの稼動を停止する。
【0028】
図2に示すように、情報中継装置1は、情報提供用の情報を処理する処理部10、判定部11、決定部12、記憶部13などを備えている。処理部10は、情報中継装置1全体を制御する制御部101、及び中央装置8、車両感知器4、交通信号制御機2と光ビーコン5、6との間で情報を中継する中継部102などを備えている。
【0029】
判定部11は、処理部10の状態が、予め定められた複数の異なる状態レベルのいずれであるかを判定する。
【0030】
決定部12は、判定部11で判定した状態レベルを正常とするか異常とするかを決定する。
【0031】
判定部11は、決定部12で決定した結果に基づいて、情報中継装置1が正常であるか異常であるかを示すフラグを中央装置8へ送信する送信部としての機能を備える。
【0032】
記憶部13は、状態レベルのいずれかに対応する閾値を記憶する。また、記憶部13は、状態レベルのそれぞれが正常であるか又は異常であるかを対応付けた対応情報としての異常対応情報を記憶する。なお、記憶部13は、閾値又は異常対応情報の少なくとも1つを記憶しておけばよい。閾値と異常対応情報の詳細については後述する。
【0033】
次に、情報中継装置1が、自身(処理部10)が「異常」であるとする状態レベルをどのように選択するかについて説明する。図3は処理部10の異常レベルの一例を示す説明図である。状態レベルの中には、状況に応じて異常と判定される状態のものと、情報提供サービスの内容に応じて正常とみなしてもよい状態のもとが含まれる。以下の例では、状態レベルと異常レベルとは同じ意味をもつものとして説明する。すなわち、異常レベルがすべて異常と判定されるわけではなく、異常レベルの中にも正常と判定することができる状態が含まれる。
【0034】
異常レベル(状態レベル)は、例えば、異常の度合いに応じて、レベル1〜4のように4段階に区分けすることができる(例えば、異常レベル1が最も重大なレベル)。図3に示すように、異常レベル1は、制御部101のハードウエア異常を表わす。異常レベル2は、制御部101と中継部102との接続異常(例えば、接続断の状態)を表わす。異常レベル3は、制御部101等で使用する定数ファイルが存在しない場合を表わす。定数ファイルは、例えば、制御部101が所定の処理を行う際に参照するデータ等が含まれたファイルである。また、異常レベル4は、制御部101等で使用する定数ファイル内の定数範囲が異常である場合を表わす。定数範囲は、例えば、処理上の変数を比較する際に参照する閾値の範囲などを示すものである。なお、異常レベルの数や内容は一例であって、図3の例に限定されるものではない。
【0035】
図3の例で、例えば、異常レベルが1〜3までを「異常」とすべく予め定めておけば、判定部11で処理部10の異常状態がレベル1〜3のいずれかであると判定した場合には、判定部11は、「異常」を示すフラグ(例えば、「1」)を中央装置8へ送信する。また、判定部11で処理部10の異常状態がレベル4あると判定した場合には、判定部11は、「正常」を示すフラグ(例えば、「0」)を中央装置8へ送信する。このように、情報中継装置1が「異常」であるとするレベルを、異常レベルの1〜4のいずれかのレベル以上とするように選択することができるので、情報提供サービスの内容に応じて、その稼動の可否を選択することができ、画一的にすべての情報提供サービスの稼動を停止せざるを得ない事態を防止することができ、利用者の利便性が向上する。
【0036】
特に、情報中継装置1と中央装置との間において、情報中継装置1が正常であるか異常であるかを特定するフラグが1ビットであると規定され、画一的に正常又は異常の2通りしか特定することができないような制約下であっても、種々の異常レベルの中から、所要のレベルを異常レベルとして選択することができるので、要望や状況に応じて情報提供サービスを選択して、稼動の可否を判定又は決定することができる。
【0037】
図4は閾値による異常レベルの決定方法の一例を示す説明図である。図4に示す閾値テーブルは、記憶部13に記憶しておく。決定部12は、判定部11で判定した異常レベルが閾値以上(異常のレベルが閾値で定めたレベル以上、図4の例では3)である場合、異常であると決定する。例えば、上述のように、異常レベルを異常の度合いに応じて、レベル1〜4のように4段階に区分けした場合に、異常レベルの閾値を3にしたときには、決定部12は、処理部10の異常レベルが1〜3の場合(閾値3以上の場合)に、異常であると決定する。そして、判定部11は、「異常」を示すフラグ(例えば、「1」)を中央装置8へ送信する。
【0038】
また、決定部12は、処理部10の異常レベルが4の場合(閾値3未満の場合)に、正常であると決定する。そして、判定部11は、「正常」を示すフラグ(例えば、「0」)を中央装置8へ送信することができる。このように簡便な構成で「異常」とする異常レベルを選択することができる。
【0039】
図5は閾値による異常レベルの決定方法の他の例を示す説明図である。決定部12は、判定部11で判定した異常レベルが閾値以上(図5の例では、4)である場合、異常であると決定する。例えば、上述のように、異常レベルを異常の度合いに応じて、レベル1〜4のように4段階に区分けした場合に、異常レベルの閾値を4にしたときには、決定部12は、処理部10の異常レベルが1〜4の場合(閾値4以上の場合)に、異常であると決定する。そして、判定部11は、「異常」を示すフラグ(例えば、「1」)を中央装置8へ送信する。なお、同様に、閾値を1、2等にすることもできる。
【0040】
図6は異常対応情報による異常レベルの決定方法の一例を示す説明図である。図6に示す異常対応情報(対応情報)は、記憶部13に記憶しておく。図6に示すように、異常対応情報は、異常レベルのそれぞれが正常であるか又は異常であるかを対応付けたものである。決定部12は、判定部11で判定した異常レベル及び異常対応情報に基づいて正常又は異常の別を決定する。例えば、上述のとおり、異常レベルを異常の度合いに応じて、レベル1〜4のように4段階に区分けした場合に、異常レベル1〜3に異常フラグ「1」を対応付け、異常レベル4に正常フラグ「0」を対応付けた異常対応情報を記憶しておく。
【0041】
決定部12は、処理部10の異常レベルが1〜3の場合に、異常対応情報を参照して異常であると決定する。そして、判定部11は、「異常」を示すフラグ(例えば、「1」)を中央装置8へ送信する。また、決定部12は、処理部10の異常レベルが4の場合に、正常であると決定する。そして、判定部11は、「正常」を示すフラグ(例えば、「0」)を中央装置8へ送信することができる。このように簡便な構成で「異常」とする異常レベルを選択することができる。
【0042】
図7は異常対応情報による異常レベルの決定方法の他の例を示す説明図である。図7の例では、異常レベルを異常の度合いに応じて、レベル1〜4のように4段階に区分けした場合に、異常レベル1〜4に異常フラグ「1」を対応付けた異常対応情報を記憶しておく。
【0043】
この場合には、決定部12は、処理部10の異常レベルが1〜4の場合に、異常対応情報を参照して異常であると決定する。そして、判定部11は、「異常」を示すフラグ(例えば、「1」)を中央装置8へ送信する。このように簡便な構成で「異常」とする異常レベルを選択することができる。
【0044】
なお、各装置の設置場所や台数は図1の例に限定されるものではなく、道路状況、交通状況、情報提供の内容等に応じて、適宜変更することができる。また、信号灯器を備える交差点付近に限定されるものではなく、信号灯器がない交差点(優先道路と非優先道路が交差する地点)、道路の合流地点などにも各装置を設置することができる。また、情報提供の目的についても、追突防止、出合い頭衝突防止などのための情報を提供することができる。
【0045】
開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0046】
1 情報中継装置
2 交通信号制御機
4 車両感知器
5、6 光ビーコン
7 車載機
8 中央装置
10 処理部
101 制御部
102 中継部
11 判定部
12 決定部
13 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を処理する処理部を有する情報処理装置と、前記処理部が正常であるか異常であるかに応じて前記情報を用いた情報提供サービスの稼動の可否を判定する判定装置とを備える情報提供システムにおいて、
前記情報処理装置は、
前記処理部が、予め定められた複数の異なる状態レベルのいずれであるかを判定する判定部と、
該判定部で判定した状態レベルを正常とするか異常とするかを決定する決定部と、
該決定部の決定結果に基づいて、正常又は異常の別を前記判定装置へ送信する送信部と
を備え、
前記判定装置は、
前記情報部が異常である場合、前記情報提供サービスの稼動を停止するように構成してあることを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、
前記状態レベルのいずれかに対応する閾値を記憶する記憶部を備え、
前記決定部は、
前記判定部で判定した状態レベルが前記閾値以上である場合、異常であると決定するように構成してあることを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、
前記状態レベルのそれぞれが正常であるか又は異常であるかを対応付けた対応情報を記憶する記憶部を備え、
前記決定部は、
前記判定部で判定した状態レベル及び前記対応情報に基づいて正常又は異常の別を決定するように構成してあることを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項4】
正常又は異常の別を外部へ送信する送信部と、情報を処理する処理部とを備える情報処理装置において、
前記処理部が、予め定められた複数の異なる状態レベルのいずれであるかを判定する判定部と、
該判定部で判定した状態レベルを正常とするか異常とするかを決定する決定部と
を備え、
前記送信部は、
前記決定部で決定した正常又は異常の別を外部へ送信するように構成してあることを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−39607(P2011−39607A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−183805(P2009−183805)
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】