情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラム
【課題】 発表内容を自動的に充実すること。
【解決手段】 MFPは、発表用データを表示するために出力する表示制御部(S09)と、発表用データの部分を特定する指示を受け付ける特定指示受付部(S10)と、特定指示により特定された特定部分に関連する関連情報を検索する関連情報検索部(S11)と、発表用データを特定部分に関連する関連情報を抽出可能な送信用データに変換する変換部(S12)と、送信用データを送信する送信部(S13)と、を備える。
【解決手段】 MFPは、発表用データを表示するために出力する表示制御部(S09)と、発表用データの部分を特定する指示を受け付ける特定指示受付部(S10)と、特定指示により特定された特定部分に関連する関連情報を検索する関連情報検索部(S11)と、発表用データを特定部分に関連する関連情報を抽出可能な送信用データに変換する変換部(S12)と、送信用データを送信する送信部(S13)と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムに関し、特に、会議等で発表する資料の画像を送信する情報提供装置、情報提供方法およびその情報提供方法をコンピュータに実行させるための情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
会議等において、説明用の資料の画像をスクリーンに映し出し、説明することがなされている。近年は、コンピュータに表示装置としてのプロジェクタ等を接続し、説明用の資料をコンピュータに記憶させておき、コンピュータが出力する資料の画像をプロジェクタに表示させることが多い。
【0003】
また、説明者が、説明の途中で表示された画像中で強調したい文字等に、レーザーポインタ等を用いて、下線またはハッチング等を付して強調表示する技術が知られている(例えば、特許文献1、2)。一般的に、説明者が表示された画像中で強調表示する部分は重要な意味を示している場合が多く、強調表示することにより理解しやすく説明することができる。
【0004】
しかしながら、説明を聞く者の中には、強調表示される部分の意味がわからない者や、より詳しい情報の取得を望む者がいる場合がある。したがって、従来の技術は、説明者が説明しやすい資料を表示することはできるが、説明を聞く者が要求する資料を提供することはできないといった問題があった。
【特許文献1】特開2007−86962号公報
【特許文献2】特開2001−125738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、発表用の資料を自動的に充実することが可能な情報提供装置を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、発表用の資料を自動的に充実することが可能な情報提供方法を提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、発表用の資料を自動的に充実することが可能な情報提供プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明のある局面によれば、情報提供装置は、発表用データを表示するために出力する表示手段と、出力された発表用データの部分を特定する指示を受け付ける特定指示受付手段と、特定指示により特定された特定部分に関連する関連情報を検索する関連情報検索手段と、発表用データを特定部分に関連する関連情報を抽出可能な送信用データに変換する変換手段と、送信用データを送信する送信手段と、を備える。
【0009】
この局面に従えば、発表用データが表示され、発表用データの部分を特定する指示が受け付けられると、特定指示により特定された特定部分に関連する関連情報が検索され、発表用データが特定部分に関連する関連情報を抽出可能な送信用データに変換され、送信用データが送信される。このため、送信用データから特定部分に関連する関連情報が抽出可能となるので、発表用データの内容を自動的に充実させることができる。また、送信用データは関連情報を抽出可能なので、必要な場合だけ関連情報を抽出することができる。その結果、発表用の資料を自動的に充実することが可能な情報提供装置を提供することができる。
【0010】
好ましくは、変換手段は、関連情報が関連付けられていることを示す案内画像を発表用データに追加する画像追加手段を含む。
【0011】
好ましくは、変換手段は、予め定められた処理を実行するためのコマンドと、該コマンドを実行するための指示を受け付けるための指示画像とを発表用データに追加するコマンド追加手段をさらに含む。
【0012】
好ましくは、コマンド追加手段は、案内画像が指示されることに応じて指示画像を表示するコマンドを発表用データにさらに追加する。
【0013】
好ましくは、関連情報検索手段は、特定指示が受け付けられることに応じて、特定部分に関連する関連情報を検索する。
【0014】
好ましくは、関連情報検索手段は、出力された発表用データの表示が終了した後に関連情報を検索する。
【0015】
好ましくは、関連情報検索手段は、特定部分に含まれる文字列で予め定められた辞書データベースを検索する語彙検索手段を含む。
【0016】
好ましくは、関連情報検索手段は、特定部分に含まれる文字列を含むデータを検索する文字列検索手段を含む。
【0017】
この発明の他の局面に従えば、情報提供方法は、発表用データを表示するために出力するステップと、出力された発表用データの部分を特定する指示を受け付けるステップと、受け付けられた特定指示により特定される特定部分に関連する関連情報を検索するステップと、発表用データを特定部分に関連情報を関連付けた送信用データに変換するステップと、送信用データを送信するステップと、を含む。
【0018】
この局面に従えば、発表用の資料を自動的に充実することが可能な情報提供方法を提供することができる。
【0019】
この発明のさらに他の局面によれば、情報提供プログラムは、発表用データを表示するために出力するステップと、出力された発表用データの部分を特定する指示を受け付けるステップと、受け付けられた特定指示により特定される特定部分に関連する関連情報を検索するステップと、発表用データを特定部分に関連情報を関連付けた送信用データに変換するステップと、送信用データを送信するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0020】
この局面に従えば、発表用の資料を自動的に充実することが可能な情報提供プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部材には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける会議システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、会議システム1は、それぞれがネットワーク2に接続された情報提供装置としてのMFP(Multi Function Peripheral)100と、プロジェクタ200と、複数のパーソナルコンピュータ(以下「PC」という)300,300A〜300Fと、ビデオカメラ400と、が設置される。ここでは、発表者がPC300を操作して、プロジェクタ200に資料の画像を投影させるとともに、参加者が操作するPC300A〜300Fに資料を送信し、参加者がプロジェクタ200により投影された画像と、PC300A〜300Fにより表示される画像とを閲覧する場合を例に説明する。
【0023】
ネットワーク2は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク2は、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0024】
なお、ここでは1つの会議室で発表する場合を例に説明するが、いわゆるテレビ会議システムとして周知の技術を用いて、物理的に離れた複数の空間に存在する参加者間で会議を開催するようにしてもよい。この場合には、プロジェクタ200に加えて、それが配置される空間と物理的に離れた空間に別のプロジェクタを配置し、プロジェクタ200に表示するのと同じ画像を別のプロジェクタに表示させる。
【0025】
プロジェクタ200は、ネットワーク2を介してMFP100と通信可能であり、MFP100から受信される画像を表示する。プロジェクタ200は、液晶表示装置、レンズおよび光源を備え、外部から入力されるデータを表示する。光源から発せられる光は、液晶表示装置を透過し、レンズを介して外部に照射される。投影部から照射される光が、スクリーンに照射されると、液晶表示装置に表示された画像を拡大した画像がスクリーンに映し出される。なお、反射率の高い面であれば、壁などを利用することができ、その場合にはスクリーンを設置する必要はない。なお、ここでは、プロジェクタ200を例に説明するが、液晶表示装置(LCD)または有機ELD(Electroluminescence Display)等のディスプレイであってもよい。
【0026】
ビデオカメラ400は、被写体を撮像し、撮像した動画像を、ネットワーク2を介してMFP100に送信する。本実施の形態における会議システム1においては、ビデオカメラ400の画角は、プロジェクタ200により投影面となるスクリーンに投影される画像に合わせられ、スクリーンに投影された画像を被写体として撮像する。このため、MFP100は、プロジェクタ200によりスクリーンに投影される画像を撮像した動画像を取得する。
【0027】
PC300,300A〜300Fは、一般的なコンピュータであり、MFP100と通信するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。
【0028】
MFP100は、原稿を読取るためのスキャナ装置、画像データに基づいて紙などの記録媒体に画像を形成するための画像形成装置およびファクシミリ装置を含み、画像読取機能、複写機能、ファクシミリ送受信機能を備えている。なお、本実施の形態においては情報提供装置の一例としてMFP100を例に説明するが、MFP100に代えて、画像データを送受信する機能を備えていれば、例えば、スキャナ、プリンタ、ファクシミリ、コンピュータ等であってもよい。
【0029】
図2は、MFPの外観を示す斜視図である。図3は、MFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2および図3を参照して、MFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する静止画像を用紙等に形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、ユーザインターフェースとしての操作パネル160と、を含む。メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、ファクシミリ部117と、フラッシュメモリ118Aが装着されるカードインターフェース(I/F)118とを含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0030】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる静止画像を一時的に記憶する。
【0031】
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられ、表示部160Aと操作部160Bとを含む。表示部160Aは、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electroluminescence Display)等の表示装置であり、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部160Bは、複数のキーを備え、キーに対応するユーザの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部160Bは、表示部160A上に設けられたタッチパネルをさらに含む。
【0032】
通信I/F部112は、MFP100をネットワーク2に接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介してPC300,300A〜300F、プロジェクタ200およびビデオカメラ400との間で通信し、データを送受信する。また、通信I/F部112は、ネットワーク2を介してインターネットに接続されたコンピュータと通信が可能である。
【0033】
ファクシミリ部117は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNに接続されたファクシミリ装置にファクシミリデータを送信する、またはファクシミリ装置からファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部117は、受信したファクシミリデータを、HDD116に記憶する、または画像形成部140に出力する。画像形成部140は、ファクシミリ部117により受信されたファクシミリデータを用紙に印刷する。また、ファクシミリ部117は、HDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0034】
カードI/F118は、フラッシュメモリ118Aが装着される。CPU111は、カードI/F118を介してフラッシュメモリ118Aにアクセス可能である。CPU111は、カードI/F118に装着されたフラッシュメモリ118Aに記録された情報提供プログラムをRAM114にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムを記憶する記憶媒体としては、フラッシュメモリ118Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc−ROM)/MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROMなどの半導体メモリ等でもよい。また、CPU111が実行するプログラムは、フラッシュメモリ118Aに記憶されたプログラムに限られず、HDD116に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワーク2に接続された他のコンピュータが、MFP100のHDD116に記憶されたプログラムを書換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワーク2に接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD116に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0035】
PC300,300A〜300Fの構成および機能は同じなので、ここではPC300を例に説明する。図4は、PCのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図4を参照して、PC300は、それぞれがバス308に接続され、PC300の全体を制御するためのCPU301と、CPU301が実行するプログラム等を記憶するためのROM302と、CPU301の作業領域として用いられるRAM303と、PC300をネットワークに接続するためのネットワークI/F304と、大容量記憶装置としてのHDD305と、表示部306と、ユーザの操作の入力を受け付ける操作部307と、外部記憶装置309と、を含む。
【0036】
外部記憶装置309は、プログラムを記憶したCD−ROM309Aが装着される。CPU301は、外部記憶装置309を介してCD−ROM309Aに記憶されたプログラムをRAM303にロードし、実行する。なお、プログラムを記憶する記憶媒体としては、CD−ROM309Aに限られず、上述した記憶媒体でもよい。また、HDD305に記憶されたプログラムをRAM303にロードして実行するようにしてもよい。この場合、PC300が、ネットワーク2に接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD305に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU301が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0037】
本実施の形態においては、会議の発表者が発表用の資料の発表用データを、MFP100に記憶させ、MFP100をPC300で遠隔操作して、MFP100に発表用データをプロジェクタ200に表示させる。発表用データは、MFP100が読み取り可能であれば、そのフォーマットは限定されない。ここでは、発表用データが、複数のページを含む場合を例に説明する。
【0038】
MFP100は、ウェブサーバとして機能し、MFP100を遠隔操作するためのWebページをPC300からの要求により送信し、PC300から受け付けるコマンドに従って、予め記憶された発表用データのうちから指定されたページの画像をプロジェクタ200に送信する。これにより、プロジェクタ200は、MFP100から受信されたページの画像を表示する。なお、プロジェクタに発表用データを送信しておき、MFP100からページ送りまたは戻し指示などを送信するようにしてもよい。この場合には、プロジェクタ200が発表用データに対応するアプリケーションプログラムがインストールされていれば、発表用データの画像を生成できるので、MFP100に発表用データに対応するアプリケーションプログラムをイントールする必要はない。
【0039】
一方、会議の参加者は、PC300A〜300Fを操作して、PC300A〜300Fに発表用データをMFP100から受信させ、表示させることにより、発表用データの画像を閲覧することができる。
【0040】
図5は、MFPが備えるCPUが有する機能の一例をHDDに記憶される情報とともに示す機能ブロック図である。図5を参照して、MFP100が備えるCPU111は、発表用データを表示するためにプロジェクタ200に出力する表示制御部51と、発表用データの一部を特定する特定指示を受け付ける特定指示受付部53と、特定指示により特定される特定部分に関連する関連情報を検索する関連情報検索部55と、特定部分に関連情報を関連付けた送信用データに発表用データを変換する変換部57と、送信用データを送信する送信部59と、コマンドを受け付けるコマンド受付部61と、コマンドを実行するコマンド実行部63と、を含む。
【0041】
HDD116には、発表用データ91が記憶される。発表用データは、ここでは、発表者が操作するPC300から送信され、通信I/F部112により受信され、HDD116に記憶される。ユーザが、予めPC300において発表用データを生成し、PC300を操作してMFP200に送信するコマンドをPC300に入力すれば、PC300からMFP200に発表用データが送信される。発表用データ91のフォーマットは限定されないが、ここでは、発表用データが、複数ページを含む画像データである場合を例に説明する。
【0042】
表示制御部51は、HDD116に記憶されている発表用データ91を読み出し、ページごとに、通信I/F部112を介してプロジェクタ200に送信するとともに、プロジェクタ200に送信しているページを識別するためのページ識別情報を特定指示受付部53に出力する。表示制御部51は、PC300に発表者が入力する操作に従ってプロジェクタ200に送信するページを特定する。具体的には、発表用データ91に含まれる複数のページのいずれかの指定を受け付けるためのWebページを、通信I/F部112を介してPC300に送信し、発表者がPC300に表示されるWebページに従って、ページを指定する操作をPC300に入力すれば、PC300からユーザにより指定されたページを特定するためのページ識別情報としてページ番号を通信I/F部112が受信する。表示制御部51は、受信されたページ番号のページをプロジェクタ200に送信する。これにより、発表用データに含まれる複数ページのうちMFP100から送信されたページの画像がプロジェクタ200によりスクリーンに投影され、表示される。
【0043】
特定指示受付部53は、プロジェクタ200により表示されているページの画像の一部分を特定する特定指示を受け付ける。具体的には、特定指示受付部53は、ビデオカメラ400から送信される動画像を解析し、発表者がレーザーポインタ等でスクリーンを指示する位置を検出すると、特定指示を受け付ける。特定指示は、動画像を解析することにより検出されたページの画像中の位置を示す位置情報を含む。動画像の解析は、例えば、動画像に含まれる複数のフレームのうち異なる時刻の複数のフレームを比較して、レーザーポインタで指示された位置を特定する。特定指示受付部53は、特定指示を受け付けると、スクリーンに表示されている画像のうちで特定指示により特定される位置の部分を特定部分に決定する。そして、表示制御部51によりプロジェクタ200に出力されているページの特定部分に対応する画像を文字認識する。さらに、特定指示受付部53は、特定指示を変換部57に出力するとともに、文字認識により認識された文字列を関連情報検索部55および変換部57に出力する。
【0044】
なお、プロジェクタ200またはPC300がビデオカメラ400で撮像された動画像に基づいて、プロジェクタ200により投影された画像の部分を特定する機能を有する場合、プロジェクタ200またはPC300から特定指示を受け付けるようにしてもよい。
【0045】
関連情報検索部55は、特定指示受付部53から文字列が入力されると、その文字列に関連する関連情報を検索する。より具体的に説明すると、関連情報検索部55は、語彙検索部71と、文字列検索部73とを含む。語彙検索部71は、特定指示受付部53から入力される文字列で予め定められた辞書データベースを検索し、検索により抽出された辞書情報を特定部分と関連付けた関連情報としてHDD116に記憶する。具体的には、関連情報は、辞書情報と特定部分の文字列とを含む。これにより、HDD116に関連情報93が記憶される。予め定められた辞書データベースは、HDD116に記憶されたデータベースであってもよいし、ネットワーク2を介して接続されるインターネットに接続されたコンピュータに記憶されているデータベースであってもよい。
【0046】
文字列検索部73は、特定指示受付部53から入力される文字列で、HDD116に予め記憶された文書データを検索し、検索により抽出された文書データを関連文書とし、関連文書を特定部分と関連付けた関連情報としてHDD116に記憶する。これにより、HDD116に関連情報93が記憶される。具体的には、関連情報は、関連文書と特定部分の文字列とを含む。関連文書は、特定指示受付部53から入力される文字列を、ファイル名の少なくとも一部または文書自体に含むデータである。なお、特定指示受付部53から入力される文字列でインターネットに接続された検索サイトにおいて検索させ、検索サイトにおいて抽出されたウェブページを関連文書としてもよい。検索サイトにおける検索により抽出される関連文書は、特定指示受付部53から入力される文字列を含むウェブページである。
【0047】
変換部57は、発表用データを、関連情報検索部55により検索された関連情報を抽出可能な送信用データに変換する。より具体的に説明すると、変換部57は、画像追加部75と、コマンド追加部77とを含む。画像追加部75は、発表用データの特定指示受付部53より入力される特定部分に案内画像を追加する。案内画像は、発表用データの特定部分に含まれる文字列を他の文字列よりも強調するための画像であり、例えば、下線または文字列を囲む矩形の画像であり、特定部分を修飾するための画像である。ここでは案内画像を文字列を囲む矩形の画像としている。
【0048】
コマンド追加部77は、予め定められた処理をMFP100に実行させるための遠隔操作コマンドと、その遠隔操作コマンドを実行させるための指示を受け付けるための指示画像とを発表用データに追加する。指示画像と遠隔操作コマンドとの組み合わせは、例えば、エイリアスである。遠隔操作コマンドは、指示画像を表示するコンピュータにおいて、指示画像がユーザにより指示されることに応じて実行される。遠隔操作コマンドが実行されると、その遠隔操作コマンドを実行するコンピュータは、遠隔操作コマンドに含まれる実行コマンドをMFP100に送信する。実行コマンドを受信するMFP100においては、受信された実行コマンドに対応して予め定められた処理を実行する。
【0049】
実行コマンドは、ここでは、辞書情報を取得する処理を実行するための辞書検索コマンド、関連文書を取得する処理を実行するための関連文書検索コマンド、発表用データをプリントする処理を実行するためのプリントコマンド、発表用データを送信する処理を実行するための送信コマンド、および発表者に特定部分の文字列の意味を問い合わせる処理を実行するための問合せコマンドを含む。
【0050】
辞書検索コマンドを含む遠隔操作コマンドは、特定部分に含まれる文字列をさらに含み、遠隔操作コマンドに対応する指示画像に、その指示画像が指示されると遠隔操作コマンドが実行されるように関連付けられる。この遠隔操作コマンドが実行されると、実行コマンドとしての辞書検索コマンドと特定部分に含まれる文字列とをMFP100に送信し、MFP100から受信される辞書情報を表示する処理が実行される。
【0051】
関連文書検索コマンドを含む遠隔操作コマンドは、特定部分に含まれる文字列をさらに含み、遠隔操作コマンドに対応する指示画像に、その指示画像が指示されると遠隔操作コマンドが実行されるように関連付けられる。この遠隔操作コマンドが実行されると、実行コマンドとしての関連文書検索コマンドと特定部分に含まれる文字列とをMFP100に送信し、MFP100から受信される関連文書を表示する処理が実行される。
【0052】
プリントコマンドを含む遠隔操作コマンドは、特定部分を含むページを識別するためのページ番号をさらに含み、遠隔操作コマンドに対応する指示画像に、その指示画像が指示されると遠隔操作コマンドが実行されるように関連付けられる。この遠隔操作コマンドが実行されると、実行コマンドとしてのプリントコマンドとページ番号とをMFP100に送信する。これにより、MFP100に発表用データをプリントさせる。
【0053】
送信コマンドを含む遠隔操作コマンドは、特定部分を含むページを識別するためのページ番号をさらに含み、遠隔操作コマンドに対応する指示画像に、その指示画像が指示されると遠隔操作コマンドが実行されるように関連付けられる。この遠隔操作コマンドが実行されると、実行コマンドとしての送信コマンドとページ番号とをMFP100に送信する。これにより、MFP100に発表用データを送信させる。
【0054】
問合せコマンドを含む遠隔操作コマンドは、特定部分をさらに含み、遠隔操作コマンドに対応する指示画像に、その指示画像が指示されると遠隔操作コマンドが実行されるように関連付けられる。この遠隔操作コマンドが実行されると、実行コマンドとしての問合せコマンドと、特定部分とをMFP100に送信する。これにより、MFP100に、発表用データの特定部分を問い合わせる電子メールが、発表者に送信される。
【0055】
また、コマンド追加部77は、案内画像が指示されることに応じて、指示画像を表示するための表示コマンドを発表用データに追加する。表示コマンドは、案内画像を表示するコンピュータにおいて、案内画像がユーザにより指示されることに応じて実行される。表示コマンドが実行されると、その表示コマンドを実行するコンピュータは、指示画像を表示する。ここでは、辞書検索コマンド、関連文書検索コマンド、プリントコマンド、送信コマンド、および問合せコマンドをそれぞれ送信するための5つの遠隔操作コマンドにそれぞれ対応する5つの指示画像を表示する。
【0056】
変換部57は、発表用データ91に、案内画像と、5つの遠隔操作コマンドと、5つの遠隔操作コマンドそれぞれに対応する指示画像と、表示コマンドとの組を特定部分ごとに追加した送信用データを生成し、送信用データを送信部59に出力する。送信用データは、発表用データの特定部分に案内画像が追加されており、送信用データを表示するコンピュータにおいて、送信用画像が表示されると、案内画像が表示される。そして、そのコンピュータにおいてユーザにより案内画像が指示されると、そのコンピュータにより表示コマンドが実行されて5つの指示画像が表示される。さらに、5つの指示画像のうち辞書検索コマンドを含む遠隔操作コマンドと関連付けられた指示画像、または、関連文書検索コマンドを含む遠隔操作コマンドと関連付けられた指示画像が指示されると、特定部分に含まれる文字列を含む辞書情報、または、特定部分に含まれる文字列をファイル名または文書自体に含む関連文書が表示される。このため、送信用データは、発表用データに含まれる特定部分に関連する辞書情報または関連文書を抽出可能なデータである。
【0057】
送信部59は、送信用データを、参加者が操作するPC300A〜300Fに、通信I/F部112を介してそれぞれ送信する。送信部59は、ユーザがPC300A〜PC300Fのいずれかを操作し、遠隔操作でMFP100にログインした時点で、ログインしているユーザを識別するためのユーザ識別情報と、そのユーザが操作する装置の装置識別情報とを関連付けて記憶する。そして、送信部59は、PC300A〜300Fのうちでログインしているユーザが操作するものに、送信用データを送信する。これにより、PC300A〜300Fのうちで、ログインしているユーザが操作するPCにおいて、送信用データを表示可能となる。
【0058】
図6は、送信用データの表示態様の一例を示す第1の図である。図6を参照して、送信用データのあるページの画像を含む画面501は、送信用データに含まれる文字列と、案内画像503とを含む。案内画像503は、発表者により指示された送信データ中の特定部分を示す。ここでは、案内画像503は、特定部分を囲む矩形の画像としており、「GPL」の文字列を含む画像部分が特定部分に該当することを示している。
【0059】
図7は、送信用データの表示態様の一例を示す第2の図である。図7に示す画面501Aは、図6に示した画面501において、マウスポインタ507が案内画像503と重なるようにユーザにより操作された後の画面を示し、案内画像503がユーザにより指示された状態を示している。画面501Aは、図6に示した画面501に加えて、5つの指示画像511〜515を含む。すなわち、案内画像503がユーザによりマウスポインタで指示されると、5つの指示画像511〜515が表示される。
【0060】
ここでは、参加者がPC300Aを操作し、送信用データを表示する場合を例に説明する。指示画像511は、辞書情報を取得する処理を実行するための辞書検索コマンドをMFP100に実行させるための遠隔操作コマンドと関連付けられており、指示画像511が指示されると、それに関連付けられた遠隔操作コマンドが実行される。この遠隔操作コマンドを実行するPC300Aは、辞書検索コマンドをMFP100に送信し、MFP100から受信される辞書情報を表示する。辞書検索コマンドをMFP100に実行させるための遠隔操作コマンドは、案内画像503により特定される特定部分に含まれる文字列を含む。
【0061】
指示画像512は、関連文書を取得する処理を実行するための関連文書検索コマンドをMFP100に実行させるための遠隔操作コマンドと関連付けられており、指示画像512が指示されると、それに関連付けられた遠隔操作コマンドが実行される。この遠隔操作コマンドを実行するPC300Aは、関連文書検索コマンドをMFP100に送信し、MFP100から受信される関連文書を表示する。関連文書コマンドをMFP100に実行させるための遠隔操作コマンドは、案内画像503により特定される特定部分に含まれる文字列を含む。
【0062】
指示画像513は、発表用データをプリントする処理を実行するためのプリントコマンドをMFP100に実行させるための遠隔操作コマンドと関連付けられており、指示画像513が指示されると、それに関連付けられた遠隔操作コマンドが実行される。この遠隔操作コマンドを実行するPC300Aは、プリントコマンドをMFP100に送信し、MFP100に発表用データをプリントさせる。プリントコマンドをMFP100に実行させるための遠隔操作コマンドは、送信用データに含まれる複数のページのうち特定部分を含むページを識別するためのページ番号を含む。これにより、MFP100により発表用データの特定部分を含むページの画像が用紙にプリントされる。
【0063】
指示画像514は、発表用データを送信する処理を実行するための送信コマンドをMFP100に実行させるための遠隔操作コマンドと関連付けられており、指示画像514が指示されると、それに関連付けられた遠隔操作コマンドが実行される。この遠隔操作コマンドを実行するPC300Aは、送信コマンドをMFP100に送信し、MFP100に発表用データを送信させる。送信コマンドをMFP100に実行させるための遠隔操作コマンドは、送信用データに含まれる複数のページのうち特定部分を含むページを識別するためのページ番号を含む。これにより、MFP100により発表用データの特定部分を含むページを添付した電子メールが送信される。
【0064】
指示画像515は、発表者に特定部分の文字列の意味を問い合わせる処理を実行するための問合せコマンドをMFP100に実行させるための遠隔操作コマンドと関連付けられており、指示画像515が指示されると、それに関連付けられた遠隔操作コマンドが実行される。この遠隔操作コマンドを実行するPC300Aは、問合せコマンドをMFP100に送信し、MFP100に発表者に問い合わせするための電子メールを送信させる。問合せコマンドをMFP100に実行させるための遠隔操作コマンドは、送信用データの特定部分に含まれる文字列を含む。これにより、MFP100により、発表用データの特定部分に含まれる文字列と、その文字列の意味を問い合わせる文書とを含み、発表者に割り当てられた送信先アドレスを宛先に設定した電子メールが生成され、送信される。
【0065】
図5に戻って、送信部59がPC300A〜300Fそれぞれに、送信用データを送信すると、PC300A〜300Fのいずれかにより、送信用データに含まれる5つの遠隔操作コマンドのいずれかが実行される場合がある。この場合、辞書検索コマンド、関連文書検索コマンド、送信コマンド、プリントコマンドまたは問合せコマンドのいずれかの実行コマンドが送信される。コマンド受付部61は、通信I/F部112がPC300A〜300Fのいずれかから辞書検索コマンド、関連文書検索コマンド、プリントコマンド、送信コマンドおよび問合せコマンドのいずれかの実行コマンドを受信すると、通信I/F部112から、PC300A〜300Fのうち実行コマンドを送信してきたものを識別するための装置識別情報と、受信された実行コマンドとを受け付ける。コマンド受付部61は、装置識別情報と受信された実行コマンドとの組をコマンド実行部63に出力する。
【0066】
コマンド実行部63は、コマンド受付部61から実行コマンドが入力されることに応じて、その実行コマンドに従って処理を実行する。コマンド実行部63は、辞書検索コマンドが入力される場合、辞書検索コマンドに含まれる特定部分に含まれる文字列で、HDD116に記憶されている関連情報93のうち辞書情報を検索する。そして、特定部分に含まれる文字列と関連付けられた辞書情報を抽出し、抽出された辞書情報を、PC300A〜300Fのうち辞書検索コマンドとともに入力される装置識別情報で特定されるものに、通信I/F部112を介して送信する。
【0067】
コマンド実行部63は、関連文書検索コマンドが入力される場合、関連文書検索コマンドに含まれる特定部分に含まれる文字列で、HDD116に記憶されている関連情報93のうち関連文書を検索する。そして、特定部分に含まれる文字列と関連付けられた関連文書を抽出し、抽出された関連文書を、PC300A〜300Fのうち関連文書検索コマンドとともに入力される装置識別情報で特定されるものに、通信I/F部112を介して送信する。
【0068】
コマンド実行部63は、プリントコマンドが入力される場合、発表用データに含まれる複数のページのうちプリントコマンドに含まれるページ識別情報で特定されるページの画像を、画像形成部140にプリントさせる。
【0069】
コマンド実行部63は、送信コマンドが入力される場合、発表用データに含まれる複数のページのうち送信コマンドに含まれるページ識別情報で特定されるページの画像を含み、PC300A〜300Fのうち送信コマンドを送信してきたものを操作するユーザに割り当てられた電子メールアドレスを送信先のアドレスに設定した電子メールを生成し、送信する。
【0070】
コマンド実行部64は、問合せコマンドが入力される場合、問合せコマンドに含まれる特定部分に含まれる文字列を含み、発表者に割り当てられた電子メールアドレスを送信先のアドレスに設定し、PC300A〜300Fのうち問合せコマンドを送信してきたものを操作するユーザに割り当てられた電子メールアドレスを送信元のアドレスに設定した電子メールを生成し、送信する。
【0071】
図8は、情報提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。情報提供処理は、MFP100が備えるCPU111が情報提供プログラムを実行することによりCPU111により実行される処理である。図8を参照して、CPU111は、ユーザのログインを受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。ログインを受け付けたならば(ステップS01でYES)、処理をステップS02に進めるが、そうでなければ(ステップS01でNO)、処理をステップS07に進める。具体的には、PC300,300A〜300Fのいずれか1つからログインの要求を受け付け、認証が成功すれば処理をステップS02に進める。以下、ログインを受け付けて認証されたユーザをログインユーザという。また、ここでは、発表者がPC300を操作し、参加者がPC300A〜300Fを操作する場合を説明する。
【0072】
ステップS02においては、発表用データを受信したか否かを判断する。発表用データを受信したならば処理をステップS03に進め、そうでなければ処理をステップS05に進める。処理をステップS03に進める場合、受信されたデータをHDD116に記憶し(ステップS03)、ログインユーザを発表者に設定する(ステップS04)。すなわち、PC300から発表者がMFP100にログインする操作をする場合、ステップS01〜ステップS04の処理が実行される。ステップS04においては、発表者を識別するためのユーザ識別情報と、PC300の装置識別情報とを関連付けて記憶する。
【0073】
ステップS05においては、ログインユーザが会議の参加者か否かを判断する。予め会議の参加者をMFP100に登録しておくようにし、ログインユーザが参加者として登録されているか否かを判断する。参加者として登録されているならば処理をステップS06に進め、そうでなければステップS06をスキップして、処理をステップS07に進める。
【0074】
ステップS06においては、ログインユーザを参加者に設定する。例えば、参加者がPC300Aを操作し、MFP100にログインする操作をする場合、ステップS01、ステップS05およびステップS06の処理が実行される。ステップS06においては、参加者を識別するためのユーザ識別情報と、PC300Aの装置識別情報とを関連付けて記憶する。
【0075】
ステップS07においては、表示指示を受け付けたか否かを判断する。表示指示を受け付けたならば処理をステップS08に進めるが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。具体的には、発表者に設定されたユーザが操作するPC300から表示を指示するための表示指示が、通信I/F部112によって受信されたならば、表示指示を受け付ける。すなわち、ステップS04が実行されて、発表者のユーザ識別情報が記憶されていることを条件に、表示指示を受け付ける。なお、ここでは、発表者がログインし(ステップS02でYES)、表示指示を受け付けた後は(ステップS07でYES)、参加者によるログインを受け付けないようにしているが、表示指示を受け付けた後に(ステップS07でYES)、参加者によるログインを受け付けてもよい。参加者によるログインを受け付ける場合、ステップS06と同じ処理が実行され、ログインした参加者のユーザ識別情報と、その参加者が操作するPCの装置識別情報とを関連付けて記憶する。
【0076】
ステップS08においては、ステップS03において記憶された発表用データの第1ページを処理対象に設定し、処理をステップS09に進める。ステップS09においては、処理対象ページをプロジェクタ200に表示させるために、通信I/F部112を介してプロジェクタ200に送信する。これにより、プロジェクタ200によって発表用データの第1ページが投影される。
【0077】
次のステップS10においては、特定指示を受け付けたか否かを判断する。具体的には、ビデオカメラ400から受信される動画像を解析し、ユーザがレーザーポインタで指示した位置を検出したか否かを判断する。レーザーポインタによる指示を検出したならば、その指示された位置に対応する第1ページの特定部分を特定する。次のステップS11においては、関連情報検索処理を実行する。関連情報検索処理についてはその詳細を後述するが、ステップS10において受け付けられた特定指示により特定される特定部分に含まれる文字列に基づいて関連情報を検索する処理である。
【0078】
次のステップS12においては、変換処理を実行する。変換処理についてはその詳細を後述するが、発表用データを、特定部分に関連する関連情報を抽出可能な送信用データに変換する処理である。
【0079】
次のステップS13においては、ステップS12において発表用データを変換した送信用データを、PC300A〜300FのうちステップS06において参加者に設定されたユーザが使用するものに送信する。これにより、参加者は、操作するPCにおいて送信用データを表示させることができる。
【0080】
次のステップS14においては、ページ変更指示を受け付けたか否かを判断する。ページ変更指示を受け付けたならば処理をステップS15に進めるが、そうでなければ処理をステップS16に進める。具体的には、発表者に設定されたユーザが操作するPC300からページを変更するためのページ変更指示が、通信I/F部112によって受信されたならばページ変更指示を受け付ける。ステップS15においては、処理対象に設定されているページの次のページを新たに処理対象に設定し、処理をステップS09に戻す。
【0081】
ステップS16においては、会議が終了したか否かを判断する。会議が終了したと判断する場合は処理を終了し、そうでなければ処理をステップS10に戻す。具体的には、発表者に設定されたユーザが操作するPC300から会議の終了を示す指示が通信I/F部112によって受信されたならば、会議終了指示を受け付ける。
【0082】
なお、上述した情報提供処理においては、特定指示を受け付けると(ステップS10)、発表用データを送信用データに変換し(ステップS13)、送信用データを送信する(ステップS13)ようにしたが、ページ変更指示が受け付けられた後(ステップS14でYES)、または、会議終了指示が受け付けられた後(ステップS16でYES)、発表用データを送信用データに変換し(ステップS12)、送信用データを送信する(ステップS13)ようにしてもよい。
【0083】
図9は、関連情報検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。関連情報検索処理は、図8のステップS11において実行される処理である。図9を参照して、まず、処理対象に設定されているページの特定部分の画像に含まれる文字を判別する(ステップS21)。従来周知の文字認識処理を実行することにより、画像に含まれる文字を判別する。
【0084】
次のステップS22においては、ステップS21において判別された文字列を用いて、HDD116に予め記憶される辞書データベースを検索する。そして、検索により辞書情報が抽出されたか否かを判断する(ステップS23)。辞書情報が抽出されたならば処理をステップS24に進め、そうでなければステップS24をスキップして処理をステップS25に進める。ステップS24においては、抽出された辞書情報と特定部分に含まれる文字列とを含む関連情報をHDD116に記憶し、処理をステップS25に進める。
【0085】
ステップS25においては、ステップS21において判別された文字列を用いて、HDD116に予め記憶された文書を検索し、検索により抽出された関連文書と特定部分に含まれる文字列とを含む関連情報をHDD116に記憶し(ステップS26、S27)、処理を情報提供処理に戻す。
【0086】
図10は、変換処理の流れの一例を示すフローチャートである。変換処理は、図8のステップS12において実行される処理である。図10を参照して、ステップS31においては、HDD116に記憶されている関連情報93のうちから特定部分に関連する関連情報を抽出する。上述した関連情報検索処理によって、関連情報がHDD116に記憶されているので、HDD116に記憶された関連情報のうちから特定部分に含まれる文字列を含む関連情報を抽出する。
【0087】
次のステップS32においては、抽出された関連情報のうちに辞書情報が含まれるか否かを判断する。辞書情報が含まれるならば処理をステップS33に進めるが、そうでなければステップS33をスキップして処理をステップS34に進める。ステップS33においては意味アイコンを生成し、処理をステップS34に進める。意味アイコンは、辞書検索コマンドと関連付けられ、辞書検索コマンドを実行させるための指示画像である。辞書検索コマンドは、特定部分の画像に含まれる文字列を含む。
【0088】
次のステップS34においては、抽出された関連情報のうちに関連文書が含まれるか否かを判断する。関連文書が含まれるならば処理をステップS35に進めるが、そうでなければステップS35をスキップして処理をステップS36に進める。ステップS35においては、関連文書アイコンを生成し、処理をステップS36に進める。関連文書アイコンは、関連文書検索コマンドと関連付けられ、関連文書検索コマンドを実行させるための指示画像である。関連文書検索コマンドは、特定部分の画像に含まれる文字列を含む。
【0089】
次のステップS36においては、印刷アイコン、送信アイコンおよび問合せアイコンを生成する。印刷アイコンは、プリントコマンドと関連付けられ、プリントコマンドを実行させるための指示画像である。送信アイコンは、送信コマンドと関連付けられ、送信コマンドを実行させるための指示画像である。問合せアイコンは、問合せコマンドと関連付けられ、問合せコマンドを実行させるための指示画像である。
【0090】
そして、発表用データの特定部分に案内画像を追加する(ステップS37)。案内画像は、ここでは特定部分を囲う矩形の画像である。次のステップS38においては、ステップS33、ステップS35およびステップS36において生成された意味アイコン、関連文書アイコン、印刷アイコン、送信アイコンおよび問合せアイコンを表示するための表示コマンドを案内画像に関連付け、処理を情報提供処理に戻す。表示コマンドは、案内画像が指示されると、意味アイコン、関連文書アイコン、印刷アイコン、送信アイコンおよび問合せアイコンを表示させるコマンドである。
【0091】
図11は、コマンド実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。コマンド実行処理は、MFP100が備えるCPU111が情報提供プログラムを実行することによりCPU111により実行される処理である。図11を参照して、CPU111は、実行コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS41)。通信I/F部112がPC300A〜300Fのうち参加者が操作するものから実行コマンドを受信したか否かを判断する。実行コマンドを受信するまで待機状態となり(ステップS41でNO)、実行コマンドを受信したならば処理をステップS42に進める。すなわち、コマンド実行処理は、通信I/F部112がPC300A〜300Fのうち参加者が操作するものから実行コマンドを受信することを条件に実行される処理である。
【0092】
次のステップS42においては、実行コマンドの種類によって処理を分岐させる。受信されたコマンドが辞書検索コマンドならば処理をステップS43に進め、関連文書検索コマンドならば処理をステップS45に進め、プリントコマンドならば処理をステップS47に進め、送信コマンドをならば処理をステップS49に進め、問合せコマンドならば処理をステップS51に進める。
【0093】
ステップS43においては、HDD116に記憶されている関連情報93を検索し、辞書検索コマンドに含まれる文字列を含む関連情報93を抽出し、抽出された関連情報93のうちから辞書情報を抽出する(ステップS43)。そして、抽出された辞書情報を、PC300A〜300Fのうち辞書検索コマンドを送信してきたものに送信し(ステップS44)、処理を終了する。
【0094】
ステップS45においては、HDD116に記憶されている関連情報93を検索し、関連文書コマンドに含まれる文字列を含む関連情報93を抽出し、抽出された関連情報93のうちから関連文書を抽出する(ステップS45)。そして、抽出された関連文書を、PC300A〜300Fのうち関連文書検索コマンドを送信してきたものに送信する(ステップS46)。
【0095】
ステップS47においては、発表用ページに含まれる複数のページのうちから送信コマンドに含まれるページ番号で特定されるページを抽出する。そして、抽出されたページを画像形成部140にプリントさせ(ステップS48)、処理を終了する。
【0096】
ステップS49においては、発表用ページに含まれる複数のページのうちから送信コマンドに含まれるページ番号で特定されるページを抽出する。そして、抽出されたページを含み、PC300A〜300Fのうち辞書検索コマンドを送信してきたものを操作するログインユーザに割り当てられた電子メールアドレスを宛先に設定した電子メールを生成し、送信し(ステップS50)、処理を終了する。
【0097】
ステップS51においては、問合せコマンドとともに受信される特定部分に含まれる文字列を含み、PC300A〜300Fのうち問合せコマンドを送信してきたものを操作するログインユーザに割り当てられた電子メールアドレスを送信元に設定し、発表者に割り当てられた電子メールアドレスを宛先に設定した電子メールを生成する(ステップS51)。そして、生成された電子メールを送信し(ステップS52)、処理を終了する。
【0098】
以上説明したように本実施の形態における会議システム1において、MFP100は、発表用データをプロジェクタ200に表示させる一方、発表者による発表用データの特定部分を特定する特定指示が受け付けられると、特定指示により特定された特定部分に関連する辞書情報および関連文書等の関連情報を検索し、発表用データを特定部分に関連する関連情報を抽出可能な送信用データに変換し、送信用データを参加者が操作するPC300A〜300Fに送信する。このため、送信用データから特定部分に関連する関連情報が抽出可能となるので、発表用データの内容を自動的に充実させることができる。また、例えばPC300Aを操作する参加者は、関連情報を閲覧したいときにのみ、指示画像を指示すればよいので、必要なときにのみ関連情報を閲覧することができる。逆に、必要ないときは、関連情報が表示されないので、強制的に不要な情報が表示される場合の煩わしさから開放される。
【0099】
また、送信用データは、特定部分に関連情報が関連付けられていることを示す案内画像を含むので、例えば、PC300Aにおいて送信用データが表示されると、ユーザが特定した部分を強調して表示することができるとともに、その部分の関連情報を抽出可能になるので、操作が容易となる。
【0100】
また、送信用データは、予め定められた処理を実行するためのコマンドと、該コマンドを実行するための指示を受け付けるための指示画像と、案内画像が指示されることに応じて指示画像を表示するコマンドとがさらに発表用データに追加されるので、関連情報を抽出するための操作が容易となる。
【0101】
また、特定指示が受け付けられることに応じて、特定部分に関連する関連情報が検索され、送信用データが送信される。このため、発表者が特定部分を特定してすぐに関連情報が抽出可能となり、関連情報を閲覧するタイミングを速くすることができる。
【0102】
また、発表用データのページの表示が終了した後に関連情報が検索され、送信用データが送信されるので、特定部分が複数の場合であっても、発表用データを送信用データに変換する処理を1回すればよい。このため、特定部分が複数の場合における処理速度を早くすることができる。
【0103】
なお、上述した実施の形態においては、情報提供装置の一例としてのMFP100について説明したが、図8〜図11に示した処理を実行するための情報提供方法およびその情報提供方法をコンピュータに実行させるための情報提供プログラムとして発明を捉えることができるのは、言うまでもない。
【0104】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<付記>
(1) 前記コマンドは、前記関連情報を表示するためのコマンドを含む、請求項3に記載の情報提供装置。
(2) 前記コマンドは、前記関連情報の一覧を表示するためのコマンドを含む、請求項3に記載の情報提供装置。
(3) 前記コマンドは、前記発表用データのうち前記特定部分を含む部分をプリントするためのコマンドを含む、請求項3に記載の情報提供装置。
(4) 前記コマンドは、前記発表用データのうち前記特定部分を含む部分を送信するためのコマンドを含む、請求項3に記載の情報提供装置。
(5) 前記コマンドは、前記発表用データにより定まる宛先アドレスに電子メールを送信するためのコマンドを含む、請求項3に記載の情報提供装置。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の実施の形態の1つにおける会議システムの全体概要を示す図である。
【図2】MFPの外観を示す斜視図である。
【図3】MFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】PCのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図6】送信用データの表示態様の一例を示す第1の図である。
【図7】送信用データの表示態様の一例を示す第2の図である。
【図8】情報提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】関連情報検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】変換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】コマンド実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0106】
1 会議システム、51 表示制御部、53 特定指示受付部、55 関連情報検索部、57 変換部、59 送信部、61 コマンド受付部、63 コマンド実行部、64 コマンド実行部、71 語彙検索部、73 文字列検索部、75 画像追加部、77 コマンド追加部、91 発表用データ、93 関連情報、100 MFP、110 メイン回路、111 CPU、112 通信I/F部、116 HDD、118 カードI/F、118A フラッシュメモリ、130 原稿読取部、140 画像形成部、160 操作パネル、160A 表示部、160B 操作部、200 プロジェクタ、300,300A〜300F PC、301 CPU、302 ROM、303 RAM、304 ネットワークI/F、305 HDD、306 表示部、307 操作部、308 バス、309 外部記憶装置、400 ビデオカメラ、503 案内画像、511〜515 指示画像。
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムに関し、特に、会議等で発表する資料の画像を送信する情報提供装置、情報提供方法およびその情報提供方法をコンピュータに実行させるための情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
会議等において、説明用の資料の画像をスクリーンに映し出し、説明することがなされている。近年は、コンピュータに表示装置としてのプロジェクタ等を接続し、説明用の資料をコンピュータに記憶させておき、コンピュータが出力する資料の画像をプロジェクタに表示させることが多い。
【0003】
また、説明者が、説明の途中で表示された画像中で強調したい文字等に、レーザーポインタ等を用いて、下線またはハッチング等を付して強調表示する技術が知られている(例えば、特許文献1、2)。一般的に、説明者が表示された画像中で強調表示する部分は重要な意味を示している場合が多く、強調表示することにより理解しやすく説明することができる。
【0004】
しかしながら、説明を聞く者の中には、強調表示される部分の意味がわからない者や、より詳しい情報の取得を望む者がいる場合がある。したがって、従来の技術は、説明者が説明しやすい資料を表示することはできるが、説明を聞く者が要求する資料を提供することはできないといった問題があった。
【特許文献1】特開2007−86962号公報
【特許文献2】特開2001−125738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、発表用の資料を自動的に充実することが可能な情報提供装置を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、発表用の資料を自動的に充実することが可能な情報提供方法を提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、発表用の資料を自動的に充実することが可能な情報提供プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明のある局面によれば、情報提供装置は、発表用データを表示するために出力する表示手段と、出力された発表用データの部分を特定する指示を受け付ける特定指示受付手段と、特定指示により特定された特定部分に関連する関連情報を検索する関連情報検索手段と、発表用データを特定部分に関連する関連情報を抽出可能な送信用データに変換する変換手段と、送信用データを送信する送信手段と、を備える。
【0009】
この局面に従えば、発表用データが表示され、発表用データの部分を特定する指示が受け付けられると、特定指示により特定された特定部分に関連する関連情報が検索され、発表用データが特定部分に関連する関連情報を抽出可能な送信用データに変換され、送信用データが送信される。このため、送信用データから特定部分に関連する関連情報が抽出可能となるので、発表用データの内容を自動的に充実させることができる。また、送信用データは関連情報を抽出可能なので、必要な場合だけ関連情報を抽出することができる。その結果、発表用の資料を自動的に充実することが可能な情報提供装置を提供することができる。
【0010】
好ましくは、変換手段は、関連情報が関連付けられていることを示す案内画像を発表用データに追加する画像追加手段を含む。
【0011】
好ましくは、変換手段は、予め定められた処理を実行するためのコマンドと、該コマンドを実行するための指示を受け付けるための指示画像とを発表用データに追加するコマンド追加手段をさらに含む。
【0012】
好ましくは、コマンド追加手段は、案内画像が指示されることに応じて指示画像を表示するコマンドを発表用データにさらに追加する。
【0013】
好ましくは、関連情報検索手段は、特定指示が受け付けられることに応じて、特定部分に関連する関連情報を検索する。
【0014】
好ましくは、関連情報検索手段は、出力された発表用データの表示が終了した後に関連情報を検索する。
【0015】
好ましくは、関連情報検索手段は、特定部分に含まれる文字列で予め定められた辞書データベースを検索する語彙検索手段を含む。
【0016】
好ましくは、関連情報検索手段は、特定部分に含まれる文字列を含むデータを検索する文字列検索手段を含む。
【0017】
この発明の他の局面に従えば、情報提供方法は、発表用データを表示するために出力するステップと、出力された発表用データの部分を特定する指示を受け付けるステップと、受け付けられた特定指示により特定される特定部分に関連する関連情報を検索するステップと、発表用データを特定部分に関連情報を関連付けた送信用データに変換するステップと、送信用データを送信するステップと、を含む。
【0018】
この局面に従えば、発表用の資料を自動的に充実することが可能な情報提供方法を提供することができる。
【0019】
この発明のさらに他の局面によれば、情報提供プログラムは、発表用データを表示するために出力するステップと、出力された発表用データの部分を特定する指示を受け付けるステップと、受け付けられた特定指示により特定される特定部分に関連する関連情報を検索するステップと、発表用データを特定部分に関連情報を関連付けた送信用データに変換するステップと、送信用データを送信するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0020】
この局面に従えば、発表用の資料を自動的に充実することが可能な情報提供プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部材には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける会議システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、会議システム1は、それぞれがネットワーク2に接続された情報提供装置としてのMFP(Multi Function Peripheral)100と、プロジェクタ200と、複数のパーソナルコンピュータ(以下「PC」という)300,300A〜300Fと、ビデオカメラ400と、が設置される。ここでは、発表者がPC300を操作して、プロジェクタ200に資料の画像を投影させるとともに、参加者が操作するPC300A〜300Fに資料を送信し、参加者がプロジェクタ200により投影された画像と、PC300A〜300Fにより表示される画像とを閲覧する場合を例に説明する。
【0023】
ネットワーク2は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク2は、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0024】
なお、ここでは1つの会議室で発表する場合を例に説明するが、いわゆるテレビ会議システムとして周知の技術を用いて、物理的に離れた複数の空間に存在する参加者間で会議を開催するようにしてもよい。この場合には、プロジェクタ200に加えて、それが配置される空間と物理的に離れた空間に別のプロジェクタを配置し、プロジェクタ200に表示するのと同じ画像を別のプロジェクタに表示させる。
【0025】
プロジェクタ200は、ネットワーク2を介してMFP100と通信可能であり、MFP100から受信される画像を表示する。プロジェクタ200は、液晶表示装置、レンズおよび光源を備え、外部から入力されるデータを表示する。光源から発せられる光は、液晶表示装置を透過し、レンズを介して外部に照射される。投影部から照射される光が、スクリーンに照射されると、液晶表示装置に表示された画像を拡大した画像がスクリーンに映し出される。なお、反射率の高い面であれば、壁などを利用することができ、その場合にはスクリーンを設置する必要はない。なお、ここでは、プロジェクタ200を例に説明するが、液晶表示装置(LCD)または有機ELD(Electroluminescence Display)等のディスプレイであってもよい。
【0026】
ビデオカメラ400は、被写体を撮像し、撮像した動画像を、ネットワーク2を介してMFP100に送信する。本実施の形態における会議システム1においては、ビデオカメラ400の画角は、プロジェクタ200により投影面となるスクリーンに投影される画像に合わせられ、スクリーンに投影された画像を被写体として撮像する。このため、MFP100は、プロジェクタ200によりスクリーンに投影される画像を撮像した動画像を取得する。
【0027】
PC300,300A〜300Fは、一般的なコンピュータであり、MFP100と通信するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。
【0028】
MFP100は、原稿を読取るためのスキャナ装置、画像データに基づいて紙などの記録媒体に画像を形成するための画像形成装置およびファクシミリ装置を含み、画像読取機能、複写機能、ファクシミリ送受信機能を備えている。なお、本実施の形態においては情報提供装置の一例としてMFP100を例に説明するが、MFP100に代えて、画像データを送受信する機能を備えていれば、例えば、スキャナ、プリンタ、ファクシミリ、コンピュータ等であってもよい。
【0029】
図2は、MFPの外観を示す斜視図である。図3は、MFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2および図3を参照して、MFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する静止画像を用紙等に形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、ユーザインターフェースとしての操作パネル160と、を含む。メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、ファクシミリ部117と、フラッシュメモリ118Aが装着されるカードインターフェース(I/F)118とを含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0030】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる静止画像を一時的に記憶する。
【0031】
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられ、表示部160Aと操作部160Bとを含む。表示部160Aは、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electroluminescence Display)等の表示装置であり、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部160Bは、複数のキーを備え、キーに対応するユーザの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部160Bは、表示部160A上に設けられたタッチパネルをさらに含む。
【0032】
通信I/F部112は、MFP100をネットワーク2に接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介してPC300,300A〜300F、プロジェクタ200およびビデオカメラ400との間で通信し、データを送受信する。また、通信I/F部112は、ネットワーク2を介してインターネットに接続されたコンピュータと通信が可能である。
【0033】
ファクシミリ部117は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNに接続されたファクシミリ装置にファクシミリデータを送信する、またはファクシミリ装置からファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部117は、受信したファクシミリデータを、HDD116に記憶する、または画像形成部140に出力する。画像形成部140は、ファクシミリ部117により受信されたファクシミリデータを用紙に印刷する。また、ファクシミリ部117は、HDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0034】
カードI/F118は、フラッシュメモリ118Aが装着される。CPU111は、カードI/F118を介してフラッシュメモリ118Aにアクセス可能である。CPU111は、カードI/F118に装着されたフラッシュメモリ118Aに記録された情報提供プログラムをRAM114にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムを記憶する記憶媒体としては、フラッシュメモリ118Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc−ROM)/MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROMなどの半導体メモリ等でもよい。また、CPU111が実行するプログラムは、フラッシュメモリ118Aに記憶されたプログラムに限られず、HDD116に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワーク2に接続された他のコンピュータが、MFP100のHDD116に記憶されたプログラムを書換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワーク2に接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD116に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0035】
PC300,300A〜300Fの構成および機能は同じなので、ここではPC300を例に説明する。図4は、PCのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図4を参照して、PC300は、それぞれがバス308に接続され、PC300の全体を制御するためのCPU301と、CPU301が実行するプログラム等を記憶するためのROM302と、CPU301の作業領域として用いられるRAM303と、PC300をネットワークに接続するためのネットワークI/F304と、大容量記憶装置としてのHDD305と、表示部306と、ユーザの操作の入力を受け付ける操作部307と、外部記憶装置309と、を含む。
【0036】
外部記憶装置309は、プログラムを記憶したCD−ROM309Aが装着される。CPU301は、外部記憶装置309を介してCD−ROM309Aに記憶されたプログラムをRAM303にロードし、実行する。なお、プログラムを記憶する記憶媒体としては、CD−ROM309Aに限られず、上述した記憶媒体でもよい。また、HDD305に記憶されたプログラムをRAM303にロードして実行するようにしてもよい。この場合、PC300が、ネットワーク2に接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD305に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU301が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0037】
本実施の形態においては、会議の発表者が発表用の資料の発表用データを、MFP100に記憶させ、MFP100をPC300で遠隔操作して、MFP100に発表用データをプロジェクタ200に表示させる。発表用データは、MFP100が読み取り可能であれば、そのフォーマットは限定されない。ここでは、発表用データが、複数のページを含む場合を例に説明する。
【0038】
MFP100は、ウェブサーバとして機能し、MFP100を遠隔操作するためのWebページをPC300からの要求により送信し、PC300から受け付けるコマンドに従って、予め記憶された発表用データのうちから指定されたページの画像をプロジェクタ200に送信する。これにより、プロジェクタ200は、MFP100から受信されたページの画像を表示する。なお、プロジェクタに発表用データを送信しておき、MFP100からページ送りまたは戻し指示などを送信するようにしてもよい。この場合には、プロジェクタ200が発表用データに対応するアプリケーションプログラムがインストールされていれば、発表用データの画像を生成できるので、MFP100に発表用データに対応するアプリケーションプログラムをイントールする必要はない。
【0039】
一方、会議の参加者は、PC300A〜300Fを操作して、PC300A〜300Fに発表用データをMFP100から受信させ、表示させることにより、発表用データの画像を閲覧することができる。
【0040】
図5は、MFPが備えるCPUが有する機能の一例をHDDに記憶される情報とともに示す機能ブロック図である。図5を参照して、MFP100が備えるCPU111は、発表用データを表示するためにプロジェクタ200に出力する表示制御部51と、発表用データの一部を特定する特定指示を受け付ける特定指示受付部53と、特定指示により特定される特定部分に関連する関連情報を検索する関連情報検索部55と、特定部分に関連情報を関連付けた送信用データに発表用データを変換する変換部57と、送信用データを送信する送信部59と、コマンドを受け付けるコマンド受付部61と、コマンドを実行するコマンド実行部63と、を含む。
【0041】
HDD116には、発表用データ91が記憶される。発表用データは、ここでは、発表者が操作するPC300から送信され、通信I/F部112により受信され、HDD116に記憶される。ユーザが、予めPC300において発表用データを生成し、PC300を操作してMFP200に送信するコマンドをPC300に入力すれば、PC300からMFP200に発表用データが送信される。発表用データ91のフォーマットは限定されないが、ここでは、発表用データが、複数ページを含む画像データである場合を例に説明する。
【0042】
表示制御部51は、HDD116に記憶されている発表用データ91を読み出し、ページごとに、通信I/F部112を介してプロジェクタ200に送信するとともに、プロジェクタ200に送信しているページを識別するためのページ識別情報を特定指示受付部53に出力する。表示制御部51は、PC300に発表者が入力する操作に従ってプロジェクタ200に送信するページを特定する。具体的には、発表用データ91に含まれる複数のページのいずれかの指定を受け付けるためのWebページを、通信I/F部112を介してPC300に送信し、発表者がPC300に表示されるWebページに従って、ページを指定する操作をPC300に入力すれば、PC300からユーザにより指定されたページを特定するためのページ識別情報としてページ番号を通信I/F部112が受信する。表示制御部51は、受信されたページ番号のページをプロジェクタ200に送信する。これにより、発表用データに含まれる複数ページのうちMFP100から送信されたページの画像がプロジェクタ200によりスクリーンに投影され、表示される。
【0043】
特定指示受付部53は、プロジェクタ200により表示されているページの画像の一部分を特定する特定指示を受け付ける。具体的には、特定指示受付部53は、ビデオカメラ400から送信される動画像を解析し、発表者がレーザーポインタ等でスクリーンを指示する位置を検出すると、特定指示を受け付ける。特定指示は、動画像を解析することにより検出されたページの画像中の位置を示す位置情報を含む。動画像の解析は、例えば、動画像に含まれる複数のフレームのうち異なる時刻の複数のフレームを比較して、レーザーポインタで指示された位置を特定する。特定指示受付部53は、特定指示を受け付けると、スクリーンに表示されている画像のうちで特定指示により特定される位置の部分を特定部分に決定する。そして、表示制御部51によりプロジェクタ200に出力されているページの特定部分に対応する画像を文字認識する。さらに、特定指示受付部53は、特定指示を変換部57に出力するとともに、文字認識により認識された文字列を関連情報検索部55および変換部57に出力する。
【0044】
なお、プロジェクタ200またはPC300がビデオカメラ400で撮像された動画像に基づいて、プロジェクタ200により投影された画像の部分を特定する機能を有する場合、プロジェクタ200またはPC300から特定指示を受け付けるようにしてもよい。
【0045】
関連情報検索部55は、特定指示受付部53から文字列が入力されると、その文字列に関連する関連情報を検索する。より具体的に説明すると、関連情報検索部55は、語彙検索部71と、文字列検索部73とを含む。語彙検索部71は、特定指示受付部53から入力される文字列で予め定められた辞書データベースを検索し、検索により抽出された辞書情報を特定部分と関連付けた関連情報としてHDD116に記憶する。具体的には、関連情報は、辞書情報と特定部分の文字列とを含む。これにより、HDD116に関連情報93が記憶される。予め定められた辞書データベースは、HDD116に記憶されたデータベースであってもよいし、ネットワーク2を介して接続されるインターネットに接続されたコンピュータに記憶されているデータベースであってもよい。
【0046】
文字列検索部73は、特定指示受付部53から入力される文字列で、HDD116に予め記憶された文書データを検索し、検索により抽出された文書データを関連文書とし、関連文書を特定部分と関連付けた関連情報としてHDD116に記憶する。これにより、HDD116に関連情報93が記憶される。具体的には、関連情報は、関連文書と特定部分の文字列とを含む。関連文書は、特定指示受付部53から入力される文字列を、ファイル名の少なくとも一部または文書自体に含むデータである。なお、特定指示受付部53から入力される文字列でインターネットに接続された検索サイトにおいて検索させ、検索サイトにおいて抽出されたウェブページを関連文書としてもよい。検索サイトにおける検索により抽出される関連文書は、特定指示受付部53から入力される文字列を含むウェブページである。
【0047】
変換部57は、発表用データを、関連情報検索部55により検索された関連情報を抽出可能な送信用データに変換する。より具体的に説明すると、変換部57は、画像追加部75と、コマンド追加部77とを含む。画像追加部75は、発表用データの特定指示受付部53より入力される特定部分に案内画像を追加する。案内画像は、発表用データの特定部分に含まれる文字列を他の文字列よりも強調するための画像であり、例えば、下線または文字列を囲む矩形の画像であり、特定部分を修飾するための画像である。ここでは案内画像を文字列を囲む矩形の画像としている。
【0048】
コマンド追加部77は、予め定められた処理をMFP100に実行させるための遠隔操作コマンドと、その遠隔操作コマンドを実行させるための指示を受け付けるための指示画像とを発表用データに追加する。指示画像と遠隔操作コマンドとの組み合わせは、例えば、エイリアスである。遠隔操作コマンドは、指示画像を表示するコンピュータにおいて、指示画像がユーザにより指示されることに応じて実行される。遠隔操作コマンドが実行されると、その遠隔操作コマンドを実行するコンピュータは、遠隔操作コマンドに含まれる実行コマンドをMFP100に送信する。実行コマンドを受信するMFP100においては、受信された実行コマンドに対応して予め定められた処理を実行する。
【0049】
実行コマンドは、ここでは、辞書情報を取得する処理を実行するための辞書検索コマンド、関連文書を取得する処理を実行するための関連文書検索コマンド、発表用データをプリントする処理を実行するためのプリントコマンド、発表用データを送信する処理を実行するための送信コマンド、および発表者に特定部分の文字列の意味を問い合わせる処理を実行するための問合せコマンドを含む。
【0050】
辞書検索コマンドを含む遠隔操作コマンドは、特定部分に含まれる文字列をさらに含み、遠隔操作コマンドに対応する指示画像に、その指示画像が指示されると遠隔操作コマンドが実行されるように関連付けられる。この遠隔操作コマンドが実行されると、実行コマンドとしての辞書検索コマンドと特定部分に含まれる文字列とをMFP100に送信し、MFP100から受信される辞書情報を表示する処理が実行される。
【0051】
関連文書検索コマンドを含む遠隔操作コマンドは、特定部分に含まれる文字列をさらに含み、遠隔操作コマンドに対応する指示画像に、その指示画像が指示されると遠隔操作コマンドが実行されるように関連付けられる。この遠隔操作コマンドが実行されると、実行コマンドとしての関連文書検索コマンドと特定部分に含まれる文字列とをMFP100に送信し、MFP100から受信される関連文書を表示する処理が実行される。
【0052】
プリントコマンドを含む遠隔操作コマンドは、特定部分を含むページを識別するためのページ番号をさらに含み、遠隔操作コマンドに対応する指示画像に、その指示画像が指示されると遠隔操作コマンドが実行されるように関連付けられる。この遠隔操作コマンドが実行されると、実行コマンドとしてのプリントコマンドとページ番号とをMFP100に送信する。これにより、MFP100に発表用データをプリントさせる。
【0053】
送信コマンドを含む遠隔操作コマンドは、特定部分を含むページを識別するためのページ番号をさらに含み、遠隔操作コマンドに対応する指示画像に、その指示画像が指示されると遠隔操作コマンドが実行されるように関連付けられる。この遠隔操作コマンドが実行されると、実行コマンドとしての送信コマンドとページ番号とをMFP100に送信する。これにより、MFP100に発表用データを送信させる。
【0054】
問合せコマンドを含む遠隔操作コマンドは、特定部分をさらに含み、遠隔操作コマンドに対応する指示画像に、その指示画像が指示されると遠隔操作コマンドが実行されるように関連付けられる。この遠隔操作コマンドが実行されると、実行コマンドとしての問合せコマンドと、特定部分とをMFP100に送信する。これにより、MFP100に、発表用データの特定部分を問い合わせる電子メールが、発表者に送信される。
【0055】
また、コマンド追加部77は、案内画像が指示されることに応じて、指示画像を表示するための表示コマンドを発表用データに追加する。表示コマンドは、案内画像を表示するコンピュータにおいて、案内画像がユーザにより指示されることに応じて実行される。表示コマンドが実行されると、その表示コマンドを実行するコンピュータは、指示画像を表示する。ここでは、辞書検索コマンド、関連文書検索コマンド、プリントコマンド、送信コマンド、および問合せコマンドをそれぞれ送信するための5つの遠隔操作コマンドにそれぞれ対応する5つの指示画像を表示する。
【0056】
変換部57は、発表用データ91に、案内画像と、5つの遠隔操作コマンドと、5つの遠隔操作コマンドそれぞれに対応する指示画像と、表示コマンドとの組を特定部分ごとに追加した送信用データを生成し、送信用データを送信部59に出力する。送信用データは、発表用データの特定部分に案内画像が追加されており、送信用データを表示するコンピュータにおいて、送信用画像が表示されると、案内画像が表示される。そして、そのコンピュータにおいてユーザにより案内画像が指示されると、そのコンピュータにより表示コマンドが実行されて5つの指示画像が表示される。さらに、5つの指示画像のうち辞書検索コマンドを含む遠隔操作コマンドと関連付けられた指示画像、または、関連文書検索コマンドを含む遠隔操作コマンドと関連付けられた指示画像が指示されると、特定部分に含まれる文字列を含む辞書情報、または、特定部分に含まれる文字列をファイル名または文書自体に含む関連文書が表示される。このため、送信用データは、発表用データに含まれる特定部分に関連する辞書情報または関連文書を抽出可能なデータである。
【0057】
送信部59は、送信用データを、参加者が操作するPC300A〜300Fに、通信I/F部112を介してそれぞれ送信する。送信部59は、ユーザがPC300A〜PC300Fのいずれかを操作し、遠隔操作でMFP100にログインした時点で、ログインしているユーザを識別するためのユーザ識別情報と、そのユーザが操作する装置の装置識別情報とを関連付けて記憶する。そして、送信部59は、PC300A〜300Fのうちでログインしているユーザが操作するものに、送信用データを送信する。これにより、PC300A〜300Fのうちで、ログインしているユーザが操作するPCにおいて、送信用データを表示可能となる。
【0058】
図6は、送信用データの表示態様の一例を示す第1の図である。図6を参照して、送信用データのあるページの画像を含む画面501は、送信用データに含まれる文字列と、案内画像503とを含む。案内画像503は、発表者により指示された送信データ中の特定部分を示す。ここでは、案内画像503は、特定部分を囲む矩形の画像としており、「GPL」の文字列を含む画像部分が特定部分に該当することを示している。
【0059】
図7は、送信用データの表示態様の一例を示す第2の図である。図7に示す画面501Aは、図6に示した画面501において、マウスポインタ507が案内画像503と重なるようにユーザにより操作された後の画面を示し、案内画像503がユーザにより指示された状態を示している。画面501Aは、図6に示した画面501に加えて、5つの指示画像511〜515を含む。すなわち、案内画像503がユーザによりマウスポインタで指示されると、5つの指示画像511〜515が表示される。
【0060】
ここでは、参加者がPC300Aを操作し、送信用データを表示する場合を例に説明する。指示画像511は、辞書情報を取得する処理を実行するための辞書検索コマンドをMFP100に実行させるための遠隔操作コマンドと関連付けられており、指示画像511が指示されると、それに関連付けられた遠隔操作コマンドが実行される。この遠隔操作コマンドを実行するPC300Aは、辞書検索コマンドをMFP100に送信し、MFP100から受信される辞書情報を表示する。辞書検索コマンドをMFP100に実行させるための遠隔操作コマンドは、案内画像503により特定される特定部分に含まれる文字列を含む。
【0061】
指示画像512は、関連文書を取得する処理を実行するための関連文書検索コマンドをMFP100に実行させるための遠隔操作コマンドと関連付けられており、指示画像512が指示されると、それに関連付けられた遠隔操作コマンドが実行される。この遠隔操作コマンドを実行するPC300Aは、関連文書検索コマンドをMFP100に送信し、MFP100から受信される関連文書を表示する。関連文書コマンドをMFP100に実行させるための遠隔操作コマンドは、案内画像503により特定される特定部分に含まれる文字列を含む。
【0062】
指示画像513は、発表用データをプリントする処理を実行するためのプリントコマンドをMFP100に実行させるための遠隔操作コマンドと関連付けられており、指示画像513が指示されると、それに関連付けられた遠隔操作コマンドが実行される。この遠隔操作コマンドを実行するPC300Aは、プリントコマンドをMFP100に送信し、MFP100に発表用データをプリントさせる。プリントコマンドをMFP100に実行させるための遠隔操作コマンドは、送信用データに含まれる複数のページのうち特定部分を含むページを識別するためのページ番号を含む。これにより、MFP100により発表用データの特定部分を含むページの画像が用紙にプリントされる。
【0063】
指示画像514は、発表用データを送信する処理を実行するための送信コマンドをMFP100に実行させるための遠隔操作コマンドと関連付けられており、指示画像514が指示されると、それに関連付けられた遠隔操作コマンドが実行される。この遠隔操作コマンドを実行するPC300Aは、送信コマンドをMFP100に送信し、MFP100に発表用データを送信させる。送信コマンドをMFP100に実行させるための遠隔操作コマンドは、送信用データに含まれる複数のページのうち特定部分を含むページを識別するためのページ番号を含む。これにより、MFP100により発表用データの特定部分を含むページを添付した電子メールが送信される。
【0064】
指示画像515は、発表者に特定部分の文字列の意味を問い合わせる処理を実行するための問合せコマンドをMFP100に実行させるための遠隔操作コマンドと関連付けられており、指示画像515が指示されると、それに関連付けられた遠隔操作コマンドが実行される。この遠隔操作コマンドを実行するPC300Aは、問合せコマンドをMFP100に送信し、MFP100に発表者に問い合わせするための電子メールを送信させる。問合せコマンドをMFP100に実行させるための遠隔操作コマンドは、送信用データの特定部分に含まれる文字列を含む。これにより、MFP100により、発表用データの特定部分に含まれる文字列と、その文字列の意味を問い合わせる文書とを含み、発表者に割り当てられた送信先アドレスを宛先に設定した電子メールが生成され、送信される。
【0065】
図5に戻って、送信部59がPC300A〜300Fそれぞれに、送信用データを送信すると、PC300A〜300Fのいずれかにより、送信用データに含まれる5つの遠隔操作コマンドのいずれかが実行される場合がある。この場合、辞書検索コマンド、関連文書検索コマンド、送信コマンド、プリントコマンドまたは問合せコマンドのいずれかの実行コマンドが送信される。コマンド受付部61は、通信I/F部112がPC300A〜300Fのいずれかから辞書検索コマンド、関連文書検索コマンド、プリントコマンド、送信コマンドおよび問合せコマンドのいずれかの実行コマンドを受信すると、通信I/F部112から、PC300A〜300Fのうち実行コマンドを送信してきたものを識別するための装置識別情報と、受信された実行コマンドとを受け付ける。コマンド受付部61は、装置識別情報と受信された実行コマンドとの組をコマンド実行部63に出力する。
【0066】
コマンド実行部63は、コマンド受付部61から実行コマンドが入力されることに応じて、その実行コマンドに従って処理を実行する。コマンド実行部63は、辞書検索コマンドが入力される場合、辞書検索コマンドに含まれる特定部分に含まれる文字列で、HDD116に記憶されている関連情報93のうち辞書情報を検索する。そして、特定部分に含まれる文字列と関連付けられた辞書情報を抽出し、抽出された辞書情報を、PC300A〜300Fのうち辞書検索コマンドとともに入力される装置識別情報で特定されるものに、通信I/F部112を介して送信する。
【0067】
コマンド実行部63は、関連文書検索コマンドが入力される場合、関連文書検索コマンドに含まれる特定部分に含まれる文字列で、HDD116に記憶されている関連情報93のうち関連文書を検索する。そして、特定部分に含まれる文字列と関連付けられた関連文書を抽出し、抽出された関連文書を、PC300A〜300Fのうち関連文書検索コマンドとともに入力される装置識別情報で特定されるものに、通信I/F部112を介して送信する。
【0068】
コマンド実行部63は、プリントコマンドが入力される場合、発表用データに含まれる複数のページのうちプリントコマンドに含まれるページ識別情報で特定されるページの画像を、画像形成部140にプリントさせる。
【0069】
コマンド実行部63は、送信コマンドが入力される場合、発表用データに含まれる複数のページのうち送信コマンドに含まれるページ識別情報で特定されるページの画像を含み、PC300A〜300Fのうち送信コマンドを送信してきたものを操作するユーザに割り当てられた電子メールアドレスを送信先のアドレスに設定した電子メールを生成し、送信する。
【0070】
コマンド実行部64は、問合せコマンドが入力される場合、問合せコマンドに含まれる特定部分に含まれる文字列を含み、発表者に割り当てられた電子メールアドレスを送信先のアドレスに設定し、PC300A〜300Fのうち問合せコマンドを送信してきたものを操作するユーザに割り当てられた電子メールアドレスを送信元のアドレスに設定した電子メールを生成し、送信する。
【0071】
図8は、情報提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。情報提供処理は、MFP100が備えるCPU111が情報提供プログラムを実行することによりCPU111により実行される処理である。図8を参照して、CPU111は、ユーザのログインを受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。ログインを受け付けたならば(ステップS01でYES)、処理をステップS02に進めるが、そうでなければ(ステップS01でNO)、処理をステップS07に進める。具体的には、PC300,300A〜300Fのいずれか1つからログインの要求を受け付け、認証が成功すれば処理をステップS02に進める。以下、ログインを受け付けて認証されたユーザをログインユーザという。また、ここでは、発表者がPC300を操作し、参加者がPC300A〜300Fを操作する場合を説明する。
【0072】
ステップS02においては、発表用データを受信したか否かを判断する。発表用データを受信したならば処理をステップS03に進め、そうでなければ処理をステップS05に進める。処理をステップS03に進める場合、受信されたデータをHDD116に記憶し(ステップS03)、ログインユーザを発表者に設定する(ステップS04)。すなわち、PC300から発表者がMFP100にログインする操作をする場合、ステップS01〜ステップS04の処理が実行される。ステップS04においては、発表者を識別するためのユーザ識別情報と、PC300の装置識別情報とを関連付けて記憶する。
【0073】
ステップS05においては、ログインユーザが会議の参加者か否かを判断する。予め会議の参加者をMFP100に登録しておくようにし、ログインユーザが参加者として登録されているか否かを判断する。参加者として登録されているならば処理をステップS06に進め、そうでなければステップS06をスキップして、処理をステップS07に進める。
【0074】
ステップS06においては、ログインユーザを参加者に設定する。例えば、参加者がPC300Aを操作し、MFP100にログインする操作をする場合、ステップS01、ステップS05およびステップS06の処理が実行される。ステップS06においては、参加者を識別するためのユーザ識別情報と、PC300Aの装置識別情報とを関連付けて記憶する。
【0075】
ステップS07においては、表示指示を受け付けたか否かを判断する。表示指示を受け付けたならば処理をステップS08に進めるが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。具体的には、発表者に設定されたユーザが操作するPC300から表示を指示するための表示指示が、通信I/F部112によって受信されたならば、表示指示を受け付ける。すなわち、ステップS04が実行されて、発表者のユーザ識別情報が記憶されていることを条件に、表示指示を受け付ける。なお、ここでは、発表者がログインし(ステップS02でYES)、表示指示を受け付けた後は(ステップS07でYES)、参加者によるログインを受け付けないようにしているが、表示指示を受け付けた後に(ステップS07でYES)、参加者によるログインを受け付けてもよい。参加者によるログインを受け付ける場合、ステップS06と同じ処理が実行され、ログインした参加者のユーザ識別情報と、その参加者が操作するPCの装置識別情報とを関連付けて記憶する。
【0076】
ステップS08においては、ステップS03において記憶された発表用データの第1ページを処理対象に設定し、処理をステップS09に進める。ステップS09においては、処理対象ページをプロジェクタ200に表示させるために、通信I/F部112を介してプロジェクタ200に送信する。これにより、プロジェクタ200によって発表用データの第1ページが投影される。
【0077】
次のステップS10においては、特定指示を受け付けたか否かを判断する。具体的には、ビデオカメラ400から受信される動画像を解析し、ユーザがレーザーポインタで指示した位置を検出したか否かを判断する。レーザーポインタによる指示を検出したならば、その指示された位置に対応する第1ページの特定部分を特定する。次のステップS11においては、関連情報検索処理を実行する。関連情報検索処理についてはその詳細を後述するが、ステップS10において受け付けられた特定指示により特定される特定部分に含まれる文字列に基づいて関連情報を検索する処理である。
【0078】
次のステップS12においては、変換処理を実行する。変換処理についてはその詳細を後述するが、発表用データを、特定部分に関連する関連情報を抽出可能な送信用データに変換する処理である。
【0079】
次のステップS13においては、ステップS12において発表用データを変換した送信用データを、PC300A〜300FのうちステップS06において参加者に設定されたユーザが使用するものに送信する。これにより、参加者は、操作するPCにおいて送信用データを表示させることができる。
【0080】
次のステップS14においては、ページ変更指示を受け付けたか否かを判断する。ページ変更指示を受け付けたならば処理をステップS15に進めるが、そうでなければ処理をステップS16に進める。具体的には、発表者に設定されたユーザが操作するPC300からページを変更するためのページ変更指示が、通信I/F部112によって受信されたならばページ変更指示を受け付ける。ステップS15においては、処理対象に設定されているページの次のページを新たに処理対象に設定し、処理をステップS09に戻す。
【0081】
ステップS16においては、会議が終了したか否かを判断する。会議が終了したと判断する場合は処理を終了し、そうでなければ処理をステップS10に戻す。具体的には、発表者に設定されたユーザが操作するPC300から会議の終了を示す指示が通信I/F部112によって受信されたならば、会議終了指示を受け付ける。
【0082】
なお、上述した情報提供処理においては、特定指示を受け付けると(ステップS10)、発表用データを送信用データに変換し(ステップS13)、送信用データを送信する(ステップS13)ようにしたが、ページ変更指示が受け付けられた後(ステップS14でYES)、または、会議終了指示が受け付けられた後(ステップS16でYES)、発表用データを送信用データに変換し(ステップS12)、送信用データを送信する(ステップS13)ようにしてもよい。
【0083】
図9は、関連情報検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。関連情報検索処理は、図8のステップS11において実行される処理である。図9を参照して、まず、処理対象に設定されているページの特定部分の画像に含まれる文字を判別する(ステップS21)。従来周知の文字認識処理を実行することにより、画像に含まれる文字を判別する。
【0084】
次のステップS22においては、ステップS21において判別された文字列を用いて、HDD116に予め記憶される辞書データベースを検索する。そして、検索により辞書情報が抽出されたか否かを判断する(ステップS23)。辞書情報が抽出されたならば処理をステップS24に進め、そうでなければステップS24をスキップして処理をステップS25に進める。ステップS24においては、抽出された辞書情報と特定部分に含まれる文字列とを含む関連情報をHDD116に記憶し、処理をステップS25に進める。
【0085】
ステップS25においては、ステップS21において判別された文字列を用いて、HDD116に予め記憶された文書を検索し、検索により抽出された関連文書と特定部分に含まれる文字列とを含む関連情報をHDD116に記憶し(ステップS26、S27)、処理を情報提供処理に戻す。
【0086】
図10は、変換処理の流れの一例を示すフローチャートである。変換処理は、図8のステップS12において実行される処理である。図10を参照して、ステップS31においては、HDD116に記憶されている関連情報93のうちから特定部分に関連する関連情報を抽出する。上述した関連情報検索処理によって、関連情報がHDD116に記憶されているので、HDD116に記憶された関連情報のうちから特定部分に含まれる文字列を含む関連情報を抽出する。
【0087】
次のステップS32においては、抽出された関連情報のうちに辞書情報が含まれるか否かを判断する。辞書情報が含まれるならば処理をステップS33に進めるが、そうでなければステップS33をスキップして処理をステップS34に進める。ステップS33においては意味アイコンを生成し、処理をステップS34に進める。意味アイコンは、辞書検索コマンドと関連付けられ、辞書検索コマンドを実行させるための指示画像である。辞書検索コマンドは、特定部分の画像に含まれる文字列を含む。
【0088】
次のステップS34においては、抽出された関連情報のうちに関連文書が含まれるか否かを判断する。関連文書が含まれるならば処理をステップS35に進めるが、そうでなければステップS35をスキップして処理をステップS36に進める。ステップS35においては、関連文書アイコンを生成し、処理をステップS36に進める。関連文書アイコンは、関連文書検索コマンドと関連付けられ、関連文書検索コマンドを実行させるための指示画像である。関連文書検索コマンドは、特定部分の画像に含まれる文字列を含む。
【0089】
次のステップS36においては、印刷アイコン、送信アイコンおよび問合せアイコンを生成する。印刷アイコンは、プリントコマンドと関連付けられ、プリントコマンドを実行させるための指示画像である。送信アイコンは、送信コマンドと関連付けられ、送信コマンドを実行させるための指示画像である。問合せアイコンは、問合せコマンドと関連付けられ、問合せコマンドを実行させるための指示画像である。
【0090】
そして、発表用データの特定部分に案内画像を追加する(ステップS37)。案内画像は、ここでは特定部分を囲う矩形の画像である。次のステップS38においては、ステップS33、ステップS35およびステップS36において生成された意味アイコン、関連文書アイコン、印刷アイコン、送信アイコンおよび問合せアイコンを表示するための表示コマンドを案内画像に関連付け、処理を情報提供処理に戻す。表示コマンドは、案内画像が指示されると、意味アイコン、関連文書アイコン、印刷アイコン、送信アイコンおよび問合せアイコンを表示させるコマンドである。
【0091】
図11は、コマンド実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。コマンド実行処理は、MFP100が備えるCPU111が情報提供プログラムを実行することによりCPU111により実行される処理である。図11を参照して、CPU111は、実行コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS41)。通信I/F部112がPC300A〜300Fのうち参加者が操作するものから実行コマンドを受信したか否かを判断する。実行コマンドを受信するまで待機状態となり(ステップS41でNO)、実行コマンドを受信したならば処理をステップS42に進める。すなわち、コマンド実行処理は、通信I/F部112がPC300A〜300Fのうち参加者が操作するものから実行コマンドを受信することを条件に実行される処理である。
【0092】
次のステップS42においては、実行コマンドの種類によって処理を分岐させる。受信されたコマンドが辞書検索コマンドならば処理をステップS43に進め、関連文書検索コマンドならば処理をステップS45に進め、プリントコマンドならば処理をステップS47に進め、送信コマンドをならば処理をステップS49に進め、問合せコマンドならば処理をステップS51に進める。
【0093】
ステップS43においては、HDD116に記憶されている関連情報93を検索し、辞書検索コマンドに含まれる文字列を含む関連情報93を抽出し、抽出された関連情報93のうちから辞書情報を抽出する(ステップS43)。そして、抽出された辞書情報を、PC300A〜300Fのうち辞書検索コマンドを送信してきたものに送信し(ステップS44)、処理を終了する。
【0094】
ステップS45においては、HDD116に記憶されている関連情報93を検索し、関連文書コマンドに含まれる文字列を含む関連情報93を抽出し、抽出された関連情報93のうちから関連文書を抽出する(ステップS45)。そして、抽出された関連文書を、PC300A〜300Fのうち関連文書検索コマンドを送信してきたものに送信する(ステップS46)。
【0095】
ステップS47においては、発表用ページに含まれる複数のページのうちから送信コマンドに含まれるページ番号で特定されるページを抽出する。そして、抽出されたページを画像形成部140にプリントさせ(ステップS48)、処理を終了する。
【0096】
ステップS49においては、発表用ページに含まれる複数のページのうちから送信コマンドに含まれるページ番号で特定されるページを抽出する。そして、抽出されたページを含み、PC300A〜300Fのうち辞書検索コマンドを送信してきたものを操作するログインユーザに割り当てられた電子メールアドレスを宛先に設定した電子メールを生成し、送信し(ステップS50)、処理を終了する。
【0097】
ステップS51においては、問合せコマンドとともに受信される特定部分に含まれる文字列を含み、PC300A〜300Fのうち問合せコマンドを送信してきたものを操作するログインユーザに割り当てられた電子メールアドレスを送信元に設定し、発表者に割り当てられた電子メールアドレスを宛先に設定した電子メールを生成する(ステップS51)。そして、生成された電子メールを送信し(ステップS52)、処理を終了する。
【0098】
以上説明したように本実施の形態における会議システム1において、MFP100は、発表用データをプロジェクタ200に表示させる一方、発表者による発表用データの特定部分を特定する特定指示が受け付けられると、特定指示により特定された特定部分に関連する辞書情報および関連文書等の関連情報を検索し、発表用データを特定部分に関連する関連情報を抽出可能な送信用データに変換し、送信用データを参加者が操作するPC300A〜300Fに送信する。このため、送信用データから特定部分に関連する関連情報が抽出可能となるので、発表用データの内容を自動的に充実させることができる。また、例えばPC300Aを操作する参加者は、関連情報を閲覧したいときにのみ、指示画像を指示すればよいので、必要なときにのみ関連情報を閲覧することができる。逆に、必要ないときは、関連情報が表示されないので、強制的に不要な情報が表示される場合の煩わしさから開放される。
【0099】
また、送信用データは、特定部分に関連情報が関連付けられていることを示す案内画像を含むので、例えば、PC300Aにおいて送信用データが表示されると、ユーザが特定した部分を強調して表示することができるとともに、その部分の関連情報を抽出可能になるので、操作が容易となる。
【0100】
また、送信用データは、予め定められた処理を実行するためのコマンドと、該コマンドを実行するための指示を受け付けるための指示画像と、案内画像が指示されることに応じて指示画像を表示するコマンドとがさらに発表用データに追加されるので、関連情報を抽出するための操作が容易となる。
【0101】
また、特定指示が受け付けられることに応じて、特定部分に関連する関連情報が検索され、送信用データが送信される。このため、発表者が特定部分を特定してすぐに関連情報が抽出可能となり、関連情報を閲覧するタイミングを速くすることができる。
【0102】
また、発表用データのページの表示が終了した後に関連情報が検索され、送信用データが送信されるので、特定部分が複数の場合であっても、発表用データを送信用データに変換する処理を1回すればよい。このため、特定部分が複数の場合における処理速度を早くすることができる。
【0103】
なお、上述した実施の形態においては、情報提供装置の一例としてのMFP100について説明したが、図8〜図11に示した処理を実行するための情報提供方法およびその情報提供方法をコンピュータに実行させるための情報提供プログラムとして発明を捉えることができるのは、言うまでもない。
【0104】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<付記>
(1) 前記コマンドは、前記関連情報を表示するためのコマンドを含む、請求項3に記載の情報提供装置。
(2) 前記コマンドは、前記関連情報の一覧を表示するためのコマンドを含む、請求項3に記載の情報提供装置。
(3) 前記コマンドは、前記発表用データのうち前記特定部分を含む部分をプリントするためのコマンドを含む、請求項3に記載の情報提供装置。
(4) 前記コマンドは、前記発表用データのうち前記特定部分を含む部分を送信するためのコマンドを含む、請求項3に記載の情報提供装置。
(5) 前記コマンドは、前記発表用データにより定まる宛先アドレスに電子メールを送信するためのコマンドを含む、請求項3に記載の情報提供装置。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の実施の形態の1つにおける会議システムの全体概要を示す図である。
【図2】MFPの外観を示す斜視図である。
【図3】MFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】PCのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図6】送信用データの表示態様の一例を示す第1の図である。
【図7】送信用データの表示態様の一例を示す第2の図である。
【図8】情報提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】関連情報検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】変換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】コマンド実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0106】
1 会議システム、51 表示制御部、53 特定指示受付部、55 関連情報検索部、57 変換部、59 送信部、61 コマンド受付部、63 コマンド実行部、64 コマンド実行部、71 語彙検索部、73 文字列検索部、75 画像追加部、77 コマンド追加部、91 発表用データ、93 関連情報、100 MFP、110 メイン回路、111 CPU、112 通信I/F部、116 HDD、118 カードI/F、118A フラッシュメモリ、130 原稿読取部、140 画像形成部、160 操作パネル、160A 表示部、160B 操作部、200 プロジェクタ、300,300A〜300F PC、301 CPU、302 ROM、303 RAM、304 ネットワークI/F、305 HDD、306 表示部、307 操作部、308 バス、309 外部記憶装置、400 ビデオカメラ、503 案内画像、511〜515 指示画像。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発表用データを表示するために出力する表示手段と、
前記出力された発表用データの部分を特定する指示を受け付ける特定指示受付手段と、
前記特定指示により特定された特定部分に関連する関連情報を検索する関連情報検索手段と、
前記発表用データを前記特定部分に関連する前記関連情報を抽出可能な送信用データに変換する変換手段と、
前記送信用データを送信する送信手段と、を備えた情報提供装置。
【請求項2】
前記変換手段は、前記関連情報が関連付けられていることを示す案内画像を前記発表用データに追加する画像追加手段を含む、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記変換手段は、予め定められた処理を実行するためのコマンドと、該コマンドを実行するための指示を受け付けるための指示画像とを前記発表用データに追加するコマンド追加手段をさらに含む、請求項1または2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記コマンド追加手段は、前記案内画像が指示されることに応じて前記指示画像を表示するコマンドを前記発表用データにさらに追加する、請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記関連情報検索手段は、前記特定指示が受け付けられることに応じて、前記特定部分に関連する関連情報を検索する、請求項1〜4のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記関連情報検索手段は、前記出力された発表用データの表示が終了した後に前記関連情報を検索する、請求項1〜4のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記関連情報検索手段は、前記特定部分に含まれる文字列で予め定められた辞書データベースを検索する語彙検索手段を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記関連情報検索手段は、前記特定部分に含まれる文字列を含むデータを検索する文字列検索手段を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項9】
発表用データを表示するために出力するステップと、
前記出力された発表用データの部分を特定する指示を受け付けるステップと、
前記受け付けられた特定指示により特定される特定部分に関連する関連情報を検索するステップと、
前記発表用データを前記特定部分に前記関連情報を関連付けた送信用データに変換するステップと、
前記送信用データを送信するステップと、を含む情報提供方法。
【請求項10】
発表用データを表示するために出力するステップと、
前記出力された発表用データの部分を特定する指示を受け付けるステップと、
前記受け付けられた特定指示により特定される特定部分に関連する関連情報を検索するステップと、
前記発表用データを前記特定部分に前記関連情報を関連付けた送信用データに変換するステップと、
前記送信用データを送信するステップと、をコンピュータに実行させる情報提供プログラム。
【請求項1】
発表用データを表示するために出力する表示手段と、
前記出力された発表用データの部分を特定する指示を受け付ける特定指示受付手段と、
前記特定指示により特定された特定部分に関連する関連情報を検索する関連情報検索手段と、
前記発表用データを前記特定部分に関連する前記関連情報を抽出可能な送信用データに変換する変換手段と、
前記送信用データを送信する送信手段と、を備えた情報提供装置。
【請求項2】
前記変換手段は、前記関連情報が関連付けられていることを示す案内画像を前記発表用データに追加する画像追加手段を含む、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記変換手段は、予め定められた処理を実行するためのコマンドと、該コマンドを実行するための指示を受け付けるための指示画像とを前記発表用データに追加するコマンド追加手段をさらに含む、請求項1または2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記コマンド追加手段は、前記案内画像が指示されることに応じて前記指示画像を表示するコマンドを前記発表用データにさらに追加する、請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記関連情報検索手段は、前記特定指示が受け付けられることに応じて、前記特定部分に関連する関連情報を検索する、請求項1〜4のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記関連情報検索手段は、前記出力された発表用データの表示が終了した後に前記関連情報を検索する、請求項1〜4のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記関連情報検索手段は、前記特定部分に含まれる文字列で予め定められた辞書データベースを検索する語彙検索手段を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記関連情報検索手段は、前記特定部分に含まれる文字列を含むデータを検索する文字列検索手段を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項9】
発表用データを表示するために出力するステップと、
前記出力された発表用データの部分を特定する指示を受け付けるステップと、
前記受け付けられた特定指示により特定される特定部分に関連する関連情報を検索するステップと、
前記発表用データを前記特定部分に前記関連情報を関連付けた送信用データに変換するステップと、
前記送信用データを送信するステップと、を含む情報提供方法。
【請求項10】
発表用データを表示するために出力するステップと、
前記出力された発表用データの部分を特定する指示を受け付けるステップと、
前記受け付けられた特定指示により特定される特定部分に関連する関連情報を検索するステップと、
前記発表用データを前記特定部分に前記関連情報を関連付けた送信用データに変換するステップと、
前記送信用データを送信するステップと、をコンピュータに実行させる情報提供プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−219928(P2010−219928A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64857(P2009−64857)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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