説明

情報機器

【課題】情報機器に関して、煩雑な操作を行うことなく簡便に複数の機能設定項目に対する設定を行うことができる技術を提供する。
【解決手段】情報機器100は、設定値決定用アンケートを表示する表示部5と、当該設定値決定用アンケートに対する回答操作を受け付ける操作部6と、当該回答操作に基づいて複数の機能設定項目に対する設定値を決定する制御部4とを備えている。本情報機器100では、設定値決定用アンケートに対する回答操作に基づいて複数の機能設定項目に対する設定値が決定されるため、ユーザは、親和性の高いアンケートに回答するだけで煩雑な操作を行うことなく簡便に複数の機能設定項目に対する設定を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の機能設定項目を有する情報機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistants)などの情報機器においては、ユーザの利便性を高める目的で、表示画面色の設定、セキュリティ設定、着信音量設定など、様々な機能設定を行うことができ、ユーザは希望に応じた情報機器のカスタマイズが可能である。
【0003】
特許文献1,2には、携帯電話機等の通信端末装置のカスタマイズに関する技術が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−331436号公報
【特許文献2】特開2004−342044号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の情報機器においては、多種多様な機能設定項目を備えるにもかかわらず、入力キーデバイス数が少ない等、入力操作に関しての利便性が制限されており、またディスプレイには一時に表示可能な文字数も制限されているため、多種多様な機能設定項目の説明を一時に表示することができないという不利な一面が存在する。そのため、ユーザは、取り扱い説明書に記載されている内容を理解した上で、膨大な機能設定項目に対する希望の設定値を順次入力する必要がある。したがって、複数の機能設定を行うためには操作が非常に煩雑となる。
【0006】
そこで、本発明は上述の問題に鑑みて成されたものであり、情報機器に関して、煩雑な操作を行うことなく簡便に複数の機能設定項目に対する設定を行うことができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の情報機器は、アンケートを表示する表示部と、前記アンケートに対する回答操作を受け付ける操作部と、複数の機能設定項目に対する設定値を前記回答操作に基づいて決定する設定値決定部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
この発明の情報機器によれば、アンケートに対する回答操作に基づいて複数の機能設定項目に対する設定値が決定されるため、ユーザは、親和性の高いアンケートに回答するだけで煩雑な操作を行うことなく簡便に複数の機能設定項目に対する設定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は本発明の実施の形態に係る情報機器100の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る情報機器100は、例えば携帯電話機であって、アンテナ1と、送信部2と、受信部3と、制御部4と、表示部5と、操作部6と、記憶部7と、マイク8と、スピーカ9と、LEDランプ10とを備えている。
【0010】
アンテナ1は、携帯電話システムの基地局から出力される電波を受信信号に変換して受信部3に出力する。また、アンテナ1は、送信部2から出力される送信信号を送信電波に変換して基地局に出力する。
【0011】
送信部2は、制御部4から出力されるアナログ形式の送信信号を増幅し、その後、周波数変換してアンテナ1に出力する。受信部3は、アンテナ1から受け取った受信信号を増幅し、その後、制御部4で処理できる周波数までに周波数変換して制御部4に出力する。
【0012】
表示部5は、例えば、液晶パネルやEL(Electro Luminescence)パネルを有するディスプレイであって、制御部4による制御によって各種情報を表示する。操作部6は、複数の操作キーで構成されており、ユーザによる各種操作を受け付けて、制御部4にその操作情報を出力する。LEDランプ10は、制御部4による制御によって、点滅したり点灯したりする。例えば、LEDランプ10は、着信時に点滅したり、充電時に点灯したりする。
【0013】
マイク8は入力される音を音データに変換して制御部4に出力する。スピーカ9は、制御部4から出力される音データを音に変換して外部に出力する。
【0014】
記憶部7はRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)で構成されている。記憶部7は、ROM内に制御部4の動作プログラムや着信音等の音データ、あるいは各種機能設定項目に対する設定値の初期値(リカバリ値)、例えば電話着信音量設定に対する設定値や登録外着信拒否設定に対する設定値の初期値などを記憶している。また、記憶部7は、RAM内に電話帳データや各種機能設定項目の現在の設定値などを記憶する。
【0015】
制御部4は、CPU等で構成されており、本情報機器100に含まれる他の構成要素の動作を主に制御する。制御部4は、受信部3から受け取ったアナログ形式の受信信号をデジタル形式に変換して復調処理を行い、当該受信信号から音データや画像データなどの各種情報を取り出す。そして、制御部4は、取得した情報に基づいて各種動作を行う。例えば、制御部4は、受信信号に含まれる音データをスピーカ9に出力したり、画像データを記憶部7に記憶したり表示部5に表示させたりする。また、制御部4は、記憶部7に予め記憶されている音データをスピーカ9に出力して、電話着信音やメール着信音をスピーカ9に出力させたりする。また、制御部4は、マイク8から受け取った音信号に基づいて変調処理を行い、ディジタル形式の送信信号を生成し、その後、送信信号をアナログ形式に変換して送信部2に出力する。
【0016】
本実施の形態に係る情報機器100では、複数の機能設定項目に対する設定値を決定するためのアンケート(以後、「設定値決定用アンケート」と呼ぶ)を表示部5に表示することができる。そして、ユーザが操作部6を操作して、設定値決定用アンケートに対する回答を入力すると、制御部4は、当該回答に基づいて各種機能設定項目に対する設定値を決定する。これにより、ユーザは、取り扱い説明書を参照することなく複数の機能設定項目に対する設定を行うことができる。その結果、煩雑な操作を行うことなく簡便に複数の機能設定項目に対する設定を行うことができる。以下に、このことについて詳細に説明する。
【0017】
図2は制御部4及び記憶部7における機能ブロックの構成を示す図である。図2に示されるように、制御部4は、他の構成要素を制御するメイン制御部40と、表示部5を制御する表示制御部41と、性格診断コメント取得部42と、複数の機能設定項目に対する設定値を決定する設定値決定部43とを備えている。記憶部7は、アンケート関連情報記憶部70と、コメント情報記憶部71と、設定情報記憶部72とを備えている。
【0018】
図3,4はそれぞれアンケート関連情報記憶部70及び設定情報記憶部72の構成を示す図である。本実施の形態では、表示部5に表示する設定値決定用アンケートは、N(≧2)個の質問で構成されており、これらのN個の質問にはNo.1〜No.Nまでの番号は付与されている。図3に示されるように、アンケート関連情報記憶部70は、質問ごとに記憶領域70a〜70cを有している。記憶領域70a〜70cの各組においては、記憶領域70aでは質問番号を示すデータが記憶され、記憶領域70bでは質問内容を示す質問パターンデータが記憶され、記憶領域70cでは関連付けデータが記憶される。ここで、関連付けデータとは、ユーザによって入力された質問の回答と、機能設定項目に対する設定値とを関連付けるデータ、言い換えれば、質問の回答と機能設定項目に対する設定値とがどのように関連しているのかを示すデータであり、その詳細例については後述する。記憶領域70a〜70cに対しては、データの書き換えはできず、データの読み出しのみが可能となっている。
【0019】
設定情報記憶部72は、図4に示されるように、機能設定項目ごとに記憶領域72a〜72dを有している。記憶領域72a〜72dの各組においては、記憶領域72aでは機能設定項目の名称を示すデータが記憶され、記憶領域72bでは当該名称の機能設定項目に対する現在の設定値を示すデータが記憶され、記憶領域72cでは当該名称の機能設定項目に対する設定値の候補を示す設定値候補データが記憶され、記憶領域72dでは当該名称の機能設定項目の説明を示すヘルプデータが記憶される。記憶領域72a,72dに対してはデータの書き換えはできず、データの読み出しのみが可能となっている。一方で、記憶領域72b,72cに対してはデータの書き換え及び読み出しの両方が可能となっている。
【0020】
図4に示される例では、登録外着信拒否設定に対する現在の設定値は「OFF」となっており、登録されていない電話番号からの着信であっても通話可能な設定となっている。また、伝言メモ移行時間設定に対する現在の設定値は「60秒」となっており、着信してから60秒間受話操作を行わなかった場合には伝言メモ機能が起動する設定になっている。また、充電確認ランプ色設定に対する現在の設定値は「ブルー」となっており、本情報機器100を充電した際にはLEDランプ10が青色に点灯する設定となっている。
【0021】
アンケート関連情報記憶部70における記憶領域70b内の質問パターンデータは、メイン制御部40によって読み出されて、表示制御部41に入力される。表示制御部41は質問パターンデータに基づいて表示部5を制御し、当該表示部5に設定値決定用アンケートの質問内容を表示させる。操作部6が、ユーザによる設定値決定用アンケートに対する回答操作を受け付けると、当該回答操作の情報はメイン制御部40を介して設定値決定部43に入力される。記憶領域70c内の関連付けデータは、設定値決定部43によって読み出され、設定値決定部43は、関連付けデータと、設定値決定用アンケートに対する回答操作の情報とを使用した所定のアルゴリズム演算を行って機能設定項目に対する設定値を決定する。設定値決定部43で決定された設定値の情報は、設定値候補データとして設定情報記憶部72の記憶領域72cに記憶されるとともに表示制御部41に入力され、表示制御部41は、当該設定値の一覧を表示部5に表示させる。なお、機能設定項目に対する設定値の決定方法の詳細については後述する。
【0022】
操作部6は、表示している設定値に対するユーザによる変更操作を受け付けることが可能である。操作部6によって当該変更操作が受け付けられると、メイン制御部40は当該変更操作の情報に基づいて記憶領域72c内の現在の設定値候補データを変更後の設定値を示すデータに書き換えるとともに、変更後の設定値を表示制御部41を介して表示部5に表示させる。その後、ユーザによって、表示されている内容で設定値を確定する操作が操作部6に対して行われると、メイン制御部40は記憶領域72c内の設定値候補データを記憶領域72b内のデータに上書きする。これにより、本情報機器100内での各種機能設定項目に対する設定値の変更が確定し、その後、制御部4は変更後の設定値に基づいて動作を行う。
【0023】
また、設定値を表示している際に操作部6に対して所定の操作が行われると、記憶領域72d内のヘルプデータはメイン制御部40によって読み出されて、メイン制御部40はヘルプデータを表示制御部41に入力する。表示制御部41はヘルプデータに基づいて表示部5を制御し、当該表示部5に機能設定項目の説明を表示させる。例えば、図4に示されるような「登録外着信拒否設定」の説明としては、「登録されていない電話番号からの着信であれば通話不可能とする」といった内容を表示部5が表示する。
【0024】
記憶部7におけるコメント情報記憶部71は、設定値決定用アンケートに対する各種回答に対応した複数種類の性格診断コメントの情報を記憶している。この性格診断コメントは、設定値決定用アンケートに対して回答を行ったユーザの性格診断結果を示す内容であって、機能設定項目に対する設定値とは直接関係のないものである。コメント情報記憶部71内の性格診断コメントの情報は性格診断コメント取得部42によって読み出されて、メイン制御部40を介して表示制御部41に入力され、表示制御部41によって、設定値決定部43が決定した機能設定項目に対する設定値とともに性格診断コメントが表示部5に表示される。
【0025】
次に、本実施の形態に係る情報機器100における機能設定方法について詳細に説明する。図5は本実施の形態に係る情報機器100での機能設定方法を示すフローチャートである。図5に示されるように、ステップs1において、ユーザが操作部6に対して所定の操作を行うと、その操作情報がメイン制御部40に入力され、メイン制御部40はアンケート設定システムを起動させるためのメニューを表示制御部41を介して表示部5に表示する。そして、ステップs2において、ユーザが当該メニューを選択する操作を操作部6に対して行うと、その操作情報がメイン制御部40に入力されて、メイン制御部40は記憶部7内の所定のプログラムを読み出して実行し、アンケート設定システムを起動する。
【0026】
アンケート設定システムが起動されると、ステップs3において、メイン制御部40は、設定値決定用アンケートにおいて一番最初に表示する質問に対応した質問パターンデータをアンケート関連情報記憶部70から読み出して表示制御部41に出力し、表示制御部41は受け取った質問パターンデータに基づいて表示部5を制御する。これにより、表示部5には、設定値決定用アンケートにおける一番最初の質問が表示される。
【0027】
次にステップs4において、表示された質問に対する回答操作がユーザによって操作部6に対して行われると、その回答操作の情報がメイン制御部40に入力され、メイン制御部40は当該情報を設定値決定部43に入力する。そして、ステップs5において、メイン制御部40は設定値決定用アンケートにおけるすべての質問に対する回答操作が入力されたか否かを判断し、入力されていなければ、再度ステップs3が実行され、次の質問が表示部5に表示される。
【0028】
図6は設定値決定用アンケートの表示例を示す図である。図6に示されるように、例えば、表示部5の表示画面5aには、質問内容150と、当該質問内容150に対する回答を入力するための回答ボタン151n,151yと、これらの回答ボタン151n,151yを選択するための矢印カーソル152とが表示される。回答ボタン151yには「Yes」の文字が表示されており、回答ボタン151nには「No」の文字が表示されている。矢印カーソル152は、表示画面5a内を移動して、回答ボタン151n,151yを示すことが可能である。ユーザは操作部6を操作することによって、回答ボタン151n,151yのうち自身の回答に対応したボタンを矢印カーソル152が示すように当該矢印カーソル152を移動させ、その後、当該ボタンを選択する操作を操作部6に対して行う。そうすると、その操作情報がメイン制御部40を介して設定値決定部43に入力される。その後、次の質問内容150が表示画面5aに表示され、回答ボタン151n,151yのどちらかを選択する操作が操作部6に対して行われると、その操作情報が設定値決定部43に入力される。このようにして、設定値決定部43には、質問に対する回答情報が順次入力され、設定値決定部43は設定値決定用アンケートに対するユーザの回答を認識することができる。
【0029】
図6の例においては、左端と右端の表示画面5aでは回答ボタン151yが選択され、中央の表示画面5aでは回答ボタン151nが選択されている。選択されたボタンについては表示色と大きさが変化する。表示画面5aに表示する質問内容150の順番については、常に一定であっても良いし、アンケート設定システムを起動するたびにランダムに変更しても良い。
【0030】
図5を参照して、一方で、ステップs5において、設定値決定用アンケートにおけるすべての質問に対する回答操作が入力されたと判断されると、つまり設定値決定用アンケートに対する回答が終了すると、ステップs6において、設定値決定部43は、複数の機能設定項目に対する設定値を決定する。ステップs6では、まず、設定値決定部43は、受け取った質問の回答に対応する関連付けデータをアンケート関連情報記憶部70から読み出す。そして、設定値決定部43は、取得した関連付けデータに基づいて複数の機能設定項目に対する設定値を決定する。その後、設定値決定部43は、決定した当該設定値の情報をメイン制御部40に入力し、メイン制御部40は、当該設定値の情報を設定値候補データとして設定情報記憶部72に記憶する。なお、この時点では、決定された設定値はあくまでも候補であって、本情報機器100の動作には反映されない。
【0031】
さらにステップs6では、性格診断コメント取得部42が、ユーザによって入力された設定値決定用アンケートに対する回答に応じた性格診断コメントの情報をコメント情報記憶部71から読み出して取得し、メイン制御部40に出力する。
【0032】
次にステップs7では、メイン制御部40は、ステップs6で受け取った設定値の情報と性格診断コメントの情報とを表示制御部41に入力し、表示制御部41は表示部5に設定値の一覧を表示させるとともに、性格診断コメントを表示させる。
【0033】
図7は性格診断コメント及び設定値一覧の表示例を示す図である。図7に示されるように、例えば、表示画面5aの上方の表示領域200には、性格診断コメント205が表示される。また、表示画面5aの下方の表示領域201には、ステップs6で決定された設定値の一覧が表示される。本例では、表示領域201には、機能設定項目ごとに、その名称210と、それに対応する設定値を示すチェックボタン211とが横に並んで表示される。チェックボタン211が塗りつぶされていれば、それに対応する機能が実行され得る状態であって、塗りつぶされていなければ実行され得ない状態となる。
【0034】
また、表示領域201には、ユーザがチェックボタン211の状態を変更するための矢印カーソル212、つまり設定値の内容を変更するための矢印カーソル212が表示される。ユーザは、操作部6を操作することによって矢印カーソル212を表示領域201内で移動させ、複数のチェックボタン211を個別に選択することが可能である。
【0035】
また、表示領域201には、機能設定項目ごとに、名称210及びチェックボタン211と並んでヘルプボタン213が表示される。このヘルプボタン213は、対応する名称210が示す機能設定項目の説明を表示するためのボタンであって、上述の矢印カーソル212で選択することができる。
【0036】
さらに表示領域201には設定完了ボタン214が表示される。この設定完了ボタン214は、設定値を確定するためのボタンであって、設定完了ボタン214が選択されると、表示されている設定内容が本情報機器100の動作に反映される。設定完了ボタン214は、上述の矢印カーソル212で選択することができる。
【0037】
図5を参照して、ステップs7の実行後、ステップs8においてユーザが表示されている機能設定項目の内容が理解できると判断し、その後のステップs9において、ユーザがある機能設定項目に対する設定値を変更したいと判断すると、ステップs13において、ユーザは、操作部6を操作することによって、変更対象の設定値を示すチェックボタン211を矢印カーソル212が示すように当該矢印カーソル212を移動させ、その後、当該チェックボタン211を選択する操作を操作部6に対して行う。そうすると、その操作情報がメイン制御部40に入力される。その後、ステップs14において、メイン制御部40は、設定情報記憶部72に記憶されている設定値候補データを変更して該当する機能設定項目に対する変更後の設定値の情報を設定情報記憶部72に記憶するとともに、表示制御部41に対して、該当する機能設定項目の設定値を変更する旨を通知する。表示制御部41は、メイン制御部40からの通知に従って、変更対象のチェックボタン211の表示を表示部5に変更させる。これにより、ユーザが希望する内容に設定値が変更される。
【0038】
一方で、ステップs8において、ユーザがある機能設定項目の内容が理解できなと判断すると、ステップs11において、ユーザは、操作部6を操作することによって、対象の機能設定項目を示す名称210とともに並んで表示されているヘルプボタン213を矢印カーソル212が示すように当該矢印カーソル212を移動させ、その後、当該ヘルプボタン213を選択する操作を操作部6に対して行う。そうすると、その操作情報がメイン制御部40に入力される。その後、ステップs12において、メイン制御部40は、設定情報記憶部72から、選択されたヘルプボタン213に対応するヘルプデータを読み出して表示制御部41に入力する。表示制御部41は、受け取ったヘルプデータが示す内容を表示部5に表示させる。これにより、ユーザは、不明であった機能設定項目の内容を理解することができる。
【0039】
図8はヘルプデータの表示例を示す図である。図8に示されるように、機能設定項目の説明206は、例えば、表示画面5aにおける上方の表示領域200において、性格診断コメント205に対して上書き表示される。図8の機能設定項目の説明206では、「閲覧時毎回パスワードロック」の詳細な説明が示されている。
【0040】
図5を参照して、ステップs9において、ユーザが現在表示されている設定値で問題ないと判断すると、ユーザは操作部6を操作することによって、設定完了ボタン214を矢印カーソル212が示すように当該矢印カーソル212を移動させ、その後、設定完了ボタン214を選択する操作を操作部6に対して行う。そうすると、その操作情報がメイン制御部40に入力され、メイン制御部40は、ステップs10において、設定情報記憶部72の記憶領域72cに記憶されている設定値候補データを記憶領域72bに上書きして最終的な設定値を本情報機器100に登録する。これにより、アンケート設定システムの動作が完了し、以後の本情報機器100の動作は、記憶領域72bに記憶されている設定値に基づいて行われる。
【0041】
次に、上述のステップs6での設定値決定方法について詳細に説明する。図9は当該設定値決定方法を示す図である。図9に示されるように、アンケート関連情報記憶部70に記憶されている関連付けデータ300には、各質問に対応して、複数の機能設定項目のそれぞれに個別に対応した重み付けポイント301が含まれている。重み付けポイント301は、対応する質問に対する回答が「Yes」の場合のポイント301yと「No」の場合のポイント301nとで構成されている。
【0042】
例えば「近頃、齢をとったと感じるか?」という質問に対して「Yes」の回答を想定する場合には、「Yes→老眼であろう→ディスプレイを見やすくする→大きめの文字サイズを設定する」といった類推を論理的に行い、その類推結果に基づいて機能設定項目ごとにポイント301yの値を決定することができる。ポイント301nについても同様である。なお、質問内容とは全く関係しない機能設定項目に対応するポイント301n,301yの値はともに零に設定される。本実施の形態では、設定値を決定する際に不特定多数の人間の回答結果を集計する必要がないため、本実施の形態に係るアンケートは狭義のアンケートとは異なる。
【0043】
設定値決定部43は、設定値決定用アンケートの全質問に対する回答を受け取ると、ステップs6において、当該質問のそれぞれに関して、各機能設定項目に対応したポイント301n,301yのうち受け取った回答に応じた方のポイントをアンケート関連情報記憶部70の記憶領域70cから読み出して、機能設定項目ごとに全質問に対する読み出したポイントの総和を求める。図9に示される例では、質問No.1〜No.3に対する回答はそれぞれ「Yes」、「No」、「Yes」であるため、「登録外着信拒否設定」、「伝言メモ移行時間設定」及び「電話着信音量設定」に関するポイントの総和はそれぞれ「+4」、「−1」、「+3」となる。
【0044】
アンケート関連情報記憶部70には、図9に示されるように、設定値決定部43で求められるポイントの総和に基づいて各種機能設定項目に対する設定値を決定するための基準を示す決定基準情報400も記憶されており、設定値決定部43は、当該決定基準情報400をアンケート関連情報記憶部70から読み出す。そして、設定値決定部43は、決定基準情報400に基づいて、機能設定項目ごとに、求めたポイントの総和から設定値を決定する。決定基準情報400では、機能設定項目ごとにポイントの総和と採用すべき設定値との対応関係が示されており、ポイントの総和が求まれば設定値が決定されるようになっている。設定値決定部43は、当該対応関係を参照することによって、機能設定項目ごとに、求めたポイントの総和に応じて設定値を決定する。
【0045】
図9に示される例では、ポイントの総和が取り得る数値範囲が、「−2以下」、「−1〜1」、「2以上」の3つの範囲に区分されており、それぞれの区分に応じて機能設定項目ごとに採用すべき設定値が決められている。そして、図9の例では、上述のように「登録外着信拒否設定」に関する総和が「+4」であるため、その設定値は「ON」となり、「伝言メモ移行時間設定」に関する総和が「−1」であるため、その設定値は「10秒」となり、「電話着信音量設定」に関するポイントの総和が「+3」であるため、その設定値は「無音」となる。
【0046】
ステップs6においては、このようにして複数の機能設定項目に対する設定値が決定され、その後、当該設定値の一覧が表示部5に表示される。
【0047】
以上のように、本実施の形態に係る情報機器100では、設定値決定用アンケートに対する回答操作に基づいて複数の機能設定項目に対する設定値が決定されるため、ユーザは、親和性の高いアンケートに回答するだけで煩雑な操作を行うことなく簡便に複数の機能設定項目に対する設定を行うことができる。
【0048】
また、本実施の形態では、複数の機能設定項目に対する設定値が表示部5に表示されるため、ユーザは設定内容を視認することができ、容易に理解することができる。
【0049】
また、本実施の形態では、操作部6は、表示部5が表示している設定値に対する修正操作を受け付け、設定値決定部43は、当該修正操作に応じて設定値を修正している。そのため、ユーザは操作部6を操作することによって簡単に設定値を修正することができる。よって、ユーザは機能設定項目に関してより望ましい設定内容に変更することができる。
【0050】
また、本実施の形態では、機能設定項目に対する設定値とともに当該機能設定項目の説明が表示されるため、ユーザは、表示されている設定値によってどのような機能設定が行われるかを容易に理解することができる。
【0051】
また、本実施の形態では、機能設定項目に対する設定値とともに性格診断コメントが表示されるため、ユーザとって親しみやすい情報機器100を提供することができる。
【0052】
なお、本実施の形態では、本情報機器100が有するすべての機能設定項目に対して1種類の設定値決定用アンケートを用意したが、本情報機器100が有する機能設定項目を複数のグループに分割し、当該グループごとに設定値決定用アンケートを用意しても良い。例えば、セキュリティ設定に関する一群の機能設定項目に対応したセキュリティ設定用アンケートや、電話帳設定に関する一群の機能設定項目に対応した電話帳設定用アンケート、あるいは表示画面設定に関する一群の機能設定項目に対応した表示画面設定用アンケートを準備し、それらのアンケートをユーザが任意に選択できるようにする。そして、これらのアンケートのうちユーザがあるアンケートを選択すると、当該アンケートを表示して、ユーザに回答を促す。ユーザが表示されたアンケートに回答すると、当該回答に基づいて当該アンケートに対応した一群の機能設定項目に対する設定値を決定して表示する。そして、別のアンケートが選択されると、同様に、当該アンケートを表示して、当該アンケートに対する回答が入力されると、当該回答に基づいて当該アンケートに対応した一群の機能設定項目に対する設定値を決定して表示する。このように、関連性のある一群の機能設定項目単位で設定値を決定しても良い。
【0053】
また、本実施の形態では、性格診断コメントは、設定値決定用アンケートに対する回答の種類ごとに予め準備されていたが、性格診断コメント取得部42において、設定値決定用アンケートに対する回答に応じて性格診断コメントを生成しても良い。例えば、設定値決定用アンケートに対する回答に応じて、予め用意されている短いフレームを所定の規則に従って複数組み合わせて性格診断コメントを生成しても良い。
【0054】
また、本実施の形態では、ユーザの操作部6に対する操作によってアンケート設定システムを起動しているが、これに加えて、ユーザが本情報機器100を購入した後の初回起動時には必ずアンケート設定システムが起動するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態に係る情報機器の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る制御部及び記憶部の機能ブロックを示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るアンケート関連情報記憶部の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る設定情報記憶部の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る情報機器での機能設定方法を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係る表示部での設定値決定用アンケートの表示例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る表示部での性格診断コメント及び設定値一覧の表示例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る表示部でのヘルプデータの表示例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る設定値決定部での設定値決定方法を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
5 表示部、6 操作部、42 性格診断コメント取得部、43 設定値決定部、70 アンケート関連情報記憶部、100 情報機器、205 性格診断コメント、206 機能設定項目の説明、211 チェックボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンケートを表示する表示部と、
前記アンケートに対する回答操作を受け付ける操作部と、
複数の機能設定項目に対する設定値を前記回答操作に基づいて決定する設定値決定部と
を備える、情報機器。
【請求項2】
請求項1に記載の情報機器であって、
前記表示部は、前記設定値決定部で決定された前記設定値を表示する、情報機器。
【請求項3】
請求項2に記載の情報機器であって、
前記操作部は、前記表示部に表示されている前記設定値に対する修正操作を受け付け、
前記設定値決定部は、決定した前記設定値を前記修正操作に応じて修正する、情報機器。
【請求項4】
請求項2及び請求項3のいずれか一つに記載の情報機器であって、
前記機能設定項目の説明を記憶する記憶部をさらに備え、
前記表示部は、前記設定値とともに前記機能設定項目の説明を表示する、情報機器。
【請求項5】
請求項2乃至請求項4のいずれか一つに記載の情報機器であって、
前記操作部が受け付けた前記回答操作に対応する性格診断コメントを取得する性格診断コメント取得部をさらに備え、
前記表示部は、前記設定値とともに前記性格診断コメントを表示する、情報機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−226694(P2007−226694A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−49508(P2006−49508)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】